JP2001505428A - 染色体異常の検出 - Google Patents

染色体異常の検出

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Abstract

(57)【要約】 本発明により、患者の状態に関連があり、各々が少なくとも一つの特徴的な核酸配列によって規定される染色体異常の有無を検出する方法が提供される。一般に、本方法には、核酸試料を多重分子増幅過程にかける段階が含まれる。該多重分子増幅過程には、一つの反応混合液中に、各々が少なくとも一つの特徴的な核酸配列の一端に規定されている少なくとも7個の相互に異なるプライマーの使用が含まれ、少なくとも7個の相互に異なるプライマーの少なくとも一つが、少なくとも二つの特徴的な核酸配列の第一の端に規定され、該少なくとも二つの特徴的な核酸配列が、少なくとも7個の相互に異なるプライマーの残りから選択される相互に異なるプライマーによりもう一方の端に規定され、それにより、増幅反応の結果、検出できる増幅された特徴的な核酸配列の数は、少なくとも1/2×n+1(式中、nは少なくとも7個の相互に異なるプライマーの数である)である。一つの態様において、I)試料中に存在する核酸断片と、II)該核酸断片の塩基配列を増幅するためのプライマーとを含む、内部陽性標準の使用が含まれる。

Description

【発明の詳細な説明】 染色体異常の検出 発明の分野 本発明は、ある患者のある状態、特に悪性腫瘍性疾患、に関連し、少なくとも 一つの特徴的な核酸配列で規定される染色体異常の有無を検出するための方法に 関する。さらに、本発明は、特異的な核酸配列を持ったDNA断片、および染色体 異常の検出に結びつくcDNAプライマーまたは分子増幅反応のプライマーとしての その使用法に関連している。また、本発明は、本発明に従って検出に使用するた めに選択されたプライマーを含むキットにも関する。 一般的な背景 染色体転座は、腫瘍(特に造血系腫瘍)の形成において重要な事象であり、一 貫して発生する異なる転座が50以上報告されている(Rabbitts,T.H.Nature 372:143(1994))。染色体異常の多くは、白血病またはリンパ腫の特定のサブタ イプに特異的に見出されている。 このため、造血系悪性疾患において転座を同定することは、診断においても予 後を判定する際にも大きな意義をもっている。急性白血病の診断は、最もよく用 いられる方法としては、標準的な病理学、免疫学、および細胞遺伝学により多く の学問領域により行われる。この状況の中で、フローサイトメトリーおよびモノ クローナル抗体を用いて免疫形質の分類(immunophenotyping)することにより 、リンパ系と骨髄細胞系とが迅速かつ正確に分類されるが、骨髄生検により、正 常な造血の残存程度が明らかになると同時に、悪性の浸潤の程度が示される。免 疫形質の分類も組織学も、患者の予後を判定するために十分な道具とはなりえな い。これとは対照的に、細胞遺伝学的評価は、時間がかかるものの、予後不良な ものと同様に良好な患者群についても、どちらも明らかにすることが示されてい る。予後判定手段として細胞遺伝学が価値を持つ基礎は、ユニークな遺伝子配列 が形成される数多くのバランスのとれた染色体転座が存在することである(総説 としてRabbitts,1995参照)。転座切断点のクローニングによって、これらの遺 伝子が、その発現のレベルまたはそれらがコードする蛋白質の性質を変化させう ることが示されてきた。こうした変化は、疾患の発症および恐らくは進行におい て も、重要な役割を果たすと考えられる。 造血系腫瘍の形成と関連した染色体転座の分子レベルの研究により、腫瘍形成 の機構に対する重要な洞察が与えられた。転座は、切断点またはその近傍に存在 する細胞内の癌原遺伝子の機能または活性を変化させる可能性がある。これらの 癌原遺伝子は、通常は細胞増殖、分化またはアポトーシスの制御に関与している 。発癌性の変化は、(i)例えば白血病における免疫グロブリンおよびT細胞受容 体遺伝子のような組織特異的遺伝子の制御エレメントに細胞内癌原遺伝子が接続 し、癌遺伝子の不適切な発現がおこることによる(Leder,P.ら、Science 222: 765(1983);Finger,L.R.ら、Science 234:982(1986))、または(ii)野生型の 蛋白質とは異なる機能的特徴を持ったキメラ蛋白質をコードするような融合遺伝 子の生成による(Borrow,A.D.ら、Science 249:1577(1990);de The、H.ら、 Nature 347:558(1990))という二種類の一般的な機構のいずれかによって起こり うる。 転座切断点は、非常によく保存されており、一般的には侵襲される遺伝子のイ ントロン内に存在する。このことにより、リーディングフレームおよび蛋白質の 機能(不全)が制限されるだけでなく、イントロンのサイズ、およびイントロン 内部の反復配列(例えばAlu)またはB細胞もしくはT細胞特異的な組換え酵素認 識部位に相同な配列の存在するこも、転座の標的となり、転座の頻度に影響する 可能性がある。しかし、数多くの融合遺伝子が、数種類の異なるサイズで発見さ れている。塩基配列の解析結果から、融合蛋白質の変異体間でリーディングフレ ームは保存されており、癌遺伝子の生成における蛋白質ドメインの結合にはある 程度の自由度がありうることが示されている。 急性骨髄性白血病および急性リンパ性白血病の両方において、融合にかかわる 遺伝子の一つとして最も頻繁に見られるのは、造血において直接的な役割を持つ と考えらる転写因子で、これがしばしば転座によって、造血系細胞においては通 常活性でない第二の遺伝子に融合している。同一の遺伝子が、一つ以上の染色体 パートナーとの融合に関与している例もある。 転座切断点の遺伝子は、数個の融合パートナーを持つことがあり、その最も確 実な例としては、染色体バンド11q23に存在するMLL遺伝子があり、これには、内 部の重複に加えて10種類の異なる融合パートナーが知られている。t(4;11)(q 21;q23)転座において検出されるMLL/AF4融合遺伝子は、小児ALLにおいてのみ検 出されるが、t(6;11)(q27;q23)転座において検出されるMLL/AF6融合遺伝子はA MLのサブグループの患者において認められる(Prasad,R,ら,Cancer Res.53: 5624(1993))。t(10;11)(p14;q23)転座は、MLLがAF10遺伝子に融合している が、小児のALLおよびAML両方の患者で報告されている。このように、融合のパー トナーにより、MLL遺伝子は、リンパ性もしくは骨髄性、またはその両方の疾患 の発症に寄与することができる。例えば、t(1;19)(q23;p13)およびt(17;19) (q22;p13)におけるE2A/PBXおよびE2A/HLF、またはt(15;17)(q22;q21),t(11; 17)(q23;q21),t(5;17)(q35;q21),t(2:5)(p23:q35),t(3;5)(q25.1;q35)にお けるそれぞれPML/RAR α,PLZF/RAR αNPM/RAR αNPM/ALK,NPM/MLFのような、 数多くの切断点の遺伝子が、異なる転座において様々なパートナーと融合するこ とが判明している。このように、造血系悪性疾患において検出される転座の少な くとも一部分は「融合遺伝子ファミリー」に分類することができる。 転座を同定することは、一般的にはG-バンド染色法による核形分類、または近 年では蛍光インサイチューハイブリダイゼーション(FISH)法によって行われてき た。しかし、臨床検体から常に染色体が調製できるとは限らず、細胞遺伝学的な 診断は、少数の異常細胞に対しては感度が良くなく、すなわち再発のモニタリン グには役に立たない。細胞遺伝学的解析は、大きな異常は検出できるかもしれな いが、顕微鏡で見えない微細な変化は検出できない。これらの問題のいくつかは 、PCRに基づいた技術を用いることによって克服できる可能性がある。しかし、 わずか4種類の異なる染色体異常のみが、多重PCRによって同定されているにす ぎない(Repp,R.ら、「多重PCRおよび蛍光に基づく自動DNA断片解析を用いた 4種の異なる11q23染色体異常の検出(Detection of Four Different 11q23 Chr omosomal Abnormalities by Multiplex-PCR and Flourescene-Based Automatic DNA-Fragment Analysis)」:Leukemia(1995)9:210-215)。 正常な核形の患者のうち10〜30%は、PCR法によって転座特異的融合遺伝子が 検出でき、このことは、第二の染色体組換えが生じて正常な核形に修復したこと を示している。PCR解析は、迅速かつ非常に高感度であるが、一般に一つの特定 の融 合遺伝子しか検出できない。PCR法の主な欠点は、時間がかかり偽陰性が検出し にくいことである。このため、これまで急性白血病で示されてきたような、多数 の多様な転座に対しては、スクリーニング技術として用いることができなかった 。 関与している遺伝子が同定されている転座のほとんど全てに対して、融合遺伝 子を検出するためのPCRに基づく方法が記載されてきた。しかし、反応条件およ び検出システムの多様性、融合遺伝子の数、および患者材料の必要量が問題とな るため、現在の方法によって、一人の患者で記載されている融合遺伝子の数々を スクリーニングすることはほとんど不可能であると考えられる。 このように、例えば悪性疾患のような病気に罹患した疑いのある患者の予後評 価を可能にするような、迅速かつ信頼性の高いスクリーニング方法が必要なこと は明らかである。 発明の目的 本発明の目的は、これまでの方法にある欠点を持たない、染色体異常(転座の 様な)のファミリーを検出するための、簡便かつ信頼性の高い方法を供給するこ とである。従って、非常に特異的な診断を可能とする迅速で安全な方法であり、 患者には20mlの血液でさえかなりの量とされる小児や乳児が含まれることから、 可能なかぎり少量の試料によって行える方法であることもさらなる利点である。 さらに、こうした新しい方法における手段(特に特定の有用なプライマーという 形態で)を供給することも、本発明の目的の1つである。 