JP2001501445A - KVLQT1をコードする長QT症候群遺伝子およびそのminKとの関連 - Google Patents

KVLQT1をコードする長QT症候群遺伝子およびそのminKとの関連

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Abstract

(57)【要約】 本発明の1の態様は、長QT症候群の分子ベースの同定に関する。さらに詳しくは、本発明は、突然変異したKVLQT1が長QT症候群を引き起こすことを確認した。この遺伝子の解析は、長QT症候群の持つ対象の初期診断を提供する。該診断方法は、試験すべき個体のKVLQT1遺伝子の核酸配列を分析し、それらを、天然非変異体遺伝子の核酸配列と比較することよりなる。または、KVLQT1のアミノ酸配列を、長QT症候群引き起こす突然変異につき分析してもよい。長QT症候群の前徴候診断は、実行者が現行の医学的治療を用いてこの障害を治療することを可能とする。本発明の第2の態様は、KVLAT1がminKと共集合して心臓カリウムチャンネルを形成するという認識に関する。これは、長QTを治療または予防するのに有用な新しい薬物を同定するためにこのチャンネルと相互作用する薬物についての検定を可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】 KVLQT1をコードする長QT症候群遺伝子およびそのminKとの関連 この出願は、メリーランド州ベセスダのナショナル・インスティチュート・オ ブ・ヘルス(National Institute of Health)によって投資された助成金番 号R01 HL48074、および米国公衆衛生事業(Public Health Service) からの助成金番号M01RR00064の下で政府援助によりなされた。発明の背景 本発明は長QT症候群(LQT)と関連する遺伝子および遺伝子産物ならびに LQTの診断および予防方法に向けられる。LQTは、本発明に従い、試験すべ き個体のKVLQT1遺伝子のDNA配列を分析し、各DNA配列を正常KVL QT1遺伝子の公知配列と比較することにより診断される。別法として、試験す べき個体のKVLQT1遺伝子はLQTを引き起こす突然変異につきスクリーニ ングすることができる。LQTの予測は診療医が現行医学療法を用いてこの障害 を予防することを可能とするであろう。本発明は、さらに、KVLQT1および minK蛋白質が共集合して心臓IKsカリウムチャンネルを形成するという発見 に向けられる。この知識はこれらの2種の蛋白質を細胞内で共発現させるのに用 いることができ、かかる形質転換細胞は、LQTを治療または予防するために有 用であろう薬物につきスクリーニングするのに使用できる。 発明の背景を説明するか、あるいは実施に関するさらなる詳細を提供するため に本明細書中において使用される出版物および他の資料はここに引用して本明細 書の一部とし、それぞれ便宜上添付の参考文献リストにグループ分けされている 。 心臓不整脈は罹患率および死亡率の共通の要因であり、自然死の約11%を占 める(Kanne、1987年;Willichら、1987年)。一般的に、生命を脅かす心 室性頻拍型不整脈の前徴候診断および治療は乏しく、いくつかの場合において医 学処埋が不整脈および死の危険性を現実には増加させる(ニュー・イングル・ジ ェイ・メド(New Engl J.Med.)327巻,227頁(1992年))。これらの要 因は心臓不整脈の危険性のある個人の初期検出および不整脈予防を高い優先性の ものとする。 遺伝的および後天性要因は共に心臓不整脈の発症の危険性に寄与する。長QT 症候群は意識が突然なくなること、失神、発作、ならびにとりわけトルサード・ ド・ポワント(torsade de pointes)および心室細動のごとき心室性頻拍不整 脈からの突然死を引き起こす遺伝性心臓不整脈である(Ward,1964年;Romano 、1965年;Schwartzら、1975年;Mossら、1991年)。この障害は若く 、その他の点では健康な個人において通常起こる(Ward、1964年;Romano、 1965年;Schwartz、1975年)。大部分のLQT遺伝子保持者は心電図に おいて異常な心臓再分極の兆候であるQT間隔の延長を示す(Vincentら、199 2年)。LQTの臨床的特徴はエピソード的心臓不整脈、特にこの不整脈および 心室細動での心電図の特徴的なゆるやかに波立つ性質から名づけられたトルサー ド・ド・ポワント(torsade de pointes)のごとき再分極関連心室性頻拍型不 整脈に起因する(Schwartzら、1975年;MossおよびMcDonald、1970年)。 トルサード・ド・ポワント(Torsade de pointes)は心室細動、特に致命的不 整脈に退歩しえる。LQTは普通の診断ではないが、心室不整脈は非常に普通で ある;300,000人以上のアメリカ合衆国国民が毎年突然死し(Kannelら、 1987年;Willichら、1987年)、多くの場合において、その基礎となるメ カニズムは異常心臓再分極である。LQTは、したがって、分子レベルにおける 生命を脅かす心臓不整脈を研究するためのユニークな機会を提供する。 LQTの遺伝的および後天的形態が決定されている。後天的LQTおよび二次 的不整脈は心臓虚血、徐脈および低い血清カリウムまたはカルシウム濃度のごと き代謝的異常性に起因しえる(Zipes、1987年)。LQTは抗生物質、抗ヒス タミン薬、全身麻酔薬を含めたある種の投薬での処置、および、最も普通には、 抗不整脈投薬に起因する(Zipes、1987年)。LQTの遺伝的形態は少なくと も3個の異なる遺伝子における突然変異に起因する。以前の研究において、LQ T遺伝子座(LQT4)が染色体11p15.5(LQT1)(Keatingら、19 91a;Keatingら、1991b)、7q35−36(LQT2)および3p21− 2 4(LQT3)(Jiangら、1994年)にマップされた。これらのうち、遺伝性 LQTの最も普通の原因はLQT1である。本発明者らのデータはこの遺伝子に おける突然変異が遺伝性LQTの50%を超える原因であることを示す(Q.Wang 、未公開の結果)。近年、第4のLQT遺伝子座(LQT4)が4q25−27に マップされた(schottら、1995年)。本研究は染色体21に位置する遺伝子で あるminKもまたLQTに関与することを示す。 この障害の常染色体優性および常染色体劣性形態が報告されている。(ジェル ヴェル−ラング−ニールセン(Jervell-Lange-Nielson)症侯群としても知られて いる)常染色体劣性LQTは先天性神経難聴と関連付けられてきた;この形態の LQTは稀である(JervellおよびLange-Nielson)1957年)。常染色体優性L QT(ロマノ−ウォード(Romano-Ward)症候群)はより普通であるが、他の表 現型異常と関連しない。遺伝的LQTに非常に類似する障害は、通常、薬理療法 の結果として獲得する可能性がある(Schwartzら、1975年;Zipes、1987 年)。 このデータはLQTにおける不整脈のメカニズムに関係がある。LQTについ ての2つの仮説が以前提案された(Schwarzら、1994年)。1つは左の自律性 神経支配が優勢になると、異常な心臓の再分極および不整脈を引き起こすことを 示す。この仮説は不整脈が犬において右の星状神経節の除去により引き起こされ るという発見により支持される。加えて、逸話的証拠により何人かのLQT患者 はβ−アドレナリン作動性遮断剤および左星状神経節切除により効果的に治療し 得ることを示す(Schwartzら、1994年)。LQT関連不整脈についての第二の 仮説は、心臓特異的イオンチャンネル遺伝子または、心臓イオンチャンネル類を 変調する遺伝子における突然変異は、遅延した筋肉細胞再分極を引き起こすこと を示す。遅延した筋肉細胞再分極は、L−タイプのカルシウムチャンネルの再活 性化を促進でき、その結果第二の脱分極が起こる(JanuaryおよびRiddle、198 9年)。これらの第二の脱分極はトルサード・ド・ポワント(torsadedepointe)不整 脈の細胞メカニズムのようである(Surawicz、1987年)。この仮説は、カリウ ムチャンネルの薬理学的阻害はヒトおよび動物モデルにおいてQT延長およ び再分極−関連不整脈を誘導し得るという観察により支持される(Antzelevitch およびSicouri、1994年)。LQTの1つの形態が心臓カリウムチャンネルに おける突然変異に起因するという発見は心臓細胞仮説を支持する。 1991年に、常染色体優性LQTおよびHRASにおける多形の間の完全な 連鎖が報告された(Keatingら、1991年a;Keatingら、1991年b)。この 発見によりLQTが染色体11p15.5に位置付けられ、いくつかの家族にお いて前徴候診断を可能とした。常染色体優性LQTは遺伝的に相同であると以前 考えられ、研究された第一の7家族は11p15.5に連鎖した(Keatingら、1 991年b)。1993年に、LQTについての遺伝子座異質性が存在すること が見出された(Benhorinら、1993年;Curranら、1993年;Towbinら、19 94年)。2つのさらなるLQT遺伝子座が引き続いて同定された、染色体7q 35−36上のLQT2(9家族)および3p21−24上のLQT3(3家族)(J iangら、1994年)。いくつかのファミリーは公知の遺伝子座に連鎖していな いままであり、これはLQTについてのさらなる遺伝子座の不均質性を示す。こ の不均質性の程度は、離れたLQT遺伝子が心臓再分極および不整脈の危険性を 変調するよう相互作用する蛋白質をコードし得ることを示す。 LQTの生理学についてはほとんど知られていないにもかかわらず、この障害 は異常な心臓再分極の兆候である心電図上のQT間隔の延長に関連する。この関 連は、イオンチャンネルまたはそのモデュレーターをコードする遺伝子は、LQ Tの合理的候補であることを示す。染色体11p15.5に位置付けられたHR ASは直接DNA配列分析および(未公開の観察)に基づき、連鎖分析(Royら、1 994年)によって、LQTIの候補としては除外された。神経内分泌カルシウ ムチャンネル遺伝子(CACNL1A2;Chinら、1991年;Seinoら、19 92年)およびカリウムチャンネルを変調するGTP結合蛋白質をコードする遺 伝子(GNAI2;Weinsteinら、1988年;Magovcevicら、1992年)がそれらの染 色体上の位置に基づきLQT3につき候補となった。引き続く連鎖分析により、 しかしながら、これらの遺伝子は除外された(WangおよびKeating、未公開データ )。骨格筋塩化物チャンネル(CLCNI;Kochら、1992年)および心臓ムスカリン − アセチルコリンレセプター(CHRM2;Bonnerら、1987年)はその染色体7q3 5−36位置に基づきLQT2につき候補となったが、引き続く連鎖分析により これらの遺伝子は除外された(Wangら、提出)。 理論上は、心臓ナトリウムチャンネル遺伝子中の変異はLQTを引き起こし得 る。電圧ゲートナトリウムチャンネルは心室筋細胞において急速な脱分極を媒介 し、活動電位のプラトー相の間、小さい電流を伝導する(Attwellら、1979年 )。ナトリウムチャンネル機能のわずかな異常(例えば、遅延したナトリウムチャ ンネル不活化またはチャンネル不活化の電位依存性変化)は心臓の再分極を遅ら せ得、QT延長および不整脈につながる。1992年に、Gellensおよびその同 僚は心臓ナトリウムチャンネル遺伝子、SCN5Aをクローン化し、特徴付けた (Gellenら、1992年)。この遺伝子の構造は、2016アミノ酸の大きい蛋白 質をコードする以前特徴付けられた他のナトリウムチャンネルに類似していた。 これらのチャンネル蛋白質は4個の相同ドメインを含んでおり(DI−DIV)、そ れぞれが6個の推定膜貫通セグメントを含む(S1−S6)。SCN5Aは近年染 色体3p21にマップされ、そのことがそれをLQT3についての優れた候補と し(Georgeら、1995年)、この遺伝子はついでLQTと関連することが証明さ れた(Wangら、1995a)。 1994年に、WarmkeおよびGanetzkyはヒト・エーテルa−go−go関連遺伝子 を同定した(HERG、WarmkeおよびGanetzky、1994年)。HERGは体細胞 ハイブリッドパネルのPCR分析により染色体7に位置付け(WarmkeおよびGanet zky、1994)、それをLQT2についての候補とした。HERGによつてコー ドされる蛋白質の機能は知られていないが、それはカリウムチャンネルに対する 予測アミノ酸配列相同性を有する。HERGは、カルシウム変調カリウムチャン ネルをコードするショウジョウバエ(Drosophila)のエーテルa−go−go遺伝子(ea g)に対する相同性によって海馬cDNAライブラリーから単離された(Bruggeman ら、1993年)。HERGはeagのヒト・ホモログではないが、約50%の アミノ酸配列相同性を共有するのみである。HERGはLQTと関連することが 示された(Curranら、1995年)。 新規なカリウムチャンネル遺伝子が今回見出され、KVLQT1と名づけられ た。KVLQT1がLQT1であることを示す証拠がここに示される。KVLQ T1における突然変異を有する16の家族が同定され、特徴付けられ、その16 の家族全てにおいて、LQT1およびKVLQT1の間に完全な連鎖があること が示された。KVLQT1は染色体11p15.5にマップされ、それをLQT 1についての候補遺伝子とする。KVLQ1はカリウムチャンネルの構造特徴を 有する蛋白質をコードし、ノーザンブロット分析により測定された遺伝子の発現 は、KVLQY1が心臓において最も強く発現されることを示した。LQTを引 き起こす1個の遺伝子内欠失および10個の異なるミスセンス突然変異がKVL QT1において同定された。これらのデータによりKVLQT1が新しい心臓カ リウムチャンネル遺伝子として同定され、この遺伝子における変異が心室性頻拍 型不整脈および突然死への罹患を引き起こすことを示す。 IKsチャンネルの1つの成分が、単一の推定膜貫通ドメインを有する130ア ミノ酸蛋白質であるminKであることは知られていた(Takumiら、1988年 ;GoldsteinおよびMiller、1991年;Hausdorffら、1991年;Takumiら、 1991年;Buschら、1992年;WangおよびGoldstein;1995年;Wangら 、1996年)。この蛋白質のサイズおよび構造により、minK単独で機能的 チャンネルを形成することはありそうになかった(Attaliら、1993年)。KV LQT1およびminKが共集合した心臓IKsカリウムチャンネルを形成する証 拠が示される。IKs機能不全は心臓不整脈の原因である。発明の概要 本発明は長QT症候群の分子ベースを示す。より具体的には、本発明はKVL QT1遺伝子の分子変異体がLQTの発病を引き起こすかまたはLQTの発病に 関連することを決定した。遺伝子型分析は、KVLQT1が16の無関係家族に おいてLQT1に完全に連鎖することを示す。KVLQT1遺伝子の分析はLQ Tを持つ対象の初期診断を提供する。診断法は、試験されるべき個体のKVLQ T1遺伝子のDNA配列を分析し、それを天然の、非変異体遺伝子のDNA配列 と比較することからなる。第二の具体例において、試験されるべき個体のKVL QT1遺伝子を、LQTを引き起こす突然変異をスクリーニングする。LQTを 予測する能力は、医師が、β遮断薬のごとき医療治療で病気を予防することを可 能とする。 KVLQT1およびminKが共集合して心臓IKsカリウムチャンネルを形成 することがさらに示された。IKs機能不全は心臓不整脈の原因である。これらの 2種の蛋白質が共集合してIKsチャンネルを形成するという知識はLQT1を 治療または予防するために有用な薬剤につきスクリーニングするための分析を開 発するために有用である。両方の遺伝子を卵母細胞のごとき細胞内で共発現させ ることにより、その野生型においておよび変異型において、該IKsチャンネル に対する効果を有する薬剤をスクリーニングすることが可能である。この知識は また、LQTを持つ対象の初期診断のためのminK遺伝子の分析で有用である 。該診断方法はKVLQT1について前記したごとく行われる。 図面の簡単な説明 図1.LQT家系1532の一部の家系図。罹患個人は塗りつぶした丸(女性 )または正方形(男性)で示され、非罹患個人は塗りつぶさない記号であり、あ いまいな表現型を持つ個体は点刻されている。染色体11マーカーの遺伝子型は 各記号の下に示され、ハプロタイプとして示される。マーカー順(頂部から底部 )は:Tel-HRAS-D11S922-TH-D11S1318-D11S454-D11S860-D11S12-Cenである。ハ プロタイプの正確さはさらなる染色体11p15.5マーカーからの遺伝子型を 用いて確認された(Q,Wang、未発表データ)。推測された遺伝子型を括弧中に示 す。