JP2001504450A - 脂質生成を調節するヒト組織からのシクリトール含有炭化水素 - Google Patents

脂質生成を調節するヒト組織からのシクリトール含有炭化水素

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Abstract

(57)【要約】 この出願は、ヒト肝臓及び胎盤からのA−タイプのイノシトールホスホグリカン(IPGs)ファミリーの精製及び特性化に関する。これらの物質は、A−タイプIPG分画に伴う生物学的活性、即ち、脂質生成活性の調整及びcAMP依存性タンパク質キナーゼの阻害を有することが示される。これらの化合物の特性化は、金属イオン、特にZn2+を含有し、ホスフェートを含むことがあることを示した。これらの化合物及びそれらのアンタゴニストは、例えば、糖尿病のための医薬、及び、合成類似物のスクリーニングにおける用途を有している。

Description

【発明の詳細な説明】 脂質生成を調節するヒト組織からのシクリトール含有炭化水素 発明の分野 本発明は、インシュリン及び脂質精製を調節する他の成長因子の第2のメッセ ンジャーの特性化に関する。特に、本発明は、Zn2+イオンも含むシクリトール (cyclitol)含有炭化水素である物質、ヒト肝臓またはヒト胎盤から得られるシク リトール含有物質、これらの物質を含む組成物、及びこれらの物質の医療的処理 方法における使用に関する。 発明の背景 成長因子の細胞に対する作用の多くは、イノシトールホスホグリカン(IPG )第2メッセンジャーのファミリーに媒介されると考えられている(TW Rademac her等,Brazilian J.Med.Biol.Res.,27,327-341(1994))。IPGの源は、 胞膜に存在する”フリー”形態のグリコシルホスファチジルイノシトール(GP I)であると考えられている。IPGは、成長因子の細胞表面のレセプターへの リゲーション(ligation)に続くホスファチジルイノシトール−特異的ホスホリパ ーゼの作用によって放出されると考えられている。 IPGが多くの成長因子作用を媒介するという証拠があり、その成長因子には 、インシュリン、神経成長因子、肝実質細胞成長因子、インシュリン様成長因子 I(IGF−I)、線維芽細胞成長因子、形質転換成長因子β、IL−2のB細 胞及びT細胞への作用、副腎皮質細胞のACTHシグナリング、顆粒層細胞のI gE、FSH及びhCG刺激、チロイド細胞のチロトロビン刺激、初期発育耳で の細胞増殖、及びラットホ乳類腺が含まれる。しかし、今日まで、この領域の研 究は、インシュリンに応じて細胞によって放出される第2メッセンジャーに集中 していた。例えば、インシュリンは、筋細胞、脂肪細胞、ヘパトーム細胞及びT 細胞における膜結合GPI分子の迅速な加水分解を刺激する。近年、少なくとも インシュリンが関与しているところでは、放出されたIPGが第2メッセンジャ ーとしての実質的役割を演じ、実際にホルモンの不存在下でインシュリンの多く の効果を模擬することができることが明らかになった。 可溶性IPG分画は、ラット組織(肝臓、腎臓、筋肉脳、脂肪、心臓)及びウ シ肝臓を含む種々の動物組織から得られていた。また、IPG生物学的活性は、 マラリア寄生されたRBC及びミコバクテリウムにおいても検出されている。抗 イノシトールグリカン抗体の、インシュリンのヒト栄養膜細胞層及びBC3H1 筋細胞に対する作用またはウシ由来IPGのラット横隔膜及びトリ神経節に対す る作用を阻害する能力は、幾つかの三次元的特徴の種を越えた変換を示唆してい る。しかし、種特異的な複合糖質が共通の特性であり、非ヒト由来のいPGに決 定された構造的特性がヒト由来の物質には見られないことは周知のとなっている 。 我々は、IPG第2メッセンジャーのファミリーを、それらの生物学的活性に 基づいて、明確なA−タイプとP−タイプのサブファミローに分類した。ラット において、A−タイプ及びP−タイプのメディエータは、組織特異的であること が示された(Kunjara等,Biopolymers and Bioproducts:Structure,Function a nd Application,J.Svast等,(編),Dokya Publications,301-306,(1995) )。以前は、組織由来のIPG分画から単一の精製された成分を単離するのは不 可能であり、構造的特性化するのに十分な量より極めて少なかったが、代謝ラベ ル及び切断技術からの間接的証拠に基づくIPG含有分画の生物学的活性の研究 及び非ヒト源の分画からの活性成分を同定する推量が行われていた。 生物学的活性の研究は、A−タイプメディエータが、アセチルCoAカルボキ シラーゼ(活性化)、cAMP依存性タンパク質キナーゼ(阻害)、アデニレー トシクラーゼ(阻害)、及びcAMPホスホジエステラーゼ(刺激)といった多 くのインシュリン依存性代謝効果の活性を変化させることを示した。これに対し て、P−タイプメディエータは、ビルベートデヒドロゲナーゼホスファターゼ( 刺激)及びグリコーゲンシンターゼホスファターゼ(刺激)等の酵素の活性を変 化させる。A−タイプメディエータは、インシュリンの脂肪細胞に対する脂質生 成活性を模擬するが、P−タイプメディエータは、インシュリンの筋肉に対する グリコーゲン仮性を模擬する。A−タイプ及びP−タイプの両方のメディエータ は、血清フリー媒質中の線維芽細胞に添加されたときマイトジェンである。メデ ィエータの線維芽細胞増殖を刺激する能力は、細胞がEGF−レセプターでトラ ンスフェクションされると向上する。A−タイプメディエータは、トリ(chick) 蝸牛前庭の神経節における細胞増殖を刺激することができる。 これらの研究にも関わらず、ヒトにおけるインシュリン作用の主要な標的器官 における可溶性のIPGタイプメディエータのファミリーは未だに確立されてい ない。さらに、この領域の研究は、分画中のA−及びP−タイプIPGの能力の 制限によって厳格に束縛され、A−及びP−タイプ生物学的活性を有するIPG 分画の活性成分の同定、単離及び特性化において実験的な困難性が存在する。 即ち、chiro及びmyoイノシトールの尿素の測定に関する研究は、内因性IPG と糖の食事源の両方の破壊が存在するという事実によって複雑化される。従って 、この領域の従来の研究は、P−タイプメディエータがchiro-イノシトールを含 み、A−タイプメディエータがmyo-イノシトールを含むと仮定しており、注意し て解釈しなければならない。著者が、chiro-イノシトールではなくビニトールで あるP−タイプメディエータにおいてイノシトールを誤って同定したと報告して いるFonteles,MC,Huang,LC,Larner,J,Diabetologia,39:731-734,(1996) を参照。ビニトールは、炭化水素分析に用いられる酸性条件でchiro-イノシトー ルに変換されないので、これは誤同定である。 さらに、放射性ヌクレオシドでの代謝性ラベルによって単離した物質の分析、 または抽出した物質の単離後ラベル化は、化学的活性物質と関連づけられない。 それは、ラベルした物質に従うだけで、実際の活性物質はともに単離されるがラ ベルされていないからである。さらに、構造特性の決定に用いられる化合物の種 々の酵素または化学的な処理は、化合物を不活性化し、さらなる構造段階に進む ことを不可能にする。それは、もはや活性及び構造に関係しないからである。ま た、A−及びP−タイプIPG分画の活性成分はタンパク質ではなく炭化水素で あると考えられるので、組み換えDNA技術では製造できない。 よって、この分野においてこれらの成分の化学的同定の推量が今日までなされ ているが、活性成分の単離はなされておらず、それがA−あるいはP−タイプ生 物学的活性を有することは示されていない。 発明の概要 ここに報告するヒトの組織からの我々の精製物は、非−放射ラベルの化合物を 生成し、それはDionexクロマトグラフィ及びマススペクトルで可視化される。ラ ットにおいて、我々は、組織のインシュリン刺激に対して提示される化合物の量 における変化を関連づけることができた。ラット化合物は、ヒト化合物の単離に 用いられるのと同じプロトコールで単離されるので、類推により、ここに記載す るヒト物質は、インシュリン刺激に応じて放出される。このことにより、それら はインシュリン応答性化合物と定義される。我々は、Vidac HPLCクロマト クラフィを用いてA−タイプ分画を精製し、得られた化合物がA−タイプ生物学 的活性を有することを示した。 広くは、本発明はヒト肝臓からのA−タイプIPG分画の活性成分の単離に基 づき、それは、このA−タイプ物質の最初の特性化に十分な量で単離される。特 に、この特性化は、この物質がZn2+イオンを含有し、A−タイプIPG分画に 伴う生物学的活性、即ち、脂質生成活性の調節及びcAMP依存性タンパク質キ ナーゼの阻害を有することを示した。 従って、本発明は、一態様において、Zn2+イオンを含み、脂質生成活性の調 整及びcAMP依存性タンパク質キナーゼ阻害の活性を有するシクリトール含有 炭化水素である、ヒトの肝臓または胎盤から得られる単離されたA−タイプ物質 を提供する。