JP2001503991A - 転移性前立腺癌の検出方法 - Google Patents

転移性前立腺癌の検出方法

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Abstract

(57)【要約】 前立腺癌は、生理学的サンプルにおける前立腺特異的粒状カリクレインhK2ポリペプチド又はhK2 RNAの存在を決定することによって検出される。

Description

【発明の詳細な説明】 転移性前立腺癌の検出方法 発明の背景 腺性カリクレイン(glandular kallikrein)は、特定のポリペプチド前駆体か らそれらの生物学的活性形への翻訳後プロセッシングに関与するセリンプロテア ーゼのサブグループである。ヒトにおいては、このファミリーの3種のメンバー が同定されており、そしてそれらの性質のいくつかは特徴づけられている(Cleme nts,Endoc .Rev.,10,343(1989);Clements,Mol .Cell Endo.,99,1(199 4);Jonesなど.,Acta Endoc. ,127,481(1992))。hKLK1遺伝子は組織カリク レインタンパク質hK1をコードし、hKLK2遺伝子は前立腺−特異的腺性カリクレ インタンパク質hK2をコードし、そしてhKLK3遺伝子は前立腺−特異的抗原タン パク質hK3(PSA)をコードする。mRNAのノザンブロット分析は、hK2及びPSAの 両者が主にヒト前立腺において発現され、そしてhK1の発現は膵臓、顎下腺、腎 臓及び他の非前立腺組織に見出されることを示す(Chapdelaineなど.,FEBS Let t.,236,205(1988);Youngなど.,Biochem .31,818(1992))。 hKLK2及びhKLK3のエキソン間のヌクレオチド配列の相同性は80%であり、他 方hKLK2及びhKLK1のエキソン間のヌクレオチド配列相同性は65%である。PSA に対するhK2の推定されるアミノ酸配列の相同性は78%であり、他方hK1に対す るhK2の推定されるアミノ酸配列の相同性は57%である。さらに、hK2の推定さ れるアミノ酸配列が示すところによれば、hK2はトリプシン−様プロテアーゼで あり、他方PSAはキモトリプシン−様プロテアーゼである。 PSAレベルは、前立腺癌の予後インジケーターとして広く使用される。しかし ながら、血清中のPSAの濃度は前立腺癌(pCa)又は良性前立腺過形成(BPH)のいづ れかを有する患者において高められるので、高レベルのPSAの検出ではそれらの 疾病間の区別ができない。さらに、PSAに対するhK2の高度の相同性は、PSAのレ ベルを検出するために現在使用される抗体の特異性に関するいくらかの問題を生 ぜしめる。循環hK2のレベルがpCa又はBPHに関係しない場合、hK2により汚染さ れたPSAの調製物に対して、又はhK2に対して相同性を有するPSAの領域に対して 生じさせた抗体は誤った陽性結果をもたらす。 デジタル直腸試験(DRE)と組合された血清PSA試験は臨床的に有意な及び器官− 制限(ogan-confined)された前立腺癌を検出するために最とも効果的な手段であ ることが現在、一般的に許容されているが、PSA,DRE及び超音波前立腺試験の組 合せはいくつかの前立腺癌のみを検出することができる。たとえば、前立腺癌を 有する40%までの外科的に治療された患者は、臨床的に不十分な段階である(und erstaged)ことが見出されている。さらに、臨床的に有意な前立腺癌の発生率に 関する検死データに基づく組織的癌の実際の発生率は高い。さらに、真偽の疑わ しい局在化された前立腺癌を有する約30%の患者は、隠れた(遠い)転移性疾病 を有することがある(Morenoなど.,Cancer Res. ,52,6110(1992))。それらの患 者のうち、80%は、治療の後、生化学的に、すなわち、高められたPSAレベルに より、又は局部的疾病の再発又は明らかな全身性疾病の発生により、再発を経験 する。 外科療法は、確立された転移を有する患者のための適切な治療様式ではない。 初期転移を評価するためのスクリーニング様式は、しばしば、前立腺ノウ又は精 ノウの侵入を包含する局部的侵襲性疾病 を有する有意な患者群を同定できない。明白な転移性沈着物が従来手段により明 らかにされない場合、免疫組織化学的技法が、微小転移性又は循環性前立腺腫瘍 細胞を同定するために使用されて来たが、免疫組織化学方法は労力を要し、転移 性又は局部的侵襲性前立腺癌の初期検出のために必要とされる感受性を欠いてい る。 従って、転移可能性を有する前立腺癌細胞の初期検出のための必要性がある。 さらに、患者を侵襲性過程にさらす前に、前立腺癌を正確に分類する必要がある 。特に、PSAとは無関係に、又はPSAとの組合せで機能することができる、前立腺 癌のためのマーカーの必要性がある。 発明の要約 本発明はhK2 DNAを検出するための診断方法を提供し、この方法においては、 生理学的サンプル中の前立腺癌細胞の存在が前記サンプル中のhK2 RNAの検出と 関連付けられる。hK2の発現は前立腺組織特異的であるので、局部的侵襲性又は 転移性疾患が存在しない場合、又はすべての前立腺組織(良性及び悪性)が除去 されているか又は破壊されている場合、hK2 RNAは、体液又は非前立腺組織に存 在する細胞には理論的に検出できない。前記方法は、ヒト生理学的サンプルから のRNAの逆転写(RT)により得られる量のDNAと、多くのオリゴヌクレオチドプラ イマー、好ましくは少なくとも2種のオリゴヌクレオチドプライマー(その少な くとも1つはhK2−特異的オリゴヌクレオチドである)とを、増幅反応において 接触せしめることにより多量の増幅されたhK2 DNAを生成することを含んで成る 。好ましい増幅反応は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)である。次に、増幅されたh K2 DNAの存在が検出される。下記に記載されるように、RT−PCRの後、血液細胞 中の増幅されたhK2 DNAの存在は、 前立腺癌と関連付けられる。すなわち前立腺癌患者の67%がhK2を発現し、17% がPSAを発現し、そして17%がhK2及びPSAの両者を発現する。好ましくは、試験 されるサンプル源は、ヒト組織、たとえば前立腺、前立腺ノウ、精ノウ、骨髄又 はリンパ節である。試験されるもう1つの好ましいサンプル源は、細胞、たとえ ば血液、血清、又は精液を含んで成るヒト生理学的流体である。 本明細書において使用される場合、“増幅されたhK2 DNA”とは、増幅の前に サンプルに存在するhK2 DNAの量よりも10倍、好ましくは104倍、そしてより好 ましくは106倍、多い量で存在する、増幅反応にゆだねられたサンプル中のhK2 DNAを意味する。 本明細書において使用される場合、“hK2−特異的オリゴヌクレオチド”又は “hK2−特異的プライマー”とは、hK3をコードするヌクレオチド配列(配列番 号23)からはずれる配列番号4の領域における配列番号4に対して少なくとも約 80%、より好ましくは少なくとも約90%そしてより好ましくは少なくとも約95% の配列同一性又は相同性を有するDNA配列を意味する。本発明のオリゴヌクレオ チド又はプライマーは、少なくとも約7〜50個、好ましくは少なくとも約10〜40 個、そしてより好ましくは少なくとも約15〜35個のヌクレオチドを有する。好ま しくは、本発明のオリゴヌクレオチドプライマーは、配列番号2,4又は6に対 して少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約85%、そしてより好ましく は少なくとも約90%の同一性を有する、少なくとも7個のヌクレオチドをオリゴ ヌクレオチドプライマーの3’側に含んで成る。本発明のオリゴヌクレオチドは また、hK2核酸配列に対して無関係である配列も含むことができ、たとえばそれ らは制限エンドヌクレアーゼ認識配列をコードすることができる。本発明の好ま しいhK2−特異的オリゴヌクレオチドは、配列番号14を含んで成る。本発明のも う1つの好ま しいhK2−特異的オリゴヌクレオチドは、配列番号17を含んで成る。本発明のさ らにもう1つの好ましいhK2−特異的オリゴヌクレオチドは、配列番号18を含ん で成る。 本発明の好ましい診断方法は、hK2転写体のRT−PCR検出と、前立腺癌に関連 する他の遺伝子生成物の転写体のRT−PCR検出とを組合わせる。複数の遺伝子生 成物の組合された検出は、より高い診断の確実性をもたらし、又はより有益な段 階的情報(staging information)を提供することができる。組合された検出はま た、攻撃的な増殖能力を有する細胞と、より無活動である細胞とを区別すること において有益である。本発明により提供される方法の特に好ましい態様において は、hK2 RNAのRT−PCR検出が、PSA,RNAのRT−PCR検出と組合される。 本発明はさらに、hK2 RNAを検出するための診断方法も提供する。この方法は 、ヒトから得られた生理学的サンプルからRNAを抽出することを含んで成る。抽 出されたRNAは、DNAを生成するために逆転写される。DNAが増幅された量のhK2 DNAを生成するためにDNAを増幅するのに有効な少なくとも2種のオリゴヌクレオ チドと接触せしめられ、ここで少なくとも1つのオリゴヌクレオチドはhK2−特 異的オリゴヌクレオチドである。次に、増幅されたhK2 DNAの存在が検出される 。増幅されたhK2 DNAの存在は、ヒトにおける転移性前立腺癌を示す。 体液又は非前立腺組織におけるhK2 RNAの存在、又は時間と共に上昇するhK2 RNAのレベルは、これまで診断未確定の転移性疾病の存在を示すことが合理的に 予測され得る。転移性疾病の初期検出は、“リードタイム”を提供し、この間、 他の治療方法、たとえば手術の時には存在しないがしかし続いて発生する方法が 評価され得る。従って、本発明は、前立腺癌の進行をモニターするための方法を 提供する。 前記方法は、増幅された量のhK2 DNAを得るために、DNAを増幅するのに有効 な量の少なくとも2種のオリゴヌクレオチド(その少なくとも1つはhK2−特異 的オリゴヌクレオチドである)と、前立腺癌を有するヒトから得られた生理学的 サンプルからのRNAの逆転写により得られた量のDNAとを接触せしめることを含ん で成る。増幅されたhK2 DNAの存在又は量が検出され、又は測定される。時間的 に後の少なくとも一点で、もう1つのサンプルが取られ、そして増幅されたhK2 DNAの量が検出され、又は測定される。次に、少なくとも2点の異なった時点で 得られた、増幅されたhK2 DNAの量が比較される。 また、ヒトにおける前立腺癌を病理学的に段階付けるための方法も提供される 。前記方法は、増幅された量のhK2 DNAを得るために、DNAを増幅するのに効果 的な量の少なくとも2種のオリゴヌクレオチド(その少なくとも1つはhK2−特 異的オリゴヌクレオチドである)と、前立腺癌を有するヒトから得られた生理学 的サンプルからのRNAの逆転写により得られる量のDNAとを接触せしめることを含 んで成る。次に、増幅されたhK2 DNAの存在又は量が検出され、又は測定される 。増幅されたhK2 DNAの存在又は量は、前立腺癌の病理学的段階を示す。 本発明のもう1つの態様は、ホルモン療法を包含する治療介入をモニターする ための方法を提供する。たとえば、hK2発現はアンドロゲン−依存性であるので 、末梢血液、又は他の体組織もしくは体液におけるhK2 RNAレベルは、断続的ア ンドロゲン治療の間、又はアンドロゲン刺激的試験の間、マーカーとして使用さ れ得、ここで患者は前立腺癌細胞を検出可能にするのに十分ないづれかの永続性 前立腺癌細胞によるhK2生成のレベルを刺激するために高男性化さ れた状態に一時的に置かれる。T.K.Takayamaなど.,Sem .in Oncol.,21,542- 553(1994)及びそこに引用される文献を参照のこと。hK2レベルは好ましくは 、ホルモ療法の間、定期的にモニターされる。治療の開始の前、及び治療プログ ラムの終結の後、定期的に、hK2レベルをまた決定することは好都合である。 また、hK2 RNAを含むと思われる生理学的サンプル中のhK2 RNAを検出するた めの診断キットが提供される。前記キットは、(a)既知量の第1のhK2−特異 的オリゴヌクレオチド(ここで前記オリゴヌクレオチドは少なくとも約7〜50個 のヌクレオチドから成り、そして配列番号4に対して少なくとも約80%の同一性 を有する);及び(b)既知量の第2のhK2−特異的オリゴヌクレオチド(ここ で前記オリゴヌクレオチドは少なくとも約7〜50個のヌクレオチドから成り、そ して配列番号4に対して相補的であるヌクレオチド配列に対して少なくとも約80 %の同一性を有する)を含むパッケージングを含んで成る。 本発明はさらに、配列番号22を含んで成る単離され、精製されたペプチド、そ の生物学的活性サブユニット、又はその生物学的活性変異体を提供する。本発明 はさらに、配列番号26を含んで成る単離され、精製されたペプチド、その生物学 的活性サブユニット、又はその生物学的活性変異体を提供する。また、上記発明 のペプチドを含んで成るタンパク質又はポリペプチドと特異的に反応する、単離 され、精製された抗体又は抗体調製物が提供される。 本明細書において使用される場合、用語、本発明のペプチドの“生物学的活性 サブユニット”とは好ましくは、配列番号22を有するペプチドの活性の少なくと も約10%、好ましくは少なくとも約50%、及びより好ましくは少なくとも約90% を有する、配列番号22を有するペプチドのサブユニットを意味する。本発明のペ プチドの活性 は、そのペプチドが生物、たとえばヤギ、ウサギ、羊又はマウスに投与される場 合、配列−特異性免疫学的応答を誘発するそのペプチドの能力(但し、それだけ には限定されない)を包含する当業界において良く知られている方法により測定 され得る。 本明細書において使用される場合、用語、本発明のペプチドの“生物学的活性 変異体”は好ましくは、配列番号22に対して少なくとも約80%、好ましくは少な くとも約90%、そしてより好ましくは少なくとも約95%の同一性又は相同性を有 するペプチドを意味する。本発明のペプチドの生物学的活性変異体は、配列番号 22を有するペプチドの活性の少なくとも約10%、好ましくは少なくとも約50%、 そしてより好ましくは少なくとも約90%の活性を有する。本発明の変異体ペプチ ドの活性は、上記方法により測定され得る。 本発明はさらに、ヒト非前立腺組織サンプル中の転移性前立腺癌の存在を検出 し又は測定するための方法を提供する。前記方法は、hK2ポリペプチドに結合し そしてhK3に結合しない量の剤と、哺乳類組織サンプルの細胞とを混合すること を含んで成り、その結果、前記剤及び細胞を含んで成る二元複合体が形成される 。次に、サンプル中の複合体形成の存在もしくは量が検出され、又は測定される 。複合体の存在又は量は、微小転移性前立腺癌の存在の表示を提供する。本明細 書において使用される場合、“微小転移性”とは、前立腺ノウ又は精ノウの侵入 を典型的には包含する局部的侵襲性疾病、又は潜在的疾病を意味する。この方法 への使用のための好ましい剤は、抗体である。用語“抗体”は、ヒト及び動物mA b、及びポリクローナル抗体の調製物、並びに抗体フラグメント、合成抗体、た とえば組換え抗体、キメラ抗体、たとえばヒト化抗体、抗−イディオタイプ抗体 及びそれらの誘導体を包含する。hK2に結合し、そしてhK3に結合しない抗体を 調製するために、単離されたhK2ポリペ プチド、単離されたhK2ペプチド、並びにそれらの変異体及びサブユニットが、 抗体の集団を調製するために使用され得る。それらの抗体は、組織、たとえば骨 髄及びリンパ節に由来するサンプル、及び細胞を含んで成る生理学的流体からの 細胞のサンプルにおけるhK2ポリペプチド(又は“タンパク質”)を検出し、そ して定量化するために直接的又は競争アッセイのための基材として使用され得る 。 図面の簡単な説明 図1は、野生型成熟hK2(配列番号1)及びhK3(配列番号7)のアミノ酸配 列を示す。 図2は、野生型pphK2(それぞれ、配列番号3及び4)、phK2(配列番号5 及び6)及びhK2(配列番号1及び2)のアミノ酸配列、及び対応する核酸配列 を示す。コドン217(GCT,Ala)は、太字で示され、そして下線が引かれている。 図3はpGT発現ベクターpGThK2及びpGThK2V217の図解である。 図4は、phK2V217の精製からのクロマトグラフィープロフィールを示す。( A)pphK2V217をコードするベクターによりトランスフェクトされたAV12細胞か らの7日間のスペント培地のDEAEクロマトグラム。そのスペント(spent)培地の サンプルが炭酸水素緩衝液(pH8)に適用され、そして塩グラジエントにより溶 出された。A280溶出プロフィールが実線により示される。点線は、マイクロタ イタープレート上に乾燥され、そしてウサギ抗−pphK2抗体により顕現された、 個々のカラム画分の一部のELISAアッセイの結果を示す。(B)プールされたDEA E画分の疎水性相互作用プロフィール。(A)のDEAEクロマトグラフィー溶出物 からの画分24〜30がプール され、濃縮され、そして1.2Mの硫酸ナトリウム中、HIC(疎水性相互作用カラム) に適用され、そして低下する塩グラジエントにより溶出された。その溶出プロフ ィール(A280)は、実線により示される。点線は、マイクロタイタープレート上 に乾燥せしめられ、そしてウサギ抗−hK2抗体により展開された、個々のカラム 画分の一部分のELISAアッセイの結果を示す。(C)(B)からの22分ピークか らのhK2−含有画分が濃縮され、そしてPharmacia S12サイズ排除カラムに適用 された。画分が集められ、そしてSDS/PAGEにより分析された。19.4分ピークは 、SDS−PAGEにより均一に見えた。 図5は、精製されたhK2及びPSAのSDS/PAGE分析を表わす。精製されたphK2V 217 又はPSAの1.5mgサンプルが、1% β−メルカプトエタノールと共に(R) 又はそれを伴わないで(N)、サンプル緩衝液中で煮沸された。サンプルが、4 〜20%ゲル上のSDS/PAGEにかけられた。タンパク質バンドが、銀によりゲルを 染色することによって可視化された。 図6は、phK2V217のコンカナバリンA染色を示す。phK2の予測される位置は 、矢印により示される。ZCE(抗−CEA mAb)及びBSAは、それぞれ、グリコシル化 された及びグリコシル化されていないタンパク質の例として含められた。phK2 レーンにおける予測される位置でのバンドの存在は、このタンパク質がグリコシ ル化されていることを示す。 図7は、トリプシン分解によるプロhK2V217から成熟hK2V217への転換を示す 。