JP2001504469A - モルフォゲン・ペプチド誘発による感覚認知組織の再生 - Google Patents

モルフォゲン・ペプチド誘発による感覚認知組織の再生

Info

Publication number
JP2001504469A
JP2001504469A JP52282198A JP52282198A JP2001504469A JP 2001504469 A JP2001504469 A JP 2001504469A JP 52282198 A JP52282198 A JP 52282198A JP 52282198 A JP52282198 A JP 52282198A JP 2001504469 A JP2001504469 A JP 2001504469A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sequence
seq
morphogen
general
cells
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP52282198A
Other languages
English (en)
Inventor
サンパス,クーバー
ルージャー,デビット,シー.
コーエン,チャールズ,エム.
シャーレッテ,マーク,エフ.
ジン,ドナルド,エフ.
Original Assignee
クリエイティブ バイオモレキュルズ,インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=25021057&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2001504469(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by クリエイティブ バイオモレキュルズ,インコーポレイテッド filed Critical クリエイティブ バイオモレキュルズ,インコーポレイテッド
Publication of JP2001504469A publication Critical patent/JP2001504469A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/16Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • A61K38/17Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • A61K38/18Growth factors; Growth regulators
    • A61K38/1875Bone morphogenic factor; Osteogenins; Osteogenic factor; Bone-inducing factor
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P27/00Drugs for disorders of the senses

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Orthopedic Medicine & Surgery (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Materials For Medical Uses (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 感覚認知不全の治療と予防のための方法と組成物。この方法はある種の形態形成的組成物の投与を含む。

