JP2001501125A - 外科用把持兼保持鉗子 - Google Patents

外科用把持兼保持鉗子

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Abstract

(57)【要約】 外科用把持兼保持鉗子(10)が柄と少なくとも2つの嘴部と握りとを有する。嘴部(14、16)を開閉する機構が握りに作用結合されている。この機構がばね力で付勢されて嘴部(14、16)を閉じ方向に押す。握りでの操作によって機構はばね力に抗して嘴部(14、16)を開くように移動可能である。固定装置(64)が嘴部(14、16)を特定位置で固定するのに役立つ。剛性リンク装置として構成されて機構内に係合する装置が設けられており、この装置によって嘴部(14、16)は強制的に特定の閉じ端位置(D)に移動可能であり、この位置において嘴部は嘴部の間に受容された対象物(90)に所定の保持力を加える。装置がストッパ(58)を有し、加わる力が強まった場合でもこのストッパが閉じ端位置(D)の通過を阻止する。固定装置(64)は嘴部(14、16)をこの閉じ端位置(D)で固定する。

Description

【発明の詳細な説明】 外科用把持兼保持鉗子 本発明は、外科用把持兼保持鉗子に関するものである。 外科用把持兼保持鉗子は、嘴部の間で対象物を把持し保持するのに用いられる 。このような対象物には例えばガーゼ綿球があり、この場合綿球鉗子と呼ばれる 。数多くの腹腔鏡処置において剥離綿球若しくは綿棒が必要とされる。それらを 利用して組織液若しくは血液が除去される。主な利用分野は、綿球を嘴部の間に 挟み込んで保持して行われる本来の剥離技術にある。滑らせて剥離することによ って組織層は非外傷的に分離され、こうして手術中に案内構造が調製される。こ うした場合、綿球鉗子は同時に剥離鉗子として働く。 このような把持兼保持鉗子内に挟み込まれる他の対象物には例えば縫合を行う ための針がある。 これらの対象物、つまり例えば綿球又は針は、機器介助看護婦若しくは看護夫 によって保持鉗子に挟み込まれて執刀医に手渡される。執刀医は保持鉗子を例え ば綿球と一緒にトロカール内に引き入れて剥離を行う。使用後、保持鉗子はトロ カールから引き出され、必要なら再度ガーゼ綿球が挟み込まれる。外科縫合を行 う場合にも同じことが妥当する。 このような把持・保持・剥離鉗子がカール・シュトルツ有限合資会社、トュト リンゲン、ドイツ、のカタログ”内視鏡外科、第2版、1/94、第4章、シー トDG5、剥 離・把持鉗子”により公知である。 握り部を特定の旋回位置で相互に固定し、こうして嘴部を特定の閉じ位置で固 定することは、係止部を介して実現される。この係止部は、両方の握り要素の一 方に配置される切込み付棒として構成されている。これらの切込み内に係合する ことのできる適宜な突起が他方の握り要素に設けられている。ばね又はレバーが 握り要素を係止状態若しくは固定状態で保持する。その際、数多くの固定位置が 可能である。 操作のとき、被保持対象物、例えば綿球を極力強固に把持鉗子内に挟み込むよ う試みられることが、このような外科用把持兼保持鉗子を実際に利用して確認さ れた。可動握り要素が実際にレバーとして構成されており、レバー軸がヒンジ軸 となり、このヒンジ軸で可動握り要素は他方の握り要素に枢着されている。可動 握り要素が被摺動操作要素に結合されている箇所とヒンジ軸との距離は、握り要 素の外端に配置されて外科用把持兼保持鉗子を掴む片手の指が挿入される把持輪 とヒンジ軸との距離よりもかなり短い。梃子比は約10:1である。即ち、片手 の閉じ力、約10kpが梃子作用によって10倍に、つまり約100kpに強め られる。 綿球を極力強固に把持鉗子内に挟み込むとの前記実務に基づいて、梃子機構を 介して強い力が嘴部に作用し、その結果、嘴部が歪められ及び/又は機構が破損 して、綿球がもはや強固に保持されず、剥離時に失われてしまうことが ある。この場合、失われた綿球を体内で探して再び掴まねばならない。ラック止 め装置の態様の固定装置はやはりこの保持圧の高い応力を受けており、そのため 、不適切な操作によって係止部が外れて固定装置が解除され、こうして嘴部が開 く危険がある。 更に、柄の近位端で柄からほぼ直角に突出する握り要素が執刀医の自由を著し く制限して、剥離のために柄から固定握り部に移行する領域で鉗子が把持される ことが、実際に使用して確認された。横に突出する握り部は剥離時に執刀医を妨 げ又は邪魔する。両方の握り要素の間を横に延びる係止部はこのような剥離操作 のとき誤って外れることがあり、その場合嘴部によって保持された対象物、例え ば綿球又は針が体内で失われることがある。 DE−A−4216971が組織等を把持し保持するための2つの嘴部を有す る鉗子を示している。少なくとも一方の嘴部は、把手で操作棒を軸方向で調整す ることによって他方の嘴部に対して相対的に旋回可能である。嘴部及び把手の閉 じ位置は固定装置によって固定可能であり、鉗子嘴部の閉じ力はさまざまな値に 調整することができる。 EP−A−0688534に記載された外科用筒状柄付器具は柄と、柄の末端 に設けられる工具を移動させるための、柄内で摺動可能に支承された摺動・引張 棒とを備えており、柄の他端に柄と同軸に握り部が配置されており、この握り部 内で把手は柄縦軸を横切って延びる回転軸の周りを旋回可能に支承されており、 把手の運動は伝動手段を介 して摺動・引張棒に伝達可能である。更に弾性係止要素が設けられており、把手 が出発位置から移動するときこの係止要素が係止部の脇を移動して係止部内に係 合し、これにより把手の逆移動を防止する。構造を簡素化するために係止要素と 係止部が回り止めを形成し、把手の行程の最後に係止要素が係止部の脇を完全に 通過し、逆運動のとき係止部の裏面を通過して出発位置に達する。 