JP2001502057A - 液滴を移送するための器具およびそのような器具を用いた液滴の移送方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 器具（１，３）が所定の空間分布にしたがって配列された液滴（２ｉ）の移送用に設計されている。この器具は、糸状支持体（１）の端から端に及ぶ枠（３）に取り付けられた少なくとも１つの支持体を備え、この支持体はその長さに亘り所定の分布にしたがって分布された、液体により湿潤可能な複数の区域を有し、これら湿潤可能な区域が支持体（１）の湿潤不可能な部分により互いに隔てられている。細胞培養または生物学的分子への試験に適応される。

Description

【発明の詳細な説明】 液滴を移送するための器具および そのような器具を用いた液滴の移送方法 発明の背景 本発明は、液滴を移送するための器具、および液滴を保持できる網状構造（ne twork）の小型ウェルからまたはそこにそのような液滴を移送する方法に関する ものである。 生物学的分子もしくは真核または原核細胞の培養物ついて試験や培養を行うた めに、ポリカーボネートまたはポリスチレンのような熱可塑性材料から成形され たプレートが、例えば、培養細胞およびそれらの栄養培地用に今日日常的に用い られている。典型的に、矩形のプレートは約80×125ｍｍの寸法を有しており、 ウェルは約８ｍｍの直径を有している。これらの寸法は、液体操作ロボット、分 光測光、蛍光分析法、または化学発光測定によりプレートを読み取るリーダー、 または観察用顕微鏡のような装置において、プレートの自動操作を行うために標 準化されている。これらウェルは、長くて退屈な方法である手動で、または自動 的に動かされる一連のピペットにより装填されている。ウェル内で形成された産 生物の試料は、例えば、ウェル内に浸漬される一連のステンレス鋼製釘またはプ ラスチックチップを用いて採集されている。 今日、プレート当たりのウェルの数がますます多くなっているプレートを使用 することが考えられている。例えば、384または1536のウェル、そして、本出願 人により1995年11月22日に出願されたフランス国特許出願第95-13878号に記載さ れているようなプレートの表面積の平方センチメートル当たり数万の小型ウェル 、すなわちマイクロウェルを備えたプレートが考えられている。後者の場合、約 20-50μｍの直径および15-30μｍの深さを有するウェルが、約100μｍの間隔で 分布している。そのような寸法により、それらウェルに一連のピペットで装填し たり、それらウェルから一連の金属指（metallic fingers）で試料を採集するこ とは、これらの機械式装置に必要とされる、実施するのが不可能な程度までの極 端な小 型化のために実際的に不可能であると考えられる。発明の概要 したがって、本発明は、従来の移送手段を使用することを上述したように不可 能にする非常に小さな間隔で分布された網状構造のマイクロウェル中へのまたは そこからの液滴の移送のための器具を提供することを目的とするものである。 本発明の別の目的は、その網状構造のウェルの少なくとも一部の装填および採 集を同時かつ自動的に行えるそのような器具を提供することにある。 本発明のさらに別の目的は、所定の空間分布を示すマイクロウェルと液滴のそ のような移送器具との間で複数の液滴を移送する方法を提供することにある。 本発明のこれらの目的、並びに以下の説明を読むことにより明らかとなる他の 目的が、所定の空間分布で配列された液滴のための移送器具により達成される。 この器具は、少なくとも１つの糸状支持体であって、この端から端に及ぶ枠に取 り付けられた支持体を備え、この支持体が、液滴により湿らせることができ、そ の長さに亘る所定の分布にしたがって分布された複数の区域を有し、これら湿潤 可能な区域が支持体の湿潤不可能な区域により隔てられている点で注目すべきで ある。 以下の記載から分かるように、全ての湿潤可能な区域にそれら液滴を同時に装 填したり採集したりすることができ、これによって、液体の移送が非常に短い操 作となる。これら湿潤可能な区域の間隔は、上述したプレート上のマイクロウェ ルの間隔と同程度に非常に小さくても差し支えない。 