Description

【発明の詳細な説明】 モルフォゲン・ペプチド誘発による感覚認知組織の再生 発明の分野 本発明は感覚機能の喪失により生ずる疾患の治療のための方法と組成物に関す る。本発明の方法は、ある種の形態形成的(モルフォゲン性)組成物の投与を含 む。 発明の背景 ほ乳類の感覚器官は、神経系統による誘導に応じて肥大する外胚葉性プラコー ドから形成される。ほ乳類で胚形成が完了した後は、それぞれ専門化された感覚 器官は限られた修復および再生能力しか持たない。神経退化性疾患は感覚機能の 永久的喪失につながる。物理的外傷や毒物への曝露は感覚器官の機能に悪影響を 与える。そして最終的には、加齢が感覚器官の感度の低下を起こす。 感覚不全は多くの形で起きる。たとえば嗅覚の喪失である無嗅覚症は、ウイル ス感染、萎縮性または慢性の鼻炎、あるいは新生物による嗅覚神経上皮の破壊に より影響を受ける。嗅覚神経の破壊は、頭部損傷、頭蓋内手術、感染、あるいは 新生物により引き起こされる。無嗅覚症は先天的に男性の性機能不全とともに起 きることもある。 眼に影響を及ぼす主要な眼性疾患としては、斑孔、斑退化、網膜剥離、網膜涙 および糖尿病性網膜症などがある。その他の網膜疾患としては網膜浮腫、網膜血 管性疾患および網膜血管新生などが挙げられる。眼の水晶体の最も重大な疾患は 、白内障と屈折過誤である。角膜の最も重大な疾患は、角膜腫瘍と外傷、ならび にドライアイ/シェーグレン症候群[Sjogren's syndrome]により生ずるものを 含む角膜欠陥に関連するものである。さらなる眼性疾患としては外傷治癒不全、 増殖性疾患、ブドウ膜炎、二次白内障、角膜上皮損傷、角膜血管新生および手術 傷害などがある。 角膜と結膜は、病原性薬剤または直接的な外傷、涙疾患に関連する乾燥、放射 エネルギー(紫外線、太陽光線および溶接光)に対する曝露、花粉やカビなどの アレルゲンならびに感染性薬剤による損傷に敏感である。角結膜炎はスチーブン スージョンソン症候群[Stevens-Johnson syndrome]、ウェゲナー肉芽腫症[We gener's Keratoconjunctivitis]、慢性関節リウマチ、アトピー性皮膚炎および 瘢痕性類天疱瘡の患者でも起きることがある。角膜腫瘍もまた発症することがあ る。一般的な角膜手術の種類としては、水晶体交換を伴うまたは伴わない白内障 の除去や角膜移植;ウイルス感染を治療するための角膜移植または貫通性角膜移 植;緑内障手術;ならびに放射状角膜切開およびその他屈折を矯正するための手 術などがある。 聴覚喪失は米国民の中で最も一般的な慢性神経障害である。2800万人以上のア メリカ人が、軽度だが重大な感度喪失から完全な聴覚喪失までのさまざまな程度 の聴覚障害を持っている。耳鳴り、めまい、耳痛、耳漏を含む聴覚喪失は、“伝 導性”または“感覚神経性”なもののいずれかに特徴付けられる。伝導性聴覚喪 失は外耳聴覚路または中耳の組織障害によって起こる。伝導性聴覚喪失は音響刺 激に対する感度低下によって特徴付けられる。伝導性聴覚喪失につながる状態の 例として、耳硬化症、鼓膜または中耳に対する外傷、および中耳の感染などがあ る。 聴覚障害の多くは年齢に関連した聴覚消失や遺伝子欠陥に加えて、環境的な要 素によっても引き起こされる。これらには聴神経外傷ならびに耳毒性のアミノグ リコシド抗生物質に対する曝露がある。加えて、ジダノシン[Didanosine]やシ スプラチン[Cisplatin]などのある種の抗レトロウイルス剤や抗腫瘍剤などは 聴器毒性があることが知られている。 内耳は2つの感覚器官に分けることができる。すなわち、音を処理する聴覚器 官と方向および運動を感知する前庭器官である。前庭感覚上皮内の対応感覚構造 が消失すると平衡異常やめまいを引き起こす。70歳以上になると、聴覚器官内の 感覚有毛細胞の年齢に関連した消失と同様に、半規管クリスタ内の感覚有毛細胞 の最大40%が、また前庭器官中の球形嚢と胞嚢の有毛細胞の20%が消失する。し たがって、いずれかの器官の感覚上皮の退化は聴覚または前庭機能の重大な減退 につながる。 聴覚や前庭機能の退化は多くの場合感覚有毛細胞の消失によるものである。有 毛細胞は実際には毛を有さないが、感覚上皮の頂端表面上に不動毛と運動毛を有 し、外耳および内耳からの機械的な聴覚シミュレーションを重力や動きと同様に 電気的信号に変換する能力を有する感覚細胞である。これらの細胞にはこうした 信号を脳に伝達するニューロンがつながっている。ヒトの場合、聴覚情報は約15 ,000の有毛細胞によって伝達されるが、このうち約3,500だけが内耳有毛細胞を 構成している。内耳有毛細胞は一次聴覚ニューロンの約90%とともにシナプスを 形成する。したがって、これら重要な細胞が少しでも損傷すると重大な聴覚喪失 につながる。 有毛細胞の増殖および再生は、魚類や両生類において観察されている。しかし ながら、高等脊椎動物は出生後には有毛細胞を再生できないと一般的に考えられ ていた。1987年に、鳥類は有毛細胞を継続的に置換し、聴覚外傷や聴器毒性薬剤 によって損傷を受けた有毛細胞を再生する顕著な能力を有することが発見された 。この理由によって、前庭および聴覚感覚器官の再生に関する研究の多くは鳥類 で行われてきた。障害を受けた後の損傷した細胞や始原細胞の増殖および分化を シミュレートすることができる成長因子やモルフォゲンを究明する研究が行われ てきた。FGF、IGF、EGFおよびTGF−αなどのいくつかの成長因子が鳥類において 損傷を受けた支持細胞の増殖を強化することか発見された。鳥類における再生の 観察に続いて、哺乳類において有毛細胞が再生されるかどうかを調べるための多 くの研究も重ねられてきた。しかし現在までのところ、成体哺乳類の聴覚感覚上 皮中の有毛細胞の再生を示すことは誰もできていない。 現在のところ、感覚神経上皮を再生させ、また聴覚および前庭器官などの感覚 器官の外的損傷や疾患によって引き起こされる損傷を修復させるための満足でき る治療法はない。 発明の要約 本発明は感覚器官の疾患を治療するための方法と組成物についての発明である 。本発明の方法は部分的には、モルフォゲンが感覚機能を回復させ、また感覚喪 失を防止するという発見をベースとしたものである。 本発明の方法は、感覚認知不全の症状を有する患者に対してモルフォゲンの投 与を含む。好ましい実施態様において、本方法は、ヒトOP−1のC末端7システイ ン骨格(配列番号2のアミノ酸330−341)と70%の相同性を有する配列、ヒトOP −1と60%以上のアミノ酸配列同一性を有する配列、一般配列7(配列番号4)、 一般配列8(配列番号6)、一般配列10(配列番号7)、およびOPX(配列番号3) で構成されるグループから選ばれるアミノ酸配列を有する二量体タンパク質を含 むモルフォゲンの投与を含み、当該モルフォゲンはin vivoでNG108−15細胞によ りN−CAMまたはL1アイソフォームの産生を刺激する能力を有するものである。感 覚認知不全は、疾病、退化性疾患、遺伝的疾患、機械的外傷および化学的外傷か ら生ずる。感覚認知不全には、聴覚、嗅覚、視覚、味覚、触覚の喪失ならびに前 庭機能不全による方向感の喪失が含まれる。前記モルフォゲン類の1つを投与す ることは、また予防的機能も与えることになる。こうした投与は、疾病、退化性 疾患、遺伝的疾患、機械的外傷および化学的外傷により生ずる感覚認知不全を有 しているかまたは有する危険性のある哺乳類における感覚認知を保全する効果を 有する。 特に、感覚認知不全(発症前または発症後)を治療する本発明の方法は、ヒト OP−1、マウスOP−1、ヒトOP−2、マウスOP−2、60A、GDF−1、BMP2A、BMP2B、D PP、Vg1、Vgr−1、BMP3、BMP5およびBMP6で構成されるグループから選ばれるモ ルフォゲンの投与を含む。これらのモルフォゲンはin vivoでNG108−15細胞によ るN−CAMまたはL1アイソフォームの産生を刺激する能力のあるものである。 特に好ましい実施態様において、当該モルフォゲンは成熟モルフォゲンに非共 有的に付着した少なくとも1つのモルフォゲンプロドメインまたはそれらのフラ グメントを含む溶解性の複合体である。 1つの視点において、本発明は感覚認知不全につて、またはそうした欠陥を見 越して、損傷組織の修復、新しい組織の再生、またはそれら組織のさらなる損傷 の抑止を含め感覚認識組織の完全性を維持するために、十分な時間と濃度で哺乳 類に対して本明細書で規定する治療有効量のモルフォゲンを投与することを含む 組成物および治療方法を特徴とする。 別の視点において、本発明は聴覚喪失について、またはそうした聴覚喪失を予 期して、有毛細胞の成長促進、損傷した有毛細胞の修復、新しい有毛細胞の再生 、またはそれら組織のさらなる損傷の抑止を含め感覚有毛細胞の完全性を維持す るために十分な時間と濃度で、本明細書で規定する治療有効量のモルフォゲンを 哺乳類に対して、投与することを含む組成物および治療方法を特徴とする。 さらに別の視点において、本発明は前庭機能の喪失または欠陥、あるいはそう した聴覚喪失または欠陥を予期して、有毛細胞の成長促進、損傷した有毛細胞の 修復、新しい有毛細胞の再生、またはそれら組織のさらなる損傷の抑止を含め感 覚有毛細胞の完全性を維持するために、十分な時間と濃度で本明細書で規定する 治療有効量のモルフォゲンを哺乳類に対して投与することを含む組成物および治 療方法を特徴とする。 一般的に、本発明の方法と組成物に有用なモルフォゲン類は1以上の真核性( たとえば、哺乳類)の細胞、組織または器官の形態形成を誘発させる二量体タン パク質である。組織の形態形成は、成長中の脊椎幼胚に起きるようなde novoま たは再生的な組織形成を含む。特に興味深いのは、少なくとも骨または神経組織 において組織特異性の形態形成を誘発するモルフォゲン類である。本明細書に規 定するように、モルフォゲンは折りたたまれた時に二量体タンパク質を形成する 1対のポリペプチドを含み、これがモルフォゲン特異性受容体を有する細胞およ び組織中で形態形成的応答を引き出す。つまり、これらモルフォゲンは一般的に 形態形成が許容される環境下において、以下のすべてを含む一連のカスケード事 象を誘発する。すなわち、始原細胞の増殖刺激、始原細胞の分化の刺激、分化細 胞の増殖の刺激、および分化細胞の成長と維持を支持する。“始原”細胞は、そ れらのゲノミックレパートリー(genomic repertoire)および形態形成が誘発され 得る環境条件下における組織特異性に依存して、1以上の特異的な分化細胞に分 化する能力があるが、未だ行っていない(uncommitted)細胞である。例示的な始 原細胞としては、造血幹細胞、間葉性幹細胞、基底上皮細胞、神経冠細胞などが ある。さらに、モルフォゲンは、老化または休止に関連した表現型および/また は組織機能の消失の始まりを遅らせたり、緩和させることができる。さらにモ ルフォゲンは、代謝のおよび/または機能的な、例えば分泌器官その特性、発現 を含む分化細胞型の表現型の発現を刺激することもできる。加えて、モルフォゲ ンは適当な条件下において分化して細胞(たとえば、骨芽細胞、神経芽細胞)の 再分化を誘発することもできる。前述の通り、少なくとも骨または神経組織の増 殖および/または分化の誘発、および/または神経組織の成長、維持および/また は機能的特性を助けるモルフォゲン類は特に本明細書で興味のあるものである。 たとえば、WO 92/15323、WO 93/04692、WO 94/03200を参照(これらタンパク質 の組織形態形成特性に関するさらに詳細な開示がある)。 本明細書で使用しているように、“モルフォゲン”、“骨モルフォゲン”、“ 骨モルフォゲニックタンパク質”、“BMP”、“モルフォゲニックタンパク質[m orphogenic protein]”および“モルフォゲネチックタンパク質[morphogeneti c protein]”の用語はすべて、ヒト骨形成性タンパク質1(hOP−1)に類型され るタンパク質類を含む。hOP−1のヌクレオチドおよびアミノ酸配列は、それぞれ 配列番号1および2に示されている。記述を容易にするために、hOP−1を代表モル フォゲンと見なすこととする。OP−1は真の組織モルフォゲンのTGF−βサブクラ スの単なる代表であり、明細書に限定を加えるものではないものと見なされるも のである。その他既知の有用なモルフォゲンとしては、下記に限られないが、BM P−2、BMP−3、BMP−3b、BMP−4、BMP−5、BMP−6,BMP−8、BMP−9、BMP−10、 BMP−11、BMP−12、BMP−13、BMP−15、GDF−1、GDF−2、GDF−3、GDF−5、GDF −6、GDF−7、GDF−8、GDF−9、GDF−10、GDF−11、GDF−12、60A、ノダル[NOD AL]、ユニヴィン[UNIVIN]、スクリュ[SCREW]、ADMP、およびニューラル[N EURAL]、ならびにこれらのモルフォゲン的に活性なアミノ酸変種などがある。 特定の実施態様において有用なモルフォゲンとしては、保存7システイン構造 を有し、かつ、配列番号2の残基330−431(以下“基準配列”と呼ぶ)のヒトOP −1のC末端保存7システインと少なくとも70%のアミノ酸配列相同性(類似性) を有するものである。別の実施態様では、本発明は本明細書で説明するすべての モルフォゲニックタンパク質の生物学的に活性な(系統発生的な)変種の使用を 含み、これには保存アミノ酸配列の変種、退化ヌクレオチド配列変種にコードさ れ たタンパク質、および本明細書に規定した保存7システイン構造を有し、かつ標 準的な厳格な条件で形態発生タンパク質をコードするDNAとハイブリダイズするD NAによりコードされた形態発生的に活性なタンパク質を含む。これには限定する ものではないが、OP−1またはBMP−2またはBMP−4などのモルフォゲニックタン パク質が含まれる。しかしながら現在のところ、基準配列は配列番号2の残基330 −431(OP−1)のものである。 さらに別の実施態様において、本発明の方法と組成物に有用なモルフォゲンは 、OPX(配列番号3)および一般配列7および8(それぞれ、配列番号4および5)ま たは一般配列9および10(それぞれ、配列番号6および7)などを含む本明細書に 規定した一般配列のいずれかを有する形態発生的に活性なタンパク質として規定 される。OPXは骨形成性OP−1およびOP−2タンパク質の既知の系統発生種の間に 認められる変種を含み、下記および配列番号3で表示されるアミノ酸配列によっ て示される。一般配列9はhOP−1(配列番号2の残基335-431)に認められるC末端 6システイン構造を含む96個のアミノ酸配列であり、残りの残基はOP−1、OP−2 、OP−3、BMP−2、BMP−3、BMP−3b、BMP−4、BMP−5、BMP−6,BMP−8、BMP−9 、BMP−10、BMP−11、BMP−15、GDF−1、GDF−3、GDF−5、GDF−6、GDF−7、GDF −8、GDF−9、GDF−10、GDF−11、60A、UNIVIN、NODAL、ドーサリン[DORSALIN ]、NEURAL、SCREWおよびADMPなどに認められる変種を含む。つまり、非システ イン残基のそれぞれは、ここに引用した既知の天然タンパク質のグループの対応 する残基から独立的に選ばれる。一般配列10は一般配列9のN末端につながった5 個のアミノ酸配列を含む102個のアミノ酸配列であり、、hOP−1(配列番号2の33 0−431)に認められる7システイン骨格を規定する。一般配列7および8はそれぞ れ96個と102個のアミノ酸配列であり、hOP−1で規定される6システイン骨格(一 般配列7)または7システイン骨格(一般配列8)のいずれかを含み、残りの非シ ステイン残基はOP−1、OP−2、OP−3、BMP−2、BMP−3、BMP−4、60A、DPP、Vg1 、BMP−5、BMP−6、Vgr−1およびGDF−1に認められる変種を含む。 特に興味深いものは、哺乳類の特定の組織に与えた場合に組織特異性の形態形 成を誘発するか、またはその組織の分化および成長の正常な状態を維持するモル フォゲンである。好ましい実施態様において本発明のモルフォゲンは、脊椎動物 (たとえば、鳥類または哺乳類)の、下記に限らないが、神経、眼、骨、軟骨、 骨髄、靭帯、歯の象牙質、歯周組織、肝臓、腎臓、肺、心臓または胃腸内膜など の体組織の形成を誘発する。好ましい方法は胚組織の成長途中、または成長後組 織の無菌・無傷部位で行われる。そうしたモルフォゲンまたはモルフォゲン受容 体作動薬類を同定する方法は当分野では周知であり、モルフォゲン介在応答を誘 発(たとえば、軟骨内性骨形成の誘発、後腎間充織分化の誘発など)する化合物 の検定などを含む。好ましい実施態様において本発明のモルフォゲン類は、骨形 態形成を許容するマトリクスとともに哺乳類に移植した場合、軟骨内性骨形成を 完了する細胞的および分子的事象の発展的カスケードを誘発する能力がある。米 国特許第4,968,590号、サンパス[Sampath]ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 8 0、6591−6595(1983)を参照(本開示を参照することにより本明細書に組み込 まれる)。 別の好ましい実施態様において、本発明のモルフォゲンはまた神経細胞接着分 子(N−CAMs)などの細胞接着分子の産生を刺激する能力を有する。好ましい実 施態様において、本発明のモルフォゲンはin vitroでNG108−15細胞内でN−CAM の産生を刺激する能力を有するが、これは神経分化の検定、特に運動ニューロン の分化を検定する好ましいモデルシステムである。 さらに別の実施態様においては、モルフォゲンそのものの代わりにモルフォゲ ン受容体の作動薬として働く薬剤を投与する。受容体の“作動薬”とは、受容体 に結合し、そうした結合の結果が受容体の天然の内因性リガンドへの結合の結果 と同様の結果をもたらす化合物である。つまり、この化合物は受容体との相互作 用において、内因性リガンドと同一または実質的に同じようなトランスメンブラ ンおよび/または細胞間効果を産生するものでなければならない。したがって、 モルフォゲン受容体の作動薬は受容体に結合し、そうした結合がモルフォゲン結 合と同一または機能的に類似した結果(たとえば、形態形成の誘発)を有するこ とになる。作動薬の活性度または能力は、天然リガンドの活性度または能力より も低いことがあるが、その場合はこの作動薬は“部分的作動薬”と呼ばれ、また 天然リガンドの活性度または能力と同等もしくはそれより大きいこともあるが、 その場合は“全作動薬”と称される。したがって、例えば、モルフォゲン受容体 への結合におけるモルフォゲンの活性度を模倣し、モルフォゲン受容体を活性化 させる小ペプチドまたはその他の分子をモルフォゲン相当物として使用すること ができる。好ましくは作動薬は全作動薬であるが、部分的モルフォゲン受容体作 動薬もまた有利に利用することもできる。そうした作動薬はまたモルフォゲン“ 模倣物”、“疑似物”または“類似物”とも呼ばれる。 モルフォゲン誘発体および作動薬は、突然変異、部位特異性突然変異誘発、組 み合わせ化学などにより同定することができる。そうした方法は当分野にて周知 である。たとえば、モルフォゲン誘発体またはモルフォゲン受容体の作動薬を同 定する方法は、1995年6月7日出願の米国特許出願第08/478,097号および1995年7 月26日出願の米国特許出願第08/507,598号に記載されているが、これらの開示は 参照することにより本明細書に組み込まれる。候補モルフォゲン誘発体および作 動薬は軟骨内性骨形成を誘発する能力、また好ましくはニューロンまたはNG108 −15細胞などの神経モデルシステム中でのN−CAM産生を刺激する能力をテストさ れる。本発明に基づいて同定されたモルフォゲン誘発体および作動薬は、骨形態 形成を許容するマトリクスと結合して哺乳類に移植した場合に、軟骨内性骨形成 を誘発する能力があり、またin vitroでN−CMA産生を刺激する能力を有する。 図面の簡単な説明 図1は、本明細書に規定するモルフォゲニックタンパク質ファミリーの種々の メンバーがC末端7システイン構造においてhOP−1と共通するアミノ酸配列の同一 性パーセントとアミノ酸配列の相同性パーセント(“類似性”)を表で示したも のである。 発明の詳細な説明 I.定義 本発明の請求の主題をより明確かつ簡潔に指摘するために、明細書および請求 項で使用される特定の用語について以下の定義を行う。 “眼組織”は、以下に限らないが、視神経、網膜、硝子体、水晶体、角膜、強 膜、班、および結膜、を含む眼の組織体を含む組織を指す。 “眼疾患”は眼の生理学的異常を指す。それらには網膜、硝子体、水晶体、角 膜、強膜または眼のその他の部分、あるいは不十分な涙産生など眼に悪影響を及 ぼす生理学的異常を含む。 “網膜損傷”は、以下に限らないが、網膜の亀裂や孔ならびに下部の脈絡膜か らの剥離を含む。網膜損傷は、たとえば、外傷、胞嚢退化、硝子網膜収縮、近視 退化、レーザー照射凝固、光刺激、ピロカルピン投与および白内障除去などの後 に起きることがある。 “黄班変性”は、黄班部および網膜への過剰な繊維質堆積物の蓄積や網膜色素 上皮の萎縮によって特徴づけられる。 “続発性白内障”は、視界に干渉する水晶体の混濁である。続発性白内障はた とえば、X線照射後、糖尿病、ウイルソン病およびガラクトース血症や薬剤治療 の副作用として起こりうる。 “疾患角膜組織”という用語には、以下には限らないが、外傷、ドライアイ( 瞼の内側の結膜が角膜をすり減らす)、過剰な光、アレルゲンおよび感染性薬剤 などを含むさまざまな原因によって引き起こされる角膜に対する損傷を含む。 “シェーグレン症候群”は自己免疫疾患であり、これらはしばしば涙腺の自己 免疫破壊によるドライアイで特徴付けられる。 “眼球血管新生”または“眼性血管新生”は、ここでは眼球(眼性)組織中へ の望ましくない血管の新しい成長と規定する。もしこれらを検査せずに放置する と、そうした成長が失明を引き起こすことがある。血管新生によって浸食される 眼球組織としてはたとえば、角膜、虹彩、網膜、硝子体および脈絡膜などがある 。多くの疾患や条件が眼球血管新生を引き起こしたりその一因となる。角膜血管 新生の原因としては、以下に限らないが、外傷、化学薬品火傷または角膜移植な どがある。虹彩血管新生の原因としては、以下に限らないが、糖尿病性網膜症、 静脈閉塞、眼腫瘍および網膜剥離などがある。 網膜および硝子体内血管新生の原因としては、以下には限らないが、糖尿病性 網膜症、静脈閉塞、鎌状細胞網膜症、未成熟網膜症、網膜剥離、眼球虚血および 外傷などがある。脈絡膜血管新生の原因としては、以下には限らないが、年齢に 関係した黄班変性の網膜疾患、推定眼性ヒストプラズマ症候群と考えられるもの 、近視変性化、血管線条、および眼球外傷などがある。 “哺乳類の眼性外傷血管新生の治療”とは、本明細書では既に検出可能な状態 になっている眼性血管新生を治療するものと定義する。 以下に、本発明の方法、組成物および装置、およびそれらの投与や適用の方法 に有用な好適なモルフォゲンに関する詳細な説明と、ならびに(1)感覚認知器 官、特に眼、耳および鼻の機能を維持させるための治療薬として本明細書に記述 するモルフォゲン、モルフォゲン誘発剤およびモルフォゲン受容体作動薬の適性 を説明し、また(2)候補モルフォゲン類、誘発剤および類似体に関して本明細 書に開示した方法および組成物での効用をテストするためのアッセイを説明する 多くの非限定的実施例を述べる。 本明細書で使用するように、検体がもし眼、耳、または鼻の機能に検出可能( たとえば、臨床的に有意)な障害を有する場合、その検体は感覚器官の疾患に冒 されているということである。特定の検体が感覚器官の疾患を発症するリスクが あるかどうかは、関連医学分野または獣医学分野の当業者が通常行う決定による ものである。 II.好ましい実施態様の説明 A.有用なモルフォゲン性タンパク質のバイオ化学的、構造的および機能的特性 前述のように、あるタンパク質がもし新しい器官特定組織を形成する細胞的およ び分子的事象の発展的カスケードを誘発するならば、そのタンパク質は本明細書 で規定するようなモルフォゲン性のものということである。好ましい実施態様に おいて、モルフォゲンは二量体タンパク質であり、そのそれぞれのポリペプチド 成分は、配列番号2に含まれるヒトOP-1の少なくとも保存C末端6または7システイ ン構造に対応する配列を有するか、または機能的に同等であり、および/また はこの領域でOP-1と70%アミノ酸配列相同性を有するものである。モルフォゲン 類は一般的に形態形成が許容される環境下において、以下を含む事象のカスケー ドを誘発する能力を有する。すなわち、始原細胞の増殖刺激、始原細胞の分化の 刺激、分化細胞の増殖の刺激、および分化細胞の成長と維持を支援する。適切な 条件下においてはモルフォゲンはまた、異常分化をした細胞の再分化を誘発する 能力もある。本発明に有用なモルフォゲン類の同定法の詳細、ならびにそれらの 調製、利用およびモルフォゲン活性のテスト方法の詳細については、米国特許第 5,011,691号および第5,266,683号、ならびに国際特許出願公開WO 92/15323、WO 93/04692、およびWO 94/03200を含め数多くの刊行物に開示されており、上記の それぞれを参照することにより本明細書に組み込まれる。それらに開示されてい るように、モルフォゲンは天然原料から精製することができ、あるいはそれらに 開示されている遺伝子配列を利用して原核または真核宿主細胞から遺伝子組み換 え的に産生することができる。あるいはそれらに開示されている方法に準じて新 規なモルフォゲン性の配列を同定することもできる。 天然モルフォゲン類は、それらのC末端配列(たとえば、共通の6または7シス テイン骨格配列を共有する)にかなりのアミノ酸配列相同性を有する。典型的に は、天然モルフォゲンは通常長さ約35残基以内のN末端の信号ペプチド配列と、 それに続く“プロ”ドメインを有し、これが開裂されて生物学的に活性なC末端 骨格配列を含む成熟ポリペプチドを産生する、プレカーサとして翻訳される。こ の信号ペプチドは翻訳されると、フォン・ハイネ[Von Heijne],Nucleic Acid s Research 14、4683-4691(1986)の方法を使用して与えられた配列中で予測す ることができる開裂部位において迅速に開裂される。プロ・ポリペプチドは典型 的には完全に処理された成熟C末端ポリペプチドよりも約3倍長い。自然条件下に おいては、このタンパク質は成熟二量体として分泌され、開裂されたプロ・ペプ チドはそこに残ってタンパク質複合体を形成し、おそらくは成熟二量体タンパク 質の溶解性を改善するものと考えられている。複合形態のモルフォゲンは通常、 生理学的条件下においては成熟形態のものよりも溶解しやすいことが観察されて いる。 天然源のモルフォゲン性タンパク質は成熟した天然形態では通常SDS−PAGEで 測定して約30−36kDaの見かけ分子量を有するグリコシル化二量体である。還元 されると、この30kDaタンパク質は約16kDaと約18kDaの範囲の見かけ分子量を有 する2つのグリコシル化ポリペプチド・サブユニットとなる。同じくモルフォゲ ン活性を有する非グリコシル化二量体タンパク質は通常約27kDaの範囲の見かけ 分子量を有する。この27kDaタンパク質は還元されると、通常約14kDaから約16kD aの範囲の分子量を有する2つの非グリコシル化ポリペプチドとなる。 好ましい実施態様において、本明細書に規定する二量体モルフォゲン性タンパ ク質のそれぞれのポリペプチド・サブユニットは、基準モルフォゲンのアミノ酸 配列と規定された関係を共有するアミノ酸配列を含む。1つの実施態様において 、好ましいモルフォゲン性ポリペプチド鎖は配列番号2のモルフォゲン的に活性 なヒトOP-1に存在する配列と、規定された関係を共有する。しかしながら、本明 細書に開示する1以上の天然または生合成モルフォゲン性タンパク質もまた基準 配列として使用することができる。好ましいモルフォゲン性ポリペプチド鎖は配 列番号2の残基335−431のヒトOP-1の少なくともC末端6システイン構造と規定さ れた関係を共有する。好ましくは、モルフォゲン性タンパク質は配列番号2の残 基330−431のヒトOP-1の少なくともC末端6システイン構造と規定された関係を共 有する。 機能的に同等の配列は、基準配列中に配置されているシステイン残基と機能的 に同等の配列を含み、システインの直線配列は変えるアミノ酸の挿入または欠失 を含むが、モルフォゲン活性に必要とされる鎖間または鎖内ジスルフィド結合を 形成する能力も含めて、二量体モルフォゲンタンパク質の折り畳み構造中のそれ らの関係を実質的に損なわない。たとえば天然モルフォゲンに関しては、少なく とも1つの内部的欠失(1残基;BMP−2)または挿入(4残基;GDF−1)が存在す るが、生物学的活性を失わせないものが説明されている。機能的に同等な配列と してはさらに、基準配列の対応残基と1以上のアミノ酸残基が異なる配列、たと えば、ヒトOP-1のC末端7システイン骨格で、この差違が組織のモルフォゲン活性 を破壊しないものも含む。したがって、基準配列の対応アミノ酸の保存置換が好 ましい。基準配列の対応残基に対して“保存置換”であるアミノ酸残基は、物理 的または機能的に対応する基準残基と類似するものである。