EP−A−0512725により公知の医用器具では嘴部を開閉する機構がば ね力で付勢されて嘴部を閉じ方向に押すようになっている。ばねの力に抗して摺 動させることのできる操作要素によって嘴部の開きは制御することができる。操 作要素が解放されると、操作要素はばねによって摺動され、嘴部はばねの力に応 じて押し開かれる。 US−A−5431675により公知の医用器具用鎖錠機構ではレバー機構が 、回転可能な円板カムに結合されている。カムに対するレバーの偏心配置と適宜 なレバー関節構成とによって嘴部はまったく特定の閉じ端位置に強制的に移動さ せることができ、そこで嘴部の間にある部品を特定の保持力で保持する。 US−A−5409478に示された医用器具の握りでは、横に突出したレバ ーがこの握りに枢着されている。このレバーは他のレバーを介して、嘴部を移動 させる操作要素に結合されている。操作要素自体はばねの力を介して1方向に押 される。横に突出した枢着レバーは手の力で握りに当接させることができ、その 際に操作要素は第2レバー を介してばねの力に抗して移動される。枢着レバーの開放時にこのレバーを再び 拡開させる係止部はその際に通過される。 US−A−5383895により把持鉗子として構成された外科用器具が公知 であり、嘴部開閉のために設けられているその操作要素はばねの力に抗して往復 動することができる。ばねの力が操作要素を付勢して、嘴部が閉じ方向に押され るようにする。 US−A−5211655により公知の医用鉗子は、まったく特定の位置で嘴 部を固定することのできる固定装置を備えている。 本発明の課題は、一層確実な操作を可能とし、特に、保持力を過大に加えるこ とによる被把持部分の破損を不可能とする外科用把持兼保持鉗子を提供すること である。 本発明によればこの課題は、柄と柄の遠位端に配置される少なくとも2つの嘴 部と柄の近位端に配置される握りとこの握りに作用結合されて嘴部を開閉する機 構とを有し、この機構がばね力で付勢されて嘴部を閉じ方向に押し、握りでの操 作によって機構がばね力に抗して嘴部を開くように移動可能であり、更に嘴部を 特定位置で固定させる固定装置を有し、剛性リンク装置として構成されて機構内 に係合する装置が設けられており、この装置によって嘴部が強制的に特定の閉じ 端位置に移動可能であり、この閉じ端位置で嘴部が嘴部の間に受容された対象物 に所定の保持力を加え、装置がストッパを有し、加わる力が強まってもこの ストッパが閉じ端位置の通過を阻止し、固定装置が嘴部をこの閉じ端位置で固定 するようになった外科用把持兼保持鉗子によって解決される。 剛性リンク装置として構成される装置が設けられ、この装置によって嘴部が強 制的に特定の閉じ端位置に移動可能であることによって、閉じ端位置を越える未 制御な運動は排除される。これにより、嘴部相互の過度な押圧による破損は排除 される。こうして、例えばガーゼ綿球が嘴部の間での過度な挟み付けによって破 損し又は幾つかの部分に分断されてしまうことも排除することができる。これは 付加的になお有利には、閉じ端位置のとき嘴部の間で受容された対象物に所定の 保持力を加えるように装置が構成されていることによって改善される。本発明に よる鉗子でガーゼ綿球を掴むと、綿球はまったく特定の保持力で保持され、この 保持力は一方で剥離操作のとき綿球が体内で失われることのないようにするのに 十分であり、他方で綿球が過度な保持力で破損することのないことも確保されて おり、剥離のときガーゼ綿球が幾つかの部分にばらされ又は失われることは排除 されている。 加えられる力が強まった場合でも閉じ端位置の通過を阻止するストッパを装置 が有することによって、特別強力に掴む場合でも嘴部が閉じ端位置を越えて移動 することがないことは確保されている。これらの過度な力は、適切に安定的に又 は堅牢に構成することのできる装置のストッパによって吸収され、機器がごく細 い場合にそれに合わせて薄 くされる敏感な嘴部制御機構の部品によって吸収する必要はない。従ってこの装 置は”静的力制限器”として働く。 嘴部が丁度閉じ端位置で固定されるように固定装置が構成されていることによ って、操作性が容易となり、動作信頼性が高まる。ラック係止部を備えた前記鉗 子では実際数多くの固定の可能性が設けられていた。いまや1つの特定の固定の 可能性が、つまり嘴部が閉じ端位置に達したときの固定の可能性が設けられてい る。つまり、嘴部のどの閉じ位置で固定装置が固定されるのかを操作者が決定す る必要はもはやなく、これは閉じ端位置で限定的に起きる。機械的固定装置が大 抵の場合代表的”固定音”と結び付いているので、いまや端位置に達し、これ以 上握りに力を加える必要のないことを操作者は知ることになる。嘴部を特定の閉 じ端位置に移動させる装置の制御機構はさまざまに構成することができる。この 制御機構は嘴部に結合されており、嘴部を限定的に閉じ端位置へと移動させる。 閉じ角範囲の第1部分内で対象物を受容して、所定の保持力を加える前に保持 するために、装置は適切に設計された機構に結合されている。従って、本発明の 作用原理は下記の2つの作用範囲の連続から生じる。 機構の作用範囲: ばね力による対象物の受容と保持。即ち、装置の作用範囲に進入するまで”予 備保持力”を加えて機構を軸方向に移動させる。 装置の作用範囲: 所定の保持力を加えて固定する。 外科用把持兼保持鉗子の操作中の力の制限は嘴部に再現可能な保持力を生成し 、このことが製品責任の観点から有利に働く。 本発明の特に好ましい1構成では、握りが柄軸内に縦に延設された握りとして 構成されており、機構と装置がこの握り内に収容されている。 この措置がもたらす顕著な利点として、握り全体が柄軸に沿って延びているこ とから、特別人間工学的に構成された握りが得られる。