JP5328603B2 - 良性の家族性新生児痙攣(bfnc)および他の癲癇において突然変異されたkcnq2およびkcnq3−カリウムチャンネル遺伝子 - Google Patents

良性の家族性新生児痙攣(bfnc)および他の癲癇において突然変異されたkcnq2およびkcnq3−カリウムチャンネル遺伝子 Download PDF

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Description

本発明は良性の家族性新生児痙攣(BFNC)ならびにローランド癲癇および若年性ミオクローヌス癲癇の分子的基礎に関する。
本出願はナショナル・インスティテューツ・オブ・ヘルス、ベセスダ、メリーランド州によって設立された補助金番号R01−NS32666下に政府の指示によりなされた。
関連出願の相互参照
本出願は、それに対して優先権を主張し、引用して本明細書に一体化させる1997年10月24日出願のシリアルナンバー60/063,147に関する。
世界中で約2000万ないし4000万の人々が癲癇障害にかかっている全身性特発性癲癇(IGE)が全ての癲癇障害の50%を引き起こし、通常、遺伝的ベースを有する(Plouin、1994)。遺伝されたIGEのほとんどは複雑で非単一遺伝子の病気である。IGEの1つのタイプは良性の家族性新生児痙攣(BFNC)、新生児の優性的に遺伝された障害である(Ronenら、1993;HauserおよびKurland、1975)。BFNC(OMIM 121200)は新生児の常染色体に優性的に遺伝された癲癇である。この特発性全身性癲癇は、典型的に、生まれて2日ないし4日に発作が開始する。発作の自然的寛解は2ないし15週間の間に起こる(Ronenら、1993;Plouin、1994;HauserおよびKurland、1975)。発作は典型的には緊張性体位、眼の徴候および他の自律性特徴で開始し、これはついでしばしば慢性的運動および運動自律性まで進行する。これらの新生児は通常発作間に成育し、それらの神経学的調査および後の進展は正常な脳機能を示す(Ronenら、1993;Plouin、1994;HauserおよびKurland、1975)。しかしながら、正常な神経学的進展にもかかわらず、発作は、一般的集団における癲癇の2%累積生涯危険性と比較して、ほぼ16%のBFNCの場合に人生で後で再発する(Ronenら、1993;Plouin、1994;HauserおよびKurland、1975)。
BFNCの遺伝的不均一性が観察されている(Ryanら、1991)。二つの遺伝子座、EBN1およびEBN2は染色体20q13(Leppertら、1989;Malafosseら、1992)および染色体8q24(Lewisら1993;Steinleinら、1995)に対する連鎖分析によってマッピングされている。
本発明の遺伝子ならびに関連遺伝子の命名法は時間とともに変化してきた。ヒトからの本発明の遺伝子の二つは今日ではKCNQ2およびKCNQ3と言われる。これらは元来は、おのおの、KVEBN1およびKVEBN2と命名されてきた。二つの組の名称は同等であり相互交換的に使用することができるが、認められている命名法は今日ではKCNQ2およびKCNQ3であり、これらの名称を本明細書中で用いる。また、関連する遺伝子KCNQ1は元来は文献中ではKVLQT1と呼ばれていたが、再度、認められている名称が今日ではKCNQ1であって、この名称を本明細書中で用いる。
大家系における連鎖分析は、BFNCマップの原因である本明細書中ではKCNQ2と呼ばれる遺伝子がマーカーD20S20およびD20S19に近い染色体20q13.3にマッピングされることを示した(Leppertら、1989)。最初の報告に続いて、二つのセンターはEBN1(癲癇良性新生児タイプ1)遺伝子座(Ryanら、1991;Malafosseら、1992;Steinleinら、1992)と呼ばれる染色体20上の同一の二つの遺伝子マーカーに対するBFNCの連鎖を確認した。より末端側のマーカーD20S24は、染色体20連鎖家族においてBFNC表現型を持つ完全な共分離を示す。BFNC遺伝子座について末端側フランキングマーカーを見出すことは、おそらくは、テロメアにそれが隣接するため成功してはいない。このテロメア領域は、物理的距離と比較した場合、マーカー間の高い組換え率によって特徴づけられる(Steinleinら、1992)。事実、Steinleinらは、3つのマーカーD20S19、D20S20およびD20S24が同一の450Mb MluI制限断片上に含有されることを示した(Steinleinら、1992)。KCNQ2を見出しそれを調べるために用いた本研究における家族の全ては染色体20qマーカーに対する連鎖を示し、3.0より大のLOD得点を持ち、あるいはBFNCに合致する臨床的発現を持つプロバンドを有する(Leppertら、1993)。各対象および対照は、そのホーム協会におけるインスティテューショナル・レビュー・ボード・フォー・ヒューマン・サブジェクト・リサーチによって認可されたこれらの実験において参加する同意書に署名した。BFNCの原因である遺伝子を見出すために、本発明者らは、単一の家族において顕微鏡下欠失でもってBFNC領域を狭め、この欠失において候補cDNAを同定し、ついで、他のBFNC家族における突然変異につき調査した。該遺伝子を同定し、配列決定した。いくつかの区別される突然変異がこの遺伝子で見出された。これらは大きな欠失、3つのミスセンス突然変異、3つのフレームシフト突然変異、2つのナンセンス突然変異および1つのスプライス部位突然変異を含む。これらの突然変異の1つは実施例に記載されるローランド癲癇と関連づけられる。
第2の染色体遺伝子座EBN2もBFNCにつき同定されている。Lewisら(1993)は、BFNCに罹った単一のヒスパニック家族において染色体8q24上のマーカーに対する連鎖を示した。この第2の遺伝子座についての証拠も白人種家系で報告されている(Steinleinら、1995)。EBN2の原因である本明細書中でKCNQ3と呼ばれる遺伝子は照射ハイブリッドマップ上でマーカーD8S256およびD8S284の間にて、染色体8にマップされた(Lewisら、1995)。KCNQ3は本開示の実施例に設定されているごとく同定された。同一マーカー間隔にて染色体8q24に以前関連付けられた大きなBFNC家族における突然変異につき、KCNQ3をスクリーニングした(Ryanら、1991;Lewisら、1993)。ミスセンス突然変異はBFNC表現型を持つ完全な共分離にて臨界的なポア領域で見出された。また、同一の保存されたアミノ酸がLQT患者のKCNQ1で突然変異されている(Wangら、1996)。さらに、stargazer(stg)遺伝子座(Noebelsら、1990;Lettsら、1997)を保有するマウス染色体15のセグメントは、ヒト8q24領域と相同であり、stg表現型はIGE、アプサンス癲癇の通常の形態に近い。K+チャンネルの同一ファミリーのKCNQ2、KCNQ3および他の未発見遺伝子は、他のより通常のIGEについても強力な候補である。若年性ミオクローヌス癲癇を持つ1の個体が見出されており、そのものは、後記する実施例に示すKCNQ3の代替エキソンにおいて突然変異を有する。
IGEは多くの異なるタイプの発作を含む。通常のIGEは、全身性緊張性−間代性発作(GTCS)、幼年時代のアプサンス癲癇(AEC)、若年性アプササンス癲癇)(JAE)および若年性ミオクローヌス癲癇(JME)を含む。ReutensおよびBerkovic(1995)が、異なるIGE症状の間の境界が区別されないことを示しており、これは、神経学的およびおそらくは遺伝学的関係がこれらの症状の間に存在することを示唆する。興味あることには、非パラメーター連鎖方法を用い、Zaraら、(1995)は多数のケースのIGEを持つ家族のパネルにおいて染色体8q24の癲癇遺伝子座の関与についても証拠を得た。さらに、集団実験において、Steinleinら(1997)は、最近複数形態のIGEを持つ非関連患者の群において、物理的にKCNQ2に近い染色体20q13.3上でCHRNA4遺伝子座における弱い対立遺伝子関連を記載している。最後に、癲癇突然変異マウスStargazer(stg)(Noebelsら、1990)はスパイク波癲癇の遺伝モデルである。これは劣性突然変異であり、表現型はヒトIGEの通常の形態、アプサンス癲癇に関連する。Stgはヒト8q24領域と相同な領域においてマウス染色体15にマッピングされている。罹患マウスにおける突然変異についてのKCNQ3のマウスホモログのスクーリニングは、同一の遺伝子がBFNCおよびStargazer表現型双方の原因であるという仮説であるのを評価するであろう。
本発明はKCNQ2およびKCNQ3双方およびそれらの遺伝子産物、該遺伝子における突然変異、突然変異した遺伝子、野生型および突然変異した遺伝子のためのプローブ、およびBFNCの診断および予防方法に指向される。該遺伝子のおのおのはカリウムチャンネル蛋白質をコードする。本発明は、BFNCを持ついくつかの家族がKCNQ2またはKCNQ3いずれかにおいて突然変異を有することを示す。BFNCは、試験すべき個体のKCNQ2および/またはKCNQ3遺伝子のDNA配列を解析し、各DNA配列を、正常なKCNQ2および/またはKCNQ3遺伝子の既知のDNA配列と比較することによって、本発明により診断される。あるいは、試験すべき個体のKCNQ2遺伝子および/またはKCNQ3遺伝子はBFNCを引き起こす突然変異につきスクリーニングすることもできる。BFNCの予測は、実行者が、現存の医療的治療を用いてこの障害を予防することを可能とするであろう。さらに、ローランド癲癇に関連するKCNQ2中の突然変異が見出されており、JMEに関連するKCNQ3中の突然変異が見出されている。また、これらの2つの形態の癲癇は本発明に従って診断することができる。
ヒトKCNQ2およびKCNQ3に相同なマウス遺伝子が発見されており、配列決定され、該配列が開示される。マウスKCNQ2遺伝子は部分的にしか単離され、配列決定されておらず(配列番号:88に示される)、3’末端はいまだ見出されていない。完全なマウスKCNQ3遺伝子が単離され、配列決定されている(配列番号:90に示される)。
発明の背景を明らかにし、実施に関連するさらなる詳細を提供するために用いられる刊行物および他の資料は引用して本明細書に一体化させ、おのおの、便宜のために添付した引用のリストにグループ分けされる。
本発明は良性の家族性新生児痙攣(BFNC)ならびにローランド癲癇および若年性ミオクローヌス癲癇の分子的基礎に関する。
本発明は良性の家族性新生児痙攣(BFNC)ならびにローランド癲癇および若年性ミオクローヌス癲癇の分子的基礎を示す。さらに詳しくは、本発明は、KCNQ2遺伝子またはKCNQ3遺伝子いずれかの分子変異体がこれらの3つの形態の癲癇の病気発生に関与することを決定した。遺伝子型分析は、KCNQ2が10の無関係家族においてBFNCに連鎖し、KCNQ3が1つの他の家族においてBFNCに連鎖することを示す。さらに、1の家族の2の個体におけるKCNQ2遺伝子中の1つの突然変異がローランド癲癇と関連付けられ、KCNQ3中に突然変異を持つ1の個体は若年性ミオクローヌス癲癇を持つと診断された。KCNQ2およびKCNQ3遺伝子の分析はBFNC、ローランド癲癇またはJMEを持つ対象の早期診断を提供するであろう。該診断方法は、試験すべき個体のKCNQ2および/またはKCNQ3遺伝子のDNA配列を分析し、ついでそれを天然非変異体遺伝子のDNA配列と比較することを含む。第二の具体例において、試験すべき個体のKCNQ2および/またはKCNQ3遺伝子は、BFNC、ローランド癲癇またはJMEを引き起こす突然変異につきスクリーニングされる。これらの癲癇を予測する能力は、K+イオンチャンネルを直接的または間接的に変調する薬物のごとき医療的治療で病気を妨げることを可能とするであろう。
本発明は、カリウムチャンネルの種々の遺伝欠陥がBFNC、ローランド癲癇の原因であることを示す。この知見はヒトにおけるチャンネル障害の増大するリストに付け加えられる(Ptacek、1997)。興味あることに、この結果、K+イオンチャンネルを直接的または間接的に変調する薬物が発作障害の治療で助けになるであろうことを示唆する。
本特許出願は少なくとも1つの色付き図面を含む。色付き図面を持つこの特許のコピーは請求および必要な手数料の支払いにより特許商標局によって提供されるであろう。
罹患個体におけるnull対立遺伝子を示す、TaqIで切断し、VNTRマーカーD20S24でプローブした(I、II、IIIおよびIVとしてリストされた4世代を示す)家系1547ゲノムDNAのサザンブロット。線Aは箱中に示された遺伝子型誤遺伝を示し;線Bは修正された遺伝子型を示す。「N」は非浸透個体を示す。 D20S24の欠失を示す、P1−KO9−7(図2C)およびP1−KO9−6b(図2B)ゲノムP1クローンおよび12kb D20S24 RFLPマーカー(図2A)でプローブした家系1547の罹患個体からの細胞系の中期スプレッド。 ヒトメンバー(KCNQ2、KCNQ3およびKCNQ1)とKQT−様ファミリーのC.elegans相同体(nKQT1)との間のアミノ酸整列。6つの膜貫通ドメインおよびコアは対応する配列の上方に位置した実線によって示される。膜貫通ドメイン中の保存された荷電アミノ酸は灰色で強調される。KCNQ2の配列は配列番号:2であり、KCNQ3の配列は配列番号:7であり、nKQT1の配列は配列番号:3であって、KCNQ1の配列は配列番号:4である。 図4は、染色体20に連鎖したBFNCを持つ三世代家系を示す。BFNC個体は、黒色の丸および四角で塗り潰したものによって示される。データは、家系1504からのものであり、これは、KCNQポアにおける変異体を示す。図面の下方部分は、罹患個体においてのみ存在する変異体形態の共分離を示す。配列解析は、罹患個体における2つの塩基対挿入の存在を明らかとし、上方の2つの(変異体)バンドを示す KCNQ3遺伝子座の照射ハイブリッドマッピング。対内LOD得点は中央線の上方に示し、cR5000でのマーカー対の間の距離は、下方に示す。また、隣接する遺伝子座についての逆位に対する可能性は、各マーカー対について与える。 染色体8に連鎖したBFNCを持つ三世代家系を示す。BFNC個体は、黒色の丸および四角を塗り潰すことによって示される。非浸透個体III−8は、記号NPによって示される。図面の下方部分は、罹患した、非浸透個体にのみ存在する187bp SSCP変異体の共分離を示す(矢印)。 KCNQ2につき、イントロン−エキソン配列を示す。エキソン配列は太線で示し、プライマー配列はイタリック体で示す。プライマー配列は、表4で見出される。該配列は配列番号:100−114である。 KCNQ3につき、イントロン/エキソン配列を示す。エキソン配列は上方に示され、イントロンは下方に示され、プライマー配列は下線が施される。プライマー配列は、表6に見出される。該配列は、配列番号:115−129である。図8Iは、JME患者に見出される別の方法でスプライシングされたエキソンを示す。図8Nは、3’イントロン領域における「N」を示す。この「N」は、この領域で見出されるAlu反復を表す。
配列表の簡単な記載
配列番号:1は、KCNQ2についてのcDNA配列である。
配列番号:2は、KCNQ2についてのアミノ酸配列である。
配列番号:3は、nKQT1についてのアミノ酸配列である。
配列番号:4は、KCNQIについてのアミノ酸配列である。
配列番号:5は、KCNQ2のアミノ酸544をコードする2つのエキソンを中断するイントロンの3’末端のイントロン/エキソン接合におけるヌクレオチド配列である。
配列番号:6は、KCNQ3についてのcDNA配列である。
配列番号:7は、KCNQ3についてのアミノ酸配列である。
配列番号:8−9は、体細胞ハイブリッドパネル遺伝子型タイプ分けで用いられるプライマーである(実施例7)。
配列番号:10−11は、染色体8照射ハイブリッドパネルを遺伝子型に分けるプライマーである(実施例8)。
配列番号:12−17は、全長cDNAを得るためにRACEを実行するのに使用されるプライマーである(実施例9)。
配列番号:18−19は、KCNQ3についてのSSCP変異体を同定したPCR断片を調製するのに使用されるプライマーである。
配列番号:20−21は、2つの核酸の間の%相同性の計算を示すための仮説的核酸配列である。
配列番号:22−53は、KCNQ2の一部を増幅するためのプライマーである。
配列番号:54−87は、KCNQ3の一部を増幅するためのプライマーである。
配列番号:88は、部分的マウスKCNQ2である。
配列番号:89は、配列番号:88によってコードされる部分的マウスKCNQ2である。
配列番号:90は、マウスKCNQ3である。
配列番号:91は、配列番号:90によってコードされるマウスKCNQ3である。
配列番号:92は、KCNQ3で見出される別のエキソンである。
配列番号:93−94は、ヒトKCNQ3の5’末端を増幅するためのマウス配列をベースとするためのプライマ−である。
配列番号:95は、ヌクレオチド2736後にGGGCC挿入を持つ突然変異したヒトKCNQ2である。
配列番号:96は、配列番号:95によってコードされる突然変異したヒトKCNQ2である。
配列番号:97−99は、KCNQ2の一部を増幅するためのプライマーである。
配列番号:100−114は、KCNQ2についてのイントロン/エキソン配列である(図7A−O)。
配列番号:115−129は、KCNQ3についてのイントロン/エキソン配列である(図8A−O)。
本発明は、BFNCがKCNQ2遺伝子およびKCNQ3遺伝子にマップされる、これらの遺伝子の分子変異体がBFNC、ローランド癲癇またはJMEの病気発生を引き起こし、またはそれに関与するという判断に指向される。より詳細には、本発明は、KCNQ2遺伝子およびKCNQ3遺伝子における突然変異、ならびにBFNC、ローランド癲癇およびJMEの診断におけるそれらの使用に関する。さらに、本発明は、BFNC、ローランド癲癇/またはJMEを引き起こすKCNQ2および/またはKCNQ3遺伝子変異体の存在につきヒトをスクリーニングする方法に指向される。これらの形態の癲癇は今日では早期に(即ち、徴候が出現する前にかつ明確に)検出できるので、BFNC、ローランド癲癇またはJMEを有するとして同定される個体で良好な治療するオプションが利用できるであろう。また、本発明は、BFNC、ローランド癲癇またはJMEを治療または予防するのに有用な薬物につきスクリーニングする方法に指向される。
本発明は、突然変異を同定するためのKCNQ2および/またはKCNQ3遺伝子をスクリーニングする方法を提供する。かかる方法は、さらに、KCNQ2またはKCNQ3遺伝子の一部を増幅する工程を含むことができ、さらに、KCNQ2またはKCNQ3遺伝子の該部分の増幅用プライマーであるポリヌクレオチド組を供する工程を含むことができる。該方法は、BFNC、ローランド癲癇、JMEの診断または予後いずれかで使用される突然変異を同定するのに有用である。
良性の家系性新生児痙攣は、新生児の癲癇を引き起こす常染色体の優性遺伝する障害である。この特発性全身性癲癇は、典型的には、生まれて2日ないしは4日に発作が開始する。該発作の自然的緩解は、2週間ないし15週間の間に起こる(Ronenら、1993;Plouin、1994;HauserおよびKurland、1975)。発作は典型的には緊張性体位、眼の徴候および他の自律的特徴で開始する。これは、次いで、しばしば間代性運動および運動自律性まで進行する。これらの新生児は発作の間に成育し、それらの神経学的調査および後の進展は正常な脳機能を示す(Ronenら、1993;Plouin、1994;HauserおよびKurland、1975)。しかし、正常な神経学的進展にもかかわらず、一般的な集団における癲癇の2%累積的生涯危険性と比較して、ほぼ16%のBFNCケースで後で再発する(Ronenら、1993;Plouin、1994;HauserおよびKurland、1975)。
大家系における連鎖分析は、BFNCの原因である遺伝子がマーカーD20S20およびD20S19近くの染色体20q13.3にマップされることを示した(Leppertら、1989)。最初の報告後に、2つのセンターは、EBN1(癲癇良性新生児タイプ1)遺伝子座と呼ばれる染色体20上の同一の2つの遺伝子マーカーに対するBFNCの連鎖を確認した(Ryanら、1991;Malafosseら、1992)。より末端側のマーカーD20S24は、染色体20連鎖家族において、BFNC表現型を持つ完全な共分離を示す。BFNC遺伝子座についての末端側プランキングマーカーを見出すことは、おそらくは、それがテロメアに近接しているために成功していない。このテロメア領域は、物理的距離と比較した場合、マーカー間の高い組換え率によって特徴付けられる(Steinleinら、1992)。事実、Steinleinらは、3つのマーカーD20S19、D20S20およびD20S24が同一の450Mb MluI制限断片に含有されることを示した(Steinleinら、1992)。KCNQ2についての本研究での家族の全ては、3.0より大のLOD得点でもって染色体29qマーカーに対する連鎖を示すか、あるいは、BFNCと合致する臨床的発現を持つプロバンドを有する(Leppertら、1993)。BFNCの原因であるこの遺伝子を見出すために、本発明者らは、単一家族において顕微鏡下欠失を持つBFNC領域を狭め、この欠失における候補cDNAを同定し、次いで、他のBFNC家族における突然変異を調べた。
また、第2の染色体遺伝子座EBN2もBFNCにつき同定されている。Lewisら(1993)は、BFNCに罹った単一のヒスパニック家族において、染色体8q24上のマーカーに対する連鎖を示した。また、この第2の遺伝子座についての証拠は、白人家系で報告されている(Steinleinら、1995)。EBN2についての遺伝子、KCNQ3が今回発見され、本開示で詳細に記載されるごとく、特徴付けられた。
最後に、本発明は、BFNC、ローランド癲癇、JMEを治療または予防するのに有用な薬物を同定するための薬物候補をスクリーニングする方法に指向される。薬物スクリーニングは、卵母細胞、哺乳動物細胞、またはトランスジェニック動物のごとき細胞において突然変異体KCNQ2または突然変異体KCNQ3を発現させ、次いで、KCNQ2またはKCNQ3カリウムチャンネルに対する薬物候補の効果を検定することによって行われる。該効果は、野生型KCNQ2またはKCNQ3遺伝子を用いて得られたKCNQ2またはKCNQ3カリウムチャンネル活性と比較される。
KCNQ2およびKCNQ3遺伝子が、BFNC、ローランド癲癇およびJMEを引き起こすことに関与する証拠は、異常KCNQ2もしくは異常KCNQ3遺伝子産物をまたは該遺伝子産物の異常レベルを生じさせる罹患家系メンバーから抽出されたDNAにおいて配列を見出すことによって得られる。かかる罹患性対立遺伝子は大きな家系において該病気と共に共分離する。それらは、一般的集団における個体におけるよりも、癲癇を持つ非家系個体でかなり高い頻度で存在するであろう。カギとなるのは、遺伝子産物の正常な機能に対する明白な破壊を引き起こすのに十分な程にひどい突然変異を見出すことである。これらの突然変異は、多数の形態を取りうる。ほとんどのひどい形態は、異常蛋白質を遺伝子がコードするようにするフレームシフト突然変異、あるいは、蛋白質発現をかなり変化させるものである。破壊度が低い破壊的突然変異は、システイン残基からまたはそれへの、塩基性アミノ酸から酸性アミノ酸への変化あるいはその逆、疎水性アミノ酸から親水性アミノ酸への変化あるいはその逆のごとき、生産された蛋白質に対する優意な効果を有する小さなインフレーム欠失および非保存的塩基対置換、あるいは二次的または三次的蛋白質構造に影響するであろう他の突然本位を含むであろう。サイレント突然変異または保存的アミノ酸置換をもたらす突然変異は、一般的には蛋白質機能を破壊すると予測される。
本発明の診断および予後方法によると、野生型KCNQ2またはKCNQ3遺伝子の改変が検出される。加えて、該方法は、野生型KCNQ2またはKCNQ3遺伝子を検出し、この遺伝子座の結果としての癲癇の原因の欠如を確認することによって行うことができる。「野生型遺伝子の改変」は、コーディングおよび非コーディング領域中の欠失、挿入および点突然変異を含めた全ての形態の突然変異を含む。欠失は全遺伝子のもの、あるいは遺伝子の部分のみのものであってよい。点突然変異の結果、停止コドン、フレームシフト突然変異またはアミノ酸置換が生じる。体細胞突然変異は、ある種の組織においてのみ起こり、生殖系では遺伝されないものである。生殖系突然変異は、身体の組織のいずれかにおいて見出すことができ、遺伝される。点突然変異事象は、遺伝子のプロモーターにおけるごとく調節領域で起こる可能性があり、mRNAの発現の喪失または減少に至る。また、点突然変異は、適当なRNAプロセッシングを排除し、KCNQ2またはKCNQ3遺伝子産物の発現の喪失またはmRNAの安定性または翻訳効率の減少に至る。
