JP2002538818A - 前立腺腫瘍組織におけるヒトカリクレイン2とプロテアーゼインヒビター−6の新規な複合体および該複合体の利用方法 - Google Patents

前立腺腫瘍組織におけるヒトカリクレイン2とプロテアーゼインヒビター−6の新規な複合体および該複合体の利用方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、hK2とPI−6の新規な複合体と該新規な複合体の利用方法を提供する。本発明のhK2とPI−6の新規な複合体は、前立腺癌の組織において亢進したレベルで存在する。したがって、本発明のhK2とPI−6の複合体は前立腺癌を検出するための血清マーカーとして利用できる。前記複合体は前立腺癌の組織を検出するための免疫組織化学的マーカーとしても利用できる。本発明によると、本発明のhK2とPI−6の複合体は、免疫組織化学的な手法により患者の組織の試料において、および/または試験管内のイムノアッセイ法の手法により患者の液体の試料において検出される。前立腺癌の存在を検出するための診断用キットおよび診断方法も提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
発明の背景 本発明は、一般的には前立腺に、具体的には、前立腺において形成される、ヒ
トカリクレイン2(hK2)とプロテアーゼインヒビター−6(PI−6)の複
合体および該複合体の利用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
本明細書では、参照文献の番号はかっこ書きで示される。本発明に関する先行
技術をより完全に記載するために、参照により前記文献に開示された全内容が本
明細書に取り込まれている。前記参照文献の書誌的事項は、本明細書の最後、請
求の範囲の前に列記される。
【0003】 ヒトカリクレインのファミリーの3つのメンバーがこれまでに同定されており
、hK1、hK2およびhK3と命名されている(1)。その全てが配列同一性
の高いセリンプロテアーゼである。前記カリクレインのうちの2つ、hK2およ
びhK3は、ほとんど前立腺のみに存在する((2)に詳細に総説されている)
。hK3は、より一般的には前立腺特異抗原(prostate specif
ic antigen、PSA)として知られており、前立腺の血清マーカーと
して利用されている。最近ではhK2は、前立腺癌のマーカーとしての可能性と
、前立腺癌の生物学において役割を果たしている可能性とについての研究の焦点
になってきた(2)。
【0004】 hK2は、前立腺の組織に局在すること(3、4)、配列同一性が80%ある
こと(5、6)およびアンドロゲンにより調節されること(7、8)のような多
くの点でPSAと似ている。生化学的な観点からは、hK2は強いトリプシン様
活性を示すのに対して、PSAは弱いキモトリプシン様活性を示す点でhK2と
PSAは異なる。しかし、本当のカリクレインとは異なり、hK2はほとんどキ
ニノゲナーゼ様活性がなく(9、10)、前立腺で発現するキニノゲナーゼとし
て主に機能するわけではないらしい。
【0005】 hK2の生理的な役割は未確定であるが、いくつかの活性は記載されている。
hK2はPSAの酵素前駆体型(pPSA)を活性化すること(11−13)お
よびhK2の酵素前駆体型を活性化すること(自己活性化、14)が示された。
この点で、hK2は他のヒト組織カリクレインであるhK1およびPSAと比べ
て独特である。hK2によるpPSAの活性化は、PSA活性の調節にhK2が
役割を果たす可能性があることを示唆するため、特に興味深い。
【0006】 hK2特異的なモノクローナル抗体を用いた免疫組織化学的な研究により、h
K2が正常組織に比べて前立腺癌腫でより高く発現することが示された(15)
。これはPSAの逆であり、PSAは正常組織に比べてより未分化な癌化上皮で
より低く発現する傾向がある。
【0007】 hK2は、ウロキナーゼ型プラズミノーゲンアクチベーター(uPA)の2本
鎖の活性型を生成するために、Lys158で一本鎖のuPAを切断することに
よりuPAを活性化することが示されている(12、16)。hK2はPAI−
1と試験管内で迅速に複合体を形成することと、hK2は複合体形成の間に約6
モルのPAI−1を不活性化することが最近報告された(17)。したがって、
前立腺癌におけるhK2レベルの亢進はウロキナーゼの活性化により、あるいは
ウロキナーゼの主要なインヒビターであるPAI−1の不活性化により、生物学
的な役割を果たす可能性がある。
【0008】 生理学的にはhK2は、血清中でのACTとの複合体(18)または精漿中で
のPCIとの複合体(19)として同定された。しかし、hK2が前立腺におい
て何らかの組織特異的な複合体を形成するかどうかはこれまで知られていなかっ
た。そこで前立腺、特に前立腺癌におけるhK2の役割を研究する必要性がある
【0009】 発明の概要 本発明は、前立腺の組織の抽出物におけるPI−6として知られるセリンプロ
テアーゼインヒビターとhK2とからなる複合体の発見を基礎とする。PI−6
は最初に胎盤の組織において報告され、トロンビンと試験管内で複合体が形成で
きることから、胎盤トロンビンインヒビターと呼ばれた(20)。PI−6は、
細胞質に局在することから、細胞質アンチプロテアーゼ(cytoplasmi
c antiprotease、CAP)とも呼ばれる(21)。PI−6は上
皮および内皮細胞に発現し、腎臓、心臓、骨格筋および血小板を含む多数のヒト
組織および細胞で記載されている(22−24)。前立腺では報告されていない
。これまでの全ての場合においてPI−6は細胞質に局在するらしい。
【0010】 前立腺におけるhK2とPI−6の複合体(hK2/PI−6複合体)の発見
は、1)PI−6自体がこれまで前立腺の組織において未報告のセリンプロテア
ーゼインヒビターファミリーの新規でかつ比較的最近になって記載されたメンバ
ーである点、2)PI−6は細胞内にあると考えられていることから、細胞外に
あると考えられるhK2との複合体形成のためには、新規な経路があるかあるい
はおそらく発癌の過程で変化した経路があるかのいずれかであることが示唆され
る点、という少なくとも2つの大きな点で、hK2とACTとの複合体およびh
K2とPCIとの複合体についてのこれまでの報告に比べて独自性がある。
【0011】 理論に縛られることは望むところではないが、前立腺のPI−6がhK2と複
合体を形成するという発見は、PI−6が前立腺において何らかの役割を果たす
かもしれないことを示唆する。PI−6は、hK2の調節について生物学的な意
義があり、前立腺癌の生物学において役割を果たすかもしれない、hK2の組織
特異的なインヒビターに該当する。
【0012】 hK2/PI−6複合体は良性または正常な前立腺の組織に比べて前立腺癌で
亢進していることが、本発明の発見である。PI−6のレベルは前立腺癌におい
て亢進していることも、本発明の発見である。そこで、hK2またはPI−6単
独のレベルおよび前記複合体の両方が、前立腺癌の新規なマーカーかもしれない
【0013】 したがって本発明の1つの局面は、PI−6とhK2とからなる単離され実質
的に精製された複合体を提供する。該複合体に含まれるhK2は完全な(int
act)hK2でもhK2の断片でもかまわない。本発明の複合体は、前立腺腫
瘍の組織においてレベルが亢進している。
【0014】 本発明の別の局面は、PI−6とhK2からなる複合体と特異的に免疫反応す
る抗体を提供する。該抗体はポリクローナル抗体でもモノクローナル抗体でもか
まわない。
【0015】 本発明の更なる局面は、試料中のPI−6とhK2とからなる複合体を検出、
測定する方法を提供する。この方法は、(a)検出されるべき複合体と特異的に
結合するある量の試薬とhK2/PI−6複合体とを含む三重複合体が形成でき
る条件下で、前記試薬を前記試料と反応させる(contact)こと、(b)
前記三重複合体の存在を検出しまたは前記三重複合体の量を測定すること、とい
うステップを含む。
【0016】 好ましい実施態様では、前記試薬は抗体を含む。検出されるべき試料は、哺乳
類の組織の試料、特に前立腺の組織の試料か、それとも血清、精漿、尿および血
液を含むがこれらに限定されない、ヒトの生理的な液体の試料かでもよい。
【0017】 本発明のさらに別の局面は、生物学的な液体の試料におけるhK2/PI−6
複合体を検出するためのイムノアッセイ法を提供する。該イムノアッセイ法は、
(a)hK2/PI−6複合体のあるエピトープを認識する第1の抗体および前
記複合体の別のエピトープを認識する第2の抗体を準備すること、(b)第1の
抗体が前記複合体と結合し、第1の抗体およびhK2/PI−6複合体を含む第
1の複合体が形成できる条件下で、第1の抗体を試料と反応させること、(c)
第1の抗体、第2の抗体およびhK2/PI−6複合体を含む第2の複合体が形
成できる条件下で、第2の抗体を前記第1の複合体と反応させること、(d)試
料中のhK2/PI−6複合体の測定値として前記第2の複合体を検出、測定す
ること、というステップからなる。
【0018】 本発明の実施態様によると、第1の抗体および第2の抗体は、hK2/PI−
6複合体と特異的に免疫反応する抗体である。第1の抗体と第2の抗体のうちの
一方はhK2に対する抗体で、他方はPI−6に対する抗体とすることが代替策
である。
【0019】 本発明の更なる局面は、試料中のhK2とPI−6とからなる複合体を検出、
測定するための診断用キットを提供することである。該キットは前記複合体と特
異的に結合する既知量の試薬を含み、該試薬は検出可能に標識されあるいは検出
可能な標識と結合する。
【0020】 本発明の実施態様によると、前記試料はヒトの生理的な液体またはヒトの前立
腺の組織の試料であり、前記試薬は前記複合体と特異的に結合する抗体を含む。
【0021】 本発明は、試料中のhK2とPI−6とからなる複合体を検出、測定するため
の診断用キットを提供する。該キットは、前記複合体と特異的に結合する既知量
の第1の試薬であって、検出可能に標識されあるいは検出可能な標識と結合する
第1の試薬と、前記複合体と特異的に結合する既知量の第2の試薬であって、固