この構成の場合、操作時 、例えば剥離操作のとき執刀医の邪魔になる横に突出する鋏状握り要素はもはや 存在していない。それ故にこの鉗子は概略棒状の人間工学的握りで把持すること ができ、これにより外科用把持兼保持鉗子は操作し易く、確実な操作で掴んで操 作することができる。 本発明の他の1構成では、握りの部分が柄軸の周りを回転可能であり、この部 分が装置の一部であり、握りの回転運動によって嘴部が閉じ端位置に移動可能で あるように装置は構成されている。 この措置の利点として、装置とこの装置によって生成される嘴部閉じ運動は鋏 状可動握り部分の旋回によってではなく、可動握り部分の単純な回転運動によっ て実現される。 本発明の他の1構成では、握り内にクリスガイドが構成されており、このクリ スガイドを介して握りの回転可能部分の回転運動が機構の操作要素の軸方向摺動 運動に変換可 能であり、操作要素が嘴部に結合されている。 この措置の利点として、機械的に単純で頑丈な手段によって握りの回転可能部 分の回転運動は嘴部を閉じるための操作要素の軸方向摺動運動に変換される。 本発明の他の1構成では、操作要素はばねの力に抗する方向で柄軸に沿って摺 動可能であり、この方向に沿った摺動が嘴部の最大開き位置への開きを可能とす る。 この措置がもたらす操作上の顕著な利点として、例えばガーゼ綿球を嘴部の間 に導入するために嘴部を開くには操作要素をばねの力に抗して柄内で軸方向に多 少摺動させねばならないだけである。これは、操作要素を近位側で握りから多少 突出させ、この突出領域を親指で押してばねの力に抗して操作要素を摺動させる ことによって簡単に行うことができる。最大に開いた嘴部の間に対象物、例えば ガーゼ綿球が入れられたのち、操作要素が開放され、ばねが操作要素を逆方向に 摺動させ、嘴部が閉じ方向に移動され、嘴部の間で把持された対象物には、対象 物がもはや鉗子から落下しないようにするのに少なくとも十分な一定の保持力が 既に加わる。次に装置が操作され、この装置によって嘴部は限定的に閉じ端位置 に移動される。2つの部分ステップへのこの分割は特に操作し易く、第1ステッ プでは嘴部を最大に開いて嘴部の間で対象物、例えばガーゼ綿球の精確な位置決 めを可能とし、次に第2ステップでは閉じ端位置において装置を介して限定的保 持力が加えられる。 本発明の他の1構成では、操作要素がクリス体に結合さ れており、握りの回転可能部分に付属したクリス内にこのクリス体が係合する。 この措置の利点として、構造の単純な部材と僅かな部材数とによって部材の間 に非確動式結合が形成され、この結合は握りの回転運動を操作要素の適宜な直線 運動に、若しくはこの場合嘴部の閉じ運動に変換する。機械的に単純に構成され たこのような部材は簡単に浄化若しくは滅菌することもでき、そのことから易操 作性と動作信頼性が一層向上する。 本発明の他の1構成では、クリスが握りの中空円筒形回転可能部分として構成 されて、クリス体を取り囲む。 この措置の利点として、中空円筒幾何学によって、鉗子がごく細い構造の場合 でも、過度に加えられた回転力も十分に吸収することのできる構造が設けられて いる。 本発明の他の1構成では、クリス体が、直径上で向き合って半径方向に突出す る2つのピンを有し、クリスの軸方向に上昇する周方向溝内にこれらのピンが係 合する。 二重クリスガイドのこの対称配置は、変形を生じることなく、クリスに加わる 過度に強い力を均一に分布させることもできる特別確実良好なクリスガイドを実 現する。 本発明の他の1構成では、各上昇溝が軸方向に延びる部分を有する。 この措置の利点として、第1運動区間内で嘴部を最大に拡開して対象物を嘴部 の間に挿入することができるようにするために、軸方向に延びる部分にわたって クリス体は操 作要素と共に軸方向に摺動することができる。操作要素の解放後、嘴部はばねの 力に基づいて”予備保持力”で閉じ位置に移動する。軸方向に延びるこの部分に 次に軸方向で上昇する溝部分が続いており、嘴部を閉じ端位置に旋回させるため の装置の運動経過はこれらの部分を介して制御される。 本発明の他の1構成では、各溝が端部分を有し、この端部分が上昇部分に対し て軸方向で多少下降している。 この措置の利点として、溝によって案内されるピンは軸方向最大運動行程を越 えたのち下降部分のアンダカットの方式で動かされる。嘴部を開くためにピンは 、嘴部によって保持された対象物の抵抗から出発して嘴部及び操作要素を介して クリスに作用するクリスの力に抗して、まず下降部分の最深点から曲線極大を越 えて移動しなければならず、このために特定の力を加える必要がある。嘴部が自 然に開くような復帰モーメントが上昇溝の幾何学のみによって加えられることは 、こうして排除されている。つまり、溝の下降端部分は閉じ端位置における嘴部 の固定を既に実現する。 本発明の他の1構成では、溝の端部分の密閉端がストッパとなる。 この措置の利点として、継続回転、つまり過回転を阻止するストッパが構造の 特に単純な手段によって形成される。過大な力は溝の密閉端からクリスを介して 排出し若しくは分布させることができ、これらの力が嘴部に作用すること はない。 本発明の他の1構成では、クリス体のピンがストッパに達したとき固定装置が 自動的に閉じるように、固定装置は固定握り部分と回転可能部分との間で作用す る。 この措置がもたらす特別の操作上の利点として、丁度ピンがストッパに達した ときに固定装置が閉じ、こうして精確に希望する位置で、即ちこの場合閉じ端位 置で嘴部は固定される。 それ故にこれは特別操作し易い。というのも、単に操作者が抵抗を感じるまで 、つまりクリス体のピンが溝端に達し、丁度この位置で固定装置が自動的に閉じ るまで、可動握り部分は回されねばならないだけであるからである。これは例え ば代表的”固定音”によって確認することができ、これにより操作者は閉じ端位 置に達したことを知ることになる。 