たとえば、共有また は水素結合を形成する能力を含め、同じようなサイズ、形、電荷、化学特性を有 するものである。特に好ましい保存置換は、デイホフ[Dayhoff]ら、5 Atlas o f Protein Sequence and Structure、補遺3、22章、354−352頁(1978)、Natl .Biomed.Res.Found.、ワシントン,D.C.20007、において、受容点突然変異に 規定されている条件を満たすものであり、この教示を本明細書に参照することに より組み込まれる。保存置換の例としては、1個のアミノ酸を別の類似特性を有 するものと置換するものを含む。たとえば以下のグループ内での置換である。す なわち、バリン、グリシン;グリシン、アラニン;バリン、イソロイシン、ロイ シン;アスパラギン酸、グルタミン酸;アスパラギン、グルタミン;セリン、ス レオニン;リシン、アルギニン;およびフェニルアラニン、チロシン;のグルー プ内。“保存置換”という用語はまた、得られた変種ポリペプチドも対する抗体 もまた天然源モルフォゲンポリペプチドと免疫反応をするものであれば、対応す る天然親アミノ酸の代わりに、合成または誘導アミノ酸を使用することも含む。 以下の刊行物がモルフォゲンポリペプチド配列、ならびに天然および/または 合成モルフォゲンの関連する化学的および物理的特性を開示している。OP−1お よびOP−2:US 5,011,691、US 5,266,683、オズキャナク[ozkaynak]ら、EMBO J.9:2085−2093(1990);OP−3:WO 94/10203(PCT US93/10520);BMP−2、 BMP−3およびBMP−4:WO 88/00205、ウーズニー[Wozney]ら、Science 242:15 28−1534(1988);BMP−5およびBMP−6:セレステ[Celeste]ら、PNAS 87:98 43−9847(1991):Vgr−1:リオンズ[Lyons]ら、PNAS 86:4554−4558(1989 );DPP:パゲット[Padgett]ら、Nature 325:81−84(1987);Vg−1:Weeks Cell 51;861−867(1987):BMP−9:WO 95/33830(PCT/US95/07084);BMP− 10:WO 94/26893(PCT/US94/05290);BMP−11:WO 94/26892(PCT/US94/05288 );BMP−12:WO 95/16035(PCT/US94/14030);BMP−13:WO 95/16035(PCT/US 94/14030);GDF−1:WO 92/00382(PCT/US91/04096)およびリー[Lee]ら、PN AS 88:4250−4254(1991);GDF−8:WO 94/21681(PCT/US94/03019) ;GDF−9:WO 94/15966(PCT/US94/00685);GDF−10:WO 95/10539(PCT/US94/ 11440);GDF−11:WO 96/01845(PCT/US95/08543);BMP−15:WO 96/36710(P CT/US96/06540);MP121:WO 96/01316(PCT/EP95/02552);GDF−5(CDMP−1、 MP52):WO 94/15949(PCT/US94/00657)およびWO 96/14335(PCT/US94/12814) ならびにWO 93/16099(PCT/EP93/00350);GDF−6(CDMP−2、BMP−13):WO 95 /01801(PCT/US94/07762)およびWO 96/14335ならびにWO 95/10635(PCT/US94/1 4030);GDF−7(CDMP−3、BMP−12):WO 95/10802(PCT/US94/07799)およびW O 95/10635(PCT/US94/14030)。 別の実施態様においては、有用なタンパク質としては、2つ以上の既知のモル フォゲンの配列を利用して設計された新規な生合成モルフォゲニックタンパク質 およびキメラタンパク質を含めて、生物学的活性な生合成構築物を含む。米国特 許第5,011,691号に開示されている生合成構築物(たとえば、COP-1、COP−3、CO P-4、COP-5、COP-7およびCOP-16)も参照−本開示も参照することにより本明細 書に組み込まれる。 ある好ましい実施態様においては、有用なモルフォゲン性タンパク質としては 本明細書に列挙した例示的な天然モルフォゲン性タンパク質から選ばれる基準モ ルフォゲン性タンパク質と少なくとも70%のアミノ酸配列相同性または“類似性 ”、そして好ましくは80%の相同性または類似性を有する配列を含むアミノ酸配 列のものを含む。好ましくは、基準タンパク質はヒトOP-1であり、またその基準 配列は配列番号2の残基330−431の骨形成活性型のヒトOP-1に存在するC末端7シ ステイン骨格である。したがって有用なモルフォゲニックタンパク質には対立す る系統発生的対立種および天然または生合成的に産生された好ましい基準配列の その他の変種(たとえば、“突然変異物”または“突然変異タンパク質”を含む )、ならびに上記に規定したものを含むタンパク質の一般的なモルフォゲニック ファミリーの新規なメンバーも含む。特に好ましいモルフォゲンニックポリペプ チドのあるものは、好ましいヒトOP-1の基準配列と少なくとも60%のアミノ酸同 一性、さらに好ましくは少なくとも65%のアミノ酸同一性を有する。 ある実施態様において、機能的に基準モルフォゲン・ポリペプチドとの同等性 が疑わしいポリペプチドは、アライン・プログラム(Align program;DNAstar I nc.社)などのコンピュータプログラムによって簡便に実行されるニードルマン [Needleman]ら、J.Mol.Biol.48、443−453(1970)の方法を用いて整列さ せる。上述のように候補配列中の内部ギャップやアミノ酸挿入は、候補と基準配 列の間のアミノ酸配列の相同性または同一性のレベルとして従来表現されている ように表し、規定の関係を計算する目的においては無視する。“アミノ酸配列相 同性”とは本明細書ではアミノ酸配列同一性と類似性の両方を含むものとする。 相同性の配列は同一および/または類似のアミノ酸残基を有するが、そこでは類 似の残基は整列基準配列中の対応アミノ酸残基の保存置換、または“許容点突然 変異”である。したがって、基準配列と70%のアミノ酸相同性を有する候補ポリ ペプチド配列は、整列した残基の70%が基準配列の対応残基と同一か、または保 存置換されているものである。好ましい実施態様において、基準配列はヒトOP-1 のC末端7システイン構造配列である。 図1は、OP-1を基準配列として用いて、TGF−βファミリーの種々の代表的メン バーのC末端7システイン骨格内に共通するアミノ酸配列の相同性パーセント(“ 類似性”)とアミノ酸配列の同一性パーセントを示したものである。図に示され ている相同性パーセントは、基本的にニードルマンら、J.Mol.Biol.48、443 −453(1970)の方法に基づき、アライン・プログラム(DNAstar Inc.)を利用 して配列を整えることによって求めたものである。基準モルフォゲン配列(hOP- 1のC末端の生物学的活性な7システイン構造)からの挿入および欠失は計算の目 的上無視した。 当業者には明らかなように、図1に取り上げられているタンパク質の配列を見 ると、実質的なモルフォゲン活性を維持しながら、基準配列から相当なアミノ酸 の変更を行うことができる。たとえば、GDF−1タンパク質配列は本明細書に記述 したhOP-1とわずかに約50%のアミノ酸同一性を有するだけであるが、このGDF− 1配列はhOP-1配列と70%以上のアミノ酸配列相同性を有する。ただし“相同性” は上記に規定したとおりである。そのうえ、GDF−1はOP−1(配列番号2)の残基 372から373に対応する2つの残基の間に4つのアミノ酸挿入(Gly−Gly−Pro−Pro )を含む。同様に、BMP−3はhOP-1(配列番号2)の残基385と386に対応する2つ の残基の間に“余分の”残基、バリンが挿入されている。また、BM−2およびBM −4はともにOP-1(配列番号2)の残基389に対応するアミノ酸残基が“欠失”し ている。基準配列からのこれらの“ずれ”はいずれも実質的に生物学的活性に影 響を及ぼさない。 その他の好ましい実施態様においては、本発明に有用なモルフォゲン性ポリペ ブチドのファミリーとそのメンバーは一般的なアミノ酸配列で規定される。たと えば、下記に示す一般配列7(配列番号4)および一般配列8(配列番号5)は、少 なくともOP-1、OP-2、OP−3、CBMP−2A、CBMP−2B、BMP−3、60A、DPP、Vg1、BM P−5、BMP−6、Vgr−1およびGDF−1を含む今日まで確認された好ましいタンパク 質ファミリーメンバーの間に認められた変種を含む。これらタンパク質のアミノ 酸配列は、先に要約したように、本明細書および/または文献に示されている。 これら一般配列は、6および7システイン骨格(それぞれ一般配列7および8)で規 定されるC末端構造の配列、ならびに配列中のさまざまな位置の代替残基によっ て共有されたアミノ酸同一性を有する。これらの一般配列は、分子内または分子 間ジスルフィド結合を形成することができる適当なシステイン構造を提供し、ま た折り畳みタンパク質の三次構造に影響を及ぼすある種の重要なアミノ酸を含む 。さらに、これら一般配列は、位置36(一般配列7)または位置41(一般配列8) に追加のシステインを入れることができ、それによってOP−2およびOP−3のモル フォゲン的に活性な配列とすることができる。 ただし、各Xaaは以下に規定する1以上の特定のアミノ酸のグループから独立し て選択される:残基2のXaa=(TyrまたはLys);残基3のXaa=(ValまたはIle); 残基4のXaa=(Ser、AspまたはGlu);残基6のXaa=(Arg、Gln、Ser、Lysまたは Ala);残基7のXaa=(AspまたはGlu);残基8のXaa=(Leu、ValまたはIle);残 基11のXaa=(Gln、Leu、Asp、His、AsnまたはSer);残基12のXaa=(Asp、Arg 、AsnまたはGlu);残基13のXaa=(TrpまたはSer);残基14のXaa=(Ileまた はVal);残基15のXaa=(IleまたはVal);残基16のXaa=(AlaまたはSer); 残基18のXaa=(Glu、Gln、Leu、Lys、ProまたはArg);残基19のXaa=(Glyま たはSer);残基20のXaa=(TyrまたはPhe);残基21のXaa=(Ala、Ser、Asp、 Met、His、Gln、LeuまたはGly);残基23のXaa=(Tyr、AsnまたはPhe);残基26 のXaa=(Glu、His、Tyr、Asp、Gln、AlaまたはSer);残基28のXaa=(Glu、Ly s、Asp、GlnまたはAla);残基30のXaa=(Ala、Ser、Pro、Gln、IleまたはAsn );残基31のXaa=(Phe、LeuまたはTyr);残基33のXaa=(Leu、ValまたはMet );残基34のXaa=(Asn、Asp、Ala、ThrまたはPro);残基35のXaa=(Ser、As p、Glu、Leu、AlaまたはLys);残基36のXaa=(Tyr、Cys、His、Serまたは Ile);残基37のXaa=(Met、Phe、GlyまたはLeu);残基38のXaa=(Asn、Ser またはLys);残基39のXaa=(Ala、Ser、GlyまたはPro);残基40のXaa=(Thr 、LeuまたはSer);残基44のXaa=(Ile、ValまたはThr);残基45のXaa=(Val 、Leu、MetまたはIle);残基46のXaa=(GlnまたはArg);残基47のXaa=(Thr 、AlaまたはSer);残基48のXaa=(LeuまたはIle);残基49のXaa=(Valまた はMet);残基50のXaa=(His、AsnまたはArg);残基51のXaa=(Phe、Leu、As n、Ser、AlaまたはVal);残基52のXaa=(Ile、Met、Asn、Ala、Val、Glyまた はLeu);残基53のXaa=(Asn、lys、Ala、Glu、GlyまたはPhe);残基54のXaa =(Pro、SerまたはVal);残基55のXaa=(Glu、Asp、Asn、Gly、Val、Proまた はLys);残基56のXaa=(Thr、Ala、Val、Lys、Asp、Tyr、Ser、Gly、Ileまた はHis);残基57のXaa=(Val、AlaまたはIle);残基58のXaa=(ProまたはAsp );残基59のXaa=(Lys、LeuまたはGlu);残基60のXaa=(Pro、ValまたはAla );残基63のXaa=(AlaまたはVal);残基65のXaa=(Thr、AlaまたはGlu); 残基66のXaa=(Gln、Lys、ArgまたはGlu);残基67のXaa=(Leu、MetまたはVa l);残基68のXaa=(Asn、Ser、AspまたはGly);残基69のXaa=(Ala、Proま たはSer);残基70のXaa=(Ile、Thr、ValまたはLeu);残基71のXaa=(Ser、 AlaまたはPro);残基72のXaa=(Val、Leu、MetまたはIle);残基74のXaa=( TyrまたはPhe);残基75のXaa=(Phe、Tyr、LeuまたはHis);残基76のXaa=( Asp、AsnまたはLeu);残基77のXaa=(Asp、Glu、Asn、ArgまたはSer);残 基78のXaa=(Ser、Gln、Asn、TyrまたはAsp);残基79のXaa=(Ser、Asn、Asp 、GluまたはLys);残基80のXaa=(Asn、ThrまたはLys);残基82のXaa=(Ile 、ValまたはAsn);残基84のXaa=(LysまたはArg);残基85のXaa=(Lys、Asn 、Gln、His、ArgまたはVal);残基86のXaa=(Tyr、GluまたはHis);残基87の Xaa=(Arg、Gln、GluまたはPro);残基88のXaa=(Asn、Glu、TrpまたはAsp) ;残基90のXaa=(Val、Thr、AlaまたはIle);残基92のXaa=(Arg、Lys、Val 、Asp、GlnまたはGlu);残基93のXaa=(Ala、Gly、GluまたはSer);残基95の Xaa=(GlyまたはAla)および残基97のXaa=(HisまたはArg)。 一般配列8(配列番号5)は一般配列7(配列番号4)のすべてに加えて下記の配 列(配列番号8)をN末端に含む。 したがって、残基7で始まる一般配列8の各“Xaa”は一般配列7として規定され た特定のアミノ酸であり、違いは一般配列7で記述されている各残基番号が一般 配列8では5個シフトしていることである。したがって、一般配列7の“残基2のXa a=(TyrまたはLys)”は一般配列8の残基7のXaaを意味する。一般配列8では、 残基2のXaa=(Lys、Arg、AlaまたはGln);残基3のXaa=(Lys、ArgまたはMet );残基4のXaa=(His、ArgまたはGln);ならびに残基5のXaa=(Glu、Ser、 His、Gly、Arg、Pro、ThrまたはTyr)である。 別の実施態様において、有用な骨形成タンパク質としては前記の一般配列9お よび10(それぞれ配列番号6および7)で規定されるものを含む。具体的には、一 般配列9および10は以下のタンパク質の複合アミノ酸配列である:ヒトOP−1、ヒ トOP−2、ヒトOP−3、ヒトBMP−2、ヒトBMP−3、ヒトBMP−4、ヒトBMP−5、ヒト BMP−6、ヒトBMP−8、ヒトBMP−9、ヒトBMP−10、ヒトBMP−11、ショウジョウバ エ60A、アフリカツメガエルVg−1、ウニUNIVIN、ヒトCDMP−1(マウスGDF−5) 、ヒトCDMP−2(マウスGDF−6、ヒトBMP−13)、ヒトCDMP−3(マウスGDF−7、 ヒトBMP−12)、マウスGDF−3、ヒトGDF−1、マウスGDF−1、ニワトリDORSALIN 、ショウジョウバエdpp、ショウジョウバエSCREW、マウスNODAL、マウスGDF−8 、ヒトGDF−8、マウスGDF−9、マウスGDF−10、ヒトGDF−11、マウスGDF−11、 ヒトBMP−15およびラットBMP−3b。一般配列7と同様に、一般配列9はC末端6シス テイン構造を含み、また一般配列8と同様に一般配列10は7システイン構造を含む 。 ただし、各Xaaは以下に規定する特定の1以上のアミノ酸のグループから独立的 に選ばれるものである。残基1のXaa=(Phe、LeuまたはGlu);残基2のXaa=(T yr、Phe、His、Arg、Thr、Lys、Gln、ValまたはGlu);残基3のXaa=(Val、Ile 、LeuまたはAsp);残基4のXaa=(Ser、Asp、Glu、AsnまたはPhe);残基5のXa a=(PheまたはGlu);残基6のXaa=(Arg、Gln、Lys、Ser、Glu、AlaまたはAsn );残基7のXaa=(Asp、Glu、Leu、AlaまたはGln);残基8のXaa=(Leu、Val 、Met、IleまたはPhe);残基9のXaa=(Gly、HisまたはLys);残基10のXaa= (TrpまたはMet);残基11のXaa=(Gln、Leu、His、Glu、Asn、Asp、Serまたは Gly);残基12のXaa=(Asp、Asn、Ser、Lys、Arg、GluまたはHis);残基13のX aa=(TrpまたはSer);残基14のXaa=(IleまたはVal);残基15のXaa=(Ile またはVal);残基16のXaa=(Ala、Ser、TyrまたはTrp);残基18のXaa=(Glu 、Lys、Gln、Met、Pro、Leu、Arg、HisまたはLys);残基19のXaa=(Gly、Glu 、Asp、Lys、Ser、Gln、ArgまたはPhe);残基20のXaa=(TyrまたはPhe);残 基21のXaa=(Ala、Ser、Gly、Met、Gln、His、Glu、Asp、Leu、Asn、Lysまたは Thr);残基22のXaa=(AlaまたはPro);残基23のXaa=(Tyr、Phe、Asn、Ala またはArg);残基24のXaa=(Tyr、His、Glu、PheまたはArg);残基26のXaa= (Glu、Asp、Ala、Ser、Tyr、His、Lys、Arg、GlnまたはGly);残基28のXaa= (Glu、Asp、Leu、Val、Lys、Gly、Thr、AlaまたはGln);残基30のXaa=(Ala 、Ser、Ile、Asn、Pro、Glu、Asp、Phe、GlnまたはLeu);残基31のXaa=(Phe 、Tyr、Leu、Asn、GlyまたはArg);残基32のXaa=(Pro、Ser、AlaまたはVal) ;残基33のXaa=(Leu、Met、Glu、PheまたはVal);残基34のXaa=(Asn、Asp 、Thr、Gly、Ala、Arg、LeuまたはPro);残基35のXaa=(Ser、Ala、Glu、Asp 、Thr、Leu、Lys、GlnまたはHis);残基36のXaa=(Tyr、His、Cys、Ile、Arg 、Asp、Asn、Lys、Ser、GluまたはGly);残基37のXaa=(Met、Leu、Phe、Val 、GlyまたはTyr);残基38のXaa=(Asn、Glu、Thr、Pro、Lys、His、Gly、Met 、ValまたはArg);残基39のXaa=(Ala、Ser、Gly、ProまたはPhe);残基40の Xaa=(Thr、Ser、Leu、Pro、HisまたはMet);残基41のXaa=(Asn、Lys、Val 、ThrまたはGln);残基42のXaa=(His、TyrまたはLys);残基43のXaa=(Ala 、Thr、LeuまたはTyr);残基44のXaa=(Ile、Thr、Val、Phe、Tyr、Metまたは Pro);残基45のXaa=(Val、Leu、Met、IleまたはHis);残基46のXaa=(Gln 、ArgまたはThr);残基47のXaa=(Thr、Ser、Ala、AsnまたはHis);残基48の Xaa=(Leu、AsnまたはIle);残基49のXaa=(Val、Met、Leu、ProまたはIle) ;残基50のXaa=(His、Asn、Arg、Lys、TyrまたはGln);残基51のXaa=(Phe 、Leu、Ser、Asn、Met、Ala、Arg、Glu、GlyまたはGln);残基52のXaa=(Ile 、Met、Leu、Val、Lys、Gln、AlaまたはTyr);残基53のXaa=(Asn、Phe、Lys 、Glu、Asp、Ala、Gln、Gly、LeuまたはVal);残基54のXaa=(Pro、Asn、Ser 、ValまたはAsp);残基55のXaa=(Glu、Asp、Asn、Lys、Arg、Ser、Gly、Thr 、Gln、ProまたはHis);残基56のXaa=(Thr、His、Tyr、Ala、Ile、Lys、Asp 、Ser、GlyまたはArg);残基57のXaa=(Val、Ile、Thr、Ala、LeuまたはSer) ;残基58のXaa=(Pro、Gly、Ser、AspまたはAla);残基59のXaa=(Lys、Leu 、Pro、Ala、Ser、Glu、ArgまたはGly);残基60のXaa=(Pro、Ala、Val、Thr またはSer);残基61のXaa=(Cys、ValまたはSer);残基63のXaa=(Ala、Val またはThr);残基65のXaa=(Thr、Ala、Glu、Val、Gly、AspまたはTyr);残 基66のXaa=(Gln、Lys、GluNArgまたはVal);残基67のXaa=(Leu、Met、Thr またはTyr);残基68のXaa=(Asn、Ser、Gly、Thr、Asp、Glu、LysまたはVal) ;残基69のXaa=(Ala、Pro、GlyまたはSer);残基70のXaa=(Ile、Thr、Leu またはVal);残基71のXaa=(Ser、Pro、Ala、Thr、AsnまたはGly);残基2のX aa=(Val、IIe、LeuまたはMet);残基74のXaa=(Tyr、Phe、Arg、Thr、Tyrま たはMet);残基75のXaa=(Phe、Tyr、His、Leu、Ile、Lys、GlnまたはVal); 残基76のXaa=(Asp、Leu、AsnまたはGlu);残基77のXaa=(Asp、Ser、Arg、A sn、Glu、Ala、Lys、GlyまたはPro);残基78のXaa=(Ser、Asn、Asp、Tyr、Al a、Gly、Gln、Mel、Glu、AsnまたはLys);残基79のXaa=(Ser、Asn、Glu、Asp 、Val、Lys、Gly、GlnまたはArg);残基80のXaa=(Asn、Lys、Thr、Pro、Val 、Ile、Arg、SerまたはGln);残基81のXaa=(Val、Ile、ThrまたはAla);残 基82のXaa=(Ile、Asn、Val、Leu、Tyr、AspまたはAla);残基83のXaa=(Leu 、Tyr、LysまたはIle);残基84のXaa=(Lys、Arg、Asn、Tyr、Phe、Thr、Glu またはGly);残基85のXaa=(Lys、Arg、His、Gln、Asn、GluまたはVal);残 基86のXaa=(Tyr、His、GluまたはIle);残基87のXaa=(Arg、Glu、Gln、Pro またはLys);残基88のXaa=(Asn、Asp、Ala、Glu、GlyまたはLys);残基89の Xaa=(MetまたはAla);残基90のXaa=(Val、Ile、Ala、Thr、SerまたはLys) ;残基91のXaa=(ValまたはAla);残基92のXaa=(Arg、Lys、Gln、Asp、Glu 、Val、Ala、SerまたはThr);残基93のXaa=(Ala、Ser、Glu、Gly、Argまたは Thr);残基95のXaa=(Gly、Ala、またはThr);残基97のXaa=(His、Arg、Gl y、LeuまたはSer)。さらに、rBMP−3bおよびmGDF−10の残基53の後にはIleがあ り;GDF−1の残基54の後にはTがあり;BMP−3の残基54の後にはVがあり;BMP−8 とDorsalinの残基78の後にはGがあり、hGDF−1の残基37の後にはPro、Gly、Gly 、Proがある。 一般配列10(配列番号7)は一般配列9(配列番号6)のすべてに加えてN末端に 以下の配列(配列番号9)を含む。 したがって、残基6で始まる一般配列10の各“Xaa”は一般配列9で規定された 特定のアミノ酸であり、違いは一般配列9で記述された各残基番号が一般配列10 では5個シフトする。したがって一般配列9の“残基1のXaa=(Tyr、Phe、His、A rg、Thr、Lys、Gln、ValまたはGlu)”は一般配列10の残基6のXaaとなる。一般 配列10では、残基2のXaa=(Lys、Arg、Gln、Ser、His、Glu、AlaまたはCys); 残基3のXaa=(Lys、Arg、Met、Lys、Thr、Leu、TyrまたはAla);残基4のXaa= (His、Gln、Arg、Lys、Thr、Leu、Val、ProまたはTyr);および残基5のXaa= (Gln、Thr、His、Arg、Pro、Ser、Ala、Gln、Asn、Tyr、Lys、AspまたはLeu) である。 一般配列10の定義内での天然モルフォゲンの整列に基づくと、少なくとも残基 11−12、42−43、59−60、68−69および83−84の間またはこれらを含む位置で、 1以上のアミノ酸残基のギャップおよび/または挿入は(生物学的活性を失わせた り実質的に阻害することなく)許容されることは明らかである。 前記のように、本発明に有用な好ましいモルフォゲン性ポリペプチド配列は、 hOP−1の好ましい基準配列を規定するアミノ酸配列と60%以上、好ましくは65% 以上の同一性を有する。これらの特に好ましい配列には、ショウジョウバエ60A タンパク質、ならびに密接に関連したタンパク質BMP−5、BMP−6およびVgr−1に タンパク質を含め、OP−1およびOP−2タンパク質の対立的かつ系統発生的変種も 含まれる。したがって、特に好ましい実施態様において有用なモルフォゲン性タ ンパク質には、本明細書で“OPX”(配列番号3)と記述されている一般アミノ酸 配列内に一対のポリペプチド鎖の対を含む活性タンパク質を含み、これが7シス テイン骨格を規定し、OP−1およびOP−2のいくつかの確認された変種の相同体も 含む。したがって、OPXの特定位置の各“Xaa”はマウスまたはヒトOP−1またはO P−2のC末端配列中の対応する位置にある残基から独立的に選ばれる。具体的に は、各“Xaa”は以下に規定する1以上の特定のアミノ酸のグループから独立的に 選ばれる。 ただし、残基2のXaa=(LysまたはArg);残基3のXaa=(LysまたはArg);残基 11のXaa=(ArgまたはGln);残基16のXaa=(GlnまたはLeu);残基19のXaa= (IleまたはVal);残基23のXaa=(GluまたはGln);残基26のXaa=(Alaまた はSer);残基35のXaa=(AlaまたはSer);残基39のXaa=(AsnまたはAsp); 残基41のXaa=(TyrまたはCys);残基50のXaa=(ValまたはLeu);残基52のXa a=(SerまたはThr);残基56のXaa=(PheまたはLeu);残基57のXaa=(Ileま たはMet);残基58のXaa=(AsnまたはLys);残基60のXaa=(Glu、AspまたはA sn);残基61のXaa=(Thr、AlaまたはVal);残基65のXaa=(ProまたはAla) ;残基71のXaa=(GlnまたはLys);残基73のXaa=(AsnまたはSer);残基75の Xaa=(IleまたはThr);残基80のXaa=(PheまたはTyr);残基82のXaa=(Asp またはSer);残基84のXaa=(SerまたはAsn);残基89のXaa=(LysまたはArg );残基91のXaa=(TyrまたはHis)および残基97のXaa=(ArgまたはLys)であ る。 さらに別の好ましい実施態様において、有用なモルフォゲン的に活性なタンパ ク質は、基準モルフォゲン配列たとえばOP−1、OP−2、BMP−2、BMP−4、BMP−5 、BMP−6、60A、GDF−3、GDF−5、GDF−6、GDF−7などの保存7システイン骨格を 規定するC末端配列、をコードするDNAまたはRNAとハイブリダイズする核酸によ ってコードされた配列を含むアミノ酸配列を有するポリペプチド鎖を有する。本 明細書で使用しているように、高度に厳格なハイブリダイゼーション条件とは、 40%ホルムアミド、5X SSPE、5Xデンハーツ溶液および0.1%SDS中で、37℃で一 晩、公知の技法によるハイブリダイゼーション、そして、50℃の0.1X SSPE、0.1 %SDS中で洗浄する、と規定されている。標準厳格条件は標準的な分子生物学ク ロ−ニングのテキスト中に詳しく定められている。たとえば、Molecular Clonin g:A Laboratory Manual、第2版、サンブルック[Sambrook]、フリッツ[Fritsch ]およびマニアチス[Maniatis]編(コールドスプリングハーバー・ラボラトリ ー・プレス社:1989);DNA Cloning、第I巻およびII巻(D.N.