JP2001500763A - 直腸組織やその他の生体内部組織のアブレーション - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、直腸の部位における生体構造ないし組織のアブレーションのための装置とシステムとを提供する。カテーテルを直腸に挿入して、それの電極を配置してエネルギーを放出する。アブレーション部位の環境を、上流側と下流側の位置で一対の膨張自在バルーンを利用してガスないし流体をブロックすることで遮蔽するか、又は、制御する。カテーテルには複数の電極が設けられていて、そのうちの少なくとも一本の電極をカテーテルから前進させて、直腸の部位における生体内の選ばれた組織に穿刺する一方でアブレーションする。電極は、生体構造ないし組織の制御パラメータを判定するためにセンサーと連結されており、阿波宇れーしょんようエネルギーないし冷却又は水和作用用流体の供給を制御すべくフィードバック系で利用されるようになっている。カテーテルには光路があって、医療従事者がカテーテルの位置決めと電極の操作を眺める、或いは、制御できるように光路を介して外部の覗き部材と連結している。カテーテルは、アブレーションの助剤として、又は、組織の修復のための、病変部を覆ったり、裂溝を充填するコラーゲンやその他の物質の如くの流動性物質を供給するように配置されている。流動性物質は、カテーテルの少なくとも一つの孔か、微多孔質膜で覆われたカテーテルの部分か、微多孔質膜の何れから、カテーテルの少なくとも一つのルーメンを利用して供給される。

Description

【発明の詳細な説明】 直腸組織やその他の生体内部組織のアブレーション 発明の背景 技術分野 本発明は、直腸組織やその他の生体内部組織のアブレーションに関する。 関連技術の説明 人間は、例えば痔(外痔核ないし内痔核)や、直腸脱、直腸筋痙攣、肛門裂、ポ リープ、憩室、憩室症、毛巣嚢腫など、直腸や結腸などの近傍で異常を来すこと がある。 生体の近位部でのその他の内部異常としては、前立腺ガン(男性の場合)、尿失禁 (女性の場合)、膣出血、膣嚢腫、子宮筋腫、子宮脱、関連する腫瘍ないしガン性 組織などがある。 これらの異常には例えば手術とか、全身ないし局所療法の如くの治療法がある けれども、そのような治療法には、(手術の場合では)生体侵襲が必要で費用がか かり、(服薬療法では)薬効が芳しくなく、しかも副作用を伴うなどの問題がある 。従って、手術や服薬による治療法に付随する問題点のない治療方法とその装置 とが得られれば、それほど望ましいことはない。 異常に処置を施すに当たり生体組織(例えば心筋組織)をアブレーションするの にＲＦエネルギーを利用することが知られているが、従来より遭遇している問題 として、組織アブレーション時に体液と生体内ガスの流量に注意を払う必要があ る。というのは、体液は組織に照射しているＲＦエネルギーを発散させたり、損 傷をもたらすほど吸収してしまうことがある。 従って、直腸や結腸の近傍での異常を治療する改良された技法が得られるので あれば、それほど望ましいことはない。本発明はこれを達成すべくなされたもの であって、直腸にカテーテルを挿入し、少なくとも一本の電極をカテーテルに設 けてエネルギーを照射して、直腸における、或いは、その近傍でのアブレーショ ン部位にある生体組織や、括約筋や直腸、結腸、前立腺などのその他の組織をア ブレーションするようにした本発明による方法とシステムとにより達成できる。 発明の趣旨 本発明は、直腸における、或いは、その近傍でのアブレーションすべき部位( 括約筋、直腸、結腸、前立腺など)の生体組織のアブレーションのための方法と システムとを提供するものである。直腸にカテーテルを挿入し、少なくとも一本 の電極をそれに設けてエネルギーを照射することで、例えば細胞を死滅させたり 、脱水させたり、変性させて生体組織をアブレーションする。アブレーション部 位の上流側と下流側とで一対の膨張自在バルーンを利用してガスないし液体をブ ロックするとか、アブレーション部位の周辺環境を周囲とは遮断するか、又は、 制御している。好ましい実施の形態では、膨張自在バルーンは、カテーテルを留 置させて当該カテーテルが体外にでてしまうのを阻止する働きも行っている。 好ましい実施の形態においては、カテーテルは選ばれた内部器官ないし部位に 達するほど可撓性があり、このカテーテルに複数の電極を設けているものの、そ のうちの少なくとも一本を選択してカテーテルに対して前進させて、嚢腫、痔、 ポリープ、腫瘍、或はその他の患部ないし組織の如く直腸における、或いは、そ の近傍のアブレーション部位に挿通させている。この電極はセンサーと接続され ていて、インピーダンスないし温度の如くの生体組織のおける制御パラメータを 判定するようになっており、その判定結果はフィードバック系に利用してアブレ ーション用エネルギー、或いは、冷却液ないし水和液の供給量を制御するようし ている。