JP2001500379A - テロメア長およびテロメア活性を調節するための方法および試薬 - Google Patents

テロメア長およびテロメア活性を調節するための方法および試薬

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Abstract

(57)【要約】 精製タンパク質TPC2および組換えタンパク質TPC2ならびに精製タンパク質TPC3および組換えタンパク質TPC3、ならびにそれらのタンパク質またはそれらのフラグメントに対応する組換えオリゴヌクレオチドまたは合成オリゴヌクレチオチドは、哺乳動物細胞におけるテロメア長およびテロメラーゼ活性の制御因子を検出するために、および種々の関連する診断目的および治療目的のために使用され得る。

Description

【発明の詳細な説明】 テロメア長およびテロメア活性を調節するための方法および試薬 発明の分野 本発明は、哺乳動物細胞におけるテロメア長の調節およびテロメラーゼ活性の 調節のための、ならびにヒトおよび他の哺乳動物における関連する疾患および状 態の検出、診断、および処置のための方法および試薬を提供する。重要な実施態 様において、本発明は、哺乳動物細胞におけるテロメア長およびテロメラーゼ活 性を調節する遺伝子および遺伝子産物に関するオリゴヌクレオチドプローブおよ びオリゴヌクレオチドプライマー、ポリヌクレオチドプラスミド、ペプチド、タ ンパク質、抗体、ならびに酵素を提供する。本発明は、分子生物学、化学、薬理 学、および医学的治療技術および医学的診断技術の分野において種々の適用を有 し、そして重要な進歩を提供する。 発明の背景 哺乳動物細胞における染色体のテロメアの末端のDNAは、テロメア繰り返し配 列として言及される単純なヌクレオチド配列の多くの直列型の反復から構成され る2本鎖核酸および1本鎖核酸からなる。テロメアは染色体構造および機能を維 持することを助け;そしてテロメアDNAの消失は、DNA損傷を検出および制御し、 そして細胞増殖および細胞老化をモニターおよび制御する細胞性プロセスを活性 化し得る。テロメアの維持およびテロメア長の調節は、世代から世代へと遺伝情 報を伝達すること、加齢、細胞増殖の制御、および癌に関与する重要な細胞性機 能である。Harley、1991、Mutation Research 256:271-282;およびBlackburn, 1992,Annu.Rev.Biochem.61:113-129(これらの各々は本明細書中で参考とし て援用される(留意:本明細書中で引用される参考文献は、便宜上提供される; このような引用は先行発明の容認として解釈されるべきではない)を参照のこと 。 多成分テロメラーゼリボ核タンパク質酵素は、鋳型として酵素のRNA成分を使 用して、テロメア延伸の間合成されるテロメアDNAの最初の鎖の合成を触媒する 。 ヒトテロメラーゼ(hTR)および他の哺乳動物のテロメラーゼ酵素のRNA成分は、 同定され、単離され、特徴づけられ、そして科学文献に記載されているが、テロ メラーゼ酵素のタンパク質成分ならびに哺乳動物細胞においてテロメア維持なら びにテロメア長およびテロメラーゼ活性の調節に関与する他のほとんどの細胞性 巨大分子はそうではない。Fengら、1995、Sclence 269:1236-1241およびPCT特許 公開第96/01835号(これらの各々は本明細書中で参考として援用される)を参照 のこと。 テロメアおよびテロメラーゼ生物学に関する多くの有用な方法および試薬は記 載されている。例えば、米国特許第5,489,508号;PCT特許公開第95/23572、同第 95/13381号、同第95/13382号、および同第95/13383号(これらの各々は本明細書 中で参考として援用される)を参照のこと。しかし、哺乳動物のテロメア維持な らびにテロメア長およびテロメラーゼ活性の調節に関与するさらなる細胞性巨大 分子が同定され、特徴づけられ、そして純粋な形態または単離可能な形態で利用 可能であるならば、テロメア媒介治療およびテロメラーゼ媒介治療ならびに関連 するアッセイ、スクリーニング、診断方法、および試薬に重要な改善およびそれ らについての新たな機会が認識され、そして得られ得る。詳細には、このような 巨大分子のヌクレオチドおよび対応するアミノ酸配列の特徴づけは、新しく、そ して有用な組換え発現ベクターおよびプラスミド、ならびに医学的治療技術およ び医学的診断技術に有用な関連する試薬を提供し得る。 発明の要旨 本発明は、哺乳動物細胞におけるテロメア長の調節およびテロメラーゼ活 性の調節のための、ならびにヒトおよび他の哺乳動物における関連する疾患およ び状態の検出、診断、および処置のための方法および試薬を提供する。 1つの実施態様において、本発明は以下を含む組換え哺乳動物宿主細胞を提供 する: (i)プラスミドpGRNl09(受託番号ATCC97708の下でアメリカンタイプカルチャ ーコレクションに寄託された)の約3.5kbのNotI-BstEII制限フラグメントのヒト DNA挿入物に含まれるヒト遺伝子TPC2のオープンリーディングフレーム配列に対 応する少なくとも約10〜15〜25〜100以上の連続したヌクレオチドを含む組換え 核酸または合成核酸;または 上記 オープンリーディングフレーム配列によってコードされるアミノ酸配列に対応 する少なくとも約6、10、15、25、100以上の連続したアミノ酸を含む合成ペプ チドもしくは合成ペプチドまたは組換えタンパク質もしくは組換えタンパク質; および (ii)プラスミドpGRN92(ATCC97707)の約1.4kbのEcoRI-BamHIの制限フラ グメントに含まれるヒト遺伝子TPC3のオープンリーディングフレーム配列に対応 する少なくとも約10〜15〜25〜100以上の連続したヌクレオチドを含む組換え核 酸または合成核酸;または 遺伝子TPC3上記オープンリーディングフレーム配列によってコードされるア ミノ酸配列に対応する少なくとも約6〜10〜15〜25〜100以上の連続したアミノ 酸を含む合成ペプチドもしくは組換えペプチドまたは合成タンパク質もしくは組 換えタンパク質。 上記TPC2およびTPC3遺伝子は、テロメア長を調節するか、またはテロメラーゼ 活性を調節し、そしてテロメラーゼ活性を表すヒト細胞または他の哺乳動物細胞 に存在するタンパク質をコードすることに特徴づけられる。 本発明によって提供される他の哺乳動物宿主細胞は、TPC2およびTPC3のいずれ かまたは両方由来の組換え核酸もしくは合成核酸、組換えペプチドもしくは合成 ペプチド、または組換えタンパク質もしくは合成タンパク質を含む咄乳動物宿主 細胞を含む。さらに、本発明はまた、pGRN33(ATCC75926)の約2.5kb HindIII-S acI制限フラグメントに位置するヒトhTRの連続したヌクレオチド配列に対応する 少なくとも約10、15、25、100以上の連続したヌクレオチドを含む合成核酸、ま たは組換え核酸を含むようにさらに改変された細胞を提供する。 本発明の組換え宿主細胞は、本発明によってさらに提供される多くの有用な方 法において適用を有する。例えば、本発明はヒトTPC2またはTPC3遺伝子および必 要に応じて組み換えhTR遺伝子によってコードされるアミノ酸配列と実質的に同 一の配列におけるアミノ酸をコードするヌクレオチド配列に作動性に連結された 発現制御配列を有する新規な発現ベクターを含む組換え宿主細胞を提供する。こ れらの組換え宿主細胞は、組換えヒトテロメラーゼを生成するに、テロメラーゼ 活性を調節するか、またはテロメア長を調節する薬剤を同定するスクリーニング における使用に、ならびに以下により十分に記載される種々の他の目的に有用で ある。本発明の組換え宿主細胞はまた、非ヒトトランスジェニック哺乳動物の生 殖系列および/または体細胞性組織に組み込まれ得、そして治療目的のために哺 乳動物に投与され得る。 別の実施態様において、本発明は、種々の形態(すなわち、単離可能な形態、 単離された形態、精製された形態、または実質的に純粋な形態)および種々の目 的(すなわち、プローブまたはプライマーとして、哺乳動物宿主細胞においてテ ロメア長を調節するか、またはテロメラーゼ活性を調節する組換え遺伝子産物を 導入するためのポリヌクレオチドプラスミドおよびベクターとして、有用な核酸 を作製するための制限フラグメントとして、ならびに治療的適用、診断的適用、 および他の適用のための試薬として)のために合成オリゴヌクレオチドおよび組 換えオリゴヌクレオチドならびに合成核酸および組換え核酸を提供する。詳細に は、本発明は、以下のいずれか: (i)プラスミドpGRNl09の約3.5kbのNotI-BstEII制限フラグメントのヒトDNA 挿入物に含まれるヒト遺伝子TPC2のオープンリーディングフレーム配列;または (ii)プラスミドpGRN92の約1.4kb(7)EcoRI-BamHI制限フラグメントのヒトDNA 挿入物に含まれるヒト遺伝子TPC3のオープンリーディングフレーム配列; に位置する連続したヌクレオチド配列に対して実質的に同一または配列において 相補的である少なくとも約10〜15〜25〜100以上の連続したヌクレオチドを含む 、組換え核酸または合成核酸を提供する。 本発明の新規なオリゴヌクレオチドプローブおよびプライマーは、代表的には 、核酸の複合混合物においてそれらへの特異的なハイブリダイゼーションを可能 にする、TPC2またはTPC3遺伝子または遺伝子産物におけるヌクレオチドの配列に 実質的に同一または相補的な配列のヌクレオチドを含む。従って、このようなプ ローブおよびプライマーは、種々の診断的適用、治療的適用、および他の適用に おける有用な適用を有する。 本発明の発現ベクターは、代表的には、TPC2もしくはTPC3タンパク質遺伝子産 物におけるアミノ酸配列に同一の配列中のアミノ酸をコードするヌクレオチド配 列に作動性に連結された発現制御配列を含む。このような発現ベクターは、多く の有用な適用を有する。これは、本発明の治療的方法における、標的細胞または 組織において、テロメラーゼ活性を活性化するか、もしくは阻害するかのいずれ かのためにテロメラーゼ活性を調節するための、またはテロメア長を増大させる か、もしくは減少させるかいずれかのためにテロメア長を調節するための遺伝子 治療ベクターとしての適用を含む。 本発明の遺伝子治療発現ベクターはまた、TPC2および/またはTPC3タンパク質 の改変体または「変異タンパク質」をコードする(すなわち、1つ以上のアミノ 酸の欠失、置換、および/または付加によってTPC2および/またはTPC3タンパク 質とは異なるタンパク質を発現する)遺伝子治療発現ベクターを含む。しかし、 本発明の遺伝子治療ベクターはまた、有用な核酸(例えば、hTR、またはTPC2、T PC3、および/もしくはhTR遺伝子産物(すなわち、mRNAおよびテロメラーゼRNA )を標的化するアンチセンス核酸またはリボザイム)をコードし得る。このよう なベクターは、テロメラーゼ活性またはテロメア長の調節が有利であり得る疾患 または状態を処置するか、または予防するための本発明の治療的方法において有 用である。例えば、テロメラーゼポジティブ癌細胞において、テロメラーゼ活性 の阻害は、これらの細胞におけるテロメア維持を阻止し得る。これは、連続した 増殖に際して、テロメア消失、細胞危機、および死を誘導する。このような目的 のために、例えば、RNA成分またはタンパク質成分についての競合、内在性遺伝 子発現の阻害、または他の手段によって、細胞におけるテロメラーゼ形成または テロメラーゼ活性によるテロメア延伸を阻害し得る非機能的なTPC2またはTPC3変 異タンパク質、または改変体タンパク質または他の核酸を発現する本発明の遺伝 子治療ベクターが好ましい。 別の実施態様において、本発明は、哺乳動物細胞において、テロメア長および テロメラーゼ活性を調節する遺伝子および遺伝子産物に関する、ペプチド、タン パク質、抗体、および酵素を提供する。詳細には、本発明は、以下のいずれか: (i)プラスミドpGRN109の約3.5kbのNotI-BstEII制限フラグメント;または (ii)プラスミドpGRN92の約1.4kbのEcoRI-BamHI制限フラグメント、 に位置するヒト遺伝子のオープンリーディングフレーム配列によってコードされ るアミノ酸配列と、配列において同一な少なくとも約6、10、15、25、100以上 の連続したアミノ酸を含む合成ペプチドもしくは組換えペプチドまたは合成タン パク質もしくは組換えタンパク質を提供する。 