JP2001502007A - 高いレベルの低分子量ポリアルキレングリコールを含むキャストメルトバー組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、皮膚のクレンジングバー組成物であって、マイルドであり、十分に泡立ち、消費者が望む感覚的特性を与える組成物を規定するために、非常に特定の分子量のポリアルキレングリコールが用いられている組成物に関する。これらの所望の効果をもたらすために、このような特定のＰＥＧの有意量がこのバーに組込まれなければならない。このようなバー組成物を適切に加工処理するには、キャスト−メルト方法が好ましい技術である。

Description

【発明の詳細な説明】 高いレベルの低分子量ポリアルキレングリコールを含む キャストメルトバー組成物 発明の分野 本発明は、好ましくはキャストメルト法によって形成された皮膚クレンジング バー組成物に関する。これらのバーはきわめてマイルドであり、十分に泡立ち、 消費者が望む感覚特性を与える。 背景 個人用洗浄用のバーは、常によりマイルドな配合物を求める方向に向かってお り、これらは最終的には何らかの向上したスキンケアを与え、例えば皮膚刺激の 程度を最小限にし、潤いを向上させるものである。多くの消費者に対して感覚的 に肯定的な印象を与える、有意量のエモリエント（皮膚軟化剤）オイル液を含む バー組成物を有することが望ましい。このようなバー組成物を適切に加工処理す るには、キャストメルトが好ましい技術である。 皮膚のマイルドさ又は潤いを向上させ、バーの泡立ち性能を 促進し、かつバーの加工処理を容易にするようなバー充填剤／バインダとして機 能しうる経済的なバルク化学物質を発見することは、１つの目標である。例えば 固体ポリアルキレングリコール（例えば分子量が２，０００より高いポリエチレ ングリコール（ＰＥＧ））は効果的なバー構造化剤であり、これらは消泡しない 。しかしながらこれらは低分子量のＰＥＧと比較して、多くの消費者にとって潤 いの印となるオイリーな皮膚の感触を生じることがはるかに少なく、これらは、 本発明においてゲル化剤として用いられる長鎖脂肪酸石鹸とはそれほど容易に混 和しない。他方、固体脂肪酸は効果的な構造バーであるが、消泡傾向がある。パ ラフィンワックスは、特に疎水性エモリエントオイルの存在下において、比較的 高いレベルで（すなわち組成物全体の２５重量％より多く）バーに含まれるなら ば消泡する。 本発明において、本出願人は、キャストメルト技術を用いて、合成洗浄バーに 比較的高いレベルの低分子量ポリアルキレングリコール（例えば分子量３００〜 １，５００のポリエチレングリコール）を配合した。生体内及び試験管内データ は次のことを示した。すなわち高いレベルでの添加（ポリエチレングリコール／ アニオン剤の重量比が１：１及びそれ以上）においての み、これらの低分子量ＰＥＧは、通常用いられているアニオン性界面活性剤の刺 激ポテンシャルを有意に緩和するということである。分子量が２，０００より高 い固体ＰＥＧとは異なって、低分子量ＰＥＧは、この発明のゲル化剤である長鎖 脂肪酸石鹸とより容易に混和しうる。従ってこれらは、このようなバーの不動態 化液体フラクションの重要な成分である。使用した時に容易に溶解して、向上し た皮膚感触、マイルドさ、及び泡立ちという利点を生じるのはこの液体フラクシ ョンである。もう１つの利点として、低分子量ＰＥＧは、皮膚洗浄剤に望まれる 泡立ち特性を向上させる。 従って高いレベルのこの比較的低い分子量の物質を用いることによって、本出 願人は次のようなバーを得ることができた。すなわち（１）所望の使用者特性及 び加工処理特性を与え、（２）よく泡立ち、且つ、（３）刺激が少ないバーを得 ることができた。 個人用洗浄バー組成物にポリアルキレングリコール（例えばポリエチレングリ コール）を用いること自体は新規ではない。 例えばＤ．Ｈｏｏｋｅｒの米国特許第３，３１２，６２７号は、基本的にはア ニオン性洗浄剤を含まない非イオン性配合物 用のバー構造化剤として、３０〜７０％のポリエチレングリコール（ＰＥＧ）を 含むバー組成物を教示している。この発明に用いられているＰＥＧは、分子量が ４，０００ダルトンより高い。この分子量は、本発明に用いられているＰＥＧに ついて特許請求されている分子量（＜１，５００）よりも有意に高い。本発明と は異なって、上記特許は、バー組成物全体において有意により高いレベルの高分 子量ＰＥＧを用いている。さらにＰＥＧ／アニオン性界面活性剤比は、この特許 においては重要ではない。その理由は、これが主として非イオン性配合物に関し ているからである。 Ｆ．Ｍｏｒａｎ、Ｂ．Ｏ’Ｂｒｉａｉｎ、及びＤ．Ｍｏｒａｎの国際特許出願 第９３／０７２４５号（ＮＥＰＨＩＮに譲渡されたもの）は、１２〜２０％の合 成洗浄剤と、７０〜８０％の、分子量が５，０００〜１０，０００のＰＥＧとを 含むシャンプーバー組成物を教示している。この発明の実施態様は、分子量が１ ００〜８００の軟質ＰＥＧを含んでいる（好ましくは組成物全体の１〜８重量％ ）。本発明とは異なって、上記特許出願は、バー組成物全体において有意のレベ ル（７０〜８０％）の高分子量ＰＥＧを用いている。この特許は、本発明に用い られてい るものよりも有意に少ない量の低分子量ＰＥＧを用いている。 Ｊ．Ｃｈａｍｂｅｒｓらの、発明の名称が「合成洗浄剤バー及びその製造（Ｓ ｙｎｔｈｅｔｉｃ Ｄｅｔｅｒｇｅｎｔ Ｂａｒ ａｎｄ Ｍａｎｕｆａｃｔｕ ｒｅ Ｔｈｅｒｅｏｆ）」という、本出願人の同時係属米国特許出願番号第０８ ／５９４，３６３号、すなわち米国特許出願番号第０８／２１３，２８７号の継 続出願において、１０〜６０％の合成界面活性剤と、構造化剤としての１０〜６ ０％のＰＥＧとを含んでいるバーが教示されている。