好ましい実施の形態では、カテーテルは、医療従事者が外部からカテー テルの位置決めや電極の操作を眺めたり、制御するために覗く接眼部に連なる光 路を有している。 また別の好ましい実施の形態では、塩水や抗生物質の如くのアブレーションの 助剤となるか、又は、コラーゲンや障害部分を覆う別の物質の如くの組織修復( アブレーション前か、又は、アブレーション後)を促進するか、アブレーション 部位或いはその近傍での裂溝を充填するか、麻酔薬、抗炎症薬、鎮痙剤の如くの 薬効をもたらす流動性物質を供給するようにカテーテルを設けている。この流動 性物質は、カテーテルにおける少なくとも一つの孔、微多孔質膜で覆われたカテ ーテルの部分、微多孔質バルーン(カテーテルを留置させるか、ガスないし液体 をブロックするのに利用するバルーンと同一か、それとは別に利用したもの)の 何れかからにお けるカテーテル内の少なくとも一本のルーメンを利用して供給している。 図面の簡単な説明 図１は、カテーテルと電極の組立体の側面図。 図２は、図１における線２-２に沿うカテーテルの横断面図。 図３は、痔の治療法を示す図。 図４は、脱出症に罹っている、又は、痙攣性筋肉の治療法を示す図。 図５は、肛門裂症の治療法を示す図。 図６は、前立腺腫瘍の治療法を示す図。 好ましい実施の形態の説明 カテーテルと電極の組立体 カテーテルと電極の組立体の側面図を図１に示す。 直腸ないしその他の生体内組織をアブレーションするための組立体１００波、 カテーテル１１０と、制御・供給用連結体１２０と、制御素子１３０とで構成さ れている。 カテーテル１１０は、転換素子１２１を介して制御・供給連結体１２０に接続 されているが、この転換素子１２１は、操作者が制御機素１３０を用いてカテー テル１１０を制御・供給連結体１２０に対して回転できるようにしている。 カテーテル１１０は、その形状がほぼ円筒形で、転換素子１２１に連結した近 位端と、遠位端とを有するベース１１１からなる。このカテーテル１１０は制御・ 供給連結体１２０に対して所定角度、好ましくは９０°以下の約３０°から約 ４５°の角度で直腸に挿入できるようになっているのが望ましい。このカテーテ ルは直径が約１インチ(２.５４センチ)から約２インチ(５.０８センチ)で、長さ が約６インチ(１５.２４センチ)から約８インチ(２０.３２センチ)である。 カテーテル１１０には複数の孔１１２が形成されている一方、複数の電極１１ ３を備えているが、この電極１１３は少なくとも一部の孔１１２から延出してい てもよい。孔１１２はカテーテル１１０の外周面のみならず、その長さ方向に沿 って規則的に離間されており、互いに隣接する孔１１２間の隔離距離としては約 ０.２５インチ(０.６４センチ)としている。電極１１３も、孔１１２の約半分を 占めるように規則的に離間されていると共に、その長さとしては約０.５センチ から約１.０センチの範囲になっている。 各電極１１３は、カテーテル１１０の近傍部位１４０に少なくとも一種の流動 性物質を供給できるように、注射針と同様な形状をした中空ルーメン１１５を有 する金属チューブ１１４で構成されている。好ましい実施の形態として、供給し 得る流動性物質としては、濃度が約１０%以下の塩化ナトリウムを含有する塩水 が挙げられるが、この塩水は生体組織やその他の組織を水和させるばかりではな くて、部位１４０にＲＦエネルギーを宛う上でも役立っている。しかし、別の実 施の形態としては、この供給し得る流動性物質としては、その他の濃度の塩水で もよく、成いは、全身用ないし局所用抗生物質、コラーゲンないしその他の硬化 物質、或いは、対生物活性物質、化学活性物質、放射性物質などの流動性物質( 麻酔薬、抗炎症薬、鎮痙剤、トレーサ材なども含む)であってもよい。 カテーテル１１０には、膨大すると部位１４０に生体からガスないし液体が流 入するのを阻止する少なくとも一つのバルーン１１６が設けらている。好ましい 実施の形態では、カテーテル１１０には、その遠位端に遠位側バルーン１１６を 、また、その近位端に近位側バルーン１１６とを設けている。遠位側バルーン１ １６と近位側バルーン１１６のそれぞれはリング状のバルーンからなり、膨大さ せるとカテーテル１１０と、そのカテーテル１１０を挿入した直腸ないしその他 の生体組織の壁部１４１と接触して気密ないし液密シールを形成するようにカテ ーテル１１０の周囲に配置されている。しかし、別の実施の形態としては、遠位 側バルーン１１６を球状ないし楕円状バルーンで構成して、膨大させると壁部１ ４１と接触して気密ないし液密シールを形成するようにカテーテル１１０の周囲 に配置してもよい。 また、カテーテル１１０には、そのカテーテル１１０を挿入した直腸ないしそ の他の生体組織における選ばれた位置に当該カテーテル１１０を留置する少なく とも一つのバルーン１１６をも備えている。