本発明の他の1構成では、固定装置は軸方向に延びるばね押棒を有し、回転可 能握り部分がその閉じ端位置にあるときこの棒は軸方向で阻止的に移動可能であ り、固定握り部分と回転可能握り部分との間の相対回転を阻止する。 この措置の構造上の利点として、固定装置は機械的に単純な手段によって実現 することができ、棒はやはり、過度な回転力を握り全体にわたって分布させ、導 出させるのに寄与することができる。 本発明の他の1構成では、棒が摺動要素に結合されており、この摺動要素は外 側から移動させることができ、但し 握りの外輪郭に適合されている。 この措置は、一方で、外部からの接近可能性を介して固定装置を簡単に外すこ とができる利点を有する。固定装置が握りの外輪郭に適合されていることによっ て、操作時にこの固定装置が誤って外れることが排除されており、こうして動作 信頼性がかなり向上している。 本発明の他の1構成では、握りが、柄に剛結合されてこれと同軸な円筒形部分 を有し、この部分に中空円筒形回転可能部分が嵌着されており、回転可能部分と 固定部分は着脱可能な安全装置を介して軸方向引抜きに備えて安全にされている 。 この措置の利点として、構造の単純な措置によって握りは組付け、若しくは例 えば浄化・滅菌を目的に再び取り外すことができる。 本発明の他の1構成では、回転可能部分にキャップが固定式に取付けられてい る。 この措置の利点として、実際クリスとして働いて溝領域で穿孔された回転可能 部分はキャップによって外部に対して密閉されており、こうして汚れが入り込む ことはない。このキャップは、回転運動を人間工学的に操作し易い形で行うこと ができる適切な人間工学的外輪郭、例えば握りくぼみ等を有することができる。 本発明の他の1構成では、横断面形状がそれぞれほぼ半卵形である2つの把持 する嘴部が設けられており、閉じた嘴部はほぼ卵形を成す。 この措置の利点として、部材がごく細い場合に閉じ力を変形なしに加えるため に好ましい幾何学が得られるだけでなく、嘴部を閉じると、優れた剥離を可能と する幾何学が帰結し、こうして鉗子は剥離鉗子として利用可能である。 本発明の他の1構成では、一方の嘴部は軸方向に延びるV形溝を有し、他方の 嘴部はこのV形溝内に係合可能な歯を有する。 この措置の利点として、嘴部によって保持された対象物、例えばガーゼ綿球に 剥離時に作用する半径方向力と軸方向力は、使用中に対象物の逸失を防止するた めに歯を介して嘴部によって吸収される。軸方向V形溝によって横荷重が吸収さ れ、このV形溝内に係合する他方の嘴部の歯は軸方向荷重を吸収するのに役立つ 。 選択的1構成では、装置が、握りに枢着された少なくとも1つのレバーを有し 、このレバーの一端が嘴部開閉機構に係合しており、嘴部の開き位置のときレバ ーの他端が横に旋回進出しており、この他端は嘴部を閉じ端位置Dに移動させる ために握りに旋回接近可能である。 この選択案では、閉じ端位置への限定的運動が少なくとも1つのレバーによっ て実行され、回転可能握り部分による解決策とは対照的にこれがもたらす利点と して、レバー幾何学の適切な構成によって所要の保持力は操作者が簡単に加える ことができる。 本発明の他の1構成では、閉じ端位置Dのとき前記少なくとも1つのレバーが 縦長握りに沿って延びている。 この措置の利点として、レバーは閉じ端位置において握りから嵩高に突出する ことがなく、執刀医の運動・操作の自由を邪魔しない。 本発明の他の1構成では、握り内に縦溝が穿設されており、嘴部の閉じ端位置 のときこの縦溝内に前記少なくとも1つのレバーはぴったりと収容可能であり、 その際に握りの輪郭から張り出さない。 この構成では、当接されたレバーが握りの外輪郭に完全に密着し、嘴部の閉じ 端位置で操作するときレバーによる障害は何ら存在しない。 本発明の他の1構成では、直径上で向き合う2つのレバーが設けられている。 この措置の利点として、嘴部を閉じ端位置へと移動させるための力は両方のレ バーによって対称に開閉機構に作用し、そのため、片側で作用する力で鉗子が曲 がる危険は排除されている。 本発明の他の1構成では、固定装置が摺動スリーブとして構成されており、握 りにレバーが旋回接近するとこの摺動スリーブはレバー上に摺動可能であり、旋 回進出を阻止する。 この措置の利点として、閉じ端位置での固定は構造が単純で簡単に操作可能な 部材によって実行される。 本発明の他の1構成では、閉じ端位置で摺動スリーブは球係止部を介して固定 されている。 この措置の利点として、レバーの旋回進出を阻止する摺 動スリーブは球係止部によってまったく特定の位置でなお付加的に固定される。 本発明の他の1構成では、嘴部を開閉する機構が、柄内を軸方向に摺動可能な 操作要素を有し、レバーの旋回運動が操作要素の軸方向摺動運動に変換可能であ るようにこの操作要素はレバーの一端に結合されている。 レバーをこのようにトグルレバーとして構成することで、機械的に単純で頑丈 な措置を介してレバーの旋回運動は柄内での操作要素の軸方向摺動運動に変換す ることができる。 前記特徴及び以下になお説明する特徴は記載した組合せにおいてだけでなく、 本発明の枠から逸脱することなく他の組合せや単独でも勿論適用可能である。 選択した実施例を基に添付図面に関連して以下に本発明を詳しく説明する。 図1は、嘴部を最大に開いた外科用把持兼保持鉗子の側面図であり、装置は” 開き”位置にある。 図2は、嘴部が対象物、この場合ガーゼ綿球を既に一定の予備保持力で保持し ている中間位置における図1と同様の側面図である。 図3は、嘴部が閉じ端位置に移動した状態の図1、図2と同様の側面図である 。 図4は、嘴部が閉じている位置における図3の装置の握りの縦断面図である。 図5は、図1の装置の握りを一部分解して示す要部側面図であり、嘴部の4つ の位置A、B、C、Dが示唆されて いる。 