JP2001504349A - レセプターチロシンキナーゼ遺伝子 - Google Patents

レセプターチロシンキナーゼ遺伝子

Info

Publication number
JP2001504349A
JP2001504349A JP52402198A JP52402198A JP2001504349A JP 2001504349 A JP2001504349 A JP 2001504349A JP 52402198 A JP52402198 A JP 52402198A JP 52402198 A JP52402198 A JP 52402198A JP 2001504349 A JP2001504349 A JP 2001504349A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sequence
nucleic acid
kinase
gene
polypeptide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Ceased
Application number
JP52402198A
Other languages
English (en)
Inventor
ジョーホ,キース・イー
プラウマン,グレゴリー・ディー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sugen LLC
Original Assignee
Sugen LLC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sugen LLC filed Critical Sugen LLC
Publication of JP2001504349A publication Critical patent/JP2001504349A/ja
Ceased legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/10Transferases (2.)
    • C12N9/12Transferases (2.) transferring phosphorus containing groups, e.g. kinases (2.7)
    • C12N9/1205Phosphotransferases with an alcohol group as acceptor (2.7.1), e.g. protein kinases
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/705Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
    • C07K14/71Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants for growth factors; for growth regulators
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01KANIMAL HUSBANDRY; AVICULTURE; APICULTURE; PISCICULTURE; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
    • A01K2217/00Genetically modified animals
    • A01K2217/05Animals comprising random inserted nucleic acids (transgenic)
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K48/00Medicinal preparations containing genetic material which is inserted into cells of the living body to treat genetic diseases; Gene therapy

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本明細書は、キナーゼ類をコードする特定の遺伝子に対応する、単離された、精製された、または濃縮された核酸分子、およびそのような遺伝子のフラグメント、ならびにそのような核酸によりコードされるポリペプチド、およびこれらのポリペプチドに特異的な抗体を記載する。また、これらのキナーゼの全長コード配列を単離するために、これらの遺伝子の発現パターンおよびレベルを決定するために、またはキナーゼの1つの活性を調節する薬剤をスクリーニングするために、およびキナーゼの1つに関連する疾患を診断または治療するために、そのような核酸分子、ポリペプチド、または抗体を使用する方法を開示する。