本発明は、組換えTPC2および/またはTPC3タンパク質を発現する宿主細胞から 単離可能な形態で、ならびにインビトロ合成由来の精製形熊および実質的に純粋 な形態で、または組換え宿主細胞からの精製によって、または本発明の抗体また は他の試薬を使用する天然に存在するタンパク質の精製によって、TPC2遺伝子お よびTPC3遺伝子によってコードされるタンパク質を提供する。このようなタンパ ク質は、テロメラーゼ、またはテロメアを維持し、そしてテロメア長を調節する 他の酵素活性をインビトロで再構成するための方法における適用を有する。次い で、これらの方法は、治療的薬剤のための、診断的試験のための、および他の適 用のためのスクリーニングにおいて適用を有する。さらに、TPC2またはTPC3タン パク質のアミノ酸配列に対応するペプチドはまた、哺乳動物細胞におけるテロメ ア長およびテロメラーゼ活性を調節するために使用され得る。 本発明のタンパク質およびペプチドはまた、TPC2もしくはTPC3タンパク質また はこれらのタンパク質上の特定のエピトープに対して特異的な抗体を作製するた めに使用され得る。従って、本発明は、TPC2またはTPC3タンパク質に特異的に結 合するポリクロナール抗体およびモノクロナール抗体を提供する。次いで、これ らの抗体は、正常な細胞または組換え細胞からTPC2またはTPC3タンパク質を単離 するために使用され得、そしてそのタンパク質ならびにそのタンパク質に結合し た他のタンパク質を精製するために使用され得る。これらの抗体はまた、細胞の 複合混合物におけるTPC2またはTPC3タンパク質を含む細胞の検出において重要な 適用を有する。このような検出方法は、癌、妊娠、または受精能のような疾患お よび他の状態のスクリーニング、診断、およびモニタリングにおける適用を有す る。なぜならば、TPC2およびTPC3タンパク質はテロメアDNAの延伸およびテロメ アーゼ活性の発現の可能なほとんどの細胞において存在するからである。 本発明の免疫原性ペプチドおよびタンパク質はまた、治療的免疫化およびワク チン接種手順において使用され得る。本発明は、免疫刺激量の本発明のこのよう なペプチドまたはタンパク質を投与する工程を包含する、テロメアを維持しそし てテロメラーゼ活性を発現する細胞に対して、被験体を免疫化する方法、ならび にこの方法において有用なワクチンを提供する。 別の実施態様において、本発明は、稀なタンパク質(例えば、テロメア延伸お よびテロメア長およびテロメラーゼ活性の調節に関与するタンパク質)をコード するmRNAの発現配列タグ(EST)を同定し、単離し、そしてクローン化するため のサブトラクションハイブリダイゼーション示差的表示方法を提供する。 本方法は以下の工程を含む: (i)上記の稀なタンパク質、すなわちテロメラーゼのタンパク質成分を含む 哺乳動物細胞の第一の集団からおよび上記の稀なタンパク質を含まない哺乳動物 の第二の集団からmRNAを得ること; (ii)このような・RNAを逆転写および第二鎖合成に供して第一および第二のc DNA調製物を形成することであって、上記第一および第二のcDNA調製物は上記の 稀なタンパク質をコードするcDNA分子の存在または非存在、ならびに該第一およ び第二のcDNA調製物のうちの1つに取り込まれた標識に関して互いに異なり; (iii)上記cDNA調製物を、上記第一および第二のcDNA調製物からのcDNAの相 補鎖がアニールして二本鎖および一本鎖cDNAの混合物を形成するような条件下で 組み合わせること:および (iv)上記標識を含むcDNAを含まないcDNAから分離して、それにより上記第二 の集団における相補cDNAから枯渇され、そして上記稀なタンパク質をコードする cDNAについて富化されている第一の集団からのcDNAの単離された調製物を形成す ること。 上記方法の工程(iii)および(iv)は、所望である限り頻繁に反復され得、そ して工程(iv)の完了後に単離されたcDNAは、PCRにより増幅され得、所望のcDN Aについて非常に富化されたcDNA調製物を提供する。 本発明のこれらのおよび他の実施態様は、以下に詳細に記載される。 図面の簡単な説明 図1は、部分A、B、およびCにおいて、TPC2(図1A)またはTPC3(図1B)cD NAについて特異的なプライマーを使用するRT-PCR分析の結果を示す棒グラフであ る。この棒グラフおよび他の棒グラフにおいて、各棒にわたる数値は、得られた 数値結果である;RT-PCR結果について、この数値は、ゲル電気泳動後のRT-PCR産 物のオートラジオグラムまたはPhosphorImagerTMスクリーン(Molecular Dynami cs)をスキャンすることにより生成した。これらの試験条件下で、TPC2およびTP C3mRNAは、試験されたテロメラーゼネガティブ細胞株(図において「死すべき」 と標識される)において存在しないか、または非常に低いレベルでのみ検出可能 であり、そして試験されたすべての(そのほとんどが明らかに検出可能なレベル である)テロメラーゼポジティブ細胞株(図において「」と標識される)におい て検出可能である。図1Cは、GAPDHレベルに対して正規化したTPC3 mRNAレベルを 示し、そして死すべき細胞と不死の細胞との間のTPC3 mRNAレベルにおける差異 を示す(「0.0」と記されるスペースは、単にグラフ化データ中の間隙として提 供される)。GAPDH mRNAは、コントロールとして使用された;そのより多い存在 度に起因して、GAPDHサンプルのRT-PCRは、TPC2またはTPC3サンプルについて使 用されるよりも少ないPCRサイクルで完了することが可能であった。 図2は、部分A,B,およびCにおいて、hTR RNAのRT-PCR分析の結果、なら びにTPC2およびTPC3 mRNAレベル、ならびに種々の細胞株のおけるテロメラーゼ 活性を示す棒グラフである。図2Aは、種々の細胞株おけるGADPH mRNAレベルに対 して正規化したTPC2およびTPC3 mRNAレベルを示す。これらの全ては、IMR-90を 除いてテロメラーゼポジティブであり、そしてこれら2つのテロメラーゼ長およ びテロメラーゼ活性調節タンパク質のレベルにおいて相関することを示す。図2B は、TPC3 mRNAレベルが、どのように種々の細胞株においてテロメラーゼ活性(T RAPアッセイを用いて測定される場合)と相関するかを示す。IMR90、HTB-153、W I-38、VA13、KMSF、およびT0(不活化T細胞;T7は活性化T細胞を示すことに留 意されい)は、テロメラーゼ活性を示さないか、または非常に低く示すのみであ る。図2Cは、hTR RNAレベルが、種々の細胞株おいてどのようにテロメラーゼ活 性と相関するかを示す。以上総合すると、これらの結果は、種々の死すべき細胞 株および不死の細胞株におけるTPC2およびTPC3 mRNAレベルがhTRレベルおよびテ ロメラーゼ活性と相関することを示す。 図3は、約7.2kbのプラスミドpGRN109の制限部位および機能マッピングを示す 。このプラスミドは、TPC2タンパク質をコードする約3.3kbのオープンリーディ ングフレームを含む約3.5kbNotI-BstEII制限フラグメントを含む(「ORF」およ び「TPC2」と標識される)。 図4は、ヒトTPC2遺伝子、mRNA、およびタンパク質産物に対応するTPC2オープ ンリーディングフレームのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列の部分を列 挙する。図において、ならびに明細書および図を通して、ヌクレオチドおよびア ミノ酸は、標準的な略号および命名を用いて表される;しかし、曖昧ヌクレオチ ドは、図の4の下の鍵において示されるように表される。開始メチオニンコドン は、配列のヌクレオチド16〜18に存在すると考えられる;終止コドンは「---」 で印される。 図5は、約8kbのプラスミドpGRN92の制限部位および機能マッピングを示す。 これは、TPC3タンパク質をコードする約1.1kbのオープンリーディングフレーム を含む約1.4kbのEcoRI-BamHI制限フラグメントを含む(「ORF」および「TPC3」 と標識される)。 図6は、ヒトTPC3遺伝子、mRNA、およびタンパク質産物に対応するTPC3オープ ンリーディングフレームのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を列挙する 。開始メチオニンコドンは「***」、および終止コドンは「---」で印される。 図7は、遺伝子TPC3またはコントロールベクターのセンスまたはアンチセンス mRNAを発現する安定な組換えHeTe7クローンにおけるテロメラーゼ活性レベルの 分析の結果を示す。組換えセンスTPC3 mRNAは、これらの細胞においてテロメラ ーゼ活性を顕著に低減させた。 図8は、遺伝子TPC3またはコントロールベクターのセンスもしくはアンチセン スのmRNAを発現する安定組換えHeTe7クローンにおけるテロメア長の分析の結果 を示す。組換えTPC3センスmRNAは、細胞でテロメア長(中間のTRF)を減少させ た。 図9は、hTR遺伝子および対応するRNA転写物のヌクレオチド配列を列挙する; 示される配列は、約1kbのPstI制限フラグメントの一方の鎖の配列であり、これ は、プラスミドpGRN33から単離され得る。テロメラーゼリボヌクレオタンパク質 におけるテンプレートとして役立つ成熟hTR転写物の配列は、アスタリスクで標 識され−−転写物の3'末端は、「>」で標識される。 これらの図は、以下により詳細に議論されるが、ここでは、本発明の種々の好 ましい実施態様が記載される。 好ましい実施態様の説明 本発明は、哺乳動物細胞におけるテロメア長を調節し、そしてテロメラーゼ活 性を調節するため、ならびにヒトおよび他の哺乳動物における関連疾患および状 態を検出し、診断し、および処置するための方法および試薬を提供する。その多 くのおよび多様な適用における発明の理解および実施を容易にするために、この 記載は以下に示すように整理する。 I. 定義 II. TPC2 およびTPC3遺伝子のクローニングおよび特徴付け III. 組換え宿主細胞 IV. オリゴヌクレオチドおよび核酸 V. ペプチドおよびタンパク質 VI. 抗体 VII. 方法 VIII. 実施例 I.定義 他に定義されない限り、本明細書中において使用されるすべての技術用語およ び科学用語は、本発明が属する分野の当業者により通常理解されるのと同一の意 味を有する。本明細書中に記載される方法および材料と同様または等価の任意の 方法および材料が、本発明の実施または試験において使用され得るが、好ましい 方法および材料が記載される。本発明の目的のために、以下の用語が、下記に定 義される。 「抗体」は、分析物すなわち「抗原」に、特異的に結合し、すなわち「認識す る」イムノグロブリン遺伝子またはそのフラグメントによりコードされる、天然 に存在する、および組換えのポリペプチドおよびタンパク質をいう。イムノグロ ブリンは、κ、λ、α、γ、δ、ε、およびμ定常領域遺伝子、ならびに無数の イムノグロブリン可変領域遺伝子を含む。抗体は、種々の手段(組換え方法論お よび種々のペプチダーゼでの消化を含む)により産生されるインタクトなイムノ グロブリンまたは多数の十分に特徴付けされたフラグメント(例えば、Fab'およ びF(ab)'2フラグメント)のいずれか1つとして存在し得る 「cDNA」は、逆転写および代表的には遺伝子により産生されるmRNAまたは他の RNAの第二の鎖の合成により産生されるデオキシリボ核酸をいい;二本鎖の場合 、cDNA分子は、コードもしくはセンス鎖および非コードもしくはアンチセンス鎖 の両方を有する。 「〜に相補的」とは、別のポリペプチド配列に特異的にハイブリダイズし得る ポリヌクレオチド配列をいう。例えば、配列「5'-TATAC」におけるヌクレオチド を含む核酸は、配列「5'-GTATA」におけるヌクレオチドを含む核酸に相補的であ る。 