病気の染色体は箱で示され、組換え事象は実線水平線で示される。病気染色 体に影響する組換え事象は個人:IV−22、IV−25、V−6、V−17、 V−24、V−34、VI−13、VI−14およびVI−16において起こる 。病気でない染色体で起こる組換え事象は示されない。KVLQT1は、プライ マー5および6によって同定されるKVLQT1内のSSCPコンフォーマーで あり;このコンフォーマーはK1532において同定されるのみであり、病気関 連突然 変異(対立遺伝子2は突然変異体対立遺伝子である)を表す。ハプロタイプ分析 は、KVLQT1がフランキングマーカーD11S922およびD11S454 の間に位置することを示す。 図2.LQT1領域の物理的地図である。染色体11のイディオグラムは、L QTI(11p15.5)のおおよその配置を示す。多形性マーカーおよびいく つかのコスミドの位置が地図上の垂直線によって示される。洗練された遺伝子マ ッピングにより、LQT1はTHおよびD11S454の間に置かれる。THお よびD11S454間の距離はパルスフィールドゲル分析により<700kbと 推定された。重複したYACおよびP1クローンの最小セットの物理的地図が示 される。KVLQT1 cDNAおよび捕捉されたエキソンの位置が示される。 YAC内のダッシュ線はキメリズムを示す。 図3Aおよび3B.KVLQT1のヌクレオチドおよび推定アミノ酸配列(最 初の34アミノ酸をコードする領域は含まない)である。(A)KVLQT1の 混成配列が示される。ヌクレオチド配列は配列番号No.15である。アミノ酸 配列は配列番号No.16である。6個の推定膜貫通セグメント(S1ないしS 6)および推定ポア領域(Pore)が示される。潜在的グリコシル化部位(N 160)はイタリック体とする。2のコンセンサスポリアデニル化シグナルが3 ‘非翻訳領域に太字で示される。KVLQT1についての混成cDNA配列は重 複するcDNAクローンの末端配列決定およびプライマーウォーキングにより得 られた。KVLQT1配列はGenBank登録番号U40990が付与された。(B )Drosophila Shakerカリウムチャンネル、DMSHAKEI(SHA)とのK VLQT1のS1−S6領域の整列(Pongら、1988年)。同一性(I)および 類似性(:)が示される。KVLQT1の3個の別々の断片は:配列番号No. 17、配列番号No.18および配列番号No.19の順である。DMSHAK E1の3個の別々の断片は配列番号No.20、配列番号No.21および配列 番号No.22の順である。 図4.KVLQT1の組織発現パターンである。ノーザン分析によりヒト腎臓 、肺、胎盤、および肺において、3.2kbのKVLQT1 mRNAが明らか と され、心臓において最も高いレベルである。 図5A−5D.KVLQT1ミスセンス突然変異は家系K1532(図5A) 、K2605(図5B)、K1723(図5C)およびK1807(図5D)と 共分離する。プライマー対5−6(K1532)、ブライマー対9−10(K17 23,K1807)およびプライマー対11−12(K2605)でのSSCP 分析の結果は、各家系につき以下に示される。異常SSCPコンフォーマー(* で示される)は各家系においてLQTと共分離する。K1532については、2 17個人のうち8のみが示される:K1532のさらなるメンバーにおけるSS CPの結果は図1に示される(KVLQT1対立遺伝子2)。K161およびK1 62においてLQTと共分離する異常SSCPコンフォーマーはK1807では っきりとした異常コンフォーマーと同一であるので、これらの家系についての結 果は示さない。正常(左)および異状コンフォーマー(右)のDNA配列分析の 結果は、各血縁の下方に示す。 図6A−6G.家系K13216(図6A)、K1777(図6B)、K20 925(図6C)、K2557(図6D)、K13119(図6E)、K20926( 図6F)およびK15019(図6G)におけるKVLQT1遺伝子内欠失およ びLQTと関連するミスセンス突然変異である。プライマー対1−2(K132 16、K2557、K13119、K150199、プライマー対7−8(K1 777、K20926)、およびプライマー対9−10(K20925)でのS SCP分析の結果は各血縁の下方に示す。K2050、K163およびK164 と共分離する異状SSCPコンフォーマーはK1723およびK1807ではっ きりとした異状コンフォーマーと同一であるので、これらの家系に対する結果は 示さない。通常(左)および異状(右)コンフォーマーは各血縁の下方に示され る。示される鎖はアンチセンス鎖上にある。 図7.KVLQT1蛋白質の予測されたトポロジーおよびKVLQT1突然変 異の位置の模式的表示である。 図8Aおよび8B.ヒトおよびツメガエルKVLQT1の構造およびヒトKV LQT1の組織−発現パターンである。A)ヒトおよび部分的ツメガエルKVL QT1アミノ酸配列の比較。垂直線は同一の残基を示す。ツメガエルのアミノ酸 配列は配列番号23であり、ヒトアミノ酸配列は配列番号24である。B)ヒト 心臓、胎盤、肺、腎臓および膵臓におけるKVLQT1の発現を示すノーザン分 析。 図9A−9E.CHO細胞におけるKVLQT1およびhminK共発現は心 臓IKsとほとんど同じ電流を誘導する。A)−80mVの保持電位から適用され た、−50ないし+40mVの膜電位への1秒間の脱分極パルス間に記録された KVLQT1電流。テイル電流は−70mVにて測定した。B)KVLQT1で トセンスフェクトした(n=6;1秒パルス)またはKVLQT1およびhmi nKでトランスフェクトした(n=7.5秒パルス)細胞についての正規化した 等時性活性化曲線。C−E)hminK(C)、KVLQT1(D)またはKVL QT1およびhminK(E)でトランスフェクトした細胞における−40、− 20、−10、0、+20および+40mVへの7.5秒パルス間に記録された 電流。テイル電流はDにおいて−70mVにて、CおよびEにおいて−50mV にて測定した。+40mVにおける定常状態KVLQT1電流の振幅は0.37 ±0.14nA(n=6)であった。KVLQT1およびhminKで共トラン スフェクトした細胞において、+40mVまでの7.5秒パルスの間の時間依存 電流は1.62±0.39nA(n=7)であった。 図10A−10C. ツメガエル卵母細胞におけるKVLQT1の発現。A)1 2.5ngのKVLQT1 cRNAを注射した卵母細胞において記録された電 流。パルスは−70ないし+40mVの10mV増加において適用された。B) KVLQT1電流についての等時性(1s)活性化曲線。C)Erev対log[K+ ]eの関係は線形関数と適合しており、49.9±0.4mVの勾配を有してい た(点当たり6−7卵母細胞)。テイル電流は+10mVへの1.6秒のプレパル ス後いくつかの電圧において測定した。 図11A−11E.KVLQT1およびhminKの共発現は、ツメガエル卵 母細胞におけるKVLQT1ホモログの存在を示す。電流は、それぞれ5.8n g KVLQT1(図11A)、lng hminK(11B)を注射された、ま たは両cRNAを共注入した卵母細胞で−40、−20、0、+20および+4 0mVにおいて記録された。図11DはKVLQT1に対して2秒パルス、hm inK、またはKVLQT1およびhminKに対して7.5秒パルスを用いて 測定した電流−電圧関係を示す(n=それぞれの条件につき20細胞)。60pg またはlngのhminK cRNAを注射した卵母細胞については、+40m VにおけるIsKは2.11±0.12μAおよび2.20μAであった。図11 EはhminKを注射したか(V1/2=2.4±0.3mV;勾配=11.4± 0.3mV;n=16)またはKVLQT1およびhminK cRNAを共注 入した(V1/2=6.2±0.3mV;勾配=12.3±0.2mV;n=20) 卵母細胞についての正規化した等時性活性化曲線を示す。 図12A−12D.KVLQT1 cDNAについてのヌクレオチド配列およ びその翻訳産物が示される。発明の詳細な記載 本発明は、LQTがKVLQT1遺伝子にマップされ、この遺伝子の分子変異 体がLQTの病気発生を引き起こし、それに関与するという判断に指向される。 それはまたKVLQT1およびminKが共集合して心臓IKsカリウムチャンネ ルを形成するという判断にもまた指向される。より具体的には、本発明は、KV LQT1遺伝子およびLQTの診断におけるそれらの使用に関する。本発明は、 さらに、LQTを引き起こすKVLQT1遺伝子変異体の存在についてヒトをス クリーニングする方法に指向される。LQTは現在、より早く(すなわち徴候が 現れる前)かつより明確に検出できるので、よりよい治療選択が、LQTを有す ると決定された個人において利用可能であろう。本発明は、また、LQT1を治 療しまたは予防するために有用な薬物につきスクリーニングする方法に指向され る。 本発明は、突然変異を同定するためのKVLQT1遺伝子のスクリーニング方 法を提供する。かかる方法はさらにKVLQT1遺伝子の一部を増幅される工程 を含んでよく、さらにKVLQT1遺伝子の該一部の増幅のためのプライマーで ある一組のポリヌクレオチドを供する工程をも含む。該方法はLQTの診断また はLQTの予後における使用のための突然変異を同定するのに有用である。 長QT症候群は、心臓不整脈、特にトルサード・ド・ポワンテス(torsadedep ointes)および心室細動からの突然死を引き起こす遺伝的障害である。LQTは 以前3つの遺伝子座(染色体11p15.5上のLQT1、7q35−36上の LQT2および3p21−24上のLQT3にマップされた。LQTおよび、心 臓カリウムチャンネル遺伝子であるKVLQT1内の多形間に遺伝的連鎖がある ということは本発明の発見である。 本発明は、さらに、染色体21上のminKがまたLQTに関与することを示 す。minK蛋白質およびKVLQT1は共集合してK+チャンネルを形成する 。本発明は、かくして、突然変異を同定するためのminK遺伝子のスクリーニ ング方法を提供する。かかる方法は、さらに、minK遺伝子の一部を増幅させ る工程を含んでよく、さらにminK遺伝子の該一部の増幅のためのプライマー である一組のポリヌクレオチドを供する工程をも含んでよい。該方法は、LQT の診断またはLQTの予後で使用するための突然変異を同定するのに有用である 。 最後に、本発明は、LQTを治療または予防するのに有用な薬物の同定のため の薬剤候補のスクリーニング方法に指向される。薬剤スクリーニングは、卵母細 胞、哺乳類細胞またはトランスジェニック動物のごとき細胞中の突然変異体KV LQT1および/またはminK遺伝子を共発現させ、IKsチャンネルに対する 薬剤候補の効果を分析することにより行われる。該効果は野生型KVLQT1お よびminK遺伝子のIKsチャンネル活性に対し比較する。 該KVLQT1遺伝子がLQTを引き起こすことに関連するという証拠は、異 常KVLQT1遺伝子産物または異状レベルの該遺伝子産物を生じる罹患家系メ ンバーから抽出されたDNA中で配列を見出すことによって得られる。かかるL TQ罹患性対立遺伝子は、大家系における病気と共分離する。また、それらは、 一般的集団中の個人におけるよりも、LQTを持つ非家系個人においてかなり高 い頻度で存在する。鍵は、遺伝子産物の正常機能に対して明らかな破壊を引き起 こすのに十分な程重症である突然変異を見出すことにある。これらの突然変異は 、 多数の形態を取り得る。ほとんどの重症形態は、遺伝子に異常蛋白質をコードさ せるフレームシフト突然変異または大きな欠失あるいは蛋白質発現を有意に改変 するものであろう。重症度の低い破壊的突然変異は、システイン残基へのまたは それからの変化、塩基性アミノ酸から酸性アミノ酸への変化またはその逆、疎水 性アミノ酸から親水性アミノ酸への変化またはその逆のような、生産される蛋白 質に対して有意な効果を有するであろう、小さなイン−フレーム欠失および非保 存的塩基対置換、あるいは二次または三次蛋白質構造に影響するであろう他の突 然変異を含む。サイレント突然変異または保存的アミノ酸置換の結果となる突然 変異は、一般的に、蛋白質機能を破壊することが予想される。 本発明の診断および予後方法によると、野生型KVLQT1遺伝子の改変が検 出される。加えて、該方法は、野生型KVLQT1遺伝子を検出し、次いで、こ の遺伝子座の結果としてのLQTの原因欠如を確認することによって行うことが できる。「野生型遺伝子の改変」は、コーディングおよび非コーディング領域に おける欠失、挿入および、突然変異を含めたすべての形態の突然変異を含む。欠 失は、全遺伝子のものであっても、あるいは該遺伝子の一部のみであっても良い 。点突然変異の結果、停止コドン、フレームシフト突然変異またはアミノ酸置換 となり得る。体細胞突然変異は、ある種の組織でのみ起こり、生殖細胞系では受 け継がれないものである。生殖細胞系突然変異は、いずれの体の組織においても 発見でき、遺伝する。点突然変異事象は、遺伝子のプロモーター中のごとき調節 領域で起こり得、これはmRMAの発現の喪失または減少に至る。また、点突然 変異は、適当なRMAプロセッシングを無くし、KVLQT1遺伝子産物の発現 の喪失または減少、またはmRMA安定性もしくは翻訳効率の減少に導く。 LQTの存在は、KVLQT1遺伝子またはminK遺伝子の突然変異につき 、ヒトいずれかの組織をテストすることによって確認できる。参照の便宜のため に、以下の記載はKVLQT1遺伝子に向けられる。しかしながら、該記載は、 突然変異につきテストするためにminK遺伝子に同等に適用できる。例えば、 生殖細胞系KVLQT1突然変異を受け継いだ者は、LQTを発症する傾向があ ろう。これは、その者の身体のいずれかの組織からのDNAをテストすることに よって 測定できる。最も単純には、血液を採取し、該血液の細胞からDNAを抽出する ことができる。加えて、出生前診断は、胎児細胞、胎盤細胞または羊膜細胞をK VLQT1遺伝子の突然変異につきテストすることによって達成することができ る。例えば、点突然変異または欠失であるかにかかわらず、野生型KVLQT1 対立遺伝子の改変は本明細書中に記載したいずれかの方法によって検出できる。 DNA配列変化を検出するのに用いることができるいくつかの方法がある。手 動配列決定または自動蛍光配列決定いずれかの直接的DNA配列決定は配列変化 を検出することができる。もう一つのアプローチは、一本鎖コンフォメーション 多形アッセイ(SSCP)である(Oritaら、1989年)。この方法は、特に、 もしDNA断片サイズが200bpを超えれば、すべての配列変化を検出しない が、ほとんどのDNA配列変化を検出するよう最適化することができる。低下し た検出感度が不利な点であるが、SSCPで可能なスループットの増大はそれを 魅力的で、研究ベースに基づき、突然変異検出についての配列決定を指示する活 力のある別法とする。次いで、SSCPゲルでのシフトした移動度を有する断片 を配列決定して、DNA配列変化の正確な性質を決定する。二つの相補的DNA 鎖の間のミスマッチの検出に基づく他のアプローチは、クランプト変性ゲル電気 泳動(CDGE)(Sheffildら、1991年)、ヘテロデュプレックス分析(HA )(Whiteら、1992)および化学的ミスマッチ切断(CMC)(Grompeら、19 89)を含む。前記したいずれの方法も大きな欠失、複製または挿入を検出せず 、また、それらは蛋白質の転写または翻訳に影響する調節的突然変異を検出しな い。蛋白質切形アッセイまたは不斉アッセイのようなこれらのクラスの突然変異 を検出するであろう他の方法は、特異的タイプの突然変異のみを検出し、ミスセ ンス突然変異は検出しないであろう。DNA配列変化を検出する現在利用可能な 方法のレビューは、Grompe(1993)による最近のレビュー中に見出すことが できる。一旦突然変異が知られたら、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド(A SO)ハイブリダイゼーションのごとき対立遺伝子特異的検出アプローチを利用 して、非常に多数の他の試料をその同一の突然変異につき迅速にスクリーニング することができる。 DNA配列における多形を検出するための迅速な予備的分析は、一以上の制限 酵素、好ましくは多数の制限酵素で切断したDNAの一連のサザーンブロットを 観察することによって達成できる。各ブロットは一連の正常な個体および一連の LQTケースを含む。ハイブリダイズする断片を示すサザーンブロット(KVL QT1遺伝子座の近くまたはそれを含む配列でプローブした場合、対照DNAと は長さが異なる)は、可能な突然変異を示す。非常に大きな制限断片を生じる制 限酵素を用いれば、パルスフィールドゲル電気泳動(PFGE)が用いられる。 点突然変異の検出は、KVLQT1対立遺伝子を分子クローニングし、当該分 野でよく知られた技術を用いて該対立遺伝子を配列決定することによって達成で きる。 