有用な診断技術は、限定されるものではないが、さらに後記で詳細に記載するごとき蛍光イン・サイチュハイブリダゼーション(FISH)、直接的DNA配列決定、PFGE分析、サザンブロット分析、一本鎖立体配座分析(SSCA)、RNase保護アッセイ、対立遺伝子−特異的オリゴヌクレオチド(ASO)、ドットブロット分析、金ナノ粒子およびPCR−SSCPで修飾された核酸を用いるハイブリダイゼーションを含む。また、DNAマイクロチップ技術の最近開発された技術は有用である。
BFNC、ローランド癲癇またはJMEの存在は、KCNQ2またはKCNQ3遺伝子の突然変異につきヒトのいずれかの組織をテストすることによって確認することができる。たとえば、生殖系KCNQ2突然変異を遺伝した個体はBFNCを発病する傾向にあるであろう。これは、個体の身体のいずれかの組織からのDNAをテストすることによって測定することができる。最も単純には、血液を採取し、血液の細胞からDNAを抽出することができる。加えて、出産前診断は、KCNQ2またはKCNQ3遺伝子の突然変異につき胎児細胞、胎盤細胞または羊膜細胞をテストすることによって達成することができる。野生型KCNQ2またはKCNQ3対立遺伝子の改変は、たとえば、点突然変異または欠失によるか否かにかかわらず、本明細書中に記載する手段のいずれかによって検出することができる。
DNA配列変異を検出するのに用いることができるいくつかの方法がある。直接的DNA配列決定、手動配列決定または自動蛍光配列決定は配列の変異を検出することができる。もう1つのアプローチは、1本鎖立体配座多形アッセイ(SSCP)(Oritaら、1989)である。特にもし、DNA断片のサイズが200bpより大であるが、ほとんどのDNA配列変異を検出するように最適化できるならば、この方法は、全ての配列変化を検出しない。低下した検出感度は、不利であるが、SSCPで可能な増大したスループットはそれを、リサーチベースの突然変異検出用の配列決定に指向するための魅力的で活動的な代替法とする。SSCPゲル上でシフトされた移動度を有する断片を配列決定して、DNA配列変異の正確な性質を決定する。2つの相補的なDNA鎖の間のミスマッチの検出に基づく他のアプローチは、クランプト変性ゲル電気泳動(CDGE)(Sheffieldら、1991)、ヘテロデュプレックス分析(HA)(Whiteら、1992)、および化学ミスマッチ切断(CMC)(Grompeら、1989)を含む。前記した方法のいずれも大きな欠失、複製、または挿入を検出せず、またそれらは、蛋白質の転写または翻訳に影響する調節突然変異を検出しないであろう。蛋白質切形アッセイまたは不斉アッセイのごとき突然変異のこれらのクラスを検出するであろう他の方法は、特異的タイプの突然変異のみを検出し、ミスセンス突然変異を検出しないであろう。DNA配列変異を検出する現在利用可能な方法のレビューは、Grompe(1993)による最近のレビューで見出すことができる。一旦突然変異が知られると、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド(ASO)ハイブリダイゼーションのごとき対立遺伝子特異的検出アプローチを用いて、その同一突然変異につき非常に多数の他の試料を迅速にスクリーニングすることができる。かかる技術は金ナノ粒子で標識されたプローブを利用して目に見える色彩結果を生じさせることができる(Elghanianら、1997)。
DNA配列において多形を検出するための迅速な予備的分析は、1以上の制限酵素、好ましくは非常に多数の制限酵素で切断されたDNAの一連のサザンブロットを調べることによって行うことができる。各ブロットは、一連の正常な個体および一連のBFNC、ローランド癲癇またはJMEケースを含有する。KCNQ2遺伝子座近くのまたはそれを含む配列でプローブした場合に、対照DNAとは長さが異なるハイブリダイズする断片を呈するサザンブロットは、可能な突然変異を示す。非常に大きな制限断片を生ずる制限酵素を用いれば、パルスド・フイールドゲル電気泳動(PFGE)を使用する。
点突然変異の検出は当該分野でよく知られた技術を用いて、KCNQ2またはKCNQ3対立遺伝子の分子クローニングおよび該対立遺伝子の配列決定によって達成することができる。また、遺伝子または遺伝子の部分を、たとえば、PCRまたは他の増幅技術によって増幅することができ、増幅された遺伝子または遺伝子の増幅された部分を配列決定することができる。
罹患性対立遺伝子の存在を確認するためのより複雑であるが、依然として間接的なテスト用の6つのよく知られた方法がある;
1)一本鎖立体配座分析(SSCP)(Oritaら、1989);2)変性グラジエントゲル電気泳動(DGGE)(Wartellら、1990;Sheffieldら、1989);3)RNase保護アッセイ(Finkelsteinら、1990;Kinszlerら、1991);4)対立遺伝子−特異的オリゴヌクレオチド(ASO)(Connerら、1983);5)E.coli mutS蛋白質のごとき、ヌクレオチドミスマッチを認識する蛋白質の使用(Modrich、1991);および6)対立遺伝子−特異的PCR(RuanoおよびKidd、1989)。対立遺伝子−特異的PCRでは、それらの3’末端において特定のKCNQ2またはKCNQ3突然変異にハイブリダイズするプライマーを用いる。特定の突然変異が存在しなければ、増幅産物は観察されない。欧州特許出願公開番号第0332435号およびNewtonら、1989に開示されているごとくAmplification Refractary Mutation System (ARMS)を用いることができる。クローニング、配列決定および増幅によって遺伝子の挿入および欠失を検出することもできる。加えて、遺伝子または周囲のマーカー遺伝子用の制限断片長多形(RFLP)プローブを用いて、対立遺伝子の改変または多形断片における挿入のスコア取りをすることができる。かかる方法は、特に、その個体で見出される突然変異の存在につき、罹患個体の親族をスクリーニングするのに有用である。当該分野で公知の挿入および欠失を検出するためには他の技術を用いることができる。
最初の3つの方法(SSCP、DGGEおよびRNase保護アッセイ)において、新しい電気泳動バンドが出現する。配列の変化は、一本鎖の、分子内塩基対合において差を引き起こすので、SSCPは異なって移動するバンドを検出する。RNase保護は、突然変異体ポリヌクレオチドの2以上のより小さな断片への切断を含む。DGGEは、変性グラジエントゲルを用いて野生型配列と比較した突然変異体配列の移動速度の差を検出する。対立遺伝子−特異的オリゴヌクレオチドアッセイにおいて、特異的配列を検出するオリゴヌクレオチドを設計し、該アッセイはハイブリダイゼーションシグナルの存在または不存在を検出することによって行われる。mutSアッセイにおいて、蛋白質は、突然変異体および野生型配列の間のヘテロデュプレックスにおいてヌクレオチドミスマッチを含有する配列にのみ結合する。
本発明によるとミスマッチは、2つの鎖が100%相補性ではない、ハイブリダイズした核酸デュプレックスである。総じての相同性の欠如は欠失、挿入、逆位または置換によるものである。ミスマッチ検出を用いて遺伝子またはそのmRNA産物における点突然変異を検出することができる。これらの技術は配列決定よりも感度が低いが、非常に多数の試料に対して実行するのにより単純である。ミスマッチ切断技術の例はRNase保護方法である。本発明の実施において、該方法は、ヒト野生型KCNQ2またはKCNQ3遺伝子コーディング配列に対して相補的な標識リボプローブの使用を含む。リボプローブおよび個人から単離されたmRNAまたはDNAいずれかを一緒にアニールし(ハイブリダイズさせ)、引き続いて、デュプレックスRNA構造中のいくつかのミスマッチを検出することができる酵素RNase Aで消化する。もしミスマッチがRNase Aによって検出されれば、それはミスマッチの部位で切断する。かくして、アニールされたRNA調製物を電気泳動ゲルマトリックスで分離した場合、もしミスマッチがRNase Aによって検出され、切断されたならば、リボプローブおよびmRNAまたはDNAについての全長RNAデュプレックスよりも小さなRNA産物が観察されるであろう。リボプローブはmRNAまたは遺伝子の全長である必要はないが、いずれかのセグメントでありえる。もし、リボプローブがmRNAまたは遺伝子セグメントのみを含むならば、ミスマッチにつき全mRNA配列をスクリーニングするために多数のこれらのプローブを用いるのが望ましいであろう。
同様にDNAプローブを用いて、酵素的または化学的切断を介してミスマッチを検出することができる。たとえば、Cottonら、1988;Shenkら、1975;Novackら、1986参照。別法として、マッチしたデュプレックスに対するミスマッチしたデュプレックスの電気泳動移動度の検出によってミスマッチを検出することができる。たとえば、Cariello、1988参照。リボプローブまたはDNAプローブいずれかでは、突然変異を含有する細胞mRNAまたはDNAは、ハイブリダイゼーション前にPCR(後記参照)を用いて増幅することができる。また、当該変化が特に欠失および挿入のごとき目に見える再配置であるならば、KCNQ2またはKCNQ3遺伝子のDNAの変化はサザンハイブリダイゼーションを用いて検出することもできる。
PCRの使用によって増幅されているKCNQ2またはKCNQ3遺伝子のDNA配列は、対立遺伝子−特異的プローブを用いてスクリーニングすることもできる。これらのプローブは核酸オリゴマーであり、その各々は、既知の突然変異を保有する遺伝子配列の領域を含む。例えば、1のオリゴマーは長さが約30ヌクレオチドであってよく、これは遺伝子配列の一部に対応する。かかる対立遺伝子−特異的プローブのバッテリーの使用によって、PCR増幅産物をスクリーニングして、当該遺伝子において従前に同定された突然変異を同定することができる。対立遺伝子−特異的プローブと増幅されたKCNQ2またはKCNQ3配列とのハイブリダイゼーションは、例えば、ナイロンフィルター上で行うことができる。高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件下での特定のプローブへのハイブリダイゼーションは、対立遺伝子−特異的プローブにおけるごとく、組織中の同一突然変異の存在を示す。高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件は、100%相補性ではない即ち、ミスマッチがあれば結合は起こらない核酸への当該最初の核酸の結合を同時に防止しつつ、最初の核酸(プローブ)の8塩基対ストレッチが核酸の100%完全に相補的な8塩基対ストレッチに結合することを可能とする条件と定義される。
マイクロチップ技術を介する核酸分析の最近開発された技術も本発明に適用することができる。この技術においては、文字通り数千の区別されるオリゴヌクレオチドプローブがシリコンチップ上のアレイ中に形成される。分析すべき核酸を蛍光標識し、チップ上のプローブにハイブリダイズさせる。また、これらの核酸マイクロチップを用い、核酸−蛋白質相互作用を調べることもできる。この技術を用い、突然変異の存在を測定し、または分析すべき核酸の配列決定さえでき、あるいは注目する遺伝子の発現レベルを測定することができる。該方法は、一度に数千も多いプローブの平行したプロセッシングのうちの1つであり、分析の速度を驚異的に増加させることができる。この技術を用いるいくつかの論文が公表されている。これらのうちのいくつかは、Haciaら、1996;Shoemakerら、1996;Cheeら、1996;Lockhartら、1996;DeRisiら、1996;Lipshutzら、1995である。この方法は、乳癌遺伝子BRCA1中の突然変異につき人々をスクリーニングするのにすでに用いられている(Haciaら、1996)。この新しい技術はChemical and Engineering News(Borman、1996)中のニュース論文でレビューされており、編集の主題であった(Nature Genetics、1996)。また、Fodor(1997)参照。
候補遺伝子座における突然変異についての最もはっきりしたテストは、患者からのゲノムKCNQ2またはKCNQ3配列を対照集団からのそれと直接的に比較することである。別法として、例えばPCRによる増幅の後にメッセンジャーRNAを配列決定し、それにより、候補遺伝子のエキソン構造の決定の必要性をなくすることができる。
KCNQ2またはKCNQ3のコーディング領域の外側にある患者からの突然変異は、当該遺伝子の近くまたはそれ内のイントロンおよび調節配列のごとき非コーディング領域を調べることによって検出することができる。非コーディング領域の突然変異が重要である初期の指摘は、対照個体と比較した、患者における異常なサイズまたは豊富性のメッセンジャーRNA分子を明らかにするノザンブロット実験に由来することができる。
KCNQ2またはKCNQ3 mRNA発現の改変は、当該分野で公知のいくつかの技術によって検出することができる。これらは、ノザンブロット分析、PCR増幅およびRNase保護を含む。mRNA発現の減少は野生型遺伝子の改変を示す。野生型遺伝子の改変は野生型KCNQ2またはKCNQ3蛋白質の改変につきスクリーニングすることによって検出することもできる。例えば、KCNQ2またはKCNQ3と免疫反応性のモノクローナル抗体を用いて組織をスクリーニングすることができる。同族抗原の欠如は突然変異を示す。また、突然変異体対立遺伝子の産物につき特異的な抗体を用いて突然変異体遺伝子産物を検出することもできる。かかる免疫学的アッセイは当該分野で公知のいずれの便宜な様式によって行うこともできる。これらは、ウエスタンブロット、免疫組織化学アッセイおよびELISAアッセイを含む。改変されたKCNQ2またはKCNQ3蛋白質を検出するいずれかの手段を用いて野生型KCNQ2またはKCNQ3遺伝子の改変を検出することができる。蛋白質結合測定のごとき機能的アッセイを用いることができる。加えて、KCNQ2またはKCNQ3生化学機能を検出するアッセイを用いることができる。突然変異体KCNQ2またはKCNQ3遺伝子産物の発見は、野生型KCNQ2またはKCNQ3遺伝子の改変を示す。
また、突然変異体KCNQ2またはKCNQ3遺伝子または遺伝子産物は、血清、便、尿および唾液、痰のごとき他のヒト身体試料で検出することもできる。組織中の突然変異体遺伝子または遺伝子産物の検出につき前記した同一の技術を他の身体試料に適用することができる。かかる身体試料をスクリーニングするこによって、単純な初期診断をBFNC、ローランド癲癇、JMEにつき達成することができる。
本発明のプライマー対はPCRを用いる特定のKCNQ2またはKCNQ3対立遺伝子のヌクレオチド配列の決定で有用である。KCNQ2またはKCNQ3についての一本鎖DNAプライマーの対を、染色体20上のKCNQ2遺伝子または染色体8上のKCNQ3遺伝子内またはその周りの配列にアニールして遺伝子それ自体の増幅するDNA合成の起点とすることができる。これらのプライマーの完全な組は配列をコードする遺伝子、すなわち、エキソンのヌクレオチドの全ての合成を可能とする。プライマーの組は、好ましくは、イントロンおよびエキソン配列双方の合成を可能とする。対立遺伝子−特異的プライマーを用いることもできる。かかるプライマーは特定のKCNQ2またはKCNQ3突然変異体対立遺伝子のみにアニールし、かくして、鋳型としての突然変異体対立遺伝子の存在下で産物を増幅するのみである。
増幅された配列の引き続いてのクローニングを容易とするために、プライマーはその5’末端に付着させた制限酵素部位を有することができる。かくして、プライマーの全てのヌクレオチドは、制限酵素部位を形成するのに必要な数個のヌクレオチドを除き、KCNQ2またはKCNQ3配列あるいはKCNQ2またはKCNQ3に隣接する配列に由来する。かかる酵素および部位は当該分野でよく知られている。プライマーそれ自体は当該分野でよく知られている技術を用いて合成することができる。一般的に、プライマーは、商業的に入手可能なオリゴヌクレオチド合成機を用いて作成することができる。KCNQ2およびKCNQ3の配列が与えられれば、特定のプライマーの設計は当業者の技量の範囲内のものである。
本発明によって提供される核酸プローブは多数の目的で有用である。それらは、ゲノムDNAへのサザンハイブリダイゼーションおよびすでに述べた点突然変異を検出するRNase保護方法で用いることができる。該プローブはPCR増幅産物を検出するのに用いることができる。また、それらを用いて、他の技術を用い、KCNQ2またはKCNQ3遺伝子またはmRNAでのミスマッチを検出することもできる。
野生型KCNQ2およびKCNQ3遺伝子を持つほとんどの個体はBFNCを有しないことが判明した。しかしながら、KCNQ2またはKCNQ3遺伝子産物の機能に干渉する突然変異はBFNCの病因に関与する。かくして、機能の喪失、または改変された機能を有する蛋白質を生産する改変された(または突然変異体)KCNQ2またはKCNQ3遺伝子の存在は、発作の危険性を増大するBFNCを直接的に引き起こす。KCNQ2またはKCNQ3遺伝子突然変異を検出するには、生物学的試料を調製し、分析すべき対立遺伝子の配列および野生型対立遺伝子の配列の間の差異につき分析する。突然変異体KCNQ2またはKCMQ3対立遺伝子は、前記した技術のうちいずれかによってまず同定することができる。ついで、突然変異体対立遺伝子を配列決定して、特定の突然変異体対立遺伝子の特異的突然変異を同定する。別法として、突然変異体対立遺伝子は、通常の技術を用い、突然変異体(改変された)蛋白質を同定することによって最初に同定することができる。ついで、突然変異体対立遺伝子を配列決定して各対立遺伝子につき特異的突然変異を同定する。突然変異、特に蛋白質の改変された機能をもたらすものは、従って、本発明の診断および予後方法で用いられる。
これは、K+チャンネルが関与する最初のヒト特発性全身性癲癇である。BFNCは、Unverricht−Lundborgタイプの進行性ミオクローヌス癲癇のごとき他の症状を伴う変性的特徴のない真実の特発性癲癇であると考えられる。従って、ニューロン励起を直接的に調節する遺伝子における改変がこの癲癇障害を引き起こすのは驚くべきことではない。電圧依存性カリウムチャンネルは、Na+およびCa++電圧依存性イオンチャンネルによって脱分極されたニューロン膜を再分極させる。K+チャンネルは、グルタメートおよびアセチルコリンを含めた、励起性神経伝達物質イオンチャンネルの活性化に続いてニューロン膜を再分極させると考えられる。機能が低下した突然変異体KCNQ2またはKCNQ3チャンネルの存在において、活性化された励起性リガンドおよび電圧依存性チャンネルは長い間開いたままであろう(KeatingおよびSanguinetti、1996;Meldrum、1995;McNamara、1994)。励起性系のかかる未チェックの活性は、癲癇表現型に至り得る。突然変異体KCNQ2およびKCNQ3チャンネルの電気生理学的分析は、いかにして本研究において同定された突然変異が癲癇表現型を生じるかについて見解をもたらすであろう。KCNQ2およびKCNQ3は遅延した整流KCNQ1チャンネルと同様の生物物理学特性を有するであろう。KCNQ1アルファサブユニットはminKベータサブユニットと共に組み立てられて、心臓中のヘテロマルチマーIKsチャンネルを形成する(Sanguinettiら、1996)。KCNQ2およびKCNQ3サブユニットは脳においてminK−様βサブユニットとともに組み立てることが可能である。また、この相互作用は、KCNQ1の場合のように、得られたヘテロマルチマーチャンネルのゲーティング特性を変えるであろう。
+チャンネルにおける突然変異はただひとつの他の場合、weaverマウス(GIRK2遺伝子中の単一のミスセンス突然変異が自然発生発作を生じる)において癲癇と関連付けられている(Patilら、1995;Signoriniら、1997)。K+チャンネルにおける突然変異は染色体中11上の長QT症候群および染色体12上の運動失調/ミオキミアのごとき他のヒト障害に関連付けられてきた(Wangら、1996;Neyroudら、1997;Russellら、1996;ChandyおよびGutman、1995;Browneら、1994)。長QTはそのうち2つがK+チャンネル遺伝子HERGおよびKCNQ1である4つの遺伝子座と関連付けられている。KCNQ1において、突然変異ホットスポットはポアおよびS6ドメインにおいて同定されており、ここに、これらの領域におけるミスセンス突然変異はLQT中の突然変異を引き起こす病気の大部分を説明する(Russellら、1996;Wangら、1996)。
KCNQ2およびKCNQ3遺伝子の発見の最初の公表以来、いくつかのより多い刊行物がある。Iannottiら(1998)はKCNQ2の2つのスプライス変異体があることを見出した。これらはそのC−末端が異なる長いおよび短い形態である。該長い形態はもっぱらヒト脳(成人および胎児)で発現され、そこではそれは膠細胞よりもむしろニューロンに制限される。該短い形態は成人の脳では、弱く発現されるが、胎児の脳および精巣では支配的であるIannottiら(1998)。Gribkoffら(1998)は、アフリカツメガエル卵母細胞中においてKCNQ2のマウス相同体をクローン化し、発現させ、二電極電圧クランプ実験を行った。Dworetzkyら(1998)は、KCNQ2のマウス相同体をクローン化し、該遺伝子の3’領域において別のスプライス変異体を認めている。彼らは、ノザンブロットを行い、マウス遺伝子を発現するアフリカツメガエル卵母細胞中で分極を測定した。Yangら(1998)は、ヒトKCNQ2およびKCNQ3をクローン化し発現させた。彼らは、電圧依存性の迅速に活性化するK+−選択的電流を誘導するにおいて該コードされた蛋白質はKCNQ1のように作用するが、KCNQ1とは対照的に、KCNQ2およびKCNQ3蛋白質誘導電流は、KCNQ1の共発現によって増加されないことに気がついている。しかしながら、KCNQ2およびKCNQ3の共発現の結果、電流振幅が実質的に相乗的に増加する(Yangら、1998)。最後に、Biervertら(1998)は、ヒトKCNQ2をクローン化し、それをアフリカツメガエル卵母細胞中で発現させた。
定義
本発明は以下の定義を使用する。
「ポリヌクレオチドの増幅」はポリメラーゼ鎖反応(PCR)、リガーゼ増幅(またはリガーゼ鎖反応、LCR)およびQ−ベータレプリカ−ゼの使用に基づく増幅方法のごとき方法を使用する。また、ストランド置換増幅(SDA)、好熱性SDAおよび核酸配列ベースの増幅(3SRまたはNASBA)が有用である。これらの方法はよく知られており、当該分野で広く実施されている。たとえば、米国特許第4683195号および第4683202号およびInnisら、1990(PCRについて);WuおよびWallace、1989(LCRについて);米国特許第5270184号および第5455166号およびWalkerら、1992(SDAについて);Spargoら、1996(好熱性SDAについて)および米国特許第5409818号、Fahyら1991およびCompton、1991(3SRおよびNASBAについて)参照。PCRを実施するための試薬およびハードウェアは商業的に入手可能である。KCNQ2またはKCNQ3領域からの配列を増幅するのに有用なプライマーは、好ましくは、KCNQ2またはKCNQ3領域あるいはその中の標的領域に近接してそれをはさむ領域中の配列に相補的であり、それに特異的にハイブリダイズする。増幅によって生成したKCNQ2またはKCNQ3配列は直接的に配列決定することができる。別法としてしかしながらあまり望ましくはないが、増幅された配列は配列分析に先立ってクローン化することができる。酵素的に増幅されたゲノムセグメントの直接的クローニングおよび配列分析のための方法は、Scharfら、1986によって記載されている。
「分析物ポリヌクレオチド」および「分析物ストランド」とは、標的配列を含有することが疑われる、および生物学的試料を含めた種々のタイプの試料に存在する可能性がある、一本鎖または二本鎖ポリヌクレオチドを言う。