相の支持体に結合する第2の試薬とを含む。
【0022】 本発明の実施態様によると、第1の試薬は前記複合体と特異的に免疫反応する
抗体を含み、第2の試薬は前記複合体と特異的に免疫反応する抗体を含む。第1
と第2の試薬のうちの一方はhK2と特異的に免疫反応する抗体を含み、他方は
PI−6と特異的に免疫反応する抗体を含むとすることが代替策である。
【0023】 本発明は、前立腺癌の有無を決定するための診断方法であって、(a)PI−
6とhK2とからなる複合体と特異的に結合するある量の試薬とPI−6とhK
2とを含む三重複合体が形成できるのに十分な条件下で、前記複合体を含むヒト
由来の試料と前記試薬を反応させること、(b)前記試料中の前記三重複合体の
量を測定し、該三重複合体の量を前記ヒトでの前立腺癌の有無と関係づけること
を含む、診断方法を提供する。
【0024】 本発明の実施態様によると、前記試料は生理的な液体の試料または前立腺の組
織の試料である。前記試薬は抗体を含む。
【0025】 本発明は前立腺癌の有無を決定するための診断方法を提供する。その方法は、
(a)PI−6と特異的に結合するある量の試薬とPI−6を含む二重複合体が
形成できるのに十分な条件下で、PI−6を含むヒト由来の試料であって、前立
腺の組織の試料、血清、精漿、尿および血液からなるグループから選択される試
料と前記試薬を反応させること、(b)前記試料中の複合体の量を測定し、該複
合体の量を前記ヒトでの前立腺癌の有無と関係づけることを含む。
【0026】 本発明の実施態様によると、前記試料は前立腺の組織の試料で、前記試薬は抗
体を含む。
【0027】 本発明は添付された請求の範囲において完全な射程が確定され、以下の好まし
い実施態様において説明される。
【0028】 上記およびその他の本発明の特長とその実現方法は、以下の説明を添付図面と
ともに参照することによって、より明解となり最も良く理解されるであろう。こ
れらの図面は本発明の典型的な実施態様のみを表すのであり、したがってその射
程を限定するものではない。これらの図面は具体性と詳細を付け加えるのに役立
つ。
【0029】 発明の詳細な説明 本発明の1つの局面は、PI−6とhK2とからなり、単離され実質的に精製
された複合体を提供することである。ここで用いられる「実質的に精製された(
substantially purified)」という用語は、PI−6と
hK2とからなる複合体であって、自然状態で会合(associated)し
ている他のタンパク質、脂肪、炭水化物等の物質が実質的に除去されている複合
体を指す。本発明の実質的に精製されたhK2/PI−6複合体は、非還元的条
件下でのポリアクリルアミドゲルで単一の主要なバンドになる。前記複合体はS
DS−PAGE技術により測定された約64kDaの分子量を有する。特定の会
合状態(form)のhK2の純度はアミノ末端のアミノ酸配列分析によっても測
定できる。
【0030】 本発明の目的のためには、hK2という用語は完全なhK2ポリペプチドとh
K2ポリペプチドの断片とを含む。例えば、本発明の1の実施態様において、h
K2とPI−6との複合体に含まれるhK2ポリペプチドは、hK2ポリペプチ
ド配列の145番目のアルギニンで切断された(clipped)ものであって
もよい。切断されたhK2を含むhK2/PI−6複合体が還元条件下でのポリ
アクリルアミドゲルを経て精製されるとき、前記複合体はPI−6に共有結合し
たhK2断片とPI−6とを含む。PI−6と共有結合しない切断された断片は
、還元および変性条件下で前記複合体から分離される。例えば、1の実施態様で
は、hK2/PI−6複合体はhK2の145−237番のアミノ酸配列の断片
とPI−6とからなる。前記複合体は還元条件下のポリアクリルアミドゲル技術
により測定された約50kDaの分子量を有する。本発明の複合体に含まれるh
K2は該hK2配列の他の部位で切断されてもかまわないことを理解すべきであ
る。そこで、本発明の目的のためには、hK2/PI−6複合体に用いられるh
K2という用語は、切断された断片が前記複合体のPI−6と共有結合する限り
において、完全なhK2のどの位置で切断されたhK2断片でも含まれる。
【0031】 PI−6は前立腺腫瘍に存在することが本発明の発見である。hK2/PI−
6複合体は亢進したレベルで前立腺腫瘍に存在することも本発明の発見である。
hK2/PI−6複合体の量が正常または良性の組織に存在する複合体の量より
も高いとき、前記複合体のレベルは亢進しているとする。
【0032】 本発明のhK2/PI−6複合体は、ここで説明される方法、すなわち、精製
されあるいはほぼ精製されたタンパク質の試験管内での調製によって、そしてタ
ンパク質精製の分野の当業者に知られた他のいかなる方法によっても、前立腺の
組織から単離することができる。精製されたhK2/PI−6複合体は抗体作成
に用いられる。したがって、本発明の1の局面は、本発明のhK2/PI−6複
合体と特異的に免疫反応し結合する抗体を提供する。ここで用いられる「特異的
に免疫反応する(specifically immunoreactive)
」あるいは「特異的な」という用語は、本発明の抗体が本発明のhK2/PI−
6複合体のみを認識し結合し、遊離hK2や遊離PI−6とは結合しないことを
指す。
【0033】 異なるエピトープ特異性を有するモノクローナル抗体の混合物から本質的にな
る抗体が、個別のモノクローナル抗体調製物とともに提供される。モノクローナ
ル抗体は、本発明の複合体または本発明の複合体の部分を含む抗原から、当業者
に周知の方法により作成される(E.ハーロー(Harlow)ら、抗体:実験
マニュアル(Antibodies:A Laboratory Manual
)、コールド・スプリング・ハーバー研究所、1988年)。一般には、この方
法は、例えば適合するミエローマの株細胞と融合された初代培養の脾臓細胞から
抗体産生融合細胞株を作成すること、および該融合細胞を大量培養においてか、
あるいは使用されたミエローマ細胞株が由来しまたは適合する動物種においてか
のいずれかで増殖させることに関する。かかる抗体は、動物への接種により産生
されたものと比較すると多くの利点を有するが、それは、かかる抗体の特異性と
感度が高く、免疫学的にみて比較的「純度が高い」からである。免疫学的に活性
のある抗体断片、例えば、f(ab)断片は、本発明の射程内にあり、部分的に
ヒト化したモノクローナル抗体も同様である。
【0034】 所望の場合には、ポリクローナル抗体は、例えば抗体が作成されたポリペプチ
ドまたはペプチドが結合するマトリクスに結合し溶出することにより、さらに精
製することが可能である。当業者は免疫学の分野においてポリクローナル抗体お
よびモノクローナル抗体の精製および/または濃縮のための様々な共通技術のこ
とを知っている。(例えば、引用により取り込まれたコリガン(Coligan
)ら、免疫学の最新のプロトコール(Current Protocols i
n Immunology)、ユニット9、ワイリーインターサイエンス(Wi
ley Interscience)、1991年、を参照せよ。)
【0035】 本発明において用いられる「抗体」という用語は、完全な分子とともに、Fa
b、F(ab’)およびFvのような、その断片を含む。これらの抗体断片は
、その抗原または受容体と選択的に結合できる能力を保持し、以下の通り定義さ
れる。 (1)Fabとは、抗体分子の1価の抗原結合断片を含み、完全な1本の軽鎖と
1本の重鎖の部分とができるように抗体全体を酵素パパインで消化して作成でき
るものをいう。 (2)Fab’とは、完全な軽鎖1本と1本の重鎖の部分とができるように抗体
全体をペプシンで処理した後、還元して得られる抗体分子の断片をいう。――抗
体1分子あたり2個のFab’断片が得られる。 (3)F(ab’)とは、抗体全体を酵素ペプシンで処理し、その後還元処理
はしないで得られる抗体の断片をいう。――F(ab’)は2個のFab’断
片が2本のジスルフィド結合でつながった2量体である。 (4)Fvとは、軽鎖の可変部と重鎖の可変部とを含み、2本の鎖として発現さ
れる遺伝子工学的に作成された断片をいう。 (5)1本鎖抗体(single chain antibody、SCA)と
は、遺伝的に融合した1本鎖分子として、適当なポリペプチドリンカーにより連
結された軽鎖の可変部と重鎖の可変部とを含む、遺伝子工学的に作成された分子
をいう。
【0036】 これらの断片の作成方法は当業者に知られている。(例えば、引用によりここ
に取り込まれたハーロー(Harlow)とレーン(Lane)、抗体:実験マ
ニュアル(Antibodies:A Laboratory Manual)
、コールド・スプリング・ハーバー研究所、ニューヨーク、1988年、を参照
せよ。)
【0037】 本発明で用いられる「エピトープ」という用語は、抗体の抗原結合部位(pa
ratope)が結合する抗原上のいかなる抗原決定基を意味する。エピトープ
の決定基は、通常、アミノ酸または糖側鎖のような化学的に活性のある分子表面
の原子団からなり、通常は、特異的な三次元構造上の特長とともに特異的な荷電
状態の特長を有する。
【0038】 本発明のhK2/PI−6複合体は前立腺癌の組織において亢進していること
から、前記複合体は前立腺癌を検出するための血清マーカーとして利用できる。
前記複合体は、前立腺癌の組織を検出するための免疫組織化学的なマーカーとし
ても利用できる。本発明によると、本発明のhK2/PI−6複合体は患者の組
織の試料中に免疫組織化学的な手法により検出でき、および/または患者の液体
の試料中に試験管内イムノアッセイ法により検出できる。本発明の複合体を患者
の試料中で測定することは、著しい診断上の有用性があるうえ、前立腺癌患者の
指標となり、または癌の進行と関連する可能性がある。
【0039】 患者の組織標本における抗原検出のための免疫組織化学的方法は当業者に周知
であり、ここで詳細に説明する必要はない。例えば、抗原の免疫組織化学的検出
法は、テーラー(Taylor)、アーカイブ オブ パソロジー アンド ラ
ボラトリー メディシン(Arch.Pathol.Lab.Med.)102
巻113頁(1978年)に一般的に説明されている。簡単には、本発明の文脈