罹患性対立遺伝子の存在を確認するための、より完全であるが依然として間接 的なテストには、6つの良く知られた方法がある:1)一本鎖コンフォメーショ ン分析(SSGT)(Oritaら1989);2)変性グラジエントゲル電気泳動( DGGE)(Wartellら、1990;Sheffieldら、1989);3)RNase保 護アッセイ(Finkelsteinら、1990;Kinszlerら、1991);4)対立遺伝 子特異的オリゴヌクレオチド(ASOs)(Connerら、1983);5)イー・コ リ(E.coli)mutS蛋白質のごときヌクレオチドミスマッチを認識する蛋白質の 使用(Modrich、1991);および6)対立遺伝子特異的PCR(RanoおよびKidd 、1989)。一対立遺伝子特異的PCRでは、特定のKVLQT1突然変異に 対してそれらの3’末端でハイブリダイズするプライマーを用いる。もし、特定 の突然変異が存在しなければ、増幅産物は観測されない。欧州特許出願公開番号 0332435号およびNewtonら1989に開示されているごとく、Amplificat ion Refractory Mutation System(ARMS)も用いることができる。また 、クローニング、配列決定および増幅によって、遺伝子の挿入および欠失を検出 することができる。加えて、遺伝子または周囲のマーカー遺伝子用の制限断片長 多形(RFLP)プローブを用いて、対立遺伝子の改変または多形断片における 挿入を測定することができる。かかる方法は、罹患した個人に見出される突然変 異の存在につき、その個人の親族をスクリーニングするのに特に有用 である。当該分野で知られている挿入および欠失検出用の他の技術を用いること もできる。 最初の3つの方法(SSCP、DGGEおよびRNase保護アッセイ)にお いて、新しい電気泳動バンドが出現する。配列変化は一本鎖分子内塩基対合で差 を生じさせるので、SSCPは、異なって移動するバンドを検出する。RNas e保護は2以上のより小さな断片への突然変異ポリヌクレオチドの切断を含む。 DGGEは、変性グラジエントゲルを用い野生型配列と比較して突然変異体配列 の移動速度の差を検出する。対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドアッセイにお いて、特異的配列を検出するオリゴヌクレオチドを設計し、該アッセイは、ハイ ブリダイゼーションシグナルの存在または不存在を検出することによって行う。 mutSアッセイにおいて、蛋白質は、突然変異および野生型配列の間のヘテロ デュプレックス中のヌクレオチドミスマッチを含有する配列のみに結合する。 本発明では、ミスマッチは、二つの鎖が100%相補的でないハイブリダイズ した核酸デュプレックスである。全相同性の欠如は、欠失、転位または置換によ るものであろう。ミスマッチ検出を用いて、遺伝子またはそのmRNA産物にお ける点突然変異を検出することができる。これらの技術は配列決定よりも感度は 低いが、非常に多数の試料について行うのにより簡単である。ミスマッチ切断技 術の例は、RNase保護方法である。本発明の実施において、該方法は、ヒト 野生型KVLQT1遺伝子コーディング配列に相補的な標識リボプローブの使用 を含む。該リボプローブおよび個人から単離されたmRNAまたはDNAを一緒 にアニールし(ハイブリダイズさせ)、引き続いて、デュプレックスRNA構造中 でいくつかのミスマッチを検出できる酵素RNase Aで消化する。もしミス マッチがRNase Aによって検出されれば、それは該ミスマッチの部位で切 断する。かくして、アニールしたRNA調製物を電気泳動ゲルマトリックスで分 離すれば、もしミスマッチがRNase Aによって検出され、切断されれば、 リボプローブおよび該mRNAまたはDNAについての全長デュプレックスRN Aより小さいRNA産物が観察されるであろう。該リボプローブは、mRNAま たは遺伝子の全長である必要はないが、いずれかのセグメントでありうる。もし 、 リボプローブが、mRNAまたは遺伝子のセグメントからなれば、多数のこれら のプロープを用いてミスマッチにつき全mRNA配列をスクリーングするのが望 ましいであろう。 同様にして、酵素的または化学的切断により、ミスマッチを検出するのにDN Aプロープを用いることができる。例えば、Cottonら、1988;Shenkら、1 975;Novackら、1986参照。別法として、マッチしたデュプレックスに対 するミスマッチしたデュプレックスの電気泳動移動度におけるシフトによってミ スマッチを検出することができる。例えば、Cariello、1988参照。リボプロ ーブまたはDNAプローブいずれかにより、ハイブリダイゼーション前にPCR (後記参照)を用いて、突然変異を含み得る細胞mRNAまたはDNAを増幅さ せることができる。特に、もし変化が欠失および挿入のごとき大きな再編成であ れば、KVLQT1遺伝子のDNA変化はサザーンハイブリダイゼーションを用 いて検出することもできる。 PCRの使用によって増幅されたKVLQT1遺伝子のDNA配列は、対立遺 伝子特異的プローブを用いてスクリーニングすることもできる。これらのプロー ブは核酸オリゴマーであり、その各々は、公知の突然変異を保有する遺伝子配列 の領域を含む。例えば、1のオリゴマーは、約30ヌクレオチドの長さであって よく、これは遺伝子配列の一部に相当する。かかる対立遺伝子特異的プローブの バッテリーの使用により、PCR増幅産物をスクリーニングして、当該遺伝子に おける以前に同定された突然変異の存在を同定することができる。増幅されたK VLQT1配列との対立遺伝子特異的プローブのハイブリダイゼーションは、例 えば、ナイロンフィルター上で行うことができる。ストリンジェントなハイブリ ダイゼーション条件下での特異的プローブに対するハイブリダイゼーションは、 対立遺伝子特異的プローブにおけると同一の組織中突然変異の存在を示す。 候補遺伝子座における突然変異のための最も明確なテストは、患者からのゲノ ムKVLQT1配列を対照集団からのものと直接的に比較することである。別法 として、例えば、PCRによる増幅の後、メッセンジャーRNAを配列決定し、 それにより、候補遺伝子のエキソン構造を決定する必要をなくすることができる 。 KVLQT1のコーディング配列の外側にある患者からの突然変異は、当該遺 伝子近くのまたはその中のイントロンおよび調節配列のごとき非コーディング領 域を調べることによって検出できる。非コーディング領域における突然変異が重 要な初期症状は、対照個人と比較した患者において、異常なサイズまたは豊富さ のメッセンジャーRNA分子を明らかにするノーザンブロット実験から得ること ができる。 KVLQT1 mRNA発現の改変は、当該分野で知られたいずれかの技術に よって検出することができる。これらは、ノーザンブロット分析、PCR増幅お よびRNase保護を含む。減少したmRNA発現は、野生型遺伝子の改変を示 す。野生型遺伝子の改変は野生型KVLQT1蛋白質の改変につきスクリーニン グすることによって検出することもできる。例えば、KVLQTIと免疫反応性 のモノクローナル抗体を用いて組織をスクリーニングすることができる。同族抗 原の欠如は突然変異を示すであろう。突然変異体対立遺伝子の産物に特異的な抗 体を用いて、突然変異体遺伝子産物を検出することもできる。かかる免疫学的ア ッセイは、当該分野で公知のいずれかの便宜な方法で行うことができる。これら はウェスタンブロット、免疫組織化学的アッセイおよびELISAアッセイを含 む。改変されたKVLQT1蛋白質を検出するいずれかの手段を用いて、野生型 KVLQT1遺伝子の改変を検出することができる。蛋白質結合決定のごとき機 能的アッセイを使用することができる。加えて、KVLQT1生化学機能を検出 するアッセイを用いることができる。突然変異体KVLQT1遺伝子産物の発見 は、野生型KVLQT1遺伝子の改変を示す。 突然変異体KVLQT1遺伝子または遺伝子産物は、血清、便、尿および痰の ごとき他のヒト身体試料中で検出することもできる。組織中の突然変異体遺伝子 または遺伝子産物の検出について前記した同一の技術は、他の身体試料に適用す ることができる。かかる身体試料をスクリーニングすることによって、単純な初 期診断をLQTにつき達成することができる。 本発明のプライマー対は、PCRを用いる特定のKVLQT1またはminK 対立遺伝子のヌクレオチド配列の決定で有用である。KVLQT1用の一本鎖D NAプライマーの対を、染色体11上のKVLQT1遺伝子内のまたはそれを囲 む配列にアニールして、遺伝子自体のDNA合成増幅の起点とすることができる 。minK用の一本鎖DNAプライマーの対を染色体21上のminK遺伝子内 またはそれを囲む配列にアニールして、遺伝子自体の合成を増幅することができ る。これらのプライマーの完全な組は、配列をコードする遺伝子、すなわち、エ クソンの全てのヌクレオチドの合成を可能とする。プライマーの組は、好ましく は、イントロンおよびエクソン配列双方の合成を可能とする。対立遺伝子特異的 プライマーを使用することもできる。かかるプライマーは特定のKVLQT1突 然変異体対立遺伝子のみにアニールし、かくして、鋳型としての突然変異体対立 遺伝子の存在下で産物を増幅するにすぎないであろう。 増幅された配列の引き続いてのクローニングを容易とするために、プライマー はそれらの5’末端に付着した制限酵素部位配列を有することができる。かくし て、プライマーの全てのヌクレオチドは、制限酵素部位を形成するために必要な 数個のヌクレオチドを除き、KVLQT1配列またはKVLQT1に隣接する配 列に由来する。かかる酵素および部位は当該分野でよく知られている。プライマ ー自体は当該分野でよく知られている技術を用いて合成することができる。一般 に、プライマーは、商業的に入手可能なオリゴヌクレオチド合成機を用いて作成 できる。KVLQT1の配列が仮定されれば、特定のプライマーの設計は当業者 の技量の範囲内のものである。 本発明によって提供される核酸プローブは多数の目的で有用である。それらは 、ゲノムDNAへのサザーンハイブリダイゼーションにおいて、および前記した 点突然変異を掲出するRNase保護方法で使用できる。プローブを用いてPC R増幅産物を検出することができる。それらを用いて、他の技術を用い、KVL QT1遺伝子またはmRNAに関してミスマッチを検出することができる。 野生型KVLQT1遺伝子を持つ個人はLQTを有しないことが判明した。し かしながら、KVLQT1遺伝子産物の機能に干渉する突然変異は、LQTの病 因に関与する。かくして、機能の喪失、または改変された機能を有する蛋白質を 生じる改変(または突然変異体)KVLQT1遺伝子の存在は心臓不整脈の危険 を増大させるLQTを直接引き起こす。KVLQT1遺伝子突然変異を検出する ために、生物学的試料を調製し、分析すべき対立遺伝子の配列および野生型対立 遺伝子の配列の間の差異につき分析する。前記したいずれかの技術によって、突 然変異体KVLQT1対立遺伝子を最初に同定することができる。次いで、突然 変異体対立遺伝子を配列決定して、特定の突然変異体対立遺伝子の特定の突然変 異を同定する。別法として、突然変異体対立遺伝子は、常法を用い、突然変異体 (改変)蛋白質を同定することによって最初に同定することができる。次いで、 突然変異体対立遺伝子を配列決定して、各対立遺伝子につき特異的突然変異を同 定することができる。次いで、突然変異、特に、蛋白質の改変機能に導くものを 本発明の診断および予後方法で用いる。 また、KVLQT1蛋白質はminK蛋白質と共集合することも判明した。か くして、minK遺伝子産物の機能に干渉するminKにおける突然変異は、L QTの発症に関与する。かくして、機能の喪失または改変機能を有する蛋白質を 生じる改変(または突然変異体)minK遺伝子の存在は、心臓不整脈の危険を 増大させるLQTを直接引き起こす。minK遺伝子突然変異を検出するには、 生物学的試料を調製し、分析すべき対立遺伝子の配列および野生型対立遺伝子の 配列間の差異につき分析する。前記した技術のいずれかによって突然変異体mi nK対立遺伝子を最初に同定することができる。次いで、常法を用い、突然変異 体対立遺伝子を配列決定して、特定の突然変異体(改変)蛋白質の特定突然変異 を同定する。次いで、突然変異体対立遺伝子を配列決定して、各対立遺伝子につ き特異的突然変異を同定する。突然変異、特に、蛋白質の改変機能に導くものを 、次いで、本発明の診断および予後方法で用いる。 定義 本発明は以下の定義を使用する。 「プローブ」。LQTの疾病素質であるKLVQT1対立遺伝子に関連するポリ ヌクレオチド多形は、ストリンジェントないし中程度のストリンジェントハイブ リダイゼーションおよび洗浄条件下で、標的配列のそれとで安定なハイブリッド を形成するポリヌクレオチドプローブでのハイブリダイゼーションによって検出 される。もしプローブが標的配列と完全に相補的であると予測されれば、ストリ ンジェント条件を用いる。ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーは、も しいくつかのミスマッチングが予測されれば、例えば、もし変異体が予測され、 その結果、プローブが完全に相補的でないならば、低下させることができる。非 特異的/偶然の知見を除外する、すなわち、ノイズを最小化する条件を選択する 。かかる指標は中性DNA多形ならびに突然変異を同定するので、これらの指標 は、KVLQT1罹患性対立遺伝子の検出を証明するにはさらに解析する必要が ある。 KVLQT1対立遺伝子のためのプローブは、KVLQT領域またはそのcD NAの配列に由来するものであってよい。プローブは、KVLQT1領域の全て または一部にわたり、該領域に対する特定のハイブリダイゼーションを可能とす るいずれの適当な長さのものであってもよい。もし標的配列がプローブのそれと 同一の配列を含むならば、該プローブは短くても良く、例えば、約8−30塩基 対の範囲でよい。というのは、該ハイブリッドはストリンジェント条件下でさえ 比較的安定だからである。もしある程度のミスマッチが該プローブで予測される ならば、すなわち、もし該プローブが変異体領域にハイブリダイズすることが疑 われるならば、必要な特異性を持つ標的配列にハイブリダイズするより長いプロ ーブを用いることができる。 プローブは標識またはレポーター分子に付着した単離ボリヌクレオチドを含み 、それを用いて、標準的な方法によって、配列類似性を有する他のポリヌクレオ チド配列を単離することができる。プローブを調製し標識するするための技術に ついては、Sambrookら、1989またはAusubelら、1992を参照されたし。他の同様 のボリヌクレオチドは、相同なポリヌクレオチドを用いることによって選択する ことができる。別法として、遺伝子暗号における縮重を用いることによって、こ れらのまたは同様のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを合成しまたは 選択することができる。例えば、サイレント変化(それによって種々の制限部位 を作成)によって種々のコドン置換を導入して、特定の系についての発現を最適 化することができる。突然変異を導入して、ポリペプチドの特性を修飾し、恐ら くは、ポリペプチド分解または代謝回転速度を変化させることができる。 本発明の合成オリゴヌクレオチドまたは他のポリヌクレオチドを含むプローブ は、天然のまたは組換え体の一本鎖または二本鎖ポリヌクレオチドに由来するも のでよく、あるいは化学的に合成することができる。また、プローブはニックト ランスレーション、クレノウ充足反応、または当該分野で公知の他の方法によっ て標識することができる。 KVLQT1をコードするポリヌクレオチド配列からの少なくとも約8ヌクレ オチド、通常、少なくとも約15ヌクレオチド、および約6kb未満、通常、約 1.0kb未満を有するポリヌクレオチド配列の一部がプローブとして好ましい 。該プローブを用いて、KVLQT1をコードするmRNAが細胞または組織に 存在するか否かを決定することができる。 「調節配列」とは、遺伝子座のコーディング領域の通常100kb内の配列を いうが、コーディング領域からより遠くてもよく、これは(遺伝子の転写、およ び翻訳、メッセンジャーRNAのスプライシング、安定性等を含めた)遺伝子の 発現に影響する。 「実質的相同性または類似性」 核酸またはその断片は、もし他の核酸(またはその相補鎖)とで(適当なヌク レオチド挿入または欠失をもって)最適に整列させた場合、核酸塩基の少なくと も約60%、通常少なくとも約70%、より通常には少なくとも約80%、好ま しくは少なくとも約90%、より好ましくは核酸塩基の少なくとも約95−98 %においてヌクレオチド配列同一性があれば、「実質的に相同」(「または実質的に 同様」)である。 また、核酸またはその断片が選択的ハイブリダイゼーション条件下でもう1つ の核酸に、鎖に、またはその相補体にハイブリダイズする場合、実質的相同性ま たは(類似性)が存在する。特異性の全欠如よりも実質的に選択的なハイブリダ イゼーションが起こる場合、ハイブリダイゼーションの選択性が存在する。典型 的には、少なくとも約14ヌクレオチドのストレッチにわたって少なくとも約5 5%相同性、好ましくは少なくとも約65%、より好ましくは少なくとも約75 %、より好ましくは少なくとも約90%相同性がある場合、選択的ハイブリダイ ゼー ションが起こる。