「〜に対応する(動詞)」または「対応している(修飾語)」とは、(i)参 照ポリヌクレオチド配列の全部または一部と実質的に同一または相補的であるヌ クレオチド配列を有するか、またはペプチドまたはタンパク質におけるアミノ酸 配列と同一のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド;あるいは(ii)参照 ペプチドまたはタンパク質におけるアミノ酸の配列と実質的に同一であるアミノ 酸配列を有するペプチドまたはタンパク質、をいう。 「コード(する)」とは、ヌクレオチド(すなわち、rRNA、tRNA、他のRNA分 子)またはアミノ酸の規定された配列を有する生物学的プロセスにおける他のポ リマーまたは高分子の合成のためのテンプレートとして役立つ、核酸におけるヌ クレオチドの特定の配列(例えば、染色体またはmRNAにおける遺伝子)の固有の 特性、およびそれらから生じる生物学的特定をいう。従って、遺伝子は、その遺 伝子によって生成されるmRNAの転写物または翻訳物が細胞または他の生物学的系 においてタンパク質を生産する場合、タンパク質をコードする。遺伝子またはcD NAのコード鎖(mRNA配列に同一であり、そして通常配列表に提供されるヌクレオ チド配列)および非コード鎖(転写のためのテンプレートとして使用される)の 両方は、その遺伝子またはcDNAのタンパク質または他の産物をコードするものと して言及され得る。タンパク質をコードする核酸は、異なるヌクレオチド配列を 有するが、遺伝コードの縮重に起因して同一のタンパク質のアミノ酸配列をコー ドする任意の核酸を含む、タンパク質をコードする核酸およびヌクレオチド配列 は、イントロンを含み得る。 「発現制御配列」とは、それらに作動可能に連結されるヌクレオチド配列の発 現(転写および/または翻訳)を調節する核酸におけるヌクレオチド配列をいう 。発現制御配列は、例えば、そして限定されることなく、プロモーター、エンハ ンサー、転写終結因子、開始コドン(すなわち、ATG)、イントロンのためのス プライシングシグナル、および終止コドンを含む。 「イムノアッセイ」とは、分析物に特異的に結合する抗体を利用するアッセイ をいう。イムノアッセイは、分析物を単離、標的化および/または、その量を定 量する特定の抗体の特異的結合特性の使用により特徴づけられる。 「標識する(名詞、動詞)」または「標識された(修飾語)」は、検出可能な マーカーをいい、そしてこのようなマーカーの核酸、タンパク質、または他の分 子への組込みをいう。標識は、直接(すなわち、標識は、放射性同位体(例えば 、3H、14C、35S、125I、131I)または蛍光分子もしくはリン光分子であり得る) 、または間接、すなわち、酵素活性(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β −ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ)または別の分 子(例えば、ストレプトアビジン、ビオチン、エピトープ)に結合する能力によ り検出可能であり得る。標識の組込みは、種々の手段(すなわち、ポリメラーゼ 媒介プライマー延伸反応、エピトープタグ化、または抗体への結合における放射 標識ヌクレオチドまたはビオチン化ヌクレオチドの使用)により達成され得る。 標識は、直接または種々の長さのスペーサーアームを介して結合させて立体障害 を低減し得る。 「天然に存在する」とは、ヒトの介在なくして天然に存在する物質(代表的に は、アミノ酸、ヌクレオチド、核酸、またはタンパク質)についていう。例えば 、デオキシリボヌクレオチドすなわちDNAは、天然に存在する。 「オリゴヌクレオチド」とは、リン酸ジエズテル結合によって結合した複数の ヌクレオチド単位(リボヌクレオチドもしくはデオキシヌクレオチドまたは構造 的に関連する変異体あるいはそれらの合成アナログ)からなるポリマーをいう。 従って、用語「オリゴヌクレオチド」が代表的には、ヌクレオチドとその間の連 結部が天然に存在するヌクレオチドポリマーをいう一方、この用語はまた、種々 のアナログ(例えば、ペプチド核酸(PNA)、ホスホロアミデート、ホスホロチ オネート、メチルホスホネート、2-0-メチルリボ核酸などで、これらに限定され ない)もいう。オリゴヌクレオチドは、代表的に、長さが若干短く、一般的に約 10〜30ヌクレオチドであるが、この用語は、任意の長さの分子をいい得る。しか し、用語「ポリヌクレオチド」または「核酸」もまた、代表的に、大型のオリゴ ヌクレオチドについて使用され得る。 「オープンリーディングフレーム」とは、ポリペプチドまたはタンパク質をコ ードするヌクレオチド配列をいい、そして5'末端で開始コドン(ATG)または終 止コドンをコードしない別のコドンおよび3'末端で終止コドンで囲まれるが、そ れ以外は、5'-末端と3'-末端との間のコドンにはインフレームの終止コドンを全 く含まない。 「薬学的組成物」とは、哺乳動物における薬学的使用について適切な組成物を いう。薬学的組成物は、薬理学的に効果のある量の活性薬剤および薬学的に受容 可能なキャリアを含む。「薬理学的に効果のある量」とは、意図される薬理学的 結果を生じるのに有効な薬剤の量をいう。「薬学的に受容可能なキャリア」とは 、任意の標準的な薬学的キャリア、緩衝液、および賦形剤(例えば、リン酸緩衝 化生理食塩水、5%ブドウ糖水溶液)、およびエマルジョン(例えば、油/水ま たは水/油エマルジョン)および種々の湿潤剤ならびに/またはアジュバントを いう。適切な薬学的キャリアおよび処方物は、Remington's Pharmaceutical Sci ences、第19版(Mark Publishing Co.Easton、1995)に記載されている。好ましい 薬学的キャリアは、活性薬剤の意図される投与形態に依存する。代表的な投与形 態は、腸管的(すなわち、経口)、あるいは非経口的(すなわち、皮下、筋肉内 、または静脈内、腹腔内注射;または局所的投与、経皮投与、もしくは経粘膜投 与)を含む。 「生理学的条件」とは、生存生物に適合し、かつ/または代表的には生存可能 な哺乳細胞において細胞内に存在する温度、pH、イオン強度、粘度、および類似 の生化学的パラメーターをいう。例えば、代表的な研究室培養条件下の哺乳動物 細胞増殖における細胞内条件は、生理学的条件である。PCRのための適切なイン ビトロ反応条件ならびに多くのポリペプチド酵素反応および操作は、一般に、生 理学的条件である。一般に、インビトロ生理的条件は、50-200mM NaClまたはKCl 、pH6.5〜8.5、20〜45℃、および0.001〜10mM二価のカチオン(例えば、Mg++,Ca++ );好ましくは、約150mMのNaClまたはKCl、pH7.2〜7.6、5mM二価のカチオン 、そしてしばしば、0.01〜1.0%の非特異的タンパク質(例えば、BSA)を含む。 非イオン性界面活性剤(Tween,NP-40,Triton X-100)もまた、通常、0.001〜2 %で、代表的には0.05〜0.2%(v/v)で、存在し得る。特定の水性条件は、従来 の方法に従って実施者により選択され得る。一般的な指針として、以下の緩衝水 性条件が適用可能であり得る:10〜250mM NaCl、5〜50mM Tris HCl、pH5〜8 、必要に応じて二価のカチオンおよび/または金属キレート剤および/または非 イオン性界面活性剤および/または膜画分および/または消泡剤および/または シンチレーション剤を添加し得る。 「ポリヌクレオチド」または「核酸」とは、オリゴヌクレオチドをいい、そし て代表的には、長さが30ヌクレオチドを超えるオリゴヌクレオチドをいうために 使用される。本明細書中において、従来の表記を使用してポリヌクレオチド配列 を示す:二本鎖ポリヌクレオチド配列の左側の末端は、5'末端である;。新生の RNA転写物へのヌクレオチドの5'から3'への添加の方向は、転写方向といい;mRN Aと同一の配列を有するDNA鎖は、 「コード鎖」といい、;そのDNAから転写さ れたmRNAと同一の配列を有し、かつRNA転写物の5'末端に対して5 'に位置するDN A上の配列は、「上流配列」といい;このRNAと同一の配列を有し、かつコードRN A転写物の3'末端に対して3'であるDNA鎖の配列を「下流配列」という。ポリヌク レオチドおよび組換え産生タンパク質、ならびにそれらのフラグメントまたアナ ログは、当該分野で公知の方法に従って調製され得、そしてManiatisら、Molecu lar Cloning:A Laoratory Manual、第2版(1989)、Cold Spring Harbor,N.Y. 、ならびにBergerおよびKimmel、Methods in Enzymology、第152巻、Guide to M olecular Cloning Techniques(1987)、Academic Press,Inc.,San Diego,CAに 記 載される。これらは、本明細書中で参考として援用される。 「ポリペプチド」、「ペプチド」、および「タンパク質」は、本明細書中にお いて、交換可能に用いられ、アミノ酸残基のポリマーならびにそれらの変異体お よび合成アナログをいう。従って、これらの用語は、アミノ酸ポリマー(ここで 、1つ以上のアミノ酸残基は、合成の非天然のアミノ酸(例えば、対応する天然 に存在するアミノ酸に対応する化学的アナログ))、ならびに天然に存在するア ミノ酸ポリマーに適用される。本明細書中において、従来の表記を使用して、ポ リペプチド配列を示す:ポリペプチド配列の左側末端はアミノ末端であり;ポリ ペプチド配列の右側の末端は、カルボキシ末端である。用語「組換えタンパク質 」とは、このタンパク質のアミノ酸配列をコードする組換えDNA分子の発現によ り産生されるタンパク質をいう。2つ以上のポリヌクレオチドまたはポリペプチ ドの間の配列の関係を記載するのに使用される用語は、「参照配列」、「比較ウ インドウ」、「配列同一性」、「配列同一性の百分率」、および「実質的な同一 性」を含む。「参照配列」とは、配列比較のための基礎として使用される規定さ れた配列であり、より大きな配列のサブセット(すなわち、完全cDNA、タンパク 質、または遺伝子配列)であり得る。一般に、参照配列は、長さが少なくとも12 であるが、しばしば15〜18、および頻繁には少なくとも25ヌクレオチド(または 他のモノマー単位)である。2つのポリヌクレオチドは、各々、(1)2つのポ リヌクレオチドの間で同様である配列(すなわち、完全ポリヌクレオチド配列の 部分のみ)、ならびに(2)2つのポリヌクレオチドの間で異なる配列を含み得 るので、2つ(またはそれを超える)ポリヌクレオチドの間の配列比較は、代表 的に、2つのポリヌクレオチドの配列を「比較ウインドウ」にわたって比較する ことにより実施されて配列類似性の局所的領域を同定し、そして比較する。「比 較ウインドウ」とは、参照配列と比較される、代表的には少なくとも12の連続す る残基の概念的セグメントをいう;比較ウインドウは、2つの配列の最適な整列 のために、参照配列(これは、付加または欠失を含まない)と比較して、約20% 以下の付加または欠失(すなわち、ギャップ)を含み得る。比較ウインドウを整 列させるための配列の最適な整列は、アルゴリズム(Wisonsin Genetics Softwa re Package Release 7.0,Genetics Computer Group,575 Science Dr.Madison , WIのGAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA)のコンピューターによる実行または 、任意の種々の方法により生成される点検、または最良整列(すなわち、比較ウ インドウに対して最高の百分率の相同性を生じること)が選択される。 「プライマー」は、核酸鎖(「テンプレート」)に相補的なプライマー伸長産 物の合成が誘導される(すなわち、ヌクレオチドおよびDNAポリメラーゼのよう な重合化のための因子の存在下、ならびに適切な温度およびpHで)条件下におか れた場合、合成の開始点として作用し得るオリゴヌクレオチド(すなわち精製さ れた制限フラグメントまたは合成オリゴヌクレオチド)をいう。