「抗体」 また、本発明は、KCNQ2またはKCNQ3ポリペプチドおよびその断片に、またはKCNQ2またはKCNQ3領域からのポリヌクレオチド配列に特異的に結合することができる、ポリクローナルおよび/またはモノクローナル抗体およびその断片、ならびにその免疫学的結合同等体を提供する。「抗体」なる用語は均一な分子集団、または複数の異なる分子集団からなる血清産物のごとき混合物に言及するのに使用される。ポリペプチドはペプチド合成機で合成により調製し、担体分子(例えば、キーホールリンペットヘモシアニン)にカップリングさせ、数ヶ月間に渡ってウサギに注射することができる。ウサギ血清を、KCNQ2またはKCNQ3ポリペプチドまたは断片に対する免疫反応性についてテストする。モノクローナル抗体は、蛋白質ポリペプチド、融合蛋白質またはその断片をマウスに注射することによって作成することができる。モノクローナル抗体は、ELISAによってスクリーニングされ、KCNQ2またはKCNQ3ポリペプチドまたはその断片との特異的免疫反応性についてテストされる。HarlowおよびLane、1988参照。これらの抗体はアッセイならびに医薬で有用であろう。
一旦十分な量の所望のポリペプチドが得られたなら、それを種々の目的で使用することができる。典型的な用途は結合につき特異的な抗体の生産である。これらの抗体はポリクローナルまたはモノクローナルであってよく、当該分野でよく知られたイン・ビトロまたはイン・ビボの技術によって生産することができる。ポリクローナル抗体の生産では、適当な標的免疫系(典型的にはマウスまたはウサギ)が選択される。動物に適した方法によって、および免疫学者によく知られた他のパラメーターによって、実質的に精製された抗原が免疫系に提示される。注射用の典型的な部位は四肢、筋肉内投与、腹腔内投与または皮膚内投与である。もちろんマウスまたはウサギに代えて他の種で置き換えることができる。ついで、当該分野で公知の技術を用いてポリクローナル抗体を精製し、所望の特異性につき調製する。
免疫学的応答は通常免疫アッセイで検定される。通常、かかる免疫アッセイは、たとえば、同一の細胞によって、および抗原として同様に生産された抗原の源のある精製を含む。種々の免疫アッセイ方法は当該分野でよく知られている。たとえば、HarlowおよびLane、1988またはGoding、1986参照。
10-8-1、好ましくは10-9ないし10-10-1またはそれよりも強い親和性を持つモノクローナル抗体は、典型的には、例えば、HarlowおよびLane、1988またはGoding、1986に記載されている標準的な手法によって作成されるであろう。簡単に述べると、適当な動物を選択し、それに続いて所望の免疫化プロトコルを行う。適当な時間の後、かかる動物の脾臓を切り出し、適当な選択条件下、個々の脾臓細胞を典型的には不滅化骨髄腫細胞に融合させる。しかる後、細胞をクローン的に分離し、各クローンの上澄みを抗原の所望の領域に特異的な適当な抗体のその生産につきテストする。
他の適当な技術は抗原性ポリペプチドへのリンパ球のイン・ビトロでの暴露を含み、あるいは別法としてファージまたは同様のベクター中における抗体のライブラリーの選択へのイン・ビトロ暴露を含む。例えば、Huseら、1989参照。本発明のポリペプチドおよび抗体は修飾してまたは修飾することなく用いることができる。しばしば、ポリペプチドおよび抗体は、検出可能なシグナルを提供する物質を共有結合または非共有結合させることによって標識される。非常に種々の標識およびコンジュゲーション技術が公知であり、科学および特許文献双方において専ら報告されている。適当な標識は放射性核種、酵素、基質、補因子、阻害剤、蛍光剤、ケミルミネッセンス剤、磁性粒子等を含む。かかる標識の使用を教示する特許は米国特許第3817837号;第3850752号;第3939350号;第3996345号;第4277437号;第4275149号および第4366241号を含む。また、組換え免疫グロブリンを生産することもできる。(米国特許第4816567号参照)。
「結合パートナー」とは、たとえば、抗原および抗原−特異的抗体または酵素およびその阻害剤のような、高い特異性でもってリガンド分子に結合することができる分子をいう。一般に、特異的結合パートナーは十分な親和性を持って結合して、単離条件下で、分析物コピー/相補性ストランドデュプレックス(ポリヌクレオチドハイブリダイゼーションの場合)を固定化しなければならない。特異的結合パートナーは当該分野で知られており、たとえば、ビオチンおよびアビジンまたはストレプトアビジン、IgGおよびプロテインA、多数の公知の受容体−リガンドカップル、および相補的ポリヌクレオチド鎖を含む。相補性ポリヌクレオチド結合パートナーの場合、該パートナーは通常は長さが少なくとも約15塩基であり、長さが少なくとも40塩基であってよい。15より短い(例えば、8塩基)、15および40の間、40塩基より大きい長さを使用することのできるのは当業者によってよく認識されている。ポリヌクレオチドはDNA、RNAまたは合成ヌクレオチドアナログよりなるものであってよい。さらに結合パートナーは本明細書中に記載のごとく、たとえば、2−ハイブリッド酵母スクリーニングアッセイを用いて同定することができる。
「生物学的試料」とは、限定されるものではないが、例えば血漿、血清、脊髄液、リンパ液、皮膚の外部セクション、呼吸管、腸管、および尿生殖器管、涙、唾液、血液細胞、腫瘍、器官、組織およびイン・ビトロ細胞培養成分の試料を含めた、個体からの分析物ポリヌクレオチドまたはポリペプチドを含有することが疑われる、組織または流体の試料を言う。
「コードする」。ポリヌクレオチドは、もしそれが天然の状態において、あるいは当業者によく知られた方法によって操作された場合、それが転写および/または翻訳されてmRNAおよび/またはポリペプチドもしくはその断片を生じることができるならば、ポリペプチドを「コードする」といわれる。アンチセンス鎖はかかる核酸の相補体であって、コーディング配列はそれから推定することができる。
「単離された」または「実質的に純粋な」。「単離された」または「実質的に純粋な」核酸(たとえば、RNA、DNAまたは混合ポリマー)は、天然ヒト配列または蛋白質を天然で伴う他の細胞成分、たとえば、リボソーム、ポリメラーゼ、多くの他のヒトゲノム配列および蛋白質から実質的に分離されたものである。該用語はその天然に生じる環境から取り出された核酸配列または蛋白質を含み、組換えもしくはクローン化DNA単離体および化学的に合成されたアナログまたは異種系によって生物学的に合成されたアナログを含む。
「KCNQ2対立遺伝子」とは、KCNQ2遺伝子座の正常対立遺伝子ならびにBFNCおよび/またはローランド癲癇を引き起こす変異を担うKCNQ2の対立遺伝子を言う。
「KCNQ3対立遺伝子」とは、KCNQ3遺伝子座の正常対立遺伝子ならびにBFNCおよび/またはJMEを引き起こす変異を担うKCNQ3の対立遺伝子を言う。
「KCNQ2遺伝子座」、「KCNQ2遺伝子」、「KCNQ2核酸」または「KCNQ2ポリヌクレオチド」は、おのおの、正常組織で発現されることが予測される、そのすべてがKCNQ2領域にあるポリヌクレオチドをいい、そのうちのある対立遺伝子はBFNCおよび/またはローランド癲癇を生じる。KCNQ2遺伝子座はコーディング配列、介入配列および転写および/または翻訳を制御する調節エレメントを含ませる意図である。KCNQ2遺伝子座はDNA配列の全ての対立遺伝子変異体を含ませる意図である。
「KCNQ3遺伝子座」、「KCNQ3遺伝子」、「KCNQ3核酸」または「KCNQ3ポリヌクレオチド」は、おのおの、正常組織で発現されることが予測される、そのすべてがKCNQ3領域にあるポリヌクレオチドをいい、そのうちのある対立遺伝子はBFNCおよび/またはJMEを生じる。KCNQ3遺伝子座はコーディング配列、介入配列および転写および/または翻訳を制御する調節エレメントを含ませる意図である。KCNQ3遺伝子座はDNA配列の全ての対立遺伝子変異体を含ませる意図である。
これらの用語は、核酸に適用される場合、ヒトKCNQ2またはKCNQ3ポリペプチド、断片、相同体または変異体(たとえば蛋白質融合または欠失を含む)をコードする核酸を言う。本発明の核酸は、天然KCNQ2−またはKCNQ3−をコードする遺伝子または天然KCNQ2−またはKCNQ3−をコードする遺伝子もしくはその一部との実質的相同性を有するものに由来する、あるいはそれに実質的に同様な配列を有するであろう。
KCNQ2またはKCNQ3遺伝子または核酸は、おのおの、KCNQ2またはKCNQ3ポリペプチドのアミノ酸配列に対して影響を有しないサイレント配列遺伝子ならびにその機能に実質的に影響しないKCNQ2またはKCNQ3ポリペプチドのアミノ酸配列変異体に至る対立遺伝子を含めた、KCNQ2またはKCNQ3遺伝子の正常対立遺伝子を含む。これらの用語はKCNQ2またはKCNQ3ポリペプチドの機能に悪影響する一以上の突然変異を有する対立遺伝子を含む。突然変異は、おのおの、KCNQ2またはKCNQ3機能の部分的もしくは完全な喪失の結果となる、KCNQ2またはKCNQ3ポリペプチドのアミノ酸配列の有害な変化を生じるKCNQ2またはKCNQ3核酸配列の変化であり得るかまたは、有効なKCNQ2またはKCNQ3発現の喪失またはKCNQ2またはKCNQ3ポリペプチドの異常形態の生産の結果となる核酸配列の変化であり得る。
KCNQ2またはKCNQ3核酸は配列番号:1(KCNQ2)または配列番号:6(KCNQ3)に示されるものであってよく、あるいはそれは示された配列の一以上のヌクレオチドの1以上の付加、挿入、欠失および置換である変化によって示されるものとは異なる前記した対立遺伝子または変異体もしくは誘導体であってもよい。ヌクレオチド配列に対する変化の結果、遺伝暗号によって決定されるごとく、蛋白質レベルにおけるアミノ酸変化がもたらされ得る。
かくして、本発明の核酸は配列番号:1および6に示された配列とは異なる配列を含むことができるが、依然として、配列番号:2(KCNQ2)および7(KCNQ3)に示される同一のアミノ酸配列を持つポリペプチドをコードする。すなわち、本発明の核酸は遺伝暗号の結果として変性する配列を含む。他方、コードされたポリペプチドは、配列番号:2および7に示されるアミノ酸配列から1個以上のアミノ酸配列だけ異なるアミノ酸配列を含むことができる。配列番号:2および7に示されたアミノ酸配列のアミノ酸配列変異体、誘導体または対立遺伝子であるポリペプチドをコードする核酸も本発明によって提供される。
KCNQ2またはKCNQ3遺伝子は、おのおの、(a)(i)高度にストリンジェントな条件下で、配列番号:1または配列番号:6に記載されたアミノ酸配列をコードするDNA配列の相補体にハイブリダイズする(Ausubelら、1992)、および(ii)KCNQ2またはKCNQ3に機能的に同等の遺伝子産物をコードするいずれものDNA配列、(b)(i)中程度のストリンジェント条件のごときより低いストリンジェント条件下で、配列番号:2または配列番号:7に記載されたアミノ酸配列をコードするDNA配列の相補体にハイブリダイズする(Ausubelら、1992)および(ii)KCNQ2またはKCNQ3と機能的に同等な遺伝子産物をコードするいずれものDNA配列をいう。また、本発明は本明細書中に記載された配列の相補体である核酸分子を含む。
本発明のポリヌクレオチド組成物はRNA、cDNA、ゲノムDNA、合成形態、および混合ポリマー、センスおよびアンチセンス両ストランドを含み、当業者に容易に認識されるように、化学的にまたは生化学的に修飾することができ、あるいは非天然または誘導体化されたヌクレオチド塩基を含有することができる。かかる修飾は、たとえば、標識、メチル化、1以上の天然ヌクレオチドのアナログでの置換、非荷電結合(たとえばホスホン酸メチル、ホスホトリエステル、ホスホルアミデート、カルバメート)、荷電結合(たとえば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート)、ペンダント部位(たとえば、ポリペプチド)、インターカレーター(たとえば、アクリジン、プソラレン)、キレーター、アルキレーター、および修飾された結合(たとえば、アルファアノマー核酸)のごときヌクレオチド間修飾を含む。水素結合および他の化学的相互作用を介して指定された配列に結合する能力においてポリヌクレオチドを模倣する合成分子も含まれる。かかる分子は当該分野で公知であり、例えば、ペプチド結合が当該分子の骨格中のリン酸結合の代わりに置き換えられるものを含む。
本発明はKCNQ2またはKCNQ3領域の全てまたは一部を含む組換え核酸を提供する。組換え構築体は、宿主細胞中で自律的に複製できる。あるいは、組換え構築体は宿主細胞の染色体DNAに組み込まれることができる。かかる組換えポリヌクレオチドは、その起源または操作によって1)天然ではそれが会合しないポリヌクレオチドの全部または一部と会合しない;2)天然ではそれが連結するもの以外のポリヌクレオチドに連結する;3)天然には生じない、ゲノムcDNA、半合成もしくは合成起源のポリヌクレオチドを含む。本発明の核酸がRNAを含む場合、示された配列への言及は、Tの代わりにUで置き換えた、RNA同等体に言及するものと解釈されるべきである。
従って、天然には生じない配列を含む組換え核酸が本発明によって提供される。野生型配列を使用することもできるが、それは例えば欠失、置換または挿入によってしばしば改変されるであろう。種々のタイプのcDNAまたはゲノムライブラリーを本発明の核酸の天然源としてスクリーニングすることができるが、あるいは例えばPCRによってゲノムDNAまたは他の天然源に存在する配列を増幅することによってかかる核酸を提供することができる。cDNAライブラリーの選択は、通常は、所望の蛋白質に対してmRNAが豊富な組織源に対応する。ファージライブラリーは通常が好ましいが、他のタイプのライブラリーを用いることもできる。ライブラリーのクローンをプレート上に広げ、スクリーニング用の基材上に移し、変性させ、所望の配列の存在につきプローブする。
本発明で使用されるDNA配列は、通常は、少なくとも約5個のコドン(15個のヌクレオチド)、より通常には少なくとも約7−15個のコドン、最も好ましくは少なくとも約35個のコドンを含むであろう。1以上のイントロンを存在させることもできる。ヌクレオチドのこの数は、通常、KCNQ2−またはKCNQ3−をコードする配列と特異的にハイブリダイズする成功したプローブに必要な最小長さのあたりである。この意味で約8個のヌクレオチド、より一般的には8−17個のヌクレオチドと低いオリゴマーは特にチップ技術との関係でプローブで用いることができる。
核酸操作用技術は一般的には、例えば、Sambookら、1989またはAusubelら、1992に記載されている。制限酵素等のようなかかる技術を適用するのに有用な試薬は当該分野で広く知られており、New England BioLabs、Boehringer Mannheim、Amersham、Promega、U.S. Biochemicals、New England Nuclearのような販売者、および多数の他の入手源から商業的に入手可能である。本発明の融合蛋白質を生産するのに使用される組換え核酸配列は、天然または合成配列に由来することができる。多くの天然遺伝子配列は種々のcDNAから、またはゲノムライブラリーから、適当なプローブを用いて得ることができる。例えば、GenBank、National Institute of Health参照。
本明細書で用いるKCNQ2またはKCNQ3遺伝子座または領域または対立遺伝子の「一部」とは、少なくとも約8個のヌクレオチド、または好ましくは約15個のヌクレオチド、またはより好ましくは少なくとも約25個のヌクレオチドの最小サイズを有するものと定義され、少なくとも約40個のヌクレオチドの最小サイズを有することができる。この定義は8−40個のヌクレオチドならびに40ヌクレオチドより大の範囲の全てのサイズを含む。かくして、この定義は、8、12、15、20、25、40、60、80、100、200、300、400、500個のヌクレオチドの核酸、またはこれらの値の範囲内のいずれかの数のヌクレオチド(例えば9、10、11、16、23、30、38、50、70、121、等のヌクレオチド)を有する核酸または500個を超えるヌクレオチドを有する核酸を含む。本発明は配列番号:1または配列番号:6に由来する少なくとも8個のヌクレオチドを有する全ての新規な核酸、その相補的または機能的同等の核酸配列を含む。本発明は先行技術に存在する核酸を含まない。即ち、本発明は配列番号:1または配列番号:6に由来する少なくとも8個のヌクレオチドを有する全ての核酸を含み、ただし、それは先行技術に存在する核酸を含まないものとする。
「KCNQ2蛋白質」または「KCNQ2ポリペプチド」とは、KCNQ2遺伝子座によってコードされる蛋白質またはポリペブチド、その変異体または断片を言う。「ポリペプチド」なる用語はアミノ酸のポリマーまたはその同等体を言い、産物の特異的長さを言わない;かくして、ペプチド、オリゴペプチドおよび蛋白質は、ポリペプチドの定義内に含まれる。この用語はポリペプチドの修飾、例えば、グリコシル化、アセチル化、リン酸化等を言わず、またはそれを排除する。例えば、(非天然アミノ酸等を含む)アミノ酸の1以上のアナログを含有するポリペプチド、置換された結合ならびに当該分野で知られた他の修飾を持つポリペプチド(天然および非天然)が該定義に含まれる。通常は、かかるポリペプチドは天然KCNQ2配列に対して少なくとも約50%相同であり、好ましくは約90%を超え、より好ましくは少なくとも約95%相同である。高いまたは低いストリンジェンシー条件下でKCNQ2−をコードする核酸にハイブリダイズするDNAによってコードされる蛋白質および、KCNQ2蛋白質に対する抗血清によって補償される密接に関連するポリペプチドまたは蛋白質が含まれる。
「KCNQ3蛋白質」または「KCNQ3ポリペプチド」とは、KCNQ3遺伝子座によってコードされる蛋白質またはポリペブチド、その変異体または断片を言う。「ポリペプチド」なる用語はアミノ酸のポリマーまたはその同等体を言い、産物の特異的長さを言わない;かくして、ペプチド、オリゴペプチドおよび蛋白質は、ポリペプチドの定義内に含まれる。この用語はポリペプチドの修飾、例えば、グリコシル化、アセチル化、リン酸化等を言わず、またはそれを排除する。例えば、(非天然アミノ酸等を含む)アミノ酸の1以上のアナログを含有するポリペプチド、置換された結合ならびに当該分野で知られた他の修飾を持つポリペプチド(天然および非天然)が該定義に含まれる。通常は、かかるポリペプチドは天然KCNQ3配列に対して少なくとも約50%相同であり、好ましくは約90%を超え、より好ましくは少なくとも約95%相同である。高いまたは低いストリンジェンシー条件下でKCNQ3−をコードする核酸にハイブリダイズするDNAによってコードされる蛋白質および、KCNQ3蛋白質に対する抗血清によって補償される密接に関連するポリペプチドまたは蛋白質が含まれる。
KCNQ2またはKCNQ3ポリペプチドは配列番号:2または配列番号:7に示されるものであってよく、これは単離されたおよび/または精製された形態であってよく、それが天然では会合している物質を含まず、または実質的に含まない。原核生物細胞での発現によって生産されるかまたは合成により製造されれば、該ポリペプチドはグリコシル化のごときナイーブな翻訳後プロセッシングを欠く。あるいは、本発明はKCNQ2またはKCNQ3ポリペプチドの配列変異体、対立遺伝子または誘導体であるポリペプチドに指向される。かかるポリペプチドは、1以上のアミノ酸の1以上の付加、置換、欠失または挿入によって、配列番号:2または配列番号:7に記載されたものとは異なるアミノ酸配列を有することができる。好ましいかかるポリペプチドは、KCNQ2またはKCNQ3機能を有する。
置換変異体は、典型的には、当該蛋白質内の1以上の部位においてもう1つのものに代えての1のアミノ酸の交換を含有し、他の機能または特性の喪失なくして蛋白質分解切断に対する安定性のごときポリペプチドの1以上の特性を変調するように設計することができる。アミノ酸置換は、極性、電荷、溶解度、疎水度、親水度および/または関連する残基の両親媒性における同様性に基づいてなすことができる。好ましい置換は保存的であるもの、即ち1のアミノ酸が同様の形状および電荷のもので置き換えられたものである。保存的置換は当該分野でよく知られており、典型的には以下の基:グリシン、アラニン;バリン、イソロイシン、ロイシン;アスパラギン酸、グルタミン酸;アスパラギン、グルタミン;セリン、スレオニン;リシン、アルギニン;およびチロシン、フェニルアラニン内の置換を含む。
ある種のアミノ酸は、例えば抗体の抗原結合領域または基質分子上の結合部位またはKCNQ2またはKCNQ3ポリペプチドと相互作用する蛋白質上の結合部位のごとき構造との相互作用結合能力を認識できるように失うことなく、蛋白質構造において他のアミノ酸の代わりに置き換えることができる。蛋白質の生物学的機能活性を規定するのはその蛋白質の相互作用能力および性質であるので、蛋白質配列およびその基礎となるDNAコーディング配列においてあるアミノ酸置換をなすことができ、そうでなければ同様の特性を持つ蛋白質を得ることができる。かかる変化を作成するにおいて、アミノ酸の水治法指標をコードすることができる。蛋白質に相互作用的生物学的機能を付与するにおける疎水性アミノ酸指標の重要性は一般的には当該分野で理解されている(KyteおよびDoolittle、1982)。あるいは、同様のアミノ酸の置換は親水性をベースとして効果的になすことができる。蛋白質に相互作用的生物学的機能を付与するにおける親水性の重要性は一般的には当該分野で理解されている(米国特許4554101号)。ポリペプチドを設計するにおける疎水性指標または親水性度の使用はさらに米国特許第5691198号で記載されている。
相同性につき比較したポリペプチド配列の長さは一般的には少なくとも約16アミノ酸、通常は少なくとも約20残基、より通常には少なくとも約24残基、典型的には少なくとも28残基、好ましくは約35を超える残基である。
「作動可能に連結した」とは、そのように記載されている構成要素がその意図したように機能する相互関係にある近接位置を言う。例えば、プロモーターが、その転写または発現に影響するならば、該プロモーターはコーディング配列に作動可能に連結している。
ペプチドミメティックまたはミメティックという用語はKCNQ2またはKCNQ3ポリペプチドの本質的生物学的活性を有する物質を言うことを意図する。ペプチドミメティックは蛋白質の二次構造の要素を模倣するペプチド含有分子でありうる(Johnsonら、1993)。ペプチドミメティックの使用の背後に有る合理性は、蛋白質のペプチド骨格が、抗体および抗原、酵素および基質またはスカフォールド蛋白質のごとき分子相互作用を促進するようにアミノ酸側鎖を配向させるように主として存在することである。ペプチドミメティックは、天然分子に似た分子相互作用を可能とするように設計される。ミメティックは全くペプチドでなくてもよいが、それは天然KCNQ2またはKCNQ3ポリペプチドの本質的生物学的活性を保有するであろう。
「プローブ」。BFNC、ローランド癲癇またはJMEの病気素因となるKCNQ2またはKCNQ3対立遺伝子に関連するポリヌクレオチド多形は、高ストリンジェントないし中程度ストリンジェントハイブリダイゼーションおよび洗浄条件下で、標的配列のそれとで安定なハイブリッドを形成する、ポリヌクレオチドプローブとのハイブリダイゼーションによって検出される。もし該プローブが標的配列に対して完全に相補性にあると予測されるならば、高ストリンジェンシー条件が使用されるであろう。もし、あるミスマッチングが予測されるならば、例えば、もし変異体が、プローブが完全には相補性でない結果をもっと予測されるならば、ハイブリダイゼーションストリンジェンシーは低下させることができる。非特異的/有害な結合を排除する、すなわち、ノイズを最少化させる条件が選択される。(本開示を通じて「ストリンジェント条件」を用いると単純に述べれば、それは「高ストリンジェンシー条件」が使用されると読むべきことを意図することに注意されたし)。かかる表示では中性DNA多形ならびに突然変異を同定するので、これらの表示は、KCNQ2またはKCNQ3罹患性対立遺伝子の検出を示すにはさらに分析を必要とする。
KCNQ2対立遺伝子用のプローブは、KCNQ2領域の配列に、そのcDNA、その機能的同等の配列または相補体に由来するものであってよい。KCNQ3対立遺伝子用のプローブは、KCNQ3領域の配列に、そのcDNA、その機能的同等の配列または相補体に由来するものであってよい。該プローブは、KCNQ2またはKCNQ3領域のすべてまたは一部にわたって、および、該領域に対する特異的ハイブリダイゼーションを可能とするいずれの適当な長さのものであってもよい。もし標的配列がプローブのそれと同一の配列を含有するならば、該プローブは短くてよく、例えば、約8−30塩基対の範囲であってよい。というのは、該ハイブリダイッドは、高度にストリンジェントな条件下であっても、比較的安定だからである。プローブに関してある程度のミスマッチが予測されるならば、即ち、プローブが変異体領域にハイブリダイズすると疑われるならば、必要な特異性を持って、標的配列にハイブリダイズするより長いプローブを使用することができる。
