JP2001505583A - 抗ウイルス活性を有するサルビア種の抽出物 - Google Patents

抗ウイルス活性を有するサルビア種の抽出物

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、本質的にサルビアSalvia)から得られる画分から成るサルビアSalvia)種の抽出物であって、抽出物が水溶液から≦pH3で沈殿し、沈殿物がpH6で水溶液に本質的に完全に溶解し、約pH4で溶解し始めるのが直ちに観察されるという性質を有し、≦3500ダルトンの分子量を有する、抽出物を提供する。本発明の好ましい態様は、≦1000ダルトンの分子量を有する活性剤を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 抗ウイルス活性を有するサルビア種の抽出物 発明の技術分野 本発明は、極東に見られるサルビア属の抽出物を使用してウイルスの複製を阻 害することに関する。発明の背景 サルビア ミルチオリーザSalvia Miltiorrhiza)(SM)は、伝統的な漢方薬 で心臓血管及び肝臓疾患の治療に長期間使用されてきた。これらの植物は抽出可 能ないくつかの成分を有している。根の成分を、最初に95%エタノールで抽出し 、次いで冷水又は熱水で抽出した。水に抽出したいずれの成分も動物において、 抗ウイルス活性及び最小の毒性を示した。 レトロウイルスは、ゲノムDNAからmRNAへの遺伝情報の正常な流れを逆転させ る能力を有している。レトロウイルスは明確に定義付けられ、かつ比較的均一な ウイルスの属であるが、主に感染後の病理学的な結果に基づいて、歴史的に三つ の分類学上の群に細分化されてきた。腫瘍ウイルスのサブグループは、疾病に関 連はしているが明らかに良性のいくつかのウイルスと同様に宿主に感染すると新 生物疾患を起こす能力を有するレトロウイルスを含む。レンチウイルスは、遅発 性の慢性疾病を起こすが、この疾病は一般に新生物成分を欠くが常に欠くわけで はない。スプーマウイルスのサブグループのウイルスは、組織培養において顕著 な泡沫状の細胞変性効果を生じる。このウイルスは人間又は動物の疾病のいずれ かとまだ明確には結びついていない。 レトロウイルスの複製は、ウイルス粒子のコアの細胞質内侵入によってプロセ スを開始するが、ウイルスのエンベロープの糖蛋白質と特定の細胞表面受容体と の特定の相互作用がこのプロセスを仲介する。続いて、ウイルス粒子に結合した RNA依存性DNAポリメラーゼが、一本鎖RNAゲノムを二本鎖線状DNAのプロウイルス 性中間体に転写する(逆転写)。組込みを起こす蛋白質(インテグラ ーゼ)は特にウイルスDNAの両端を認識し、3'末端から2個のヌクレオチドを除 去する(3'−ドナープロセシング)。処理したウイルスDNA及びインテグラーゼは 次いで核に移動し、ウイルス性インテグラーゼはここでレトロウイルスのゲノム を宿主の染色体DNAと共有結合で結合させ(ストランドトランスファー)、これに よりレトロウイルスのプロウイルスが形成される。 ヒト免疫不全症ウイルス型(HIV)がヒトの重要な病原として現れたことによ り、レトロウイルスに対する科学的な関心が復活した。特に、先に概要を述べた 簡単な生活環は、この属に属する全てのウイルスの複製サイクルを完全にかつ正 確に記述していないことを示す科学的な証拠がある。例えば、HIV−1は、特徴的 なレトロウイルス性のGag、Pol及びEnvに加えて6個もの遺伝子生成物をコード し、これらは一回及び複数回スプライスされたウイルス性mRNA種の新たなセット から翻訳される。これらの付加的な蛋白質のうち少なくとも二つ、Tat及びRevと 名付けたものは、HIV−1遺伝子の発現を直接調節するように働く。それゆえ、侵 入とプロウイルスの組込みの間の段階は、MLV(マウス白血病ウイルス)及びHIV −1の両者とも極めて類似していると考えられるが、後者において組込み後に生 じることは顕著に複雑であることが分かった。ごく最近、HIV−1は、複合レトロ ウイルスと呼ぶべき動物レトロウイルス全体のうちの一部であることが明らかに なった。この複合レトロウイルスに属するレトロウイルスは、全てのレンチウイ ルス、スプーマウイルス、HTLV−1及び関連するウイルスを含む(表1)。 表1:レトロウイルスの主な分類学上の区分 略語:RSV,ラウス肉腫ウイルス;ALV,鳥白血病ウイルス;ASV,鳥肉腫ウイル ス;FeLV,ネコ白血病ウイルス;MSVマウス肉腫ウイルス;SNV,脾臓壊死ウイル ス;REV,網状内皮症ウイルス;SSV,サル肉腫ウイルス;MMTV,マウス乳腺腫瘍 ウイルス;MPMV,メイソン−ファイザーモンキーウイルス;SRV-1,サルレトロウ イルス1型;STLVサルTリンパ球白血病ウイルス;BFV,ウシ泡沫状ウイルス HIV−1がヒトの病原として重要であるため、研究の焦点がレンチウイルスの複 製及び遺伝子の調節に当てられた。実際、HIV−1はレンチウイルスのサブグルー プだけではなく、より広く、一般に複合レトロウイルスの原型と見ることができ る。 抗ウイルス薬の発展に関しては、レトロウイルスの生活環(逆転写酵素、、プ ロテアーゼ、及びインテグラーゼ)を阻害する魅力的な標的が多数存在する。