Kanehisa、1984参照。前記したごとく、相同性比較の長さ は、より長いストレッチにわたるものであってもよく、ある具体例では、少なく とも約9ヌクレオチド、通常少なくとも約20ヌクレオチド、より通常には約2 4ヌクレオチド、典型的には少なくとも約28ヌクレオチド、より典型的には少 なくとも約32ヌクレオチド、好ましくは少なくとも約36以上のヌクレオチド のストレッチにわたることがしばしばであろう。 核酸ハイブリダイゼーションは、当業者によって容易に認識されるごとく、塩 基組成、相補鎖の長さ、およびハイブリダイズする核酸間のヌクレオチド塩基ミ スマッチの数に加えて、塩濃度、温度または有機溶媒のごとき条件によって影響 されるであろう。ストリンジェントな温度条件は、一般に、30℃を超える、典 型的には、37℃を超える、好ましくは45℃を超える温度を含む。ストリンジ ェント塩条件は通常1000mM未満、典型的には500mM未満、好ましくは 200mM未満である。しかしながら、パラメーターの組合せはいずれかの単一 のパラメーターの尺度よりもかなり重要である。例えば、Wetmur & Davidson、 1968参照。 プローブ配列はトリプレックスまたは他の高次DNA複合体を形成するある条 件下で、デュプレックスDNAに特異的にハイブリダイズすることができる。か かるプローブの調製および適当なハイダリダイゼーション条件は当該分野でよく 知られている。 組変えまたは化学的合成核酸;ベクター、形質転換、宿主細胞の調製 大量の本発明のポリヌクレオチドは、適当な宿主細胞中での複製によって生産 することができる。所望の断片をコードする天然または合成ポリヌクレオチド断 片は、原核生物または真核生物細胞へ導入できそこで複製できる組換えポリヌク レオチド構築体、通常はDNA構築体に取り込まれる。通常、ポリヌクレオチド 構築体が、酵母または細菌のごとき単細胞宿主における複製で適当であろうが、 培養された哺乳動物または植物または他の真核生物細胞系への(ゲノム内の組み 込みの有りまたは無しにて)導入も意図される。本発明の方法によって生産され た核酸の精製は、例えば、Sambrookら、1989またはAusubelら、1992 に記載されている。 本発明のポリヌクレオチドは、化学合成によって、例えば、Beaucage & Carr uthers、1981によって記載されているホスホルアミダイト方法によって、ま たはMatteucciおよびCaruthers、1981に準じたトリエステル方法によって、 生産することもでき、商業的自動オリゴヌクレオチド合成器で行うことができる 。二本鎖断片は、相補鎖を合成し、適当な条件下で一緒に鎖をアニールすること によって、あるいは適当なプライマー配列にてDNAポリメラーゼを用いて相補 鎖を付加することによって、化学合成の一本鎖産物から得ることができる。 所望のポリペプチドをコードする意図したポリヌクレオチド断片を含めた、原 核生物または真核生物宿主への取り込みのために調製されたポリヌクレオチド構 築体は、宿主によって認識される複製系を含み、好ましくは、ポリペプチドコー ディングセグメントに作動可能に連結した転写および翻訳開始調節配列も含む。 発現ベクターは、例えば、複製起点または自律複製配列(ARS)および発現制 御配列、プロモーター、エンハンサーおよリボソーム一結合部位、RNAスプラ イス部位、ポリアデニル化部位、転写ターミネーター配列およびmRNA安定化 配列のごとき必要なプロセッシング情報部位を含む。かかるベクターは、当該分 野でよく知られ、例えば、Sambrookら、1989またはAusubelら、1992に 記載された標準的な組換え技術によって調製することができる。 適当なプロモーターおよび他の必要なベクター配列は、宿主で機能するように 選択され、適当な場合、KVLQT1またはminK遺伝子と天然で関連するも のを含むことができる。細胞系および発現ベクターの作動可能な組合せの例は、 Sambrookら、1989またはAusubelら、1992に記載されており;例えば、M etzgerら、1988も参照されたし。多くの有用なベクターは当該分野で公知で あり、Stratagene、New England Biolabs、Promega Biotech等のごとき販売社か ら入手することができる。trp、lacおよびファージプロモーター、tRN Aプロモーターおよび解糖酵素プロモーターのごときプロモーターを原核生物宿 主で使用することができる。有用な酵母プロモーターは、メタロチオネイン、3 −ホスホグリセリン酸キナーゼまたはエノラーゼもしくはグルセルアルデヒド −3−リン酸デヒドロゲナーゼのごとき他の解糖酵素(マルトースおよびガラク トース資化等を担う)についてのプロモーター領域を含む。酵母発現での使用に 適したベクターおよびプロモーターはさらにHitzemanら、EP 73,675Aに記載さ れている。適当な非天然哺乳動物プロモーターは、SV40からの初期および後 期プロモーター(Fiersら、1978)またはネズミ・モロニー白血病ウイルス 、マウス腫瘍ウイルス、鳥類サクローマウイルス、アデノウイルスII、ウシ・ パピローマウイルスまたはポリオーマに由来するプロモーターを含むであろう。 加えて、遺伝子のマルチコピーが作成できるように、構築体を増幅可能な遺伝子 (例えば、DHFR)に連結させることができる。適当なエンハンサーおよび他 の発現制御配列については、Enhancers and Eukaryotic Gene Expression,Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,New York(1983)も参照されたし。 かかる発現ベクターは自律的に複製できるが、それらは当該分野で良く知られ た方法によって宿主細胞のゲノムに挿入することによっても複製できる。 発現およびクローニングベクターは、選択マーカー、ベクターで形質転換した 宿主細胞の生存または増殖に必要な蛋白質をコードする遺伝子を含有するようで ある。この遺伝子の存在は、インサートを発現する宿主細胞のみの増殖を確実と する。典型的な選択遺伝子はa)抗生物質または他の毒性物質、例えばアンピシ リン、ネオマイシン、メトトレキセート等に対する耐性を付与する、b)栄養要 求性欠陥を補う、またはc)複合培地から得ることのできない臨界的栄養素、例 えば、BacilliについてのD−アラニンラセマーゼをコードする遺伝子を供給す る蛋白質をコードする。適当な選択マーカーの選択は、宿主細胞に依存し、異な る宿主のための適当なマーカーは当該分野でよく知られている。 注目する核酸を含有するベクターは、イン・ビトロで転写させることができ、 得られたRNAはよく知られた方法によって、例えば注入によって(Kuboら、1 988参照)宿主細胞に導入することができ、あるいはベクターは当該分野でよ く知られた方法によって直接宿主細胞に導入することができ、これは細胞宿主の 型に依存し、エレクトロポレーション;塩化カルシウム、塩化ルビジウム、リン 酸カルシウム、DEAE−デキストランまたは他の物質を使用するトランスフェ クション;マイクロプロジェクタイル衝撃;リポフェクション;感染(ここに、 ベクターはレトロウイルスゲノムのごとき感染性剤である);および他の方法を含 む。一般に、Sambrookら、1989およびAusubelら、1992参照。とりわけ前記した ものを含めた当該分野で公知のいずれかの方法によるポリヌクレオチドの宿主細 胞の導入は、本明細書中では「形質転換」という。前記した核酸が導入された細 胞は、かかる細胞の子孫も含ませる意図である。 本発明の大量の核酸およびポリペプチドは、適合する原核生物または真核生物 宿主細胞中にて、ベクターまたは他の発現ビーイクルにおいて、KLVQT1ま たはminK核酸またはその一部を発現させることによって調製することができ る。バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)およびシュードモナス(Pseudomo nas)を使用することもできるが、最も普通に使用される原核生物宿主はエシェリ キア・コリ(Escherichia coli)の株である。 哺乳動物あるいは酵母、糸状類、植物、昆虫、または両生類もしくは鳥類種の ごとき他の真核生物宿主細胞も本発明の蛋白質の生産で有用である。培養におけ る哺乳動物細胞の増殖はそれ自体よく知られている。JakobyおよびPastan(編)、 1979参照。通常に使用される哺乳動物宿主細胞系の例はVEROおよびHe La細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、およびWI38、BH KおよびCOS細胞系であるが、例えば、より高い発現、所望の糖鎖付加パター ン、または他の特徴を供するためには、他の細胞系も適当であることは当業者に 認識されよう。 クローンは、ベクター構築の様式に応じてマーカーを用いることによって選択 される。マーカーは、同一または異なるDNA分子、好ましくは同一のDNA分 子に基づくものであってよい。真核生物宿主では、形質転換体は、例えば、アン ピシリン、テトラサイクリンまたは他の抗生物質に対する耐性によって選択する ことができる。温度感受性に基づく特定の産生も適当なマーカーとして働き得る 。 本発明のポリヌクレオチドで形質転換された原核生物および真核生物細胞は、 本発明の核酸およびポリペプチドの生産のみならず、例えば、KVLQT1また はminKポリペプチドの特徴を研究するにおいても有用である。 本明細書に開示されたKVLQT1遺伝子配列に基づくプローブおよびプライ マーは、他の種における相同なKVLQT1遺伝子配列および蛋白質を同定する のに用いられる。これらの遺伝子配列および蛋白質は診断/予後、治療およびそ れから単離された種についての本明細書で記載された薬物スクリーニンク方法で 使用される。 使用の方法:薬物スクリーニング 本発明は、形質転換細胞、トランスフェクト卵母細胞またはトランスジェニッ ク動物においてKVLQT1およびminK蛋白質を用いることによって化合物 をスクリーニングするのに特に有用である。KVLQT1またはminK蛋白質 におけるかかる突然変異は心臓IKsカリウムチャンネルの機能を改変するので、 各々、正常KVLQT1またはminK蛋白質および突然変異体minKまたは KVLQT1蛋白質、あるいは突然変異体KLVQT1および突然変異体min K蛋白質を含有する細胞を用い、チャンネルに対する効果につき候補薬物をスク リーニングする。薬物を培養中の細胞に添加し、あるいはトランスジェニック動 物に投与し、IKsカリウムチャンネルの誘導電流に対する効果を、野生型KVL QT1およびminKを含有する細胞または動物の誘導電流と比較する。誘導さ れた電流をより正常のレベルに変化させる薬物候補はLQTを治療または予防す るのに有用である。 使用の方法:核酸診断および診断キット 個人をLQTに罹りやすくするKVLQT1またはminK対立遺伝子の存在 を検出するために、血液のごとき生物学的試料を調製し、KVLQT1またはm inKの罹患性対立遺伝子の存在または不存在につき分析する。LQTの存在を 検出するためには、あるいは予後インジケーターとしてのためには、生物学的試 料を調製し、KVLQT1またはminKの突然変異体対立遺伝子の存在または 不存在につき分析する。これらのテストの結果および解釈される情報を、テスト した個人への通信のための健康診断提供者に戻す。かかる診断は、診断研究所に よって行うことができるか、別法として、診断キットを製造し、健康診断提供者 または自己診断用にプライベートな個人に販売される。 最初に、スクリーニング方法は関連するKLVQT1またはminK配列の増 幅を含む。本発明のもう1つの好ましい具体例において、スクリーニング方法は 非−PCRベースの戦略を含む。かかるスクリーニング方法は、当該分野でよく 知られた2工程標識増幅方法を含む。PCRおよび非−PCRベースのスクリー ニング戦略は共に高レベルの感度でもって標的配列を検出することができる。 今日使用される最もホピュラーな方法は標的増幅である。ここに、標的核酸配 列をポリメラーゼで増幅させる。ポリメラーゼ駆動増幅を用いる1つの特に好ま しい方法はポリメラーゼ鎖反応(PCR)である。ポリメラーゼ鎖反応および他 のポリメラーゼ−駆動増幅アッセイは、ポリメラーゼ−駆動増幅サイクルの使用 を介してコピー数の100万倍を超える増大を達成できる。一端増幅されれば、 得られた核酸を配列決定し、あるいはDNAプローブ用の基質として使用できる 。 プローブを用いて標的配列の存在を検出する場合、血液または血清のごとき分 析すべき生物学的試料を処理して、所望ならば、核酸を抽出する。試料核酸は、 標的配列の検出を容易とする種々の方法で、例えば、変性、制限消化、電気泳動 またはドットブロッテイングで調製できる。分析物核酸の標的化領域は、通常、 少なくとも部分的に一本鎖であって、プローブの標的化配列とでハイブリッドを 形成しなければならない。もし配列が天然で一本鎖であれば、変性は必要でない 。しかしながら、もし配列が二本鎖であれば、該配列は好ましくは変性させる必 要がある。変性は当該分野で公知の種々の技術によって行うことができる。 プローブ中の標的配列と、分析物中の推定標的化配列との安定したハイブリッ ド形成を促進する条件下で、分析物核酸およびプローブをインキュベートする。 分析物と結合するのに使用されるプローブの領域は、KLVQT1についてのヒ ト染色体11の標的化配列に対して完全に相補的とできる。従って、高ストリン ジェンシイー条件が疑陽性を防止するのに望ましい。しかしながら、もしプロー ブがゲノム中でユニークな染色体の領域に対して相補的でさえあれば、高ストリ ンジェンシィー条件を用いる。ハイブリダイゼーションのストリンジェンシィー は、ハイブリダイゼーションの間に、および洗浄手法の間に、温度、イオン強度 、塩基組成、プローブ長、およびホルムアミドの濃度を含めた多数の因子によっ て 決定される。これらの因子は、例えば、Maniatisら、1982およびSambrookら、19 89に概説されている。ある状況下では、トリプレックス、クアドラプレックスの ごとき高次ハイブリッドの形成が、標的配列を検出する手段を供するのに望まし い。 もしあれば、得られたハイブリツドの検出は、通常、標識プローブの使用によ って達成される。別法として、プローブを未標識とできるが、直接的または間接 的に標識されたリガンドとの特異的結合によって検出できる。適当な標識および プローブおよびリガンドを標識する方法は当該分野で公知であり、例えば、公知 の方法(例えば、ニックトランスレーション、ランダムプライミング、またはキ ナージング)によって取り込むことができる放射性標識、ビオチン、蛍光基、化 学ルミネヤンス基(例えば、ジオキセタン、特にトリガーしたジオキセタン)、酵 素、抗体等を含む。この基本的スキームの変形は、当該分野で知られており、外 来性物質からの検出すべきハイブリツドの分離を容易とするおよび/または標識 部位からのシグナルを増幅する変形を含む。多数のこれらの変形が、例えば、Ma tterws&Kricka、1988;Landegernら、1988;米国特許第4,868,1 05号;およびEPO公開No.225,807号に総括されている。 前記したごとく、非−PCRベースのスクリーニングアッセイも本発明で考え られる。この手法は核酸プローブ(または正常ホスホルジエステルを置換するメ チルホスホネート骨格のごときアナログ)を低レベルのDNA標的にハイブリダ イズさせる。このプローブは、共有結合がハイブリダイゼーションの特異性に干 渉しないように、プローブに共有結合した酵素を有することができる。この酵素 −プローブ−コンジュゲート−標的核酸複合体を、次いで、遊離プローブ酵素コ ンジュゲートから単離し、酵素検出のために基質を添加する。酵素活性は発色ま たはルミネセンス出力の変化として観察され、感度の103−106増加の結果と なる。オリゴデオキシヌクレオチドーアルカリ性フォスファターゼコンジュゲー トの調製およびそれらのハイブリダイゼーションプローブとしての使用に関する 例については、Jablonskiら、1986参照。 2工程標識増幅方法は当該分野で知られている。これらのアッセイは、(ジゴ キ シゲニン、ビオチン等のごとき)小さいリガンドはKVLQT1に特異的に結合 できる核酸プローブに付着するという原理で働く。対立遺伝子特異的プローブも この例の範囲内で考えられ、例示的対立遺伝子特異的プローブは本発明の病気素 因突然変異に関するプローブを含む。 1つの例において、核酸プローブに付着した小さなリガンドは抗体−酵素コン ジュゲートによって特異的に認識される。この例の1つの具体例において、ジゴ キシゲニンを核酸プローブに付着させる。ハイブリダイゼーションは、化学ルミ ネセンス基質を始動する抗体−アルカリ性コンジュゲートによって検出される。 この具体例による核酸プローブの標識方法については、Martinら、1990参照 。