Description

【発明の詳細な説明】 レセプターチロシンキナーゼ遺伝子発明の分野 本発明は、新規な関連したチロシンキナーゼに関する。特に、本発明は、ヒト および齧歯類のメッセンジャーRNA(mRNA)、対応する相補的なDNA(c DNA)配列、およびコードされるポリペプチドを含む。発明の背景 発明の背景の以下の記述は、読者の理解を助けるためにのみ提供される。与え られる情報または引用される参考文献のいずれも、本発明に対する先行技術であ ると認めるものではない。 細胞シグナル伝達は、多様な細胞過程を調節する外部刺激が細胞内部へ中継さ れる基本的機構である。シグナル伝達の生化学的機構の鍵となるものの一つは蛋 白質の可逆的リン酸化を含み、これは成熟蛋白質の構造および機能を変化させる ことにより成熟蛋白質の活性の制御を可能とする。(総説として、Posada and Cooper、Mol.Biol.Cell,3:583−392(1 992)およびHardie,Symp.Soc.Exp.Biol.44:2 41−255(1990)を参照されたい。)真核生物において最もよく特徴づ けされている蛋白質キナーゼは、セリン、トレオニンおよびチロシン残基のアル コール部分で蛋白質をリン酸化する。これらのキナーゼは、おおまかに2つの群 に分けられる。すなわち、セリンおよびトレオニンのリン酸化に特異的なキナー ゼ、およびチロシンのリン酸化に特異的なキナーゼである。チロシンキナーゼは さらにレセプター蛋白質および非レセプター蛋白質に分けられる。 蛋白質キナーゼは、真核生物蛋白質の最も大きいファミリーの1つであり、数 百のメンバーが知られている。これらの蛋白質の一次ペプチド配列のアライメン トは、これらが共通触媒コア構造を含む12個の別々のサブドメイン(I−XI I)に分けることができる250−300アミノ酸ドメインを共有していること を示す。これらの保存蛋白質モチーフは、最近PCRに基づくクローニング戦略 を用いて開発され、既知のキナーゼを著しく拡大させた。蛋白質キナーゼの触媒 ドメイン中の配列の多重アライメント、および続く系統発生学的分析により、こ れらを系統発生樹形に分離することが可能となった。このようにして、関連する キナーゼは別々の枝またはサブファミリーに群化することができる。これには以 下のものが含まれる:チロシンキナーゼ、サイクリックヌクレオチド依存性キナ ーゼ、カルシウム/カルモジュリンキナーゼ、サイクリン依存性キナーゼおよび MAP−キナーゼ、ならびにいくつかの他のあまりよく明確にされていないサブ ファミリー(Hanks and Hunter,FASEB J.9:576 −595(1995)を参照)。 レセプターチロシンキナーゼ(RTK)は膜貫通性蛋白質のファミリーに属し ており、多くの細胞シグナリングル経路に関係している。いくつかのRTKの主 な生物学的活性は細胞成長および増殖の刺激であるが、他のRTKは分化の促進 に関与している。場合によっては、単一のチロシンキナーゼが、それが発現され る細胞環境に依存して細胞増殖を阻害または刺激することができる。RTKは、 少なくとも3つのドメインからなる:細胞外リガンド結合ドメイン、膜貫通ドメ イン、およびチロシン残基をリン酸化しうる少なくとも1つの酵素的ドメインを 含む細胞質ドメイン。膜結合レセプターへのリガンド結合は、レセプターダイマ ーの形成および細胞内キナーゼドメインを活性化するアロステリックな変化を誘 導し、チロシン残基上でのレセプターの自己リン酸化(自動リン酸化および/ま たはトランスリン酸化)を引き起こす。また、RTKはヘテロダイマーを形成す ることが知られている。レセプターのヘテロダイマー形成についての可能性のあ る役割は、Carraway and Cantley,Cell 78:5− 89(1994)に記載されている。 非レセプターチロシンキナーゼは、膜貫通ドメインまたは細胞外ドメインを含 まず、その触媒的キナーゼドメインを共有するのに加えて、非触媒的ドメインも 共有する。このような非触媒的ドメインには、SH2ドメイン(Src相同ドメ イン2)およびSH3ドメイン(Src相同ドメイン3)が含まれる。非触媒的 ドメインはシグナル伝達における蛋白質と蛋白質との相互作用の制御に重要であ ると考えられている。 レセプターチロシンキナーゼは、多くの細胞タイプの増殖、分化および/また は生存において役割を果たすことが知られている。1つの例は、レセプターのT rkファミリーである。Trkは、神経成長因子(NGF)を含むいくつかの既 知の神経栄養因子のためのレセプターである。NGFのTrkAへの結合は、レ セプターのリン酸化を誘導し、続いてニューロン発生のモデルであるPC12ク ロム親和性細胞株の分化を誘導する(Kaplan,et al,Scienc e 252:554−558(1991);Yan,et al,Scienc e 252:561−563(1991))。Trkファミリーの他のメンバー には、TrkBおよびTrkCが含まれ、これらは神経系において種々の構造で 発現され、他の神経栄養因子、例えば脳由来神経栄養因子およびニューロトロフ ィン−3の結合に応答する(Klein,et al,Development 109:845−850(1990);Glass,et al,Cell 6 6:405−413(1991);Klein,et al,Cell 66: 395−403(1991))。 いくつかのRTKおよび成長因子は、最初、活性化オンコジンとして同定され (Aaronson,Science 254:1146−1153(1991); Bishop,Cell 64:235−248(1991))、いくつかのR TKは癌の発達に関与しているかもしれないと長い間信じられてきた。いくつか の研究はこの概念を支持するようである。これらには、RTK過剰発現とある種 のヒト癌との高度の関連、例えば、HER2と乳癌および卵巣癌(Slamon ,et al.,Science 235:177−182(1987))、P DGFおよびそのレセプターと肉腫および神経膠由来新生物の高い割合、および EGF−Rと扁平上皮癌および神経膠脛(Aaronson,(1991)によ り論評されている)の関連が含まれる。 いくつかのRTKは、肺癌細胞の成長および発達と関連づけられてきた。例え ば、c−kit(Hida,et al,Int.J Can.O(supp 8 ):108−109(1994);Krystal,et al,Can.Re s.56(2);370−376(1996)),trk(Oelmann,e t al,Can.Res.55(10):2212−2219(1995)) ,Her2/neu(Tsai,et al.Can.Res.56(5):1 068 −1074(1996))およびEGF−R(Moody,Peptides 17(3):545−555(1996))。肺癌特異的RTKの同定は、RT Kのシグナル伝達活性を阻害し、このことにより癌のRTK推進性成長を抑制す ることができる特異的薬剤の開発に有利であろう。発明の概要 本発明は、チロシンキナーゼをコードする、ユニークな発現されている哺乳動 物遺伝子の少なくとも一部に各々が対応する複数の核酸分子に関する。特定のキ ナーゼに対応する遺伝子の核酸配列の一部を入手するだけでも、特異的プローブ を提供し、遺伝子を特定の染色体にマッピングすること、遺伝子をその染色体上 の位置にマッピングすること、および、例えば相補的な(cDNA)または相補 的な配列を含むゲノムライブラリからクローンを同定することを可能とする。さ らに、特定の遺伝子に対応する配列を入手することは、その遺伝子の発現パター ンを決定することを可能とし、このことにより関連する組織の生物学に関する価 値ある情報を提供することができる。癌は不適当に制御された細胞増殖であり、 したがってしばしば異常なキナーゼ遺伝子発現を伴うため、分析により、ある疾 患の状態、特に癌を部分的に特徴決定することも可能である。本明細書に開示さ れる遺伝子は、ニューロン組織において高度に発現される関連するレセプターチ ロシンキナーゼの新規な群を規定するようである。これらの新規遺伝子のいくつ かはまた、癌性組織、特に肺癌および卵巣癌において高度に発現される。1つの 遺伝子は正常組織は全く発現されないようであるが、種々の腫瘍タイプにおいて 発現され、このことは、この遺伝子が癌の形成または維持において役割を果たし ているかもしれないことを示唆する。 すなわち、開示される配列の1つの一部、またはこれらの配列の1つの一部に 相補的な、約13または17塩基の長さより大きい長さ、好ましくは、25、5 0、または100塩基の長さを有する配列を入手することにより、対応する遺伝 子を唯一のものとして同定することができる。これは、部分核酸配列の配列が対 応する遺伝子の配列の一部に対応し、本質的に同等のものを除く他のすべての遺 伝子に対応しないためである。低いレベルのミスマッチを許容するように、ハイ ブリダイゼーション条件のストリンジェンシーを調節することができるため、部 分核酸配列の記載される配列が実際のヌクレオチド配列の配列と少ないパーセン テージ、例えば、約3%または1%未満で異なっていてもなお、遺伝子を唯一の ものとして同定することができる。すなわち、記載される配列の1つの一部の配 列を有するプローブは、適当にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件 下で、依然としてそれぞれの対応する遺伝子に唯一のものとしてハイブリダイズ するであろう。 さらに、特異的DNAプローブを入手することにより、遺伝子のより長いDN A配列、例えばcDNAの全長配列、全長の成熟メッセンジャーRNA(mRN A)に対応する全長cDNAまたはその有用な部分、またはゲノム遺伝子配列の 全長コピーが提供される。これらのより長い配列は、特異的プローブを用いて日 常的な方法により得ることができるためである。 すなわち、本発明においては、特定のレセプターチロシンキナーゼ遺伝子に対 応する核酸配列が提供される。配列は、以下に詳細に記載するように、配列分析 により、先に同定されているチロシンキナーゼに基づいて、チロシンキナーゼを コードすると同定された。各配列は、その配列が由来する遺伝子にユニークに特 徴的であり、標準的な方法により遺伝子の完全コード配列の単離が提供される。 すなわち、本発明は特に、そのような遺伝子を同定し提供する。そのような遺伝 子は、標準的技術によりベクター中にクローン化することができ、スクリーニン グ、診断または治療方法、ならびに他の用途において用いることができる。一般 に、DNAは、クローン化遺伝子を有用な様式で発現するように、または所望の 標的核酸の特異的検出を可能とするように特別に設計されたベクター中にクロー ン化する。 特に、第1の観点においては、本発明は、関連したチロシンキナーゼの群の1 つをコードする発現された哺乳動物遺伝子に対応する、少なくとも25ヌクレオ チドの長さの、精製された、濃縮された、または単離された核酸分子を提供する 。核酸分子はチロシンキナーゼポリペプチドをコードし、その各々は、配列番号 1−9の1つに対応する遺伝子の1つによりコードされるチロシンキナーゼのア ミノ酸配列の一部であるアミノ酸配列を有する。そのような核酸分子の各々は、 遺伝子の対応する部分または相補的な配列と少なくとも95%の配列同一性を有 す る。関連する観点においては、精製された、単離された、または濃縮された核酸 分子は、配列番号1−9の1つの一部、またはこれに相補的な配列と少なくとも 95%の配列同一性を有する。好ましくは、配列同一性はより高く、例えば少な くとも97%または99%または100%である。核酸分子は、一本鎖DNA( ssDNA)、二本鎖DNA(dsDNA)、およびRNAを含む。核酸は、好 ましくはDNAであり、好ましくは少なくとも13ヌクレオチドの長さを有し、 より好ましくは少なくとも20−30ヌクレオチドの長さを有し、最も好ましく は少なくとも50ヌクレオチドの長さを有する。核酸は、ストリンジェントな条 件下で、配列番号1−9に挙げられる配列、またはこれに相補的な配列を有する DNA鎖、または配列番号1−9のいずれかに対応するキナーゼをコードする遺 伝子に特異的にハイブリダイズしうる。上述の観点の好ましい態様においては、 核酸分子はより長く、例えば少なくとも50、100、200、400またはよ り長いヌクレオチド長さのものである。 核酸分子の配列は、標準的な日常的な配列決定手法を用いて、対応するcDN Aの相補鎖の両方を重複配列決定することにより、決定および確認することがで きる。このような重複配列決定は、一方向配列決定により生ずる可能性があり、 本明細書に記載される配列中に存在するかもしれない配列エラーを研究者が排除 することを可能とする。 このような核酸分子は、対応するヒト遺伝子、cDNA、またはmRNAの位 置および発現を決定するためのユニークなプローブとして有用である。したがっ て、このようなプローブ試薬は、ヒト生物学の分析において、および遺伝子、m RNA、およびポリペプチド発現産物のマッピングおよび分析を助ける道具とし て、新規治療薬の開発において有用である。このようなプローブは、本明細書に おいて同定される遺伝子の1つの一部の核酸配列またはこれに相補的な配列を含 み、追加の核酸配列および/または標識、または特異的ハイブリダイゼーション を妨害しない他の成分を含んでいてもよい。 さらに、このような核酸分子は、相補的なDNAまたはRNAをコピー、転写 、または逆転写するためのプライマーの起源として有用である。ヒトゲノムDN A、cDNA、またはmRNAの対応する特定の部位へのこのような核酸分子の ハイ ブリダイゼーションは、慣用的に用いられている条件下で実施することができる (例えば、Sambrook,J.et al.,Molecular Clo ning:A Laboratory Manual (1989)を参照)。 すなわち、一旦当業者が配列番号1−9のいずれかの配列を知ったならば、ま たはこの配列に基づく、対応するmRNAまたはcDNAまたはゲノムDNAに 特異的にハイブリダイズするであろうプローブを所有したならば、その者は、ポ リペプチドをコードする対応する全長配列を容易に同定し、得ることができる。 同様に、その者は、特定のmRNAの全長に対応するcDNAおよびその配列を 得ることができ、続いてそのcDNAの多数の部分の任意のものを得ることがで きる。関連する方法により、その者は、ゲノムDNAの探索、クローニング、お よび配列決定を含む適当な方法により、全長遺伝子およびその配列をも得ること ができる。そのような方法は当該技術分野においてよく知られており慣用的に用 いられている。 上述したように、配列番号1−9のいずれかにおける低レベルの配列決定エラ ーの存在(もし存在する場合には)は、これらの方法において困難を生じさせな い。これは、配列番号1−9の配列の1つに基づくプローブまたはプライマーは 、十分にストリンジェントな条件下で、対応するcDNA、ゲノムDNA、また はmRNAに特異的にハイブリダイズするであろうし、これを用いてDNAを再 び配列決定してプローブ配列を確認するかまたは記載される配列におけるエラー を発見することができるからである。 上述の配列相関の結果、全長コード配列を含むcDNA、またはmRNAの全 長に対応するcDNAを、上述の観点の1つに含まれるより短いユニークなプロ ーブから得ることができる。より長いcDNA配列を得るための方法が適切に実 施されれば、そのようなより長い配列が実質上の確実性をもって得られ、完全コ ード配列または全長cDNAを含むことを日常的に確認することができる。 したがって、そのようなコード配列および全長cDNAは本発明に含まれる。 もちろん、全長コード配列または全長cDNAは、その配列を得るための特定の 方法には限定されない。当業者は、種々のアプローチおよび方法の変更もまた、 本質的に同一の最終産物を与えることを知るであろう。すなわち、本発明は、そ れを得るためにどのような方法を用いても、これらのDNA産物を含む。 上述の観点は、チロシンキナーゼの一部であるポリペプチドをコードするヌク レオチドの配列を各々が含むDNA分子を含むことに特に注意すべきである。し かし、上述の観点はまた、例えばポリペプチドコード配列の一部のみを含む、よ り短いDNA分子をも含む。 また、上述の観点の核酸分子は、標準的クローニング方法により得て、PCR 等により増幅することができるが、所望の配列が一旦知られたならば、そのよう な分子(特にDNA鎖)は、日常的な方法により化学的に合成して、特定の配列 を提供することができる。これは約100ヌクレオチドより短い配列について特 に適当である。一旦合成されれば、そのような核酸分予は、プローブおよびプラ イマーとして通常の方法において用いることができる。 すなわち、上述の観点から、本発明は、全長または部分コード配列またはcD NA配列またはmRNA配列を含みうる核酸分子を提供する。本発明はまた、ヌ クレオチド配列の位置決定、マッピング、同定、増幅、および入手のためのプロ ーブまたはプライマーとして用いることができる核酸分子を提供する。本発明は また、種々の細胞性mRNAの全体のまたは個々の合成状態を検出するために、 および疾患に起因する細胞性異常を診断するために用いることができるプローブ およびプライマーを提供する。同様に、本発明はまた、種々の対応する細胞性m RNAの全体のまたは個々の合成状態を検出するためのプローブまたはプライマ ーとして用いることができる核酸分予、好ましくはDNA分子を提供する。 ”単離された”との用語の使用は、天然に生ずる物質または生物(例えばDN A配列)がその通常の環境から除去されていることを示す。すなわち、単離され たDNA配列は、その通常の細胞環境から除去されており、例えば無細胞溶液中 に存在していてもよく、または異なる細胞環境中に置かれていてもよい。分子、 例えばDNA配列については、この用語は、その分子(配列)が、存在している そのタイプの分子の中の唯一のものであることを意味しない。 目的によっては、生物または分子(例えばヌクレオチド配列)が精製された形 態であることも有益であろう。用語”精製された”とは、絶対的な純度を必要と するものではなく、配列、生物、または分子が天然の環境におけるよりも比較的 純粋であることを示す。すなわち、本発明のDNAは、ヒト全DNAからまたは ヒト全RNAから直接得ることはできなかった。本発明のDNA配列は天然に生 ずるものではなく、部分的に精製された天然に生ずる物質(ゲノムDNAクロー ン)の操作により得られる。染色体DNAからのゲノムライブラリの構築は、ゲ ノムDNA挿入物を含むベクターの作成を含み、そのようなベクターを有する純 粋な個々のクローンは、ライブラリを有する細胞のクローン選択によりライブラ リから単離することができる。 本発明の開示の文脈においては、”ヒト遺伝子”とは、ヒト染色体に見いださ れる遺伝的物質の遺伝しうる単位を表すと理解すべきである。各遺伝子は、デオ キシリボヌクレオチドの直鎖からなり、これは鎖を形成するヌクレオチドの配列 により表すことができる。すなわち、”配列”とは、鎖を形成するヌクレオチド の順序づけられたリスト、およびヌクレオチドのその配列を有する鎖それ自身の 両方を示すように用いられる。(”配列”は、RNA鎖、すなわちリボヌクレオ チドからなる直鎖を表す場合も同様に用いられる)。遺伝子は、制御および調節 配列、RNA分子に転写されることができる配列を含み、機能が未知である配列 を含んでいてもよい。RNA産物のいくつか(DNAからの転写産物)はメッセ ンジャーRNA(mRNA)であり、これは最初には、ポリペプチドに翻訳され るリボヌクレオチド配列および翻訳されないリボヌクレオチド配列を含む。翻訳 されない配列には、調節配列が含まれ、機能の知られていない配列を含んでいて もよい。多くの哺乳動物遺伝子のコード配列は不連続であり、コード配列である エクソンを、非コード配列であるイントロンと交互に含む。mRNA分子がDN Aから転写された際には、イントロンがその分子中に存在するが、イントロンは 除去され、エクソンはスプライシングされて一緒に成熟mRNAを形成する。す なわち、成熟mRNAは翻訳に適したmRNAであり、イントロンが除去されて おり、通常は他の修飾がなされている。異なる個人の間、または正常細胞と癌化 細胞との間には、遺伝子の同一性を変えることなく、同じ遺伝子についてヌクレ オチド配列のわずかな相違が存在しうることが認識されるべきである。 すなわち、”発現される遺伝子”とは、問題とする細胞または組織において、 その遺伝子が翻訳されてRNA分子が形成され、成熟mRNAが翻訳されてポリ ペプチドが形成されるであろうことを意味する。発現には、核酸の転写および翻 訳が含まれる。どの遺伝子が特定の細胞株または組織で発現されるかは、組織ま たは細胞のタイプ、細胞、組織、または個体の発生の段階、および細胞が正常細 胞であるかまたは例えば癌性細胞にトランスフォームしているか等の因子に依存 する。 互いに”対応する”核酸分子または配列、またはポリペプチドと核酸との間の ”対応”に関連して、対応は転写および/または翻訳、または逆転写の関係によ り示される。上述したように、多くの遺伝子は転写されてmRNA分子を形成す ることができる。したがって、遺伝子のDNA配列とその遺伝子から転写される かまたは転写されるかもしれないmRNAとの間には対応がある。逆の関係につ いても対応が存在し、メッセンジャーRNAは遺伝子のDNAと対応する。この 対応は遺伝子の全長配列とmRNAの全長配列との間の関係に限定されず、遺伝 子のDNA配列の一部とmRNAのRNA配列の一部との間にも対応が存在する 。特に、この対応は、通常はポリペプチドに翻訳されないmRNAの一部と、遺 伝子のDNA配列のすべてまたは一部との間にも存在することに注意すべきであ る。 同様に、メッセンジャーRNAと、逆転写酵素を用いる逆転写によりmRNA から得られるまたは得ることができる一本鎖DNAとの間に対応が存在する。す ぐ前に述べたように、DNAのすべてまたは一部とメッセンジャーRNAのすべ てまたは一部との間には対応が存在する。同様に、メッセンジャーRNAのすべ てまたは一部と、逆転写により得られたDNAの配列に相補的な配列を有するD NA鎖のすべてまたは一部との間には対応が存在する。さらに、メッセンジャー RNAのすべてまたは一部と、逆転写により得られるDNAおよびその相補鎖を 含む二本鎖DNAのすべてまたは一部との間には対応が存在する。 同様に、遺伝子またはcDNAのDNAは、またはmRNAのRNAは、その 遺伝子およびmRNAおよびcDNAによりコードされるポリペプチドと"対応 する"。mRNAとポリペプチドとの間のこの対応は、翻訳の関係を通して確立 される。すなわち、mRNAのヌクレオチド配列はポリペプチドのアミノ酸配列 に翻訳される。次に、遺伝子またはcDNAのDNAとmRNAとの間の転写ま たは逆転写の関係のため、DNAとポリペプチドとの間には”対応”がある。こ の ような用語には、参照される核酸に類似するかまたは相同な核酸、ならびに相補 的な核酸が含まれる。 DNAまたはRNA鎖の”一部”とは、その一部との用語が表す鎖の配列の連 続したサブセットと同じヌクレオチド配列を有する線状の鎖を意味する。(ポリ ペプチド鎖の一部との用語とアミノ酸配列とは類似の意味を有する。)このよう なサブセットは、一次鎖の配列のすべてを含んでいてもよく、またはより短い配 列のみを含んでいてもよい。サブセットは、一本の鎖中に少なくとも13−25 、50、または100塩基を含むであろうが、好ましくは対応するmRNAから の全長コード配列を含むであろう。 しかし、”同じ”との用語は、全長配列の小さいパーセンテージにしか影響せ ず、かつ配列を実質的に同じに保つ、配列の特定のヌクレオチドの欠失、付加、 または置換、またはこれらの変化の組み合わせを含むことを意味する。好ましく は、この変化のパーセンテージは10%未満であり、より好ましくは5%未満で あり、さらに好ましくは3%未満であり、最も好ましくは1%未満である。この ような変化は、その配列によりコードされる蛋白質の性質に影響を与えない。し たがって、”同じ”とは、”同一”とは区別される;同一の配列については、ヌ クレオチド配列の相違はあり得ない。”