図6は、図5のVI−VI線に沿った断面図である。 図7は、図5のVII−VII線に沿った断面図である。 図8は、回転可能握り要素の回転角に依存した力/行程線図である。 図9は、レバーが横に旋回進出可能となった他の実施例を図4の断面図と同様 に示す断面図である。 図1〜図3に示す外科用把持兼保持鉗子はその全体に符号10が付けられてい る。 鉗子10が縦長円筒形柄12を有し、柄の遠位端に2つの嘴部14、16が配 置されている。柄軸内にそれに沿って延設されるほぼ棒状の握り18が柄12の 近位端に配置されている。 特に図4の断面図から明らかとなるように、嘴部14、16を移動させる機構 20が握り18内に収容されている。 この機構20が棒状操作要素22を有し、この操作要素は柄12内に挿通され て、遠位端で、このような鉗子においてそれ自体知られているここには図示しな いトグルリンクを介して両方の嘴部14、16に結合されている。操作要素22 は近位端で握り18の末端から多少張り出しており、操作要素22の端領域に押 圧子スリーブ24が嵌着されている。 この押圧子スリーブ24が片側押圧子26を有し、押圧子スリーブ24は柄1 2の方向で握り18内を内部フランジ94を越えるまで延設されている。 押圧子26内に調整ねじ28が配置されており、この調整ねじが操作要素22 のねじに螺着されている。調整ねじ28によって押圧子スリーブ24と操作要素 22との間の相対摺動位置は一定範囲内で調整可能、視認可能である。 操作要素22にその遠位端の方からクリス体34が、操作要素22の環状フラ ンジ32に当接するまで嵌着されている。 クリス体34が円錐形部分36を有し、この円錐形部分は近位側で円筒形部分 38となって延長されている。クリス体34の円筒形部分38の外径は、柄12 に剛結合された外被40の円筒形端部分の内法内径にほぼ一致するものである。 円筒形部分38の遠位端と外被40の内面の段差41との間の距離は、押圧子 26に対する圧力と操作要素22の適切な行程とによって嘴部の開きが可能とな るように設計されている。 クリス体34の円筒形部分38から、直径上で向き合わせて2つの半径方向に 突出するピン42、43が突出している。 ピン42、43は、外被40の円筒形端部分に嵌着されたクリス44内に係合 する。 クリス44の側面図は図5から読み取ることができる。 クリス44が遠位側に環状フランジ46を有し、この環状フランジは外被40 の外面の肩部に坐着する。近位側にクリス44が中空円筒形部分48を有し、こ の部分は外被 40の円筒形端部分の外面に嵌着されている。 クリス44の中空円筒形部分48内に、直径上で向き合わせて2つの溝50、 51が穿設されている。この溝50若しくは51内にクリス体34のピン42若 しくは43が係合する。このため、対応する開口部が外被40に設けられている 。溝50(及び対応する回転対称な溝51)が軸方向部分52を有し、この部分 内にクリス体34のピン42が係合する。軸方向部分52はクリス44の環状フ ランジ46の方向で開口している。これにより、一方で、クリス体34を操作要 素22に取付けたのちクリス44を近位側からクリス体に嵌着することが可能と なり、更には、操作要素22とクリス体34とからなる組立体を軸方向で軸方向 部分52に沿って移動させることが可能となる。 溝50の軸方向部分52の近位端に、近位側で上昇する周方向部分54が続い ている。この上昇部分54は、遠位側で下降する周方向端部分56となって成端 しており、後者の密閉端がストッパ58となる。 軸方向部分52から近位側で上昇する周方向部分54への移行部は、調整ねじ 28を介した調整の可能性と、これによって引き起こされる押圧子スリーブ24 と操作要素22との間の相対摺動位置の変化を、そして嘴部によって保持される べき対象物のさまざまな抵抗力も、吸収することができるように造形されている 。このさまざまな抵抗力は予備保持力を加えるときに嘴部のさまざまな部分開き 角をもたらすことがある。 図1〜図4に見られるような適宜な人間工学的構成を有して溝を閉鎖するキャ ップ60が、図5に見られるようなクリス44にぴったりと嵌着される。キャッ プ60はクリス44に非確動式に強固に坐着し、キャップ60とクリス44とか らなる組立体は握り18の回転可能部分62を形成する。 図1〜図3、図5からわかるように、外被40内に固定装置64が設けられて いる。 この固定装置64は軸方向に延びる棒66を有し、この棒はばね68の力によ って、近位側でクリス44の方向に移動するように付勢されている。棒66は、 外被40内の凹部72内に配置される摺動要素70に結合されている。摺動要素 70の輪郭は外被から張り出さないようなものであり、それにもかかわらず外側 から指で掴んで操作し、つまり摺動させることができる。固定装置64は、棒6 6の先端が環状フランジ46の環状正面を向くように配置されている。 図6の断面図からわかるように環状フランジ46に袋穴74が設けられており 、この袋穴に棒66は進入することができる。これは図5に示した回転位置で起 き、以下になお詳しく説明するようにこの位置が閉じ端位置Dに一致する。 図5に見られるようなこの固定位置のときクリス44と外被40との間で相対 回転はもはや可能でない。 図5、図6から更に読み取れるように、クリス44の環 状フランジ46の領域内に周方向に延びる安全装置76が配置されており、この 安全装置はクリス44が外被40から軸方向で滑り落ちるのを防止する。 安全装置76がロッカ78を有し、ロッカは一端に係止ピン80を備えている 。この係止ピン80は外被40の外面に設けられた周方向凹部内に係合し、こう して柄軸の周りでクリス44と外被40との間の相対回転を可能とし、但し軸方 向で滑り落ちるのを阻止する。