JP2001502533A - ママスタチンのヌクレオチドおよびタンパク質配列およびその使用法 - Google Patents

ママスタチンのヌクレオチドおよびタンパク質配列およびその使用法

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Abstract

(57)【要約】 特異的な乳房細胞インヒビターであるママスタチンをコードする核酸配列。ママスタチンは単一の核酸配列によってコードされ、自身は不活性でリン酸化されていない形態で約44kDaの分子量を持つ。正常な乳房細胞は、約53kDaおよび49kDaの分子量を有する機能的なリン酸化した形態を発現する。転移性乳房細胞はママスタチンを発現しない、あるいは53kDaまたは49kDaのリン酸化形態を発現しない。乳癌細胞はリン酸化ママスタチンの投与によってその増殖を阻害される。

Description

【発明の詳細な説明】 ママスタチンのヌクレオチドおよびタンパク質配列およびその使用法 発明の背景技術 乳癌は米国単独で毎年45,000人の女性を死亡させる疾患である。年間1 80,000件を超える乳癌の新症例が診断され、8人に1人の女性が乳癌にな ると推定されている。これらの数値は、乳癌が今日の女性が直面する最も危険な 疾患のうちの1つであることを示している。癌の研究では、乳癌の原因を決定す ることができず、適当な癌療法または妨害法を見出さなかった。 乳癌と診断された女性は、外科的療法、ホルモン療法、化学療法および放射線 療法により治療されるであろう。患者が転移性乳癌を患っているならば、脳、骨 および肝臓などの離れた領域における癌を除去するために、放射線および多用量 の化学療法が必要でなる。 乳癌の治療に利用可能な現在の療法は、有毒、危険、高価であり、その多くは 特に、転移性乳癌の治療に無効である。下記の表はチャーチル・リビングストン (Churchill Livingston)、Clinical Oncology,1995から抜粋したものであり 、現在の治療方法および予期される生存率に関して利用可能であるデータをまと めている。 *微小転移が全くないと仮定する 現在、リンパ節または遠位部位に転移した乳癌の長期治療に有効である療法は 全くない。局所疾患は、癌全部を除去することができるなら、外科的手術によっ て有効に治療され得る。乳癌および転移性癌に由来する細胞の増殖を停止できる 乳癌の有効な新規の治療法が即急に必要である。そのような療法は局所の乳癌の 治療、転移性疾患の長期にわたる治療に有用であり、および腫瘍の外科的切除の 後の追跡治療として有用である。他の応用には、初期治療としておよび防御的使 用としての増殖インヒビターを含む。 乳房X線写真、身体検査、CAT−スキャン、および超音波などの乳癌の検出 方法は、乳癌の初期検出を有意に改善した。しかしながら、これらの方法を用い て、疑わしい腫瘍はさらに、該腫瘍が良性または悪性であるかを決定するための 、および組織型および悪性の程度の決定を試みるための病理学的検査ために、外 科的切除をしなければならない。この病理学的診断は、以後の治療プロトコール に何を使用するかを決定するために役立つ。 乳癌に関して、適当な乳癌腫瘍マーカーが利用できないので、これらの方法は 一般的に決定的ではない。CA 15−3およびCA 27−29などの利用可能 なマーカーは転移の指標として使用されるが、しかしながらそれらは特異的では ない。例えば、新規のかつ特異的な乳癌マーカーを使用して、乳癌の有効かつ信 頼できる診断が可能である診断手段および方法の必要性が多大である。さらに、 乳癌の早期発見および早期診断用の信頼でき、かつ簡単な方法が顕著に必要とさ れている。好ましくは、そのような早期発見方法は、乳癌の初期段階で乳癌を同 定し、進行した転移疾患による乳癌の進行を追跡し、ついで乳癌または進行した 疾患の罹患傾向を診断するであろう。より好ましくは、該診断方法は、例えば血 液などの体液などの分析によって組織生検なしに使用することができる。 ヒト乳房組織は月経の開始および各月経周期の間で、増殖活動の突発を被る。 乳房組織および腫瘍へのエストロゲンの効果に関する研究は、エストロゲンが乳 房組織の第1次増殖開始因子であることを示唆している。エストラジオール感受 性増殖因子が特徴付けられた。さらに、本来ホルモンの影響を受けない乳房細胞 増殖因子もまた記載される。 乳房組織増殖に刺激的影響を及ぼすことが示されている特異的な増殖因子は、 血小板由来増殖因子(PDGF)、インスリン様増殖因子(IGF−1)および トランスフォーミング増殖因子(TGF)αが挙げられる。他方、TGF‐βは 乳房組織の増殖を抑圧することを示している。 乳房細胞増殖の調節は乳癌の診断および治療に非常に重要である。乳房組織の 新生物的増殖は、調べなければ、年間何千人もの女性の死因である調節不可能に 増殖する悪性腫瘍に進行する。乳房細胞増殖を特異的に抑圧することができる増 殖阻害因子は、乳癌の診断および治療において使用するため、機能的手段を提供 する。 従って、特異的な乳房細胞増殖インヒビターを単離し、特徴付け、その核酸配 列およびアミノ酸配列を同定し、ついで精製したタンパク質としてインヒビター を組換え的に発現させることは非常に有効である。該核酸配列および/または組 換え的に製造したインヒビターを使用した診断および治療方法は乳癌の診断およ び治療において非常に利用性が高い。 発明の要約 特異的な乳房細胞増殖インヒビターであるママスタチンを正常ヒト乳房細胞か ら単離し、ついで特徴付けた。現在ママスタチンは正常乳房細胞により製造され るが乳癌細胞では製造されないことがわかっている。さらに、現在、血液中のマ マスタチンの減少または不在が乳癌の存在と相関することもわかっている。活性 化ママスタチンの投与により乳癌細胞の増殖が妨害される。 ママスタチンをコードする核酸配列は、現在のところクローニングされ、シー クエンシングされ、ついで宿主細胞中で組換え的に乳房細胞の増殖の活性インヒ ビターとして発現されている。単離し特徴付けられた核酸配列(配列番号:1) およびその推定アミノ酸配列(配列番号:2)は乳癌の診断および治療において 使用するための独特かつ特異的な手段を提供する。 本発明は乳房細胞増殖、特に乳癌細胞増殖の特異的なタンパク質インヒビター であるママスタチンをコードする単離し、精製した核酸配列を提供する。本発明 はまた、ママスタチン核酸配列、ママスタチンのアミノ酸配列および精製した乳 房細胞増殖インヒビターを製造し、乳癌を診断および治療するためのママスタチ ン核酸またはアミノ酸配列を利用する方法、キットおよび組成物を含むプラスミ ドおよびベクターを含む。本発明組成物には、ママスタチン核酸配列およびその RNA産物に特異的にハイブリダイズするプローブおよびプライマーを含む。 本発明はママスタチンを投与することによって乳癌を治療する方法をさらに含 む。 図面の簡単な説明 図1は真核細胞Cos-7細胞における組換えママスタチンの発現を示すウエスタ ンブロットである。 図2は、昆虫細胞中のママスタチンの発現を示すイムノブロットである。 図3は、イン・ビトロ転写および翻訳によって製造される組換えママスタチン による乳房細胞増殖の阻害を示すイムノブロットである。 図4は、ママスタチンcDNAでトランスフェクションしたCos-7細胞のならし培 地での処置により、ヒト乳癌細胞増殖における増殖阻害を示すグラフである。 図5は、ヒト正常乳房細胞および癌性乳房細胞における53、49、および4 4kDママスタチンの相対量を示すウエスタンブロットである。 図6は、ママスタチンのホスファターゼ消化を示すイムノブロットである。 図7は、ママスタチンの活性に及ぼすホスファターゼの影響を示すグラフであ る。 図8は、ヒト正常乳房細胞および癌性乳房細胞からのママスタチンならびに正 常細胞および癌性細胞の混合培養物中のママスタチンを示すウエスタンブロット である。 図9は、ELISAによって分析された正常ヒト血清中のママスタチンを示す グラフである。 図10は、ママスタチンのELISA標準曲線を示すグラフである。 図11は、治療過程での乳癌患者におけるママスタチンレベルを示すグラフで ある。 図12は、レトロウイルスによって誘発されたママスタチンの発現を示すウエ スタンブロットである。 図13A、13Bおよび13Cは、ヌードマウスにおけるMCF7腫瘍細胞へ のママスタチン治療の効果を示すグラフである。 図14A、14Bおよび14Cは、ヌードマウスにおける腫瘍細胞へのママス タチン治療の効果を示すグラフである。 図15は、正常女性からの血液中のママスタチンと乳癌患者からの血液中のマ マスタチンの不在を示すドットブロットアッセイである。 好ましい態様の詳細な記載 ママスタチン ママスタチンは正常ヒト乳房上皮細胞によって製造され分泌されるタンパク質 増殖インヒビターである。乳房細胞増殖インヒビターは正常ヒト乳房細胞の増殖 によってならし培地中に存在する阻害性タンパク質活性として最初は記載された 。阻害活性は正常ヒト乳房細胞からのならし培地中で同定されたが、ヒト乳癌細 胞の増殖によってならし培地中では同定されなかった。阻害活性はバイオアッセ イと約53、49および44kDa(アービン(Ervin,Paul R.)、ミシガン大学 博士論文、1995)の分子量を有する3つのタンパク質に存在する抗体の作成 によって決定した。 現在、特異的な乳房細胞増殖インヒビターであるママスタチンが、49kDa〜 53kDaへ分子量を増加リン酸化的に増加させる44kDaのタンパク質として発現 することが決定された。ph44kDaでない形態は活性インヒビターではないが、 リン酸化した49kDaおよび53kDaの形態は乳癌細胞の増殖を阻害する。活性5 3および/または49kDaリンタンパク質は正常ヒト乳房細胞によって発現され るが、一般的に乳癌細胞では製造されない。癌細胞の中にはリン酸化を欠如して おり、不活性な44kDaタンパク質を製造するものもある。 以下の表は正常細胞および組織および癌性細胞および組織中のママスタチンの 発現および活性を示すデータをまとめたものである。 *44kDaのママスタチンが検出される(タイプA)または検出されない(タイプB)癌 細胞** (−)発現なし(++++)強い発現*** BxPc3およびA253の2株は53/49kDaとして同定されたタンパク質を発現するが 、両株とも阻害活性を示さなかった ヒト乳癌細胞での用量応答実験は、癌細胞増殖は10ng/mlのママスタチンで 50〜70%阻害され、25〜50ng/mlで完全に停止されていた。 MDA-MB-435およびMDA-MB-231などの高度に転移性の細胞は増殖を停止させるた めに50ng/mlを必要とする。イン・ビトロおよびイン・ビボ臨床データ実験は 、該効果は可逆的であり、低濃度で癌細胞増殖を停止させるためには、インヒビ ターの反復投与が必要であることを示唆している。しかしながら、50ng/mlを 超えた用量で、ママスタチンは細胞壊死などのような組織学によって示されるよ うに、アポトーシスを誘発するようである。 ママスタチンは乳癌細胞増殖を阻害する天然に存在する増殖インヒビターであ り、活性化ママスタチンを製造する腫瘍は全くないので、ママスタチン置換療法 は乳癌治療のための治療法として理想的である。以下の例で提供された臨床デー タはママスタチン置換療法の有効性を証明する。 ママスタチンタンパク質をコードする核酸配列は、現在単離され、特徴付けら れ、シークエンシングされ(配列番号:1)、全部で3つの(53、49、および 44kDa)分子量のタンパク質をコードすると決定されており、「ママスタチン (mammastatin)」と名づけられた。3形態の分子量における差異はタンパク質 のリン酸化の範囲が原因であると決定された。培養中ママスタチン中のヒト正常 乳房細胞(NHMC)によって製造されたママスタチンおよび組換え的に発現さ れたママスタチンはヒト乳癌細胞の増殖を阻害し、乳癌の治療における治療剤と して有用である。 正常女性からのヒト血清および乳癌患者からのヒト血清の分析は、ママスタチ ンの減少した血液レベルは乳癌の進行と相関があることを示している。