グローバー[GIov er]編、1985);OLIGONUCLEOTIDE SYNTHESIS(M.J.ゲイト[Gait]編、1984) ;Nucleic Acid Hybridaization(B.D.ヘームズ[Hames]& S.J.ヒギンス[Hi ggins]編、1984);およびB.パーバル[Perbal]、A PRACTICAL GUIDE TO MOLE CULAR CLONING(1984)を参照。 別の実施態様において、モルフォゲンニックタンパク質の投与として、哺乳類 中で内因性モルフォゲン発現を刺激または誘発する能力のある有効量の薬剤を、 本明細書に記載のいずれかの経路により投与することもできる。そうしたモルフ ォゲン誘発剤を哺乳類に対し、たとえば哺乳類に対する全身投与または神経組織 に対する直接投与により与えることができる。与えられた組織中で内因性モルフ ォゲンのレベルを調節する能力を有する誘発剤(刺激剤)を同定およびテストす る方法は、特許出願公開公報WO 93/05172およびWO 93/05751に記述されており、 それらをレファレンスとして本明細書に組み込まれる。要約すれば、候補化合物 をin vitroで試験組織または細胞、あるいはそれらから取り出されたバイオ細胞 系とともに、それらの化合物がその組織の細胞によって産生されるモルフォゲン の産生に影響を及ぼす、すなわち発現および/または分泌させる、のに十分な時 間インキュベートすることにより同定およびテストする。好適な組織、または好 適な組織の培養細胞は、好ましくは腎臓上皮、卵巣組織、繊維芽細胞および骨芽 細胞から選ばれる。 さらに別の実施態様において、モルフォゲン受容体の作動薬として作用する薬 剤をモルフォゲン自体の代わりに投与することもできる。そうした薬剤はまたモ ルフォゲン“模倣物”、“疑似物”または“近似物”と呼ばれる。したがって、 た とえば、モルフォゲン受容体の結合の活性を模倣し、モルフォゲン受容体を作動 させることができる小ペプチドまたはその他の分子をモルフォゲン相当物として 使用することができる。好ましくは、作動薬は全作動薬であるが、部分的モルフ ォゲン受容体作動薬もまた有利に利用することもできる。そうした作動薬を同定 する方法は当分野では周知であり、モルフォゲン介在応答を誘発(たとえば、後 腎間充織分化の誘発、軟骨内性骨形成の誘発)する化合物の検定などがある。た とえば、モルフォゲン誘発体またはモルフォゲン受容体の作動薬を同定する方法 は、1995年6月7日出願の米国特許出願第08/478,097号および1995年7月26日出願 の米国特許出願第08/507,598号に記載されており、これらの開示をレファレンス として本明細書に組み込まれる。 一般的事項として、本発明の方法は神経組織障害またはニューロパシー(脳ま たは脊髄神経障害)に冒されているかまたはそれらの危険性のある哺乳類の治療 に適用することができる。本発明はすべての霊長類、好ましくは人間のような高 等霊長類の治療に好適である。しかしながらさらに、本発明は人間の仲間として 飼養されている家畜哺乳類(たとえばイヌ、ネコ、ウマ)、大きな商業的価値を 有するもの(たとえばヤギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、スポーツ用または荷役用動物 )、大きな科学的価値を有するもの(たとえば、絶滅種の捕獲されたあるいは野 放しの検体、同系繁殖体、または工学的に作り出した動物種)、あるいは何らか の価値を持つものの治療にも利用することができる。 C.処方と治療方法 本発明のモルフォゲン、モルフォゲン誘発剤またはモルフォゲン受容体の作動 薬は、使用する特定のモルフォゲン、誘発剤または作動薬と適合性のあるいかな る経路でも投与することができる。したがって投与方法は適宜、経口でも、静脈 および腹腔内投与を含む非経口ルートでもよい。加えて、投与はモルフォゲン、 誘発剤または作動薬のボーラスの定期的注入でもよく、あるいは外部(たとえば 、静脈注入用袋)または内部(たとえば、生体適合性のインプラント、またはモ ルフォゲン産生細胞の移植コロニー)のリザーバからの静脈内または腹腔内投与 による連続的な方法で行ってもよい。 本発明の治療薬(すなわち、モルフォゲン、モルフォゲン誘発剤またはモルフ ォゲン受容体の作動薬)は適切な手段により、直接的(たとえば、注射、インプ ラントまたは組織座位への局所投与による局所的)または全身的(たとえば、非 経口的または経口的)に個体に投与することができる。薬剤を静脈内、皮下、分 子内、眼内、腹腔内、筋肉内、頬内、直腸内、膣内、眼窩内、脳内、頭蓋内、脊 髄内、心室内、鞘内、くも膜下内、内膜内、鼻孔内など非経口的に投与する場合 や、エアロゾル投与を行う場合、薬剤は好ましくは水性または生理学的に適合性 のある液体懸濁液または溶液を含むものとする。つまりモルフォゲン・キャリヤ または賦形剤を生理学的に受け入れられるものにして、望ましい薬剤を患者に供 給できるようにするだけでなく、患者の電解質および/または容量バランスに悪 影響を及ぼさないものとする。したがって、本薬剤用の液体溶媒には通常の生理 食塩水(たとえば、NaCl 0.15Mの9.85%水溶液、pH7−7.4)を含ませることがで きる。 成熟モルフォゲン二量体がモルフォゲン・プロドメインと会合するとモルフォ ゲンのプロフォームとなり、これは典型的には対応する成熟型よりも生理学的溶 液に溶けやすいものである。事実、内因性モルフォゲンはこの形で哺乳類の体内 で輸送(たとえば、分泌および循環)されると考えられる。タンパク質のこの水 溶性の形はモルフォゲンを分泌する哺乳類細胞、たとえば、モルフォゲンをコー ドし、発現させる核酸によって感作された細胞、の培養液から得ることができる 。あるいは、成熟した形態発生的に活性なポリペプチド二量体(またはその活性 フラグメント)をモルフォゲン・プロドメイン・ポリペプチドまたは溶解性を強 化したそのフラグメントと複合化させることによって、溶解性のものとすること もできる。溶解性を強化したプロドメイン・フラグメントは、成熟ポリペプチド 二量体と複合化して生成する非共有結合または共有結合複合体の安定性及び/ま たは溶解性を強化させるモルフォゲン・ファミリーのメンバーのプロ領域の内部 フラグメント、N末端、またはC末端である。典型的には、有用なフラグメントは タンパク質分解部位のArg−Xaa−Xaa−Argで開裂されたものである。モルフォゲ ン性タンパク質の溶解性複合型の詳細については、それらの調製、試験および使 用法を含め、WO 94/03600(PCT US93/07189)に記述されている。OP−1の場合、有 用なプロドメイン・ポリペプチド・フラグメントとしては、配列番号2の完全な プロドメイン・ポリペプチド(残基30−292)およびフラグメント48−292と158 −292などがある。 溶解性を強化する能力があり、かつ経口投与に特に有用なもう1つの分子はカ ゼインである。たとえば、0.2%のカゼインの添加でOP−1の成熟活性型の溶解性 は80%増加する。その他ミルクおよび/または種々の血清タンパク質中に認めら れるその他の成分もまた有用である。 非経口投与用に有用な溶液は、たとえばREMINGTON'S PHRMASEUTICAL SCIENCES (ゲナロ[Gennaro]A.編)、マック社[Mack Pub]1990に記載されているような 薬学分野で周知のいかなる方法によっても調製することができる。本発明の治療 薬剤の処方は、たとえばポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコー ル、植物由来の油、水素化ナフタレンなどを含むことができる。直接投与用の処 方は特に、望ましい座位での薬剤の維持を助けるためにグリセリンやその他高粘 度の組成物を含めることができる。たとえば、ヒアルロン酸、コラーゲン、リン 酸三カルシウム、ポリブチレート、ラクチドおよびグリコライドポリマーやラク チド/グリコライドコポリマーなど、生体適合性があり、好ましくは生体吸収性 のあるポリマー類は、in vivoでの薬剤の放出を調節するための有用な賦形剤と なる。その他基本的にこれら薬剤の有用な非経口投与システムとしては、エチレ ン−ビニルアセテートコポリマー粒子、浸透圧ポンプ、インプラント可能な注入 システム、ならびにリポソーム類である。吸入投与用処方としては、賦形剤とし てたとえば、ラクトースを含み、またはたとえばポリオキシエチレン−9−ラウ リルエーテル、グリココーレートまたはデオキシコーレートなどを含有する水溶 液、または点鼻薬の形での投与用の油性溶液、または鼻孔内投与用のゲルなどを 含む。非経口投与用処方としてはまた、頬内投与用のグリココーレート、直腸内 投与用のメトキシサリチレート、あるいは膣内投与用にはカットリック酸[cutri c acid]なども含む。直腸投与用の座薬もまた、モルフォゲン、誘発剤または 作動薬を、ココアバターあるいはその他室温で固体、体温で液体となる組成物な どの非刺激性賦形剤と混ぜて調製することもできる。 皮膚表面への局所投与用の処方品は、モルフォゲン、誘発剤または作動薬をロ ーション、クリーム、軟膏または石鹸などの皮膚科学的に許容されるキャリヤ中 に分散させて調製することができる。特に有用なのは塗布を局在的にし、かつ除 去されににくいようにするために、皮膚上に膜または層を形成することができる キャリヤである。内部組織表面への局所投与用には、薬剤を組織付着性の液体ま たは組織表面での吸着性を強化するものとして知られている他の物質中に分散さ せることもできる。たとえば、ヒドロキシプロピルセルロースまたはフィブリノ ーゲン/トロンビン溶液を有利に使用することができる。あるいは、ペクチン含 有処方品などの組織被覆溶液を使用することもできる。 あるいはまた、本明細書に記述した薬剤は経口的に投与することもできる。治 療薬としてタンパク質を経口投与することは通常行われていない。これはほとん どのタンパク質は、それらが血流中に吸収される前に哺乳類消化系統中の消化酵 素や酸によって容易に分解されてしまうからである。しかし本明細書に記述した モルフォゲン類は概して酸に対して安定であり、かつプロテアーゼ耐性がある( たとえば、米国特許第4,968,590号参照)。加えて、少なくとも1種類のモルフォ ゲンOP−1は、哺乳類の腺抽出物、初乳および57日乳中に確認されている。その うえ、乳の腺抽出物から精製されたOP−1はモルフォゲン的に活性であり、かつ また血流中にも検出されている。摂取ミルクを通しての母体からの投与は、TGF −βスーパーファミリータンパク質の自然な供給ルートである。レッテリオ[Le tterio]ら、Science 264、1936−1938(1994)は、TGF−βがネズミ乳中に存在 し、放射線標識したTGF−βは哺乳児の胃腸粘膜で吸収されることを報告してい る。標識した摂取TGF−βは肺、心臓および肝臓などの乳児の体組織中で急速に 完全な形になるようである。結局、溶解型のモルフォゲン、たとえばプロドメイ ンと会合させた成熟モルフォゲンは、モルフォゲン的に活性である。これらの知 見と以下の実施例の開示は、経口および非経口投与がモルフォゲンを含むTGF− βスーパーファミリータンパク質を個体に投与するための有効な手段であること を示している。さらに、本明細書に記述したある種のモルフォゲンの成熟型は通 常わずかに溶解性であるけれど、ミルク(および乳腺抽出物と初乳)中に認めら れるモルフォゲン型は容易に溶解する。これはおそらくは、成熟したモルフォゲ ン的に活性な型と発現された全長ポリペプチド配列のプロドメインの一部分また はすべてとの会合、および/または1以上のミルク成分との会合によるものであろ う。したがって、本明細書に提示した化合物はまた、in vitroまたはinvivoで、 それらの溶解性を強化することができる分子と会合させることもできる。 モルフォゲンをCNSの疾患用の治療薬として使用する場合は、付加的な問題に 対処しなければならない。すなわち、血液−脳バリヤの克服、つまり血液中に存 在するある選択された種類の物質以外のすべてが脳内に流入することを防止し、 効率的に選別する脳の毛細管壁構造の克服である。血液−脳バリヤは、モルフォ ゲンまたはモルフォゲン刺激薬剤を脳内に直接注入することによって、あるいは 嗅覚ニューロンによる摂取と逆行性輸送に適した処方の鼻孔内投与または吸入に よって、効率的にバイパスすることができる。あるいはまたモルフォゲンまたは モルフォゲン刺激剤を修飾させて、血液−脳バリヤを通過して輸送する能力を高 めることもできる。たとえば、モルフォゲンまたはモルフォゲン刺激剤の切形[ truncated form]は最も好結果なものとなろう。あるいは、本明細書に提示した モルフォゲン、誘発剤または作動薬を、誘導体にしたり、または当分野で公知の 標準的な手段を用いて親水性成分または血液−脳バリヤを通して積極的に輸送さ れる物質に結合することもできる。たとえば、パードリッジ[Pardridge]、End ocrine Reviews 7、314−330(1986)および米国特許第4,801,575号参照。 本明細書に提示した化合物はまた所望の組織にモルフォゲン、誘発剤または作 動薬を向かわせる能力のある分子と会合させることもできる。たとえば、所望の 組織の細胞の表面分子に特異的に作用する抗体、抗体フラグメントまたはその他 の結合タンパク質を使用することができる。有用なターゲティング分子は、たと えば米国特許第5,091,513号に開示されている単鎖結合部位技術を使用して設計 することができる。ターゲティング分子は、モルフォゲン、誘発剤または作動薬 と共有結合的にまたは非共有結合的ににより会合させることができる。 当業者には自明のように、処方組成物には治療有効量のモルフォゲン、モルフ ォゲン誘発剤またはモルフォゲン受容体の作動薬を含む。つまりそれら処方品は 、損傷した中枢または末梢神経システム機能の検出可能な回復、完全な回復も含 めて、を刺激するのに十分な時間、適切な濃度の薬剤を損傷した神経システム組 織に与えるような量を含むものとする。当業者には自明のように、こうした濃度 は数多くの要因に応じて異なる。たとえば、選択した薬剤の生物学的効能、特定 の薬剤の化学的特性(たとえば、疎水性)、1以上の賦形剤との混合を含むそれ らの処方、投与経路、および活性成分を組織部位に直接的に投与するか、あるい は全身的に投与するかを含めた治療法、といった要因である。投与するのに望ま しい用量はまた、異常または損傷を受けた組織の状態、対象哺乳類の全体的な健 康状態などの変動要素に応じても変わる。一般的には、単回、毎日、週2回また は1週間ごとに、0.00001−1000mgのモルフォゲン、好ましくは0.0001−100mg、 そしてさらに好ましくは0.001から10mg、の用量で十分である。あるいは単回、 毎日、週2回または1週間ごとに、0.01−1000μg/体重kg、さらに好ましくは0.01 −10mg/体重kg、の用量を有利に採用することもできる。本発明の有効量を、特 定の状態下において望ましいまたは適切と考えられる方法で、1回用量または複 数回(2回以上)の分割用量として投与することができる。ボーラス注射処方ま たは拡散可能な注入処方も採用することができる。反復または頻繁な注入を容易 にすることを望む場合は、半恒久的ステント(たとえば、静脈、腹腔内、頭蓋内 または内胞内)のインプラントが望ましい。 本発明のモルフォゲン、誘発剤、または作動薬はもちろん単独でも、または本 明細書に記述した状態の治療に有用として知られている他の分子との併用で、投 与することもできる。たとえば、種々の公知の成長因子、ホルモン、酵素、治療 組成物、抗生物質またはその他の生体活性薬剤もまたモルフォゲンとともに投与 することができる。したがって、NGF、EGF、PDGF、IGF、FGF、TGF−α、およびT GF−βなどの公知の種々の成長因子、ならびに酵素、酵素阻害剤、抗酸化剤、抗 炎症剤、フリーラジカル捕捉剤、抗生物質、および/または化学誘引性/化学走性 因子類も本発明のモルフォゲン処方品に含めることができる。 実施例1:生体内投与のための可溶性モルフォゲン溶液の調製 A.水溶液 ここに説明されている成熟二量体モルフォゲンタンパク質は、概して、生理的 緩衝液にわずかしか溶けないか、注射可能な懸濁液または溶液の形に溶解するこ とができる。1つのモルフォゲンを含む代表的な水性製剤は、例えば、0.1%のト リフルオロ酢酸(TFA)または0.1%の塩酸中にアセトニトリルを含む50%のエチ ルアルコール、または同等な溶媒にモルフォゲンを分散させることにより作られ る。その結果得られる溶液の1体積を、次に、10体積のリン酸塩で緩衝された生 理食塩水(PBS)に加える。この生理的食塩水はさらに0.1−0.2%のヒト血清ア ルブミン(HSA)または同じような担体タンパク質を含んでもよい。その結果得 られる溶液は、生理学的に容認され得るモルフォゲン製剤にするために、よく渦 動させることが好ましい。 もう1つの実施例では、溶液のpHを下げることにより、モルフォゲン−OP-1を 含む−を可溶化する。1つの好ましい製剤では、溶液をより等張性圧にするため に、このタンパク質を5%のマンニトールを含む0.2mMの酢酸緩衝液,pH4.5,に 可溶化される。生理学的に容認され得るモルフォゲン製剤にする他の手段はこの 技術分野の範囲内のことである。 B.可溶性複合体製剤 もう1つの好ましい態様は、少なくともモルフォゲンファミリーの特徴である C末端の7システイン骨格を含み、モルフォゲンファミリーの1員のプロ領域を含 むペプチド、または可溶性を増大させるその断片、またはその変形である対立遺 伝子,系統分類または他の配列と複合させた二量体モルフォゲンタンパク質であ る。可溶性を増大させる断片は、成熟ポリペプチド二量体と複合してその結果生 じる可溶性複合体の安定性を高める,モルフォゲンファミリーの1員のプロドメ インポリペプチドのN末端またはC末端である。この二量体モルフォゲンタンパ ク質は、2つのこのようなプロドメインポリペプチドと複合させるのが好ましい 。 上に記載し、また参照することによりこの明細書に組み込まれる公開された出 願WO94/03600に記載されているように、この可溶性複合体は、適当な条件のも とで、細胞培養液(または体液)から分離される。または、この複合体は、生体 外で造ることもできる。 可溶性のモルフォゲン複合体は、変性剤無しで行われる簡単な3段階のクロマ トグラフィプロトコルを用いて、馴らし培地から分離される。このプロトコルは 、WO94/03600に記載されているように、培地(または体液)をアフィニティー カラムを通して流すこと、その後のイオン交換クロマトグラフィおよびゲル濾過 クロマトグラフィを含む。下記のアフィニティーカラムは、Zn−IMACカラムであ る。この例はヒトのOP-1を使うが、これに限定することは意図されていない。こ のプロトコルは、いろいろなモルフォゲンの精製に対して広く適用できる。それ らのモルフォゲンはみな、下記のプロトコルの僅かな変更により分離され得るこ とが予想される。同じく役に立つと予想される別のプロトコルは、標準的な方法 と、例えば、特定のモルフォゲンのプロドメインに対して特異性のある抗体(例 えば、タンパク質Aを結合させられたセファロースカラムと複合体を形成させら れる)を使って作られる免疫親和性カラムを含む。免疫親和性カラムを展開する ためのプロトコルはこの分野においてよく知られている(例えばGUIDE TO PROTE IN PURIFICATION、M.Deutscher編、Academic Press、サンディエゴ、1990、特 にそのVII節とXI節参照)。 この例では、OP-1は、この分野において記述されているように(例えば国際出 願US90/05903(WO91/05802)参照)哺乳動物(CHO,チャイニーズハムスター卵巣) の細胞内で発現した。0.5%のFBSを含むCHO細胞の馴らし培地は、先ず、固定化 金属イオン親和性クロマトグラフィ(IMAC)を使って精製された。馴らし培地か らの可溶性のOP-1の複合体は非常に選択的にZn-IMAC樹脂に結合する。そしてそ の結合した複合体を効率的に溶離させるために高濃度のイミダゾール(50mMのイ ミダゾール、pH8.0)が必要である。Zn−IMACで精製された可溶性のOP-1は次に5 0 mMのNaClを添加した20mMのNaPO4(pH7.0)中で平衡化されたセファロース作用カ ラムに通される。このタンパク質はそれからTBS中で平衡化されたセファクリル S−200HRカラムに通された。実質的に同じプロトコルを使うと、可溶性のモル フォゲンを、ミルク、血清、脳脊髄液または腹腔液を含む1つまたは複数の体液 から分離することもできる。 可溶性のOP-1複合体は、見掛けの分子量110kDaで溶離する。これは、1個の成 熟OP-1二量体(35−36kDa)が2個のプロドメイン(それぞれ39kDa)と会合して いるという、可溶性のOP-1複合体の予言された組成とよく一致する。最終複合体 の純度は、適当な画分を、還元された15%のポリアクリルアミドゲル中を流すこ とにより確かめることができる。 培養液または体液から可溶性複合体を精製する代わりに、精製されたプロドメ インと成熟二量体化学的種実体から可溶性複合体を製剤することができる。複合 体の製剤がうまく行くためには、ジスルフィド結合に影響を及ぼすことなく、こ れらの分子の折り畳まれた構造を弛緩させるのに十分な変性条件下で構成要素を 会合させることを必要とする。この変性条件は、切断されたプロドメインポリペ プチドが弛緩した折り畳み状態の成熟二量体タンパク質と会合する機会を持つよ うに、細胞内の小胞の環境を十分にまねることが好ましい。溶液中の変性剤の濃 度は、二量体とプロメインを適当に折りたたむように、プロドメインペプチドの 成熟二量体との会合を維持しなから、制御された,好ましくは段階的なやり方で 下げられる。使用に適した変性剤としては、pH4−10,好ましくはpH6−8の緩衝 溶液中の、4−6Mの尿素またはグアニジン塩酸塩(GuHCl)が含まれる。この可溶 性複合体は、次に、制御された透析または希釈によって、最終的な変性剤の濃度 が0.1−2Mの尿素またはGuHCl,好ましくは0.1−2Mの尿素またはGuHCl,好ましく は1−2Mの尿素またはGuHCl以下の溶液にされる。この溶液は好ましくはさらに 生理的緩衝液中に希釈することができる。タンパク質の精製/復元の手順と条件 は、この分野においてよく記述されており、適した復元プロトコルを開発するた めの詳細は、この分野における通常の習熟度を持つ者が容易に決定することがで きる。この問題に関する1つの役に立つ教科書は、GUIDE TO PROTEIN PURIFICAT I ON、M.Deutscher編、Academic Press、サンディエゴ、1990、特にそのV節であ る。複合体の形成は、1つまたは複数のシャペロンタンパク質の添加により促進 され得る。 生理的緩衝液、例えばトリスで緩衝された生理的食塩水(TBS)やリン酸で緩 衝された食塩水(PBS)中における高度に精製された可溶性のモルフォゲン複合 体の安定度は、3種類の添加物のうちの任意の1つまたは複数の添加を含む複数の 手段のうちのどれかによって高めることができる。これらの添加物には、塩基性 アミノ酸(例えば、L−アルギニン、リジンおよびベタイン);非イオン性界面 活性剤(例えば、Tween80またはNonIdet P-120);および担体タンパク質(例え ば、血清アルブミンおよびカゼイン)が含まれる。これらの添加物の有効な濃度 としては、1−100mM,好ましくは10−70mM(50mMの塩基性アミノ酸む);0.01− 1.0%,好ましくは0.05−0.2%(0.1%(V/V)の非イオン性界面活性剤を含む) ;および0.01−1.0%,好ましくは0.05−0.2%(0.1%(W/V)の担体タンパク質 を含む)が含まれる。 実施例2.モルフォゲンを発現している組織の確認 新しい,同族のモルフォゲンを同定するためだけでなく、ある組織中で発現さ れているいろいろなモルフォゲンを同定するためにも、モルフォゲンの組織分布 の決定を使うことができる。組織分布は、候補のモルフォゲン誘導作因を選抜し 同定するために、有用なモルフォゲン産生組織の同定にも使うことができる。モ ルフォゲン(またはそれらのmRNA転写産物)は、標準的な方法および発現が少な いかも知れない組織中ではそれをわずかに変更したものを使って、いろいろな組 織中に容易に同定できる。例えば、タンパク質の分布は、標準的なウェスタンブ ロット分析または免疫蛍光法と、関心を持つ1つまたは複数のモルフォゲンに特 異性のある抗体を使って決定できる。同様に、モルフォゲン転写産物の分布は、 標準的なノーザンハイブリダイゼーション法と転写産物に特異性のあるプローブ を使って決定できる。 転写産物に特異的にハイブリダイズし、関心を持つ転写産物を他の関係する転 写産物から識別することができる任意のプローブを使うことができる。ここに説 明されているモルフォゲンは、それらの活性なC末端ドメインが非常に高い配列 の相同性を共有するので、ある特定のモルフォゲンの転写産物の組織分布は、未 熟タンパク質のプロ領域および/または成熟タンパク質のN末端領域にたいして 特異性のあるプローブを使うと、もっともよく決定できる。もう1つの役に立つ 配列は、終止コドンに隣接しかつその直後に続く3'非コード領域である。配列の これらの部分は、この発明において有用なモルフォゲンの間でかなり異なってお り、したがって各タンパク質に特有であると見なされる。例えば、とりわけ有用 なVgr-1に特異的なプローブ配列は、Pvull−Sac1断片、すなわち翻訳されないプ ロ領域と成熟配列のN末端の両方をコードしている265bpの断片である(cDNA配 列の説明については、Lyons等、(1989)PNAS 86;4554-4558を参照)。同様に、 とりわけ有用なmOP-1に特異的なプローブ配列は、BstX1-Bgl1断片、すなわちmOP -1プロ領域のほぼ3分の2に及ぶ0.68Kbの配列;Stu1-Stu1断片、すなわち7システ インドメインの直ぐ上流の0.2Kbの配列;およびEar1-Pst1断片、すなわち3'の翻 訳されない配列の1部分を含む0.3Kbの断片である。同様なアプローチが、例えば hPO-1またはヒトまたはマウスOP-2に用いられる。 これらのモルフォゲンに特異性のあるプローブ−合成により作ることも、クロ ーン化された配列から得ることもできる―を使うと、この分野における通常の技 能を持つ人々によく知られている標準的な方法により、モルフォゲンの転写産物 を哺乳動物の組織中で同定することができる。簡単に言えば、完全なRNAが、成 長したマウスのいろいろな組織(例えば、肝臓、腎臓、精巣、心臓、脳、胸腺お よび胃)から、Chomezyaski等の方法((1987)Anal.Biochem.162:156-159)の ような標準的な方法により下記のようにして調製される。Ploy(A)+RNAが、オリ ゴ(dT)セルロースクロマトグラフィ(例えば、Pharmacia LKB Biotechnology,I nc.のType7)を使って用意される。各組織からのPloy(A)+RNA(通常は15mg)は 、1%のアガロース/フォルムアルデヒドゲル上で分画され、Nytran膜(Schleic her & Schuell)に移される。移された後、膜は80℃で焼かれ、RNAはUV光源の下 で架橋される(通常1mW/cm2で30秒)。ハイブリダイゼーションの前に、適 当なプローブが加熱により変性される。ハイブリダイゼーションは、40%のフォ ルムアミド、5×デンハーツ(Denhardts)、5×SSPEおよび0.1%のSDSのハイブリ ダイゼーション複合物を使って、回転箇装置内でほぼ1回転/秒で回転するルサ イト箇の中で、37℃でほぼ15時間の間行われる。ハイブリダイゼーションに続い て、非特異性のカウントが、50℃の0.1×SSPE,0.1%のSDSの中でフィルターか ら洗い落とされる。 発生中の組織および成長した組織中のVgr-1,OP-1,BMP2,BMP3,BMP4,BMP5 ,GDF-1およびOP-2を含むいろいろなモルフォゲンの組織分布を説明する例が、 共に出願中のUSSN752,764、およびOzkaynak等,(1991),Biochem.Biophys.Res .Commn.179;116-123およびOzkaynak等,(1992)267 J.Biol.Chem.25220-2 5227に開示されている。それらの開示は参照することにより本明細書に組み入れ らる。ここに説明されている一般的なプロービング法を使った、これらのモルフ ォゲンに対して特異性のあるプローブを使ったノーザンブロットハイブリダイゼ ーションによる脳、脾臓、肺、心臓、肝臓および腎臓の組織の探査は、腎臓に関 係する組織がOP-1にたいする第1の発現源であり、脳、心臓および肺の組織が第2 の源であるらしいことを示す。肺の組織は、Vgr-1,BMP5,BMP4およびBMP3にた いする第1の組織発現源であるように見える。低レベルのVgr-1は腎臓および心臓 の組織にも見られる。また肝臓はBMP5にたいする第2の発現源であるように見え る。そして脾臓はBMP4にたいする第2の発現源であるように見える。GDF-1は脳組 織中で最も多く発現されるように見える。