この発見は、Vydac HPLCクロマトグラフィを用いて単離され たA−タイプ分画の幾つかがホスフェートを含まないが生物学的に活性であるこ とによってなされ、ホスフェートが生物学的活性に必須ではないことを示してい る。 従って、本発明において、”イノシトールホスホグリカン”又は”IPG”で 表されるものは、ホスフェートを含まない化合物も包含する。これらの化合物は 、イノシトールグリカン(IG)とも呼ばれる。 さらに我々は、A−タイプ物質が以下の特性を有することも見いだした。 1.4/1/1のブタノール/エタノール/水を溶媒として用いた下降ペーパー クロマトグラフィにおいて起点近くに泳動すること。 2.物質の幾つかは、活性に直接関係するホスフェートを含むこと。 3.Dowex AG50(H+)カチオン交換樹脂に結合すること。 4.C18親和性カラムに結合しないこと。 5.AG3Aアニオン交換樹脂に結合すること。 6.活性がプロナーゼ耐性であること。 7.これらは、DionexクロマトグラフィシステムまたはVidac HPLCクロマトグラ フィを用いて検出されること(図7から9参照)。 また、この物質は、A−タイプIPG分画に伴う以下の活性の一つ又はそれ以 上を具備する。 (a)アデニレートシクラーゼを阻害すること; (b)血清フリー媒質中のEGF−トランスフェクションした線維芽細 胞に添加したときマイトジェン性であること;または、 (c)脂肪絹胞において脂肪生成を刺激すること。 即ち、従来技術ではA−タイプIPGに伴う生物学的活性はウシ及びラット組 織から得られた分画で検出されることが開示されているが、その分画から単離及 び特性化されておらず、A−タイプIPG生物学的活性を有することは示されて いない。 さらなる態様において、本発明は、シクリトール含有炭化水素である物質を提 供し、当該物質はZn2+イオンも含み、任意にホスフェートを含んでいてもよく 、ヒト肝臓または胎盤から、 (a)液体窒素中で即座に凍結させた組織から加工した肝臓ホモジネー トを加熱及び酸処理することにより抽出物を作製し、 (b)得られた溶液を、遠心分離及び木炭処理の後、AG1−X8(ギ 酸形態)アニオン交換樹脂と終夜相互作用させ、 (c)カラムを50mMのHClで溶離することによりA−タイプIP G活性を持つ分画を回収し、 (d)pH4.0に(pH7.8を越えないように)中和し、分画を凍 結乾燥して物質を単離し、 (e)4/1/1のブタノール/エタノール/水を溶媒として用いた下 降ペーパークロマトグラフィを採用し、 (f)ピリジン/酢酸/水中で高電圧ペーパー電気泳動を用いて精製し 、そして、 (g)Dionexアニオン交換クロマトグラフィを用いた精製、またはVida c HPLCクロマトグラフィによる精製により得られる。 さらなる態様において、本発明は、Zn2+イオンを含み、脂質生成活性の調整 及びcAMP依存性タンパク質キナーゼ阻害の活性を有する、シクリトール含有 炭化水素である単離されたA−タイプ物質を提供し、この物質は、 (a)ネガティブモードMALDIマススペクトルを用いて決定された 表3及び4に示すような分子量、あるいは、211m/zの構造単位の一つまた はそれ以上の付加またはサブトラクションによって表3及び4に記載した分子量 の一つに関連する分子量を有する、または、 (b)ボジテイブモードMALDIマススペクトルを用いて決定された 表5に示すような分子量、あるいは、211m/zの構造単位の一つまたはそれ 以上の付加またはサブトラクションによって表5に記載した分子量の一つに関連 する分子量を有する。 さらなる態様では、本発明は上記の物質を含有し、同時または続けて問うよさ れるインシュリンまたはP−タイプ物質と組み合わせてもよい製薬組成物を提供 する。これらの組成物は、患者の脂質生成反応が、何らかの経路で、インシュリ ンなどの成長因子に応じたA−タイプIPGの生成が相対的に低下するように影 響されている疾患の治療に用いられる。 さらなる態様において、本発明は、上記の物質に対するアンタゴニスト及びそ のアンタゴニストを含有する製薬組成物を提供する。これらの組成物は、A−タ イプIPGが過剰生成されている病状、例えば肥満NIDDM患者の治療、及び /またはA−タイプIPGの活性のひとつにに拮抗させるのに有効である。その ようなアンタゴニストは、A−タイプと競合するが、ほかでもなくその生物学的 活性は持たない関連IPGであってもよい。 さらなる態様では、本発明は、医療的処理方法における、上記の物質またはア ンタゴニストを提供。 A−タイプIPGの活性成分の一部又は全部を含む合成化合物は、治療薬とし て有用であると考えられる。 図面の簡単な説明 図1は、ヒト肝臓からのメディエータの精製したA−タイプファミリーのDX50 0 HPLCを示す。 図2は、EGFR T17線維芽細胞及びPDHホスファターゼの刺激を示す 。ストックしたヒト肝臓由来のタイプ−A及びタイプ−Pの連続希釈液を、それ らの増殖刺激能力について検定した。コントロールは、IPGを添加した血清フ リー媒質中での線維芽細胞の増殖を示す。 図3は、下降ペーパークロマトグラフィによるIPGの精製を示す。パネルA 及びBは各々コントロール及びプロナーゼE−処理IPGタイプ−A及びタイプ −Pの下降ペーパークロマトグラフィのプロフィールで、次いでホスフェート含 有量を分析された。パネルC及びDは、同じクロマトグラフ分画におけるフリー のアミノ酸分析を示す。明確にするために、各パネルにおいて、プロナーゼ処理 サンプルについて最初の10の分画のみを記載した。非処理メディエータについ てのプロフィールも同じであった。溶媒フロントは+35cmであった。 図4は、IPGタイプ−A及びタイプ−Pメディエータの高電圧電気泳導を示 す。図4aは、IPGタイプ−P(ブラック)HVEの代表的な電気泳導グラフ 及び引き続くホスフェート検出を示す。ブロモフェノールブルー(BB)、イノ シトールモノホスフェート(IPI)及びイノシトールジ/トリホスフェートの 泳導位置は矢印で示した。 図5は、インシュリン吸入に続くIPG放出の量的増加を示す。 図6は、DX500アニオン交換クロマトグラフィによって検出したインシュリン 応答性のIPGのファミリーである。*を付したピークは、プレ−インシュリン 刺激したラット肝臓には存在しない。 図7は、Vydac HPLCクロマトグラフィを用いて単離及び精製したA−タイプ物 質のファミリーのホスファターゼ含有量を示す。 図8は、Vydac HPLCクロマトグラフィを用いて単離及び精製した、選択された A−タイプ物質の生物学的活性を示す。 図9は、Vydac HPLCクロマトグラフィを用いて単離及び精製したA−タイプ物 質のDionexピークを示し、この分画が図1及び6におけるピーク23に相当する ことを示している。 図10及び11は、インシュリン刺激後に肝臓から単離したA−タイプIPG のファミリーの高分解能MALDIマススペクトル(ネガティブモード)を示す。ス ペクトルの主要なピークは、表3及び4に示した。 図12は、A−タイプIPGのファミリーの対応する高分解能HALDIマススペ クトル(ポジティブモード)を示す。主要なピークは表5に示した。 詳細な説明 模擬的設計 周知の製薬的活性化合物の模擬物(mimetics)の設計は、”先行(lead)”化合物 に基づく医薬の開発の知られた手法である。これは、活性化合物が合成困難又は 高価である場合や、例えばペプチドが消化管においてプロテアーゼによって即座 に分解されてしまうため、経口組成物には適していないように、特定の投与方法 に適していない場合に望ましい方法である。模擬的設計、合成及び試験は、一般 に、目的とする特性のための大量の分子のランダムなスクリーニングを避けるた めに行われる。 与えられた目的とする特性を有する化合物からの模擬物の設計において、共通 に用いられる幾つかの段階がある。まず、目的とする特性を決定するのに重要な 特定の部分を決定する。活性領域を構成する化合物のこれらの部分は、その”薬 剤中心(pharmacophre)”と呼ばれる。 薬剤中心が一度見いだされれば、その構造は、例えばスペクトル技術、X線回 折データ及びNMR等の広範な出所からのデータを用いて、物理的特性、例えば 立体化学、結合、サイズ、及び/または電荷に従ってモデル化される。このモデ ル化過程には、コンピュータ分析、類似性マッピング(原子間の結合ではなく、 薬剤中心の電荷及び/またば容積のモデル化)、及び他の技術を用いることがで きる。 この試みの変形方法では、リガンドの三次元構造及びその結合相手がモデル化 される。これは、リガンド及び/またば結合相手が結合のコンホメーションを変 化させる場合に特に有用であり、模擬物の設計にこれを考慮してモデル化するこ とができる。 次いで、薬剤中心を模擬する化学的基がグラフトされるテンプレート分子が選 択される。テンプレート分子及びそれにグラフトされる化学的基は、模擬物が合 成しやすく、製薬上許容され、in vivoで分解しない一方、先行化合物の生物学 的活性は維持するように便利に選択される。この手法で見いだされた模擬物は、 次いで、それらが目的とする特性を有しているか、あるいは、それをどの程度発 揮するかについてスクリーニングされる。