プローブは、標識またはレポータ分子に付着された単離ポリヌクレオチドを含み、これを用いて、標準的方法により配列同様性を有する他のポリヌクレオチド配列を単離することができる。プローブを調製し、標識する技術については、例えば(Sambrookら、1989またはAusubelら、1992)参照。相同なポリヌクレオチドを用いることによって他の同様なポリヌクレオチドを選択することができる。別法として、これらのまたは同様のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを合成し、あるいは遺伝暗号における縮重の使用によって選択することができる。例えば、サイレント変化によって(それにより種々の制限部位を生じる)、種々のコドン置換を導入して特定の系についての発現を最適化することができる。突然変異を導入してポリペプチドの特性を修飾し、おそらくはポリペプチドの分解または代謝回転速度を変化させることができる。
本発明の合成オリゴヌクレオチドまたは他のポリヌクレオチドを含むプローブは、天然に生じるまたは組換え一本鎖もしくは二本鎖ポリヌクレオチドに由来するものであってよく、あるいは化学的に合成することができる。プローブは、ニックトランスレーション、クレノウフィル−イン反応または当該分野で公知の他の方法によって標識することもできる。
KCNQ2またはKCNQ3をコードするポリヌクレオチド配列からの少なくとも約8個のヌクレオチド、通常は少なくとも約15個のヌクレオチド、約9kb未満、通常は約1.0kb未満を有するポリヌクレオチド配列の一部がプローブとして好ましい。従って、この定義は、8ヌクレオチドないし9000ヌクレオチドのサイズのプローブを含む。かくして、この定義は8、12、15、20、25、40、60、80、100、200、300、400または500ヌクレオチドのプローブあるいはこれらの範囲の値内のいずれかの数のヌクレオチドを有するプローブ(例えば、9、10、11、16、23、30、38、50、72、121等のヌクレオチド)、あるいは500未満のヌクレオチドを有するプローブを含む。また、該プローブを用いて、KCNQ2またはKCNQ3をコードするmRNAが細胞または組織に存在するかを測定することができる。本発明は、配列番号:1または配列番号:6に由来する少なくとも8個のヌクレオチドを有する全ての新規のプローブ、その相補体または機能的同等核酸配列を含む。本発明は、先行技術に存在するプローブを含まない。即ち、本発明は配列番号:1または配列番号:6に由来する少なくとも8個のヌクレオチドを有する全てのプローブを含む。ただし、それらは先行技術に存在するプローブを含まないものとする。
KCNQ2またはKCNQ3遺伝子のすべてまたは一部を増幅するのに用いることができるプライマーに対して同様の考慮およびヌクレオチド長が適用することができる。かくして、プライマーについての定義は、8、12、15、20、25、40、60、80、100、200、300、400、500ヌクレオチドのプライマーまたはこれらの範囲の値内のいずれかの数のヌクレオチドを有するプライマー(例えば、9、10、11、16、23、30、38、50、72、121等のヌクレオチド)、または500未満のヌクレオチドもしくは500および9000の間のいずれかの数のヌクレオチドを有するプライマーを含む。該プライマーを用いて細胞または組織にKCNQ2またはKCNQ3をコードするmRNAが存在するか否かを決定することができる。本発明はKCNQ2またはKCNQ3遺伝子を増幅するためのKCNQ2またはKCNQ3遺伝子座に由来する少なくとも8個のヌクレオチドを有する全ての新規なプライマー、その相補体または機能的同等核酸配列を含む。本発明は、先行技術に存在するプライマーを含まない。すなわち、本発明は少なくとも8個のヌクレオチドを有する全ての新規なプライマーを含む。ただし、それは、先行技術に存在するプライマーを含まないものとする。
「蛋白質の修飾または断片」は、一次構造配列に対して実質的に相同であるが、イン・ビボまたはイン・ビトロの化学的および生化学的修飾を含むか、あるいは通常のアミノ酸を取りこむ、KCNQ2またはKCNQ3ポリペプチドまたはその断片につき本発明によって提供される。かかる修飾は当業者に容易に認識されるように、例えば、アセチル化、カルボキシル化、リン酸化、グリコシル化、ユビキチン化、例えば放射性核種での標識、および種々の酵素修飾を含む。ポリペプチドを標識する、種々の方法およびそのような目的に有用な種々の置換基または標識は当該分野でよく知られており、32Pのごとき放射性同位体、標識された抗リガンド(例えば抗体)に結合するリガンド、発蛍光体、ケミルミネセンス剤、酵素、および標識されたリガンドに対する特異的結合ペアーメンバーとして働くことができる抗リガンドを含む。標識の選択は必要な感度、プライマーとのコンジュゲーションの容易性、安定性の要件および利用可能な装置に依存する。ポリペプチドを標識する方法は当該分野でよく知られている。Sambrookら、1989またはAusubelら、1992参照。
実質的に全長のポリペプチド以外に、本発明はポリペプチドの生物学的に活性な断片を提供する。重要な生物学的活性はリガンドー結合、免疫学的活性およびKCNQ2またはKCNQ3ポリペプチドの他の生物学的活性特徴を含む。免疫学的活性は、KCNQ2またはKCNQ3蛋白質のエピトープに対するコンペティターまたは代替抗原いずれかとして働く、標的免疫系における免疫原性機能、ならびに結合用の免疫学的エピトープの保有を含む。本明細書中で用いるごとく「エピトープ」とはポリペプチドの抗原決定基を言う。エピトープは当該エピトープに対してユニークな空間的立体配座の3個のアミノ酸を含み得る。一般に、エピトープは少なくとも5個のそのようなアミノ酸よりなり、より通常には少なくとも8−10個のそのようなアミノ酸よりなる。そのようなアミノ酸の空間的立体配座を決定する方法は当該分野で知られている。
免疫学的目的では、タンデム反復ポリペプチドセグメントを免疫原として用いることができ、それにより高度に抗原性の蛋白質を生じる。あるいは、かかるポリペプチドは特異的結合用のかなり効果的なコンペティターとして働く。KCNQ2またはKCNQ3ポリペプチドまたはその断片に特異的な抗体の生産は後記する。
本発明は、KCNQ2またはKCNQ3ポリペプチドおよび断片を含む、融合ポリペプチドを提供する。相同ポリペプチドは、2以上のKCNQ2またはKCNQ3ポリペプチド配列の間のあるいはKCNQ2またはKCNQ3および関連蛋白質の配列の間の融合であってよい。同様に、誘導体蛋白質の特性または活性の組み合わせを呈するであろう異種融合を構築することができる。例えば、リガンド−結合性また他のドメインは異なる新しい融合ポリペプチドまたは断片の間で「交換する」することができる。かかる相同または異種融合ポリペプチドは、例えば、改変された強度または結合の特異性を呈することができる。融合ペートナーは免疫グロブリン、細菌β−ガラクトシダーゼ、trpE、プロテインA、β−ラクタマーゼ、アルファアミラーゼ、アルコールデヒドロデナーゼ、および酵母アルファ接合因子を含む。例えば、Godowskiら、1988参照。
融合蛋白質は、典型的には、後記するごとくいずれかの組換え核酸方法によって作成されるか、あるいは化学的に合成することができる。ポリペプチドの合成の技術は、例えば、Merrifield、1963に記載されている。
「蛋白質精製」とはKCNQ2またはKCNQ3をコードする組換え核酸で形質転換した細胞からのもののごとく、他の生物学的材料からのKCNQ2またはKCNQ3ポリペプチドの単離のための種々の方法を言い、当該分野でよく知られている。たとえば、かかるポリペプチドは例えば本発明によって提供される抗体を使用して、免疫アフィニティークロマトグラフィーによって精製することができる。蛋白質精製の種々の方法は当該分野でよく知られており、Deutscher、1990およびScopes、1982に記載されているものを含む。
「単離された」、「実質的に純粋な」および「実質的に均一な」なる用語は、その天然状態でそれに伴う成分から分離されている蛋白質またはポリペプチドを記載するために相互交換して用いることができる。試料の少なくとも約60ないし75%が単一のポリペプチド配列を呈する場合にモノマー蛋白質は実質的に純粋である。実質的に純粋な蛋白質は、典型的には、約60ないし90%W/Wの蛋白質試料、より通常には約95%を含み、好ましくは、約99%純度を超えるであろう。蛋白質試料のポリアクリルアミドゲル電気泳動のような当該分野でよく知られた多数の手段、引き続いてのゲルを染色して単一ポリペプチドバンドを可視化することによって蛋白質の純度または均一性を示すことができる。ある目的では、より高い分解度は、精製で利用されるHPLCまたは当該分野でよく知られた他の手段によって供することができる。
KCNQ2またはKCNQ3蛋白質は、それが天然状態でそれに伴う汚染物から分離された場合に、天然に会合した成分を実質的に含まない。かくして、化学的に合成されたまたは、それが天然で由来する細胞とは異なる細胞系で合成されたポリペプチドは、その天然に会合した成分を実質的に含まないであろう。また蛋白質は、当該分野でよく知られた蛋白質精製技術を用い、単離によって天然に会合した成分を実質的に含まないようにすることもできる。
単離されたおよび操作された遺伝子配列の発現産物として生産されたポリペプチドは、もし相同細胞タイプで発現されたとしても、本明細書中で用いるごとく「単離されたポリペプチド」である。合成により作成された形態または異種細胞によって発現された分子は元来単離された分子である。
「組換え核酸」は天然に生じる、または配列の2つの分離されたセグメントの人工的組み合わせによって作成された核酸である。この人工的組み合わせは、しばしば、化学的合成手段によって、あるいは核酸の単離されたセグメントの人工的操作によって、たとえば遺伝子工学技術によって達成される。それは、典型的には配列認識部位を導入または除去しつつ、通常は同一または保存されたアミノ酸をコードする冗長なコドンで置き換えてなされる。あるいは、それは所望の機能の核酸セグメントを連結して機能の所望の組み合わせを生じさせて行われる。
「調節配列」とは遺伝子座の100kbのコーディング領域内に通常ある配列を言うが、それらはコーディング領域からより離れていてもよく、これは(遺伝子の転写、およびメッセンジャーRNAの翻訳、スプライシング、安定性等を含めた)遺伝子の発現に影響する。
「実質的相同性または同様性」。核酸またはその断片は、もし他の核酸(またはその相補的ストランド)と(適当なヌクレオチド挿入または欠失をもって)最適に整列させた場合に、少なくとも約60%のヌクレオチド塩基、通常は少なくとも約70%、より通常には少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約90%、より好ましくは少なくとも約95−98%のヌクレオチド塩基におけるヌクレオチド配列同一性があれば、もう1つのものに対して「実質的に相同」(「または実質的に同様」)である。
2つの異なる核酸の間の相同性を測定するには、BLASTNプログラム「BLAST2配列」を用いてパーセント相同性が測定されるべきである。このプログラムはインターネット(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/gorf/bl2.html)でのNational Center for Biotechnology Information (NCBI)から公衆が利用可能である。(Altschulら、1997)。使用されるべきパラメーターは、括弧中で示された欠陥パラメーターで(後記されるごとく計算された)最高の計算されたパーセント相同性を生じる以下の全ての組み合わせである:
Program−blastn
Matrix−0 BLOSUM62
マッチ−0または1(1)を概観
ミスマッチ−0、−1、−2または−3(−2)のペナルティー
オープンギャップペナルティー−0、1、2、3、4または5(5)
伸長ギャップペナルティー−0または1(1)
Gap x_dropoff−0または50(50)
予想−10
種々の他の結果と共に、このプログラムは完全なストランドを横切ってのまたはマッチさせるべき二つの核酸の領域を横切ってのパーセント同一性示す。該プログラムは結果の一部として比較すべき2つのストランドの整列および同一性を示す。もしストランドが、等しい長さであれば、同一性は核酸の完全な長さを横切って計算されるであろう。もしストランドが同等の長さでないならば、より短い核酸の長さが使用されるべきである。もし核酸がその配列の一部を横切ってかなり類似するがその配列の残りを横切って異なれば、BLASTNプログラム「BLAST2配列」は同様の部分のみを横切る性質を示し、これらの部分は個々に報告される。ここに相同性を決定する目的では、パーセント相同性とは比較すべき2つの配列のより短いものをいう。もしいずれかの1つの領域が異なるパーセント同一性を持つ異なる整列で示されれば、最大相同性を生じる整列を用いるべきである。配列番号:20および21のこの例におけるごとく平均を行うべきである。
Figure 0005328603
プログラム「BLAST2配列」は選択されるパラメータに応じてこれらの2つの核酸の異なる整列を示す。例として、4組のパラメータを配列番号:20および21の比較につき選択し、(全てのケースでgap x dropoffは50であった)、結果は表1に示す。表1で示されたごとく選択されたパラメータのいずれの組も、これらの配列を比較するための最良のパラメータの組では必ずしもないことに注意すべきである。パーセント相同性は、同一性を示す各領域につき、領域内のより短いストランドの塩基の分率にその領域についてのパーセント同一性を乗じ、これらのすべてを加えることによって計算される。例えば、表1に示されたパラメータの第1の組を用い、配列番号:20は短い配列(63塩基)であり、同一性の2つの領域が示され、最初のものは配列番号:21に対して92%同一性の配列番号:20の塩基4−29(26塩基)を含み、第2のものは配列番号:21に対して100%同一性の配列番号:20の塩基39−59(21塩基)を含む。塩基1−3、30−38および60−63(16塩基)は配列番号:21に対しいずれかの同一性を有するものとしては示されない。パーセント同一性は以下のごとく計算される:(26/63)(92)+(21/63)(100)+(16/63)(0)=71.3%相同性。示された4組のパラメータのおのおのを用いて計算された相同性のパーセンテージは表1にリストされる。パラメータのいくつかの他の組み合わせが可能であるが、それらは簡潔さのためにリストされない。パラメータの各組は異なる計算されたパーセント相同性をもたらすことがわかる。最高のパーセント相同性を生じる結果を用いるべきであるので、これらの4組のパラメータにのみに基づいて、配列番号:20および21は87.1%相同性を有するということができるであろう。再度、他のパラメータの使用は配列番号:20および21についてより最い相同性さえ示すが、簡潔さのために全ての可能な結果が示されるのではないことに注意すべきである。
あるいは、選択されたハイブリダイゼーション条件下で、核酸またはその断片がもう1つの核酸(またはその相補的ストランド)、ストランド、またはその相補体にハイブリダイズする場合に、実質的相同性または(同様性)が存在する。特異性の全くの欠如よりも実質的により選択的であるハイブリダイゼーションが起こる場合に、ハイブリダイゼーションの選択性が存在する。典型的には、選択的ハイブリダイゼーションは、少なくとも約14ヌクレオチドのストレッチにわたって少なくとも約55%相同性、好ましくは少なくとも約65%、より好ましくは少なくとも約75%、最も好ましくは少なくとも約90%の相同性がある場合に起こる。Kanehisa、1984参照。記載された相同性比較の長さは、より長いストレッチにわたってもよく、ある具体例では、少なくとも約9ヌクレオチド、通常は少なくとも約20ヌクレオチド、より通常には少なくとも約24ヌクレオチド、典型的には少なくとも約28ヌクレオチド、より典型的には少なくとも約32ヌクレオチド、好ましくは少なくとも約36以上のヌクレオチドのストレッチにわたるであろう。
Figure 0005328603
核酸ハイブリダイゼーションは、当業者によって容易に認識されるごとく、塩基組成、相補的ストランドの長さ、およびハイブリダイズする核酸の間のヌクレオチド塩基ミスマッチの数に加えて、塩濃度、温度または有機溶媒のごとき条件によって影響されるであろう。ストリンジェントな温度条件は、一般的には、30℃を超える温度、典型的には37℃を超える、好ましくは45℃を超える温度を含む。ストリンジェントな条件は、通常は、1000mM未満、典型的には50mM未満、好ましくは200mM未満であろう。しかしながら、パラメータの組み合わせは、いずれの単一のパラメータの尺度よりもかなり重要である。ストリンジェンシー条件は核酸の長さに依存し、核酸の塩基組成は当該分野でよく知られた技術によって測定することができる。例えば、WetmurおよびDavidson、1968参照。
プローブ配列はある条件下でデュプレックスDNAに特異的にハイブリダイズして、トリプレックスまたは他の高次のDNA複合体を形成することもできる。かかるプローブの調製および適当なハイブリダイゼーション条件は当該分野でよく知られている。
「実質的相同性」または「実質的同一性」なる用語は、ポリペプチドに言及する場合、問題とするポリペプチドまたは蛋白質が天然に生じる蛋白質またはその一部と少なくとも約30%同一性、通常は少なくとも70%同一性、より通常には少なくとも約80%同一性、好ましくは少なくとも約90%同一性、より好ましくは少なくとも約95%同一性を呈することを示す。
ポリペプチドについては相同性は、典型的には、配列解析ソフトウェアを用いて測定される。例えば、Sequence Analysis Software Package of the Genetics Computer Group、University of Wisconsin Biotechnology Center、910 University Avenue, Madison, Wisconsin 53705参照。蛋白質解析ソフトウェアは、種々の置換、欠失および他の修飾に帰属される相同性の尺度を用いて同様の配列にマッチされる。保存的置換は、典型的には以下の群:グリシン、アラニン;バリン、イソロイシン、ロイシン;アスパラギン酸、グルタミン酸;アスパラギン、グルタミン;セリン、スレオニン;リシン、アルギニン;およびフェニルアラニン、チロシン内の置換を含む。
「実質的に同様な機能」とは、野生型KCNQ2またはKCNQ3核酸あるいは野生型KCNQ2またはKCNQ3ポリペプチドを参照した、修飾された核酸または修飾された蛋白質の機能を言う。修飾されたポリペプチドは野生型KCNQ2またはKCNQ3ポリペプチドに実質的に相同であって、実質的に同一の機能を有するであろう。修飾されたポリペプチドは改変されたアミノ酸配列を有することができ、および/または修飾されたアミノ酸を含有することができる。機能の同様性に加えて、修飾されたポリペプチドはより長い半減期のごとき他の有用な特性を有することができる。修飾されたポリペプチドの機能(活性)の同様性は、野生型KCNQ2またはKCNQ3ポリペプチドの活性と実質的に同様であり得る。あるいは、修飾されたポリペプチドの機能(活性)の同様性は野生型KCNQ2またはKCNQ3ポリペプチドの活性よりも高くてもよい。修飾されたポリペプチドは通常の技術を用いて合成されるか、あるいは修飾された核酸によってコードされ、通常の技術を用いて生産される。修飾された核酸は通常の技術によって調製される。野生型KCNQ2またはKCNQ3遺伝子機能に対して、実質的に同様の機能を持つ核酸は前記した修飾された蛋白質を生じる。
ポリペプチド「断片」、「部分」または「セグメント」は、少なくとも約5ないし7個の連続したアミノ酸、しばしば少なくとも約7ないし9個の連続したアミノ酸、典型的には少なくとも約9ないし13個の連続したアミノ酸、最も好ましくは少なくとも約20ないし30以上の連続したアミノ酸のアミノ酸残基のストレッチである。
本発明のポリペプチドは、もし可溶性であれば、固相支持体、例えば、ニトロセルロース、ナイロン、カラム充填材料(例えば、セファロースビーズ)、磁性ビーズ、ガラスウール、プラスチック、金属、ポリマーゲル、細胞または他の基材にカップリングさせることができる。かかる支持体は例えば、ビーズ、ウエル、ディップスティック、または膜の形態を取ることができる。
「標的領域」は増幅されおよび/または検出される核酸の領域をいう。「標的配列」なる用語は所望の条件下でプローブまたはプライマーがそれとで安定なハイブリッドを形成する配列を言う。
本発明の実施は、特記しない限り、化学の通常の技術、分子生物学、微生物学、組換えDNA、遺伝学および免疫学を使用する。例えば、Maniatisら、1982;Sambrookら、1989;Ausubelら、1992、Glover、1985;Anand、1992;GuthrieおよびFink、1991参照。ヒト染色体1のマッピングを含めた、ヒト遺伝子マッピングのための技術および材料についての一般的記載は、例えば、WhiteおよびLalouel、1988に提供される。
組換えまたは化学的に合成された核酸:ベクター、形質転換、宿主細胞の調製
本発明の大量のポリヌクレオチドは、適当な宿主細胞中での複製によって生産することができる。所望の断片につきコードする天然または合成ポリヌクレオチド断片は、組換えポリヌクレオチド構築体、通常は、原核細胞または真核細胞に導入し、そこで複製できるDNA構築体に組み込まれる。通常、ポリヌクレオチド構築体は、酵母または細菌のごとき単細胞宿主中での複製に適しているが、培養された哺乳動物もしくは植物または他の真核生物細胞系への(ゲノム内に組み込まれまたは組み込まれることのない)導入を意図することができる。本発明の方法によって生産された核酸の精製は、例えば、Sambrookら、1989またはAusubelら、1992に記載されている。
本発明のポリヌクレオチドは化学的合成、例えば、BeaucageおよびCarruthers(1981)によって記載されたホスホルアミダイト方法またはMatteucciおよびCaruthers(1981)に準じたトリエステル方法によっても生産することができ、市販の自動オリゴヌクレオチド合成器で行うことができる。二本鎖断片は、相補ストランドを合成し、該ストランドを適当な条件下で一緒にアニールすることによって、あるいは適当なプライマー配列と共にDNAポリメラーゼを用いて相補ストランドを付加することによって、化学的合成の一本鎖産物から得ることができる。
原核生物または真核生物宿主への導入のために調製されたポリヌクレオチド構築体は、所望のポリペプチドをコードする意図されたポリヌクレオチド断片を含む宿主によって認識される複製系を含むことができ、好ましくは、ポリペプチドコーディングセグメントに作動可能に連結した転写および翻訳開始調節配列を含むであろう。発現ベクターは、例えば、複製起点または自律的に複製する配列(ARS)および発現制御配列、プロモーター、エンハンサーおよびリボソーム結合部位、RNAスプライス、ポリアデニル化部位、転写ターミネーター配列および、mRNA安定化配列のごとき必要なプロセッシング情報部位を含むことができる。かかるベクターは、当該分野でよく知られ、例えば、Sambrookら、1989またはAusubelら、1992に記載されている標準的な組換え技術によって調製することができる。
適当なプロモーターおよび他の必要なベクター配列は宿主中で機能的であるように選択され、適当には、天然ではKCNQ2またはKCNQ3遺伝子に関連するものを含むことができる。細胞系および発現ベクターの作動可能な組み合わせの例は、Sambrookら、1989またはAusubelら、1992に記載されている;また例えばMetzgerら、1988参照。多くの有用なベクターが当該分野で知られており、Stratagene、New England Biolabs、Promega、Biotechその他のような販売業者から得ることができる。trp、lacおよびファージプロモーター、tRNAプロモーターおよび解糖酵素プロモーターのごときプロモーターを原核細胞宿主で使用することができる。有用な酵母プロモーターはメタロチオネイン、3−ホスホグリセリン酸キナーゼまたはエノラーゼもしくはグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼのごとき他の解糖酵素、マルトースおよびガラクトース資化の原因となる酵素についてのプロモーター領域を含む。酵母発現で使用するのに適したベクターおよびプロモーターはさらにHitzemanら、EP73675Aに記載されている。適当な非天然哺乳動物プロモーターはSV40からの初期および後記プロモーター(Fiersら、1978)またはネズミモロニー白血病ウイルス、マウス腫瘍ウイルス、鳥類肉腫ウイルス、アデノウイルスII、ウシパピローマウイルスまたはポリオーマーに由来する初期および後記プロモーターを含むであろう。昆虫プロモーターは、バキュロウイルスに由来するものであってよい。加えて、構築体は、遺伝子の複数コピーが作成できるように、増幅可能な遺伝子(例えば、DHFR)に接合することができる。適当なエンハンサーおよび他の発現制御配列については、Enhancers and Eukaryotic Gene Expression、Cold Spring Harbor Press、Cold Spring Harbor、New York(1983)参照。また、例えば、米国特許第5691198号;第5735500号;第5747469号および第54369146号参照。