プライマーは、 好ましくは、増幅において最大の効率で一本鎖化されるが、あるいは二本鎖化さ れてもよい。二本鎖化される場合、プライマーは、伸長産物を調製するために使 用される前に、その鎖を分離するために処理される必要があり得る。プライマー は代表的にはオリゴデオキシリボヌクレオチドであるが、広範な種々の合成的お よび天然に存在しないオリゴヌクレオチドプライマーが、種々の適用のために使 用され得る。プライマーは、重合化因子の存在下で、伸長産物の合成をプライム するに充分な長さでなければならない。プライマーの長さは、多くの要因(適用 、使用される温度、テンプレート、反応条件、他の試薬、およびプライマーの供 給源を含む)に依存する。例えば、標的配列の複雑さに依存して、オリゴヌクレ オチドプライマーは、代表的には15〜25より多いヌクレオチドを含むが、より少 ないヌクレオチドを含み得る。短いプライマー分子は、一般的に、テンプレート と安定なハイブリッド複合体を形成するためにより低い温度を必要とする。プラ イマーは、例えば約200ヌクレオチドから数キロベース以上の大きなポリヌクレ オチドであり得る。プライマーは、テンプレート状の配列に実質的に相補的でな ければならず、それは合成の開始のための部位として役立つようにハイブリダイ ズするように設計されるが、テンプレートの正確な配列を反映する必要はない。 例えば、非相補的なヌクレオチドは、テンプレートに相補的であるプライマー配 列の残りとともにプライマーの5'末端へ付着され得る。あるいは、非相補的なヌ クレオチドまたはより長い配列は、プライマー内に分散され得るが、ただし、プ ライマー配列はそれらとハイブリダイズするテンプレートの配列を充分な相補性 を有し、それによってプライマーの伸長産物の合成のためのテンプレートを形成 す る。 「プローブ」は、特定の配列もしくはサブ配列または別の分子の他の部分に結 合する分子をいう。他に示されない限り、用語「プローブ」は、代表的に、別の 核酸(しばしば「標的核酸」と呼ばれる)相補的塩基対を介して結合するオリゴ ヌクレオチドプローブをいう。プローブは、ハイブリダイゼーション条件に依存 してプローブと完全な配列相補性を欠いた標的核酸に結合し得る。プローブは、 直接的または間接的に標識され得る。 「組換え」は、合成されたか、またはそうでなければインビトロで操作された 核酸を使用して、細胞内のこれらの核酸または他の生物学的系によってコードさ れる遺伝子産物を産生するために使用される。例えば、増幅されたか、または構 築された産物ポリヌクレオチドは、適切なDNAベクター(例えば、細菌性プラス ミド)に挿入され得、そしてこのプラスミドは適切な宿主細胞を形質転換するた めに使用され得る。次いで、遺伝子は、宿主細胞中で発現されて組み換えタンパ ク質を産生する。形質転換宿主細胞は、原核生物または真核生物であり得、それ には細菌細胞、咄乳動物細胞、酵母細胞、Aspergillus細胞、および昆虫細胞が 含まれる。組換えポリヌクレオチドは、非コーディング機能(例えば、プロモー ター、複製の起点、リボゾーム結合部位など)を同様に与え得る。 「組換え宿主細胞」は、組換え核酸分子、代表的には組換えプラスミドまたは 他の発現ベクターを含む細胞をいう。従って、例えば、組み換え宿主細胞は、細 胞の天然の(組換え体でない)形態中に見出されない遺伝子を発現し得る。 配列との関連では、「から選択された」は、別の配列と同一性を共有する1つ の配列をいう。 「配列同一性」は、比較ウィンドウを通して同一(すなわち、ヌクレオチド対 ヌクレオチドまたはアミノ酸対アミノ酸の基準で)である配列をいう。用語「配 列同一性の百分率」は、比較ウィンドウを通して2つの最適に整列された配列を 比較することによって計算され、同一な核酸塩基(A、T、C、G、U、または I)が両配列において一致した位置の数を生じる位置の数を決定し、比較ウィン ドウ(すなわちウィンドウのサイズ)内の全位置の数によって一致した位置の数 を除算し、そして結果を100で乗算して配列同一性の百分率を生じる。 「特異的に結合する」は、1つの分子(代表的には、抗体またはオリゴヌクレ オチドのような高分子)が多くの他の様々な分子の存在下でさえ別の特異的分子 と接触し、そして会合する能力をいう。例えば、一本鎖核酸は、配列において相 補的な一本鎖オリゴヌクレオチドに「特異的に結合し」得、そして抗体はその対 応する抗原「に特異的に結合する」か、または「と特異的な免疫反応性である」 。従って、免疫アッセイを示す条件下で、抗体は特定のタンパク質に優先的に結 合し、そしてサンプル内に存在する有意な量では他のタンパク質には結合しない 。このような条件下でのタンパク質への特異的結合は、特定のタンパク質にその 特異性が選択される抗体を必要とする。特定のタンパク質と特異的な免疫反応性 の抗体を選択するために、種々の手段(すなわち、固相ELISA免疫アッセイはタ ンパク質と特異的な免疫反応性のモノクローナル抗体選択するために日常的に使 用される)を用い得る。HarlowおよびLane(1988)、Antibodies,A Laboratory M anual,Cold Spring Harbor Publications,New Yorkを参照のこと。 「特異的ハイブリダイゼーション」は、プローブポリヌクレオチド(例えば、 置換、欠失および/または付加を含み得る本発明のポリヌクレオチド)と特定の 標的ポリヌクレオチド(例えば、TPC2もしくはTPC3遺伝子または遺伝子産物の配 列を有するポリヌクレオチド)との間のハイブリッドの形成をいい、ここでプロ ーブは、特定の配列に優先的にハイブリダイズし、そして標的と配列同一性を共 有しない混合物中の他のポリヌクレオチドには結合しない。 「実質的同一」または「実質的に同一な」は、少なくとも20ヌクレオチド位の 比較ウィンドウにわたって、しばしば少なくとも25〜50ヌクレオチドのウィンド ウにわたり、参照配列に対して、少なくとも80%同一、好ましくは少なくとも85 %、およびしばしば90〜95%同一、より通常には少なくとも99%同一であるポリ ヌクレオチドまたはポリペプチドの特徴を示し、ここで配列同一性の百分率は、 ポリヌクレオチド配列に対する参照配列の比較によって計算され、比較ウインド ウにわたって参照配列の全20%未満の欠失または付加を含み得る。参照配列は、 より大きな配列のサブ集団であり得る。 「ストリンジェントな条件」とは、核酸ハイブリダイゼーションにおいて使用 される温度およびイオン条件をいう。必要とされるストリンジェンシーはヌクレ オチド配列依存性であり、そしてまたハイブリダイゼーションの間に存在する種 々の成分に依存する。一般的に、ストリンジェントな条件は、規定されたイオン 強度およびpHで特定の配列についての温度的融点(Tm)より約5〜20℃低い温度で 選択される。Tmは、(規定されたイオン強度およびpH下で)50%の標的配列が相 補的プローブとハイブリダイズする温度である。 「実質的に純粋」は、目的の種が存在する主要な種(すなわち、モル基準で、 組成物中の任意の他の独立した高分子より豊富である)であることを意味し、そ して実質的に純粋な画分は、目的の種が、存在する全ての高分子種の少なくとも 約50%(モル基準で)を含む組成物である。一般的に、実質的に純粋な組成物は 、組成物中に存在する約80〜90%以上の高分子種が、目的の精製された種である ことを意味する。目的の種は、本質的に組成物が単一の高分子種からなる場合、 本質的に均一(夾雑物種が従来の検出法によって組成物中に検出され得ない)ま で精製される。溶媒種、小分子(<500ダルトン)、安定剤(例えば、BSA)、およ びイオン元素種は、この定義のための高分子種とは考えられない。 「適切な反応条件」とは、市販の試薬を用いて特定の反応を行うに適切な条件 である。このような条件は、種々の反応について当業者に公知であるか、または 当業者によって容易に確立される。例えば、適切なポリメラーゼ連鎖反応(PCR) 条件は、米国特許第4,683,202号;第4,683,195号;第4,800,159号;および第4,965, 188号(これらの各々は本明細書中に参考として援用される)に特定される条件m を含む。1例であり本発明を限定しない例として、適切な反応条件は以下を含み 得る:0.2mM各dNTP、2.2mM MgCl2、50mM KCl、10mM Tris-HCl(pH9.0)、および0. 1% TritonX-100。 「テロメア長調節タンパク質」および「テロメア調節タンパク質」とは、テロ メア代謝およびテロメラーゼ活性に関与するポリペプチドをいう。このようなタ ンパク質は、テロメラーゼ、テロメラーゼのタンパク質成分、テロメア反復配列 またはテロメア末端を含む核酸に選択的に結合するタンパク質、テロメア修復、 維持、および/または伸長に必要なタンパク質、ならびに活性なテロメラーゼ酵 素の発現もしくは形成に必要なタンパク質を含む。本発明は、一般的にこのよう なタンパク質、噛乳動物テロメラーゼ、および特にヒトテロメラーゼに関するが 、 関連したタンパク質が、好ましい実施態様として提供される。 「テロメラーゼ活性」とは、テロメアDNAを伸長し得る多成分酵素中に、イン ビボまたはインビトロのいずれかで相互およびテロメラーゼのRNA成分に会合す るテロメラーゼタンパク質成分の能力をいう。テロメラーゼ活性を検出する好ま しいアッセイ方法は、TRAPアッセイである。PCT特許公開番号95/13381、前出を 参照のこと。このアッセイは、伸長産物であるポリヌクレオチド(テロメラーゼ 基質またはプライマーのヌクレオチド付加によって形成される)にとりこまれる 放射活性ヌクレオチドの量を測定する。放射活性は、放射活性産物が分離された ゲル上へ曝露されたPhosphorImagerTMスクリーン上のバンドの強度の関数として 、測定され得る。試験実験およびコントロール実験は、PhosphorImagerTMスクリ ーンを用いて視覚的に比較され得る。市販のTRAP-ezeTMテロメラーゼアッセイキ ット(Oncor);および情orin,1989,Cell 59:521-529もまた参照のこと。 II.TPC2 遺伝子およびTPC3遺伝子のクローニングならびに特徴づけ 本発明は、哺乳動物細胞においてテロメラーゼ長を調節し、そしてテロメラー ゼ活性を調整し、ならびにヒトおよび他の哺乳動物において関連する疾患および 条件を検出し、診断し、そして処置する方法および試薬を提供する。本発明は、 部分的にヒトおよび他の哺乳動物において、テロメアーゼのタンパク質成分なら びにテロメアーゼ長およびテロメアーゼ活性を調節する高分子のタンパク質成分 のクローン化のための努力から生じた。これらの稀なタンパク質およびこれらの タンパク質をコードするmRNAは、哺乳動物細胞において非常に低い豊富さで存在 し、それは新規のmRNAの単離および「サブトラクションハイブリダイゼーション ディファレンシャルディスプレー」と呼ばれる同定方法の使用を必要とする。 簡単には、この方法は、目的のタンパク質をほとんど含まないかまたは低い量 で含む第1の哺乳動物細胞の集団、および10倍〜100倍低いレベルの稀なタンパ ク質を含む第2の哺乳物細胞の集団から得ることを含む。次いで、この2つのmR NA集団は、別々に使用されて、逆転写、ならびに第1および第2のcDNA調製物を 形成する第二鎖合成によってcDNA調製物を作成する。検出可能な標識が、第2の cDNA調製物に同様に取り込まれる。次いで、2つのcDNA調製物は、2つのcDNA調 製物由来のcDNAの相補鎖がアニールして二本鎖cDNAおよび一本鎖cDNAの混合物を 形成するような条件下で変性および組み合わされる。次いで、一方は標識を含み 、もう一方は含まないcDNAの2つの異なる集団に分離され、それによって目的の 稀なタンパク質をコードするcDNAを富化されたcDNAの単離された非標識集団を形 成する。ハイブリダイゼーションおよび分離の工程は、所望であればしばしば繰 り返され得、そして分離工程後の単離されたcDNAは、PCRによって増幅されて所 望のcDNAが非常に富化されたcDNA調製物を提供する。