JP2001503435A - 毒素結合オリゴサッカライドを含む固体支持体マトリクス - Google Patents

毒素結合オリゴサッカライドを含む固体支持体マトリクス

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Abstract

(57)【要約】 開示されているのは、固体支持体に連結アームを介して共有結合的に取り付けられた毒素結合オリゴサッカライドを有する新規な固体支持体マトリクスである。この連結アームは、固体支持体からオリゴサッカライドを分離する少なくとも8つの原子を有する。開示された固体支持体マトリクスは、病原性微生物からの毒素を中和するのに有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 毒素結合オリゴサッカライドを含む固体支持体マトリクス 発明の背景発明の分野 本発明は、疾患を引き起こす微生物からの毒素を結合するオリゴサッカライド を含む新規な固体支持体マトリクスに向けられている。特に、本発明のマトリク ス局面は、オリゴサッカライドを固体支持体から分離する少なくとも8個の原子 を有する連結アームを介して固体支持体に共有結合された毒素結合オリゴサッカ ライドを有する新規な固体支持体マトリクスに関する。 疾患を引き起こす微生物からの毒素の結合は、インビトロおよびインビボの両 方で達成される。結合がインビボで達成される場合、本明細書に記載するマトリ クスは好適には、薬学的組成物を介して送達される。従って、本発明はさらに、 本明細書に記載する固体支持体マトリクスを含む薬学的組成物にも向けられてい る。 上記の文献、特許および特許出願はすべて、その全体が、各々の個々の文献、 特許または特許出願の全体が特定的におよび個々に参考のため援用されると記載 されていると同じ程度に、参考のため本明細書中に援用される。従来技術 細菌および他の微生物により生成される毒素は、多くの下痢性の疾患を含む多 くのヒトの疾患を引き起こすことが公知である。例えば、嫌気性生物であるClos tridum difficile により生成される毒素Aは、抗生物質関連の下痢(「C .diffi cile 関連下痢」または「CDAD」)および偽膜性大腸炎(「PMC」)の主要 な原因である1-4。同様に、大腸菌の、ある腸内毒素原性菌株により分泌される 非耐熱性エンテロトキシン(「LT」)は、細菌誘導性旅行者下痢の原因の1つ として同定されている5。さらに、腸管出血性大腸菌により生成される志賀様毒 素(「SLT」)は、出血性大腸炎および溶血性尿毒症症候群を引き起こすこと が公知である6-8。志賀様毒素はさらに、細菌により引き起こされる赤痢とも関 連づけられる9。そして重要なことに、コレラ菌により生成されるコレラ毒素( 「CT」)は、重い下痢性疾患であるコレラの原因として同定されている5。 疾患を引き起こす微生物からのこれらの毒素の多くは、関連する疾患の状態の 病理学的進行の初期工程として宿主細胞のオリゴサッカライドレセプターに結合 することが公知である10、11。従って、文献において報告されている、このよう な毒素媒介性の疾患を診断し処置する1つのアプローチは、毒素含有サンプルま たは腸から、例えば不活性固体支持体に固定化された毒素を結合するオリゴサッ カライドレセプターアナログを用いて、毒素を吸着することである。 例えば、Heerzeらは、Clostridium difficile毒素Aが、少なくとも1つの炭 素原子の連結アームを介して不活性固体支持体に共有結合した、ある合成オリゴ サッカライド配列に結合することを、-O(CH2)8C(O)-連結アーム3という特定の例 を挙げて報告している。これらのオリゴサッカライド含有固体支持体は、Clostr idium difficile 関連下痢を有する患者からの糞サンプル中の毒素A活性を有効 に中和することが報告されている。 さらに、Heerzeらは、非ペプチジル相溶性連結アームを介して薬学的に受容可 能な固体不活性支持体に共有結合するオリゴサッカライド配列を含む薬学的組成 物を開示している。上記オリゴサッカライド配列は、毒素Aを結合する4。さら に、このような組成物を用いて、毒素Aによって媒介される下痢を処置する方法 も開示されている。 同様に、Armstrongらは、志賀様毒素、すなわち、SLT−IおよびSLT− II/IIcが、-O(CH2)8C(O)-連結アームを介して不活性固体支持体に共有結 合した、ある合成αGal(1-4)βGal配列に結合することを報告している7、8。 様々なオリゴサッカライド含有固体支持体マトリクスが当該分野で公知である が、これらのマトリクスを調製する従来の方法は、オリゴサッカライドを固体支 持体(例えば、-O(CH28C(O)-連結アーム)にカップリングするために適した官 能化連結アームを担持する複合オリゴサッカライドの手間のかかる化学的合成を 含む。このようなオリゴサッカライドの合成は概して、固体支持体に対する適切 な結合を可能にしながら所望の糖構造を合成するために、オリゴサッカライド上 の様々な官能基(例えば、ヒドロキシル基)の選択的保護および脱保護を必要と する。このような複雑な合成手順は、個々の反応工程の数がかなり多いために、 手間がかかるわりには全体のしての収率は低い。明らかなように、複雑な化学反 応と全体的に低い収率との組み合わせが、これらのマトリクスの広範囲な商業的 開発および使用を阻止している。 対照的に、Blombergらは、固体支持体に結合されたスペーシング(spacing)ア ームのアミノ基に還元性オリゴサッカライドをカップリングしてグリコシルアミ ド結合を形成するマトリクス形成の方法を開示している12、13。Blombergらによ って開示された方法は、還元性オリゴサッカライド上のヒドロキシル基の保護お よび脱保護を必要としない。結合後、得られたグリコシルアミン結合はアシル化 されてグリコシルアミド結合を形成する。Blombergらはさらに、このような材料 において用いられるスペーシングアームの長さは重要ではないが25原子未満の 長さのスペーシングアームが好適であることを開示している。 本発明は部分的に、少なくとも8個の原子のグリコシルアミド連結アームを介 して固体支持体に共有結合された毒素結合オリゴサッカライドを有する、ある新 規な固体支持体マトリクスは、疾患を引き起こす微生物からの様々な毒素、特に 毒素A、非耐熱性エンテロトキシン、およびコレラ毒素を中和する点において、 8個未満の原子を有する連結アームを有する同様のマトリクスに比較して、驚く べき且つ予測されない結果を提供するという発見に向けられている。 