かかる発現ベクターは、自律的に複製できるが、それらは当該分野でよく知られた方法によって、宿主細胞のゲノムに挿入されることによっても複製することができる。
発現およびクローニングベクターは選択マーカー、ベクターで形質転換された宿主細胞の生存または増殖に必要な蛋白質をコードする遺伝子を含有するであろう。この遺伝子の存在は該インサートを発現する宿主細胞のみの増殖を保証する。典型的な選択遺伝子は、a)抗生物質または他の毒性物質、例えば、アンピシリン、ネオマイシン、メトトレキセート等に対する耐性を付与する、b)栄養要求性欠乏を補足する、またはc)複雑な倍地から得ることができない非常に重要な栄養素を供給する蛋白質をコードする。例えば、Bacilli用のD−アラニンラセマーゼをコードする遺伝子。適当な選択マーカーの選択は宿主細胞に依存し、異なる宿主用の適当なマーカーは当該分野でよく知られている。
注目する核酸を含有するベクターはイン・ビトロで転写でき、よく知られた方法、例えば、注入によって、得られたRNAを宿主細胞に導入することができ、(Kuboら、1988参照)あるいは当該分野でよく知られた方法によってベクターを宿主細胞に直接導入することができ、これはエレクトロポレーション;塩化カルシウム、塩化ルビジウム、リン酸カルシウム、BEAE−デキストリンまたは他の物質を使用するトランスフェクション;マイクロプロジェクタイル衝撃;リポフェクション;注入(ここに、ベクターはレトロウイルスゲノムのごとき感染性剤である);および他の方法を含めた、細胞宿主のタイプに依存して変化する。例えば、一般的にはSambrookら、1989およびAusubelら、1992参照。とりわけ、前記したものを含めた当該分野で公知のいずれかの方法による宿主細胞へのポリヌクレオチドの導入は本明細書中では「形質転換」と言う。前記したごとく、核酸が導入された細胞は、かかる細胞の子孫を含めることを意味する。
大量の本発明の核酸およびポリヌクレオチドは、適合する原核生物または真核生物宿主細胞中において、ベクターまたは他の発現ビークル中にてKCNQ2またはKCNQ3核酸またはその一部を発現させることによって調製することができる。最も通常に使用される原核生物宿主はEscherichia coliの株であるがBacillus subtilisまたはPseudomonasのごとき他の原核生物も用いることもできる。
酵母、繊維状の菌類、植物、昆虫、または両生類もしくは鳥類種のもののような哺乳動物または他の真核生物宿主細胞もまた本発明の蛋白質の生産で有用であろう。培養中の哺乳動物細胞の増殖は自体公知である。JakobyおよびPastan(編)(1979)参照。通常に使用される哺乳動物宿主細胞系の例はVEROおよびHeLa細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞およびWI38.BHK、およびCOS細胞系であるが、より高い発現、所望のグリコシル化パターンまたは他の特徴を供するには、他の細胞系が適するのは当業者に認識されるであろう。通常に使用される昆虫細胞系の例はSF9である。
クローンはベクター構築の様式に応じてマーカーを用いることによって選択される。該マーカーは同一または異なるDNA分子、このましくは同一DNA分子上にあってよい。原核生物宿主においては、形質転換体は、例えば、アンピシリン、テトラサイクリンまたは他の抗生物質に対する耐性によって選択することができる。温度感受性に基づく特定の産物の生産も適当なマーカーとして供することができる。
本発明はポリヌクレオチドで形質転換した原核生物または真核生物細胞は、本発明の核酸およびポリヌクレオチドの生産のみならず、例えば、KCNQ2またはKCNQ3ポリペプチドの特徴の研究で有用である。
本明細書中で開示されたKCNQ2またはKCNQ3遺伝子配列に基づくプローブおよびプライマーを用いて、他の種における相同KCNQ2またはKCNQ3遺伝子配列および蛋白質を同定する。これらの遺伝子配列および蛋白質は、それらが単離された種について、診断/予後後、治療および薬物スクリーニング方法で用いられる。
使用方法:薬物スクリーニング
本発明は種々の薬物スクリーニング技術のうちのいずれかにおいてKCNQ2またはKCNQ3ポリペプチドまたはその結合断片を用いることによって化合物をスクリーニングするのに特に有用である。
かかるテストで使用されるKCNQ2またはKCNQ3ポリペプチドまたは断片は、溶液中で遊離している、固体支持体に付着されている、または細胞表面に保持されているのいずれかであってよい。薬物スクリーニングの1つの方法は、好ましくは競合結合アッセイにおいてポリペプチドまたは断片を発現する組換えポリヌクレオチドで安定に形質転換された真核生物または原核生物宿主細胞を利用する。生存形態または固定された形態いずれかであるかかる細胞は標準的な結合アッセイで使用することができる。例えば、KCNQ2またはKCNQ3ポリペプチドまたは断片およびテストすべき剤の間の複合体の形成につき測定し、あるいはKCNQ2またはKCNQ3ポリペプチドまたは断片および公知のリガンドの間の複合体の形成がテストすべき剤によって干渉される程度を調べることができる。
かくして、本発明は、かかる剤をKCNQ2またはKCNQ3ポリペプチドまたはその断片と接触させ、(i)該剤とKCNQ2またはKCNQ3ポリペプチドまたは断片との間の複合体の存在につき、または(ii)KCNQ2またはKCNQ3ポリペプチドまたは断片とリガンドとの間の複合体の存在につき、当該分野でよく知られた方法によってアッセイすることを特徴とする薬物につきスクリーニングする方法を提供する。かかる競合結合アッセイにおいては、KCNQ2またはKCNQ3ポリペプチドまたは断片は典型的には標識される。遊離KCNQ2またはKCNQ3ポリペプチドまたは断片は、蛋白質:蛋白質複合体に存在するものから分離され、遊離(即ち、非複合体化)標識の量はテストされるべき剤のKCNQ2またはKCNQ3への結合あるいはKCNQ2(またはKCNQ3):リガンド結合とのその干渉の尺度である。遊離したものよりもむしろ結合したKCNQ2またはKCNQ3の量を測定することもできる。また、KCNQ2またはKCNQ3よりもむしろリガンドを標識して、テストすべき薬物の存在下および不存在下でKCNQ2またはKCNQ3に結合するリガンドの量を測定することができる。
薬物スクリーニングのためのもう1つの技術は、KCNQ2またはKCNQ3ポリペプチドに対する適当な結合親和性を有する化合物に対する高スループットスクリーニングを提供し、これはGeysen(公開されたPCT出願WO84/03564)に詳細に記載されている。簡単に述べれば、非常に多数の異なる小ぺプチドテスト化合物がプラスチックピンまたはある他の表面のごとき固体基材上で合成される。ペプチドテスト化合物をKCNQ2またはKCNQ3と反応させ、洗浄する。次いで、結合したKCNQ2またはKCNQ3ポリペプチドを当該分野でよく知られた方法によって検出する。
精製されたKCNQ2またはKCNQ3を前記した薬物スクリーニング技術で使用されるプレート上に直接コートすることができる。しかしながら、ポリペプチドに対する非中和抗体を用いて抗体を捕獲して固相上にKCNQ2またはKCNQ3ポリペプチドを固定化することができる。
また、本発明では、競合薬物スクリーニングアッセイの使用が考えられる。そこでは、KCNQ2またはKCNQ3ポリペプチドに特異的に結合することができる中和抗体はKCNQ2またはKCNQ3ポリペプチドまたはその断片への結合につきテスト化合物と競合する。このようにして、抗体を用いて、KCNQ2またはKCNQ3ポリペプチドの1以上の抗原決定基を保有するいずれのペプチドの存在も検出することができる。
本発明は形質転換細胞、トランスフェクトされた卵母細胞またはトランスジェニック動物においてKCNQ2またはKCNQ3蛋白質を用いることによって化合物をスクリーニングするのに特に有用である。薬物を培養中の細胞に添加し、あるいは、突然変異体KCNQ2またはKCNQ3を含有するトランスジェニック動物に投与し、カリウムチャンネルの電流に対する効果を野生型KCNQ2またはKCNQ3を含有する細胞または動物の電流と比較する。電流をより正常なレベルまで変化させる薬物候補はBFNC、ローランド癲癇およびJMEを予防または治療するのに有用である。
前記スクリーニング方法は、KCNQ2またはKCNQ3のみ使用するアッセイに限定されるものではないが、KCNQ2−またはKCNQ3−蛋白質複合体を研究するのにも適用することができる。この複合体の活性に対する薬物の効果を分析する。
これらの方法によると、以下のアッセイは薬物候補につきスクリーニングするのに使用できるアッセイの例である。
突然変異体KCNQ2またはKCNQ3(それ自体または融合蛋白質の一部)を、野生型KCNQ2またはKCNQ3が結合する野生型蛋白質(それ自体または融合蛋白質の一部)と混合する。この混合は、薬物の存在下および薬物の不存在下双方において行われ、突然変異体KCNQ2またはKCNQ3と野生型蛋白質との結合の量を測定する。もし、決合の量が該薬物の不存在下におけるよりも該薬物の存在下における方が多ければ、該薬物は、KCNQ2またはKCNQ3における突然変異に由来するBFNC、ローランド癲癇またはJMEを治療するための薬物候補である。
野生型KCNQ2またはKCNQ3(それ自体または融合蛋白質)を、野生型KCNQ2またはKCNQ3が結合する野生型蛋白質(それ自体または融合蛋白質の一部)と混合する。この混合は、薬物の存在下および薬物の不存在下双方で行い、野生型KCNQ2またはKCNQ3と野生型蛋白質との結合の量を測定する。もし、結合の量が該薬物の不存在下におけるよりも該薬物の存在下におけるほうが多いならば、該薬物は、KCNQ2またはKCNQ3に由来するBFNC、ローランド癲癇またはJMEを治療するための薬物候補である。
野生型蛋白質として、KCNQ2またはKCNQ3(それ自体または融合蛋白質の一部)に結合する突然変異体蛋白質を野生型KCNQ2またはKCNQ3(それ自体または融合蛋白質)と混合する。この混合は薬物の存在下または不存在下で行い、突然変異体蛋白質と野生型KCNQ2またはKCNQ3との結合の量を測定する。もし結合の量が該薬物の不存在下におけるよりも該薬物の存在下におけるほうが多いならば、該薬物は該蛋白質をコードする遺伝子中の突然変異に由来するBFNC、ローランド癲癇またはJMEを治療するための薬物候補である。
また、本発明のポリペプチドは、組み合わせライブラリー技術の結果として、開発された化合物をスクリーニングするのに使用することもできる。組み合わせライブラリー技術は、ポリペプチドの活性を変調する能力につき、潜在的な莫大な数の異なる物質をテストする効果的な方法を提供する。かかるライブラリーおよびその使用は当該分野で公知である。ペプチドライブラリーの使用が好ましい。例えば、WO97/02048参照。
略言すれば、ポリペプチドの活性を変調する物質につきスクリーニングする方法は、適当な反応媒体中で1以上のテスト物質をポリペプチドと接触させ、処理されたポリペプチドの活性をテストし、その活性を、テスト物質または複数の物質で処理されていない匹敵する反応媒体中でのポリペプチドの活性と比較することを含むことができる。処理および未処理ポリペプチドの間の活性の相違は関連するテスト物質または複数の物質の変調効果を示す。
活性の変調につきスクリーニングするのに先立って、あるいはスクリーニングするに際し、テスト物質を例えば、酵母2−ハイブリッド系においてポリペプチドと相互作用する能力につきスクリーニングすることができる。(例えばBartelら、1993;FieldsおよびSong、1989;ChevrayおよびNathans、1992;Leeら、1995)。この系は、ポリペプチドの活性を変調する現実の能力につき、物質をテストするに先立って、粗いスクリーニングとして用いることができる。別法として、該スクリーニングを用いて、KCNQ2またはKCNQ3特異的結合パートナーへの結合につきテスト物質をスクリーニングし、あるいはKCNQ2またはKCNQ3ポリペプチドのミメティックスを見つけ出すことができる。
ポリペプチド活性を変調しまたはそれに影響する物質の同定に続き、該物質をさらに調べることができる。さらに、それを製造しおよび/または調製、すなわち、製造もしくは処方、あるいは医薬品、医薬組成物または薬物のごとき組成物で用いることができる。これらは個体に投与することができる。
かくして、本発明は、種々の態様において、本明細書中に記載されたことに従い、ポリペプチド活性のモジュレータとしての核酸分子を用いて同定された物質のみならず、医薬組成物、医薬品、かかる物質を含む薬物または他の組成物、かかる物質を含むかかる組成物の投与方法、例えばBFNC、ローランド癲癇またはJMEの(予後的処置を含むことができる)治療のためのかかる組成物を患者に投与する方法、例えば、BFNC、ローランド癲癇またはJMEの治療のための、投与用組成物の製造におけるかかる物質の使用、およびかかる物質を医薬上許容される賦形剤、ビヒクルまたは担体、および所望により他の成分を含む医薬組成物の製法まで拡大する。
ポリペプチド機能のモジュレータとして同定された物質は、天然ではペプチドまたは非ペプチドでありうる。非ぺプチド「小分子」は、しばしば多くのイン・ビボ医薬使用で好ましい。従って、物質のミメティックまたはミミック(特にもしペプチドであれば)を医薬用途で設計することができる。
公知の医薬上活性な化合物に対するミメティックスの設計は、「リード」化合物に基づく医薬品の開発に対する公知のアプローチである。これは、活性化合物が合成するのに困難であるかまたは費用がかかる場合、あるいは投与の特定の方法に適しない場合、例えば、純粋なペプチドは胃腸管中でプロテアーゼによって迅速に分解される傾向があるので、それらが経口組成物用には不適当な活性剤である場合望ましいであろう。ミメティック設計、合成およびテストは、一般的には、標的特性につき使用に多数の分子をランダムにスクリーニングするのを回避するのに使用される。
与えられた標的特性を有する化合物からのミメティックの設計において、通常採用されるいくつかの工程がある。まず、標的特性を測定するにおいて非常に重要なおよび/または重要な化合物の特定の部分を決定する。ペプチドの場合、これは例えば各残基を置換することによってペプチド中のアミノ酸残基を系統的に変化させることによってなすことができる。ペプチドのアラニンスキャニンを通常は用いてかかるペプチドモチーフを精錬する。化合物の活性領域を構成するこれらの部分または残基は、その「ファルマコフォア」として知られている。
一旦ファルマコフォアが見出されると、ある範囲の源からのデータ、たとえば、分光学技術、X−線回析データおよびNMRを用い、その物理的特性、例えば、立体化学、結合、サイズおよび/または電荷に従ってその構造を作成する。コンピュータ解析、同様性マッピング(これは原子間の結合よりもむしろファルマコフォアの電荷および/または容量を作成する)および他の技術はこの作成プロセスで用いることができる。
このアプローチの変形において、リガンドおよびその結合パートナーの3次元構造を作成する。これは、リガンドおよび/または結合パートナーが結合に際して立体配座を変化させる場合に特に有用であり、該モデルをミメティックの設計においてこれを利用することを可能とする。
次いで、ファルマコフォアを模倣する化学基がその上にグラフトすることができる鋳型分子を選択する。該鋳型分子およびその上にグラフトした化学基は、便宜には、リード化合物の生物学的活性を保持しつつ、ミメティックが合成するのが容易であり、薬理学的に許容されるようであり、イン・ビボで分解しないように選択することができる。あるいは、ミメティックがペプチドをベースにする場合、更なる安定性は、ペプチドを環化し、その剛性を増大させることによって達成することができる。このアプローチによって見出されたミメティックまたは複数のミメティックは、ついで、それらが標的特性を有するか否か、あるいはそれらがそれをどの程度呈するかを見るためにスクリーニングすることができる。ついで、さらに最適化または修飾を行って、イン・ビボまたは臨床テストのために1以上の最終ミメティックスに到達することができる。
使用の方法:核酸診断および診断キット
BFNC、ローランド癲癇またはJMEが個体の病気素因となるKCNQ2またはKCNQ3対立遺伝子の存在を検出するために、血液のごとき生物学的試料を調製し、KCNQ2またはKCNQ3の罹患性対立遺伝子の存在または不存在につき分析する。BFNC、ローランド癲癇またはJMEの存在につき検出するために、あるいは予後インディケータとしては、生物学的試料を調製し、KCNQ2またはKCNQ3の突然変異体対立遺伝子の存在または不存在につき分析する。これらのテストの結果および解釈された情報をテストされた個体へ知らせるためにヘルスケアー供給者に戻される。そのような診断は診断研究所によって行うことができ、あるいは、診断キットを製造し、ヘルスケアー供給者または自己診断のために個人的に個人に販売される。
最初に、該スクリーニング方法は関連するKCNQ2またはKCNQ3配列の増幅を含む。本発明のもう1つの好ましい具体例において、該スクリーニング方法は非PCRベースの戦略を含む。かかるスクリーニング方法は当該分野でよく知られた2−工程標識増幅方法を含む。PCRおよび非PCRベースのスクリーニング戦略は共に高レベルの感度で持って標的配列を検出することができる。
今日使用される最もポピュラーな方法は標的増幅である。ここに、標的核酸配列は、ポリメラーゼで増幅する。ポリメラーゼ−駆動増幅を用いる1つの特に好ましい方法はポリメラーゼ鎖反応(PCR)である。ポリメラーゼ鎖反応および他のポリメラーゼ−駆動増幅アッセイは、ポリメラーゼ−駆動増幅サイクルの使用を介してコピー数の100万倍増加を超えて達成することができる。一旦増幅されれば、得られた核酸は配列決定し、またはDNAプローブ用の基質として使用することができる。
標的配列の存在を検出するのにプローブを用いる場合、血液または血清のごとき分析すべき生物学的試料を処理して、所望ならば、核酸を抽出することができる。試料核酸は種々の方法で調製して標的配列の検出、例えば、変性、制限消化、電気泳動またはドットブロッティングを容易とすることができる。分析物核酸の標的化領域は、通常は、少なくとも部分的に1本鎖化されて、プローブの標的配列とでハイブリッドを形成しなければならない。もし配列が天然での1本鎖であれば、変性は必要ないであろう。しかしながら、もし配列が2本鎖であれば、該配列は恐らくは変性される必要があろう。変性は当該分野で公知の種々の技術によって行うことができる。
分析物中の推定標的化配列と共にプローブ中の標的配列の安定なハイブリッド形成を促進する条件下で、分析物核酸およびプローブをインキュベートする。分析物に結合するのに使用されるプローブの領域は、KCNQ2についてのヒト染色体20の標的化領域に対し、またはKCNQ3についてのヒト染色体8の標的化領域に対して、完全に相補的とすることができる。従って、高ストリンジェンシー条件が偽陽性を防ぐには望ましい。しかしながら、もしプローブがゲノム中でユニークである染色体の領域に対して相補的でありさえすれば、高ストリンジェンシーの条件が用いられる。ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーは、温度、イオン強度、塩基組成、プローブ長およびホルムアミドの濃度を含めた、ハイブリダイゼーションの間および洗浄間の多数の因子によって決定される。これらの因子は、例えば、Maniatisら、1982およびSambrookら、1989に概説されている。ある状況下では、トリプレックス、クワドラプレックス等のごとき高次ハイブリッドの形成が標的配列を検出する手段を提供するのに望まれるであろう。
得られたハイブリッドの検出はもしあれば、標識プローブの使用によって通常は達成される。別法として、プローブを標識しなくてもよいが、直接的または間接的に標識されたリガンドとの特異的結合によって検出することができる。適当な標識、およびプローブおよびリガンドを標識する方法は、当該分野で知られており、たとえば、公知の方法(たとえば、ニックトランスベーション、ランダムプライニングまたはキナージング)によって取りこむことができる放射性標識、ビオチン、蛍光基、ケミルミネセンス基(たとえば、ジオキセタン、特にトリガーされたジオキセタン)、酵素、抗体、金ナノ粒子等を含む。この基本的スキームの変形は当該分野で知られており、外因性物質から検出されるべきハイブリッドの分離を容易としおよび/または標識部位からのシグナルを増幅する変形を含む。多数のこれらの変形が例えば、MatthewsおよびKricka、1988;Landegrenら、1988;Mifflin、1989;米国特許第4868105号;およびEPO公開番号225807にレビューされている。
前記したごとく、非PCRベースのスクリーニングアッセイが本発明で考えられる。この手法は核酸プローブ(または正常なホスホジエステルを置き換えるメチルホスホネート骨格のごときアナログ)を低レベルDNA標識にハイブリダイズさせる。このプローブは該プローブに共有結合した酵素を有すことができ、従って該共有結合はハイブリダイゼーションの特異性に干渉しない。ついで、この酵素−プローブ−コンジュゲート−標的核酸複合体を遊離プローブ酵素コンジュゲートから単離することができ、酵素検出のために基質が添加される。酵素活性は発色またはルミネセンス出力の変化として観察され、103−106の感度の増加となる。オリゴデオキシヌクレオチド−アルカリ性ホスファターゼコンジュゲートの調製およびハイブリダイゼーションプローブとしてのそれらの使用に関する例としては、Jablonskiら、1986参照。
2工程標識増幅方法は当該分野で知られている。これらのアッセイは、(ジゴキシゲニン、ビオチン等のごとき)小リガンドがKCNQ2またはKCNQ3に特異的に結合することができる核酸プローブに付着するという原理に基づく。また、対立遺伝子特異的プローブがこの例の範囲内で考えられ、例示的対立遺伝子特異的プローブはこの開示の病気素因突然変異を含むプローブを包含する。
1つの例において、核酸プローブに付着した小リガンドは抗体−酵素コンジュゲートによって特異的に認識される。この例の1つの具体例において、ジゴキシゲニンは核酸プローブに付着される。ハイブリダイゼーションはケミルミネセンス基質にスイッチを入れる抗体−アルカリ性ホスファターゼコンンジュゲートによって検出される。この具体例による核酸プローブを標識する方法については、Martinら、1990参照。第2の例において、小リガンドは、第1のリガンドに対して特異的に複合体化される第2のリガンド−酵素コンジュゲートによって認識される。この例のよく知られた具体例は、ビオチン−アビジンタイプの相互作用である。核酸プローブを標識する方法およびビオチン−アビジンベースのアッセイにおけるそれらの使用については、Rigbyら、1977およびNguyenら、1992参照。
また、本発明の核酸プローブアッセイがKCNQ2またはKCNQ3を検出することができる核酸プローブのカクテルを使用するであろうことは本発明の範囲内である。かくして、細胞試料中でのKCNQ2またはKCNQ3の存在を検出する1つの例において、遺伝子に相補的な1を超えるプローブを使用し、特に異なる数のプローブは、別法として、2、3または5の異なる核酸プローブ配列である。もう1つの例において、患者においてKCNQまたはKCNQ3遺伝子配列中の突然変異の存在を検出するには、これらの遺伝子に相補的な1を超えるプローブを使用し、ここに該カクテルはKCNQ2またはKCNQ3において変化を持つ患者の集団において同定された対立遺伝子−特異的突然変異に結合することができるプローブを含む。この具体例において、いずれかの数のプローブを用いることができ、これは好ましくは個人に対してBFNC、ローランド癲癇またはJMEの病気素因として同定される主要遺伝子突然変異に対応するプローブを含む。
使用の方法:ペプチド診断および診断キット