好ましい実施の形態では、カテーテ ル１１０を留置するのに利用するバルーン１１６は近位側バルーン１１６であり 、これを膨大させると、フォレー・カテーテルと同様に作用してカテーテル１１ ０が生体から抜けるのを防ぐようにしている。しかし、別の実施の形態では、カ テーテル１１０を留置するのに利用するバルーン１１６は、フォレー・カテーテ ルと同様 に作用してカテーテル１１０を選ばれた位置に専ら又は主として留置させる別の 専用バルーンであってもよい。 カテーテル１１０には液体循環系１１７が備わっており、この液体循環系１１ ７は少なくとも一つの流出口と少なくとも一つの流入口とからなる。この液体循 環系１１７はカテーテル１１０の近傍に液体を流入出させるために設けたもので あって、例えば部位１４０の冷却に液体を供給したり、部位１４０から吸引した 液体の排出に利用できる。 更に、カテーテル１１０には光学覗き孔１１８があって、この覗き孔には恐ら くはレンズないし透明或いは半透明のカバーが含まれていてもよく、操作者がこ の覗き孔１１８を介してカテーテル１１０の作用を覗ぎながら制御するために光 伝達ができるように配置されている。 カテーテル１１０には、インピーダンスないし温度を測定するセンサー１１９ の如くの少なくとも一つのセンサー１１９を備えている。好ましい実施の形態で は、この温度センサー１１９は熱電対で構成しているが、別の実施の形態として この温度センサー１１９をサーミスターや、温度を検出してカテーテル１１０の 近傍の温度を表す信号を発生するその他の装置で構成してもよい。 制御・供給連結体１２０は、中空ルーメン２２４を有する金属チューブ２２３ で構成されており、これについて図２を参照しながら更に説明する。 好ましい実施の形態では、制御・供給連結体１２０は、直径が約１/２インチ( １.２７センチ)から約５/８インチ(１.５９センチ)であり、長さが約６インチ( １５.２４センチ)から約８インチ(２０.３２センチ)である。 制御機素１３０は、カテーテル１１０から電極１１３を前進させる電極作動機 素１３１と、カテーテル１１０へと電極１１３を後退させる電極後退機素１３２ と、孔１１２を利用して流動性物質を供給したり、電極１１３を利用してエネル ギーを供給するなどのカテーテル１１０の操作を制御する操作機素１３３とから なる。 電極の前進、後退 図１における線２-２に沿ったカテーテルの横断面を図２に示す。 カテーテル１１０は回転自在機素２１０を備えており、この回転自在機素２１ ０は、第１方向２１１に回転して電極１１３をカテーテル１１０から前進させ、 この第１方向２１１とは反対の第２方向２１２に回転して電極１１３をカテーテ ル１１０内へと後退させる。 好ましい実施の形態では、この回転自在機素２１０は、当該回転自在機素２１ ０を電極１１３がカテーテル１１０内に後退している定常状態の保持するバネ( 図示せず)やその他の装置と連結されている。 回転自在機素２１０は電極作動機素１３１と連結されて、この電極作動機素１ ３１の作用により回転自在機素２１０が第１方向２１１に回転してカテーテル１ １０から電極１１３を前進させるようになっている。この作動機素が作動させら れていないと、前記バネの作用により回転自在２１０は第２方向２１２に回転し て電極１１３をカテーテル１１０内に後退させている。 各電極１１３は電極担持体２２０に連結されている。好ましい実施の形態では 、各電極担持体２２０はほぼ棒状(但し、図面では端面を示している)であって、 カテーテル１１０から全ての電極１１３を同時に前進させたり、カテーテル１１ ０へその全ての電極１１３を同時に後退させたりできるように、例えば約三本か ら約六本ほどの複数の電極１１３に連結されている。複数用いた電極担持体２２ ０のそれぞれは、カテーテル１１０に対して前進、後退するように配置した電極 の描く線に対応する一組の線に沿って配置されている。 好ましい実施の形態では、電極１１３は、前進させられるとアブレーションす べき生体構造の内部で所定の深さだけ延在するように配置してもよい。全ての電 極１１３が延出する深さは、全ての電極１１３について同一であってもよく、或 いは、第１組の電極１１３に対しては第１深さ、第２組の電極１１３に対しては 第２深さとしてもよい。 好ましい実施の形態では、電極担持体２２０は制御機素１３０にある複数の制 御器(図示せず)に連結して、一つかそれ以上の作動レバー２２１を用いることで 、一つかそれ以上の組の電極１１３を独立してカテーテル１１０から前進させる と共に、一つかそれ以上の組の電極１１３を独立してカテーテル１１０内へと後 退させるように、対応する一つかそれ以上に電極担持体２２０を選択できるよう にしている。 各電極担持体２２０は、回転自在機素２１０が回転すると電極１１３が半径方 向に直線運動するようにベアリング２２２を介して回転自在機素２１０に連結さ れている。