この点に関して、Blombergらは、グリコシルアミド結合により短い5原子のス ペーサーアームを介してFractogelマトリクスに共有結合されたグロボトリオー ス(globotriose)(すなわち、Galα1-4Galβ1-4Glc)を含む樹脂は、志賀赤痢菌 の粗無細胞混合物に直接由来する志賀毒素を結合すると報告している13。しかし 、このようなマトリクス中のより長いスペーサーアームが、志賀毒素に加えて毒 素スペクトラムに対して有意に増強した結合を有するマトリクスを提供するとい う記載は、Blombergらにはない。 発明の要旨 本発明は、病原性微生物由来の様々な毒素を診断または中和するのに有用な新 規な固体支持体マトリクスを提供する。よって、その組成物局面の1つにおいて 、本発明は下記の式に示される固体支持体マトリクスに関する: 但し、SSは固体支持体であり、 R1は共有結合および1から約20個の炭素原子を有する二価ヒドロカルビレ ン(hydrocarbylene)基からなる群から選択され、 R2は炭素原子数2から20の二価ヒドロカルビレン基であり、 各X’は、−O−および>NR4からなる群から独立的に選択され、ここで各 R4は、水素、−R2NH2または−R2NR3Zから独立的に選択され、ここでR2 は、上記に定義する通りであり、 R3は、水素および−C(O)R5からなる群から選択され、ここでR5は炭素 原子数1から20のヒドロカルビル(hydrocarbyl)であり、 Wは酸素または硫黄から選択され、 Xは−NH−、−O−および−S−からなる群から選択され、 Yは−NH−、−O−および−S−からなる群から選択され、 Zは毒素結合オリゴサッカライドであり、 pは0から50以上の整数であり、 nは、マトリクスが支持体1グラム当たり約0.001から約2000μモル の毒素結合オリゴサッカライドローディングレベル(loading level)を有するよ うな整数であり、 毒素結合オリゴサッカライドから固体支持体を分離する原子の総数は少なくと も8である。 本発明の特に好適なマトリクスは、XおよびYがNHであり、Wが酸素であり 、pがゼロであり、R2が炭素原子数4から10のアルキレン(alkylene)基であ るものを包含する。このような好適なマトリクスは下記の式によって示される: 但し、SS,R1、R3、Zおよびnは上記に規定される通りであり、R6は炭素 原子数4から10のアルキレン基である。 別の局面において、本発明は、哺乳類の毒素媒介疾患のインビボ処置に有用な 薬学的組成物を提供する。この組成物は、上述した固体支持体マトリクスおよび 経口投与に適切な薬学的に受容可能なキャリアを含み、マトリクスは、消化管か ら除去され得る。 他にも要因がある中で、本発明は、意外かつ予想外の発見に基づく。この発見 とは、本発明の新規な固体支持体マトリクス中の固体支持体に毒素結合オリゴサ ッカライドを共有結合的に取り付ける連結アームが、毒素を含むサンプルからの 毒素をオリゴサッカライドが効果的に結合するためには、固体支持体とオリゴサ ッカライドとを分離する少なくとも8つの原子を含まなくてはいけないことであ る。 図面の簡単な説明 図1から図10は、表1に記載される固体支持体マトリックスに付着する様々な オリゴサッカライドの化学構造を示す。 図11から図13はそれぞれ、SYNSORB16、SYNSORB89およびSYNSORB Cdの化学構造 を示す。 図14は、オリゴサッカライドを含む固体支持体マトリックスを用いた、精製毒 素Aの赤血球凝集活性の中和を実証する。 発明の詳細な説明 上述のように、本発明は、部分的には、疾患を引き起こす微生物からの毒素を 結合するオリゴサッカライドを、連結アームを介してそれに共有結合させる新規 な固体支持体マトリックスに関する。しかし、本発明をさらに詳細に説明する前 に、まず、以下の用語を定義する。定義 本明細書で使用される以下の用語は、特に言及しない限り、以下の意味を有す る。 「毒素結合性還元オリゴサッカライド」という用語は、バクテリア源によって 発現される毒素を結合するオリゴサッカライド構造であって、そのオリゴサッカ ライドがその還元型であるオリゴサッカライド構造を指す。即ち、還元糖のアノ マー炭素原子が、保護されていない形で-OHとして与えられる。毒素に結合する オリゴサッカライドの例は、当該分野において周知であり、そして例えば、Heer zeら3,4およびArmstrongら7,8によって開示されている。 「ヒドロカルビル」という用語は、炭素および水素だけを含む一価の基を指し 、例示的には、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールなどがある。 「アルキル」という用語は、少なくとも1個の炭素原子、好ましくは、1〜10 個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキル基を指す。典型的なアルキル基 としては、例示的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、 sec-ブチル、n-デシル、などがある。 「アルケニル」という用語は、少なくとも2個の炭素原子、好ましくは、2〜 10個の炭素原子と、少なくとも1つの二重結合不飽和点とを有する直鎖または分 岐鎖アルケニル基を指す。典型的なアルケニル基としては、例示的には、エテニ ル(-CH=CH2)、1-プロペニル(-CH=CHCH3)、2-プロペニル(-CH2CH=CH2)、2- ブテニル(-CH2CH=CHCH3)などがある。例えばシスアイソマーおよびトランスア イソマーなどのすべてのアイソマーが、この定義に含まれることが理解される。 「アルキニル」という用語は、少なくとも2個の炭素原子、好ましくは、2〜 10個の炭素原子と、少なくとも1つの三重結合不飽和点とを有する直鎖または分 岐鎖アルキニル基を指す。典型的なアルキニル基としては、例示的には、エチニ ル(-CCH)、プロパルギル(-CH2CCH)などがある。 「アリール」という用語は、1つの環または多数の縮合環を有する6〜14個の 炭素原子からなる不飽和芳香族炭素環基(unsaturated aromatic carbocyclic g roup)であって、必要に応じて、ハロ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ 、トリハロメチルなどから選択される1〜3個の置換基と置換される、不飽和芳 香族炭素環基を指す。アリーレン(arylene)基の例としては、フェニル、p-ニ トロフェニル、ナフチル、などがある。 「ヒドロカルビレン(hydrocarbylene)」という用語は、炭素および水素だけ を含む二価の基を指し、例示的には、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン 、アリーレン基などがある。 