同じ”ということができる配列の例は、 機能においてある程度の類似性を有し、高度の類似性を有するが正確には同一の 配列ではない、異なる種からの相同蛋白質をコードする配列である。 上で用いたように、”相補的な”とは、分子生物学からの通常の意味を有する 。2つのヌクレオチド配列または鎖は、これらが通常の対形成規則にしたがって 塩基対を形成する(ワトソン−クリックまたはフーグスティン)ことを可能とす るような配列を有する場合、相補的である。これは、必ずしも鎖がすべてのヌク レオチドで塩基対形成することを必要としない。1つまたは数個(例えば25塩 基の直鎖では5塩基まで)のヌクレオチドの欠失、付加または置換、またはその ような変更の組み合わせにより形成されるような、低レベル(例えば1−3%) の塩基ミスマッチを有する2つの配列はなお相補的でありうる。しかし、好まし くは、相補的な配列は正確に相補的であり、これは塩基対形成が鎖中の特定の配 列の各塩基で生じうることを意味する。 別の観点においては、本発明は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション 条件下で、配列番号1−9からなる群より選択されるヌクレオチド配列またはこ れに相補的な配列の、その組織からのmRNAへのハイブリダイゼーションによ り得ることができる、組織中で発現されるポリペプチドをコードする、単離され たまたは精製された核酸分子を提供する。 別の観点においては、本発明は、チロシンキナーゼのすべてのアミノ酸または 少なくとも25個の連続するアミノ酸をコードするRNA配列に相補的な配列に 転写的に連結された、細胞中で機能的な転写開始領域、および細胞中で機能的な 転写終止領域を有する組換え核酸分子を提供する。チロシンキナーゼは、配列番 号1−9のいずれかに対応する遺伝子によりコードされる。 さらに、DNA配列を種々のベクターのいずれかの中に挿入することはしばし ば有用である。したがって、本発明の別の観点においては、ベクター中の、上述 の観点のいずれかのDNAが提供される。ベクターは多くの異なる目的のために 選択することができ、これにはベクター挿入物の配列を有するDNAをより多く 製造することが含まれうるが、特に、ベクター挿入物から転写されたmRNAを ポリペプチド産物に翻訳する手段、すなわち、発現ベクターを含むこともできる 。発現ベクター中に挿入されたDNAは、好ましくは対応する全長cDNAのコ ード領域の少なくとも60%を含み、より好ましくは少なくとも75%、さらに より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは対応する全長cDNAのコー ド配列のすべてを含む。 さらに、ベクターは通常、ベクターを細胞中に挿入することにより用いられる ため、これらの観点はまた、上述の観点の任意のDNAが挿入されたベクターを 含む細胞をも含む。このような細胞中では、ベクターは染色体外(例えば、プラ スミドまたはミニ染色体として)に存在してもよく、またはベクターまたはベク ターの一部が宿主細胞の染色体中にインテグレートされていてもよい。 本明細書においては、”ベクター”とは、その作用物質のDNA中に取り込む ことによりその中に本発明のDNAを挿入しうる作用物質を表す。すなわち、各 種ベクターの例は、プラスミド、コスミド、およびウイルス(例えばバクテリオ ファージ)でありうる。典型的には、この作用物質は本発明のDNAを宿主細胞 (例えば、細菌、酵母、高等真核生物細胞)に渡すために用いられる。ベクター は、所望の挿入物の大きさ、ならびに意図される用途に基づいて選択することが できる。特定のDNA配列の保存(例えばcDNAライブラリ中に)または特定 のDNA配列の多数のコピーの生成のためには、クローニングベクターが選択さ れるであろう。RNAの転写または翻訳してコードされるポリペプチドを生成す るためには、発現ベクターが選択されるであろう。細胞をトランスフェクトした 後、挿入DNAを含むベクタ−DNAのすべてまたは一部は、宿主細胞染色体中 に取り込まれてもよく、またはベクターは染色体外に維持されてもよい。 別の観点においては、本発明は、単離された、濃縮された、または精製された キナーゼポリペプチドに関し、ここで、チロシンキナーゼは、配列番号1−9( 図4A−Cを参照)のいずれかに対応する遺伝子によりコードされる。ポリペプ チドは、好ましくは、チロシンキナーゼのアミノ酸配列の少なくとも25個の、 より好ましくは少なくとも50アミノ酸、さらにより好ましくは少なくとも10 0アミノ酸の連続するアミノ酸を含む。最も好ましくは、ポリペプチドは、天然 分子と類似する生物学的活性を有するような、天然のキナーゼのアミノ酸配列の 十分に複製的なアミノ酸配列を含み、これには、天然分子の全長アミノ酸配列を 有するポリペプチドが含まれる。 開示される配列は対応するチロシンキナーゼ遺伝子のそれぞれの全長コード配 列を同定し提供するため、本発明はまた、既知の遺伝コードにしたがってコード されるポリペプチドのアミノ酸配列、例えば配列番号10−配列番号18(図7 A−C)に示されるようなアミノ酸配列を提供する。また、全長コード配列のす べてまたは一部を含む核酸を所有すれば、天然のチロシンキナーゼポリペプチド 上のエピトープを認識する抗体の産生が可能である。 したがって、本発明の別の観点においては、配列番号10−配列番号18のチ ロシンキナーゼポリペプチドに対して特異的結合親和性を有する抗体が提供され る。これにはポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体の両方が含まれる。 ほとんどの使用については、抗体が精製され単離されていることが有益である。 さらに、細胞培養中で抗体を製造することはしばしば有益である(すなわちモノ クローナル抗体)。したがって、本発明はまた、そのような抗体を産生するハイ ブリドーマを提供する。 さらに、本発明は、本明細書において同定されるキナーゼ遺伝子によりコード されるポリペプチド等のキナーゼポリペプチドに結合する、および/またはその 活性に影響を与える化合物を同定し分析するための試験およびスクリーニング方 法を提供する。 ”含む”とは、”含む”との単語の前にあるすべてのものを含むがこれに限定 されないことを意味する。すなわち、”含む”との用語の使用は、挙げられる要 素が必要または必須であるが、他の要素は任意であり、存在していても存在して いなくてもよいことを示す。”からなる”とは、”からなる”との用語の前にあ るすべてのものを含み、かつそれに限定されることを意味する。すなわち、”か らなる”との用語は、挙げられる要素が必要または必須であり、かつ他の要素が 存在しないことを示す。”本質的に・・・からなる”との用語は、この用語によ り規定されるすべての要素を含み、挙げられる要素について本明細書において特 定される活性または作用を妨害せず寄与しない他の要素に限定されることを意味 する。すなわち、”本質的に・・・からなる”との用語は、挙げられる要素が必 要または必須であるが、他の要素は任意であり、これらが挙げられる要素の活性 または作用に影響を及ぼすか否かに依存して、存在していても存在していなくて もよいことを示す。本発明の態様に関連して”含む”との用語を使用することは 、特定される要素”からなる”または”本質的に特定される要素からなる”態様 を含み、同様に、”本質的に・・・からなる”は、”からなる”を含むことが理 解されるべきである。 本発明の他の特徴および利点は、以下の好ましい態様の詳細な説明および特許 請求の範囲から明らかであろう。図面の簡単な説明 図1は、ヒトLMR1、LMR2およびLMR3(配列番号11、14、18 )のアミノ酸配列のアライメントおよび比較を示す。 図2は、プライマーとして用いたオリゴヌクレオチドの同定および配列を示す 。 図3Aおよび3Bは、LMR1、LMR2およびLMR3についての、ヒト正 常組織対腫瘍の発現プロファイル(ノーザンブロット)を示す。 図4は、LMR1、LMR2およびLMR3についての、ラット胚における発 現分析(インサイチオ)を提供する。 図5は、LMR1、LMR2およびLMR3についての、成人ラット脳におけ る発現分析(インサイチオ)を提供する。 図6A、6B、6C、6D、6E、6F、6G、6H、61は、以下のLMR のヌクレオチド配列を提供する;LMR1 r(ラット)、LMR1 h(ヒト )、LMR1 m(マウス)、LMR2 r(ラット)、LMR2 h(ヒト) 、LMR2 m(マウス)、LMR3 r(ラット)、LMR3 h(ヒト)、 およびLMR3 m(マウス)。 図7は、LMRのアミノ酸配列を提供する;LMR1 r(ラット)、LMR 1 h(ヒト)、LMR1 m(マウス)、LMR2 r(ラット)、LMR2 h(ヒト)、LMR2 m(マウス)、LMR3 r(ラット)、LMR3 h(ヒト)、およびLMR3 m(マウス)。好ましい態様の説明 本発明は、チロシンキナーゼ活性を有するポリペプチドをコードする哺乳動物 核酸、これらの核酸によりコードされるポリペプチド、そのような核酸を含む細 胞、組織および動物、そのようなポリペプチドに対する抗体、そのようなポリペ プチドを用いるアッセイ、および以上のすべてに関連する方法に関する。 I. クローニング、プロービングおよび配列決定 一般に、上述したように、本発明の核酸は、シグナル伝達経路の成分を特徴づ ける配列を有する哺乳動物チロシンキナーゼ類をコードする。このような核酸配 列は、多くの異なる方法により、例えば公共データベースからの配列決定されて いるが同定されていないDNAまたはRNAまたはポリペプチド配列を分析する ことにより、またはDNAライブラリ(例えばcDNAおよびゲノムライブラリ )を、そのようなキナーゼの種々のファミリーおよびサブファミリーで保存され ている配列に対する縮重プローブを用いて探索することにより、または種々のフ ァミリーおよびサブファミリーの保存配列に対する縮重プライマーを用いるPC Rに基づくクローニングにより、同定することができる。探索またはPCRに基 づくアプローチのためには、プローブまたはプライマーに対応する配列を有する 1 つまたはそれ以上のクローンが一旦同定されたならば、そのクローン中のゲノム またはcDNA挿入物を日常的な方法により少なくとも部分的に配列決定して、 クローン配列が実際にチロシンキナーゼに対応していることを確認し、全長遺伝 子を同定するユニーク配列を提供することができる。そのようなユニーク配列を 所有すれば、日常的な技術により、全長遺伝子配列が得られる。例えば、適当な プローブ配列を選択し、合成することができる。プローブを用いて、ストリンジ ェントなハイブリダイゼーション条件下でcDNAまたはゲノムライブラリを探 索し、完全な対応オープンリーディングフレームを含む配列を含むクローン(単 数または複数)を同定することができる。 同様に、異なる哺乳動物種からの特定の相同なチロシンキナーゼ配列に基づく プローブ配列を用いて、その遺伝子の対応ヒト遺伝子を検出することができる。 例えば、以下の実施例の節に記載されるように、ラット遺伝子に相補的なプロー ブを用いて、相同のヒトキナーゼ配列を同定した。このプローブは、十分にスト リンジェントな条件下で、LMR1として同定されたクローンの相同5’配列に ハイブリダイズすることができた。 同定された遺伝子のヒト、ラット、およびマウス同族体の、示された配列相同 性は、本発明が日常的な方法により他の哺乳動物同族体をも提供するものである ことを示す。例えば、本明細書に記載される遺伝子に基づいて、好ましくは高い 配列保存性を有する領域から、プローブ配列を得ることができる。そのようなプ ローブを用いて、そして必要ならば更なる縮重プローブを用いて、他の哺乳動物 種の対応する遺伝子を容易に得ることができる。ウシからの相同な遺伝子が得ら れている。 II. 遺伝子同定 上述したように、本発明のチロシンキナーゼをコードする遺伝子は、そのよう な酵素の特定のクラスに特徴的なヌクレオチド配列を有するものとして、または 先に同定された1つまたはそれ以上の他の哺乳動物種からの相同遺伝子に対応す る配列を有するものとして最初に同定された。すなわち、本発明の遺伝予および 対応する発現産物は、これまでに知られている遺伝子または蛋白質との配列相関 により、チロシンキナーゼとして区別され特徴づけられる。そのような配列比較 は、容易に入手可能なコンピュータ配列分析プログラムを用いて日常的に実施す ることができる。そのような分析は、部分配列が遺伝子および遺伝子産物を特性 決定し分類するのに十分な情報を提供するであろうため、一般には酵素について の全長ヌクレオチドまたはアミノ酸配列を必要としない。 したがって、本明細書に記載される同定方法は、新規キナーゼ遺伝子を、例え ばcDNAライブラリ中のクローン化されたヌクレオチド配列から、ならびに配 列決定されたが機能的には同定されていない遺伝子配列の配列データベース情報 から区別することを可能とする。 III. プローブおよびプライマーの構築 本発明の核酸プローブは、通常のハイブリダイゼーション方法により適当な染 色体またはcDNAライブラリを探索して、本発明の別の核酸分子を得るために 用いることができる。染色体DNAまたはcDNAライブラリは、当該技術分野 において認識されている方法にしたがって、適当な細胞から調製することができ る(例えば”Molecular Cloning:A Laboratory Manual”,第2版,Sambrook,Fritsch&Maniati s編集,Cold Spring Harbor Laboratory, 1 989を参照)。 別法においては、目的とするポリペプチのアミノ酸配列のN−末端およびC− 末端部分に対応するヌクレオチド配列を有する核酸プローブを得るために化学合 成を実施する。すなわち、合成された核酸プローブをプライマーとして用いて、 認識されているPCR技術にしたがって、本質的にPCR Protocols ,”A Guide to Methods and Application s”,Michael et al.編集,Academic Press,1 990にしたがって、適当な染色体またはcDNAライブラリを用いてポリメラ ーゼ連鎖反応(PCR)を実施し、本発明のフラグメントを得ることができる。 当業者は、本明細書に開示される配列に基づいて、当該技術分野において知ら れるコンピュータアライメントおよび配列分析の方法を用いて、そのようなプロ ーブを容易に設計することができる(例えば、”Molecular Clon ing:A Laboratory Manual”,第2版、Sambroo k,Fritsch&Maniatis編集,Cold Spring Har bor Laboratory,1989を参照)。本発明のハイブリダイゼー ションプローブは、標準的な標識技術、例えば放射性標識、酵素標識、蛍光標識 、ビオチン−アビジン標識、化学発光等を用いて標識することができる。ハイブ リダイゼーションの後、既知の方法を用いてプローブを可視化することができる 。 本発明の核酸プローブは、RNAならびにDNAプローブを含み、このような プローブは当該技術分野において知られる技術を用いて生成することができる。 核酸プローブは、固体支持体上に固定化することができる。そのような固体支持 体の例には、ポリカーボネート等のプラスチック、アガロースおよびセファロー ス等の複合炭水化物およびポリアクリルアミドおよびラテックスビーズ等のアク リル樹脂が含まれるが、これらに限定されない。核酸プローブをこのような固体 支持体にカップリングさせる技術は、当該技術分野においてよく知られている。 本発明の核酸探索方法に適した試験試料としては、例えば、細胞または細胞の 核酸抽出物、または生物学的液体が含まれる。上述の方法において用いられる試 料は、アッセイフォーマット、検出方法、およびアッセイすべき組織、細胞また は抽出物の性質により様々であろう。細胞の核酸抽出物を調製する方法は、当該 技術分野においてよく知られており、用いられる方法に適合した試料を得るため に容易に適用することができる。 IV. 開示されるキナーゼ遺伝子を検出するためのプローブに基づく方法およ びキット 試料中における開示される遺伝子の1つの存在を検出する1つの方法は、次の 工程を含む: (a)ハイブリダイゼーションが生ずるような条件下で、試料を 上述の核酸プローブと接触させ、そして(b)核酸分子に結合したプローブの存 在を検出する。当業者は、上述したように、当該技術分野において知られる技術 にしたがって核酸プローブを選択することができる。試験すべき試料には、ヒト 組織のRNA試料が含まれるが、これに限定されない。 試料中における開示される遺伝子の1つの存在を検出するためのキットは、上 述の核酸プローブを含む少なくとも1つの容器手段を含む。キットはさらに、以 下のものの1つまたはそれ以上を含む他の容器を含んでいてもよい:洗浄剤およ び結合した核酸プローブの存在を検出しうる試薬。検出試薬の例としては、放射 性標識プローブ、酵素標識プローブ(西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホ スファターゼ)、およびアフィニティー標識プローブ(ビオチン、アビジンまた はストレプトアビジン)が挙げられるが、これらに限定されない。 詳細には、区画化されたキットには、試薬が別々の容器に入れられている任意 のキットが含まれる。そのような容器には、小さいガラス容器、プラスチック容 器またはプラスチックもしくは紙のストリップが含まれる。そのような容器は、 試料および試薬が相互夾雑しないように、かつ各容器の薬剤または溶液を定量的 様式で1つの区画から他の区画に加えられるように、試薬を1つの区画から他の 区画に効率的に移すことを可能とする。このような容器には、試験試料を受け取 る容器、アッセイにおいて用いられるプローブまたはプライマーを含む容器、洗 浄試薬(リン酸緩衝食塩水、Tris緩衝液等)を含む容器、およびハイブリダ イズしたプローブ、結合した抗体、増幅された産物等を検出するために用いられ る試薬を含む容器が含まれるであろう。当業者は、本発明において記載される核 酸プローブを、当該技術分野においてよく知られている確立されたキットフォー マットの1つに容易に取り込ませることができることを容易に認識するであろう 。 V. 全長遺伝子配列の取得 当業者によく知られる方法および本発明において同定される配列の一部を用い ることにより、全長遺伝子配列を容易に得ることができる。そのような全長配列 は、相補的DNA(cDNA)配列またはゲノム配列でありうる。 プローブは、通常の考慮にしたがって、長いDNA挿入物を含有するクローン を特異的に検出するように選択することができる。好ましくは、コード配列の5 ’または3’末端でまたはその近くで配列に結合する少なくとも1つのプローブ を得る。cDNAライブラリ中のcDNAクローンの場合、ライブラリベクター は、挿入物に隣接するベクター配列をPCRプライマーとして用いて、慣用方法 による挿入物の直接増幅および便利な配列決定を可能とすることができるように 選択することができる。この工程は、しばしば全長コード配列を与えるであろう が、場合により、2つまたはそれ以上の重複するクローンを用いて全長コード配 列を構築することが必要であろう。 同様に、ゲノムライブラリを用いて全長ゲノム配列を得ることができる。しか し、この場合、ほとんどのヒト遺伝子に存在するイントロンにより付加される長 さのため、重複するクローン化配列に基づいて全長配列を構築することがしばし ば必要であろう。 VI. 発現パターン 多くのヒト遺伝子は、異なる組織中で異なるレベルで発現される。場合によっ ては、遺伝子はある細胞または組織では全く発現されず、他では高ベルで発現さ れる。すなわち、種々の組織起源からの種々の異なるヒト細胞株、ならびにいく つかの異なる正常ヒト組織を、本発明において同定されたチロシンキナーゼ遺伝 子の発現レベルについて分析した。一般に、遺伝子の発現レベルは、特異的ハイ ブリダイゼーション条件下で標識されたプローブを用いるハイブリダイゼーショ ンに基づいて、細胞中に存在する対応するメッセンジャーRNA(mRNA)の 量を測定することにより判定された。 このような分析の結果は、以下の実施例の部において議論される。これらの発 現レベルは、このような特定の酵素の機能についての理解にしたがって、開示さ れるチロシンキナーゼの1つの活性レベルの調節により影響されうる疾患および 病状のタイプを示唆する。以下に議論されるように、本発明のチロシンキナーゼ の3つは、ニューロン起源の組織においてある程度のレベルで発現される。その 1つであるLMR2は、正常組織では発現されないが、種々の癌組織において発 現される。LMR2はまた肺および卵巣腫瘍試料において高度に発現され、この ことはこのRTKがこれらの癌の増殖において役割を果たしているかもしれない ことを示唆する。 VII. 核酸配列変種 本発明の範囲に含まれるものは、本明細書に記載される単離された核酸分子の 機能的等価物である。遺伝コードの縮重は、あるコドンを、同じアミノ酸を規定 し、したがって、同じ蛋白質を生ずる他のコドンで置換することを許容する。既 知のアミノ酸はメチオニンとトリプトファンを除いて2以上のコドンでコードす ることができるため、核酸配列は実質的に多様でありうる。すなわち、開示され る遺伝子のいずれかの一部または全部を合成して、配列番号1−9のいずれかに 示されるものとは著しく異なった核酸配列を得ることができる。しかし、コード されるアミノ酸配列は保存されるであろう。 さらに、核酸配列は、少なくとも1つのヌクレオチドを、示される核酸配列ま たはその誘導体の1つの5’−末端および/または3’−末端で付加、欠失、ま たは置換することにより生ずるヌクレオチド配列を含むことができる。このよう に、任意のヌクレオチドまたはポリヌクレオチドを用いることができるが、ただ し、その付加、欠失または置換は、ヌクレオチド配列によりコードされるポリペ プチドのアミノ酸配列を変更しない。例えば、本発明は、本発明の核酸配列また はその誘導体の5’−末端にATGを開始コドンとして付加することにより得ら れる、または開示されるヌクレオチド配列またはその誘導体の3’−末端にTT A、TAGまたはTGAを終止コドンとして付加することにより得られるすべて の核酸配列を含むことを意図する。さらに、本発明の核酸分子は、必要に応じて 、その5’−末端および/または3’−末端に制限エンドヌクレアーゼ認識部位 を有していてもよい。 所定の核酸配列のこのような機能的変更は、これに融合された外来核酸配列に よりコードされる異種蛋白質の分泌および/またはプロセシングを促進する機会 を与える。したがって、開示される遺伝子のヌクレオチド配列およびそのフラグ メントの、遺伝コードにより許容されるすべての変種は本願発明に含有される。 さらに、コドンを削除するかまたは1つまたはそれ以上のコドンを縮重コドン 以外のコドンで置換して、構造的に改変されているが非改変核酸分子により生成 されるポリペプチドと実質的に同じ用途または活性を有するポリペプチドを生成 することが可能である。当該技術分野において認識されているように、2つのポ リペプチドは機能的に等価であり、核酸分子の間の相違が遺伝コードの縮重と関 係していなくても、その生成を引き起こす2つの核酸分子も機能的に等価である 。 VIII. 核酸分子を含むDNA構築物およびこれらの構築物を含有する細胞 本発明はまた、宿主細胞において転写を開始するのに有効なプロモーターおよ び上述の核酸分子を5’から3’方向に含む組換えDNA分子に関する。さらに 、本発明は、ベクターおよび上述の核酸分子を含む組換えDNA分子に関する。 本発明はまた、細胞において機能的な転写領域、上述のポリペプチドに対応する ア ミノ酸配列をコードするmRNA配列に相補的な配列、および前記細胞において 機能的な転写終止領域を含む核酸分子に関する。上述の分子は、単離されたおよ び/または精製されたDNA分子でありうる。 本発明はまた、上述の核酸分子を含み、このことによりペプチドを発現しうる 細胞または生物に関する。ポリペプチドは、ポリペプチドを発現するよう変更さ れている細胞から精製することができる。