従って、この回転自在機素２１０が第１方向２１１に回転すると電極 は第１直線方向２２３に沿って前進させられるが、第２方向２１２に回転した場 合では、電極は第２直線方向２２４に沿って後退する。 回転自在機素２１０の内部２３０には、液体やその他の流動性物質が流れると 共に、制御信号やセンサー信号が伝送される導体を配線したルーメン２２５が形 成されている。 カテーテル・電極組立体の作用 カテーテルと電極の組立体１００の操作は、少なくとも下記のステップからな る。 ゜ 直腸の如くの開口を介してカテーテル１１０を生体に挿入する。 好ましい実施の形態では、開口は直腸である。直腸の部分に先ず、リドカイン の如くの麻酔薬を含ませたＫ-Ｙゼリーの如くの潤滑剤を塗布する。また、抗炎 症薬鎮痙薬、或いはその他の然るべき薬剤を適宜塗布してもよい。その後、カテ ーテル１１０を直腸の潤滑剤塗布部分に挿入する。カテーテル１１０又は電極１ １３により痛みが感じられることがあるので、カテーテル１１０の操作時には、 塩水とリドカインの混合物をアブレーション部位１４０に注入する。 別の実施の形態では、開口としては、膣か尿道の如くの生体門孔や、カテーテ ル１１０を血管に挿通させるために手術で形成した切開口の如くのその他の開口 であってもよい。 カテーテル１１０の好ましい大きさとしては、直腸以外であれば開口の大きさ に合わせるのは言うまでもない。カテーテル１１０の挿入に先立ち、或いはそれ と同時に注入すべき薬剤類も、医療従事者の判断によるものであるのはもちろん のこと、その一例として、潤滑剤、麻酔薬、鎮痙薬、抗炎症薬、抗生物質、それ にその他の対生物活性、化学活性ないし放射性物質の如くの薬剤が挙げられる。 ゜ 痔の近傍の位置の如くの位置に所定の向きとなるようにカテーテル１１０を 生体内に挿入する。 好ましい実施の形態としては、図３に示すように外痔核ないし内痔核近傍にお いてカテーテル１１０を直腸内に挿入している。この好ましい実施の形態では、 痔核をアブレーションするために当該痔核へと電極１１３を前進穿刺させるよう にしている。 別の好ましい実施の形態としては、図４に示すように脱腸ないし痙攣を起こし た部位の近傍においてカテーテル１１０を直腸内に挿入している。この好ましい 実施の形態では、脱腸ないし痙攣を起こした筋肉をアブレーションするために、 脱腸ないし痙攣を起こした筋肉へと電極１１３を前進穿刺するようにしている。 また別の好ましい実施の形態としては、図５に示すように肛門裂溝の近傍にお いてカテーテル１１０を直腸内に挿入するようにしている。この好ましい実施の 形態では、裂溝にコラーゲンを付着させて、裂溝を充填しているこのコラーゲン を硬化させるために、コラーゲン付着部位の近傍へと電極１１３を前進穿刺する ようにしている。 更に別の好ましい実施の形態としては、図３に示したのと同様にしてポリープ の近傍において結腸内にカテーテル１１０を挿入するようにしている。この好ま しい実施の形態では、ポリープをアブレーションするためにそのポリープに電極 １１３を前進穿刺するようにしている。 また更に別の好ましい実施の形態としては、図３に示したのと同様にして毛巣 嚢腫の近傍において直腸内にカテーテル１１０を挿入するようにしている。この 好ましい実施の形態では、嚢腫をアブレーションするためにその嚢腫に電極１１ ３を前進穿刺するようにしている。 もう一つの実施の形態としては、図３に示したのと同様にして嚢腫ないし腫瘍 の近傍において直腸、結腸、大腸、或いは、小腸内にカテーテル１１０を挿入す るようにしている。この好ましい実施の形態では、嚢腫ないし腫瘍をアブレーシ ョンするために嚢腫ないし腫瘍に電極１１３を前進穿刺するようにしている。 更にもう一つの実施の形態としては、図６に示したのと同様にして前立腺の近 傍において男性患者の直腸内にカテーテル１１０を挿入するようにしている。こ の好ましい実施の形態では、腫瘍をアブレーションするために前立腺におけるそ の腫瘍へと電極１１３を前進穿刺するようにしている。 更にもう一つの実施の形態としては、図３に示したのと同様にして子宮嚢腫な いし筋腫の近傍において女性患者の膣内にカテーテル１１０を挿入するようにし ている。この好ましい実施の形態では、嚢腫ないし子宮をアブレーションするた めにその嚢腫ないし筋腫に電極１１３を前進穿刺するようにしている。 その他の好ましい実施の形態としては、図４に示したのと同様にして脱出した 子宮の近傍において女性患者の膣内にカテーテル１１０を挿入するようにしてい る。この好ましい実施の形態では、子宮脱の特定の部分に電極１１３を前進穿刺 するようにしている。 ゜ 遠位側バルーン１１６と近位側ルーン１１６の如くのバルーン１１６を膨ら ますことで、カテーテル１１０を特定の位置において特定の向きに留置する。 