JP2001505697A - 書換え型スマートカード・メモリにデータを記憶する方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 この記憶方法は、ＩＳＯ基準７８１６−４によって提供された透過型（５）またはレコード型（４）の固定長の基本ファイルに、それが記憶するレコードのサイズに常に適合した容量を有する可変長の基本ファイル（７）を追加し、この新しいタイプのファイルを、ＩＳＯ基準７８１６−４に準拠し、所有権を主張できる命令のクラスに属するマイクロ命令で管理することにある。この新しいタイプの可変長基本ファイルにより、ＩＳＯ基準７８１６−４に準拠し、データ記憶レベルでデータ圧縮技術を実施する新しいスマートカードを構想することが可能となり、これは、スマートカードのデータ記憶容量が制限されていることを考慮すると特に有益である。

Description

【発明の詳細な説明】 書換え型スマートカード・メモリにデータを記憶する方法 本発明は、マイクロプロセッサ・スマートカードへのデータの記憶に関する。 スマートカードは一般に、メモリおよびマイクロコントローラをベースとする マイクロ回路を備えたクレジット・カードまたはトークンの形式のカードであり 、これらは例えば銀行または健康（ｈｅａｌｔｈ）のトランザクションを実行す ることができるようになっている。これらは、それらがメッセージを交換する読 取り機によってその環境と通信し、ＩＳＯ基準７８１６−４に準拠する。トラン ザクションを実行するには、それらは、ＥＥＰＲＯＭ（Ｅｌｅｃｔｒｉｃａｌｌ ｙ Ｅｒａｓａｂｌｅ Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅ ｍｏｒｙ）と呼ばれる再プログラム可能な組込みメモリ中で、ある一定数の情報 項目を保存および更新する必要がある。 従来は、スマートカードのＥＥＰＲＯＭへのデータの記憶は、ＩＳＯ基準７８ １６−４により、 定義ヘッダ、およびその中に入っている第２のレベルのファイルにタグ付けす るためのヘッダを備えた、ＥＥＰＲＯＭメモリのスペースのアクセス可能部分か らなる、主ファイルと呼ばれる第１のレベル、 定義ヘッダ、およびその中に入っている第３のレベルのファイルにタグ付けす るためのヘッダをそれぞれ備えた、ディレクトリ・フ ァイル（または専用ファイル）である第２のレベル、ならびに レコードのデータがファイル内に構築されず、書込みおよび読取りのアドレッ シングがスマートカード中で実行されているトランザクションを制御するアプリ ケーション・プログラムに委任される透過型、またはスマートカードのマイクロ コントローラのオペレーティング・システムによって管理される固定サイズのブ ロック中にデータが記憶されるレコード型の２つのタイプの、いわゆる基本ファ イルである第３のレベル という、３つのレベルのファイルに編成されてきた。 スマートカードのＥＥＰＲＯＭにデータを記憶するシステムでは、ＩＳＯ基準 ７８１６−４によって定められるように、実際にデータが記憶される許可された ２つのタイプの基本ファイルが固定長であるので、スマートカード中で実行され ているトランザクションを制御するアプリケーション・プログラムは、それがス マートカードのＥＥＰＲＯＭメモリに記憶しようとするデータ・ブロックのサイ ズを知らなければならない。この制限により、この場合にはスマートカード中で 実行されているトランザクションを制御するアプリケーション・プログラムが、 実際に記憶されることになる圧縮後のデータ・ブロックの長さを制御しなくなる ので、スマートカード内でデータが圧縮されなくなる。 本発明の目的は、ＩＳＯ基準７８１６−４の知的所有権のある（ｐｒｏｐｒｉ ｅｔａｒｙ）命令によって管理される、可変長基本ファイル（またはレコード可 変ファイル）と呼ばれる新しいタイプの第３のレベルのファイルを、この基準と の上位互換性を維持するように作成することにより、この制限を回避することで ある。 