用いられているＰＥＧは、 融解温度範囲が４０℃〜１００℃であり、分子量範囲が１，５００〜１０，００ ０である。この分子量ではＰＥＧは室温で固体になる。用いられているＰＥＧの 分子量は、本発明によって特許請求されているもの（＜１，５００）よりも高い 。同様に上記特許出願は、少なくとも１：１のＰＥＧ／アニオン剤比を教示して いない。これはマイルドさの向上に関わるものであり、本発明において重要なも のである。 Ｍ．Ｍａｓｓａｒｏらの米国特許第５，５２０，８４０号は、１０〜６０％の 合成界面活性剤、融点範囲が４０℃〜１００℃の１０〜６０％の水溶性構造化剤 （例えばＰＥＧ）、及びマル トデキストリンなどの１〜２５％の水溶性スターチを含む皮膚クレンジングバー 組成物を教示している。用いられているＰＥＧの分子量（＞１，５００）は、本 発明について特許請求されているものよりも高い。同様にこの特許出願は、少な くとも１：１のＰＥＧ／アニオン剤比を教示していない。これはマイルドさの向 上に関わるものであり、本発明において重要なものである。 Ｌｕｎｄｂｅｒｇの米国特許第２，２８７，４８４号は、３５〜７０％のアニ オン性合成界面活性剤と、２２〜５０％の脂肪酸とを含む、密閉ダイ成形技術に よって製造されたバーを教示している。このバーはまた、添加剤として１０％ま でのエチレン及びジエチレングリコールを含んでいてもよい。本発明から分かる ように、エチレン及びジエチレングリコールは、アニオン性界面活性剤の皮膚刺 激を減少させる上で、低分子量ＰＥＧ（分子量が３００より高い）ほど効果的で はない。同様にこの特許は、少なくとも１：１のＰＥＧ／アニオン性界面活性剤 重量比を教示していない。これはマイルドさの向上に関わるものであり、本発明 において重要なものである。 １９９６年６月１２日に出願された、本出願人の同時係属出 願第０８／６６２，３９４号は、１０〜６０％の合成洗浄剤、融点が４０℃より 高い１０〜５０％の高分子量ＰＥＧ、及び加工助剤としての０．１〜１０％の低 分子量ＰＥＧ（融点が４０℃より低い）を含むマイルドバー組成物を教示してい る。この出願は、押出しプロセスを補助するための潤滑剤として、比較的低いレ ベルの低分子量ＰＥＧの使用を特許請求している。これは本発明の技術とは有意 に異なる。本発明では、モイスチャライザーとして比較的高いレベルの低分子量 ＰＥＧ（例えば組成物全体の＞１０重量％）をバーに配合している。同様にこの 特許出願は、ＰＥＧ／アニオン性界面活性剤重量比を特定していない。この比は 皮膚の優れたマイルドさを得るために本発明において重要なものである。 Ｍ．Ｋａｃｈｅｒ、Ｊ．Ｔａｎｅｒｉ、Ｄ．Ｑｕｉｒａｍ、Ｄ．Ｓｃｈｍｉｄ ｔ、及びＭ．Ｅｖａｎｓの米国特許第５，２６２，０７９号及び第５，２２７， ０８６号は、５〜５０％の遊離及び中和モノカルボン酸混合物、１５〜６５％の 合成アニオン性及び非イオン性バー堅固性補助剤、及び１５〜５５％の水を含む フレーム付きクレンジングバー組成物を教示している。このバー堅固性補助剤は 、５〜５０％の合成界面活性剤と、分 子量が約４４〜１０，０００ダルトンの０〜４０％のポリエチレングリコール又 はポリプロピレングリコールから成る。この特許は、向上したキャスト−メルト 加工性とマイルドさの向上の両方を得るための特定のＰＥＧ／アニオン性界面活 性剤重量比を有する、分子量４００〜１，５００のＰＥＧの使用を教示も示唆も していない。さらには所望のバー使用者特性（すなわち柔らかさと硬さ）を得る ために、本発明の出願人は、特許請求されているバー組成物に、２〜１０重量％ の水しか含ませていない。これは、上記特許によって特許請求されている１５〜 ５５％の水よりも有意に少ない。 最後に、出願人は、米国特許出願番号第０８／７３３，０３６号として、発明 の名称が「低レベルの水を含み、ポリオール／水の比が最小である、注入しうる キャストメルトバー組成物（Ｐｏｕｒａｂｌｅ Ｃａｓｔ Ｍｅｌｔ Ｂａｒ Ｃｏｍｐｏｓｉｔｉｏｎｓ Ｃｏｍｐｒｉｓｉｇ Ｌｏｗ Ｌｅｖｅｌｓ ｏｆ Ｗａｔｅｒ ａｎｄ Ｍｉｎｉｍｕｍ Ｒａｔｉｏｓ ｏｆ Ｐｏｌｙｏｌ ｔｏ Ｗａｔｅｒ）」という出願を同時出願している。本発明は同じキャストメ ルト方法によってなされている。しかしながらこの関連出願は、分子量４００〜 １，５００の高いレベルのポリアルキレングリコールが用いられかつポリアルキ レングリコールとアニオン性界面活性剤の比が少なくとも１：１であるような特 定の組成物を対象としていない。 発明の概要 本発明は、非常に特定の分子量範囲（アニオン剤のざらざらした作用を緩和す るのに十分なほど高い分子量であるが、所望の感覚的特性を与え、かつキャスト メルト加工処理を容易にするのに十分なほど低い分子量）のアルキレングリコー ル（例えばポリエチレングリコール）が用いられ、かつアルキレングリコールと アニオン剤の比が少なくとも１：１又はこれより高いものに維持されているバー 組成物に関する。このような組成物はマイルドであり、よく泡立ち、消費者が望 む感覚的特性を与える。 