カテーテルを直腸に挿通した実施の形態にあっては、近位側バルーン１１６を 利用してカテーテル１１０を留置するが、この近位側バルーン１１６はフォリー・ カテーテルと同様に作用する。 別の実施の形態にあっては、カテーテル１１０が余計に「深く」、即ち、特定 位置を過ぎて差し込まれるのを防ぐために生体外に位置決めされる、リング状バ ルーン(図３に示した如くのもの)の如くの係止用バルーン１１６が備わっていて もよい。 ゜ 遠位側バルーン１１６と近位側バルーン１１６とを膨らませてカテーテル１ １０の近傍の部位１４０を生体内の他の部分と遮蔽する。好ましい実施の形態に おいては、このステップでは、カテーテル１１０を留置するステップで利用した のと同一の遠位側バルーン１１６と近位側バルーン１１６とを利用している。 カテーテル１１０の近傍の部位１４０を生体内の他の部分と遮蔽することは絶 対に必要なものではない。好ましい実施の形態においては、遠位側バルーン１１ ６と近位側バルーン１１６とは共に微多孔質であり、塩水ないし水を用いて膨ら ますようになっているので、カテーテル１１０の近傍の部位１４０に塩水ないし 水を供給できるようになっている。そのような実施の形態では、生体の他の部分 からのガスや流体は一つかそれ以上のバルーン１１６に染み込むようにしている ので、染み込んだガスや液体がバルーン１１６からカテーテル１１０の近傍の部 位１４０へと流入できるようにしている。 また、好ましい実施の形態ではバルーン１１６が部位１４０の壁部１４１と協 働して形成するシールは気密シールとなるようにしているが、別の実施の形態に おいてはそのシールを単に液密シールとして、バルーンを介してガスだけが生体 の他の部分からカテーテル１１０の近傍の部位１４０へ流入するようにしてもよ い。 ゜ 一つかそれ以上の組の電極１１３を、部位１４０における組織の特定の塊体 に前進させるものとして選択する。そのために、回転自在機素２１０を第１方向 ２１１に回転させて、選ばれた組の電極１１３がカテーテル１１０から前進して 組織の特定の塊体へと突っ込ませる。 選ばれた組の電極１１３とは、アブレーションを行うに当たって組織の特定の 塊体に穿刺させる必要のある電極１１３に過ぎない。 アブレーションすべき組織の特定の塊体が痔核である場合での好ましい実施の 形態では、選ばれた組の電極１１３とはその痔核に穿刺させる必要のある電極１ １３に過ぎない。しかし、アブレーションすべき痔核が複数あれば、(１)これら の痔核に穿刺させるのに必要な電極１１３を選ぶか、又は、(２)どれか一つの痔 核に穿刺させるのに必要な電極１１３を選び、これを他の痔核についても繰り返 えすようにしてもよい。 同様に、アブレーションすべく選ばれた生体構造が嚢腫、子宮筋腫、ポリープ 、腫瘍の何れかである場合での好ましい実施の形態では、選ぶ組の電極１１３と は、当該選ばれた生体構造に穿刺する必要な電極１１３だけである。選ばれた生 体構造が複数ある場合では、(１)これらの生体構造に穿刺させるのに必要な複数 組の電極１１３を選ぶか、又は、(2)どれか一つの生体構造に穿刺させるのに必 要な一組の電極１１３を選び、これを他の生体構造についても繰り返えすように してもよい。 また同様に、アブレーションすべく選ばれた生体構造が筋肉組織ないし、脱出 や痙攣を起こした筋肉の如く大きな生体構造の一部であるその他の組織の何れか である場合での好ましい実施の形態では、選ぶ組の電極１１３とは、アブレーシ ョンすべきものとして選ばれた生体構造に穿刺する必要な一組かそれ以上の組の 電極１１３だけである。 ゜ 孔１１２を利用して流動性物質を供給し、部位１４０における組織の塊体を アブレーションする用にエネルギーを電極１１３に供給する。 好ましい実施の形態においてはこの流動性物質は孔１１２を介してカテーテル １１０の近傍の部位１４０に供給している。 別の実施の形態としては、(１)微多孔質膜で覆われたカテーテルの部分、(２) 一つかそれ以上の微多孔質バルーンの何れから、或いは、両方から流動性物質を 供給してもよい。微多孔質バルーンは、カテーテルを留置する、又は、ガスない し液体をブロックするのに利用したバルーン１１６と同一であってもよく、又は 、それとは別に用いるものであってもよい。 好ましい実施の形態にあっては、流動性物質は、下記の機能の内、どれか一つ を有するものである。(１)塩水ないしその他の電解溶液が奏しているのと同様に 、アブレーションすべき生体構造に電極１１３からＲＦエネルギーを照射する如 くのアブレーションを促進すること、(２)塩水ないし水が奏しているのと同様に 、組織を再水和させること、(３)後ほどにＲＦエネルギーで硬化される軟質コラ ーゲンが奏するのと同様に、嚢腫ないし裂溝ないし空洞に流入するとか、病変部 を覆うとかの如く組織を修復すること。 好ましい実施の形態では、電極１１３は、周波数が約４３５メガヘルツから約 ４８５メガヘルツのＲＦエネルギーを約５分から約１０分の間供給するようにな っている。