においては、前立腺に関する問題ありと疑われた患者から得られた組織標本は、
本発明の複合体を認識する抗体、好ましくはモノクローナル抗体と反応させられ
る。その後、該抗体と結合した部位は、標準的な免疫組織化学的な手法で前記組
織標本を選択的に染色することにより、決定される。
【0040】 別の実施態様においては、組織標本で本発明のhK2/PI−6複合体を検出
、測定するするために、hK2またはPI−6のいずれかに特異的な抗体が用い
られる。この実施態様によると、免疫組織化学的な手法は、(a)遊離hK2に
特異的な第1の抗体と、PI−6に特異的な第2の抗体と、本発明のhK2/P
I−6複合体を認識し結合する第3の抗体とを準備すること、(b)全ての遊離
hK2およびPI−6がそれぞれ第1および第2の抗体でブロックされる条件下
で、第1および第2の抗体を組織標本と反応させること、(c)組織標本に含ま
れる前記複合体と第3の抗体が結合でき、第3の抗体とhK2/PI−6複合体
とを含む三重複合体が形成する条件下で、第3の抗体を組織標本と反応させるこ
と、および(d)前記三重複合体の存在を検出し、前記三重複合体の量を測定す
ること、というステップを含む。
【0041】 本発明の実施態様によると、前記第3の抗体は、遊離hK2だけでなく本発明
のhK2/PI−6複合体をも認識、結合する抗hK2抗体であってもよい。前
記第3の抗体は、遊離PI−6だけでなくhK2/PI−6複合体をも認識し結
合する抗PI−6抗体であるとすることが代替策である。
【0042】 前立腺の組織の試料のように、hK2/PI−6複合体が試料中で最多量の(
dominant)hK2複合体である場合には、遊離hK2を認識する抗体と
、遊離hK2およびhK2複合体の両方を認識する抗体とだけが、hK2/PI
−6複合体を検出する目的で利用できることを理解すべきである。この場合には
、PI−6に対する抗体を利用する必要はない。
【0043】 hK2またはPI−6に対する抗体は、ここに説明された方法および当業者に
共通に知られている方法により、hK2またはPI−6を抗原に用いて作成でき
る。遊離hK2または遊離PI−6のみを認識する抗体は、hK2とPI−6と
の複合体形成によりブロックされるエピトープを認識する抗体である。遊離hK
2または遊離PI−6およびhK2/PI−6複合体の両方を認識する抗体は、
hK2とPI−6との複合体形成によりブロックされないエピトープを認識する
抗体である。hK2またはPI−6の抗体の特長は、ウェスタンブロット法また
は当業者に知られたいかなる他の方法によっても決定される。
【0044】 本発明の1の実施態様においては、組織標本とは、患者の前立腺から得られた
組織標本をいう。前立腺の組織は、正常な前立腺の組織でも、癌化した前立腺の
組織でも、良性の前立腺の過形成組織でもかまわない。
【0045】 イムノアッセイ法により患者の液体の試料中の抗原物質を試験管内で検出する
一般的な方法もまた当業者に周知であり、ここで繰り返すことを要しない。例え
ば、イムノアッセイ法は、パターソン(Paterson)ら、インターナショ
ナル ジャーナル オブ キャンサー(Int.J.Can.)37巻659頁
(1986年)およびブーシェル(Burchell)ら、インターナショナル
ジャーナル オブ キャンサー(Int.J.Can.)34巻763頁(1
984年)に一般的に説明されている。本発明の1の実施態様によると、生物学
的な試料中で本発明の複合体を検出するためのイムノアッセイ法は、(a)検出
されるべきhK2/PI−6複合体と特異的に結合するある量の試薬とhK2/
PI−6複合体とを含む三重複合体が形成できる条件下で、前記試薬を試料と反
応させること、(b)前記試料中のhK2/PI−6複合体の量の測定値として
、前記三重複合体の存在を検出し、前記三重複合体の量を測定すること、という
ステップを含む。
【0046】 本発明の目的のためには、前記生物学的な試料は、本発明のhK2/PI−6
複合体を含むいかなるヒトの生理的な液体の試料であってもよい。前記ヒトの生
理的な液体の試料には、血清、精漿、尿および血液が含まれるが、これらに限定
されない。
【0047】 本発明の目的のためには、本発明により提供される抗原に対し要求される特異
性がある限り、モノクローナル抗体とポリクローナル抗体の両方が利用できる。
好ましくはモノクローナル抗体が利用される。
【0048】 モノクローナル抗体は、液相でも、固相の担体に結合した状態でも利用できる
。モノクローナル抗体は、多くの異なる担体に結合されて本発明のhK2/PI
−6複合体の測定に利用できる。周知の担体の例には、ガラス、ポリスチレン、
ポリプロピレン、ポリエチレン、デキストラン、ナイロン、アミラーゼ、天然お
よび修飾されたセルロース、ポリアクリルアミド、アガロースおよび磁鉄鉱が含
まれる。前記担体の性質は、本発明の目的のためには可溶性でも不溶性でもかま
わない。不溶性の担体の例にはビーズとマイクロタイタープレートが含まれるが
、これらに限定されない。当業者はモノクローナル抗体用の他の適当な担体のこ
とを知っており、ルーチンの実験作業によってこれを確かめることができる。
【0049】 さらに、これらのイムノアッセイ法でのモノクローナル抗体は、さまざまな方
法で検出可能に標識できる。例えば、本発明のモノクローナル抗体は低分子ハプ
テンと結合できる。これらのハプテンは第2の反応により特異的に検出できる。
例えば、アビジンと反応するビオチンまたはジニトリフェノールとピリドキサー
ルとフルオレセインのような、特異的な抗ハプテン抗体と反応できるハプテンを
利用することが普通である。さらに、本発明のモノクローナル抗体は、酵素、放
射性同位元素、蛍光物質または金属、化学発光物質または生物発光物質のような
検出可能な標識と結合されてもよい。さらに、これらの標識を所望の分子に結合
することは、当業者に共通の標準的な技術を用いてなされる。
【0050】 前記抗体を検出可能に標識できる方法の1つは酵素と結合することである。こ
の酵素は、その後基質に曝されたときには、例えば、吸光光度または蛍光の測定
手段により検出可能な化学的な成分(moiety)を生成するように、基質と
反応する(ELISAシステム)。検出可能な標識として利用できる酵素の例は
、西洋ワサビペルオキシダーゼ、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、スタフィロコッカ
スヌクレアーゼ、デルタ−5−ステロイドイソメラーゼ、イーストアルコールデ
ヒドロゲナーゼ、アルファ−グリセロールリン酸デヒドロゲナーゼ、トリオース
リン酸イソメラーゼ、アルカリフォスファターゼ、アスパラギナーゼ、グルコー
スオキシダーゼ、ベータ−ガラクトシダーゼ、リボヌクレアーゼ、ウレアーゼ、
カタラーゼ、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、グルコアミラーゼおよ
びアセチルコリンエステラーゼである。
【0051】 ELISAシステムの感度を向上させるために、以上に説明された手法は、ア
ビジン−ペルオキシダーゼ複合体と反応するビオチン化抗体を用いて、修正され
てもよい。
【0052】 抗原の量は抗体を放射性同位元素で標識することによっても測定できる。放射
性同位元素の存在は、ガンマカウンターまたはシンチレーションカウンターを使
用して測定できる。特に有用な同位元素は、H、125I、123I、32
35S、14C、51Cr、36C1、57Co、58Co、59Fe、75 Se、111n、99mTc、67Gaおよび90Yである。
【0053】 抗原の測定は、抗体を蛍光物質で標識することによっても行うことができる。
蛍光で標識された分子が適当な波長の光に曝されるとき、色素の蛍光によってそ
の存在を検出することができる。蛍光標識物質の最も重要なものには、フルオレ
セインイソチオシアナート、ローダミン、フィコエリスリン(phycoery
thrin)、フィコシアニン(phycocyanin)、アロフィコシアニ
ン(allophycocyanin)、o−フィタルデヒド(o−phtha
ldehyde)およびフルオレスカミン(fluorescamine)があ
る。
【0054】 Eu(ユーロピウム、europium)その他のランタニドのような蛍光発
光性金属原子もまた利用可能である。これらはDPEAまたはEDTAのような
金属をキレートする原子団によって所望の分子に結合させることができる。
【0055】 抗体を検出可能に標識する別の方法は、化学発光物質と結合させることである
。化学発光物質でタグづけられた(chemiluminiscent−tag
ged)免疫グロブリンの存在は、化学反応の過程で発生する発光を検出するこ
とにより測定できる。特に有用な化学発光標識物質の例は、ルミノール(lum
inol)、イソルミロール(isoluminol)、芳香族アクリジニウム
エステル(aromatic acridinium ester)、イミダゾ
ール(imidazole)、リジニウム塩(ridinium salt)お
よびシュウ酸エステル(oxalate ester)である。
【0056】 同様に、生物発光物質もまた標識として利用可能である。生物発光は生物学的
なシステムでみられ、触媒タンパク質が化学発光反応の効率を上昇させる特殊な
タイプの化学発光である。生物発光分子の存在は発光を検出することにより測定
される。標識の目的のために重要な生物発光物質は、ルシフェリン(lucif
erin)、ルシフェラーゼ(luciferase)およびエクオリン(aq
uorin)である。
【0057】 本発明のhK2/PI−6複合体の試料中での定性的および/または定量的な
測定は、直接または間接的フォーマットのいずれかでの、競合または非競合的な
イムノアッセイ法により達成できる。かかるイムノアッセイ法の例には、ラジオ
イムノアッセイ法(RIA)とサンドイッチ型(免疫定量的(immunome
tric))アッセイ法がある。本発明のモノクローナル抗体を用いる抗原の検
出は、生理的な試料についての免疫組織化学的アッセイ法を含めた、順方向、逆
方向または同時のいずれかのモードで行われるイムノアッセイ法を利用してなさ
れる。当業者は、過度の実験作業を伴わないで、他のイムノアッセイ法を知り、
