JP2001506309A - 残油フィードストックから高収量のオレフィンを得るための2段処理方法 - Google Patents

残油フィードストックから高収量のオレフィンを得るための2段処理方法

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Abstract

(57)【要約】 残油フィードストックから大量のオレフィン系生成物を得るための2段処理方法。第1段階で使用される熱処理ユニットには流動高温粒子の水平移動床を備えた反応域が含まれる。この反応域は約500〜600℃の温度で運転され、短い蒸気滞留時間を有する。また第2段階の熱変換域は、約700℃〜約1100℃の温度で運転され、同様に短い蒸気滞留時間を有する。

Description

【発明の詳細な説明】 残油フィードストックから高収量のオレフィンを得るための2段処理方法 発明の背景 本発明は、残油フィードストックから大量のオレフィン系生成物を得るための 2段処理方法に関する。第1段階で使用される熱処理ユニットには、流動高温粒子 の水平移動床を備えた反応域が含まれる。この反応域は約500〜600℃の温度で運 転され、短い蒸気滞留時間を有する。また第2段階の熱変換域は、約700℃〜約11 00℃の温度で運転され、短い蒸気滞留時間、好ましくは第1段階の反応域のもの よりも短い蒸気滞留時間を有する。発明の背景 典型的な精油所において、原油は、常圧蒸留にかけられ、軽油、灯油、ガソリ ン、直留ナフサなどのより軽質の留分に変換される。ガソリン沸点領域の石油留 分(ナフサなど)および熱や触媒を用いてガソリン沸点領域の生成物に容易に変換 できる留分(灯油など)は、精油所の中で最も価値ある生成物流である。常圧蒸留 から得られる残油は、大気圧未満の圧力で蒸留することにより、減圧軽油留分お よび比較的高レベルのアスファルテン分子を含有する場合の多い減圧抜頭残油に 変換される。こうしたアスファルテン分子は、一般に、残油中のほとんどのコン ラドソン残留炭素分および金属成分を含む。アスファルテン分子は、また硫黄や 窒素などのヘテロ原子を比較的高レベルで含む。このようなフィードストックは 商業的価値がほとんどない。なぜなら、環境規制が絶えず厳しさを増しているた め、燃料油として利用できないからである。こうしたフィードストックは、また 流動接触分解などの精油所プロセス用のフィードストックとしての価値もほとん どない。なぜなら、過剰量のガスやコークスを生成す るからである。更に、金属含有量が多いため触媒の失活を招く。従って、石油精 製処理において、残油フィードストックを利用するためのより良い方法または残 油フィードストックを、より価値の高い、よりクリーンな、しかもより軽質のフ ィードストックにグレードアップするためのより良い方法が必要である。 残油フィードストックとは異なり、軽油のようなより価値の高いフィードスト ックは、流動接触分解にかけられて輸送機関用燃料に変換されたり、スチームク ラッカ中で処理されてオレフィン系化学生成物に変換される。スチームクラッカ は、加熱コイルを備えた熱処理ユニットであり、この中では水蒸気の存在下にお いて約540〜800℃の温度でフィードストックの分解が行われる。軽油はこのよう な目的に対して適切なフィードストックであるが、輸送機関用燃料の製造に好ま しいフィードストックであることから、比較的高価なフィードストックでもある 。経済的な観点から見れば、残油フィードストックなどのより低価値のフィード ストックをスチームクラッカ中で使用することが望ましいであろうが、こうした フィードストックは、過剰な分解、コークスの生成、更には分解用コイル中での コークスの析出を起こし易く、従って、過熱や装置の閉塞を起こすことになるの で、このような用途には一般に適さない。そのうえ、プロセス温度において水蒸 気がコークスと反応して多量のCOを生成する可能性があることも分かっている。 このように多量のCOが生成すると、生成物の蒸気が希釈され、生成物の回収が極 めて複雑になる。 これらの問題を克服する試みが米国特許第2,768,127号でなされた。