以下の実 施例中に記載したようにこの活性インヒビターの存在のための血液血清のスクリ ーニングおよびモニタリングは特異的かつ有効な診断手段を提供する。 核酸配列 ママスタチンDNA核酸(配列番号:1)は以下の表に示し、ヒト正常乳房細 胞cDNAライブラリーからのママスタチンcDNAのクローニングおよびシー クエンシングによって示され,以下の実施例でより詳しく述べられる。クロマト グラフィーによって精製されたインヒビターは、以前にはアミノ酸分析を可能に するほど十分に単離されず、標準的技術によってタンパク質インヒビターをシー クエンシングする初期の試みは失敗した。クロマトグラフィーによって精製され たインヒビタータンパク質に対して作成された抗体を使用するcDNAライブラ リーのスクリーニングの試みにより、活性のあるクローンを製造できなかった。 これらの問題を克服するために、ママスタチンをコードする遺伝子を、ペプチド シークエンシングおよびヒト正常乳房細胞cDNAライブラリーの変性オリゴヌ クレオチドスクリーニングにより同定した。 ヒト正常乳房細胞によって製造された濃縮タンパク質は、クロマトグラフィー によって精製したインヒビターに対して作成された抗−ママスタチン抗体を用い てアフィニティー精製された。精製したタンパク質画分は、トレーサーとして32 P標識した少量(105cpm)で補った。標識したトレーサータンパク質は、 以下の実施例により詳しく記載するように32Pの存在下で増殖した細胞のならし 培地から精製した。該タンパク質は臭化シアンで開裂し、ついで開裂した断片を32 P標識したタンパク質のオートラジオグラフィー分析によってママスタチンと して同定した。開裂により製造された最も豊富な標識されたペプチドがシークエ ンシングされた。 独特のアミノ酸配列(配列番号:2および3)を有する選択された2つのタン パク質は、変性オリゴヌクレオチドを製造するために使用される。ついで、変性 オリゴヌクレオチドを、ヒト正常乳房細胞cDNAライブラリーをスクリーニン グするのに使用した。 標識されたpMammAである1つのクローンは、両方の選択されたペプチドからオ リゴヌクレオチドにハイブリダイズする。このクローンは、さらに特徴付けられ 、抗−ママスタチン抗体によって認識された発現のタンパク質を発現することが 示された。該クローンは、ノザンブロット分析、イン・ビトロ転写および翻訳ア ッセイおよび増殖阻害アッセイによってママスタチンをコードすると査定された 。ママスタチンcDNAインサート(pMammB)を含むpcDNA3クローンをアメリカ ン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Cluture Collection) に寄託し、受託番号第97541号を付与された。pMammB(配列番号:2)から 発現した組換えタンパク質は、トランスフェクションした哺乳類細胞株のイムノ ブロットによって検出され、ついで乳癌細胞に対する増殖阻害活性を保有するこ とを示した。cDNAクローンを完全にシークエンシングし(実施例3参照)、 BLAST DNAデータベースに対して唯一のものであるとわかった。 本発明の核酸配列(配列番号:1)はヒトママスタチンをコードし、それはヒ ト正常および癌性の乳房細胞の増殖を阻害する機能を果たす。「ヒト」なる語は 、タンパク質の源を制限することを意図しているわけでなく、またヒト細胞およ び組織にのみ与える阻害効果を制限することを意図しているわけではない。個体 のママスタチンの核酸配列およびアミノ酸配列は幾分、タンパク質の構造または 機能を変えずに変化するかもしれない。さらに、生化学の分野の当業者であれば 、核酸配列またはアミノ酸配列の修飾が分子の構造および/または機能を変更せ ずに起こるかもしれないことを認識するであろう。例えば,該核酸配列は修飾さ れ、ある特定の細胞宿主の最適な既知のコドンを用いて所望のアミノ酸配列の最 適発現を可能にする。 本発明の核酸配列は乳癌の治療における治療法および診断方法において使用す るため、高度に精製されたママスタチンの大容量を製造するのに有用である。 抗ママスタチン抗体: いくつかの抗−ママスタチン抗体が製造され、特徴付けれられた。例えば、1 989年11月30日に公開されたPCT出願公開公報WO89/11491号 参照。これらの抗体は、クロマトグラフィーによって精製されたインヒビタータ ンパク質に対して作成され、乳房細胞増殖にママスタチンタンパク質の阻害効果 を与えるのを妨げると示した。 利用可能な抗−ママスタチン抗体は、ネオマーカーズ(Neomarkers)(フリー モント(Freemont)、カリフォルニア)より市販されて利用できる7G6および 3C6および6B8を含む。6B8抗体を作成するハイブリドーマ細胞はアメリ カン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC受託番号第HB10152 号)から入手可能である。これらの各抗体はママスタチンの全部で3つの分子量 形態のものに結合し、ドットブロットおよびウエスタンブロットを含む免疫学的 アッセイにおいて有用である。該7G6抗体は変性したタンパク質サンプルのウ エスタンブロット分析またはELISA分析に好ましい。該抗体3G6および6 B8はELISAアッセイ、例えば実施例に具体的に記載した条件下でのアッセ イにおいて使用されるであろう。 さらなる抗体がモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体に関して知られ る標準的方法を用いて製造ざれ得る。抗体製造のために使用した抗原はNHMC の培養または組換え的に発現されたママスタチンから得られるかもしれない。 診断方法 本発明はさらに、組織、細胞および液体を含む患者のサンプル中の活性ある阻 害性ママスタチンを検出するためのイン・ビトロアッセイを提供する。乳癌およ び進行性転移性疾患は、患者のサンプル中のママスタチンタンパク質の存在およ び型とヒト正常乳房細胞または癌性乳房細胞のママスタチンタンパク質の存在お よび型との相関によって診断される。患者の血液または組織サンプルは、ママス タチンタンパク質、例えば豊富なママスタチンタンパク質および/またはママス タチンの分子量形態などに関して分析される。以下で議論するように、特に高分 子量のママスタチンのリン酸化された形態であるママスタチンの存在または喪失 は乳癌と相関があり、かつ進行した転移性の疾患の指標である。 ママスタチンの分析は、好ましくは、患者の血液サンプルを抗−ママスタチン 抗体を用いてELISAまたはウエスタンブロット分析を含むイムノアッセイに よる。好ましくは、組換えママスタチンの標準は、信頼可能なインヒビターレベ ルの量に関する標準曲線を提供するように使用される。そのようなイムノアッセ イは以下の実施例に示すドットブロットアッセイおよびウエスタンブロットアッ セイによって例示される。本発明の別の好ましい態様において、腫瘍生検のよう な組織サンプルは免疫組織化学または患者の腫瘍細胞を培養することおよびママ スタチンの発現のための培養物を試験することによって分析される。 特に好ましい態様において、乳癌の診断用アッセイには少なくとも2つの特異 的な抗体を含む:抗−サイトケラチン抗体などの上皮組織のサンプルとして採取 された乳房組織を同定するための抗体および抗−ママスタチン抗体である。例え ば、イムノブロット形式を用いて,乳癌細胞を含むと疑われる組織をホモジナイ ズし、SDS/PAGEゲルで分離し、膜にトランスファーし、抗−ケラチンお よび抗−ママスタチン抗体の両方で調べる。ペルオキシダーゼまたはアルカリホ スファターゼなどの適当なマーカーシステムにコンジュゲートさせたアイソタイ プ特異的第2抗体を使用して、結合した抗体を検出する。ついで、結合した第1 および第2抗体を含む膜を公知の側色または蛍光光度法技術を用いて発色させ、 公知の方法によって定量する。 最も好ましい態様において、抗−ママスタチン抗体を用いて該サンプルをウエ スタンブロットなどによりママスタチンのリン酸化に関して分析する。高分子量 (53/49kDa)ママスタチンの減少または不在が乳癌の進行と相関がある。組換え発現ベクターおよび形質転換した細胞 本発明の組換え発現ベクターは、精製ママスタチンタンパク質およびその部分 の製造および増幅に、および診断法および治療法において使用されるママスタチ ンタンパク質およびその部分の簡易単離に有用である。 2.434kbママスタチンcDNA(配列番号:1)の全部またはその一部などの標的 配列は、COS細胞およびCHO細胞に関してはpUC18、pKC330、pBR3 22、pKK177−3、pET−3、pcDNA3(イン・ビトロゲン(In Vit rogen))などの適当な核酸配列発現ベクターにクローニングされ、および昆虫 細胞における発現にはpAcD3Xバキュロウイルス発現ベクター(ファーミ ンギン(PharMingin)、サン・ディエゴ、カリフォルニア)にクローニングされ 、標準的な方法によって公知のシステムにクローニングされる。市販されており 利用可能な発現ベクターは、標的配列が転写および翻訳調節領域へ作動可能に結 合するようなベクターの部位へのクローニングのため提供する。 ついで、リン酸カルシウム法、リポソーム媒介形質転換、プロトプラスト形質 転換、エレクトロポレーションなどの公知の方法を用いて適当な宿主細胞に発現 ベクターが導入される。適当な宿主細胞には、COS細胞およびCHO細胞、Hi gh 5およびSF9昆虫細胞、バキュロウイルスおよび酵母細胞を挙げられる。他の 宿主細胞には、大腸菌(E.coli)DH5αなどの大腸菌株、およびサルモネラ・テ ィフィムリウム(Salmonella Typhimurium)などの無毒性同遺伝子型サルモネラ 種のアデニル酸シクラーゼを欠乏した欠失変異体およびcAMP受容体タンパク質、 異種遺伝子内のサルモネラ変異体およびBio/Tech:693(1988)に記 載されるような他のサルモネラワクチン株を挙げられる。 好ましくは、該細胞宿主は真核細胞であり、適当な折り畳みおよびリン酸化し た活性型インヒビターを製造するためのキナーゼ活性を持つタンパク質を発現す ることができる。宿主細胞は、ママスタチンをコードするcDNAでトランスフ ェクションすることによってスクリーニングされるであろう。形質転換した細胞 によって製造されたタンパク質の分析は、例えば、イムノブロットにより、およ び以下の実施例に記載するように、例えばMCF7細胞増殖などの乳房細胞の増 殖を阻害するためのタンパク質の能力によって潜在的に宿主細胞になり得るシス テムをスクリーニングするのに使用することができる。 標的核酸配列で形質転換された宿主細胞をコロニーハイブリダイゼーションま たはママスタチンタンパク質に特異的な抗体との応答性を含む多様な方法によっ てスクリーニングする。形質転換した細胞は、pcDNA3または他のプラスミド またはママスタチンをコードする核酸配列を含む他のベクターを運搬する適当な 宿主細胞である。そのような1つのプラスミドはpMammAからの2.4kbBamHI-Xho Iインサートを運搬するpcDNAプラスミド(pMammB)であり、メリーランド州 ロックビルのアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションに1996年2月 22日に寄託し、受託番号第97451号を付与されている(実施例5参 照)。 特異的な標的DNA配列を含む発現ベクターは、ママスタチンタンパク質の全部 または一部をタンパク質製造用細胞宿主に挿入することによるイン・ビトロ転写 および翻訳よって製造するために使用される。発現ベクター系から製造されたタ ンパク質は正常および癌性の乳房細胞の増殖を阻害する(実施例7参照)。例え ば、該ベクターでトランスフェクションされたCos7宿主細胞などの真核細胞は、 ならし培地中で、ママスタチンを発現および分泌する。ならし培地は正常および 癌性の乳房細胞の増殖を阻害する(実施例8参照)。 アミノ酸配列 ママスタチンタンパク質(配列番号:2)は、核酸配列(配列番号:1)から 推定される配列を保有する約2400アミノ酸残基のポリペプチドであり、表1 に示す。