本発明の主題は、書換え型スマートカード・メモリにデータを記憶する方法で あって、データの少なくとも一部分を、この書換え型メモリの固定長かつ個別に は低容量であるドメインの可変長連鎖からそれぞれ構成された可変長の基本ファ イルに記憶することにあり、前記連鎖のドメインが、実際に記憶されるデータ項 目の数に関連して変化するドメイン割付テーブルによってタグ付けされることを 特徴とする方法である。 前記の可変長の基本レコード・ファイルは、ホスト・ディレクトリ・ファイル の管理領域に配置された、連鎖の開始を突き止めるヘッダ、および連鎖の関連す るドメインのメンバシップすなわちその占有状態を識別し、その連鎖中の次のド メインを突き止める、各ドメインの開始または末端に配置されたリンクからそれ ぞれ構成されるドメインを割り付けるためのテーブルを含む、可変タイプのより 大きなディレクトリ・ファイルの一部となると有利である。 可変長の前記基本ファイルは、個別のディレクトリ・ファイル内で固定長の基 本ファイルと共存し、命令クラス・フィールド、命令フィールド、およびパラメ ータ・フィールドといったいくつかの連続したフィールドからなるコマンドに応 答するオペレーティング・システムによって管理されると有利である。この命令 クラスにより、可変長のファイルを含む可変タイプのディレクトリ・ファイルと 固定長のファイルを含む固定タイプのディレクトリ・ファイルとを区別すること が可能となり、各基本ファイルは、単独の、またはより高レベルで介入するアプ リケーション・プログラムが依存するオペレーティング・システムにより、その 種類に従って管理される。 本発明のその他の特徴および利点は、例示を目的として与えた以 下の実施形態についての記述から明らかになるであろう。この記述は、図面と関 連づけて与える。 図１は、ＩＳＯ基準７８１６−４と上位互換性のある、スマートカードにデー タを記憶するための本発明による方法から生じるものなどの、スマートカードの 書換え型読取り専用メモリの占有図を示す概略図である。 図２は、図１に示す可変タイプのディレクトリ・ファイルの構成を示す詳細図 である。 ＩＳＯ基準７８１６−４によれば、スマートカードのＥＥＰＲＯＭのタイプの 書換え型メモリへのデータの記憶は、 管理領域２１が追加された記憶領域２０を有する、ＥＥＰＲＯＭメモリのメモ リ・スペースのアクセス可能部分１全体を占める主ファイル「Ｍａｉｎ Ｆｉｌ ｅ ＭＦ」２からなる第１のレベル、 同様に管理領域３１が追加された記憶領域３０を有する、ディレクトリ・ファ イル「Ｄｅｄｉｃａｔｅｄ ｆｉｌｅ ＤＦ」３である第２のレベル（これらの ディレクトリ・ファイルＤＦ３は、主ファイル２内でディレクトリ・ファイルＤ Ｆ３をカタログし、その位置を正確に示すヘッダ（ディレクトリ・ファイル開始 アドレスやディレクトリ・ファイルのサイズなど）をその管理領域２１中に有す る主ファイルＭＦ２の記憶領域２０を占める）、ならびに ディレクトリ・ファイルＤＦ３内で基本ファイルＥＦ４、５をカタログし、そ の位置を正確に示すヘッダ（基本ファイルのタイプ、基本ファイルＥＦ４、５の 開始のアドレス、基本ファイルのサイズなど）をディレクトリ・ファイル３に含 まれる管理領域３１中に有する、ディレクトリ・ファイルＤＦ３の記憶領域３０ を占める、基 本ファイル「Ｅｌｅｍｅｎｔａｒｙ Ｆｉｌｅ ＥＦ」４、５である第３のレベ ル という、３つのレベルに編成されたファイル・システムの助けで実行される。 ただし、ＩＳＯ基準７８１６−４によれば、基本ファイルは、固定サイズのブ ロックにデータが記憶される、固定サイズのいわゆるレコード型基本ファイル「 Ｒｅｃｏｒｄ ＥＦ」４、ならびにデータが構築されず、相対的な書込みおよび 読取りのアドレッシングがスマートカード中でのトランザクションの実行を制御 するアプリケーション・プログラムに委任される、やはり固定サイズのいわゆる 透過型基本ファイル「Ｔｒａｎｓｐａｒｅｎｔ ＥＦ」５という、２つのタイプ となる。 