この特許 には、残油フィードストックを利用して芳香族系およびオレフィン系の生成物流 を形成することについての教示がある。このことは、約675〜760℃の温度に保持 されたコークス粒子の流動床中で、残油フィードストックを接触させることによ って達成される。 このような方法は有用であるが、生成物蒸気の過剰な分解を起こすことなく残油 フィードストックからオレフィン系生成物を得るための改良された方法が依然と して必要とされている。 1996年2月22日に出願された同時係属出願の米国特許出願第08/606,153号(参照 により本明細書に組み入れる)には、流動高温粒子の水平移動床を備えた蒸気接 触時間の短い熱処理ユニットを利用して、残油フィードストックから大量のオレ フィン系生成物を得るための1段階法についての教示がある。このような方法は 、当技術分野全体にわたる改良であるが、より高温領域における更なる改良が依 然として必要とされている。発明の概要 本発明によれば、残油フィードストックからオレフィンを製造する方法におい て、該方法は、残油フィードストックを下記2段階で変換することを含み、 (1)次の(i)と(ii)からなる第1段階 (i)流動高温固体の水平移動床を備えた第1段階の反応域であって、該反応域は 、約500℃〜約600℃の温度でかつ固体滞留時間と蒸気滞留時間が独立に制 御される条件下で運転され、蒸気滞留時間が約2秒未満かつ固体滞留時間が 約5〜約60秒である第1段階の反応域 (ii)炭素質析出物を表面上に有する固体が該反応域から送り込まれ、ストリッ ピングガスを用いてより低沸点の炭化水素および揮発分の回収が行われる ストリッピング域 (2)第2段階 約700℃〜約1100℃の温度および約1秒未満の蒸気滞留時間で運転される第2 段 階の反応域 また該方法は、該第1段階および該第2段階は共通の加熱域を共有し、さらに該方 法は、下記工程(a)〜(k)からなることを特徴とする残油フィードストックからオ レフィンを製造するための2段処理方法が提供される。 (a)該残油フィードストックを該第1段階の反応域に通す工程であって、該残油フ ィードストックを流動高温固体と接触させることにより、蒸発画分と、表面上 に大量のコンラドソン炭素成分および金属含有成分が析出した固体画分とを得 る工程 (b)該固体画分から該蒸発画分を分離する工程 (c)該固体画分をストリッピング域に通す工程であって、該固体画分をストリッ ピングガスと接触させることにより、該固体画分から低沸点炭化水素および揮 発性物質を除去する工程 (d)ストリッピングされた該固体を該加熱域に通す工程であって、煙道ガスが生 成しかつ該固体を該第1段階の反応域に通したときに該第1段階の反応域の運転 温度が保持される有効温度まで、酸化雰囲気中で該固体を加熱する工程 (e)該加熱域の該固体から該煙道ガス生成物を分離する工程 (f)該加熱域から該第1段階の反応域に高温固体を循環させ、該第1段階の反応域 において該高温固体を新しいフィードストックと接触させる工程 (g)該第1段階の蒸発画分を該第2段階の反応域に通す工程であって、約700℃〜約 1100℃の温度および約1秒未満の蒸気滞留時間で該蒸発画分を高温固体と接触 させる工程 (h)固体画分から蒸気画分を分離する工程 (i)該固体画分を該加熱域に通す工程 (j)高温固体を該加熱域から該第2段階の反応域に送り、該第2段階の反応域にお いて該高温固体を該第1段階の反応域から送られた蒸気生成物と接触させる工 程 (k)蒸気画分を該第2段階の反応域から回収する工程 本発明の好ましい実施形態においては、第2段階の反応域から得られた蒸気生 成物を、分解が起こる温度よりも低い温度まで急冷し、大量のオレフィンを含有 する蒸気相生成物を回収する。図面の簡単な説明 本明細書に1つだけ添付した図面は、本発明の好ましい実施形態を示す模式的 な流れ図であるが、これに限定されるものではない。発明の詳細な説明 本発明で使用するのに好適な残油フィードストックは、約480℃を超える沸点 、好ましくは約540℃を超える沸点、より好ましくは約560℃を超える沸点を有す る石油系油分である。