次に、さらなる最適化または修正が行 われ、in vivoまたは臨床試験のための最終的な1つ又はそれ以上の模擬物に到 達する。 本発明の場合、A−タイプIPGの活性成分の全部または一部を含有する合成 化合物は、治療薬として有効であると考えられる。 アンタゴニスト A−タイプ物質のアンタゴニストは、以下の特性の一つ又はそれ以上を具備す る物質を含む。 (a)A−タイプメディエータの放出を阻害することのできる物質; (b)結合物質を介してA−タイプメディエータのレベルを低下させる ことのできる物質(例えば、抗体または特異的結合性タンパク質);及び/また は、 (c)A−タイプメディエータの効果を低下させることのできる物質。 一つの実施態様では、IPGアンタゴニストは、特異的結合性タンパク質であ る。天然の特異的結合性タンパク質は、生物学的サンプルのIPGに結合するタ ンパク質についてのスクリーニングによって得られる。 さらなる実施態様では、アンタゴニストは、A−タイプIPGに特異的に結合 することのできる抗体である。ポリクローナル及びモノクローナル抗体の製造は 、この分野で確立されている。モノクローナル抗体は、組み換えDNA技術の技 術を施して、元の抗体の特異性を保持した他の抗体またはキメラ分子を製造する こともできる。このような技術は、抗体の免疫グロブリン可変領域または相補的 決定領域(CDR)をコードするDNAを、異なる免疫グロブリンの固定領域ま たは固定領域プラスフレームワーク領域に導入することを含む。例えば、EP-A-1 84187、GB-A-2188638、及びEP-A-239400参照。モノクローナル抗体を製造するハ イブリドーマは、遺伝子突然変異または他の変化を施され、製造される抗体の結 合特異性を変化させることも変化させないこともある。 抗体は、この分野で標準的な技術を用いて得られる。抗体製造方法は、ホ乳類 (例えば、マウス、ラット、ウサギ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、又はサル)のタンパ ク質又はそのフラグメントでの免疫化を含む。抗体は、免疫化した動物から、こ の分野で周知の多くの技術を用いて得ることができ、好ましくは抗体の目的とす る抗原に対する結合を用いてスクリーニングされる。例えば、ウェスタンブロッ ト技術または免疫沈降法を用いることができる(Armitage等,Nature,357:80-8 2,1992)。動物からの抗体及び/または応対産生細胞の単離は、その動物の殺 傷段階を含むこともある。 動物の免疫化に換えてまたはそれに付け加えて、タンパク質に特異的な抗体は 、発現された免疫グロブリンの可変ドメインの組み換えで製造されたライブラリ から、例えば、表面に機能的免疫グロブリン結合ドメインを表現しているラムダ バクテリオファージまたは糸状バクテリオファージを用いて得ることもできる; 例えば、W092/01047参照。ライブラリは無傷、即ち、如何なるタンパク質(また はフラグメント)でも免疫化されていない生物から得られる配列からなるもので あってもよく、あるいは、目的とする抗原にさらされた生物からえた配列を用い て構成してもよい。 本発明の抗体は、多くの方法で修飾してよい。確かに、”抗体”なる用語は、 要求される特異性を有する結合ドメインを持つ任意の結合物質を包含するものと して解釈すべきである。即ち、本発明は、抗体フラグメント、抗体の誘導体、機 能的等価物、及び相同体を包含し、形状が抗体に類似して抗原またはエピトープ に結合できる合成分子を含む。 抗原または他の結合相手と結合できる抗体フラグメントの例は、VL、VH、C l、CH1ドメインからなるFabフラグメント;VH及びCH1ドメインから なるFdフラグメント;抗体の一本腕のVL及びVHからなるFVフラグメント; VHドメインからなるdAbフラグメント;単離されたCDR領域及びF(ab ’)2フラグメント、ヒンジ領域でジスルフィド架橋によって結合した2つのF abフラグメントを含む変性フラグメントである。一本類フラグメントもまた含 まれる。 非ヒト源からのCDRがヒトのフレームワーク領域にグラフトされたヒト化抗 体は、典型的に、フレームワークのアミノ酸残基の幾つかの繰り返しを持ち、親 である非ヒト抗体より低い免疫原性を持つ抗体を提供するが、それも本発明の範 囲に含まれる。 本発明のモノクローナル抗休を製造するハイブリドーマは、遺伝子的突然変異 又は他の変化を施されてもよい。当業者は、モノクローナル抗体が組み換えDN A技術を施され、元の抗体の特異性を保持する他の抗体又はキメラ分子を製造す ることができるのを理解するであろう。このような技術は、抗体の免疫グロブリ ン可変領域または相補的決定領域(CDR)をコードするDNAを、異なる免疫 グロブリンの固定領域または固定領域プラスフレームワーク領域に導入すること を含む。例えば、EP-A-184187、GB-A-2188638、及びEP-A-239400参照。キメラ抗 体のクローニング及び発現は、EP-A-0120694、及び、EP-A-0125023に記載されて いる。 要求される結合特性を有する抗体を産生するハイブリドーマも本発明の範囲内 であり、宿主細胞としての、真核細胞または原核細胞は、抗体(抗体フラグメン トを含む)をコードする核酸を含み、それらを発現できる。本発明は、抗体が産 生される、好ましくは分泌される条件下で抗体を産生することのできる細胞の成 長を含む抗体の製造方法も提供する。 上記の抗体は、それらを直接的または間接的に検出可能であり、好ましくは測 定可能であるシグナルを生ずるラベルまたはリポーター分子でタグ付けすること により本発明の診断的態様に用いることもできる。リポーター分子の結合は、直 接的又は間接的、共有結合的、例えばペプチド結合、または非共有結合である。 ペプチド結合を介した結合は、抗体及びリポーター分子をコードする遺伝子融合 の組み換え発現の結果であってもよい。 一つの好ましいモードは、各抗体に、スペクトル的に離れた吸収又は放出特性 を持つ個々の蛍光色素、リン光体又はレーザー色素を共有結合させることである 。好ましい蛍光色素は、フルオレセイン、ローダミン、フィコエリスリン及びテ キサスレッドを含む。好ましい色素染料は、ジアミノベンジジンを含む。 他のリポーターは、高分子コロイド粒子またはラテックスなどの粒子状材料を 含み、それらは着色され、磁性化または常磁性化され、そして生物学的または化 学的に活性な試薬であり、直接的または間接的に検出可能な、目で観察される、 電気的に検出される、または他の方法で記録されるシグナルを生ずる。これらの 分子は、例えば、発色又は変色させる、あるいは電気的特性を変化させる反応を 触媒する酵素であってもよい。これらは、分子的に励起され、エネルギー状態n 変移を起こす結果、特徴的なスペクトル吸収又は放出をする。これらは、バイオ センサーとともに用いられる化学的実体物であってもよい。ビオチン/アビディ ンまたはビオチン/ストレプトアビディン及びアルカリホスファターゼ検出シス テムを用いることもできる。 更なる実施態様では、IPGアンタゴニストは合成化合物である。これらは、 従来の化学的技術によって、または組み合わせ化学を用いて製造され、次いで、 IPG活性についてスクリーニングされる。これらの化合物は、それ自体有用で あるか、またはもぎ物の設計において用いられ、医薬としての開発のための候補 となる先行化合物を提供する。合成化合物は、合成が比較的簡単であるか、また は、医薬としての投与に適したものにする特性を持っているとき有用であり、例 えばペプチドであるアンタゴニストは消化管でプロテアーゼによって分解される ならば、経口投与に適していないであろう。模擬設計、合成及び試験は、一般的 に、目的とする特性について大量の分子をランダムにスクリーニングすることを 回避するのに用いられる。 製薬組成物 本発明のメディエータ及びアンタゴニストは、製薬組成物中に処方することが できる。これらの組成物は、1つまたはそれ以上のメディエータ又はアンタゴニ ストに加えて、制約上許容される賦形剤、キャリア、バッファー、安定化剤また は当業者に周知の他の物質を含んでもよい。このような物質は、非毒性でなけれ ばならず、活性成分の効果を阻害してはならない。キャリア又は他の物質の正確 な性質は、投与経路、例えば経口、静脈内、皮膚または皮下、鼻、筋肉内、腹膜 内経路に依存していてよい。 経口投与用の製薬組成物は、錠剤、カプセル、粉末又は液体形状としてよい。 錠剤は、ゼラチンなどの固体キャリアとアジュバントを含む。液体製薬組成物は 、一般に、水、鉱油、動物又は植物油、鉱油または合成油といった液体キャリア を含む。生理食塩溶液、デキストロースまたは他の多糖類溶液、あるいはエチレ ングリコール、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコールなどのグリ コール類を含んでもよい。 静脈内、皮膚及び皮下注射用、または病変部位での注射用では、活性成分は非 経口的に許容され、発熱物質を含まず、適当なpHを有し、等張性及び安定性で ある水溶液の形態とすることができる。