または容易に見つけることができる。
【0058】 「免疫定量的イムノアッセイ法」または「サンドイッチ型イムノアッセイ法」
には、同時サンドイッチ型、順方向サンドイッチ型および逆方向サンドイッチ型
のイムノアッセイ法が含まれる。これらの用語は、当業者には良く理解されてい
る。当業者は、現在知られておりまたは将来開発されるその他のアッセイ法の変
法および形式においても、本発明による抗体が有用であることも認識している。
これらは本発明の射程内に含まれることが意図されている。
【0059】 本発明の1の実施態様によると、遊離hK2または遊離PI−6に特異的な抗
体は、本発明のhK2/PI−6複合体をヒトの生理的な液体の試料中で検出ま
たは測定するための本発明のイムノアッセイ法においても利用できる。例えば、
hK2またはPI−6に対する抗体は、本発明のサンドイッチ型アッセイ法にお
いて利用できる。したがって本発明の1の実施態様は、hK2/PI−6複合体
を検出するためのイムノアッセイ法を提供し、そのアッセイ法は、(a)hK2
/PI−6複合体のあるエピトープを認識する第1の抗体と前記複合体の別のエ
ピトープを認識する第2の抗体とを準備すること、(b)第1の抗体がhK2/
PI−6複合体と結合し、第1の抗体と前記複合体とを含む第1の複合体が形成
できる条件下で、第1の抗体を試料と反応させること、(c)第2の抗体がhK
2/PI−6複合体に結合し、第1の抗体と第2の抗体と前記複合体とを含む第
2の複合体が形成できる条件下で、第2の抗体を前記第1の複合体と反応させる
こと、(d)前記試料中に含まれるhK2/PI−6複合体の測定値として前記
第2の複合体を検出、測定すること、というステップを含む。
【0060】 前記第1および第2の抗体は、本発明のhK2/PI−6複合体と特異的に免
疫反応する抗体であってもよい。前記第1の抗体はhK2に特異的な抗体であり
、前記第2の抗体はPI−6に特異的な抗体であったり、その逆であるとするこ
とが代替策である。前記第1および第2の抗体のうちの一方が固相の支持体に結
合し、他方が検出させ(detecting)または検出可能な標識でここで説
明される方法により標識されることが好ましい。当業者は、本発明の教示を考慮
して、本発明のhK2/PI−6複合体に特異的な抗体またはhK2に対する抗
体およびPI−6に対する抗体を用いて、過度の実験作業を伴うことなく適当な
サンドイッチ型アッセイ法を設計することができる。
【0061】 本発明の1の局面は、PI−6とhK2とからなる複合体を試料中に検出、測
定するための診断用キットを提供する。前記キットは、前記複合体と特異的に結
合し、検出可能に標識されまたは検出可能な標識と結合する、既知量の試薬を含
む。本発明の目的のためには、前記試料は、血清、精漿、尿および血液を含むが
これらに限定されない、ヒトの生理的な液体の試料であってもよい。前記試料は
患者の前立腺由来の組織標本であってもよい。前記試薬は本発明のhK2/PI
−6複合体と特異的に結合する抗体であってもよい。前記試薬はモノクローナル
抗体であることが好ましいが、ポリクローナル抗体でも利用できる。
【0062】 本発明の別の実施態様では、診断用キットは2種類の既知量の試薬を含み、一
方の試薬はhK2/PI−6複合体のあるエピトープを認識し、他方の試薬はh
K2/PI−6複合体の別のエピトープを認識する。好ましくは、一方の試薬は
検出可能な標識で標識され、他方の試薬は固相の支持体に結合する。本発明のあ
る実施態様では、両方の試薬はそれぞれ本発明のhK2/PI−6複合体と特異
的に免疫反応する抗体を含む。本発明の別の実施態様では、一方の試薬はhK2
に特異的な抗体を含み、他方の試薬はPI−6に特異的な抗体を含む。
【0063】 本発明の別の局面は、前立腺癌の有無を決定するための診断方法を提供する。
前記方法は、(a)PI−6とhK2とからなる複合体と特異的に結合する既知
量の試薬とPI−6とhK2とを含む三重複合体が形成できる条件下で、前記複
合体を含むヒト由来の試料と前記試薬を反応させること、(b)前記試料中の前
記三重複合体の量を測定して前記三重複合体の量を前記ヒトにおける前立腺癌の
有無と関連づけること、というステップを含む。
【0064】 本発明の1の実施態様では、前記試料は、血清、精漿、尿および血液を含むが
これらに限定されない、ヒトの生理的な液体の試料であってもよい。本発明の別
の実施態様では、前記試料は患者の前立腺由来の組織標本であってもよい。本発
明の目的のためには、前記試薬は本発明のhK2/PI−6複合体を特異的に認
識する抗体である。前記抗体はモノクローナル抗体でもポリクローナル抗体でも
かまわない。
【0065】 PI−6が前立腺癌の組織に存在することが本発明の発見である。PI−6が
前立腺癌においてhK2との複合体として亢進したレベルで存在することも本発
明の発見である。よって、PI−6あるいは複合体を形成する何らかの特定の会
合状態のPI−6が前立腺癌との関連を示す可能性がある。したがって、PI−
6または複合体を形成するPI−6の何らかの特定の会合状態を検出し定量する
ことが、前立腺その他の組織の試料に癌があることを決定するうえで重要である
。例えば、PI−6は前立腺癌の組織を検出するための免疫組織学的マーカーと
して利用できる。本発明のPI−6は、ここに説明した免疫組織化学的手法によ
り、患者の組織の試料において検出できる。
【0066】 したがって、本発明の1の局面は、前立腺癌の有無を決定するための診断方法
であって、(a)PI−6と特異的に結合するある量の試薬とPI−6とを含む
二重複合体が形成できる条件下で、PI−6を含むヒト由来の試料と前記試薬を
反応させること、(b)前記試料中の前記複合体の量を測定し、前記複合体の量
を前記ヒトにおける前立腺癌の有無と関連づけること、というステップを含む診
断方法を提供することである。
【0067】 本発明の目的のためには、前記試料は前立腺その他の組織であってもよい。1
の実施態様では、前記試薬はPI−6に特異的な抗体を含む。
【0068】 以下の実施例は本発明の射程を例示することを意図するものであり、これを限
定することを意図するものではない。かかる実施例は利用されるものの典型であ
るが、当業者に知られた他の手順が代わりに用いられてもよい。実際、本分野の
通常の知識を有する者はここでの教示にもとづいて過度の実験作業を伴うことな
く更なる実施態様を容易に想到し作出することが可能である。
【0069】
【実施例】
実施例1 前立腺の組織におけるhK2/PI−6複合体の解析 材料と方法 材料 PAI−1はオンコジーン・リサーチ・プロダクツ(Oncogene Re
search Products、カリフォルニア州、San Diego)か
ら入手した。ACTはエチンズ(アテネ)・リサーチ(Athens Rese
arch、ジョージア州、Athens)から入手した。精製された組み換えh
K2は、過去の記載どおり、シリアンハムスター癌腫細胞株AV12で発現され
、マウスhK2特異的なモノクローナル抗体HK1G586.1を用いて免疫ア
フィニティ精製された(14,26)。HK1G586.1はPSAとは無視で
きる程度の交差反応性しか示さないことが示されている(18、26)。PF1
D215はPSAを抗原として作成されたモノクローナル抗体であるが、hK2
とも交差反応する。PSM773はPSAに特異的なモノクローナル抗体で、h
K2とは交差反応しない。上記の抗体はハイブリテク(Hybritech、カ
リフォルニア州、San Diego)で開発された。
【0070】 方法 前立腺の組織の抽出とSDS PAGE 前立腺削除手術で摘出された組織は、液体窒素中で凍結され、粉砕され、プロ
テアーゼインヒビターのカクテル(コンプリート、べーリンガー・マンハイム)
を含むPBSバッファー中でホモジネートにされた。SDS PAGEは4−2
0%の勾配のノベックス(Novex)ミニゲル上で行われた。それぞれのレー
ンには5μgの全タンパク質を含む抽出上清溶液がロード(load)、すなわ
ち試料としてゲルに適用または負荷された。試料はウェスタンブロットにはニト
ロセルロースに、N末端配列決定にはPVDFに、エレクトロブロットされた。
一次抗体HK1G586.1およびPF1D215.2は5μg/mlで用いら
れ、2次抗体(ヤギ抗マウスHRP、1:50,000、ジャクソン・イミュー
ノリサーチ研究所、Jackson Immunoresearch Labo
ratories、Inc.、ペンシルバニア州、West Grove)が前
記ブロットを調べる、すなわち抗体を用いて抗原を検出する(probe)ため
に用いられた。免疫反応シグナルは、ECLウルトラ(アマシャム、英国、Bu
ckinghamshire)を用いて製造者の指示書に従って検出された。
【0071】 hK2複合体の標準試料の調製 hK2とACT、PCI、PAI−1との試験管内での複合体は、過去の記載
どおり、hK2を過剰のインヒビターとインキュベートして調製された(17)
【0072】 N末端配列解析 N末端解析はPEアプライド・バイオシステムズ製モデル492アミノ酸シー
ケンサーで行われた。PVDF上にブロットされたタンパク質のバンドはクーマ
シーブリリアントブルーR−250により可視化され、切り出されて前記シーケ
ンサーに適用、すなわちアプライされた。
【0073】 内部配列決定用の試料は、まず2mM DTTで還元され、SDS−PAGE
の前にヨードアセトアミド(iodoacetamide)でアルキル化された
。クーマジー染色されたバンドはゲルから切り出され、小片に刻まれ、50%
アセトニトリル/0.2M 炭酸水素ナトリウムで30分間2回洗浄し、スピー
ドバック(speedvac)で完全に乾燥された。乾燥したゲルスライスは1
μgのシーケンシング用トリプシン(プロメガ、Promega)を含む0.2
M 炭酸水素ナトリウム50μlで再構成(reconstitution)さ
れた。試料は37°Cで20時間消化された。
【0074】 結果 良性および癌性の前立腺の組織はホモジネートにされ抽出された。上清溶液は
非還元SDS−PAGEに供され、ウェスタンブロット法で解析された(図1)
。図1のレーン1と2は前記hK2特異的モノクローナル抗体hK1G586.