第2の例において、小さなリガンドは、第1のリガンドに特異的に複合体化で きる第2のリガンド−酵素コンジュゲートによって認識される。この例の良く知 られた具体例は、ビオチン−アビジン型相互反応である。核酸プローブを標識す る方法およびビオチン−アビジンベースのアッセイにおけるそれらの使用につい ては、Rigbyら、1977およびNguyenら、1922参照。 また、本発明の核酸プローブアッセイはKVLQT1またはminKを検出で きる核酸プローブのカクテルを使用する本発明の範囲内にあると考えられる。か くして、細胞試料においてKVLQT1の存在を検出する1つの例において、遺 伝子に相補的な1を超えるプローブを使用し、特に、異なるプローブの数は2、 3または5の異なる核酸プローブ配列である。もう1つの例において、患者にお いてKVLQT1遺伝子配列中の突然変異の存在を検出するには、これらの遺伝 子に相補的な1を超えるプローブを使用し、ここに、該カクテルはKVLQT1 に変化を持つ患者の集団で同定された対立遺伝子特異的突然変異に結合できるプ ローブを含む。この具体例において、いずれの数のプローブも使用でき、好まし くは、個人をLQTに罹りやすくするとして同定されている主要遺伝子突然変異 に対応するプローブを含む。 使用の方法:ペプチド診断および診断キット LQTの存在は、野生型KVLQT1またはminKポリペプチドの改変をベ ースとして検出できる。かかる改変は、常法による配列分析によって決定できる 。 より好ましくは、抗体(ポリクローナルまたはモノクローナル)を用いて、KV LQT1またはminKペプチドにおける差異およびその不存在を検出する。抗 体を生起させ精製する技術は当該分野でよく知られており、かかる技術をは選択 して本発明で特許請求する調製を達成することができる。本発明の好ましい具体 例において、抗体は、KVLQT1またはminK蛋白質を溶液から免疫沈殿さ せ、ならびに、ポリアクリルアミドゲルのウェスタンまたは免疫ブロット上のこ れらの蛋白質と反応する。もう1つの好ましい具体例において、抗体は、免疫組 織化学技術を用い、パラフィンまたは凍結組織切片中でKVLQT1またはmi nK蛋白質を検出する。 KVLQT1もしくはminKまたはそれらの突然変異を検出する方法に関す る好ましい具体例は、酵素結合イムノソルベント検定法(ELISA)、ラジオイ ムノアッセイ(RIA)、イムノラジオミメティックアッセイ(IRMA)および 免疫酵素アッセイ(IEMA)を含み、モノクローナル抗体および/またはポリ クローナル抗体を用いるサンドイッチアッセイを含む。例示的サンドイッチアッ セイは、出典明示して本明細書の一部とみなす米国特許第4,376,110号お よび第4,486,530号においてDavidらによって記載されている。 使用の方法:遺伝子治療 本発明により、各々、突然変異体KVLQT1またはminK対立遺伝子を担 持する細胞に、野生型KVLQT1またはminK機能を供する方法も提供され る。かかる機能の提供は、受容体細胞の正常機能を可能とする。野生型遺伝子ま たは該遺伝子の一部を、該遺伝子が染色体外となるようにベクター中にて細胞に 導入することができる。かかる状況において、該遺伝子は染色体外位置から細胞 によって発現されるであろう。より好ましいのは、野生型遺伝子またはその一部 が、それが細胞に存在する内因性突然変異体遺伝子と組換えられるように、突然 変異体細胞に導入される状況である。かかる組換えは、遺伝子突然変異の修正と なる二重組換え事象を必要とする。組換えおよび染色体外維持双方のための遺伝 子導入用のベクターは当該分野で公知であり、いずれの適当なベクターも使用で きる。エレクトロポレーション、リン酸カルシウム共沈殿およびウイルス形質導 入のごときDNAを細胞に導入するための方法は当該分野で知られており、方法 の選択は実行者の能力の範囲内のものである。 前記にて一般的に記載したごとく、KLVQT1またはminK遺伝子または 断片は、適用可能であれば、遺伝子治療で用いて、細胞におけるかかる遺伝子の 発現産物の量を増大させることができる。また、「正常な」レベルで突然変異体 遺伝子が発現されるが、遺伝子産物が十分には機能しない心臓細胞においてさえ 、所与のLQT遺伝子の発現レベルを増大させるのに有用であろう。 遺伝子治療は、例えばFriedman、1991によって記載されているごとく、一 般的に許容される方法に従って実施される。前記した診断方法によって患者から の細胞をまず分析して、細胞におけるKVLQT1またはminKポリペプチド の生産を確認する。発現制御エレメントに連結したKVLQT1またはminK のコピーを含有し、細胞内部で複製できるウイルスまたはプラスミドベクター( さらに後記詳細を参照されたし)を調製する。かかるベクターは、米国特許第5 ,252,479号およびPCT公開WO93/07282に記載されているごと く、公知である。次いで、ベクターを患者に注入する。もしトランスフェクトさ れた遺伝子が標的細胞の各々のゲノムに永久的に組み込まれなければ、治療は周 期的に反復することができる。 当該分野で公知の遺伝子導入系は本発明の遺伝子治療方法の実施で有用あり得 る。これらは、ウイルスおよび非ウイルス導入方法で有用である。パポバウイル ス(例えば、SV40、Madzakら、1992)、アデノウイルス(Berkner、199 2;Berknerら、1988;GorzigliaおよびKapikian、1992;Quantinら、 1992;Rosenfeldら、1992;Wilkinsonら、1992;Stratford-Perric audetら、1990)、ワクシニアウイルス(Moss、1992)、アデノ関連ウイル ス(Muzyczka、1992;Ohiら、1990)、HSVおよびEBVを含むヘルペ スウイルス(Margolskee、1992;Johnsonら、1992;Finkら,1992; BreakfieldおよびGeller、1987;Freeseら、1990)、および鳥類のレト ロウイルス(BrandyopadhyayおよびTemin、1984;Petropoulosら、1992) 、ネズミ(Miller、1992;Millerら、1985; Sorgeら、1984;MannおよびBaltimore、1985;Millerら,1988)、 およびヒト起源(Shimadaら、1991;Helsethら、1990;Pageら、199 0;BuchschacherおよびPanganiban、1992)含めた多数のウイルスが遺伝子 導入ベクターとして用いられてきた。ほとんどのヒト遺伝子治療プロトコルは、 無能力化ネズミ・レトロウイルスに基づくものであった。 当該分野で公知の非ウイルス遺伝子導入方法は、リン酸カルシウム共沈殿(Gr ahamおよびvan der Eb.、1973;Pellicerら、1980)のごとき化学的技 術;機械的技術、例えば、マイクロインジェクション(Andersonら、1980;G ordonら、1980;Brinsterら、1981;ConstantiniおよびLacy、1981 );リポソームを介する膜融合媒介導入(Felgnerら、1987;WangおよびHuang 、1989;Kanedaら、1989;Stewartら、1992;Nabelら、1990; Limら、1992);および直接的DNA摂取および受容体媒介DNA導入(Wolf fら、1990;Wuら、1991;Zenkeら、1990;Wuら、1989;Wolff ら、1991;Wagnerら、1990、Wagnerら、1991;Cottenら、1990 ;Curielら、1991a;Curielら、1991b)を含む。 生物学的および物理学的遺伝子導入方法を組合せるアプローチにおいて、いず れかのサイズのプラスミドDNAをアデノウイルスヘキソン蛋白質に特異的なポ リリシン−コンジュゲーテッド抗体と組合せ、得られた複合体はアデノウイルス ベクターに結合している。次いで、三分子複合体を用いて細胞を感染させる。ア デノウイルスは、効率的な結合、内部取り込み、およびカップリングしたDNA が損傷される前におけるエンドソームの分解を可能とする。 リポソーム/DNA複合体は直接的イン・ビボ遺伝子導入を媒介できることが 示されている。標準的なリポソーム調製物では、遺伝子導入プロセスは非特異的 であるが、局所化されたイン・ビボ摂取および発現が、例えば、直接的イン・サ イチュ投与に続いて、腫瘍寄託で報告されている(Nabel、1992)。 DNAを心臓組織に標的化させる遺伝子導入技術が好ましい。受容体媒介遺伝 子導入は、例えば、ポリリシンを介する蛋白質リガンドへのDNA(通常、閉環 スーパーコイルプラスミドの形態)へのコンジュゲーションによって達成される 。リガンドは、標的細胞/組織型の細胞表面の対応するリガンド受容体の存在に 基づいて選択される。これらのリガンド−DNAコンジュゲートは、もし所望で あれば血液に直接的に注入することができ、標的組織に向け、そこで、受容体結 合およびDNA−蛋白質複合体の内部化が起こる。DNAの細胞内破壊の問題を 克服するには、アデノウイルスでの共感染を含めてエンドソーム機能を破壊する ことができる。 治療は以下の通りである;KVLQT1またはminK罹患性対立遺伝子を担 持する患者を、それらの心臓前駆体細胞のいくらかまたは全部が機能的正常KV LQT1またはminK対立遺伝子の少なくとも1つのさらなるコピーを受容す るように、遺伝子送達搬送体で処理する。この工程において、処理した個人は、 罹患性対立遺伝子の効果が正常対立遺伝子の存在によって逆行される程度まで、 LQTに対する危険は低下する。 使用の方法:形質転換宿主 治療剤をテストするための動物は、全動物の突然変異誘発の後にまたは生殖系 細胞または接合体の処理後に選択できる。かかる処理は、通常第2の動物種から の突然変異体KVLQT1および/またはminK対立遺伝子の挿入、ならびに 破壊された相同遺伝子の挿入を含む。別法として、動物の内因性KVLQT1ま たはminK遺伝子は、常法を用いる挿入または欠失突然変異または他の遺伝子 改変によって破壊することができる(Capecchi、1989;ValanmciusおよびSmi thies、1991;Hastyら、1991;Shinkaiら、1992;Mombaertsら、1 992;Philpottら、1992;Snouwaertら、1992;Donehowerら、199 2)。テスト物質を動物に投与した後、LQTの存在を評価しなければならない 。もしテスト物質がLQTの出現を妨げるかまたは抑制するならば、テスト物質 はLQTの治療用の候補治療剤である。これらの動物モデルは、潜在的治療産物 のための極めて重要なテスト媒体である。 LQT遺伝子を同定するために、2つの戦略、候補遺伝子アプローチおよびポ ジショナル(positional)クローニングが利用されてきた。位置情報は、現在、染 色体11p15.5にマップされるLQT1(Keatingら、1991a;Keatingら 、1991b)、7q35−36にマップされるLQT2および3p21−24 にマップされるLQT3(Jiangら、1994)に関する3つのLQT遺伝子座 で利用できる(Keatingら、1991a;Keatingら、1991b)。本発明は、L QT遺伝子としての、染色体21上のminKも同定した。候補遺伝子アプロー チは、生理学に基づくメカニズム仮説に頼るようである。LQTの生理学につい てはほとんど知られていないが、障害は、心電図上のQT間隔の延長、すなわち 異常心臓再分極の徴候に関連する。この関連は、イオンチャンネルまたはそれら のモジュレーターをコードする遺伝子がLQTについての合理的候補であること を示唆する。この仮説は、現在、染色体7−連結LQTがHERG、すなわち推 定心臓カリウムチャンネル遺伝子における突然変異に由来するという発見によっ て裏付けられている。神経内分泌カルシウムチャンネル遺伝子(CACNL1A 2;Chinら、1991;Seinoら、1992)およびカリウチャンネルを調節す るGTP−結合蛋白質をコードする遺伝子(GNAI2;Weinsteinら、198 8;Magovcevicら、1992)は、それらの染色体位置に基づくLQT3につい ての候補となった。しかしながら、引き続いての連鎖分析はこれらの遺伝子を排 除した(WangおよびKeating、未公開データ)。今日、LQT3はSCN5Aと関 連することが示されている(Wangら、1995a)。しかしながら、かなりの努力 にもかかわらず、染色体11−連鎖LQTに対する候補遺伝子アプローチは成功 していない。2つのカリウムチャンネル遺伝子(KCNA4およびKCNC1) は染色体11の短腕にマップされているが(Wymoreら、1994)、両者は連鎖分 析によってLQT1についての候補としては排除された(Russelら、1995; 本研究)。全ての他の従前に特徴付けられている心臓カリウム、塩化物、ナトリ ウムおよびカルシウムチャンネル遺伝子は、同様に、それらの染色体位置に基づ いて除外された。本研究は、ポジショナルクローニングおよび突然変異分析を用 いてLQT1を同定した。 本発明は、遺伝子型分析を用いて、KVLQT1が16の無関係家族において LQT1に密接に連鎖していることを示す(詳細は実施例で示す)のに遺伝子型 を用いた。KVLQT1は推定心臓カリウムチャンネル遺伝子であって、LQT の染色体11−連鎖形態を引き起こす。遺伝子分析は、KVLQT1が候補再分 極において機能的重要性を持つ電圧依存性カリウムチャンネルをコードすること を示唆し、今日では、KVLQT1はminKと共集合して、候補IKsカリウム チャンネルムを形成することが示されている。もし正しければ、染色体11−連 鎖LQTのメカニズムは、恐らくは、再分極性KLVQT1電流の低下と関連し ている。6つの膜貫通ドメインを持つカリウムチャンネルはホモ−またはヘテロ −テトラマーから形成されると考えられるので(MacKinnon、1991;MacKinno nら、1993;Covarrubiasら、1991)、KLVQT1のLQT−関連突然 変異は優性−陰性メカニズムを通じて作用する可能性がある。本明細書に記載す るKVLQT1突然変異の型および位置はこの仮説と合致する。今度は、カリウ ムチャンネル機能の結果としての抑制は、異常心臓再分極および心室性頻拍型不 整脈の危険の増加に至るようである。HERGで同定された突然変異、カリウム チャンネルアルファサブユニットの生物物理学は、染色体7−連鎖LQTは、優 性−陰性突然変異および結果としての機能的チャンネルの減少に由来することを 示唆する。染色体3−連鎖LQTにおいては、対称的に、SCN5Aで同定され たLQT−関連欠失は、不活化遅延またはチャンネル不活化の電圧依存性の改変 のごとき、改変された特性を持つ機能的心臓ナトリウムチャンネルの結果となる ようである。遅延されたナトリウムチャンネル不活化は、内方ナトリウム電流を 増大させ、膜を脱分極させるであろう。この効果は、内方カリウム電流が減少す るHERG突然変異から予測される膜電位の変化と同様である。SCN5Aのよ り有害な突然変異はLQTを引き起こさないようである。例えば、心臓ナトリウ ムチャンネルの合計の低下は、活動電位持続、LQTのそれと反対の表現型を低 下させることが予測される。 LQTの前徴候診断は、心電図上のQT遅延の同定に依存した。あいにくと、 心電図は若くて健康な個人では稀にしか行われていない。加えて、多くのLQT 遺伝子キャリアーは比較的正常なQT間隔を有し、病気の最初の徴候は致命的心 臓不整脈であり得る(Vincentら、1992)。今や、第3のLQT遺伝子(KL VQT1)が同定され、かつminKもLQTに関連付けられたので、この障害 についての遺伝的テストが考えられる。これは継続された突然変異分析およびさ らなるLQT遺伝子の同定を必要とするであろう。より詳細な表現型分析があれ ば、LQTの種々の形態間の表現型差異は発見されるであろう。これらの差異は 診断および治療で有用であり得る。 SCN5A、HERGおよびKVLQT1遺伝子突然変異およびLQT間の関 連の同定は、LQTを発症する危険にある者を同定するための個人の初期前徴候 スクリーニングを可能とする。かかる個人を同定するためには、SCN5A、H ERGおよび/またはKVLQT1対立遺伝子を、直接的に、あるいは対立遺伝 子のクローニングの後に、突然変異につきスクリーニングする。minKにおけ る突然変異は同様にして発見できる。対立遺伝子は、限定されるものではないが 、以下の蛍光イン・サイチュハイブリダイゼーション(FISH)、直接的DNA 配列決定、PFGE分析、サザーンブロット分析、一本鎖コンフォメーション分 析(SSCP)、連鎖分析、RNase保護アッセイ、対立遺伝子特異的オリゴヌ クレオチド(ASO)ドットブロット分析およびPCR−SSCP分析のうちの 1つを含めたいずれかの適当な技術を用いて正常対立遺伝子からの核酸配列差異 の存在につきテストする。例えば、(1)クローン化対立遺伝子および正常KL VQT1遺伝子もしくは適当な断片(コーディング配列またはゲノム配列)両者 のヌクレオチド配列を決定し、次いで、比較し、あるいは(2)KVLQT1遺 伝子または遺伝子断片のRNA転写体を、テストすべき個人からの一本鎖全ゲノ ムDNAにハイブリダイズさせ、得られたヘテロデュプレックスをリボヌクレア ーゼA(RNase)で処理し、変性ゲルで泳動させていずれのミスマッチの位 置も検出する。