代表的には、2サイクルの サブトラクション後、豊富な転写物に対応するcDNAは、100倍以上に枯渇され、 そして低い量の転写物は、サブトラクトされたcDNAライブラリーにおいて富化さ れる。この方法の再現性は素晴らしく、そしてこの方法は、テロメア長およびテ ロメラーゼ制御タンパク質をコードするような低い量の遺伝子産物を同定するた めに使用され得る。 テロメア長およびテロメラーゼ調節タンパク質に対応するcDNAを単離するため に、cDNAライブラリーが、6つの異なる細胞株または組織から調製され、そのう ちの3つは「テロメラーゼポジティブ」であり(すなわち、細胞がテロメラーゼ 活性を発現する;IDH4および293細胞株、ならびに精巣組織)、そしてそのうち 3つは「テロメラーゼネガティブ」であった(すなわち、細胞がテロメラーゼ活 性を発現しない;HUVEC、BJ、およびIMR-90細胞株)。これらのcDNAライブラリ ーを、テロメラーゼネガティブのHUVEC cDNAライブラリーに対してサブトラク ションハイブリダイゼーションに供した。次いで、ディファレンシャルディスプ レーを、単一の5'任意プライマーか、またはPCRにおける5'任意プライマーおよ び3'ポリdTプライマーのいずれかを用いて、6つのサブトラクションcDNAライブ ラリーのそれぞれに第1の複製し、ゲル電気泳動によって複製産物を分離し、そ して差次的に発現された産物(ゲル上のバンドとして視覚的に同定された)を同 定および単離することによって実施した。 この工程は、多数の差次的発現cDNAを生成した。テロメラーゼポジテイブ細胞 株において作製されたcDNAライブラリー中には存在したが、テロメラーゼネガテ ィブ細胞株においては存在しなかった(または非常に低いレベルで存在した)、 そしてTPC2およびTPC3遺伝子によって産生された・RNAの3'末端由来するとして 後 に同定されたこれらのcDNAの2つを単離し、クローン化し、そしてDNA配列分析 によって特徴づけた。DNA配列分析用いてオリゴヌクレオチドプライマーを設計 し、次いで、サブトラクションcDNAライブラリーを調製するために用いた6つの 細胞株の同じパネルのそれぞれから調製されたmRNAに対して逆転写およびPCR(RT -PCR)を実施するために用いた。このRT-PCR実験を設計して、推定差次的発現cDN Aに対応するmRNAがテロメラーゼポジティブ細胞株において非常に高いレベルで 発現していることを確認した。この結果は、以下のように予想された:予想され たサイズのRT-PCR生成産物;TPC2 mRNAに特異的なプライマーについて、相当量 の産物がIDH4 mRNAを用いて生成されたが、少量の産物が、293および精巣を用い て生成され、そしてHUVEC、BJ、およびIMR-90細胞から調製されたmRNAにおいて 産物はほとんど検出されなかった;TPC3 mRNAに特異的なプライマーについては 、テロメラーゼポジティブ細胞株由来のmRNAを用いてのみ、産物が生成された。 種々の細胞株および組織におけるTPC2およびTPC3の発現パターンの分析を拡大 するために、差次的に発現されたTPC2およびTPC3 mRNAに対応するcDNA内のヌク レオチド配列に特異的なプライマーを用いたPCRを、種々の細胞株について実施 した。コントロールとして、GAPDH mRNA(GAPDHは、テロメラーゼポジティブ細 胞株およびテロメラーゼネガティブ細胞株の両方に存在する「ハウスキーピング 」酵素である)中のヌクレオチド配列に特異的なプライマーを用いてRT-PCRを同 様に実施した。簡単には、TPC2について用いたプライマーは以下であった: tpc-p1 5'-ATGGGGATTCCAGGGTGGAGCT-3'、および tpc-p4 5'-ACCTGCTCTCAGGGCCCACAAGT-3'; および、TPC3について用いたプライマーは以下であった: tpc-p13 5'-TAAGACAAAGAACAGGTCACAACA-3'、および tpc-p14 5'-ATTTGTGCTTAGAGGTCGTGCCAG-3'。 RT-PCRを、ランダムヘキサマーを用いた全RNAから作製された第1鎖cDNAを作製 することによって実施し、次いで上記の2つのプライマーセットの1つを用いて 一本鎖cDNAをPCR増幅し、次いで、94℃45秒、65℃45秒、72℃90秒の工程からな る各サイクルで、PCR増幅の16〜28サイクルのプロトコル(代表的には、GAPDH m RNAについては16サイクル、TPC2 mRNAについては25サイクル、TPC3 mRNAについ ては27サイクル)。他の例示的なRT-PCRプライマーおよび条件は、以下の実施例 のC部およびD部に示す。 図1は(A、B、およびC部において)、TPC2(図1A)またはTPC3(図1B)cDNAに 特異的なプライマーを用いたRT-PCR分析の結果を示す。これらの試験条件下で、 TPC2およびTPC3 mRNAは、試験されたテロメラーゼネガティブ細胞株(図では「 死すべき」とラベリングされる)において存在しないか、または非常に低いレベ ルでのみ検出可能であり、そして試験されたテロメラーゼボジティブ細胞株(図 では「不死の」とラベリングされる)の全てにおいて(ほとんどが明白に検出可 能なレベルで)検出可能であった。TCP2およびTCP3 mRNAが精巣組織ならびにほ とんどの腫瘍細胞株に存在するが、正常細胞株においては存在しないかまたは非 常に少ない量のレベルで存在するというこれらの結果は、TCP2ならびに/またはT CP3遺伝子産物を検出および定量するための本発明の方法が、如何に使用されて 、不死化細胞(特に、テロメラーゼポジティブ癌細胞)を検出し得るか、そして ヒトおよび他の哺乳動物における癌および他の疾患ならびに条件を診断し得るか を示す。図1Cは、GAPDHレベルに対して標準化されたTPC3 mRNAレベルを示し、 そして死すべき細胞と不死化細胞との間のTPC3 mRNAレベルにおける明らかな差 異を例証する。このRT-PCR分析はまた、予想されるように、TCP2およびTCP3 mRN Aが、テロメラーゼポジティブ細胞においてさえ非常に低い量で存在することを 示した(TCP2またはTCP3 mRNA増幅産物は約25サイクル後に検出され;GAPDHまた はHPRTは、それぞれ約15サイクルまたは約20サイクル後に検出された)。テロメ ラーゼポジティブ細胞における少ない量のTCP2 mRNAの認証的証拠は、半分の全 長TCP2 mRNAに対応するcDNAのクローニングにおいて得られたが、テロメラーゼ ポジティブ293細胞由来のλGT11 cDNAライブラリーの1次スクリーニングは、約 140万のプラークのうち1つのみがポジティブであることを示し、このことは非 常に稀な転写物であることを示した。 図2は、A部、B部、およびC部で、種々の細胞株におけるhTR RNAのRT-PCR 分析の結果、TPC2およびTPC3 mRNAレベル、ならびにテロメラーゼ活性を示す棒 グラフである。図2Aは、種々の細胞株におけるGAPDH mRNAレベルに標準化され たTPC2およびTPC3 mRNAレベル(これらは、全てIMR-90を除いてポジティブであ るテロメラーゼである)を示し、そしてこれらの2つのテロメア長およびテロメ ラーゼ活性調節タンパク質のレベルにおける相関を示す。図2Bは、TPC3 mRNA レベルが、種々の細胞株においてテロメラーゼ活性レベルとどのように相関する かを示す。IMR90、HTB-153、WI-38、VA13、KMSF、およびT0(非活性化T細胞;T 7が活性化T細胞を表すことに留意されたい)が、テロメラーゼ活性を全く示さ ないか、または非常に低いレベルでしか示さない。図2Cは、hTR RNAレベルが 、種々の細胞株においてテロメラーゼ活性レベルとどのように相関するかを示す 。hTRRNAのためのRT-PCRプロトコルが実施例のD部において記載されている;hT R遺伝子および転写されたRNAのヌクレオチド配列を図9に示す。 まとめると、これらの図は、TPC2およびTPC3 mRNAレベルならびにhTRレベルが 、種々の死すべき細胞株および不死の細胞株においてテロメラーゼ活性レベルと 相関することを示す。これらの結果は、TPC2またはTPC3遺伝子産物を検出するた めの本発明の方法が、不死の細胞、特にテロメラーゼポジティブ癌細胞を検出す るため、そしてヒトおよび他の哺乳動物における癌ならびに他の疾患および症状 を診断するために使用され得る。これらの結果はまた、本発明の方法の有用性を 示す。本発明の方法では、TPC2またはTPC3遺伝子産物の検出または定量は、他の 要因(例えば、テロメア長、テロメラーゼ活性、またはhTRレベル)の測定と共 に、不死の細胞(例えば、癌細胞)を同定するか、または細胞の増殖能を評価す るために用いられ得る。 テロメラーゼネガティブの死すべき細胞におけるTPC2またはTPC3遺伝子産物の 不在または非常に低い量での存在、およびテロメラーゼポジティブ不死の細胞に おけるこれらの遺伝子産物の低いが明らかに検出可能な量は、哺乳動物細胞にお けるテロメア長およびテロメラーゼ活性を調節するテロメラーゼのタンパク質成 分および他のタンパク質のようなタンパク質をコードする遺伝子産物の存在を検 出することについての、本発明の方法および試薬の有用性を示す。不死の細胞株 の平均末端制限フラグメント(平均TRF)の分析によるテロメア長と、TPC2 mRNA レベルとの比較は、TPC2 mRNAレベルが、テロメア長と反比例することを示す。 1つの試験では、比較的高いTPC2 mRNAレベルを有する10の不死の細胞株は、約2 .5〜5.0kbの平均TRFを有したが、非常に低いTPC2 mRNAレベルを有する2つの不 死 の細胞株は、約17.5〜35kbの平均TRFを有した(偶然にこの差異を生じる確率は 1%未満である)。一般に、TPC2 mRNAレベルはまた、試験したほとんどの細胞 株においてテロメラーゼ活性レベルと充分に相関する。 上記の試験のような試験はまた、TPC2およびTPC3遺伝子産物がテロメア長およ びテロメラーゼ活性を調節するように働く作用機構を決定するために用いられ得 る。TPC2における試験は、TPC2遺伝子産物が、少なくとも部分的に、酵母EST1タ ンパク質と同様にテロメア長の指標として作用することにより機能するというい くらかの示唆を提供する。TPC2は、ほとんどの腫瘍細胞株および精巣細胞ではア ップレギュレートされ、そして正常細胞株ではダウンレギュレートされる。しか し、明らかに高いレベルのテロメラーゼ活性を有するいくつの細胞株および非常 に長いテロメアは、低レベルのTPC2 mRNAを有する。しかし、上述のように、比 較的低いTPC2レベルを有するテロメラーゼポジティブ細胞株はまた、比較的高い 平均TRFを有する(すなわち、皮膚黒色腫細胞LOX(約35.2kbのTRF)、精巣胚癌 腫細胞Tera-1(約27.0kb)および肺癌腫細胞NCI-H23(約17.5kb))。対して、皮 膚黒色肺細胞株SK MEL2(約2.3kb)、SK MEL28(約15.7kb)、SK MEL5(約4.0kb )、および精巣組織(約15kb)は、比較的低い平均TRFおよび比較的高いTPC2 mR NAを有する。これらの細胞株の全ては、比較的高いテロメラーゼ活性および高い hTRレベルを有するので、試験は、一般に、比較的長いテロメアを有する細胞株 が低いTPC2 mRNAレベルを有することを示す。このことは、TPC2タンパク質がテ ロメア検出機能を有するタンパク質をコードし得ることを示唆する。同じ細胞株 におけるTPC3 mRNAレベルおよびテロメラーゼ活性の分析は、TPC3遺伝子産物が テロメラーゼ酵素のコア成分として作用し得ることを示す。 テロメア長およびテロメラーゼ活性の調節におけるTPC2およびTPC3遺伝子産物 の作用機構に関する有意なさらなる情報は、対応する遺伝子のヌクレオチド配列 およびオープンリーディングフレームの対応するアミノ酸配列の分析により推定 され得る。サブトラクションハイブリダイゼーションディフアレンシャルデイス プレイ同定およびクローン化は、TPC2およびTPC3 mRNA遺伝子産物の3'末端に対 応するcDNAのみを生成したが、これらのcDNAから作成されたヌクレオチド配列情 報は、mRNAの付加部分を含むテロメラーゼポジティブ細胞株から調製されたcDNA ライブラリーにおいてクローンを同定および単離することを試みる手段を提供し た。 