クローニングされたママスタチン核酸配列(配列番号:1)から合成さ れるタンパク質は乳癌細胞(MCF-7)増殖を阻害する。 組換えママスタチンタンパク質は、精製形態でかつ大量に有効に製造すること ができる。精製した組換えママスタチンは、患者のサンプル中でインヒビターの 診断アッセイのための信頼できる標準として有用である。組換えママスタチンタ ンパク質はまた、乳癌細胞の増殖を阻害または妨害するための精製された治療剤 として有用でもある。 治療的使用 治療的使用のためのママスタチンタンパク質は、無血清条件下または組換え手 段によるNHMC培養物から製造される。ママスタチンリンタンパク質は治療的 に使用され、例えば乳癌の治療における乳房細胞の増殖を阻害する。好ましくは 、ママスタチンは該タンパク質のリン酸化を達成するために高等真核細胞におい て製造される。組換えママスタチンタンパク質は宿主細胞または合成手段によっ て製造する。 機能的なママスタチンを公知の方法によって患者に投与し、リンタンパク質の 投与に関しては好ましくは注入によって投与し、血流におけるインヒビターのレ ベルを増加し、乳房細胞とインヒビターの相互作用を高める。 該タンパク質は、リン酸化タンパク質治療剤の送達に関する当該技術分野にお いて公知の方法によって患者に送達されてよい。概して、該インヒビターはデリ バリービヒクルと混合し、注入によって投与される。 投与されるべきインヒビターの用量は当業者によって決定され、治療モダリテ ィー(modality)の型および疾患の程度によって変化するであろう。ママスタチ ンは、10ng/mlの濃度で乳癌細胞の約50%を阻害し、イン・ビトロで約20 −25ng/mlで増殖を停止し、有用な治療用法範囲は1日用量約2.5μgから 約250μgの投与である。好ましくは、約125μg/日の投与量である。投 与の目的は、生理学的範囲からわずかに高い範囲(50〜75ng/ml)で最終的 な身体用量となる。インヒビターの高用量(>50ng/ml)により、処理細胞の 組織化学にみられるようにアポトーシスが誘発される。臨床的使用に関して、好 ましい用量の範囲は、転移性疾患の初期治療のために約500ng/mlであり、そ の後約50ng/mlの維持用量となる。以下の実施例において報告された最初の臨 床研究は、約50ng/ml〜約750ng/mlの1日投与量が第IV段階の乳癌患者に おける寛解を誘発するのに十分であることを示している。 活性化ママスタチンがリン酸化タンパク質であるため、インヒビターの複数の 投与は患者の血液中のママスタチンの増殖阻害レベルを維持するために必要であ ろうことが予期される。また、ママスタチンは一般的に細胞殺傷剤よりは細胞増 殖抑制性剤として機能するので、該インヒビターの最大効果は、乳癌患者におけ るインヒビターレベルの一定の維持を必要とすると予期される。 その好ましい使用において、ママスタチンは腫瘍の寛解を誘発するための(> 50ng/ml、好ましくは50〜500ng/ml、高用量で投与される。癌細胞増殖 を妨害するためには、より低い維持用量(>50ng/ml、好ましくは20〜50n g/ml)が使用される。 第IV段階の乳癌患者において投与されたママスタチンでの臨床経験は、有用な 用量とは血液中のママスタチンの生理学的レベルを維持するものであることを示 す。投与は、毎日が好ましく、しかし例えば、持続的な注入、徐放性補給(depo t)、または2−3日ごとに1回の注入などによってもよい。逸話としての証拠 は、持続的な投与はフィーバック阻害を誘発し、従って好ましい投与計画は約2 5〜28日間毎日ママスタチンを投与した後、2〜5日投与をやめること を示唆する。 診断的使用 ヒト組織および血清中の機能的なインヒビターの存在を検出するための本発明 のアッセイは、乳癌の罹患の高い危険性を保有する集団のスクリーニング、乳癌 発症の早期発見および治療期間中の患者のインヒビターレベルのモニターのため 、乳癌患者のスクリーニングに有用である。例えば、患者の血液ママスタチンの 分析は、正常のコントロールまたは該患者の以前のママスタチンのプロファイル に比較して、高分子量のリン酸化ママスタチンの量の減少を示すかもしれない。 そのような変化は乳癌の危険の高まり、乳癌の早期発症、および転移性乳癌の進 行と相関がある。リン酸化、活性化、49/53kDママスタチンに関する診断ア ッセイは、例えば、ウエスタン・ブロット、ELISAなどのイムノアッセイに よるか、または特異的な抗−ママスタチン抗体を用いる。例えば血清中などのス クリーニングは、例えば、ドット・ブロット・アッセイなどのイムノアッセイに よるのが好ましい。 最良の結果のため、患者のサンプルはサンプリングから短期間内で(1週間以 内で)アッセイされるべきであり、4℃で保存され(1年以内)るか、または凍 結させて長期保存するべきである。サンプルはアッセイの時期まで凍結させてい るのが最も好ましい。 アッセイキット 本発明の具体的な態様において、患者の液体および/または乳癌組織中のママ スタチンの検出のためのアッセイキットが提供される。スクリーニングアッセイ は、血清中のママスタチンを検出または定量するためのドット・ブロット・アッ セイなどのイムノアッセイが好ましい。そのようなスクリーニングキットには、 抗−ママスタチン抗体およびコントロール抗体を含む場合もあり、および/また はママスタチンコントロールまたは標準を含む。第2のスクリーニングアッセイ は乳房組織のママスタチンを分析する。該アッセイキットには必須試薬および該 組織が乳房上皮であることを特異的に決定するための抗体、例えば抗−サイトケ ラチン抗体および特異的な抗−ママスタチン抗体と該組織を反応させるための手 段を含む。市販されており利用可能な抗体混合物であるパン−ケラチン(シグマ (Sigma))は好ましい抗−サイトケラチン抗体である。 ママスタチンのネガティブアッセイは、乳癌腫瘍の存在または非上皮乳房組織 によって引き起こされる。抗−サイトケラチン抗体の使用により、誤ったポジテ ィブアッセイに対して警戒する。抗−ママスタチン抗体で染まらないか、または 44kDママスタチンのみを発現する乳房上皮細胞は形質転換細胞である。従って 、例えば乳房組織から単離され、および抗−サイトケラチン抗体で陽性となるよ うな乳房上皮しての組織を最初に同定し、ついで抗−ママスタチン抗体との第2 の陽性反応を同定することによって陽性の誤り(false positive)が避けられる 。 乳癌細胞の約30%が非リン酸化不活性の44kDママスタチンを発現すること が実験により明らかだったので、分析の好ましい方法は、例えばウエスタン・ブ ロット分析などによって、53/49kDおよび44kD形態の間で区別することで ある。 本発明はさらに以下の実施例を参照して定義される: 実施例1 ヒト乳房細胞cDNAライブラリー cDNAライブラリーを整復乳房形成術(UM病院(UM Hospital))から得ら れるヒト乳房細胞から調製した。総RNAを塩化セシウム勾配により乳房細胞か ら単離した。総RNA調製物からmRNAを単離した。使用された方法はガーナ ー(Garner I.)「アイソレーション・オブ・トータル・アンド・ポリ・A+R NA・フロム・アニマル・セルズ(“Isolation of total and poly A+RNA from animal cells”)」、Methods Mol.Biol.(1994)28:41−7に記載 されている。 単離されたmRNAの存在下での逆転写はcDNAを製造し、ついでEcoRIリ ンカーにライゲートされる。cDNAをEcoRI切断T4DNAリガーゼ処理したラムダ Zapに挿入し、ついでショート(Short JM.)ら(1988)Nucleic Acids Rese arch 16:7583に記栽される方法に従って大腸菌XL1-blue中で増幅した。 実施例2 ママスタチンオリゴヌクレオチドの調製 実施例1で調製した正常ヒト乳房細胞cDNAを、変性オリゴヌクレオチドを 用いてママスタチンをコードする核酸の存在に関してスクリーニングした。その 変性オリゴヌクレオチドは以下のようにして得る: 正常ヒト乳房細胞をミシガン大学病院形成外科より、または共同ヒト組織ネッ トワーク(Cooperative Human Tissue Network)より入手した。その組織をソウ ル(Soule)ら、In Vitro,22:6(1986)に記載される手法に概して従 い、コラゲナーゼ処理により還元した。 乳房細胞を40μM CaCl2で調合したDMEM/F12低カルシウム培地中で 、175cm2フラスコ中でコンフルエンスに達するまで増殖させ、ついでソウル ら、In Vitro,22:6(1986)に記載される手法に従い、5%CHELE X処理したウマ血清(シグマ)、0.1μg/mlのコレラ毒素(シグマ)、0. 5μg/mlヒドロコルチゾン(シグマ)、10ng/ml上皮増殖因子(EGF、コ ラボラテイブ・リサーチ(Collaborative Research)、ベッドフォード、マサチ ューセッツ)、10μg/mlインシュリンおよび1μg/mlペニシリン/ストレ プトマイシンを補給した。ウマ血清をCHELEXレジンで室温で3時間処理して血清 カルシウムを除去した。 細胞溶解産物は、細胞をTBSですすぎ、テフロン製のスクレーパーでフラスコ からこすりとることによって調製した。細胞を遠心分離によって回収し、8M尿 素、50mMトリスpH7.5、0.5%β−メルカプトエタノール、0.5%TRITON X-1000(溶解バッファー)で溶解させ、氷上で3分間超音波処理した。 該細胞溶解産物を溶解バッファーで平衡化したDEAE−セファセル(Sephac el)陰イオン交換樹脂(シグマ)上で細分した。溶解産物を樹脂を満たしたカラ ム(50mlの使い捨て、バイオ・ラド(Bio Rad)上にロードし、ついでカラムの 容量の10倍量の溶解バッファーで洗浄した。物質は、重力の供給によってのみカ ラムから流出した。画分は、最初に、塩の存在下で溶出バッファー(8Mの尿素 250mlおよび50mMのトリスpH7.5)を最初に含む閉鎖混合チャンバーに 5MのNaClを含む溶出バッファーを持続的に重力の供給によって流して製造され た塩勾配で溶出した。 溶出画分(2ml)をギブソン(Gibson)画分コレクターによって回収し、上記 のように抗−ママスタチン抗体である7G6でドット・ブロットによって乳房細胞 増殖インヒビターの存在に関して分析した。 陽性の画分を保存し、50mMのNaClで溶解バッファーに透析し、再度同一のイ オン交換カラム上で分離し、50mMのNaClを含む溶出バッファー中のpH勾配( pH8〜pH3)を持続的に減少させて溶出した。(pH勾配をつくるために、P H3の緩衝尿素を持続的に最初のpH8のバッファーに混合した。)画分(2ml )を回収し、上記のように7G6抗体で分析した。 陽性の画分を再び保存し、ついで濾過遠心分離によってもともとの容積の1/ 10のに濃縮した(アミコン・セントリプレップ(Amicon Centriprep)、10k D切断)。濃縮した保存物を前もって染色した分子量標準(シグマ)とともに分 取SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)によってサイズ画分した。 分子量40〜60kD間の分子中に含まれるタンパク質を0.5cmのストリップ または画分でゲルから切り出した。各ゲルのストリップからのタンパク質の電気 溶出を透析チューブ中でランニングバッファー(192mMのグリシン、25mMの トリス(pH8.3)、0.1%SDS)1ml中にそのゲルストリップを置くことによっ て行った。そのチューブをサブマリン電気泳動装置中に設置し、終夜25ボルト で電気溶出した。電流を2分間逆行させ、ランニングバッファー(現在は溶出し たタンパク質を含む)を除去した。溶出したタンパク質の純度を、銀染色で分析 SDS PAGEによって、またトウビン(Towbin)ら、J.Clin.Chem.Clin.Biochem .27:495〜501(1989)に記載されるような手法に従いチェックした 。銀染色PAGEによって決定されるように少なくとも70%純度の画分を貯蔵し、 濃縮し、ついで凍結乾燥して粉末形態とした。 