BFNC、ローランド癲癇またはJMEの存在は、野生型KCNQ2またはKCNQ3ポリペプチドの改変に基づいて検出することもできる。かかる改変は通常の技術に従い配列分析によって測定することができる。より好ましくは、(ポリクローナルまたはモノクローナル)抗体を用いてKCNQ2またはKCNQ3ペプチドの相違またはその不存在を検出する。抗体を生起させそれを精製する技術は当該分野でよく知られており、いずれかのかかる技術を選択して、本発明で主張する調製を達成することができる。本発明の好ましい具体例において、抗体は、溶液からKCNQ2またはKCNQ3蛋白質を免疫沈降させ、ならびにポリアクリルアミドゲルのウエスタンまたはイムノブロット上のこれらの蛋白質と反応する。もう1つの好ましい具体例において、抗体は、免疫組織化技術を用いて、パラフィンまたは凍結された組織セクション中のKCNQ2またはKCNQ3蛋白質を検出するであろう。
KCNQ2またはKCNQ3またはそれらの突然変異を検出する方法に関する好ましい具体例は酵素連結免疫検定法(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、イムノラジオメトリックアッセイ(IRMA)および免疫酵素アッセイ(IEMA)(モノクローナルおよび/またはポリクローナル抗体を用いるサンドイッチアッセイを用いる)を含む。例示的サンドイッチアッセイは、ここに出典明示して本明細書の一部とみなす米国特許第4376110号および第4486530号においてDavidらによって記載されている。
使用の方法:合理的薬物デザイン
合理的薬物デザインの目標は、注目する生物学的に活性なポリペプチドの構造的アナログまたはそれらが相互反応する小分子(たとえば、アゴニスト、アンタゴニスト、インヒビター)を生産して、例えば、ポリペプチドのより活性または安定な形態である、または例えばイン・ビボでポリペプチドの機能を増強させまたはそれに干渉する薬物を作成することである。例えば、Hodgson、1991参照。1つのアプローチにおいて、X線結晶解析によって、コンピュータモデリングによって、または最も典型的にはアプローチの組み合わせによって、注目する蛋白質(例えば、KCNQ2またはKCNQ3ポリペプチド)の3次元構造をまず決定する。それほど頻繁ではないが、ポリペプチドの構造に関して有用な情報は、相同蛋白質の構造に基づくモデリングによって獲得することができる。合理的薬物デザインの例はHIVプロテアーゼ阻害剤の開発である(Ericksonら、1990)。加えて、ペプチド(例えば、KCNQ2またはKCNQ3ポリペプチド)は、アラニンスキャンによって分析される(Wells、1991)。この技術においては、アミノ酸残基がAlaによって置き換えられ、ペプチドの活性に対するその効果が測定される。ペプチドのアミノ酸残基の各々をこのように分析して、ペプチドの重要な領域を決定する。
また、機能的アッセイによって選択された標的−特異的抗体を単離し、ついでその結晶構造を解析することもできる。原理的には、このアプローチは、引き続いての薬物デザインがそれをベースとすることができるファルマコアを生じる。機能的な薬理学上活性な抗体に対する抗−イデオタイプ抗体(抗−ids)を生成させることによって、蛋白質の結晶解析をまったく迂回することができる。鏡像の鏡像として、抗−idsの結合部位は元の受容体のアナログであると予測されるであろう。ついで、該抗−idを用いてペプチドの化学的にまたは生物学的に生産されたバンクのバンクからペプチドを同定し単離し得る。ついで、選択されたペプチドはファルマコアとして作用するであろう。
かくして、例えば、改良されたKCNQ2またはKCNQ3ポリペプチド活性または安定性を有するまたは、KCNQ2またはKCNQ3ポリペプチド活性の阻害剤、アゴニスト、アンタゴニスト等として作用する薬物を設計することができる。クローン化KCNQ2およびKCNQ3配列の利用可能性によって、十分な量のKCNQ2およびKCNQ3ポリペプチドを利用可能として、X線結晶解析のごとき解析研究を行うことができる。加えて、本明細書中で提供するKCNQ2およびKCNQ3蛋白質配列の知識は、X線結晶解析の代わりにまたはそれに加えて、コンピュータモデリング技術を使用するものをガイドする。
使用の方法:遺伝子治療
本発明によると、各々、突然変異体KCNQ2またはKCNQ3対立遺伝子を担う細胞に対して野生型KCNQ2またはKCNQ3機能を供給する方法も提供される。かかる機能の提供は受容体細胞の正常な機能を可能とするはずである。野生型遺伝子または該遺伝子の一部を、該遺伝子が染色体外にとどまるようにベクター中にて細胞に導入することができる。かかる状況において、遺伝子は染色体外位置から細胞によって発現されるであろう。より好ましいものは、野生型遺伝子またはその一部が、それが細胞中に存在する内因性突然変異体遺伝子と組み換えられるように、突然変異体細胞に導入される状況である。かかる組換えは、遺伝子突然変異の修正の結果となる二重組換え事象を要する。組換えおよび染色体外維持のための遺伝子の導入用ベクターは当該分野で知られており、いずれの適当なベクターも使用することができる。エレクトロポレーション、リン酸カルシウム共沈殿およびウイルス導入のごときDNAを細胞に導入する方法は当該分野で公知であり、選択方法は実行者の技量の範囲内である。
一般的には前記したごとく、KCNQ2またはKCNQ3遺伝子または断片は適応可能であれば、遺伝子治療方法で使用して細胞中のかかる遺伝子の発現産物の量を増大させることができる。また、突然変異体遺伝子が「正常」レベルで発現されるが遺伝子産物が十分には機能的ではない個人において、KCNQ2またはKCNQ3遺伝子の発現レベルを増大させるのが有用であろう。
遺伝子治療は、例えば、Friedman(1991)またはCulver(1996)によって記載された一般的に認められた方法によって行われる。患者からの細胞をまず前記した診断方法によって分析して細胞中のKCNQ2およびまたはKCNQ3ポリペプチドの生産を確実なものとする。発現制御エレメントに連結したKCNQ2またはKCNQ3遺伝子のコピーを含有し、細胞の内部で複製することができるウイルスまたはプラスミドベクター(さらなる詳細は後記参照)を調製する。該ベクターは細胞の内部で複製することができる。あるいは、該ベクターは複製欠陥であってもよく、遺伝子治療で使用されるヘルパー細胞中で複製される。米国特許第5252479号およびPCT公開出願WO93/07282および米国特許第5691198号;第5747469号;第5436146号および第5753500号に開示されているごとき適当なベクターが公知である。ついで、ベクターを患者に注入する。もしトランスフェクトされた遺伝子が各標的細胞のゲノムに永久的に組み込まれなければ、当該治療は周期的に反復される必要があろう。
当該分野で公知の遺伝子導入システムは本発明の遺伝子治療の実施で有用であろう。これらはウイルスおよび非ウイルス導入方法を含む。パポバウイルス(たとえばSV40、Madzakら、1992)、アデノウイルス(Berkner、1992;Berknerら、1988;GorzigliaおよびKapikian、1992;Quantinら、1992;Rosenfeldら、1992;WilkinsonおよびAkrigg、1992;Stratford‐Perricaudetら、1990;Schneiderら、1998)、ワクシニアウイルス(Moss、1992、Moss、1996)、アデノ関連ウイルス(Muzyczka、1992;Ohiら、1990;RussellおよびHirata、1998)、HSVおよびEBVを含むヘルペスウイルス(Margolskee、1992;Johnsonら、1992;Finkら、1992;BreakefieldおよびGeller、1987;Freeseら、1990;Finkら、1996)、レンチウイルス(Naldiniら、1996)、シンドビスおよびセンリキフォレストウイルス(Berglundら、1993)、および鳥類(BandyopadhyayおよびTemin、1984;Petropoulosら、1992)、ネズミ(Miller、1992;Millerら、1985;Sorgeら、1984;MannおよびBaltimore、1985;Millerら、1988)およびヒト起源(Shimadaら、1991;Helsethら、1990;Pageら、1990;BuchschacherおよびPanganibanら、1992)のレトロウイルスを含めた、遺伝子導入ベクターとしてまたは遺伝子導入ベクターを修復するベースとして使用されてきた。ほとんどのヒト遺伝子治療プロトコルは廃疾ネズミレトロウイルスをベースとしてきたが、アデノウイルスおよびアデノ関連ウイルスも使用されている。
当該分野で公知の非ウイルス遺伝子導入方法は、リン酸カルシウム共沈殿(Grahamおよびvan der Eb、1973;Pellicerら、1980);機械的技術、例えば、マイクロインジェクション(Andersonら、1980;Gordonら、1980;Brinsterら、1981;CostantiniおよびLacy、1981);リポソームを介する膜融合−媒介導入(Felgnerら、1987;WangおよびHuang、1989;Kanedaら、1989;Stewartら、1992;Nabelら、1990;Limら、1991);および直接的DNA摂取および受容体−媒介DNA導入(Wolffら、1990;Wuら、1991;Zenkeら、1990;Wuら、1989;Wolffら、1991;Wagnerら、1990;Wagnerら、1991;Cottenら、1990;Curielら、1992;Curielら、1991)のごとき化学的技術を含む。ウイルス−媒介遺伝子導入はリポソーム送達を用いる直接的イン・ビトロ遺伝子導入と組み合わせることができ、ウイルスベクターを周囲の非分裂細胞へではなく腫瘍細胞へ向けるのを可能とする。別法として、レトロウイルスベクター生産細胞系を腫瘍に注入することができる(Culverら、1992)。生産細胞の注入はベクター粒子の連続的源を提供するであろう。この技術は扱うことができない脳腫瘍を持つヒトでの使用が認可されている。
生物学的および物理学的遺伝子導入方法を組合わせるアプローチにおいて、いずれかのサイズのプラスミドDNAをアデノウイルスヘキソン蛋白質に特異的なポリリシン−コンジュゲーテッド抗体と組み合わせ、得られた複合体はアデノウイルスベクターに結合される。ついで、三分子複合体を用いて細胞を感染させる。カップリングされたDNAが損傷する前に、アデノウイルスベクターは十分な結合、内部化およびエンドソームの分解を可能とする。アデノウイルスベースのベクターの送達用の他の技術については、Schneiderら(1998)および米国特許第5691198号;第5747469号;第5436146号および第5753500号参照。
リポソーム/DNA複合体は直接的イン・ビボ遺伝子導入を媒介することができるのが示されてきた。標準的なリポソーム調製物においては遺伝子導入プロセスは、非特異的であるが、局所化されたイン・ビボ摂取および発現が、例えば、直接的イン・サイチュ投与に続いて腫瘍寄託で報告されている(Nabel、1992)。
遺伝子治療の意味において発現ベクターは、そこにクローン化されたポリヌクレオチドを発現するのに十分な配列を含有する構築体を意味する。ウイルス発現ベクターにおいて、該構築体は該構築体のパッキングを支持するのに十分なウイルス配列を含む。もしポリヌクレオチドがKCNQ2またはKCNQ3をコードするならば、発現はKCNQ2またはKCNQ3を生じさせるであろう。もしポリヌクレオチドがアンチセンスポリヌクレオチドまたはリボザイムをコードするならば、発現はアンチセンスポリヌクレオチドまたはリボザイムを生じさせるであろう。かくして、この意味において、発現は生産された蛋白質が合成されることを必要としない。発現ベクターにクローン化されたポリヌクレオチドに加えて、該ベクターは真核生物細胞で機能的なプロモーターも含有する。クローン化ポリヌクレオチド配列はこのプロモーターの制御下にある。適当な真核生物プロモーターは前記したものを含む。また、発現ベクターは選択マーカーおよび本明細書中に記載された他の配列のごとき配列も含むことができる。
脳組織にDNAを直接的に標的化する遺伝子導入技術が好ましい。受容体−媒介遺伝子導入は、例えば、(通常は共有結合により閉じたスーパーコイルドプラスミドの形態である)DNAのポリリシンを介する蛋白質リガンドへのコンジュゲーションによって達成される。リガンドは、標的細胞の細胞表面/組織タイプ上の対応するリガンド受容体の存在に基づいて選択される。もし、受容体結合およびDNA−蛋白質複合体の内部化が起こる場合に所望のものが標的組織に向けられれば、これらのリガンド−DNAコンジュゲートは直接的に血液に注入することができる。DNAの細胞内破壊の問題を克服するにはアデノウイルスとの共感染を含めてエンドソーム機能を破壊することができる。
治療は以下のとおりである:KCNQ2またはKCNQ3罹患性対立遺伝子を担う患者を、それらの脳前駆体細胞のいくらかまたはすべてが、各々、機能的正常KCNQ2またはKCNQ3対立遺伝子の少なくとも1つの更なるコピーに到達するように遺伝子送達ビイクルで処理する。この工程において処理された個体は、罹患性対立遺伝子の効果が正常対立遺伝子の存在によって逆行される程度まで、BFNC、ローランド癲癇および/またはJMEの危険性が低下している。
使用の方法:ペプチド治療
KCNQ2またはKCNQ3活性を有するペプチドは、各々、突然変異体またはミシングKCNQ2またはKCNQ3対立遺伝子を担う細胞に供給することができる。蛋白質は、例えば、公知の発現ベクターを用い、細菌中でのcDNA配列の発現によって生産することができる。別法として、KCNQ2またはKCNQ3ポリペプチドはKCNQ2−またはKCNQ3−生産哺乳動物細胞から抽出することができる。加えて、合成化学の技術を使用してKCNQ2またはKCNQ3蛋白質を合成することができる。かかる技術のいずれも、KCNQ2またはKCNQ3蛋白質を含む本発明の調製物を提供することができる。該調製物は、他のヒト蛋白質が実質的にない。これは微生物中においてまたはイン・ビトロにおいてかなり容易に達成される。
活性なKCNQ2またはKCNQ3分子はマイクロインジェクションによって、あるいはリポソームの使用によって細胞に導入することができる。別法として、いくつかの活性な分子は細胞によって能動的にあるいは拡散によって摂取することができる。KCNQ2またはKCNQ3活性を持つ分子の供給は、BFNC、ローランド癲癇および/またはJMEの部分的逆行に至るはずである。KCNQ2またはKCNQ3活性を持つ他の分子(例えば、ペプチド、薬物または有機化合物)を用いて、かかる逆行を行うこともできる。実質的に同様の機能を有する修飾されたポリペプチドをペプチド治療で用いることもできる。
使用の方法:形質転換された宿主
治療剤をテストするための動物は全動物の突然変異誘発後にまたは生殖系細胞もしくは接合体の処理の後に選択することができる。かかる処理は、通常は、第2の動物種からの突然変異体KCNQ2および/またはKCNQ3対立遺伝子の挿入、ならびに破壊された相同遺伝子の挿入を含む。別法として、動物の内因性KCNQ2またはKCNQ3遺伝子は、通常の技術を用いる挿入もしくは欠失突然変異または他の遺伝子変化によって破壊することができる(Capecchi、1989;ValanciusおよびSmithies、1991:Hastyら、1991;Shinkaiら、1992;Mombaertsら、1992;Philpottら、1992;Snouwaertら、1992;Donehowerら、1992)。テスト物質を動物に投与した後、BFNC、ローランド癲癇またはJMEの存在を評価しなければならない。もし、テスト物質がBFNC、ローランド癲癇またはJMEの出現を予防しまたは抑制するならば、テスト物質はBFNC、ローランド癲癇またはJMEの治療用の候補治療剤であろう。これらの動物モデルは潜在的治療産物のための極端に重要なテストビイクルを提供する。
KCNQ2およびKCNQ3遺伝子突然変異とBFNC、ローランド癲癇およびJMEとの間の関連の同定は、個体の初期プレ症状スクリーニングが、BFNC、ローランド癲癇またはJMEを発生する危険のあるものを同定することを可能とする。かかる個体を同定するには、KCNQ2および/またはKCNQ3対立遺伝子を、直接的にまたは対立遺伝子をクローン化した後に突然変異につきスクリーニングする。限定されるものではないが以下の方法:蛍光イン・サイチュハイブリダイゼーション(FISH)、直接的DNA配列決定、PFGE分析、サザンブロット分析、一本鎖立体配座解析(SSCP)、連鎖分析、RNase保護アッセイ、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド(ASO)、ドットブロット分析およびPCR−SSCP分析を含めたいずれかの適当な技術を用い、正常対立遺伝子からの核酸配列差異の存在につき対立遺伝子をテストする。また、最近開発されたDNAマイクロチップ技術も有用である。例えば、(1)クローン化対立遺伝子および正常KCNQ2またはKCNQ3遺伝子または適当な断片双方のヌクレオチド配列(コーディング配列またはゲノム配列)を決定し、ついで比較し、あるいは(2)KCNQ2またはKCNQ3遺伝子または遺伝子断片の転写体を、テストすべき個体からの一本鎖全ゲノムDNAにハイブリダイズさせ、得られたヘテロデュプレックスをRibonuclease A(RNase A)で処理し、変性ゲル上で泳動させていずれのミスマッチの位置も検出する。これらの方法のうち2つは以下の手法に準じて行うことができる。
テストすべき個体中のKCNQ2またはKCNQ3遺伝子の対立遺伝子は通常の技術を用いてクローン化される。たとえば、血液試料は個体から得られる。この試料中の細胞から単離されたゲノムDNAはほぼ20kbの平均断片サイズまで部分的に消化される。18−21kbの範囲の断片を単離する。得られた断片を適当なベクターに連結する。ついで、クローンの配列を決定し、正常KCNQ2またはKCNQ3遺伝子と比較する。
あるいは、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)をKCNQ2またはKCNQ3遺伝子の5−領域またはエキソン用のプライマー対で行う。また、PCRは正常KCNQ2またはKCNQ3遺伝子のいずれかの配列に基づいたプライマー対で行うこともできる。例えば、イントロンの1つについてのプライマー対を調製し、利用することができる。最後に、RT−PCRをmRNAで行うこともできる。次いで、いずれかの差異を同定するための通常の技術を用いる一本鎖立体配座多形(SSCP)によって増幅された産物を分析し、ついで、これらを配列決定し、正常遺伝子配列と比較する。
例えば、対立遺伝子−特異的オリゴヌクレオチドプローブを用いるドットブロットハイブリダイゼーションによって、適当なプローブ対を用い、個体のDNAを増幅し、増幅された産物を分析することによって、共通のKCNQ2またはKCNQ3遺伝子変異体につき個体を迅速にスクリーニングすることができる。
第2の方法は、正常KCNQ2またはKCNQ3遺伝子と欠陥遺伝子との間の差異の検出を助けるためにRNase Aを使用する。この比較は、プローブとしてKCNQ2またはKCNQ3遺伝子の小(〜500bp)制限断片を用いる工程で行われる。まず、遺伝子配列をほぼ500bpの断片に切断する制限酵素でKCNQ2またはKCNQ3遺伝子を消化する。これらの断片を電気泳動ゲル上で分離し、該ゲルから精製し、両方の向きにおいて、SP6ベクター(例えば、pSP64またはpSP65)で個々にクローン化する。KCNQ2またはKCNQ3遺伝子断片のインサートを含有するSP6−ベースのプラスミドを、[α−32P]GTPの存在下で、当該分野でよく知られたSP6転写系を用いてイン・ビトロで転写し、該遺伝子の両鎖の放射性標識RNA転写体を生じさせる。
個々には、これらのRNA転写体を用いて、通常の技術を用い対立遺伝子DNAを持つヘテロデュプレックスを形成させる。KCNQ2またはKCNQ3断片と個体からのKCNQ2またはKCNQ3対立遺伝子サブクローンとの間の配列の差のため、RNA:DNAヘテロデュプレックスで起こるミスマッチの結果、RNase A処理した場合にRNAストランドにおいて切断が起こる。かかるミスマッチは個体の対立遺伝子における点突然変異または小さな欠失の結果であり得る。RNAストランドの切断は2以上の小さなRNA断片を生じ、これは変性ゲル上でRNAプローブそれ自体よりも速く泳動する。
見出されるいずれの差異も、KCNQ2またはKCNQ3遺伝子の分子変異体およびその結果としてのBFNC、ローランド癲癇またはJMEの存在を有するものとして個体を同定するであろう。最もひどい形態は、遺伝子が異常蛋白質をコードするようにするフレームシフト突然変異または大きな欠失、あるいは蛋白質を発現をかなり変化させるものであろう。よりひどくない破壊的突然変異は、小さなインフレーム欠失および非保存的塩基対置換を含み、これは、システイン残基へのまたはシステイン残基からの変化、塩基性から酸性アミノ酸への変化、またはその逆、疎水性アミノ酸から親水性アミノ酸への変化またはその逆、あるいは2次または3次の蛋白質構造に影響するであろう他の突然変異のような、生産された蛋白質に対して有意な効果を有するであろう。サイレント突然変異または保存的アミノ酸置換の結果となるものは、一般的に、蛋白質機能を破壊するとは予測されない。
遺伝子テストは実行者が誕生時または誕生時前においてさえ、BFNC、ローランド癲癇またはJMEの危険のある個体を同定するのを可能とするであろう。これらの癲癇の前徴候診断はこれらの障害の予防を可能とするであろう。最後に、本発明はBFNC、ローランド癲癇およびJMEの原因および治療の我々の理解を変化させる。例えば、カリウムチャンネルオープニング剤はKCNQ2またはKCNQ3突然変異を持つ患者において発作の危険性を減少させるであろう。
医薬組成物および投与経路
本発明のKCNQ2およびKCNQ3ポリペプチド、抗体、ペプチドおよび核酸は医薬組成物に処方することができ、これは通常の医薬調合技術に従って調製される。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences,第18版(1990、Mack Publishing Company、Easton、Pensilvenia州)参照。該組成物は活性剤または活性剤の医薬上許容される塩を含有することができる。これらの組成物は活性物質の1つに加えて、医薬上許容される賦形剤担体、緩衝剤、安定化剤、または当該分野でよく知られた他の物質を含有することができる。かかる物質は非毒性であるべきで、有効成分の効率に干渉すべきではない。投与(例えば、静脈内投与経口投与、鞘内投与、神経弓上投与または非経口投与)で望まれる調製物の形態に依存して、該担体は種々の形態を取ることができる。
経口投与では、化合物はカプセル剤、丸剤、錠剤、ロゼンジ、メルト、粉末、懸濁物またはエマルジョンのごとき固体もしくは液体調製物に処方することができる。経口投与形態において組成物を調製するには、(例えば、懸濁物、エリキシル剤および溶液のごとき)経口固体調製物の場合には、水、グリコール、油、アルコール、フレーブ剤、防腐剤、着色剤、懸濁化剤;(たとえば粉末、カプセル剤、および錠剤のごとき)経口固体調製物の場合には、デンプン、糖、希釈剤、顆粒化剤、滑沢剤、バインダー、崩壊剤のごとき通常の医薬媒体のいずれかを使用することができる。錠剤およびカプセル剤は、最も有利な経口投与ユニットを表し、この場合には固体医薬単体が明らかに使用される。所望ならば、錠剤は標準的な技術によって糖で被覆し、または腸溶被覆することができる。活性剤は、同時に脳血液関門を横切って通過するのを可能としつつ、胃腸管を通ってそれが安定に通過するようにカプセル化することができる。例えば、WO96/11698参照。
非経口投与では、化合物を医薬上許容される担体に溶解させ、溶液または懸濁物いずれかとして投与する。適当な担体の例は、水、生理食塩水、デキストローズ溶液、フラクトース溶液、エタノール、または動物、植物もしくは合成起源の油である。担体は他の成分、たとえば、防腐剤、懸濁化剤、安定化剤、緩衝剤等を含有することもできる。化合物を鞘内投与すべき場合には、それは脳脊髄液に溶解させることもできる。
活性剤は、好ましくは、治療上有効量で投与される。現実の投与量および投与の速度および期間は、治療されるべき疾患の性質および重症度に依存するであろう。治療の方法、例えば投与量の決定、タイミング等は一般的な実行者またはスペシャリストの責任範囲内にあり、典型的には、治療すべき障害、個々の患者の疾患、送達の部位、投与の部位および実行者に知られている他の因子を考慮する。技術およびプロトコルの例は、Remington's Pharmaceutical Sciencesに見出すことができる。
別法として、標的化療法を用いて、抗体または細胞特異的リガンドのごとき標的化系の使用によって、活性剤をより特異的にあるタイプの細胞に送達することができる。例えば、もし該剤が許容されないように毒性であれば、あるいはもしそれがあまりにも高い用量を要するならば、あるいはもしそれが標的細胞に侵入することができないならば、標的化は種々の理由で望ましいであろう。