今日まで、OP-2は初期胚組織中で最も 多く発現されるように見える。より詳しく言えば、8日のマウスの胚のノーザン ブロットは、豊富なOP-2の発現を示す。この発現は、17日胚では著しく減少し、 出生後の動物では検出されない。 実施例3.胚組織中でのモルフォゲンの発現の特徴 ラットおよびヒトの胚の組織を使って、胚組織中のモルフォゲンの発現パター ンが調べた。 組換え型成熟ヒトOP-1に対するポリクローナルおよびモノクローナル抗体の免 疫組織化学による染色を使用して、5から14懐胎週のヒトの胚の連続切片中のOP- 1の分布が調べられた。Vukicevic等,(1994),198 Biochem.Biophys.Res.Com m.693-700.著者達は、OP-1は胚の中胚葉および神経外胚葉から取り出された組 織と関係づけられること、および器官形成中に上皮と間充織の境界に特に高い蓄 積があることに気づいた。OP-1は、指の形成中に手足の組織中、真皮中、軟骨内 および膜間の骨の形成個所、大脳半球が発生する終脳のニューロン中、および特 有の形態形成活動をしている多数の他の個所に見いだされた。 公表されていないこれらの著者の追加の研究は、髄膜および終脳の軟膜下顆粒 層の細胞が、6懐胎週という早い時期に、OP-1タンパク質を調べる染色に強く染 まることを示した。濃い染色は、終脳の皮質板の神経細胞にも検出された。しか しながら、形成中のヒトの眼の組織の近傍中のOP-1については、はっきりした観 察は報告されていない。 他の研究者は、ノーザンハイブリダイゼーションおよびin situハイブリダイ ゼーションにより、ヒトおよびマウスの発生過程におけるOP-1の発現パターンを 調べている。(Helder等,(1995)43J.Histochemistry and Cytochemistry 1035-1 044.参照によりここに組み込まれている)。OP-1の転写産物に特異性のあるプロ ーブを使った12-14週のヒトの胚の組織のノーザンハイブリダイゼーションは、 腎臓、脳、心臓および肺を含む多数の胚の組織でのOP-1の発現を証明した。6懐 胎週時に、尿管芽の上皮の周囲の後腎の間充織中に、OP-1の転写産物が検出され た。これより後の発生状態では、高レベルのOP-1 mRNAが発生しつつある腎糸球 体に存在し、隣接する複雑な細管および直集合管にそれよりも少なしルベルで存 在する。7懐胎週のヒトの胚では、OP-1転写産物は、軟骨性長骨の軟骨膜に局在 していた。この後の発生段階では、OP-1転写産物は、骨形成帯の骨膜/造骨ゾー ンの骨芽細胞層に見いだされた。またOP-1転写産物は、3から12懐胎週のヒトの 胚の細胞栄養芽層に、6週と14週の間には筋肉および胃腸の粘膜に存在する。 9.5および10.5日の後尾後(p.c.)マウスの胚中のOP-1転写産物の分布が、連続 切片のin situハイブリダイゼーションによって調べられた。9.5日p.c.に、発生 しつつある肢芽の外胚葉の上皮組織中に強いOP-1転写信号が検出された。10.5日 p.c.には、OP-1転写産物は、前肢および後肢の外胚葉の上皮組織、特に外胚葉性 頂堤、嗅覚プラック、視神経冠、間脳、神経管および心臓に局在していた。より 低度の一様に分布した発現も前肢芽の下にある間充織に検出された。また一様な 発現が肢芽の中胚葉に見つけ出された。さらに時間が経過した12.5−18.5日p.c. の胚では、いくつかの頭蓋顔面構成部位、主として皮膚、毛嚢、鼻の上皮、歯、 頭蓋冠、髄膜、脈絡叢、および唾液腺が、OP-1転写産物の発現を示した。12.5− 14.5日p.c.のマウスの胚では、発生しつつある骨の軟骨の前凝結の周りに見いだ された。 このHelderの研究は、in situハイブリダイゼーションにより、初期肢芽の外 胚葉性頂堤および前軟骨間充織におけるBMP-2の発現、およびさらに形成の進ん だ骨の構成部位の肥大軟骨細胞中の高レベルのBMP-6の発現が明らかになったこ とも報告している。これらの結果は、ここでは、発生しつつある神経外胚葉のモ ルフォゲンに対する反応性はOP-1だけのものではないという見解と一致すると理 解される。 11,5,12.5および13.5日のラットの胚から用意された頭の切片中の内生OP-1mR NAおよびタンパク質の分布を視覚化するために、免疫組織化学およびin situハ イブリダイゼーション法が使用された。(Solursh等,(1996),218 Biochem.Bio phys.Res.Comm.438-443)。これらの方法は、11.5日では、OP−1メッセージが 神経上皮中に広範に発現されていること、そして視小胞において顕著であること を明らかにした。視小胞の内部に多少の免疫組織化学的な染色が見られたが、12 .5日に視小胞が予定レンズプラコード外胚葉に接触するまでは、きわだつ量のOP -1タンパク質は検出されなかった。そしてその時には、外胚葉は視小胞の周りに 陽性の染色を示した。12.5日までには、OP-1メッセージの発現は視杯の予定神経 網膜に限られ、プラコードは陥入している。またプラコードの免疫反応はそれが 陥入するにつれて強くなった。OP-1の発現は13.5日まで発生しつつあるレンズの 上皮において続いた。この時までにレンズは予定角膜の上皮から分かれた。この 段階では、OP-1メッセージの発現は角膜においても明らかになった。 ラットの胚全体をOP-1阻止抗体に晒すことにより決定されたところによると、 発生しつつあるラットの眼の組織にもモルフォゲンが同定された。(Solursh等, lbid)。ラットの胚全体が、原始線状段階から初期肢状態までの72時間の期間培 養された。このラットの胚は、10mg/mlの非反応性IgGまたは10mg/mlのOP-1と特 異的に反応する阻止抗体のどちらかに晒された。対照胚は完全に正常に発生した が、OP-1阻止免疫に晒された胚はみな複数の異常を示した。特に、OP-1阻止抗体 に晒されたラットの胚は、全体的にサイズが小さく、また顔のサイズが小さく、 心臓も小さかった。これらの胚の大多数にはまた眼がなかった。組織化学的に染 色された,OP-1阻止抗体に晒された胚の頭部の端から端までの切片の検査により 、神経網膜がほとんど発生していないことが明らかになった。 OP-1をコードする機能する遺伝子を欠く同型の突然変異種のマウスを使った研 究が、前述の眼の発生の研究を広げた。(Dudley等,(1995),9 Genes & Dev.279 5-2807;Luo等,(1995),9 Genes & Dev.2808-2820)。Dudleyは、胚芽幹細胞テク ノロジーによるOP-1ヌルマウス(いわゆる"ノックアウト"マウス)の創作につい て報告している。Dudleyは、ノックアウトマウスが腎臓形成異常および程度の異 なるマイクロフタミア[microphthamia]およびアノフタルミア(anophthalmia)を 含むいろいろな眼の欠陥を示すことを報告している。Luoは、同様に、OP-1ヌル マウスにおける形態異常の評価を報告している。Luoは、報告された眼の異常は 変わり得る浸透度を示すことを強調している。実際、いくつかのマウスは眼科学 的に正常であることがわかった。Dudleyは、OP-1は眼および腎臓の両方の成熟の ために不可欠の,分化した細胞のタイプの生き残りまたは維持を調節する局部的 な成長因子として働くと推測している。眼の形態形成を引き起こす最初の誘導エ ベントは影響を受けてないが、60%のノックアウト胚において眼の原基が両側と も衰えていた。残りの40%は、両側のマイクロフタミア[microphthamia]、また は片側だけのanophthalmiaと併発した片側だけのマイクロフタミアを示した。9. 5胚日に、突然変異種胚にレンズプラコードの誘導およびレンズ嚢の陥入が見ら れた。しかしながら、14.5日までには、大多数の突然変異種胚は、発生しつつあ る眼の構造の深部に及ぶ両側性の悪変を示した。この段階では、唯一の識別でき る眼の組織は、視神経の残骸と結合した,無秩序化して色がついた網膜の上皮 組織の小塊であると記されている。 これらの研究は、モルフォゲンの発現が年齢および組織の両方によって異なる 可能性を示している。さらにこれらの研究は、モルフォゲンが、発生しつつある 胚の形態形成中にパターン形成に関与していることを示している。 実施例4.角膜の傷の治療のためのモルフォゲンの使用 ここに説明されているモルフォゲンの角膜の傷を治療する能力は、Leibowitz 等,(1990),108 Arch.Ophthalmol.734-737(参照によりここに組まれている )により説明されている下記の方法にしたがって測定できる。熟練した業者は、 Leibowitz等の具体的な方法がその業者の実際の目的により良く使用できるよう に改変できることを理解し認めるであろう。角膜における傷の治癒の増進は、こ の明細書において前述したように、すべてのタイプの角膜の手術にたいして、重 要な治療のための用途を持つ。 ニュージーランドの白皮症のウサギに筋肉注射により麻酔をかけ、それらのウ サギの無作為に選択された1つの眼の表面に例えば0.5%のプロパラカイン塩酸塩 の点滴によって同時に麻酔をかける。手術用顕微鏡にり直接見ながら、外科用の 刃物を使い、角膜の中心を通って、深さが角膜の厚さのほぼ0.5倍の9mmの溝をつ ける。斜視カリパスを使い、引っかいて最初の第1の溝の各側に浅い平行な第2の 溝2mmをつける。次にこの斜視カリパスを使って、第1の溝にマークをつけてその 長さに沿って4等分し、縫合のための位置を指定した。外科用の刃物を、刃を上 にして、第1の溝の1端を通って前室に挿入し、前室を横切って押し進め、溝の他 端で抜け出させて、貫通した切り傷をつくった。この切り傷に沿ったマークの位 置の、4つの10-0ナイロンによる不連続の縫合により傷を閉じた。縫合は、針を 上側の第2の溝に差し込み、角膜の全厚みを貫通させて、下側の第2の溝を通って 抜け出させ、この下側の角膜の溝のところで角膜の表面で糸を結ぶことができる 。この手術が完了したとき、0.5%のエリスロマイシン眼軟膏を傷の上に塗るこ ともできる。 手術後直ぐに局所治療が開始された。対照動物はキャリヤーで、実験動物はキ ャリヤー中のモルフォゲンで治療された。適当なキャリヤーは先に説明されてい る。モルフォゲンは、例えば6から9日の期間中に、1日に1回、2回または4回投与 された。局所治療は、それが観察されたように、角膜の炎症を抑えるための1つ の最も効果的な手段を提供することが望ましい。Frangie等,(1993),33 Int.Op thalmol.Clin.9-29.結膜の盲嚢の容量は限られているので、50μlを超える局 所投与量の増加は薬の到達量を増大させない。50μlを超えた分は、盲点を通っ て鼻涙系に流れ込むか、または瞼の縁を通って頬に流れ下る。局所塗布の回数を 増やすか、または薬の濃度を高めることにより、全到達薬量を増やすことができ る。 もし望むなら、Liebowitzの角膜に傷をつけるモデルをつかって、予防治療を 評価することもできる。予防効果をテストするためには、手術開始の例えば2か ら24時間前に、モルフォゲンを全身的に投与する。 治療プロトコルが完了したとき、すべてのウサギは、過量のペントバルビター ルナトリウムの静脈への投与により殺された。手術用顕微鏡により直接見ながら 、25ゲージの使い捨て針が、6時の子午線の位置で強膜透明角膜を貫通させて前 室内に挿入された。この針は、プラスチックのチューブで、圧力変換器および注 射駆動ポンプに接続された。縫合糸が顕微鏡手術用の刃物で切られ、糸結びピン セットで取り除かれた。緩衝された生理的食塩水が、0.35mL/分の速度で前室に ポンプで送り込まれ、圧力変換器の出力がポリグラフで記録された。眼球内の圧 力の上昇と圧力が低下するポイントが、ポリグラフにより記録された。圧力の急 激な低下は、角膜の傷の破裂を示し、"傷強度"として記録される。眼のモルフォ ゲン治療または予防は、角膜の傷の傷強度を、治療されない眼の傷強度に比べて 増強することが期待される。 実施例5.異常な新血管形成の治療のためのモルフォゲンの使用 眼における異常な新血管形成は、いろいろな病気に伴っておこる。Schultz等, (1991)5 Eye 170-180.初めの頃のin vitroの実験は、新血管形成のある眼か らの硝子体切除液の分取分が、ひよこの漿尿膜における血管の成長を促進するこ と、および内皮細胞の分裂を促進することを示した。促進性および抑制性のアン ギオニック活性はガラス様試料で検出されており、これらの活量の不均衡が新血 管形成の一因であることを暗示している。 本発明のモルフォゲンは、例えば、ガン、ソリッド腫瘍、関節炎、糖尿病、動 脈硬化、血管繊維症、動静脈奇形、角膜移植新血管形成、遅延傷治癒、糖尿病性 網膜症、年齢に関係した黄斑変性、肉芽形成、熱傷、血管腫、血友病性関節、肥 大傷痕、新血管緑内症、癒着不能骨折、オスラー−ウェーバー症候群、乾癬、化 膿性肉芽腫、水晶体後方繊維増殖、硬皮症、トラコーマ、血管癒着、特発性眼新 血管形成、寄生病、手術後の肥大、毛髪成長の抑制、排卵および黄体形成の抑制 、および子宮内での胚の着床および発生の抑制などに伴う新血管形成を含む、眼 および他の場所の新血管形成の治療に使うことができる。 モルフォゲンは、特に、眼における新血管形成の予防および/または治療に有 効である。眼における新血管形成には、網膜の病気に伴う新血管形成(糖尿病性 網膜症、慢性緑内障、網膜剥離、鎌)状赤血球性網膜症、年齢に関係した黄斑変 性);ルベオーシス虹彩炎;炎症性の病気;慢性ぶどう膜炎;新生物(網膜芽腫 [pseudoglima]);フックのheterochromic iridocyclitis;新血管緑内症;角膜 の新血管形成(炎症、移植に関係した虹彩の発育形成不全);硝子体切除とlens ectomyの組合わせに続いて発生する新血管形成;血管の病気(網膜局所貧血、脈 絡膜血管機能不全、脈絡膜血栓症、頸動脈局所貧血);pterigium;視神経の新 血管形成;および眼の外傷性貫または眼球打撲傷に起因する新血管形成が含まれ る。ただしこれらに限定されない。 モルフォゲンの新血管形成を伴う病気を治療する能力は、例えば、Robinson等 ,(1996),93 Proc.Natl.Acad.Sci.USA,4851-4856(参照によりここに組み 込まれている)により説明されている増殖性網膜症のマウスモデルを使って評価 することができる。このモデルでは、出生後7日のマウスが、既知の方法にした がって、密封された保育器の中で5日間高酸素状態(75±2%)に晒された。5日 後、12日齢のマウスは室内空気に戻された。動物を室内空気に戻すことは、網膜 の非灌流領域の相対的な血中酸素減少を生じると信じられている。その後100% の 動物に網膜の新血管形成が発生する。室内空気に戻した後5日めに、最高度の新 血管形成が見られる。 予防効果を評価するために、麻酔をかけた硝子体液中にモルフォゲンを注射す ることにより、適当なキャリヤー中に希釈されたモルフォゲン溶液0.5μlが送り 込まれる。縁部の以前に処理されていない部分を通して繰返し注射する。注射は 、酸素を除去した直後に12日齢のマウスに対して行い、さらに2日後に14日齢の マウスに対して繰り返される。動物は17日に致死量の麻酔薬を注射することによ り犠牲にされ、それからPBS中で4%のパラフォルムアルデヒド(Sigma)による 心臓灌流する。望むなら、この投与スケジュールは、新しい脈管構造の確立後に 急性または慢性の治療の評価ができるように変更することができる。 犠牲にした後、眼が摘出され、4%のパラフォルムアルデヒド中で固定されパ ラフィンに埋め込まれる。連続した6μmの全眼の切片が、視神経に平行に、矢状 にカットされ、標準プロトコルに従ってヘマトキシリンおよび過沃素酸/シッフ 染料で染色される。治療眼および対照眼における新血管形成の程度は、内部の限 界膜を貫通して硝子体中に延びる新血管細胞の核を数え決定される。すべてのカ ウントは、マスクされたプロトコルを使って行わなければならない。各眼に対し て、それぞれ30μm離れた、同じ長さの10枚の無傷の切片を評価しなければなら ない。次に、StudentのiテストまたはWilcox Signed Rankテストを使って、モ ルフォゲンで治療された眼に発生した新血管形成の程度が、対照眼におけるそれ と比較される。眼内の炎症、感染、または網膜剥離を持つことが見つけだされた 眼は、分析から除外されなければならない。 テスト複合物(例えば、モルフォゲン、モルフォゲン誘導因子またはモルフォ ゲンアゴニスト)の血管停止(Angiostatic)活性も、McNtt等,(1992)42 J.St eroid Biochem.Mol.Biol.687-693(参照によりここに組み込まれている)に より説明されている、新血管形成のひよこの胚の漿尿膜モデルを使って評価する ことができる。簡単に言えば、1%のアガロースとリポソーム(2.5%のジミリス トイルホスファチジルコリン)を含み、殻のない5-6日のひよこの胚の漿尿膜上 に置かれた10μLのビーズに、モルフォゲンが加えられる。37℃の孵化器の中で さらに2日置かれた後、投与ビースの周りの血管の無い部分が評価される。血管 停止活性は、nモルのテスト複合物にたいする血管停止反応頻度として表される 。 モルフォゲンは、前記のモデルシステムのどれにおいても、新血管形成を抑制 するか、または新血管形成の退縮を誘発することが期待される。 実施例6.網膜の異常のモルフォゲン治療 モルフォゲンは、網膜の異常の治療、特に黄斑の退行および穴の治療にも使う こともできる。そして、治癒を促進し、視力を顕著に改善することが期待される 。この治療はまた、網膜の穴、裂、および剥離にも使用できる。これらの異常は 、視力の喪失によって特徴づけられる。 モルフォゲンは、上記のように、この分野において知られているいろいろな方 法およびいろいろな製剤により、そのような患者に投与することができる。モル フォゲンのゆっくりとした放出は、網膜剥離および黄斑の穴の治療に特に有益で ある。したがって、組織の支質または患部に隣接する室に埋め込まれた、ゆっく り放出する装置からモルフォゲンを投与してもよい。例えば、直径2mmのエチレ ンビニル共重合体のペレット内に有効な濃度のモルフォゲンを硝子体室内または 脈絡膜上部に手術で埋め込み、時間をかけてモルフォゲンを放出するようにする ことができる。 例えば、合併した網膜剥離の治療にも使うことができる。網膜剥離は、増殖性 の糖尿病性網膜症および増殖性の硝子体網膜症から起こることが知られている合 併症である。現在このような網膜剥離は、シリコンオイルの投与により治療され ているが、この治療は、角膜の代償機能喪失、レンズの不透明化、眼球内圧の上 昇、および浸透圧低下を含む合併症を引き起こす可能性がある。シリコンオイル による治療はYeo等,(1987)94 Ophthalmology 1109-1113に記載されている。 モルフォゲンによる剥離した網膜の治療は、既知の治療法の限界を打ち破ること が期待されている。 モルフォゲンにより治療される眼は、視力テスト、眼球内圧の測定、スリット ランプ生物顕微鏡による検査、および双眼間接検眼鏡による検査を含む手術前お よび手術後の眼の検査を受ける。手術計画は、この分野でしられているように、 正確な硝子体網膜の構造により異なるであろう。一般的には、すべての硝子体切 除は、標準的な3―ポート装置によって行われる。硝子体切除は、任意に、モル フォゲンの注射の前に行うことができる。Scloral buckleのrevision、網膜周辺 の膜の切断、および緩和のための網膜切断、引きつりを緩和するために行われる 。次に、網膜を平にするために、液体と空気の入替えおよびサブ網膜液の除去が 行われる。モルフォゲンは、硝子体切除の注入管を通して注入され、同時に空気 はpars planaを貫通して挿入された30−ゲージの針を通って押し出される。モル フォゲンは粘性のあるキャリヤー中に調合されることが好ましい。そしてモルフ ォゲンの泡が、水晶体眼(phakic eye)および偽水晶体眼のレンスの後面まで運び 上げられる。そして無水晶体眼(レンズが除去された眼)では、モルフォゲンは 、瞳孔平面のちょうど背後まで運ばれる。 モルフォゲンの投与は、網膜の再付着と失われた網膜組織の再生を促進するこ とが期待される。さらにモルフォゲンの投与は、維管組織の再増殖を抑制し、ま た新血管形成を抑制するであろう。 またモルフォゲンは、黄斑の穴それ自体および/または黄斑の穴の縁にモルフ ォゲンの濃厚な溶液をつけることにより、黄斑の穴を治療するためにも使うこと ができる。このようなモルフォゲンは、穴の縁の厚さを減少させることにより、 視力の改善と治癒をもたらすことが期待される。穴の縁は脈絡膜に付着するか、 または硝子体膜の後面に再付着するであろう。モルフォゲンは、上述した外科テ クニックを用いて患部につけることができる。 実施例7.ヒトの胎児の神経系の始原細胞 ここで有用な始原細胞の適した源は、ヒトの胎児由来の細胞または組織である 。中枢神経系の組織は、随意中絶から入手できる胎児の発生しつつある中枢神経 系から得られる。適当な数の始原細胞はヒトの胎児の神経システムの特定の領域 のどこからでも得ることができる。代表的な領域は、前脳前面、大脳皮質、小脳 、中脳、脳幹、神経管、脊髄、および神経冠である。 モルフォゲンによる神経始原細胞の細胞分化の誘導は、少なくともOP-1および BMP-4については見つけられている。Liem等は、OP-1およびBMP-4が表皮外胚葉に おいて発現されており、表皮外胚葉が神経板細胞中で背細胞の分化を誘導するた めの媒介者であることを示している(1995,82,Cell,969-979),参照によりこ こに組み入れられている。より具体的に言えば、OP-1およびBMP-4の両方とも、 神経板細胞中で背細胞の分化を誘導することが示された。このことは、OP-1およ びBMP-4が、発生しつつある脊髄動物の中枢神経系および末梢神経系の神経冠お よび他の初期的な構成要素の生成を引き起こしていることを示している。 ここでは、神経系の"始原細胞"は、例えば、ニューロン、グリアル細胞の光受 容体、毛様体細胞、化学受容器などへ分化することができる娘細胞を生み出すこ とができるが、未だそれをしていない神経または神経外胚葉細胞のことである。 また"中枢神経系"は、脳および脊髄、または成人の脳および脊髄を生じさせる胎 児の組織をいう。 始原細胞を調製する方法は、参照によりここに組み込まれているWO96/04368に 記載されている。まずこの分野においてよく知られている標準的な解離テクニッ クを使って、胎児から中枢神経系組織が解離される。例えば、中枢神経系のいく つかの特定の領域から、丸くなった解剖体により物理的に細胞を解離する。ある いはまた、トリプシン、コラーゲナーゼなどの酵素で組織を処理することを含む 化学的な方法で細胞を得る。組織から解離された中枢神経系細胞は、この分野に おいてよく知られている標準的な方法により精製される。同様のテクニックによ り、末梢神経系細胞および/または神経冠細胞から、解離された細胞を調製する ことができる。 ヒトの胎児の神経系の細胞は、下記のようにして培養され、始原細胞を含む細 胞集団を形成する。それらの細胞集団は、事実上球状である。それらの集団の中 の始原細胞は、解離してさらに増殖させる(すなわち継代培養する)ことができ 、増殖する細胞のさらにいっそうの集団を形成する。この方法を使うと、ヒトの 胎児の始原細胞を長期にわたり増殖させることができる。WO96/04368に具体的に 説明されている培養された細胞の集団をモルフォゲンに晒すことは、集団中の始 原細胞を増やすことが期待される。 具体的な例として、始原細胞は、WO96/04368に記載されているように、下記の ようにして得て、培養することができる。ヒト胎児の脳組織は、日常的な治療の ための中絶から得られる。排出された、受精後6−8週の胎児からの組織片を、減 菌され、氷冷した等張の、ヘパリン(10μg/ml)を添加された食塩水の中に直接 に集める。層流封じ込めフードの中で立体顕微鏡で見ながら前脳前面を解離し、 カルシウムおよびマグネシウムを含まないハンクス液(CMF-HBSS)に0.05%(w/v )のトリブシン(Type XIII,Sigma)を溶かした溶液に37℃で20分間移す。 次に、完全なHBSS中に0.01%のデオキシリボヌクレアーゼ(DNase I,Sigma) の溶液で4回洗浄する。この組織は、次に、火仕上げされた内径が次第に細くな るパスツールピペットの中を繰り返しゆっくり通すことにより解離されて、CMF- HBSS中に0.01%のDNase Iの溶液の中の単一細胞の懸濁液にされる。アクリジン オレンジおよび臭化エチジウム(HBBS中にそれぞれ1μg/ml)の溶液中で培養 後、臭化エチジウムの除去により、この解離された細胞の生存度が評価される。 細胞は、アクリジン オレンジおよび臭化エチジウムを含む細胞を別々に検出す るために、標準的なフルオレセインおよびローダミン蛍光フィルターを使って、 血球計数器ないでカウントされる。 細胞は、24ウエルのコートされてないNuncの組織培養皿に、1mm2あたり2.0×1 03の生存細胞の密度で塗布される。始原細胞の培養液は、ダルベッコの最少必須 培地(DMEM:Gibco)とハムのF-12(Gibco)の3:1の混合液から構成され、さら に5%(v/v)の馬の血清、表皮成長因子(Upstate Biochemicals,20ng/ml)、 インスリン(Sigma,10μg/ml)、トランスフェリン(Sigma,200μg/ml)、プ ロゲストロン(Sigma,40mM)、プトレシン(Sigma,200μM)およびソリウム セレナイト(Sigma,60nM)が加えられている。この培養液にはさらにIGF-1(Ups tate Biochemcals,100ng/ml)を補足することができる。細胞は、3-4日ごとに栄 養が与えられる。in vitro(DIV)で30-60日の周期で、生じた球形の細胞集団は上 記のようにして解離され、そして細胞は1mm2あたり2.0×103の生存細胞の 密度で関係づけられる。コートされてない組織培養プラスチック上に、2.0×103 の細胞密度でEGFを含む培養液中に塗布されたヒトの胎児の前脳前面の組織は、3 0-60 DIV後に直径が0.2-1.5mmの球状の細胞集団を形成する。これらの集団の形 成は、EOFおよびIGFを含む培養液の中では大幅に促進される。 これらの集団の細胞を解離し関係づけた後、"2番目"の細胞集団が形成する。2 番目の細胞の集団の成長は、1番目の細胞の集団の成長よりも遅い。さらに30-60 の細胞分裂の後、2番目の集団は同様に解離されて、3番目の増殖する細胞の集団 を作る。この手順が、少なくとも2回繰り返される。 上記のようにして作られた始原細胞に富む細胞集団は、本発明によれば、イン デューサーまたはアンタゴニストのモルフォゲンで処理されたとき、交換用の感 覚器官組織の作成に役に立ち、機能する交換組織を必要とする哺乳類に埋め込ま れるであろうと期待される。また、このような細胞は、先天的、遺伝または後天 的な欠陥のために、単にモルフォゲンで治療しただけでは機能する再生組織を作 ることができない宿主ホストの哺乳動物に機能する感覚組織を作るために使用す ることもできる。例えば、ゲノム的に野生型の始原細胞は、色素性網膜炎、脈絡 膜欠如、または同様の変性状態に悩まされている哺乳動物に機能する網膜組織を 作るために使用できる。 実施例8.モルフォゲンによる眼炎の治療 モルフォゲンは、参照によりここに組み込まれているWO 93/04692に記載され ているように、炎症の治療に使うことができる。またモルフォゲンは、眼にモル フォゲンの溶液を滴注することにより、特に、外側の眼炎、例えば、結膜炎、エ ピ強膜炎、強膜炎、またはぶどう膜炎(虹彩、毛様体または脈絡膜)を治療する ために使うことができる。外側の眼炎は、眼の組織中のバクテリア、黴、ウイル スまたは寄生虫の存在により引き起こされる可能性がある。ぶどう膜炎は、全身 的な病気またはぶどう膜中のバクテリア、黴、ビールスまたは寄生虫の存在によ り引き起こされる可能性がある。治療前および治療後の患者の臨床評価は、症状 、例えば、不快、激しい眼の痛み、涙が出る、まぶしさ、視力の変化および痒み 、および徴候、例えば、紅斑、分泌・排出、瞼の結膜の炎症、延髄結膜炎、滲出 、limbal炎症、角膜上皮の炎症および局限性間質の滲潤巣の評価を提供するであ ろう。モルフォゲンによる治療の結果、眼炎の症状および徴候は改善するであろ う。またモルフォゲンによる治療が完了したときは、ほとんど正常な機能が眼に 戻っているであろう。さらに、患者は、モルフォゲンの滴注から、重大な副作用 もまたは不都合な体験しないであろう。 結膜嚢はほぼ50μlの液体を保持することができる。したがって、モルフォゲ ンは、各50μlの液体中に有効な濃度のモルフォゲンが存在するように調合され る。治療の頻度と期間は、この分野の通常の習熟度を持つ人々は容易に変更する ことができる。例えば、たとえ投与される量が結膜嚢が保持できる量よりも多く ても、モルフォゲン溶液の2滴投与を用いることができる。なぜならそのような 量は、各治療される眼にモルフォゲンの十分な投与量を保証するからである。 実施例9.モルフォゲンによる角膜炎の治療 多くのタイプの急性角膜炎では、多数の多形核白血球(PMN)が角膜に侵入す る。