アルキレン基についての具体的な定義によって特に制約されない限り、「アル キレン」という用語は、少なくとも1個の炭素原子、好ましくは、1〜10個の炭 素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキレン基を指す。典型的なアルキレン基と しては、例示的には、メチレン(-CH2-)、エチレン(-CH2CH2-)、プロピレン (-CH2CH2CH2-)、イソプロピレン(-CH(CH3)CH2-)、n-ブチレン(-CH2CH2CH2C H2-)、sec-ブチレン(-CH(CH2CH3)CH2-)などがある。 「アルケニレン」という用語は、少なくとも2個の炭素原子、好ましくは、2 〜10個の炭素原子と、少なくとも1つの二重結合不飽和点とを有する直鎖または 分岐鎖アルケニレン基を指す。典型的なアルケニレン基としては、例示的には、 エテニレン(-CH=CH-)、1-プロペニレン(-CH=CHCH2-)、2-プロペニレン(-C H2CH=CH-)、2-ブテニレン(-CH2CH=CHCH2-)などがある。例えばシスアイソマ ーおよびトランスアイソマーなどのすべてのアイソマーが、この定義に含まれる ことが理解される。 「アルキニレン」という用語は、少なくとも2個の炭素原子、好ましくは、2 〜10個の炭素原子と、少なくとも1つの三重結合不飽和点とを有する直鎖または 分岐鎖アルキニレン基を指す。典型的なアルキニレン基としては、例示的には、 エチニレン(-CC-)、プロパルギレン(-CH2CC-)などがある。 「アリーレン」という用語は、1つの環または多数の縮合環および2つの結合 点を有する6〜14個の炭素原子からなる不飽和芳香族炭素環基であって、必要に 応じて、ハロ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、トリハロメチルなどか ら選択される1〜2個の置換基と置換される、不飽和芳香族炭素環基を指す。ア リーレン基の例としては、1,4-フェニレン(例えば、 )などがある。アリーレンという用語には、すべての可能な結合点(例えば、1, 4-フェニレン、1,3-フェニレンなど)が含まれることが理解される。 「連結アーム」または「スペーシングアーム」という用語は、オリゴサッカラ イドを固体支持体に共有結合的に付着させる(covalently attach)化学基を指 す。オリゴサッカライドと固体支持体とを分離する連結アーム中の原子数は、以 下の基の線形原子の各々を加えることによって決定される。 即ち、線形原子は、R1、X、X'、Y,R2の原子と2つ(即ち、線形鎖の炭素原子 および窒素原子)との和を含む。 「オキシアルキレンユニット」という用語は、一般式-RbO-を有するエーテル 部分を指す。ここで、Rbは、2〜6個の炭素原子からなるアルキレン基である。 「ポリ(アルキレンアミン)」という用語は、一般式-(RaNH)c-を有するポリ マーまたはオリゴマーを指す。ここで、Raは、好ましくは2〜6個の炭素原子か らなるアルキレン基であり、そしてcは、1よりも大きい整数であって、好まし くは、約12以下の整数である。特定のポリ(アルキレンアミン)化合物のアルキ レンアミンユニット数について述べる場合、この数は、特に言及しない限り、そ のような化合物におけるアルキレンアミンユニットの平均個数を指すことが理解 されるはずである。モノ(アルキレンアミン)基は、1個のアルキレンアミンユ ニットを含む。ポリ(アルキレンアミン)の例としては、例えば-(CH2CH2NH)2- などがあり、ここで、zは、2〜12の整数である。 「ポリ(オキシアルキレン)」という用語は、一般式-(RbO)d-を有するポリマ ーまたはオリゴマーを指し、ここで、Rbは、2〜6個の炭素原子からなるアルキ レン基であり、そしてdは、1よりも大きい整数であって、典型的には約50以下 の整数である。特定のポリ(オキシアルキレン)化合物のオキシアルキレンユニ ット数について述べる場合、この数は、特に言及しない限り、そのような化合物 におけるオキシアルキレンユニットの平均個数を指すことが理解されるはずであ る。モノ(オキシアルキレン)基は、1個のオキシアルキレンユニットを含む。 「固体支持体」という用語は、オリゴサッカライドが連結アームを介して結合 され得る不活性の固体材料を指す。インビボで使用される場合、固体支持体は、 生体適合性であり、薬学的に受容可能である。適切な固定支持体としては、例示 的には、シリカ(多孔性ガラスなどの合成ケイ酸塩を含む);珪藻土などの生物 起源のケイ酸塩;カオリナイトなどの、ケイ酸塩含有鉱物;ポリスチレン、ポリ プロピレンなどの合成ポリマー;デキストラン、セルロース(CMC)、アルギネ ート、キチン、キトサンなどのポリサッカライド;などがある。 本発明において使用される好適な固体支持体材料は、従来の手順を用いて、ω -アミノアルキルトリアルコキシシランでシリルアミノ化された(silylaminated )シリカ支持体である。適切なω-アミノアルキルトリアルコキシシランとして は、例えば、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、4-アミノブチルトリエトキ シシランなどがある。そのようなシリルアミノ化反応において使用される特に好 適なシリカは、コロラド州、デンバー(Denver)のManville Corp.によって商品 名Chromosorb PTMで市販されているシリカである。 「抗生物質に関連する細菌性下痢」という用語は、抗生物質治療が、腸の微生 物フローラのバランスを乱し、Clostridium difficileなどの病原性生物の繁殖 を可能にする状態を指す。これらの生物は、下痢を引き起こす。抗生物質に関連 する細菌性下痢は、C.difficileに関連する下痢(CDAD)および偽膜性大腸炎( PMC)のような状態を含む。 「生体適合性」という用語は、ヒトの組織または体液に関する化学的不活性を 指す。生体適合性材料は、非感作的である。 「コレラ」という用語は、コレラ菌(Vibrio cholerae)によって引き起こさ れる急性流行感染症を指し、この急性感染症では、コレラ菌によって腸管におい て作られた可溶性毒素が粘膜の浸透性を変え、大量の水様便、体液および電解質 の過度の損失、ならびに脱水症および虚脱の状態を引き起こすが、腸管粘膜には 著しい形態的変化を引き起こさない。 「コレラ毒素」という用語は、コレラおよびそれに関連する状態を起こす、コ レラ菌のエンテロトキシンを指す。この毒素は、レクチンのような活性を有する 。 「非耐熱性毒素」または「LT」という用語は、旅行者の下痢およびそれに関連 する状熊を起こす、腸毒性大腸菌のエンテロトキシンを指す。