これらの方法のうち2つを以下の手順に従って行うことができる 。 テストすべき個人におけるKVLQT1またはminK遺伝子の対立遺伝子を 、常法技術を用いてクローン化する。例えば、血液試料を個人から入手する。こ の試料中の細胞から単離したゲノムDNAを部分的に消化してほぼ20kbの平 均断片サイズとする。18−21kbの範囲の断片を単離する。得られた断片を 適当なベクターに連結する。次いで、クローンの配列を決定し、正常KLVQT 1 またはminK遺伝子と比較する。 別法として、KVLQT1遺伝子の5'領域またはエクソンにつき、ポリメラ ーゼ鎖反応(PCR)をプライマー対を用いて行う。また、正常KVLQT1遺 伝子のいずれかの配列に基づき、プライマー対を用いてPCRを行う。例えば、 イントロンのうちの1つについてのプライマー対を調製し、利用することができ る。最後に、mRNAについてもPCRを行うことができる。次いで、常法技術 を用いる一本鎖コンフォメーション多形(SSCP)によって増幅産物を分析し て、いずれの差異も同定し、次いで、これらを配列決定し、正常遺伝子配列と比 較する。 適当なプライマー対を用いて個人のDNAを増幅し、例えば、対立遺伝子特異 的オリゴヌクレオチドプローブを用いるドットブロットハイブリダイゼーション によって増幅産物を分析することによって、個人を通常KVLQTIまたはmi nK遺伝子変異体につき迅速にスクリーニングできる。 第2の方法は、正常KVLQT1またはminK遺伝子および欠陥遺伝子の間 の差異の検出を助けるためにRNase Aを使用する。この比較は、KLVQ T1またはminK遺伝子の小さな(〜500bp)制限断片を用いる工程で行 う。まず、KVLQT1またはminK遺伝子を、遺伝子配列をほぼ500bp の断片に切断する制限酵素(類)で消化する。これらの断片を電気動ゲルで分離 し、ゲルから精製し、両方の向きにて、SP6ベクター(例えば、pSP64ま たはpSP65)に個々にクローン化する。[α−32P]GTPの存在下、当該 分野で良く知られたSP6転写システムを用い、KVLQT1またはminK遺 伝子断片を含有するSP6−ベースのプラスミドをイン・ビトロにて転写させ、 遺伝子の両鎖の放射性標識RNA転写体を得る。 個々に、これらのRNA転写体を用いて、常法技術を用い対立遺伝子DNAと でヘテロデュプレックスを形成させる。個人からのKLVQT1またはminK 断片およびKVLQT1またはminK対立遺伝子サブクローンの間の配列差異 のため、RNA:DNAヘテロデュプレックスで起こるミスマッチの結果、RN aseAで処理するとRNA鎖が切断される。かかるミスマッチは、個人の対立 遺伝子における点突然変異または小さな欠失の結果であり得る。RNA鎖の切断 は2以上の小さなRNA断片を生じ、これはRNAプローブ自体よりも速く変性 ゲル上を泳動する。 見出されたいずれの差異も、KVLQT1またはminK遺伝子の分子変異体 、および結果としての長QT症候群の存在を有する個人を同定するであろう。こ れらの変異体は多数の形態を取り得る。最もひどい形態はフレームシフト突然変 異または大きな欠失であり、これは遺伝子に異常蛋白質をコードさせ、または有 意に蛋白質発現を改変する。よりひどくない破壊的突然変異は小さなフレーム内 欠失および非保存的塩基対置換を含み、これはシステイン残基へのまたはそれか らの変化、塩基性アミノ酸から酸性アミノ酸への変化またはその逆、疎水性アミ ノ酸から親水性アミノ酸への変化またはその逆、または二次または三次蛋白質構 造に影響する他の突然変異のごとき、生産された蛋白質に有意に影響するであろ う。サイレント突然変異または保存的アミノ酸置換となる突然変異は、一般に、 蛋白質機能を破壊することが予測されないであろう。 遺伝子テストは、出生時または出生前であっても、LQTについての危険な状 態にある個体を実行者が同定するのを可能とする。LQTの前徴候診断は、これ らの障害の予防を可能とするであろう。ベータアドレナリン遮断剤を含めた現行 の投薬治療は、当該病気に関連する問題の開始を防止し遅延させるであろう。最 後に、本発明は、全ての自然死の11%を占める心臓不整脈のような通常の心臓 病の原因および治療の我々の理解を変化させた。現行の診断は心電図からのQT 間隔を測定することに焦点を当ててきた。この方法は、長QT症候群の存在の十 分に正確なインジケーターではない。本発明は、該病気の存在のより正確なイン ジケーターである。LQTの遺伝子テストおよびその改良されたメカニズム理解 は、合理的治療を通じての生命を脅かす不整脈の予防の機会を提供する。例えば 、カリウムチャンネル開口剤はKLVQTLminKまたはHERG突然変異を 持つ患者における不整脈の危険性を減少させ;対照的に、ナトリウムチャンネル 遮断剤はSCN5Aの機能を変化させる突然変異を持つ患者についてのより効果 的な治療であろう。最後に、これらの研究は、通常の不整脈の基礎となるメカニ ズムについての洞察を供し得る。というのは、これらの不整脈はしばしば異常心 臓再分極と関連し、遺伝したおよび獲得した因子の組合せからの結果であり得る 。 本発明は、以下の実施例によりさらに詳しく説明するが、実施例は例示的なも のであって、断じて本発明を限定するものではない。当該分野で良く知られた標 準的技術または後記する技術を利用する。 実施例1 表現型評価についての方法 これらの実験では、6つの大きなLQT家系(K1532、K1723、K2 605、K1807、K161およびK162)ならびにいくつかの小さな家系 および散発性ケースを研究した。LQT患者は、北米および欧州全体の医療機関 から同定した。2つの因子、1)歴史的データ(失神の存在、失神エピソードの 数、発作の存在、徴候の開始の年齢、および急死の出現);および心拍について 補正した心電図上のQT間隔(QTc)(Bazzett、1920)を表現型タイプ分 けで考慮した。個体の誤った分類を避けるために、従前の研究で成功した表現型 帰属に対する同一の保守的アプローチを用いた(Keatingら、1991a;Keatin gら、1991b;Jiangら、1994)。ローカル・インスティテューショナル ・レビュー・ボード・ガイドライン(local institutional review board guide line)に従い、各個人、または保護者から同意の報告を取り付けた。表現型デー タは遺伝子型の知識なくして解釈した。0.45秒以上の修正QT間隔(QTc )を持つ徴候的個体および0.47秒以上のQTcを持つ無徴候個体を罹患した ものとして分類した。0.41秒以下のQTcを持つ無徴候個体を非罹患として 分類した。0.41および0.47秒の間のQTcを持つ無徴候個体および0.4 4秒以下のQTcを持つ徴候個体を不確定として分類した。実施例2 遺伝子型および連鎖分析 標準的な手法(AndersonおよびGusella、1984)を用い、エプスタイン− バールウイルス形質転換リンパ球に由来する末梢血液リンパ球または細胞系から ゲノムDNAを調製した。遺伝子型分析には、染色体11p15.5:D11S 9 22、TH、D11S1318およびD11S860(Gyapayら、1994)に 従前マップされた4つの小さなタンデムリピート(STR)多形を用いた。RF LPマーカーの表現型分類(HRAS1、D11S454およびD11S12) は従前に記載されているごとくに行った(Keatingら、1991a)。 対様式連鎖分析は、LINKAGE v5.1(Lathropら,1985)におけ るMLINKを用いて行った。浸透度についての0.90およびLQT遺伝子頻 度についての0.001の推定値は男性および女性の間で同等であると推定した 。男性および女性の組換え頻度は同等であるとみなした。STR対立遺伝子頻度 は1/nであり、ここにnは観察された対立遺伝子の数である。D11S454 についての最大LODスコアは0の組換え分率で同定されたが、1つの非真性組 換えの存在(個々のV1−14、図1)はD11S454のこのLQT遺伝子テ ロメアを置き換える。 実施例3 物理的マッピング プライマーはTH−INS−IGF11およびD11S454遺伝子座からの 配列に基づいて設計し、それを用い、PCRベースの技術(GreenおよびOlson) 1990;Kwiatowskiら、1990)を用いてCEPH YACラリブラリーか らクローンを単離した。YAC末端配列は記載されているごとくにインバースP CRによって決定し(Ochmanら、1988)、STSとしてテストした。 P1クローンは従前に同定されているコスミドcosQW22(本実験)、cC 111−469(D11S679)、cC111−385(D11S551)、cC 111−565(D11S601)、cCI11−237(D11S454)(Ta nigamiら、1992;Tokinoら,1991;Sternberg、1990)からの単一 コピプローブを用いて単離した。新しく単離されたP1はFISHまたはサザー ン分析によって染色体11p15にマップされた。末端特異的リボプローブは新 しく単離されたP1から生成し、これを用いてさらなる隣接クローンを同定した (Riboprobe Gemini Core System Kit;Promega)。P1およびコスミドクローン についてのDNAは、記載されているごとくにアルカリ溶解プラスミド 単離を用いて調製し、CsCl−エチジウムブロミド勾配において平衡遠心によ って精製した(Sambrookら、1989)。P1インサート末端配列は、サイクル配 列決定によって決定した(WangおよびKeating、1994)。STSはこれらのイ ンサート末端配列に基づいて生じた。P1およびコスミド間の重複は共通する制 限断片を合計することによって計算した。 実施例4 KVLQT1クローンの単離および特徴付け 成人ヒト心臓cDNAラリブラリー(Stratagene)を平板培養し、捕獲したエク ソン4181Aをプローブとして用いて、1×106プラークをスクリーニング した。捕獲エクソン4181Aの配列を用いて、cDNAラリブラリースクリー ニング用のオリゴヌクレオチドプローブを設計した。GENETRAPPERTM cDNA陽性選択システムを用いて、ヒト心臓cDNAライブラリーから選択し た1×1011クローンをスクリーニングした(Life Technologies,Inc.)。捕獲 および修復オリゴヌクレオチドの配列は5’−CAGATCCTGAGGATG CT−3’(配列番号:1)および5’−GTACCTGGCTGAGAAGG− 3’(配列番号:2)であった。 KVLQT1についての複合cDNA配列は、重複するcDNAクローンの末 端配列決定によって、およびプライマーウォーキングによって得た。配列決定は 、Pharmacia A.L.R自動シーケンサーを用いて自動で、あるいはSequenase Versi on 2.0 DNA配列決定キット(United States Biochemical,Inc.)を用いて 手動で行った。データベース分析および配列分析はGCGソフトウェアパッケー ジ、IGソフトウェアパッケージ、およびバイオテクノロジー情報についてのNa tional CenterからのBLASTネツトワークサービスを用いて行った。 KVLQT1の(膜貫通ドメインS2ないS6からの)部分的ゲノム構造は、 記載されているごとくにP1 18B12のサイクル配列決定によって決定した (WangおよびKeating、1994)。プライマーはKLVQT1 cDNA配列に 基づいて設計し、サイクル配列決定で使用した。 実施例5 突然変異分析 SSCPは従前に記載されているごとくに行った(Wangら、1995a;Wang ら、1995b)。正常および異常SSCP産物は記載されているごとくに直接 単離配列決定し(WangおよびKeating、1994)、あるいはT−ベクター方法を 用いて(Marchukら、1990)、pBluescript(SK+;Strategene)にサブクローンし た。後者の方法を用いる場合、SequenaseTMVersion2.0(United States Biochemi cals,Inc.)を用い、ジデオキシ鎖停止方法によっていくつかのクローンを配列 決定した。 実施例6 ノーザン分析 多数組織ノーザンフィルター(multiple tissue Northern filter)(Human MTN blot1,Clonetech)を32−P標識KVLQT1 cDNAプローブで従前に記載さ れているごとくにプローブした(Curranら、1995)。 実施例7 LQT1の精密遺伝子的および物理的位置決定 LQT1の正確な位置は家系1532(K1532)(北ヨーロッパ子孫の大 きなユタ州の家族)における遺伝子型分析によって決定した。この家系は第1の LQT遺伝子LQT1を染色体11p15.5に結び付ける最初の実験で使用し た(Keatingら、1991a;Keatingら、1991b)。さらなる家族メンバーを 同定し、217の個体の全サンプルサイズにて表現型決定した。表現型決定は従 前に記載されているごとくに行った(Keatingら、1991a;Keatingら,199 1b;Jiangら、1994)。HRAS、TH、D11S454およびD11S1 2におけるマーカーを用いる予備的遺伝子型分析は、K1532の全ての確認さ れたメンバーを含むものであった。これらの実験はこの家族の情報的分家を同定 した。さらなる表現型分析は、染色体11p15.5からの3つの高度に多形の マ一カー:D11S922、D11S1318およびD11S860を用いて行 った(Gyapayら、1994)。各マーカーについての遺伝子型および対様式LOD スコアは図1および表1に示す。これらのマーカーのうち、THおよびD1 1S1318は完全に連鎖した。組換えは、HRASを含めた全てのテストした 他のマーカーで同定されたが、各々の場合、統計的に有意な陽性LODスコア( +3またはそれ以上)が確認された。これらのデータは、この家系ではLQT1 がTHおよびD11S1318に完全に連鎖し、病気遺伝子はHRASから動原 体側に位置することを示す。 LTQ1の位置付けを正確なものとするため、K1532のハプロタイプ分析 を行った(図1参照)。9つの染色体担持情報的組換え事象を同定した。テロメア 組換え事象は非罹患個体IV−22(D11S922およびTHの間)、罹患個体 IV−25(D11S922およびTHの間)、非罹患個体V−6(HRASおよ びD11S992Sの間)、および罹患個体V−24(HRASおよびD11S 922の間)で観察された。動原体組換え事象は非罹患個体V−17(D11S 860およびD11S454の間)、罹患個体V−24(D11S860およびD 11S454の間)、非罹患個体V−34(D11S860およびD11S454 の間)、非罹患個体VI−13(D11S860およびD11S454の間)、非 罹患個体VI−14(D11S454およびD11S318の間)、および罹患個 体VI−16(D11S860およびD11S454の間)で観察された。これ らのデータは、LQT1がD11S922およびD11S454の間に位置する ことを示す。LQT1をTHから動原体側に置く最近の研究(Russellら、19 95)と考え合わすと、これらのデータはLQT1をTHおよびD11S454 の間の間隔に位置付ける。 LQT1を含有する領域のサイズは、染色体11p15.5からのゲノムプロ ーブにてパルス−フィールドゲル分析を用いて評価した。TH、D11S551 およびD11S454からのプローブは700kb Mlu I制限断片にハイ ブリダイズした(図2)。これらのデータは、LQT1を含有する領域が700k b未満であることを示唆した。この領域の物理的表示は該領域からのプローブを 用いて酵母人工染色体(YAC)およびP1ラリブラリーをスクリーニングする ことによって達成された(Tanigamiら、1992;Tokinoら、1991)。これら のクローンの順序は蛍光イン・サイチュハイブリダイゼーション(FISH)分 析を用いて以下のごとくに確認された;テロメア−TH−D11S551−D1 1S679−D11S601−DIIS454−動原体。次いで、最初の実験で 同定されたクローンを隣接する重複クーンの同定で使用した。LQT1間隔から のクローンの最小組を図2に示す。 実施例8 KVLQT1の同定および特徴付け 物理的地図からのクローンでのエクソン増幅を行って、LQT1についての侯 補遺伝子を同定した。エクソン捕獲は従前に記載されているごとくにゲノムP1 クローン上のpSPL3B(Burnら、1995)を用いて行った。各P1クロー ンからの最小128の捕獲されたエクソンをPCR産物をサイズ分けすることに よって最初に特徴付けた。これらより、A.L.F.自動シーケンサー(Pharmacia) を用いるジデオキシ配列決定法によって、400クローンをさらに分析した。D NA配列およびデータベース分析より、イオンチャンネルに対する予測されるア ミノ酸類似性を持つ8つの可能なエクソンが明らかにされた。