PMNは、リソソーム酵素、アラキドン酸の代謝産物、および酸素由来のフリ ーラジカルの放出のようなメカニズムにより、炎症プロセスにおいて中心的な役 割を果たすことが知られている。角膜炎は、いろいろな方式の眼の治療、例えば 、手術またはレーザー療法などの結果として発生し、傷の治癒プロセスを遅らせ る。炎症の発症前または発症後の眼の組織へのモルフォゲンの投与は、PMNの侵 入、そしてそれに伴って起こる角膜の炎症を防ぐかまたは抑制することができ、 それによって再生による傷の治癒を促進する。 ヒトの角膜炎を治療するためのモルフォゲンの効力は、確立された動物モデル を使って評価することができる。(Leibowitz等,(1986)27 Invest.Ophthalm ol.Vis.Sec.1226-1229,参照によりここに組み込まれている)。簡単に言えば 、ウサギに、0.05μCi/kgのトリチウム標識チミジンを、24時間間隔で3回、静脈 注射により投与する。次に麻酔をかけられた動物に0.03mlのクローブ油を角膜内 注射して、角膜の炎症が誘発される。モルフォゲンが各眼に対して局所的に投 与される。投与の量と頻度は、この分野における通常の習熟度を持つ者が容易に 決めることができる。いくつかの動物では、クローブ油の投与の前のある時点か らモルフォゲンが投与され、他の動物ではクローブ油の投与の後のある時点から モルフォゲンが投与される。これらの治療の結果の比較から、モルフォゲンの炎 症反応を予防する効果および炎症を起こしている眼の組織を治療する効果を決定 することができる。モルフォゲンの治療効果は、既知の方法により定量化される 。簡単に言うと、全厚10mmの角膜ボタンが各眼から開頭術により取り出され、そ の組織サンプルは商業的に入手可能な可溶化剤中で可溶化される。可溶化された サンプルは、角膜中の放射能の量を定量的に測定するために、トリチウムについ てカウントされる。(Leibowitz等,(1974)92 Arch.Ophthalmol.427、およ びLeibowitz等,(1974)13 Invest.Ophthalmol.757参照.両方とも参照によ りここに組み込まれている)。各サンプル中に測定された放射能の量は、モルフ ォゲンの治療の有効性に比例する。すなわち、PMNの角膜への侵入はそのサンプ ルにおいて測定される放射能の量を減少させる。そのため対照動物から取り出さ れたサンプルと比較べて高レベルの残留放射能は、PMNの侵入の抑制または防止 を示す。 実施例10.感覚有毛細胞を再生させるためのモルフォゲンの使用 内耳は2つの感覚器官:音を処理するための聴覚器官および体位と動きを感知 するための前庭器官、に分けられる。たいていの場合、聴覚および前庭機能の低 下は、それらの器官の感覚有毛細胞の失われたことにより引き起こされている。 有毛細胞は実際には毛を持っていない。そして外耳および中耳からの機械的な聴 覚刺激を電気信号に変換し、また重力および動きを電気信号に変換するのは、感 覚上皮の頂点の表面上で不動毛(sterocilia)および運動毛を見せている感覚細 胞である。これらの細胞には、信号を脳に伝達する神経細胞が付着している。聴 覚器官の感覚上皮の喪失は難聴や失聴につながる。前庭の感覚上皮の対応する感 覚構造の要素の喪失は平衡異常や目まいにつながる。したがって、感覚有毛細胞 の再生を促進したり、感覚有毛細胞の衰退を防止することができる組成物は、こ こで先に説明したように、すべてのタイプの失聴や前庭の機能不全にたいして、 重要な治療用途を持つ。 この例の目的は、感覚有毛細胞の喪失を治療するモルフォゲンの能力、および 感覚有毛細胞の喪失を防止するモルフォゲンの能力を評価することである。感覚 有毛細胞にたいするモルフォゲンの効果は、下に説明する方法にしたがって測定 される。熟練した業者は、これらの具体的な方法は彼らの目的によりよく合うよ うに容易に変更できることを理解し認めるであろう。 10.1アミノグリコシド施毒後のひよこの内耳上皮に対するモルフォゲンの効果 孵化後のひよこの蝸牛管上皮は、有毛細胞の再生の研究のための優れたモデル である。ひよこの蝸牛管上皮の感覚有毛細胞に与えられた傷害は、Stone等、J. Neurosci.16:6157-6174(1996),参照によりここに組み込まれている、により説 明されている方法にしたがって測定できる。白色レグホンのひよこ(Gallus dom esticus)はH&M Internatinal(Redmond,WA)から購入され、保温された箱にいれ て十分な餌と水が与えられた。孵化後5から7かの間のひよこにOゲンタマイシン (400mg/kg;LypHomed,Deerfield,II)の腹腔注射が1回行われた。齢が一致す る対照のひよこは、ゲンタマイシンの注射を受けなかった。熟練した業者は、感 覚有毛細胞はシスプラチンなどの抗ガン剤のような他の聴覚器官に対する毒性の ある薬に晒すことによっても[Kopke等,Am.J.Otology,18;559-571(1997).参 照によりここに組み込まれている]、または周波数に特異性のある聴覚に有害な 放射に晒すことにより生じる聴覚器官毒性によっても[SieおよびNorton,Otola ryngol.Head Neck Surg.116;585-592(1997).参照によりここに組み込まれて いる]、傷害を与えることができることを理解するであろう。 1つのグループの動物では、ゲンタマイシンを注射する10分または1時間前にひ よこにOP-1(0,250,1,000または2,000μg/kg)を投与することによって、有毒 なアミノグリコシドに晒される感覚有毛細胞に対するモルフォゲンの予防効果が 評価される。他のグループの動物では、ゲンタマイシンを注射してから1,24、4 8時間後に、ひよこにOP-1(0,250,1,000または2,000μg/kg)を投与する ことによって、傷害を受けた感覚有毛細胞に対するモルフォゲンの効果が評価さ れる。 ゲンタマイシンの注射後2,4,7または10日目に、ペントバルビタールナトリ ウムの腹腔注射によりひよこは安楽死させられ、それから首が切断される。次に 蝸牛管が取り出され、酸素処理した氷冷HBBS(Life Technologies,Grant Islan d,NY)に入れられる。外被血管が鋭利な微小ピンセットで解離された後、残り の組織はHBBS中に0.01%のタイプIのコラーゲナーゼ(Sigma,St.Louis,MO) 中に3分間置かれた。それから、基底突起(コルチ器のアビアンに相当する)の ところで被蓋膜を微小ピンセットで掴み、それを引っ張って感覚上皮の全長から 剥がすことにより、被蓋膜が取り除かれる。基底突起は、4%のパラフォルムア ルデヒド中で30分間固定され、PBSですすぎ洗いされて、免疫組織化学が行われ るまで4℃で保存される。 蝸牛管の台全体の免疫組織化学 始原細胞および初期の分化しつつある有毛細胞について免疫組織化学標識を使 って、in vivoおよび培地中での有毛細胞の消失と再生が調べる。2つの標識は、 有毛細胞、カルモデュリンおよびTUJ1βチューブリンを選択的にラベルし、1つ の標識は支持細胞のシトケラチン抗体をラベルする。 簡単に言えば、基底乳頭の台全体がPBS中0.5%H2O2で15分間処理され、内生の ペルオキシダーゼの活性がブロックされる。PBSですすぎ洗いした後、非特異性 の免疫グロブリン(IgO)の結合をブロックするために、10%の正常な馬の血清が 添加された0.05%のTriton X-100/PBSが、20分間加えられた。単一のラベリング 実験では、台全体が下記のモノクローナル抗体と室温で2時間または4℃で一晩反 応させられる:抗ディクチアステリウム ディスコイデウム カルモデュリン( 1:500に希釈、Sigma clone 6D4);TUJ1(1:1000に希釈、T.Frankfurter,バ4ー ジニア大学からの贈り物)、ニューロンに特異性のあるクラスIIIβチューブリン を検出する:抗シトケラチン(1:200に希釈、close 8.13、Sigma)酸性および塩 基性の牛の上皮のケラチンに対して育てられた;または抗シトケラチン(1: 200に希釈、クローンAFおよびAE3,Boehringer Mannhein,Indianapolis,IN) 酸性および塩基性のヒトの上皮のケラチンに対して育てられた。組織は、ビオチ ン化馬抗マウスIgG(l:200,Vcctor Laboratoies,Burlingame,CA)で30分間処 理され、続いてアビジン−ビオチン−セイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRP)試 薬(ABCキット、Ba-200;Vector Laboratories)で処理された。この点まで、す べてのすすぎステップはPBS中で行われる。この組織は50mlのTris/HCT緩衝液(T ris,pH7.6)に移され、そしてTris中で希釈された0.04%の3.3'-ジアミノベン ジディン(DAB)および0.05%のH2O2で3〜10分処理される。この組織は次にトリス 中で1度すすがれ、埋め込まれるまでトリス中におかれる。すべての免疫反応に 対して、一次抗体はネガティブコントロールとして反応から除外された。免疫反 応したいくつかの全台は、9:1グリセロール/PBSでコートされたスライドの上に 載せられ、カバーが掛けられ、Leiz Aristopran顕微鏡で調べられる。さらにい くつかの全台は、下記のようにしてプラスチックの中に埋め込まれる。この標本 は、等級づけされた一連のエタノールの洗剤(各ステップは10分)を通して脱水 され10分間隔で2回プロピレンオキサイド中に置かれる。その後、全台はプロピ レンオキサイドと軟らかいSpurrのプラスチックの1:1の混合物に置かれる。それ からプラスチックを重合させるために、60℃で一晩カセットモールド中で2度100 %交換される。それらが埋め込まれた後、免疫反応した全台は、基底から頂部に 向かって、3μm間隔で切断される。基底乳頭の全体を通るすべての5番目および6 番目の切片は、セットになっている2つのクロムミョウバンのサブベッド顕微鏡 スライドに置かれる。1セットの切片は、トルイジンブルーで対比染色される。 両方のセットの切片はパーマウント(Permount)(Fisher Scientific,Fair Lawn ,NJ)で覆われ、ライツアリストポラン(Leitz Aristopolan)顕微鏡で調べられる 。 TUJI/カルモジュリンの同時ラベリングにたいしては、TUJI抗体は、ボジピ/ フルオルセスシンイソシシアネート(FITC)共役IgG(1:300;Molecular Probes, Eugene,OR)を使って、全台において検出される。またカルモジュリン抗体は、 リサミンローダミン共役IgG(1:300;Jackson Immunoresearch Lab,Westgrov er,PA)を使って同じ組織の中で検出される。全台はVectashield(Vctor Lab) を使ってマウントされ、BioRad MRC-1000の共焦点レーザー走査型顕微鏡で調べ られる。画像はCommon Versin 7ソフトウェア(Bioad,Richmond,CA)でデジタ ル化され、Photoshop(Adobe,Mountain View,Co)にインポートされ、Phaser II SDX顔料昇華型プリンタ(Tektronics,Beverton,OR)で印刷される。 in vivoでの有毛細胞の分化 再生した有毛細胞の分化の時間的および空間的な進展を評価するために、ひよ こは、細胞の増殖が最大であるとき、ゲンタマイシン注射後3日目に、トリチウ ム標識チミジン(3H-チミジン、10μCi/gm;70-90Ci/mmol)を1回静脈注射される か、またはブロモデオキシウリジン(BrdU;100mg/kg)を腹腔内注射される。ひ よこは、Sフェーズ標識の注射後2,24,48,72または240時間(10日)のときに 、ペントバルビタールナトリウムの腹腔注射により安楽死させられ、基底乳頭の 全台が取り出されて固定された。BrdUの注射を受けたひよこに対しては、全台は 0.05%Triton X-100PBS中に2NのHCLで、37℃で15分間処理された。PBS中で数回 すすいだ後、全台はPBS中に0.5%のH2O2で15分間処理される。そして抗BrdUモノ クロナール抗体(1:100;Bccton Dickinson,CA)が1時間加えられて、上に説明 したABC/HRP反応により抗体が検出される。BrdUラベルが付いた全台は、上記し たABC/HRP反応をつかってカルモジュリンを検出するために、免疫反応させられ る。トリチウム標識チミジンの注射を受けたひよこにたいしては、全台はカルモ ジュリンとだけ免疫反応させられる。 すべての基底乳頭は、軟らかいSpurrのプラスチックに埋め込まれ、基底から 頂部に向かって3μm間隔で切断される。この連続した切片は、クロムミョウバン のサブベッド顕微鏡スライドにマウントされる。3H-チミジンを検出するために 、スライドはNTB2乳化液(1:1希釈;Kodak)に漬けられた、5-14日間4℃で晒さ れ、D-19中で現像され、定着され、洗われ、乾燥された。両方の増殖ラベルにた いしても、1セットの切片はトルイジンブルーで対比染色され、Permountで覆わ れた。 3Hチミジン/カルモジュリン ラベリングの定量化 カルモジュリンと3Hチミジンの2重ラベリングの定量化のために、処理後のそ れらの完全性に基づいて、基底乳頭がが選ばれた。具体的には、基底乳頭は、そ れらがすべての領域にいたんでいない細胞を持つとき、および抗体の侵入を妨げ る蓋皮を持たないときに、含められる。各実験処理のために2−4個の基底乳頭が ライツアリストポラン(Leitz Aristopolan)顕微鏡で調べられる。 in vivoで損傷を受けた基底乳頭における細胞の増殖と分化の時間的および空 間的パターンを調べるために、上記したように1回の3Hチミジンの注射を受け、 異なる時間間隔で安楽死させられたひよこから取り出され、カルモジュリンと免 疫反応させられた基底乳頭にたいして、2つの分析が行われる。第1は、核を使っ てカルモジュリン陽性の細胞数を、数えることである。細胞は、各生存時間毎に ひよこの内側のの室(上皮の3分の1の内側に対応する)または外側の室(上皮の 3分の2外側に対応する)のどちらかにある核で数える。 カルモジュリン陽性の細胞の核の位置と数は、一連の切片の各切片において決 定される。この分析は、上皮の最も下側の300μmの切片ついてだけ行うわれる。 この分析は、アミノグリコシドで損傷を受けた領域での有毛細胞の分化の速さに ついての情報を与える。第2は、その領域における3Hチミジンに陽性/カルモジ ュリンに陰性の細胞の数、および3Hチミジンに陽性/カルモジュリンに陽性の細 胞の数を数えることである。この分析は、る支持細胞の増殖のタイミングと基部 における支持細胞と有毛細胞への細胞の分化についての情報を与える。 蝸牛管上皮の培養 各実験にたいして、孵化後4から12日の間の8羽のひよこが首を切断され、 丸い窓を通して蝸牛管が取り出され、DMFMとF12(DMFM/F12;Li fe Technology)と1%の牛の血清アルブミン(Sigma)からなる氷冷した解剖液 の中に置かれる。リグメンツム(regmentum)血管が取り除かれ、蝸牛管は0.01%の コラゲナーゼType1(Sigma)を含む室温の解剖液中に5分間置かれる。次に 蓋膜が感覚上膜から切断され、蝸牛管はさらに10分間にコラゲナーゼの中に置か れる。次にツベルクリン注射器の針を使って感覚上皮を基層から緩め、上皮の大 きな片を作りだし、その下の境界細胞、ガラス質細胞、および透明細胞は元の位 置に残す。分離された感覚上皮細胞上皮は有毛細胞と支持細胞とから成り、培地 (DMFM/F12 5%のウシの胎児の血清(Sigma)、2mMのバイカルボネイトナトリ ウ、5mlのHEPES、0.6%のグルコース、および添加ホルモン[6mMプトレシン、0 .25mg/mlのインシュリン、1mg/mlのトランスフェリン、400nMのプロゲステロン および3μmのセレナイトナトリム(すべてSigma)からなる)に移され、プラス チックの1mlのピペットでゆっくりと滴下され、さらに2分間500rpmで回転させ られた。それにより生じたペレットは、0.5mlの培養液の中に再懸濁され、下記 のうちの1つに塗布される:96ウェルのプラスチックの組織培養プレート(Nunc )の4つのウェル;16ウェルのプラスチックの組織培養チャンバスライドの4つ のウェル(Nunc)、または13mm2のガラスのカバーガラスを含む4ウェルのプラ スチックの組織培養プレートの2つのウェル。カバーガラスおよび培養プレート は、13μg/cm2ラミニン(Life Technology)または5μg/cm2のフィブロネクチ ン(Boehringer Mnnheim)でコートされていてもよいし、されていなくてもよい 。すべての培養液は、3-4日ごとに補給される。 培地中の有毛細胞は、塗布時に65μMのストレプトマイシン(Life Technologi es)を培養液に加えることにより殺される。いくつかの培地は2日後にパラフォ ルムアルデヒドで15分間固定させる。そしてそれらの培地中の細胞のタイプが、 カルモデュリンとシトクラチンに対する抗体を使って、免疫組織化学的に特徴づ けられる(下記参照)。さらに別の培地は、すべての有毛細胞を殺すために、65 μMのストレプトマイシンで5日間処理され、さらに5日間対照培地に置かれる。 これらの培地のいくつかにおいて、有毛細胞の表現型を獲得し始めた細胞が、カ ルモジリンまたはTUJ1に対する抗体を使って検出される(下記参照)。有毛細胞 の表現型を持つ細胞が培地の中に生まれるか否か決定するために、さらに別の培 地には全培養期間の間BrdU(1μM)が与えられ、パラフォルムアルデヒドで安定 化され、そして免疫反応によりBrdUとカルモジリンが検出される。 異なる培養期間の後の有糸分裂支持細胞の数が、BrdUパルス/フィクス ラベ リングを使って見積もられる。BrdU(10μM;Sigma)は、塗布後2,3,5,7,9, 11日に2時間培養液に加えられる。その2時間の直後に、BrdUパルス培地はパラフ ォルムアルデヒドで固定され、そして免疫反応によりBrdUが検出される(下記参 照)。各時点につき2つの培地ウェルが調べられた。 感覚上皮が分離、培養された後の蝸牛管の中に残っている細胞のタイプは、次 のようにして特徴づけられる。感覚上皮が解体された後、残りの組織は4%のパ ラフォルムアルデヒド/0.3%のグルタルアルデヒド中で4℃で一晩固定されSpur rのプラスチックに埋め込まれ、全台について上記のようにして切片に切断され る。切片は、トルイジンブルーで対比染色される。 上皮外植片の免疫組織化学 培養を特徴づけるために使用されるすべての一次抗体のタイプと希釈は、全台 のために上で説明されているものと同じである。BrdU/カルモジュリン2重ラベ リングを除いて、すべての抗体反応にはABC/HRP法が使用される(下記参照)。 すべての免疫反応に対して、一次抗体はネガティブコントロールとして、いくつ かの培養から取り除かれる。 BrdUを添加された長期の培養は、BrdUとカルモジュリンにたいする抗体を使っ て、2重ラベリングされる。まず、BrdUがラットのモノクローナル抗体(Sca-Lab ,Sussex,英国)1:200で希釈,を使い4℃で一晩おき、さらにFITC供役のヤギ抗 ラット抗体(Cappel)1:400で希釈,を使い45分間反応させて検出される。次に 、全台のために上で説明したHRP法をつかって、同じ組織の中のカルモジュリン がラベルされる。 顕微鏡による分析の前に、培養チャンバがスライドから取り外され、9:1グリ セロール/PBSを用いて外植片にカバーガラスがかけられる。カバーガラスの上 で成長させられた培養は、顕微鏡のスライドの上の1滴のグリコセロールの表面 の頂上に置かれ、さらにグリセロールを添加してからカバーガラスが載せられる 。ラベルが付けられた組織は、ライツアリストポラン(Leitz Aristopolan)顕微 鏡で調べられる。BrdUとカルモジュリンにたいして2重にラベルされた培養は、 共焦点顕微鏡で調べられる。 パルス/フィックスBrdUラベリングの定量化 BrdUラベリングは下記のようにして培養内で定量化される。1平方mm当たりのB rdUラベルが付いた細胞の数は、NiKon MMS倒立顕微鏡に取り付けた10×10のアイ ピースレチクルを使って決定される。培養皿は、ウェルの左上の境界がレチクル の左上の四角と一致するように、顕微鏡のステージ上に並べられる。10×の対物 レンズを使って、レチクルの四角形の中のBrdUラベルが付いた細胞の数を数えて 記録する。それからプレートを左に動かして、次に調べるべき領域をレチクルと 一致させる。ウェルの右手側の端部では、プレートは上方にシフトされ、次の行 ではカウントはウェルを横切って右から左に進む。カウントが左端部まで到達し たら、プレートは再び上方にシフトされ、カウントが再開される。ウェルごとの ラベルの付いた細胞の数の合計数は、1平方ミリあたりのラベルの付いた細胞の 数に変換される。各時点にたいして、少なくとも3つのウェルの中のBrdUラベル が付いた細胞の数がカウントされる。 有毛細胞のアクチンフィラメントラベリング 培養細胞、すなわち基底乳頭の台全体をパラフォルムアルデヒドで固定し、さ らにPBS中に0.05%のTriton X-100中で1:50に希釈したローダミンファロイジン (Molecular Probes)で1.5時間ラベルづけする。そしてグリセロールを用いず ベクタシールド(Vectashield)を用いた以外は上記のようにして培養にカバーガ ラスをかける。 ゲンタマイシンのような耳毒性の抗生物資の耳毒性の効果は、よく特徴づけさ れている。例えば、培地に耳毒性の抗体を添加すると、in vitroで2日目までに 有毛細胞の完全な死滅を引き起こし、かつカルモジュリン陰性、シトケラチン陽 性の支持細胞から成るカルチャーを生成させる。Stone等、J.Neurosci.16: 6157-6174(1996)を参照。OP-1は、耳毒性の抗体の投与の前に与えられたときは 、感覚有毛細胞の消滅を防ぎ、それによりアミノグリコシドの毒性によって引き 起こされる損傷、およびその結果生じる機能不全を防止することが期待される。 また耳毒性の抗体の投与の後に与えられたときは、感覚有毛細胞の数を増大させ 、それによりアミノグリコシドの毒性によって引き起こされた損傷およびそれら の損傷の結果生じる機能不全を回復させることが期待される。 10.2.シスプラチン毒性後の哺乳類の蝸牛管上皮の感覚有毛細胞に対するモルフ ォゲンの効果 この研究に使用される動物はモルモットである。動物にシスプラチン(5mg/kg ,i.p.)を注射することにより、感覚有毛細胞の損傷が引き起こされる。習熟し た人々は、感覚有毛細胞は、ゲンタミン(上記参照)のような耳毒性のあるアミ ノグリコシドに晒すことによっても、または周波数に特異性のある聴覚に働きか ける放射に晒すことから生じる耳に有害な攻撃によっても[SieおよびNorton,O tolaryngol.Head Neck Surg.116;585-592(1997).参照によりここに組み込ま れている],損傷され得ることを理解するであろう。 シスプラチンに晒された感覚有毛細胞に対するモルフォゲンの効果を評価する ために、一部の動物には、蝸牛管内にOP-1が投与される。操作をする前に、広帯 域のクリック刺激に対する聴覚脳幹の反応(ABR)を測定することにより、正常 な聴覚機能が確認される。動物は、次に、OP-1または賦形剤を含む無菌溶液を満 たしたポンプが埋め込まれる。これらの動物は下に説明するような間隔でテスト され、埋め込み後13日目に実験が終了された。それから、治療された耳および対 照の耳のあらゆる部分について、組織学的な調製と評価が行われる。 蝸牛管内へのOP-1の注入 14日間0.5μl/hを注入する消毒殺菌されたAlZa浸透圧ポンプ(モデル2002)( Alza Corp.,Palo Alt,CA)が、蝸牛管内からの内耳へのOP-1の注入のために使 用される。ポンプには無菌のOP-1溶液が満たされ(230μl/ポンプ)、埋め込み の前に4時間37℃の水槽に入れて準備された。耳の後ろからの接近と無菌手術テ クニックを使って、微小カニューレ(直径178μm)が蝸牛管の基部の湾曲部の 鼓室階に埋め込まれる。ポンプはカニューレに取り付けられ、先に説明したよう に(Brown等、1993)、肩甲骨の間の皮下の嚢状空洞の中に固定される。頭頂部 (矢状縫合と冠状縫合の接合点であるブレグマよりも1cm後方)に頭蓋骨を貫通 して穴があけられ、その中にステインレススチール製のタッピングねじが取り付 けられた。このねじは、カニューレのためのアンカーとして、またABRのための アクティブな記録電極としての役目を果たす。各動物は13日間観察された。 1つのグループの動物では、シスプラチンの注射の24時間前に、OP-1を含む(0 .0.05,0.5または5.0μg/kg/日)浸透圧で作動する微小ポンプを埋め込むこと により、耳毒性のあるシスプラチンに晒される感覚有毛細胞に対するモルフォゲ ンの予防効果が評価される。 もう1つのグループの動物では、シスプラチンの注射後1,24または48時間後に 、OP-1を含む(0.0.05,0.5または5.0μg/kg/日)浸透圧で作動する微小ポンプ を埋め込むことにより、損傷した感覚有毛細胞に対するモルフォゲンの効果が評 価される。 聴覚脳幹反応の測定 動物は、キシラジン(10mg/kg,IM)およびケタミン(40ml/kg,IM)の投与に より麻酔された。無響室において、コンピュータで発生される交番極性の電圧パ ルス(パルス幅160μs,150パルス/秒)が、耳の孔の開口部内に置かれたトラン スジューサ(Byer B4-31.05.0ヘッドホンの素子)を通して送り込まれる。頭頂 のねじを硬膜のアクティブな記録電極として、ブレグマのほぼ2cm前方の正中線 に置かれた皮下の針電極を基準電極として、大腿の皮下の針電極をアースとして 使用することにより、神経のレスポンスが集められる。閾値が35B以上の動物で は、ABRの収集中反対側の耳は50dBの白色雑音でマスクされる。約1000サンプル の、刺激に続く12.8msの電気生理学的な反応が記録される。閾値は視覚的に 一定の波形を発生させる最小刺激強度で有ると定義され、この閾値を決定するた めに刺激はいろいろな強さで与えられた。ABRのアークは、0,1,5,8,13日目 に記録される。実験が終了すると、動物は麻酔をかけられ、首を切断され、組織 学的な評価のために耳が取り出される。 上皮細胞培養の調製 シスプラチンの注射後13日目に、動物はペントバルビタールナトリウムの腹腔 注射により安楽死させられ、それから首が切断される。次に蝸牛管が取り出され 、酸素処理した氷冷HBBS(Life Technologies,Grant Island,NY)に入れられ る。延髄血管が鋭利な微小ピンセットで解体された後、残りの組織はHBBS中に0. 01%のタイプIのコラーゲナーゼ(Sigma,St.Louis,MO)に3分間置かれた。 それから、コルチ器の先端のところで蓋膜を微小ピンセットで掴み、それを引っ 張って感覚上皮の全長から剥がすことにより、蓋膜が取り除かれる。基底乳頭は 、4%のパラフォルムアルデヒド中で30分間固定され、PBSですすぎ洗いされて、 例10.1において説明されているように免疫組織化学が行われるまで4℃で保存さ れる。 OP-1は、シスプラチンの投与の前に与えられたときは、感覚有毛細胞の消滅を 防ぎ、それによりシスプラチンの毒性によって引き起こされる損傷、およびその 結果生じる機能不全を防止することが期待される。またシスプラチンの投与の後 に与えられたときは、感覚有毛細胞の数を増大させ、それによりシスプラチンの 毒性によって引き起こされた損傷およびそれらの損傷の結果生じる機能不全を回 復させることが期待される。 感覚認知のためのに受け入れられている他のモデルにおいても、感覚有毛細胞 の喪失およびその結果とし引き起こされる感覚認知不全を軽減または予防するた めのモルフォゲン療法の有効性を確認するために、同様の簡単な変更を行うこと ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ルージャー,デビット,シー. アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 01772 サウスボロー,パイン ヒル ロ ード 81 (72)発明者 コーエン,チャールズ,エム. アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 02139 ウエストン,ハリントン レイン 1 (72)発明者 シャーレッテ,マーク,エフ. アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 02192 ニーダム,エリコルト ストリー ト 17 (72)発明者 ジン,ドナルド,エフ. アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 01545 シュルーズベリー,ナイチンゲー ル ドライブ 9