この毒性は、レク チンのような活性を有する。 「偽膜性大腸炎(colitis)」(PMC)という用語は、偽膜性全腸炎(enteroco litis)または偽膜性腸炎(enteritis)としても知られており、(線維素、粘液 性、壊死性上皮細胞および白血球からなる)偽膜物質の形成および便中への排泄 を伴う、小腸および大腸の両方の粘膜の炎症を指す。 「毒素A」という用語は、CDADおよびそれに関連する状態を起こすClostridiu m difficileのエンテロトキシンを指す。この毒素は、レクチンのような活性を 有する。 「旅行者下痢」という用語は、突発性の下痢で、しばしば、腹部痙攣、嘔吐、 および熱を伴う下痢を指す。これは、旅行者に散発的に起こり、通常その旅程の 第1週目に起こる。この下痢は、最も一般的には、腸毒性大腸菌によって引き起 こされる。 本願のために、すべての糖は、従来の3文字命名法を用いて参照されている。 L型であるフコース以外の糖はすべて、特に言及しない限り、D型であると仮定 する。さらに、すべての糖は、ピラノース型である。 B.一般的な合成手順 本発明のオリゴサッカライド含有固体支持体マトリックスは、以下の一般的な 方法および手順によって調製され得る。典型的なまたは好適なプロセス条件(例 えば、反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧力など)が与えられているが 、特に規定しない限り他のプロセス条件も使用され得ることに留意されたい。最 適な反応条件は、使用される特定の反応物または溶媒により変動し得るが、この ような条件は、通常の最適化手順によって当業者により決定され得る。 本発明のオリゴサッカライド含有固体支持体マトリックスは、以下の式 を有する官能化固体支持体材料を、ある条件下で式HY−(R2X’)p2NH2 を有する結合試薬と接触させて、以下の式のアミノ官能化固体支持体材料を形成 することによって調製され得る。 ここで、SS.W、X、X’、Y、R1、R2、およびpは上記に定義した通り; Tは、ハロゲンおよび−OR7よりなる群から選択され、ここでR7はアルキル、 ハロアルキルまたはアリールであり;n’は、マトリックスが、マトリックスの グラム当たり約0.001から約2000μモルのR1XC(=W)TまたはR1 −N=C=W官能基のローディングレベルを有するような整数であり;そしてn ”は、アミノ官能化固体支持体材料が、グラム当たり約0.001から約200 0μモルのアミノ基のローディングを有するような整数である。 好ましくは、この反応は、固体支持体の架橋結合を最小限にするかまたは防ぐ ために、R1XC(=W)TまたはR1−N=C=W官能基に基づいて過剰量の結 合試薬を用いて行われる。より好ましくは、約2から約50モル当量の結合試薬 が、R1XC(=W)TまたはR1−N=C=W官能基に基づいて反応中で用いら れる。Tがハロゲン基であるときは、反応は、好ましくは、ジイソプロピルエチ ルアミン、トリエチルアミン、ピリジンなどの適切な第三級アミンの、結合試薬 に基づいて少なくとも1モル当量の存在下で行われ、反応によって生成される酸 を除去する。 この反応は、一般に、約−70℃から約70℃までの温度範囲で、ジメチルホ ルムアミドなどの実質的に無水で不活性の希釈剤中で約1から約24時間にわた って行われ得る。反応完了後、アミノ官能化固体支持体材料は、濾過、遠心分離 などのような従来の方法によって回収され、回収された材料は、必要に応じて、 ジメチルホルムアミドなどのような実質的に無水で不活性の希釈剤により1回以 上洗浄され、未反応の過剰な結合試薬および他の可溶材料を除去する。 本発明で用いられる官能化固体支持体材料は、当該分野では周知であり、従来 の手順によって調製され得る。例えば、このような材料は、アミノ、ヒドロキシ ル、またはチオール官能基を含有する固体支持体を、式L−C(=W)Tを有す る二官能性試薬と反応させることによって、固体支持体から調製され得る。ここ で、TおよびWは上記に定義した通りであり、Lはハロゲンまたは−OR8のよ うな適切な脱離基であり、ここでR8はアルキル、ハロアルキル、アリールまた は置換アリールである。p−ニトロフェニルクロロホルメートを用いて官能性固 体支持体を調製するための適切な条件については、例えば、S.M.HutchinsらのT etrahedron Letters14に記載されている。 官能性固体支持体材料を調製するのに適した代表的な二官能性試薬としては、 例えば、メチルクロロホルメート、メチルブロモホルメート、エチルクロロホル メート、n−プロピルクロロホルメートなどのようなアルキルハロホルメート; トリクロロメチルクロロホルメート(ジホスゲン)のようなハロアルキルハロホ ルメート;フェニルクロロホルメート、p−クロロフェニルクロロホルメート、 p−ニトロフェニルクロロホルメートなどのようなアリールハロホルメート;ホ スゲン;チオホスゲン;および他の適切なホスゲンおよびチオホスゲン等価物が 含まれる。このような二官能性試薬は当該分野で周知であり、典型的に市販され ている。 本発明で用いられる結合試薬は、既知の化合物であるか、または従来の手順に よって既知の化合物から調製され得る。結合試薬は、典型的には、試薬バックボ ーンの一方の末端のまたはその近くのヒドロキシル、チオールまたは第一級アミ ノ官能基、および試薬の反対側の端部のまたはその近くの1つ以上の第一級アミ ノ基を含む。試薬がヒドロキシルまたはチオール官能基を含有する場合には、試 薬内の第一級アミノ基を保護またはブロックして、ヒドロキシルまたはチオール 基が官能化固体支持体材料と選択的に反応し得るようにすることが好ましい。必 要な場合は、第一級アミノ基は、当業者には周知であるCbz、t−bocのよ うな従来の保護またはブロック基を用いて保護され得る。 本発明で使用される結合試薬の好適な群としては、式H2N−R9−NH2を有 するアルキレンジアミンがある。ここでR9は、2から約20個の炭素原子を有 するアルキレン基である。このようなアルキレンジアミンの代表的な例としては 、1,4−ジアミノブタン(n−ブチレンジアミン)、1,5−ジアミノペンタ ン、1,6−ジアミノヘキサン、1,8−ジアミノオクタンなどが含まれる。特 に好適なアルキレンジアミンは、1,4−ジアミノブタンおよび1,6−ジアミ ノヘ キサンである。 結合試薬の別の好適な群は、式H2N−(R10O)p'10−NH2を有するポリ オキシアルキレンジアミンである。ここで、R10は2から約3個の炭素原子を有 するアルキレン基であり、p’は1から約50の範囲の整数である。