貯蔵されたタンパク質を500μlの70%ギ酸中に凍結乾燥した粉末を溶解 し、20mg/mlの臭化シアン(シグマ)で室温で終夜(約20時間)インキュベ ートすることによって、臭化シアンで開裂させた。使用した方法はフリーモント (Freemont)ら、Arch.Biochem.Biophys.228:342−352(1986 )中に記載されている。臭化シアン開裂タンパク質のサンプルを2回蒸留し、脱 イオン化した水に透析し、再び濃縮し、ついで凍結乾燥して粉末とした。 臭化シアン開裂は、もともとのタンパク質サンプルからのマルチプルペプチド を産生し、分取15%SDS PAGEおよび電気溶出によってPVDF膜上にトランスファ ーすることによって分離した。 乳房細胞溶解産物から得たタンパク質に加えて、タンパク質はまた正常ヒト乳 房細胞ならし培地から単離される。正常細胞をリン酸欠如した8mlのDMEMでイン キュベートし、200μCi/mlの32P-オルトリン酸および1%の透析したウシ 胎児血清を補った。細胞をならし培地を回収する前に、32P存在下で24時間増 殖させることができた。 回収したならし培地を10kDの排除制限でアミコン濾過により5倍の濃度にま で濃縮した。濃縮した培地を濾膜上でPBSで1回漱ぎ、取り込まれていない過剰 なリン酸を除去し、ついでさらにPBSで溶出したS-200SEPHACRYL(ファルマシア (Pharmacia)、ウプサラ、スウェーデン)分子篩クロマトグラフィー(100c m×0.75cmカラムによって画分した。フィルターとカラムの両者によりサンプ ルから未取り込み32Pの除去を可能にする。1mlの画分をカラムから回収し、シ ンチレーションカウンティングにより標識した画分を同定した。放射活性化区分 を保存し、ついで銀染色およびオートラジオグラフィーをともなってSDSPAGEに よって分析した。保存されたタンパク質を濃縮し、凍結乾燥して粉末とし、つい で臭化シアン開裂の前に上記のように精製した未標識タンパク質の多量と結合さ せた。標識したタンパク質の添加はリン酸化ママスタチンペプチドを含む臭化シ アン開裂断片のトレースの便利な方法を提供する。開裂したペプチドを上記のよ うに分取PAGE上で分離した。 放射活性タンパク質を臭化シアン開裂し、分離してPVDF膜にトランスファーし 、X線フィルムに曝した後、2つの標識された約20kDおよび22kDのバンドが 見ることができた。これら2つのペプチドを膜から切り出し、ウラー(UllahAlt )らBiochem.Biophys.Res.Comm.203:182−189(1994)に記 載の方法を用いて、ユニバーシティ・オブ・ミシガン・バイオメディカル・リサ ーチ・コア・ファシリティー(University of Michigan Biomedical Research C ore Facility)でエドマン法によってシークエンシングした。2つのペプチドの 各々のアミノ酸配列をNIH「BLAST」サーバーを用いて公知のデータベースと比較 した。その2つのペプチドは新規であることがわかった。 各配列の特に独特の配列を使用して縮重オリゴヌクレオチドを製造し、ジェラ ラ(Jerala)、Biotechniques13:564−567(1992)において記載 される方法による標準的な第3の位置の縮重を用いた。20kDペプチドから該配 列 を使用した。:22kDのペプチドから配列 を使用してオリゴヌクレオチドの複数の種を製造した。縮重オリゴヌクレオチド を高圧液体クロマトグラフィーによって精製した。 変性オリゴヌクレオチドを32P−γATPおよびT4DNAポリヌクレオチドキナー ゼ(BRL、ベテスダ(Bethesda)、メリーランド)で末端ラベルし、再度T4 DNAキナーゼバッファー(60mMのトリス(pH7.8)、10mM MgCl2、15m M β−メルカプトエタノール)を1.5mg/mlで再度懸濁させた。ついでオリゴヌク レオチド(250μM)を0.33μMのATP、25μキナーゼバッファー中 の5単位のキナーゼと37℃で2時間インキュベートした。32P‐リン酸の取り 込みをTCA沈殿(15%TCA、4℃、15分)によって決定した。典型的な 取り込みは109cpm/mgDNAであった。 実施例3 変性オリゴヌクレオチドでの乳房細胞cDNAライブラリーのスクリーニング 正常乳房細胞cDNAインサートを含む実施例1で調整したファージに感染さ せた細菌を、トップアガー(感染細菌培養の1/10希釈から7%NZYMトップア ガーの6ml)プレート15cmのNZCYM(10g、NZアミン(ベーリンガー・マンハ イム)、5gのNaCl、5gの酵母抽出物、2gのMgSO4、1gのカサミノ酸)上に プレーティングした。プラーク含有プレートにファージの変性(denatureation )の前15分間ニトロセルロース膜をかけた。ファージを0.5MNaOH、1.5MNaCl飽 和したワットマンペーパー上で5分間のブロッティングフィルター(DNAサイ ドアップ)により変性させた。フィルターをH2Oで漱ぎ、1M トリス(pH7.0)、1.5MNaCl中で5分問インキュベートした後、20×SSCお よび2×SSCそれぞれ5分間インキュベートした。フィルターを乾燥させ、80℃ で1時間焼くか、または紫外線光線下放置してDNAを固定した。焼いたフィル ターを1%SDSと2×SSC中で30分間洗浄し、ついで50%脱イオン化ホルム アミド、5×Denhart's溶液、1%SDS、5×SSCおよび100μg/ml変性サ ケ精子DNAで37℃でプレハイブリダイズした。 フィルターを熱変性した(95℃で5分)標識縮重オリゴヌクレオチド107c pm/mlを加えた実施例2に関して記載したように調製した標識した変性オリゴヌ クレオチドとハイブリダイズした。フィルターを37℃で30分間2×SSCで洗 浄した後、50℃で30分間2×SSCに1%SDSを加えた溶液中で3回洗浄した。 フィルターを2×SSCで短く漱ぎ、乾燥させて、ついで24〜48次間コダック AR‐5フィルムに露光して陽性プラークを同定した。 陽性プラークを逆200μl無菌ペプチドチップを用いて切り出したアガープ ラグから単離し、4℃で終夜SMバッファー中に再懸濁した。第2および第3の プレート(10cm)をSMバッファーを含むファージの1/10,000希釈で 細菌に感染したXL1−Bを用いてNZCYM(1mM MgSO4)中で作成した。プラーク を上記のように8時間感染した細菌をインキュベートすることにより製造し、つ いで標識した変性オリゴヌクレオチドでスクリーニングする前にニトロセルロー スにトランスファーした。スクリーニングは、本質的にはクロチェック(Krocze k,RA.)、J Chromatogr 618:133−45(1993)に記載されるのと同様 に、107cpm/mlの標識したDNAおよび50℃で30分間2×SSCの最終的な 洗浄ストリンジェンシーを用いて行われた。 さらなる分析に関して選択されたクローンは、両方の変性オリゴヌクレオチド によって認識されるものであった。このクローンは「pMammA」と名づけられた。 実施例4 ママスタチンcDNAのシークエンシング 実施例3で得られた陽性クローンであるpMammAをミシガン大学のバイオメディ カル・リサーチ・コア・ファシリティーで自動化シークエンサーを用いてシーク エンシングし、ついでまた15%DNAシークエンシングゲルを用いたジデオキ シシークエンシングおよび35Sヌクレオチドを有する放射標識DNA断片によっ てシークエンシングした。使用した方法はラスケン(Lasken RS)ら、Proc.Nat l.Acad.Sci.USA 82:1301−5(1985)に記載されている。得られた 核酸配列を以下の表1(配列番号:1)に示す。 自動化配列の認識された誤りの割合は約5%である。従って、寄託されたクロ ーンをヌクレオチド配列の確認のために再度シークエンシングし、特に記載され るように、潜在的な過誤の疑いのある部分には注意した。 実施例5 ママスタチンcDNAを発現ベクターにサブクローニングする ママスタチンcDNA挿入物であるpMammAを発現ベクターpcDNA3(イン ・ビトロゲン(In Vitrogen)にサブクローニングした。ママスタチンcDNA を実施例4に記載されたようにして入手したpMammAをBamHIおよびXhoI制限エン ドヌクレアーゼで消化することによって単離した。制限酵素はプラスミドをママ スタチンクローンインサートの末端で切断し、線形のプラスミド断片および線形 挿入断片を作成した。消化したサンプルを電気泳動装置中に沈めた1.2%アガ ロースゲルのウェル中に静置し、50Vの電流を2時間流した。電気泳動は、大 きなプラスミドDNA断片はゆっくりした速度でゲル上を移動する、大きさに基 づきDNA断片を分離する。2.4kbを含むアガロースゲルの一部をエチジウム ブロミド染色によって可視化し、ついでゲルを紫外線ボックスの上に置いて観察 した。2.4kbママスタチン断片をゲルから切り出し、ついで透析チューブに置 き、ついで該DNAをホウ酸トリスバッファーTBE(0.089Mホウ酸トリ ス、0.089Mホウ酸、0.002MEDTA)に電気溶出し、回収し、エタノール 沈殿した。 pcDNA3プラスミドDNAを修飾してライゲーション間のママスタチンcD NA断片を受容する。pcDNA3プラスミドをBamHIおよびXChoI制限エンドヌク レアーゼで消化し、完全に消化した後、そのDNAを子牛腸ホスファターゼの存 在下で1時間インキュベートして5'リン酸を除去する。pcDNA3サンプルをつ いでフェノール抽出し、エタノール沈殿する。 pcDNA3およびママスタチン2.4kbcDNA断片を一緒にライゲーション する。その2.4kbママスタチン断片および線形のpcDNA3プラスミドを3: 1の割合でT4DNAリガーゼの存在下で混合した。ライゲーション反応は1時 間陰キュベートした後4℃で終夜保存する。ライゲーション反応が完了した後、 そのデを使用して大腸菌コンピテント細胞をエピトープ基質転換する。サブクロ ーニングをアンピシリン選択コロニーからプラスミドDNAを精製することによ って証明した。そのプラスミドをBamHIおよびXhoI制限エンドヌクレアーゼで消 化した。消化したDNAサンプルをアガロースゲル上に置き、ついで電気泳動で 分離した。正確な大きさのママスタチンDNA断片を含むプラスミドをpMammBと 命名し、ついでアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Typ e Culture Collection(ATCC))に1996年2月22日に寄託し、付与された受領番号 はATCC97451号である。 実施例6 ママスタチンcDNA配列からのトランスフェクションおよびタンパク質の発現 Cos7細胞はママスタチンタンパク質と一緒に移動する免疫応答タンパク質を クノロジーズ(Life Technologies)、ベテスダ、(Bethesda)、メリーランド) を用いて、製造者の示唆されたプロトコールを利用してCos-7サル繊維芽細胞を トランスフェクションした。トランスフェクションした細胞を回収前2日間増殖 させた。トランスフェクションした細胞を標準的方法と用いて細胞のトリプシン 化によてプレートから除去した。(トリプシン2.5ml(0.25%シグマ)を37℃ で5分間細胞のフラスコ内でインキュベートした。RPMI培地に10%FBS(ウシ胎 児血清)を補給したものの7.5mlアリコートを加えて細胞を遠心によって回収 する。)細胞を血球測定計によって数え、107細胞/mlでSDS PAGEサンプルロ ーディングバッファー中で溶解した。細胞溶解産物を8〜15%のSDS-PAGE勾配 ゲル(バイオラド)上で分離し、ついでトウビンらJ.Clin Chem Clin Biochem( 1989年8月)27(8):495−501中に記載される方法を用いてナイロン膜 にトランスファーした。その膜を抗一ママスタチンモノクローナル抗体7G6でプ ロービングした。結合抗体をペルオキシダーゼコンジュゲートGAM−IgMで 検出し、ECL(アマシャム)によって発色させた。 