本発明による器具の一つの実施の形態によれば、その器具の枠は矩形であり、 支持体は、糸状であり、端部間で接続された連続した平行セグメントでこの枠上 に延伸されており、湿潤可能な区域が規則的な二次元平面分布にしたがって配列 されている。 本発明による器具の別の実施の形態によれば、液滴を除去または配置すること を意図した区域は、糸状支持体の二つのセグメントの交点により、毛管現象によ ってその交点のみでこの支持体の湿潤性を確実にするように定義されている。本 発明はまた、所定の空間分布を示すウェルと液滴の移送器具との間で複数の液滴 を移送する方法であって、ａ）それらウェルの分布にしたがって湿潤可能な区域 の分布を備えた本発明による液滴の移送器具を作成し、ｂ）この器具の湿潤可能 な区域の分布およびウェルの分布が、これら分布のうちの一方により担持された 液滴の少なくとも一つの他方の分布中への移送を行う近接した関係で重畳されて いることを特徴とする方法を提供する。 本発明の他の特徴および利点が、以下の説明を読み、図面を見ることにより明 らかとなる。図面の簡単な説明 図１は、本発明による器具の糸状支持体のある実施の形態を示す概略図である 。 図２Ａおよび２Ｂは、図１の糸状支持体を備えた移送器具上に液滴を装填する ための、本発明による方法を示している。 図３は、図２Ａおよび２Ｂの器具により担持された液滴の分布をマイクロウェ ルの分布中に移送する機構を説明する拡大図である。 図４Ａおよび４Ｂは、液体が装填されたマイクロウェルのプレートから採集さ れた一連の液滴の移送に適用される、本発明による方法を示している。 図５は、本発明による移送器具上に異なる液体の液滴を装填する装置の斜視図 である。 図６は、図５の装置の操作を説明するのに有用な、この装置の構成部材の図で ある。 図７は、マイクロウェルの三次元網状構造と協同して機能するように改造され た、本発明による液滴を移送するための器具の斜視図である。 図８Ａおよび８Ｂは、本発明による液滴を移送するための器具の別の実施の形 態の操作を示す斜視図である。 図９は、図８Ａおよび８Ｂに示した器具の二次元様式の概略図である。 図１０は、本発明による器具のさらに別の実施の形態の平面図である。 図１１は、図９の器具の変更例の詳細を示している。 図１２は、図１０の器具の変更例の詳細を示している。好ましい実施の形態の説明 添付した図面のうちの図１を参照する。この図は、支持体の長さに亘り分布し た、液滴２₁、２₂、等を担持する糸状支持体１の概略図を示している。図３に示 された本発明の実施の形態によれば、この糸状支持体、すなわちワイヤ１は、そ の端部の間にこのワイヤを延伸させている弓の形状にある枠３に取り付けられて いる。 本発明によれば、ワイヤ１の表面は、このワイヤの長さに沿って分布した所定 の箇所のみで液滴を担持できるように処理されている。 したがって、ワイヤ１が、例えば、プレート−リザーバ５の溝を満たしている 液体４中に浸漬され（図２Ａ参照）、次いで、このワイヤがその溝から取り出さ れたときに（図２Ｂ参照）、液体は、所定の箇所すなわち区域に存在する液滴２₁ 、２₂、２₃等の形態でワイヤに残留し、二つの連続した液滴は、湿っていない 長さ、すなわち「ワイヤ部分」により隔てられている。 説明的で非限定的な実施例として、親水性インコネル合金から製造され、20μ ｍの直径を有するワイヤを非常に疎水性の大きいシラン被覆層で被覆し、その後 、この層をマスクを通して紫外線に露出して、区域６₁、６₂、６₃等（図１参照 ）にあるこの層を除去することにより、上述したワイヤ１を製造することができ る。シラン層が除去された区域は親水性であり、したがって、液滴２_iを支持す ることができる。このようにして、このワイヤに非常に小さな容量（例えば、10 0-150ピコリットル）の液滴を担持させることができる。 あるいは、移送すべき液体に応じて、ワイヤ１を、液滴を担持しなければなら ない区域６_iの外側が選択的に除去された親水性コーティングを備えた疎水性材 料から製造しても差し支えない。より一般的には、ワイヤの表面は、所定の液体 によりワイヤの表面の所定の区域が確実に濡らされ、これらの区域の間のワイヤ が濡れないようにするように処理されている。 