好適なポリ オキシアルキレンジアミンとしては、1,8−ジアミノ−3,6−ジオキサオク タンおよび1,11−ジアミノ−3,6,9−トリオキサウンデカンが含まれる 。 結合試薬のさらに別の好適な群は、式H2N−(R11NH)p"−Hを有するポ リアルキレンポリアミンである。ここで、R11は2から約20個の炭素原子を有 するアルキレン基であり、p”は2から約20の範囲の整数である。適切なポリ アルキレンポリアミンの例としては、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリ アミン、ジイソプロピレントリアミン、ジブチレントリアミン、トリエチレンテ トラアミン、テトラエチレンペンタアミンなどが挙げられる。特に好適なポリア ルキレンボリアミンは、ジ−、トリ−およびテトラ−エチレンアミンである。 上述のように調製されたアミノ官能化固体支持体材料は、次に毒素結合還元性 オリゴサッカライドに結合され、以下の式のオリゴサッカライド含有固体支持体 マトリックスを提供する。 ここで、SS、W、X、X’、Y、Z、R1、R2、nおよびpは上記に定義した 通りである。 この反応は、好ましくは、アミノ官能化固体支持体材料を、Blombergら12,13 によって記載されているような条件下で、毒素結合還元性オリゴサッカライドの 、連結アーム内の第一級アミノ基に基づいて約1から約1000(好ましくは7 4)モル当量と接触させることによって行われる。好ましくは、この反応では、 触媒量の酢酸または類似の酸が用いられる。 好ましくは、この反応は、メタノール、エタノールなどの不活性希釈剤中で、 約20℃から約100℃の範囲の温度で行われる。反応は、一般に、約12から 約72時間で完了する。反応が完了すると、濾過、遠心分離などの従来の方法に よって生成物が回収される。 本発明で用いられる毒素結合還元性オリゴサッカライドは、市販の糖(例えば ラクトース)であるか、または当業者には周知の従来の手順によって調製され得 る。例えば、このようなオリゴサッカライドは、酵素による方法で、または公知 の方法を用いて全体的に化学的な合成によって調製され得る。例えば、Ratcliff eら15を参照されたい。 場合によっては、オリゴサッカライドと連結アームとを接続するグリコシルア ミン結合をアシル化して、Blombergら12,13によって記載された手順を用いてグ リコシルアミド結合を形成してもよい。 この反応で使用される好適なアシル化薬剤は、式R12C(O)−L’を有する ものである。ここで、R12は0(すなわちホルメート)から約8個の炭素元素を 有するヒドロカルビル基であり、L’は適切な脱離基である。典型的には、脱離 基L’は、塩化物、臭化物のようなハロゲン化物、または、式−OC(O)R12 を有するカルボキシレート基であり得、ここで、R12は上記に定義したとおりで ある。もしくは、N−ヒドロキシスクシンイミドエステルおよび当該分野で周知 の他の活性化エステルもまた使用され得る。好適なアシル化薬剤の代表的な例と しては、塩化アセチル、無水酢酸、塩化プロニオニル、無水プロピオニル、塩化 ブタノイルなどが含まれるが、これらに限定されない。この反応でアシルハロゲ ン化物が利用されるときは、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、 ピリジンなどのような第三級アミンの、アシルハロゲン化物に基づいて少なくと も1モル当量が、好ましくは反応で用いられ、反応中に生成される酸を除去する 。 好ましくは、アシル化反応は、約−70℃から約70℃の範囲の温度で、メタ ノール、エタノール、クロロホルム、トルエンなどのような、反応条件下で実質 的に無水で不活性である希釈剤中で行われる。反応は、一般には、約0.5から 約24時間で完了する。オリゴサッカライド含有固体支持体マトリックスは、典 型的には、濾過、遠心分離などのような従来の手順によって、過剰なアシル化薬 剤から分離される。マトリックスは、好ましくは、水、メタノール、エタノール などのような適切な希釈剤により1回以上洗浄され、真空下で乾燥される。 C.薬学組成物 本発明の薬学組成物は、本発明のオリゴサッカライドを含む固体支持体マトリ クスと、薬学的に受容可能なキャリアとを含み、組成物は、胃腸管から排除され 得る。このような薬学組成物は、毒素を媒介した疾病のインビボの処置に有用で ある。 好ましい経口投与に用いられる場合、これらの組成物は、様々な方法で処方さ れ得る。好ましくは、液体または半固体の形態である。水などの薬学的に不活性 な液体キャリアを含む組成物は、経口投与用に考慮され得る。他の薬学的に適合 する液体または半固体もまた使用され得る。このような液体および半固体の使用 は、当業者に周知である。 アップルソース、アイスクリーム、またはプリンなどの半固体の食品と混合さ れ得る組成物もまた好適であり得る。不快な味またはあと味を有さない処方物が 好ましい。組成物を胃に直接送達するために、経鼻胃管もまた使用され得る。 固体組成物もまた使用され得、錠剤またはカプセルの形態に都合よく形成され る、ラクトース、デンプン、デキストリン、またはステアリン酸マグネシウムな どの従来の固体キャリアを含む薬学的に不活性なキャリアを含有する処方物で、 選択的かつ便利に使用され得る。オリゴサッカライドを含む固体支持体マトリク ス自体もまた、特に、カプセルの形態で、不活性薬学キャリアを添加せずに使用 され得る。 投与量は、毒素を中和し、病気を患う患者の腸から毒素を除去するように選択 される。好ましい投与量は、約0.25から1.25マイクロモルのオリゴサッ カライド/kg体重/日、より好ましくは約0.5から1.0マイクロモルのオ リゴサッカライド/kg体重/日である。本発明のオリゴサッカライドを含有す るマトリクスを用いることは、約0.25から1.0グラムのマトリクス/kg 体重/日を意味し、約20mg/mlの腸のマトリクスの濃度を提供する。投与 は、1週間または臨床兆候が解決するまでの間、1日に3または4回が期待され る。投与レベルおよび投与のスケジュールは、吸収される毒素、使用される特定 のオリゴサッカライド構造、ならびに被験体の年齢および状態などの要因に応じ て変化し得る。毒素活性を完全に除去する最適な時間は、1mlのサンプル中2 0mgのマトリクスの濃度を用いて37℃で約1時間である。 上述のように、経口投与が好ましいが、処方物はまた、経直腸などの他の投与 手段に対しても考慮され得る。これらの処方物の有用性は、使用される特定の組 成物および処置を受ける特定の被験体に依存し得る。これらの処方物は、油性、 水性、乳化状であり得る液体キャリアを含むか、または投与の熊様に適切な特定 の溶媒を含み得る。 組成物は、単回用量投与形態、または複数回もしくはサブユニット(subunit )用量で処方され得る。