図1に示すように、pMammB(レーンC、D)でトランスフェクションしたCo s-7細胞はママスタチンタンパク質(レーンA)と同時に移動する免疫応答性 のタンパク質を発現する。空のベクターPCDNA3単独でトランスフェクショ ンしたCos-7細胞はイムノブロット実験が行われる場合に免疫応答性のタンパク 質を発現しない(レーンB)。 DNA/AA配列 イムノブロット分析はpMammBクローンが、ママスタチンの大きさおよび免疫学 上の特徴を有するタンパク質を合成することができるcDNAインサートを含む 。さらに、44,49および53kDの免疫応答性のタンパク質をpMammBでトラン スフェクションしたCos7細胞において発現する。これらのタンパク質は以前に 正常ヒト乳房細胞中に同定したママスタチンと同じ分子量で移動した。この免疫 応答性タンパク質の群は、空のベクターpcDNA3でトランスフェクションした Cos-7細胞中に同定されなかった。 図1に示す特定のアッセイにおいて、NHMCコントロールは通常、44kD ママスタチンを大量に示す。これは標準的に4℃でNHMCの長期(>1年)保存 によって製造された人工産物であり、時間をかけて高い分子量の形態を破壊する ようになる。新鮮NHMCサンプル(<1年)または凍結サンプルが使用されると 、その44kDタンパク質はいつでも高分子量形態より少ない。 実施例7 GST融合 ママスタチンクローンは同様にバキュロウイルス発現系にサブクローニングさ れることができる。pMammAインサートをファーミンゲン(Pharmingen(サン・デ ィエゴ、カリフォルニア))から市販されており入手可能であるpAcG3Xにサブク ローニングされた。このベクターにより、コーディング領域のGST遺伝子上流の 一部を有するグルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)との融合タンパク質とし て、ママスタチンの製造を可能にした。 pMammAインサートをBamHI(5')およびSmaI(3')制限酵素認識部位、小さい 非特異的領域およびママスタチン配列の一部を含むPCRの調製セットによって、 サブクローニングした。プライマー3組は、各々はリーディング・フレームにお いて移動し、調製した。プライマーはpMammAクローンにハイブリダイズし、およ びpMammA鋳型DNAと典型的なPCR反応において、pAcG3X中のGST遺伝子のリ ーディング・フレームに挿入することができるpMammAPCR産物を増幅した。つ いでそのベクターを使用してHigh5(イン・ビトロゲン)宿主昆虫細胞をトラン スフェクションし、グルタチオン樹脂(グルタチオンアガロース、キアゲン(Qia gen)、チャッツワース(Chatsworth)、カリフォルニア)を用いて宿主昆虫細胞 から用意に精製したGST-ママスタチン融合タンパク質を発現する。 pAcG3X(ファーミンゲン、サンディエゴ、カリフォルニア)のBamHI、SmaI制 限部位に挿入するためのDNAを調製するため、プライマーのセットを3つのリ ーディングフレームを含むように、5'プライマーとしては、BamHI認識部位(GGA TCC)、pMammA配列の一部およびpBluescriptベクターからのいくつかの5'配列を 含むように調製した。該3'プライマーも同一で、SmaI認識部位(GGGCCC)、pMamm A配列の一部およびpBluescriptのいくつかの配列を含むように調製した。 使用したプライマーのセットを以下の表に示す。 *BamHI部位に下線を付す **SmaI部位に下線を付す 1つのプライマーのセットのみ(配列番号:6および8)が活性化阻害ママスタ チンをコードすることができるクローンを製造した。その活性化クローンは、Hi gh5を形質転換するために使用する場合、形質転換した細胞中で免疫学的に反応 性のママスタチンを製造した(図2参照)。 他の公知の真核生物発現系を同様にママスタチンタンパクを製造するために使 用してよい。 実施例8 イン・ビトロ転写および翻訳によって製造されたタンパク質による阻害アッセイ イン・ビトロでpMammB、ママスタチンcDNAの転写をストラタジーンのExpr ess RNA転写キットを用いてママスタチンRNAを製造した。製造されたRN Aをストラタジーン・イン・ビトロ・エクスプレス・翻訳キット(Stratagene I n Vitro Express translation kit)に翻訳した。ママスタチンRNAの翻訳か ら製造されたママスタチンタンパク質は培養中で乳房細胞増殖を阻害することを 示した。 MCF‐7細胞の培養を上記の翻訳アッセイにて製造したタンパク質産物で処理 した。タンパク質産物(容積の5%、培養培地)を1ウェル当たり1mlの培地を 含む12ウェルプレート中の細胞に添加した。平行実験の培養を翻訳産物および 抗−ママスタチン抗体3C6の両方で最終濃度30μg/mlで処理した。 陰性コントロールとして、培養物をママスタチンcDNA(すなわちベクター として採用)の不在下でインキュベートされたストラタジーン・イン・ビトロ・ エクスプレス・翻訳キットで翻訳したタンパク質産物で処理した。これらの溶解 産物はママスタチンタンパク質を製造する適当な機構を持たない。 すべての培養物はタンパク質産物で処理された後、6日間増殖させられ、各サ ンプルの細胞数をクルターカウンター(Coulter counter)を用いて計算した。 各培養条件は3つ同じサンプルを持ち、その結果得られた各サンプルの細胞数を 平均し、阻害%をコントロール細胞で処理された網状赤血球に比較することによ って決定した。 図3に示すように、pMammBのタンパク質翻訳産物はMCF-7細胞増殖を阻害した 。この阻害は、抗−ママスタチン抗体3C6の存在下で非常に減少されるか、また は阻害された。 実施例9 pMammBでトランスフェクションしたCos−7細胞を増殖して得られたならし培地 内に存在するタンパク質で乳房細胞を阻害する 乳房細胞の増殖阻害実験を、実施例6に記載するように、pMammBでトランスフ ェクションしたCos−7細胞から入手したならし培地を用いて行った。ならし培 地によって引き起こされる増殖阻害は、抗−ママスタチン抗体の添加によって阻 害された。 MCF−7細胞を10%可欠アミノ酸およびFBS(シグマ)を補ったMEM培地中で1 04細胞/mlでプレーティングした。細胞を終夜接触可能とし、ついでいずれか からならし培地(3日間培養)の10%の容量を補った:(1)空のベクターpc DNAでトランスフェクションしたCos-7細胞(陰性コントロール);(2)pM ammBでトランスフェクションしたCos-7細胞(pMammB-Cos);(3)MHMCな らし培地、または(4)ならし培地ではない培地である。平行のMCF−7細胞 の培養に30μg/mlの3C6阻害抗体を補った。処理したMCF−7細胞を6日間増 殖させて、ついで血球測定計によって計算した。 細胞増殖の阻害を、ならし培地中でインキュベートしたMCF-7細胞の増殖とコ ントロール、条件付けしていない培地中でインキュベートしたMCF-7サンブルッ クの増殖と比較することによって決定した。データを図4に示し、pMammB形質転 換した細胞からのならし培地は正常のヒト乳房細胞ならし培地と同様に有効に乳 癌細胞増殖を阻害した。この阻害は抗−ママスタチン抗体の存在下で阻害された 。 実施例10 3つの免疫学的に応答性の抗‐ママスタチンタンパク質 正常ヒト乳房細胞全体(NHMC)および組織培養細胞中の乳癌部位を溶解し、細胞 溶解タンパク質を上記のように、およびアービン(Ervin,Paul)1995、博 士論文、ミシガン大学第2章に記載されるようにSDS/PAGEによって分離された 。溶解したサンプルをミニ−プロテインII(Mini-Protean)装置(25μg/サン プル)で10%のSDS−PAGE上で分離した。タンパク質をニトロセルロースヘト ランスファーし、抗−ママスタチンモノクローナル抗体7G6またはIgMコントロ ール抗体、アルカリフォスファターゼコンジュゲートタンパク質、ヤギ抗−マウ スIgMは陽性の抗体の反応を色彩学的に検出するNBT/BCIP基質系とともに利用し た。そのデータを図5に示す。 図5に示すように、正常のヒト乳房細胞は抗−ママスタチンモノクローナル抗 体および第3の弱い免疫応答性の44kDタンパク質によって強く認識される。試 験した4つの腫瘍細胞株は44kD疫応答性タンパク質単独(レーン1、4)また は免疫応答性では全くないタンパク質(図2、3)のいずれかを発現した。 上記のデータは数年の期間をかけて42名別個の乳房薬物新生物の低減からの 正常細胞から得られる細胞における実験の見本である。正常細胞および癌細胞株 の44kDタンパク質の発現は各調製での強度によって変化する。 実施例11 ママスタチンはリン酸タンパク質である 乳房細胞の細胞性のリン酸化タンパク質を32P-リン酸(200μCi/ml)で 正常の乳房細胞培養中に24時間封入し32Pでラベリングした。ならし培地をア ミコン遠心により30kD分子量制限を用いることによって5倍に濃縮した。 濃縮された培地を濾過膜上でPBSにて1回漱ぎ、過剰な未取り込みリン酸を除 去し、PBSで溶出したS-200SEPHACRYL(ファルマシア、ウプサラ、スウェーデン )分子篩クロマトグラフィー(100cm×0.75cmカラムによって画分した。 イムノブロットを上記のように調製し、7G6抗体でプロービングした。 放射線標識した53kDママスタチンタンパク質を免疫沈降によってならし培地 中で同定した。この分析はママスタチンが分泌リンタンパク質であることを示唆 している。分離したリンタンパク質は一般に知られていないので、細胞のブレフ ェルディン(Brefeldin)A処理が利用されて、ママスタチンが分泌または細胞破 損または漏出によりならし培地中に存在するか否かを決定する。ブレフェルディ ンAは真核細胞からのタンパク質の分泌を阻害する菌化合物である。ブレフェル ディンAは正常の小胞体およびゴルジの機能を阻害し、ビヒクル形勢を阻害する (アービン・ポール、1995、学位論文、第25頁)。たいていの分泌タンパ ク質は膜結合ビヒクルからの細胞外の工程によって細胞から自由となり、ビヒク ル形勢を阻害することは多くのタンパク質のスクリーニングであった。NHMCがブ レフェルディンAの存在下で増殖する場合、リン酸化ママスタチンはならし培地 中に同定されなかった。 ママスタチンタンパク質中でリン酸化されるアミノ酸配列を決定するため、放 射線標識した53kDタンパク質をリン酸アミノ酸分析にかける。MHMC細胞を32P- リン酸と24時間インキュベートした。ついで、細胞溶解産物を抗−ママスタチ ン抗体7G6で免疫沈降し、以下のように精製した。その53kDタンパク質をトリ プシンで消化しついで、酸で脱水した。2次元の薄い層のクロマトグラフィーを 使用してママスタチンのリン酸化アミノ酸を分析した。32P-リン酸をホスホ−se r/thr/tyrコントロールで結合させ、ついで2DTLCプレート(20cm)の元元にロ ードした。そのサンプルを2次元で分けた:第1次元−pH1.9バッファー(5 0mlギ酸、156ml氷酢酸/2000ml(19741H2O))、20分1.5Kボルト 流し;時計回りに回転させる;第2次元−pH3.5バッファー(10mlピリジン 、100ml氷酢酸:1890ml H2O))、16分1.3Kボルト流し;時計回りに回転 させる。 TLCプレートをニンヒドリン染色し、フィルムに曝した。リン酸−アミノ酸分 析は53kDママスタチンタンパク質が3つの異なるタンパク質のリン酸アミノ酸 残基を燐酸化する3つの型を含み、リン酸アミノ酸標準で染色したニンヒドリン に対してのオートラジオグラフを含むことによって証明される。 トレオニン(Threonine(Th))は最も豊富なリン酸アミノ酸であり、続いてセリ ン(Serine S)およびチロシン(Ty)であり、チロシンが最も少ないリン酸化種で あった。しかしながら、リン酸アミノ酸残基の相対的な豊かさはそのままのタン パク質におけるものを代表するものではなくてよい。というのは、脱水はリン酸 チロシン残基を遊離させることができるからである。 