トリプシン(1% w/w)が、100mMの硼酸緩衝液(pH8)中で37℃で10分 間、phK2V217と共にインキュベートされ、そして次に、HIC−HPLCにかけられた 。点線は、トリプシンと共にインキュベーションする前のphK2V217のプロフィ ールを示す。実線は、トリプシン消化の後のphK2のプロフィールを示す。そ れらのプロフィールが、比較のために重ねられた。2つの形の同一性が、タンパ ク質のN−末端配列決定により確かめられた。 図8は、モノクローナル抗体(mAb)hK1G586.1を用いての精液のウェスターンブ ロット分析を示す。処理された精液がPBSにより1:1に希釈され、そして10,00 0×gで20分間、遠心分離された。上清液が、Phast System(Pharmacia)を用いて 、8〜25%ゲル上でのSDS/PAGEにかけられた。タンパク質がニトロセルロース に移され、そしてプロテイン−G精製されたhK1G586.1(1μg/ml)、続いて ヤギ抗−マウスIgG−HRP(1:1000)と共にインキュベートされた。ブロットが 、ECL検出システム(Amersham)を用いて展開された。 図9は、AV12細胞におけるhK2発現の時間経過研究を示す。AV12−hK2クロー ン#27が約60〜70%の集密性に増殖され、次に細胞がHBSSにより洗浄され、そし て血清フリーHH4培地が添加された。スペント培地が個々の日、回収され、濃縮 され、そして12%ゲル上でのSDS/PAGEにかけられた。タンパク質が電気ブロッ トされ、そしてphK2及びhK2の両者を検出するモノクローナル抗体HK1D106.4( 1:1000)、phK2を検出するHK1G464.3(1:1000)、続いてヤギ抗−マウスIg G−HRP(1:500)によりプローブされた。製造業者の説明書に従って、ブロット がECL(Amersham)により展開された。精製されたphK2V217及びhK2V217が対照と して使用された。hK2の位置は矢印により示される。 図10は、トランスフェクトされたAV12細胞におけるhK2の変異体形の発現の時 間経過研究を示す。約60〜70%の集密性において、AV12−hK2V217細胞がHBSSに より洗浄され、血清フリーHH4培地が添加された。スペント培地が個々の日、回 収され、濃縮され、そして12%ゲル上でのSDS/PAGEにかけられた。タンパク質 が電気ブロッ トされ、そしてモノクローナル抗体HK1D106.4及びHK1G464.3によりプローブされ た。ヤギ抗−マウスIgG−HRP(1:500)が、製造業者の説明書に従って、ECL(Ame rsham)により展開された。精製されたphK2V217及びhK2V217が対照として使用 された。hK2の位置は矢印により示される。 図11は、時間にわたってのhK2発現及び細胞生存性のブロットである。AV12− hK2クローン#27が60〜70%集密性に増殖され、HBSSにより洗浄され、そして血 清フリーHH4培地が添加された。スペント培地がそれぞれの日、回収され、そし てhK2濃度が、一次抗体としてHK1D106.4又はHK1G464.3及び二次抗体としてヤギ 抗−マウスIgG−HRPを用いて、ELISAにより測定された。反応がOPD(Sigma,St. Louis,MO)により展開された。生存細胞が、トリパンブルー染料排除を用いて毎 日、数えられた。 図12は、PC3及びDU145細胞におけるhK2の発現を示す。pGThK2によりトラン スフェクトされたPC3及びDU145細胞が、約60〜70%の集密性まで増殖され、洗 浄され、そして血清フリーHH4培地に再懸濁された。pGThK2によりトランスフ ェクトされたDU145細胞のスペント培地が、再懸濁の3日後、集められ、そしてp GThK2によりトランスフェクトされたPC3細胞のスペント培地が、再懸濁の5日 後、集められた。スペント培地が濃縮され、そして12%ゲル上でのSDS/PAGEに かけられた。タンパク質が電気ブロットされ、そして上記のようにして、HK1D10 6.4又はHK1G464.3によりプローブされた。精製されたphK2V217及びphK2V217が 対照として使用された。hK2の位置は矢印により示される。。 図13は、選択されたhK2−含有AV12クローンによるhK2の発現を示す。hK2含 有AV12クローン番号10,27,31及び32からの細胞が約60〜70%の集密性まで増殖 され、そしてHBSSにより洗浄され、次に 血清フリーHH4培地が添加された。スペント培地が血清フリー培地の添加の7日 後、回収され、濃縮され、そして12%ゲル上でのSDS/PAGEにかけられた。タン パク質が電気ブロットされ、そしてHK1D106.4又はHK1G464.3によりプローブされ た。ヤギ抗−マウスIgG−HRP(1:500)が、二次抗体として使用され、そしてブ ロットが製造業者の説明書に従って、ECL(Amersham)により展開された。精製さ れたphK2V217及びhK2V217が対照として使用された。hK2の位置は矢印により 示される。 図14は、選択されたAV12−hK2V217クローンにおけるphK2V217の発現を示す 。AV12クローン番号2,3,4,45及び48からの細胞が約60〜70%の集密性まで 増殖され、そしてHBSSにより洗浄され、そして血清フリーHH4培地が添加された 。スペント培地が、血清フリー培地の添加の7日後、回収され、濃縮され、そし て12%ゲル上でSDS/PAGEにかけられた。タンパク質が電気ブロットされ、そし てHK1D106.4及びHK1G464.3によりプローブされた。ヤギ抗−マウスIgG−HRP(1 :500)が二次抗体として使用され、そしてブロットが製造業者の説明書に従って 、ECL(Amersham)により展開された。精製されたphK2V217及びhK2V217が対照と して使用された。hK2の位置は矢印により示される。 図15は、hK2の残基210〜236についてのhK2V217,hK2及びPSAのアミド分解 特異性を示す。合成ペプチド(0.63mM)が、1μg/mlのhK2,40μg/mlのhK 2V217又は100μg/mlのPSAにより37℃で一晩、消化され、そして消化生成物が RP−HPLCにより分離された。ピークが、切断の定性的観点を比較するために標準 化された。 図16は、異なったペプチド基質についてのhK2及びPSAの特異性を示す。空白 の矢印はPSAにより切断されるペプチド結合を示し; 実線の矢印はhK2により切断される結合を示す。ペプチド#1は、hK2のアミノ 酸残基210〜236を示す。ペプチド#2はアンギオテンシノーゲンのアミノ酸残基 1〜14、すなわちレニン基質テトラデカペプチドを示す。ペプチド#3は、phK 2のアミノ酸残基−7〜+7を示す。ペプチド#4は、hK2のアミノ酸残基41〜 56を示す。ペプチド#5は、インシュリンの酸化されたβ鎖のアミノ酸配列を示 す。ペプチド#6は、PMSAのアミノ酸残基196〜213を示す。 図17は、hK2V217ではなく、hK2によるphK2V217の活性化を示す。phK2V217 は、プロリーダーペプチド配列VPLIQSR、すなわちhK2V217に存在しない配列を 含む。パネルAは、1%(w/w)hK2と共にインキュベートされたphK2V217 を示す。パネルBは、phK2V217と共に6時間インキュベートされた40%(w/ w)hK2V217を有する対照である。 図18は、プロテアーゼインヒビターと共にインキュベートされたhK2のウェス ターンブロット分析を示す。個々のサンプルが、8〜25%グラジエントSDS−PAG E上で分離され、ブロットされ、そしてHK1G586.1によりプローブされた。hK2が 次のインヒビターと共に37℃で4時間インキュベートされた:レーン1、抗キモ トリプシン(ACT);レーン2、α2−抗プラスミン;レーン3、抗−トロンビ ンIII;レーン4、α1−プロテアーゼインヒビター(抗−トリプシン);レー ン5、α2−マクログロブリン;レーン1及び2は、90〜100KDの予測されるMr の共有結合複合体を示す。セルピンインヒビターが、20μMで、マクログロブリ ンが2.8μMで、そしてhK2が0.175μMで使用された。レーン5は、α2−マク ログロブリンとhK2との共有結合複合形成を示すより高いMrの複合体を示す。 図19は、ヒト血清におけるhK2の複合体形成を示す。hK2及びPSAのウェスタ ーンブロットがヒト血清と共にインキュベートされた 。hK2サンプルがHK1G586.1によりプローブされ、そしてPSAサンプルがPSM773抗 −PSAmAbによりプローブされた。レーン1〜6はhK2サンプルを含み、そしてレ ーン7及び8はPSAサンプルである。レーン1はhK2対照を示す。レーン2は、A CTと共に4時間インキュベートされたhK2を含む。レーン3は添加されたプロテ アーゼを含まない血清対照を示す。レーン4は血清と共に15分間インキュベート されたhK2を含む。レーン5は、血清と共に4時間インキュベートされたhK2を 含む。レーン6は、精製されたα−2マクログロブリンと共に4時間インキュベ ートされたhK2を含む。レーン7は、血清と共に4時間インキュベートされたPS Aを含む。レーン8は、精製されたα−2マクログロブリンと共に4時間インキ ュベートされたPSAを含む。 図20は、処理されていないヒト前立腺(n=257)におけるモノクローナル抗体H K1G586の免疫反応性を示す。 図21は、アンドロゲン−剥奪療法−処理されたヒト前立腺(n=7)における モノクローナル抗体HK1G586の免疫反応性を示す。 図22は、(A)ヒト全血中に希釈されたLNCaP細胞から抽出されたRNA中のPSA 及びhK2のmRNAのRT−PCR検出、及び(B)次の患者のヒト全血から抽出されたR NAにおけるPSA及びhK2のmRNAのRT−PCR検出を示す:患者17、年齢31、男性の対 照;患者21、年齢58、臨床段階B;患者24、年齢83、既知の転移性疾病(D2) ;患者26、年齢75、病理学的段階C(+縁);患者28、年齢57、病理学的段階C (+縁);患者49、年齢64、病理学的段階C(+精ノウ);患者59、年齢31、男 性の対照;患者60、年齢73、既知の転移性疾病。 本発明の特定の記載 PSAに対するhK2の高度のアミノ酸配列相同性、及びhK2及びPSAの両者の発現 が前立腺細胞に実質的に制限される事実は、組織サンプル中のhK2及びPSAの量 もしくは存在の測定、又は細胞を含んで成る生理学的流体、たとえば血液もしく は組織サンプル、たとえばリンパ節におけるhK2転写体のレベルの測定は、前立 腺癌(pCa)の診断及びモニターリングにおいて有用であることを示唆する。定 義 本明細書において使用される場合、“hK2ポリペプチド”は、組換えプレープ ロ、プロ及び成熟hK2ポリペプチドを包含する。図1に示されるアミノ酸配列( 配列番号1)を有する成熟hK2ポリペプチド、及びhK3と実質的に相同である領 域、すなわち図1に示されるような棒線により同定されない領域において配列番 号1と少なくとも90%の相同性を共有する“変異体”ポリペプチドが存在する。 本発明の変異体hK2ポリペプチドは、その対応する野生型hK2ポリペプチドに対 して少なくとも1つのアミノ酸置換を有する。好ましい変異体hK2ポリペプチド は、配列番号8、すなわちアミノ酸位置217でアラニンのバリンへの置換を有す る成熟hK2ポリペプチドを含んで成る。hK2ポリペプチドは図1の成熟hK2分子 と同じように抗原性機能を有し、ここで前記ポリペプチドはまた、それに対して 特異的に結合するが、しかしhK3(又はhK1)と交差反応しない抗体によっても 定義できる。好ましくは、前記抗体は、図1の成熟hK2分子上に存在する抗原性 部位又はエピトープとも反応する。 共有する抗原性機能を定義するのに有用な抗体、すなわちhK2サブユニット41 〜56に対してインビボで調製されたポリクローナル抗血清は、出願番号08/096,9 46、現在アメリカ特許第5,516,639号に詳細に記載されている。 “単離されたhK2核酸”は、生来のポリペプチドRNA又はDNAの 非コード又はコード鎖に対して相補的である、7個以上、好ましくは15個、そし てより好ましくは20個又はそれ以上の連続したヌクレオチド塩基を含むRNAもし くはDNAであり、又は前記RNAもしくはDNAに対してハイブリダイズし、そして緊 縮条件下で安定して結合されたまま存続する。好ましくは、単離された核酸は、 生物学的活性hK2ポリペプチド、その変異体又はそのサブユニットをコードする 。hK2ポリペプチドの生物学的活性は、hK2ポリペプチドに対して特異的な抗体 と反応する能力、hK2−特異的基質を分解する能力(例7を参照のこと)、又は 血清タンパク質に対して結合する能力(例9を参照のこと)を包含する(但し、 それらだけには限定されない)当業界においてよく知られている方法により検出 され得る。変異体hK2ポリペプチドもしくはそのサブユニット、又はhK2ポリペ プチドのサブユニットは、配列番号1のアミノ酸配列を含んで成るhK2ポリペプ チドの生物学的活性の少なくとも約10%、好ましくは少なくとも約50%、そして より好ましくは少なくとも約90%を有する。 従って、RNA又はDNAは、それが核酸の天然源に通常関係する少なくとも1つの 汚染性核酸を有さず、そして好ましくは、いづれか他の哺乳類RNA又はDNAを実質 的に有さないことにおいて単離される。用語“通常関係する少なくとも1つの汚 染性核酸源を有さない”とは、核酸が前記源又は天然細胞中に再導入されるが、 しかし異なった染色体位置に存在し、又は他方では、前記細胞源に通常見出され ない核酸配列を端に有する場合を包含する。単離されたhK2核酸の例は、上記の ように、図1のhK2ペプチドのhK3−相同領域と少なくとも90%の配列同一性を 共有する生理学的活性hK2ポリペプチドをコードするRNA又はDNAである。用語“ 単離され、精製された”とは、hK2ポリペプチドに関して使用される場合、この 後に論 じられる方法により定義される。 本明細書において使用される場合、用語“組換え核酸”、すなわち“組換えDN A”とは、核酸、すなわち続いて、インビトロにおいて化学的に変更され、そし て後で、標的宿主細胞、たとえば動物、植物、昆虫、菌類、細菌源に由来する細 胞中に導入され得る、いづれか適切な組織源から誘導され又は単離されたDNAを 意味する。源から“誘導された”組換えDNAの例は、hK2をコードする有用なフ ラグメントとして同定されるDNA配列、又はそのフラグメントもしくは変異体、 及び次に実質的に純粋な形で化学的に合成されるDNA配列、又はそのフラグメン トもしくは変異体であろう。源から“単離された”そのようなDNAの例は、本発 明への使用のために、遺伝子工学の方法によりさらに操作され、たとえば増幅さ れ得るように、化学的手段、たとえば制限エンドヌクレアーゼの使用により前記 源から切除され又は除去された有用なDNA配列であろう。 従って、“組換えDNA”は、完全に合成のDNA配列、半合成DNA配列、生物学的 源から単離されたDNA配列、及び導入されたRNAに由来するDNA配列、並びにそれ らの混合物を包含する。一般的に、組換えDNA配列は、DNAの受容体である宿主標 的細胞のゲノムに本来存在しないか、又はそれは前記ゲノムに存在するが、しか し発現されないか又は高く発現されない。 本明細書において使用される場合、“キメラ”とは、ベクターが、“天然”又 は野生型の種に存在しない態様で連結されているか又は関連している、少なくと も2種の異なった種からのDNAを含んで成るか、又は同じ種からのDNAを含んで成 ることを意味する。 “制御配列”とは、特定の宿主生物において作用可能に連結されたコード配列 の発現のために必要なDNA配列を意味するよう定義される。たとえば、原核細胞 のために適切である制御配列は、プロモ ーター、及び任意には、オペレーター配列、及びリボソーム結合部位を含む。真 核細胞は、プロモーター、ポリアデニル化シグナル及びエンハンサーを利用する ことが知られている。 “作用可能に連結される”とは、核酸が他の核酸配列と機能的関係に置かれる ことを意味するよう定義される。たとえば、プレ配列又は分泌リーダーのための DNAは、それがポリペプチドの分泌に関係するプレタンパク質として発現される 場合、ポリペプチドのためのDNAに作用可能に連結され;プロモーター又はエン ハンサーは、それが配列の転写に影響を及ぼす場合、コード配列に作用可能に連 結され;又はリボソーム結合部位は、それが翻訳を促進するために位置決定され る場合、コード配列に作用可能に連結される。一般的に、“作用可能に連結され る”とは、連結されるDNA配列が隣接し、そして分泌リーダーの場合、隣接し、 そして読取り枠を整合して存在することを意味する。しかしながら、エンハンサ ーは、隣接して存在すべきではない。結合は、便利な制限部位での連結により達 成される。そのような部位が存在しない場合、合成オリゴヌクレオチドアダプタ ー又はリンカーが、従来の実施に従って使用される。 “サザン分析”又は“サザンブロット”は、DNA又はDNA−含有組成物の制限エ ンドヌクレアーゼ消化物中のDNA配列の存在を既知のラベルされたオリゴヌクレ オチド又はDNAフラグメントに対するハイブリダイゼーションにより確かめる方 法である。サザン分析は典型的には、アガロースゲル上でのDNA消化物の電気泳 動分離、電気泳動分離後のDNAの変性、及びSambrookなど.、前記のセクション9 .37〜9.52に記載のような、放射性ラベルされ、ビオチニル化され又は酵素−ラ ベルされたプローブによる分析のためのDNAのニトロセルロース、ナイロン又は 他の適切な膜支持体への移行を包含する。 “ノザン分析”又は“ノザンブロット”は、既知のプローブ、たとえばオリゴ ヌクレオチド、DNAフラグメント、cDNAもしくはそのフラグメント、又はRNAフラ グメントに対してハイブリダイズするRNA配列を同定するために使用される方法 である。前記プローブは、放射性同位体、たとえば32Pにより、ビオチニル化に より又は酵素によりラベルされる。分析されるRNAは通常、アガロース又はポリ アクリルアミドゲル上で電気泳動的に分離され、ニトロセルロース、ナイロン、 又は他の適切な膜に移行され、そして当業界において良く知られている標準の技 法、たとえばSambrookなど.、前記のセクション7.39〜7.52に記載されるそれら の技法を用いて、プローブによりハイブリダイズされ得る。 “緊縮条件”とは、(1)洗浄のために低いイオン強度及び高い温度、たとえ ば0.015MのNaCl/0.0015Mのクエン酸ナトリウム(SSC);0.1%のラウリル硫酸 ナトリウム(SDS)を50℃で使用し、又は(2)ハイブリダイゼーションの間、変 性剤、たとえばホルムアミド、たとえば50%ホルムアミド、及び0.1%ウシ血清 アルブミン/0.1% Ficoll/0.1%ポリビニルピロリドン/50mMのリン酸ナトリ ウム緩衝液(pH6.5)、並びに750mMのNaCl,75mMのクエン酸ナトリウムを42℃で使 用する条件である。