発明の説明 本発明の発明者らは、ある患者のある状態に関連し、それぞれ少なくとも一つ の特徴的な核酸配列によって規定される染色体異常の有無を検出する方法を提供 した。一般に、本方法は、核酸の試料を、各々のプライマーが少なくとも一つの 特徴的な核酸配列の一端を規定するような、多種類の相互に異なるプライマーを 、一つの反応混合物中で用いる多重の分子増幅過程にかけることを含む。本発明 に係る方法は、わずかな仕事量で、核酸の試料について、ある患者に起こりうる 非常に多数の染色体異常をスクリーニングすることを可能にする。本発明の方法 を用いることにより、ただ一回の実験で、80種類以上のサブタイプのある約5 0種類の染色体異常を検出することが可能となった。 本発明の顕著な特徴の一つは、増幅反応において用いるプライマーが一組より も2分の1だけ多く含む増幅プライマーを用いることであり、これによって対照 となる全ての配列の増幅を行うのに必要なプライマーの数を減らすことができる 。 例えば、当技術分野における従来の方法を組み合わせる場合、検出したい染色 体異常のそれぞれに対して二つのプライマーを用いる必要があった。一方、本発 明では、例えば転座がファミリー内に含まれれば、一つの転座による産物の片割 れの部分が、少なくとも一つの他の転座産物の中に存在するという事実を利用し ている。こうした二つの転座産物を検出するような単純な状況では、合計三種類 のプライマーだけを用いる必要があると考えられる。例えば5種類の転座産物( これらは全て一種の転座の「片割れ」を共有している)を検出するような、より 複雑な状況では、理想的には合計6種類のプライマーを用いることができる;こ のことは、従来の当技術分野のプライマーシステムを用いた多重増幅を行う際に 必要なプライマーが10種類であることと、きわめて対照的である。 このため、本発明者は、造血器官の悪性疾患に関連した事実上全ての既知の染 色体異常を検出するために必要なプライマーの総数を減らすために、転座のファ ミリーが存在することを用いた。さらに、7種以上の数のプライマー、すなわち 、この目的のための多重PCRに、前例のないほど多数のプライマーを用いた多重P CR反応を行うことができるようになった。 このように、本発明の第一の局面としては、それぞれの染色体異常が患者の状 態に関連しており、これらの染色体異常の各々が少なくとも一つの特徴的な核酸 配列によって規定される染色体異常の有無を検出する方法に関連する。この方法 は、 a)該染色体異常の一つを有する可能性のある患者由来の核酸試料を得る段階、 b)核酸試料を多重分子増幅過程にかける段階であって、該特徴的な核酸配列の 数が十分量存在する場合には増幅される段階、 c)段階b)の産物を回収し、増幅された特徴的な核酸配列の有無、およびそれに よって対応する染色体異常の有無を検出する段階 を含み、ここで、多重分子増幅過程は、少なくとも7種類の相互に異なるプライ マーを一つの反応混合液中で用い、この少なくとも7種類の相互に異なるプライ マーのそれぞれが少なくとも一つの特徴的な核酸配列の一端を規定し、少なくと も7種類の相互に異なるプライマーの少なくとも一つが、少なくとも二つの特徴 的な核酸配列の第一の端を規定し、該少なくとも二つの特徴的な核酸配列は、各 々が少なくとも7種類の異なったプライマーの残りから選択された相互に異なる プライマーによって反対側の端に規定され、それによって増幅反応の結果検出で きる特徴的な増幅核酸配列の数は、nを少なくとも7種類の相互に異なるプライ マーの数とすれば、少なくとも1/2×n+1である。 本発明の方法を用いた分子増幅過程から信頼できる結果を得るために、分子増 幅が十分に行われていることを確認する、即ち、増幅の結果が偽陰性とならぬよ うに保証することがしばしば必要である。 本発明にしたがえば、このことは、基準となる増幅を開始し持続するプライマ ーの組み合わせを含む反応混合液中で内部標準(核酸断片という形態での)を増 幅することにより行うことができる。 それゆえ、別の局面において、本発明は、それぞれの染色体異常は患者の状態 に関連しており、さらにそれぞれの染色体異常は少なくとも一つの特徴的な核酸 配列によって規定されている、染色体異常の有無を検出するための方法に関し、 該方法には以下の段階が含まれる: a)該染色体異常の一つを有する可能性のある患者由来の核酸試料を得る段階、 b)核酸試料を多重分子増幅過程にかける段階であって、該特徴的な核酸配列の 数が十分量存在する場合には増幅される段階、 c)段階b)の産物を回収し、増幅された特徴的な核酸配列の有無、およびそれに よって対応する染色体異常の有無を検出する段階。 この方法において、この多重分子増幅反応は、 1)I)試料中に存在する核酸断片と、II)該核酸断片のヌクレオチド配列を増幅す るためのプライマーとを含む内部陽性標準の使用、および 2)ある特徴的な核酸配列の一端をそれぞれ規定する相互に異なるプライマーの 個数、nを含み、 n個の相互に異なるプライマーの内、少なくとも一つが、少なくとも二つの相互 に 異なる特徴的な核酸配列の第一の端を規定し、該少なくとも二つの相互に異なる 特徴的な核酸配列は、n個の相互に異なるプライマーの残りから選択された、少 なくとも二つの相互に異なるプライマーによって、その反対側の端が規定されて おり、それにより、増幅過程の結果として検出できる増幅された特徴的な核酸配 列の数は、少なくとも1/2×n+1である。 本明細書において、「本発明の方法」または「本発明の複数の方法」という用 語を用いる場合には、上記二つの本発明の局面を意味している。 一つの反応混合液中で用いるプライマーの数は、少なくとも7種類であること が好ましいが、少なくとも8、10、12、14、16、20、26、または少 なくとも30といったより大きな数であっても好ましい。 一つの反応混合液中のプライマーの数は、多くとも50であり、特定の状況下 では多くとも40であるが、35の場合すらあると考えられる。 一つの反応溶液中のプライマーの好ましい特定の個数は、本請求の範囲から明 らかである。 本明細書中で用いているように、「染色体異常」および「複数の染色体異常」 という用語は、健常人では通常認められない核酸の染色体配列を意味し、これら の配列は、疾患にかかっていたり、該疾患を発症する危険率が高かったり、また はよく知られている染色体欠陥を持っていたりする患者において典型的に発見さ れるものである。典型的には、こうした染色体異常は、転座、逆位、欠失、重複 である。 従って、(複数の)染色体異常は、通常は、疾患(多くは悪性)または染色体 欠陥といった状態に関連しており、換言すれば、染色体異常は、平均的な人口に おけるよりもそのような状態を持った患者に、有意に高い割合で存在すると考え られる。 これと関連して、「特徴的な核酸配列」とは、染色体異常を持った患者のゲノ ムに含まれ、通常は「平均的な」健康状態の患者には認められないヌクレオチド の連続的な配列である。さらに、特徴的な核酸配列は、染色体異常に特有に結び ついている、即ち、染色体異常を起こしていない患者からの任意の実質的な個数 の核酸試料では認められないヌクレオチド配列の一つである。 「分子増幅過程」という用語は、核酸配列が、標的配列(「鋳型」)にアニー ルする導火線となる配列(「プライマー」)を用いることによって増幅される、 インビトロの過程を意味し、また、プライマーまたはその相補配列の伸長産物の 増幅を開始し、持続することを意味する。こうした方法は、当技術分野において は周知であるが、EP-O 200 362,EP-O 201 184,EP-A-O 368 906,EP-A-O 379 3 68,EP-A-O 540 693に記載されている方法を具体例としてあげることができる。 「多重」分子増幅過程という場合には、当技術分野においては周知のごとく、 少なくとも3種類のプライマーの使用を含み、少なくとも二つの標的配列の増幅 を起こす分子増幅過程を意味する。一般に、多重分子増幅過程はいくつかの特許 出版物、例えば、EP-A-0364 255に記載されている。 本発明に係る好ましい分子増幅方法は、多重PCRである。 本発明の方法に従って、増幅過程で用いられるプライマーは「別個」でなけれ ばならず、この用語によって、配列が100%同一ではなく、およびさらに、選 択した増幅条件下では、所与の標的配列へのアニーリングを実質的に互いに競合 しない核酸プライマーを意味する。 本発明の方法の重要な態様は、核酸の試料が患者由来のcDNAの形であることで ある。このためには、患者由来のmRNAを逆転写してcDNAを得る前方法段階が必要 であり、そのような過程は、それ故、患者細胞の少なくとも一部で実際に転写さ れていることを検出すべき特徴的な塩基配列の数を制限してしまうことが理解さ れると思われる。一方で、細胞からmRNAを回収する過程は、当技術分野では十分 確立されており、標準的なセットアップで比較的問題が少ない。 しかしながら、本発明の方法は、増幅過程にcDNAを鋳型として用いることに限 定されるわけでは決してないことを強調しておく。一つの興味深い可能性は、患 者の細胞から染色体DNAを抽出し、これを用いて直接、またはこれに由来する制 限酵素切断断片を用いてのいずれかの方法で、多重の分子増幅を行うことである 。これにより、抽出時には明らかな表現型を呈しないにもかかわらず、対象とす る状態の重要なマーカーとなる可能性のある染色体異常を検出できる可能性があ る。 とはいえ、本発明の方法で行う分子増幅過程では、本過程の鋳型が患者由来の mRNAの形で、別個の分子増幅過程において特異的または非特異的なcDNAプライマ ーを用いて回収されたcDNAを用いることが好ましい。 mRNAを回収する標準的なスキームで用いられるcDNAプライマーは、通常は非特 異的なものであるため、抽出されるmRNAは「任意に」プライミングされたもので ある。本発明では、全RNAからcDNAを合成する際に特異的なcDNAプライマーの混 合物を用いると、検出段階で非常に優れた結果が得られることを見出した。実際 に、特異的なcDNAプライマーを用いることで、問題とするシステムにより、感受 性が約25から125倍上昇した。 このため、cDNAプライマーが特異的であることは特に好ましく、実際に、後に 続く多重の分子増幅過程と組み合わせて特異的cDNAプライマーを用いることは、 それ自体、多重のPCR反応において実質的により高い感受性を達成できる、新し いアプローチであると考えられる。