1で調べられ、良性の前立腺の組織と腫瘍のそれぞれにおける遊離hK2および
複合体形成したhK2を示す。33KのバンドはhK2で、64Kのバンドはh
K2の複合体を表す。複合体を形成するhK2のレベルは腫瘍由来の抽出物のほ
うが高い。この複合体の泳動度は64kDaの分子質量を表し、これはACTお
よびPCIとの既知の生理的なhK2の複合体より低い(図2参照)。
【0075】 レーン3と4はPSAおよびPSAとの複合体を検出するためにPSM773
で調べられた。露出時間を延長しても、検出可能なより高分子質量のPSAの複
合体は全く観察されなかった。これらの抽出物中のhK2およびPSAのイムノ
アッセイ法測定により、良性組織と腫瘍について類似した値が得られた。PSA
の全量はタンパク質1mgあたり約10μgで、hK2の全量はタンパク質1m
gあたり約0.3μgであった。全タンパク質5μgがそれぞれのレーンにロー
ドされた。よって、かなりのレベルのhK2が前立腺の組織において複合体を形
成していて、この複合体は前立腺腫瘍では亢進している。これに対し、より高い
レベルのPSAは、圧倒的に遊離の、すなわち複合体を形成しない状態にある。
図1はさらに前記の64kDaのhK2の複合体が前立腺の組織の抽出物に見ら
れる主要なカリクレイン複合体であることを表す。
【0076】 hK2との複合体中のインヒビターを同定するのに十分な材料を得るために、
約50gの前立腺組織が抽出された。hK2特異的なモノクローナル抗体である
HK1G586.1を含む免疫アフィニティカラムを通すことにより、hK2お
よびhK2との複合体が抽出物から精製された。図2は、試験管内で調製された
hK2複合体の標準試料とともに泳動された、前記アフィニティーカラムから溶
出した精製hK2の会合状態のウェスタンブロットのプロフィールを示す。レー
ン1は精製された組み換えhK2を示し、レーン2、3および4はそれぞれAC
T、PCIおよびPAI−1とhK2との複合体を含む。これらのhK2複合体
の泳動度は、これらのインヒビターの分子質量の相違のために異なる。例えば、
レーン2はACTと反応、すなわちインキュベートされて90kDaの複合体を
形成するhK2であり、レーン3はPCIとインキュベートされて75kDaの
複合体を形成するhK2であり、レーン4はPAI−1とインキュベートされて
66kDaの複合体を形成するhK2である。
【0077】 レーン5は組織から抽出された精製hK2の会合状態を示す。HK1G586
.1で調べると、64kDaのかすかなバンドが33kDaおよび22kDaの
強いバンドとともに検出される。22kDaはhK2の試料に共通して存在し、
レーン1−4のhK2の標準試料でかすかなバンドととして見られる。このバン
ドは145番のアルギニンでの切断によって生じたhK2の断片である。よって
、HK1G586.1のエピトープはこの切断点のN末端側にあることが示され
る。
【0078】 レーン6は、該レーンがPF1D215で調べられた点を除いてレーン5と同
様である。PF1D215はPSAの断片に対して作成されたが、hK2とも交
差反応する。レーン6はレーン4とは異なるパターンのバンドを示す。30kD
aとかすかな64kDaのバンドが検出されるが、10kDaと50kDaの2
つの新規なバンドが検出される。hK2とACTとの複合体と同じ位置に泳動さ
れるかすかなバンドも検出される。
【0079】 図2におけるバンドの正体は、同一試料のブロットをN末端配列決定すること
により決定された。図3では、遊離hK2を約10μg含む濃縮精製された組織
由来のhK2がこのレーンにロードされた。PVDF上のそれぞれのバンドは切
り出されて、9サイクルのN末端配列決定に供された。バンド1と2はhK2の
断片である。バンド1は、146番のセリンから始まるhK2の配列に相当する
SLQXVSLHLという配列で始まる。分子質量が10kDaであることとあ
わせると、バンド1はhK2の146−237番の断片であることを示す。バン
ド2はhK2のN末端配列で始まるので、hK2の1−145番の残基の断片で
あることと矛盾しない。33kDaのバンド3も前記N末端配列で始まり、完全
なhK2であることと矛盾しない。
【0080】 図2のレーン6でみられた50kDaのバンドに相当するバンド4は、SLQ
XVSLHLという配列で始まる。これは、バンド1と同じ配列であり、バンド
4がインヒビターと共有結合で連結されたhK2の10kDa断片であることを
示唆する。しかし、第2の配列が存在しなかったことは、前記インヒビターのN
末端がブロックされていたことを示す。セルピン(serpin)と共有結合を
形成するhK2の活性セリンは189番の残基であり、前記145番の切断点よ
りC末端側である。このことは、PF1D215.2がhK2の146−237
番の10kDa断片を認識することおよび前記インヒビターと共有結合した14
6−237番のhK2からなる前記50kDaの複合体を検出することを示す、
図2のレーン6の結果と矛盾しない。
【0081】 図2のかすかな64kDaのバンドに相当するバンド5は、hK2のN末端配
列を含んでいた。この分子質量は完全なhK2より高いため、このバンドはブロ
ックされたインヒビターが結合した完全なhK2を含む可能性がある。バンド5
のすぐ上の濃いバンドは配列決定によりヒト血清アルブミンと決定された。そし
て最後に、バンド6は完全なhK2とACTとの2つの配列が含まれ、これはA
CTに結合する完全なhK2であることを示す。
【0082】 図3の配列は、圧倒的大多数のhK2が145番のアルギニンで切断され、ま
たブロックされたインヒビターと結合したhK2の多数(50kDa)も切断さ
れていることを示す。各バンドのhK2の相対的な百分率は、配列解析の際に測
定された全バンドのピコモルの合計にもとづいて計算された。バンド1は、この
ブロット上で配列決定されたhK2全体の73%に相当する、48ピコモルの前
記10kDaのhK2断片を含む。前記22kDaのバンド2は84%、すなわ
ちバンド1よりも11%多いhK2を含む。増加分の22kDaのhK2断片は
おそらく50kDaの切断されたhK2の複合体から由来したと考えられたが、
それは、10kDaの断片だけがインヒビターと結合しているからである。要約
すると、ブロットの配列解析から、約73%のhK2は145番のアルギニンで
切断され、13%は完全なhK2で、約11%はブロックされたインヒビターと
結合し、約2%はACTとの複合体である。
【0083】 ブロックされたインヒビターには完全なhK2との複合体(64kDa)およ
び切断されたhK2断片との複合体(50kDa)の両方が存在したことから、
インヒビターの正体を確証するためには、前記複合体をトリプシンで消化して内
部のペプチド断片の配列決定をする必要があった。図3と同一の精製された組織
のhK2を3つのレーンで泳動し、SDS−PAGEから50kDaのバンドを
切り出し、トリプシンで消化した。トリプシン処理された断片はキャピラリーC
18逆相HPLCマイクロブロッターにより分離され、自動的にPVDFにブロ
ットされた。50kDaのバンドのトリプシン消化物の分解能を示すクロマトグ
ラムが図4である。表示されたそれぞれのピークについて配列決定がなされた。
内部配列のデータベース検索から、50kDa複合体に存在する他のタンパク質
はPI−6であった。前記PI−6タンパク質の質量の70%以上を含む、全部
で24本のPI−6のペプチド断片が同定された。予想どおり、PI−6のブロ
ックされたN末端のペプチド断片またはPI−6の341番の活性部位の残基以
後の断片は検出されなかった。hK2の断片は2、5、15、18および19番
のピークであると同定された。これは、hK2の145−237番の領域から理
論的に可能な7本のトリプシン処理断片のうちの5つに該当する。hK2の1−
145番の領域由来のトリプシン断片はみつからなかったが、これは、図3の5
0kDaのバンドについての配列情報と矛盾しない。未同定配列は検出されなか
った。
【0084】 考察 これらの結果は、hK2と細胞質セリンプロテアーゼインヒビターPI−6と
の新規な前立腺での複合体が存在することを証明する。これはhK2の組織特異