より詳細には、本発明は、次のものを含んでいる： （１）合成アニオン性界面活性剤を組成物全体の２〜３５重量％、好ましくは １０〜３０重量％； （２）両性、双性イオン性、非イオン性、及びこれらの混合物から成る群から 選ばれる界面活性剤を組成物全体の０〜２０ 重量％；好ましくは両性及び双性イオン性界面活性剤が組成物全体の２〜１５重 量％を構成するもの； （３）分子量が３００より高く約１，５００ダルトンまでのポリアルキレング リコール又はポリアルキレングリコール化合物の混合物を組成物全体の１０〜７ ０重量％；ポリアルキレングリコールとアニオン性界面活性剤の重量比が少なく とも１：１、好ましくは２：１、又はこれより高いもの； （４）（ｉ）分子量が２，５００〜１０，０００、融点が約５５℃〜６５℃の ポリアルキレングリコール；（ｉｉ）好ましくは直鎖、好ましくは飽和のＣ₈〜 Ｃ₂₄遊離脂肪酸；（ｉｉｉ）好ましくは直鎖、好ましくは飽和のＣ₈〜Ｃ₂₀アル カノール；（ｉｖ）水溶性スターチ（例えばマルトデキストリン）から成る群か ら選ばれる固体構造化補助剤及び充填剤を組成物全体の約０〜３５重量％； （５）ゲル化剤を組成物全体の約１〜２０重量％；及び （６）水を組成物全体の約２〜１０重量％。 図面の簡単な説明 図１は、ＰＥＧとイセチオネートの重量比が１：１より高く、好ましくは２： １より高い場合、分子量が４００又はそれ以上 のポリエチレングリコールが、アシルイセチオネートによって溶解されるゼイン の量を有意に減らす（すなわちざらざらが少なくなる）ことを示すグラフである 。 図２は、４００より低い分子量において、ＰＥＧ又はその他の水溶性非イオン 性モノマー（例えばエチレングリコール、プロピレングリコール）が、イセチオ ネートによって溶解されるゼインの量を減らさないことを示している。 図３は、４００より低い分子量において、ＰＥＧ又はその他の水溶性非イオン 性モノマーが、ナトリウムラウリルエーテルスルフェートによって溶解されるゼ インの量を減らさないことを示している。 発明の詳細な説明 本発明は、非常に特定の分子量範囲（アニオン性界面活性剤のざらざらした作 用を緩和するのに十分なほど高い分子量であるが、消費者が望む感覚的特性を与 え、かつキャストメルト加工処理を容易にするのに十分なほど低い分子量）内に あるアルキレングリコールが、（１）マイルドであり、（２）良好な泡立ち特性 を維持し、（３）消費者が望む感覚的特性（すなわち低分子量によるもの）と加 工処理についての利点を与える組成 物を生じるために、アルキレングリコールとアニオン剤の最小比において用いら れる組成物に関する。 より特定すれば、本発明は次のものを含んでいる： （１）合成アニオン性界面活性剤を組成物全体の２〜３５重量％、好ましくは １０〜３０重量％； （２）両性、双性イオン性、非イオン性、及びこれらの混合物から成る群から 選ばれる界面活性剤を組成物全体の０〜２０重量％；好ましくは両性及び双性イ オン性界面活性剤が組成物全体の２〜１５重量％を構成するもの； （３）分子量が３００より高く約１，５００ダルトンまでのポリアルキレング リコール又はポリアルキレングリコール化合物の混合物を組成物全体の１０〜７ ０重量％； ポリアルキレングリコールとアニオン性界面活性剤の重量比が、少なくとも１ ：１、好ましくは２：１、又はこれより高い； （４）（ｉ）分子量が２，５００〜１０，０００、融点が約５５℃〜６５℃の ポリアルキレングリコール；（ｉｉ）好ましくは直鎖、好ましくは飽和のＣ₈〜 Ｃ₂₄遊離脂肪酸；（ｉｉｉ）好ましくは直鎖、好ましくは飽和のＣ₈〜Ｃ₂₀アル カノール；（ｉｖ）水溶性スターチ（例えばマルトデキストリン）から成 る群から選ばれる固体構造化補助剤及び充填剤を組成物全体の約０〜３５重量％ ； （５）さらには高いレベルの低分子量ポリアルキレングリコールが液体又はペ ースト形態にあるので、バーの一体性を向上させるために、以下に特定して記載 されているようなゲル化剤を組成物全体の約１〜２０重量％が用いられる；及び （６）水を組成物全体の約２〜１０重量％。 合成非石鹸界面活性剤 本発明の界面活性剤系は一般に、少なくとも１つのアニオン性界面活性剤、並 びに両性／双性イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、又はこれらの混合 物から成る群から選ばれる任意の第二界面活性剤を含むものである。好ましくは この組成物は、アニオン剤又はアニオン性界面活性剤と、両性／双性イオン剤と を含んでいる。 用いることができるアニオン性界面活性剤は、脂肪族スルホネート、例えば第 一級アルカン（例えばＣ₈〜Ｃ₂₂）スルホネート、第一級アルカン（例えばＣ₈〜 Ｃ₂₂）ジスルホネート、Ｃ₈〜Ｃ₂₂アルケンスルホネート、Ｃ₈〜Ｃ₂₂ヒドロキシ アルカンスルホネート、又はアルキルグリセリルエーテルスルホネ ート（ＡＧＳ）；あるいはアルキルベンセンスルホネートなどの芳香族スルホネ ートであってもよい。 アニオン剤はまた、アルキルスルフェート（例えばＣ₁₂〜Ｃ₁₈アルキルスルフ ェート）又はアルキルエーテルスルフェート（アルキルグリセリルエーテルスル フェートを含む）であってもよい。アルキルエーテルスルフェートのうち、次の 式を有するものである： ＲＯ（ＣＨ₂ＣＨ₂Ｏ）_nＳＯ₃Ｍ ここにおいてＲは、８〜１８個、好ましくは１２〜１８個の炭素を有するアル キル又はアルケニルであり、ｎは、１．０より大きい、好ましくは３より大きい 平均値を有しており、Ｍは、可溶化カチオン、例えばナトリウム、カリウム、ア ンモニウム、又は置換アンモニウムである。アンモニウム及びナトリウムラウリ ルエーテルスルフェートが好ましい。 アニオン剤はまた、アルキルスルホスクシネート（モノ及びジアルキル、例え ばＣ₆〜Ｃ₂₂スルホスクシネートを含む）；アルキル及びアシルタウレート、ア ルキル及びアシルサルコシネート、スルホアセテート、Ｃ₈〜Ｃ₂₂アルキルホス フェート及びホスフェート、アルキルホスフェートエステル及びアルコ キシアルキルホスフェートエステル、アシルラクテート、Ｃ₈〜Ｃ₂₂モノアルキ ルスクシネート及びマレエート、スルホアセテート、アルキルグルコシド及びア シルイセチオネートであってもよい。 