レコード型４または透過型５の基本ファイルしか含まないこのような記憶シス テムでは、スマートカードの助けでトランザクションの実行を制御するアプリケ ーション・プログラムは、そのカードに記憶しようとするデータのブロックの長 さを知らなければならない。これにより、トランザクションの実行を制御するア プリケーション・プログラムがオペレーティング・システムのレベルでの圧縮の 結果を認識せず、それを考慮に入れてスマートカードへのメモリ書込み中にメモ リ空間を節約することができないので、より低レベルのオペレーティング・シス テムで実施されるデータ圧縮処理の利益はなくなる。それでも、スマートカード のデータ記憶容量には制限があるので、オペレーティング・システムのレベルで のデータ圧縮はスマートカードでは特に望ましいと考えられる。この制限を軽減 するために、引き続きＩＳＯ基準７８１６−４に準拠してスマート カード間の上位互換性を維持しながら、新しいタイプの可変長基本ファイルを作 成し、固定長の既存の基本ファイル・タイプにこれを追加することを提案する。 新しいタイプの可変長基本ファイルＶＲＥＦ７は、その目的のために特に作成 された可変ディレクトリ・ファイルＶＤＦ６と呼ばれる新しいタイプのディレク トリ・ファイル６の記憶領域６０を共有する、ユニット容量が低く固定長の基本 ドメイン８の可変長連鎖の構成をベースとし、この構造を図２に示す。 この可変ディレクトリ・ファイルＶＤＦ６は、主ファイルＭＦ２の管理領域２ １中でそのために確保されたヘッダに書き込まれた特定の識別子によって、従来 のディレクトリ・ファイルＤＦ３と区別される。従来のディレクトリ・ファイル ＤＦ３と同様に、これは管理領域６１が追加された記憶領域６０を有する。 可変ディレクトリ・ファイルＶＤＦ６の記憶領域６０は、等長かつ低容量の基 本ドメイン８に分割され、また可変数の可変長ファイルＶＲＥＦ７を含むことが できる。これらの基本ドメインは例えば１６バイトの倍数となり、その開始また は末端に、データの記憶から除外され、連鎖のためのリンクとして確保された１ または２バイトのゾーンを呈する。これらのリンクは、考慮する基本ドメインが 可変長基本ファイルＶＲＥＦ７を形成する連鎖の一部であり、かつそれがその連 鎖の末端でないときには、各基本ドメインの占有または非占有状態、および必ず しも隣接していない次の基本ドメインのアドレスを与える。基本ドメインのリン クは、例えば、関連するドメインの非占有状態を示す値０、関連するドメインが 連鎖される次のドメインにタグ付けするドメイン・アドレスの値、または連鎖の 末端を示すドメインのアドレスより大きな特定の値をとる数からなる。 可変ディレクトリ・ファイルＶＤＦ６の管理領域６１は、記憶領域６０の基本 ドメイン８の連鎖の開始アドレスを主に組み込み、関連する可変長基本ファイル に割り当てられた、可変長基本ファイルＶＲＥＦ７のヘッダ６１０、６１１を含 む。 可変ディレクトリ・ファイルＶＤＦ６の作成は、 この可変ディレクトリ・ファイルに割り当てられたヘッダを主ファイルＭＦ２ の管理領域２１に書き込み、これを識別し、そのために主ファイルＭＦ２の記憶 領域２０中で特定の位置を確保し（このヘッダはＩＳＯ基準７８１６−４によっ て記述されるヘッダであるが、そのタイプは可変ＤＦタイプである）、 確保した位置を管理領域６１および記憶領域６０に分割し、 新しい可変ディレクトリ・ファイルの一定数の特徴、すなわち可変長の基本フ ァイルのヘッダのディレクトリのサイズ、大域消去インジケータ、その基本ドメ インのサイズ、第１の基本ドメインのアドレスなどを、作成した新しい管理領域 ６１に書き込み、 リンクの初期化によって新しい記憶領域６０を基本ドメインにフォーマットす ることによって達成される。 