アセンブリ（１，３）は、シラン層を紫外線に露出している最中に使用される マスクにより定義される所定の分布にしたがって、ワイヤ１に亘り分布した液滴 を移送する器具を構成する。 ワイヤ１を、上述したフランス国特許出願第95-13878号に記載された種類のプ レート８（図３参照）の表面で窪んだマイクロウェル７_i、７_i+1等の列がある表 面に向かって移動させる場合、このときプレート上のウェルの分布はワイヤ上の 液滴の分布と同一であり、液滴２_i、２_i+1等の各々の一つが、位置合せのための 適切な手段を使用することにより、ウェル７_i、７_i+1等の向かい側に配置するこ とができる。好ましくは、ウェルの底部を隔てる空間が疎水性製品９を受け入れ る。次いで、液滴２_iがウェル６_iの底部に付着し、その液滴か完全にウェル中に 移送される。 ここで、本発明による移送器具（１、３）により、複数の小型ウェル、すなわ ち、マイクロウェル７_iを液体で簡単かつ同時に装填でき、そして、上述したフ ランス国特許出願に記載したウェルの場合のように、ウェルの間隔が非常に小さ い（約100μｍ）ときでさえもこのことが成り立つのが明らかとなる。例えば、 マイクロピペットによる伝統的な装填方法では、大きすぎてそのようなマイクロ ウェルを同時に装填できない器具を使用しており、これは、一方で本発明による 移送器具および移送方法を用いて完全に解決される問題であることが明らかであ る。 したがって、後者は、マイクロウェルプレート、培地および特にマイクロウェ ル中に栄養液または試薬を加える必要のある試験を用いて行われる細胞培養およ び生物学的アッセイに特に適用される。そのような用途としては、例えば、免疫 酵素的アッセイ（ＥＬＩＳＡ）、核酸ハイブリダイゼーション、ウイルス滴定、 クローニングおよびタンパク質産生のための個体群のスクリーニングが挙げられ る。 ここで、図４Ａおよび４Ｂを参照して、本発明による移送器具によってどのよ うにマイクロウェル網状構造から液滴を取り出せるのかを説明する。図４Ａにお いて、プレート８の一列のマイクロウェル７_iが示されており、これらのウェル には、試料を取り出さなければならない液体の液滴２_iが供給されている。その ような取出しは、例えば、細胞培養において、ハイブリドーマからの単クローン 性抗体の産生のため、誘発性組換えタンパク質のまたは様々な生物学的系（細菌 、酵母、動物または植物細胞）からのウイルスの発現のために、これらのウェル 中で培養された生きている細胞により各々のマイクロウェル中で発現または排出 された産生物を分析しなければならない場合に必要である。 この目的のために、完全に乾燥したワイヤ１の親水性区域６_iを、図４Ａに示 したように、ウェル７_iの向かい側で近傍に配置する。これら区域６_iをプレート ８上のウェルの口からあふれ出した液滴２_iのメニスカス中に浸漬したらすぐに 、図 ４Ｂに示したように、これら液滴の一部２’_iをワイヤ１の向かい側の親水性区 域６_iに移送させる。ウェルの含有物のこれら試料２’_iを、ウェルのような他の プレートのマイクロウェル中に移送すると、例えば、微生物学で用いられる「指 紋」プレートを製造することができる。 ここまで、本発明による移送器具の同一の液体による装填を記載してきた。特 に生物学的分析において、隣接するウェルに異なる液体を装填する必要があるか もしれない。そのような液滴を本発明の器具に移送するために、本発明は図５に 示した装置を提案する。この装置は、約100μｍの直径まで引き伸ばされ、例え ば、本発明による支持体のワイヤ１の親水性区域６_iの間隔と同一の間隔で一列 に配置することのできる、直線に配置された毛管10_iを備えている。 図６に示したように、光ファイバ11_iが、このファイバから発せられる光をそ の毛管を満たしている液体に集束させるマイクロレンズにより、各々の毛管10_i に関連付けられている。このファイバ中に光パルスが放出されると、この液体の 小滴が毛管10_iの開放端すなわち出口12_iで形成されることが知られている。図５ に示したように、本発明による移送器具のワイヤ１が、毛管の出口12_iの向かい 側で近傍に配置され、そのワイヤの親水性区域が出口12_iに関して位置合わせさ れた点である場合、所定のファイバ11_iに送られた光パルスが、所定の液滴２_iの ワイヤ１への移送を制御する。