ゆえに、本発明のもう一つの部分は、そのよ うに特異的にプライムされたcDNA産生を、後に続く多重の分子増幅と組み合わせ ることである。 本明細書において、cDNAプライマーとの関連で用いられる「特異的」という用 語は、上で定義した特徴的な核酸配列から転写されるRNAの大部分として存在す る標的RNA配列にアニーリングするように、cDNAプライマーが予めデザインされ ていることを意味する 本発明によれば、cDNAプライマーの数は、好ましくは、少なくとも25個とか、 少なくとも30個とか、少なくとも50個、少なくとも100個、少なくとも150個、ま たは少なくとも200個といったように、少なくとも20個である。 多重の分子増幅過程にcDNA(またはその他あらゆる形の鋳型の核酸)を用いる 場合、鋳型の核酸を回収する過程と多重の分子増幅過程との間で、反応液を交換 する必要性をなくすことは、非常に有利である。このことは、本発明によれば、 患者由来のcDNA(またはその他の鋳型の核酸)を回収する条件を分子増幅過程の 条件と確実に一致させることにより、可能である。換言すれば、本発明の方法で は、分子増幅過程用の反応液の化学組成を、たとえばcDNA合成過程のものと実質 的に同じにすべきであるが、残存しているcDNAプライマーの融点は、多重の分子 増幅過程に用いられるプライマーの融点と異なっていなければならない。このよ うにして、テストチューブの操作を最小限に制限し、その結果、多重の分子増幅 反応の前に試料へ夾雑物が混入するのを避けることが可能と考えられる。 本発明の一つの好ましい態様は、多重の分子増幅法であり、これは、ネステッ ドポリメラーゼ連鎖反応のようなネステッドの分子増幅過程である。ネステッド PCRが、初回のPCRから生じる数多くの人工的な増幅産物を排除することによって あらゆるPCR反応の特異性が増すことは、よく知られている。本発明に従って用 いる適切なネステッドPCR法は、米国特許第4,683,195号、および特に手順に関し てはEP-A O 519 338に記載されており、これらによりさらに、必要なネステッド の分子増幅過程を行う際に、個々の段階間で反応液や反応物を交換する必要がな いことが確実になる。 本発明方法の重要な態様は、染色体異常が転写された融合遺伝子の存在である 方法である。上述したように、造血系由来の様々な悪性疾患との相関が高い有意 性を示す数多くの発現融合遺伝子が同定されており、このため、そのような融合 遺伝子の存在を検出することにより、患者の予後に関する重要で有用な情報を得 ることができる。これは、ある種の悪性疾患には特異的な治療の処方が効果を上 げることが知られているためである。そのような融合遺伝子が転写されるのは、 典型的には、逆位、欠失、重複または癌原遺伝子の活性化が起こった結果である 。該活性化された癌原遺伝子は、典型的には、Hox-11およびevi-1およびその他 の、参照として本明細書に組み入れられるRabbits 1994に示されているようなも のからなる群より選択される。 しかしながら、例えば悪性細胞によく見られる遺伝的変異体は、本発明の方法 に供される試料がcDNAではなく例えば染色体由来の核酸断片であれば、本発明に 従って検出することができる可能性がある。この方法では、しばしば過剰発現さ れるc-mycのような遺伝子は検出できる可能性があり、疾患の指標として用いる ことができる。 従って、本発明の方法の好ましい態様は、少なくとも一つの染色体異常が悪性 新生物の状態、特に全身性の悪性新生物と関連しているようなものである、とい うのも、これらのうちで比較的多数のものが、例えば発現される融合遺伝子と関 連していることが示されているためである。 本発明によれば、そのような全身性の悪性新生物は、急性白血病(AL)、慢性 白血病(CL)、T細胞性急性白血病(T-ALL)、B細胞性急性白血病(B-ALL)、 T細胞性慢性白血病(T-CLL)、B細胞性慢性白血病(B-CLL)、前リンパ球性白 血病(PLL)、急性未分化性白血病(AUL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨 髄性白血病(CML)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、急性前骨髄球性白血病(A PL)、プレB-ALL、およびプロB-ALLのような白血病;バーキットリンパ腫(BL) 、非ホジキンリンパ腫(NHL)、ホジキンリンパ腫(HL)、ろ胞性リンパ腫(FL )、びまん性大細胞型リンパ腫(DLCL)、T細胞性リンパ腫、B細胞性リンパ腫 のようなリンパ腫;脊髄形成異常;ならびに骨髄腫からなる群より選択される。 以下の染色体組換えは全て、造血系の悪性疾患と関わりあっていることが示さ れている: dup(11q23)(dupエキソン5-9/2); dup(11q23)(dupエキソン5-9/4); inv(16)(p13;q22); t(1;11)(p32;q23); t(1;19)(q23;p13); t(10;11)(p14;q23); t(10:11)(P14;q23); t(10;11)(p14;q23); t(10;14)(q24;q11); t(11:17)(q23;q21); t(11;19)(q23;p13.1); t(11;19)(q23;p13.3); t(12;21)(p13;q22); t(12;22)(p13;q11); t(15;17)(q21;q22); t(15;17)(q21;q22); t(16;21)(p11;q22); t(17;19)(q22;p13); t(2;3)(P21;q26); t(2;5)(p23;q35); t(3;21)(q26;q22); t(3;3)(q21;q26); t(3;5)(q25.1;q34) t(4:11)(q21;q23); t(5;12)(q33;p13); t(5;17)(q35;q22); t(6;11)(q27;q23); t(6;9)(P23;q34); t(7;10)(q35;q24); t(7;9)(q34;q32); t(8;21)(q22;q22); t(9:11)(q22;q23); t(9;12)(q34;p13); t(9;22)(q34;q11); t(9;22)(q34;q11); t(X;11)(q13;q23);および talld1-3(40kb欠失) (染色体組換えをこのように表示する際に用いられる「t」の文字は転座、「inv 」は逆位、および「dup」は重複を表す。) これらの異常と関連して、以下の遺伝子はしばしば発現するようになる:CBF β/MYH11、SIL1/TAL1、MLL1、EVI-1、MLL1/AFX1、MLL1/AF1p、MLL1/AF1q、E2A/P BX1、E2A/HLF、EV11、NPM/ALK、NPM/MLF、AML1/EV11、MLL1/AF4、TEL/PDGfβ、N PM/RARα、DEK/CAN、SET/CAN、MLL1/AF6、HOX11、AML1/MTG8、MLL1/AF9、BCR/AB L、MLL1/AF10、MLL1/AF17、PLZF/RARα、MLL/ELL、MLL/ENL、TEL/AML 1、PML/RA Rα、FUS/ERG、AML1/MDS、AML1/EAP、TEL/MN1、MLLエキソン5-9/2、およびMLLエ キソン5-9/4。 このことから、上記は、本発明の方法で検出するのに最も好ましい染色体異常 および遺伝子であり、そのため、本発明の方法で用いたプライマー(cDNAおよび PCR双方の)は、これらの組換えに特徴的な塩基配列を特異的に増幅するために デザインしなければならない。 染色体組換えと悪性疾患との関連性に関する知識が主に造血系の腫瘍に関する ものであるとはいえ、他の固形腫瘍においても類似の相関が存在することが知ら れている(Rabbits,1994参照)。このため、本発明の方法はまた、非全身性の 新生物形成性悪性疾患の状態を検出するためにも用いられる。そのような悪性疾 患の例としては、癌腫、腺癌、脂肪肉腫、線維肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、平滑筋 肉腫、横紋筋肉腫、神経膠腫、神経芽腫、髄芽腫、悪性黒色腫、神経線維芽腫、 血管肉腫、リンパ管肉腫、悪性奇形腫、未分化胚細胞腫、精上皮腫、および絨毛 癌からなる群より選択される非全身性の新生物形成性悪性疾患がある。新生物形 成性悪性疾患が癌腫である場合、好ましくは、胸部、気管支、結腸直腸、胃、前 立腺、卵巣、リンパ組織、リンパ系髄質、子宮、膵臓、食道、膀胱、腎臓、また は皮膚の癌腫からなる群より選択される。 特に興味深い悪性新生物の状態は、乳頭状甲状腺腫、ユーイング肉腫、脂肪肉 腫、横紋筋肉腫、滑膜肉腫、および軟部黒色腫からなる群より選択される。とい うのも、これらはすべて、ゲノムの組換えと正の相関があるためである(Rabbit s 1994参照)。 本発明の方法に用いる核酸試料は、典型的には患者の骨髄細胞由来もしくは患 者の末梢血の血球由来である。このことは、検出する疾患が造血系の悪性疾患で ある場合、特に興味深いわけであるが、(例えばダウン症候群のような)染色体 欠陥で特徴づけられるような状態もまた、この方法で検出できる可能性がある。 しかしながら、試料は患者の任意の他の部位由来であってもかまわないが、上述 した染色体欠陥を検出する目的に特に興味深い部位は、胎盤細胞、胎児細胞、お よび羊水である。500万個の単核球細胞の試料があれば、通常は、核酸の量とし て5μg(3から8μg)のRNAを回収するのに十分であるが、細胞の増殖速度によ り異なる。骨髄由来の試料は、一般に、20mlで5μg(3から8μg)のRNAに相当す る。従って最小量として10mlの試料があれば、本発明に係る方法を行うためには 十分と考えられる。 増幅した特徴的な塩基配列の検出を容易にするために、多重の分子増幅過程に 用いるプライマーのうちの少なくとも一つを、本発明に従って標識することが可 能である。標識は、放射性標識、色素標識、蛍光標識、ビオチン基、酵素群、リ ン酸、チオール化アミン、または直接的もしくは間接的に検出可能な他のあらゆ る官能基のいずれでも可能である。たとえば、ビオチン基はそれ自体で標識され ているが、混合液を標識したアビジンまたはスプレプトアビジンと反応させるこ とにより、ビオチン化した核酸断片の存在を検出することも可能である。 