的なインヒビターの最初の証拠であり、前立腺におけるhK2活性と機能の調節
に関係する。前記インヒビターが、癌関連のプロテアーゼとの関連でこれまで報
告されたことのない、比較的最近発見された細胞質インヒビターである、PI−
6と同定されたことにも注目せざるを得ない。
【0085】 前記図3は、hK2/PI−6複合体が内在性のhK2の約10%に相当する
ことを示す。図1は、hK2/PI−6複合体が良性組織に比べて腫瘍では亢進
していることを示す。
【0086】 hK2は前立腺癌と高い連関があることが示されているため、hK2の組織イ
ンヒビターの発見は重要である。hK2は前立腺癌患者の血清で亢進している。
hK2は良性の組織に比べて未分化な前立腺の組織の上皮で亢進している。hK
2はuPAを活性化し、PAI−1を不活性化することが示されている。hK2
はIGFB3を切断し不活性化するため、転移した細胞の増殖を促進する環境を
提供する。hK2はPSAの活性化に関与するかもしれない。
【0087】 hK2とPI−6の相互作用の理由は不明である。hK2はLNCaP細胞か
ら分泌されることが示されており、細胞外プロテアーゼであると考えられている
。hK2とPI−6との間の反応は、不完全な腫瘍細胞崩壊性(oncolyt
ic)経路の一部としての細胞内での異常なhK2活性化か、あるいは損傷また
は壊死した腫瘍組織由来のPI−6の漏出かによってもたらされるのかもしれな
い。いずれの場合でも、hK2/PI−6複合体の存在は前立腺癌の検出のため
の貴重なマーカーとなることが証明されそうである。
【0088】 hK2/PI−6複合体は正常な精漿には検出されなかったこと(データ示さ
ず)は特記すべきであるが、それは、このインヒビターが組織特異的で、前立腺
の腺内腔へという正常なPSAとhK2の分泌経路の一部ではないことを示すか
らである。hK2/PI−6複合体の精漿でのレベルは前立腺癌患者では検出可
能となるのかもしれない。
【0089】 図2と図3はこれらの組織でのhK2の75%が145番のアルギニンで切断
されていることを示す。ウェスタンブロットにより解析された粗抽出物中の64
kDa複合体の正確な評価のためには、ジスルフィド結合で保持された単一の3
3kDaのポリペプチドとしてhK2を完全な状態で維持するために、図1のよ
うにゲルを非還元条件下で泳動することが必要である。セルピンと共有結合を形
成するhK2の活性セリンは189番の残基で、これは145番の切断点のC末
端側である。図2のレーン5で、PF1D215.1は、hK2の146−23
7番の10kDaの断片を認識し、PI−6に共有結合したhK2の146−2
37番の断片からなるPI−6の50kDaの複合体を検出することが示された
。PF1D215は免疫アフィニティ精製されたhK2にのみ用いられたが、そ
れは、このモノクローナル抗体は組織の粗抽出物中に20ないし50倍高いレベ
ルで含まれるPSAと交差反応するからである。
【0090】 切断されたhK2は不活性であることが示されていることから、hK2/PI
−6複合体は切断の前に形成された可能性が高い。同様に感受性の高い部位を1
45番の残基に有するPSAは、還元条件下でのウェスタンブロットにより、ほ
とんど切断されないことが示された(データ示さず)。
【0091】 hK2は大部分が切断されているという観察は精漿と前立腺の組織の抽出物に
おいてこれまでに記載されていた(19)。前記組織の抽出物においてはより高
い分子質量のhK2の複合体は少量が検出されていたが、これらの研究ではその
正体は同定されていなかった。
【0092】 hK2/PI−6複合体の発見は、hK2の存在によってだけでなくPI−6
の同定によっても興味深い。PI−6はアンチトロンビンIII、PAI−1、
PAI−2、マスピン(maspin)等のようなオバルブミンファミリーの他
のセルピンのメンバーと相同性がある(20、27)。PI−6はヒト胎盤、腎
臓、心臓、骨格筋および血小板を含む多数の組織に存在する。PI−6は細胞質
に局在することが示されているため、その最も可能性の高い生理的役割は内部で
のタンパク質分解による損傷に対しての細胞内での保護であると予想される。し
かし、いかなる特異的な役割も内在性のプロテアーゼ複合体も同定されていない
。細胞内プロテアーゼインヒビターとして機能できるが、細胞外インヒビターと
して分泌もされるPAI−2とは異なり、PI−6はもっぱら細胞内に存在する
らしい。PI−6を強制的に分泌されるためにプロモーターの改変を試みたとこ
ろ、PI−6を不活性化したが、これはおそらく糖鎖付加(glycosyla
tion)のためである。
【0093】 PI−6はトリプシン、ウロキナーゼおよび第2因子(factor II)
を強く阻害し、キモトリプシン様プロテアーゼにも阻害活性を有することが示さ
れている(28)。しかし、本研究において、キモトリプシン様のPSAは組織
の抽出物中でPI−6と複合体を形成した形跡はなかった。
【0094】 実施例2 前立腺の組織におけるPI−6の解析 hK2とPI−6の両方に関して、本研究から多くの疑問が生じる。PI−6
のレベル自体は良性の組織と比較して腫瘍では変動するのか、そして、このイン
ヒビターは発癌と関連するのか。これらの疑問に答えるために、PI−6抗体が
作成され、良性または正常の組織に対する腫瘍でのPI−6の発現が比較された
。この研究は、これらの知見を病変の進行段階表作成(staging)および
患者の予後と関連づけるうえで有用である。
【0095】 材料と方法 PI−6の発現と精製 PNIDで形質転換されたBL2Ide3細胞は、LB+カナマイシン(30
μg/ml)中でOD600が0.7になるまで増殖され、1mMのIPTGで
2時間誘導された。前記細胞は5000回転10分(JA14)の遠心により回
収された(NB9347:88)。
【0096】 大腸菌の培養500mlからの細胞ペレットは、プロテアーゼインヒビターカ
クテルを添加した20mlの超音波処理バッファー(300nM NaCl、5
0mM リン酸ナトリウム pH8.0、2mM βメルカプトエタノール)に
再懸濁された。再懸濁された細胞は、15秒間4回超音波処理された。上清と細
胞破砕片は9000回転20分(JA20)の遠心により分離された。
【0097】 前記上清は、(超音波処理バッファーで)前洗浄されたコバルト樹脂と4°C
30分間インキュベートされた。前記樹脂は2000回転5分間(JA20)の
遠心により回収された。前記樹脂は20mlの洗浄バッファー(300mM N
aCl、50mM リン酸ナトリウム pH6.0、10% グリセロール、2
mM 2−メルカプトエタノール)で4°C20分間振盪した後遠心して回収す
ることを3回繰り返して洗浄された。PI−6は400mM イミダゾールを添
加した洗浄バッファーで2回溶出された。上清は、4°C20分間振盪した後、
2000回転5分間(JA20)で遠心して回収された。
【0098】 発現および精製段階の全ての分画はSDSゲル上で確認された。発現されたP
I−6の大半は不溶性らしい。可溶性分画はコバルト樹脂により約90%精製さ
れた。精製されたタンパク質は2mM βメルカプトエタノールを添加したPB
Sに対して透析された。精製されたPI−6の濃度は、凍結乾燥されたPI−6
との濃度比較にもとづいて、ケミ・イメージャー分析(Chemi Image
r Analysis)で測定された。500mlの大腸菌培養からの収量は約
1mgであった。
【0099】 超音波処理後のペレットは、1% トリトンX−100、1M NaClおよ
び8M 尿素で順次洗浄された。不溶性分画は8M 尿素でのみ可溶性であった
【0100】 PI−6に対する抗体の作成 抗PI−6ポリクローナル抗体(αPI−6)は、当業者に共通に知られた方
法によって、ウサギに精製PI−6を注入して作成された。 hK2/PI−6複合体の形成 1.用いられた材料: 精製hK2:10ng/μl PI−6:大腸菌から精製された180ng/μl 2.反応液の組成: 6μl 精製hK2(30ng)+14μl PBS 6μl PI−6(540ng)+14μl PBS 6μl PI−6(540ng)+6μl 精製hK2(30ng)+8μl
PBS
【0101】 反応液は室温で1時間インキュベートされた後、20μlのローディングバッ