最高の類似性は2 38塩基対捕獲エクソン(4181A)で得られ、推定ポア領域の一部に対する 類似性を含め、多数の種からのカリウムチャンネル蛋白質に対して53%類似性 であった。PCR分析を用いて、4181Aを染色体11の短腕および物理的地 図からの2つのP1にマップした(118A10、18B12)。これらのデータ は、4181Aが染色体11p15.5上のカリウムチャンネル遺伝子の一部で あることを示唆した。 2つの異なるcDNAライブラリースクリーニング方法を用いて、捕獲エクソ ン4181Aが遺伝子の一部であるか否かを判断した。成人ヒト心臓cDNAラ イブラリーとの伝統的なプラークフィルターハイブリダイゼーションは、単一の 陽性クローンの同定に導いた。cDNA選択の変法を用いて、第2の心臓cDN Aライブラリーをスクリーニングし(GENETRAPPERTM cDNA陽性 選択システム、Life Technologies,Inc.)、12の独立したクローンが回収され た。DNA配列分析は、4181Aおよび前記した他の捕獲エクソンに由来する 配列との完全な整列を明らかとした。これらのcDNAクローンの複合配列を図 3Aに示す。最長オープンリーディングフレームは1654塩基対にわたる。1 2のコンセンサスポリアデニル化シグナルが3’非翻訳領域におけるポリ(A) テイルの上流で同定された。開始コドンの同一性は未だ定かではない。 このcDNAはカリウムチャンネルの構造的特徴を持つ蛋白質を予測した。水 治療法分析は、膜貫通α−ヘリックスを表し得る6つの主要な疎水性領域のトポ ロジーを示唆した。これらの領域はカリウムチャンネル膜貫通ドメインS1−S 6との配列類似性を有する。同定された遺伝子に由来する予測アミノ酸配列とSh aker(SHA)カリウムチャンネル(Pongsら、1988)との比較を図3Bに示 す。S1−S6を含有する領域において、アミノ酸同一性は30%であり、類似 性は59%であった。S1−S6の3’側に位置する配列は、いずれの公知の蛋 白質とも有意な類似性を有しなかった。この遺伝子は電圧依存性カリウムチャン ネル遺伝子に対して高い類似性を有し、LQT1についての強力な候補となるの で、それをKVLQT1と命名した。 ノーザンブロット分析を用いて、KVLQT1 mRNAの組織分布を決定し た。KVLQT1 cDNAプローブはヒト心臓、腎臓、肺、および胎盤におい て3.2kb転写体を検出したが、骨格筋、肝臓または脳では検出しなかった(図 4)。心臓は最高レベルのKVLQT1 mRNAを示した。 実施例9 完全なKVLQT1 cDNAの特徴付け 前記した実験の結果、KVLQT1についての不完全なcDNAがクローニン グされ、特徴付けられた。不完全なcDNAの配列は6つの疎水性の膜貫通α− ヘリックス(S1−S6)および典型的なK+チャンネルポアシグニチャー配列 (Heginbothamら、1994)を持つ蛋白質を予測した。しかしながら、このc DNAはアミノ末端ドメインが欠けているようであり、機能的に発現されなかっ た。KVLQT1の完全な配列を明らかとするために、いくつかのcDNAライ ブラリーをスクリーニングし、新しいクローンを単離した。スクリーニングは、 部分的KVLQT1 cDNAを32Pで標識し、Clonetechlから入手したいくつ かのcDNAライブラリーをスクリーニングすることによって行った。1.2k bクローンを膵臓ライブラリーから単離し、pBluescriptIIにサブクローンし 、配列決定した。このクローンは推定翻訳開始部位および本来のKVLQT1ク ローンと枠内にあるATG配列を含むものであった。この新しい配列データを先 の配列データと組合せて、完全な蛋白質をコードするcDNA配列を得た。この cD NA配列ならびに5’および3’非翻訳領域を図12A−12Dに示す。新しい cDNA配列は完全なS1ドメインおよび27アミノ酸N−末端領域を持つ58 1アミノ酸蛋白質を予測する。これを図8Aに示す。この新しい配列が染色体1 1p15.5−連鎖KVLQT1遺伝子の一部であることを確認するために、こ の領域からの135塩基対XhoI制限断片を、体細胞ハイブリッドパネルから のDNAを用いるハイブリダイゼーション実験で用いた。新しい5’末端は染色 体11の短腕にマップされた。新しいKVLQT1配列を用いるノーザン分析は 、ヒトの膵臓、心臓、腎臓、肺および胎盤において3.2kbの単一のメッセン ジャーRNAとのハイブリダイゼーションを示したが、脳、肝臓または骨格筋に おいてはそうでなかった(図8B)。ノーザン分析は、Curranら、1995によっ て記載されているごとくに、多重組織ノーザンフィルター(multiple tissue Nor thern filter)(Human MTN blot1,Clontech)を用いて行った。 実施例10 KVLQT1機能の特徴付け KVLQT1の機能を明らかとするために、チャイニーズハムスター卵巣(C HO)細胞を実施例9に記載した完全なcDNAでトランスフェクトした。KV LQT1 cDNAをpCEP4にサブクローンした(InVitrogen)。CHO細胞 はHamのF−12培地中で培養し、Lipofectamine(Gibco BRL)を用いて一過的に トランスフェクトした。細胞は、6μLリポフェクタミン、0.5μg緑色蛍光 蛋白質(pGreen Lantern-1、Gibco BRL)、および1.5μgのpCEP4中KVL QT1を含有する35mm皿中、18時間トランスフェクトした。トランスフェ クションの48ないし78時間後、Axopatch 200パッチクランプ増幅器(Axon In struments)を用い、蛍光細胞を電圧固定した。浴溶液はmM単位で142 Na Cl、2 KCl、1.2 MgCl2、1.8 CaCl2、11.1グルコース 、5.5HEPES緩衝液(pH 7.4、22−25℃)を含有するものであっ た。ピペット溶液は、mM単位で、110 グルタミン酸カリウム、20 KC l、1.0 MgCl2、5 EGTA、5 K2ATP、10 HEPES(p H 7.3)を含有するものであった。データの獲得および解析はpCLAMP 6 (Axon Instruments)を用いて行った。電流活性化の電圧依存性は、テイル電流( 電流の脱活性化相をテストパルスの最後に外挿することによって測定)およびテ スト電位との関係をボルツマン関数に適合させることによって決定した。テイル 電流は各卵母細胞につき最大値に対して正規化した。 電圧依存性の外方K+電流は、−60mVを超える電位への膜脱分極の後に観 察された(図9A)。この電流は+40mVでは1秒以内に定常状態に達した。電 流の活性化には小さな遅延が先行し、−70mVへの再分極は脱活性化の前に振 幅の初期増大(フック)を持つテイル電流を誘導した。同様のテイル電流フック はHERG K+チャンネルにつき従前に観察されており、脱活性化よりも速い 速度での不活化からのチャンネルの回復に帰せられた(Sanguiettiら、1995 ;Smithら、1996;Spectorら、1996)。KVLQT1電流についての活 性化曲線は−11.6±0.6mVの半最大(V1/2)であり、12.6±0.5m Vの傾き因子を有していた(n=6;図9B)。 KVLQT1の生物物理学的特性は、他の既知の心臓K+電流特性に似ていな かった。KVLQT1はもう1つのサブユニットと共集合して、既知の心臓チャ ンネルを形成するのではないかと仮定した。ゆっくりと活性化する遅延整流K+ 電流IKsは、心臓活動電位の再分極を変調する。鋭意実験したに拘わらず、IKS チャンネルの分子構造は理解されていない。生理学的データは、IKSチャンネル の1つの成分はminK(GoldsteinおよびMiner、1991;Hausdorffら、19 91;Takumiら、1991;Buschら、1992;WangおよびGoldsteim、199 5;wangら、1996)、単一の推定膜貫通ドメインを持つ130アミノ酸蛋白 質(Takumiら、1988)であることを示唆する。しかしながら、この蛋白質の サイズおよび構造は、minKは単独で機能的チャンネルを形成するという疑い に導いた(Attaliら、1993;Lesageら、1993)。 この仮説をテストするために、CHO細胞をKVLQT1およびヒトminK (hminK)cDNAで共トランスフェクトした。hminK cDNAをp CEP4(InVitrogen)にサブクローンし、KVLQT1単独について記載した ごとくにトランスフェクションを行った。KVLQTIおよびhminKの共ト ランスフェクションのために、0.75μgの各cDNAを用いた。従前に報告 されているように(Lesageら、1993)、hminK単独でのCHO細胞のトラ ンスフェクションは、検出可能な電流を誘導しなかった(n=10、図9C)。K VLQT1でのhminKの共トランスフェクションは、KVLQT1単独でト ランスフェクトした細胞における電流よりもかなり大きいゆっくりと活性化する 遅延整流電流を誘導した(図9Cおよび9E)。共トランスフェクトしたCHO細 胞における電流のゆっくりとした活性化には、数100msec継続する遅延が 先行し、これは有意なホモマーKVLQT1チャンネル電流が存在しないことを 示す。電流は長い脱分極パルスの間飽和せず、初期の遅延および2相の電流活性 化を最良に記載するには3つの指数関数を要した。+40mVまでの30秒の脱 分極パルスの間に、0.68±0.18、1.48±0.16、および8.0±0.6 秒(n=4)の時定数で電流は活性化された。電流についての等時性(7.5秒 )活性化曲線は7.5±0.9mVのV1/2、16.5±0.8mVの傾き因子(n= 7;図9B)を有していた。比較すると、ヒト心臓IKSについての活性化曲線の V1/2および傾きは9.4mVおよび11.8mVを有していた(Liら、1996) 。CHO細胞で共発現されたKVLQT1およびhminKと同様に、心臓IKS の活性化は極端に遅く、3つの指数関数によって最良に記載された(Balsterら、 1990;SanguinettiおよびJurkiewicz、1990)。キニジン(50μM) は、単離された筋細胞(Balsterら、1991)におけるIKSに対するその効果 (40−50%ブロック)と同様に、共トランスフェクトされたCHO細胞にお けるテイル電流を30±8%(n=5)ブロックした。かくして、CHO細胞に おけるKVLQT1およびhminKの共発現は心臓IKSとほとんど同一の生物 物理学的特性を持つK+電流を誘導した。 hminKおよびKVLQT1の特性をさらに特徴付けるために、これらのチ ャンネルを、ツメガエル卵母細胞中にて別々におよび一緒に発現させた。ツメガ エル卵母細胞は、Sanguinettiら、1995によって記載されているごとく、単 離しcRNAと共に注入した。KVLQT1 cDNAはpSP64(Promega )にサブクローンした。hminK cDNAはR.Swansonから贈られた。ほぼ 等モル濃度のKVLQT1 cDNA(卵母細胞当たり5.8ng)およびhm inK(卵母細胞当たり1ng)cRNAを共注入実験で使用した。浴溶液はm M単位で98 NaCl、2 KCl、2 MgCl2、0.1 CaCl2、お よび5 HEPES(pH 7.6、22−25℃)を含有した。逆電位実験で は、KClの代りに外部NaClで等モル置換することによって容量オスモル濃 度を維持した。電流はcRNAでの卵母細胞の注入の3日後に、標準2ミクロ電 極電圧技術を用いて記録した(Sanguinettiら、1995)。電流は0.5kHzで濾 過し、2kHzでデジタル化した。データは平均±標準偏差で表す。 KVLQT1相補的RNAを注入した卵母細胞は、KVLQT1 cDNAで トランスフェクトしたCHO細胞とほとんど同一の活性化依存性を持つ迅速に活 性化する外方K+電流を発現した(図10Aおよび10B)。KVLQT1チャン ネルのK+選択性は、異なる濃度の細胞外K([K+]c)におけるテイル電流の逆 転電位(Erev)を測定することによって決定した。Erevおよびlog[K+c の間の関係の傾きは49.9±0.4mV(n=7;図10C)であり、完全に選 択的なK+チャンネルについてのNernst方程式によって予測されるもの(58m V)よりも有意に低かった。KVLQT1およびhminK cRNAでの卵母 細胞の共注入はIKSと同様の電流を誘導した(図11)。共注入卵母細胞について のErevおよびlog[K+cの間の関係の傾きは49.9±4mV(n=6)で あり、KVLQT1単独およびモルモット心臓IKS(49mV)と同様であった (Matsuuraら、1987)。共注入卵母細胞についての等時性(7.5秒)活性化 曲線は、心臓IKSと同様に、6.2mVのV1/2および12.3mVの傾きを有し ていた(図11E)。 実施例11 ツメガエルにおけるKVLQT1遺伝子の同定 CHO細胞とは対照的に、hminKはツメガエル卵母細胞において機能的発 現を受けることができた(図11B)。誘導された電流(Iks)は、共注入卵母細 胞における電流よりも小さいが、活性化の動態および電圧依存性は同様であった (図11A−E)。2つの観察は、ツメガエル卵母細胞におけるIksはmin Kの、未同定の構成的に発現されるサブユニットとの共集合によって形成される チャンネルに由来するという仮説に導く。まず、Iksの大きさは非常に少量のm inK cRNAの注入後に飽和し(図11D)、これは限定量の内因的成分が機 能的発現に必要であることを示唆する(WangおよびGoldstein、1995;Cuiら 、1994)。第2に、哺乳動物細胞におけるminKの異種発現は検出可能な 電流を誘導せず(Lesageら、1993)(図9C)、これはminKが機能的チャ ンネルを形成するのに十分でないことを示唆する。この未同定サブユニットはK VLQT1と相同体であると仮定された。この仮説をテストするために、ツメガ エルcDNAライブラリー(Clontech)を、S3−S5ドメインにわたるKVLQ T1 cDNAクローンでスクリーニングした。1.6kb部分クローン(KV LQT1、図8A)を単離した。XKVLQT1は、KVLQT1の対応する領 域でのアミノ酸レベルにおいて88%同一である(図8A)。これらのデータは、 IKSはXKVLQT1およびmikK蛋白質の共集合に由来することを示唆する 。 KVLQT1およびhminKは共集合して、心臓IKSチャンネルを形成する と結論された。2つの遅延−整流K+電流IKrおよびIKsは心臓筋細胞における 活動電位持続を変調させる(Liら、1996;SanguiettiおよびJurkiewiez、1 990)。従前の研究は、長QT症候群におけるIKrチャンネルの機能不全を示 唆している(Sanguinettiら、1995;Curranら、1995;Sanguinetti、1 996)。KVLQT1突然変異はこの障害も引き起こすという観察(Wangら、1 996)、およびKVLQT1はIKsチャンネルの一部を形成するという発見は 、両心臓遅延−整流K+チャンネルの機能不全が心臓不整脈からの突然死の危険 に寄与していることを示す。 実施例12 6つの大家族におけるKVLQT1ミスセンス突然変異のLQTとの共分離 KVLQT1はLQT1であるという仮説をテストするために、一本鎖コンフ ォメーション多形(SSCP)を用いて、K1532(染色体11への連鎖を示 した最大LQT家族)の罹患メンバーにおいて機能的突然変異につきスクリーニ ングした。SSCPは従前に記載されているごとくに行った(Wangら、1995 a;Wangら,1995b)。正常および異常SSCP産物を単離し、続いて記載 されているごとくに直接的に配列決定するか(WangおよびKeating、1994)、 あるいはT−ベクター方法を用いてpBluescript(SK+)(Stratagene)にサブローン した(Marchukら、1990)。後者の方法を用いる場合、SequenaseTM Version 2.0(United States Biochemicals,Inc.)を用い、ジデオキシ鎖停止法によって配 列決定した。分析物は、S2およびS6の間の領域に焦点を当てた。というのは 、これらの領域はKVLQT1機能で重要であるらしいからである。我々は、c DNA配列に基づいてオリゴヌクレオチドプライマーを設計し、これらのプライ マーを、KVLQT1−含有P1、18B12でのサイクル配列決定反応で用い た(WangおよびKeating、1994)。これらの実験は、S2−S6をコードする エクソンに隣接するイントロン配列を明確とした。次いで、さらなるプライマー をこれらのイントロン配列から生じさせ、SSCP分析で使用した(表2)。 SSCP分析は、K1532の70人の罹患メンバーにおいて異常コンフォー マーを同定した(図5)。この異常コンフォーマーは、この家系の147人の非罹 患メンバーまたは200人を超える無関係対照個体からのゲノムDNAでは観察 されなかった(Q.Wang、未発表結果)。この異常およびLQTの間の連鎖について の2点LODスコアは0の組換え因子において14.19であった(表1)。