本発明の方法の特に好ましい態様において、プライマーは蛍光標識または色素 標識される。標識されたものおよびされていないものの両方のプライマーを多重 の分子増幅過程に用いることにより、蛍光の程度を定量的な方法で用いることも また可能となる。例えば、プライマーが、2つの形、たとえば標識したものとし ないものというような異なる標識状態で存在し、既知の異なる量を用いた場合、 増幅産物中の標識の確率的な分布により、最初に定めた標識の比に対応して、平 均した程度の標識が増幅産物中に検出される。このため、プライマーの蛍光標識 は比較的わずかしか知られていなくても、上述したテクニックを使えば、多数の 異なる増幅断片を検出することが可能である。 標識を用いる代わりに、異なる長さの増幅産物を生じるようなプライマーの組 み合わせを、注意深く選ぶことも、もちろん可能である。その後、ゲル電気泳動 、塩基配列解析、HPLC、FPLC、蛍光分光光度計およびその他の適当なクロマトグ ラフィー法のような方法を用いて、断片の長さ/塩基配列に基づいて増幅断片を 検出できる様々な方法で増幅産物の有無を検出する。 または、産物にハイブリダイズし、その後に標識により検出できる他の核酸断 片のような、増幅された産物を検出するための標識手段を用いることも可能であ る。そのような方法は、当技術分野ではよく知られている。 本発明によれば多数のプライマーを同じ反応容器内で使用することが可能であ るとはいえ、それを越すと増幅過程が非常に不安定で信頼性のないものになって しまうような上限が存在する。本発明の重要な態様において、核酸試料は、本明 細書で記載される多重の分子増幅に、少なくとも2回はかけられる、すなわち、 患者由来の試料は数滴に分注され、各々が、本発明に従った多重の分子増幅過程 にかけられる。(時間の浪費を節約するという観点から)少なくとも2回の多重 の分子増幅過程を並行して行うことが好ましく、少なくとも2回の多重の分子増 幅過程を、物理的なパラメーターおよびタイミングという点については実質的に 同じ条件のもとで行うことが、特に好ましい;後者の好ましい態様は、全ての分 注アリコートに、例えば(プライマーを例外とすれば)同じ反応緩衝液、同じ温 度循環スキームを用いることができる点で優れている。このため、本質的に全て の反応が同じサーモサイクラーで行われる。 試料に対して異なる増幅過程を行う正確な回数は変化する可能性があるが、少 なくとも4,5,6,7,8,9,10,11,12または少なくとも15回の ように、好ましくは少なくとも3回である。検出を要する染色体異常のファミリ ーの数により、回数は増える可能性がある。 本発明の方法の1つで用いる内部標準は、好ましくは患者由来のcDNA分子であ り、最も好ましくは、該cDNA分子は、増幅過程に用いる鋳型が患者由来のmRNAの 形のもので、特異的または非特異的なcDNAプライマーを用いた分子増幅過程によ り得られるものである。 実際に、患者由来の核酸試料のもととなったまさにその細胞由来の内部標準に 由来し、かつ患者由来の核酸を得るために用いたのと同種の段階を内部標準を得 るのに用いることにより、多重分子増幅過程に至りおよびそれを含む全ての段階 が正確に実行されたかどうかが信頼性をもって示される。増幅産物の最終混合液 の中に内部標準が存在することが示されれば、そのようなセットアップで、前段 階のすべてが満足すべき状態で行われたことが示されるが、標準が存在しない場 合、そのアッセイはやり直すべきであることが示される。 このため、患者由来の核酸試料がcDNAからなる場合には、内部標準もまた、そ の他のcDNAが提供される分子増幅過程を含めて、その他のcDNAと並行して回収さ れるcDNAである。 しかしながら、信頼性は低いがそれでもなお、過程の様々な段階が正しく実行 されていることを満足すべき程度に確認することは、たとえば以下にあげるスキ ームの一つにより達成されうる: 1)既知の配列を持つRNA断片を、mRNAが抽出される全RNAの混合液に加えて、そ の後既知のRNAの産物を逆転写PCRで作成する;この方法で、全RNAの抽出を除く 全ての段階を確認できる; 2)既知の塩基配列を持つ核酸断片を、適当なプライマーとともに多重の分子増 幅用混合液に加える;この方法で、多重の分子増幅過程それ自体を確認できる。 しかしながら、内部標準を「初めからずっと」用いる方が好ましく、本発明の そのような態様において、内部標準を成すcDNA分子とは、構成的に発現するRNA 断片に相当する。本実施例では、構成的に発現される遺伝子であるE2A由来の塩 基配列を用いているが、対象とする細胞で構成的に発現されるあらゆる遺伝子を 、標的として用いることが可能である。試料に含まれる核酸が直接染色体DNAに 由来する態様においては、あらゆる「正常」遺伝子の塩基配列を、内部標準とし て用いることが可能であると考えられる。 本発明の方法における重要な因子は、多重の分子増幅過程に用いるプライマー の選択である。一般に、プライマーは、当業者には既知の標準的なソフトウエア を用いてデザインし、反応混合液中のプライマーは以下の数多くの基準を満たす 必要がある: 1)プライマーは、各々の標的配列に、実質的に同じまたはそれ以下の温度、好 ましくは5℃以内の温度差でハイブリダイズせねばならない(融点が同じでなけ ればならない);以下に述べる実施例で報告するセットアップでは、融点は約70 ℃に選択されている。 2)プライマーは、実質的に各々の標的配列に特異的でなければならない、すな わち各々の「受け持ち」以外の鋳型配列で重合を開始してはならず、また相互に ハイブリダイズできてはならない。この特異性は、プライマーが標的配列と完全 に相補的であるという事実により獲得できるが、3点までの相違(変異)であれ ば、特異的なプライミングを起こすことができる。 3)プライマーは、実質的に、分子内でハイブリダイズしてはならない、または 換言すれば、各プライマー内での二次構造形成を最小におさえねばならないとい うことであり、これは通常、プライマー内でのデルタGが-1より大きい場合であ る。 4)プライマーは、3’端よりも5’端の方が融点が高くなければならず(すな わち、5’端での内部安定性が高く、3’端での安定性が相対的に低い)、融点 の差は、2℃より大きいというように好ましくは1℃より大きく、4℃より大きい というように好ましくは3℃より大きく、6℃より大きいというようにより好まし くは5℃より大きいが、正確な差は、またプライマーのその他の望ましい特性に 左右される可能性がある。 5)分子増幅の過程において、どの2種のプライマーも、患者の体内の条件とは 関連なく通常存在する配列に対応する、試料中の核酸配列の増幅を、同時に開始 し継続させうることはない。 6)好ましくは、3個以内のグアニジン残基のように、連続して5個より多くの グアニジン残基を含むプライマーはない。 7)実質的に分子間でのハイブリダイズを示さない、これはデルタGが-10より大 きいプライマーダイマーで獲得される。 プライマーを選択する際に更に制限となるのは、分子増幅過程が、検出対照と なる増幅産物を生じる過程(すなわち、たとえばネステッドPCRの第2のPCRのよ うな、最後の分子増幅過程)であり、かつ増幅産物をその長さ/配列で区別する 過程である場合、異なる長さの断片を生じるように組み合わせねばならないとい うことである。そのような状況においては、増幅された断片は、典型的には100 〜400bpの長さとなる。 プライマーの正確な選択の仕方は、例えば検出すべき融合遺伝子のような塩基 配列に一致させ、上述の基準を満たす限り、ほとんど無数にあることが理解され るはずである。しかしながら、PCRプライマーに関しては、配列番号:33〜1 77のいずれかの配列を有するプライマーが、現在のところ特に好ましい。cDNA プライマーについては、配列番号:1〜32および178〜182のいずれかの 配列を有するプライマーが、現在のところ好ましい。 別の局面では、本発明はまた、7種の相互に異なるプライマーを含むキットに 関する。そのキットは、本発明に従って染色体異常の有無を検出するための方法 に用いるプライマーのあらゆる望ましい組み合わせを含むものと考えられる。従 って、キットには、配列番号:1〜配列番号:32および配列番号:178〜配 列番号:182からなるcDNAプライマー、ならびに配列番号:33〜配列番号: 177から選択されるPCRプライマーの群より選択されるプライマーを含むと考 えられる。本発明のキットはまた、当技術分野では既知の緩衝液、酵素、および 安定化剤のような添加物をも含むことが考えられる。 ある好ましい態様においては、プライマーを、例えばマルチプレートのウェル 、毛細管チューブ、棒、またはビーズ(磁気ビーズのような)のようなデバイス の表面に接着させる。 この接着において、プライマーは、乾燥させてもよく、またはポリマー担体内 への包埋を含むその他の任意の適当な形をとってもよい。更に別の態様において 、キットに含まれるプライマーは、例えばチューブまたはウェルに入った液状で ある。 また、上述した特異的プライマーは単体で、本明細書に記載のPCR増幅の際に 同程度に効果的なそれらに由来する相同体として、またはcDNAプライマーとして 、本発明のもうひとつの局面を形成する。 図面の説明 図1.多重のPCR増幅反応のセットアップ 図は、各々、プライマー・ミックス1〜8を用いた8種類の多重のネステッド PCRにより増幅した、一人の患者由来の核酸試料をゲル電気泳動した代表的な結 果を示す。最上段のレーン(レーン1)は、分子量マーカーを示す。レーン1〜 8に見られるバンドは内部対照であるが、レーン5(プライマー・ミックス4) に見られる第2のバンドは、太字で示した染色体異常が検出されたものである。 図2Aおよび2B.図は、プライマー・ミックス1〜8を用いて多重のネステ ッドPCRにかけた18人の患者由来の核酸試料をゲル電気泳動した結果を示す。 各患者で、1つまたはそれ以上の染色体異常が、PCRで典型的かつ容易に同定で きるバンド・パターンを生じることにより検出される。個々の患者を表す各パネ ルの上部に実際の染色体異常を明記した。 図3.図は、多重解析で陽性を示した試料を、個別のプライマー・セットを用 いて再度解析した結果を示す。上段の3枚のパネルは、各々、一人の患者由来の 核酸試料を用いて多重のネステッドPCRを行ったゲル電気泳動の結果を示す。