ファーが反応液のそれぞれに添加された。反応液は3分間煮沸され、それぞれ2
0μlずつ4−20%のSDSゲルの2つのレーンにロードされた。ウェスタン
ブロット法を行った後に、HK1G568.1(5μg/ml)またはαPI−
6(2μg/ml)が一次抗体として用いられた。両方のセットについて二次抗
体は1:5,000に希釈された。
【0102】 結果 図5は、hK2/PI−6複合体を本発明の抗PI−6抗体とhK2抗体で調
べたウェスタンブロットである。この図は、精製されたPI−6が精製されたh
K2と複合体を形成したことを示す。この複合体は、抗PI−6ポリクローナル
抗体および抗hK2モノクローナル抗体(HK1G586.1)の両方で認識さ
れた。PI−6は、hK2の酵素的な不活性型である酵素前駆体とは複合体を形
成しなかった(データ示さず)。
【0103】 図6は、前立腺の組織の抽出物を抗PI−6で調べたウェスタンブロットを示
す。前記抗PI−6抗体は、大腸菌で発現されたPI−6でウサギを免疫して作
成された。良性(B)と癌性(C)の両方の組織抽出物は、3つの異なる組織か
ら得られた。前記ウェスタンブロットは、前記抗PI−6抗体がPI−6だけで
なく、hK2/PI−6複合体その他の、一見してPI−6を含む複合体と考え
られるものも認識したことを示す。前記ウェスタンブロットは、hK2/PI−
6複合体のレベルが良性組織に比べて癌では高いことも示す。
【0104】 ゲルの下部の大きなバンドは遊離PI−6の分子量と矛盾しない。このゲルは
、PI−6が前立腺の組織にかなりのレベルで存在し、いくつかの他のタンパク
質と複合体を形成しているらしいことを証明している。hK2/PI−6複合体
のレベルが良性組織より癌性組織で高いという事実は、PI−6が発癌に伴うい
くつかの過程の調節に役割を果たすかもしれないことを示す。
【0105】 図7は、前立腺の組織の抽出物のウェスタンブロットを示す。レーン1はhK
2の会合状態を検出するためにHK1G586.1で調べられた。レーン1では
、図1と同様に、遊離hK2と64kDaの複合体がみられた。レーン2は抗P
I−6抗体で調べられた。レーン2では、遊離PI−6は約42kDaで検出さ
れ、等量のhK2/PI−6複合体が抗hK2抗体でみられたのと同じ64kD
aの泳動度でみられた。
【0106】 繰り返すと、PI−6が前立腺の組織に存在することは本発明の発見である。
PI−6が癌と関連するかもしれないことも本発明の発見である。PI−6が同
定された内在性のプロテアーゼと複合体を形成するとの発見は、PI−6が促進
的か抑制的かのいずれかで(either pro or con)、腫瘍細胞
崩壊性の過程に関与する可能性を示唆する。
【0107】 以上は本発明の射程を例示するつもりであって、限定するつもりのものではな
い。実際、本技術分野における通常の知識を有する者は、ここでの開示にもとづ
き過度の実験作業を要することなく、更なる実施態様を想到し作出することが容
易にできる。
【0108】 本発明は、その本質的特長を逸脱することなく、他の特定の様式で具現化でき
る。記載された実施態様は、すべての点で例示的であって制限的ではないと解さ
れるべきである。したがって本発明の射程は、以上の説明によってではなく、添
付された請求の範囲によって示される。該請求の範囲の均等物の意味と範囲に属
する全ての変更は前記請求の範囲の射程に包含される。
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Morgenstern、K.A.、Sprecher、C.、Holth、L
.、Foster、D.、Grant、F.J.、Ching、A.、and
Kisiel、W.)、新規細胞内セリンプロテイナーゼインヒビターの相補D
NAクローニングおよび反応速度論的解析:トリプシンとXa因子をプロテイナ
ーゼのモデルとする作用機序。(Complementary DNA clo
ning and kinetic characterization of
a novel intracellular serine protei
nase inhibitor: mechanism of action
with trypsin and factor Xa as model
proteinases.)、バイオケミストリー(Biochemistry
)、33巻3432−3441頁、1994年。
【0131】 23.リーウォルド、M.、モーゲンシュターン、K.A.およびシュリーフ、
R.R.(Riewald、M.、Morgenstern、K.A.、and
Schleef、R.R.)、ヒト血小板における細胞質アンチプロテイナー
ゼ(CAP)の解析。CAPと内在性血小板タンパク質との相互作用の証拠。(
Identification and Characterization
of the cytoplasmic antiproteinase (C
AP) in human platelets. Evidence for
the interaction of CAP with endogen
ous platelet proteins.)、ジャーナル オブ バイオ
ロジカル ケミストリー(J Biol Chem)、271巻7160−71
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よびバード、P.(Coughlin、P.、Sun、J.、Cerruti、
L.、Salem、H.H.、and Bird、P.)、ヒト細胞内セリンプ
ロテイナーゼインヒビターのクローニングと分子の解析。(Cloning a
nd molecular characterization of a h
uman intracellular serine proteinase
inhibitor.)、プロシーディング オブ ナショナルアカデミー
オブ サイエンス オブ ジ ユナイテッド ステーツ オブ アメリカ(Pr
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【0133】 25.クマール、A.、ゲール、A.、ヒル、T.、ミコライジック、S.、ク
ース−ライヒェル、K.およびセディ、M.(Kumar、A.、Goel、A
.、Hill、T.、Mikolajczyk、S.、Millar、L.、K
uus−Reichel、K.、and Saedi、M.)、ヒト腺性カリク
レイン、hK2、の哺乳類細胞における発現。(Expression of
human glandular kallikrein、hK2、in ma
mmalian cells.)、キャンサー リサーチ(Cancer Re
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【0134】 26.フィンレー、J.A.、エバンズ、C.L.、ディ、J.R.、ペイン、
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ay、J.A.、Evans、C.L.、Day、J.R.、Payne、J.
K.、Mikolajczyk、S.D.、Millar、L.S.,Kuus
−Reichel、K.、Wolfert、R.L.、and Rittenh
ouse、H.G.)、ヒト腺性カリクレイン(hK2)に特異的なモノクロー
ナル抗体の作成:前立腺特異抗原との交差反応が無視できる程度のhK2の二重
抗体イムノアッセイ法の開発。(Development of monocl
onal antibodies specific for human g
landular kallikrein (hK2):developmen
t of a dual antibody immunoassay for
hK2 with negligible prostate−specif
ic antigen cross−reactivity.)、ウロロジー(
Urology)、51巻804−809頁、1998年。
【0135】 27.スプレッシャー、C.A.、モーゲンシュターン、K.A.、マシューズ
、S.、ダーレン、J.R.、シュレーダー、S.K.、フォスター、D.C.