もう1つの例は、50%ホルムアミド、5×SSC(0.75MのNaC l,0.075Mのクエン酸ナトリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH6.8)、0.1%ピ ロリン酸ナトリウム、5×Denhardt's溶液、音波処理されたサケ精子DNA(50μ g/ml)、0.1% SDS及び10%硫酸デキストランの42℃での使用、並びに0.2×SS C及び0.1% SDSにおける42℃での洗浄である。緊縮条件の他の例に関しては、Sa mbrookなど.、前記を参照のこと。発現カセット又は発現ベクター 宿主細胞において機能的なプロモーターに作用可能に連結された hK2をコードする組換えDNA配列を含んで成る発現カセット又はベクターは、環 状又は線状、二本鎖又は一本鎖であり得る。一般的に、発現カセット又はベクタ ーは、キメラDNAの形で、たとえば得られる細胞系に存在する組換えDNAの発現を 促進する制御配列を端に有するコード領域をまた含むことができるプラスミドDN Aの形で存在する。たとえば、発現カセットは、哺乳類細胞において活性である プロモーターをそれ事態含んで成り、又は形質転換標的物であるゲノムにすでに 存在するプロモーターを用いることができる。そのようなプロモーターは、CMV プロモーター、並びにSV40後期プロモーター及びレトロウィルスLTR(長い末端反 復体要素)を包含する。hK2又はその一部のための転写単位として作用する組換 えDNA配列の他に、組換えDNAの一部は、転写されず、調節又は構造機能として作 用する。 細胞中に導入されるべき発現カセット又は発現ベクターはさらに、一般的に、 形質転換されるべき細胞集団からの形質転換された細胞の同定及び選択を促進す るために、選択マーカー遺伝子又はレポーター遺伝子又は両者のいづれかを含む であろう。あるいは、選択マーカーはDNAの別の断片上に担持され、そして同時 形質転換工程に使用され得る。選択マーカー及びレポーター遺伝子の両者は、宿 主細胞における発現を可能にするために適切な調節配列を端に有することができ る。有用な選択マーカーは、当業界においてよく知られており、そしてたとえば 、抗生物質及び除草剤−耐性遺伝子、たとえばneo,hpt,dhfr,bar,aroA及び 同様のものを包含する。Lundquistなど.(アメリカ特許第5,554,798号)の表1も また参照のこと。 レポーター遺伝子は、潜在的に形質転換された細胞を同定するために、及び調 節配列の機能性を評価するために使用される。容易に アセンブルできるタンパク質をコードするレポーター遺伝子は当業界においてよ く知られている。一般的に、レポーター遺伝子は、受容体生物又は組織に存在し ないか又はそれにより発現されず、そして発現がいくらかの容易に検出できる性 質、たとえば酵素活性により明らかにされるタンパク質をコードする遺伝子であ る。好ましい遺伝子は、E.コリのTn9からのクロラムフェニコールアセチルト ランスフェラーゼ遺伝子(cat)、E.コリのuidA遺伝子座のβ−グルクロニダー ゼ遺伝子(gus)、及び蛍フォチナス・ピラリス(photinus pyralis)からのルシ フェラーゼ遺伝子を包含する。レポーター遺伝子の発現は、DNAが受容体細胞中 に導入された後、適切な時間でアッセイされる。 宿主細胞において機能的な他の要素、たとえばイントロン、エンハンサー、ポ リアデニル化配列及び同様のものもまた、組換えDNAの一部でもあり得る。その ような要素はDNAの機能のために必要であっても又は必要でなくても良いが、し かし転写、mRNAの安定性、又は同様のものに影響を与えることによってDNAの改 良された発現を提供することができる。そのような要素は、細胞における形質転 換DNAの最適な性能を得ることが所望される場合、DNAに包含され得る。 標的細胞を形質転換することができる組換えDNAを構成するための一般的な方 法は、当業者に良く知られており、そして構成の同じ組成及び方法が、本明細書 において有用なDNAを生成するために利用され得る。たとえば、J.Sambrookなど .,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press(2nd ed.,1989)は、構成の適切な方法を提供する。宿主細胞の形質転換及び組換えhK2ポリペプチドの回収 hK2ポリペプチドをコードする組換えDNAを含んで成る発現カセ ット又はベクターは、トランスフェクションにより、たとえばC.Chemなど.,M ol.Cell.Biol.,7,2745(1987)の改良されたリン酸カルシウム沈殿方法によ り、標的細胞中に容易に導入され得る。トランスフェクションはまた、BRLによ り提供される市販のキットを用いて、リポフェクチンにより達成され得る。 hK2ポリペプチドの発現のための適切な宿主細胞は、多細胞生物に由来する。 そのような宿主細胞は、プロセッシング及びグリコシル化活性を複合することが できる。原則的には、いづれかの高等真核細胞培養物(脊椎動物又は無脊椎動物 の培養物からの)が、本発明の実施において使用され得る。無脊椎動物細胞の例 は、植物及び昆虫細胞を包含する。多くのバキュロウィルス株及び変異体、並び に宿主、たとえばスポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)(毛虫 )、アエデス・アエジプチ(Aedes aegypts)(蚊)、ドロソフイラ・メラノガステ ル(Drosophila melanogaster)(ショウジョウバエ)及びボンビックス・モリ(Bo mbyx mori)からの対応する許容できる昆虫宿主細胞が同定されている。たとえば 、Luckowなど.,Bio/Technology,6,47(1988);Millerなど.,Genetic Engin eering,J.K.Setlowなど.,eds.,Vol.8(Plenum Publishing,1986),pp.277 -279;及びMaedaなど.,Nature,315,592(1985)を参照のこと。トランスフェク ションのための種々のウィルス株、たとえばオートグラファ カリホルニカ(Au tographa californica)NPVのL−1変異体及びボンビックスモリNPVのBm−5株 は入手でき、そしてそのようなウィルスは、好ましくはスポドデテラフルギペル ダ細胞のトランスフェクションのために使用され得る。 hK2ポリペプチドがヒト起源の細胞以外の組換え細胞において発現される場合 、そのhK2ポリペプチドは、ヒト起源のタンパク質又はポリペプチドを完全に有 さない。しかしながら、hK2ポリペプチ ドに関して実質的に相同である調製物を得るために、組換え細胞タンパク質又は ポリペプチドからhK2ポリペプチドを精製することが必要である。たとえば、培 養培地又は溶解物が、粒状細胞残骸を除去するために遠心分離され得る。次に、 膜及び可溶性タンパク質画分が分離される。次に、hK2ポリペプチドが前記可溶 性タンパク質画分から精製され得、そして必要なら、培養物溶解物の膜画分から 精製され得る。次に、hK2ポリペプチドが、イムノアフィニティー又はイオン交 換カラム上での分別;エタノール沈殿;逆相HPLC;シリカ又はアニオン交換樹脂 、たとえばDEAE上でのクロマトグラフィー処理;クロマトフォーカシング;SDS −PAGE;硫酸アンモニウム沈殿;たとえばSephadex G−75を用いてのゲル濾過 ;又はリガンドアフィニティークロマトグラフィーにより汚染性可溶性タンパク 質及びポリペプチドから精製され得る。 得られるトランスジェニック宿主細胞から単離されると、hK2ポリペプチドの 誘導体及び変異体は容易に調製され得る。たとえば、本発明のhK2ポリペプチド のアミドはまた、カルボン酸グループ又は前駆体をアミドに転換するための当業 界において良く知られている技法によっても調製され得る。C−末端カルボキシ ル基でのアミド形成のための好ましい方法は、適切なアミンにより固体支持体か らポリペプチドを切断すること、又はエステルを生成するアルコールの存在下で 、所望するアミンによるアミノ分解により切断することである。 hK2ポリペプチドのカルボキシル基の塩は、ペプチドと、所望する塩基、たと えば金属水酸化物塩基、たとえば水酸化ナトリウム;金属炭酸塩又は炭酸水素塩 塩基、たとえば炭酸ナトリウム又は炭酸水素ナトリウム;又はアミン塩基、たと えばトリエチルアミン、トリエタノールアミン及び同様のものの1又は複数の同 等物とを接触 せしめることによって、通常の態様において調製され得る。 本発明のポリペプチドのアミノ基のN−アシル誘導体は、最終縮合のためにN −アシル保護されたアミノ酸を用いることによって、又は保護されているか又は 保護されていないペプチドをアシル化することによって調製され得る。O−アシ ル誘導体は、たとえば遊離ヒドロキシペプチド又はペプチド樹脂のアシル化によ り調製され得る。アシル化は、標準のアシル化試薬、たとえばアシルハロゲン化 物、無水物、アシルイミダゾール及び同様のものを用いて実施され得る。N−及 びO−アシル化は、所望により、一緒に実施され得る。さらに、図1の内部hK2 アミノ酸配列は、L形よりもむしろD形を用いる置換を包含する、特定された位 置のための1又は2つの保存性アミノ酸置換により修飾され得る。 ポリペプチドの酸付加塩は、ポリペプチドと、所望する無機又は有機酸、たと えば塩酸の1又は複数の同等物とを接触せしめることによって調製され得る。ポ リペプチドのカルボキシル基のエステルはまた、当業界において知られているい づれかの通常の方法によっても調製され得る。変異体hK2ポリペプチド 変異体hK2ポリペプチドは配列番号1,3又は5に関して少なくとも1つのア ミノ酸置換を有し、たとえば配列番号8は配列番号1に関して位置217でアラニ ンのバリンへの置換を有することが想定される。特に、アミノ酸は比較的保存性 の態様で置換される。そのような保存性置換は、代表的な置換の見出し下で表1 に示される。より好ましい置換は、好ましい置換の見出し下に存在する。置換が 導入された後、生成物は生物学的活性、たとえばhK2−特異的抗体の生成能力、 又はhK2−特異的抗体、すなわちhK2に対して結合するが、hK3(PSA)に対し ては結合しない抗体と特異的に反応する能 力についてスクリーニングされる。 表 1 本発明内のアミノ酸置換は一般的に、(a)シート又はらせんコンホメーショ ンとしての置換の領域におけるポリペプチド主鎖の構造、(b)標的部位での分 子の電荷又は疎水性、又は(c)大部分の側鎖の維持に対するそれらの効果にお いて有意に異ならない置換を選択することによって達成される。天然に存在する 残基は、共通する側鎖特性に基づいて次のグループに分けられる: (1)疎水性:ノルロイシン、met,ala,val,leu,ile; (2)中性親水性:cys,ser,thr; (3)酸性:asp,glu; (4)塩基性:asn,gln,his,lys,arg; (5)鎖の配向に影響を及ぼす残基:gly,pro;及び (6)芳香族性:trp,tyr,phe。 本発明はまた、非保存性置換を有するhK2変異体にも関する。非保存性置換は 、上記種類の1つのメンバーともう1つのメンバーとを交換を必要とする。アミ ノ酸置換は、当業界によく知られている方法により本発明のDNA分子中に導入さ れる。組換えhK2ポリペプチドの使用 単離されると、hK2ポリペプチド又はその抗原的活性変異体、誘導体及びフラ グメントは、アメリカ特許第5,516,639号に詳細に開示されるように、hK2又は 抗−hK2抗体を含むと思われる生物学的材料に由来するサンプル中のhK2につい てのアッセイに使用され得る。たとえば、hK2ポリペプチドは、検出できるラベ ルにより、たとえば1又は複数の放射性ラベルされたペプチジル残基を通してラ ベルされ得、そして生理学的流体における抗−hK2抗体に結合する“捕獲抗原” として抗−hK2抗体に結合するための内因性hK2と競争するために使用され得、 ここで固定化できる抗−hK2抗体を使用するhK2のための種々の競争イムノアッ セイ形式は、 (a)固体表面に結合できる量の抗−hK2抗体を供給し; (b)混合されたサンプルを生成するために、hK2を含んで成る生理学的サン プルと、検出できるラベルを含んで成る既知量のhK2ポリペプチドとを混合し; (c)前記抗体と前記混合されたサンプルとを、抗体−hK2複合体を形成する ために前記抗体と前記hK2との間で、及び抗体−ラベルされたポリペプチド複合 体を形成するために前記抗体と前記ラベルされたポリペプチドとの間で免疫学的 反応の発生を可能にするのに充分な時間、接触せしめ; (d)混合されたサンプルから、hK2に結合される抗体及びラベルされたポリ ペプチドに結合される抗体を分離し; (e)固体表面上の抗体に結合されるか又は混合されたサンプルに残っている かいづれかのラベルされたポリペプチドの存在又は量を検出し又は決定し;そし て (f)前記サンプルにおける前記hK2の存在又は量を、段階(e)の結果から 決定することによって実施される。 競争阻害イムノアッセイによりサンプル中の内因性hK2を検出できるもう1つ の形式においては、既知量の抗−hK2抗体が既知量の内因性hK2を含むサンプル に添加される。前記既知量は、存在すると思われるすべてのhK2を複合体化する のに必要とされる量、たとえば前立腺癌を有することが知られている患者から得 られたサンプル材料の同じ量のサンプルに存在する量よりも少なく選択される。 次に、検出できるラベルを含んで成る既知量の本発明のhK2ポリペプチド又はそ のサブユニットが添加される。内因性hK2がサンプルに存在する場合、より少な い抗体がラベルされたhK2ポリペプチドを結合するために利用でき、そしてそれ は溶液に遊離して存続するであろう。内因性hK2が存在しない場合、添加された ラベルされた ポリペプチドは、二元複合体を形成するために添加された抗−hK2抗体と複合体 化するであろう。次に、二元抗体−抗原複合体が、抗−哺乳類IgG抗体(羊、ヤ ギ、マウス等)により沈殿せしめられる。沈殿物(三元複合体)における放射能 又は他のラベルの量は、サンプルに存在する内因性hK2の量に反比例し、たとえ ば減じられた量の放射能を含むペレットは、内因性hK2の存在の表示である。 実験用及び家畜用動物においてポリクローナル抗体又は抗血清を調製するため の従来の技法に代わるものとして、hK2ポリペプチドに対するモノクローナル抗 体が既知のハイブリドーマ細胞培養技法を用いて調製され得る。一般的に、この 方法は、骨髄腫の適切な連続系により融合された一次脾臓細胞の抗体−生成融合 細胞系を調製し、そして使用される骨髄腫細胞系が由来するか又は適合できる多 量培養物又は動物種のいづれかにおいて前記融合された細胞を増殖せしめること を包含する。そのような抗体は、非常に特異的且つ敏感であり、そして免疫化学 的に比較的“純粋”であるので、動物の接種により生成される抗体に比較して、 多くの利点を提供する。本発明の抗体の免疫学的活性フラグメント、たとえば部 分的にヒト適合されたモノクローナル抗体のようなf(ab)フラグメントはまた 、本発明の範囲内である。キメラ及び修飾された抗体 キメラ抗体は、1つの免疫グロブリンからの可変ドメインともう1つの免疫グ ロブリンからの不変ドメインとの融合体を含んで成る。通常、可変ドメインは、 異なった種、たぶんヒトからの免疫グロブリン遺伝子に由来する。この技法は、 当業界においてよく知られている。たとえば、組換えDNA技法を用いての免疫グ ロブリン型分子の変異体の調製を開示する、ヨーロッパ特許出願EP-A-0125,023 号(Cabilly/Genetech)及びEP-A-0120,694号及びアメリカ特許第 4,816,567号を参照のこと。 キメラ又は修飾された抗体を調製するためのもう1つのアプローチは、誘導キ メラ分子を生成するために、モノクローナル抗体の可変領域をもう1つの非免疫 グロブリン分子に結合することである(WO86/01533号、Neuberger and Rabbits/ Celltechを参照のこと)。さらなるアプローチは、その異なる可変領域に異なる 特異性を有するキメラ免疫グロブリンを調製することである(EP68763Aを参照の こと)。さらにもう1つのアプローチは、その必須特異性を変えないで、一定の その特徴を変更するために、モノクローナル抗体をコードするDNAに突然変異を 導入することである。これは、特定部位の突然変異誘発又は当業界において知ら れている他の技法により達成され得る。 Winter特許出願EP-A-0239400号は、組換えDNA技法(“CDR−グラフティング” )を用いて、免疫グロブリンの可変領域の相補性決定領域(CDR)を、異なる特異 性の免疫グロブリンからのCDRにより置換することによる、変更された誘導抗体 の調製を開示する。従って、CDR−グラフティングは、フレームワーク領域の変 更と共に、抗体の“ヒト化”を可能にする。 ヒト抗体はまた、それらの生来の免疫系を欠くマウスにおいてヒト免疫系を再 構成し、次に免疫系に対して特異的であるヒト抗体を生成するためにマウスを免 疫化することによっても調製され得る。 注目の抗原に対して特異的なゲッ歯動物抗体のCDRを含む“ヒト化された”抗 体は、ヒトの免疫系により外来物としてほとんど認識され得ない。たとえばHK1G 464と同じ結合特異性を有する“ヒト化された”抗体は、ヒトの治療及び/又は 診断方法に特に使用できることになる。 誘導抗体を生成するためのいづれかの与えられた抗体、又はその 抗体をコードする遺伝子の操作及び/又は変更は、当業界において良く知られて いる。逆転写酵素−ポリメラーゼ鎖反応(RT−PCR)によるhK2−特異的転写体の検出 hK2をコードするRNA転写体を検出するために、hK2 RNAを含むと思われる細 胞サンプル、たとえばヒト前立腺組織から単離された全RNAからRNAが単離される 。RNAは、当業界において知られている方法、たとえばTRIZOLTM試薬(GIBCO-BRL/ Life Technologies,Gaithersburg,MD)を用いて単離され得る。Oligo−dTは、 単離されたRNAからの第1鎖cDNAを調製するために逆転写酵素反応においてプラ イマーとして使用され得る。得られる第1鎖cDNAが次に、PCR反応において増幅 される。 “ポリメラーゼ連鎖反応”又は“PCR”とは、核酸、RNA及び/又はDNAの予備 選択されたフラグメントの量が、アメリカ特許第4,683,195号に記載されるよう に増幅される方法又は技法を意味する。一般的に、注目の又はそれ以外の領域の 末端からの配列情報が、オリゴヌクレオチドプライマーを設計するために使用さ れる。それらのプライマーは、増幅されるべき鋳型の対抗する鎖に対して配列に おいて同一であるか又は類似するであろう。