細胞が、遺伝的操作によって、この細 胞が通常は産生しない蛋白質または通常は低いレベルで産生する蛋白質を産生す るように作成されるとき、細胞は、”所望のポリペプチドを発現するよう変更さ れる”と言われる。当業者は、ゲノム、cDNA、または合成配列を真核生物ま たは原核生物細胞内に導入し発現させる方法を容易に適用することができる。 核酸分子、例えばDNAは、転写および翻訳制御情報を含むヌクレオチド配列 を含有し、かつそのような配列がポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に ”動作可能なように連結”されている場合、ポリペプチドを”発現しうる”と言 われる。動作可能な連結とは、制御DNA配列および発現が求められるDNA配 列が、遺伝子配列の発現を許容するように接続されている連結である。遺伝子配 列の発現に必要な制御領域の詳細な性質は生物によって異なるであろうが、一般 には、プロモーター領域は、原核生物においてはプロモーター(これはRNA転 写の開始を指示する)ならびにRNAに転写されたときに合成開始を指示するD NA配列を含む。そのような領域は、通常は、転写および翻訳の開始に関与する 5’−非コード配列、例えばTATAボックス、キャピング配列、CAAT配列 等を含む。 所望ならば、開示される遺伝子のいずれかのコード配列の3’側の非コード領 域を上述の方法により得ることができる。この領域は、終止およびポリアデニル 化等の転写終止制御配列を保持することができる。すなわち、開示される遺伝子 の1つをコードするDNA配列に天然に連続する3’−領域を保持することによ り、転写終止シグナルを与えることができる。転写終止シグナルが発現宿主細胞 において十分に機能的ではない場合、宿主細胞において機能的な3’領域で置き 換えることができる。 2つのDNA配列(例えばプロモーター領域配列およびコード配列)は、2つ のDNA配列の間の連結の性質が、(1)フレームシフト変異を導入しない、( 2)プロモーター領域配列が遺伝子配列の転写を指示する能力を妨害しない、ま たは(3)遺伝子配列がプロモーター領域配列により転写される能力を妨害しな い、である場合、動作可能なように連結されていると言われる。すなわち、プロ モーター領域は、プロモーターがそのDNA配列の転写を行うことができる場合 、DNA配列に動作可能なように連結されている。すなわち、開示される遺伝子 の1つを発現させるためには、適当な宿主により認識される転写および翻訳のシ グナルが必要である。 本発明は、開示される遺伝子(またはその機能的誘導体)の1つを原核生物ま たは真核生物細胞のいずれかにおいて発現させることを包含する。原核生物宿主 は一般に、組換え蛋白質の製造に非常に有効かつ便利であり、したがって、開示 される遺伝子の1つについて好ましい発現系の1種である。原核生物は、非常に しばしばE.coliの種々の株で代表される。しかし、他の細菌株を含む他の 微生物株も用いることができる。 原核生物系においては、宿主と適合性のある種に由来する複製部位および制御 配列を含むプラスミドベクターを用いることができる。適当なプラスミドベクタ ーの例には、pBR322、pUC118、pUC119等が含まれ;適当なフ ァージまたはバクテリオファージベクターには、ラムダgt10、ラムダgt1 1等が含まれ、適当なウイルスベクターには、pMAM−neo、pKRC等が 含まれる。好ましくは、本発明の選択されたベクターは、選択された宿主細胞中 において複製する能力を有する。 認められている原核生物宿主には、E.coli、Bacillus、Str eptomyces、Pseudomonas、Salmonella、Ser ratia等の細菌が含まれる。しかし、このような条件下で、ペプチドはグリ コシル化されないであろう。原核生物宿主は発現プラスミド中のレプリコンおよ び調節配列と適合性がなければならない。 開示される遺伝子の1つ(またはその機能的誘導体)を原核生物細胞中で発現 させるためには、コード配列を機能的原核生物プロモーターに動作可能なように 連結する。そのようなプロモーターは、構成的であってもよく、より好ましくは 制御可能である(すなわち、誘導可能または脱抑制可能)。構成的プロモーター の例には、バクテリオファージラムダのintプロモーター、pBR322のべ ータ−ラクタマーゼ遺伝子配列のblaプロモーター、およびpPR325のク ロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子配列のCATプロモータ ー等が含まれる。誘導可能な原核生物プロモーターの例には、バクテリオファー ジラムダの主要右および左プロモーター(PLおよびPR)、E.Coliのt rp、recA、ベータlacZ、lacI,およびgalプロモーター、ベー ターアミラーゼ(Ulmanen et al.,J Bacteriol. 162:176−182(1985))およびB.subtilisの(−28 −特異的プロモーター(Gilman et al.,Gene Sequen ce 32:11−20(1984))、バチラスのバクテリオファージのプロ モーター(Gryczan,The Molecular Biology o fthe Bacilli,Academic Press,Inc.,NY( 1982))、および放線菌プロモーター(Ward et al.,Mol. Gen.Genet.203:468−478(1986))が含まれる。原核 生物プロモーターは、Glick(J.Ind.Microbiot.1:27 7−282(1987));Cenatiempo(Biochimie 68 :505−516(1986));およびGottesman(Ann.Rev .Genet.18:415−442(1984))により論評されている。 原核生物細胞における正しい発現にはまた、遺伝子配列をコードする配列の上 流に、リボソーム結合部位の存在が必要である。そのようなリボソーム結合部位 は、例えば、Gold et al. (Ann.Rev.Microbiol .35:365−404(1981))に開示されている。調節配列、発現ベク ター、形質転換方法等の選択は、遺伝子を発現させるために用いられる宿主細胞 のタイプに依存する。本明細書において用いられてる場合、”細胞”、”細胞株 ”、および”細胞培養物”は、互いに交換可能なように用いられ、すべてのその ような呼称は子孫を含む。すなわち、”形質転換体”または”形質転換された細 胞”との用語は、移動(transfer)の数に関わらず、初代対象細胞およ びそれに由来する培養物を含む。すべての子孫は、意図的なまたは偶然の変異の ため、 DNA含有物が精密に同一ではないかもしれないことが理解されるであろう。し かし、定義されるように、変異体子孫は、最初に形質転換された細胞と同じ機能 性を有する。 本発明の発現系において用いられる宿主細胞は、厳密に限定されるものではな いが、ただし所望のペプチドの発現に適したものである。適当な宿主は、しばし ば、真核生物細胞を含む。好ましい真核生物宿主には、例えば、インビボまたは 組織培養中の、酵母、カビ、昆虫細胞、哺乳動物細胞が含まれる。宿主として有 用でありうる哺乳動物細胞には、HeLa細胞、繊維芽細胞起源の細胞、例えば VEROまたはCHO−K1、またはリンパ球起源の細胞およびそれらの誘導体 が含まれる。好ましい哺乳動物宿主細胞には、SP2/0およびJ558L、な らびに神経芽細胞種細胞株、例えばIMR332が含まれ、これらは正しい翻訳 後プロセシングに関してよりよい能力を提供するであろう。 さらに、植物細胞もまた宿主として利用可能であり、植物細胞に適合可能な調 節配列、例えば、カリフラワーモザイクウイルス35Sおよび19S、およびノ パリンシンターゼプロモーターおよびポリアデニル化シグナル配列が利用可能で ある。別の好ましい宿主は、昆虫細胞、例えばDrosophila larv aeである。昆虫細胞を宿主として用いる場合、Drosophilaアルコー ルデヒドロゲナーゼプロモーターを用いることができる(Rubin,Scie nce 240:1453−1459(1988))。あるいは、バキュロウイ ルスベクターを遺伝子操作して、所望の遺伝子の1つを昆虫細胞中で大量に発現 させることができる(Jasny、Science 238:1653(198 7);Miller et al.,Genetic Engineering (1986),Setlow,J.K.,et al.,eds.,Plenu m,Vol.8,pp.277−297)。 酵母をグルコースの豊富な培地中で成長させるときに大量に産生される解糖系 酵素をコードする、活発に発現される遺伝子配列からのプロモーターおよび終止 要素を取り込んだ一連の酵母遺伝子配列発現系のいずれも用いることができる。 既知の解糖系遺伝子配列はまた非常に効率的な転写制御シグナルを提供すること ができる。酵母は、翻訳後ペプチド修飾をも実施することができる点において、 実質的な利点を提供する。強いプロモーター配列および高いコピー数のプラスミ ドを用いる多数の組換えDNA戦略が存在し、所望の蛋白質を酵母中で発現させ るためにこれらを用いることができる。酵母は、クローン化された哺乳動物遺伝 子配列産物中のリーダー配列を認識し、リーダー配列を有するペプチド(すなわ ちプレ−ペプチド)を分泌する。哺乳動物宿主については、開示される遺伝子の 1つの発現のために、いくつかの可能なベクター系が利用可能である。 宿主の性質に依存して、広範な種類の転写および翻訳制御配列を用いることが できる。転写および翻訳制御シグナルは、アデノウイルス、ウシパピローマウイ ルス、サイトメガロウイルス、サルウイルス等の、ウイルス起源に由来するもの でもよい。この場合、制御シグナルは、高いレベルの発現を有する特定の遺伝子 配列と関連している。あるいは、哺乳動物発現産物、例えばアクチン、コラーゲ ン、ミオシン等からのプロモーターを用いることができる。転写開始制御シグナ ルは、遺伝子配列の発現を調節しうるように、抑制または活性化を可能とするよ うに選択することができる。興味あるものは、温度を変化させることにより発現 を抑制または開始させるような温度感受性、または化学的に(代謝物等)制御さ れる制御シグナルである。 開示される遺伝子の1つの真核生物宿主における発現には、真核生物制御領域 の使用が必要である。このような領域は、一般に、RNA合成の開始を指示する のに十分なプロモーター領域を含む。好ましい真核生物プロモーターには、例え ば、マウスメタロチオネインI遺伝子配列のプロモーター(Hamer et al.,J.Mol.Appl.Gen.1:273−288(1982)); ヘルペスウイルスのTKプロモーター(McKnight,Cell 31:3 55−365(1982));SV40初期プロモーター(Benoist e t al.,Nature(London)290:304−310(1981 ));酵母gal4遺伝子配列プロモーター(Johnston et al. ,Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)79:6971−697 5(1982);Silver et al.,Proc.Natl.Acad .Sci.(USA)81:5951−5955(1984))が含まれる。 真核生物mRNAの翻訳は、最初のメチオニンをコードするコドンで開始され る。この理由のため、真核生物プロモーターと、キナーゼ(またはその機能的誘 導体)をコードするDNA配列との間の結合が、メチオニンをコードしうる介在 コドン(すなわちAUG)を含まないことを確実にすることが好ましい。そのよ うなコドンの存在は、融合蛋白質(AUGコドンがコード配列と同じリーディン グフレームにある場合)またはフレームシフト変異(AUGコドンがコード配列 と同じリーディングフレームにない場合)のいずれかを引き起こす。 核酸分子および動作可能なように連結されたプロモーターは、非複製DNA( またはRNA)分子として、受容原核生物または真核生物細胞に導入することが でき、これは線状分子であってもよく、または好ましくは閉じた共有環状分子で あってもよい。このような分子は自動複製をすることができないため、遺伝子の 発現は導入された配列の過渡的発現により生ずるであろう。あるいは、導入され たDNA配列の宿主染色体中へのインテグレーションにより、永久発現が生ずる かもしれない。 所望の遺伝子配列を宿主細胞染色体中にインテグレートしうるベクターを用い ることができる。その染色体中に導入されたDNAを安定にインテグレートして 有する細胞は、発現ベクターを含有する宿主細胞の選択を可能とする1つまたは それ以上のマーカーをも導入することにより、選択することができる。マーカー は、栄養要求性宿主への栄養、抗生物質等の殺生物剤または銅等の重金属に対す る耐性を与えることができる。選択マーカー遺伝子配列は、発現すべきDNA遺 伝子配列に直接連結してもよく、またはコトランスフェクションにより同じ細胞 に導入してもよい。一本鎖の結合蛋白質mRNAの最適な合成にはさらなる要素 が必要であろう。これらの要素には、スプライシングシグナル、ならびに転写プ ロモーター、エンハンサー、および終止シグナルが含まれる。このような要素を 取り込んだcDNA発現ベクターには、Okayama(Molec.Cell .Biol.3:280(1983))により記載されたものが含まれる。 導入された核酸分子は、受容宿主において自動複製可能なプラスミドまたはウ イルスベクター中に取り込むことができる。広範な種類のベクターの任意のもの をこの目的に用いることができる。特定のプラスミドまたはウイルスベクターを 選択する上で重要な因子には、ベクターを含む受容細胞をベクターを含まない受 容細胞から認識し選択することの容易さ;特定の宿主中において所望されるベク ターのコピー数;およびベクターを異なる種の宿主細胞間で”シャトル”しうる ことが望ましいか否かが含まれる。 好ましい原核生物ベクターには、E.coli中で複製可能なプラスミド等の プラスミドが含まれる(例えば、pBR322、ColE1、pSC101,p ACYC184、”VX)。このようなプラスミドは、例えば、Sambroo k(例えば”Molecular Cloning:A Laboratory Manual”,第2版,Sambrook,Fritsch&Maniati s編集,Cold Spring Harbor Laboratory(19 89)を参照)により開示されている。バチラスプラスミドには、pC194、 pC221、pT127等が含まれる。このようなプラスミドは、Grycza n(The Molecular Biology of the Bacil li,Academic Press,NY(1982),pp.307−32 9)により開示されている。適当な放線菌プラスミドには、p1J101(Ke ndall et al.,J Bacteriol.169:4177−41 83(1987)),およびC31(Chater et al.,Sixth International Symposium on Actinomy cetales Biology,Akademiai Kaido,Buda pest,Hungary(1986),pp.45−54)等の放線菌バクテ リオファージが含まれる。シュードモナスプラスミドは、John et al .(Rev.Infect.Dis.8:693−704(1986))、およ びIzaki(Jpn.J Bacteriol.33:729−742(19 78))により論評されている。 好ましい真核生物プラスミドには、例えば、BPV、ワクシニア、SV40、 2−ミクロン環等、またはこれらの誘導体が含まれる。このようなプラスミドは 当該技術分野においてよく知られている(Botstein et al.,M iami Wntr.Symp.19:265−274(1982);Broa ch,”The Molecular Biology of the Yea st Saccharomyces:Life Cycle and Inhe ritance”,Cold Spring Harbor Laborato ry,Cold Spring Harbor,NY,p.445−470(1 981);Broach,Cell 28:203−204(1982);Bo llon et al.,J Ctin.Hematol.Oncol.10: 39−48(1980);Maniatis,Cell Biology:A C omprehensive Treatise,Vol.3,Gene Seq uence Expression,Academic Press,NY,p p.563−608(1980)。 構築物を含有するベクターまたは核酸分子が一旦発現用に調製されたら、種々 の適当な手段のいずれか、例えば形質転換、トランスフェクション、コンジュゲ ーション、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、粒子銃技術、リン酸 カルシウム沈殿、直接マイクロインジェクション等により、DNA構築物を適当 な宿主細胞中に導入する。ベクターを導入した後、ベクターを含有する細胞の成 長を選択する選択培地中で受容細胞を成長させる。クローン化遺伝子分子の発現 は、コードされるアミノ酸配列の生成を引き起こす。これは形質転換した細胞に おいてそのまま起こりうるが、これらの細胞を誘導して分化させた後に行うこと もできる(例えば、神経芽細胞種の細胞にブロモデオキシウラシルを投与するこ とによる等)。本発明のペプチドを形成するために、種々のインキュベーション 条件を用いることができる。最も好ましい条件は、生理学的条件を模倣するもの である。 IX. 精製されたポリペプチド 当該技術分野において知られる種々の方法論を用いて、本発明のペプチドを得 ることができる。ペプチドは、天然にペプチドを産生する組織または細胞から精 製してもよい。あるいは、上述の単離された核酸フラグメントを用いて、キナー ゼ蛋白質を任意の生物中で発現させることができる。本発明の試料には、細胞、 細胞の蛋白質抽出物または膜抽出物、または生物学的液体が含まれる。試料は、 アッセイフォーマット、検出方法および試料として用いられる組織、細胞または 抽出物の性質により様々であろう。 起源生物が天然に本発明のペプチドを含有する限り、任意の真核生物を本発明 のペプチドの起源として用いることができる。本明細書において用いられる場合 、“起源生物”とは、その生物中でサブユニットが発現される生物、および最終 的にその生物から単離される生物にかかわらず、サブユニットのアミノ酸配列が その生物に由来する元の生物を表す。 当業者は、天然の夾雑物を含まずにペプチドを得るために、蛋白質を単離する ための既知の方法に容易にしたがうことができる。これらには、サイズ排除クロ マトグラフィー、HPLC、イオン交換クロマトグラフィー、およびイムノアフ ィニティークロマトグラフィーが含まれるが、限定されるものではない。 X. キナーゼポリペプチドに対して結合親和性を有する抗体および該抗体を含 むハイブリドーマ 本発明は、同定されたチロシンキナーゼポリペプチドの1つに対して結合親和 性を有する抗体に関する。ポリペプチドは、配列番号10−配列番号18に示さ れるアミノ酸配列、またはその機能的誘導体、またはその少なくとも9個の連続 するアミノ酸(好ましくは、その少なくとも20、30、35、または40個の 連続するアミノ酸)を有することができる。 本発明はまた、開示される遺伝子の1つによりコードされるポリペプチドに対 して特異的結合親和性を有する抗体に関する。このような抗体は、特定のコード されるポリペプチドに対する抗体の結合親和性を別のポリペプチドに対するその 結合親和性と比較することにより単離することができる。特定のコードされるポ リペプチドに選択的に結合する抗体を、その特定のポリペプチドと他のポリペプ チドとを区別することを必要とする方法において用いるために選択することがで きる。このような方法は、他のポリペプチドを含有する組織における特定のポリ ペプチドの変化した発現の分析を含みうるが、これに限定されない。 本発明のチロシンキナーゼ蛋白質は、種々の手順および方法、例えば抗体の生 成、医薬組成物の同定における使用、およびDNA/蛋白質相互作用の研究にお いて用いることができる。 本発明のペプチドを用いて、抗体またはハイブリドーマを製造することができ る。当業者は、抗体が望まれる場合、そのようなペプチドを本明細書に記載され るように生成し、免疫原として用いることができることを認識するであろう。本 発明の抗体には、モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体、ならびにこれ らの抗体のフラグメント、およびヒト化形態が含まれる。本発明の抗体のヒト化 形態は、キメラ化またはCDRグラフト等の、当該技術分野において知られる方 法の1つを用いて生成することができる。本発明はまた、上述のモノクローナル 抗体またはその結合フラグメントを産生するハイブリドーマに関する。ハイブリ ドーマは特定のモノクローナル抗体を分泌することができる不死化細胞株である 。 一般に、モノクローナル抗体およびハイブリドーマを調製する技術は当該技術 分野においてよく知られている(Campbell、” Monoclonal Antibody Technology:Laboratory Tech niques in Biochemistry and Molecular Biology”,Elsevier Science Publisher s,Amsterdam,The Netherlands(1984);St .Groth et al.,J Immunol.Methods 35:1 −21(1980))。抗体を産生することが知られている任意の動物(マウス 、ウサギ等)を、選択されたポリペプチドで免疫感作することができる。免疫感 作の方法は当該技術分野においてよく知られている。このような方法には、ポリ ペプチドの皮下または腹膜内注射が含まれる。当業者は、免疫感作に用いるポリ ペプチドの量が、免疫感作される動物、ポリペプチドの免疫原性、および注射部 位により様々であることを認識するであろう。 ポリペプチドは、ペプチドの抗原性を増加させるために、修飾するかまたはア ジュバント中で投与することができる。ポリペプチドの抗原性を増加させる方法 は当該技術分野においてよく知られている。このような方法には、抗原を異種蛋 白質(例えばグロビンまたはβ−ガラクトシダーゼ)とカップリングさせること 、または免疫感作の間にアジュバントを含有させることが含まれる。 モノクローナル抗体については、免疫した動物からの脾臓細胞を除去し、ミエ ローマ細胞、例えばSP2/0−Agl4ミエローマ細胞と融合させ、モノクロ ーナル抗体産生ハイブリドーマ細胞となるようにする。当該技術分野においてよ く知られている多くの方法の任意のものを用いて、所望の特性を有する抗体を産 生するハイブリドーマ細胞を同定することができる。これらには、ハイブリドー マをELISAアッセイ、ウエスタンブロット分析、またはラジオイムノアッセ イ(Lutz et al.,Exp.Cell Res.175:109−1 24(1988))でスクリーニングすることが含まれる。所望の抗体を分泌す るハイブリドーマをクローニングし、当該技術分野において知られる方法を用い てクラスおよびサブクラスを決定する(Campbell,”Monoclon al Antibody Technology:Laboratory Te chniques in Biochemistry and Molecul ar Biology”,上掲(1984))。 ポリクローナル抗体については、免疫した動物から抗体を含有する抗血清を単 離し、上述の方法の1つを用いて、所望の特異性を有する抗体の存在についてス クリーニングする。上述の抗体は、検出可能なように標識することができる。抗 体は、放射性同位体、アフィニティー標識(例えば、ビオチン、アビジン等)、 酵素標識(例えば西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ等)、 蛍光標識(例えばFITCまたはローダミン等)、常磁性原子等を用いることに より、検出可能なように標識することができる。