関連分野の当業者は、例えば、塩化ナト リウム注射剤、リンガー注射剤、乳酸リンガー注射剤などの等張媒質を用いて良 好に調製することができるであろう。必要ならば、防腐剤、安定化剤、バッファ 、酸化防止剤及び/または他の添加剤を含んでいてもよい。 個体に与えられるのが、本発明のポリペプチド、抗体、ペプチド、小分あるい は他の製薬上有用な化合物であるか否かに関わらず、投与は、”予防的有効量” または”治療的有効量”とするのが好ましく(場合によっては、予防は治療と考 えられる)、これは、個体に対する利益を示すのに十分である。投与される正確 な量、投与の割合及び時間経過は、処理すべきものの性質及び重篤さに依存し、 例えば、投与量などの決定は、一般実施者及び医師の責任範囲であり、典型的に は、処理すべき疾患、患者個人の病状、輸送部位、投与方法及び実施者に知られ た他の要因が考慮される。上記の技術及びプロトコールの例は、Remington's Ph armaceutical Sciences,16th eddition,Osol,A.(編),1980に見ることがで きる。好ましい実施態様では、投与レベルは、オイグリセミック状態を生ずる用 に決定される。 組成物は、単独で、または、処理すべき状態に依存して同時または連続のいず れかで、他の処理と組み合わせて投与される。 診断方法 個体からの生物学的サンプル中の被分析物濃度の測定方法は、この分野で知ら れており、本発明の内容において、患者からの生物学的サンプル中のP−タイプ 及びA−タイプイノシトールホスホグリカン(IPG)の比率を測定するのに用 いられる。これは翻って、内科医が、P−及びA−タイプIPGのレベルの比率 が、患者及び試験される状態についてのバランスを逸脱しているか否かを決定す るのを可能にする。診断方法の例は、下記の実験部に記載される。 好ましい診断方法は、P−及びA−タイプIPGの比率の決定に依る。この方 法は、血液、血清、組織サンプルまたは尿などの生物学的サンプルを用いうる。 P−及びA−タイプIPG濃度を測定ためのアッセイ方法は、典型的には、P −またはA−タイプIPGの1つまたはそれ以上、好ましくは他の分子に特異的 に結合できる結合部位を持つ結合試薬を用いる。結合試薬の例は、抗体、レセプ ター、及びIPGに徳地的に結合する他の分子を含む。便利には、結合試薬は固 支持体上に、例えば区画された領域に固定化され、アッセイの間の操作を容易に する。 サンプルは通常、適当な条件下で結合試薬と接触させ、サンプル中に存在する P−及びA−タイプIPGを結合試薬に結合させる。次いで、結合試薬の結合部 位の占有率を現像試薬を用いて測定する。典型的には、現像試薬は(例えば、放 射活性、蛍光または酵素ラベルで)ラベルされ、この分野で周知の技術を用いて 検出できるようにする。即ち、放射活性ラベルはシンチレーションカウンター又 はやの放射計数装置を用いて、蛍光ラベルはレーザー及び共焦顕微鏡を用いて、 酵素ラベルは酵素ラベルの典型的には色の変化を生ずる基質に対する作用によっ て検出される。現像試薬は、現像試薬が、結合試薬の結合部位を占有するために 被分析物と競争する競合方法、あるいは、ラベルされた現像試薬が結合試薬に結 合した被分析物または占有された結合部位に結合する非競合方法て用いられる。 どちらの方法も、分析物に占有された結合部位の数を示し、従って、例えば、既 知濃度の分析物を含むサンプルを用いた標準との比較により、サンプル中の分析 物濃度が示される。好ましい実施態様では、これは、次いでP:Aタイプの比率 の測定に用いられる。 方法 イノシトールホスホグリカンの単離及び特性化 イノシトールホスホグリカン(IPG)は、以下のようにヒト肝臓から精製さ れた。凍結組織(90g)を液体窒素下で粉砕し、1mMのEDTA及び1mMの2-メル カプトエタノールを含む沸騰した50mMギ酸中に直接配置した(組織1グラム(湿式重 量)当たり3mLのバッファ)。polytronミキサー(Kinematica,Littau,Switzer land)での1分間の均質化の後、溶液をさらに5分間煮沸した。次いで溶液を氷 で冷却し、29,500gで2時間、4℃で遠心分離した。上清を10mg/mLの活性炭で 30分間4℃で攪拌しながら処理した。活性炭懸濁物を、29,500gで1時間、4 ℃で遠心分離し、透明な上清を回収した。次いで溶液を蒸留水で10倍に希釈し 、10%のNH4OH溶液でpH6.0に調節し、次いで、AGl−X8(ギ酸塩形態 )樹脂(溶液1mL当たり0.3mLの樹脂)とともに室温で優しく振とうした。次に、 樹脂をクロマトグラフィカラム(2.5×60cm)に充填し、水(2ベッド容量)及 び1mMのHCl(2ベッド容量)で連続して洗浄した。次に、物質を50mMのHC l(5ベッド容量)で溶離し、IPGのA−タイプ分画を得た。この分画は、10 %のNH4OH溶液でpH4.0に調節し、次いでロータリーエバポレータで乾燥 させた。乾燥した物質を蒸留酒に再溶解させ、2回リポフィライズ(lypophilise )し、化学的及び生物学的分析のために5つのアリコートに分けた。分析のため に、A−タイプ調製物のアリコートを200μLのハンクス媒体に溶解させ、1MのK OHでpH7.0に調節した。ヒト組織について、16g(湿式重量)の等しい組織から 抽出したメディエータを、200μLの最終容量で溶解させた(ストック溶液)。従 って、ストック溶液10μLは、800gの出発組織から回収されたA−タイプメディ エータの量を示す。 プロナーゼ処理 IPGは、他に記載されているプロナーゼEで処理した。簡単に言えば、酵素 のストック溶液(10mg/mL)を、100mMのTris-HClバッファ、pH7.8中、60℃で3 0分間プレインキュベーションし、存在している可能性のある混入酵素を不活性 化した。サンプルの設計は、プロナーゼ溶液(30μL)を、100mMのTris-HClバッ ファ200μL中のIPGサンプルに、pH8.0、37℃で添加することによって開 始した。2時間後、3分間煮沸することにより反応を停止させ、酸析出によって 除去した。 ペーパークロマトグラフィによるIPG精製 IPGを、最小量の水に溶解させ、3MMクロマトグラフィペーパー(3×50cm、 起点は8.5cm)に適用した。下降(descending)ペーパークロマトグラフィは、n- ブタノール/エタノール/水(4:1:1、v/v/v)を用いて行い、クロマトグ ラムを9時間展開させた。乾燥後、ペーパーをセンチメートル毎に切断し(起点 から、−1から+35cm)、各分画に含まれる物質を水(60μL、5洗浄)で 溶離した。各分画は、蒸発させて乾燥し、水又ばハンクス媒体(60μL)中に再 溶解させて、フリーのアミノ基、ホスフェート含有量の測定、または生物学的活 性のアッセイの前に、1NのKOHで中性化した。 高電圧ペーパー電気泳動 クロマトグラフイの後、分画1から6から溶離された物質は、少量の水に再溶 解させ、3MM電気泳動ペーパーに適用した。ブロモフェノールブルー及びトリチ ウム化イノシトールホスフェート混合物を標準として添加した。サンプルは、ピ リジン/酢酸/水(3:1:387、v/v/v)、pH5.4中、80Vcm-1で30分間 電気泳動させた。中性化合物は適した点に残ったが、負に荷電した化合物はアノ ード側に移動した。ペーパーを乾燥させた後、分画を1cm毎に切断し、水を用い て溶離させた。 VydacHPLCクロマトグラフィ この技術は、メディエータを含む個々の分画の単離及び精製に用いた。A−タ イプIPGは、Vydac 301 PLX575 HPLCカラムに適用した。カラムは以下のよう に溶離した: 溶媒: 酢酸アンモニウム500mM pH5.5 勾配条件 0-5% 12分以上 5-21% 次の13分以上 21-80% 25分以上 80-100% 5分以上。 次いで、EGF−トランスフェクション線維芽細胞を用いて、分画のホスフェ ート及び成長促進活性についてアッセイした。 フリーなアミノ基の測定 フリーなアミノ基の測定は、以下のように実施した。サンプル及び標準(0-10 0nmolのD-(+)-グルコサミン塩酸塩、Sigma)を、超純水(50μL)に溶解さ せ、続いてホウ酸ナトリウム(0.14M、pH9)及びフルオレサミン(乾燥アセトン 中で調製された0.75mg/ml)を添加した。390nmでの励起の後、475nmでの蛍光発 光を分光偏光計を用いて観察した。 ホスフェート含有量の測定 全ホスフェートレベルは、以下のようにしてアッセイされた。サンプル及び標 準(0-100nmolのNa2HPO4)を蒸発させて乾燥させ、180℃で30分過塩素酸 (70%)で加水分解した。室温まで冷却した後、超純水(250μL)、(NH42 MoO4(2.5%溶液100μL)及びアスコルビン酸(10%溶液100μL)を順次添加し た。サンプルを95℃で15分間加熱して発色させた。マイクロプレートリーダ ーで、655nmでの光学的吸収を測定した。 IPGとイオン交換樹脂及びSep-Pak C18カートリッジとの相互作用 ストック溶液(上記参照)の30マイクロリットルを、AG3−X4(HO-)、Ag5 0−X12(H+)のいずれかを600μL含むカラム、あるいは、Sep Pack C18カ ートリッジに導入し、次いで、水(5ベッド容量)で溶離した。