PCRは、特定のRNA配列、全ゲノムDN Aからの特定のDNA配列、及び全細胞RNAから転写されるcDNA、バクテリオファー ジ又はプラスミド配列、及び同様のものを増幅するために使用され得る。一般的 には、Mullisなど.,Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.,51,263(1987 );Erlich,ed.,PCR Technology,(Stockton Press,NY,1989)を参照のこと 。従って、PCRによる特定の核酸配列の増幅は、保存されたヌクレオチド配列を 有するオリゴヌクレオチド又は“プライマー”に依存し、ここで前記保存された 配列は、一連の関連する遺伝子又は タンパク質配列、たとえば哺乳類hK2遺伝子の配列比較から推定される。たとえ ば、hK2ポリペプチドをコードするDNA分子のアンチセンス鎖に対してアニーリ ングすることが予測される1つのプライマーが調製され、そしてそのセンス鎖に 対してアニーリングすることが予測されるもう1つのプライマーが調製される。 一般的に、単離されたRNAは、一本鎖cDNAを生成するために逆転写酵素(RT) 反応においてプライマーと組合わされる。Oligo−dT又はランダム配列オリゴヌ クレオチド、及び配列特異的オリゴヌクレオチドが、RT反応におけるプライマー として使用され得る。Sambrookなど.,前記を参照のこと。次に、一本鎖cDNAが 、増幅された生成物を得るために配列特異的プライマーにより増幅される。 増幅された生成物を検出するために、反応混合物は典型的には、アガロースゲ ル電気泳動、又は他の便利な分離技法にかけられ、そしてhK2−特異的増幅され たDNAの存在又は不存在が検出される。増幅されたhK2 DNAの検出は、ゲルから フラグメントを切り出し、又は溶出し(たとえば、Lawnなど.,Nucleic Acids R es.,9,6103(1981)及びGoeddelなど.,Nucleic Acids Res.,8,4057(1980 )を参照のこと)、増幅された生成物を適切なベクター、たとえばpCRIIベクタ ー(Invitrogen)のクローニング部位中にクローニングし、クローン化された挿 入体を配列決定し、そして既知のhK2配列にそのDNA配列を比較することによっ て達成される。他方では、たとえば、hK2増幅されたDNAは、hK2−特異的オリ ゴヌクレオチドプローブとのサザンハイブリダイゼーションを用い、又は既知分 子量のDNA鎖とその電気泳動移動度とを比較して検出され得る。 本発明は、次の詳細な例によりさらに記載されるであろう。例1 材料及び方法 哺乳類hK2発現ベクターの構成 図2に示されるように、完全なプレプロ−hK2(pphK2)(pphK2転写体の開 始部位に関してヌクレオチド#40〜#858)をコードするcDNA(約820bpの長さ) を、下記1対のhK2特異的オリゴヌクレオチドプライマー:(5'ACGCGGATCCAGCA TGTGGGACCTGGTTCTCT 3';配列番号9及び5'ACAGCTGCAGTTTACTAGAGGTAGGGGTGGGAC 3';配列番号10)と共に、逆転写ポリメラーゼ鎖反応(RT−PCR)技法を用いて、 ヒトBPH組織のRNAから合成した。このcDNAを、5’及び3’末端(pphK2センス 配列に関しての)がそれぞれ、BamH1及びPst1配列により挟まれるよう生成し た。次に、cDNAをアガロースゲル電気泳動により精製し、そしてBamH1及びPst 1制限酵素により消化した。制限されたcDNAをBamH1−Pst1消化されたpVL1393 プラスミドベクターにより連結し、そしてE.コリHB101株を形質転換した。pph K2 cDNA/pVL1393プラスミドベクターを有するE.コリを選択した。pphK2含 有挿入体を配列決定した。プラスミドpphK2cDNA/pVL1393をE.コリにおいて 多量生成し、そしてCsClグラジエント超遠心分離により精製した。 E.コリHB101中のプラスミドpphK2/pVL1393を、ブダペスト条約に基づいて 、1994年5月2日、American Type Culture Collection,Rockville,MD,USAに 寄託し、そして受託番号ATCC 69614を得た。 完全なpphK2コード配列(図2)を示す0.8kbのフラグメントを、鋳型としてp phK2を含むプラスミドpVL1393(Dr.Young,Mayo Clinicからの贈与物)及び下 記プライマー:A(5’ATATGGATCCATATGTCAGCATGTGGGACCTGGTTCTCTCCA 3')(配 列番号11)及びB(5’ATATGGATCCTCAGGGGTTGGCTGCGATGGT 3')(配列番号12) を用いて、PC Rにより生成した。PCR生成物をTA−クローニングベクター(Invitrogen Corp.,S an Diego,CA)中に挿入し、そして完全な挿入体のDNAを配列決定した。 哺乳類hK2発現ベクターを得るために、hK2−含有挿入体をその対応するTAク ローンから単離し、そしてGBMTプロモーターの制御下でプラスミドpGT−d(Ber yなど.,Nucl.Acids Res.,20,54-85(1992)(Dr.Brian Grinnell,Lillyの贈 与物)のBcl1部位中に挿入した。哺乳類発現ベクター、PLNS−hK2及びPLNC−h K2を、それぞれプラスミドpLNSX及びpLNCX(Millerなど.,Biotech.,9,980(1 989)中にその対応するTAベクターからの0.8kb野生型hK2挿入体をクローニング することによって得た。すべての哺乳類発現ベクターにおける挿入体の配向を、 DNA配列決定により確認した。組換えクローンの生成 AV12−664(ATCC CRL-9595)、すなわちSyrianハムスターにおけるアデノウィ ルス−誘発された腫瘍に由来する細胞系、及びDU145細胞を、10%ウシ胎児血清 (D10F)により補充されたグルベッコ変性イーグル培地(高いグルコース)にお いて培養した。PC3細胞を、10%ウシ胎児血清を含む最少イーグル培地において 培養した。AV12細胞を、リン酸カルシウム方法(Maniatisなど.、前記(1989) を用いて、hK2発現ベクターによりトランスフェクトした。トランスフェクショ ンの3日後、細胞を、D10F+200nMのメトトレキセート(MTX)に再懸濁した。耐薬 物性クローン細胞系を、2〜3週間後、単離し、そしてそれらの消費された培地 をウェスターンブロットにより分析した。PC3及びDU145細胞を、リポフェクタ ミン(Gibco-BRL,Gaithersburg,MD)を用いてhK2哺乳類発現ベクターによりト ランスフェクトし、そしてクローン(PC3−hK2及びDU145−hK2)を、400μg /mlのG418を含む培地において選択した。タンパク質の精製及び配列決定 AV12−hK2クローンを、D10F+200nMのMTXにおいて増殖せしめた。約60%の集 密性で、細胞をハンクス溶液により洗浄し、そして血清フリーHM4培地に再懸濁 した。消費された培地を、血清フリーの消費された培地の添加の7日後に集め、 そして−20℃で貯蔵した。タンパク質を精製するために、血清フリーの消費され た培地を濃縮し、そして50mMの炭酸水素ナトリウム(pH8)に変換する。サンプ ルを0.2μフィルターにより濾過し、そして次に、TSK DEAE−5PW HPLCカラム(2 1mm×150mm)上に5ml/分の流速で直接的にポンプで注入した。緩衝液Aは、50m Mの炭酸水素ナトリウム(pH7.9)を含み、そして緩衝液Bは50mMの炭酸水素ナトリ ウム及び0.5MのNaClを含んだ(pH7.6)。溶離プロフィールは、35分間にわたって の0〜50%の緩衝液B;35〜40分の50〜100%の緩衝液Bのグラジエント、及び 緩衝液Aにおける再平衡化の前、5分間の100%緩衝液Bでのイソクラティク溶 離により展開された。流速は、ずっと5ml/分であった。上記工程においては、 硼酸塩緩衝液が、目立った差異のない炭酸水素塩緩衝液と交換できる。 DEAE画分を、ウサギ抗−pphK2(Saediなど.,Mol.Cell.Endoc.,109,237(1 995))を用いて、ドライド−ダウンELISA方法(下記参照のこと)によりhK2の存 在についてアッセイした。hK2活性を有する画分をプールし、そして膜(10KDの カットオフ)を用いての限外濾過により約5〜8mlに濃縮した。次に、固体硫酸 アンモニウムを添加し、1.2Mの最終濃度にした。次に、このサンプルをPolyLC 、ポリプロピルアスパルタミドカラム(1000Åの孔サイズ、4.6mm×200mm)上に注 入し、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)によりタンパク質を分解した。 緩衝液Aは20mMのリン酸ナトリウム、1.2Mの硫酸ナトリウムであり(pH6.3)、そ して緩衝液Bは50 mMのリン酸ナトリウム、5%の2−プロパノールであった(pH7.4)。溶離グラジ エントは、5分間にわたっての0〜20%のB;5〜20分での20〜55%のB;20〜 23分での55%のBでのイソクラティク溶離;23〜25分での55〜100%のB;緩衝 液Aによる再平衡化の前、2分間の100%のBでのイソクラティク溶離であった 。流速は1ml/分であった。約50%のBで溶離されるhK2を含有するHICピーク を、Centricon−10(Amicon)(10K MWカットオフ)限外濾過による反復しての 濃縮により50mMの硼酸塩緩衝液(pH8)中に交換した。純度を、SDS−PAGE及び ウェスターンブロット分析の両者により評価した。hK2V217濃度を見積るために 使用される消衰係数は、1.84=1mg/mlのA280であった。 いくつかの場合、hK2を含むHICピークを、10/30 Pharmacia S12カラム上 でのサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によりさらに精製した。この場合、hK 2を含むHICピークを上記のような限外濾過により1ml以下に濃縮し、そして次 に100mMの酢酸アンモニウム(pH7)又は硼酸ナトリウム(pH8)により平衡化 されたサイズ排除カラムに適用した。流速は0.7ml/分であった。次に、hK2ピ ークを限外濾過により濃縮した。酢酸アンモニウムにSECにより集められたピー クを凍結乾燥せしめ、緩衝液を除去し、そして次に、水に再構成した。このサン プルのアリコートを、112℃で20時間、真空下で6Nの気体HClにおいて加水分解 し、次に0.1NのHClに再構成し、そして第1アミンのためのOPA及び第2アミン のためのFMOCと共に、アミノ酸のプレ−カラム誘導体化を利用するHewlett Pack ard Aminoquantアミノ酸分析機上で分析した。 HK1G586.1(下記参照のこと)親和性樹脂を、アフィニティークロマトグラフ ィーによりhK2を精製するために使用した。HK1G586.1モノクローナル抗体(mAb) を、Schneider(J.Biol.Chem.,257 ,10766(1982))に従って、Pharmacia GammaBind+Sepharose(カタログ番号17 −0886)により結合した。手短に言及すれば、HK1G586.1mAb及び樹脂を、4℃で 一晩、回転しながらインキュベートした。樹脂を遠心分離し(4℃で5分間、50 0×g)、そして0.2Mのトリエタノールアミン(pH8.2)により2度洗浄した。ア ミン基を、新鮮な架橋剤溶液(0.2Mのトリエタノールアミン(pH8.2)中、25mMの ジメチルピメリミデート二塩酸塩)において、室温(22℃)45分間、架橋せしめ た。樹脂を20mMのエタノールアミン(pH8.2)により室温で5分間、急冷し、そし て次に、1MのNaCl,0.1MのPO4溶液(pH7.0)により2度洗浄した。樹脂を、PBS によりさらに2度、洗浄し、そして使用するまで、0.05%のNaN3と共に4℃で貯 蔵した。 Applied Biosystems Model 477aパルス液相配列決定機を用いて、タンパク質 及びペプチドを配列決定した。そのModel 477aは、N−末端からアミノ酸を連続 的に開放するための自動化されたEdman分解化学、続いて、PTH誘導体化及び逆相 HPLCによるクロマトグラフィーを使用する。ペプチドサンプルをビオブレン−処 理されたガラス繊維フィルター支持体上で配列決定機に適用し、そして全タンパ ク質を、ビオブレン−処理されたフィルター又は前−活性化されたProtonフィル ター(Beckman,Fullerton,CA)のいづれか上に適用した。サンプル配列決定さ れたブロットをまず、Novexシステム(Novex,San Diego,CA)上でミニ−ゲル として展開し、次に、Problot PVDF膜に移し、クーマシーブルーにより可視化し 、適切なバンドを切り取り、そしてPVDF膜から直接的に配列決定した。モノクローナル抗体生成 A/Jマウスに、第1日目に、完全フロイントアジュバント(CFA)中50μlのp hK2をi.p.投与し、14日目に、不完全フロイントア ジュバント(IFA)中1.25μgのphK2をi.p.投与し、そして28日目に、PBS中25μ gのphK2をi.p.注射した。融合の3日前、マウスに、PBS中10μgのphK2をi.v .追加免疫した。マウスを殺し、そして単一細胞懸濁液を、脾臓から調製した。 免疫B細胞と、P3.653骨髄腫細胞とを融合せしめた。クローン化されたハイブリ ドーマをELISAによりスクリーニングし、そしてhK2V217及びphK2V217に対する 上清液の反応性及びPSAとの最小反応性に基づいて選択した。それらの基準によ り選択された2種のクローン、すなわちHK1G464及びHK1G586を、マウス脾臓支持 細胞層上の沈積単一細胞に対して、FACStar+細胞ソーターを用いてサブクロー ン化した。サブクローンHK1G464.3及びHK1G586.1をさらなる研究のために使用し た。 免疫原がhK2V217であり、ミョウバンがCFA及びIFAの代わりに使用され、BALB /c細胞がA/Jマウスの代わりに使用されるのを除いて、上記と同じプロトコ ールを用いるもう1つの融合は、クローンHK1H247を生成した。 ハイブリドーマクローンHK1G464.3,HK1G586.1,HK1H247,HK1A523及びHKD106 .4を、ブダペスト条約に従って、American Type Calture Collectionに寄託し、 そしてそれぞれ受託番号HB11983,HB12026,HB12162,HB11876及びHB11937を得 た。hK 2ペプチド免疫原に対するポリクローナル及びモノクローナル抗体の生成 羊及びヤギに、完全フロイントアジュバント(CFA)中100μgのKLH−接合され たペプチドを皮下免疫化し、そして不完全フロイントアジュバント(IFA)中100μ gのペプチドを3週間隔で追加免疫化した。 ペプチド免疫原に対するモノクローナル抗体のために、Balb/c マウスを、完全フロイントアジュバント(CFA)中、100μgのKLH−接合されたペ プチドにより皮下免疫し、そして不完全フロイントアジュバント(IFA)中100μg のペプチドにより3週間隔で追加免疫した。他方では、A/Jマウスを、50μg のKLH−接合されたペプチドにより2度、腹腔内免疫化し、そして陽性力価を有 するマウスを、25μgの前記接合体により静脈内追加免疫化した。 最初の3回の免疫化の後、動物からの血液を、免疫化の6〜10日後、抗体の存 在について試験した。ペプチドを、pH9.6の炭酸緩衝液において0.25インチのポ リスチレンビーズ(Clifton,Clifton Heights,PA)当たり1μgのBSA(ウシ血 清アルブミン)に結合されるペプチドを、4℃で一晩インキュベートすることに よって、前記ビーズ上に固定した。前記ビーズを0.01Mのリン酸緩衝液溶液(PBS )(pH7.4)(0.1%のTween20を含む)により3度洗浄し、そして1%脱脂乳+1 %BSAによりブロックした。それらのビーズを、1:100,1:1000又は1:10,0 00希釈度の動物血清溶液250μlと共に18時間インキュベートした。3回の洗浄 に続いて、ホースラディシュペルオキシダーゼに接合されたウサギ抗−羊、抗− マウス又は抗−ヤギ抗体(Cappel-Organon Teknica Corporation,Durham,NC) 250μlを、個々のビーズと共に3時間、水平インキュベーター上で150rpmでイ ンキュベートした。酵素シグナルを、基質としてオルト−フェニレン−ジアミン を用いて、分光学的に定量化した。非免疫血清を負の対照として使用し、そして 免疫血清測定値を、対照読取りの倍数として表わした。 陽性の血清力価を有するマウスの脾臓からのリンパ球を骨髄腫細胞と融合せし め、ハイブリドーマ細胞を生成した。それらの細胞のクローンにより生成される 抗体を、上記のようにしてスクリーンした。陽性クローンを、制限希釈によりサ ブクローン化し、そして再 スクリーンした。モノクローナルハイブリドーマを、プリスチン感作されたマウ スの腹膜腔に注入し、腹水を得た。 モノクローナル及びポリクローナル抗血清を精製するために、その抗血清をま ず、飽和硫酸アンモニウムによる沈殿によるIgG分離、及びウルトラゲルACA34カ ラムを用いてのサイズクロマトグラフィー処理にかけた。Sepharose 4Bへのペプ チドの臭化シアンカップリングにより生成されるカラムを用いて、ポリクローナ ル抗体をさらにアフィニティー精製した。精製された抗体を、酸性PBS(pH2.45) によりカラムから溶出した。ELISA アッセイ 乾燥されたELISA型を用いて、クローンの血清フリーのスペント培地、及びhK 2精製の間に集められた画分におけるhK2を測定した。マイクロタイタープレー ト(Becton Dickinson Labware,NJ)を、50μlのスペント培地又はカラム画分 により37℃で一晩、被覆した。ウェルをPBS+0.1% Tween20(PBST)により洗浄し 、そして50μlの一次抗体と共に1時間インキュベートした。ウェルを再びPBST により洗浄し、そして50μlのヤギ抗−IgG、又はホースラディシュペルオキシ ダーゼにより結合されたヤギ抗−ウサギ−IgG Fc抗体(1:500,Jackson Immun osearch Laboratories,Inc.,West Grove,PA)と共に37℃で1時間インキュベ ートした。ウェルをPBSTにより洗浄し、o−フェニレンジアミン二塩酸塩(OPD ,Sigma,MO)と共に5分間インキュベートし、そして比色反応を、ELISAリーダ ー(Biotek Instruments,Inc.,model EL310,VT)によりA490で測定した。すべ てのサンプルを二重反復アッセイした。ベクターのみによりトランスフェクトさ れたAV12細胞からの血清フリーのスペント培地を、負の対照として使用した。 