こ れらの各ゲルの中で、一つのレーンが、正確な性状および変異体が容易には検出 で きないような、染色体異常を各個体が有することを示している。この異常を明確 に同定するため、各患者由来の核酸を、今度は異常に関わる融合遺伝子の性状が 決定できるような個別のプライマーセットを用いて、更に1回PCRにかけた(下 段の3枚のパネル)。 実施例 1 多重PCRを用いた患者試料中の染色体異常の検出 材料および方法 患者試料および細胞系 骨髄または末梢血の試料は、使用前にフィコールによる濃度勾配で分画し、凍 結保存した。Karpas-299、ML-2、Mono-Mac-6、NB-4、697、JOSK-1、NALM-6およ びRPMI-8402の各細胞系は、DSM-Deutsche Sammlungvon Mikroorganismen und Ze llkulturen(Braunschweig、Germany)-より取得した(DSM寄託番号は、それぞ れ31、15、124、207、42、155、128および290)。RS4;11およびMV-4-11の両細胞 系は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Cultur e Collection(Rockville、MD))より取得した(ATCC寄託番号は各々CRL 1873 およびCRL 9591)。HAL-01細胞系は、Ohyashikiら、(1991)、Leukemja 5:pp. 322-331に記載されている。細胞系は全て10%ウシ胎仔血清を添加したRPMI-1640 培地で培養した。Mono-Mac-6細胞系の培地には、9μg/mLのウシインシュリンを 添加した。 RNAの調製 全RNAは、グアニジニウムチオシアネート−フェノールクロロホルム法(Chomc zynski、Anal.Biochem.162:156,1987)、またはRNeasy Kit(Quiagen)を用 いた製造者の支持に従った方法により調製した。その後、RNA溶液を、0.1 unit/ μLのRNaseフリーのDNase(Boehringer)を含む50mmol/L Tris-HCl,pH8.0、10m mol/L MgCl2で、37℃にて30分処理した。DNase処理後、EDTA pH8.0を10mmol/Lと なるように加え、RNA溶液をフェノール/クロロホルム1:1で1度抽出し、200mmo l/Lとなるように酢酸ナトリウムを加えて、等量のイソプロパノールで沈澱させ た。エッペンドルフ遠心機で13,000rpmで30分間遠心してRNAをペレットとし、80 %エタノールで洗浄した。RNAを25μLのDEPddH2Oに再懸濁し、5μLを採取して、 Genequant(Pharmacia)で定量した。その後、RNAを0.1μg/μLに希釈し、10μL のアリコートに分注して、使用するまで-80℃に保存した。 逆転写酵素PCR 全RNA 1μgを、転座特異的cDNAプライマー混合物(各2.5pmol)と5分間反応 させた後、20ユニットのRNase阻害剤(Boehringer)、1mmol/Lの各dNTP、10mmol /Lジチオスレイトール、1xRT緩衝液(50mmol/L Tris-HCl pH8.3、75mmol/L KCl 、3mmol/L MgCl2)、および400ユニットのモロニーマウス白血病ウイルス逆転写 酵素(BRL、Bethesda、MD)を含む全量25mLの溶液中で、37℃にて45分反応させ た。反応を終える際に、cDNA反応混合液をddH2Oで50μLに希釈した。PCRによる 増幅は、Perkin Elmer 9600サーモサイクラーで、8種のネステッド(2回の) 多重反応を並行して行った。希釈したcDNA反応液5μLを、1.1xPCR緩衝液(10mmo l/LTris-HCl pH8.3、50mmol/L KCl.1.5mmol/L MgCl2)、0.2mmol/Lの各dNTP、1 2.5pmolの各プライマーおよび1.5ユニットのAmpliTaq-Goldポリメラーゼ(Perk in Elmer)を含む8種の20μLの多重混合液のそれぞれに加えた。第1のPCRは、 95℃15分処理してポリメラーゼの最初の活性化を行い、25サイクルのPCR増幅(5 8℃30秒のアニーリング、72℃1分の伸長、および95℃30秒の変性)を行った。第 1回のPCR終了後、8種のPCR反応液のそれぞれから1μLのアリコートを取り、1x PCR緩衝液(10mmol/L Tris-HCl pH8.3、50mmol/L KCLl、5mmol/L MgCl2)、0.2m mol/Lの各dNTP、5〜12.5pmolの各プライマーおよび1.5ユニットのAmpliTaq-Gold ポリメラーゼ(Perkin Elmer)を含む24μLの第2回多重混合液8種に加えた。 第2のPCR反応の時間は、95℃15分で最初にポリメラーゼを活性化し、20サイク ルのPCR反応(58℃30秒でアニーリング、72℃1分で伸長、および95℃30秒で変性 )を行った後、72℃で10分間伸長を行った。PCR反応液の15μLを1.5%のアガロ ースゲルで60分間、100Vで電気泳動し、臭化エチジウムで染色した。陽性を示し た試料を、1反応当たりわずか0.75ユニットのAmpliTaq-Goldポリメラーゼを用 いた他は多重PCRの場合と同じ条件で、cDNAを形成し、個々のプライマーセット を用いるネステッドPCRを行って再度解析し、同定/検出を行った。RNA量の少な い陽性試料は、第1回の多重PCR産物の1μLを鋳型とし、個別のプライマーセッ トを用いた第2回のPCRのみを行って再度解析した。この解析は、内部標準プラ イマーの存在下および非存在下で行い、転座はDNA塩基配列の解析により確認し た。DNA鋳型を含まない陰性対照は、全てのPCR反応混合液に含まれている。混入 の危険性を最小にするため、全ての段階にフィルター付きのチップを用い、スト ック溶液の準備、RNA調製およびcDNA合成/第1のPCRのセットアップ、第1から 第2のPCRへの移行、およびゲル電気泳動は、4つの個別の実験室で異なるピペ ットを用いて行った。 プライマーデザインおよびDNA塩基配列決定 PCR用のオリゴヌクレオチドプライマーは全て、EMBL DNAデータベースから得 たデータを用いて、Windowsのプライマー解析ソフトウエアOLIG Oversion 5.0( National Bioxciences Inc.、Plymouth、MN)によりデザインした。オリゴヌク レオチドプライマーは、DNAテクノロジー社(DNA Technology:Science Park、D K-8000 Aarhus.)より、HPLC精製した状態で入手した。DNAの塩基配列は、アガ ロースゲルで精製したPCR断片を、Taq Dye Deoxy Terminator Sequencing kit( Perkin Elmer)を用いて、373A自動DNAシーケンサー(Applied Biosystems、Fos ter City、CA)で決定した。PCR断片の両鎖の塩基配列を決定した。cDNAプライ マーは、以下の通りであった: 以下の諸表は、8種のネステッドPCRの反応に用いた16種の各々の反応混合液 の組成、PCRプライマーと検出対象となる染色体組換えとの相互関係、および結 果として生成するPCR断片を列挙したものである(「NP」混合液は、ある一つの 組換えを検出するのに適したストック溶液であるが、「R mixes」は、多重のネ ステッドPCR反応に用いたNP混合液の組み合わせであり、さらにM-mixesは、R-mi xesの代替液で、違いは、M-mixesはさらに5つの融合遺伝子を検出できるが、R- mixesでの試験の通りHOX11およびEVY1の活性化は検出できないことである)。対 照のプライマーセット(NP-mix No.41)は、示したとおりの試験に含まれてい る。 略語: NO、番号; t、転座; inv、逆位; p、染色体短腕; q、染色体長 腕; ex、エキソン; ins、挿入; T、理論的に可能な転座変異体; AML、 急性骨髄性白血病; ALL、急性リンパ性白血病; CML(-BC)、慢性骨髄性白血 病(急性転化時); MDS、骨髄異形成症候群; APL、急性前骨髄球性白血病; AUL、急性未分化性白血病; CMML、慢性骨髄単球性白血病; ALCL、退性大 細胞型リンパ腫; AMMOL、急性骨髄単球性白血病。 § 融合遺伝子の後につけた括弧内の文字および数字は、もう一つの切断点およ び/またはスプライシングの変異体を示す。 ‡ R1〜R8は、多重の反応の番号を示し、A〜Fの添宇は、分割した反応を示す。 * 試験に用いることのできなかった細胞系は、陽性と表示した:ME-1,Karpas -45,Kasumi-1,SKH1,UTP-L12,KOCL-44。 # 括弧内の数字は、MLL1エキソン5用のプライマーを用いて同時に増幅したPC R断片の大きさを示す。 口 融合型のmRNAは産生されず、遺伝子発現のみを検討したもの。 $ AML1/MDS/EVIIの融合を引き起こす3番染色体長腕q26領域と21番染色体長腕q 22領域との転座[t(3;21)(q26;q22)]は、多重反応のR4およびR7で検出される。 略語: NO、番号; t、転座; inv、逆位; p、染色体短腕; q、染色体長 腕; ex、エキソン; ins、挿入; T、理論的に可能な転座変異体; AML、 急性骨髄性白血病; ALL、急性リンパ性白血病; CML(-BC)、慢性骨髄性白血 病(急性転化); MDS、骨髄異形成症候群; APL、急性前骨髄球性白血病; AUL、急性未分化性白血病; CMML、慢性骨髄単球性白血病; ALCL、退性大細 胞型リンパ腫; AMMOL、急性骨髄単球性白血病。 § 融合遺伝子の後につけた括弧内の文字および数字は、もう一つの切断点およ び/またはスプライシングの変異体を示す。 ‡ R1〜R8は、多重の反応の番号を示し、A〜Fの添字は、分割した反応を示す。 * 試験に用いることのできなかった細胞系は、陽性と表示した:ME-1,Karpas -45,Kasumi-1,SKH1,UTP-L12,KOCL-44,KOPN-1。 # 括弧内の数字は、MLL1エキソン5用のプライマーを用いて同時に増幅したPC R断片の大きさを示す。 以下にcDNA合成およびPCR増幅反応に用いたプロトコールに関わる詳細を示す : cDNA合成(PCR実験室#1にて): 1.10μlのDEP処理済みH2Oに再懸濁した1μgの全RNAを、(各々)1pmol/μlの 特異的cDNAプライマー2.5μlと混合する。 