このような石油系油分としては、例えば、減圧残油、常圧 残油、重質抜頭石油原油;ピッチ;アスファルト;ビチューメン;タールサンド 油;頁岩油;スラッジ、スロップ油、重質炭化水素質廃物、および潤滑油抽出物 が挙げられるが、これらに限定されるものではない。このような残油フィードス トックには、少量のより低沸点の物質も含まれる可能性があると考えられる。こ れらのフィードストックは、過度にコークス化するため、一般的には、オレフィ ン系生成物を製造するためにスチームクラッカへのフィードストックとして使用 することはできない。このようなフィードストックは、典型的には少なくとも5 重量%、通常は約5〜50重量%のコンラドソン炭素含有量を有するであろう。コン ラドソン残留炭素に関しては、ASTM試験D189-165を参照されたい。 本発明によれば、オレフィン系生成物は、2段階系において残油フィードスト ックから製造される。この2段階系の第1段階には、固体滞留時間と蒸気滞留時間 とが独立に制御される水平流動床反応域が含ま江第2段階には、第1段階よりも少 なくとも約100℃高い温度で運転される反応域が含まれる。また、この第2段階の 蒸気滞留時間も短いが、好ましくは第1反応段階のものよりも短い。次に、本明 細書に1つだけ添付した図面を参照して説明する。この図面において、残油フィ ードストックは、管路10を介して反応域1に供給される。反応域1は、管路22を介 してヒータ5から送られる流動高温固体の水平移動床を具備し、約500℃〜約600 ℃の温度で運転される。この反応域中の固体は、機械的な手段を利用して流動化 される。典型的には、水蒸気などの流動ガスや機械的手段を利用して、更にはフ ィードストックの画分を蒸発させることによりin-situで生成させた蒸気を用い て、粒子を流動化させる。機械的手段は、軸方向の逆混合の量がわずかで比較的 混合効率の高いことを特徴とする機械的混合系であることが好ましい。このよう な混合系は、反応域中の実質的にすべての粒子の滞留時間が実質的に同じになる ことを保証する流動パターンをもつプラグ流れ系のように作用する。最も好まし い機械的混台機は、独国ルルギ社(Lurgi AG)製のLRミキサまたはLRフラッシュコ ーカと呼ばれるミキサであり、このミキサは、当初はオイルシェール、石炭、お よびタールサンドを処理するために設計されたものであった。LRミキサは、粒子 の流動化を助長する2つの水平方向を向いた回転スクリューからなる。固体粒子 はコークス粒子であることが好ましいが、任意の他の好適な耐火性粒状物質であ ってもよい。このような他の好適な耐火性粒状物質としては、例えば、シリカ、 アルミナ、ジルコニア、マグネシア、ムライト、合成により得られるかまたは天 然に産する物質(具体的には、軽石、クレー、多孔質珪藻土、珪藻土、ボーキサ イトなど)からなる群より選ばれる物質が挙げられるが、これらに限定されるも のではない。この固体が不活性である場合またはこの固体が触媒特性を有する場 合も、本発明の範囲 内にある。固体の平均粒子サイズは、約40ミクロン〜2,000ミクロン、好ましく は約200ミクロン〜約1,200ミクロンであろう。 フィードストックは、コンラドソン炭素含有量の多い成分および金属含有量の 多い成分のかなりの部分を高分子量炭素物質および金属物質の形態で高温固体粒 子上に析出させるべく十分に高い温度で、かつ大量のオレフィン系生成物を生じ るほど高くない温度で、流動高温固体と接触させる。こうした接触は、好ましく は約500℃〜約600℃、より好ましくは約530℃〜約570℃の温度で行われるであろ う。フィードストックの残りの部分は、高温固体と接触させると蒸発するであろ う。反応域1中の蒸気生成物の滞留時間は、二次的な分解を実質的に最小限に抑 えるのに有効な時間であろう。この時間は、典型的には約2秒未満であろう。反 応域中の固体の滞留時間は、約5〜60秒、好ましくは約10〜30秒であろう。この 第1段階の反応域の新規な1態様では、固体の滞留時間と蒸気相の滞留時間を独立 に制御することができる。ほとんどの流動床プロセスおよび固定床プロセスは、 特に、比較的短い蒸気滞留時間の場合、固体滞留時間と蒸気滞留時間を独立に制 御できない設計になっている。