毛管には異なる液体を供給することができ、この 毛管により、ワイヤ１により担持される液滴２_iに異なる組成を有させることが できる。次いで、これらの液滴を、本発明による器具を用い、図３に関して説明 した機構にしたがって、マイクロウェルプレートの異なるウェル中に移送するこ とができる。そのような移送は、生物学的分析（または生物学において）にとっ て有用である。重要な用途の一つに、新しい薬品の開発における、合成または天 然分子のスクリーニングがある。生物学的分析における診断試験も別の実施の形 態に挙げられる。 上述した液滴の移送には、ウェルの、器具のワイヤ１の親水性区域との正確な 位置合せが必要とされるのが明らかである。この目的のために、様々な既知の位 置合せ手段、特に、いくつかの色選択の位置合せに関する写真製版印刷に用いら れる種類の手段を用いることができる。これらの手段は、構成部材（器具または プレート）のうちの一つにより担持され、他の装置においてくり抜かれた対応す る孔（図示せず）中に貫通して、これら二つの装置を非常に正確な相対的配列で 配置するペグ（図示せず）からなる。 ここまで、移送器具と、一列のマイクロウェルのみとの間で微小液滴を移送で きる手段を記載してきた。上述した特許出願において記載されたマイクロウェル プレートは、隣接した複数の列のマイクロウェルを備えている。図７に関して今 から説明する本発明による移送器具の実施の形態のおかげで、この器具と数列の マイクロウェルとの間で液滴を同時に移送することができる。 図７において、図示した器具は、実質的に矩形であり、向かい合った両縁にゲ ージロッド13_iが備えられた空の枠３’を備えており、これらのゲージロッドは 、端部どうしが接続された平行なセグメントからなる平面のギザギザの軌道に従 うように支持点の周りを通過するワイヤ１’のための支持点を定義している。こ れらのセグメントは、そのようなマイクロウェルの規則的な二次元分布からなる プレート８のマイクロウェルの列のように、所定の間隔がおかれている。図２Ｂ の器具におけるように、ワイヤ１’は、プレート８のマイクロウェルと同様の空 間分布を示す親水性区域を担持し、このワイヤの残りの表面は疎水性である。 図７を見てみると、例えば、ペグおよび孔（図示せず）により得られた、プレ ート８のウェルの列を正確に位置合せした後、図示した器具により、ワイヤ１’ の一連の平行なセグメントと、そのプレートの一連のマイクロウェルの列との間 で液滴２_ijの二次元移送を行うことができる。このようにして、移送されるまた は採集される液滴の数は、図２Ｂの器具と比較した場合、都合よく増加される。 ワイヤの表面に必要な選択的な湿潤性は、上述したように、液体が区域６_iに 付着した状態になり、これらの区域の間であるワイヤの中間部分でははじかれる ようにこのワイヤの表面の特徴を局部的に改変することにより得ることができる 。ワイヤの選択的な湿潤には、他の手段を使用しても差し支えない。例えば、こ のワイヤを、液体をワイヤに付着した状態になるべき場所で、局部的に非常に多 孔性に作成しても差し支えない。液体は、次いで、例えば、希釈により、この液 体の試料を別の液体、または別の分析器具に再度移送するように、ワイヤに形成 された細孔に浸透する。 図８Ａには、枠３に取り付けられたワイヤ１”を備えた、非常に図式化された 移送器具が示されている。ワイヤの湿潤性を局部的に増大させるために、このワ イヤを、湿潤可能にすべき区域のレベルで他の接するワイヤまたはワイヤのセグ メント１”₁、１”₂、１”₃等と交差させる。 二本のワイヤが交差する場所で、液滴のサンプリングが毛管現象により促進さ れる。液体、またはマイクロウェルの列のマイクロウェル７_i中に含まれた液滴 中に置かれると、ワイヤ１”および１”_iの交点14_iの各々に、図８Ｂに示したよ うに、液滴２_iが装填され、ワイヤ上のこれら液滴の間の間隔は乾燥したままと なる。 図９は本発明による器具の別の実施の形態を示しており、この器具は図８Ａお よび８Ｂに関して開発した概念を応用している。図９において、図示した器具は 、図７の実施の形態の場合と同様に、ピンホール13_iの補助により枠３”上に取 り付けられた少なくとも１つのワイヤ１”を備えている。