2.65℃で5分間反応させ、氷上に置く。 3.12.5μlのMcDNA-mixを加え、混合して、軽くスピンする。McDNA-mix(12.5 μl)の組成は以下の通り: 5μl 5x第1標準緩衝液、 2.5μl 100mM DTT、 2.5μl 10mM (各)dNTP(Pharmacia)、 2.0μl MoMLV RT 200u/μl(BRL)、および 0.5μl 25u/μl RNase阻害剤(Boehringer)。 4.37℃で45分間反応させる。 5.ddH2OでcDNAを55μlに希釈する。 1.PCR増幅(PCR実験室#1にて): 1.氷上に置いた8種の200μlのPCRチューブに、20μlのR1A-R8AのPCR混合液 を加える。 8x RnA PCR混合液を、氷上で作成する(各々20μl): 2.5μl 10xTaq緩衝液、 0.5μl 10mM(各)dNTP、 1μl プライマー混合液(R1A〜R8Aのいずれかのプライマー混合液)、 15.7μl ddH2O、および 0.3μl 5u/μl AmpliTaq Gold(Perkin Elmer)。 2.8種のR1A〜R8A混合液のそれぞれに、Biohit Proline電動ディスペンサー または同等品を用いて、希釈したcDNA5μlを加える。 3.チューブを9600サーモサイクラー(Perkin Elmer)に移し、RA PCRにかけ る: 95℃15分。その後、以下の25サイクルを行う: 95℃30秒。 58℃30秒。 72℃90秒。 2.PCR増幅(PCR実験室#2にて): 1.8チャンネルの0.2〜10μl用Biohit電動ピペットを用いて、8種のR1A〜R 8A PCR反応液からそれぞれ1μlを取り、これを各々24μlのR1B〜R8B PCR混 合液を入れた8本のチューブに加える。 8xRnB PCR混合液を、氷上で作成する(各々24μl): 2.5μl 10xTaq緩衝液、 0.5μl 10mM(各)dNTP、 1μl プライマー混合液(R1B〜R8B)、 19.7μl ddH2O、および 0.3μl 5u/μl AmpliTaq Gold(Perkin Elmer)。 2.チューブをサーモサイクラーに移し、RBプログラムを開始する: 95℃15分。その後、以下の20サイクルを行う: 95℃30秒。 58℃30秒。 72℃90秒。 その後72℃で10分。 D.アガロースゲル電気泳動(PCR実験室#3にて): 1.PCR産物12.5μlをとり、4μlの5x泳動用緩衝液を加えて、15μlを、25μl/ Lの10mg/ml臭化エチジウムを加えた1.5%のアガロースゲルで、100vで60分泳動 する。 本発明の方法を用いた結果の例を、図1〜3に示す。上述のプライマー混合液 で検出できる染色体異常について患者血清が陰性である場合、ゲル電気泳動で認 められるのは、内部陽性対照のバンドのみである(例えば図1のレーン1〜3およ び5〜8参照)。陽性試料は、内部標準の位置とは異なる位置にバンドを生じる( 図1レーン4参照)。ゲル上での正確な位置、そしてその後に組換えの種類を、 正確に同定する(この場合、8番染色体および21番染色体の転座が陽性の反応を 示す)。内部陽性対照が欠損していることから、擬陰性が存在する可能性がある ため 、この方法を繰り返す必要がある。 図2AおよびBは、本質的には図1と同じ図であるが、異なる染色体組換えに対 するもので、同定される遺伝子は各パネルの上に示してある。 陽性試料のうちで、遺伝子組換えの性状を正確に決定することが不可能な場合 には、上のリストにあげたNP混合液から選んだ特定のプライマーを用いて、その 試料を、個別の(多重でない)PCR反応にかける。これにより、染色体異常の正 確な変異を決定することが可能である(図4参照)。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成11年3月8日(1999.3.8) 【補正内容】 請求の範囲 1.(a)染色体異常の一つを有すると考えられる患者由来の核酸試料を得る 段階であって、該核酸が、分子増幅過程において特異的または非特異的cDNAプラ イマーを使用することにより得られるcDNAの形態であり、該過程における鋳型が 患者由来のmRNAの形態である、核酸試料を得る段階、 (b)核酸試料を多重分子増幅過程にかける段階であって、特徴的な核酸配列の 数が十分量存在すれば増幅される段階、 (c)段階(b)による産物を回収し、増幅された特徴的な核酸配列の有無を検出す ることにより、対応する染色体異常の有無が検出される段階 を含む、染色体異常の有無を検出する方法であって、各染色体異常が患者の状態 に関連しており、かつ少なくとも一つの特徴的な核酸配列により規定される方法 において、 (1)I)試料中に存在する核酸断片と、II)該核酸断片の塩基配列を増幅するため のプライマーと、III)分子増幅過程における特異的または非特異的cDNAプライマ ーを用いることにより得られるcDNAである内部標準の核酸断片であって、該過程 における鋳型が患者由来のmRNAの形態である内部標準核酸断片とを含む、内部陽 性標準の使用、および (2)各々が特徴的な核酸配列の一端に規定されている相互に異なるプライマー の数、n が多重分子増幅反応に含まれ、 n個の相互に異なるプライマーの少なくとも一つが、少なくとも二つの相互に異 なる特徴的な核酸配列の第一の端に規定され、該少なくとも二つの相互に異なる 特徴的な核酸配列が、n個の相互に異なるプライマーの残りから選択される少な くとも二つの相互に異なるプライマーのもう一方の端に規定され、それによって 増幅過程の結果、検出できる増幅された特徴的な核酸配列の数が少なくとも1/2 ×n+1である、検出方法。 2.nが7〜50の範囲である、請求項1記載の方法。 3.cDNAプライマーが特異的である、請求項1または2記載の方法。 4.cDNAプライマーの数が少なくとも20である、請求項3記載の方法。 5.患者由来のcDNAを得る条件が分子増幅過程の条件と一致する、請求項3記 載の方法。 6.多重分子増幅が多重ポリメラーゼ連鎖反応である、前記請求項のいずれか 一項記載の方法。 7.多重ポリメラーゼ連鎖反応がネステッドポリメラーゼ連鎖反応である、請 求項6記載の方法。 8.染色体異常が、転写された融合遺伝子が存在することである、前記請求項 のいずれか一項記載の方法。 9.転写された融合遺伝子の存在が、逆位の結果である、請求項8記載の方法 。 10.転写された融合遺伝子の存在が、欠失の結果である、請求項8記載の方法 。 11.転写された融合遺伝子の存在が、重複の結果である、請求項8記載の方法 。 12.転写された融合遺伝子の存在が、Hox-11およびevi-1のような癌原遺伝子 が活性化された結果である、請求項8記載の方法。 13.少なくとも一つの染色体異常が、悪性新生物形成状態と関連している、前 記請求項のいずれか一項記載の方法。 14.悪性新生物形成状態が、全身性の新生物形成性悪性疾患である、請求項1 3記載の方法。 15.全身性の新生物形成性悪性疾患が、急性白血病(AL)、慢性白血病(CL) 、T細胞性急性白血病(T-ALL)、B細胞性急性白血病(B-ALL)、T細胞性慢性 白血病(T-CLL)、B細胞性慢性白血病(B-CLL)、前リンパ球性白血病(PLL) 、急性未分化性白血病(AUL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病( CML)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、プレB- ALL、およびプロB-ALLのような白血病;バーキットリンパ腫(BL)、非ホジキン リンパ腫(NHL)、ホジキンリンパ腫(HL)、ろ胞性リンパ腫(FL)、びまん性 大細胞型リンパ腫(DLCL)、T細胞性リンパ腫、B細胞性リンパ腫のようなリン パ腫;脊髄形成異常;ならびに骨髄腫からなる群より選択される、請求項14記 載の 方法。 16.染色体異常が、 dup(11q23)(dupエキソン5-9/2); dup(11q23)(dupエキソン5-9/4); inv(16)(p13;q22); t(1;11)(p32;q23); t(1;19)(q23;p13); t(10;11)(p14;q23); t(10;14)(q24;q11); t(11;17)(q23;q21); t(11;19)(q23;p13.1) t(11;19)(q23;p13.3); t(12;21)(p13;q22); t(12;22)(p13;q11); t(15;17)(q21;q22); t(16;21)(p11;q22); t(17;19)(q22;p13); t(2;3)(p21;q26); t(2;5)(p23;q35); t(3;21)(q26;q22) t(3;3)(q21;q26); t(3;5)(q25.1;q34); t(4;11)(q21;q23); t(5;12)(q33;p13); t(5;17)(q35;q22); t(6;11)(q27;q23); t(6;9)(p23;q34); t(7;10)(q35;q24); t(7;9)(q34;q32); t(8;21)(q22;q22); t(9;11)(q22;q23); t(9;12)(q34;p13); t(9;22)(q34;q11); t(X;11)(q13;q23); およびta11 dl-3(40kbの欠失)からなる群より選択されるか、または染色体異 常が、CBFβ/MYH11、SIL1/TAL1、MLL1、EVI-1、MLL1/AFX1、MLL1/AF1p、MLL1/AF 1q、E2A/PBX1、E2A/HLF、EVI1、NPM/ALK、NPM/MLF、AML1/EVI1、MLL1/AF4、TEL/ PDGfβ、NPM/RARα、DEK/CAN、SET/CAN、MLL1/AF6、HOX11、AML1/MTG8、MLL1/AF 9、BCR/ABL、HLL1/AF10、MLL1/AF17、PLZF/RARα、MLL/ELL、MLL/ENL、TEL/AML1 、PML/RARα、FUS/ERG、AML1/MDS、AML1/EAP、TEL/MN1、MLLエキソン5-9/2、お よびMLLエキソン5-9/4からなる群の遺伝子より選択される、請求項14または1 5記載の方法。 