これらの剤を直接的に投与する代わりに、それらを標的細胞中にて例えば、前記したごときウイルスベクター中においてまたは、患者中のインプランテーションに設計された米国特許第5550050号および公開されたPCT出願番号WO92/19195、WO94/25503、WO95/01203、WO95/05452、WO96/02286、WO96/02646、WO96/40871、WO96/40959、WO97/12635に記載されているごとき細胞ベースの送達系にて生産することができる。ベクターを治療すべき特異的細胞に標的化することができるか、あるいはそれは標的細胞に特異的な組織である調節エレメントを含有することができる。細胞ベースの送達系は、所望の標的部位において患者の身体に移植するように設計され、活性剤についてのコーディング配列を含有する。あるいは、該剤は処理すべき細胞中で生産された、あるいは該細胞に標的化された活性化剤によって、活性化形態に変換される前駆体にて投与することができる。たとえば、EP425731AおよびWO90/07936参照。
本発明を以下の実施例でさらに詳細に記載するが、これは例示として供するものであって、断じて本発明を限定する意図のものではない。当該分野でよく知られている標準的な技術または、後記にて記載する技術を用いる。
実施例1
サザンブロット分析
5μgのゲノミックDNAをTaq1で切断し、ナイロン膜に移した。フィルターを、ランダム・プライミング(random priming,Stratagene社製)によって標識したD20S24プラスミド・プローブと、PEG hyb(7%のPEG、10%のSDS、50mMのリン酸ナトリウムおよび200μg/mlの全ヒトDNA)中、65℃にて一晩ハイブリダイズさせた。フィルターを2×SSC、室温にて0.1%のSDSで2回、つづいて0.5×SSC、65℃にて0.1%のSDSで1回洗浄した。
実施例2
蛍光イン・サイチュ・ハイブリダイゼーション
形質転換リンパ球からの染色体は、30分間のエチジウムブロマイド処理につづくコルセミド中の3時間の処理を用いて調製した。ついで、細胞をペレット化し、低浸透圧溶液(0.75MのKCl)中に20分間再懸濁させ、つづいて4ないし5滴の新たな固定液(3:1のメタノール:酢酸)を滴下した。再度、細胞をペレット化し、ついで注意深くボルテックス攪拌させて固定液中に再懸濁させた。固定液中で3回洗浄した後に、中期細胞(metaphases)を4℃にて保存した。400ngのプローブをビオチンで標識し、標準的なハイブリダイゼーション手法を用いて中期スプレッド細胞(metaphase spreads)のスライドにハイブリダイズさせた。ついで、プローブをアビジン−FITC(Vector社製)で蛍光標識し、ビオチン−標識抗−アビジン、つづいてアビジン−FITCを用いてシグナルを強めた。ついで、染色体をDAPIを用いて対抗染色(counterstain)し、FITC、DAPIおよび三重バンドパス・フィルターのセットを備えたZeiss Axioplan蛍光顕微鏡を用いて視覚化した。Applied Imaging社(Pittburg, PA)製ソフトウェア、プロベビジョン(Probevision)を用いてコンピュータによってイメージをキャプチャーし、Kodak XL 7700カラーイメージプリンター上に写真を印刷した。
実施例3
KCNQ2の位置決定
大きな血縁における連鎖解析により、BFNCの原因となる遺伝子が、マーカーD20S20およびD20S19に近い染色体20q13.3(Leppertら、1989)にマッピングされることが示された。最初の報告の後に、2のセンターが、EBN1(1型良性新生児癲癇)遺伝子座と呼ばれる第20染色体上の同じ2の遺伝マーカーに対するBFNCの連鎖を確認した(Rayanら、1991;Malafosseら、1992)。より遠位のマーカーD20S24は、第20染色体連鎖家族においてBFNC表現型と完全な共分離を示した。BFNC遺伝子座に対する遠位のフランキング・マーカーを発見することは成功しなかった。恐らくは、それがテロメアに近接しているためである。このテロメア領域は、物理的遠位と比較した場合にマーカー間の高い組換え頻度によって特徴付けられる(Steinleinら、1992)。事実、Steinleinらは、3つのマーカーD20S19、D20S20およびD20S24が同一の450MbのMluI制限フラグメント上に含まれることを示している(Steinleinら、1992)。
第2の染色体遺伝子座、EBN2もBFNCに対して同定されている。Lewisら(1993)は、BFNCに影響された単一のヒスパニック系家族において、染色体8q24上のマーカーに対する連鎖を示している。この第2の遺伝子座に関する事実は、カフカス人血縁においても報告された(Steinleinら、1995)。本実験におけるすべての家族は、3.0よりも大きなLOD得点で染色体20qマーカーに対する連鎖を示すか、またはBFNCと一致する臨床的症状発現を有する発端者を有していた(Leppertら、1993)。BFNCの原因となる遺伝子を発見するために、我々は単一家族における準顕微的欠失を有するBFNC領域を狭め、この欠失中に候補cDNAを同定し、ついで他のBFNC家族における突然変異を探索した。
小さな欠失に関する事実は、3つの対立遺伝子、RELPマーカー、D20S24での遺伝子型決定知見から最初に生じた。1の家族、血縁1547の分析により、無効対立遺伝子がBFNCを有する個人およびVNTRマーカーD20S20およびD20S19で浸透されていないことが以前に示されている2の個人において広範に発生していることが明らかになった(図1)。この家族にBFNC表現型と共分離する欠失が存在することは、プローブとしてD20S24プラスミドおよびこのマーカーを含む2のゲノミックP1クローンを用いた血縁1547個人のセルラインにおける蛍光イン・サイチュ・ハイブリダイゼーション(FISH)によって確認した。
欠失の存在を確認するために、2の重複するゲノミックP1クローン、P1−KO9−6bおよびP1−KO9−7(各々ほぼ80kbのサイズであって、各々D20S24マーカーを含む)を得、これらを血縁1547のBFNCに影響された個人のセルラインにハイブリダイズさせた。中期スプレッド細胞の染色体がP1−KO9−7およびP1−KO9−6bとハイブリダイズする場合には、双方の第20染色体相同物が2の姉妹染色分体にシグナルを与える。しかしながら、12kbのプローブD20S24のみがハイブリダイズした場合には、1の染色体相同物からのシグナルのみが検査した中期スプレッド細胞の75%において認められた。残りの少ない方の細胞は12kbのD20S24プローブに対するハイブリダイゼーションを全く示さなかった(図2)。D20S24マーカーを含むプラスミドは、J. Weissenbachからの寄贈物であった。
影響された個人における1の染色体において12kbのD20S24プローブが欠失していた一方で、80kbのサイズで、共にほぼ130kbに広がる重複するP1クローンが陽性のFISHシグナルを示し、これは欠失が130kbよりも小さいことを示している(図2)。
実施例4
KCNQ2クローンの単離および特徴付け
実施例3におけるものと同一のプローブを用いて、胎児脳cDNAライブラリーをスクリーニングすることによって欠失の領域中のcDNAを同定した。単離したcDNAのうちの3は、KCNQ1、長時間QT症候群(Long QT syndrome)およびジャーヴィル・ランゲ・ニールセン心臓音響症候群(Jervell and Lange-Nielsen cardiocauditory syndrome)の原因となる第11染色体のカリウムチャンネル遺伝子に対して有意なホモロジーを示した(Wangら、1996;Altschulら、1990;Neyroudら、1997)。
胎児脳cDNAライブラリー(Stratagene社製)(106クローン)を、P1−KO9−6bおよびP1−KO9−7からのインサートならびにプラスミドD20S24で釣上げた。ハイブリダイゼーションは5×SCC、10×デンハーツ液、0.1Mのリン酸ナトリウム(pH6.7)、100μg/mlのサケ精子DNA、0.1%のSDSおよび50%のホルムアミド中で行った。ブロットは2×SSC、0.1×SDS中、室温にて2回、つづいて0.5×SSC、0.1%のSDS中、42℃にて1回洗浄した。
D20S24を用いて単離した単一のcDNA、cIPKは、KCNQ1のアミノ酸511−562と75%のホモロジーを示し;プローブP1−KO9−6bを用いた胎児脳cDNAライブラリーの2回目の釣上げにより、2のさらなるcDNA、c6b−6およびc6b−12を単離し、これらは、各々KCNQ1のアミノ酸398−406および354−378と有意なホモロジーを示した(Altschulら、1990;Wangら、1996;Neyroudら、1997)。
OMIM遺伝子座名の後にKVEBN1(現在はKCNQ2)と命名されたこのBFNC遺伝子をコードするさらなる配列は、胎児および成人の脳組織および側頭皮質cDNAライブラリーから単離した他のcDNAクローンからのアダプター−連結二本鎖cDNAを用いたRACE実験から得た。
完全長の遺伝子を同定するために、5’および3’RACEを、c6b−6およびcIPK内のプライマーを用い、cIPKを挟む配列を用いた側頭皮質cDNAライブラリー(Stratagene社製)をスクリーニングして、アダプター−連結胎児および成人脳cDNA(Clonetech社製)に対して行った。非プロセシングcDNAをcDNAライブラリーおよびRACE実験から繰返して単離した。脳から単離した最長の転写物は1455ヌクレオチド長であって、5’RACEを用いて得られ、S1ドメイン(アミノ酸100)から3’保存C−末端ドメイン(アミノ酸585)まで伸長していた。
KCNQ2遺伝子の872アミノ酸をコードする複合クローンを単離した(図3)。KCNQ2についてのcDNA配列を配列番号:1に示し、KCNQ2についてのアミノ酸配列を配列番号:2に示す。推定イニシエーターであるメチオニンは、コザックのコンセンサス配列(Kozak,1987)と同様の領域内に存在していた。KCNQ2は、K+イオンチャネル遺伝子の顕著な特徴である高度に保存された6個の貫膜モチーフならびにポア領域をコードしていた。S2、S3およびS4貫膜領域も、Shaker、Shab、ShawおよびShalを含むK+チャンネル・サブファミリーのすべてのメンバーに見出される電荷アミノ酸を含んでいた。KCNQ2配列を用いたGenbankの検索により、HNSPC(受託番号D82346)、ヒト神経芽腫セルラインから単離された393アミノ酸の推定カリウムチャンネルのcDNA(Yokoyamaら、1996)と同一のヌクレオチド配列が示された。しかしながら、停止コドンを含むHNSPCの最後の21アミノ酸は、KCNQ2ではイントロン性である配列によってコードされていた。ヒト発現配列タグのデータベース(dbest)の検索により、KCNQ2の一部分をコードする7の異なるクローンが示された。Weiらは、シイ・エレガンス(C.elegans)からの遺伝子、nKQT1を同定し、それがKCNQ2の相同物のようであることを発表している(Weiら、1996)。このグループは、nKQT1のヒトEST相同物であるhKQT2も記載しており、これはKCNQ2の部分クローンである(Weiら、1996)。6の貫膜ドメインおよびポアに加えて、貫膜ドメインS1の5’側の小領域もKCNQ2、KCNQ3、KCNQ1およびnKQT1の間で保存されていた。他のK+チャンネル・サブファミリーとは異なり、C−末端ドメインは、KCNQ2、KCNQ3、nKQT1およびKCNQ1について図3に示す高度に保存された残基を含むようである。KCNQ2についてのポリAテイルは現在まで同定されていない。
実施例5
ノザンブロット分析
KCNQ2のcDNAは脳から作製したノザンブロット上のほぼ1.5、3.8および9.5kbのサイズの転写物にハイブリサイズした。胎児および成人の脳の多重組織ノザン(Multiple Tissue Notherns,Clontech社製)を、KCNQ2の貫膜ドメインS1ないしS6を含有するRACE生成物で釣上げた。1.5および9.5kbの転写物は、成人および胎児の脳の双方で発現しているようであった。3.8kbの転写物は、成人の脳の選択した領域、詳細には側頭葉および被殻において発現していた。
実施例6
KCNQ2の突然変異分析
KCNQ2の突然変異分析は、我々の12の各BFNC家族からの1の影響された個人に対して行った。S1ないしS6のコード領域およびKCNQ2の3’末端の保存領域を、イントロン内のプライマーを用いるPCRによって増幅させ、4℃にて流す20%のTBEゲルを用いたSSCP(Novex社製)によって分析した。エキソン−イントロン境界は、ゲノミックP1クローンに対するエキソン−エキソンPCRによって得た生成物を配列決定することによってか、あるいは非プロセシング化転写物を含むRACE生成物から直接同定した。SSCP上で見られた変異型を示すPCR産物をクローン化し配列決定するか、あるいはM13リバース・プライマーおよびM13ユニバーサル−テイル・プライマーを用いて再増幅させ、色素−プライマー化学を用いてABI373または377上で直接配列決定した。
血縁1547における実質的欠失に加えて、5の他のBFNC家族においても突然変異が同定された。突然変異分析は、まずSSCP変異型について発端者をスクリーニングし、ついで各個人のDNAを配列決定して分子変異型の塩基を決定することによって行った。同定された突然変異には2のミスセンス突然変異、2のフレームシフト突然変異および1のスプライシング部位突然変異が含まれていた(表2)。後の分析では、KCNQ2中に突然変異を有する4のさらなるBFNC家族が見出された。これらには、2のナンセンス突然変異(家族K1525およびK4443)、正常な停止コドンを越えるリードスルーを起こすフレームシフトを生じる挿入(K3963)、およびミスセンス突然変異(K4516)が含まれていた。これらの後者の4の突然変異を表2に掲載する。
スプライシング部位変異型は、アミノ酸残基544をコードする2のエキソン間に生じるイントロン中に発生していた。第1のエキソンはコドン544の開始にTGを含み、続くエキソンはコドン544の最後のTを含んでいた。(下部の事例の文字で示す)イントロンの3’末端に存在し、コドン544およびコドン545−546をコードする(上部の事例の文字で示す)エキソン領域に続く配列は:5'−tgcagTGTCATG−3'(配列番号:5)である。配列番号:5のポジション5の“g”は、血縁K3933においては“a”に突然変異していた。
同定された最初の6家族において見られた突然変異は、すべて、我々の70の無関係で、影響されていない個人のパネルのSSCP分析においては見られなかった。さらに、突然変異が同定されたすべてのBNFC家族においては、突然変異は疾患状況と完全に分離することが示された。血縁3933におけるスプライシング部位突然変異の場合においては、発端者のみをサンプリングした。この分離の例を、血縁1504において同定された2塩基対挿入について図4に示すが;該血縁のすべての11の影響されたメンバーはSSCP変異型を有し、すべての7の影響されていない個人は野生型SSCPバンドを有していた。
Figure 0005328603
KCNQ2突然変異を有することがより最近見出された4の家族(K1525、K3963、K4443およびK4516)のうちの3(K1525、K4443およびK4516)が直接配列決定を介して見出され、他の影響されたメンバーが実験に利用可能であった場合の家族においては突然変異が共分離していた。K3963における突然変異はSSCPスクリーニングを介して見出され、この突然変異は70の正常、すなわち非BFNC個人のパネルにおいては検出されなかった。この突然変異は、家族K3963における影響された個人と共分離することが見出された。野生型遺伝子には、配列番号:1の塩基2727−2736の2セットのGGGCCが含まれていた。K3963において見出された配列は、この領域へのGGGCCの挿入の結果として、3セットのGGGCCが存在した。これにより、最初の870アミノ酸の野生型につづくさらなる60アミノ酸の新たな配列(野生型のアミノ酸残基871および872は該60のさらなるアミノ酸残基の最初の2残基によって置換されている)をコードする遺伝子となった。5塩基の挿入を含む遺伝子を配列番号:95に示し、この突然変異遺伝子によってコードされるタンパク質を配列番号:96に示す。
家族K4443は6のBFNCに影響された個人を有し、これらの個人のうちの2は加えて小児期の後期に発作を有し、これは中側頭葉スパイク(centrotemporal spike)を有する良性癲癇(BERS)、またはローランド癲癇として分類される。この家族における2の影響された個人のDNAを調べた。BFNCのみを発現する影響された個人のうちの1ならびに、新生児発作後の小児期後期に発症する、BNFCおよびBERSまたはローランド癲癇の双方を有する1の個人において、Q323終止突然変異が見出された。この知見は、ローランド癲癇の原因となっている第20染色体上のKCNQ2遺伝子を直接的に意味している。ローランド癲癇またはBERSは通常の小児癲癇であり、全就学年齢癲癇の25%を占め得る。これは、低い浸透度を有する常染色体優性として遺伝する遺伝疾患である。幾つかの遺伝子がローランド表現型を引起こし得るという可能性はあるが、この知見は、少なくとも幾つかのローランド癲癇が、潜在的に重要な知見であるKCNQ2中の欠陥によって発症されるであろうことを強く示唆している。
KCNQ2遺伝子中に、2の中間多型が同定された。1の多型はS6貫膜ドメインのコドン304(TTCからTTT)に存在し、各々異型接合である71のコントロールのうちの10において見られた(7.0%の対立遺伝子頻度)。第2の多型は3'領域中のコドン573(GCCからGCT)に存在し、異型接合としての87のコントロール個人のうちの1において認められた(0.57%の対立遺伝子頻度)。
KCNQ2の保存された3'領域中のスプライシング部位突然変異および2のフレームシフト突然変異(1はポア領域に存在し、1は高度に保存された3'領域の前に存在する)が変質タンパク質生成物に通じることが予想される。283insGTポア突然変異の場合においては、予想停止コドンは36アミノ酸下流に見出され、522del13 3'突然変異の場合においては、予想停止コドンは2アミノ酸下流に見出された。また、2塩基対の挿入突然変異、283insGTも、完全に変質したS6貫膜ドメインに通じるであろう。血縁1547欠失の終止点は決定されていないが、RFLPマーカー遺伝子座、D20S24を含む12kbプラスミドがKCNQ2遺伝子の高度に保存された3'領域からの80コドン(KCNQ2の残基509から588)の配列を含むことが知られており、これは、血縁1547の影響された個人においては該遺伝子の少なくともこの部分が欠失していることを示している。家族K3904およびK1705における2のミスセンス突然変異は、鍵となる機能ドメイン、ポアおよびS6ドメイン中のアミノ酸残基を変化させる。
現在までに、10のユニークな突然変異がKCNQ2中に同定されている。血縁3369のアミノ酸522における13塩基対欠失によって定義される突然変異は、典型的なBFNC家族と比較した場合に、この家族内の報告されている臨床的な発症年齢により大きな変動が存在する点において興味深い。血縁3369においては、3の個人が生後の最初の2週間以内の発作の発症を有する一方、3の個人が3、4および5月齢の発作の最初の発症を有していた。
BFNC血縁1705中の突然変異は、S6貫膜セグメント中のアラニンからスレオニンへの置換である。このアラニン残基は、現在までに同定されているカリウムチャンネルのShaker、Shab、ShawおよびShalサブファミリーのすべてのメンバーにおいて保存されている(Lopezら、1994;Nakamuraら、1997;Tytgat、1994)。KCNQ2イオンチャンネル遺伝子が最も密接に関係するKCNQ1遺伝子も、このポジションにアラニンを含んでいた。6の無関係LQT1家族においては、疾病を引起こす突然変異はこの同一ポジションで起こっており、アラニンがバリンに変化していた(Wangら、1996;Russellら、1996)。このS6貫膜ドメインはShakerサブタイプにおけるK+イオン透過性に関与することが示されており(Lopezら、1994)、KCNQ2においても同様な機能を供し得る。13bpの欠失、スプライシング部位突然変異、ミスセンス突然変異、ナンセンス突然変異および挿入がすべて分離BFNC家族に癲癇性表現型を起こすため、C−末端領域は遺伝子機能について重要であるようである(表2および図3を参照されたし)。興味深いことには、この同一の領域は、LQTのジャーヴィル・ランゲ・ニールセン劣性形態および関連する難聴を有する個人においてKCNQ1中に欠失−挿入突然変異を有することが知られている(Neyroudら、1997)。C−末端領域中の疾病を引起こす突然変異は、より短いHNSPCクローンよりもKCNQ2遺伝子によってコードされる機能性タンパク質をさらに主張している。
同一の構造クラスに属するK+イオンチャンネルのポア領域は、突然変異分析によって広範に特徴付けられている。血縁1504において認められた2塩基対挿入は、普遍的に保存されているGYGモチーフの直後に生じていた。ここにおける挿入は、機能に非常に重要であると考えられるポアの長さ(Nakamuraら、1997;Tytgat、1994)を変化させるばかりでなく、ポアの特徴配列も変質させ、切頭タンパク質を生成する。
BFNCの第20染色体形態に連鎖している家族の幼児においては、EEG記録は脳全体にわたる活性の初期抑制につづくスパイクおよび遅い波の全身化された放電を示した(Ronenら、1993;Plouin、1994;HauserおよびKurland、1975)。したがって、KCNQ2遺伝子が成人の複数の脳領域において発現されているということが見出されたことは驚くべきことではない。皮質領域、ならびに視床および尾状核のごとき皮質下領域には、複数のサイズのKCNQ2転写物が含まれていた(データは示さず)。この発現パターンは、新生児においても同一である可能性がある。
KCNQ1およびシイ・エレガンスのnKQT1遺伝子に対するKCNQ2の接近したホモロジー(アミノ酸の60%同一性および70%類似性)、ならびにShaker、Shab、ShawおよびShalサブファミリーに対するこれらのチャンネルの低いホモロジーは、それらが、KQT−様と呼ばれるK+イオンチャンネルのユニークなファミリー(Weiら、1996)に属することを意味している。脳において発現されていることがここに知られた新たなK+イオンチャンネルは、この遺伝子ファミリーのさらなる発見されていないメンバーが他の形態の強直性−ミオクローヌス痙攣を伴う突発性の全身性化癲癇の原因となり得るのかという疑問を生じさせる。進展の早期に見られる同様の突発性発作疾患は、良性家族性新生児痙攣(BFIC)である。BFICにおいては、発作は4〜8月齢に始り、数年後に緩解する。BFICは5のイタリア人家族において染色体19qにマッピングされている(Guipponiら、1997)。K+イオンチャンネルのKQT−様ファミリーの未だ同定されていないメンバーにおける突然変異によってか、またはminK−様タンパク質によっても、BFICが引起こされると仮定することは妥当である。
実施例7
体細胞ハイブリッド・パネル遺伝子型決定
非常に相同性の高い貫膜タンパク質ドメイン中のKCNQ2とKCNQ3との間のイントロン−エキソン境界の推定保存を利用して、利用可能なEST配列からイントロンを横切るプライマー対(プライマーA:5’−TTCCTGATTGTCCTGGGGTGCT−3’(配列番号:8)、プライマーB:5'−TTCATCTTTGGAGCCGAGTTTGC−3’(配列番号:9))を設計した。増幅させたフラグメントはヒト(1.8kb)中ならびにげっ歯類(800bp)ゲノミックDNA中のイントロンを含む。このプライマーを用いて、コリエル(Coriell)パネルを増幅させた。反応は、1.5mMのMgCl2緩衝液中の50ngの鋳型DNAおよび1単位のTaq DNAポリメラーゼ(Perkin Elmer社製)、10pmolの各プライマー、3nmolの各デオキシリボヌクレオチドを用いて25μL容積で行った。サイクル条件は94℃にて4分間、ついで:94℃にて30秒間の変性、58℃にて30秒間のアニーリングおよび72℃にて1.5分間の伸長の30サイクルにつづく72℃にて10分間の最終伸長であった。PCR産物は1.5%アガロースゲル中で電気泳動した。
実施例8
第8染色体放射ハイブリッドパネル