上記の期待される投与量については、経口投与された液 体組成物は、好ましくは、1mL当たり約1μモルのオリゴサッカライドを含む べきである。 D.有用性 本発明のオリゴサッカライドを含む固体支持体マトリクスは、哺乳動物の胃腸 管における疾病を引き起こす微生物からの毒素を中和するため、およびこのよう な毒素が生物学的サンプル内に存在することを決定する診断方法において有用で ある。 例えば、オリゴサッカライドを含む固体支持体マトリクスは、米国特許第5, 484,773号4に記載される手法に従って哺乳動物の胃腸管からの毒素Aを 中和するために用いられ得る。従って、本実施態様において、固体支持体に付着 されるオリゴサッカライドは、毒素Aに結合する能力によって選択される。中和 は、例えば、上記の効果的な量の薬学組成物の経口投与によって成し遂げられる 。 同様に、本発明によって提供されるマトリクスは、Armstrongら8,9 に記載される手法に従って、腸内出血性E.coliによって発現されるSLT を中和するために用いられ得る。本実施態様において、固体支持体に付着される オリゴサッカライドは、SLTへの結合能力によって選択される。再び、中和は 、 例えば、上記の効果的な量の薬学組成物の経口投与によって成し遂げられる。 上記のように中和される他の毒素には、例えば、コレラ毒素、非耐熱性毒素な どが含まれる。 さらに、本発明のオリゴサッカライドを含む固体支持体マトリクスは、固体支 持体を含むカラムに血液の体外環流を行い、次いで、血液を哺乳動物に再導入す ることによって、哺乳動物の血液から毒素を除去するために用いられ得る。 さらに、本発明のオリゴサッカライドを含む固体支持体は、生物学的サンプル に存在する生理学的濃度の毒素を迅速で効率的に結合させ、これらのサンプルに おけるこのような毒素の存在および/または量のアッセイを可能にするために有 用である。通常、生物学的サンプルは、便サンプルである。サンプルは、標準的 な抽出技術を用いて抽出および調製され得る。サンプルまたは抽出物は、次いで サンプル中のすべての毒素が吸収される条件下で、オリゴサッカライドを含む固 体支持体マトリクスと接触される。 毒素は、任意の適切な検出システムを用いて、オリゴサッカライドを含む固体 支持体マトリクスの表面で直接測定され得る。例えば、毒素に特異的な放射性、 ビオチニル化または蛍光標識されたモノクローナルまたはポリクローナル抗体は 、支持体に結合される毒素の量を決定するために用いられ得る。標準的な免疫ア ッセイ技術に類似する特異的な結合複合体の形成を検出するための広範囲なプロ トコルは、当該技術分野において周知である。 実施例 以下の実施例は、請求項に定義される発明を示すために提示され、本発明を限 定するように解釈してはならない。特に記載のない限り、すべての温度は、摂氏 である。また、これらの例において、特に以下に記載しない限り、使用される略 語は、その一般的に受け入れられる意味を有する。 CT = コレラ毒素 d = ダブレット g = グラム Hz = ヘルツ L = リットル LT = 非耐熱性エンテロトキシン M = モル mg = ミリグラム MHz = メガヘルツ mL = ミリリットル mM = ミリモル μg = マイクログラム μL = マイクロリットル μM = マイクロモル mmol = ミリモル PBS = リン酸緩衝化生理食塩水 μm = ミクロン μmol = マイクロモル mU = ミリユニット TLC = 薄層クロマトグラフィー UDP = ウリジンジホスフェート 実施例1 固体支持体マトリクスの調製 Weetalら16に記載の手法に従って、Manville Corp.,D enver,Coloradoから商業的に入手可能なChromosorb PTMを、3−アミノプロピルトリエトキシシランを用いてシリルアミノ化した。 乾燥テトラヒドロフラン(80mL)および乾燥ジクロロメタン(80mL) 中のシリルアミノ化されたChromosorb P(20g)およびp−ニト ロフェニルクロロホルメート(15g、75mmol)に、ジイソプロピルエチ ルアミン(13.1mL、75mmol)を加えた。混合物を3時間時折振とう させ、得られた樹脂を濾過し、ジクロロメタン/テトラヒドロフラン(1:1、 5×100mL)で洗浄し、真空下で乾燥させた。 得られた乾燥樹脂に、トリエチルアミン(10.5mL、75mmol)を含 む乾燥ジメチルホルムアミド(200mL)中の1,6−ジアミノヘキサン(8 .7g、75mmol)を加えた。時折撹拌しながら90分間反応させた。次い で、樹脂を濾過で除去し、連続して水(3×300mL)、ジメチルホルムアミ ド(3×300mL)およびジクロロメタン/テトラヒドロフラン(1:1、5 ×100mL)で洗浄し、真空下で乾燥させ、22gの樹脂を得た。 樹脂(2.0g)の一部、乾燥メタノール(6.5mL)中のラクトース(2 7.4mg、80μL)を密封されたフラスコ中で47時間60℃まで加熱した 。混合物を氷で冷却し(約5℃)、無水酢酸(2.1mL)を加えた。混合物を 12時間時折振とうさせ、濾過で除去し、次いで、水(3×50mL)およびメ タノール(3×50mL)で洗浄した。樹脂をメタノール中に懸濁し、懸濁物を 透明になるまで静かにデカントすることによって微粒子を除去した。真空下で樹 脂を乾燥すると、1.95gのラクトースを含む固体支持体マトリクスが得られ た。Duboisら17に記載されるフェノール硫酸アッセイを用いて生成物を分 析したところ、樹脂1g当たり1.24μmolのオリゴサッカライドが導入さ れているのがわかった。 上記の手法を用いて、表Iに示す固体支持体マトリクスを、表に示されるアル キレンジアミンおよびオリゴサッカライドから調製した。これらのマトリクスに ついての化学構造を図1に示す。 1 1,6−DAH=1,6−ジアミノヘキサン;1,4−DAB=1,4−ジ アミノブタン;1,2−EDA=1,2−エチレンジアミン2 固体支持体マトリクス1グラム当たりのマイクロモル3 比較例Aではアルキレンジアミンを用いなかった。オリゴサッカライドを、 Blombergら12、13によって記載される手法を用いてシリルアミノ化Ch romosorb Pに直接結合させた。 比較例C 図11に示すSYNSORB16は、従来の-O(CH2)8C(O)-結合を含む。生産 物のオリゴサッカライド取り込みは、0.97μmol/gであった。 比較例D 図12に示すSYNSORB89は、従来の-O(CH2)8C(O)-結合を含む。生産 物のオリゴサッカライド取り込みは、1.0μmol/gであった。 比較例E 図13に示すように、SYNSORB Cdは、従来の-O(CH2)8C(O)-結合を含 む。