このような標識を行う方法は当 該技術分野においてよく知られており、例えば、以下のものを参照されたい(S temberger et al.,J.Histochem.Cytoche m.18:315(1970);Bayer et al.,Immumnol .109:129(1972);Goding,J Immunol.Meth .13:215(1976))。標識された本発明の抗体は、インビトロ、イン ビボおよびインサイチオアッセイにおいて用いて、特定のペプチドを発現する細 胞または組織を同定することができる。 上述の抗体はまた、固体支持体上に固定化してもよい。そのような固体支持体 の例には、ポリカーボネート等のプラスチック、アガロースおよびセファロース のような複合炭水化物、ポリアクリルアミドおよびラテックスビーズなどのアク リル樹脂が含まれる。抗体をそのような固体支持体にカップリングさせる技術は 、当該技術分野においてよく知られている(Weir et al.,”Han dbook of Experimental Immunology”4th Ed.,Blackwell Scientific Publication s,Oxford,England.Chapter 10(1986);Ja coby et al.,Meth.Enzym.34,Academic P ress,N.Y.(1974))。本発明の固定化された抗体は、インビトロ 、インビボおよびインサイチオアッセイ、ならびに免疫クロマトグラフィーにお いて用いることができる。 さらに、当業者は、現在利用可能な方法ならびに抗体に関して上述した技術、 方法およびキットを容易に適用して、合理的に設計された抗ペプチド−ペプチド を生成するために、特定のペプチド配列に結合しうるペプチドを生成することが できる。例えば、Hurby et al.,”Application of Synthetic Peptides:Antisense Peptide s”,In Synthetic Peptides,A User’s Gu ide,W.H.Freeman,NY,pp.289−307(1992), およびKaspczak et al.,Biochemistry 28:9 230−8(1989)を参照されたい。 抗ペプチド−ペプチドは、開示される遺伝子の1つによりコードされるペプチ ド配列中に見いだされる塩基性アミノ酸残基を、疎水性および非荷電極性基を維 持しながら、酸性残基で置き換えることにより生成することができる。例えば、 リジン、アルギニンおよび/またはヒスチジン残基をアスパラギン酸またはグル タミン酸で置き換え、グルタミン酸残基をリジン、アルギニンまたはヒスチジン で置き換える。 XI. 抗体に基づく方法およびキット 本発明は、(a)試料を免疫複合体が形成するような条件下で上述の抗体と接 触させ、そして(b)ポリペプチドに結合した前記抗体の存在を検出することに より、試料中の、開示される遺伝子の1つによりコードされるポリペプチドを検 出する方法を包含する。詳細には、該方法は、試験試料を1つまたはそれ以上の 本発明の抗体とともにインキュベートし、抗体が試験試料に結合するか否かをア ッセイすることを含む。試料中のキナーゼの、正常レベルと比較して変化したレ ベルは、疾患を表すであろう。 抗体を試験試料とともにインキュベートする条件は様々である。インキュベー ト条件は、アッセイにおいて用いられるフォーマット、用いられる検出方法、お よびアッセイにおいて用いられる抗体のタイプおよび性質に依存する。当業者は 、慣用的に利用可能な免疫学的アッセイフォーマット(例えばラジオイムノアッ セイ、酵素結合イムノソルベントアッセイ、拡散系オクタロニー、またはロケッ ト免疫蛍光アッセイ)の任意のものを容易に適用して、本発明の抗体を用いるこ とができることを認識するであろう。 このようなアッセイの例は、Chard,”An Introduction to Radioimmunoassay and Related Tech niques”,Elsevier Science Publishers, Amsterdam,The Netherlands(1986);Bull ock et al.,”Techniques in Immunocyto chemistry”,Academic Press,Orlando,FL Vol.1(1982),Vol.2(1983),Vol.3(1985); Tijssen,”Practice and Theory of Enzy me Immunoassays:Laboratory Technique s in Biochemistry and Molecular Biol ogy”,Elsevier Science Publishers,Ams terdam,The Netherlands(1985)に見られる。 本発明の免疫学的アッセイ試験試料には、細胞、蛋白質または細胞の膜抽出物 、または血液、血清、血漿、または尿等の生物学的液体が含まれる。上述の方法 において用いられる試験試料は、アッセイフォーマット、検出方法、およびアッ セイすべき試料として用いられる組織、細胞または抽出物の性質により様々であ ろう。細胞の蛋白質抽出物または膜抽出物を調製する方法は当該技術分野におい てよく知られており、用いられる系に適合しうる試料を得るために、容易に適用 することができる。 キットは、先に記載した検出の方法を実施するために必要な試薬のすべてを含 む。キットは、(i)上述の抗体を含む第1の容器手段、および(ii)抗体の 結合パートナーおよび標識を含むコンジュゲートを含む第2の容器手段を含むこ とができる。別の好ましい態様においては、キットはさらに、洗浄試薬および結 合した抗体の存在を検出しうる試薬の1つまたはそれ以上を含む1つまたはそれ 以上の他の容器を含む。 検出試薬の例には、標識二次抗体が含まれるが、これに限定されるものではな く、あるいはまた、一次抗体が標識されている場合、標識された抗体と反応する ことができる発色団、酵素、または抗体結合試薬が含まれる。区画化されたキッ トは、核酸プローブキットについて上述したとおりである。当業者は、本発明に おいて記載される抗体を、当該技術分野においてよく知られた確立されたキット フォーマットの1つの中に容易に取り込ませることができることを容易に認識す るであろう。 XII.同定されたRTKと相互作用する化合物の単離 本発明は、化合物とポリペプチドをインキュベートし、ポリペプチドに結合し た化合物の存在を検出することによる、同定されたキナーゼ遺伝子の一つからの RTKポリペプチドヘ結合できる化合物の検出法にも関している。化合物は複雑 な混合物、例えば、血清、体液または細胞抽出液内に存在していてもよい。結合 アッセイ法には、標識された既知の結合化合物に対する試験化合物または化合物 混合物の影響が決定される競合結合アッセイを含む種々の異なった様式が存在す る。他の様式としてはレセプター活性化の検出、標識されたまたは分光学的に検 出可能な試験化合物のキナーゼに対する結合の検出が含まれる。特定のキナーゼ が天然に膜結合されているかまたは細胞質に遊離しているかに依存して、結合ア ッセイは単離された膜で、そのままの細胞で、または細胞および膜を含まない溶 液で、または固形支持体に結合させて実施されるであろう。加えて、膜結合キナ ーゼは、膜貫通部分を除去するようなことによりしばしば膜を除くことができ、 結合は溶液中または固形支持体に結合されてアッセイされる。 本発明はまた、化合物存在下で特定のRTKを産生する細胞をインキュベート し、特定のRTKの活性またはRTK結合パートナー活性のレベル変化を検出す ることによる、RTKのアゴニストまたはアンタゴニスト活性またはRTK結合 パートナー活性を検出する方法にも関している。そのようにして同定された化合 物は化合物存在の指標である活性変化を生み出すであろう。化合物は複雑な混合 物、例えば、血清、体液または細胞抽出液内に存在していてもよい。化合物が一 度同定されたら、それは本分野でよく知られている技術を用いて単離できる。 本発明はまた、アゴニズムまたはアンタゴニズムに影響する十分な量で哺乳類 に特定のRTKに対するアゴニストまたはアンタゴニストを投与することによる 、哺乳類中の特定のRTKに付随する活性をアゴナイズする(刺激する)または アンタゴナイズする方法も包含している。RTKに付随する機能をアゴナイズま たはアンタゴナイズするのに十分な量で哺乳類にアゴニストまたはアンタゴニス トを投与することによる、特定のRTKに関する活性のアゴニストまたはアンタ ゴニストで哺乳類の疾患を処置する方法も本発明に含まれている。 XIII.トランスジェニック動物 本発明に関連したトランスジェニック動物の生産には種々の方法が利用可能で ある。オスおよびメス前核融合の前にDNAは受精卵の前核内に注入でき、また は細胞分割後の胚細胞の前核(例えば、二細胞胚の前核)内に注入できる(Br inster et al.,Proc.Nat.Acad.Sci.USA 82:4438−4442(1985))。胚は本発明のウイルス(特にレテロ ウイルス)で感染でき、無機イオンレセプターヌクレオチド配列を運ぶように修 飾される。 胚の内部細胞塊から誘導され、培養で安定化された多分化能性幹細胞は培養で 本発明のヌクレオチド配列を取り込むように操作できる。そのような細胞を胚盤 胞内へ移植し、それを偽母内へ移植して出産させることによりトランスジェニッ ク動物が生産できる。トランスジェニック実験に適した動物はCharles River(Wilmington,MA)、Taconic(Germant own,NY)、Harlan Sprague Dawley(Indian apolis,IN)その他の普通の商業的供給源から入手可能である。 齧歯類胚の操作および接合体の前核内へのDNAのマイクロインジェクション の方法は当業者にはよく知られている(Hogan et al.,前記文献) 。魚、両生類卵および鳥類のためのマイクロインジエクション法はHoudeb ine and Chourrout,Experientia 47:897 −905(1991)に詳述されている。動物の組織内へDNAを導入する他の 方法が米国特許第4,945,050号(Sandfordら、1990年7月 3 0日)に記載されている。 例示のためのみに示すのであるが、トランスジェニックマウスを製造するには メスを過排卵に誘導する。メスをオスとともに置き、交尾したメスをCO2窒息 または断頭により殺して切除した卵管から胚を回収する。取り囲んでいる卵丘細 胞を取り除く。前核胚は次に洗浄し、インジェクションの時まで保存する。不定 周期の成体メスマウスを精管切除したオスと対にする。受容メスは供与メスと同 じ時に交尾させる。胚は手術により移される。トランスジェニックラットを発生 させる方法はマウスと同様である。Hamrner et al.,Cell 63:1099−1112(1990)を参照されたい。 胚幹(ES)細胞を培養し、続いてエレクトロポレーション、リン酸カルシウ ム/DNA沈殿および直接的注入のような方法を用いたES細胞内へのDNA導 入によるトランスジェニック動物の製造も当業者にはよく知られている。例えば 、Teratocarcinomas and Embryonic Stem Cells,A Practical Approach,E.J.Robe rtson編,IRL Press(1987)。 ランダム遺伝子組込みが含まれる場合、本発明の配列を含んでいるクローンは 耐性をコードしている遺伝子と同時にトランスフェクトされる。もしくは、ネオ マイシン耐性をコードしている遺伝子が本発明の配列に物理的に連結される。所 望のクローンのトランスフェクションおよび単離は、当業者にはよく知られてい るいくつかの方法の一つにより実施される(E.J.Robertson、上記 文献)。 ES細胞内へ導入されたDNA分子は相同的組換えの過程を通して染色体内へ 組込むこともできる。Capecchi,Science 244:1288− 1292(1989)。組込みの陽性選択(即ちneo耐性)および二重陽性− 陰性選択(即ちneo耐性およびガンシクロビル耐性)および続いてのPCRに よる所望のクローンの同定のための方法はCapecchi(前記文献)および Joyner et al.,Nature 338:153−156(198 9)に記載されており、それらの教えは本明細書において援用される。本方法の 最後の段階は胚盤胞内への標的化されたES細胞の注入および偽妊娠メスへの胚 盤胞の移送である。得られたキメラ動物を繁殖させ、子孫は導入遺伝子を運んで いる個体を同定するためにサザンブロッティングにより分析する。非齧歯類哺乳 類および他の動物生産のための方法は別のところに記載されている。Houde bine and Chourrout(前記文献);Pursel et a l.,Science 244:1281−1288(1989)およびSir nms et al.,Bio/Technology 6:179−183( 1988)を参照されたい。 このように、本発明は開示されている遺伝子の一つによりコードされているポ リペプチドをコードしている導入遺伝子、またはそのようなポリペプチドの発現 に影響している遺伝子を含むトランスジェニック非ヒト哺乳類を提供する。その ようなトランスジェニック非ヒト哺乳類は、そのようなポリペプチドを導入する 、そのようなポリペプチドの発現を調節する(即ち、追加の遺伝子、アンチセン ス核酸またはリボザイムの導入を通して)影響を研究するためのインビボ試験系 として特に有用である。 ”トランスジェニック動物”とは、人工的に細胞内へ挿入され、動物のゲノム の一部となり、細胞から発現されるDNAを含む細胞を持っている動物である。 好適なトランスジェニック動物は霊長類、マウス、ラット、ウシ、ブタ、ウマ、 ヤギ、ヒツジ、イヌおよびネコである。トランスジェニックDNAは、開示され ている遺伝子の一つによりコードされているヒトポリペプチドをコードしていて もよい。動物における天然の発現は、レセプターの発現を減少させるのに有効量 のアンチセンスRNAまたはDNAを提供することにより減少するであろう。 XIV.遺伝子治療 開示された遺伝子に対応する遺伝子配列はまた遺伝子治療(Miller,N ature 357:455−460,(1992)に概説されている)にも有 用であろう。Millerは実用的な最初の結果を示したヒト遺伝子治療へ実際 に応用されるまでに進歩したことを述べている。遺伝子治療の基本的科学はMu lligan,Science 260:926-931,(1993)に記載 されている。 一つの好適な態様において、開示された遺伝子の一つのコード配列を含んでい る発現ベクターが細胞内へ挿入され、細胞はインビトロで増殖され、多数の細胞 が患者に注入された。別の好適な態様においては、選択されたプロモーター(例 えば、強力なプロモーター)を含んでいるDNAセグメントが、開示された遺伝 子の一つの内在性コピーを含んでいる細胞内へ、プロモーターセグメントが内在 性遺伝子の発現を促進するような様式で細胞内へ導入される(例えば、プロモー ターセグメントは内在性遺伝子へ直接連結する様に細胞へ導入される)。 遺伝子治療は、腫瘍を標的とした開示された遺伝子の一つに対応するcDNA を含んでいるアデノウイルスの使用、遺伝子工学処理した細胞の移植による開示 された遺伝子の一つの発現の全身的増加、開示された遺伝子の一つの組換え型を 持つウイルスの注射、または開示された遺伝子の一つの裸のDNAの適当な組織 への注射を含んでいるであろう。 標的細胞集団は蛋白質複合体の活性を調節するために、蛋白質複合体の一つま たはそれ以上の成分の改変形を導入することにより修飾されてもよい。例えば、 標的細胞内の複合体成分活性を減少または阻害させることにより、ある状態へ導 く異常なシグナル伝達を減少、阻害または反転させるであろう。蛋白質複合体の 他の成分と相互作用する活性は保持しているが、シグナル伝達に機能することが できない成分の欠失またはミスセンス突然変異体は異常な、有害なシグナル伝達 を阻害するために使用できるであろう。 レトロウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス 、ヘルペスウイルス、いくつかのRNAウイルス、またはウシパピローマウイル スのようなウイルスから誘導される発現ベクターは、組換え体蛋白質をコードし ているヌクレオチド配列(例えば、cDNA)を標的細胞集団(例えば、腫瘍細 胞)内へ送達するために使用されるであろう。当業者にはよく知られている方法 がコード配列を含んでいる組換え体ウイルスベクターを構築するために使用でき る。例えば、Maniatis et al.,Molecular Clon ing:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,N.Y.(1989)およびAusubel et al.,Current Protocols in Molecul ar Biology,Greene Publishing Associa tes and Wiley Interscience,N.Y.(1989)に記載 されている技術を参照されたい。もしくは、蛋白質配列をコードしている組換え 体核酸分子は裸のDNAとして、または再構築系(例えば、標的細胞へ送達する ためのリポソームまたはその他の脂質系)で使用できる(例えば、Felgne r et al.,Nature 337:387−8,1989を参照された い)。ヒト遺伝子治療で使用するための、細胞内へのプラスミド直接送達のため のいくつかの他の方法が存在し、蛋白質へのプラスミドDNAの複合体化による 細胞上のレセプターへのDNAの標的化が含まれる。例えば、Miller、前 記文献、を参照されたい。 その最も単純な形において、遺伝子導入はマイクロインジェクション法により 、単に微量のDNAを細胞の核内へ注入することにより実施できる。Capec chi MR,Cell 22:479−88(1980)。組換え体遺伝子が 一度細胞内へ導入されたら、転写および翻訳のための細胞の通常機構により認識 でき、遺伝子産物が発現されるであろう。多数の細胞にDNAを導入するための 他の方法も試みられた。これらの方法には以下のものが含まれている:DNAは CaPO4と沈殿され、ピノサイトーシスにより細胞内へ取り込まれるトランス フェクション(Chen C.and Okayama H,Mol.Cell Biol.7:2745−52(1987));膜内に穴をあけるために細胞 が高電圧パルスに曝されるエレクトロポレーション(Chu G.et al. ,Nucleic Acids Res.,15:1311−26(1987) );DNAが親油性ベシクル内へ包み込まれ、それが標的細胞と融合するリポフ ェクション/リポソーム融合(Felgner PL.,et al.,Pro c.Natl.Acad.Sci.USA.84:7413−7(1987)) ;および小さな弾丸に結合されているDNAを用いる粒子衝撃法(Yang N S.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.87:9568− 72(1990))。細胞内へDNAを導入する別の方法は、DNAを化学的に 修飾した蛋白質に結合させるものである。 アデノウイルス蛋白質はエンドソームを不安定化して細胞内へのDNAの取り 込みを促進させることも示されている。DNA複合体を含んでいる溶液へのアデ ノウイルスの混合、または蛋白質架橋剤を用いるアデノウイルスヘ共有結合で結 合されているポリリジンへのDNAの結合は実質的に組換え体遺伝子の取り込み および発現を改良する。Curiel DT et al.,Am.J.Res pir.Cell.Mol.Biol.,6:247−52(1992)。 本明細書で使用される場合、”遺伝子導入”とは細胞内へ外来核酸分子を導入 する過程を意味している。遺伝子導入は通常、遺伝子によりコードされている特 定の生成物の発現を可能にするために実施される。生成物には蛋白質、ポリペプ チド、アンチセンスDNAまたはRNAまたは酵素的に活性なRNAが含まれる 。遺伝子導入は培養細胞または動物への直接投与で実施できる。一般的に、遺伝 子導入は非特異的またはレセプター媒介相互作用による標的細胞と核酸の接触過 程、膜を通してのまたはエンドサイトーシスによる細胞内への核酸の取り込み、 および原形質膜またはエンドソームから細胞質内への核酸の放出を含んでいる。 加えて発現は、細胞核内への核酸の移動および転写のための適当な核因子への結 合を必要とするであろう。 本明細書で使用される場合、”遺伝子治療”とは遺伝子導入の一つの形であり 、本明細書で使用される遺伝子導入の定義内に含まれており、特に、インビボま たはインビトロにおいて細胞から治療的生成物を発現するための遺伝子導入を指 している。遺伝子導入は細胞にエクスビボでも実施でき、それは次に患者に移植 されるか、または患者への核酸または核酸−蛋白質複合体の直接投与により実施 できる。 別の好適な態様において、開示された遺伝子の一つの核酸配列も持つベクター が提供され、そこでは核酸配列は特定の組織でのみ発現される。組織特異的遺伝 子発現を達成するための方法は例えば、1993年5月13日に公開されたWO 93/09236に示されている。 上に示した前記ベクターのすべてにおいて、本発明のさらなる特色は、ベクタ ーに含まれている核酸配列が前に定義されたように核酸の配列のいくつかまたは すべてに付加、欠失または修飾を含んでいることである。 別の好適な態様において、遺伝子置換の方法が示されている。本明細書で使用 される場合、”遺伝子置換”とは動物でインビボ発現させることができる核酸配 列を供給し、それにより動物に失われているまたは欠損している内在性遺伝子機 能を提供または増大させることを意味している。実施例 以下の実施例は何ら制限するものではなく、単に本発明の種々の様相および特 色を表しているものである。以下の実施例は一群の新規な関連したチロシンキナ ーゼに対応する遺伝子配列の単離および特徴付けを示している。実施例1 三つの新規ヒトRTKをコードしているcDNAの単離 蛋白質キナーゼは数百の既知の構成物を持つ真核生物蛋白質の最も大きなファ ミリーの一つである。これらの蛋白質は、共通触媒コア構造から成る12の異な ったサブドメインへ副分割できる250−300のアミノ酸ドメインを共有して いる。これらの保存蛋白質モチーフはPCRに基づいたクローニング戦略を用い て開発され、既知のキナーゼの著しい拡大を導いた。蛋白質キナーゼの触媒ドメ イン配列の多アラインメント、および続いての系統発生的分析はそれらの系統発 生樹への分離を可能にする。このようにして、関連したキナーゼは以下の異なっ た枝またはサブファミリーに群分けされる:チロシンキナーゼ、サイクリックヌ クレオチド依存性キナーゼ、カルシウム/カルモジュリンキナーゼ、サイクリン 依存性キナーゼおよびMAP−キナーゼ、ならびにいくつかの他の余りよく定義 されていないサブファミリー。 最初に、TRK、チロシンキナーゼの別個のファミリーを示すレセプター、の 同族体の同定に着手した。三つの哺乳類レセプターのこのファミリーのキナーゼ サブドメインIおよび・内の保存配列に対する縮重プライマーが設計された。サ ブドメインIはキナーゼドメインのN末端であり、キナーゼのすべての組の触媒 単位へATPを繋ぎ止めるのに関与する共通モチーフGXGXXGXVを含んで いる。サブドメインVIIIは高度に保存されているAPEモチーフを含んでおり、 その上流は多数の同じ組のキナーゼ(セリンキナーゼ、細胞質チロシンキナーゼ またはレセプターチロシンキナーゼ)間でよく保存されている残基である。すべ ての既知蛋白質キナーゼの比較に基づいて、三つのTRKキナーゼのみを拾い出 すであろうサブドメインIおよび・に対する縮重オリゴヌクレオチドプライマー が 設計された。材料および方法 細胞株および培養条件 すべての細胞株はAmerican Type Culture Colle ction(ATCC)またはNCIから入手され、それらの推奨条件に従って 増殖させた。分子クローニング 全RNAはChomczynskiおよびSacchi(P.Chomczy nski and N.Sacchi,Anal.Biochem.162,1 56(1987)のグアニジン塩/フェノール抽出プロトコールを用いて、ヒト 、ラットまたはマウス組織から、および特定の組織型に起因するヒト腫瘍細胞株 から単離された。