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.感覚認知不全の症候を有する患者にモルフォゲンを投与することを含むこと を特徴とする感覚認知不全の症状を軽減する方法。 2.(a)配列番号2の残基330−431のヒトOP−1のC末端7員システイン骨格と70 %の相同性を有する配列、 (b)ヒトOP−1の前記C末端7システイン骨格と60%以上のアミノ酸配列同一性を 有する配列、 (c)配列番号4の一般配列7で規定される配列、 (d)配列番号5の一般配列8で規定される配列、 (e)配列番号6の一般配列9で規定される配列、 (f)配列番号7の一般配列10で規定される配列、 (g)配列番号3のOPXで規定される配列、 で構成されるグループから選ばれるアミノ酸配列を有するモルフォゲンを投与す ることを含み、当該モルフォゲンがin vitroでNG108−15細胞によりN−CAMまた はL1アイソフォームの産生を刺激する能力を有するものであることを特徴とする 感覚認知不全の症状を軽減する方法。 3.前記感覚認知不全が聴覚喪失である請求項1記載の方法。 4.前記感覚認知不全が前庭機能不全による方向感の喪失である請求項1記載の 方法。 5.前記感覚認知不全が嗅覚喪失である請求項1記載の方法。 6.前記感覚認知不全が視覚喪失である請求項1記載の方法。 7.前記感覚認知不全が味覚喪失である請求項1記載の方法。 8.前記感覚認知不全が触覚喪失である請求項1記載の方法。 9.(a)配列番号2の残基330−341のヒトOP−1のC末端7システイン骨格と70% の相同性を有する配列、 (b)ヒトOP−1の前記C末端7システイン骨格と60%以上のアミノ酸配列同一性を 有する配列、 (c)配列番号4の一般配列7で規定される配列、 (d)配列番号5の一般配列8で規定される配列、 (e)配列番号6の一般配列9で規定される配列、 (f)配列番号7の一般配列10で規定される配列、 (g)配列番号3のOPXで規定される配列、 で構成されるグループから選ばれるアミノ酸配列を有するモルフォゲンを投与す ることを含み、当該モルフォゲンがin vitroでNG108−15細胞によりN−CAMまた はL1アイソフォームの産生を刺激する能力を有するものであることを特徴とする 哺乳類の感覚認知を保全する方法。 10.(a)配列番号2の残基330−431のヒトOP−1のC末端7システイン骨格と70 %の相同性を有する配列、 (b)ヒトOP−1の前記C末端7員システイン骨格と60%以上のアミノ酸配列同一性 を有する配列、 (c)配列番号4の一般配列7で規定される配列、 (d)配列番号5の一般配列8で規定される配列、 (e)配列番号6の一般配列9で規定される配列、 (f)配列番号7の一般配列10で規定される配列、 (g)配列番号3のOPXで規定される配列、 で構成されるグループから選ばれるアミノ酸配列を有するモルフォゲンを投与す ることを含み、当該モルフォゲンがin vitroでNG108−15細胞によりN−CAMまた はL1アイソフォームの産生を刺激する能力を有するものであることを特徴とする 感覚認知組織の完全性を修復させる方法。 11.(a)配列番号2の残基330−431のヒトOP−1のC末端7システイン骨格と70 %の相同性を有する配列、 (b)ヒトOP−1の前記C末端7システイン骨格と60%以上のアミノ酸配列同一性を 有する配列、 (c)配列番号4の一般配列7で規定される配列、 (d)配列番号5の一般配列8で規定される配列、 (e)配列番号6の一般配列9で規定される配列、 (f)配列番号7の一般配列10で規定される配列、 (g)配列番号3のOPXで規定される配列、 で構成されるグループから選ばれるアミノ酸配列を有するモルフォゲンを投与す ることを含み、当該モルフォゲンがin vitroでNG108−15細胞によりN−CAMまた はL1アイソフォームの産生を刺激する能力を有するものであることを特徴とする 感覚認知を維持する方法。 12.(a)配列番号2の残基330−431のヒトOP−1のC末端7システイン骨格と70 %の相同性を有する配列、 (b)ヒトOP−1の前記C末端7システイン骨格と60%以上のアミノ酸配列同一性を 有する配列、 (c)配列番号4の一般配列7で規定される配列、 (d)配列番号5の一般配列8で規定される配列、 (e)配列番号6の一般配列9で規定される配列、 (f)配列番号7の一般配列10で規定される配列、 (g)配列番号3のOPXで規定される配列、 で構成されるグループから選ばれるアミノ酸配列を有するモルフォゲンを投与す ることを含み、当該モルフォゲンがin vitroでNG108−15細胞によりN−CAMまた はL1アイソフォームの産生を刺激する能力を有するものであることを特徴とする 感覚認知組織の退化を予防する方法。 13.(a)配列番号2の残基330−431のヒトOP−1のC末端7システイン骨格と70 %の相同性を有する配列、 (b)ヒトOP−1の前記C末端7システイン骨格と60%以上のアミノ酸配列同一性を 有する配列、 (c)配列番号4の一般配列7で規定される配列、 (d)配列番号5の一般配列8で規定される配列、 (e)配列番号6の一般配列9で規定される配列、 (f)配列番号7の一般配列10で規定される配列、 (g)配列番号3のOPXで規定される配列、 で構成されるグループから選ばれるアミノ酸配列を有するモルフォゲンを投与す ることを含み、当該モルフォゲンがin vitroでNG108−15細胞によりN−CAMまた はL1アイソフォームの産生を刺激する能力を有するものであることを特徴とする 感覚有毛細胞の喪失に冒された哺乳類の前庭機能を回復させる方法。 14.(a)配列番号2の残基330−431のヒトOP−1のC末端7システイン骨格と70 %の相同性を有する配列、 (b)ヒトOP−1の前記C末端7システイン骨格と60%以上のアミノ酸配列同一性を 有する配列、 (c)配列番号4の一般配列7で規定される配列、 (d)配列番号5の一般配列8で規定される配列、 (e)配列番号6の一般配列9で規定される配列、 (f)配列番号7の一般配列10で規定される配列、 (g)配列番号3のOPXで規定される配列、 で構成されるグループから選ばれるアミノ酸配列を有するモルフォゲンを投与す ることを含み、当該モルフォゲンがin vitroでNG108−15細胞によりN−CAMまた はL1アイソフォームの産生を刺激する能力を有するものであることを特徴とする 感覚有毛細胞の喪失に冒された哺乳類の聴覚を回復させる方法。 15.(a)配列番号2の残基330−431のヒトOP−1のC末端7システイン骨格と70 %の相同性を有する配列、 (b)ヒトOP−1の前記C末端7システイン骨格と60%以上のアミノ酸配列同一性を 有する配列、 (c)配列番号4の一般配列7で規定される配列、 (d)配列番号5の一般配列8で規定される配列、 (e)配列番号6の一般配列9で規定される配列、 (f)配列番号7の一般配列10で規定される配列、 (g)配列番号3のOPXで規定される配列、 で構成されるグループから選ばれるアミノ酸配列を有するモルフォゲンを投与す ることを含み、当該モルフォゲンがin vitroでNG108−15細胞によりN−CAMまた はL1アイソフォームの産生を刺激する能力を有するものであることを特徴とする 感覚有毛細胞の完全性を回復させる方法。 16.(a)配列番号2の残基330−431のヒトOP−1のC末端7システイン骨格と70 %の相同性を有する配列、 (b)ヒトOP−1の前記C末端7システイン骨格と60%以上のアミノ酸配列同一性を 有する配列、 (c)配列番号4の一般配列7で規定される配列、 (d)配列番号5の一般配列8で規定される配列、 (e)配列番号6の一般配列9で規定される配列、 (f)配列番号7の一般配列10で規定される配列、 (g)配列番号3のOPXで規定される配列、 で構成されるグループから選ばれるアミノ酸配列を有するモルフォゲンを投与す ることを含み、当該モルフォゲンがin vitroでNG108−15細胞によりN−CAMまた はL1アイソフォームの産生を刺激する能力を有するものであることを特徴とする 感覚有毛細胞の退化を予防する方法。 17.(a)配列番号2の残基330−431のヒトOP−1のC末端7システイン骨格と70 %の相同性を有する配列、 (b)ヒトOP−1の前記C末端7システイン骨格と60%以上のアミノ酸配列同一性を 有する配列、 (c)配列番号4の一般配列7で規定される配列、 (d)配列番号5の一般配列8で規定される配列、 (e)配列番号6の一般配列9で規定される配列、 (f)配列番号7の一般配列10で規定される配列、 (g)配列番号3のOPXで規定される配列、 で構成されるグループから選ばれるアミノ酸配列を有するモルフォゲンを投与す ることを含み、当該モルフォゲンがin vitroでNG108−15細胞によりN−CAMまた はL1アイソフォームの産生を刺激する能力を有するものであることを特徴とする 感覚有毛細胞の成長を促進させる方法。 18.前記モルフォゲンがOP-1であることを特徴とする請求項1、2、9、10、11 、12、13、14、15、16または17に記載の方法。 19.前記モルフォゲンがヒトOP-2、マウスOP-2、60A、GDF-1、BMP2A、BMP2B、 DPP、Vg1、Vgr-1、BMP3、BMP5、およびBMP6で構成されるグループから選ばれ、 当該モルフォゲンがin vitroでNG108-15細胞によりN-CAMまたはL1アイソフォー ムの産生を刺激するものである請求項1、2、9、10、11、12、13、14、15、16ま たは17に記載の方法。 20.前記モルフォゲンが少なくとも1つのモルフォゲンプロドメインと非共有 的に複合化されたものである請求項18または19に記載の方法。
JP52282198A 1996-11-15 1997-11-14 モルフォゲン・ペプチド誘発による感覚認知組織の再生 Pending JP2001504469A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US75122796A 1996-11-15 1996-11-15
US08/751,227 1996-11-15
PCT/US1997/020743 WO1998020890A1 (en) 1996-11-15 1997-11-14 Morphogen peptide-induced regeneration of sense perceptory tissues