可変ディレクトリ・ファイルＶＤＦ６が存在すると、可変長基本ファイルの作 成は、 ＩＳＯ７８１６−４基準の「ｉｄファイル」識別子を用いて、関連する可変デ ィレタトリ・ファイルＶＤＦ６の管理領域６１中のヘッダを割り当て、記憶領域 中で発見された第１の空いている基本ドメインをそれに割り当てられるようにタ グ付けすることによってフ ァイルを識別し、消去インジケータを位置決めし、 そのファイルに割り当てられたデータを書き込み、第１のタグ付けされた空い ている基本ドメインから開始し、次いで書き込むべきデータがなくなるまでその 他の空いているドメインにオーバフローし、また基本ドメインの各ジャンプごと に、出たばかりの基本ドメインのリンクに次のドメインのアドレスを書き込み、 次の基本ドメインのリンクの占有識別子を更新することによって達成される。 各場合に記憶すべきデータの精密な量に適合した可変長基本ファイルは、この ように、より長いまたは短い低容量の基本ドメインを互いに連鎖させることによ って作成される。 従来の固定長のＲＥＦまたはＴＥＦファイルの場合には、レコードの数、すな わちファイルの部分書込みの数は一度だけ固定され、ファイルの作成は、必ずし もすぐに使用されるわけではなく、その他のファイルの作成には使用することが できなくなるメモリ容量を確保することをともなう。それが組み込むレコードに 厳密に必要なメモリ容量しか占めず、未使用メモリを空いている状態でその他の ファイルのために残す可変長ファイルＶＲＥＦはこのようにならない。 透過型基本ファイルＴＥＦ５、従来のレコード型ファイルＲＥＦ４、または可 変長ファイルＶＲＥＦ７の管理、すなわちそれらの作成、書込み、読取り、消去 、削除は、ＩＳＯ基準７８１６−４の形式、すなわち命令クラス・フィールド、 命令フィールド、およびパラメータ・フィールドといったいくつかの連続したフ ィールドから構成される書込みに準拠するコマンドによりオペレーティング・シ ステムのコマンド・インタプリタを介して呼び出される、スマート カードのマイクロコントローラのオペレーティング・システムのルーチンを用い て従来の方法で実行される。ＩＳＯ基準７８１６−４の通常のコマンドを透過型 基本ファイルＴＥＦおよびレコード型基本ファイルＲＥＦの管理に使用し、所有 権を主張できる命令クラス・フィールドを有するこのコマンドを可変長の基本フ ァイルに使用することが好ましい。これにより、２つの通常のタイプの基本ファ イル、すなわち透過型基本ファイルＴＥＦおよびレコード型基本ファイルＲＥＦ しか認識しない、ＩＳＯ基準７８１６−４に準拠するスマートカードとの上位互 換性が得られる。 可変長基本ファイルの書込みまたは消去が通常のセキュリティ規則に準拠する ことは明らかである。 ファイルの作成または書込みは、実行すべき動作に必要なメモリ空間がある場 合にしか実行されない。開始された書込みは終了して妥当性検査しなければなら ない。ＩＳＯ基準７８１６−４によれば、これは、ファイルに関係するヘッダ中 に配置され、意図した動作の前に１にセットされ、この動作の終了後に０にリセ ットされる補助アクティビティ・ビットによって達成される。ある動作後にアク ティビティ・ビットが１に保持された場合には、このファイルは無効であると宣 言され、アクセスすることができなくなる。最後に、最大レコード・サイズは、 データ転送を監視するようにホスト可変ディレクトリ・ファイルＶＤＦの管理領 域中に設けられる。 同様に、開始された消去は完了して妥当性検査しなければならない。これは、 ファイルに関係するヘッダ中に配置され、そのファイルを構成する連鎖に属する 基本ドメインのリンクを再初期化することにある消去前に１にセットされ、次い でファイル・ヘッダを削除 する直前の動作の終了時に０にリセットされる消去ビットによって達成される。 不適切なときにスマートカードが読取り機から引き抜かれることによってファイ ル消去動作が中断された場合には、消去ビットはこれを通信し、その後にスマー トカードが使用される前に中断された消去動作を完了することができる。 