これらのRNAは、GibcoBRLから購入されたFirs t Strand SynthesisのためのSuperscript Pr eamplification System(Life Technolog ies,U.S.A.;Gerard,GF et al.(1989),FO CUS 11,66)を用いて製造元により推奨されている条件下、一本鎖cD NAを発生させるための鋳型として使用された。典型的反応は、60μlの反応 容量に10μgのRNAまたは2μgのポリ(A)+RNAと1.5μgのオリ ゴ(dT)12-18を使用した。生成物はRNaseHで処理されH2Oで100μ lに希釈された。続いてのPCR増幅のため、各々の反応においてこれらのss cDNAの1−4μlが使用された。 オリゴヌクレオチドは確立されたホスホロアミダイト化学を用いるAppli ed Biosystems394DNA合成機で合成され、エタノールで沈殿 後、未精製のまま使用された。縮重オリゴヌクレオチドプライマーは表Iに掲げ られている。各々の縮重オリゴヌクレオチドに掲げられているのは長さ、配向、 ヌクレオチド配列、およびプライマーが誘導されるアミノ酸配列である。縮重ヌ クレオチド残基指定は:N=A、C、GまたはT;R=AまたはG;およびY= CまたはTである。TRKを鋳型として用いると、これらのプライマーは550 bpの生成物を生成した。 PCR反応は上に掲げたいくつかの一本鎖源に応用したプライマーTRKaお よびTRKbを用いて実施された。プライマーは、10mMトリスHCl(pH 8.3)、50mM KCl、1.5mM MgCl2、200μM各々のデオ キシヌクレオシド三リン酸、0.001%ゼラチンおよび1.5U Ampli Taq DNAポリメラーゼ(Perkin−Elmer/Cetus)、およ び1−4μlcDNAを含む混合物へ5μMの最終濃度で加えられた。95℃で 3分の変性に続いて、サイクリング条件は94℃で30秒、50℃で1分、およ び72℃で1分45秒であり、35サイクル行った。450−550bp間に移 動するPCR断片がGeneCleanを用いる2%アガロースゲルから単離さ れ、pBlueScript SKII+内のEcoRV部位(Stratage ne)内へブラントクローン化された。Qiagenカラムを用いてミニプラス ミドDNA調製試料のためにコロニーが選択され、プラスミドDNAはAmpl iTaq DNAポリメラーゼ、FS(ABI,Foster City,CA )によるサイクルシークエンシング色素−ターミネーターキットを用いて配列決 定された。配列決定生成物はABI Prism 377 DNAシークエンサ ーにかけ、BLASTアラインメントアルゴニズム(Altschul,S.F .et al.,J.Mol.Biol.215:403−10)を用いて分析 した。 鋳型としたラット成体脳黒質から一本鎖上のプライマーTRKaおよびTRK bを用いるPCRにより新規クローン(#135−31−2)が単離された。こ のクローンはその後ラットLMRI断片と称された。 pCDNA(Clontech)中のラットPC12cDNAライブラリーお よびラット胎児脳ラムダgt11cDNA(Clontech)をこの断片をプ ローブとしてスクリーニングし、いくつかのより大きいcDNAクローンが単離 された。LMR1_rのDNA配列分析はいくつかのチロシンキナーゼレセプタ ーへの相同性を示し、それはこの組の酵素に特徴的なすべてのモチーフを持って いた。この配列の5’末端は二つの疎水性領域をコードしており、タイプIaト ランスメンブラン蛋白質のシグナル配列およびトランスメンブランドメインの存 在と一致していた。これら二つの疎水性ドメイン間の領域は18アミノ酸のみで あり、この蛋白質は非常に短い細胞外ドメインを含んでいることを示唆している 。 LMR1_rは推定チロシンキナーゼドメインの高度に保存された部位に非定 型アミノ酸置換を持っている。これらはドメインII中のVAVKからVVVKへ の変化、ドメインVII中のDFGからDYGへの変化およびドメインIX中のSD VWからSNVWへの変化である。非関連レセプターチロシンキナーゼTEKお よびROSに特異的な他のプライマーと合同させるため、いくつかのLMR1_ r独特のモチーフに対するいくつかの追加のプライマーが設計された。プライマ ー配列は図2に示されている。これらのプライマーの多数の組み合わせがいくつ かのラット、マウスおよびヒト起源の一本鎖cDNAに応用され、追加のLMR 1の相同体が単離された。ノーザンブロット分析 60のヒト腫瘍細胞株および26の正常ヒト組織から単離された10μgの総 RNAを変性ホルムアミド1.2%アガロースゲルにかけ、ナイロン膜へ移すこ とによりノーザンブロットを準備した。フィルターは、ヒトLMR1、LMR2 およびLMR3の挿入物から合成されたランダムプライム[α32P]dCTP標 識プローブでハイブリダイズされた。ハイブリダイゼーションは1−2x106 cpm/mlの32P標識DNAプローブを用いて、6XSSC、0.1%SDS 、1Xデンハート溶液、100μg/ml変性ニシン精子DNA中、42℃で一 夜実施された。フィルターは0.1XSSC/0.1%SDS、65℃、で洗浄 され、Molecular Dynamics phosphorimager 上で暴露させた。LMR1の半定量的PCR検出 RNAは種々のラット細胞株および新鮮な凍結組織から単離された。一本鎖c DNAはSuperscript Preamplification Sys tem(GibcoBRL)を使用して前記のように10μgの各々のRNAか ら合成された。これらの一本鎖鋳型は次に二つのLMRI_r特異的オリゴヌク レオチド5’−TGAAAGTGGGAGATTACGGAATAおよび5’− GTTACTATACTTAGTCTGATCTGCを用いた25サイクルのP CR反応に使用された。反応生成物は2%アガロースゲルで電気泳動され、エチ ジウムブロミドで染色してUV光ボックスで写真を撮った。各々の試料について LMRI特異的バンドの相対強度が見積もられた。インシトゥハイブリダイゼーション分析 OCT包理凍結ラット胎児(E16、E20)および成体ラット脳のクライオ スタット切片をポリリジン被覆スライド上に置き、4℃で4%パラホルムアミド PBS溶液で固定した。スライドは0.25%無水酢酸/0.1M TEAで1 0分間処理して2XSSCで洗浄し、水続いて30%、50%、85%、95% および100%EtOHで各々15秒洗浄して脱水した。スライドは次に風乾し 、PBS/5mM MgCl2に10分、続いて0.25Mトリス/0.1Mグ リシンに10分、および50%ホルムアミド/2XSETで37℃にて10分処 理してプリハイブリダイズした。スライドは次に、ラットLMR1、LMR2ま たはLMR3をコードしている300−500断片から発生させた2百万cpm の[35S]CTP標識センスおよびアンチセンスリボプローブを含むハイブリダ イゼーション緩衝液(50%ホルムアミド/2XSET/10Xデンハート/m l当たり0.5mgのtRNA/100mM DTT)中でハイブリダイズされ た。スライド当たり6滴のハイブリダイゼーション混合物を加え、45℃で4時 間インキュベートした。スライドは4XSSC、続いて50%ホルムアミド/2 XSETで60℃にて15分間洗浄した。スライドを再び4XSSCで洗浄した 後、4XSET中、37℃にて20μg/ml RNAaseAで20分処理し 、次に1XSSCで洗浄した。スライドは次に、30%EtOH/0.3M N H4HOAC、50%EtOH/0.3M NH4HOAC、70%EtOH/0 .3M NH4HOAC、85%EtOH、95%EtOH、100%EtOH で脱水し、風乾して乾燥剤を入れた気密箱で、室温にて保存した。スライドはK odak NTB2乳剤に浸し、現像に先立って2−5週間暴露した。染色体局在化およびLMR2のゲノムクローニング 一対のオリゴヌクレオチドプライマーが、ゲノムDNAからの521bpLM R2特異的断片増幅のためにヒトLMR2の3’−非翻訳領域配列から誘導され た。本プライマーはヒトLMR2配列の8232−8254(センス)および8 732−8752(アンチセンス)に渡っている。このプライマー対はStan fordヒトゲノムセンタ−G3放射ハイブリッドパネル(Research Genetics,Huntsville,AL)およびヒト細菌人工染色体( BAC)DNAプールのライブラリー(Release III,Resear ch Genetics,Huntsville,AL)に応用された。PCR 反応は、販売元が推奨したように、64℃のアニーリング温度で30−35サイ クル実施された。加えて、LMR2cDNAクローンの5’末端に拡がっている ゲノムクローンを単離するため、ヒトLMR2の5’末端からの158bpXh oI−PstI断片がラムダFIXII中のヒト胎盤ゲノムDNAライブラリー の探査に使用された。結果 三つの新規RTKをコードしているcDNAクローンの配列分析 ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いた新規キナーゼの同定に使用するため レセプターチロシンキナーゼTRKのキナーゼドメイン内の保存残基に基づいて 縮重プライマーTRKaおよびTRKbが設計された。鋳型としてラット黒質s scDNAに応用された場合、TRKA、TRKBおよびTRKC cDNAの 多数のコピーならびにセリンキナーゼに相同的ないくつかのDNA断片が単離さ れた。RTK、インシュリンレセプター、IGF1レセプター、TRKAおよび ROSに最も類似している配列を持つ新規550bpクローン(135−31− 2)はLMR1_rと名付けられた。 この断片をプローブとして使用し、ノーザンブロットにより多数のラットから のRNAがスクリーニングされ、このクローンのラット脳における明らかな発現 の選択性が示された。LMR1_rプローブはまた、LMR1_rの3’末端に 広がる重複クローンを単離するためにPC12細胞株RNAから構築されたcD NAライブラリーのスクリーニングにも使用された。 2,572bp LMR1_rヌクレオチド配列(配列ID番号:1)は図7 に示されており、848アミノ酸をコードしている一つの読みとり枠を含んでい る。追加の3’クローンがLMR1_rの完全配列を解明するために必要であろ うが、LMR1のC末端部分がその後ヒトcDNAライブラリーから単離された (下記参照)。 LMR1_rアミノ酸配列(配列ID番号:10)は真核生物蛋白質キナーゼ に特徴的な12のサブドメインすべてを保存している。以下に説明するように、 それは他の蛋白質キナーゼ触媒ドメイン内の三つの高度に保存された残基に非定 型を持っている。推定蛋白質キナーゼドメインの上流はシグナル配列およびトラ ンスメンブランドメインに特徴的な二つの疎水性配列が存在する。 非関連レセプターチロシンキナーゼTEKおよびROSに特異的な他のプライ マーと合同させるため、いくつかのLMR1_r独特のモチーフに対するいくつ かの追加のプライマーが設計された。プライマー配列は表Iに示されている。こ れらのプライマーの多数の組み合わせがいくつかのラット、マウスおよびヒト起 源の一本鎖cDNAに応用され、追加のLMR1の相同体が単離された。特に、 LMR1_rのヒトおよびマウス相対物に対応する断片が同定された(プライマ ーIROSD3およびIROSD6で単離されたヒト小脳からのLMR1_h; 11日目のマウス胎児cDNAに同じプライマーを使用したLMR1_m)。7 つの追加の独特な断片が、これらの縮重プライマーの種々の対を用いるPCRで 単離された。配列比較は、これらの7つのクローンは二つの追加的ヒト遺伝子お よびそれらのラットまたはマウスからのオルトログを意味していることを示唆し ている。特にこれらはLMR2_h(OVCAR−3卵巣腫瘍細胞株cDNA上 のプライマーIROSD3およびIROSD6)、LMR2_m(10日目のマ ウス胎児cDNA上のプライマーROS1およびIROSD5)、LMR2_r (ラットPC12cDNA上のIROSD3およびIROSD6)、LMR2_ h(ヒト心臓cDNA上のプライマーIROSD3およびIROSD6)、LM R2_r(ラットPC12cDNA上のIROSD3およびIROSD5)、L MR3_h(ヒト胎児脳cDNA上のプライマーIROSD3およびIROSD 6)およびLMR3_m(12日目のマウス胎児cDNA上のプライマーTEK 1およびIROSD5)と称される。 ヒトLMR1、LMR2およびLMR3からの部分cDNAクローンが、完全 長ヒトcDNAクローンを単離するためにcDNAライブラリーのプローブとし て使用された。LMR1_hの5,048bpクローン(配列ID番号:2)が SNB75細胞株RNAから構築されたラムダZAPcDNAから単離された。 このクローンは予想される1384アミノヒトLMR1蛋白質の始めの27アミ ノ酸を除くすべてに及んでいる。しかしながら、真のLMR1 N末端はラット cDNAクローンに含まれている。4,349bpおよび5,482bpの二つ のLMR2_h cDNAクローンが各々NCI−H460ヒト肺癌腫細胞株c DNAライブラリーおよびSNB75 cDNAライブラリーから単離された。 共にこれらのクローンは完全8,982bpヒトLMR2cDNA(配列ID番 号:5)に及んでおり、1504アミノ酸(配列ID番号:14)の蛋白質をコ ードしている。最後に、ラムダgt11ヒト脳cDNAライブラリーからLMR 3_hの1,583bpクローン(配列ID番号:8)が単離された。このクロ ーンはヒトLMR3のN末端473アミノ酸(配列ID番号:17)に及んでい る。ヒトLMR3cDNAの3’末端を単離するためにさらなるスクリーニング が進行中である。 三つのLMR蛋白質の各々は二つの空間的に近い疎水性領域で始まっている。 LMR1(aa1−20)、LMR2(aa1−26)およびLMR3(aa1 −20)の第一の疎水性配列はシグナルペプチドの範鴫に入り、McGeoch (D.J.McGeoch,Virus Research,3,271,19 85)の方法を使用すると各々8.78、18.95および10.76の判別評 点を持ち、およびvon Heijneのアルゴリズム(G.von Heij ne,Nucl.Acids Res.,14,4683,1986)を使用す ると各々+3.45、9.03および8.66(閾値=3.5)を持っている。 LMR1(aa38−64)、LMR2(aa39−69)およびLMR3(a a35−62)の第二の疎水性領域はトランスメンブランドメインを予期するた めのKleinら(P.Klein,M.Kanehisa,and C.De Lisi,Biochim.Biophys.Acta,815,468,19 85)のALOM法を使用すると各々−9.18、−17.09および−11. 25(閾値=−2.0)の可能性評点が得られる。これらの分析に基づいて、L MR1、LMR2およびLMR3はすべて各々18(AFSSHFDPDGAP LSELSW)、12(APLPQTGAGEAP)および14(SPAHPD GFALGRAP)アミノ酸の非常に短い細胞外ドメインを持つタイプIa膜蛋 白質であると予期される。あるいは、これらのレセプターは多くのGPI−固定 サイトカインレセプター、GDNFレセプターに存在するような追加のコレセプ ター、またはコンタクチン関連付着分子を含んでいるかもしれない。共免疫沈殿 研究はこの問題を追求することを可能にするであろう。 LMR1、LMR2およびLMR3はすべて真核生物蛋白質キナーゼに特徴的 な12すべてのサブドメインを保存するドメインを共有している。三つのヒト蛋 白質はこの推定キナーゼドメイン内に52−59%のアミノ酸配列同一性を共有 しており、一方、LMR1のラット、マウスおよびヒトオルトログは92−93 %のアミノ酸同一性を共有している。LMRの推定キナーゼドメインは他のレセ プターチロシンキナーゼのものと最も相関している。それらはTRKA,TRK BおよびTRKCと33−36%のアミノ酸同一性、インシュリンレセプター、 IGF1R、Musk、Tyro10、DDRおよびROSと31−35%の同 一性を共有している。しかしながら、細胞質チロシンキナーゼ、ITKおよびB MXはLMR2のキナーゼ様ドメインと33−34%同一である。この分析は、 LMRレセプターはRTKの独特の部類を表すようであることを示唆している。 三つのLMRのキナーゼ様ドメインは、すべての蛋白質キナーゼ間で高度に保存 されている残基に非定型置換を確かに含んでいる:キナーゼドメインII中のVA VKからV(V/I)VK(LMR2中のaa163−166)、DFGからD YG(LMR2中のaa281−283)およびDVWSからNVWS(LMR 2中のaa329−332)。第一の置換はATPのアデノシン環のための接触 残基であり、この位置での疎水性残基の存在はすべての既知蛋白質キナーゼに特 有である。残りの二つの置換はキナーゼの触媒機能に直接関与しているかどうか は知られていないが、PIM1およびPKCのような他の活性化キナーゼにも存 在している。これらの置換がキナーゼ様ドメインの活性特異性に影響するかどう かは、インビトロキナーゼおよびFSBA結合実験から追求することができる。 LMR1およびLMR2のC末端ドメインは各々975および1093アミノ 酸である。LMR3のC末端ドメインは少なくとも153aaである(残ってい るLMR3のC末端領域の配列分析は進行中である)。これらの蛋白質はそれら の長い触媒外C末端尾部を反映してレムール(Lemur)(LMR)と名付け られた。C末端内には7のチロシン残基を含むアミノ酸が同一であるいくつかの 保存されたポケットがある(図1)。これらの各々はチロシンリン酸化部位とし て機能する可能性があり、LMR特異的シグナル伝達に重要なものであろう。こ れらの”尾部”はまた非常に親水性で陰性に荷電されているが、他の蛋白質への 有意な相同性を欠いている。LMR1およびLMR2では多数のアイソフォーム が同定されており、C末端ドメインのフレームシフトおよび先端の切り取りの結 果である代わりのスプライシングまたは一つの塩基の付加から生じている。ヒトLMRの発現プロフィール 成人ヒト組織試料およびヒト腫瘍細胞株からのRNAのノーザンブロットをヒ トLMR1、LMR2およびLMR3に特異的なDNAプローブとハイブリダイ ズさせた。単一のmRNA転写体が各々の遺伝子について同定され(LMR1= 7kb;LMR2=9kb;LMR3=5.1kb)、すべてが特異的細胞型で の異なったおよび制限された発現を示した(図3Aおよび3B)。LMR1はま た種々のラット組織RNA試料について定量的PCRにより分析された。正常成 人組織におけるLMR1、LMR2およびLMR3発現は神経器官(成人脳、皮 質および小脳)に限られており、試験されたすべての他の成人組織には存在しな かった。LMR1は三つの肺腫瘍、一つのCNS腫瘍、一つの結腸腫瘍および二 つのメラノーマからの細胞株で低レベルで発現された。LMR3発現は59の腫 瘍細胞株のどれにも検出されなかった。対照的に、LMR2は多数の腫瘍細胞株 、特に肺、乳房および結腸起源のものに広くおよび多量に発現された。LMR発現のインシトゥ分析 LMR1、LMR2およびLMR3の発生的発現は16日目のラット胎児のイ ンシトゥハイブリダイゼーションにより分析された(図4)。LMR1発現は後 根神経節(DRG)および突出した神経に堅く制限されており、試験されたすべ ての他の神経性および非神経性組織には存在しなかった。LMR3もまたDRG で豊富に発現されていたが、脊椎、視床および脳幹を含む他の胎児神経構造物で 匹敵した発現があり、中脳および皮質の特定の領域でのレベルは低かった。LM R3はまた胎児の胃および結腸でも発現された。LMR2は16日目の胎児にお いてLMR1またはLMR3よりも広い発現プロフィールを持っていた。LMR 2はLMR3と同一の神経性組織(DRG、脊椎、脳幹、視床、中脳および皮質 )において高レベルで発現され、しかもLMR2発現は三叉神経核、視神経およ び嗅上皮でも強かった。LMR2はまた胃、腸および結腸、肺、腎臓、肝臓およ び膵臓を含む種々の非神経胎児組織でも豊富に発現されていた。 LMR1、LMR2およびLMR3の発現はまた成体ラット脳の頭頂および頭 頂骨間の縫合線切片でのインシトゥハイブリダイゼーションによっても分析され た(図5)。LMR1は中脳、皮質、視床および扁桃核、および中脳で弱く発現 されていた。LMR3は成体脳でより豊富に発現されており、海馬、小脳、前方 皮質、扁桃核、視床核、尾状核、顔面神経核および乳頭上核で最も高い発現があ った。成体ラット脳におけるLMR2発現はLMR1またはLMR3よりも強く 、特に、小脳のプルキンエ層、外部皮質、海馬および視床、尾状/被殼、扁桃、 顔面神経および三叉神経核で強かった。LMR2はまた梨状皮質および黒質の領 域でも検出された。 全体で、LMR1およびLMR3の発現は高度に神経性組織に制限されており 、他の成体または胎児器官またはヒト腫瘍細胞株では最少の発現しかなかった。 対照的に、LMR2の発現は成体神経性組織に制限されていたが、他の非神経性 胎児組織および多数の脛瘍細胞株で非常に豊富に発現されている。LMR2の腫 瘍−胎児パターンは、それが癌治療のための選択的標的として働くかもしれない ことを示唆している。LMR2のゲノム分析および染色体局在化 ゲノムDNAからのLMR2を特異的に認識するPCRプライマー対が設計さ れた。これらのプライマーはLMR2遺伝子位置の地図を作るため、ハムスター −ヒト体細胞ハイブリッドから単離されたDNAのStanford G3放射 ハイブリッドパネルのスクリーニングに使用された。LMR2は染色体7q22 .1に位置していた。この染色体領域は膵臓癌、多薬剤耐性細胞および悪性固形 腫瘍で増幅されることが報告されている。7q22領域中の転座が骨髄性白血病 および子宮内膜ポリープで観察されており、染色体喪失が乳房、卵巣、前立腺お よび食道癌および子宮平滑筋腫で報告されている。これらの腫瘍源から単離され た標本からのLMR2遺伝子/配列分析が、これらの腫瘍型におけるLMR2の 関 与を確認するために必要であろう。 LMR2特異的プライマーはまた全ヒトLMR2遺伝子に及ぶ〜130kbB AC(細菌人工染色体)クローンを単離するためにも使用された。総計で四つの BACクローンがLMR2遺伝子の3’UTRを含んでいると同定された(プレ ートプール345−352/列B/段10;プレートプール457−464/列 J/段22;プレートプール569−576/列N/段18;およびプレートプ ール9−16/列L/段6)。これらのBACクローンの最後のものはLMR2 cDNAクローンの5’末端を含んでいることも観察された。cDNAクローン の最も5’の領域を含んでいる追加の12kbラムダヒトゲノムクローンもまた 単離された。BACクローンの部分配列分析はLMR2中の多数のエキソンの所 在を明らかにし、LMR2のC末端アイソフォームはそのどれか一つがスプライ スされた転写体であったことを証明した。ラムダゲノムクローンおよびBACク ローンのさらなる配列分析でLMR2のN末端コード領域に二つの小さなイント ロン(一つは予期されるシグナル配列の結合部の近くに)が同定され、予期され るLMR2の5’UTRが予期される開始メチオニンと隣接していることおよび 終止コドンが我々の最も遠いcDNAクローンのすぐ上流の枠内に存在すること を明らかにした。上流イントロンがないのは明らかで、共通”TATAボックス ”は最も5’のcDNA配列の259bp上流にあり、これが上流LMR2プロ モーター領域であるに違いないことを暗示している。まとめると、ゲノムおよc DNAクローンの分析は、存在する配列(配列ID番号:5)はヒトLMR2の 完全コード配列を表しており、それは非常に短い細胞外ドメインを持つ通常では ない膜コンフィグレーションを持っていることを示唆している。この結論は、L MR1およびLMR3クローン中の予期されるシグナルペプチドが続く開始メチ オニンの一致した存在によりさらに支持される。