溶液を濃縮して 乾燥させ、得られた残さを30μLのハンクスに溶解させ、pH7.0に調節した。 cAMP−依存性タンパク質キナーゼ活性の評価 IPG分画の際クリックAMP依存性タンパク質キナーゼの活性阻害能力を、 基質としてヒストンIIAを用いて評価した。反応混合物(100μL)は、25mMの HEPESバッファ(pH7.6)、10μMのMgATP(106cpm[γ−32P]ATP )、ヒストンIIA(50μgタンパク質)、及びPKAの触媒単位(60単位/mL) を含んでいた。全ての決定において、10μLのIPG溶液(上記参照)を反応混 合物に添加した。37℃で10分間のインキュベーションの後、反応を止め、10 %トリクロロ酢酸(100μL)及び2%ウシ血清アルブミン(10μL)でタンパク質を 析出させ、タンパク質中への32P取り込みを測定した。 ビルベートデヒドロゲナーゼホスファターゼ(PDH)活性の評価 プルベートデヒドロゲナーゼ複合体(PDC)及びPDHホスファターゼは、 使用するまで−80℃に保存した。インシュリンメディエータの存在下または不 存在下での、両方のPDHホスファターゼのアッセイは、不活性化したリン酸化 PDH複合体の初期活性化速度に基づく。PDCの初期活性は、8-13単位/ml( 酵素1谷が1μmolのNADH/分を生成する)であり、ATPとのインキュベ ーション後は、0.3-0.5単位/ml(不活性化PDC)であった。ホスファターゼ活 性の定量には2段階アッセイを用いた。不活性化PDC(50μL)のサンプルを 、pH7.0の20mMリン酸カリウムバッファ中の1mg/mLの脂肪抜きBSA、10mM のMgCl2、0.1mMのCaCl2、及び1mMのDTTとともに、30℃で3分間プ レインキュベーションした(全容量250μL)。この時点で、10μLのPDHホス ファターゼ及び10μLのIPGを添加し、インキュベーションをさらに2分間続 けた。この時間の最後に、200μLの混合物を回収して、300mMのNADH100μL に添加した。活性化PDHは、第2段階でNADHの製造速度を測定することに より光学的に測定した。100マイクロリットルの反応停止溶液を、pH8.0の50mMリン 酸カリウムバッファ、2.5mMのβ-NAD+、0.2mMのTPP、0.13mMのコエンザイ ムA、0.32mMのDTT及び2mMのナトリウムビルベートを含む1mLの反応混合物に 添加した。NADHの製造は、340nmで5分間続けた。 ラット脂肪細胞における脂質生成の活性化 これは、若いラットの精巣上体脂肪パッドから単離した脂肋細胞について実施 した。簡単に言えば、2匹のラット精巣上体脂肪パッドからの脂肪絹胞を、8ml のクレブス・リンガー重炭酸塩中に懸濁させ、250μLの細胞懸濁物を37℃で2 時間、1%アルブミン及び5mM[U−14C]−グルコース(1μCi/サンプル)を 含み、インシュリン(1nM)又は10μLのIPG溶液を含むあるいは含まないクレ ブス・リンガー重炭酸塩中でインキュベーションした。均一にラベルされたグル コースの胞肪酸への取り込み速度を、脂質生成の測定に使用した。 線維芽細胞における細胞増殖の測定 EGFRT17線維芽細胞を、10%v/vのウシ血清、2mMのL−グルタミン、100 単位/mLのペニシリン及び100μg/mLのストレプトマイシンを含むダルベッコの変 性イーグル媒質(DMEM)中、5%CO2の加湿した雰囲気内で、37℃で日常 的に成長させた。細胞は、80%の占有率に達したら二次培養した。EGFRT1 7細胞は、ヒト内皮成長因子レセプターでトランスフェクションされたNIH 3T3線維芽細胞である[32,35]。線維芽細胞増殖を評価するために、細胞を9 6-ウェルのミクロタイターウェルに、10%FCSを含むDMEM中ウェル当たり104 細胞の密度でプレートした。24時間後、媒質を除去し、細胞をハンクス媒体 で2回洗浄し、血清フリーの媒体を添加し、さらに24時間に渡って細胞をイン キュベーションした。この時点において、細胞を、血清、IPG製剤または適当 なコントロールで刺激した。18時間後、[3H]チミジン(1μCi/ウェル)を 各ウェルに4時間添加した。この処理の最後に、細胞をハンクス溶液で2回洗浄し 、トリプシン化し、細胞DNAに伴う放射活性を細胞収穫機(harvester)を用い て測定した。細胞増殖アッセイのために、希釈は最終希釈であった。例えば、2. 5μLのストック溶液が、最終容量100μLに添加された、即ち1/40希釈。 サンドイッチELISAのためのプロトコール 以下のプロトコールは、ヒト血清等の生物学的流体におけるイノシトールホス ホグリカン(IPG)の定量のための、間接的、非競合、固相酵素免疫アッセイ (サンドイッチELISA)を規定する。 このアッセイでは、モノクローナルIgM抗体を固相に固定化した。組織培養 上清、ハイブリドーマ細胞及び精製したモノクローナル抗体を腹膜に注射して誘 発した腹膜腫瘍を持つマウスの腹水液を、免疫アッセイに用いた。F96Maxiso rp Nunc-Immunoプレートを、これらのアッセイに用いた。Maxisorp表面は、タン パク質、特に抗体などの糖タンパク質がプラスチックに結合している場合に推奨 される。 固定化された抗体は、試験サンプル(ポジティブコントロールとして用いられ るヒト血清またはIPG)からの抗原を捕捉する。 架橋抗体(ウサギからの精製したポリクローナルIPG抗体)は、ビオチニル 化抗−抗体を抗原に結合させるために必要とされる。 検出方法は、抗−ウサギIg、ビオチニル化種特異的全抗体(ロバから)、及 びストレプトアビディン−ビオチニル化西洋ワサビペルオキシダーゼ複合体(Am ersham)、ABTS及びABTS用バッファ(Boehringer Mannheim)を用いる。 ELISAアッセイは、以下のように行うことができる: 1.全ての段階での100μl/ウェルの添加。 2.F96 Maxisorp Nunc-ImmunoプレートにおいてPBSで1:100に希釈され たモノクローナル抗体の添加。4℃で少なくとも2日間のインキュベーション。 3.PBSで3回洗浄。 4.蒸留水中(1:9)、室温で2時間の、ELISAのブロッキング試薬(Bo ehringer Nannheim)の添加。 5.PBS−Tween20(0.1%)で3回洗浄。 6.精製したポリクローナル抗体(PBS中1:100希釈)、4℃で終夜の添 加。 7.PBS−Tween20(0.1%)で3回洗浄。 8.抗−ウサギいg、ビオチニル化種−特異的全抗体(ロバから)(Amersham) の、PBS中1:1000希釈したものの、室温で1時間30分の添加。 9.PBS−Tween20(0.1%)で3回洗浄。 10.ストレプトアビディン−ビオチニル化西洋ワサビペルオキシダーゼ複合体 (Amersham)のPBS中1:500希釈したものの、室温で1時間30分の添加 。 11.PBSで3回洗浄。 12.2,2-アジノ-ジ-(3−エチルベンズチアゾリンスルホネート(6)) ジアンモニウム塩血漿(ABTS)(Boehringer Mannheim)の、ABTS(B M)用バッファへの添加:ARTS用バッファは、蒸留水に添加される(1:9 v/v)。1mgのあBTSを、1mlの希釈されたABTS用バッファに添加する。 13.405mmフィルターを用い、Multiscan Plus P 2.01の吸収を、5-15分間読む 。 結果 IPG単離及び生物学的活性 IPGは、以下のようにヒト肝臓及び胎盤から抽出した。簡単に言えば、抽出 物は、患者から取り出した後即座に液体窒素で凍結させた、従って、ホスファタ 一ゼの作用を防止した組織から加工した肝臓ホモジネートの熱及び酸処理により 調製した。遠心分離及び活性炭処理の後、溶液をアニオン交換樹脂(AGI-X8,ギ 酸塩形態)と終夜相互作用させた。樹脂は、水と希塩酸で続けて洗浄した。50mM のHClで溶離することによりA−タイプ分画を生成し、それは脂肪細胞の脂質 生成を刺激し、EGFレセプターでトランスフェクションした線維芽細胞の増殖 を刺激した。この分画は、次いで溶媒として4/1/1ブタノール/エタノール /水を用いた下降ペーパークロマトグラフィを施し、ヒリジン/酢酸/水中での 高電圧電気泳動を用いて精製し、最後にDioneex(商品名)アニオン交換クロマト グラフィを用いて精製した。図1は、鋭いスパイク(分画番号15)を示し、こ れは主要なA−タイプ物質を示している。この分画は、次いで中性化し、数回凍 結乾燥させた。 金属イオン分析 金属イオン分析は、DX500システムにおいて520nmでの目に見える検出で実施し た。 分離は、ピリジン-2,6-ジカルボン酸溶離液を持つIonpac混合ベッドイオン 交換カラム及びビリジアルアゾレゾルシノールとのポストカラム反応によって行 った。A−タイプサンプル(A1、A2及びA3)は、100μlの水中に再構成し た。この溶液10μlを取り、10μlの濃HClを添加し、サンプルを終夜放置した 。次いで、80μlの水を混合物に添加し、この溶液10μlを分析した。ブランクH Clサンプルは、コントロールとして作用する。 μg/ml Zn μg/ml Mn μg/ml Fe 平均 A1 #1 8.83 0.91 19.84 8.72μg/ml Zn #2 8.75 1.00 19.26 0.96μg/ml Hn #3 8.58 0.97 19.58 19.56μg/ml Fe A2 #1 7.74 0.91 18.88 7.66μg/ml Zn #2 7.64 0.86 18.40 0.88μg/ml Mn #3 7.61 0.88 19.12 18.80μg/ml Fe ブランク #1 - - 10.24 #2 - - 10.26 10.28μg/ml Fe #3 - - 10.33 ブランク #1 - - 8.42 8.32μg/ml Fe #2 - - 8.21 ブランク1及び2の平均=9.3μg/ml Fe これは、まず最初にヒト肝臓から単離されたA−タイプIPGがZn2+を含むこ とを示している。 cAMP依存性タンパク質キナーゼの阻害 IPGのcAMP依存性タンパク質キナーゼを阻害する能力は、洗浄したヒス トンIIAに取り込まれた32Pで測定した。1/10希釈したA−タイプIPG 分画の添加は、キナーゼ活性の78.5±9.5(n=4)パーセントの阻害を生じた。この 効果は投与量依存的であり、典型的な実験では、キナーゼ活性の重大な阻害は、 最終濃度1/100以下のA−タイプ分画で達成された(50%阻害A−タイプ) 。この実験は、A−タイプ分画がcAMP依存性タンパク質キナーゼに対する主 要 な阻害活性を含むことを示したラット由来IPGについての我々の以前のデータ に一致する。我々は以前に、50mM分画中に存在する化合物のIPGファミリーを 示すのに、この活性を際だたせるためにA−タイプなる用語を用いていた。 PDHホスファターゼの刺激 A−タイプ分画の、ウシ心臓から単離したビルベートデヒドロゲナーゼホスフ ァターゼを刺激する能力を測定した。いずれのヒト肝臓もA−タイプ溶離液に抑 制されたレベルのPDHホスファターゼ刺激活性を有し、従来技術のラットの研 究結果に従うと、ラットP−タイプIPG分画に比較して平均2.8倍低い活性 を持つ。 脂質生成への影響 A−タイプと推定されるIPGを含む分画をラット脂肪細胞に添加し、この分 画の脂質生成を刺激する能力を測定した。表1は、A−タイプ分画が脂質生成活 性を有することを示している。ヒト肝臓は、インシュリン刺激したラット肝臓と 同量の脂質生成活性を有することがわかった。 NIH 3T3線維芽細胞増殖への影響 A−タイプIPG分画を、血清なしでの線維芽細胞増殖を支持する能力につい てアッセイした。ラット組織では、いずれのA−タイプメディエータもアッセイ において活性なので、このアッセイは2つのメディエータの相対数を評価するの に用いられた[10,26,27]。A−タイプヒト由来分画は、血清フリーの媒質中で EGFレセプターでトランスフェクションされた線維芽細胞に添加されたとき、 マイトジェン性であることが見いだされた。図2は、分画について得られた投与 量依存性の効果を示す。用いた最高濃度においても飽和は得られなかった。しか し、分画は少なくともFCS単独より2-2.5倍大きな増殖を有する。 下降ペーパークロマトグラフィ 得られたA−タイプ物質の一部をプロナーゼEで2時間処理し、次いでプロナ ーゼを酸析出により除去した。残った溶液を濃縮し、水に再溶解し、n−ブタノ ール/エタノール/水を用いた下降ペーパークロマトグラフィで精製した。9時 間の展開の後、ホスフェート及びフリーなアミノ基の存在を検出した。図3aは 推定A−タイプメディエータの以下のホスフェート分析のクロマトグラムプロフ ィールを示す。ホスフェートを含む化合物が起点及び〜5cmの間に泳動するのが みられた。ペーパークロマトグラムは、図3c及びdに示すようにフリーなアミ ノ基の存在の分析についても分析した。フリーなアミノ基を持つ化合物も起点と 5cmの間に泳動した。プロナーゼとのインキュベーションは、図3aに示したよ うなホスフェート分析で評価した化合物の泳動に相違をもたらさなかった。 イオン交換膜及びSep-Pak C18カートリッジとのインキュベーション IPGの、2つの異なるイオン交換樹脂及び逆相C18カラムとの相互作用にお ける挙動を、溶離液のEGFTR17DNAセルへのチミジン取り込み誘発の能 力によって測定した。結果を表2に示す。逆相の場合、約80-85%の生物学的活性 がA−タイプIPGの水溶離によって回収された。これらの結果は、A−タイプ メディエータが親水性であることを示している。表2は、A−タイプメディエー タがカチオン交換カラム(AG50-X12)またはアニオン交換カラム(AG3-X4)から も回収できることを示している。これは、フリーなアミノ基及びホスフェート部 分といった2つの官能基の存在と一致する。 活性は金属イオンを必要とする IPGはジチゾン(dithizone)とともに抽出され(補足1、2部参照)すべて の金属イオンが除去される。抽出に続いて、A−タイプIPGは脂質生成アッセ イにおいて不活性であった。 IPG含有炭化水素 ヒト肝臓からの精製したIPGのA−タイプのクロマトグラムは、パルス−ア ンペロメトリー検出によって検出した(条件は、補足1、4部に与えた)。 イノシトールの種々の形態(myo-イノシトール、chiro-イノシトール、ピニト ール)の存在は、DX500システム及びCarbo Pac MA1カラム及びパルス化アンペロ メトリー検出で確認した(方法は補足1、6部に与えた)。 高電圧電気泳動(HVE)による精製 下降クロマトグラフィの後にペーパーから溶離される物質に、高電圧ペーパー 電気泳動をpH5.4で施した。これらの条件下で、ホスフェート、カルボキシ 、または硫酸基などの負電荷化合物はアノードに向けて泳動する。ホスフェート 分析に続く3つの実験における代表的なペーパー電気泳動を図4に示した。ホス フェートは、起点及び、5cmから20cm泳動距離に渡る分解できないピークとして 見られた。起点におけるホスフェートの存在は、この位置での化合物の回収が全 電荷を中和する正電荷部分と等しい数を持たねばならないことを示す。いずれか に泳動するこれらの化合物は、正に荷電した部分(例えばアミノ、金属)を越え る過剰な負電荷基(例えばホスフェート)を持つ。HVEによるA−タイプメデ ィエータの活性プロフィールは、起点及び20cmにのびる広いバンドに存在する活 性を持つ図4aにしましたホスフェート分析と極めて近い鏡像をなす。 Vydac HPLCクロマトグラフィ 図1に示した化合物のファミリーを含むサンプルからA−タイプメディエータ を単離精製できることを示すために、Vydac 301 PLX575 HPLCカラムから得られ た分画を、ホスフェート及び成長促進活性について分析した。図7は、種々の分 画のホスフェートレベルを示し、図8は、5、14、25、28、35及び39 を含む選択された分画の生物活性(bioactivity)を示す。主要な成長促進活性は 、分画25−39に見られた。主な活性分画のDIonex HPLCプロフィールを図9 に示した。この分画は、図1及び6に示した主要ピーク23を持つ。 MALDIマススペクトル 図10及び11は、肝臓から単離されたA−タイプ分子の高分解能MALDI マススペクトル(ネガティブモード)を示し、図12は、同じサンプルについて の対応するボジティブMALDIマススペクトルを示す。構造のファミリーは、 211m/z構造単位の付加によって関連づけられる、例えば、808m/z⇒1019m/z⇒123 9m/z⇒1441m/z。即ち、各低分子量ピークから、この関係は、そのファミリーの 他のA−タイプメディエータの分子量を見いだすのに用いられる。A−タイプ物 質の分子量は表3から5に示す。 ネガティブモードMALDIマススペクトルによって測定した分子量は、H+ の除去によってA−タイプ物質の実際の分子量と異なる、即ち、実際の分子量は 、表3及び4の重量に+1を加えれば得られる。ポジティブモードは、ネガティ ブモードと比較して59だけm/zが増加しており、1つのNa+及びK+原子を各 成分に付加することが2つのプロトンの喪失と共同していることを示す(即ち、 39+22−2=59)。即ち、P−タイプ物質の分子量は、表5に示した分子 量から57を減じれば決定できる。よって、表の結果から直接分子量を決定する ことができる。 モノクローナル抗体 ラット肝臓から連続薄層クロマトグラフィ(TLC)によって精製したイノシ トールホスホグリカン(IPG)を、ニュージーランドウサギ及びBalb/c を従来の手法で免疫化するのに用いた。 免疫化の後、モノクローナル抗体を、マウス脾臓細胞(5×106細胞/ml)と突 然変異骨髄細胞(106細胞/ml)とを融合させる技術を用いて調製した。用いた骨 髄細胞系は、ヒポキサンチン−グアニンホスホリバシルトランスフェラーゼを欠 くものである。ハイブリドーマ細胞のスクリーニング方法は、抗原(IPG)が 固相に固定された非競合固相酵素免疫アッセイである。培地上清を添加し、ポジ ティブハイブリドーマ細胞を選択した。 単一細胞クローニングを制限希釈により行った。3つのモノクローナル抗体( 2D1、5HG及び2P7)についてのハイブリドーマを選択した。