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001504469A true JP2001504469A (ja) 2001-04-03

Family

ID=25021057

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP52282198A Pending JP2001504469A (ja) 1996-11-15 1997-11-14 モルフォゲン・ペプチド誘発による感覚認知組織の再生

Country Status (10)

Country Link
EP (1) EP0956038B1 (ja)
JP (1) JP2001504469A (ja)
AT (1) ATE235249T1 (ja)
AU (2) AU5244998A (ja)
CA (1) CA2271696A1 (ja)
DE (1) DE69720275T2 (ja)
DK (1) DK0956038T3 (ja)
ES (1) ES2194225T3 (ja)
PT (1) PT956038E (ja)
WO (2) WO1998020889A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE69740089D1 (de) * 1996-03-22 2011-02-10 Stryker Corp Verfahren zur verbesserten funktionellen Erholung der motorischen Koordiination, der Sprache oder der Sinneswahrnehmung nach Trauma oder Ischämie des ZNS
KR101072867B1 (ko) 2001-10-31 2011-10-17 유니버시티 오브 노스 텍사스 헬스 사이언스 센터 뼈 형태발생 단백질(bmp), bmp 수용체 및 bmp 결합 단백질 및 녹내장 진단 및 치료에서 그의 용도
WO2010144696A1 (en) 2009-06-11 2010-12-16 Burnham Institute For Medical Research Directed differentiation of stem cells
CN109182250A (zh) * 2018-09-30 2019-01-11 山东省立医院 一种小鼠耳蜗毛细胞培养方法
CN111175789B (zh) * 2020-01-16 2022-03-04 中国民用航空总局第二研究所 地基增强系统的电离层异常监测方法、装置以及系统

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5270748A (en) * 1992-01-30 1993-12-14 Mak Technologies, Inc. High-speed eye tracking device and method
JP4344012B2 (ja) * 1992-07-31 2009-10-14 ストライカー・コーポレーション 組織形成因子誘導による神経の再生と修復
CA2229557A1 (en) * 1995-08-14 1997-02-27 Creative Biomolecules, Inc. Binding of osteogenic protein-i (op-1) and analogs thereof to the cell surface receptor alk-1 and analogs thereof
EP0866716A4 (en) * 1995-11-13 2002-05-02 Cambridge Neuroscience Inc METHODS OF TREATING DISORDERS IN NON-VISUAL SENSORY EPITHELIUMS
US5929041A (en) * 1996-02-23 1999-07-27 Amgen Inc. Method for preventing and treating sensorineural hearing loss and vestibular disorders using glial cell line-derived neurotrophic factor(GDNF) protein product
DE69740089D1 (de) * 1996-03-22 2011-02-10 Stryker Corp Verfahren zur verbesserten funktionellen Erholung der motorischen Koordiination, der Sprache oder der Sinneswahrnehmung nach Trauma oder Ischämie des ZNS

Also Published As

Publication number Publication date
ATE235249T1 (de) 2003-04-15
DE69720275D1 (de) 2003-04-30
AU5436798A (en) 1998-06-03
EP0956038A1 (en) 1999-11-17
WO1998020889A1 (en) 1998-05-22
DE69720275T2 (de) 2003-12-11
ES2194225T3 (es) 2003-11-16
EP0956038B1 (en) 2003-03-26
DK0956038T3 (da) 2003-07-21
AU5244998A (en) 1998-06-03
WO1998020890A1 (en) 1998-05-22
CA2271696A1 (en) 1998-05-22
PT956038E (pt) 2003-08-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Cordeiro et al. Transforming growth factor-β1,-β2, and-β3 in vivo: effects on normal and mitomycin c–modulated conjunctival scarring
Li et al. IL-17 and VEGF are necessary for efficient corneal nerve regeneration
KR100271247B1 (ko) 청력손실 치료용 제약학적 조성물
JPH08502033A (ja) TGF−βを用いる眼疾患の治療方法
Perry et al. The effects of bFGF on RCS rat eyes
De Stefano et al. Fine structure of the choroidal coat of the avian eye. Lymphatic vessels.
JP2007130027A (ja) 星状細胞の増殖の誘導方法およびそのための組成物
US20100322947A1 (en) Pharmaceutical composition for treating avellino cornea dystrophy comprising an antibody against tgf-beta
JP2012515164A (ja) 角膜障害を処置するための治療組成物
JP2006089489A (ja) 網膜疾患用医薬
Peiffer Jr et al. Models in ophthalmology and vision research
CN110582286B (zh) 基质结合囊泡(mbv)的眼部应用
JPH078805B2 (ja) 眼の発育の神経ペプチド制御
Fujita et al. Endogenous osteopontin involvement in laser-induced choroidal neovascularization in mice
JP2001504469A (ja) モルフォゲン・ペプチド誘発による感覚認知組織の再生
AU9617998A (en) Immunological compositions and methods of use to transiently alter mammalian central nervous system myelin to promote neuronal regeneration
Stone The origins of the cells of vertebrate retina
Suzuki et al. Vasoactive intestinal peptide and cholinergic neurotransmission in the ciliary muscle.
JPWO2007043629A1 (ja) エフリンb2を用いる血管新生の抑制方法
Tripathi et al. Fibroblast growth factor in the eye and prospects for its therapeutic use
Bilgihan et al. Aqueous transforming growth factor-beta-I levels in rabbit eyes after excimer laser photoablation
Koh et al. Vasoactive intestinal peptide stimulation of human trabecular meshwork cell growth.
RU2733392C1 (ru) Комбинированное офтальмологическое средство
JPH09301891A (ja) 眼軸長制御剤、近視または遠視の予防および治療剤
Mdzomba The role of Nogo-A in the visual deficits induced by retinal injury