言うまでもなく、本発明は記載の実施形態に限定されず、当業者が思いつく範 囲内の全ての変形形態に拡張される。一種のドメイン割付テーブルを構成する基 本ドメインのリンクは、ホスト可変タイプのディレクトリ・ファイルの記憶領域 から取り出し、その管理領域のゾーンにまとめることもできる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ペロ ダニエル フランス国，94117 アルクイユ セデク ス，アベニュ デュ プレジダン サルバ ドル アレンド，13番地，トムソン―セー エスエフ エスセーペイ内

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．書換え型スマートカード・メモリにデータを記憶する方法であって、データ の少なくとも一部分を、この書換え型メモリの固定長かつ個別には低容量である ドメイン（８）の可変長連鎖からそれぞれ構成された可変長の基本ファイル（７ ）に記憶することにあり、前記連鎖のドメインが、実際に記憶されるデータ項目 の数に関連して変化するドメイン割付テーブルによってタグ付けされることを特 徴とする方法。 ２．可変長の基本ファイル（７）が、そのドメイン（８）およびそのドメイン割 付テーブルを含む可変タイプのより大きなディレクトリ・ファイル（６）内の書 換え型メモリ中に位置することを特徴とする請求の範囲第１項に記載の方法。 ３．ドメイン割付テーブルが、ホスト可変ディレクトリ・ファイル（６）の管理 領域（６１）に配置された、ホスト可変ディレクトリ・ファイル（６）中の連鎖 の開始のドメイン（８）のアドレスを突き止めるヘッダ（６１０）、およびホス ト可変ディレクトリ・ファイル（６）の各ドメイン中で確保された位置に配置さ れた、連鎖の各ドメインのメンバシップを識別するリンクを含むことを特徴とす る請求の範囲第２項に記載の方法。 ４．前記ドメイン（８）が、１６バイトに等しい、またはその倍数となる容量を 有することを特徴とする請求の範囲第１項に記載の方法。 ５．前記リンクが、各ドメイン（８）中で１バイトから２バイトを占めることを 特徴とする請求の範囲第３項に記載の方法。 ６．ドメイン（８）の前記リンクが、関連するドメインの非占有状態を示す値０ 、関連するドメインが連鎖される次のドメインにタグ付けするドメイン・アドレ スの値、または連鎖の末端を示すドメインのアドレスより大きな特定の値をとる 数を組み込むことを特徴とする請求の範囲第３項に記載の方法。 ７．可変長の前記基本ファイルの管理が、前記オペレーティング・システムのコ マンド・インタプリタによって理解される、その形式（ｆｏｒｍｕｌａｔｉｏｎ ）内で命令クラス・フィールド、命令フィールド、およびパラメータ・フィール ドを利用する特定のコマンドを介して呼び出されるオペレーティング・システム のルーチンを用いて実行されることを特徴とする請求の範囲第１項に記載の方法 。 ８．データの一部を、書換え型メモリの固定長かつ低容量のドメイン（８）の可 変長連鎖からそれぞれ構成された可変長の基本ファイル（７）に記憶し、一部を 固定長の基本ファイル（４、５）に記憶することにあり、前記連鎖のドメインが 、実際に記憶されるデータ項目の数の変化に関連して変化するドメイン割付テー ブルによってタグ付けされることを特徴とする請求の範囲第１項に記載の方法。 ９．可変長の基本ファイル（７）および固定長の基本ファイル（４、５）が、よ り容量の大きな個別のディレクトリ・ファイル（３、６）中の書換え型メモリ中 に位置し、可変ディレクトリ・ファイル（６）が、ドメイン（８）と、可変長の 基本ファイルのドメインを割り付けるためのテーブルとを含み、固定長ディレク トリ・ファイル（３）が、固定長の基本ファイル（４、５）と、固定長の基本フ ァイルをその開始アドレスおよびその容量の指示によって識別するヘッダとを含 むことを特徴とする請求の範囲第８項に記載の方法。