このＲＦエネルギーは電極１１３の近傍の組織或いは他の生体構造に 照射され、その組織ないし他の生体構造を加熱することで、細胞を死滅させるか 、脱水させるか、又は、変性させてアブレーションを行うようになっている。 別の実施の形態としては、電極１１３から、熱、マイクロ波、赤外線ないし可 視レーザエネルギーの如くのその他のエネルギーを照射するようにしてもよい。 電極１１３は、少なくとも一つのセンサー１１９を利用してフィードバック系 で制御される。センサー１１９が複数あるような実施の形態では、このフィード バック系はそれぞれのセンサー１１９に応答するものであってもよい。 好ましい実施の形態としては、少なくとも一つのセンサー１１９として温度セ ンサー１１９を用い、この場合にフィードバック系に制御機素１３０内に設ける 、或いは、それと連結するマイクロプロセッサ(図示せず)を含ませて、アプリケ ーションソフトの制御の下で、アブレーションすべき生体構造の温度を約９０℃ か ら約１２０℃の間を超える温度の如くの所定温度に維持するようにしている。こ の好ましい実施の形態においては、マイクロプロセッサは、周囲組織(即ち、ア ブレーションすべき組織以外)の温度を約９０℃から約１２０℃の範囲以下の温 度に維持するために冷却ないし水和作用のための液体の供給を制御するようにも している。 別の好ましい実施の形態としては、少なくとも一つのセンサー１１９としてイ ンピーダンスセンサー１１９を用い、この場合にフィードバック系にマイクロプ ロセッサを含ませて、アブレーションすべき生体構造の測定インピーダンスが相 当の変化を来して脱水ないし変性が行われてことを示したときに、ＲＦエネルギ ーの供給を停止させるようにしてもよい。 ゜ 部位１４０における組織の特定塊体から後退させる一組かそれ以上の組の電 極１１３を選択する。回転自在２１０を第２方向２１１に回転させて、選ばれた 組の電極１１３を組織の特定塊体から後退させてカテーテル１１０に戻す。 カテーテル１１０から前進させたのと同一の電極１１３がカテーテル１１０に 後退させられる。 ゜ カテーテル１１０を挿入した生体の開口からそのカテーテル１１０を抜き出 す。 取出しに先立って、カテーテル１１０が最早留置されないようにバルーン１１ ６を萎ませ、全ての電極１１３をカテーテル１１０に戻し、カテーテル１１３を 、流動性物質ないしアブレーション用エネルギーが最早供給されないように構築 する。 特定の治療法とその装置 好ましい実施の形態では、カテーテルと電極の組立体１００を、生体構造ない し組織のアブレーションのみならず、それに代わる治療に利用することもできる 。 好ましい一実施の形態としては、カテーテルと電極の組立体１００の操作が下 記のステップからなるものとしてもよい。 ゜ 尿道の如くの生体のルーメンにカテーテル１１０を挿入する。 好ましい実施の形態では、生体のルーメンとしては、脱出症を呈している、痙 攣を起こしている、或いは閉塞(部分的、或いは、完全)ないし損傷(生体ルーメ ンの壁 部におけるが如く)を受けている通常チューブ状の生体構造であってもよい。 ゜ 生体ルーメンの少なくとも一カ所の選ばれた部位を覆うように、生体ルーメ ンにカテーテル１１０を介して硬化性物質を注入する。 好ましい実施の形態では、硬化性物質として、生体ルーメンの壁部へと流れ、 かつ、ＲＦエネルギーや熱、或いは、カテーテルと電極の組立体１００を介して 供給されるその他の媒体により硬化され得るコラーゲンとしている。 ゜ 電極１１３を前進させて、硬化性物質を硬化させるべく当該硬化性物質にエ ネルギーを伝達する。 好ましい実施の形態においては、孔１１２を介して塩水を供給し、コラーゲン を硬化させて生体ルーメンの壁部に硬質被覆層を形成するためにＲＦエネルギー を照射している。必要あれば、コラーゲンを複数層に付着させて、０.１インチ( ０.２５センチ)の如くの選ばれた閾値を越える厚みの硬質被覆層が形成されるよ うにしてもよい。この特定の選ばれた閾値は、生体ルーメンの好ましい直径に応 じて適宜選定されるのはもちろんのことである。 脱出ないし痙攣している筋肉の治療における好ましい実施の形態では、(１)カ テーテル１１０を挿入して、直腸、結腸、大腸ないし小腸の脱出部或いは閉塞部 のある部位に突き刺し、（２）脱出ないし痙攣している筋肉を部分的にアブレー ションし、(３)コラーゲンを注入して、筋肉壁を強化すべく硬化させる。別の実 施の形態としては、アブレーションに先立ってコラーゲンを筋肉内(又は、筋肉 上ないし筋肉近傍)の一つかそれ以上の肉塊に注入して、筋肉アブレーションと コラーゲンの硬化操作とがほぼ同時に行われるようにしてもよい。 肛門裂溝の治療の場合での好ましい実施の形態では、(１)裂溝を起こしている 部位へとカテーテル１１０を挿入し、(２)コラーゲンと塩水の懸濁液を注入して 裂溝を埋め、(３)懸濁液から塩水を除去する一方で、コラーゲンを硬化させる。 