周方向凹部の長さは握り18の回転時に閉じ端位 置が達成されるように設計されている。 ロッカ78は係止ピン80とは反対の側に押釦82を有する。この押釦82を 押すことによって係止ピン80が外れ、クリス44は例えば浄化・滅菌を目的に 外被40から近位側に引き出すことができる。 図4に示すような最終組立状態のとき外被40のフランジ94と操作要素42 に嵌着されたクリス体34との間にコイルばね92が設けられており、このコイ ルばねは操作要素22とクリス体34とからなる組立体が近位側に押されるよう に予荷重を受けている。図4に示す位置のとき嘴部14、16はばね92の力で 閉じられている。 鉗子10は、図1に矢印27で示したように握り18を片手で掴み、親指で押 圧子26を押して操作される。握り18の回転可能部分は、装置が”開”いてい る位置、即ちピン42が溝50の軸方向部分52内にある位置にある。これによ り操作要素22はばね92の力に抗して遠位端方 向に摺動され、嘴部14、16は最大に、例えば約50°の開き角に拡開される 。 この押込運動はクリス体34が外被40の内面に設けられた段差41若しくは ストッパに突接することによって制限される。この開き位置が図1若しくは図5 では符号Aとされている。ピン42は図4の位置から溝50の軸方向部分52に 沿って摺動して、図5に位置Aから出発した矢印で示した位置に達している。こ の位置においていまや対象物、例えばガーゼ材からなる綿球90は、嘴部14、 16の間に移すことができる。嘴部14に少なくとも1つの歯84が設けられて おり、図7の断面図からも明らかとなるようにこの歯は他方の嘴部16の対応す る凹み86内に係合することができる。 綿球90が嘴部14、16の間に運ばれたのち押圧子26は解放され、予荷重 を受けたばね92は操作要素22とクリス体34とからなる組立体を近位端方向 に摺動させ、これにより嘴部14、16は図5にBを付けた位置に達するまで多 少閉じられる。この部分的に閉じた位置において綿球90は嘴部14、16の間 で捕捉されており、ばね92の力に基づいて予備保持力で保持される。 ピン42はいまや溝50の軸方向部分52に沿って、図5に位置Bから出発し た矢印で示した位置へと移動している。この位置のときピン42は溝50の上昇 部分54の初端にも位置する。軸方向部分52から溝50の軸方向で上昇する周 方向部分54への移行領域は、押圧子スリーブ2 4と操作要素22との間の相対摺動位置の変化を、そして嘴部によって保持され るべき対象物のさまざまな抵抗力も、吸収することができるように構成されてい る。このさまざまな抵抗力は予備保持力を加えるときに嘴部のさまざまな部分開 き角をもたらすことがある。キャップ60とクリス44とからなる組立体が握り 18の回転可能部分62を形成し、この組立体はいまや、図2から図3への移行 から明らかとなるように柄軸の周りを回される。 その際、ピン42はまず溝50の上昇部分54に沿って移動し、次に下降端部 分56内に移動して、ストッパ58に達することになる。 図5に符号Cで示した中間位置のときピン42は上昇部分54から下降部分5 6への移行部に丁度達している。この状態のとき操作要素22はクリス体34と 共に、嘴部によって保持された対象物の抵抗力に抗して近位側に最大移動してい る。引き続きこの組立体は再び僅かに遠位端方向に移動して戻り、最後に閉じ端 位置Dが達成される。 協動する部材であるクリス44、クリス体34及びこれに結合された操作要素 22は、嘴部14、16を強制的に特定の閉じ端位置Dへと移動させるため剛性 リンク装置として働く装置30を形成する。 図5に見られ、図3にも見られるこの閉じ端位置Dにおいて綿球90は所定の 力によって嘴部14、16の間で保持される。 図7の断面図からわかるように嘴部14、16はそれぞ れ半卵形88若しくは89の横断面形状を有する。そのことから、閉じ端位置D で嘴部が閉じると全体でほぼ卵形の外輪郭が帰結し、この外輪郭は嘴部14、1 6を閉じて剥離を行うことを可能とする。 閉じ端位置Dにおいてクリス44はその袋穴74が固定装置64の棒66の前 にくるように回されており、いまやばね68は棒66を袋穴に押し込んで固定装 置64を閉じる。いまや鉗子10は例えばトロカールを介して体内に導入するこ とができ、適切な剥離操作を実行することができる。 トロカールから引き出したのち摺動要素70によって棒66はばね68の力に 抗して移動され、固定装置64が外される。引き続き回転可能部分62が前記方 向とは逆に回され、これにより嘴部14、16が部分的に再び開かれ、つまり図 2に示した位置が再び達成されている。引き続き押圧子26が押されて嘴部14 、16が最大に拡開され、綿球90は取り出すことができ、例えば他の新しいも のに取り替えることができる。 図8に示した線図は操作要素22の力f若しくは行程Hと握り18の回転可能 部分62の回転角との関係を示す。操作要素22のごく小さな行程に基づいて、 適切なトルクで比較的扁平な曲線勾配が得られ、即ち、力を受けた比較的均一な 回転運動が起き、この回転運動はストッパに到達後に阻止されている。固定装置 64の摺動要素70の摺動は、回転可能部分62が正しい位置に回されて、いま や嘴 部14、16が希望する保持力を受けていることを操作者に示唆する。回転可能 部分62に他の力が作用しても嘴部14、16のそれ以上の運動は起きない。加 えられた力は引き続き握り18に導出される。この位置は”閉じ”位置若しくは ”オン”位置に相当する。これらの位置は例えば”オン”、”オフ”の単語で握 りに表示することができる。 図4の符号95、96はフランジ94の洗浄穴、若しくはクリス体の円錐形部 分36の洗浄穴であり、内部空間全体を浄化のために洗浄することができる。