現 在のところ、HIV治療用として確認されFDAによって上市が承認された多数の配合 物のうち、逆転写酵素及びプロテアーゼ阻害剤だけが確認されている。 最近の研究で、逆転写酵素(RT)及びプロテアーゼを阻害する組み合わせ治療 がTリンパ球におけるHIVウイルスの大部分を除去できることが示された。 あいにくなことに、残っているウイルスの小画分が変異し、これらの薬剤が存在 していても複製を続ける。高率の複製、ウイルス配列の変異、及びウイルス集団 の急速な代謝回転がレトロウイルスの典型的な特性である。これらの特性はHIV −1の場合ではさらに著しい。 HIVの分子レベルでの機構の研究によって重大な発展があったにもかかわらず 、最近の抗HIV化学療法剤には多くの欠点、例えば毒性作用及びウイルスの耐性 菌株の誘導が比較的短時間の処理で起こる、という欠点がある。結果として、こ れらの薬剤は、HIV感染症の完全な治療又は阻止に必要な、長期間要望されてき た利点に欠ける。 現在逆転写酵素及びプロテアーゼの阻害剤として使用されている、化学的に複 合している分子は非常に高価である。現在の推計によれば、典型的なHIV−1陽性 患者は1年に約12,000-20,000ドルを費やしている。HIVに感染している人々の90 %は発展途上国に居住しており、それゆえ、さらに工業化した諸国に居住する人 々の大部分であっても、これらの薬剤を入手しがたい。それゆえ、より経済的に 実現可能な道を探さなければならない。本発明の概要 本発明は、現在公知で使用されているウイルス阻害剤の代替物として抗ウイル ス活性を有している、サルビアSalvia)属の抽出物を提供する。本発明は、 ルビアSalvia)からの画分から本質的に成るサルビアSalvia)種の抽出物を 提供するが、ここで、この抽出物はpH≦3で水溶液から沈殿し、この沈殿物は pH≦6で水溶液に本質的に完全に溶解する性質を有し、この沈殿物が溶解する ことを約pH4で難なく観察できるようになり始め、この抽出物は≦3500ダルト ンの分子量を有している。本発明の好ましい態様は、≦1000ダルトンの分子量を 有している活性剤を提供する。本開示は、サルビア ユナネンシスSalviayunn anensis )の水溶性抽出物がレトロウイルスの感染症の治療に有用であるとの第 一報も提供する。サルビア ミルチオリーザSalvia miltiorrhiza)(SM)及びサルビア ユナネンシスSalvia yunnanensis)(SY)の抽出物を使用して本発明 を例証する。活性な分離物は、水性条件下にpH≦3でサルビアSalvia)種か ら沈殿する。この沈殿物は、約pH4で溶解し始め、pH≧6で完全に溶解した状 態となり、pIは約6.5である。最も活性な成分は≦1000ダルトンの分子量を有し 、これは透析及びエレクトロスプレーイオン化質量分析法によって決定される。 質量スペクトルデータによると、成分はほぼ以下の原子質量単位を有する:79.8 、110.0、136.1、180.1、198.4、296.2、494.3及び984.1。本発明の医薬品は、 薬学的に受容可能な担体で全身又は局所に投与できる。本発明の詳細な説明 本発明は、植物の抽出物から誘導された医薬を製造するという手法を採る。こ れらの活性剤は、レトロウイルスの生活環で必須の段階であるレトロウイルスの 組込み及び複製を阻害する。プロウイルスの組込みに含まれる段階は、単純及び 複合レトロウイルスの両者とも極めて類似していると考えられる。現在までに研 究された全ての型又はクラスの、レトロウイルスの組込み及び逆転写酵素(RT) は構造上及び機能上の性質が極めて類似していることが分かった。機構が共通し ているため、ポリメラーゼ、ウイルスインテグラーゼ及び/又はRTの阻害剤は広 範囲の生物体、例えばヒト免疫不全症ウイルス(HIV)、サル免疫不全症ウイルス( SIV)、ネコ免疫不全症ウイルス(FIV)、ネコ白血病ウイルス(FeLV)、マウス白血 病ウイルス(MuLV)、ラウス肉腫ウイルス(RSV)、ウシ免疫不全症ウイルス(BIV)、 ヒトTリンパ球白血病ウイルス(HTLV)、を阻害する。本発明の活性剤は、他のウ イルスの複製蛋白質、例えば逆転写酵素、ポリメラーゼ及びインテグラーゼ−様 蛋白質、の阻害剤としても使用できる。これらのレトロウイルスに加え、本発明 の活性剤は、致命ポリメラーゼ及び肝炎(B型肝炎(HBV)を含む)の原因物質のよ うなラージT−抗原(ウイルスDNAを宿主染色体に組込む際に含まれる蛋白質) 蛋白質を生産する生物体及びヒト乳頭腫ウイルスの阻害剤としても使用できる。SM 及びSY抽出物からの抽出物の製造 S.M.及びS.Y.の植物抽出物を製造した。植物抽出物の種々の画分を以下 の手順により得た(フローチャート1参照)。 選択した植物の根を最初に水洗して、植物の収穫時に付着している残渣デブリ スを除去した。根を乾燥し、小片に切断した。根の乾燥小片に、10倍過剰量(v: v)のMili−Q dH2O(18ミリオーム/cm)を添加し、根を98−100℃で4時間煮沸 した。次いで混合物を50μM フィルターでろ過した。ろ過した抽出物を50℃、7 20mmHgで濃縮し、最終濃度を1.3g/mlとした。