生産物のオリゴサッカライド取り込みは、1.2μmol/gであった。 実施例9 αGal(1-3)βGal(1-4)Glcの合成 Blankenおよびvan de Eijnden18に記載された通りに、Tris-マレイン酸バッフ ァの代わりにカコジル酸ナトリウムバッファを用いたUDP-ヘキサノールアミンセ ファロースカラム上での抽出およびクロマトグラフィーにより、仔ウシの胸腺( Pel-Freeze Biologicalsから入手)からα(1-3)-ガラクトシルトランスフェラー ゼを単離した。クロマトグラフィー後、酵素を、限外濾過により濃縮し、30mMカ コジル酸ナトリウムバッファ(pH6.5、20mM MnCl2および0.1%TritonX-100を含 有)に対して透析し、4℃で保存した。ガラクトシルトランスフェラーゼ活性を 、総体積20μM の540μM Galβ(1,4)GlcNacβ-0-(CH2)8COOCH3、1mM UDP-Gal 、35,000d.p.m.UDP-[3H]-Gal、1mg/mLウシ血清アルブミン、0.8%Triton X-100 、50mM MnCl2、および100mMカコジル酸ナトリウムバッファ(pH6.1)を用いてイ ンキュベートすることにより、監視した。37℃で30分間反応させた後、M.M.Palc icら19に以前に記載された通りに、生産物を逆相C-18カートリッジ上で単離した 。 pH6.5の50mMカコジル酸ナトリウムバッファ(3mL)中、ラクトース(50mg) 、UDP-Gal(20mg)、α(1-3)-ガラクトシルトランスフェラーゼ(60mU)、アル カリホスファターゼ(20U)、20mM MnCl2および0.1%Triton X-100を含有する反 応混合物を、37℃でインキュベートした。混合物に、さらなるUDP-Galを24時間 後(20mg)および48時間後(50mg)に加えた。120時間後に、新鮮なα(1-3)-ガ ラクトシルトランスフェラーゼ(20mU)およびUDP-Gal(10mg)を混合 物に加え、これをさらに72時間インキュベートすることにより、生産物への変換 が約95%となった。反応混合物を0.2μm Nalgeneナイロンフィルタを通して濾 過し、濾過液をBio-Rad AG 1×8カラム(Cl-form 2.5×20cm、0.6mL/分)に加え 、カラムを水で溶出した。サッカライド画分を合わせて凍結乾燥した。乾燥残渣 を、50mMカリウムホスフェートバッファ(pH7.5)中に溶解し、βガラクトシダ ーゼ(150mU)を混合物に加えて未反応のラクトースを破壊し、サンプルを18時 間周囲温度(24℃)で放置した。次いで、混合物を2分間煮沸し、0.2μmフィ ルタを通して濾過し、3つの部分に分割し、これらの各々をC-18シリカゲルカラ ム(20g)にロードした。カラムを水(200mL)で溶出し、減圧下において水性溶 出液を乾燥状態まで濃縮した。残渣を水(5mL)に溶解し、Bio-Gel P-2カラム( 2.5×100cm、H2O、0.2mL/分)に加えた。トリサッカライドを含有する画分を合 わせて凍結乾燥することにより、10.5mgのαGal(1-3)βGal(1-4)Glcを得た。 実施例10 CTおよびLT活性を中和する能力を決定するための 固体支持体マトリクスのスクリーニング手順 精製されたCTまたはLT(Sigma Chemical Company、St.Louis、Missouri、 USA、1mL PBS中2μg)を含む溶液を、1.5mLマイクロ遠心管中で様々な固体支持 体マトリクス(20mg)に加え、エンド・オーバー・エンド回転器(end-over-end rotator)上において室温で1時間インキュベートした。 インキュベート後、マトリクスを遠心管の底に沈殿(settle)させ、上澄みを注 意深く除去した。上澄みの段階的な5倍希釈液群を調製し、細胞毒性終点を後述 の実施例11に記載のように決定した。 固体支持体マトリクスの存在下における終点の減少の度合いを、マトリクスの 存在下における終点をマトリクスが加えられなかったコントロールと比較するこ とにより、決定した。結果を表2に示す。1 表示した番号の実施例に基づいて調製 2 未修飾のChromosorb P 表2のデータは、溶液からCTおよびLTを効果的に結合するためには連結ア ームの長さが最重要であることを、証明している。つまり、長さが6原子以下の 連結アームでは、溶液中に残存するLT毒素の量は、8原子からなる連結アーム を用いたマトリクスの場合の溶液中に残存する毒素量の約2倍である。同様に、 長さが6原子以下の連結アームでは、溶液中に残存するCT毒素の量は、8原子 からなる連結アームを用いたマトリクスの場合の溶液中に残存する毒素量の約4 倍である。 表2のデータはさらに、実施例1〜5の固体支持体マトリクスは、LTまたは CT活性のいずれかを中和する能力において、比較例CおよびDと並ぶものであ ったことを証明している。これらの結果は、実施例1〜5と比較例CおよびDと の間の連結アームの差は、毒素結合に対して有意な影響を有さないことを証明し ている。興味深いのは、全ての連結アームの長さが少なくとも8原子であったこ とである。 実施例11 組織培養細胞を用いた毒素活性のアッセイ CTおよびLTの細胞変性(cytotonic)活性を、10%ウシ胎児血清(FBS)を補 ったHams F12培地中に5%CO2雰囲気中37℃で維持されたチャイニーズハムスタ ー卵巣細胞(CHO)を用いて、測定した。試験する毒素サンプルをHams培地中に おいて1:5に希釈し、0.22μmシリンジフィルタを通して濾過滅菌した。試験 するサンプルを、培地中で段階的に5倍希釈し、各希釈液の100μLを、CHO細胞 の集密的な単層とともにウェルに加え、37℃/5%CO2で24時間インキュベート した。各サンプルを2連で分析した。 24時間のインキュベートの後、ウェルを毒素を含有しなかったコントロールと 比較することにより、細胞変性効果は明らかになった。24時間後、細胞を95%メ タノールで固定し、ゲイムサステイン(Geimsa stain)で染色した。中和実験から の毒素を含有するサンプルを同様に処理した。ただし、固体支持体マトリクスを 有するサンプルおよび有さないサンプルの終点希釈液を比較することにより、中 和パーセントを決定した。 実施例12 毒素A活性を中和する能力を決定するための 固体支持体マトリクスのスクリーニング手順 この実施例の目的は、-O(CH2)8C(O)-連結アームを用いた従来のマトリクス( 比較例D)に対しての、毒素Aと本発明のマトリクス(実施例2)との結合の差 を示すことである。 Heerzeら3に記載のように、C.difficileの毒素生成株(ATCC 43255、VPI株10 463)から毒素Aを精製した。