スルホスクシネートは、次式を有するモノアルキルスルホスクシネートであっ てもよく： Ｒ¹Ｏ₂ＣＣＨ₂ＣＨ（ＳＯ₃Ｍ）ＣＯ₂Ｍ； 次式のアミド−ＭＥＡスルホスクシネートであってもよい： Ｒ¹ＣＯＮＨＣＨ₂ＣＨ₂Ｏ₂ＣＣＨ₂ＣＨ（ＳＯ₃Ｍ）ＣＯ₂Ｍ ここにおいてＲ¹は、Ｃ₈〜Ｃ₂₂アルキルであり、Ｍは可溶化カチオンである。 サルコシネートは一般に、式：ＲＣＯＮ（ＣＨ₃）ＣＨ₂ＣＯ₂Ｍによって示さ れ、ここにおいてＲはＣ₈〜Ｃ₂₀アルキルであり、Ｍは可溶化カチオンである。 タウレートは一般に、次式によって表わされる： Ｒ²ＣＯＮＲ³ＣＨ₂ＣＨ₂ＳＯ₃Ｍ ここにおいてＲ²は、Ｃ₈〜Ｃ₂₀アルキルであり、Ｒ³は、Ｃ₁ 〜Ｃ₄アルキルであり、Ｍは可溶化カチオンである。 特に好ましいのは、Ｃ₈〜Ｃ₁₈アシルイセチオネートである。これらのエステ ルは、アルカリ金属イセチオネートと、６〜１８個の炭素原子を有し、ヨウ素価 が２０より小さい混合脂肪族脂肪酸との反応によって調製される。混合脂肪酸の 少なくとも７５重量％は、１２〜１８個の炭素原子を有しており、２５重量％ま でが、６〜１０個の炭素原子を有する。 アシルイセチオネートが存在する場合、これは一般にバー組成物全体の約１０ 〜約３５重量％であり得る。好ましくはこの成分は、約１０〜約３０重量％で存 在する。 アシルイセチオネートは、Ｉｌａｒｄｉらの米国特許第５，３９３，４６６号 に記載されているようなアルコキシル化イセチオネートであってもよい。この特 許は参照によりここに組込まれる。この化合物は、次の一般式を有する： ここにおいてＲは、８〜１８個の炭素を有するアルキル基であり、ｍは１〜４ の整数であり、Ｘ及びＹは、水素又は１〜４ 個の炭素を有するアルキル基であり、Ｍ⁺は、一価カチオン、例えばナトリウム 、カリウム、又はアンモニウムである。 一般にアニオン性成分は、バー組成物の約２〜３５重量％、好ましくは１０〜 ３０重量％を構成するものである。 本発明に用いることができる両性洗浄剤は、少なくとも１つの酸基を含んでい る。これはカルボン酸基又はスルホン酸基であり得る。これらは第四級窒素を含 んでおり、従って第四級アミド酸である。これらは一般に、７〜１８個の炭素原 子のアルキル又はアルケニル基を含んでいる。これらは通常、次の全体的な構造 式に合致するものである： ここにおいてＲ¹は、７〜１８個の炭素原子のアルキル又はアルケニルであり ； Ｒ²及びＲ³は各々独立して、１〜３個の炭素原子のアルキル、ヒドロキシアル キル、又はカルボキシアルキルであり； ｎは２〜４であり； ｍは０〜１であり； ｘは場合によってはヒドロキシルで置換された１〜３個の炭素原子のアルキレ ンであり、 ｙは−ＣＯ₂−又は−ＳＯ₃−である。 前記一般式の範囲内にある適切な両性洗浄剤には、次式： の単純ベタイン、及び次式： （ここにおいてｍは２又は３である） のアミドベタインが含まれる。 どちらの式においても、Ｒ¹は、７〜１８個の炭素のアルキル又はアルケニル であり；Ｒ²及びＲ³は独立して、１〜３個の炭素のアルキル、ヒドロキシアルキ ル、又はカルボキシルアルキルである。Ｒ¹は特に、ココナツに由来するＣ₁₂〜 Ｃ₁₄アルキル基の混合物であってもよく、従って基Ｒ¹の少なくとも半分、好ま しくは少なくとも３／４は、１０〜１４個の炭素原子を有 する。Ｒ²及びＲ³は好ましくはメチルである。 もう１つの可能性は、両性洗浄剤が、次式のスルホベタインであることである ： 又は（ここにおいてｍは２又は３である）、あるいは（ＣＨ₂）₃ＳＯ₃ ^-が次の式によ って置換されているようなこれらの変形例である： これらの式において、Ｒ¹、Ｒ²、及びＲ³は、アミドベタインについて考察さ れているものと同じである。 両性剤が存在するとすれば、これは一般にバー組成物の２〜１５重量％を構成 する。 その他の界面活性剤（すなわち非イオン剤、カチオン剤）もまた場合によって は用いることができる。但しこれらは一般に、バー組成物の０．０１〜１０重量 ％より多くはないであろう。 非イオン性界面活性剤には特に、疎水性基及び反応性水素原子を有する化合物 、例えば脂肪族アルコール、酸、アミド、又はアルキルフェノールと、アルキレ ンオキシド、特にエチレンオキシド単独又はプロピレンオキシドと一緒に用いら れるエチレンオキシドとの反応生成物が含まれる。特定の非イオン性洗浄剤化合 物は、アルキル（Ｃ₆〜Ｃ₂₂）フェノール−エチレンオキシド縮合物、脂肪族（ Ｃ₈〜Ｃ₁₈）第一級又は第二級の直鎖又は分岐鎖アルコールとエチレンオキシド との縮合生成物、並びに、エチレンオキシドと、プロピレンオキシド及びエチレ ンジアミンとの反応生成物との縮合によって生じた生成物である。その他のいわ ゆる非イオン性洗浄剤化合物には、長鎖第三級アミンオキシド、長鎖第三級ホス フィンオキシド、及びジアルキルスルホキシドが含まれる。 非イオン剤はまた、糖アミド、例えば多糖類アミドであってもよい。特定すれ ば、これらの界面活性剤は、Ａｕらの米国特許第５，３８９，２７９号（この特 許は参照によりここに組込 まれる）に記載されているラクトビオンアミドの１つであってもよく、Ｌｅｔｔ ｏｎらの米国特許第５，３１２，９５４号（この特許は参照により本出願に組込 まれる）に記載されているようなポリヒドロキシアミドであってもよい。 カチオン性洗浄剤の例は、第四級アンモニウム化合物、例えばハロゲン化アル キルジメチルアンモニウムである。 用いることができるその他の界面活性剤は、Ｐａｒｒａｎ Ｊｒ．の米国特許 第３，７２３，３２５号、及びＳｃｈｗａｒｔｚ、Ｐｅｒｒｙ、及びＢｅｒｃｈ による「界面活性剤及び洗浄剤（Ｓｕｒｆａｃｅ Ａｃｔｉｖｅ Ａｇｅｎｔｓ ａｎｄ Ｄｅｔｅｒｇｅｎｔｓ）」（第Ｉ巻及び第ＩＩ巻）に記載されている 。上記文献のどちらも、参照により本出願に組込まれている。 