最終の収率は、粉砕した根の全重 量の約34%であった。 段階1:抽出物を1:5にdH2Oで希釈し、8,000rpm、90分、25℃でGS−3ローターを 使用して遠心分離した。ペレットを廃棄し上澄を保持した。この上澄に 1/10量の1.0N HCl溶液を添加し、0.1N HClの最終濃度とした。この生成物を 一夜25℃でインキュベートした。溶液を8,000rpm、90分、25℃でGS−3ローター を使用して遠心分離し、得られたペレットを95%エタノールで洗浄し、0.2μm のフィルター系でろ過した。この工程を洗浄液が透明になるまで繰り返した。そ の後、ペレットをろ過ユニット中で室温で乾燥し、70℃のオーブンで一夜インキ ュベートした。粉末をdH2Oに再懸濁してペレット対水の比率を1:5(w/w) とした。得られた生成物を25,000rpm、30分、25℃でTi45 ローターを使用して遠 心分離し;上澄を廃棄して得られたペレットを、0.2μmフィルター系を使用す るろ過により95%エタノールで洗浄し、先に記載したように乾燥した。粉末を画 分Iとした。このペレットの収率は粉砕した根の全量に対して約0.5%であった 。 段階2:画分Iを3%NH4OH溶液に再懸濁し、25,000rpm、30分、25℃でTi45ロー ターを使用して遠心分離した。上澄を保持し、100%エタノールを添加して最終 エタノール濃度を75%とした。25℃で一夜インキュベートし、溶液を25,000rpm 、30分、25℃でTi45 ローターを使用して遠心分離した。上澄液を廃棄し、ペレ ットを95%エタノールで洗浄し、ろ過し、先に記載したように乾燥する。この乾 燥したペレットを画分IIとする。 段階3:画分Iを77%エタノールで上澄液が透明になるまで洗浄した。上澄液を 0.2μmフィルター系を使用してろ過した(画分IVとした)。不溶性のペレットを7 0℃で一夜インキュベートして乾燥した。この乾燥した粉末を画分IIIとした。 段階4:画分IIIをdH2Oと25℃で攪拌しながら一夜インキュベートした。この溶液 を25,000rpm、30分、25℃でTi45 ローターを使用して遠心分離した。ペレットを 70℃で一夜インキュベートして乾燥した。乾燥した粉末を画分Vとした。上澄液 を画分VIとした。 段階5:画分VIを1/10量の1.0N HCl溶液で処理して0.1N HClの最終濃度とした 。試料を25℃で一夜インキュベートし、25,000rpm、30分、25℃でTi45ローター を使用して遠心分離した。乾燥したペレットを画分VIIとした。上澄液を画分VII Iとした。 段階6:画分IVを、ローターvapを使用して10倍に濃縮した。エタノールを除去 し、試料を濃縮すると、抽出物の部分的な沈殿が生じたが、これはpHが3より 小さい値に低下するためであり、pH2で沈殿は本質的に完全なものとなる。混 合物を水で1:5(v/v)に希釈し、25,000rpm、30分、25℃でTi45を使用して 遠心分離した。乾燥したペレット及び上澄液を、それぞれ画分IX及び画分Xとし た。 段階7:画分Xを1/10量の1.0N HCl溶液で処理して0.lN HClの最終濃度とし、 25℃で一夜インキュベートした。溶液を8,000rpm、90分、25℃でGS−3ローター を使用して遠心分離した。得られた乾燥ペレット及び上澄液を、それぞれ画分X I及び画分XIIとした。種々のS.M.及びS.Y.画分の物理的及び化学的特性 1.pHに依存する溶解度の決定 酸が誘導した沈殿物は、活性な抗ウイルス成分の大部分を含んでおり、表Iに その概要を示した。抽出物を分画する際に、pHの処理に従って種々の溶解特性 が見られた。各画分のpHに依存する溶解度特性を正確に評価するために、以下 の一連の研究を行った。 実施例1: 900μlの画分VI(3.6mg/ml)の試料を15のエッペンドルフ管のそれぞれに入れ 、100μlの適切な濃度のHCl及びNaOHを添加して最終pHが1〜7の溶液を作成 した。溶液を混合し、14,000rpm、4℃、30分間微量遠心機を使用して遠心分離し た。各管から上澄溶液を除去した。pH値が異なる可溶性画分を1: 10に希釈した。これから、150μlのアリコットに850μlの50mM NH4OHを添加して 希釈した。不溶性の画分を1mlの50mM NH4OHに溶解し、150μlの各画分に850μl の50mM NH4OHを添加して希釈した。200〜500nmの吸収スキャンを、1mlのpHが 異なる可溶性又は不溶性画分に対して行った。各溶液について280nmにおけるピ ーク吸光度を測定した。結果から見ると、画分VIは、約pH4で沈殿し始め、2 又はそれより低いpHで完全に沈殿した(pH2.75で、50%の目的生成物が溶液 から沈殿する)。 実施例2: 溶解度に対するエタノールの影響を評価するため、1〜14のpH値を持つ一連 の溶液について、25%エタノールを含む場合と含まない場合とで研究を繰り返し た。先に述べたように、pH溶液を遠心分離し、上澄溶液を除去し、順次希釈し 、200〜500nmの吸収スキャンを各可溶性画分について行った。各溶液について28 0nmにおけるピーク吸光度を測定した。