精製毒素A(1mL)を含有する溶液を、1.5mLマイ クロ遠心管中において、様々な固体支持体マトリクスの20mgサンプルに加えた。 次に遠心管をエンド・オーバー・エンド回転器上において室温で1時間インキュ ベートした。インキュベート後、固体支持体マトリクスを遠心管の底に沈殿させ 、上澄みを注意深く除去した。上澄みの段階的な2倍希釈液群を調製し、後述の 実施例13に記載の手順を用いて赤血球凝集終点を測定することにより毒素A活 性の量を決定した。 固体支持体マトリクスの存在下における終点の減少の度合いを、終点をマトリ クスが加えられなかったコントロールのそれと比較することにより、決定した。 結果を図14に示す。図14に示すデータは、実施例2の固体支持体マトリク スは、毒素A活性を中和する能力において、比較例Dと並ぶものであったことを 示している。 実施例13 ウサギ赤血球を用いた赤血球凝集アッセイ 新鮮なウサギ赤血球をPBS中で1度洗浄し、冷PBS中において2%(体積/体積 )の濃度で再懸濁させた。毒素A含有溶液の段階的な2倍希釈液群(50μL)を 、U形マイクロタイターウェル中の冷PBS中で作成した。次に各ウェルに等しい 体積(50μL)のウサギ赤血球を加え、マイクロタイタープレートを穏やかに混 合した。プレートを4℃にて4時間インキュベートした後、赤血球凝集力価を視 認により評価した。全てのアッセイは2連で行った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,ID,IL,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.下記の式の固体支持体マトリクスであって、 但し、SSは固体支持体であり、 R1は共有結合および1から約20個の炭素原子を有する二価ヒドロカルビレ ン(hydrocarbylene)基からなる群から選択され、 R2は炭素原子数2から20の二価ヒドロカルビレン基であり、 各X’は、−O−および>NR4からなる群から独立的に選択され、ここで各 R4は、水素、R2NH2またはR2NR3Zから独立的に選択され、ここで該R2は 、上記に定義する通りであり、 R3は、水素および−C(O)R5からなる群から選択され、ここでR5は炭素 原子数1から20のヒドロカルビル(hydrocarbyl)であり、 Wは酸素または硫黄から選択され、 Xは−NH−、−O−および−S−からなる群から選択され、 Yは−NH−、−O−および−S−からなる群から選択され、 Zは毒素結合オリゴサッカライドであり、 pは0から50の整数であり、 nは、マトリクスが支持体1グラム当たり約0.001から約2000μモル の該毒素結合オリゴサッカライドローディングレベル(loading level)を有する ような整数であり、 該毒素結合オリゴサッカライドから該固体支持体を分離する原子の総数は少な くとも8である、固体支持体マトリクス。 2.前記Xおよび前記Yが、−NH−であり、前記Wが酸素である、請求項1に 記載の固体支持体マトリクス。 3.前記pがゼロである、請求項2に記載の固体支持体マトリクス。 4.前記R3が、水素および−C(O)CH3から選択される、請求項3に記載の 固体支持体マトリクス。 5.下記の式の固体支持体マトリクスであって、 但し、SSは固体支持体であり、 R1は共有結合および1から約20個の炭素原子を有する二価ヒドロカルビレ ン基からなる群から選択され、 R3は水素および−C(O)R5からなる群から選択され、ここでR5は炭素原 子数1から20のヒドロカルビルであり、 R6は、炭素原子数4から10のアルキレン(alkylene)基であり、 Zは毒素結合オリゴサッカライドであり、 nは、マトリクスが支持体1グラム当たり約0.001から約2000μモル の該毒素結合オリゴサッカライドローディングレベルを有するような整数であり 、 該毒素結合オリゴサッカライドから該固体支持体を分離する原子の総数は少な くとも8である、固体支持体マトリクス。 6.哺乳類の毒素媒介疾患のインビポ処置に有用な薬学的組成物であって、該組 成物が経口投与に適切な薬学的に受容可能なキャリアおよび下記の式の固体支持 体マトリクスを含み、 但し、SSは固体支持体であり、 R1は共有結合および1から約20個の炭素原子を有する二価ヒドロカルビレ ン基からなる群から選択され、 R2は炭素原子数2から20の二価ヒドロカルビレン基であり、 各X’は、−O−および>NR4からなる群から独立的に選択され、ここで各 R4は、水素、R2NH2またはR2NR3Zから独立的に選択され、ここで該R2は 、上記に定義する通りであり、 R3は、水素および−C(O)R5からなる群から選択され、ここでR5は炭素 原子数1から20のヒドロカルビルであり、 Wは酸素または硫黄から選択され、 Xは−NH−、−O−および−S−からなる群から選択され、 Yは−NH−、−O−および−S−からなる群から選択され、 Zは毒素結合オリゴサッカライドであり、 pは0から50の整数であり、 nは、マトリクスが支持体1グラム当たり約0.001から約2000μモル の該毒素結合オリゴサッカライドローディングレベルを有するような整数であり 、 該毒素結合オリゴサッカライドから該固体支持体を分離する原子の総数は少な くとも8であり、 該組成物が消化管から除去され得る、薬学的組成物。 7.前記Xおよび前記Yが、−NH−であり、前記Wが酸素である、請求項6に 記載の薬学的組成物。 8.前記pがゼロである、請求項7に記載の薬学的組成物。 9.前記R3が水素および−C(O)CH3から選択される、請求項8に記載の薬 学的組成物。 10.哺乳類の毒素媒介疾患のインビボ処置に有用な薬学的組成物であって、該 組成物が経口投与に適切な薬学的に受容可能なキャリアおよび下記の式の固体支 持体マトリクスを含み、 但し、SSは固体支持体であり、 R1は共有結合および1から約20個の炭素原子を有する二価ヒドロカルビレ ン基からなる群から選択され、 R3は水素および−C(O)R5からなる群から選択され、ここでR5は炭素原 子数1から20のヒドロカルビルであり、 R6は、炭素原子数4から10の炭素原子のアルキレン(alkylene)基であり 、 Zは毒素結合オリゴサッカライドであり、 nは、マトリクスが支持体1グラム当たり約0.001から約2000μモル の該毒素結合オリゴサッカライドローディングレベルを有するような整数であり 、 該毒素結合オリゴサッカライドから固体支持体を分離する原子の総数は少なく とも8であり、 該組成物が消化管から除去され得る、薬学的組成物。
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