ポリアルキレングリコール 本発明に必要な第二成分は、ポリアルキレングリコール、又はポリアルキレン グリコールの混合物であって、このポリアルキレングリコールが例えばポリエチ レン又はポリプロピレングリコールであるものである。これらのポリアルキレン グリコールは、３００より高く、好ましくは約３５０より高く、１，５００ ダルトン以下の分子量を有していなければならない。 この分子量範囲は重要である。その理由は、最小限の３００という範囲より低 い分子量では、バー中のＰＥＧが、アニオン性界面活性剤によって生じる皮膚刺 激ポテンシャルを有意に減らすことはなく（実施例２、図２及び３参照）、１， ５００より高い分子量では、ＰＥＧ分子は、ゲル化剤として用いられる長鎖脂肪 酸石鹸とは容易に混和しないからである。同様に１，５００より高い分子量にお いては、ＰＥＧは、これより低い分子量のＰＥＧほどオイリーな皮膚の感触を生 じない。 アルキレングリコール／アニオン剤の重量比が、少なくとも１：１であり、好 ましくは２：１であるか、それより大きいことは、本発明のもう１つの重要な側 面である。１：１より小さい重量比においては、マイルドさは容易には感じられ ない（実施例１、図１参照）。 一般にこの化合物又は化合物の混合物は、バー組成物の１０〜７０重量％を構 成するであろう。 ゲル化剤 本発明の組成物にはゲル化剤が必要である。理論に結び付けたいわけではない が、本発明によって必要とされる比較的高い レベルの低分子量ポリアルキレングリコールが液体又はペースト形態にあるとい う理由からこのような成分は必要であると考えられる。ゲル化剤は、バーの一体 性を向上させるために必要であると考えられる。 ゲル化剤の例は次のものを含んでいるが、これらに限定されるわけではない： （ｉ）中和されたＣ₈〜Ｃ₂₆カルボン酸（石鹸）、好ましくは中和されたＣ₈〜 Ｃ₂₅モノカルボン酸（直鎖、飽和石鹸）； （ｉｉ）パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ペトロラタム、グリー ス、セリー、ヒュームドシリカ及び／又はアルミノケイ酸塩、ウレア、及びクレ ー。 用いることができるワックスの例には、ウイットテイカー・クラーク・アンド ・ダニエルス社（Ｗｈｉｔｔａｋｅｒ，Ｃｌａｒｋ ＆ Ｄａｎｉｅｌｓ，Ｉｎ ｃ．）によって販売されているパラフィンワックス、及ひバスフ社（ＢＡＳＦ） からのルーワックス（Ｌｕｗａｘ）、及ひウイトコ社（ｗｉｔｃｏ）からのマル チワックス（ＭＵＬＴＩＷＡＸ）マイクロワックスが含まれる。好ましいワック スは、クリセリルステアレートである。 一般にゲル化剤は、組成物全体の１〜２０重量％を構成するものである。 バー湿分レベル 最後に、本発明のバーには、低レベルの水、すなわち組成物全体の２％から１ ０重量％未満、好ましくは２〜８重量％、より好ましくは３〜７重量％が用いら れる。水のレベルは、均一でポンプで汲み上げ可能なメルトを確保するために、 意図的にこのような範囲に維持される。このようなメルトは冷却した時に硬い固 体を形成する。過剰な水があると、混合の悪さ、低粘度、メルト中の相分離、及 び冷却した時に許容しえないほど柔らかい固体及び柔らかさが生じる結果となろ う。 任意の構造化補助剤及び充填剤 本発明のもう１つの任意成分は、固体構造化補助剤及び充填剤、すなわちバー の構造的一体性を維持するための使用である。このような構造化補助剤の例には 次のものが含まれるが、これに限定されるわけではない： 分子量が，５００〜１０，０００、融点が約４０℃〜６５℃のポリアルキレン グリコール；Ｃ₈〜Ｃ₂₀アルカノール、好ましくは直鎖、好ましくは飽和のＣ₁₄ 〜Ｃ₁₈アルカノール；Ｃ₈ 〜Ｃ₂₅脂肪酸、好ましくは直鎖、好ましくは飽和のＣ₁₄〜Ｃ₂₂脂肪酸；及び水溶 性スターチ、例えばマルトデキストリン。 構造化補助剤及び充填剤は一般に、バー組成物の０〜３５重量％、好ましくは １０〜２５重量％を構成する。 その他の任意成分 本発明のバーに用いられうるその他の成分は、次のとおりである： 本発明のバーはまた一般に、そのバー組成物に、有用物質０〜３０重量％、好 ましくは１〜２５％を組込んでいる。 本発明の有用物質「組成物」は、単一の有用物質成分であってもよく、あるい はキャリヤーを介して添加された有用物質化合物であってもよい。さらにはこの 有用物質組成物は、２つ又はそれ以上の化合物の混合物であってもよい。これの １つ又は全部が有益な側面を有していてもよい。さらにはこの有用物質自体が、 このバー組成物に添加したいと望むその他の成分に対するキャリヤーとして作用 してもよい。 この有用物質は、「エモリエントオイル」であってもよい。この用語は、水含 有量を増加することによって皮膚（角質層）を柔軟にし、水含有量の減少を遅ら せて皮膚を柔らかに保つ物 質という意味である。 好ましいエモリエントには次のものがある： （ａ）シリコーンオイル、ゴム及びこれの変性物、例えば線状又は環状ポリジ メチルシロキサン；アミノ、アルキル、アルキルアリール、及びアリールシリコ ーンオイル； （ｂ）天然脂肪及びオイルを含む脂肪及びオイル、例えばホホバ油、大豆油、 米糠油、アホカド油、アーモンド油、オリーブ油、ゴマ油、パーシックオイル（ ｐｅｒｓｉｃ）、ひまし油、やし油、ミンク油；カカオ脂；牛脂、ラード；前記 油を水素化することによって得られた硬化油；及び合成モノ、ジ、及びトリグリ セリド、例えばミリスチン酸グリセリド、及び２−エチルヘキサン酸グリセリド ； （ｃ）ワックス、例えばカルナウバ蝋、鯨蝋、蜜蝋、ラノリン、及びこれらの 誘導体； （ｄ）疎水性植物抽出物； （ｅ）炭化水素、例えば液体パラフィン、ワセリン、マイクロワックス、セレ シン、スクアレン、プリスタン、及び鉱油； （ｆ）高級脂肪酸、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア リン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、 リノレン酸、ラノリン酸、イソステアリン酸、ポリ不飽和脂肪酸（ＰＵＦＡ）； （ｇ）高級アルコール、例えはラウリル、セチル、ステアリル、オレイル、ベ ヘニル、コレステロール、及ひ２−ヘキサデカノールアルコール； （ｈ）エステル、例えばセチルオクタノエート、ミリスチルラクテート、セチ ルラクテート、イソプロピルミリステート、ミリスチルミリステート、イソプロ ピルパルミテート、イソプロピルアジペート、ブチルステアレート、デシルオレ エート、コレステロールイソステアレート、グリセロールモノステアレート、グ リセロールジステアレート、グリセロールトリステアレート、アルキルラクテー ト、アルキルシトレート、及びアルキルタルトレート； （ｉ）精油、例えばハッカ、ジャスミン、ショウノウ、ヌマヒノキ、ダイダイ の皮、リュー、松やに、シナモン、ベルガモット、温州ミカン、ショウブ、マツ 、ラベンダー、ゲッケイジュ、チョウジノキ、ヒバ、ユーカリノキ、レモン、ス ターフラワー、タイム、ペパーミント、バラ、セージ、メントール、シネオール 、オイゲノール、シトラール、シトロネラ、ボルネオ ール、リナロオール、ケラニオール、マツヨイグサ、ショウノウ、チモール、ス ピラントール、ペネン、リモネン、及びテルペノイド油； （ｊ）脂質、例えばコレステロール、セラミド、スクロースエステル、及び欧 州特許出願明細書第５５６，９５７号に記載されているような擬似セラミド； （ｋ）ビタミン、例えばビタミンＡ及びＥ、及びビタミンアルキルエステル、 例えばビタミンＣアルキルエステル； （ｌ）日焼け止め、たとえはオクチルメトキシルシンナメート（Ｐａｒｓｏｌ ＭＣＸ）及びブチルメトキシヘンゾイルメタン（Ｐａｒｓｏｌ １７８９）； （ｍ）リン脂質；及び （ｎ）前記成分のどれかの混合物。 特に好ましい有用物質はシリコーンであり、好ましくは粘度が約１０，０００ センチポアズより大きいシリコーンである。このシリコーンは、ゴムであっても よく、及び／又はこれはシリコーン混合物であってもよい。１つの例は、粘度が 約６０，０００センチストークスのポリジメチルシロキサンである。 前記パーセントはすべて、他の表示がなければ重量％である ものとする。 次の実施例は、例証のみを目的とするものであり、まったく特許請求の範囲を 限定するものではない。 実施例 方法論 マイルドさの評価 配合物調査のうち、刺激ポテンシャルを予備的にスクリーニングするために、 ゼイン溶解テストを用いた。８オンスジャーに、配合物の水性分散液３０ｍｌを 調製した。この分散液は、十分に溶解するまで４５℃浴に放置された。室温で平 衡した時、ゼイン粉末１．５グラムを各溶液に添加して、１時間急速攪拌した。 ついで溶液を遠心分離管に移し替え、約３，０００ｒｐｍで３０分間遠心分離し た。未溶解ゼインを単離し、濯ぎ、６０℃真空乾燥機で一定重量になるまで乾燥 させた。可溶化されたゼインのパーセントは刺激ポテンシャルに比例するもので あるが、これを重量測定によって測定した。配合物加工処理（キャスト−メルト） キャストメルトプロセスによってバーを調製した。まず成分を８０〜１２０℃ で５００ｍｌビーカーにおいて混合し、水の レベルを約１０〜１５重量％に調節した。湿分ロスを防ぐためにバッチにカバー をし、約１５分間混合した。 ついでカバーを除去し、混合物を乾燥させた。乾燥段階の間、異なる時点で採 られたサンプルの湿分含有量を、ターボ滴定器を用いたカール・フィッシャー滴 定によって測定した。最終的な湿分レベル（〜５重量％）において、ビーカー中 の混合物（自由流動液体形態）をバー金型に落とし、室温で４時間冷却した。固 化した時に、この混合物をバー金型中でキャストし、バーにした。 実施例１ ＰＥＧ（分子量＞３００）／アニオン剤比の、アニオン性界面活性剤−タンパク 質相互作用に対する影響 ゼイン溶解テスト（図１）において、分子量４００又はそれ以上のＰＥＧは、 ＰＥＧとアニオン性界面活性剤の重量比が１：１より大きく、好ましくは２：１ より大きい場合、ナトリウムアシルイセチオネートによって溶解されたゼインタ ンパク質の量を有意に減少させることが分かった。ＰＥＧ／アニオン剤比が１： １より小さい場合、ＰＥＧによるゼイン減少の利点は有意なものではなかった。 これらの結果は次のことを示して いる。すなわち比較的高いレベルの添加においてのみ、分子量が約３００ダルト ンより高い、好ましくは約３５０より高いＰＥＧは、皮膚モイスチャライザーと して作用し、皮膚への刺激となる界面活性剤と皮膚との相互作用を減少させると いうことである。実施例２ アニオン性界面活性剤におけるＰＥＧ（分子量＃３００）のマイルドさの向上の 欠如 分子量３００又はそれ以下において、ＰＥＧ及び示されている水溶性非イオン 性モノマー（すなわちエチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトー ル、及びグリセリル）は、ナトリウムアシルイセチオネート（図２）及びナトリ ウムラウリルエーテル（３ＥＯ）スルフェート（図３）によって溶解されるゼイ ンタンパク質の量を有意に減少させない。従ってＰＥＧ分子量の分割点（ｃｕｔ −ｏｆｆ）（約３００）があり、これ以下ではＰＥＧ及びこれらの水溶性モノマ ーは、皮膚刺激を生じ得る界面活性剤タンパク質相互作用を減少させる上で効果 的でない。実施例３ バー配合物 表１におけるバー配合物１〜４では、アニオン性ナトリウムアシルイセチオネ ート及びナトリウムラウリルエーテル（３ＥＯ）スルフェート及び両性ココアミ ドプロピルベタインが、主要洗浄剤として用いられている。これらのバー組成物 は、この技術では新規であって、比較的高いレベルの低分子量ＰＥＧ（分子量４ ００〜１，５００）をモイスチャライザーとして含んでいる。これらの超マイル ドバー（配合物Ｎｏ．１〜４）中のＰＥＧ１４５０及びＰＥＧ１０００は、豊富 でクリーミーな泡立ちを促進させる。 表１：比較的高いレベルの低分子量ＰＥＧを含むバー組成物