すべてのモ ノクローナル抗体は、EK-5050キット(Hyclone)を用いてIgMであると決定さ れた。 すべてのモノクローナル抗体がIPGに認識されることを試験するために、非 競合固相酵素免疫アッセイを用いた。アッセイのために、F96 Polysorp Nunc-Im monoプレートを用いた。ある種の抗原が固定化されるアッセイには、ポリソープ 表面が推奨される。 1:800に希釈された固定化抗原(IPG)は、精製された抗体が用いられ た場合、組織培養上清、腹水液からのモノクローナル抗体を捕捉した。 検出方法は、抗−マウスIgM、ビオチニル化全抗体(ヤギから)、及びスト レプトアビディン−ビオチニル化西洋ワサビペルオキシダーゼ複合体(Amersham )、ABTS及びABTS用バッファ(Boehringer Mannheim)を用いた。 ポリクローナル抗体の評価にも同じ免疫アッセイを用いた。このアッセイでは 、検出方法に、抗−ウサギIg、ビオチニル化種−種全抗体(ロバから)を採用 した。 抗体は以下の方法で精製できる。勾配プログラマーGP-250Plusを備えた高速タ ンパク質液体クロマトグラフィ(Pharmacia FPLC system)及び高精度ポンプp-5 00を、ポリクローナルIPG抗体の精製に用いた。 ウサギ血清からポリクローナルIPGを精製するのに、HiTrapプロテインA親 和性カラムを用いた。タンパク質定量は、Micro BCAタンパク質試薬キット(Pie rce)を用いて行った。 モノクローナルIgM抗体は2段階で精製した。硫酸アンモニウム析出が第1 段階に選択された方法である。組織培地上清を硫酸アンモニウム(50%飽和)で 処理した。第2段階の前にPBSで希釈したペレットを透析チューブに移した。 硫酸アンモニウム析出は一段階精製には適さないので、次いでゲル濾過を行い 、PBS中の抗体溶液をPharmacia Sepharose 4Bカラムに通した。タンパク質定 量は、Perkin-Elmerラムダ1 UV/VIS分光計において220-280nmの吸収を読むこと により行った。 即ち、この実施例は、A及びP−タイプ物質に対するモノクローナル及びポリ クローナル抗血清を生じさせることが可能であることを示す。これらは、アンタ ゴニストまたは結合試薬として用いられる。 議論 50mMのHClでの溶離で単離された物質(A−タイプIPG)は、cAMP依 存性タンパク質キナーゼを阻害し、ラット脂肪細胞での脂質生成を刺激した。こ の分画は、EGF−レセプターでトランスフェクションされた3Y3細胞の増殖 を刺激した。 ヒト肝臓から単離されたA−タイプ分画の生物学的特性は、プロナーゼでの処 理後に回復し、その活性がタンパク質またはペプチドによるものでないことを示 した。ホスフェート及びフリーなアミノ基の存在は、これらの化合物がその構造 にヘキソース及びヘキサミンを含むと報告されているものに類似していた。これ らの化合物の炭化水素の性質は、下降ペーパークロマトグラフィにおける挙動、 炭化水素含有化合物の特性、及びインシュリン刺激したラット組織から単離した IPGとの類似によって支持された。すべての実験は、50mM分画におけるA−タ イプのインシュリン模擬イノシトールホスホグリカンの存在と符合する。 ヒトにおいて、グルコース代謝のポスト−レセプター組織インシュリン耐性は 、非インシュリン依存性真性糖尿病(NIDDM)及び他の疾患である。耐性は インシュリンシグナル化経路の急性疾患の結果でもあり得るし、インシュリン作 用の循環阻害剤でも起こりうるし、その両方である可能性もある。IPG関連メ ディエータ経路の疾患は、NIDDMの病原学に関する実験の鍵となる標的であ る。 インシュリンシグナル化でのIPGの重要性は、in vitro及びin vivoのデー タからわかる。例えば、突然変異細胞はチロシンリン酸化によってインシュリン に対してIPGを製造することができないが、代謝的影響は無く[1]、キナーゼ 欠乏インシュリンレセプターを持つ細胞は、インシュリン刺激に次いてGPIを 加水分解する[2]。また、インシュリンレセプターレベルとインシュリン作用及 びGPI破壊との関係もある[3]。GPI合成及び放出に欠陥を持つ糖尿病GK ラットからの細胞のインシュリン耐性は、ウシ肝臓からのIPGで解消できる[ 4]。同様に、Trypanosoma bruceiから単離した酵素的及び科学的に修飾したイ ノシトールホスフェートグリカンに対する抗体は、インシュリンの効果をブロッ クする[5,6,7,8]。ストレプトゾトシン糖尿病ラットからの脂肪細胞でのGPI のインシュリン刺激加水分解の障害及びビルベートデヒドロゲナーゼ(PDH) 及び グルコース利用の減損したインシュリン活性化が存在[5]。 補足1: 1.IPG加水分解 IPG(LIA,LCA,LIP,LCP,及びブランク)、1匹のラット肝臓から得た物 質について、2NのHCl(Pierce)下記のようにジチゾンで抽出)@を用い、11 0℃で90分間処理した。加水分解後、サンプルは2回凍結乾燥し、H2O(200 μl)に再溶解し、もう一度凍結乾燥した。得られた物質は、200μl(H2O)に 再溶解し、10μlサンプルを、記載したイノシトール、単糖類及び金属の存在の 実験に用いた。 2.HClのジチゾン処理 ジフェニルチオカルバゾン(Aldrich)を記載されたようにクロロホルムから 再結晶させた(Zief and Mitchel,p127)。結晶精製したジチゾンを、次いでCl3 CH@10mg/mlに溶解させ、定沸点の6NのHClから金属混入物を抽出するのに 用いた(Pierce)。 1mlのHClを500μlのジチゾン溶液で3回抽出し、次いで上記のIPG加水 分解に用いた。 3.胎盤IPG。ジチゾンでの抽出 50μlのストックIPG溶液を200μlに希釈し、次いで200μlのジチゾンのク ロロホルム溶液(0.1g/l)で抽出した。(用いたクロロホルムは、ジチゾン溶液調 製の直前にH2O/1N NaOH/H2Oで抽出した。) IPG溶液をジチゾンで抽出(2回)した後、水相をCl3CH(200μl、3回 )で抽出した。有機相はプールし、次いで水で洗浄し、乾燥させ、Cl3CH(2 00μl)に再溶解させた。溶液は3NのHCl(100μl)で抽出して金属を測定し た。 最初の水性IPG溶液は、Dionexプロフィール及びPDHアッセイでの変化を 測定するのに用いた。 4.Dionex方法 IPG カラムとガードカラム: PA100 溶離液 A=100mM NaOH B=500mM NaOAc + 100mM NaOH 勾配:@最初: 100%A、0%B @30分: 25%A、75%B @30.1分: 100%A10分間維持 流速: 1ml/分 検出器: ED40 5.金属分析 カラムとガードカラム: HPIC-CS5 溶離液: PDCA(6mm PDCA,50mM AcOH, 50mM NaOAc,pH4.57) 流速: 1ml/分 ポストカラム試薬: 0.3mM PAR,1MAcOH,3M NH4OH 試薬流速: 〜0.8ml/分 検出器 AD40 @ 520mm 6.イノシトール分析 カラム及びガードカラム=CarboPac MAl 溶離液; A=500mM NaOH B=H2O 条件:時間 流速 %A %B 最初 0.25 25 75 0.00 0.25 25 75 15.10 0.25 25 75 20 0.40 100 0 25 0.40 100 0 34 0.40 25 0 35 0.40 25 75 40 0.40 25 75 検出器: ED40 7.単糖類分析 検出器: ED40 カラム及びガードカラム=Carbo Pac PAl 溶離液: A=100mM NaOH;B=H2O 条件: 流速:1ml/分 時間 %A %B 最初 16 84 0 16 84 17 16 84 18 100 0 23 100 0 24 16 84 30 16 84 表1の脚注 +活性の単位:活性の単位は試験系の基本レベルの50%活性化を生ずる量で定義 した。 ±ラット肝臓データについては、n数は別々の肝臓調製物の異なる独立した抽出 物を示す。通常2匹の動物(肝臓)は抽出前にプールされる。各脂質生成アッセ イは3回行った。疑似注射したラットのコントロールまたはインシュリン50分 注射後2分に抽出された肝臓について2つの値が示される。両方の群とも終夜飢 えさせた。 ¥インシュリン値は、1994年10月から1995年10月までの期間内に実施した20の 独立した脂質生成アッセイ(各々3回測定)のものである。 §ヒト肝臓についての値は、[N]健常[D]疾患の2つの別の肝臓からである。疾患 肝臓は、肝臓移植時に得た。健常肝臓は、若い健康な事故犠牲者からのものであ る。n値は繰り返し脂質生成アッセイを意味する。−80℃で凍結保存した疾患 肝臓の別の抽出物を、1年に渡ってアッセイした。活性の変化は見られなかった 。脚注 +EGFRトランスフェクション線維芽細胞への3Hチミジン取り込み。A及びPタイプ メディエータは異なる支持体から水で溶離した。IPGの最終濃度はストッ ク(材料及び方法参照)の1/40希釈である。1/80希釈でも同様の結果が 得られた。