抗体を、ビオチニル化されたphK2V217,hK2V217及びPSAを用 いて、溶液中のELISA型により試験した。PSAを、Sensabaugh and Blake(J.Uro logy,144,1523(1990))の方法により精製した。50μlの緩衝液A(8.82mMノク エン酸、82.1mMのリン酸ナトリウム(二塩基性)、10%のBSA,0.1%のマンニト ール、0.1%のNonidet P-40,pH7.0)に希釈された20ngのビオチニル化されたhK 2V217もしくはphK2V217、又はPBS中、10%馬血清(HS)に希釈された0.25ngの ビオチニル化されたPSAを、50μlのハイブリドーマ上清液、負の対照上清液(す なわち、phK2V217及びhK2V217のための不適切なハイブリドーマ上清液、又はP SAのためのHS中20μg/mlの不適切な精製されたmAb)、又は正の対照上清液(す なわち、PSAのためのHS中20μg/mlの精製されたPSM773(抗−pSA)mAb、又はp hK2V217及びhK2V217のためのHK1D104(抗“hK2”)ハイブリドーマ上清液)と 共にインキュベートした。HCO514、すなわちhCGに対するmAbを、PSAアッセイに おいて負の対照として使用し、そしてZTG085、すなわちtauに対するmAbを、hK2 アッセイにおいて負の対照として使用した。 抗体及び抗原のそれらの混合物を、ストレプトアビジンにより被覆されたマイ クロタイタープレート(Labsystems,Helsinki,Finl and)において、振盪しなが ら1時間インキュベートした。プレートを、300μlのPBS,0.1% Tween-20(PBS T)により3度、洗浄し、そしてHSに1:10,000で希釈された100μlのγ−特異 的ヤギ−抗−マウスIgG−ホースラディシュペルオキシダーゼ接合体(Jackson Im muno Research Laboratories,Inc.,Westgrove,PA)と共に振盪しながら、1時 間インキュベートした。2回目のPBST洗浄の後、50mMのリン酸−クエン酸緩衝液 、0.03%過硼酸ナトリウム(pH5.0)(Sigma Chemical,St.Louis,MO)中、1mg /mlのO−フェニレンジアミン溶液100μlの添加に続いて、振盪しながら30分 間、色彩 を展開せしめた。反応を、4NのH2SO450μlの添加により急冷した。色の強度 を、マイクロタイタープレートリーダーを用いて、490nm及び540nmでの吸光度を 測定することによって決定した。490nmで2.6以上の吸光度を、540nmの読取りに より訂正した。サンプル値は、三重反復試験の平均±標準偏差である。対照値は 、二重反復試験の平均である。ウェスターンブロット分析 ウェスターンブロット分析を、標準的方法を用いて行なった。血清フリーのス ペント培地を、Centricon 10(Amicon,Inc.,Beverly,MA)を用いて10倍に濃縮 し、そして12%のゲル(Bio-Rad,Inc.,Melville,NY)を用いてのSDS/PAGEにか けた。分析目的のために、SDS/PAGEを、8〜25%のグラジエントゲルを用いて のPharmacia Phast System上で行なった。電気泳動の後、タンパク質をニトロセ ルロース膜上に移し、そしてPBS中2%脱脂ドライミルクにより4℃で一晩ブロ ックした。ブロットをすすぎ、次に一次抗体(腹水による1:1000の希釈度、又 は1μg/mlの精製されたmAb又はポリクローナルAb)と共に22℃で1時間イン キュベートした。次に、ブロットを洗浄し、そして二次抗体(ヤギ抗−マウス− HRP又はヤギ抗−ウサギHRP,1:500,Jackson Immunosearch Laboratories,In c.,West Grove,PA)と共に45分間インキュベートした。免疫反応性バンドを、 DAB(Sigma,St.Louis,MO)及びH2O2を用いてブロットを展開することによって 、又はECL(Amersham,Buckinghamshire,England)システムを用いることによっ て、製造業者の説明書に従って、検出した。共有結合複合体の形成 共有結合複合体の形成について試験するために、0.175μMのhK2を、100mMの 硼酸緩衝液において20μMのインヒビターと共にpH 8でインキュベートした。試験されるインヒビターは、1−抗キモトリプシン、 1−抗トリプシン、1−抗プラスミン、抗トロンビン及び2−マクログロブリン であった。5μlのhK2(10μg/ml)に、100mMの硼酸緩衝液において調製さ れた、計算されたμgのインヒビターを添加し、そして必要なら、個々のサンプ ルを、10μlの合計体積にした。サンプルを37℃で3時間インキュベートし、こ れに、35%の2−メルカプトエタノールを含む7×Phast System SDSサンプル緩 衝液1.5μlを添加し、そしてサンプルを水浴において3分間、煮沸した。サン プルを、SDS/PAGE及びウェスターン分析に適用する前、SDSサンプル緩衝液に1 /4に希釈した。ペプチド基質のタンパク質分解 ペプチド基質を分解するhK2の能力を決定するために、ペプチドを10mg/mlで DMSOに溶解し、次にPSA,hK2又はトリプシンを含む100mMの硼酸緩衝液(pH8) に1:10で希釈した。典型的な実験は次の通りに実施された:1μlのペプチド を、100mMの硼酸緩衝液7μlに添加し、そして次に2μlのhK2(10μg/ml )、PSA(500μg/ml)又はトリプシン(0.5μg/ml)を添加した。一般的に、 サンプルを37℃で16時間インキュベートした。 サンプルを0.2% TFA/水100μlにより急冷し、そしてその急冷されたサンプ ルを、AS100オートサンプラー、二重1350ポンプ及びBiodimonsion走査UV−VIS検 出器を備えたBioRad Model 800 HPLCに組合わされたVydac C-18逆相カラムに直 接的に適用した。溶媒Aは0.1% TFA/水であり、そして溶媒Bはアセトニトリ ル含有0.1% TFAであった。サンプルを、90%溶媒Aに適用し、そしてそのグラ ジエントを、10分で、60%溶媒Bまで展開した。吸光度を、220nm及び280nmで同 時にモニターした。 HPLC上で集められたピークを真空遠心分離又は凍結乾燥により濃 縮し、そして個々のフラグメントを同定するためにアミノ酸配列決定器に適用し た。いくつかの場合、10μlの急冷されたサンプル混合物を急冷膜に直接的に適 用し、そして、配列は知られているので、切断部位を、個々のサイクルに存在す るアミノ酸の分布から決定した。色原体基質を用いてのプロテアーゼアッセイ パラ−ニトロニトリル誘導体化された基質の加水分解を測定するためのアッセ イを、プログラムされ、サーモスタット調温された7−位細胞ホルダーを備えた HP8452A UV−VIS分光計を用いて誘導体化した。アッセイを100mMの硼酸ナトリウ ム(pH8)において行ない、37℃でインキュベートし、その吸光度の上昇を405n mでモニターした。メトキシスクシニル−Arg−Pro−Tyr−パラニトロアニリド(M eO−Sur−R−P−Y−pNA)及びH−D−pro−phe−arg−パラ−ニトロアニリド (D−F−R−pNA)は、アッセイにおいて1mMであった。 標準のFust Moc化学を用いるABIモデル431Aペプチド合成機を用いて、図16に 列挙されるペプチドのすべてを合成したが、但し、#2のアンギオテンシノーゲ ン及び#5のSigmaから得られたインシュリンの酸化されたβ−鎖を除いた。個 々の合成されたペプチドの質量を、ES/MSを用いて質量分析法(Unirersity of M ichigan,Core Facility)により確かめた。上記ABIモデル477a配列決定機を用い てペプチド配列を確かめた。 phK2V217からhK2V217への転換 5mMの硼酸ナトリウム中、100〜400μg/mlのphK2V217のサンプルを、1% (w/w)のトリプシン又はhK2と共に37℃でインキュベートした。プロから成 熟への転換を、1.2μgのhK2V217開始材料の100μlのHIC緩衝液Aへの希釈、 及び上記のようなHIC −HPLCによる2種の形への分解によりモニターした。phK2V217と共にhK2V217 のインキュベーションを同じ態様で実施したが、但し2種の形の比較量が図17B に見られるように一緒にインキュベートされた。例2 哺乳類細胞におけるhK2V217の発現及び精製 哺乳類細胞系においてhK2を発現するために、hK2(pphK2)(図2)の完全 なコード配列をコードする0.8kbのフラグメントを、PCRを用いて増幅し、ベクタ ーPCRII(TA)中にサブクローン化し、そしていくつかのクローンを単離した。 少数のそれらのクローンにおける完全なpphK2挿入体のヌクレオチド配列を決定 し、PCR増幅により引き起こされ得たいづれかの突然変異を検出した。 2種のクローン、すなわち野生型hK2挿入体を有する1つのクローンTA−hK2 、及び変異体hK2挿入体を有する1つのクローンTA−hK2V217を、さらなる分析 のために選択した。TA−hK2V217は、hK2のアミノ酸残基217でバリン(GTT)によ るアラニン(GCT)の保存性置換をもたらす、hK2のコドン650でのTによるCの置 換を含む(図2)。哺乳類発現ベクターを得るために、TA−hK2及びTA−hK2V2 17 のpphK2の挿入体を、GBMTプロモーターの制御下でプラスミドPGT−d中にサ ブクローン化し、プラスミドpGThK2及びpGThK2V217をもたらした(図3)。GB MTプロモーターは、いくつかの調節配列から構成され、そしてアデノウィルスEl aタンパク質(Bergなど.,前記(1992))により活性化される。 pphK2V217遺伝子の生成物が哺乳類細胞において発現されるかどうかを決定す るために、プラスミドpGThK2V217をAV12−664細胞中にトランスフェクトした。 この細胞系は、アデノウィルスタイプ12によりSyrianハムスターに誘発される腫 瘍に由来し、そしてアデ ノウィルスElaタンパク質を発現する。Elaタンパク質は、このプロモーターの制 御下での遺伝子生成物の発現をもたらすGBMTプロモーターを活性化する。2〜3 週後、MTX−耐性クローン細胞を単離し、そしてそれらのスペント培地をウェス ターンブロットにより分析した。抗−pphK2抗血清に対して免疫反応性のポリペ プチドを培地中に分泌するいくつかのクローンを同定した。1つのクローン(AV 12−pGThK2V217#2)を、さらなる特性決定及びタンパク質精製のために選択 した。 hK2ポリペプチドを精製するために、AV12−pGThK2V217クローン#2からの 血清フリーのスペント培地を、7日後に集め、濃縮し、そしてアニオン交換クロ マトグラフィー処理にかけた(図4A)。hK2活性のピークは、ELISAアッセイ により決定される場合、約0.2MのNaClで溶出した(点線)。ELISAアッセイは、 同じ画分においてSDS/PAGEにより見出される約34KDのバンドのタンパク質の出 現と十分に相互関係した。 アニオン交換カラムからのhK2−陽性画分を集め、そして疎水性相互作用クロ マトグラフィー(HIC)により処理した(図4B)。A280の主要部分は、HICカラ ム上に保持されなかった。22分で溶出した、HIC上に保持された主要ピークはま た、ELISAアッセイにより活性の最高のピークを示した(点線、図4C)。約34K Dでの主要タンパク質バンドもまた、SDS−PAGEにより観察した。HICからの22分 でのピークをSECにより分解する場合、典型的には、タンパク質A280の約80〜90 %が、19.4分、すなわち約34KDのタンパク質と適合する保持時間で溶出した(図 4C)。16.7分で溶出する、SES上の唯一の他のタンパク質ピークは、前の精製 段階において観察される約70KDのタンパク質に対応した。 精製されたタンパク質をさらに同定するために、前記タンパク質 の約2.5μgを自動N−末端分析にかけ、次の配列得た。:Val−Pro−Leu−Ileu −Gln−Ser−Arg−Ile−Val−Gly−Gly−Trp−Glu−。競争配列は、エドマン分 解方法により連続的に放されるアミノ酸のプロフィールから明らかではなかった 。PSAに対する類似性により、このタンパク質はphK2V217である。なぜならば、 成熟PSA(精液から単離された)の既知の配列は、Ileu−Val−Gly−により開始し 、そしてpPSA及びphK2はN−末端で余分の7個のアミノ酸を有することが仮定 されるからである(図2)。このタンパク質のアミノ酸分析は、phK2V217の予 測される配列と適合するアミノ酸組成を生成した。このphK2ポリペプチドを単 離し、そしてmg量で精製した。例3 phK2V217の特徴化及びhK2V217の生成 例2に使用される精製スキムの効率を試験するために、1.5μgの精製されたp hK2V217を、β−メルカプトエタノール(BME)の存在又は不在下でSDS/PAGEにか け、そしてゲルを銀により染色した。結果は、サンプル中のphK2V217が約95% の純度であることを示した(図5)。それはまた、phK2V217がBMEの不在下で約 30KD及びBMEの存在下で約34KDで移動することを示した。このパターンは、精液 から精製されたPSAに関して観察されるパターンに類似する(図5)。 cDNA配列から推定される、hK2のアミノ酸配列は、残基78(N−M−S)での 1つの可能性あるN−結合グリコシル化部位の存在を示す。この部位がグリコシ ル化されるかどうかを決定するために、phK2V217をSDS/PAGEにかけ、ニトロセ ルロース紙に移し、ジゴキシゲニン(DIG)−結合レクチン、続いてホースラディ シュペルオキシダーゼラベルされた抗−DIGと反応せしめた。 図6(レーン1)においては、2μgのphK2をコンカナバリンA(Con A) により染色し、タンパク質における2種の置換されていないか又は2−O−置換 されたα−マンノシル残基の存在を示した。レーン2は、陽性対照の糖タンパク 質ZCEO25mABのCon A染色を示す。このmAbのH鎖(50KD)及びL鎖(25KD)の両 者は、マンノースコアを有するN−結合オリゴ糖を含むことが知られている。レ ーン3は、グリコシル化されていないタンパク質(BSA)がCon Aレクチンと反応 しないことを示す。phK2V217はまた、RCA(Galb1−4GleNAc特異性)及びAAA (α(1−6)結合されたフコース特異性)とも反応した。このレクチン反応性の パターンは、複合体N−結合オリゴ糖の存在と一致する。phK2V217に基づくオ リゴ糖はまた、シアル酸も含む。なぜならば、SNA(ガラクトースにα(2−6) 結合されるシアル酸)及びMAA(ガラクトースにα(2−6)結合されるシアル酸) の両者がphK2V217と反応性であったからであった。 hK2のプロ領域の配列は、VPLIQSRである。このプロ配列におけるアルギニン のカルボキシ末端での酵素分解は、phK2をhK2に転換する。弱いトリプシン消 化は、この位置での精製されたphK2V217のペプチド結合の加水分解を進行せし めた。phK2V217を1%トリプシンと共にインキュベートし、そしてその転換をH IC−HPLCによりモニターした(図7)。この方法は、hK2V217へのphK2V217の 完全な転換をもたらした。hK2V217と称するピークをN−末端配列決定し、そし てhK2の成熟形についてN−末端である配列IVGGWEから開始することが示された 。上記以外の配列は検出されず、このことは、この弱いトリプシン処理がいかな る有意なレベルの非特異的分解ももたらさないことを示す。トリプシン処理され たサンプルのSDS/PAGEは、小さいが、しかし識別できる移動度の上昇を示し 、これは一般的に、826ドルトンの質量、すなわちプロペプチドの質量の少々の 低下と一致した。例4 hK 2−特異的Absの生成 phK2V217及びhK2V217を、hK2に対するmAbを生成するために免疫原として使 用した。ハイブリドーマを、hK2V217又はphK2V217との高い反応性、及びPSAと の最少の反応性に基づいてスクリーンした。このハイブリドーマから得られるmA bの代表は表2に示される。phK2V217による免疫化は、mAb HK1G586.1及びHK1G4 64.3をもたらした。HK1G586.1は、それがphK2V217及びhK2V217の両者を認識す るが、しかしPSAを認識しないので、hK2−特異的であった。他方では、HK1G464 は、それがphK2V217のみを認識し、そしてhK2V217又はPSAを認識しないので、 phK2−特異的であった。 表 2 hK2V217及びphK2V217に対して生じさせた種々のmAbの特異性 A.phK2V217に対して生じさせたmAb B.hK2V217に対して生じさせたmAb hK2V217による免疫感作は、mAb HK1H247をもたらした。このmAbは、それがhK 2V217のみを認識するがしかしphK2V217又はPSAを認識しないので、hK2−特異 的であった。この結果は、phK2V217及びhK2V217が、hK2の異なった形に対し て特異的なmAbを生成することにおいて、免疫原として有効であることを示す。 ウェスターンブロット分析を用いて、HK1G586が精液中のhK2を認識するかど うかを試験した(図8)。約22KD,33KD及び85KDでのhK2−免疫反応性バンドを 、このmAbにより認識した。精液における類似するhK2−免疫反応性パターンが また最近、Deperthesなど.,Biochem.Biophy.Acta,1245,311(1995)により 報告されている。この結果は、hK2V217に対して生じさせたmAbが精液中の生来 のhK2を認識することを示す。hK2V217又はphK2V217に対して生じさせたすべ ての抗体はまた、hK2及びphK2がそれぞれhK2V217及びphK2V217に免疫学的に 類似することを示す、hK2及びphK2のその対応する形も認識した(下記参照の こと)。 追加の抗−hK2抗体(Abs)を調製するために、ヒトカリクレイン遺伝子ファミ リーのメンバーとコンピューター助力の抗原性及び疎水性分析との間の直接的な 一次構造比較を行なった。この比較から、いくつかのhK2オリゴペプチド配列を 選択した。選択されたhK2ペプチドは、成熟hK2アミノ酸残基8〜26(配列番号 19)、15〜26 (配列番号26)、41〜56(配列番号20)、43〜66(配列番号24)、153〜167(配 列番号21)、17〜71(配列番号22)及び210〜235(配列番号25)に対応する。アミ ノ酸17〜71に対応するペプチドを、hK2の生来の形を認識する抗体を生成する傾 向を高めるために合成した。