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】平成１０年１０月３０日（１９９８．１０．３０） 【補正内容】 本発明とは異なって、上記特許出願は、バー組成物全体において有意のレベル（ ７０〜８０％）の高分子量ＰＥＧを用いている。この特許は、本発明に用いられ ているものよりも有意に少ない量の低分子量ＰＥＧを用いている。 Ｊ．Ｃｈａｍｂｅｒｓらの、発明の名称が「合成洗浄剤バー及びその製造（Ｓ ｙｎｔｈｅｔｉｃ Ｄｅｔｅｒｇｅｎｔ Ｂａｒ ａｎｄ Ｍａｎｕｆａｃｔｕ ｒｅ Ｔｈｅｒｅｏｆ）」という米国特許出願番号第０８／２１３，２８７号の 継続出願である、米国特許出願番号第０８／５９４，３６３号に対応する本出願 人の同時係属出願第ＷＯ９４／２１７７８号において、１０〜６０％の合成界面 活性剤と、構造化剤としての１０〜６０％のＰＥＧとを含んでいるバーが教示さ れている。用いられているＰＥＧは、融解温度範囲が４０℃〜１００℃であり、 分子量範囲が１，５００〜１０，０００である。この分子量ではＰＥＧが室温で 固体になる。用いられているＰＥＧの分子量は、本発明によって特許請求されて いるもの（＜１，５００）よりも高い。同様に上記特許出願は、少なくとも１： １のＰＥＧ／アニオン剤比を教示していない。これはマイルドさの向上に関わる ものであり、本発明において重要なものである。 Ｍ．Ｍａｓｓａｒｏらの米国特許第５，５２０，８４０号は、１０〜６０％の 合成界面活性剤、融点範囲が４０℃〜１００℃の１０〜６０％の水溶性構造化剤 （例えばＰＥＧ）、及びマルトデキストリンなどの１〜２５％の水溶性スターチ を含む、皮膚クレンジングバー組成物を教示している。用いられているＰＥＧの 分子量（＞１，５００）は、本発明について特許請求されているものよりも高い 。同様にこの特許出願は、少なくとも１：１のＰＥＧ／アニオン剤比を教示して いない。これはマイルドさの向上に関わるものであり、本発明において重要なも のである。 Ｌｕｎｄｂｅｒｇの米国特許第２，２８７，４８４号は、３５〜７０％のアニ オン性合成界面活性剤と、２２〜５０％の脂肪酸とを含む、密閉ダイ成形技術に よって製造されたバーを教示している。このバーはまた、添加剤として１０％ま でのエチレン及びジエチレングリコールを含んでいてもよい。本発明から分かる ように、エチレン及びジエチレングリコールは、アニオン性界面活性剤の皮膚刺 激を減少させる上で、低分子量ＰＥＧ（分子量が３００より高い）ほど効果的で はない。同様にこの特許は、少なくとも１：１のＰＥＧ／アニオン性界面活性剤 重 量比を教示していない。これはマイルドさの向上に関わるものであり、本発明に おいて重要なものである。 １９９６年６月１２日に出願された、米国特許出願第０８／６６２，３９４号 に対応する本出願人の同時係属出願第ＷＯ９７／４７７２２号は、１０〜６０％ の合成洗浄剤、融点が４０℃より高い１０〜５０％の高分子量ＰＥＧ、及び加工 助剤としての０．１〜１０％の低分子量ＰＥＧ（融点が４０℃より低い）を含む マイルドバー組成物を教示している。この出願は、押出しプロセスを補助するた めの潤滑剤として、比較的低いレベルの低分子量ＰＥＧの使用を特許請求してい る。これは、本発明の技術とは有意に異なる。本発明では、モイスチャライザー として比較的高いレベルの低分子量ＰＥＧ（例えば組成物全体の＞１０重量％） をバーに配合している。同様にこの特許出願は、ＰＥＧとアニオン性界面活性剤 の重量比を特定していない。この比は、皮膚の優れたマイルドさを得るために本 発明において重要なものである。 Ｍ．Ｋａｃｈｅｒ、Ｊ．Ｔａｎｅｒｉ、Ｄ．Ｑｕｉｒａｍ、Ｄ．Ｓｃｈｍｉｄ ｔ、及びＭ．Ｅｖａｎｓの米国特許第５，２６２，０７９号及び第５，２２７， ０８６号は、５〜５０％の 遊離及び中和モノカルボン酸の混合物、１５〜６５％の合成アニオン性及び非イ オン性バー堅固性補助剤、及び１５〜５５％の水を含むフレーム付き（ｆｒａｍ ｅｄ）クレンジングバー組成物を教示している。このバー堅固性補助剤は、５〜 ５０％の合成界面活性剤と、分子量が約４４〜１０，０００ダルトンの０〜４０ ％のポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールから成る。この特許 は、向上したキャストーメルト加工性とマイルドさの向上の両方を得るための特 定のＰＥＧ／アニオン性界面活性剤重量比を有する、分子量４００〜１，５００ のＰＥＧの使用を教示も示唆もしていない。さらには所望のバー使用者特性（す なわち柔らかさと硬さ）を得るために、本発明の出願人は、特許請求されている バー組成物に、２〜１０重量％の水しか含ませていない。これは、上記引例特許 によって特許請求されている１５〜５５％の水よりも有意に低い。 最後に、出願人は、米国特許出願番号第０８／７３３，０３６号に対応する第 ＷＯ９８／１６６１９号を同時出願している。これは、発明の名称が「低レベル の水を含み、ポリオール／水の比か最小である、注入しうるキャストメルトバー 組成物（Ｐｏｕｒａｂｌｅ Ｃａｓｔ Ｍｅｌｔ Ｂａｒ Ｃｏｍｐｏｓｉ ｔｉｏｎｓ Ｃｏｍｐｒｉｓｉｇ Ｌｏｗ Ｌｅｖｅｌｓ ｏｆ Ｗａｔｅｒ ａｎｄ Ｍｉｎｉｍｕｍ Ｒａｔｉｏｓ ｏｆ Ｐｏｌｙｏｌ ｔｏ Ｗａｔｅ ｒ）」という出願である。