TPC2およびTPC3遺伝子産物の全長cDNAを、種々の方法により得た。このような 方法には、サブトラクトされたライブラリーおよび他の特別なライブラリーのス クリーニング、および5'-RACEの使用が含まれる。まず、293細胞(ATCCから入手 可能なテロメラーゼポジティブヒト形質転換腎臓細胞株)由来のヒトcDNAを含有 するλGT11 cDNAライブラリーをスクリーニングし、サブトラクションハイブリ ダイゼーションディファレンシャルディスプレイにより得られた短いTPC2および TPC3 cDNAにハイブリダイズしたλクローンを同定した。次いで、さらなるcDNA ライブラリーをスクリーニングし、そして種々のサブクローンからのフラグメン トを組み合わせた後、全長オープンリーディングフレームおよび遺伝子を、プラ スミドpGRN92(TPC3遺伝子のオープンリーディングフレームを含む)およびpGRN 109(TPC2遺伝子のオープンリーディングフレームを含む)に構築した。 例えば、TPC2について、TPC2特異的プローブでのスクリーニングによりλクロ ーンにおけるcDNA挿入物を同定し、そしてプラスミドpGEXおよび誘導ベクター( Pharmacia)にサブクローン化して、発現産物を試験するために種々のリーディ ングフレームにTPC2 cDNAを含有するプラスミドを生成し、TPC2 mRNAのオープン リーディングフレームから部分ヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列情報を 入手した。TPC3の場合、例えば、cDNAフラグメントをpBluescript IIskベクター (Stratagene)にクローン化し、配列決定および分析用のベクターを生成した。 図3は、約7.2kbプラスミドpGRN109の制限部位および機能地図を示す。これは 、TPC2タンパク質をコードする約3.3kbのオープンリーディングフレームを含む 約3.5kbのNotI-BstEII制限フラグメントを含む(「ORF」および「TPC2」と表記 した)。図4は、ヒトTPC2遺伝子、mRNA、およびタンパク質産物に対応するTPC2 オープンリーディングフレームのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列の部 分を列挙する。図5は、約8kbのプラスミドpGRN92の制限部位および機能地図を 示す。このプラスミドは、TPC3タンパク質をコードする約1.1kbのオープンリー ディングフレームを含む約1.4kb EcoRI-BamHI制限フラグメントを含む(「ORF」 および「TPC3」と表記する)。図6は、ヒトTPC3遺伝子、mRNA、およびタンパク 質 産物に対応するTPC3オープンリーディングフレームのヌクレオチド配列および推 定アミノ酸配列を列挙する。開始メチオニンコドンは、「★★★」で表記し、そ して停止コドンは「−−−」で表記した。プラスミドpGRN92は、図6に示すヌク レオチド1〜82を含まない。 TPC2およびTPC3は共に、そのオープンリーディングフレームまたは他の遺伝子 の配列について、EST以外の公共データベースの配列に対する有意な相同性を示 さない。しかし、これらは共にモチーフ象徴を有する。TPC2は、2つのWWドメイ ンおよび1つのL22象徴ドメインを有し;TPC3は、ホメオボックスドメインを有 する。「ホメオボックス」は、多数のDrosophilaホメオティックおよび分節タン パク質で最初に同定され、そしてこれまで多くの動物(脊椎動物を含む)で非常 に十分に保存されていることが分かっている60アミノ酸のタンパク質ドメイン( Gehring、1992、Trends Biochem.Sci.17:277-280を参照のこと)である。この ドメインは、ヘリックス−ターン−ヘリックス型の構造によってDNAに結合する 。ホメオボックスドメインを含有するタンパク質は、発生において役割を果たす ようである;ほとんどは、配列特異的DNA結合転写因子であると知られている。 最近の刊行物は、ホメオボックスドメインが、RNAもまた結合し得ることを示唆 している。DubnauおよびStruhl、1996年2月22日、Nature 379:694。TPC3中に示 されたホメオボックスは、以下である:LAMCTNLPEARVQVWFKNRRAKFR。 TPC2は、2つのWWドメインおよびL22リボソームRNA象徴ドメインを含有する。 リボソームタンパク質L22は、E.coliにおいて、23S rRNAに結合する大きなリボ ソームサブユニットのタンパク質成分である;このタンパク質は、リボソームタ ンパク質のファミリーに属する。Ganttら、1991,EMBO J.10:3073-3078を参照の こと。TPC2については、このドメインは、以下である:SSSKVHSFGKRDQAIRRNPNVP VVV。WWドメイン(rep5またはWWPとしても知られる)は、多数の非関連タンパク 質において短い保存領域である(とりわけ、Duchenne筋ジストロフィーを担うジ ストロフィン)。ドメインは、約35残基に及び、いくつかのタンパク質において 4回まで繰り返され得、そしてSH3ドメインに幾分類似する特定のプロリンモチ ーフ[AP]-P-P-[AP]-Yを有するタンパク質に結合することが見出されている。WW ドメインは、頻繁には、シグナル伝達プロセスにおいて他のタンパク質と会合し 、 そして4つの保存された芳香族位置(一般にはTrp)周辺に分類されたβ鎖を含 むようである;名称WWPは、これらの保存されたTrpおよびPro残基の存在に由来 する。TPC2については、このドメインは、3つのアミノ酸残基配列により表され る:WSYGVCRDGRVFFINDQLRCTTWLHP;WFVLADYCLFYYKAEKKRSSXSIP;およびWEEGFTEE GASYFIDHNQQTTAFRHP。 TPC2およびTPC3オープンリーディングフレームをコードするプラスミドの利用 可能性は、広範な種々の利益を提供する。このような利益には、TPC2および/ま たはTPC3オープンリーディングフレーム配列またはTPC2および/またはTPC3遺伝 子産物と特異的に反応する産物をコードする配列を含む組換え遺伝子産物を発現 する組換え宿主細胞の利益が含まれる。 III.組換え宿主細胞 1つの実施態様では、本発明は、以下を含有する、組換え噛乳動物宿主細胞を 提供する: (i)プラスミドpGRN109の約3.5kbのNotI-BstEII制限フラグメントのヒトDNA 挿入物に含有されるヒト遺伝子TPC2のオープンリーディングフレーム配列に対応 する、少なくとも約10、15、25、100またはそれより多い数の連続したヌクレオ チドを含む、組換えまたは合成核酸;または 上記オープンリーディングフレーム配列によりコードされたアミノ酸配列に対 応する、少なくとも約6、10、15、25、100またはそれより多い数の連続したア ミノ酸を含む、合成または組換えペプチドまたはタンパク質;および (ii)プラスミドpGRN109の約1.4kbのEcoRI-BamHI制限フラグメントのヒトDNA 挿入物に含有されるヒト遺伝子TPC3のオープンリーディングフレーム配列に対応 する、少なくとも約10.15、25、100またはそれより多い数の連続したヌクレオ チドを含む、組換えまたは合成核酸;または 上記遺伝子TPC3のオープンリーディングフレーム配列によりコードされたアミ ノ酸配列に対応する、少なくとも約6、10、15、25、100またはそれより多い数 の連続したアミノ酸を含む、合成または組換えペプチドまたはタンパク質; 上記TPC2およびTPC3遺伝子は、テロメア長を調節するかまたはテロメラーゼ活 性を調整し、そしてテロメラーゼ活性を発現するヒトまたは他の哺乳動物細胞に 存在するタンパク質をコードすることで特徴づけられる。 本発明により提供された他の哺乳動物宿主細胞は、TPC2およびTPC3誘導組換え または合成核酸、ペプチド、またはタンパク質のいずれかまたは両方を含有する ものを包含する。さらに、本発明はまた、pGRN33(ATCC75926)の約2.5kbのHind III-SacI制限フラグメントに位置したヒトhTRの連続ヒトヌクレオチド配列に対 応する、少なくとも約10、15、25、100またはそれより多い数の連続したヌクレ オチドを含む、合成または組換え核酸を含有するようにさらに改変されたこのよ うな細胞を提供する。 本発明の組換え宿主細胞は、本発明によってまた提供される多くの有用な方法 における適用を有する。例えば、本発明は、ヒトTPC2またはTPC3遺伝子によりコ ードされたタンパク質に実質的に同一の配列におけるアミノ酸をコードするヌク レオチド配列に作動可能に連結された発現制御配列を有し、必要に応じて組換え hTR遺伝子もまた有する新規な発現ベクターを含む組換え宿主細胞を提供する。 これらの組換え宿主細胞は、テロメラーゼ活性を調整するかまたはテロメア長を 調節する因子の同定するスクリーンにおいて用いるため、ならびに以下に記載の 種々の他の目的のための、組換えヒトテロメラーゼの生産に有用である。本発明 の組換え宿主細胞はまた、非ヒトトランスジェニック哺乳動物の生殖系列および /または体細胞組織に取り込まれ得、そして治療目的のために咄乳動物に投与さ れ得る。 従って、テロメア長またはテロメラーゼ活性を調節する遺伝子(例えば、ヒト TPC2もしくはTPC3遺伝子、またはそれらの組換えバージョン(変異タンパク質TP C2もしくはTPC3遺伝子産物をコードするバージョンを含む))のゲノムクローン は、少なくとも1つの機能的に破壊された(またはさもなければ変化された)対 立遺伝子を有する細胞およびトランスジェニック非ヒト動物を生成するための相 同的標的化構築物を構築するために用いられ得る。相同的標的化構築物の構築の ための指針は、当該分野において見出され得る。これらには、以下が含まれる: Rahemtullaら、1991、Nature 353:180;Jasinら、1990、Genes Devel.4:157;K ohら、1992,Science 256:1210;Molinaら、1992,Nature 357:161;Grusbyら、1 991,Science 253:1417;およびBradleyら、1992、Bio/Technology 10:534。ま た米国特許第5,464,764号および第5,482,992号を参照のこと。トランスジェニッ ク細胞および/またはトランスジェニック非ヒト動物は、抗新生物剤についての スクリーンおよび/または潜在的な発癌性物質についてのスクリーニングのため に用いられ得る。これは、テロメア長またはテロメラーゼ活性を調節するタンパ ク質の不適切な発現が、新生物形成前もしくは新生物形成状態または他の疾患も しくは症状を生じ得るからである。相同的標的化は、いわゆる「ノックアウト」 マウスを生成するために用いられ得る。このマウスは、不活性化対立遺伝子につ いて異種接合性または同種接合性である。このようなマウスは、免疫系発生、新 生物形成、精子形成の研究のための実験用動物として、またはペットとして、ま たは動物製品(食糧)のために、または他の目的で市販され得る。 キメラトランスジェニックマウスは、Hoganら、1988、Manipulating the Mous e Embryo:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,and Teratoc arcinomas and Embryonic Stem Cells:A Practical Approach,E.J.Robertson 編、IRL Press,Washington,D.C.(1987)に従って誘導する。胚幹細胞は、公開 された手順(Teratocarcinomas and Embryonic Stem Cells:A Practical Approa ch、E.J.Robertson編、IRL Press,Washington,D.C.(1987);PCT特許公開第 96/22362号;Zjilstraら、1989、Nature 342:435;およびSchwartzbergら、Scien ce 246:799(それぞれは、本明細書中に参考として援用される)に従って操作さ れ得る。 