また、蒸気接触時間の短いプロセスユニットは、 固体対フィードストックの比が約30〜1、好ましくは20〜1、より好ましくは約10 〜1、最も好ましくは約5〜1となるように運転させることが好ましい。固体対フ ィードストックの正確な比は、主に、蒸気接触時間の短い反応域の熱収支要件に 依存するであろうと考えられる。固体対フィードストックの比を熱収支要件と関 連づけることは、当該技術の範囲内にあり、従って、本明細書中ではこれ以上詳 しい説明は行わない。フィードストックの一部分は、可燃性炭素質物質の形態で 固体上に析出するであろう。金属成分もまた固体上に析出するであろう。従って 、蒸発部分は、最初のフィードストックと比較した場合、コンラドソン炭素およ び金属の量がいずれもかなり低下しているであろう。 表面上に析出した炭素質物質を有する固体は、管路13を介して第1段階の反応 域1からストリッパ3中の固体床15に送られる。固体は、ストリッパ中を通って下 方に送られるが、その底部のストリッピング域を通るときに、管路17を介してス トリッピング域中に導入されたストリッピングガス(好ましくは水蒸気)を用いて 、より低沸点の炭化水素および残存するあらゆる揮発分(すなわち、蒸発させる ことのできる物質)が固体から除去される。ストリッピングされた固体は、管路1 9を介して補助バーナ4中に送られ、更に、リフトパイプ21を通ってヒータ5に移 される。補助バーナ4は、ヒータ5に熱を供給する。任意の好適な燃料を補助バー ナ4中で使用することができる。例えば、本プロセスで発生する高温の煙道ガス またはメタンを使用することができる。加熱域5は、典型的には、約0〜150psig の圧力、好ましくは約15〜約45psigの圧力で運転されるであろう。加熱域中では いくらかの炭素質残渣が燃焼して固体から除去されるであろうが、ヒータを通っ た後で固体が燃料としての価値をもつように、一部分だけを燃焼させることが好 ましい。加熱域5は、好ましくは、第1の反応域1の温度を保持すべく十分に高い 温度で運転されるであろう。この温度は、好ましくは約550℃〜約650℃、より好 ましくは約580℃〜約620℃であろう。過剰の固体は、管路23を介してプロセスユ ニットから除去することができる。煙道ガスは、管路25を介しでヒータ5の頭部 から除去される。煙道ガスをサイクロン系(図示せず)に通すことにより、ほとん どの微粉を除去することができる。ダストが除去された煙道ガスは、更に廃熱回 収系(図示せず)中で冷却され、洗浄集塵処理にかけられて汚染物質および粒状物 質が除去され、COボイラ(図示せず)中で燃焼させることにより水蒸気を発生する ことになろう。 第1段階の反応域で得られた蒸発画分は、管路11を介して第2段階の反応域の反 応器 2に送られる。この第2段階の反応域の運転温度は、約700〜約1,100℃、好ましく は約700℃〜約900℃である。この第2段階を構成しうるように設計された反応器 としては、例えば、固体が下方に流動し、この下方に移動する固体を通り抜けて 蒸気が上方に流動する向流式反応器が挙げられるが、これに限定されるものでは ない。第2段階の反応器は、固体と蒸気の両方が上方に流動する上昇管型反応器 であってもよい。第2段階の反応器は、短い蒸気接触時間が得られるように任意 に設計可能であるが、上述した向流式のものが好ましい。この反応域の蒸気接触 時間は、好ましくは約1秒未満、より好ましくは約0.5秒未満である。高温固体は 、管路27を介してヒータ5から送られ、第2段階の反応器2を通って下方に流動す る。加熱域5は、好ましくは約650℃を超えない温度で運転されるので、固体が、 反応域2の運転温度の保持を可能にする温度をもつように、加熱域5から反応域2 に送られる固体を加熱する必要がある。加熱域5から反応域2に流動する固体をこ のように更に加熱する処理は、管路29を介して追加の燃料および空気を導入する ことによって、トランスファ管路27の上部で行うことができる。反応域2中を下 方に流動する固体は、管路11を介して第1段階の反応域から第2段階の反応域中に 導入された向流蒸気生成物流と出合う。