本発明は同じキャストメルト方法によってなされてい る。しかしながらこの関連出願は、分子量４００〜１，５００の高いレベルのポ リアルキレングリコールが用いられかつポリアルキレングリコールとアニオン性 界面活性剤の比が少なくとも１：１であるような特定の組成物を対象としていな い。 次の実施例は、例証のみを目的とするものであり、まったく特許請求の範囲を 限定するものではない。 実施例 方法論 マイルドさの評価 配合物調査のうちの刺激ポテンシャルを予備的にスクリーニングするために、 ゼイン溶解テストを用いた。２２５グラム（８オンス）ジャーに、配合物の水性 分散液３０ｍｌを調製した。この分散液は、十分に溶解するまで４５℃浴に放置 された。室温で平衡した時、ゼイン粉末１．５グラムを各溶液に添加して、１時 間急速攪拌した。ついで溶液を遠心分離管に移し替え、約３，０００ｒｐｍで３ ０分間遠心分離した。未溶解ゼインを単離し、濯ぎ、６０℃真空乾燥機で一定重 量になるまで乾燥させた。可溶化されたゼインのパーセントは刺激ポテンシャル に比例するものであるが、これを重量測定によって測定した。配合物加工処理（キャスト−メルト） キャストメルトプロセスによってバーを調製した。まず成分を８０〜１２０℃ で５００ｍｌビーカーにおいて混合し、水のレベルを約１０〜１５重量％に調節 した。湿分ロスを防ぐため にバッチにカバーをし、約１５分間混合した。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，Ｓ Ｄ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ， ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，Ｆ Ｉ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ， ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，Ｍ Ｗ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ， ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＷ (72)発明者 ドルトン，ジエイムズ・ジヨージフ アメリカ合衆国、アリゾナ・85254、スコ ツツデイル、イースト・アコマ・ドライ ブ・7009、アパートメント・2041 (72)発明者 ダニエルズ，ケナード アメリカ合衆国、コネチカツト・06811、 タンバリー、フエアマウント・ドライブ・ 33 (72)発明者 シエイフアー，ジヨージア アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07304、ジヤージー・シテイー、ユニツ ト・１、クランデニー・アベニユー・266 (72)発明者 マツサロー，マイケル アメリカ合衆国、ニユー・ヨーク・10920、 コンガース、ドーバー・ロード・39

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．（ａ）合成の非石鹸アニオン性界面活性剤を２〜３５重量％； （ｂ）両性、双性イオン性、又は非イオン性界面活性剤、又はこれらの混合物を ０〜２０重量％； （ｃ）３００より高く約１，５００までの分子量を有するポリアルキレングリコ ールを１０〜７０重量％；但し（ｃ）と（ａ）の重量比は１：１より大きい： （ｄ）ゲル化剤を約１重量％より多く、２０重量％まで； （ｅ）水を２％から１０重量％未満； を含む皮膚クレンジングバー組成物。 ２．ゲル化剤が、Ｃ₈〜Ｃ₂₅中和カルボン酸（石鹸）、パラフィンワックス、ポ リエチレンワックス、グリセリルステアレート、ペトロラタム、グリース、ゼリ ー、ヒュームドシリカ、アルミノケイ酸塩、ウレア、クレー、及びこれらの混合 物から成る群から選ばれる、請求項１に記載の組成物。 ３．Ｃ₈〜Ｃ₂₅脂肪酸、Ｃ₈〜Ｃ₂₀アルカノール、水溶性スターチ（すなわちマル トデキストリン）、分子量が２，５００〜 １０，０００のポリアルキレングリコール、及びこれらの混合物から成る群から 選ばれる固体構造化剤及び充填剤０〜３５重量％が含まれている、請求項１に記 載の組成物。 ４．ポリアルキレングリコール（１（ｃ））とアニオン性界面活性剤（１（ａ） ）の重量比が、２：１より大きい、請求項１に記載の組成物。 ５．合成非石鹸アニオン性界面活性剤が、組成物全体の１０〜３０重量％を構成 する、請求項１に記載の組成物。 ６．両性及び双性イオン性界面活性剤が、組成物全体の２〜１５重量％を構成す る、請求項１に記載の組成物。 ７．低分子量ポリアルキレングリコールが、下記構造式： ［式中、Ｒ₁＝Ｈ、Ｃ₁〜Ｃ₄アルキル； Ｒ₂＝Ｈ、ＣＨ₃；及び ｎは６より大きく、３５より小さい］ を有する、請求項１に記載の組成物。 ８．中和脂肪酸（石鹸）が、直鎖飽和Ｃ₁₂〜Ｃ₂₂中和モノカルボン酸である、請 求項２に記載の組成物。 ９．構造化剤が、Ｃ₈〜Ｃ₂₅カルボン脂肪酸であり、この脂肪酸が、組成物全体 の５〜２５重量％を構成する、請求項３に記載の組成物。 １０．構造化剤が脂肪酸であり、脂肪酸が、直鎖飽和Ｃ₁₂〜Ｃ₂₂モノカルボン酸 である、請求項３に記載の組成物。 １１．アルカノールがセチルアルコールである、請求項３に記載の組成物。 １２．ポリアルキレングリコールが、３５０より高く約１，５００ダルトンまで の分子量を有する、請求項１に記載の組成物。