さらに、TPC2またはTPC3 cDNAまたはゲノムクローンは、高レベルおよび/ま たは遺伝子に隣接して天然に存在し得ない(逆も同様である、すなわち、TPC2ま たはTPC3遺伝子は、スクリーニングまたは他の用途において有用なレポーター遺 伝子の前に位置する)転写調節配列の転写制御下でポリペプチドを発現させるた めの導入遺伝子を構築するために用いられ得る。例えば(しかし、限定されない )、構成プロモーター(例えば、HSV-tkまたはpgk(ホスホグリセリン酸キナー ゼ)プロモーター)または細胞系統特異的転写調節配列(例えば、CD4またはCD8 遺伝子プロモーター/エンハンサー)は、ポリヌクレオチド配列をコードするタ ンパク質に作動可能に連結されて、導入遺伝子を(代表的には、選択可能マー カー(例えば、neo遺伝子発現カセット)と組み合わせて)形成し得る。このよ うな導入遺伝子は、細胞(例えば、ES細胞、造血幹細胞、癌細胞)およびトラン スジェニック細胞、細胞株に導入され得、そしてトランスジェニック非ヒト動物 が、それに加えて従来の方法に従って得られ得る。 本発明の組換え宿主細胞は、頻繁には、上記の発現制御ベクターのような、本 発明によって提供される有用なオリゴヌクレオチドおよび核酸試薬を用いて調製 されるか、またはそれの供給源として作用する。これらの核酸試薬は、以下の章 においてより詳細に記載される。IV. オリゴヌクレオチドおよび核酸 別の実施態様において、本発明は、種々の形態で(すなわち、単離可能か、単 離したか、精製したか、または実質的に純粋な形態で)、そして種々の目的のた め(すなわち、プローブまたはプライマーとして、哺乳動物宿主細胞におけるテ ロメア長を調節するか、またはテロメラーゼ活性を調整する組換え遺伝子産物を 導入するためのポリヌクレオチドプラスミドおよびベクターとして、有用な核酸 を創造するための制限フラグメントとして、ならびに治療的、診断的、および他 の適用のための試薬として)の合成および組換えのオリゴヌクレオチドおよび核 酸を提供する。本発明の単離したか、または精製したポリヌクレオチドは、代表 的には、約10kb未満のサイズである。特に、本発明は、以下のいずれかに位置す る連続したヌクレオチド配列に、配列が実質的に同一かまたは相補的な少なくと も約10、15、25、100、またはより多くの連続したヌクレオチドを含む、組換え または合成核酸を提供する: (i)プラスミドpGRN109の約3.5kbのNotI-BstEII制限フラグメントのヒトDNA挿 入物中に含まれるヒト遺伝子TPC2のオープンリーディングフレーム配列;または (ii)プラスミドpGRN92の約1.4kbのEcoRI-BamHI制限フラグメントのヒトDNA挿 入物中に含まれるヒト遺伝子TPC3のオープンリーディングフレーム配列。 本発明の新規なオリゴヌクレオチドプローブおよびプライマーは、代表的には 、TPC2もしくはTPC3遺伝子、または核酸の複合混合物におけるそれらへの特異的 なハイブリダイゼーションを可能にする遺伝子産物中のヌクレオチドの配列に、 実 質的に同一か、あるいは相補的な配列中のヌクレオチドを含む。ヌクレオチド置 換、欠失、および付加は、本発明のポリヌクレオチド中に組み込まれ得る。ヌク レオチド配列変化は、種々の対立遺伝子の配列多型、微量の配列決定誤差などか ら生じ得る。標的配列への特異的なハイブリダイゼーションのために必要とされ るポリヌクレオチドの最小長は、以下のいくつかの因子に依存する:とりわけ、 G/Cの含有量、(もしあれば)ミスマッチ塩基の位置、標的ポリヌクレオチドの 集団と比較した場合の配列の独特の程度、およびポリヌクレオチド(メチルホス ホン酸バックボーン、ポリアミド核酸、ホスホロチオネートなど)の化学的性質 。 本発明のプローブおよびプライマーは、種々の診断的、治療的、および他の適 用において有用な適用を有する。それらは、不死のヒト細胞株間で区別して発現 されるので、TPC2およびTPC3の遺伝子および遺伝子産物は、テロメラーゼ活性お よび腫瘍細胞マーカーとして作用する。独特なTPC2またはTPC3遺伝子配列に対応 するオリゴヌクレオチドは、プライマーまたはプローブとして使用され得、他の 核酸、タンパク質、ラベルなどに付着され得、そして種々の目的(例えば、臨床 的検体中の腫瘍細胞のための診断的プローブとして、を含む)について有用であ る。本発明のオリゴヌクレオチドは、TPC2またはTPC3遺伝子産物の存在を検出す るため、細胞において上昇または減少したTPC2またはTPC3 mRNAレベルの存在に よって特徴付けられる腫瘍性疾患を診断するため、組織分類を実施するため(す なわち、テロメラーゼ、またはTPC2もしくはTPC3 mRNAの発現によって特徴付け られる組織を同定するため)などのハイブリダイゼーションプローブまたはPCR プライマーとして使用され得る。プローブを用いて、例えば、法医学的DNA分析 、またはTPC2もしくはTPC3遺伝子の増幅、変換、および/もしくは再配列によっ て特徴付けられる疾患の診断のために、DNAサンプル中のTPC2またはTPC3特異的 ヌクレオチド配列を検出し得る。本発明の特定の好ましいオリゴヌクレオチドは 、代表的には、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、pGRN109 の約3.5kbのNotI-BstEII挿入物、またはpGRN92の約1.4kbのEcoRI-BamHI挿入物中 のヌクレオチド配列に対応する核酸にハイブリダイズし得る、少なくとも8、10 、15、25、99、250、1000、またはより多くの連続したヌクレオチドを含み、そ して例えば、プローブ、プライマー、アンチセンス治療薬、およびリボザイム治 療 薬として有用である。 ポリペプチドの発現が所望されない場合、本発明のポリヌクレオチドは、機能 的なタンパク質をコードする必要はない。本発明のポリヌクレオチドは、RNAま たはDNA配列を検出するためのハイブリダイゼーションプローブおよび/またはP CRプライマーおよび/またはLCRオリゴマーとして作用し得る。あるいは、本発 明のボリヌクレオチドは、関連する遺伝子(例えば、構造的または進化的に関連 するタンパク質をコードする遺伝子)のRNAまたはDNA配列を検出するための、ハ イブリダイゼーションプローブまたはプライマーとして作用し得る。そのような ハイブリダイゼーションおよび他の適用(例えば、PCRを含む適用)のために、 本発明のポリヌクレオチドは、機能的なポリペプチドをコードする必要はない。 従って、本発明の特定のポリヌクレオチドは、TPC2もしくはTPC3遺伝子またはmR NA遺伝子産物への特異的なハイブリダイゼーション、あるいはそれらの特異的な 増幅の能力が保持される限り、実質的な欠失、付加、ヌクレオチド置換、および /または転移を含み得る。 ひとつの例として、アンチセンスポリヌクレオチドは、関連する標的配列(代 表的にはmRNA)への特異的なハイブリダイゼーションが、ポリヌクレオチドの機 能的な特性として保持される限り、ヌクレオチド置換、付加、欠失、または転移 を含み得る。相補的なアンチセンスポリヌクレオチドは、mRNA種および遺伝子に 特異的にハイブリダイズし得、従ってmRNAを産生する遺伝子の転写ならびに/ま たはmRNAの翻訳を妨げ得る、可溶性のアンチセンスRNAオリゴヌクレオチドある いは可溶性のアンチセンスDNAオリゴヌクレオチドを含む。種々の長さのアンチ センスポリヌクレオチドを使用し得るが、そのようなアンチセンスポリヌクレオ チドは、代表的には、天然に存在するTPC2またはTPC3遺伝子配列に実質的に同一 である少なくとも約25の連続したヌクレオチドの配列を含む。アンチセンスポリ ヌクレオチドは、トランスフェクタント細胞またはトランスジェニック細胞(例 えば、個体の造血幹細胞集団のすべてまたは一部を再構成するために使用される トランスジェニック多能性造血幹細胞)において異種の発現カセットから産生さ れ得る。あるいは、アンチセンスポリヌクレオチドは、インビトロでの培養培地 においてか、またはインビボでの循環系もしくは組織液においてのいずれかで、 外部環境に投与される可溶性オリゴヌクレオチドを含み得る。外部環境において 存在する可溶性アンチセンスポリヌクレオチドは、細胞質へ接近し、そして特定 のmRNA種の翻訳を阻害することが示されている。いくつかの実施態様において、 アンチセンスポリヌクレオチドは、メチルホスホン酸部分、または他の合成部分 を含む。アンチセンスポリヌクレオチドに関連する一般的な方法について、Anti sense RNA and DNA(1988),D.A.Melton編、Cold Spring Harbor Laboratory,C old Spring Harbor,NYを参照のこと。 阻害核酸はまた、いわゆる「センス」または他の核酸(すなわち、三重鎖形成 核酸)であり得る。ひとつの例として、ガン細胞株における組換えTPC3 mRNAの 発現は、90%を越えるテロメラーゼ活性の阻害を生じた。この例において、TPC3 遺伝子の約1.1kbの全コード配列を、ベクターpTATPC3.9からEcoRIフラグメント( 約2.1kb)として単離し、そして哺乳動物発現ベクターpBBS212のEcoRI部位中に挿 入し、以下の2つのベクターを生成した:pGRN111(ここで、TPC3遺伝子のセン ス鎖は、骨髄増殖性肉腫ウイルス(myelo proliferative sarcomavirus)(MPSV)プ ロモーターに作動可能に連結されている)、およびpGRN112(ここで、アンチセン ス鎖は、MPSVプロモーターに作動可能に連結されている)。ベクターpTAT PC3.9 を、TPC3 5'-RACE産物(約2.1kb)のpCRIIべクター(Invitrogen)への連結によって 構築した。センスおよびアンチセンスベクター、ならびにコントロールベクター pBBS212を用いて、エレクトロポレーションによってHeTe7細胞を形質転換した。 培地を、ハイグロマイシン(300μg/ml)およびピューロマイシン(0.2μg/ml )を含む選択培地に4週間変え、そして個々のクローンを得た。次いで、個々の クローンを、単離し、拡大し、そしてセンスまたはアンチセンスTPC3遺伝子産物 の発現、およびRT-PCRによるベクター転写についてアッセイした。次いで、ポジ ティブクローンをTRAPアッセイを用いてテロメラーゼ活性についてアッセイし、 そして平均TRF値を異なる時点で測定した。 図7は、遺伝子TPC3のセンスもしくはアンチセンスmRNA、またはコントロール ベクターを発現する組換えHeTe7細胞におけるテロメラーゼ活性レベルの分析の 結果を示す。上記のように、組換えセンスmRNAの存在は、テロメラーゼ活性を、 これらの細胞において顕著に減少させた。図8は、遺伝子TPC3のセンスもしくは アンチセンスmRNA、またはコントロールベクターを発現する組換えHeTe7細胞に おけるテロメア長の分析の結果を示す。組換えTPC3センスmRNAは、細胞における 平均TRFを減少させた。従って、組換えTPC3遺伝子産物は、これらの細胞におけ るテロメラーゼ活性だけではなく、テロメア長もまた調節し得る。この実験は、 本発明の組換え核酸が、それに作動可能に連結された発現制御配列を含む発現ベ クターで細胞をトランスフェクトすることによってどのように発現され得るかを 示す。TPC2またはTPC3のフラグメントまたはアナログもまた、発現され得、そし てテロメア長またはテロメラーゼ活性を調節する酵素の他の活性な成分と競争す るように機能し得る。リボヌクレオタンパク質または他の巨大分子の非機能的成 分とのアセンブリは、非機能的複合体およびその後の関連する活性(すなわち、 テロメラーゼ活性、テロメア維持、およびテロメア長)における減少を生じる。 本発明の発現ベクターは、代表的には、TPC2またはTPC3タンパク質遺伝子産物 中のアミノ酸配列に同一の配列中のアミノ酸をコードするヌクレオチド配列に作 動可能に連結される発現制御配列を含む。