前記ペプチドを合成し、そしてMayo Clinic/Found ationでのProtein Core FacilityにおいてHPLC精製した。ペプチドを、それぞれ 免疫原及びアッセイ試薬のためにキーホールリンペット(カサガイ)のヘモシア ニン(KLH)及びBSAにより接合せしめた。羊、ヤギ及びマウスを、ポリクローナル (羊及びヤギ;それぞれ配列番号20及び21、並びに配列番号19,20,21,24,25 及び26)及びモノクローナル(マウス;配列番号19,20,21,24,25及び26)抗 体生成のためにKLH−hK2ペプチドにより免疫化した。17〜71ペプチド(配列番 号22)を酸化し、cys 26と42との間に分子間ジスルフィド結合を生成し、そして それぞれポリクローナル及びモノクローナル抗体生成のためにヤギ及びマウスを 免疫化するために使用した。 羊からのhK2 41〜56Abをまず、hK2 41〜56ペプチド−親和性カラムにより 精製し、そして次に、ウェスターンブロット分析のために使用した。その抗体は 組換えhK2を認識した。hK2 41〜56AbによるhK2の検出は、過剰のhK2 46〜 56ペプチドの添加により完全に破壊されたが、しかしPSA 41〜56ペプチドによっ ては破壊されなかった。さらに、モノクローナル抗−hK2 41〜56ペプチド抗体 は、ウェスターンブロット分析においてhK2タンパク質に対して高い特異性を有 した。 抗−hK2 153−167ペプチド抗血清(羊)は、組換えhK2を認識した。それら の結果は、ペプチド41〜56及び153〜167に対する抗体がhK2ポリペプチドにおけ る2つの明確なエピトープと反応することを示した。 hK2アミノ酸残基210〜235に対する抗血清は、最高の免疫反応性を示した。 PSAの対応する領域と69%の相同性を有する、hK2ペプチド17〜71に対して生 ぜしめられたヤギ抗血清は、組換えhK2タンパク質を認識するが、しかしPSAを 認識しなかった。 PSA及びhK2の両者を認識する、細菌により発現された組換えhK2タンパク質 に対するウサギ抗血清は、アンドロゲンにより処理されたLNCaP細胞からの濃縮 されたLNCaP細胞培地においてダブレットのタンパク質バンドを検出した。対照 的に、免疫反応性タンパク質は、アンドロゲンにより処理されなかったLNCaP細 胞からのLNCaP細胞培地において検出されなかった。従って、免疫反応性タンパ ク質は、アンドロゲンにより誘発された。さらに、LNCaP培地における上方のバ ンドは、PSA−特異的抗血清(細菌により発現された組換えPSAに対して生ぜしめ られたウサギ抗−PSA抗血清)が主に上方のバンドを検出するので、PSA−関連タ ンパク質である。LNCaP培地における下方のバンドは、hK2に対して特異性を有 さないhK2 41〜56ペプチドに対するマウスモノクローナル抗体が下方のタンパ ク質バンドを認識するので、hK2−関連タンパク質である。それらの結果は、ダ ブレットバンドにおける個々のタンパク質のN−末端アミノ酸の配列分析により 確かめられた。 hK2ペプチド41〜56(HK1A523)に対するモノクローナル抗体を使用するパラフ ィン−包埋されたヒト前立腺組織断片(例10を参照のこと)の免疫組織化学研究 は、PSAのようなhK2が上皮において生成されるが、しかし支質においては生成 されないことを示した。さらに、免疫染色は、試験された他の組織がhK2に対し て陰性であったので、前立腺におけるhK2タンパク質に対して特異的である。例5 哺乳類細胞におけるhK2の発現 哺乳類細胞において野生型hK2(hK2)を発現するために、pGThK2(図3) を、AV12細胞中にトランスフェクトした。hK2ポリペプチドを発現するいくつか のクローンを、HK1D106.4(hK2のアミノ酸残基17〜71に対応するポリペプチドに 対して生じさせたhK2−特異的mAb)を用いてウェスターン分析により同定した。 クローンAV12−hK2#27(AV12−hK2)を、そのより高いhK2発現レベルに基づ くさらなる分析のために選択した。ベクターのみ(βGTD)によりトランスフェク トされた細胞は、HK1D106.4との反応性を示さなかった。 HK1D106.4mAbを用いてのELISAは、7日目で、AV12−hK2の血清フリーのスペ ント培地における約0.5〜1μg/mlのhK2ポリペプチドの存在を示した。AV12 −hK2V217からのphK2V217の精製に使用される同じ方法を用いて、AV12−hK2 の7日目のスペント培地からhK2ポリペプチドを精製した。これは、精製工程に おいて不安定であった、精製されたhK2ポリペプチドの低収率をもたらした。 hK2ポリペプチドを、上記方法を用いて部分的に精製し、SDS/PAGEにかけ、 電気ブロットし、そしてN−末端アミノ酸配列決定にかけた。この分析は、7日 目でのAV12−hK2のスペント培地中のhK2ポリペプチドが、N−末端で配列IVGG WECEKを有することを示した。競争配列は、エドマン分解方法により連続的に放 されるアミノ酸のプロフィールから明らかではなかった。PSAに対する比較によ り、この配列は成熟hK2(hK2)に対応する。このタンパク質のアミノ酸分析は また、hK2のその分析とも一致した。 この発見は、phK2V217が7日目でAV12−hK2V217の血清フリーのスペント培地 に優先的に存在し、そしてhK2は7日目でAV12−hK2の血清フリーのスペント培 地に優先的に存在することを示す。1 日目で、AV12−hK2の血清フリー培地に存在するhK2の形を試験するために、こ の材料を、HK1G586.1mAbを用いて親和性精製により部分的に精製した。34KDのタ ンパク質をPVDF中に移し、そしてN−末端分析にかけ、配列VPLIQSRIVGGを生成 した。競争配列は、エドマン分解方法により連続的に放されるアミノ酸のプロフ ィールから明らかではなかった。PSAと比較する場合、この配列はphK2に対応す る。これは、hK2ポリペプチドが、AV12−hK2及びAV12−hK2V217細胞の両者に よりプロ形として分泌されることを示す。しかしながら、phK2V217は安定し、 そしてhK2V217に転換されないが、phK2は不安定性であり、そして細胞外的にh K2に容易に転換されない。例6 hK 2の生合成 哺乳類細胞におけるhK2の生合成をさらに研究するために、時間経過研究を実 施し、ここでAV12−hK2クローン#27からの血清フリーのスペント培地を、8日 間連続して、個々の日に集め、濃縮し、そしてSDS/PAGEにかけた。タンパク質 をニトロセルロース膜に移し、そしてHK1D106.4又はHK1G464.3mAbによりプロー ブした(図9)。図9に示されるように、HK1D106.4は、phK2及びhK2の両者を 認識し、他方、HK1G464.3は、そのエピトープがhK2の−7〜+7の領域に存在 するので、phK2のみを認識する。hK2ポリペプチド(約34KD)の発現は、HK1D1 06.4mAbにより検出した場合、3日目までにピークになり、そしてその後、平坦 になった。約70KD及び約90KDで移動する2種の他の免疫反応性バンドもまた、4 日目以後、検出された。 他方では、同じサンプルがブロットされ、そしてHK1G464.3によりプローブさ れる場合、hK2のレベルが徐々に低下することが4日 目までに検出された。8日目までに、非常に低いレベルのhK2がスペント培地に 見出された。この結果は、phK2がAV12−hK2細胞により培地中に分泌され、そ して細胞外でhK2に徐々に転換されることを示す。奇妙なことには、70KD及び90 KDのバンドがHK1G464.3mAbにより観察されず、このことは、それらのバンドがhK 2のホモ−オリゴマーであるか、又はまだ未知のタンパク質と共有結合複合体化 されるhK2であるかのいずれかを示す。それらのバンドの正体がこの時点で知ら れていなくても、それらはスペント培地におけるhK2の存在のためのマーカーと して作用することができる。図9においては、精製されたphK2V217及びhK2V21 7 タンパク質が対照として使用された。 AV12細胞におけるhK2V217の生合成を研究するために、類似する時間経過研究 を、AV12−hK2V217クローン#2に対して実施した。図10に示されるように、hK 2V217ポリペプチドの発現は3日までにピークになり、そしてHK1D106.4mAbによ り検出する場合、4日目以後、ほとんど変化しなかった。類似する結果が、ブロ ットがHK1G464.3mAbによりプローブされる場合に得られた(図10)。これは、AV 12−pGThK2V217クローン#2細胞が1日目以後、phK2V217を発現し、そしてそ の後、少なくとも8日間、このタンパク質は成熟形に転換されないことを示した 。それらの結果は、8日間培地に存続する場合、hK2に転換されるphK2の結果 と対照をなし、このことは、phK2V217が37℃で8日間、培地において安定する ことを示す。 phK2のhK2への細胞外転換が培養物におけるAV12−hK2クローン#27細胞の生 存率と相互関係するかどうかを研究するために、クローン#27細胞を、トリパン ブルー排除を用いて計数した。スペント培地中のhK2の発現を、HK1D106.4及びH K1G464.3mAbの両者を 用いてELISAにより測定した。図11に示されるように、生存細胞の数は、3日目 までに培養物において3800万でピークになり、そしてその後、徐々に低下した。 phK2の発現(HK1G464.3により測定される)もまた、3日目までにピークになり 、そしてその後、徐々に低下した。 他方では、hK2の発現(HK1D106.4により測定れさる)は、3日目までにピー クになるが、しかしその後、平坦になった。この結果は、phK2がAV12−hK2細胞 から分泌され、そしてその画分が4日目までに、hK2に徐々に、細胞外で転換さ れることを示す。さらに、それは、phK2のhK2への転換が細胞生存率の低下と 相互関係することを示し、このことは、死亡細胞により放出される細胞外プロテ アーゼがこの転換を担当する要因の1つであり得ることを示す。hK2の発現は、 細胞が最とも生存している点で最高であった。hK2の低下は、細胞生存率の低下 と平行し、このことは、hK2が、細胞の死及び溶解に続いて放出されるのと対照 的に、それらの細胞により分泌されることを示す。また、hK2の上昇は、phK2 の低下に対応し、このことは、hK2のプロ形が時間にわたって、成熟形に自動的 に転換されたことを示す。 前立腺癌細胞におけるhK2の生合成を試験するために、hK2をDU145及びPC3 細胞系において発現した。pphK2をコードするDNAを、それぞれCMV及びSV40プロ モーターの制御下で、プラスミドpLNCX及びpLNSX(Miller and Rosman,Bio Tech niques,7,980(1989))中にクローン化した。得られるプラスミド、pLNC−hK2 及びpLNS−hK2を、それぞれPC3及びDU145細胞中にトランスフェクトし、そし てクローンを、G418を含む培地において選択した。高レベルのhK2を発現するク ローンを、ELISA及びウェスターンブロットにより選択した(PC3−hK2及びDU1 45−hK2)。 培地中のhK2及びphK2のレベルを評価するために、PC3−hK2及びDU145−hK 2細胞の血清フリー培地を、HK1Dl06.4(hK2−特異的)及びHK1G464.3(phK2−特 異的)mAbを用いて、ウェスターンブロット分析にかけた(図12)。結果は、phK 2がDU145−hK2及びPC3−hK2の両者のスペント培地に存在することを示した。 これは、前立腺癌細胞において、hK2がphK2として分泌され、そして成熟形に 細胞外で転換されることを示す。この発見は、AV12細胞により前に得られた結果 を確認するものである。phK2は7日後でさえ、PC3−hK2細胞のスペント培地に優 先的に検出されるが、しかしながら、hK2は1日目から出発して、DU145−hK2の 血清フリー培地に優先的に存在した。これはたぶん、DU145スペント培地におけ る多くの細胞外プロテアーゼのためである。 上記結果が1つのクローンに制限されるかどうかを試験するために、AV12−hK 2の3種の他の独立して単離されたクローン、及びAV12−hK2V217の4種の他の 独立して単離されたクローンを、hK2ポリペプチドの発現について試験した。ク ローンの血清フリーのスペント培地を7日目で集め、そしてHK1D106.4(hK2−特 異的)及びHK1G464(phK2−特異的)mAbを用いて、ウェスターンブロットにより hK2の発現について試験した(図13及び14)。すべてのAV12−hK2クローンにお いて、HK1D106.4mAbは主要34KDバンド(“hK2”)のみならず、またhK2の存在 の表示である70KD及び90KDバンドを検出した(図13)。HK1G464.3は、すべてのA V12−hK2クローンにおいて、非常に低いレベルのphK2を検出した(図14)。こ の結果は、hK2がすべてのAV12−hK2クローンのスペント培地に優先的に存在す ることを示し、このことは、AV12−hK2#27クローンのために確立された生合成 機構を立証した。同じ分析をAV12−hK2V217クローンに対して使用した(図14) 。結果は、phK2V217のみが7日 目でそれらのクローンのスペント培地に存在することを示し、このことは、AV12 −hK2V217クローンに関する本発明者の知見を立証するものである。 上記結果は、hK2が啼乳類細胞においてプロ形として発現され、そしてまだ未 知であるプロテアーゼにより成熟形に、細胞外で転換されることを集合的に示唆 する。それらの結果はまた、phK2が生物学的流体に存在し、そして従って、pCa 及びBPHのための有用な診断マーカーであり得ることも示唆する。例7 hK 2及びhK2V217の酵素活性及び特異性 少量のhK2を、その酵素活性及び基質特異性を決定するために十分な純度に精 製した。hK2の一般的な活性を、p−ニトロアニリド誘導体に対するポリペプチ ドのそのアミド分解活性を色原体的に決定することによって測定した(表3)。 それらの基質のタンパク質分解消化により放出されるp−ニトロアニリドを、吸 光度A405で測定する。基質メトキシスクシニル−Arg−Pro−Tyr−パラ−ニトロ アニリド(MeO−Suc−R−P−Y−pNA)を用いて、フェニルアラニンで切断する キモトリプシン様プロテアーゼを測定した。この基質は、PSAの活性を測定する ためにこれまで使用されて来た(Christenssonなど.,Eur.J.Biochem.,194, 755(1990))。基質H−D−Pro−Phe−Arg−パラ−ニトロアニリド(P−F−R −pNA)は、アルギニン(R)で切断するトリプシン様プロテアーゼに対して特異 的である。 hK2はP−F−R−pNAに対してhK2V217よりも10倍高い全体活性を有するこ とが見出され、そしていづれのタンパク質も、MeO−Suc−R−P−Y−pNA、す なわちキモトリプシン基質を加水分解する能力を示さなかった。トリプシン様切 断部位(リジン、アルギ ニン)を含む他の比較できる基質をまた試験し、そしてhK2が最高の速度で基質 P−F−R−pNAを加水分解することが見出された。 それらの発見は、hK2がトリプシン様活性を有することを示す。 表 3 色原体基質に対するhK2,hK2V217,PSA及びトリプシンのアミド分解活性 hK2及びhK2V217の特異性を、ペプチド結合が加水分解されているかどうかを 決定するためのN−末端アミノ酸配列分析と共に、ペプチド基質の使用により、 より詳細に試験した。図15は、可能性あるトリプシン及びキモトリプシン切断部 位の両者を有するポリペプチド:CALPEKPAVYTKVVHYRKWIKDTIAANに対するアミド 分解活性を示す。hK2V217は、キモトリプシン様分解に対して2:1の比でのト リプシン様分解を伴って、トリプシン(R−K)及びキモトリプシン(Y−R) 部位の両者で切断した。それらの実験における対照として、phK2V217がまた、 このペプチドと共にインキュベートされ、そしてアミド分解活性を示さなかった 。hK2は、このペプチド基質に対して、hK2V217よりも異なった特異性を示した 。キモトリプシン様特異性は、この基質に対してhK2に関して見出されず、そし てその活性はトリプシン様部位(R−K)に対して限定的であった。このポリペ プチドにおける他のリジン(K)残基のどれも加水分 解されず、このことは、hK2の特異性がアルギニン(R)残基に対して特異的で あることを示した。 対照として、トリプシンがまた、基質に対して研究され、そしてすべてのリシ ン(K)及びアルギニン(R)部位を切断したが、但しトリプシン切断のために 適切な部位であることが知られていないK−P結合を切断しなかった。トリプシ ンは、hK2よりも約4倍早い速度で、及びhK2V217よりも約4000倍早い速度で21 0〜236基質(ペプチド#1、図16)のR−K−部位を切断した。キモトリプシン 様結合はトリプシンにより切断されなかった。PSAはY−R結合を主に切断した 。R−K結合に対するマイナーなトリプシン様活性がまた、PSAについても見出 された(図15)。これは、色原体基質に対するPSAに関して、前で見出されたマ イナーなトリプシン様活性と一致した(表2)。 いくつかの他のペプチド基質をまた、hK2及びPSAと共にインキュベートした (図16)。試験されたすべてのペプチドにおいて、hK2は選択されたアルギニン のためにのみ特異性を有し、そしてPSAは選択されたチロシン(Y)、フェニル アラニン(F)及びロイシン(L)残基のために主に特異性を有した。図16にお けるペプチド#1のみが、図15におけるクロマトグラムにより詳細されるように 、hK2V217により切断された。例8 hK 2によるphK2V217の活性化 図16におけるペプチド#3の配列は、phK2のアミノ酸残基−7〜+7に対応 する。この領域は、phK2V217においてN−末端リーダーペプチドとして見出さ れるプロペプチドVPLIQSRを含む。上記で言及されたように、hK2はこのペプチ ドを切断でき、プロペプチド領域を開放するが、しかしhK2V217はそのようなこ とができなか った。hK2が生来の基質に対するプロ配列を切断できるかどうかを証明するため に、phK2V217をhK2V217に転換する能力をモニターした。phK2V217を1% hK 2と共にインキュベートし、そしてその転換をHIC−HPLC方法によりモニターし た(図17A)。結果は、hK2が、トリプシンよりも約30倍遅い速度にかかわらず 、phK2V217をhK2V217に転換できたことを示した。phK2V217が40%のhK2V217 と共にインキュベートされる場合、2つのhK2形の割合の差異は、6時間後でさ え、検出されなかった(図17B)。