およびキーシェル、W.(Sprecher、C.A.、Morgenster
n、K.A.、Mathewes、S.、Dahlen、J.R.、Schra
der、S.K.,Foster、D.C.、and Kisiel、W.)、
セリンプロテイナーゼインヒビターのオバルブミンファミリーの2つの新規なメ
ンバーの分子クローニング、発現および部分的解析。(Molecular c
loning、expression、and partial charac
terization of two novel members of t
he ovalbumin family of serine protei
nase inhibitors.)、ジャーナル オブ バイオロジカル ケ
ミストリー、(J Biol Chem)、270巻29854−29861頁
、1995年。
【0136】 28.リーウォルド、M.、およびシュリーフ、R.R.(Riewald、M
. and Schleef、R.R.)、ヒト細胞質アンチプロテイナーゼは
、キモトリプシンおよびトリプシン−様プロテアーゼを別個の反応部位残基を用
いて迅速かつ効率的に中和する。(Human cytoplasmic an
tiproteinase neutralizes rapidly and
efficiently chymotrypsin and trypsi
n−like proteases utilizing distinct
reactive site residues.)、ジャーナル オブ バイ
オロジカル ケミストリー(J Biol Chem)、271巻14526−
14532頁、1996年。
【図面の簡単な説明】
【図1】 前立腺の組織の抽出物のウェスタンブロットである。この図は、腫瘍の組織に
おいて良性の組織に比べてhK2/PI−6複合体がより高レベルであることを
示す一例である。
【図2】 hK2との複合体の標準試料と前立腺の組織の抽出物のウェスタンブロットで
ある。
【図3】 前立腺の組織由来の精製hK2の会合状態のブロットのN末端配列である。
【図4】 ゲルから切り出された50kDaのhK2/PI−6複合体のバンドを、トリ
プシン消化で精製したペプチドの逆相HPLC溶出プロフィールである。
【図5】 本発明のウサギ抗PI−6ポリクローナル抗体とhK2抗体とで検出された、
試験管内で形成されたhK2/PI−6複合体のウェスタンブロットである。
【図6】 本発明のウサギ抗PI−6ポリクローナル抗体で調べられた前立腺の組織の抽
出物のウェスタンブロットである。
【図7】 本発明のウサギ抗PI−6ポリクローナル抗体および抗hK2抗体で検出され
た、前立腺の組織の抽出物中のhK2/PI−6複合体である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/53 G01N 33/53 D 33/573 33/573 A 33/577 33/577 B // C12P 21/08 C12P 21/08 Fターム(参考) 4B050 CC02 CC10 DD11 GG06 KK18 LL03 4B063 QA01 QA18 QQ36 QQ79 QQ95 QR48 QS33 4B064 AG27 CA10 CA20 CC24 DA14 4H045 AA11 BA41 CA41 DA55 DA76 DA89 EA51 FA71 FA72

Claims (47)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 PI−6とhK2とからなる、単離され実質的に精製された
    複合体。
  2. 【請求項2】 前記複合体はPI−6と完全なhK2とからなり、非還元条
    件下でのポリアクリルアミドゲル技術により測定された約64kDaの分子量を
    有する、請求項1に記載の複合体。
  3. 【請求項3】 前記複合体はPI−6とhK2の断片からなり、還元条件下
    でのポリアクリルアミドゲル技術により測定された約50kDaの分子量を有す
    る、請求項1に記載の複合体。
  4. 【請求項4】 前記hK2の断片は145番のアルギニンで切断されたhK
    2である、請求項3に記載の複合体。
  5. 【請求項5】 前立腺の組織から単離された請求項1に記載の複合体。
  6. 【請求項6】 前立腺腫瘍の試料で亢進したレベルで存在する請求項1に記
    載の複合体。
  7. 【請求項7】 PI−6とhK2からなる複合体と特異的に免疫反応する抗
    体。
  8. 【請求項8】 前記抗体はポリクローナル抗体である、請求項7に記載の抗
    体。
  9. 【請求項9】 前記抗体はモノクローナル抗体である、請求項7に記載の抗
    体。
  10. 【請求項10】 試料中のPI−6とhK2とからなる複合体を検出、測定
    する方法であって、(a)検出されるべきhK2/PI−6複合体と特異的に結
    合するある量の試薬と前記hK2/PI−6複合体を含む三重複合体が形成でき
    る条件下で、前記試薬を試料と反応させるステップと、(b)前記三重複合体の
    存在を検出し、前記三重複合体の量を測定するステップとからなる方法。
  11. 【請求項11】 前記試薬は抗体である、請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記抗体はモノクローナル抗体である、請求項11に記載
    の方法。
  13. 【請求項13】 前記試薬は抗体で、該抗体は固相に結合している、請求項
    10に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記試薬は抗体で、該抗体は検出可能な標識を含み、また
    は検出可能な複合体を形成するために検出可能な標識と結合する、請求項10に
    記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記試料は哺乳類の組織の試料である、請求項10に記載
    の方法。
  16. 【請求項16】 前記試薬は抗体である、請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記(b)のステップにおける前記複合体は、検出可能な
    標識を含み、または検出可能な複合体を形成するために検出可能な標識と結合し
    、第2の試薬により検出される、請求項15に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記第2の試薬は抗体である、請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記哺乳類の組織はヒトの前立腺の組織である、請求項1
    5に記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記ヒトの前立腺の組織は前立腺癌の組織である、請求項
    19に記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記試料はヒトの生理的な液体の試料である、請求項10
    に記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記ヒトの生理的な液体は血清、精漿、尿および血液から
    なるグループから選択される、請求項21に記載の方法。
  23. 【請求項23】 生物学的な液体の試料中のhK2/PI−6複合体を検出
    するためのイムノアッセイ法であって、(a)hK2/PI−6複合体のあるエ
    ピトープを認識する第1の抗体と、hK2/PI−6複合体の別のエピトープを
    認識する第2の抗体とを準備すること、(b)第1の抗体が前記複合体と結合し
    、第1の抗体とhK2/PI−6複合体とを含む第1の複合体が形成できる条件
    下で、第1の抗体を前記試料と反応させること、(c)第2の抗体がhK2/P
    I−6複合体と結合し、第1の抗体と第2の抗体とhK2/PI−6複合体とを
    含む第2の複合体が形成できる条件下で、第2の抗体を第1の複合体と反応させ
    ること、(d)前記試料中に含まれるhK2/PI−6複合体の測定値として、
    第2の複合体を検出、測定することを含む、イムノアッセイ法。
  24. 【請求項24】 前記第1および第2の抗体はそれぞれhK2/PI−6複
    合体と特異的に免疫反応する抗体である、請求項23に記載のイムノアッセイ法
  25. 【請求項25】 前記第1および第2の抗体のうち、一方はhK2に対する
    抗体で、他方はPI−6に対する抗体である、請求項23に記載のイムノアッセ
    イ法。
  26. 【請求項26】 前記第1および第2の抗体のうち、一方は固相に結合し、
    他方は検出可能な標識で標識された、請求項23に記載のイムノアッセイ法。
  27. 【請求項27】 試料中のPI−6とhK2からなる複合体を検出、測定す
    るための診断キットであって、検出可能に標識されまたは検出可能な標識に結合
    し、前記複合体と特異的に結合する、既知量の試薬を含むキット。
  28. 【請求項28】 前記試料はヒトの生理的な液体である、請求項27に記載
    の診断用キット。
  29. 【請求項29】 前記試薬は前記複合体と特異的に結合する抗体を含む、請
    求項27に記載の診断用キット。
  30. 【請求項30】 前記抗体を結合させることが可能な固相を含む、請求項2
    9に記載の診断用キット。
  31. 【請求項31】 前記試料は哺乳類の組織の試料である、請求項27に記載
    の診断用キット。
  32. 【請求項32】 前記哺乳類の組織の試料はヒトの前立腺の組織の試料であ
    る、請求項31に記載の診断用キット。
  33. 【請求項33】 前記抗体はモノクローナル抗体である、請求項29に記載
    の診断用キット。
  34. 【請求項34】 試料中のPI−6とhK2からなる複合体を検出、測定す
    るための診断用キットであって、前記キットは、検出可能に標識されまたは検出
    可能な標識と結合し、前記複合体と特異的に結合する既知量の第1の試薬と、固
    相の支持体に結合し、前記複合体と特異的に結合する既知量の第2の試薬とを含
    むキット。
  35. 【請求項35】 前記第1の試薬は前記複合体と特異的に免疫反応する抗体
    を含み、前記第2の試薬は前記複合体と特異的に免疫反応する抗体を含む、請求
    項34に記載のキット。
  36. 【請求項36】 前記第1および第2の試薬のうち、一方はhK2と特異的
    に免疫反応する抗体を含み、他方はPI−6と特異的に免疫反応する抗体を含む
    、請求項34に記載のキット。
  37. 【請求項37】 前立腺癌の有無を決定するための診断方法であって、(a
    )PI−6とhK2とからなる複合体と特異的に結合するある量の試薬とPI−
    6とhK2とを含む三重複合体が形成できる条件下で、前記PI−6とhK2と
    からなる複合体を含むヒトから得られた試料と前記試薬を反応させること、(b
    )前記試料中の前記三重複合体の量を決定し、該三重複合体の量を前記ヒトの前
    立腺癌の有無と関連づけることを含む、診断方法。
  38. 【請求項38】 前記試料は生理的な液体の試料である、請求項37に記載
    の診断方法。
  39. 【請求項39】 前記試薬は抗体を含む、請求項37に記載の診断方法。
  40. 【請求項40】 前記試料は哺乳類の組織の試料である、請求項37に記載
    の診断方法。
  41. 【請求項41】 前記哺乳類の組織の試料は前立腺の組織の試料である、請
    求項40に記載の診断方法。
  42. 【請求項42】 前立腺癌の有無を決定するための診断方法であって、(a
    )PI−6と特異的に結合するある量の試薬とPI−6を含む二重複合体が形成
    できるのに十分な条件下で、PI−6を含むヒトから得られた試料と前記試薬を
    反応させること、(b)前記試料中の前記複合体の量を測定し、該複合体の量を
    前記ヒトでの前立腺癌の有無と関連づけることを含む、診断方法。
  43. 【請求項43】 前記試料は前立腺の組織の試料である、請求項42に記載
    の診断方法。
  44. 【請求項44】 前記試薬は抗体を含む、請求項42に記載の診断方法。
  45. 【請求項45】 遊離hK2と遊離PI−6とhK2/PI−6複合体とを
    含む組織標本中のhK2/PI−6複合体を検出し測定するための方法であって
    、(a)遊離hK2に特異的な第1の抗体と遊離PI−6に特異的な第2の抗体
    とhK2/PI−6複合体を認識し結合する第3の抗体とを準備すること、(b
    )遊離hK2と遊離PI−6の全てがそれぞれ第1および第2の抗体によりブロ
    ックされる条件下で、第1および第2の抗体を前記組織標本と反応させること、
    (c)前記組織標本に含まれるhK2/PI−6複合体と第3の抗体が結合して
    第3の抗体とhK2/PI−6複合体とを含む三重複合体が形成できる条件下で
    、第3の抗体を前記組織標本と反応させること、(d)前記三重複合体の存在を
    検出し前記三重複合体の量を測定することを含む方法。
  46. 【請求項46】 前記第3の抗体は、遊離hK2だけでなくhK2/PI−
    6複合体をも認識し結合するhK2に対する抗体である、請求項45に記載の方
    法。
  47. 【請求項47】 前記第3の抗体は、遊離PI−6だけでなくhK2/PI
    −6複合体をも認識、結合するPI−6に対する抗体である、請求項45に記載
    の方法。
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