17.悪性新生物形成状態が、非全身性の新生物形成性悪性疾患である、請求項 13記載の方法。 18.非全身性の新生物形成性悪性疾患が、癌腫、腺癌、脂肪肉腫、線維肉腫、 軟骨肉腫、骨肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、神経膠腫、神経芽腫、髄芽腫、悪 性黒色腫、神経線維芽腫、血管肉腫、リンパ管肉腫、悪性奇形腫、未分化胚細胞 腫、精上皮腫、および絨毛癌からなる群より選択される、請求項17記載の方法 。 19.癌腫が、胸部、気管支、結腸直腸、胃、前立腺、卵巣、リンパ組織、リン パ系髄質、子宮、膵臓、食道、膀胱、腎臓、または皮膚の癌腫より選択される、 請求項18記載の方法。 20.悪性新生物形成状態が、乳頭状甲状腺腫、ユーイング肉腫、脂肪肉腫、横 紋筋肉腫、滑膜肉腫、および軟部黒色腫からなる群より選択される、請求項18 記載の方法。 21.核酸の試料が患者の骨髄細胞に由来する、前記請求項のいずれか一項記載 の方法。 22.核酸の試料が患者の末梢血細胞に由来する、請求項1〜20のいずれか一項 記 載の方法。 23.核酸の試料が胎盤細胞に由来する、請求項1〜20のいずれか一項記載の方 法。 24.核酸の試料が胎児細胞に由来する、請求項1〜20のいずれか一項記載の方 法。 25.核酸の試料が羊水に由来する、請求項1〜20のいずれか一項記載の方法。 26.多重分子増幅過程に用いられるプライマーの少なくとも一つが標識されて いる、前記請求項のいずれか一項記載の方法。 27.標識が、放射性標識、色素標識、蛍光標識、ビオチン標識、リン酸標識、 アミン標識、およびチオール標識からなる群より選択される、請求項26記載の 方法。 28.核酸の試料が、前記請求項のいずれか一項に規定されているように、少な くとも2回の多重分子増幅過程にかけられる、前記請求項のいずれか一項記載の 方法。 29.少なくとも2回の多重分子増幅過程が並行して行われる、請求項28記載 の方法。 30.少なくとも2回の多重分子増幅過程が、物理的パラメーターおよびタイミ ングに関して実質的に同じ条件下で行われる、請求項28または29記載の方法 。 31.特徴的な配列の有無が、ゲル電気泳動、塩基配列解析、HPLC、FPLCおよび 蛍光光度計を用いて決定される、前記請求項のいずれか一項記載の方法。 32.cDNA分子が構成的に発現するDNA断片に相当する、請求項1記載の方法。 33.分子増幅過程に用いられるプライマーが、下記の条件を満たすように構築 される、前記請求項のいずれか一項記載の方法: 1)それら各々の標的配列に、実質的に同じ温度またはそれ以下の温度でハイブリ ダイズする、 2)それら各々の標的配列に実質的に特異的である、 3)実質的に分子内でハイブリダイズしない、 4)5’端の融点が、3’端の融点よりも高い、 5)分子増幅の過程において、いずれの2種のプライマーも、患者の状態どは関連 なく通常存在する配列に対応する試料中の核酸断片の増幅を、同時に開始し継続 させることができない、 6)連続して5個より多くのグアニジン残基を含むプライマーが存在しない、 7)実質的に分子間でハイブリダイズしない。 34.プライマーが、5℃以内の温度差で、各々の標的配列にハイブリダイズす る、請求項33記載の方法。 35.プライマーが、各々の配列に相補的である、請求項33および34のいず れか一項記載の方法。 36.プライマーが、該プライマー内部で-1より大きいデルタGを有する、請求 項33〜35のいずれか一項記載の方法。 37.プライマーの5’端の融点が、3’端の融点よりも少なくとも1℃好まし くは少なくとも6℃高い、請求項33〜36のいずれか一項記載の方法。 38.連続して3個より多くのグアニジン残基を含むプライマーが存在しない、 請求項33〜37のいずれか一項記載の方法。 39.プライマーダイマーが、-10より大きいデルタGを有する、請求項33〜3 8のいずれか一項記載の方法。 40.分子増幅過程に用いられるプライマーが、配列番号:1〜配列番号:18 2からなる群より選択される核酸配列を有する、前記請求項のいずれか一項記載 の方法。 41.cDNAプライマーが、配列番号:1〜配列番号:32および配列番号:17 8〜配列番号:182からなる群より選択される、前記請求項のいずれか一項記 載の方法。 42.試料物質が、多重分子増幅の各過程につき1μgの核酸である、前記請求項 のいずれか一項記載の方法。 43.配列番号:1〜配列番号:182からなる群より選択される核酸配列を有 する核酸断片。 44.配列番号:1〜配列番号:32および配列番号:178〜配列番号:18 2からなるcDNAプライマー;ならびに配列番号:33〜配列番号:177より選 択されるPCRプライマーの群より選択される、7種の相互に異なるプライマーを 含むキット。 45.プライマーが、ウェル、毛細管チューブ、棒、およびビーズからなる群よ り選択されるデバイスに接着されている、請求項44記載のキット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CU,CZ,CZ,DE,DE,D K,DK,EE,EE,ES,FI,FI,GB,GE ,GH,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG, KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,L U,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO ,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG, SI,SK,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,US,UZ,VN,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(a)染色体異常の一つを有すると考えられる患者由来の核酸試料を得る 段階、 (b)核酸試料を多重分子増幅過程にかける段階であって、特徴的な核酸配列の 数が十分量存在すれば増幅される段階、 (c)段階(b)による産物を回収し、増幅された特徴的な核酸配列の有無を検出す ることにより、対応する染色体異常の有無が検出される段階 を含む、染色体異常の有無を検出する方法であって、各染色体異常が患者の状態 に関連しており、かつ少なくとも一つの特徴的な核酸配列により規定される方法 において、 多重分子増幅過程が、一つの反応混合液中に少なくとも7個の相互に異なるプラ イマーの使用を含み、該少なくとも7個の相互に異なるプライマーの各々が、少 なくとも一つの特徴的な核酸配列の一端に規定され、少なくとも7個の相互に異 なるプライマーの少なくとも一つが、少なくとも二つの特徴的な核酸配列の第一 の端に規定され、該少なくとも二つの特徴的な核酸配列の各々が、少なくとも7 個の相互に異なるプライマーの残りから選択される相互に異なるプライマーによ りもう一方の端に規定され、それによって、増幅反応の結果、検出される増幅さ れた特徴的な核酸配列の数が、少なくとも1/2×n+1(式中、nは少なくとも7個 の異なるプライマーの数である)である、検出方法。 2.(a)染色体異常の一つを有すると考えられる患者由来の核酸試料を得る 段階、 (b)核酸試料を多重分子増幅過程にかける段階であって、特徴的な核酸配列の 数が十分量存在すれば増幅される段階、 (c)段階(b)による産物を回収し、増幅された特徴的な核酸配列の有無を検出す ることにより、対応する染色体異常の有無が検出される段階 を含む、染色体異常の有無を検出する方法であって、各染色体異常が患者の状態 に関連しており、かつ少なくとも一つの特徴的な核酸配列により規定される方法 において、 (1)I)試料中に存在する核酸断片と、II)該核酸断片の塩基配列を増幅するため のプライマーとを含む、内部陽性標準の使用、および (2)各々が特徴的な核酸配列の一端に規定されている相互に異なるプライマー の数、n が多重分子増幅反応に含まれ、 n個の相互に異なるプライマーの少なくとも一つが、少なくとも二つの相互に異 なる特徴的な核酸配列の第一の端に規定され、該少なくとも二つの相互に異なる 特徴的な核酸配列が、n個の相互に異なるプライマーの残りから選択される少な くとも二つの相互に異なるプライマーのもう一方の端に規定され、それによって 増幅過程の結果、検出できる増幅された特徴的な核酸配列の数が少なくとも1/2 ×n+1である、検出方法。 3.nが7である、請求項1または2記載の方法。 4.nが8である、請求項1または2記載の方法。 5.nが9である、請求項1または2記載の方法。 6.nが10である、請求項1または2記載の方法。 7.nが11である、請求項1または2記載の方法。 8.nが12である、請求項1または2記載の方法。 9.nが13である、請求項1または2記載の方法。 10.nが14である、請求項1または2記載の方法。 11.nが15である、請求項1または2記載の方法。 12.nが16である、請求項1または2記載の方法。 13.nが17である、請求項1または2記載の方法。 14.nが18である、請求項1または2記載の方法。 15.nが19である、請求項1または2記載の方法。 16.nが20である、請求項1または2記載の方法。 17.nが21である、請求項1または2記載の方法。 18.nが22である、請求項1または2記載の方法。 19.nが23である、請求項1または2記載の方法。 20.nが24である、請求項1または2記載の方法。 21.nが25である、請求項1または2記載の方法。 22.nが30から34の範囲である、請求項1または2記載の方法。 23.nが35から39の範囲である、請求項1または2記載の方法。 24.nが40から44の範囲である、請求項1または2記載の方法。 25.nが45から50の範囲である、請求項1または2記載の方法。 26.患者由来の核酸試料がcDNAの形態である、前記請求項のいずれか一項記載 の方法。 27.cDNAが分子増幅の過程で特異的または非特異的cDNAプライマーを用いるこ とにより得られ、該過程における鋳型が患者由来のmRNAの形態である、請求項2 6記載の方法。 28.cDNAプライマーが特異的である、請求項27記載の方法。 29.cDNAプライマーの数が少なくとも20である、請求項28記載の方法。 