これは、ペプチド基質に関する前の観察を確 証し、そして生来の基質に対してさえ、hK2のみがhK2のプロ領域を切断し、そ してhK2V217はその領域を切断しなかったことを示した。 それらの結果は、延長されたインキュベーションに対してのphK2V217及びhK 2V217の安定性を集合的に示す。hK2V217と比較される場合、hK2は、図15にお けるプロペプチドに対する活性及び図17におけるphK2V217に対するその活性に より示されるように、より高いタンパク質加水分解活性、高い程度の特異性、及 び特に、hK2のプロ形に対する特異性を有することが示された。 それらの結果は、hK2とhK2V217との間の酵素活性の有意な差異を示し、そし てphK2V217と比較して、培地からhK2を精製する試みに関連する低い収率の説 明を助けることができる。より高度に精製されたhK2の調製物は、他の活性プロ テアーゼのために見出されるように自己分解のために不安定である。それらの結 果はさらに、免疫学的試験の他に、hK2−特異的基質に対する酵素活性が体液中 のこのタンパク質のレベルをモニターするために使用され得ることを示唆する。例9 hK 2とのインヒビター複合体の形成 PSAは、α2マクログロブリン(MG)、及びセリンプロテアーゼインヒビター 、すなわち抗キモトリプシン(ACT)と複合体を形成することが示されている。そ の複合体形成を調査するために、hK2を、ヒト血漿に存在する一連の通常のプロ テアーゼ(ACT,α2−抗プラスミン、抗トロンビンIII及びα1−抗トリプシン( Travis and Salvesen,Ann.Rev.Biochem.,52,655(1983))と共にインキュベ ートし、そしてその混合物をウェスターンブロットにより分析した(図18)。そ れらのセリンとhK2とのいづれかの共有複合体は、還元条件下でSDS/PAGEに基 づいて約80〜100KDのバンドをもたらすべきである。 ACT及びα2−抗プラスミンは、hK2との有意な複合体を形成した(図18、レ ーン1及び2)。抗トロンビンIII(レーン3)及びα1−抗トリプシン(α1 プロテアーゼインヒビター、レーン4)は、hK2との検出できる複合体を形成し なかった。MG、すなわち血液血漿の主成分はまた、hK2と急速に複合体化した( レーン5)。この複合体は約200KD及び120KDのMrに相当し、それらはまた、PSA が精製されたMGと共にインキュベートされる場合に形成された(図18、レーン8 、下記を参照のこと)。hK2が、このタンパク質が広範囲のトリプシン様プロテ アーゼを阻害する場合でさえ、α1−抗トリプシンとの複合体を形成しなかった ことは、特に興味深いことであった(Loebermannなど.,J.Mol.Biol.,177,53 1(1984);Carrell and Travis,TIBS,10,20(1985))。 hK2が、このタンパク質がそのインヒビター活性部位にアルギニン残基を有す るので、α2−抗プラスミンとの複合体を形成することは、驚くべきことではな かった(Hunt and Dayhoff,Biochem.Biophy.Res.Comm.,95,864(1980); Chandraなど.,Biochemistry,22,5055(1983);Potempa,など.,Science,2 41,699(19 85);Shiehなど.,J.Biol.Chem.,264,13420(1989);Mastなど.,Biochem istry,30,1723(1991))。しかしながら、ATCがそのインヒビター活性部位にロ イシンを有するので、hK2がACTとの複合体を形成するであろうことは、また予 測されなかった。明確には、PSAとhK2との間の構造類似性は、それらのタンパ ク質分解特異性が図16及び表2に示されるように、完全に異なる場合でさえ、通 常のインヒビターとのそれらの複合体形成に影響を及ぼす。 ヒト女性血清中にスパイクされる場合、hK2は、ウェスターンブロットにより 検出されるように、MGとの急速な複合体を形成した(図18)。レーン1及び3は 、それぞれhK2及び血清のみの対照である。レーン2は、90KDのhK2−ACT複合体 及び残留hK2を示す、ACTと共にインキュベートされたhK2である。レーン4及 び5は、それぞれ15分及び1時間、血清中にスパイクされたhK2である。レーン 6は、精製されたMGと共に4時間インキュベートされたhK2である。レーン7は 血清中に15分間スパイクされたPSAであり、そしてレーン8は精製されたMGと共 に4時間インキュベートされたPSAである。 それらの結果は、MGが、hK2又はPSAがインビトロ実験においてヒト血清中に スパイクされる場合に形成される主要hK2又はPSA複合体であることを示す。ACT とのPSA複合体は前立腺疾病を有する患者の血清において生じることが知られて いるので、血清中に存在するhK2はまた、あるレベルのACT複合体を形成すると 思われる。論 議 PSA又はhK2のためのインビボタンパク質プロセッシング及び分泌機構は知ら れていない。本明細書に示される結果は、phK2がAV12−hK2,DU145−hK2、及 びPC3−hK2細胞により分泌されることを示し、これは、hK2が通常、phK2と して分泌され、そしてペ プチドが細胞外で切断されることを示唆する。これは、phK2が生物学的流体に 存在し、そして従って、pCa又はBPHのための有用な診断マーカーであり得ること を示す。 hK2(hK2V217)の成熟形及びhK2の野生型の両者が、AV12細胞から精製され た。hK2は、使用される精製方法に対して非常に不安定であり、これは、他のプ ロテアーゼにより見出されるように、その自己分解性質のためであり、そして免 疫原及び検量体としての使用のために十分な量でのhK2又はphK2の精製を非常 に困難にする。対照的に、phK2V217は、非常に安定しており、そしてトリプシ ン消化によりhK2V217に転換され、これはまた安定している。精製されたphK2V 217 及びhK2V217は、hK2及びphK2に対して特異的なmAbを生成するために免疫 原を供給した。例10 前立腺組織とモノクローナル抗体586との免疫反応性 HK1523との、正常な前立腺組織の免疫組織化学は、上皮における染色を示すが 、しかし支質における染色は示さなかった。さらに、hK2発現は、他の組織、た とえば腎臓及び膵臓は染色を示さなかったので、前立腺−特異的である。hK2が 前立腺組織に発現され、そしてそうであるなら、前立腺癌と相互関係しているか どうかを決定するために、264個の基本的な前立腺切除検体(そのうち257個は未 処理の患者からであり(図20)、そして7個はアンドロゲン奪取療法処理された 患者からである(図21))を、比較研究において分析した。個々の検体を、良性 上皮、高い程度の前立腺上皮間腫瘍形成(PIN)及び腺癌を有する領域におけるhK 2の細胞質発現について分析した。 前立腺組織を、秤り取り、立体的に測定し、そしてインキで染色した。頂部及 び基部を4〜5mmの厚さで切断し、そして連続的に、 3mmで切断した。残る前立腺を、前立腺の頂部から精ノウの先端まで腺の長軸に 対して垂直なナイフにより、4〜5mm間隔で連続的に切断した。横断面を調製し 、そしてヘマトキシリン及びエオシンにより染色した。癌及び良性組織を包含す る個々の患者の基本的な前立腺切除の単一スライスを、10%の中性緩衝ホルマリ ンに固定し、そして当業界において良く知られている方法によりパラフィンによ り包埋した。 スライド上の組織断片を、キシレン及び次に95%エタノールに含浸することに よってパラフィン除去した。内因性ぺルオキシダーゼ活性を、メタノール/H2O2 に10分間、断片をインキュベートし、そして次に、水道水により断片をすすぐこ とによって阻止した。次に、断片を10mMのクエン酸緩衝液(pH6.0)に配置し、そ して30分間、蒸気処理した。断片を、冷水道水によりすすぐ前、5分間冷却した 。非特異的タンパク質結合を、5%ヤギ血清と共に10分間、断片をインキュベー トすることによって阻止した。次に、スライドを静かに排水した。 0.5μg/mlでの一次抗体、hK1G586又はPSM 773を、室温で30分間、断片に添 加し、そして次に、その断片を水道水によりすすいだ。次に、組織断片を、ビオ チニル化されたウサギ抗−マウス抗体と共に1時間インキュベートし、そして水 によりすすいだ。断片を、ペルオキシダーゼ接合されたストレプタビジン(1:5 00)と共に30分間インキュベートし、次に水道水によりすすいだ。続いて、断片 を、水道水によるすすぎの前、15分間、3−アミノ−9−エチルカルバゾール(A BC)色原体溶液と共にインキュベートした。次に、断片を、水銀フリーのヘマト キシリンにより1分間、対比染色し、そして水道水により5分間すすいだ。スラ イドを、水性固定媒体(グリセロールゼラチン)により固定した。細胞染色の% を、良性上 皮、高い程度のPIN及び腺癌のために0%から100%まで10%インクリメントで記 録した。 良性萎縮性腺は、最少量の染色を、特に炎症領域において示し、ここで実質的 に免疫反応性は存在しなかった。萎縮性の証拠を有さない過形成性腺房及び良性 腺房においては、中位いの強い免疫反応性が存在し、通常、核のすぐ上部の分泌 管腔細胞層において粒状パターンで出現し、しばしば管腔表面まで延長する。基 礎をなす腺はしばしば、免疫反応性を示すけれども、尿道又はビバモンタナム(v iva montanum)の尿上皮(uroepithelium)の染色は存在しなかった。基礎細胞は通 常、陰性であった。 高度のPINを有する検体は、大部分の場合において、細胞質を通して、及び細 胞質先端ブレブにおいて強い免疫反応性を示した。PINの異なったパターン間に 免疫反応性の明らかな差異は存在せず、但し、末梢に比較される場合、通常、中 央部で強さが低下する有孔性パターンを除く。 癌検体は、実質的にすべての場合において、強い細胞質反応性を示した。 多数の細胞質液胞を有する細胞、印環細胞及びムチンの領域は低い染色性を示 し;他方では、細胞質は強く染色された。最高の強度が、実質的にあらゆる場合 において免疫反応性を示す最高の程度の腺癌(Gleasonパターン4)において観 察された。 有孔性癌を有する病巣は、中央よりも末梢においてより高い強度が存在するこ とにおいて、有孔性PINに類似した。癌の末梢端及び先端は常に強い免疫反応性 であった。 アンドロゲン奪取療法を受けた患者からの7種の検体においては、大部分の良 性萎縮性腺房においてほとんど又はまったく免疫反応性は存在しなかったが、し かしPIN及び腺癌は時おり、強い細胞質 染色を示した。 良性上皮、高度PIN及び腺癌におけるモノクローナル抗体HK1G586による細胞染 色の数の要約が表4に示される。対様分析、すなわち良性対PIN、良性対癌、及 びPIN対癌は、個々のカテゴリーに関して有意な差異を示した(P<0.00)、Spe arman Rank Correlation)。 表 4 hK1G586 との免疫反応性 平 均 標準偏差% 良性上皮 44.3% 10〜90 高度のPIN 69.1% 20〜100 腺癌(未処理) 80.0% 20〜100 従って、前立腺組織における細胞質hK2発現の上昇は、前立腺腫瘍形成及び前 立腺癌と相互関連する。アンドロゲン奪取療法処理された患者から得られた前立 腺からのデータは小さなサンプルサイズのために統計学的には有意でないが、未 処理の患者に対するそれらの患者において、良性上皮、高い程度のPIN及び腺癌 におけるhK2発現の低下が存在する。従って、前立腺におけるhK2発現の上昇は 、高い程度のPIN及び前立腺癌のための新規マーカーである。例11 前立腺癌細胞におけるhK2RNAのRT−PCR検出 前立腺癌の大部分は見分けるのに不十分な段階であるので、組織生検、たとえ ば前立腺ノウ、骨髄又はリンパ節において、又は生理学的流体、たとえば血液、 血清又は精液中に存在するhK2発現細胞を検出することが興味の対象である。そ のような検出方法は好ましくは、多数の非hK2発現細胞における単一のhK2発現 細胞を検出することができる。好ましくは、前記方法は、少なくとも約104個、 より好ましくは、少なくとも106個、又はさらにより好ましくは、107個の細胞を 含んで成るサンプルにおける単一のhK2発現細胞を検出することができる。その ような敏感な検出方法を提供するために、hK2転写体に対して特異的な逆転写酵 素−ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)が使用される。 A.LNCaP 細胞系 RT−PCRによりhK2−特異的転写体の検出の感度を決定するために、ヒトPSA− 及びhK2−発現LNCaP細胞系の細胞を、バフィーコート(buffy coat)細胞のサ ンプルに連続的に希釈した。そのバフィーコート細胞を、正常な女性及び男性か らの全血から単離した。静脈血液(5〜7ml)を、クエン酸塩−デキストロース 管に集めた。サンプルを1000×gで、15分間4℃で遠心分離した。バフィーコー ト細胞を、細胞ペレットの上部から回収した。 バフィーコート細胞及びLNCaP細胞の混合物を1,500rpmで5分間、遠心分離し 、そしてRNAをペレット化された細胞から抽出した。RNAを、酸性フェノールクロ ロホルム−グアニジウムチオシアネート方法(Chomczynskiなど.,Anal .Bioche m.,162 ,156(1987))により単離した。RNAサンプルを、クロロホルム−ブタノ ール(4:1;v/v)によりさらに抽出し、残留ヘムを除去し、これにより、 逆転写及びポリメラーゼ連鎖反応を阻害することができる。次に、単離されたRN Aを、RNアーゼ−フリーのDNアーゼにより処理した。 第1鎖cDNAを調製するために、合計1μgのRNAを含むアリコートを、100pモ ルのPSA−特異的オリゴヌクレオチドプライマー(5’TCATCTCTGTATCC3’;配列番 号13)、又は100pモルのhK2−特異的オリゴヌクレオチドプライマー(5’GAGTA AGCTCTA3’;配列番号:14)、及びMoleneyネズミ白血病ウィルス逆転写酵素(GI BCO BRL)を含む逆転写反応に添加し、そして25μlの最終体積にした(50mMのトリス −HCl,pH8.3,75mMのKCl,3mMのMgCl2,10mMのジチオトレイトール、0.5mMの 個々のdNTP、及び800UのMoloneyネズミ白血病ウィルス逆転写酵素)。反応物を 42℃で15分間インキュベートし、そして酵素を95℃で15分間、熱不活性化した。 PSA第1鎖cDNAを増幅するために、10μlのPSA−特異的オリゴヌクレオチドプ ライムされた第1鎖cDNAを、PSA−特異的プライマー対を有するPCR(0.2mMの個 々のdNTP,0.5UのAmpli Taqポリメラーゼ、50mMのKCl,l0mMのトリス−HCl,pH 8.3,1.5mMのMgCl2,0.1%(w/v)のゼラチン)において増幅した。PSAのPCR は、50pモルのPSA−1(5’GATGACTCCAGCCACGACCT3’;配列番号:15)及び50p モルのPSA−2(5’CACAGACACCCCATCCTATC3’;配列番号:16)を使用した。hK2 第1鎖cDNAを増幅するために、10μlのhK2 PSA−特異的オリゴヌクレオチドプ ライムされた第1鎖cDNAを、hK2−特異的プライマー対を含むPCR(0.2mMの個々 のdNTP,0.5UのAmpli Taqポリメラーゼ、50mMのKCl,10mMのトリス−HCl,pH8. 3,1.5mMのMgCl2,0.1%(w/v)のゼラチン)において増幅した。hK2 PCRは 、50pモルのhK2−1(5’GAGGGTTGTGTACAGTCATGGAT3’;配列番号17)及び50p モルのhK2−2(5’ACACACTGAAGACTCCTGGGGCG3’;配列番号18)を使用した。 使用される循環パラメーターは次の通りであった:94℃で1分;58℃(PSA)又 は60℃(hK2)で90秒;及び72℃で90秒の35〜40サイクル。最終サイクルは、72 ℃で10分間であった。反応のアリコートを、1.0%アガロースゲル上で電気泳動 した。ゲルを臭化エチジウムにより染色し、そして紫外線下で調べた。いくつか の増幅された生成物をゲルから切出し、そして配列決定のために、pCRIIベクタ ー(Invitragen,San Diego,CA)中にサブクローン化した。 PSA−特異的PCRは、710bpの生成物を生成するが、ところがhK2−特異的PCRは 405bpの生成物を生成した。希釈分析の結果は、PSA及びhK2 RNAがそれぞれ、106 個及び107個の白血球細胞当たり約1個のLNCaP細胞で検出できた(図22A)。 この結果は、RT-PCRがLNCaP−誘導されたPSA転写体よりも10倍高い希釈度でLNCa P−誘導されたhK2転写体を検出したので、予測されなかった。 B.前立腺癌患者 前立腺癌を有する6人の患者、及び2人の正常な男性からの血液をRT−PCRに より分析した。淡黄褐色の被膜細胞及び単離されたRNAをすべて8人の男性から 得、そしてRT−PCRを上記のようにして実施した。6人の前立腺癌患者は、臨床 段階Bの前立腺癌を有する1人、既知の転移性疾病(臨床段階D2)を有する2 人、及び病理学的段階Cを有する3人を包含した。前立腺癌の病理学的段階A− Cは、前立腺癌の形で局在化される。病理学的段階D1は、結節に拡張する前立 腺癌である(結節性転移)。病理学的段階D2は、全身性(全身性転移)前立腺 癌である。前立腺癌の病理学的段階のさらなる記載については、Morenoなど.( Cancer Res.,52,6110(1992));Deguchiなど.(Cancer Res.,53:5350(1993 ));及びkatzなど.(Urology,43,765(1994))を参照のこと。 前記結果は、前立腺癌患者の67%がhK2を発現し、17%がPSAを発現し、そし て17%がhK2及びPSAの両者を発現した。検出できるレベルのPSA又はhK2 RNAは 、正常な対照において見出されなかった。 従って、hK2 RNAの検出は、前立腺癌の微小転移の初期検出のための有用なマ ーカーとして作動することができる。 本発明は、示され、そして記載されて来た詳細に制限されるものではなく、多 くの変更及び修飾が本発明の範囲内で行なわれ得るこ とは、理解されるべきである。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成10年11月30日(1998.11.30) 【補正内容】 請求の範囲 1.hK2 DNAを検出するための診断方法であって; (a)hK2 RNAを含むと思われる細胞を含んで成るヒト生理学的サンプルから のRNAの逆転写により得られた一定量のDNAと、一定量の少なくとも2種のオリゴ ヌクレオチドとを、一定量の増幅されたhK2 DNAを生成するために、ポリメラー ゼ鎖反応によりDNAを増幅するのに有効な条件下で接触せしめ、ここで少なくと も1つのオリゴヌクレオチドはhK2−特異的オリゴヌクレオチドであり、そして 前記サンプルが異常空間hK2発現に関連する徴候の危険な状態であるか、又はそ の特徴を有するヒトからであり;そして (b)前記増幅されたhK2 DNAの存在を検出する; ことを含んで成る方法。 