KV LQT1およびLQT1の間で組換えは観察されず、これは、これらの遺伝子座 は完全に連鎖していることを示す。正常および異常SSCPコンフォーマーのD NA配列解析は、コドンVal−125の第1ヌクレオチドにおけるGからAへ のトランジョンである単一塩基置換を明らかとした(図5および表3)。この突然 変異の結果、S4およびS5の間の予測される細胞内ドメインにおけるバリンか らメチオニンへの置換となる。 KVLQT1における突然変異がLQTを引き起こすという仮説をさらにテス トするために、5つのさらなる大LQT家系の罹患メンバーからのDNA試料を 調べた。この領域からの多形マーカーでの連鎖分析は、病気表現型がこれらの家 族において染色体11に連鎖していることを示した(Q.Wang、未公開結果)。異常 SSCPコンフォーマーはK1723、K2605、K1807(図5)、K1 61およびK162の罹患メンバーで同定された(Q.Wang、未公開結果)。K16 1およびK162で同定されたSsCpはK1807で観察されたものと同一で あった(Q.Wang,未公開結果)。SSCP異常SSCPコンフォーマーはこれらの 家系の非罹患メンバーまたは200人を超える無関係対照個体からのDNA試料 では観察されなかった(図5;Q.Wang、未公開結果)。各家族で同定された正常お よび異常コンフォーマーを配列決定した。ヌクレオチド変化、コーディング効果 、および各突然変異の位置を表3にまとめる。 表2 KVLQT1突然変異を規定するのに用いたPCRプライマー 実施例13 小家族および散発性ケースにおけるLQTに関連するKVLQT1遺伝子内欠 失および9つのミスセンス突然変異 KVLQT1におけるさらなるLQT−関連突然変異を同定するために、小さ な家系および散発性ケースにつき、さらなるSSCP分析を行った。SSCPは 、家系13216で異常コンフォーマーを明らかとした(図6)。200を超える 無関係対照個体の分析は、この異常を示さなかった(Q.Wang、未公開結果)。この 異常コンフォーマーをクローン化し、配列決定し、コドン38および39を含む 3つの塩基対欠失が明らかとされた。この突然変異の結果、推定S2ドメインに おけるフェニルアラニンからトリプトファンへの置換およびグリシンの欠失とな った(表3)。 異常SSCPコンフォーマーは、9つのさらなる家系;K1777、K209 25、K13119、K20926、K15019(図6)、K2050、K16 3およびK164の罹患メンバーで同定された(Q.Wang、未公開結果)。K205 0で同定された異常SSCPコンフォーマーはK1273におけるものと同一で あり、K163およびK164で同定された異常コンフォーマーはK1807で 観察されたものと同一であった。異常コンフォーマーのいずれも、200を超え る個体からのDNA試料で同定されなかった(Q.Wang、未公開結果)。各場合、正 常および異常コンフォーマーを配列決定した。これらのデータを図6に示し、表 3にまとめる。全体として。16家族または散発性ケースにおけるLQT関連K VLQT1突然変異(図7)を同定し、KVLQT1における突然変異がLQT からの染色体11−連鎖形態を引き起こす強力な分子遺伝子的証拠を供する。 実施例14 KVLQT1に対するポリクローナル抗体の作成 KVLQT1コーディング配列のセグメントは、イー・コリ(E.coli)では融合 蛋白質として発現される。共発現された蛋白質はゲル溶出によって精製され、こ れを用いて、HarlowおよびLane、1988によって記載されているものと同様の 手法を用いて、ウサギおよびマウスを免疫化する。この手法は種々の他の蛋白 質に対するAbを創製することが示されている(例えば、Kraemerら、1993 参照)。 略言すれば、KVLQT1コーディング配列のストレッチは、プラスミドPE T5A(Novagen,Inc.、マジソン、WI)において融合蛋白質としてクローン化 される。IPTGでの誘導の後、予測される分子量を持つ融合蛋白質の共発現は SDS/PAGEによって証明する。融合蛋白質は電気溶出によってゲルから精 製される。KVLQT1融合産物としての蛋白質の同定は、N−末端における蛋 白質配列決定によって証明される。次に、精製蛋白質をウサギにおいて免疫源と して用いる。フロイントの完全アジュバント中の100μg蛋白質でウサギを免 疫化し、3週間間隔中に2回、まずフロイントの不完全アジュバント中の100 μg免疫源、続いてPBS中の100μg免疫源でブースター注射する。抗体含 有血清をその2週間後に収集する。 この手法を反復して、KVLQT1遺伝子の突然変異体形態に対する抗体を得 る。野生型KVLQT1に対する抗体と組み合わせて、これらの抗体を用いて、 種々の組織および生物学的流体における突然変異体形態の存在および相対的レベ ルを検出する。 実施例15 KVLQT1に特異的なモノクローナル抗体の作成 以下のプロトコルに従い、モノクローナル抗体を作成する。よく知られている ように、グルタルアルデヒドまたはEDCを用い、キイホールリンペットヘモシ アニンにコンジュゲートした完全なKVLQT1またはKVLQT1ペプチド( 野生型または突然変異体)を含む免疫源でマウスを免疫化する。 免疫源をアジュバントと混合する。各マウスに10ないし100μgの免疫源 の4回の注射を摂取させ、4番目の注射の後、血液試料をマウスから採取して、 血清が免疫源に対する抗体を含有するか否かを判断する。血清力価をELISA またはRIAによって測定する。免疫源に対する抗体の存在を示す血清を持つマ ウスを、ハイブリドーマ産生につき選択する。 脾臓を免疫マウスから摘出し、単一細胞懸濁液を調製する(HarlowおよびLane 、 1988参照)。KohlerおよびMilstein、1975によつて実質的に記載されて いるごとくに細胞融合を行う。略言すると、HarlowおよびLane、1988によっ て記載されているごとく、ポリエチレングリコールを用い、P3.65.3骨髄腫 細胞(American Type Culture Conection,Rockville,MD)を免疫脾臓細胞と融合さ せる。細胞を、2×105細胞/ウェルの密度にて、96ウェル組織培養プレー ト中にて平板培養する。個々のウェルを増殖につき調べ、野生型または突然変異 体KVLQT1標的蛋白質を用いるELISAまたはRIAによって、増殖する ウェルの上清をKVLQT1特異的抗体の存在につきテストする。推定ウェル中 の細胞を増殖させ、サブクーロンして、モノクローナル性を確立し確認する。 所望の特異性を持つクローンを増殖させ、マウス中の腹水としてまたは中空繊 維系にて成長させて、特徴付けおよびアッセイ実行のための十分量の抗体を得る 。 実施例16 KVLQT1についてのサンドイッチアッセイ モノクローナル抗体をプレート、チューブ、ビーズまたは粒子のごとき固体表 面に付着させる。好ましくは、抗体を96ウェルELISAプレートのウェル表 面に付着させる。KVLQT1ペプチド/蛋白質(野生型または突然変異体)を 含有する100μl試料(例えば、血清、尿、組織サイトゾル)を固相抗体に添 加する。試料を室温で2時間インキュベートする。次に、試料流体をデカントし 、固相を緩衝液で洗浄して、未結合物質を除去する。(KVLQT1ペプチド/ 蛋白質上の異なる抗原決定基に対する)第2のモノクローナル抗体100μlを 固相に添加する。この抗体をディテクター分子(例えば、125−I、酵素、蛍 光体、または発色団)で標識し、第2の抗体を持つ固相を室温で2時間インキュ ベートする。第2の抗体をデカントし、固相を緩衝液で洗浄して未結合物質を除 去する。 試料に存在するKVLQT1ペプチド/蛋白質の量に比例する結合標識の量を 定量する。野生型KVLQT1に特異的なモノクローナル抗体ならびにKVLQ T1で同定された突然変異の各々に特異的なモノクローナル抗体を用い、別のア ッセイを行う。 実施例17 KVLQT1およびminK+チャンネルに影響する薬物をスクリーニングす るためのアッセイ KVLQT1およびminKが共集合して心臓IKSカリウムチャンネルを形成 するという知識にて、今や、このチャンネルに対する効果を有する薬物をスクリ ーニングするためのアッセイを設計することができる。2つの遺伝子、KVLQ T1およびminKを卵母細胞または哺乳動物細胞に共トランスフェクトし、記 載したごとくに発現させる。野生型または特異的に突然変異したKVLQT1お よびminKのいずれかの組合せを用い、共トランスフェクションを行う。共ト ランスフェクションで用いた遺伝子のうちの1つが、LQTを引き起こす突然変 異を含有する場合、野生型遺伝子のみとの共トランスフェクションと比較して、 誘導電流の変化が観察される。薬物候補をトランスフェクトした細胞の浴溶液に 添加して、誘導電流に対する薬物候補の効果をテストする。野生型KVLQT1 およびminKで共トランスフェクトした細胞で観察される誘導電流により近い ように該電流を変化させる薬物候補はLQTを治療するのに有用である。 本発明の好ましい具体例の詳細を参照して本発明を説明したが、本発明の精神 および添付請求の範囲内にある修飾は当業者に容易に浮かぶように、該開示は限 定的なものではなく例示的であることを意図する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12Q 1/68 G01N 33/50 P G01N 33/50 33/53 D 33/53 33/566 33/566 C12N 5/00 B (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),AU,CA,JP,K R,NZ (72)発明者 カラン,マーク・イー アメリカ合衆国84102ユタ州ソルト・レイ ク・シティ、イースト・400・サウス・ナ ンバー610ビー、1032番 (72)発明者 ランズ,グレゴリー・エム アメリカ合衆国01532マサチューセッツ州 ノースボロー、インディアン・メドー・ド ライブ19番 (72)発明者 コナーズ,ティモシー・ディ アメリカ合衆国01748マサチューセッツ州 ホプキントン、ヘイデン・ローウェ・スト リート304番 (72)発明者 バーン,ティモシー・シー アメリカ合衆国19707デラウェア州ホッケ シン、ベル・テレ、マリアン・コート212 番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.配列番号26に記載されたアミノ酸配列を有するヒトKVLQT1ポリペ プチドをコードする単離された核酸。 2.配列番号25に記載されたヌクレオチド配列を有するDNA、その相補体 、その対立遺伝子変異体または対応するRNAである請求項1記載の単離された 核酸。 3.長QT症候群を引き起こす配列番号26に記載されたヒトKVLQT1ポ リペプチドの突然変異形態につきコードする単離された核酸、その相補体または 対応するRNA。 4.該突然変異が、欠失突然変異、ナンセンス突然変異、挿入突然変異および ミスセンス突然変異よりなる群から選択される請求項3記載の単離された核酸。 5.該単離されたDNAが、表3に示された1以上の突然変異を含む請求項3 記載の単離された核酸。 6.試料中で検出するためにハイブリダイゼーションプローブとして使用する のに適した核酸配列が(i)配列番号1に記載されたヌクレオチド配列、その対 立遺伝子変異体およびその突然変異形態から選択されるヌクレオチド配列を有す るDNAまたは(ii)該DNAに対応するRNAである請求項1ないし5いず れか1項記載の少なくとも15の連続核酸を有する単離された核酸。 7.突然変異を含む請求項3ないし5いずれか1項記載の少なくとも15の連 続核酸を有する請求項6記載の単離された核酸。 8.請求項1ないし7いずれか1項記載の単離された核酸および宿主細胞で働 くレプリコンを含む複製クローニングベクター。 9.KVLQT1ポリペプチドまたはその修飾形態についてのコーディング配 列が、該ベクターについての宿主細胞において該コーディング配列の発現を指示 できる適当な制御配列に作動可能に連結した請求項1ないし5いずれか1項記載 の単離された核酸を含む発現ベクター。 10.請求項8または9記載のベクターで形質転換した宿主細胞。 11.(i)KVLQT1ポリペプチドの生産に適した条件下、該ポリペプチド をコードする発現ベクターを含有する請求項10記載の宿主細胞を培養し、次い で、(ii)該ポリペプチドを回収することを特徴とする、請求項1記載の配列番 号26に記載されたアミノ酸配列を有するKVLQT1ポリペプチドまたは該ポ リペプチドの修飾形態であるポリペプチドの生産方法。 12.配列番号26に記載されたアミノ酸配列を有する単離されたヒトKVL QT1ポリペプチド。 13.配列番号26に記載されたアミノ酸配列を有するKVLQT1ポリペプ チドの突然変異形態を含む単離されたヒト突然変異体KVLQT1ポリペプチド 。 14.該突然変異が表3に示されたものである請求項13記載の単離されたK VLQT1ポリペプチド。 15.請求項12ないし14いずれか1項記載の1以上のポリペプチドに特異 的に結合できる抗体。 16.対象の組織試料から単離されたKVLQT1遺伝子またはその発現産物 の配列を、野生型KVLQT1遺伝子またはその発現産物と比較することによっ て、KVLQT1遺伝子における突然変異につき、該対象をスクリーニングする ことよりなり、ここに該対象の配列における突然変異が長QT症候群の危険性の 指標であることを特徴とする長QT症候群につきヒト対象における危険性を評価 する方法。 17.該発現産物が、KVLQT1遺伝子のmRNAおよび該KVLQT1遺 伝子によってコードされたKVLQT1ポリペプチドよりなる群から選択される 請求項16記載の方法。 18.以下の手順(a)非変性ポリアクリルアミノゲル上の試料からの一本鎖 DNAの電気泳動移動度のシフトを観察し、 (b)KVLQT1遺伝子に対するKVLQT1遺伝子プローブのハイブリダイ ゼーションに適した条件下、KVLQT1遺伝子プローブを該試料から単離され たゲノムDNAにハイブリダイズさせ、 (c)対立遺伝子特異的プローブの、該試料からのゲノムDNAへのハイブリダ イゼーションを測定し、 (d)該試料からのKVLQT1遺伝子の全部または一部を増幅させて増幅配列 を得、該増幅配列を配列決定し、 (e)該試料における特異的KVLQT1突然変異体対立遺伝子の存在を核酸増 幅によって測定し、 (f)該試料からのKVLQT1遺伝子の全部または一部を分子クローニングし てクローン化配列を得、該クローン化配列を配列決定し、 (g)分子(1)該試料から単離されたKVLQT1遺伝子ゲノムDNAまたは KVLQT1 mRNA、および(2)ヒト野生型KVLQT1遺伝子DNAに 相補的な核酸プローブが相互にハイブリダイズしてデュプレックスを形成する場 合に、それらの分子間にミスマッチがあるか否かを決定し、 (h)該試料中のKVLQT1遺伝子配列を増幅させ、野生型KVLQT1遺伝 子配列を含む核酸プローブに該増幅配列をハイブリダイズさせ、 (i)該組織中のKVLQT1遺伝子配列を増幅させ、突然変異体KVLQT1 遺伝子配列を含む核酸プローブに該増幅配列をハイブリダイズさせ、 (j)欠失突然変異につきスクリーニングし、 (k)点突然変異につきスクリーニングし、 (l)挿入突然変異につきスクリーニングし、 (m)該試料中のKVLQT1遺伝子と、該KVLQT1遺伝子配列または突然 変異体KVLQT1遺伝子配列を含む1以上の核酸プローブとのインサイチュ・ ハイブリダイゼーションを測定し、 (n)免疫ブロッティングを行い、 (o)免疫組織化学を測定し、 (p)該組織から単離されたKVLQT1蛋白質と、KVLQT1突然変異体対 立遺伝子のポリペプチド発現産物に特異的に結合できる結合パートナーおよび/ または配列番号26に記載されたアミノ酸配列を有するKVLQT1ポリペプチ ドについての結合パートナーとの間の結合相互作用につき検定し、次いで、 (q)該結合パートナーの生物化学的活性の阻害につき検定する のうちの1以上を行う請求項16または17記載の方法。 19.KVLQT1ポリペプチドのアミノ酸38−39をコードするDNAも しくはRNAまたはKVLQT1ポリペプチドのアミノ酸38−39を比較する 請求項16ないし18いずれか1項記載の方法。 20.表3に示される突然変異につき、DNAまたはRNAを比較する請求項 16ないし18いずれか1項記載の方法。 21.請求項1または2記載のDNAでトランスフェクトされた細胞。 22.請求項3,4または5記載のDNAでトランスフェクトされた細胞。 23.請求項1または2記載のDNAに相補的なRNAでトランスフェクトさ れた細胞。 24.請求項3,4または5記載のDNAに相補的なRNAでトランスフェト された細胞。 25.当該動物が野生型ヒトKVLQT1を含む非ヒト・トランスジェニック 動物。 26.さらに野生型ヒトmimKを含有する請求項25記載の動物。 27.該動物が、突然変異体ヒトKVLQT1を含む非ヒト・トランスジェニ ック動物。
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