30.cDNAプライマーの数が少なくとも50である、請求項28記載の方法。 31.cDNAプライマーの数が少なくとも100である、請求項28記載の方法。 32.cDNAプライマーの数が少なくとも150である、請求項28記載の方法。 33.cDNAプライマーの数が少なくとも200である、請求項28記載の方法。 34.患者由来のcDNAを得る条件が分子増幅過程の条件と一致する、請求項26 〜33のいずれか一項記載の方法。 35.多重分子増幅が多重ポリメラーゼ連鎖反応である、前記請求項のいずれか 一項記載の方法。 36.多重ポリメラーゼ連鎖反応がネステッドポリメラーゼ連鎖反応である、請 求項8記載の方法。 37.染色体異常が、転写された融合遺伝子が存在することである、前記請求項 のいずれか一項記載の方法。 38.転写された融合遺伝子の存在が、逆位の結果である、請求項29記載の方 法。 39.転写された融合遺伝子の存在が、欠失の結果である、請求項29記載の方 法。 40.転写された融合遺伝子の存在が、重複の結果である、請求項29記載の方 法。 41.転写された融合遺伝子の存在が、Hox-11およびevi-1のような癌原遺伝子 が活性化された結果である、請求項29記載の方法。 42.少なくとも一つの染色体異常が、悪性新生物形成状態と関連している、前 記請求項のいずれか一項記載の方法。 43.悪性新生物形成状態が、全身性の新生物形成性悪性疾患である、請求項4 2記載の方法。 44.全身性の新生物形成性悪性疾患が、急性白血病(AL)、慢性白血病(CL) 、T細胞性急性白血病(T-ALL)、B細胞性急性白血病(B-ALL)、T細胞性慢性 白血病(T-CLL)、B細胞性慢性白血病(B-CLL)、前リンパ球性白血病(PLL) 、急性未分化性白血病(AUL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病( CML)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、プレB- ALL、およびプロB-ALLのような白血病;バーキットリンパ腫(BL)、非ホジキン リンパ腫(NHL)、ホジキンリンパ腫(HL)、ろ胞性リンパ腫(FL)、びまん性 大細胞型リンバ腫(DLCL)、T細胞性リンパ腫、B細胞性リンパ腫のようなリン パ腫;脊髄形成異常;ならびに骨髄腫からなる群より選択される、請求項43記 載の方法。 45.染色体異常が、 dup(llq23)(dupエキソン5-9/2); dup(llq23)(dupエキソン5-9/4); inv(16)(p13;q22); t(1;11)(p32;q23); t(1;19)(q23;p13); t(10;11)(p14;q23); t(10;11)(p14;q23); t(10;14)(q24;q11); t(11;17)(q23;q21); t(11;19)(q23;p13.1) t(11;19)(q23;p13.3); t(12;21)(p13;q22); t(12;22)(p13;q11); t(15;17)(q21;q22); t(15;17)(q21;q22); t(16;21)(p11;q22); t(17;19)(q22;p13); t(2;3)(p21;q26); t(2;5)(p23;q35); t(3;21)(q26;q22) t(3;3)(q21;q26); t(3;5)(q25.1;q34); t(4;11)(q21;q23); t(5;12)(q33;p13); t(5;17)(q35;q22); t(6;11)(q27;q23); t(6;9)(p23;q34); t(7;10)(q35;q24); t(7;9)(q34;q32); t(8;21)(q22;q22); t(9;11)(q22;q23); t(9;12)(q34;p13); t(9;22)(q34;q11); t(9;22)(q34;q11); t(X;11)(q13;q23); およびtalld1-3(40kbの欠失)からなる群より選択されるか、または染色体異常 が、CBFβ/MYH11、SIL1/TAL1、MLL1、EVI-1、MLL1/AFX1、MLL1/AF1p、MLL1/AF1q 、E2A/PBX1、E2A/HLF、EVI1、NPM/ALK、NPM/MLF、AML1/EVI1、MLL1/AF4、TEL/PD Gfβ、NPM/RARα、DEK/CAN,SET/CAN,MLL1/AF6、HOX11、AML1/MTG8、MLL1/AF9 、BCR/ABL、MLL1/AF10、MLL1/AF17、PLZF/RARα、MLL/ELL、MLL/ENL、TEL/AML1 、PML/RARα、FUS/ERG、AML1/MDS、AML1/EAP、TEL/MN1、MLLエキソン5-9/2、お よび MLLエキソン5-9/4からなる群の遺伝子より選択される、請求項43または44記 載の方法。 46.悪性新生物形成状態が、非全身性の新生物形成性悪性疾患である、請求項 42記載の方法。 47.非全身性の新生物形成性悪性疾患が、癌腫、腺癌、脂肪肉腫、線維肉腫、 軟骨肉腫、骨肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、神経膠腫、神経芽腫、髄芽腫、悪 性黒色腫、神経線維芽腫、血管肉腫、リンパ管肉腫、悪性奇形腫、未分化胚細胞 腫、精上皮腫、および絨毛癌からなる群より選択される、請求項46記載の方法 。 48.癌腫が、胸部、気管支、結腸直腸、胃、前立腺、卵巣、リンパ組織、リン パ系髄質、子宮、膵臓、食道、膀胱、腎臓、または皮膚の癌腫より選択される、 請求項47記載の方法。 49.悪性新生物形成状態が、乳頭状甲状腺腫、ユーイング肉腫、脂肪肉腫、横 紋筋肉腫、滑膜肉腫、および軟部黒色腫からなる群より選択される、請求項47 記載の方法。 50.核酸の試料が患者の骨髄細胞に由来する、前記請求項のいずれか一項記載 の方法。 51.核酸の試料が患者の末梢血細胞に由来する、請求項1〜49のいずれか一項 記載の方法。 52.核酸の試料が胎盤細胞に由来する、請求項1〜49のいずれか一項記載の方 法。 53.核酸の試料が胎児細胞に由来する、請求項1〜49のいずれか一項記載の方 法。 54.核酸の試料が羊水に由来する、請求項1〜49のいずれか一項記載の方法。 55.多重分子増幅過程に用いられるプライマーの少なくとも一つが標識されて いる、前記請求項のいずれか一項記載の方法。 56.標識が、放射性標識、色素標識、蛍光標識、ビオチン標識、リン酸標識、 アミン標識、およびチオール標識からなる群より選択される、請求項55記載の 方法。 57.核酸の試料が、前記請求項のいずれか一項に規定されているように、少な くとも2回の多重分子増幅過程にかけられる、前記請求項のいずれか一項記載の 方法。 58.少なくとも2回の多重分子増幅過程が並行して行われる、請求項57記載 の方法。 59.少なくとも2回の多重分子増幅過程が、物理的パラメーターおよびタイミ ングに関して実質的に同じ条件下で行われる、請求項57または58記載の方法 。 60.特徴的な配列の有無が、ゲル電気泳動、塩基配列解析、HPLC,FPLCおよび 蛍光光度計を用いて決定される、前記請求項のいずれか一項記載の方法。 61.内部標準の核酸断片が患者に由来するcDNA分子である、請求項2〜60の いずれか一項記載の方法。 62.cDNA分子が、分子増幅過程において、特異的または非特異的なcDNAプライ マーを用いて得られ、該過程における鋳型が患者由来のmRNAの形態である、請求 項61記載の方法。 63.cDNA分子が請求項27記載の分子増幅過程により得られる、請求項62記 載の方法。 64.cDNA分子が構成的に発現するDNA断片に相当する、請求項62記載の方法 。 65.分子増幅過程に用いられるプライマーが、下記の条件を満たすように構築 される、前記請求項のいずれか一項記載の方法: 1)それら各々の標的配列に、実質的に同じ温度またはそれ以下の温度でハイブリ ダイズする、 2)それら各々の標的配列に実質的に特異的である、 3)実質的に分子内でハイブリダイズしない、 4)5’端の融点が、3’端の融点よりも高い、 5)分子増幅の過程において、いずれの2種のプライマーも、患者の状態とは関連 なく通常存在する配列に対応する試料中の核酸配列の増幅を、同時に開始し継続 させることができない、 6)連続して5個より多くのグアニジン残基を含むプライマーが存在しない、 7)実質的に分子間でハイブリダイズしない。 66.プライマーが、5℃以内の温度差で、各々の標的配列にハイブリダイズす る、請求項65記載の方法。 67.プライマーが、各々の配列に相補的である、請求項65および66のいず れか一項記載の方法。 68.プライマーが、該プライマー内部で-1より大きいデルタGを有する、請求 項65〜67のいずれか一項記載の方法。 69.プライマーの5’端の融点が、3’端の融点よりも少なくとも1℃、好ま しくは少なくとも6℃高い、請求項65〜68のいずれか一項記載の方法。 70.連続して3個より多くのグアニジン残基を含むプライマーが存在しない、 請求項65〜69のいずれか一項記載の方法。 71.プライマーダイマーが、-10より高いデルタGを有する、請求項65〜70 のいずれか一項記載の方法。 72.分子増幅過程に用いられるプライマーが、配列番号:1〜配列番号:18 2からなる群より選択される核酸配列を有する、前記請求項のいずれか一項記載 の方法。 73.cDNAプライマーが、配列番号:1〜配列番号:32および配列番号:17 8〜配列番号:182からなる群より選択される、請求項27〜72のいずれか 一項記載の方法。 74.試料物質が、多重分子増幅の各過程につき1μgの核酸である、前記請求 項のいずれか一項記載の方法。 75.配列番号:1〜配列番号:182からなる群より選択される核酸配列を有 する核酸断片。 76.配列番号:1〜配列番号:32および配列番号:178〜配列番号:18 2からなるcDNAプライマー;ならびに配列番号:33〜配列番号:177より選 択されるPCRプライマーの群より選択される、7種の相互に異なるプライマーを 含むキット。 77.プライマーが、ウェル、毛細管チューブ、棒、およびビーズからなる群よ り選択されるデバイスに接着されている、請求項77記載のキット。
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