結果から見ると、pH3よりの溶液中で、 エタノールは目的生成物の溶解度を二倍増加させる(非常に活性な剤であり、以 下“AA”という)ことが分かる。25%エタノールの存在下で、植物抽出物は全 てのpH領域にわたって高い溶解度を示す。 実施例3: 画分VI、画分VII、及び画分VIIIの間の、pHに依存して異なる溶解度を評価 するために、等量の各画分を乾燥し、7個のエッペンドルフ管に計り取った。こ れらの管に、pH2.2〜8.0の0.2Mのリン酸−クエン酸及びリン酸緩衝溶液を添加 した。溶液を5分間混合し、14,000rpm、4℃で30分間遠心分離した。上澄溶液を 除去し、同一pHの緩衝溶液で1.5から1000倍に一連に希釈し、吸光度スキャン を200〜500nmで行った。完全にpH依存性の吸光度スキャンにおけるpH値に対 する280nmでの吸光度の関係から、画分がpHに依存する溶解度を有することが 分かった。結果から見ると、画分にはpHに依存して異なる溶解度を有する可溶 性成分があることが分かる。画分IVは、pH3で溶解し始め、pH5で約50%が溶 解し、pH6で完全に溶解する。画分VIIは、pH5.0より下では不溶性で あるが、pH7で完全に溶解する。画分VIIIは、pH2.0から8.0の間で溶解した ままである。活性画分の成分の見かけ分子量の評価 a)透析 フローチャート2に概要を示したように、二つの画分、画分II及び画分IVを三 種の異なる透析膜、すなわち分子量カットオフが10,000、3,500及び1,000と異な る透析膜に対して透析した。実施例4: 0.1%NH4OH溶液(v/v)に溶解した画分IIを、10,000分子量カットオフ膜 の中に入れ、2リットルの0.1%NH4OH溶液に対して一夜透析した。透析袋の中に 残った溶液を画分XIIIとし、透析した溶液を画分XIVとした。 画分XIVを、ローター−vapを使用して100mlに濃縮し、3,500の分子量カット オフ膜に入れた。この画分を2リットルの0.1%NH4OH(v/v)溶液に対して一夜 透析した。透析袋に残った溶液を画分XVとし、袋から透析された溶液を画分X IVとした。 画分XVIを、ローター−vapを使用して100mlに濃縮し、1,000の分子量カット オフ膜に入れた。この画分を2リットルの0.1%NH4OH(v/v)溶液に対して一夜 透析した。この結果得られた、透析されなかった溶液及び透析された溶液を、そ れぞれ画分XVII及び画分XVIIIとした。 実施例5: 77%エタノール溶液(v/v)に溶解した画分IVを6リットルの77%エタノール 溶液(v/v)に対して一夜透析した。フローチャート2及び実験1で示したよう に、画分XIX、XXI及びXXIIIは、それぞれ、10,000、3,500N及び1,000の分 子量カットオフ膜に対して透析できなかった。画分XX,XXII、及びXXIVは 、それぞれ、10,000、3,500、及び1,000の分子量カットオフ膜に対して透析可能 であった。 試験管内における上記画分のHIV−1インテグラーゼ分析の結果は、表2にまと めてある(下記参照)。 エレクトロスプレーイオン化質量分析: 分子量1,000の透析可能な画分及び分子量3,500の透析可能な画分/分子量1,00 0の透析不可能な画分のいずれも、陽性及び陰性エレクトロスプレーイオン化質 量分析で分析した。以下の原子質量単位重量は各画分で共通であった:79.8±5 、110.1±5、136.1±5、180.1±5、198.4±5、296.2±5、494.3±5、及び984.1 ±5。C.S.M.及びS.Y.抽出物の生物学的特性 サルビアSalvia)属植物の水溶性抽出物の活性成分を精製し、インテグラー ゼ活性を阻害し、かつ抗ウイルス剤として作用する画分を得る方法を提供するこ とが本発明の目的の一つである。抗ウイルス剤としての二つの要件は、医薬品の 低濃度における有効性と安全性である。以下の部分で画分Iの有効性と安全性を 示す。 1.ウイルス阻害能の有効性 試験管内におけるHIV−1インテグラーゼの評価: HIV−1インテグラーゼの活性を観察するための試験管内評価を、以下に記載する ように行った。この評価で、精製した組み替えHIV−1インテグラーゼ及びウイル スDNAのLTR末端に対応するオリゴヌクレオチド基質を使用した。この評価は、生 体内で起こる実際の機能的出来事を反映している。蛍光定量分析(Lee et al.(19 95)Analytical Biochemistry 227,295-301)及び放射活性分析は、以前公表され た生体内分析(Lee et al.,(1995)Biochemistry 34,10205-10214;Lee et al., (1995)Biochemistry 34,10215-10223)に改良を加えている。酵素の調製方法を 変形して、HIV−1インテグラーゼ試料の機能特性を改良した(Lee and Han(1996) Biochemistry 35,3837-3844;Lee et al.(1997)Biochemistry)。分析及び試料調 製におけるこれらの変形により、試験管内での分析が生体内で起こっている出来 事をよりよく反映する。それゆえ、試験管内分析の結果は、インテグラーゼ阻害 剤の可能性を調査する場合、ウイルスの感染性を示す指標として非常に有用であ る。 