2.ヒトにおける転移性前立腺癌を検出するための方法であって; (a)hK2 RNAを含むと思われる細胞を含んで成るヒト生理学的サンプルから のRNAの逆転写により得られた一定量のDNAと、一定量の少なくとも2種のオリゴ ヌクレオチドとを、一定量の増幅されたhK2 DNAを生成するために、ポリメラー ゼ鎖反応によりDNAを増幅するのに有効な条件下で接触せしめ、ここで少なくと も1つのオリゴヌクレオチドはhK2−特異的オリゴヌクレオチドであり;そして (b)前記増幅された存在を検出し、ここで前記hK2 DNAの存在が前記ヒトに おける転移性前立腺癌の存在の表示である; ことを特徴とする方法。 3.前記生理学的サンプルが、組織サンプルである請求の範囲第1又は2項記 載の方法。 4.前記組織が、前立腺、前立腺ノウ、精ノウ、骨髄及びリンパ節から成る群 から選択される請求の範囲第3項記載の方法。 5.前記組織が非前立腺組織である請求の範囲第3項記載の方法。 6.前記生理学的サンプルが流体である請求の範囲第1又は2項記載の方法。 7.前記流体が、全血、血清及び精液から成る群から選択される請求の範囲第 6項記載の方法。 8.前記流体が全血である請求の範囲第7項記載の方法。 9.前記増幅されたhK2 DNAが、検出の前、アガロースゲル電気泳動にゆだね られる請求の範囲第1又は2項記載の方法。 10.増幅されたhK2 DNAの量を定量化することをさらに含んで成る請求の範囲 第1又は2項記載の方法。 11.(a)ヒト生理学的サンプルからのRNAの逆転写により得られる第2の一 定量のDNAと、一定量の少なくとも2種のオリゴヌクレオチドとを、増幅されたP SA DNAを得るために、ポリメラーゼ鎖反応により、hK2 DNAではなく、前立腺特 異的抗原(PSA)DNAを増幅するのに有効な条件下で接触せしめ;そして (b)前記増幅されたPSA DNAの存在を検出する; ことをさらに含んで成る請求の範囲第1又は2項記載の方法。 12.hK2 RNAを検出するための診断方法であって; (a)ヒトから得られた生理学的サンプルからRNAを抽出し; (b)DNAを生成するために前記抽出されたRNAを逆転写し; (c)前記DNAと、一定量の少なくとも2種のオリゴヌクレオチドとを、一定 量の増幅されたhK2 DNAを得るために、ポリメラーゼ鎖反応により前記DNAを増 幅するのに有効な条件下で接触せしめ、ここで少なくとも1つのオリゴヌクレオ チドはhK2−特異的オリゴ ヌクレオチドであり;そして (d)前記増幅されたhK2 DNAの存在を検出し、ここで前記増幅されたhK2 D NAの存在がヒトにおける転移性前立腺癌の表示である ことを特徴とする方法。 13.前記サンプルが組織サンプルである請求の範囲第12項記載の方法。 14.前記サンプルが生理学的流体サンプルである請求の範囲第12項記載の方法 。 15.前記ヒトが基本的前立腺切除を有しており、そして前記hK2 DNAの存在が ヒトにおける永続性前立腺癌の存在の表示である請求の範囲第12項記載の方法。 16.前立腺癌の進行をモニターするための方法であって; (a)前立腺癌を有するヒトから得られる生理学的サンプルからのRNAの逆転 写により得られる一定量のDNAと、一定量の少なくとも2種のオリゴヌクレオチ ドとを、一定量の増幅されたhK2 DNAを得るために、ポリメラーゼ鎖反応により DNAを増幅するのに有効な条件下で接触せしめ、ここで少なくとも1種のオリゴ ヌクレオチドがhK2−特異的オリゴヌクレオチドであり; (b)前記増幅されたhK2 DNAの量を検出し、又は決定し; (c)後のちょうどよい時点で段階(a)及び(b)を反復し; そして (d)前記段階(b)の結果と、前記段階(c)の結果とを比較し、ここで、 hK2 DNAの量の上昇が前記ヒトにおける前立腺癌の進行の表示である; ことを特徴とする方法。 17.前立腺癌を病理学的に段階分けするための方法であって; (a)前立腺癌を有するヒトから得られる生理学的サンプルからのRNAの逆転 写により得られる一定量のDNAと、一定量の少なくとも2種のオリゴヌクレオチ ドとを、一定量の増幅されたhK2 DNAを得るために、ポリメラーゼ鎖反応により DNAを増幅するのに有効な条件下で接触せしめ、ここで少なくとも1種のオリゴ ヌクレオチドがhK2−特異的オリゴヌクレオチドであり;そして (b)前記増幅されたhK2 DNAの存在又は量を検出し;又は決定し、ここで前 記増幅されたhK2 DNAの存在又は量が前立腺癌の病理学的段階の表示である; ことを特徴とする方法。 18.前記ヒトが基本的な前立腺切除のための候補体である請求の範囲第16又は 17項記載の方法。 19.前記段階(a)のサンプルが、ヒトがホルモン療法を受ける前に得られる 請求の範囲第16項記載の方法。 20.前記ホルモン療法がアンドロゲン療法である請求の範囲第19項記載の方法 。 21.前記アンドロゲン療法がアンドロゲン刺激療法である請求の範囲第20項記 載の方法。 22.前記サンプルが非前立腺組織サンプルである請求の範囲第16又は17項記載 の方法。 23.前記サンプルが生理学的流体サンプルである請求の範囲第16又は17項記載 の方法。 24.前記流体が全血である請求の範囲第23項記載の方法。 25.hK2 RNAを含むと思われる生理学的サンプルにおけるhK2 RNAを検出する ための診断キットであって、(a)既知量の第1のhK2−特異的オリゴヌクレオ チド;及び(b)既知量の第2のhK2-特異的オリゴヌクレオチドを含む包装を 含んで成り、ここで前記第 1のオリゴヌクレオチドが少なくとも約7〜50個のヌクレオチドから成り、そし て配列番号4に対して少なくとも約80%の同一性を有しそして配列番号17を含ん で成り;そして前記第2のオリゴヌクレオチドが約7〜50個のヌクレオチドから 成り、配列番号4に対して相補的であるヌクレオチド配列に対して少なくとも約 80%の同一性を有し、そして配列番号14又は18を含んで成ることを特徴とする診 断キット。 26.前記第2のオリゴヌクレオチドが配列番号14を含んで成る請求の範囲第25 項記載の診断キット。 27.前記第1のオリゴヌクレオチドが配列番号17を含んで成る請求の範囲第25 項記載の診断キット。 28.前記第2のオリゴヌクレオチドが配列番号18を含んで成る請求の範囲第25 項記載の診断キット。 29.配列番号22、その生物学的活性サブユニット、又はその生物学的活性変異 体を含んで成る、単離され、精製されたペプチド。 30.配列番号26、その生物学的活性サブユニット、又はその生物学的活性変異 体を含んで成る、単離され、精製されたペプチド。 31.請求の範囲第29又は30項記載のペプチドを含んで成る、タンパク質又はポ リペプチドと特異的に反応する精製された抗体。 32.モノクローナル抗体である請求の範囲第31項記載の抗体。 33.請求の範囲第32項記載の抗体を生成するハイブリドーマ細胞系。 34.請求の範囲第31項記載の抗体を含んで成るポリクローナル抗体の調製物。 35.少なくとも約7〜50個のヌクレオチドから成り、そして配列番号4に対し て少なくとも約80%の同一性を有するか、又は前記配列を有するヌクレオチド配 列に対する相補性を有し、そして配列番 号17,14又は18を含んで成るhK2−特異的オリゴヌクレオチド。 36.配列番号14を含んで成る請求の範囲第35項記載のオリゴヌクレオチド。 37.配列番号17を含んで成る請求の範囲第35項記載のオリゴヌクレオチド。 38.配列番号18を含んで成る請求の範囲第35項記載のオリゴヌクレオチド。 39.ヒト非前立腺組織サンプルにおける転移性前立腺癌の存在を検出し、又は 決定するための方法であって、 (a)hK2ポリペプチドに結合し、そしてhK3に結合しない一定量の剤と、前 記ヒト組織サンプルの細胞とも、前記剤及び細胞を含んで成る二元複合体を形成 するために、混合し;そして (b)微小転移性前立腺癌の存在の表示で提供する、前記サンプルにおける前 記複合体の存在又は量を決定し、又は検出する; ことを含んで成る方法。 40.前記剤が抗体である請求の範囲第39項記載の方法。 41.前記抗体がポリクローナル抗体集団のメンバーである請求の範囲第39項記 載の方法。 42.前記抗体がモノクローナル抗体である請求の範囲第39項記載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12Q 1/68 G01N 33/50 P G01N 33/50 33/574 A 33/574 C12N 5/00 B (72)発明者 ヤング,チャールズ ワイ.エフ. アメリカ合衆国,ミネソタ 55901,ロチ ェスター,セント メリー ドライブ ノ ース ウエスト 5100 (72)発明者 マコーミック,ダニエル ジェイ. アメリカ合衆国,ミネソタ 55904,ロチ ェスター,ナインス アベニュ サウス イースト 1353 (72)発明者 クリー,ジョージ ジー. アメリカ合衆国,ミネソタ 55902,ロチ ェスター,イレブンス アベニュ サウス ウエスト 5949 (72)発明者 サエディ,モハメイド サイード アメリカ合衆国,カリフォルニア 92126, サンディエゴ,ヘリドリックス ドライブ 7898 (72)発明者 クマー,アブヘイ アメリカ合衆国,カリフォルニア 92129, サンディエゴ,サーモン リバー ロード 12638 (72)発明者 リッテンハウス,ハリー ジー. アメリカ合衆国,カリフォルニア 92014, デル マー,マーケイド ドライブ 13972 (72)発明者 ウォルファート,ロバート エル. アメリカ合衆国,カリフォルニア 92131, サンディエゴ,キャニオン レイク ドラ イブ 10495

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.hK2 DNAを検出するための診断方法であって; (a)hK2 RNAを含むと思われる細胞を含んで成るヒト生理学的サンプルから のRNAの逆転写により得られた一定量のDNAと、一定量の少なくとも2種のオリゴ ヌクレオチドとを、一定量の増幅されたhK2 DNAを生成するために、ポリメラー ゼ鎖反応によりDNAを増幅するのに有効な条件下で接触せしめ、ここで少なくと も1つのオリゴヌクレオチドはhK2−特異的オリゴヌクレオチドであり;そして (b)前記増幅されたhK2 DNAの存在を検出する; ことを含んで成る方法。 2.ヒトにおける転移性前立腺癌を検出するための方法であって; (a)hK2 RNAを含むと思われる細胞を含んで成るヒト生理学的サンプルから のRNAの逆転写により得られた一定量のDNAと、一定量の少なくとも2種のオリゴ ヌクレオチドとを、一定量の増幅されたhK2 DNAを生成するために、ポリメラー ゼ鎖反応によりDNAを増幅するのに有効な条件下で接触せしめ、ここで少なくと も1つのオリゴヌクレオチドはhK2−特異的オリゴヌクレオチドであり;そして (b)前記増幅された存在を検出し、ここで前記hK2 DNAの存在が前記ヒトに おける転移性前立腺癌の存在の表示である; ことを特徴とする方法。 3.前記生理学的サンプルが、組織サンプルである請求の範囲第1又は2項記 載の方法。 4.前記組織が、前立腺、前立腺ノウ、精ノウ、骨髄及びリンパ 節から成る群から選択される請求の範囲第3項記載の方法。 5.前記組織が非前立腺組織である請求の範囲第3項記載の方法。 6.前記生理学的サンプルが流体である請求の範囲第1又は2項記載の方法。 7.前記流体が、全血、血清及び精液から成る群から選択される請求の範囲第 6項記載の方法。 8.前記流体が全血である請求の範囲第7項記載の方法。 9.前記増幅されたhK2 DNAが、検出の前、アガロースゲル電気泳動にゆだね られる請求の範囲第1又は2項記載の方法。 10.増幅されたhK2 DNAの量を定量化することをさらに含んで成る請求の範囲 第1又は2項記載の方法。 11.(a)ヒト生理学的サンプルからのRNAの逆転写により得られる第2の一 定量のDNAと、一定量の少なくとも2種のオリゴヌクレオチドとを、増幅されたP SA DNAを得るために、ポリメラーゼ鎖反応により、hK2 DNAではなく、前立腺特 異的抗原(PSA)DNAを増幅するのに有効な条件下で接触せしめ;そして (b)前記増幅されたPSA DNAの存在を検出する; ことをさらに含んで成る請求の範囲第1又は2項記載の方法。 12.hK2 RNAを検出するための診断方法であって; (a)ヒトから得られた生理学的サンプルからRNAを抽出し; (b)DNAを生成するために前記抽出されたRNAを逆転写し; (c)前記DNAと、一定量の少なくとも2種のオリゴヌクレオチドとを、一定 量の増幅されたhK2 DNAを得るために、ポリメラーゼ鎖反応により前記DNAを増 幅するのに有効な条件下で接触せしめ、ここで少なくとも1つのオリゴヌクレオ チドはhK2−特異的オリゴヌクレオチドであり;そして (d)前記増幅されたhK2 DNAの存在を検出し、ここで前記増幅されたhK2 D NAの存在がヒトにおける転移性前立腺癌の表示である; ことを特徴とする方法。 13.前記サンプルが組織サンプルである請求の範囲第12項記載の方法。 14.前記サンプルが生理学的流体サンプルである請求の範囲第12項記載の方法 。 15.前記ヒトが基本的前立腺切除を有しており、そして前記hK2 DNAの存在が ヒトにおける永続性前立腺癌の存在の表示である請求の範囲第12項記載の方法。 16.前立腺癌の進行をモニターするための方法であって; (a)前立腺癌を有するヒトから得られる生理学的サンプルからのRNAの逆転 写により得られる一定量のDNAと、一定量の少なくとも2種のオリゴヌクレオチ ドとを、一定量の増幅されたhK2 DNAを得るために、ポリメラーゼ鎖反応により DNAを増幅するのに有効な条件下で接触せしめ、ここで少なくとも1種のオリゴ ヌクレオチドがhK2−特異的オリゴヌクレオチドであり; (b)前記増幅されたhK2 DNAの量を検出し、又は測定し; (c)後のちょうどよい時点で段階(a)及び(b)を反復し;そして (d)前記段階(b)の結果と、前記段階(c)の結果とを比較し、ここで、 hK2 DNAの量の上昇が前記ヒトにおける前立腺癌の進行の表示である; ことを特徴とする方法。 17.前立腺癌を病理学的に段階分けするための方法であって; (a)前立腺癌を有するヒトから得られる生理学的サンプルから のRNAの逆転写により得られる一定量のDNAと、一定量の少なくとも2種のオリゴ ヌクレオチドとを、一定量の増幅されたhK2 DNAを得るために、ポリメラーゼ鎖 反応によりDNAを増幅するのに有効な条件下で接触せしめ、ここで少なくとも1 種のオリゴヌクレオチドがhK2−特異的オリゴヌクレオチドであり;そして (b)前記増幅されたhK2 DNAの存在又は量を検出し;又は決定し、ここで前 記増幅されたhK2 DNAの存在又は量が前立腺癌の病理学的段階の表示である; ことを特徴とする方法。 18.前記ヒトが基本的な前立腺切除のための候補体である請求の範囲第16又は 17項記載の方法。 19.前記段階(a)のサンプルが、ヒトがホルモン療法を受ける前に得られる 請求の範囲第16項記載の方法。 20.前記ホルモン療法がアンドロゲン療法である請求の範囲第19項記載の方法 。 21.前記アンドロゲン療法がアンドロゲン刺激療法である請求の範囲第20項記 載の方法。 22.前記サンプルが非前立腺組織サンプルである請求の範囲第16又は17項記載 の方法。 23.前記サンプルが生理学的流体サンプルである請求の範囲第16又は17項記載 の方法。 24.前記流体が全血である請求の範囲第23項記載の方法。 25.hK2 RNAを含むと思われる生理学的サンプルにおけるhK2 RNAを検出する ための診断キットであって、(a)既知量の第1のhK2−特異的オリゴヌクレオ チド;及び(b)既知量の第2のhK2−特異的オリゴヌクレオチドを含む包装を 含んで成り、ここで前記第1のオリゴヌクレオチドが少なくとも約7〜50個のヌ クレオチドか ら成り、そして配列番号4に対して少なくとも約80%の同一性を有し;そして前 記第2のオリゴヌクレオチドが約7〜50個のヌクレオチドから成り、そして配列 番号4に対して相補的であるヌクレオチド配列に対して少なくとも約80%の同一 性を有することを特徴とする診断キット。 26.前記第2のオリゴヌクレオチドが配列番号14を含んで成る請求の範囲第25 項記載の診断キット。 27.前記第1のオリゴヌクレオチドが配列番号17を含んで成る請求の範囲第25 項記載の診断キット。 28.前記第2のオリゴヌクレオチドが配列番号18を含んで成る請求の範囲第25 項記載の診断キット。 29.配列番号22、その生物学的活性サブユニット、又はその生物学的活性変異 体を含んで成る、単離され、精製されたペプチド。 30.配列番号26、その生物学的活性サブユニット、又はその生物学的活性変異 体を含んで成る、単離され、精製されたペプチド。 31.請求の範囲第29又は30項記載のペプチドを含んで成る、タンパク質又はポ リペプチドと特異的に反応する精製された抗体。 32.モノクローナル抗体である請求の範囲第31項記載の抗体。 33.請求の範囲第32項記載の抗体を生成するハイブリドーマ細胞系。 34.請求の範囲第31項記載の抗体を含んで成るポリクローナル抗体の調製物。 35.少なくとも約7〜50個のヌクレオチドから成り、そして配列番号4に対し て少なくとも約80%の同一性を有するか、又は前記配列を有するヌクレオチド配 列に対する相補性を有するオリゴヌクレオチド。 36.配列番号14を含んで成る請求の範囲第35項記載のオリゴヌク レオチド。 37.配列番号17を含んで成る請求の範囲第35項記載のオリゴヌクレオチド。 38.配列番号18を含んで成る請求の範囲第35項記載のオリゴヌクレオチド。 39.ヒト非前立腺組織サンプルにおける転移性前立腺癌の存在を検出し、又は 決定するための方法であって、 (a)hK2ポリペプチドに結合し、そしてhK3に結合しない一定量の剤と、前 記ヒト組織サンプルの細胞とを混合して前記剤及び細胞を含んで成る二元複合体 を形成し;そして (b)微小転移性前立腺癌の存在の表示で提供する、前記サンプルにおける前 記複合体の存在又は量を測定し、又は検出する; ことを含んで成る方法。 40.前記剤が抗体である請求の範囲第39項記載の方法。 41.前記抗体がポリクローナル抗体集団のメンバーである請求の範囲第39項記 載の方法。 42.前記抗体がモノクローナル抗体である請求の範囲第39項記載の方法。
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