この好ましい実施の形態にあっては、遠位側バルーン１１６と近位側バルーン１ １６との間の遮蔽した部分は、直腸の残部に対して正の差圧となるように維持し て、裂溝にコラーゲンが流入できるようにする。この操作もしくはこれに類似の 操作は、憩室症や憩室炎の治療にも適用されるものである。 子宮脱に罹患している女性患者の治療での好ましい実施の形態では、(１)子宮 が脱出している部位にカテーテル１１０を挿入し、(２)脱出している子宮を部分 的にアブレーションし、(３)コラーゲンを注入して硬化させることで筋肉壁を強 化する。脱出症を起こしている筋肉の治療と同様に、別の実施の形態としても、 アブレーションに先立ってコラーゲンを注入して、筋肉アブレーションとコラー ゲン硬化操作とがほぼ同時に行われるようにしてもよい。 変形例 好ましい実施の形態をここまで説明したが、本発明の概念、範囲、精神の範囲 内で種々の変形例が考えられ、従って、これらの変形例は本願を熟読することで 当業者には明らかになるであろう。

───────────────────────────────────────────────────── 【要約の続き】 ンやその他の物質の如くの流動性物質を供給するように 配置されている。流動性物質は、カテーテルの少なくと も一つの孔か、微多孔質膜で覆われたカテーテルの部分 か、微多孔質膜の何れから、カテーテルの少なくとも一 つのルーメンを利用して供給される。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．生体内の構造をアブレーションする方法であって、 前記生体の部位にカテーテルを挿入するステップと、 前記部位を、該部位の外からのガスないし流体から遮蔽するステップと、 前記カテーテルと連結した電極から前記部位へと、前記構造をアブレーション する有効量のエネルギーを放出するステップとからなる方法。 ２．請求項１に記載の方法であって、前記部位が括約筋、直腸、結腸、前立腺の 何れか、或いはその近傍にあることよりなる方法。 ３．請求項１に記載の方法であって、前記構造が嚢腫、痔核、ポリープ、腫瘍、 病変の何れかを有していることよりなる方法。 ４．請求項１に記載の方法であって、前記エネルギーが、周波数が約４３５メガ ヘルツから約４８５メガヘルツの範囲にあるＲＦエネルギーであることよりなる 方法。 ５．請求項１に記載の方法であって、前記放出するステップが約１０分以下の時 間にわたり行われることよりなる方法。 ６．請求項１に記載の方法であって、前記カテーテルの内部から前記部位内での 組織の選ばれた塊体の内側の点へと前記電極を前進させるステップを備えてなる 方法。 ７．請求項１に記載の方法であって、前記遮蔽するステップが、少なくとも一つ のバルーンを用いて前記部位へ流入するガスないし流体をブロックするステップ からなる方法。 ８．請求項７に記載の方法であって、前記少なくとも一つのバルーンが、前記部 位から上流側の位置、又は、下流側の位置の設けたバルーンからなる方法。 ９．請求項７に記載の方法であって、前記遮蔽するステップが、前記少なくとも 一つのバルーンを膨大させるステップを含んでなる方法。 １０．請求項７に記載の方法であって、前記少なくとも一つのバルーンを利用し て前記カテーテルを選ばれた位置に留置するステップを設けてなる方法。 １１．請求項１に記載の方法であって、前記カテーテルを選ばれた位置に留置す るステップを設けてなる方法。 １２．請求項１１に記載の方法であって、前記留置するステップが、少なくとも 一つのバルーンを前記部位の壁部に配置するステップからなる方法。 １３．請求項１に記載の方法であって、 前記部位の少なくとも一つの制御パラメータを検出するステップと、 前記制御パラメータ含むフィードバック系を利用して前記放出するステップを 制御するステップを更に備えてなる方法。 １４．請求項１に記載の方法であって、前記部位に流動性物質を供給するステッ プを備えてなる方法。 １５．請求項１４に記載の方法であって、 前記部位の少なくとも一つの制御パラメータを検出するステップと、 前記制御パラメータ含むフィードバック系を利用して前記供給するステップを 制御するステップを更に備えてなる方法。 １６．請求項１４に記載の方法であって、前記流動性物質が、前記部位を選ばれ た温度まで冷却する有効量の流体からなる方法。 １７．請求項１４に記載の方法であって、前記流動性物質が、前記部位における 組織の選ばれた塊体を再水和する有効量の流体からなる方法。 １８．請求項１４に記載の方法であって、前記流動性物質が塩水を含むことより なる方法。 １９．請求項１４に記載の方法であって、前記流動性物質が抗生物質を含むこと よりなる方法。 ２０．請求項１４に記載の方法であって、前記流動性物質がコラーゲンを含むこ とよりなる方法。 ２１．請求項１４に記載の方法であって、前記流動性物質が、前記部位における 選ばれた構造を覆う、又は、充填する物質を含むことよりなる方法。 ２２．請求項１４に記載の方法であって、前記供給するステップが、前記カテー テルの少なくとも一つの孔から前記流動性物質を流出させるステップを含んでな る方法。 ２３．請求項１４に記載の方法であって、前記供給するステップが、微多孔質膜 か ら前記流動性物質を流出させるステップを含んでなる方法。 ２４．請求項１４に記載の方法であって、前記供給するステップが、微多孔質膜 を有するバルーンから前記流動性物質を流出させるステップを含んでなる方法。 ２５．請求項１に記載の方法であって、操作者が前記部位を眺めることができる ように、前記部位から生体外の一点へと光を結合するステップを含んでなる方法 。 ２６．請求項１に記載の方法であって、 前記部位から、当該部位の映像を表す光を受光するステップと、 前記映像に応じて前記カテーテルの向きないし位置を制御するステップを更に 備えてなる方法。 ２７．生体内における部位での構造をアブレーションする装置であって、 前記部位に位置決めするように配置したカテーテルと、 前記部位の外からのガスないし流体から前記部位を遮蔽する手段と、 前記カテーテルと連結した電極とからなる装置。 ２８．請求項２７に記載の装置であって、前記部位が括約筋、直腸、結腸、前立 腺の何れか、或いはその近傍にあることよりなる装置。 ２９．請求項２７に記載の装置であって、前記構造が嚢腫、痔核、ポリープ、腫 瘍、病変の何れかを有していることよりなる装置。 ３０．請求項２７に記載の装置であって、前記エネルギーが、周波数が約４３５ メガヘルツから約４８５メガヘルツの範囲にあるＲＦエネルギーであることより なる装置。 ３１．請求項２７に記載の装置であって、前記電極を前記カテーテルの内側から 前記部位における組織の選ばれた塊体の内側の一点へと前進させる手段を備えて なる装置。 ３２．請求項２７に記載の装置であって、前記遮蔽する手段が、少なくとも一つ のバルーンからなる装置。 ３３．請求項３２に記載の装置であって、前記少なくとも一つのバルーンが、前 記部位から上流側の位置、又は、下流側の位置の設けたバルーンからなる装置。 ３４．請求項３２に記載の装置であって、前記少なくとも一つのバルーンを膨大 させる手段を含んでなる装置。 ３５．請求項３２に記載の装置であって、前記少なくとも一つのバルーンが前記 カテーテルを選ばれた位置に留置すべく作用することよりなる装置。 ３６．請求項２７に記載の装置であって、前記カテーテルを選ばれた位置に留置 する手段を設けてなる装置。 ３７．請求項３６に記載の装置であって、前記留置する手段が、少なくとも一つ のバルーンを前記部位の壁部に配置し得る少なくとも一つのバルーンからなる装 置。 ３８．請求項２７に記載の装置であって、 少なくとも一つの制御パラメータセンサーと、 前記制御パラメータセンサーに応答して前記電極を制御する手段を更に備えて なる装置。 ３９．請求項２７に記載の装置であって、前記部位に流動性物質を供給する手段 を備えてなる装置。 ４０．請求項３９に記載の装置であって、 少なくとも一つの制御パラメータセンサーと、 前記制御パラメータセンサーに応答して前記供給する手段を制御する手段を更 に備えてなる装置。 ４１．請求項３９に記載の装置であって、前記流動性物質が、前記部位を選ばれ た温度まで冷却する有効量の流体からなる装置。 ４２．請求項３９に記載の装置であって、前記流動性物質が、前記部位における 組織の選ばれた塊体を再水和する有効量の流体からなる装置。 ４３．請求項３９に記載の装置であって、前記流動性物質が塩水を含むことより なる装置。 ４４．請求項３９に記載の装置であって、前記流動性物質が抗生物質を含むこと よりなる装置。 ４５．請求項３９に記載の装置であって、前記流動性物質がコラーゲンを含むこ とよりなる装置。 ４６．請求項３９に記載の装置であって、前記流動性物質が、前記部位における 選ばれた構造を覆う、又は、充填する物質を含むことよりなる装置。 ４７．請求項３９に記載の装置であって、前記供給する手段が、前記カテーテル に おける少なくとも一つの孔からなる装置。 ４８．請求項３９に記載の装置であって、前記供給する手段が、微多孔質膜から なる装置。 ４９．請求項３９に記載の装置であって、前記供給する手段が、微多孔質膜を有 するバルーンからなる装置。 ５０．請求項２７に記載の装置であって、操作者が前記部位を眺めることができ るように、前記部位から生体外の一点へ延在する光路を含んでなる装置。 ５１．請求項５０に記載の装置であって、 前記映像に応じて前記カテーテルの向きないし位置を制御する手段を更に備え てなる装置。 ５２．請求項５０に記載の装置であって、前記光路に覗き部材を設けてなる装置 。