高温固体は、第2段階の反応域を出て、 管路31を介して補助バーナ4中に送られ、更にリフトパイプ21を通ってヒータ5に 移される。好ましくは蒸気相中の低沸点領域の炭化水素を、管路33を介して第2 段階の反応域2の上部に注入し、反応生成物を急冷することにより、有害な二次 的な分解を実質的に低減させてもよい。このためには、好ましくは蒸気相生成物 の温度を100℃〜200℃低下させることが必要であろう。急冷媒体は、任意の好適 な炭化水素であってよく、具体的には、液体石油ガスおよび留分が挙げられるが 、これらに限定されるものではない。系への補助フィードストックの添加を、管 路35を介して第2段階の反応域2中に導入することにより行ってもよい。このよう な補助フィードストックとしては、例えば、C2〜C4パラフィン、ナフサ、および 軽質留分がげられるが、 これらに限定されるものではない。 かなりのオレフィン含有量を有する反応生成物が、管路37を介して第2段階の 反応器2から送出され、スクラッバ6に送られ、ここで更に好ましくは約450℃未 満、より好ましくは約340℃未満の温度まで急冷される。重質生成物は、いずれ の粒状物質も含めて管路39を介して除去されるが、これを第1段階の反応域1に再 循環させてもよい。スクラッバ3から得られる軽質生成物は、管路41を介して頭 部より除去される。軽質生成物には、かなりの量のオレフィンが含まれる。例え ば、この軽質生成物は、典型的には、510℃未満の生成物流であり、フィードス トックの全重量を基準に、約7〜10重量%のメタン、12〜18重量%のエチレン、7〜 12重量%のプロピレン、および6〜9重量%の不飽和C4(例えば、ブテンおよびブタ ジエン)を含有するであろう。 この蒸発部分には、かなりの量のオレフィン系生成物が、典型的には生成物流 の全重量を基準に約20〜50重量%、好ましくは約25〜50重量%、より好ましくは約 30〜50重量%の範囲で含まれるであろう。本発明を実施することにより得られる 生成物流中のオレフィン部分には、フィードストックを基準に約5〜15重量%、好 ましくは約7〜10重量%のメタン、約10〜20重量%、好ましくは約12〜18重量%のエ チレン、および約5〜15重量%、好ましくは7〜12重量%のプロピレンが含まれるで あろう。 以下の実施例を提示することにより、残油フィードストックから高収量のオレ フィンを得るためには、短い接触時間のプロセスモードが重要であることを示す 。実施例 サウスルイジアナ(South Louisiana)減圧残油をフィードストックとして使 用し、 接触時間の短い流動コーキングパイロツトユニットに100バレル/日の供給速度 で供給した。パイロットユニットの温度は745℃であり、蒸気滞留時間は1秒未満 であった。推定された転化率および生成物収率は、以下の表1に示されている。 表I 温度℃ 745 C3- 転化率、フィードストック基準の重量% 35 ガス 収率、フィードストック基準の重量%メタン 7〜10 エチレン 14〜16 プロピレン 9〜12 不飽和C4 6〜9液体収率、フィードストック基準の重量% C5/220℃ 17.5 220℃/340℃ 8.0 340℃+ 13.0 合計C5 + 38.5 コークス 全量、フィードストック基準の重量% 18.7 オレフィン/パラフィン 、重量比エチレン/エタン 6.0 プロピレン/プロパン 19.0 ブチレン/ブタン 30.0
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AU ,BA,BB,BG,BR,CA,CN,CU,CZ, EE,GE,HU,IL,IS,JP,KP,KR,L C,LK,LR,LT,LV,MG,MK,MN,MX ,NO,NZ,PL,RO,SG,SI,SK,SL, TR,TT,UA,UZ,VN,YU (72)発明者 ジャコブソン,ミチェル アメリカ合衆国,ニュージャージー州 07950 ウェスト オレンジ プロスペク ト アヴェニュー 454―49