すべてのIPG刺激は投与量依存性であった。 #P−タイプの一部回収はC-18で一貫して観察された。結合した物質の回収は行わ なかった。 *コントロール−培養媒質のみ、FCS含まない。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成10年8月17日(1998.8.17) 【補正内容】 請求の範囲 1.Zn2+イオンを含み、脂質生成活性の調節及びcAMP依存性タン パク質キナーゼ阻害の活性を有するシクリトール含有炭化水素である、ヒトの肝 臓または胎盤から得られる単離されたA−タイプ物質。 2.Zn2+イオンを含み、 (a)液体窒素中で即座に凍結させた組織から加工した肝臓ホモジネー トを加熱及び酸処理することにより抽出物を作製し、 (b)得られた溶液を、遠心分離及び活性炭処理の後、AG1−X8( ギ酸形態)アニオン交換樹脂と終夜相互作用させ、 (c)カラムを50mMのHClで溶離することによりA−タイプIP G活性を持つ分画を回収し、 (d)pH4.0に(pH7.8を越えないように)中和し、分画を凍 結乾燥して物質を単離し、 (e)4/1/1のブタノール/エタノール/水を溶媒として用いた下 降ペーパークロマトグラフィを採用し、 (f)ピリジン/酢酸/水中で高電圧ペーパー電気泳動を用いて精製し 、そして、 (g)Dionexアニオン交換クロマトグラフィを用いた精製、またはVida c HPLCクロマトグラフィによる精製により単離されたA−タイプ物質を得 ることによってヒトの肝臓または胎盤から得られる、シクリトール含有炭化水素 である単離されたA−タイプ物質。 3.(a)ネガティブモードMALDIマススペクトルを用いて決定さ れた表3及び4に示す分子量、あるいは、約211m/zの構造単位の一つまた はそれ以上を付加するまたは減じることによって表3及び4に記載した分子量の 一つに関連する分子量、または、 (b)ポジテイブモードMALDIマススペクトルを用いて決定された 表5に示すような分子量、あるいは、約211m/zの構造単位の一つまたはそ れ以上を付加するまたは減じることによって表5に記載した分子量の一つに関連 する分子量を有する、Zn2+イオンを含み、脂質生成活性の調整及びcAMP依 存性タンパク質キナーゼ阻害の活性を有する、シクリトール含有炭化水素である 、ヒトの肝臓または胎盤から得られる単離されたA−タイプ物質。 4.物質がホスフェートを含む、請求項1から3のいずれかに記載の物 質。 5.以下の特性: (a)4/1/1のブタノール/エタノール/水を溶媒として用いた下 降ペーパークロマトグラフィにおいて起点近くに泳動すること; (b)C−18親和性樹脂に結合しないこと; (c)Dowex AG50(H+)カチオン交換樹脂に結合すること; (d)AG3Aアニオン交換樹脂に結合すること;または、 (e)物質の活性がプロナーゼ耐性であることの1つまたはそれ以上を 有する、請求項1から4のいずれかに記載の物質。 6.物質が、 (a)アデニレートシクラーゼを阻害すること; (b)血清フリー媒質中のEGF−トランスフェクションした線維芽細 胞に添加したときマイトジェン性であること;または、 (c)脂肪細胞において脂肪生成を刺激することという特性を有する、 請求項1から5のいずれかに記載の物質。 7.請求項1から6のいずれかに記載のA−タイプ物質を、製薬上許容 される媒体と組み合わせて含有する製薬組成物。 8.P−タイプ物質またはインシュリンをさらに含有する、請求項7記 載の製薬組成物。 9.医療処理方法で用いるための、請求項1から6のいずれかに物質。 10.請求項1から6のいずれかに記載の物質のアンタゴニストであっ て、前記物質に特異的に結合できるモノクローナル抗体であるアンタゴニスト。 11.(a)A−タイプ物質の放出を阻害すること; (b)A−タイプ物質に結合し、それらのレベルを低下させること;及 び/または、 (c)A−タイプ物質の生物学的活性を低下させるという特性を有する 、請求項10記載のアンタゴニスト。 12.アンタゴニストが、前記物質に特異的に結合できる抗体、または 前記物質に特異的に結合できる結合タンパク質である、請求項10または11記 載のアンタゴニスト。 13.請求項10から12のいずれかに記載のアンタゴニストを含有す る製薬組成物。 14.医療処理方法で用いるための、請求項1から6のいずれかに記載 の物質のアンタゴニストであって、前記物質に特異的に結合できるモノクローナ ル抗体であるアンタゴニスト。 15.請求項1から6のいずれかに記載のA−タイプ物質に特異的に結 合できるモノクローナル抗体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 45/00 A61P 3/10 A61P 3/10 C07K 16/44 C07K 16/44 C12P 21/08 // C12P 21/08 A61K 37/26 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,ID,IL,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.Zn2+イオンを含み、脂質生成活性の調節及びcAMP依存性タン パク質キナーゼ阻害の活性を有するシクリトール含有炭化水素である、ヒトの肝 臓または胎盤から得られる単離されたA−タイプ物質。 2.Zn2+イオンを含み、 (a)液体窒素中で即座に凍結させた組織から加工した肝臓ホモジネー トを加熱及び酸処理することにより抽出物を作製し、 (b)得られた溶液を、遠心分離及び活性炭処理の後、AG1−X8( ギ酸形態)アニオン交換樹脂と終夜相互作用させ、 (c)カラムを50mMのHClで溶離することによりA−タイプIP G活性を持つ分画を回収し、 (d)pH4.0に(pH7.8を越えないように)中和し、分画を凍 結乾燥して物質を単離し、 (e)4/1/1のブタノール/エタノール/水を溶媒として用いた下 降ペーパークロマトグラフィを採用し、 (f)ピリジン/酢酸/水中で高電圧ペーパー電気泳動を用いて精製し 、そして、 (g)Dionexアニオン交換クロマトグラフィを用いた精製、またはVida c HPLCクロマトグラフィによる精製により単離されたA−タイプ物質を得 ることによってヒトの肝臓または胎盤から得られる、シクリトール含有炭化水素 である単離されたA−タイプ物質。 3.(a)ネガティブモードMALDIマススペクトルを用いて決定さ れた表3及び4に示す分子量、あるいは、約211m/zの構造単位の一つまた はそれ以上を付加するまたは減じることによって表3及び4に記載した分子量の 一つに関連する分子量、または、 (b)ポジテイブモードMALDIマススペクトルを用いて決定された 表5に示すような分子量、あるいは、約211m/zの構造単位の一つまたはそ れ以上を付加するまたは減じることによって表5に記載した分子量の一つに関連 する分子量を有する、Zn2+イオンを含み、脂質生成活性の調整及びcAMP依 存性タンパク質キナーゼ阻害の活性を有する、シクリトール含有炭化水素である 、ヒトの肝臓または胎盤から得られる単離されたA−タイプ物質。 4.物質がホスフェートを含む、請求項1から3のいずれかに記載の物 質。 5.以下の特性: (a)4/1/1のブタノール/エタノール/水を溶媒として用いた下 降ペーパークロマトグラフィにおいて起点近くに泳動すること; (b)C−18親和性樹脂に結合しないこと; (c)Dowex AG50(H+)カチオン交換樹脂に結合すること; (d)AG3Aアニオン交換樹脂に結合すること;または、 (e)物質の活性がプロナーゼ耐性であることの1つまたはそれ以上を 有する、請求項1から4のいずれかに記載の物質。 6.物質が、 (a)アデニレートシクラーゼを阻害すること; (b)血清フリー媒質中のEGF−トランスフェクションした線維芽細 胞に添加したときマイトジェン性であること;または、 (c)脂肪細胞において脂肪生成を刺激することという特性を有する、 請求項1から5のいずれかに記載の物質。 7.請求項1から6のいずれかに記載のA−タイプ物質を、製薬上許容 される媒体と組み合わせて含有する製薬組成物。 8.P−タイプ物質またはインシュリンをさらに含有する、請求項7記 載の製薬組成物。 9.医療処理方法で用いるための、請求項1から6のいずれかに物質。 10.請求項1から6のいずれかに記載の物質のアンタゴニスト。 11.(a)A−タイプ物質の放出を阻害すること; (b)A−タイプ物質に結合し、それらのレベルを低下させること;及 び/または、 (c)A−タイプ物質の生物学的活性を低下させるという特性を有する 、請求項10記載のアンタゴニスト。 12.アンタゴニストが、前記物質に特異的に結合できる抗体、または 前記物質に特異的に結合できる結合タンパク質である、請求項10または11記 載のアンタゴニスト。 13.請求項10から12のいずれかに記載のアンタゴニストを含有す る製薬組成物。 14.医療処理方法で用いるための、請求項1から6のいずれかに記載 の物質のアンタゴニスト。
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