実施例12 多様なリン酸化での1つのママスタチンタンパク質 タンパク質の細胞リン酸化はホスファターゼおよびキナーゼによって調節され ることができる。ママスタチンは、ママスタチンホスファターゼの異なる活性の ために、正常および腫瘍細胞溶解産物中で別々にリン酸化される。NHMC溶解産物 中のママスタチンヘ及ぼすホスファターゼの効果を試験した。 NHMCを低カルシウム培地中でコンフルエンスに達するまで増殖させTBS中にこ そぎとることによって回収する。細胞をTBSで洗浄し、2mg/mlの正確にpH6.6 のバッファーに0.5%のTritonX−100を加えて再懸濁した。5μg/mlのイェ ルシニアホスファターゼ(Yersinia phosphatase)(YOP)(スタッキー(Stuck ey)ら、Nature 370:571-5(1994))または活性化部位を含むイェルシニアホスフ ァターゼ変異体(MYOP)を使用して、37℃で6時間細胞溶解産物を消化した(Y OPおよびMYOPはミシガン大学、生化学研究室のディクソン(S.Jack Dixon)博士 より入手)。図6に示すように、正常ヒト乳房細胞様怪物のイェルシニアホスフ ァターゼ(YOP)での消化は抗−ママスタチンイムノブロットによって同定され た53kDママスタチンタンパク質の減少した量となる(レーンA)。対照的に、イ ェルシニアホスファターゼ変異体(MYOP、レーンB)での消化は53kDのママス タチンタンパク質の同定を変化させない。このような結果はイムノブロットによ る53kDママスタチンタンパク質の同定がママスタチンタンパク質のリン酸化の 状態の便利な測定であることを示す。 イェルシニアホスファターゼ(YOP)の存在下でインキュベートしたならし培 地をMCF-7を処理するために使用した。以前の観察のように、NHMCならし培地はM CF-7細胞の増殖を阻害し、ついでこの阻害は抗−ママスタチン抗体におよって妨 害される。図7に示すように、YOPによりNHMCならし培地はこの阻害活性を廃止 させる。コントロールとして、NHMCならし培地のホスファターゼ活性(M.YOP) を欠如したYOP変異体処理が試験された。この変異体はNHMCならし培地の阻害活 性に影響は全く及ぼさない。抗−ママスタチン抗体7G6でならし培地の免疫沈 降はその阻害活性を除去した。 TCA沈降はYOPでならし培地のインキュベートが約50%の未取り込みのリン酸 を除去することを示した。上記に示すように、YOPはまたNHMC溶解産物からの5 3kD種を除去する(図6)。 実施例13 癌性乳房細胞ではなく、正常乳房細胞により製造されたリン酸化ママスタチン 正常かつ形質転換した乳房細胞を32Pオルトリン酸で標識した。癌腫細胞株を ATCCの示唆どおりに培地中で増殖させ、MEM(セロックス(Cerox)中で 増殖させ(10%FBS、可欠アミノ酸およびインスリン(10mg/l)を補っ て)、MCF−7細胞は別にした。細胞タンパク質の32Pオルトリン酸方式を2 %の透析したFBSを含む無リン酸DMEM(ICN)中で行った。細胞を200μCi/ml 37℃で24時間インキュベートした。48時間後、ならし培地を四阿坊培養液 から回収し、5倍に濃縮させた。ならし培地をTBSで洗浄し、ついでアミコン・ フィルターで10kDの分子量を減らして濃縮した。その細胞総をこそぎとり(プ ロン細胞スクレーパー使用)、溶解バッファー、細胞溶解産物およびならし培地 から1.5ml/フラスコ(0.5%Toriton X-100、デオキシコレータで2.01% SDS)にこすりとる。 ママスタチンタンパク質を5倍の濃度の培地または細胞溶解産物500μlあ たり5μgの7G6抗−ママスタチン抗体を加えることによって免疫沈降し、室温 で1.5時間インキュベートする。ヤギ抗‐マウスIgM第2抗体(5μg/0.5ml) を加え、ついで混合物をさらに1時間インキュベートした。タンパク質GPLUS/Aア ガ ついで外混合物を室温で1.5時間インキュベートして抗体複合体を固定する。 複合体を溶解バッファーで6開洗浄し、各回の洗浄ののち3000×gで遠心 する。SES-PAGEローディングバッファー(50μl)を加えた後、サンプルを1 00℃で3分間加熱する。上清をSDS−PAGEにて分解し、ニトロセルロー スにトランスファーし、さらにコダックX−ARフィルムに露光する。 NHMCタンパク質のリン酸ラベリングおよび続く免疫沈降は、NHMC中の 49kDおよび53kDリンタンパク質を同定した。癌腫細胞株MHC−7、T 47D、ZR−75−1およびMDA−MB−435は44kD免疫応答性タンパ ク質を発現するが、このタンパク質は32P−オルトリン酸で標識しなかった。 本実験はママスタチンの分子量を増加させるのに多大に取り込まれるリン酸を 示す。形質転換した細胞中のママスタチンのリン酸化の欠如はそのタンパク質の 高分子量形態の欠如およびママスタチン阻害活性の欠如に相関する。 実施例14 ママスタチンキナーゼおよびホスファターゼ 正常細胞または癌腫細胞のフラスコを75%のコンフルエンスに達するまで増 殖させた。細胞培養物をTBSで3回洗浄し、ついでテフロンスクレーパーを用いて TBS中にこそぎ入れた。細胞懸濁液を1000gの遠心でペレット化し、ついで 少量のTBS中に再懸濁した。各型の細胞のアリコートをタンパク質定量のため、 除去した。ついで、タンパク質濃度は溶解バッファー(0.5%TritonX−100 および、各々にアプロチニン(aprotinin)5μg/ml、ロイペプチンおよひアM SFを加えたTBS)2mg/mlで平衡化した。正常細胞タンパク質および腫瘍細胞タ ンパク質の等量を混合し、37℃で3時間インキュベートした。正常および癌腫 細胞の平行混合を10nMオルトバンデート(Orthovandate(NaVO4))、ホスファ ターゼインヒビターの存在下で行った。ついで混合物をSDS/PAGEにより 分離し、7G6抗体を用いてウエスタンブロットによって分析した。そのデータ を図8に示す。 図8に示すように癌細胞(ZR−75−1)(レーンA)はNHMC(レーン B)に比較して、53/49kDママスタチンを製造しなかった。正常細胞タンパ ク質および癌細胞タンパク質をプロテイナーゼの存在下で混合することによって 活性化53kDインヒビター(レーンD)の量が減少する。しかしながら、チロシン ー−ホスファターゼインヒビター(NaVO4)の存在下で、53kD種は混合物(レーン C)中に保有されている。これらの結果は癌腫細胞はママスタチンのリン酸化形態 を排除することができるホスファターゼ活性を発現することを示している。 正常細胞株および形質転換株のママスタチンの発現はウエスタンブロット分析 ンいより定量化されることができる。抗−ママスタチンモノクローナル抗体を用 いて、乳癌細胞および正常乳房上皮からの細胞間のタンパク質の発現に矛盾しな い差異が存在することを示していた。ママスタチンは、抗−ママスタチンモノク ローナル抗体7G6でウエスタンブロット分析によって44、49および53kD種 がヒト正常女性乳組織中に認識された。乳癌細胞において、44kD種の認識につ いて矛盾があるが、49または53kD免疫応答性形態の認識はない。49および 53kD形態を正常細胞中で同定すると、それらはリン酸化されている。44kD種 はリン酸化されていない。従って、ママスタチンがママスタチンの44および4 9および53kD種の発現を観察することによってリン酸化されているか否かの決 定のためにイムノブロット分析を使用することができる。 実施例15 ヒト血清中でのママスタチンの同定 酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を精製抗−ママスタチンモノクローナル抗 体である6B8および3C6を用いて、ママスタチンの検出のために確立した。 抗体6B8を使用して、10μg/mlまたは100μl/ウェルの濃度で、室温 で3時間または4℃で終夜、イムロン1(Immulon 1)96ウェルマイクロタイ タ-プレート(イムロン社)をコートするために使用した。プレートをTBS(15 0mM NaClmMのトリスpH7.4)中での2%BSA(シグマ)で30分間停止させ、つ いで精製したμlまたは2%BSA溶液に50%に希釈したサンプル血清とともに 37℃で1.5時間インキュベートした。マイクロタイタープレートをTBS、0.1Tri tonX-100を第2抗体に加えて300μl/ウェルで5分間ずつ、3回洗浄した 。 第2抗体はビオチン化した3C6であった。抗体は、0.1MのNaHCO3中でビオ チン、N−ヒドロキシコハク酸エステル(N-hydroxy succinimate ester)(シ グマ)と室温で2時間または4℃で16時間インキュベートすることによってビオ チン化する。抗体を使用の前または保存前に、1MのNaCl、50mMのトリス(p H7.4)、0.02%のアジ化物(NaN3、シグマ)に透析した。 ビオチン化した抗−ママスタチン抗体を1μg/mlで2%BSA/TBS溶液中で1 00μl/ウェルに添加し、37℃で1.5時間インキュベートした。マイクロ タイタープレートを上記のようにTBSと0.1%TritonX-100の混合物で5分間で5回 洗浄した。第2抗体をアルカリホスファターゼコンジュゲートストレプトアビジ ン(サザン・バイオテクノロジー(Southern Biothechnology))で同定し、つ い ですべてのサンプルについて100μl/ウェルで2%BSA/TBS中で1/100 0希釈で1時間インキュベートした。 ELISAアッセイをPNPP(パラニトロフェニルホスフェート、シグマ)をア ルカリホスファターゼバッファー(10mMジエタノールアミンpH9.5(シグマ )、0.50mMのMgCl2(シグマ))中で1mg/mlにて側色的に進行させた。マイ クロタイタープレートを15分間および30分間隔で405nmでELISAリー ダー上で読みとる。 細胞溶解産物またはならし培地から単離したクロマトグラフィーを使用して精 製したママスタチンを用いてELISAのための標準曲線が確立し、低いナノグ ラム範囲でママスタチンのアッセイの感受性を示す(図9参照)。正常ヒト志願 者血清中のママスタチンレベルの定量は、志願者から1ヶ月に2日の間隔で血清 サンプルを回収する。正常ヒト女性血清のママスタチンレベルをこのアッセイに よって検出可能であり、約10〜50μg/ml間(図10)で変化する。 ママスタチンレベルもまた、乳癌患者から採取した血清中で測定される。ミシ ガン大学胸部ケアセンターで節陰性(node negative)乳癌と診断された患者は 、処理の経過を通して、血清中のママスタチン発現について検査した。そのデー タを図11に示し、以下にまとめた。血清サンプルを乳癌患者からホルモン周期 に関する処理の全経過間で回収し、モダリティープロトコールとサイトトキシン 、アドリアマイシン、メトトレキセート、5Fuを組み合わせた。血清を遠心によ り凝血後、全血から分離し、使用まで−20℃で保存した。0.5%NFDM中50 %の納殿150μlの血清を用いたELISAアッセイを、酵素結合した「サンドイ ッチ」アッセイにて6B8および3C6抗−ママスタチン抗体を用いて2回行った。 クロマトグラフィーによって精製したママスタチンで標準曲線を作成し、図9に 示す曲線と比較した。 ママスタチンの発現は、患者後とに変わり、処理経過間で上下した。ママスタ チンレベルは転移性疾患への進行に一致して観察される。 乳癌と診断された患者の血清中の診断時ママスタチンレベルは、正常患者血清 中のレベルと比較して低い。ママスタチンレベルは、一般に、ホルモン周期、ア ジュバント化学療法プロトコールに応じて高い。ママスタチンのレベルは、この プロトコールにより上下する。ママスタチンレベルは死より前の進行した疾患を 罹患している患者中では検出されない。患者のデータを以下の表に示すように4 つの群に分類した。 I. 血清ママスタチンレベルが治療期間中上昇し続ける患者の群 II. 血清ママスタチンレベルが治療の最初は増加するが、ついで 検出不可能になる患者の群 III. 血清ママスタチンレベルが治療期間に上昇するが、ついで広 く変動する患者の群 IV. 