HIV−1インテグラーゼ活性を阻害する種々の抽出物画分の活性を評価する場合 、抽出物の画分をまず適切な量の0.1%NH4OH(w/v)に溶解して各画分とも15mg /mlの最終濃度とした。この試料を10,000rpmで30分遠心分離した。ペレットが 形成された場合は上澄を除去し、上澄を乾燥し0.1%NH4OH中に再懸濁した。得ら れた溶液を抽出物画分のストック溶液とした。このストックから、以下の希釈液 を作った:1:10、1:50、1:100、1:200、1:300、1:400、1:500、1:600、 1:700、1:800、1:900、1:1000、1:2000、1:3000、1:4000、1:5000、及 び1:10,000。1μlの各希釈液を各反応混合物(全量20μl) に添加した。それぞれ、最終濃度は、75、15、7.5、3.75、2.5、1.875、1.5、1. 25、1.07、0.9375、0.833、0.75、0.375、0.25、0.1875、0.15、0.075μl/mlに 相当する。試験を先に記載したように行った(Lee et al.,(1995)Biochemistry 3 4,10205-10214;Lee et al.,(1995)Biochemistry 34,10215-10223;Lee and Ha n(1996)Biochemistry 35,3837-3844)。 各画分のIC50及びIC90を決定するために、ゲルをホスホルイメージャースクリ ーニングにかけ、モレキュラーダイナミックスホスホルイメージャー(Molecular Dynamics Phosphorimager)で開裂百分率を測定した。阻害%を、陽性対照の開 裂%から各画分の開裂%を差し引き、得られた値を陽性対照の開裂%で割って求 めた。これらの値を濃度の関数としてプロットし、IC50及びIC90を決定した。画 分I(出発材料)、画分XVII(透析)及び画分VIII(酸沈殿物からの上澄)を比 較した。画分VIIIの活性は非常に小さく、一方画分XVIIの活性は全体にわたっ て出発物質(画分I)より改善されたことが分かった。他の画分のIC50及びIC90 の値を下記の表にまとめた: 表2:試験管内における、フローチャート1からの種々のSY及びSM画分のHIV−1イ ンテグラーゼ活性に対する阻害活性 表3:試験管内における、フローチャート2からの種々のSY画分のHIV−1インテ グラーゼ活性に対する阻害活性 これらのデータから、最大の阻害活性を示すのは酸沈殿工程を経て得られた沈 殿物であることが分かる。酸による沈殿、塩基による可溶化及び透析という工程 を繰り返すと、画分の抗インテグラーゼ活性が改良されるが、これは、この工程 が不活性な複合物を除去し続けるからである。沈殿物が形成されることとなる低 pHの上澄液は最も活性が低い。さらに、カットオフ分子量1000の膜で透析する と、酸沈殿物からの透析可能な画分も透析不可能な画分も、活性を有しているこ とが分かる。 透析不可能な画分は1000ダルトンより小さな分子を含まないと考えられるが、 この画分を質量分析すると、この画分は1000ダルトンより小さい分子を含むこと が分かった。このことに対する一つの説明として、透析は77%エタノール中で行 われているが、これによって透析が時間に依存した工程となっている一方、これ が穴の大きさを減少させていることが理由であると考えられる。しかし、このこ とは、最も阻害活性が高いのは1000ダルトンより小さい分子であると言うことを 妨げない、なぜなら、透析可能な画分も阻害活性を有しているからである。 b.)試験管内における逆転写酵素分析: 試験管内におけるインテグラーゼ分析と同じ画分VIIの希釈液を、モロニーマ ウス白血病ウイルス(MMLV)のRNaseH'逆転写酵素(ギブコBRL)に対する有 効性を決定するために使用した。この分析は、逆転写酵素がポリrA−RNAの鋳型 からポリdT−DNAを合成すること、及びRNA/DNAハイブリッド二重鎖の形成にお いて(3H)dTTPを取り込むことに基づいている。この手順は、Aldovini and Walke rが編集した刊行物に記載されている(Techniaues in HIV Research(1990)98ペー ジ)。50μlの反応液あたり10単位の逆転写酵素を使用して、取り込まれ、またガ ラスフィルターに結合した(3H)dTTPの量を定量した。画分VIIの希釈液を三つ一 組で分析し、28及び1.7μg/mlの液のIC90及びIC50をそれぞれ示した。MMLVに対 する逆転写酵素のIC50は、HIV−1インテグラーゼのそれに匹敵するが、IC90では 約10倍大きい。これらの結果は、画分VIIの活性成分が、抗−逆転写酵素活性を 有しているが、インテグラーゼを阻害するのと同程度には逆転写酵素の阻害に有 効ではないことを示している。さらに、HIV−1 RT(ベーリンガーマンハイム) を逆転写酵素分析により分析した。この分析は、IC90及びIC50がそれぞれ52μg /ml及び12μg/mlであること示した。 c.)生体内FIVモデル: ネコ免疫不全症ウイルス(FIV)モデルは、HIV感染症に対する医薬品を研究す るための受け入れ可能な動物モデルの一つである。