こ のため柄12に側部突出接続管98が設けられており、この接続管を介して洗浄 液又は浄化液を供給し、握り内に浄化孔95、96を介して通すことができる。 図9に示す他の実施例では、鉗子100が握り104の領域でのみ示してある 。 この鉗子100も遠位端に2つの嘴部を有し、これらの嘴部が柄102に取付 けられている。 柄102内に延設される操作要素122は前記と同様に片側に押圧子スリーブ 120を備えている。 外被106の内方に突出したフランジ128と押圧子スリーブ120の適宜な 外側環状フランジ126との間にばね124が延設されている。 柄102に剛結合された外被106内で、外被106に穿設された2つの縦溝 138若しくは140内に直径上で向き合せて2つのレバー111、112が配 置されている。レバー111若しくは112はそれぞれ軸113若しくは 114の周りを旋回可能である。軸113、114の向こう側の各レバー111 、112の2つの短いレバーアームはトグル115若しくは116として構成さ れて、押圧子スリーブ120の外面の対応する凹部117若しくは118内に係 合する。 図9の断面図には実線で両方のレバー111、112が旋回進入位置若しくは 当接位置で示してあり、この位置は先に説明した嘴部の閉じ端位置Dに一致する 。この位置でレバー111、112を固定するために、レバーに各1つの段差1 29、130が設けられており、図9の断面図に示したように摺動スリーブ10 8の態様の固定装置107をこの段差に嵌着することができる。摺動スリーブ1 08は半径方向内方に突出するピン109を備えており、このピンは外被106 の外面に設けられる対応する凹部110内に受容されている。凹部110が摺動 スリーブ108の軸方向摺動行程を制限する。 図9の断面図に示した阻止的摺動位置のとき摺動スリーブ108は付加的に球 係止部132を介して安全にされている。ピン109にほぼ直径上で向き合う袋 穴に受容されたばね134が半径方向外側で球133に静置されている。 ばね134は摺動スリーブ108の内面に設けられる対応する凹部136内に球 133を押し込む。 摺動スリーブ108が球係止部132の阻止力を克服して遠位側に摺動される と、摺動スリーブ108はレバー111若しくは112の段差129若しくは1 30から進出 し、レバーは当該軸113若しくは114の周りを外方に旋回することができる 。 このような位置が図9に破線で示唆してある。この位置のときトグル115、 116は押圧子スリーブ120をやはり遠位側に移動させており、これにより嘴 部は開いている。押圧子スリーブ120を更に押すことによって嘴部は場合によ ってはなお更に開くことができ、こうしてレバー111、112も更に拡開され る。 こうしてレバー111、112と押圧子スリーブ120とからなる組立体は、 嘴部を前記閉じ端位置Dへと強制的、限定的に移動させるための剛性リンク装置 として働く装置105を形成する。 このためにレバー111、112は図9に破線で示した位置から、矢印141 若しくは142で示したように内方に旋回される。その際、押圧子スリーブ12 0と操作要索122とからなる組立体は矢印143で示したように近位側に移動 する。 この行程区間は装置105の作用の前記第2区間に相当する。レバー111、 112が外被106に完全に当接されていると、摺動スリーブ108はその段差 129若しくは130上に摺動し、こうして旋回進出を阻止する。 各縦溝138若しくは140の底144若しくは145がストッパとなり、レ バー111、112はこれを越えてそれ以上内方に移動することはできない。 図9の実施でも、ここには図示しない側部接続管を介し て内部空間も浄化液で洗浄することができるようにするために、ここには図示し ない対応する洗浄穴が設けられている。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.柄(12、102)と柄(12、102)の遠位端に配置される少なくと も2つの嘴部(14、16)と柄(12、102)の近位端に配置される握り( 18、104)とこの握り(18、104)に作用結合されて嘴部(14、16 )を開閉する機構(20)とを有し、この機構(20)がばね力で付勢されて嘴 部(14、16)を閉じ方向に押し、握り(18、104)での操作によって機 構がばね力に抗して嘴部(14、16)を開くように移動可能であり、更に嘴部 (14、16)を特定位置で固定させる固定装置(64、107)を有し、剛性 リンク装置として構成されて機構(20)内に係合する装置(30、105)が 設けられており、この装置によって嘴部(14、16)が強制的に特定の閉じ端 位置(D)に移動可能であり、この閉じ端位置で嘴部が嘴部の間に受容された対 象物(90)に所定の保持力を加え、装置(30、105)がストッパ(58、 144、145)を有し、加わる力が強まってもこのストッパが閉じ端位置(D )の通過を阻止し、固定装置(64、107)が嘴部(14、16)をこの閉じ 端位置(D)で固定するようになった外科用把持兼保持鉗子。 2.握り(18、104)が、柄軸内にそれに沿って延設された握り(18、 104)として構成されており、機構(20)と装置(30、105)がこの握 り(18、104)内に収容されていることを特徴とする、請求の範囲 1記載の外科用把持兼保持鉗子。 3.握り(18)の部分(62)が柄軸の周りを回転可能であり、この部分( 62)が装置(30)の一部であり、握り(18)の回転運動によって嘴部(1 4、16)が閉じ端位置(D)に移動可能であるように装置(30)は構成され ていることを特徴とする、請求の範囲2記載の外科用把持兼保持鉗子。 4.