治療で検出不可能であった血清ママスタチンレベルを保有す る患者の群。 患者の血清中のママスタチンレベルのまとめ 実施例16 ママスタチンのイン・ビボでの効力 CD−1Nu/Nu同種の雌性、6週齢マウス(チャールズ・リバー(Charles River) )に徐放性ペレット、0.72mg/ペレットで17βエストラジオールの60日 間放出(イノベーティブ・リサーチ(Innovative Rsearch)#SE-121)を用いて エストロゲンを補給した。エストロゲンを補給したマウスに60%マトリゲル中 に100μlの注入あたり、3×106MCF-7を注入した。2回の注入がおこなわ れ、それぞれわき腹に注入された。腫瘍細胞増殖の7日後、ママスタチンを投与 した。試験マウスは6週間に2日の間隔で製造培地中にママスタチンの1,2、 または5μgを受けた。コントロールマウスはBSAを投与されるか、または腫瘍 を注入されないかインヒビター単独を注入された。 腫瘍の大きさを1週間ごとに最大直径の点で測定し、処理群に関して平均した 。その結果を図13A-13Cに平均直径±標準偏差としてサイズプロットにより示 した。 本動物実験をMDA-231腫瘍細胞を用いて反復した。細胞をMCF-7細胞に関し て上記のように注入1回あたり2×106細胞で注入した。 その結果を図14A〜14Cに示す 示された結果は期待されるほどではなかった。動物は尾の静脈に注入を受け、 必要な血液容量より少ない結果となった。腹腔内注入を用いた続く実験は一層有 効な処理という結果をもたらした。5μg/マウスの用量およびそれより多い用 量で腫瘍増殖が廃止される。 実施齢17 ママスタチンのレトロウイルス発現 ママスタチンcDNA(2.4キロベース(kb)のインサート)をレトロウイ ルス発現ベクターにサブクローニングされた。そのベクターを使用して、3T3 繊維芽細胞をトランスフェクションした。トランスフェクションした細胞を回収 し、溶解し、ついでその細胞溶解産物をウエスタンブロットで分析した。 図12に示すように、ママスタチン運搬レトロウイルスにてトランスフェクシ ョンされた3T3細胞はリン酸化したママスタチンを発現した。上記の明細書、 実施齢およびデータはその製造物の完全な記載および本発明の組成物の使用につ いての完全な記載を提供する。本発明の多くの態様は本発明の精神および範囲か ら逸脱することなく構成されるので、本発明は以後付記された請求の範囲に属す る。 実施齢18バキュロウイルスおよびCos7細胞におけるママスタチン発現 図16Cos−7サル腎臓細胞中の組換えママスタチンの製造 イムノブロット分析:細胞溶解産物を7G6抗−ママスタチンモノクローナル抗 体でプロービングした。A)25μg、NHMC−20、正常ヒト細胞溶解産物( コントロール)、B)25μg、Cos−7細胞溶解産物、pcDNA3(コントロ ール)でトランスフェクション、C)10μgCos-pMammB細胞溶解産物、pcDN A3/ママスタチン構築物でトランスフェクション、D)20μgCos−pMammB細 胞溶解産物。 要約:Cos−7細胞中の組換えママスタチン発現の導入は、ママスタチン遺伝子 が真正ママスタチンをコードすることを示している。さらに、Cos−7細胞がそ のタンパク質リン酸化に関係するママスタチンの異なる形態を発現するという観 察は、ママスタチンがリン酸化され、かつヒト乳房細胞以外の真核細胞にて製造 される場合に活性であることを示唆する。安定したトランスフェクションは組換 えママスタチンの永久的な合成を可能にするように選択される。 実施例19 培養中における正常ヒト乳上皮細胞によるママスタチンの製造 健常な乳組織を無菌の手術室での直接修正乳房形成術から入手した。その組織 をIII型コラーゲン(ライフ・テクノロジーズ、ベテスダ、メリーランド)1g 当 たり4単位を含む溶液中に薄層流出フード(Laminar Flow hood)中で、無菌状 態で微細分した。微細分した組織を終夜振盪ウォーターバス中で37℃にてイン キュベートし、コラゲナーゼ消化させた。 コラゲナーゼは乳組織を消化し、多様な細胞型および脂肪細胞中から放出され た脂肪を含む粘性液体を、遠心によって液体、水性溶液、および他の細胞型を分 離した。そのコラゲナーゼ−消化物質を卓上遠心機で1000rpmにて室欧で約 5分間回転させた。脂肪細胞および遊離脂肪は、遠心チューブの分離は、呼吸お よび廃棄によって退行された。上記細胞ペレットに位置する水性伝説はまた、呼 吸および潜在によって取り下げられた。残る細胞ペレットを無菌のママスタチン 増殖培地であるDMEMpH7.4で洗浄した。洗浄を上清がもう濁っていないという ところまで(例えば、約4回の洗浄)続けた。その洗浄した細胞を増殖培地中に 再度懸濁させ、40℃で30分間重力によって安定させることができた。赤血球 細胞を除核し、有核上皮細胞より低い密度であるため、この手続は赤血球細胞を 含む上清を取り除くことによって、堆積した上皮細胞からの赤血球細胞の除去と いう結果となる。この沈降手段を細胞ペレットに赤い色が残らなくなるまで、例 えば約2回、再懸濁する。残る細胞ペレットを5%エキン血清(Equine)、10 μg/mlの上皮増殖因子、100ng/mlのコレラ毒素、500ng/mlのヒドロコ ルチゾン、10μg/mlのインスリン、100単位/mlペニシリンおよびストレ プトマイシン、および1mM塩化カルシウムを含む栄養素が豊富なDMEM/F12増殖 培地中に再懸濁した。生理的濃度のカルシウムにより細胞接着および細胞培養中 の増殖を促進する。細胞懸濁液を5%CO2濃度で37℃にて無菌組織培養フラス コ中でインキュベートする。 正常乳組織の最初の培養は混合細胞集団を含む。脂肪細胞、ニューロンおよび 血管組織は上記の遠心分画工程によって有意に減少させられる。結合組織細胞は 有意な量で存在する。上皮細胞でない細胞を除去するために、勾配接触法が使用 された。繊維芽細胞、ニューロンおよび乳組織における他の細胞型はすべて上皮 細胞より一層迅速に組織培養形成に接触する。さらに、これらの細胞型のすべて を組織培養造形から上皮細胞より迅速にトリプシンによって除去する。乳組織細 胞のための培養を豊富にするために、単層を形成し始める培養(最初のプレーテ ィングの後5〜7日)はトリプシン:EDTA(250:1(モル比))で処理され た。細胞の大多数は、37℃で5分以内のインキュベーション中で除去された。 残った接触細胞は90%より多くが上皮乳細胞であった。これらの細胞は生かさ れ、上記の増殖培地に40μMの塩化カルシウムとともに戻された。繊維芽細胞 をトリプシン化した培養フラスコから除去し、ついで37℃で30分間組織培養 プラスティックにプレーティングした。接触した細胞は繊維芽細胞が優勢であっ た。接触しなかった細胞を有意に繊維芽細胞(50〜80%)に関して豊富であ った。これらの懸濁細胞を除去し、新鮮組織培養フラスコに落ち着かせることが できた。この工程を2回繰り返し、優性なものが上皮細胞となるような細胞集団 を得た。コレラ毒素は、上皮細胞増殖を促進さえ、かつ繊維芽細胞の増殖を阻害 し、繊維芽細胞がカルシウムが減少した中ではそれほどよく増殖しないので、そ の培養物は、上記のように低カルシウム培地中で1週間以内で約100%の上皮であ った。これらの正常ヒト乳細胞(NHMC)の培養物は、培養培地中にママスタチンを 製造した。 NHMCを増殖させるために使用した栄養培地は、5%エキニン血清を含み、ヒト 注射には適さない。エキニン血清タンパク質はママスタチンタンパク質から精製 されるか、または無血清培地中での細胞増殖から精製されなければならない。正 常細胞は、7〜10日間で無結成で維持されるのみでよい。無血清ママスタチン の有意な量を長く製造するために、細胞が無血清培地および血清を含む培地で交 代で増殖される。 NHMCを上記のように増殖培地中で、完全なコンフルエントに達するまで増殖さ せた。その細胞は、細胞がフラスコの利用可能な表面を覆う時、増殖するにつれ て溶液中で出芽した。出芽細胞を回収し、ついで新しいフラスコにトランスファ ーした。コンフルエントに達したフラスコを、血清タンパク質を除去するために 洗浄の間に5分食塩水インキュベートして、無菌食塩水で3回漱いだ。ついで細胞 を血清、コレラ毒素およびヒドロコルチゾン欠如した本質的に増殖培地である無 血清「製造培地」を提供された。細胞を約4日(96時間)、培地の回収と共に製 造培地で維持され、少なくとも4日間増殖培地に細胞を戻すした。このように製 造された典型的な一段のママスタチンのの大きさは、1〜21であった。 ママスタチンはまた、バイオリアクター(Bioreactor)中、(バイオフロー・ 3000(Bioflow 3000)、ニュー・ブランズウイック・サイエンテイフイック (New Brunswick Scientific)で製造した。この潅流反応において、細胞を組織 倍腸処理した繊維細胞ディスクに接触させた。細胞接触ディスクを応答血管中の バスケットを維持し、培地で潅流した。NHMCをリアクターに導入され得る場合、 それらは繊維細胞ディスクを集め、および培地の潅流によって栄養を与えられる 。ならし培地をリアクターかから回収し、冷凍する。 実施例20 ママスタチンのドット・ブロット・血清アッセイ 25歳齢の健康な女性の結成を入手し、ついで乳癌患者(第IV段階)からの血 清、患者の姉妹で診断されていない者、患者の母親と比較した。その家族は乳癌 の家系であった。その血清サンプルをママスタチンの存在下でのイムノアッセイ に比較した。診断の日に採取した多発乳癌患者血液サンプルはまた、イムノアッ セイにおいて分析された。正常なヒト乳細胞(NHMC)ならし培地を標準コントロー ルとしてし様した。標準的なNHMCママスタチンは、ママスタチンタンパク質標準 クロマトグラフィーによる精製により決定したように約50ng/mlを含む。 個々の血液サンプルを血管に回収し、ついで全血から血清を分離した。血清サ ンプル(250または500μl容積)を希釈なしに96ウェル(S & S Dot-Bl ot manifold)を用いて吸引によってニトロセルロースにアプライした。ならし 培地を実施例19のように調製した。ニトロセルロースフィルター上のサンプル をTBS中のTriton X-100で洗浄し、脱脂粉乳(TBS中5%)で停止し、5%の脱脂 粉乳中で第1抗−ママスタチン抗体(7G6マウスIgM)1μg/mlと一緒に、室温 で1.5時間インキュベートした後、5%の脱脂粉乳中で第2抗体(アルカリホス ファターゼにコンジュゲートしたヤギ抗−マウスIgM)1μg/mlと一緒に、室温 で1時間インキュベートした。アルカリホスファターゼ発色反応は、ニトロブル ー−テトラゾリウム(nitrobler-tetrazolium)およびBCIPを用いて進行させた 。 図13に示すように、サンプル中のママスタチンの量は正常乳細胞ならし培地 から入手した標準曲線に対して定量した。健康な女性から得た血清は暗く色付け たブロットによって示されるように、容易に検出可能な量のママスタチンを含み 、 一方、乳癌と診断された患者の結成および診断されていない家族からは殆ど、ま たは全くママスタチンが示されなかった。 別のサンプルを診断の日に患者から、乳癌患者の家族の健康なメンバーからお よび健康な女性及び男性から入手した。血清を上記のように加工してママスタチ ンを分析した。ドットブロットは「陰性または低い」または「陽性または高い」 として評価され、発色反応の強度を示した。データを以下の表に示す。 実施例21 ヒト乳癌患者の治療 29名の再発した失敗した第IV段階の乳癌患者、または化学療法に失敗した患 者にママスタチンタンパク質を投与した。そのタンパク質を上記の実施例19に 記載したように製造し、ついで3mlの注入容積に必要とされる用量にて、製造培 地中で提供した。患者は処方された方法に従って、そのタンパク質を静脈内投与 された。概して、1日量を注入した。選択された用量患者の血流内のママスタチ ンの生理学的な量(例えば、健康な女性で5〜50ng/ml)を提供する。各患者の 用量および頻度は以下の表に示すとおりである。 *死亡した患者** 本療法をやめた患者# 死亡前黄痘症状に改善が見られた証拠あり 29患者の群のうち、6名が後期段階の肝臓疾患を有しており、生存できなか った。