しかしながら、これらのクロー ンが全LMRコード領域を表すことの確認は、組換え体蛋白質が内在性LMR2 と同じ大きさのポリペプチドをコードしていること、および免疫局在化研究でL MR2が細胞表面レセプターに先端で触れているのを示すことの証明が必要であ る(下記参照)。実施例2 新規RTK物質の組換え体発現および発現ベクター構築法 a)pCDNA発現ベクター中の完全長LMR2_h;b)アデノウイルス発 現ベクター中のニワトリTrkA細胞外ドメインおよびヒトLMR2のトランス メンブランおよび細胞質ドメイン間のキメラ;c)GST発現カセットのC終末 端に融合されたLMR2の膜近傍および細胞質ドメインを含むGST融合構築物 ;d)GyrB発現カセットに融合されたLMR2_hのキナーゼドメイン;e )pCDNAベクターに挿入された、LMR2キナーゼドメインの予想ATP結 合部位にLysからAla(KからA)への突然変異を持つ完全長LMR2_h 構築物;f)段々に大きくなるC末端欠損を含んでいる、pCDNAベクター中 の種々に端を切り取られたLMR2構築物:を含むいくつかの発現構築物がヒト LMR2cDNAから発生された。 LMR2の”KからA”突然変異体およびC末端切断突然変異体は優勢陰性構 築物として機能し、LMR2の機能を評価するために使用されるであろう。三つの新規RTKに対する特異的免疫試薬の発生 ヒトLMR2に対応するKLH−またはMAP−結合合成ペプチドに対する特 異的免疫試薬をウサギで発生させた。C末端ペプチドはグルタルアルデヒドでK LHと結合され、遊離C末端が残された。内部ペプチドはMAP結合されたもの であり、N末端はブロックされている。さらなる免疫試薬もまた、LMR1、L MR2およびLMR3の細胞質ドメインを含んでいる、細菌発現GST融合蛋白 質でウサギを免疫化して発生させることができる。 LMR2に対し、ヒトLMR2蛋白質のアミノ酸71−840をコードしてい るGST融合構築物が発生された。ヒトLMR2のためのペプチド免疫原には次 にものが含まれる: 哺乳類細胞におけるLMR1、2、3の過渡的発現 LMR2を含んでいるpcDNA発現プラスミド(10μg/100mmプレ ート)が、リポフェクタミン(Gibco BRL)により293細胞内へ導入 された。72時間後、細胞は0.5mlの可溶化緩衝液(20mM HEPES pH7.35、150mM NaCl、10%グリセロール、1%トリトンX −100、1.5mM MgCl2、1mM EGTA、2mMフェニルメチル スルホニルフルオリド、1μg/mlアポロチニン)中に採取された。試料の一 部は6%アクリルアミド/0.5%ビス−アクリルアミドによるSDSポリアク リルアミドゲル電気泳動(PAGE)で分離し、電気泳動的にニトロセルロース に移された。非特異的結合はブロットをBlotto(5% w/v脱脂乾燥ミ ルクおよび0.2% v/vノニデットP−40(Sigma)を含むリン酸緩 衝液)中で前もってインキュベートすることによりブロックし、組換え体蛋白質 は種々の抗ペプチドまたは抗GST融合特異的抗血清を用いて検出した。免疫染色 内在性蛋白質の細胞内位置を決定するため、免疫ブロット分析に基づいて内在 性LMRを発現している細胞をスライドガラスに置き、LMR特異的抗血清で染 色した。細胞はメタカルン(60%メタノール/30%クロロホルム/10%氷 酢酸)で20分間固定し、0.25%トウィーン20を含むPBSで後固定した 。スライドは次に5%正常ヤギ血清を含むPBS/0.25%トウィーン20で 45分間ブロックした。スライドは次に、ペプチド494Aまたは497Aで免 役したウサギの5番目の採血からのLMR2特異的抗血清の1:500希釈液と 室温で45分間インキュベートし、PBS/0.25%トウィーン20中で5回 洗浄した。ヤギ抗ウサギF(ab’)2IgG−サイアニンCY3(Jacks o n Immunoresearch laboratories,West G rove,PA)の1:500希釈液を30分間加え、続いてPBS/0.25 %トウィーン20で6回、およびH2Oで2回洗浄した。スライドは次に風乾し 、蛍光顕微鏡による分析のために装着された。インビトロキナーゼアッセイ LMR2発現構築物で3日間トランスフェクション後、293細胞の10cm プレートをPBSで洗浄し、ホスファターゼ阻害剤を含んでいる2mlのPBS TDS(10mM NaHPO4、7.25、150mM NaCl、1%トリ トンX−100、0.5%デオキシコール酸、0.1%SDS、0.2%アジ化 ナトリウム、1mM NaF、1mM EGTA、4mMオルトバナジン酸ナト リウム、1%アプロチニン、5μg/mlロイペプチン)にて氷上で可溶化した 。細胞破片は遠心分離(12000xg、15分、4℃)により除去し、溶解物 は各々50μlのプロテインA−セファロースの1:1スラリーで1時間、2回 続けてインキュベーションすることにより前もって透明化した。透明化上清の0 .5mlを10μlのプロテインA精製LMR2抗血清(GST融合蛋白質から 発生させた)に50μlのプロテインA−セファロースの1:1スラリーを加え たものと4℃で2時間反応させた。ビーズはPBSTDSで2回、およびHNT G(20mM HEPES、pH7.5/150mM NaCl、0,1%トリ トンX−100、10%グリセロール)で2回洗浄した。セファロースゲル上の 免疫精製LMR2は20μlの30mM MgCl2、10mM MnCl2およ び20μCi[g32P]ATP(3000Ci/mmol)を加えたHNTGに 再懸濁した。キナーゼ反応は室温で30分間行われ、50mM EDTAを補給 したHNTGの添加により停止させた。試料はHNTGで6回洗浄し、SDS試 料緩衝液中で5分間煮沸し、6%SDS-PAGE続いてオートラジオグラフィ ーにより分析した。ホスホアミノ酸分析はSDS-PAGEゲルから切り出した3 2 P標識LMR2に対する標準2D法により実施された。FSBA標識 免疫沈殿LMR2はAnostario,M Jr et al (Anal .Biochem 190,60−65,1990)により記載されているよう に, ATP競合剤の存在下または不在下で、ATP類似体FSBAにより標識された 。FSBA結合LMR2は抗FSBA抗体(Boehringer Mannh eim)を用いる免疫ブロットにより検出された。結果 三つの新規RTKの各々の見かけの分子量はヒト293胎児腎臓上皮細胞での 過渡的発現、続いてのLMR特異的抗血清によるイムノブロッティングにより決 定できる。驚くことに、完全長LMR2cDNA構築物は6%SDS−PAGE ゲルで〜230kDaに移動する蛋白質をコードしており、一方、cDNAは1 64.9kDaの非修飾蛋白質を予想させた。キメラTrkA−LMR2構築物 は6%SDS−PAGEゲルで250kDaより上に移動する蛋白質をコードし ており、一方、cDNAは〜207kDa(13の潜在的グリコシル化部位が加 わる)の蛋白質を予言させた。予想されたLMR2の細胞外ドメインは12アミ ノ酸のみであるので(グリコシル化部位なし)、より遅いゲル移動度の理由は明 らかではない。一連のC末端欠失突然変異体に基づいて、計算および見かけのゲ ル移動度間の不一致は、長い、陰性に荷電されたLMR2のC末端尾部存在の結 果であることが明らかになった。しかしながらこの分析により、組換え体蛋白質 は哺乳類細胞で安定的に産生できることが確認され、抗血清の特異性を確認する ための組換え体蛋白質源が提供される。 抗GST融合およびペプチド抗血清は、組換え体蛋白質に対するその感度およ び特異性が試験された。LMR1およびLMR2抗GST融合抗体は、免疫沈降 およびウェスタンブロットにおいて両方とも適切な組換え体蛋白質を特異的に認 識することが確認された。しかしながら、それらのウェスタン反応性は弱く、そ れらの免疫染色性は弱かった。LMR2ぺプチド489Aおよび491A(配列 ID番号:19および20)から誘導された抗ペプチド抗血清はウェスタンブロ ットはうまくいくが免疫沈降はうまくいかず、一方、LMR2ペプチド494A および497A(配列ID番号:21および22)はウェスタンブロット、免疫 沈降および細胞染色でうまくいった。すべてのLMR2免疫試薬230kDa組 換え体蛋白質を認識し、497Aペプチド抗血清はさらにウェスタンブロットで 130kDaバンドも検出した。 すべての発現構築物はウェスタンブロットおよび免疫沈降によりコードされて いる蛋白質を生成することが確認された。ヒト腫瘍細胞株のパネルはウェスタン ブロットにより内在性LMR2の発現がスクリーニングされた。ウェスタンブロ ット分析はノーザンと一致し、NCI−H441、COLO205およびMCF 7細胞で最も高い内在性LMR2発現が検出された。内在性蛋白質は〜230k Daに移動し(組換え体LMR2と区別できない)、このcDNAが完全長LM R2をコードしていること、および蛋白質が還元SDS−PAGEゲル中で異常 に遅い移動度を持っていることを支持した。これらの細胞株はLMR2の活性お よび生物学の特徴付けに有用であろう。 過渡的および安定にトランスフェクトされた293細胞中での組換え体LMR 2の免疫局在化は、それが膜および小胞体の両方に会合していることを示唆して いる。H441細胞における内在性LMR2の位置づけの評価は進行中である。 インビボおよびインビトロリン酸化アッセイは、LMR2特異的抗血清による 免疫沈降に続いて、組換え体および内在性LMR2について実施された。現在ま で、セリンおよびスレオニンリン酸化のみがLMR2に関して検出されている。 いくつかの異なった抗体すべてが同等の活性を検出し、活性はLKR2に付随し ていて抗血清の交叉反応性のためではないことを示唆している。しかしながら、 同等の量のリン酸化が”キナーゼを殺した”KからAの構築物でも観察された。 これらの結果は、”キナーゼを殺した”構築物が未だに活性であるか、または活 性がLMR2に非常に強固に付随しているセリンキナーゼによるものであるかを 示唆している。異なったアッセイ条件下でのキナーゼ活性を再評価する(pH5 −8、ATP濃度変化、および不可逆的ホスファターゼ阻害剤の存在)、および LMR2がATP類似FSBAを結合できるかどうかを決定する実験が進行中で ある。 LMR2特異的抗血清はまた、35S−メチオニン/システインまたは32P標識 溶解物からのLMR2に会合する基質またはコレセプターを同時免疫沈降するた めにも使用できる。LMR2はそのような異常に短い細胞外ドメインを持ってい るので、付随するコレセプターの存在は可溶性または細胞外会合リガンドによる 調節を可能にしている。LMR1、LMR2およびLMR3間で保存されている アミノ酸配列中の潜在的チロシンリン酸化部位の存在のため、これらの蛋白質は 独特の特異的基質を持っているであろう。同時免疫沈殿、ランダムペプチドライ ブラリー、ファージディスプレイおよび酵母2ハイブリッド技術はすべてLMR 2−選択的基質を同定するための方法である。 LMR1、LMR2およびLMR3は、レセプターチロシンキナーゼに構造的 に相関したレセプターの新規ファミリーの輪郭を明瞭に示している。それらの固 有の触媒活性は未だに研究中であるが、これらはすべて、酵素のこの部類に典型 的に特徴付けられる別個のモチーフを共有している。加えて、これらは非常に短 い細胞外ドメインおよびRTK間では予想できない長さのC末端尾部を持ってい る。いくつかの保存されたC末端の潜在的チロシンリン酸化部位に加えて、これ らの構造的特色は、これらの生物学が他のレセプターの中でも独特であろうこと を示唆している。三つすべてのLMRの成人神経組織に限られた発現、および広 範囲の腫瘍細胞株におけるLMR2のアップレギュレーションに基づくと、これ らの蛋白質は神経変性傷害または癌に重要な標的であるようである。進行中の実 験は、増殖速度、DNA合成、細胞接触抑制(フォーカス形成)、足場非依存性 増殖(軟寒天アッセイ)およびヌードマウスにおける腫瘍発生性に対するそれら の効果、および細胞生存、アポトーシスまたは神経突起成育におけるそれらの役 割を特徴付けるであろう。さらに、優勢陰性構築物、中和抗血清またはアンチセ ンスオリゴヌクレオチドは、正常発育および疾患の両方で、種々の生物学的過程 におけるこれらの新規RTKの関与を扱う際に使用できる。 本発明は目的を成し遂げるおよび記述された結論および利点、ならびに本明細 書に固有のものを得るためによく適合していることを当業者は容易に理解するで あろう。分子複合体および本明細書に記載されている方法、過程、処置、分子、 特定の化合物は現在のところ好適な態様の代表であり、例示として示されている ものであり本発明の範囲を制限することは意図されていない。当業者により行わ れるであろうその中の変化およびその他の使用は本発明の精神に包含されており 、請求の範囲に定義されている。 当業者には、本発明の範囲および精神から離れることなく、本明細書に開示さ れている発明に種々の置換や修正が行えるであろうことが容易に明らかになるで あろう。 本明細書に述べられているすべての特許および出版物は、本発明が関係する当 業者の水準の指標である。すべての特許および出版物は、各々個々の出版物が特 別におよび個々に援用されることが示されるように、同じ程度で本明細書におい て援用される。 本明細書に例示的に記載されている本発明は、本発明に特に開示されていない 要素または制限なしで実行されるであろう。それ故、例えば、本明細書の各々の 例において、用語”から成る”、”本質的に成る”および”のみから成る”のど れもが他の二つの用語で置き換えられてもよい。用いられている用語および表現 は制限ではなく記述の用語として使用されており、そのような用語および表現の 使用は示され、記載された特色の均等物またはそれらの一部を排除することは意 図されておらず、請求された本発明の範囲内の種々の修正が可能であると認識さ れている。従って、本発明は好適な態様および随意の特色で特別に開示されてき たが、本明細書に開示した概念の修正および変形が当業者により行われるかもし れず、そのような修正および変形は添えられた請求の範囲により定義されるよう に本発明の範囲内に含まれると考えられることを理解しなければならない。 加えて、本発明の特色または様相はマーカッシュ群の用語で記載されてきたが 、当業者は本発明はまた任意の個々のメンバーまたはマーカッシュ群のメンバー のサブ群の用語でも記載されることを認識するであろう。例えば、もしXが臭素 、塩素およびヨウ素から成る群より選択されると記載されるならば、Xが臭素で あるのに対する請求の範囲およびXが臭素および塩素であるのに対する請求の範 囲は完全に記載されている。 前に本明細書で援用されていない参照文献(特許および非特許参照文献)もす べての目的のために特別に本明細書で援用される。他の態様は以下の請求の範囲 に含まれている。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成10年12月24日(1998.12.24) 【補正内容】 請求の範囲 1. 少なくとも25ヌクレオチド長さの、精製された、単離された、または濃 縮された核酸分子であって、 前記核酸分子の配列はキナーゼをコードする遺伝子の一部と少なくとも95%の 配列同一性を有するかまたはこれに相補的であり、 前記遺伝子は、配列番号1−9のいずれかに対応する遺伝子からなる群より選択 される、 ことを特徴とする核酸分子。 2. 前記核酸分子が、前記遺伝子の少なくとも50個の連続するアミノ酸をコ ードする配列と少なくとも95%の配列同一性を有する、請求項1記載の核酸分 子。 3. 前記核酸分子が、前記遺伝子の少なくとも100個の連続するアミノ酸を コードする配列と少なくとも95%の配列同一性を有する、請求項2記載の核酸 分子。 4. 試料中のキナーゼポリペプチドをコードする核酸を検出するための核酸プ ローブであって、前記キナーゼは、配列番号1−9のいずれかに対応する遺伝子 によりコードされていることを特徴とする核酸プローブ。 5. 前記プローブが、前記核酸の一部に相補的な少なくとも25ヌクレオチド 長さの配列を含む、請求項4記載の核酸プローブ。 6. 前記プローブが、前記核酸の一部に相補的な少なくとも50ヌクレオチド 長さの配列を含む、請求項5記載の核酸プローブ。 7. ヒト組織において発現されるヒトポリペプチドをコードする、単離された または精製された核酸分子であって、ストリンジェントなハイブリダイゼーショ ン条件における、配列番号1−9からなる群より選択されるヌクレオチド配列ま たはこれに相補的な配列の、前記ヒト組織からのmRNAへのハイブリダイゼー ションにより得ることが可能であり、 ハイブリダイゼーションが、6×SSC、0.1% SDS、1×デンハルト溶 液、100μg/ml変性ニシン精子DNA中で、42℃で一夜実施されること を特徴とする核酸分子。 8. キナーゼポリペプチドをコードするRNA配列に相補的な配列および細胞 内で機能的な転写終止領域に転写的に連結された、細胞内で機能的な転写開始領 域を含む組換え核酸分子であって、前記キナーゼは、配列番号1−9のいずれか に対応する遺伝子によりコードされることを特徴とする組換え核酸分子。 9. 前記キナーゼポリペプチドが、配列番号1−9のいずれかに対応する遺伝 子によりコードされる前記キナーゼのアミノ酸配列を含む、請求項8記載の組換 え核酸分子。 10. 単離された、濃縮されたまたは精製されたキナーゼポリペプチドであっ て、 前記キナーゼは、配列番号1−9のいずれかに対応する遺伝子または遺伝子の一 部によりコードされ、 前記ポリペプチドは、前記キナーゼのアミノ酸配列の少なくとも25個の連続す るアミノ酸を含む、 ことを特徴とするキナーゼポリペプチド。 11. 前記ポリペプチドが、前記キナーゼのアミノ酸配列の少なくとも50個 の連続するアミノ酸を含む、請求項10記載のキナーゼポリペプチド。 12. 前記ポリペプチドが、前記キナーゼのアミノ酸配列の少なくとも100 個の連続するアミノ酸を含む、請求項11記載のキナーゼポリペプチド。 13. 前記ポリペプチドが、前記キナーゼの全長アミノ酸配列を含む、請求項 12記載のキナーゼポリペプチド。 14. 前記ポリペプチドが、配列番号1−9のいずれかに対応する遺伝子によ りコードされるアミノ酸配列を含む、請求項13記載のキナーゼポリペプチド。 15. キナーゼポリペプチドに対して特異的結合親和性を有する抗体であって 、前記キナーゼは、配列番号1−9のいずれかに対応する遺伝子によりコードさ れる、ことを特徴とする抗体。 16. キナーゼポリペプチドに対する特異的結合親和性を有する抗体を産生す るハイブリドーマであって、前記キナーゼは、配列番号1−9のいずれかに対応 する遺伝子によりコードされることを特徴とするハイブリドーマ。 【手続補正書】 【提出日】平成11年7月7日(1999.7.7) 【補正内容】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C12P 21/08 C12N 5/00 B (C12N 5/10 C12R 1:91) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT, UA,UG,UZ,VN,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 少なくとも25ヌクレオチド長さの、精製された、単離された、または濃 縮された核酸分子であって、 前記核酸分子の配列はキナーゼをコードする遺伝子の一部と少なくとも95%の 配列同一性を有するかまたはこれに相補的であり、 前記遺伝子は、配列番号1−9のいずれかに対応する遺伝子からなる群より選択 される、 ことを特徴とする核酸分子。 2. 前記核酸分子が、前記遺伝子の少なくとも50個の連続するアミノ酸をコ ードする配列と少なくとも95%の配列同一性を有する、請求項1記載の核酸分 子。 3. 前記核酸分子が、前記遺伝子の少なくとも100個の連続するアミノ酸を コードする配列と少なくとも95%の配列同一性を有する、請求項2記載の核酸 分子。 4. 少なくとも25ヌクレオチド長さの、精製された、単離された、または濃 縮された核酸分子であって、 前記核酸分子の配列は、配列番号1−9またはこれに相補的な配列から選択され る配列の一部と少なくとも95%の配列同一性を有する、 ことを特徴とする核酸分子。 5. 試料中のキナーゼポリペプチドをコードする核酸を検出するための核酸プ ローブであって、前記キナーゼは、配列番号1−9のいずれかに対応する遺伝予 によりコードされていることを特徴とする核酸プローブ。 6. 前記プローブが、前記核酸の一部に相補的な少なくとも25ヌクレオチド 長さの配列を含む、請求項5記載の核酸プローブ。 7. 前記プローブが、前記核酸の一部に相補的な少なくとも50ヌクレオチド 長さの配列を含む、請求項6記載の核酸プローブ。 8. ヒト組織において発現されるヒトポリペプチドをコードする、単離された または精製された核酸分子であって、ストリンジェントなハイブリダイゼーショ ン条件における、配列番号1−9からなる群より選択されるヌクレオチド配列ま たはこれに相補的な配列の、前記ヒト組織からのmRNAへのハイブリダイゼー ションにより得ることが可能な核酸分子。 9. キナーゼポリペプチドをコードするRNA配列に相補的な配列および細胞 内で機能的な転写終止領域に転写的に連結された、細胞内で機能的な転写開始領 域を含む組換え核酸分子であって、前記キナーゼは、配列番号1−9のいずれか に対応する遺伝子によりコードされることを特徴とする組換え核酸分子。 10. 前記キナーゼポリペプチドが、配列番号1−9のいずれかに対応する遺 伝子によりコードされる前記キナーゼのアミノ酸配列を含む、請求項9記載の組 換え核酸分子。 11. 単離された、濃縮されたまたは精製されたキナーゼポリペプチドであっ て、 前記キナーゼは、配列番号1−9のいずれかに対応する遺伝子または遺伝子の一 部によりコードされ、 前記ポリペプチドは、前記キナーゼのアミノ酸配列の少なくとも25個の連続す るアミノ酸を含む、 ことを特徴とするキナーゼポリペプチド。 12. 前記ポリペプチドが、前記キナーゼのアミノ酸配列の少なくとも50個 の連続するアミノ酸を含む、請求項11記載のキナーゼポリペプチド。 13. 前記ポリペプチドが、前記キナーゼのアミノ酸配列の少なくとも100 個の連続するアミノ酸を含む、請求項12記載のキナーゼポリペプチド。 14. 前記ポリペプチドが、前記キナーゼの全長アミノ酸配列を含む、請求項 13記載のキナーゼポリペプチド。 15. 前記ポリペプチドが、配列番号1−9のいずれかに対応する遺伝子によ りコードされるアミノ酸配列を含む、請求項14記載のキナーゼポリペプチド。 16. キナーゼポリペプチドに対して特異的結合親和性を有する抗体であって 、前記キナーゼは、配列番号1−9のいずれかに対応する遺伝子によりコードさ れる、ことを特徴とする抗体。 17. 前記キナーゼポリペプチドが、前記キナーゼのアミノ酸配列の少なくと も3個の連続するアミノ酸を含む、請求項16記載の抗体。 18. 前記キナーゼポリペプチドが、前記キナーゼのアミノ酸配列の少なくと も25個の連続するアミノ酸を含む、請求項17記載の抗体。 19. キナーゼポリペプチドに対する特異的結合親和性を有する抗体を産生す るハイブリドーマであって、前記キナーゼは、配列番号1−9のいずれかに対応 する遺伝子によりコードされることを特徴とするハイブリドーマ。 20. 前記キナーゼポリペプチドが、前記キナーゼのアミノ酸配列の少なくと も25個の連続するアミノ酸を含む、請求項19記載のハイブリドーマ。
JP52402198A 1996-11-22 1997-11-21 レセプターチロシンキナーゼ遺伝子 Ceased JP2001504349A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US3167596P 1996-11-22 1996-11-22
US60/031,675 1996-11-22
PCT/US1997/022526 WO1998022507A2 (en) 1996-11-22 1997-11-21 Receptor tyrosine kinase genes