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.残油フィードストックからオレフィンを製造する方法であって、該方法は 、残油フィードストックを下記2段階で変換することを含み、 (1)次の(i)と(ii)からなる第1段階 (i)流動高温固体の水平移動床を備えた第1段階の反応域であって、該反応 域は、約500℃〜約600℃の温度でかつ固体滞留時間と蒸気滞留時 間が独立に制御される条件下で運転され、蒸気滞留時間が約2秒未満か つ固体滞留時間が約5〜約60秒である第1段階の反応域 (ii)炭素質析出物を表面上に有する固体が該反応域から送り込まれ、スト リッピングガスを用いてより低沸点の炭化水素および揮発分の回収が行 われるストリッピング域 (2)第2段階 約700℃〜約110℃の温度および約1秒未満の蒸気滞留時間で運転 される第2段階の反応域 また該方法は、該第1段階および該第2段階は共通の加熱域を共有し、さらに該 方法は、下記工程(a)〜(k)からなることを特徴とする残油フィードストッ クからオレフィンを製造するための2段処理方法。 (a)該残油フィードストックを該第1段階の反応域に通す工程であって、該残 油フィードストックを流動高温固体と接触させることにより、蒸発画分と、 表面上に大量のコンラドソン炭素成分および金属含有成分が析出した固体画 分とを得る工程 (b)該固体画分から該蒸発画分を分離する工程 (c)該固体画分をストリッピング域に通す工程であって、該固体画分をストリ ッピ ングガスと接触させることにより、該固体画分から低沸点炭化水素および揮 発性物質を除去する工程 (d)ストリッピングされた該固体を該加熱域に通す工程であって、煙道ガスが 生成しかつ該固体を該第1段階の反応域に通したときに該第1段階の反応域 の運転温度が保持される有効温度まで、酸化雰囲気中で該固体を加熱する工 程 (e)該加熱域の該固体から該煙道ガス生成物を分離する工程 (f)該加熱域から該第1段階の反応域に高温固体を循環させ、該第1段階の反 応域において該高温固体を新しいフィードストックと接触させる工程 (g)該第1段階の蒸発画分を該第2段階の反応域に通す工程であって、約70 0℃〜約1100℃の温度および約1秒未満の蒸気滞留時間で該蒸発画分を 高温固体と接触させる工程 (h)固体画分から蒸気画分を分離する工程 (i)該固体画分を該加熱域に通す工程 (j)高温固体を該加熱域から該第2段階の反応域に送り、該第2段階の反応域 において該高温固体を該第1段階の反応域から送られた蒸気生成物と接触さ せる工程 (k)蒸気画分を該第2段階の反応域から回収する工程 2.該第2段階の反応域から得られる蒸気生成物は、分解の起こる温度よりも 低い温度まで急冷され、大量のオレフィンを含有する蒸気相生成物が回収される ことを特徴とする請求の範囲1記載の2段処理方法。 3.該第1段階の蒸気滞留時間は、約2秒未満であることを特徴とする請求の 範囲1記載の2段処理方法。 4.該残油フィードストックは、減圧残油、常圧残油、重質抜頭石油原油;ピ ッチ;アスファルト;ビチューメン;タールサンド油;頁岩油;スラッジ、スロ ップ油、重質炭化水素質廃物、および潤滑油抽出油からなる群より選ばれること を特徴とする請求の範囲1記載の2段処理方法。 5.該残油フィードストックは、減圧残油であることを特徴とする請求の範囲 4記載の2段処理方法。 6.該第1段階の反応域の固体滞留時間は、約10〜30秒であることを特徴 とする請求の範囲3記載の2段処理方法。 7.蒸気接触時間の短い該第1段階の反応域の粒子は、機械的手段を利用して 流動化されることを特徴とする請求の範囲1記載の2段処理方法。 8.該機械的手段は、反応器内に水平に配置されたスクリューのセットからな ることを特徴とする請求の範囲7記載の2段処理方法。 9.該第2段階の反応域は、向流モードで運転されることを特徴とする請求の 範囲1記載の2段処理方法。 10.該第2段階の反応域は、上昇管型反応器を用いて並流モードで運転され ることを特徴とする請求の範囲1記載の2段処理方法。
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