FIVはTリンパ球−栄養性レ ンチウイルスでネコから分離されている。FIVはHIVと生物学的及び生化学的に類 似しており、FIV及びHIVインテグラーゼの相同性が高い。FIVに感染したネコは 後天的免疫不全症候群(FAIDS)となり、これはヒトの完全に進行したAIDSに類 似している。 試験管内における細胞中のFIVモデル: Crandell-Reeseネコ腎臓(CrFK)セルラインはFIV感染に感受性であり、ウイ ルスの複製が可能である。CrFK細胞はウイルスを生産しかつFIV感染を分析する のに有効な手段である。FIVはFIV感染したCrFK細胞に病原性ではないが、組織培 養におけるFIV感染のスクリーニング用として診断分析が可能である。研究によ れば、S.Y.画分IがFIV感染を阻止するのに有効であることが分かった。ED90 及びED50の決定: S.Y.画分Iは、CrFK細胞をFIV感染から保護する。CrFK細胞を三つ一組で 、1×105細胞/T25フラスコの濃度で塗付した。24時問インキュベートして細胞 を付着、成長させた後、画分Iの溶液を細胞培養物に加えて24時間培養した。こ の溶液は、画分Iを100mg/mlの濃度でdH2Oに溶解して製造した。試料を25,000r pm、30分、25℃でTi45ローターを使用して遠心分離した。上澄液を除去し、3個 の1mlアリコットを開放真空下の遠心分離により乾燥して、溶液の濃度を決定し た。画分IをさらにdH2O又はDMEMで2mg/mlまで希釈し、0.2μmの酢酸セル ロースフィルターでろ過し、乾燥溶質の量を風袋を除去した対照と比較して決定 した。画分Iの個々の濃度を10%ウシ胎児血清を含むDMEMで調製し、細胞培養物 へ添加した。 画分Iの存在下に細胞を24時間インキュベートした後、FIV−AZR−1(AZT耐性 菌株)で感染したCrFK細胞からの培養液を、FIVp26キャプチャーアッセイ(IDEX X systems,Inc.FIVペットチェック)に対するFIVの相対タイターにより分析し た。FIVを、630nmでの吸収で0.2の値となるよう希釈した。1ミリリットルのFIV を培養物に加えて1時間培養し、ウイルスを含む上澄を除去し、種々の濃度の画 分Iを再度加えて培養した。細胞培養の培地を、種々の濃度の画分Iで3日目に 替えた。6日目の最後に、0.2mlの細胞培養の培地を分析して、FIVの存在をFIVp 26キャプチャーアッセイで見た。FIVp26キャプチャーアッセイは、FIVに対する 異なる二つのモノクローナル抗体を使用し、一つの抗体は96ウエルプレートの壁 に非働化されていてFIVを補足し、他のモノクローナル抗体は西洋ワサビパーオ キシダーゼ(HRPO)と結合している。抗−FIVp26−HRPOモノクローナル抗体は基 質(過酸化水素及びTMB、色素原)が存在すると、培地中に存在するFIVp26抗原 の量に比例して色の信号を生じる。色の信号は、96ウエルプレートのリーダーで 630nmにおける吸光度によって読み取る。100μg/mlという高濃度の画分IはFIV p26キャプチャーアッセイと干渉しない。 この試験で、画分Iは5.0μg/mlというED90及び2.5μg/mlというED50の値を 、CrFK細胞へのFIVの感染阻止において示した。この研究は、画分IがFIVの感染 を阻止するのに有効であることを示した。処理の時間−経過の決定: 細胞をFIVにさらす処理に関する時間の要件を評価するために、以下の二つの 研究を行った。最初の研究では、細胞を、1×105細胞/T25で塗付し24時間おい た。一つの群(−24時間の群)は、FIVを感染させる前に50μg/mlの画分Iで処 理した。1時間後、全ての群でFIV−AZR−1を感染させた。50μg/mlの画分Iを 各群に添加して1、24、36、48、60及び72時間培養し、次いで感染させた。一つ の群は画分Iで処理しなかった。全ての群の培地を3日目に替え、次いでFIVを 感染させ、感染7日後に培地中のFIVが存在するかどうか調べた。 感染させる前にCrFK細胞を画分Iで処理すると、感染の1時間後、及び24時間 後に、FIV感染から細胞が完全に保護できた。処理後36時間たつと、感染した細 胞が若干出てきたが、画分Iが存在することにより残りの培養物を感染から保護 できた。この傾向は48、60及び72時間後に調べても継続した。72時間後、50%ま でのFIVを阻止した。これらの結果は、画分Iを添加して培養すると、感染から 保護すること及びウイルスへ最初にさらした後で生じるFIV感染の広がりを減少 させることが可能であることを示している。 第二の実験で、CrFK細胞を先に述べたように塗付しておくが、未処理の対照を 除いて全ての細胞を、50μg/mlの画分Iで24時間処理した。細胞を24時間画分 Iの存在下でインキュベートした後、細胞をFIV−AZR−1で1時間感染させ;画 分Iで再度処理した。感染の24、48、及び72時間後、通常の培地で細胞培養物を 培養した。感染の5日後、細胞培養の培地をFIVに対して分析した。細胞を最小 限24時間画分Iにさらした後でFIVに感染させると、感染から細胞を保護できた 。これらの結果は、画分Iを除去してもFIV感染からの保護が失われなかったこ とを示している。