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001504349A true JP2001504349A (ja) 2001-04-03

Family

ID=21860809

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP52402198A Ceased JP2001504349A (ja) 1996-11-22 1997-11-21 レセプターチロシンキナーゼ遺伝子

Country Status (8)

Country Link
US (1) US6136581A (ja)
EP (1) EP0942934B1 (ja)
JP (1) JP2001504349A (ja)
AT (1) ATE382637T1 (ja)
AU (1) AU7300998A (ja)
CA (1) CA2271950A1 (ja)
DE (1) DE69738433D1 (ja)
WO (1) WO1998022507A2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113519636A (zh) * 2021-05-25 2021-10-22 中国农业科学院茶叶研究所 一种冷泡茶的制备方法

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20030096753A1 (en) * 1998-04-09 2003-05-22 Robertson Alan George Simpson Therapeutic agent
GB9807781D0 (en) * 1998-04-09 1998-06-10 Univ Bristol Therapeutic agent
GB0020504D0 (en) * 2000-08-18 2000-10-11 Univ Bristol Therapeutic method
GB0122400D0 (en) * 2001-09-17 2001-11-07 Univ Bristol Polypeptide purification method
JP2005287301A (ja) * 2002-03-26 2005-10-20 Kazusa Dna Kenkyusho 神経再生遺伝子

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4945050A (en) * 1984-11-13 1990-07-31 Cornell Research Foundation, Inc. Method for transporting substances into living cells and tissues and apparatus therefor
US5298422A (en) * 1991-11-06 1994-03-29 Baylor College Of Medicine Myogenic vector systems
DE4239817A1 (de) * 1992-11-26 1994-06-01 Chemotherapeutisches Forschungsinstitut Georg Speyer Haus Klonierung eines neuen Mitgliedes der Familie der Rezeptor-Protein-Tyrosin-Kinasen (TKT)
US5844092A (en) * 1994-03-18 1998-12-01 Genentech, Inc. Human TRK receptors and neurotrophic factor inhibitors
US5601820A (en) * 1994-07-07 1997-02-11 Children's Hospital Of Philadelphia Compositions and methods of making and using human full length TRK-B

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113519636A (zh) * 2021-05-25 2021-10-22 中国农业科学院茶叶研究所 一种冷泡茶的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
ATE382637T1 (de) 2008-01-15
WO1998022507A3 (en) 1998-07-30
CA2271950A1 (en) 1998-05-28
WO1998022507A2 (en) 1998-05-28
EP0942934A2 (en) 1999-09-22
DE69738433D1 (de) 2008-02-14
EP0942934B1 (en) 2008-01-02
US6136581A (en) 2000-10-24
AU7300998A (en) 1998-06-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3944241B2 (ja) Aur―1および/またはaur―2関連疾患の診断および処置
JP2000512482A (ja) 新規ptp20、pcp―2、bdp―1、clk、およびsirpタンパク質並びに関連する生成物および方法
US20060292573A1 (en) Human orthologues of WART
JP2001504349A (ja) レセプターチロシンキナーゼ遺伝子
US20080009610A1 (en) Diagnosis and treatment of PTP related disorders
US6388063B1 (en) Diagnosis and treatment of SAD related disorders
US6818440B2 (en) Diagnosis and treatment of alk-7 related disorders
US20040005688A1 (en) Isolated dishevelled associated kinases, polynucleotides encoding the kinases, and methods of use thereof
US6844177B2 (en) Diagnosis and treatment of PTP04 related disorders
WO1996037610A2 (en) Cck-4, a receptor tyrosine kinase, and methods for diagnosis and treatment of cck-4 signal transduction disorders
US6342593B1 (en) Diagnosis and treatment of ALP related disorders
MXPA98004934A (en) Diagnosis and treatment of alterations related to aur-1 and / or au
WO1999027099A1 (en) Orf, a substrate for extracellular signal-regulated kinase, erk-6, and related methods

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040618

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070619

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20070913

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20071022

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20071018

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20071126

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20071119

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20071221

A313 Final decision of rejection without a dissenting response from the applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A313

Effective date: 20080130

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080311