しかしながら、この場 合、二つのピンホールの間に延伸されたワイヤセグメントが、その交点が毛管現 象により、移送すべき液滴２_ijを捕捉する二つの直行した網状構造に沿って交差 している。次いで、これら液滴を、プレート８のマイクロウェル中に同時に移送 しても、またはそれらを上述したようにそれらマイクロウェル中でサンプリング しても差し支えない。 ワイヤ１”には、しばしば高価である、局部的表面処理を施す必要がないこと に留意すべきである。 それによって、本発明は、従来技術のずっと密度の低い網状構造に用いられて いる従来の手段によって到達できない密度の高いマイクロウェルの網状構造中に 、またはそれから多数の微小液滴を同時に移送する手段を提供する。 本発明には、他にも多数の利点がある。本発明により、液滴の容積に関して再 現性のある液滴の移送を確実に行うことができる。本発明は、本発明の器具が、 例えば、顕微鏡の観察条件下で、移送を実施する使用者にとって実質的に透明で あるという事実により、移送の操作に関する完全な可視性を提供する。この器具 のワイヤの網状構造は柔軟であり、マイクロウェルのプレートの平面度の欠陥に 適応することができる。この器具は、製造するのが安価であり、一回の使用後に 捨ててしまっても差し支えない。このことは、生物学（または生物学的分析）に おいて有利である。ウェルの底部に配置された生きている細胞は、器具のワイヤ から離れたままであり、このワイヤによって損傷を受けることがない。この器具 と、マイクロウェルの網状構造との位置合せは、位置合せピンホールにより、そ して、図７および９に示した二次元器具の場合には、モワレ効果を使用すること により、補助し、容易にすることができる。最後に、本発明により、ゲルからの 試料もしくはゲル層上またはその内部の試料の堆積物を採集することにより、試 料を採集することができる。 当然、本発明は、実施例としてのみ与えられた、説明され図示された実施の形 態に限定されるものではない。したがって、本発明により器具の糸状支持体の網 状構造を、図１０に示したような金属シート14の蝕刻により製造することができ 、ここで、この蝕刻により、図９のもののように配列されたワイヤ15_ijの形態に 網状構造の支持体を切り出すことができる。図１０はまた、上述したように、マ イクロウェルプレートの一体部分であり、孔とかみ合うピンホールのおかげで、 器具14をマイクロウェルプレートと位置合せするのに要する孔16_iを示している 。 変更例において、図９の器具は、17₁、17₂のようなワイヤの二重格子パターン （図１１参照）を備え、これらの二重ワイヤは、格子の交点で、より大きい容量 の液滴を保持できる空間を定義している。図１０の器具に関して記載したものと 同様の蝕刻を用いれば、ワイヤの形態にある後者の支持体の交点で、図１２に示 すもののような（18）円形の切り孔を形成することができる。この切り孔は、こ の器具が液滴を支持しなければならない場所で毛管現象の効果を増大させること ができる。また、本発明は、約100μｍの間隔で分布されたマイクロウェルから またはそれらに微小液滴を移送することに限定されるものではない。本発明は明 らかに、例えば、数ミリメートルのより大きい間隔で分布した、より大きな寸法 のウェルにも及ぶものである。このように、より大きな液滴は、より大きな直径 、例えば、100-200μｍのワイヤにより得られる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＡＵ，ＣＮ，ＪＰ，Ｋ Ｒ，ＵＳ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．所定の空間分布にしたがって配列された液体の液滴を移送する器具であって 、該器具が、枠（３；３’；３”）に取り付けられた、所定の長さの少なくと も１つの糸状支持体（１；１’；１”，１”_i）を備え、該支持体が、前記液 体により湿潤可能であり、前記長さに亘り所定の分布にしたがって割り当てら れた複数の区域（６_i）を有し、該湿潤可能な区域（６_i）が該支持体の非湿潤 可能部分により隔てられていることを特徴とする器具。 ２．前記支持体（１；１’）が、前記液体により湿潤可能ではないコーティング により被覆された金属製ワイヤからなり、該コーティングが、該液体により湿 潤されるべき前記区域（６_i）から除去されることを特徴とする請求の範囲第 １項記載の器具。 ３．前記支持体（１；１’）が、前記液体により湿潤可能なコーティングにより 被覆された金属製ワイヤからなり、該コーティングが、該液体により湿潤され るべき前記区域の外側で除去されることを特徴とする請求の範囲第１項記載の 器具。 ４．前記金属製ワイヤがインコネル合金から製造され、前記コーティングがシラ ンであることを特徴とする請求の範囲第２項記載の器具。 ５．前記湿潤可能な区域（６_i）が、前記支持体（１；１’）の非多孔性部分に より隔てられた、該支持体の表面の多孔性区域からなることを特徴とする請求 の範囲第１項記載の器具。 ６．前記枠（３’；３”）が矩形であり、前記糸状支持体（１’；１”）が、端 部と端部で接続された連続した平行なセグメントで該枠に張られ、前記湿潤可 能な区域（６_i）が規則的な二次元平面分布にしたがって配列されていること を特徴とする請求の範囲第１項から第５項いずれかに記載の器具。 ７．前記湿潤可能な区域（６_i）が、毛管現象の結果として、所定の交点のみで 液滴を保持できる前記糸状支持体の二つのセグメント（１”，１”ｉ）の該交 点により定義されていることを特徴とする請求の範囲第１項記載の器具。 ８．前記器具が糸状支持体のセグメントの二つの直交網状構造を備え、該網状構 造が、同一平面でほぼ重畳され、それらの交点で、湿潤可能な区域の規則的な 二次元分布を定義することを特徴とする請求の範囲第７項記載の器具。 ９．前記セグメントの直交網状構造が、蝕刻により、金属製シート（14）中に刻 み込まれることを特徴とする請求の範囲第８項記載の器具。 10．前記二つの網状構造の交点の各々が、開口部（18）により穿孔されているこ とを特徴とする請求の範囲第８項記載の器具。 11．前記セグメントの各々が、ワイヤ（17₁、17₂）の形態にある二つの平行で間 隔のおかれた支持体からなることを特徴とする請求の範囲第８項記載の器具。 12．前記湿潤可能な区域が、約100μｍの間隔で分布されていることを特徴とす る請求の範囲第１項から第11項いずれかに記載の器具。 13．複数の液滴（２_i）をマルチウェルプレート上の所定の空間分布のウェル（ ７_i）に移送する方法であって、 ａ） 枠に取り付けられた少なくとも一つの糸状支持体を有する液体移送器具 であって、該支持体が湿潤不可能な区域により隔てられた湿潤可能な区域の分 布を有し、該湿潤可能な区域が前記ウェルの分布に割り当てられ、対応する器 具を提供し、 ｂ） 該器具により担持された少なくとも１つの液滴が対応するウェルに移送 されるように近接して前記ウェルの分布に亘り該器具の湿潤可能な区域の分布 を配置し、重畳させる各工程を含むことを特徴とする方法。 14．前記移送器具（１，３）により担持された液滴の分布をウェルの匹敵する分 布中に移送することに適用され、該器具上に液滴の分布を装填するために、前 記糸状支持体（３）が、移送すべき液体のリザーバ（５）内に完全に浸漬され ていることを特徴とする請求の範囲第13項記載の方法。 15．少なくとも二つの異なる液体の液滴からなる液滴の分布をウェルの匹敵する 分布に移送することに適用され、前記器具の異なる湿潤可能な区域（６_i）が 、該区域の間隔で毛管（10_i）の位置合せされた出口（12_i）の向かい側に配置 されることにより装填され、各々の管（10_i）に所定の液体で満たされ、該環 の出口での液滴が、前記区域を湿潤させることを目的として、選択的に出現す ることを特徴とする請求の範囲第13項記載の方法。 16．ウェルの分布内に含まれる液体の分画のサンプリングに適用され、前記移送 器具の湿潤可能な区域（６_i）が、該区域を該ウェル内に含まれた前記液体に より湿潤するように、該ウェルの分布の対応するウェル（７_i）に位置合せさ れることを特徴とする請求の範囲第13項記載の方法。 17．糸状支持体器具に液滴を装填する装置であって、毛管（10_i）の出口（12_i） で、該毛管内に含まれる液体の液滴の形成を選択的に制御する手段（11_i）に 各々が関連付けられた該毛管の少なくとも一つの直線配列を備え、該出口が前 記糸状支持体器具の湿潤可能な区域（６_i）の間隔で配列されていることを特 徴とする装置。