細胞を最小限24時間画分Iにさらした後でFIVに感染させると 、感染から細胞を保護できた。したがって、この研究で、感染に対する保護が感 染の前から24時間さらした後まで存続することが示された。この結果は、画分I がレトロウイルスの阻害剤として作用していることを示している。この治療上の 利点は、感染細胞から放出されたウイルスが未感染の細 胞に感染することが阻止され、その結果、感染した細胞が死滅し、他の細胞が感 染しないことに起因する。これによって、感染の伝達が中断し、ウイルスの負荷 が減少する。 c.)細胞培養物の毒性: 画分Iの細胞培養における毒性を分析するため、以下の二つの毒性研究を行っ た。第一に、画分Iの毒性を、CrFKの細胞培養全体に対する死滅細胞の百分率に よって決定した。第二に、画分Iの毒性を、CrFK細胞の成長の阻止によって決定 した。 LD90及びLD50の決定: CrFK細胞の全体に対する画分Iの90%及び50%致死量を決定するため、1×106 の細胞をT25フラスコに塗付した。48時間インキュベートした後、画分Iの溶液 を10%のFBSを含むDMEMで、1.6、1.2、1.0、0.8、0.4、0.2、0.1及び0mg/mlの 濃度とし、それぞれの三つ一組の培養物に添加して培養した。細胞を、画分Iの 存在下に72時間インキュベートした後、各群ごとに生存細胞の数を、トリパンブ ルー除外分析によって決定した。CrFK細胞をトリプシン分解し、0.4%のトリパ ンブルーで1:1に希釈した。細胞の数は、血球計算板の上の細胞を計数するこ とによって決定した。この分析により、画分IのLD90及びLD50は、それぞれ1.6mg /ml及び0.8mg/mlであった。このことは、治療指数(LD50/ED50)が320である ことを示す。 IC50の決定: 画分Iの90%及び50%の成長阻止投与量を決定するために、CrFK細胞を1×105 の細胞をT25フラスコに塗付した。24時間後、画分Iの溶液を10%のFBSを含むD MEMで、0.8、0.4、0.3、0.2、0.15、0.1、0.08、0.05、0.04、0.03、0.02、及び 0mg/mlの濃度とし、それぞれ三つ一組の培養物に添加して培養した。培地を3 日目及び6日目に替え、各群の生存細胞の数を、先に記載したようにトリパンブ ルー除外分析によって決定した。この分析で、0.4mg/mlの投与量がCrFK細胞の 成長を90%阻害したが、一方、0.2mg/mlの投与量は成長を50%阻害した。 d.生体内毒性: 生体内モデルにおける画分Iの急性毒性を評価するために、10匹の若い雌Balb /Cマウスに600mg/Kgの画分Iを28日間経口胃管投与により投与した。 10匹のマウスのうち、8匹がまったく罹患の兆候を示すことなく生存した。2匹 のマウスは、剖検から分かったように、画分Iをマウスに経口投与で投与する際 の人間の技術的な誤りによって死亡した。 この研究の結果は、器官又は血液に毒性のいかなる兆候もないことを示してい る。研究の期間中生存した8匹のマウスから得られた器官の資料を取り出して分 析した(Vet Research Inc.)。脳、甲状腺、気管、胸腺、膵臓、骨格筋、膀胱、 頚椎、リンパ節、腎臓、脾臓、心臓、肺、肝臓、副腎、子宮、偏平上皮胃、腺胃 、小腸、大腸、食道、皮膚、卵巣又は脂肪の各部位に、顕微鏡による毒性の証拠 となるものは発見できなかった。さらに、血液化学的分析を、研究を終了したマ ウスから得られた血液試料について行った。表4に示すように、大部分の血液成 分は通常の範囲内にある。 表4.標準の血液化学的な値及び実験値他の大規模な研究で、画分Iのマウスモデルにおける急性毒性を評価した。これ は、対数区分で1区分より大きな相違のある濃度の画分Iに長期間さらした場合 に生じる可能性のある危険/副作用を分析するために設計した。この研究は以下 の8群より成り、各群は12匹のBalb/Cマウスより成る:群 性 処理 1 雌 水 2 雌 500mg/Kg 3 雌 100mg/Kg 4 雌 25mg/Kg 5 雄 水 6 雄 500mg/Kg 7 雄 100mg/Kg 8 雄 25mg/Kg 盲検にて、500、100、及び25mg/Kg動物体重の量で画分Iを、毎日28日間、各 群12匹で8群のBalb/Cマウスに、手で押さえて経口投与で投与した。サブグル ープ(4匹のマウス)からの血液試料を毎週取り、血液化学分析のためにプール した。28日後に、マウスを麻酔し、心臓穿刺により全血を採血した。個々のマウ スの血液を、鑑別を伴うCBC血液像及びSMAC24生化学的血清分析を行うために集 めた。組織の試料を組織病理学の処理及び評価のために取った。血液又は組織の 資料を分析しても毒性の証拠を発見しなかった。 本発明の組成物は薬学的に受容可能な担体と共に投与することができる。組成 物は、活性成分として抽出物から得られる≦3500ダルトンの分子を、10nM〜1000 nMの血中濃度を達成するのに十分な投与量で投与すべきである。組成物が抽出物 のうちの大きな分子を含む場合、血中濃度が10000nMまでの濃度となるような投 与量を投与することが必要である。一般に、SYの抽出物を投与する場合、SMの抽 出物の約1/5で済む。