HSA8放射ハイブリッドパネル(Lewisら、1995)を、特異的ヒト・イントロン性プライマー(プライマーD:5’−TCCATGTGGTACTCCATGTCTGAA−3’(配列番号:10)、プライマーE:5’−GCACGTCACATTGGGGATGTCAT−3’(配列番号:11))を用いて遺伝子型決定した。PCR産物の長さは190bpであった。反応は、1.5mMのMgCl2緩衝液中の100ngの鋳型DNAおよび1単位のTaqポリメラーゼ(Perkin Elmer社製)、10pmolの各プライマー、3nmolの各デオキシリボヌクレオチドを用いて25μL容積で行った。サイクル条件は、94℃にて4分間、ついで:94℃にて30秒間の変性、62℃にて30秒間のアニーリングおよび72℃にて30秒間の伸長の30サイクルにつづく72℃にて10分間の最終伸長であった。PCR産物は2%アガロースゲル中で電気泳動した。遺伝子型決定データは、RHMAP V2.01プログラム(Boehnkeら、1991)によって解析した。
実施例9
完全長cDNA
完全長KCNQ3 cDNAを同定するために、利用可能なEST配列からのプライマーを用いてアダプター−連結胎児および成人脳cDNA(Clontech社製)上で5'および3'RACEを行った。RACE実験に用いたプライマーを表3に掲載する。PCR産物をサブクローン化(T/A cloningR Kit,Invitrogen社製)し、双方の鎖をABI377機器上で配列決定した。
実施例10
ゲノム系統化/イントロン−エキソン境界
BACゲノミックライブラリーを(コリエル・パネルについて記載したごとく)PCRによってスクリーニングし、3の重複するゲノミック・クローンを単離した。ゲノミック・ヒトDNAおよび/またはKCNQ3遺伝子を含むBACゲノミック・クローンに対するエキソン−エキソンPCRによって得た生成物をクローニング(T/A cloningR Kit,Invitrogen社製)し、配列決定(ABI377)することによって、イントロン/エキソン境界を同定した。
Figure 0005328603
実施例11
SSCP分析ならびに突然変異および多型対立遺伝子の特徴付け
KCNQ3のコード領域の60%を、利用可能な場合にはイントロン内のプライマーを用いるPCRによって増幅させ、Novex ThermoflowTMプロトコール(Novex社製,San Diego,CA)に記載されているごとく4℃にて流す20%TBEゲルを用いるSSCP(Novex社製)によって分析した。SSCP多型を示しているPCR産物をクローン化(T/A cloningR Kit,Invitrogen社製)し、9のクローンを色素−プライマー化学を用いるABI373または377上で配列決定し、SequencherTM3.0プログラムを用いて解析した。
実施例12
KCNQ3遺伝子の特徴付け
KQT−様ファミリーは、電圧ゲートカリウムチャンネルの最近特徴付けされたファミリーである(Weiら、1996)。現在まで、第20染色体BFNC疾患において突然変異した遺伝子である(本開示で記載する)KCNQ2と、ならびに長時間QT症候群およびジャーヴィル・ランゲ・ニールセン心臓音響症候群の原因となる第11染色体遺伝子(Neyroudら、1997)であるKCNQ1とのみがこのファミリーに属することが知られている。おそらくは他のタイプのIGEに含まれるそのファミリーの新たなメンバーを同定するために、tBLASTx(Altschulら、1990)検索を、発現配列タグ(EST)データベースに対してKCNQ2完全長cDNAを用いて開始した。KCNQ2と有意なホモロジーを示した5のヒトESTクローン(クローンID:1−362079、2−222324、3−363215、4−38822、5−45636;Hillierら、未公開データ)を同定した。興味深いことには、これらのクローンは2の異なるcDNAライブラリー:網膜(1−3)および幼児脳(4−5)(Soaresら、1994)から得られ、2の非重複コンティグ(1−3)および(4−5)に系統化することができた。ここに、2のコンティグが同一の遺伝子、KCNQ3に属することが示された。
新たな遺伝子の特徴付けにおける最初の工程は、ESTのゲノム位置決定であった。市販の体細胞ハイブリッドパネル(コリエル・パネル(Drwingaら、1993))を用いて、KCNQ3がHSA8上にマッピングされた。割当てを明確にするために、第8染色体遺伝子座の直線順序およびマーカー間距離を決定するために以前に構築された97の放射ハイブリッドのパネル(Lewisら、1995)を遺伝子型決定した。特異的なヒトイントロン性プライマーを用い、遺伝子座の存在または不存在についてPCRによって各RHを評点付けした。そのデータを、他の第8染色体マーカーにつき収集した結果ついて、RHMAP V2.01を用いて解析した。RHパネル中のKCNQ3についての保持頻度は11.7%であった。KCNQ3遺伝子座の緊密な連鎖は、染色体バンド8q24に以前にマッピングされたマーカーで認められた。最も緊密な連鎖はマーカーD8S558で示された(LOD13.87、0.047 R5000のθ)。得られたRH地図を図5に示す。KCNQ3遺伝子座のポジションは、以前に第8染色体BFNCファミリーに連鎖されたマーカー(Lewisら、1993)によって画定される間隔に位置決定され、これによって、KCNQ3は第8染色体BFNC遺伝子座の非常に強力な位置候補となった。第2のカフカス人家族も、同一のマーカーに対する示唆に富む連鎖を示した(Steinleinら、1995)。
部分的cDNA配列は、一連のcDNA末端の迅速増幅(RACE)実験によって得た。5’および3’RACEは、以前に同定された2のESTコンティグ由来のプライマーを用いて成人および胎児の脳マラソン−レディー(Marathon−Ready)cDNA(Clonetech社製)を増幅させることによって行った。プライマー対を表3に示す。これを用いて、KCNQ3のマウス・ゲノミック相同物を精製した。イントロン/エキソン連結部を含むマウス配列を決定した後に、マウス配列に基づくプライマーを用いてKCNQ3についてのヒトcDNAの残部をクローン化した。ヒト遺伝子の5'末端を増幅させるために用いたプライマーは、CGCGGATCATGGCATTGGAGTTC(配列番号:93)およびAAGCCCCAGAGACTTCTCAGCTC(配列番号:94)であった。完全なKCNQ3のcDNA配列(配列番号:6)は、6の推定貫膜ドメイン、ポア領域、停止コドン、およびポリA+テイルを含む3'非翻訳領域を有する872アミノ酸のタンパク質をコードする(配列番号:7)。このタンパク質は、アミノ酸101から停止コドンまでの領域でKCNQ2と(BLASTを用いて算出して)58%の類似性および46%の同一性を示し、また、KCNQ1(Yangら、1997)ならびにシイ・エレガンス相同物nKQT1(Weiら、1996)とも高度に保存されていた。配列の比較を図3に示す。2のESTコンティグは、各々、KCNQ3のアミノ酸86−265および477−575と同一であった(図3を参照されたし)。
KCNQ3が第8染色体BFNC表現型の原因となる遺伝子であるか否かを試験するために、表現型がよく特徴付けされた3世代のメキシコ人−アメリカ人BFNC家族の1の影響された個人において突然変異を探索した(Ryanら、1991)(図6を参照されたし)。そのファミリーは、(D8S284に近位の)マーカーD8S198および(D8S256に遠位の)D8S274によって広がる間隔内の染色体8q24(Z=4.43)上の多点連鎖解析によってマッピングされている(図5を参照されたし)(Lewisら、1993;Dibら、1996)。この染色体領域がKCNQ3遺伝子座を含むことをここに示す。現在まで、イントロン性プライマーを用いて、6の貫膜ドメインならびにポア領域を含むKCNQ3のコード領域の60%が冷SSCP法によってスクリーニングされている。1のSSCP変異型は、貫膜ドメインS5およびポアの半分を含む187bpのPCRフラグメント中に同定された。このフラグメントを調製するために用いたプライマーは:(配列番号:6のヌクレオチド801−823に相当する)Ret.6a 5'−CATCACGGCCTGGTACATCGGTT−3'(配列番号:18)およびHebn2.3b 5'−AATCTCACAGAATTGGCCTCCAAG−3’(配列番号:19)であった。Ret.6aプライマーはコンティグ領域から得られ、Hebn2.3bプライマーはイントロン性領域から得た。このSSCP変異型はBFNC表現型と完全に共分離するものであって、それは疾患−マーカー・ハプロタイプを運搬している単一の非−浸透個人においても存在する(図6)。さらに、このSSCP変異型は、コントロール群として用いた無関係の個人である72のカフカス人および60のメキシコ人−アメリカ人のパネル(264の染色体)から欠けていた。この変異型のヌクレオチド変化を特徴付けするために、1の影響された個人のPCR産物をクローン化し、9のクローンを双方の鎖に対して配列決定した。4のクローンが野生型対立遺伝子を含んでおり、5のクローンが突然変異対立遺伝子を含んでいた。突然変異は、高度に保存されたポア領域のポジション310における単一のミスセンス突然変異(Gly(GGC)からVal(GTC))であった(当該突然変異は配列番号:6の塩基947で発生している)。加えて、サイレント多型(0.4%の頻度)が、L278の貫膜領域S5において1のメキシコ人−アメリカ人コントロールにおいて見出された(CTT→CTC)(多型は配列番号:6の塩基852に存在する)。KCNQ3中には4の他の多型も見られた。これらは、N220(AACまたはAAT)、Gly244(GGTまたはGGC)、L357(CTGまたはCTC)およびI860(ATTまたはATC)に存在した。これらの多型は、各々、配列番号:6の塩基番号678、750、1089および2598に存在した。
加えて、若年性ミオクローヌス癲癇を有する数人の個人発端者を、SSCPを用いてスクリーニングした。JMEは遺伝性小児発作疾患である。KCNQ3は、試験した1の個人で突然変異していた。突然変異はコドン412を分裂させるイントロン中に存在する択一的にスプライシングされたエキソンで見出された。この択一的にスプライシングされたエキソンは、RACE実験後に成人脳で見出された。このエキソンは配列番号:92である。該エキソンはClontech社から得た成人脳cDNAクローンにおいて見られた。このエキソンは、3の倍数ではない130ヌクレオチド長である。したがって、このエキソンの存在は余分のアミノ酸配列を付加するのみならず、遺伝子の正常なコード領域内の停止コドンとなるフレームシフト(1の余分の塩基)も生じる。JME発端者において見出された突然変異は、択一的にスプライシングされたエキソン中の1塩基対欠失(配列番号:92の塩基118のGの欠損)であり、これは、択一的エキソンから野生型のアミノ酸残基412および413の間にさらなる43アミノ酸残基を有するKCNQ3を生じるフレームに戻るフレームシフトを生じ、したがってJME発端者の脳細胞中のタンパク質を変質させる。この欠失を有する患者は、癲癇を有する母親を有するが、この特定の突然変異は父親からのものであって、母親からのものではない。JMEは一般的な、遺伝性の小児癲癇であって、恐らくはKCNQ3のみならず他の遺伝子中の欠陥によっても引起こされる。
この知見は、3のKQT−様ファミリーのヒトメンバー数(そのうちの2は脳で、1は心臓で発現している)に導いた。3のすべてのK+チャンネル遺伝子における欠陥は、興奮の変化した調節に関連するヒト疾患を引起こした。すべてのこれらの知見を考え合わせると、KCNQ2およびKCNQ3、ならびに同一ファミリーの発見されていない遺伝子または同一経路に属する遺伝子がIGEに含まれているという強い証拠が存在した。これらのKQT−様K+チャンネル遺伝子ならびに異なるファミリーに属する他のK+チャンネル遺伝子を、通常のタイプのIGEを有する個人における突然変異についてスクリーニングすれば、疾病を引起こす遺伝子を同定するための強力な別法となるであろう。これは、IGE疾病血縁において記載されている(Leppertら、1993)困難かつ論争されている仮の連鎖を得るのに特に適法である。
実施例13
KCNQ2またはKCNQ3に対するポリクローナル抗体の生成
KCNQ2またはKCNQ3コード配列のセグメントを、イー・コリ(E.coli)中で融合タンパク質として発現させた。過剰発現させたタンパク質をゲル溶出によって精製し、これを用いて、HarlowおよびLane、1988によって記載されている手法と同様の手法を用いてウサギおよびマウスを免疫化した。この手法は、種々の他のタンパク質に対するAbを生成することが示されている(例えば、Kraemerら、1993を参照されたし)。
要約すると、KCNQ2またはKCNQ3コード配列のストレッチをプラスミドPET5A(Novagen,Inc.社製,Madison,WI)中に融合タンパク質としてクローン化した。IPTGで誘導した後に、予想分子量を有する融合タンパク質の過剰発現をSDS/PAGEによって確かめた。融合タンパク質を電気溶出によってゲルから精製した。KCNQ2またはKCNQ3融合産物としてのタンパク質の同定は、N−末端のタンパク質配列決定によって確かめた。ついで、精製したタンパク質をウサギにおける免疫原として用いた。ウサギは、フロイント完全アジュバント中の100μgのタンパク質で免疫化し、3週間隔で2回追加免疫(1回目のフロイント不完全アジュバント中の100μgの免疫原につづくPBS中の100μgの免疫原)した。抗体を含む血清をそれから2週間後に採取した。
この手法を繰返して、KCNQ2またはKCNQ3遺伝子産物の突然変異形態に対する抗体を生起させた。野生型KCNQ2またはKCNQ3に対する抗体と共にこれらの抗体を用いて、種々の組織および生物流体中の突然変異形態の存在および相対レベルを検出した。
実施例14
KCNQ2またはKCNQ3に対して特異的なモノクローナル抗体の生成
モノクローナル抗体は以下のプロトコールに従って生成した。よく知られているごとくグルタルアルデヒドまたはEDCを用いてスカシガイ・ヘモシアニンにコンジュゲートさせた無傷KCNQ2、無傷KCNQ3、KCNQ2ペプチドまたはKCNQ3ペプチド(野生型または突然変異)を含む免疫原でマウスを免疫化した。
免疫原はアジュバントと混合した。各マウスには、10ないし100μgの免疫原を投与し、4回目の注射の後にマウスから血液試料を採取して、血清が免疫原に対する抗体を含んでいるかを判定した。血清価はELISAまたはRIAによって決定した。免疫原に対する抗体が存在することを示す血清を有するマウスを、ハイブリドーマ作成用に選抜した。
免疫マウスから脾臓を取り出し、単一細胞懸濁液を調製した(HarlowおおびLane、1988を参照されたし)。細胞融合は、実質的に、KohlerおよびMilstein、1975によって記載されているごとく行った。要約すると、P3.65.3ミエローマ細胞(American Type Culture Collection,Rockville,MD)を、HarlowおよびLane、1988によって記載されているごとくポリエチレングリコールを用いて免疫脾臓細胞と融合させた。細胞は、2×105細胞/ウェルの密度で96ウェル組織培養プレートに平板した。個々のウェルを増殖性について調べ、増殖性であるウェルの上清を、野生型または突然変異KCNQ2またはKCNQ3標的タンパク質を用いたELISAまたはRIAによって、KCNQ2またはKCNQ3特異的抗体の存在について試験した。陽性ウェル中の細胞を広げ、サブクローン化して、モノクローナル性を確立し、確認した。
望ましい特異性を有するクローンを広げ、マウス中または中空ファイバー系中の腹水として増殖させて、特徴付けおよびアッセイを進めるのに十分な量の抗体を生成させた。
実施例15
KCNQ2またはKCNQ3についてのサンドイッチ・アッセイ
モノクローナル抗体は、プレート、チューブ、ビーズまたは粒子のごとき固体表面に結合させた。好ましくは、該抗体は96−ウェルELISAプレートのウェル表面に結合させる。KCNQ2またはKCNQ3ペプチド/タンパク質(野生型または突然変異)を含有する100μLの試料(例えば、血清、尿、組織サイトゾル)を固相抗体に添加した。その試料を室温にて2時間インキュベートした。ついで、試料流体をデカンテーションし、固相を緩衝液で洗浄して結合しなかった物質を除去した。(KCNQ2またはKCNQ3ペプチド/タンパク質上の異なる決定基に対する)100μLの第2モノクローナル抗体を固相に添加した。この抗体を検出分子(例えば、125I、酵素、発蛍光団または発色団)で標識し、第2抗体を有する固相を室温にて2時間インキュベートした。第2抗体をデカンテーションし、固相を緩衝液で洗浄して結合しなかった物質を除去した。
試料中に存在するKCNQ2またはKCNQ3ペプチド/タンパク質の量に比例する、結合した標識の量を定量化した。野生型KCNQ2またはKCNQ3に対して特異的であるモノクローナル抗体ならびにKCNQ2またはKCNQ3中に同定された各突然変異に対して特異的なモノクローナル抗体を用いて、別のアッセイを行った。
実施例16
KCNQ2またはKCNQ3 K+チャンネルに作用する薬剤をスクリーニングするためのアッセイ
KCNQ2およびKCNQ3が各々カリウムチャンネルを形成するという知見を用いれば、ここに、これらのチャンネルの一方または双方に作用を有するであろう薬剤をスクリーニングするためのアッセイを考案することが可能である。遺伝子を卵母細胞または哺乳動物細胞にトランスフェクトし、前記のごとく発現させた。トランスフェクションに用いた遺伝子がBFNC、ローランド癲癇またはJMEを引起こす突然変異を含む場合には、野生型遺伝子のみを用いたトランスフェクションと比較して、誘導電流における変化が見られた。薬剤候補をトランスフェクト細胞の浴溶液(bathing solution)に添加して、誘導電流に対する該薬剤候補の効果を試験した。野生型KCNQ2または野生型KCNQ3で同時トランスフェクトした細胞で見られる電流に近いように、誘導電流を変化させる薬剤候補は、BNFC、ローランド癲癇、またはJMEを治療するのに有用である。
実施例17
突然変異につきKCNQ2の各エキソンをスクリーニングするためのプライマー対
ゲノミックKCNQ2をイントロン/エキソン境界で配列決定し、各エキソンを増幅させるのに有用なプライマー対を開発した。これらのプライマー対を表4に示す。エキソン13および17については、エキソン内のプライマーも利用した。幾つかのエキソン/イントロン配列を図7A−Oに示す。
実施例18
KCNQ3のイントロン配列およびKCNQ3のエキソンを増幅させるためのプライマー対
KCNQ3に対する完全cDNAを得て配列決定したが、完全なゲノミックDNAはいまだ配列決定されていない。しかしながら、イントロンDNAの多くが配列決定されており、この配列情報を利用して各エキソンを増幅させるのに有用であるプライマー対が開発されている。イントロン/エキソン配列を図8A−Oに示す。当業者であれば図8A−Oに示すイントロン配列を用いて他のプライマーも容易に開発できるが、各エキソンを増幅させるための幾つかの有用なプライマー対を表6に示す。
Figure 0005328603
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Figure 0005328603
本発明の好ましい具体例の詳細に参照することによって本発明を本特許出願に開示してきたが、当業者であれば本発明の趣旨および添付する請求の範囲の範囲内で修飾を容易に思い付くであろうため、該開示が限定する意味におけるものではなく説明を意図するものであることは理解されなければならない。
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米国特許第3,939,350号
米国特許第3,996,345号
米国特許第4,275,149号
米国特許第4,275,437号
米国特許第4,366,241号
米国特許第4,376,110号
米国特許第4,486,530号
米国特許第4,554,101号
米国特許第4,683,195号
米国特許第4,683,202号
米国特許第4,816,567号
米国特許第4,868,105号
米国特許第5,252 479号
米国特許第5,270,184号
米国特許第5,409,818号
米国特許第5,436,146号
米国特許第5,455,166号
米国特許第5,550,050号
米国特許第5,691,198号
米国特許第5,735,500号
米国特許第5,747,469号

Claims (7)

  1. プローブをDNAまたはRNAのヒト患者試料にハイブリダイズさせることを含む、家族性新生児痙攣(BFNC)に関連するまたは対象をBFNCの危険性にさらす突然変異の検出方法であって、ここに、
    a.プローブは、突然変異体KCNQ3核酸の全てまたは一部にハイブリダイズする核酸であり;
    b.プローブは、該突然変異を含む核酸の全てまたは一部への該プローブのハイブリダイゼーションを可能にするが、野生型ヒトKCNQ3への該プローブのハイブリダイゼーションを妨げるストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、ここに、ハイブリダイゼーションシグナルの存在が該突然変異の存在を示す;および
    c.突然変異は、配列番号:18および配列番号:19を用いて調製された増幅産物のヌクレオチド147のTである
    ことを特徴とする該方法。
  2. BFNCに関連するまたはヒト対象をBFNCの危険性にさらす突然変異の検出方法であって、ここに、
    a.該方法は、該突然変異の存在を同定する手段により行われ;
    b.該手段は、該突然変異につき検定するために一本鎖立体配座多形技術を用いることを含み;および
    c.該突然変異は、配列番号:18および配列番号:19を用いて調製された増幅産物のヌクレオチド147のTの存在である
    ことを特徴とする該方法。
  3. 該一本鎖立体配座多形技術が、増幅された核酸を用い、ここに、該増幅された核酸が配列番号:18および配列番号:19のプライマーを用いて調製された請求項2記載の方法。
  4. BFNCに関連するまたは対象をBFNCの危険性にさらす突然変異の検出方法であって、ここに、
    a.該方法は、該突然変異の存在を同定する手段により行われ;
    b.該手段は、ヒトKCNQ3の全てまたは一部を配列決定することを含み;および
    c.該突然変異は、配列番号:18および配列番号:19を用いて調製された増幅産物のヌクレオチド147のTの存在である
    ことを特徴とする該方法。
  5. BFNCに関連するまたは対象をBFNCの危険性にさらす突然変異の検出方法であって、ここに、
    a.該方法は、該突然変異の存在を同定する手段により行われ;
    b.該手段は、ヒトKCNQ3に対するRNAse保護アッセイを行うことを含み;および
    c.該突然変異は、配列番号:18および配列番号:19を用いて調製された増幅産物のヌクレオチド147のTの存在である
    ことを特徴とする該方法。
  6. ヒトKCNQ3遺伝子の核酸配列における突然変異または欠失の存在を検出する方法であって、
    a.ヒトKCNQ3遺伝子を含むテスト試料を分析し;
    b.配列番号:6を含むKCNQ3遺伝子を含む対照試料を分析し;
    c.テスト試料の分析結果と対照試料の分析結果とを比較し、ここに、テスト試料と対照試料との差の存在の検出は、テスト試料中のKCNQ3遺伝子の核酸配列における突然変異または欠失の存在を示し;
    d.突然変異は、BFNCに関連するまたは対象をBFNCの危険性にさらし;および
    e.突然変異は、配列番号:18および配列番号:19を用いて調製された増幅産物のヌクレオチド147のTの存在である
    ことを特徴とする該方法。
  7. ヒトKCNQ3ポリペプチドをコードする核酸配列における突然変異または欠失の存在を検出する方法であって、
    a.ヒトKCNQ3ポリペプチドをコードする核酸を含むテスト試料を分析し;
    b.配列番号:7を含むKCNQ3ポリペプチドをコードする核酸を含む対照試料を分析し;
    c.テスト試料の分析結果と対照試料の分析結果とを比較し、ここに、テスト試料と対照試料との差の存在の検出は、テスト試料中のKCNQ3ポリペプチドをコードする核酸における突然変異または欠失の存在を示し、
    d.突然変異は、BFNCに関連するまたは対象をBFNCの危険性にさらし;および
    e.突然変異は、配列番号:7のアミノ酸残基310のバリンである
    ことを特徴とする該方法。
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