これらの6名の患者はママスタチン受領前の肝臓機能不全の臨床的証拠を 示し、治療によって助からなかった。1名の患者は肝臓機能不全以前に黄痘を減 少させる徴候を示したが、全6名のこれらの患者は進行した肝臓癌を有する患者 に一般的な窒素毒素により死亡したようであった。 残りの患者は、その疾患により2名が死亡した。1名はママスタチン治療の2ヶ 月後に疾患のない状態であったようであった。この患者はコントロール下に決し て戻らず、彼女は肝臓に関する疾患で死亡した。これらの後の2人の患者にける ママスタチンの投与は10倍に増加したが、第2の患者は治療の4ヶ月後に、治療 に対する応答を全く示さずに死亡した。 現在ママスタチン療法を受けている19名の患者のうち、多数は陽性の利益の 徴候を示し、逆の応答の徴候は全くない。これらの患者のうちの3名がママスタ チンの利益を受けているのか同かは不明である。他の16名の患者は正常レベル まで腫瘍マーカー(CA15−3およびCA27-29)レベルが減少し、触診できる 腫瘍の大きさが減少し、MRIスキャニングに証明されるような疾患の衰退およ び痛みの減退を含む利益の明らかな臨床的徴候を示している。これらの患者の数 人は、疾患が無くなったと考えられるとの点に改良を示す。しかしながら、3日 〜5日の期間の患者の否定するタンパク質が疾患の徴候を全く示さない患者でさ え、痛みを増加することによって証明されたような疾患の活性の再生というけっ かとなることがしっかり観察された。タンパク質治療の再生は2〜4時間な内の 増大した痛みの徴候の排除を減少させる。 血中のママスタチンレベルが長期の治療の後に衰退する、すなわち負のフィー ドバックシステムを示唆するものも観察されている。血中レベルにおける一定の この衰退は、約28日毎日ママスタチンを投与し、のち2〜3日タンパク質を投 与しないことによってうまく回避できる。 実施例22 ヒト治療のための組換えママスタチン 組換えママスタチンをCos-7サル腎臓細胞、チャイニーズハムスター卵巣細胞( CHO)およびSf9昆虫細胞中にママスタチンcDNA配列を含むプラスミドを有 する細胞をトランスフェクションすることによって製造した。ママスタチンcD NAを安定してこれらの製造細胞株のゲノムに組み込み、増殖阻害活性に免疫応 答してタンパク質を分泌する。 これらの細胞からママスタチンを製造し、ヒトに使用するためのタンパク質を 単離するために、細胞株を無血清培地中で約48〜72時間増殖させる。培地を 取り除き、タンパク質をならし培地から精製し、トリスバッファー(pH7.5) 中でイオン交換クロマトグラフィーによるか、またはママスタチン画分を収集す る0.1M〜約0.5Mから塩化ナトリウム濃度勾配を用いて約0.2Mのいずれかによって 精製した。タンパク質画分をついで生理食塩水に対して透析し、必要であれば透 析し、ついで濾過滅菌する。 別法において、ママスタチンはCos7またはSf9細胞中で融合タンパク質として 製造される。融合タンパク質はヒスチジンタグ(6ヒスチジン残基)およびX因 子プロテイナーゼ開裂部位を含む。ママスタチン発現細胞を培養し、好ましくは は1%の血清含有培地中で培養し、ならし培地を回収し、白金キレート樹脂を通 す。His-融合タンパク質はカラムに接着し、50mMのトリス(pH7.5)、0.1MN aClで洗浄し、ついでゆっくりとNaCl含有10単位/X因子プロテイナーゼを含む トリスにて洗浄する。ママスタチンは、His-融合から遊離する。ママスタチンは 上記のように分子篩クロマトグラフィー、またはイオン交換クロマトグラフィー によって分離する。 表1 ママスタチンDNA配列*ヌクレオチド85での開始コドンATG ヌクレオチド2091での終止コドンTAG
【手続補正書】 【提出日】平成12年7月21日(2000.7.21) 【補正内容】 (1)請求の範囲を別紙の通り補正する。 (2)明細書の第3頁最下行、第8頁12行および第12頁10行にある 「(配列番号:2)」を削除する。 (3)同第19頁4行にある「配列番号:3」を『配列番号:2』と補正する。 (4)同第19頁6行にある「配列番号:4」を『配列番号:3』と補正する。 (5)同第19頁9行にある表を以下のとおり補正する。 (6)同第24頁19行にある表中の「配列番号:5」を『配列番号:4』と補 正する。 (7)同第24頁19行にある表中の「配列番号:6」を『配列番号:5』と補 正する。 (8)同第24頁19行にある表中の「配列番号:7」を『配列番号:6』と補 正する。 (9)同第24頁19行にある表中の「配列番号:8」を『配列番号:7』と補 正する。 (10)同第24頁下から5行にある「配列番号:6および8」を『配列番号: 5および7』と補正する。 (別紙) 請求の範囲 1.pMammB、ATCC受託番号第97451号のヒト核酸配列インサートのコー ディング配列を含む実質的に精製し単離した核酸組成物。 2.請求項1に記載のDNA配列によりコードされるアミノ酸配列を含む実質的 に精製し単離したタンパク質。 3.請求項1に記載の核酸配列から製造される組換えタンパク質。 4.請求項1に記載の核酸配列のコーディング配列を含むプラスミドまたはベク ター。 5.請求項1に記載の組成物を含むママスタチンの決定用診断キット。 6.抗ママスタチン抗体およびママスタチン標準を含むママスタチンの決定用診 断キット。 7.請求項2または3に記載のタンパク質を含む医薬組成物。 8.ママスタチンタンパク質の存在に関して患者の血液または組織を分析し、つ いで、正常コントロールに比較したママスタチンの不在または減少を乳細胞癌腫 に相関させることを含む、乳細胞癌腫を診断またはモニターする方法。 9.該分析が患者のサンプル中に53kDa、49kDaおよび44kDaママスタチン の存在または不在を決定することであり、該相関が正常コントロールに比較した 53kDaまたは49kDaママスタチンの不在または減少を乳細胞癌腫の存在と相関 させることである請求項8に記載の方法。 10.おおよそのサイズが53kDa、49kDaおよび44kDaであるママスタチン の3つの分子量形態の存在に関して患者の体液または組織の生物学的サンプルを 分析し;ついで 正常なまたは以前の患者のサンプルコントロールと比較した53kDaまたは49k Daまたは44kDaのママスタチンの量の減少を、機能的ママスタチンの減少量と 相関させる工程を含む、ヒト患者における機能的なママスタチンのレベルをモニ ターする方法。 11.乳癌の治療用医薬の製造における乳細胞の増殖を抑制する量のママスタチ ンの使用。 12.該ママスタチンが請求項1に記載の組成物によってコードされるものであ る、請求項11に記載のママスタチンの使用。 13.該ママスタチンが請求項2、3または7に記載のものである、請求項11 に記載のママスタチンの使用。 14.初期転移疾患の治療のための高投与量の処方である、請求項11に記載の ママスタチンの使用。 15.インビボでのママスタチンの治療学的有効量を維持するための維持投与量 処方である、請求項11に記載のママスタチンの使用。 16.フィードバック阻害を誘発せずにママスタチンの治療学的有効量を連続的 に維持するための維持投与量処方である、請求項15に記載のママスタチンの使 用。 17.28日間の連続的な治療の後に3日間の治療欠如を行うために治療学的有 効量を維持するのに充分なママスタチンの投与量である、請求項16に記載のマ マスタチンの使用。 18.ヒト乳細胞の増殖を抑制するための医薬の製造における増殖抑制量のママ スタチンの使用。 19.ヒト乳癌細胞の増殖を抑制するためのものである、請求項18に記載の使 用。 20.該ママスタチンが請求項2、3または7に記載のものである、請求項18 に記載の使用。 21.該ママスタチンが請求項1に記載の配列によりコードされるものである、 請求項18に記載の使用。 22.請求項1に記載のDNA配列にハイブリダイズするかまたは該配列に相補 的であるプローブ。 23.配列番号:2を有するペプチドをコードするDNA配列にハイブリダイズ する、請求項22に記載のプローブ。 24.配列番号:3を有するペプチドをコードするDNA配列にハイブリダイズ する、請求項22に記載のプローブ。 25.請求項1に記載のDNA配列にハイブリダイズするプライマー。 26.配列番号:5または配列番号:7のDNA配列を有する請求項25に記載 のプライマー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 14/47 C07K 16/18 16/18 C12Q 1/68 A C12Q 1/68 G01N 33/53 D G01N 33/53 33/574 A 33/574 A61K 37/64 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CU,CZ,CZ,DE,DE,D K,DK,EE,EE,ES,FI,FI,GB,GE ,GH,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG, KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,L U,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO ,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG, SI,SK,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,UZ,VN,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.配列番号:1の核酸配列のコーディング配列を含む実質的に精製しかつ単離 した核酸。 2.配列番号:2アミノ酸を含む実質的に精製しかつ単離した核酸。 3.請求項1に記載の核酸配列から製造される組換えタンパク質。 4.請求項1に記載の核酸配列のコーディング配列を含むプラスミドまたはベク ター。 5.請求項1に記載の組成物を含むママスタチンの決定用診断キット。 6.抗−ママスタチン抗体およびママスタチン標準を含むママスタチンの決定用 診断キット。 7.請求項2に記載の組成物を含む医薬組成物。 8.pMammB、ATCC受託番号第97451号のヒト核酸配列インサートを含む 組成物。 9.ママスタチンタンパク質の存在に関して患者の血液または組織を分析し、つ いで、ママスタチンの不在または減少を正常コントロールに比較し、乳癌細胞に 相関させることを含む乳細胞癌腫の診断またはモニタリングの方法。 10.該分析が患者のサンプル中に53kDa、49kDaおよび44kDaママスタチ ンの存在または不在を決定し;および 該相関が53kDa、49kDaママスタチンの不在または減少を正常コントロールに 比較し、乳癌細胞の存在と相関させることである請求項8に記載の方法。 11.約53kDa、49kDaおよび44kDaママスタチンを有するママスタチンの 3つの分子量形態の存在に関して患者の血液または組織の生物学的サンプルを分 析し;および 約53kDa、49kDaおよび44kDaママスタチンの量の減少を正常または患者の サンプルコントロール以前に、機能的ママスタチンの減少量と相関があるかどう かの工程を含むヒト患者における機能的なママスタチンのレベルのモニター法。 12.乳細胞増殖抑制量のママスタチンを患者に投与する工程を含む乳癌の罹患 者の治療法。 13.該投与工程がイン・ビボにおいてママスタチンの治療上有効なレベルを維 持するために繰り返される請求項11に記載の方法。 14.該細胞をママスタチンの増殖抑制量を投与することを含むヒト乳細胞の増 殖の抑制方法。 15.該ママスタチンが請求項1に記載の組成物によってコードされる請求項1 1に記載の方法。 16.該ママスタチンが請求項2に記載の組成物を含む請求項11に記載の方法 。 17.該ママスタチンが請求項7に記載の組成物を含む請求項11に記載の方法 。
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