SYの抽出物を使用する場合、血中濃度は1nMの低さでも十 分である。 本発明の組成物は、経口、全身的又は局所的に投与できる。経口投与用の組成 物は液剤、錠剤又はカプセル剤の形で投与できる。非経口投与用には担体、例え ば生理食塩水、グルコース、リン酸緩衝生理食塩水、などを使用することができ る。中枢神経系への投与のためには、組成物は脳脊髄液への投与が可能である。 クモ膜下腔内への投与には、非経口投与のための担体、特に水又は生理食塩水に 溶解したグルコースのような担体が適切である。組成物は膜のバリヤーを通過す る輸送を強化するためにリポソームの形を取ることができる。もちろん、非経口 投与用の組成物は、静脈注射用、筋肉内投与用、皮下投与用、又はクモ膜下腔内 投与用の組成物を含み、滅菌溶液の形で提供される。 局所投与には、組成物は固体担体、例えばガーゼ又はスポンジに付着させて投 与することができる。例えば、このような固体担体は膣又は直腸に挿入して治療 に供する。本発明の活性剤は、コンドームに使用して、感染に対する保護を強化 することもできる。組成物は、局所投与のためにローション又は軟膏の形に作る こともできる。活性剤は、例えば、坐薬、浣腸剤又は灌水の形で膣又は直腸に投 与できる。 本発明の活性剤は、サルビアSalvia)属の画分であって、≦pH3で水溶液 から沈殿し、pH4−6で再溶解する全ての画分を含み、一方、抗レトロウイルス 活性を有することが従来まったく報告されていない、サルビア ユナネンシスSalvia yunnanensis )の全ての水溶性抽出物は、本発明に含まれ、この抽出物は 全て、驚くべきことに、予期しない高活性を有することが分かった。 組成物は噴霧剤として経鼻的に投与することができる。本発明の組成物は、ゲ ル又はローションの形で局所的に投与することもできる。 活性画分は、凍結乾燥してビンに詰めることもできる。凍結乾燥した材料は、 溶解させて投与形態にすることができる。さらに、凍結乾燥した材料は、単に鼻 で吸って投与することができる。 本発明の活性剤は、飲料又は食品に添加することもできる。例えば、抽出物を ネコの飼料に混ぜてネコ白血病を治療し、ウイルスを阻止することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT, UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 リー ポール アメリカ合衆国 メリーランド州 21131 フェニックス ブレーネン ロード 3827

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.サルビア ユナネンシスSalvia yunnanensis)の水溶性抽出物。 2.薬学的に受容可能な担体中に、活性成分として請求項1に記載の水溶性抽出 物を含む組成物。 3.薬学的に受容可能な担体中に、抗ウイルス剤として有効な量のサルビアSa lvia )属の抽出物を含む組成物であって、抽出物が水溶液からpH≦3で沈殿し 、沈殿物がpH≦6で水溶液に本質的に完全に溶解するという性質を有しており 、活性剤の分子量が≦3500ダルトンである、組成物。 4.カプセル剤又は錠剤である、請求項3に記載の組成物。 5.滅菌溶液である、請求項3に記載の組成物。 6.固体担体上にある、請求項3に記載の組成物。 7.ポリメラーゼ、逆転写酵素、インテグラーゼ又はインテグラーゼ様活性によ って複製するウイルスが原因となるウイルス感染症を治療又は予防する方法であ って、ウイルスに感染したか又は感染させられた哺乳動物に、ウイルスを阻害す るのに十分な量の、請求項3に記載された組成物を投与する方法。 8.ウイルス感染症を治療又は予防する方法であって、ウイルスに感染したか又 は感染させられた哺乳動物に、ウイルスを阻害するのに十分な量の、請求項2に 記載の組成物を投与する方法。 9.活性剤が≦1000ダルトンの分子を含む、請求項2に記載の組成物。 10.活性剤が≦1000ダルトンの分子を含む、請求項3に記載の組成物。 11.本質的にサルビアSalvia)から得られる画分より成るサルビアSalvia )種の抽出物であって、抽出物が水溶液からpH≦3で沈殿し、沈殿物がpH≦6 で水溶液に溶解するという性質を有し、≦3500ダルトンの分子量を有する、抽出 物。 12.≦1000ダルトンの分子量を有する、請求項11記載の抽出物。 13.感染がレトロウイルスによって起こる、請求項7に記載の方法。 14.感染がレトロウイルスによって起こる、請求項8に記載の方法。 15.組成物が点鼻投与される、請求項7に記載の方法。 16.組成物が経口投与される、請求項7に記載の方法。 17.組成物が固体担体上にあって投与される、請求項7に記載の方法。 18.ウイルスの感染が、インテグラーゼ又はインテグラーゼ様活性を有する蛋 白質を生産するウイルスが引き起こす、請求の範囲7に記載の方法。 19.ウイルスの感染が、インテグラーゼ又はインテグラーゼ様活性を有する蛋 白質を生産するウイルスが引き起こす、請求の範囲8に記載の方法。
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