握り(18)内にクリスガイド(34、44)が構成されており、このク リスガイドを介して握り(18)の回転可能部分(62)の回転運動が機構(2 0)の操作要素(22)の軸方向摺動運動に変換可能であり、操作要素(22) が嘴部(14、16)に結合されていることを特徴とする、請求の範囲3記載の 外科用把持兼保持鉗子。 5.操作要素(22)がばね(92)の力に抗する方向で柄(12)に沿って 摺動可能であり、この方向に沿った摺動が嘴部(14、16)の最大開き位置( A)までの開きを可能とすることを特徴とする、請求の範囲4記載の外科用把持 兼保持鉗子。 6.操作要素(22)がクリス体(34)に結合されており、握り(18)の 回転可能部分(62)に付属したクリス(44)内にこのクリス体が係合するこ とを特徴とする、請求の範囲4又は5記載の外科用把持兼保持鉗子。 7.クリス(44)が握りの中空円筒形回転可能部分(62)として構成され て、クリス体(34)を取り囲むことを特徴とする、請求の範囲6記載の外科用 把持兼保持 鉗子。 8.クリス体(34)が、直径上で向き合って半径方向に突出する2つのピン (42、43)を有し、クリス(44)の軸方向で上昇する周方向溝(50、5 1)内にこれらのピンがそれぞれ係合することを特徴とする、請求の範囲6又は 7記載の外科用把持兼保持鉗子。 9.各上昇溝(50、51)が軸方向に延びる部分(52)を有することを特 徴とする、請求の範囲8記載の外科用把持兼保持鉗子。 10.各溝(50、51)が端部分(56)を有し、この端部分が上昇部分( 54)に対して軸方向で多少下降していることを特徴とする、請求の範囲8又は 9記載の外科用把持兼保持鉗子。 11.溝(50)の端部分(56)の密閉端がストッパ(58)となることを 特徴とする、請求の範囲10記載の外科用把持兼保持鉗子。 12.クリス体(34)のピン(42、43)がストッパ(58)に達したと き固定装置(64)が自動的に閉じるように、固定装置(64)が握り(18) の固定握り部分(40)と回転可能部分(62)との間で働くことを特徴とする 、請求の範囲11記載の外科用把持兼保持鉗子。 13.固定装置(64)が軸方向に延びるばね押棒(66)を有し、回転可能 握り部分(62)がその閉じ端位置(D)にあるときにこの棒が軸方向で阻止的 に移動可能であり、固定握り部分(40)と回転可能握り部分(62) との間の相対回転を阻止することを特徴とする、請求の範囲12記載の外科用把 持兼保持鉗子。 14.棒(66)が摺動要素(70)に結合されており、この摺動要素は外側 から移動させることができ、但し握り(18)の外輪郭に適合されていることを 特徴とする、請求の範囲13記載の外科用把持兼保持鉗子。 15.握り(18)が、柄(12)に剛結合されてこれと同軸な円筒形部分( 40)を有し、この部分に中空円筒形回転可能部分(62)が嵌着されており、 回転可能部分(62)と固定部分(40)が着脱可能な安全装置(76)を介し て軸方向引抜きに備えて安全にされていることを特徴とする、請求の範囲1〜1 4のいずれか1項記載の外科用把持兼保持鉗子。 16.回転可能部分(62)にキャップ(60)が固定式に取付けられている ことを特徴とする、請求の範囲15記載の外科用把持兼保持鉗子。 17.横断面形状がそれぞれほぼ半卵形(88、89)である2つの把持する 嘴部(14、16)が設けられており、閉じた嘴部(14、16)がほぼ卵形を 成すことを特徴とする、請求の範囲1〜16のいずれか1項記載の外科用把持兼 保持鉗子。 18.一方の嘴部(16)が軸方向に延びるV形溝(86)を有し、他方の嘴 部(14)がこのV形溝(86)内に係合可能な歯(84)を有することを特徴 とする、請求の範囲17記載の外科用把持兼保持鉗子。 19.装置(105)が、握り(104)に枢着された少なくとも1つのレバ ー(111、112)を有し、このレバーの一端(115、116)が開閉機構 (20)に係合しており、嘴部(14、16)の開き位置のときレバーの他端が 横に旋回進出しており、この他端が嘴部(14、16)を閉じ端位置(D)に移 動させるために握り(104)に旋回接近可能であることを特徴とする、請求の 範囲1又は2記載の外科用把持兼保持鉗子。 20.閉じ端位置(D)のとき前記少なくとも1つのレバー(111、112 )が縦長握り(104)に沿って延びることを特徴とする、請求の範囲19記載 の外科用把持兼保持鉗子。 21.握り(104)内に縦溝(138、140)が穿設されており、嘴部( 14、16)の閉じ端位置(D)のときこの縦溝内にレバー(111、112) がぴったりと収容可能であり、その際に握り(104)の輪郭から張り出さない ことを特徴とする、請求の範囲20記載の外科用把持兼保持鉗子。 22.直径上で向き合う2つのレバー(111、112)が設けられているこ とを特徴とする、請求の範囲19〜21のいずれか1項記載の外科用把持兼保持 鉗子。 23.固定装置(107)が摺動スリーブ(108)として構成されており、 握り(104)にレバー(111、112)が旋回接近するとこの摺動スリーブ がレバー上に摺動可能であり、旋回進出を阻止することを特徴とする、 請求の範囲19〜22のいずれか1項記載の外科用把持兼保持鉗子。 24.嘴部(14、16)の閉じ端位置(D)で摺動スリーブ(108)が球 係止部(132)を介して固定されていることを特徴とする、請求の範囲23記 載の外科用把持兼保持鉗子。 25.嘴部(14、16)を開閉する機構が、柄(102)内を軸方向に摺動 可能な操作要素(122)を有し、レバー端(115、116)の旋回運動が操 作要素(122)の軸方向摺動運動に変換可能であるようにこの操作要素はレバ ー(111、112)の一端(115、116)に結合されていることを特徴と する、請求の範囲19〜24のいずれか1項記載の外科用把持兼保持鉗子。
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