作動可能に連結されたヌクレオチド配 列は、代表的には少なくとも5〜9アミノ酸をコードするか、あるいはTPC2また はTPC3タンパク質のすべてもしくは少なくとも活性部分をコードするか、あるい はTPC2もしくはTPC3のアミノ酸配列または変異体であるがそれに関連する配列か ら選択される配列中の15、20、25、100、またはより多くの連続したアミノ酸を コードする。例えば、有用なTPC2およびTPC3変異タンパク質は、融合タンパク質 を含み、ここでTPC2またはTPC3タンパク質のすべてまたは一部は、いくつかの有 用な特徴(例えば、アフィニティー精製における使用のための結合部位(すなわ ち、約6つのヒスチジン残基のポリヒスチジンタグまたはマルトース結合タンパ ク質))を与えるペプチドあるいはポリペプチドに融合される。好ましくは、こ れらのアミノ酸配列は、天然に存在するタンパク質の所定の順序で(アミノ酸末 端からカルボキシ末端の方向で)存在するが、他の介在配列および/または末端 配列を含み得;一般にそのようなポリペプチドは、1000未満のアミノ酸長、より 一般には約500未満アミノ酸長、そして頻繁には約200アミノ酸長である。遺伝コ ードの縮重は、これらのアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド配列の有限 のセットを与え;縮重配列のこのセットは、手で、または市販のソフトウェア (Wisconsin Genetics Software Package Release 7.0)を用いるコンピユーター によって容易に生成され得る。本発明のこれらの発現ベクターおよび他の発現ベ クターは、多くの有用な適用(本発明の治療的方法において、標的細胞または組 織において、テロメラーゼ活性を調整することについては、その活性を活性化も しくは阻害のいずれかをするため、またはテロメア長を調節することについては 、長さを増加もしくは減少のいずれかをさせるための遺伝子治療ベクターとして を含む)を有する。 従って、本発明の遺伝子治療発現ベクターは、TPC2および/もしくはTPC3タン パク質の変異体または「変異タンパク質」をコードする(すなわち、1つ以上の アミノ酸の欠失、置換、および/もしくは付加によってTPC2ならびに/またはTP C3と異なるタンパク質を発現する)ベクターを含む。しかし、本発明の遺伝子治 療ベクターはまた、他の有用な核酸(例えば、hTR、またはTPC2、TPC3、および /もしくはhTR遺伝子産物(すなわち、mRNAおよびテロメラーゼRNAを標的化する アンチセンス核酸もしくはリボザイム))をコードし得る。本発明のベクターは また、免疫原として提示される場合、TPC2もしくはTPC3タンパク質に特異的に結 合する抗体、またはそれらのタンパク質を発現する細胞の産生を誘発し得るタン パク質の発現をコードし得る。そのようなベクターはまた、構造的に関連するタ ンパク質(例えば、TPC2もしくはTPC3タンパク質フラグメントまたはアナログ) をコードし得る。これらのベクターは、テロメラーゼ活性またはテロメア長の調 整が有益であり得る疾患もしくは健康状態を処置または予防するための本発明の 治療的方法において有用である。例えば、テロメラーゼポジティブガン細胞にお いて、テロメラーゼ活性の阻害は、それらの細胞におけるテロメア維持を妨げ得 、連続性の増殖に際して、テロメア損失、細胞危機、および死を誘導する。その ような目的のために、非機能的TPC2もしくはTPC3変異タンパク質または変異体タ ンパク質、あるいは細胞におけるテロメラーゼ活性によるテロメラーゼ形成また はテロメア延伸を(例えば、RNA成分もしくはタンパク質成分についての競合す ること、内因性遺伝子発現の阻害、または他の手段により)阻害し得る他の核酸 (すなわち、TPC3 mRNAの発現にわたって)を発現する本発明の遺伝子治療ベク ターは好ましい。 本発明の発現ベクターは、目的の宿主細胞と適合可能な発現および複製シグナ ル(すなわち、コード配列の転写および翻訳を促進し、その結果コードされたポ リペプチド産物が産生される配列(発現配列))を含む。そのようなポリヌクレ オチドの構築は、当該分野で周知であり、そしてさらにManiatisら、前出にさら に記載される。そのようなポリヌクレオチドは、例えば、プロモーター、転写終 結部位(真核生物発現宿主におけるポリアデニル化部位)、リボソーム結合部位 、および必要に応じて真核生物発現宿主における使用のためのエンハンサー、お よび必要に応じてベクターの複製のために必要な配列を含み得るが、これらに限 定されない。代表的な真核生物発現カセットは、プロモーター(例えば、HSV、t k、pgk、メタロチオネイン、または哺乳動物細胞における使用に適切な広範な種 々の任意の他のプロモーター)の下流(すなわち、翻訳リーディングフレーム方 向で;ポリヌクレオチド連結)に連結され、必要に応じてエンハンサーおよび下 流ポリアデニル化部位(例えば、SV40ラージTAgポリA付加部位)に連結された 、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。組換えTPC2、TPC3、 および本発明の他のタンパク質を発現するために有用な発現ベクターは、ウイル スベクター(例えば、レトロウイルス、アデノウイルス、およびアデノ随伴ウイ ルス)(すなわち、治療方法については、プラスミドベクター(例えば、pcDNA1 (Invitrogen,San Diego,CA))を含み、ここで、発現制御配列は、CMVプロモー ター、コスミド、リポソームなどを含む。ウイルスベクターおよびプラスミドベ クターは、頻繁には、哺乳動物細胞をトランスフェクトするために好ましい。 本発明の核酸試薬はまた、TPC2およびTPC3遺伝子産物、ならびにヒトTPC2およ びTPC3遺伝子の哺乳動物(すなわち、マウス)相同体と相互作用するタンパク質 をコードする核酸を同定、単離、ならびにクローニングすることにおいて有用な 試薬を含む。相同なDNAは、目的の哺乳動物細胞(例えば、マウス、ラット、ウ サギ、または他の細胞(すなわち、酵母人工染色体、コスミド、またはバクテリ オファージλ(例えば、Charon 35)中の))から調製されたゲノムまたはcDNAク ローンライブラリーを、本明細書中に開示されるTPC2またはTPC3のcDNA配列の少 なくとも約24(または15〜30もしくはそれ以上の範囲)の連続したヌクレオチド (またはそれらの相補体)の配列を含むポリヌクレオチドプローブを用いてスク リーニングすることによって容易に同定され得る。代表的には、ハイブリダイゼ ーションおよび洗浄条件を、慣習的なハイブリダイゼーション手順に従って、種 々の程度のストリンジェンシーで実施する。ポジティブクローンを単離し、そし て配列決定する。例示のためであって、限定のためではないが、TPC2およびTPC3 遺伝子のオープンリーディングフレーム配列に対応する完全長のポリヌクレオチ ドが標識され得、そしてマウスもしくは他の哺乳動物のゲノムクローンまたはcD NAライブラリー(すなわち、Promega Corporation,Madison,Wisconsinから入 手可能なもの)からゲノムクローンを単離するためにハイブリダイゼーションプ ローブとして使用され得る。 本発明の核酸をまた使用して、TPC2および/もしくはTPC3遺伝子産物と相互作 用するか、またはそれらに結合する遺伝子産物を単離ならびに同定し得る。酵母 「ツーハイブリッド」システム(Chienら、1991,Proc.Natl.Acad.Sci.(US A)88:9578を参照のこと)は、融合タンパク質として所定のポリペプチド配列を コードする発現ベクターを利用し、そして転写活性因子の再構成を介してインビ ボでのタンパク質-タンパク質相互作用を同定するために使用される(Fieldsおよ びSong,1989,Nature 340:245)。通常、酵母Gal4転写タンパク質(これは、DNA 結合および転写活性化を担う分離可能なドメインからなる)は、転写活性因子と して作用する。2つのハイブリッドタンパク質(1つは、第1のタンパク質のポ リペプチド配列に融合された酵母Gal4 DNA結合ドメインからなり、そしてもう一 方は、第2のタンパク質のポリペプチド配列に融合されたGal4活性化ドメインか らなる)(第1または第2のタンパク質は、代表的には、他方のタンパク質と特 異的に相互作用する能力についてスクリーニングされるべき多くの異なるタンパ ク質である)をコードするポリヌクレオチドを構築し、そして酵母宿主細胞中に 導入する。もしあれば、2つの融合タンパク質間の分子間結合は、Gal4 DNA結合 ドメインを、Gal4活性化ドメインと再構成し、それは、Gal4結合部位に作動可能 に連結されたレポーター遺伝子(例えば、lacZ,HIS3)の転写活性化を導く。代 表的には、ツーハイブリッド法は、公知のタンパク質と相互作用する新規なポリ ペプチド配列を同定するために用いられる。 本発明はまた、ツーハイブリッドシステムおよびスリーハイブリッドシステム を、代表的にはTPC2またはTPC3のいずれかを含む第一のハイブリッドタンパク質 、第二のハイブリッドタンパク質、およびレポーター遺伝子をコードするポリヌ クレオチドの形態で提供する。ここで、上記のポリヌクレオチド(単数または複 数)は、一時的な発現のために、安定に複製または導入される。宿主生物は、レ ポーター遺伝子転写調節配列が、Gal4応答性プロモーター(結合部位)を含む酵 母細胞(例えば、Saccharomyces cervisiae)であり得る。酵母細胞は、(1)T PC2またはTPC3タンパク質の結合フラグメントに融合したGal4 DNA結合ドメイン (またはGal4アクチベータードメイン)をコードする発現カセット;(2)cDNA ライブラリーメンバーに融合したGal4 DNAアクチベータードメイン(それぞれま たは、Gal4結合ドメイン)をコードする発現カセット;および(3)シス結合Ga l4転写応答エレメントを含むレポーター遺伝子(例えば、β-ガラクトシダーゼ )を含み、TPC2および/またはTPC3タンパク質に特異的に結合するポリペプチド をコードするcDNAを同定するためにcDNAをスクリーニングするために使用され得 る。酵母ツーハイブリッドシステムは、哺乳動物(代表的には、ヒト)cDNA発現 ライブラリー(例えば、ヒト成熟B細胞株(Namalwa)mRNAから産生されたcDNA ライブラリーのような)をスクリーニングするために使用され得る(Ambrusら、 1993,Proc.Natl.Acad.Sci.(U.S.A.)を参照のこと)。一旦、このような相 互作用ポリペプチドをコードするcDNAが同定されると、得られたポリペプチドは クローン化され、特徴づけられ、そして結合相互作用を阻害し得る化合物を同定 するために、化合物をスクリーニングするために使用され得る。 本発明のオリゴヌクレオチドおよび核酸試薬の多くの、ならびに多様な適用に もかかわらず、1つの重要な適用は、以下の節で議論されるように、本発明の組 換えペプチドおよびタンパク質の産生に関する。 V.ペプチドおよびタンパク質 別の実施態様において、本発明は、哺乳動物細胞においてテロメア長およびテ ロメラーゼ活性を調節する遺伝子および遺伝子産物に関する、ペプチド、タンパ ク質、抗体、および酵素を提供する。特に、本発明は、合成もしくは組換えペプ チド、または以下のいずれかに位置するヒト遺伝子のオープンリーディングフレ ーム配列によってコードされるアミノ酸配列と、配列において同一の、少なくと も約6、15、25、100もしくはそれより多くの連続アミノ酸を含むタンパク質を 提供する: (i)プラスミドpGRN109の約3.5kb NotI-BstEII制限フラグメント;または (ii)プラスミドpGRN92の約1.4kb EcoRI-BamHI制限フラグメント。 本発明は、組換えTPC2および/またはTPC3タンパク質を発現する真核生物また は原核生物宿主細胞由来、もしくはインビトロでの翻訳系由来の単離可能な形態 で、ならびにインビトロ合成由来の精製および実質的に純粋な形態で、TPC2およ びTPC3遺伝子によりコードされる、または組換え宿主細胞からの精製による、も しくは本発明の抗体もしくは他の試薬を使用する天然に存在するタンパク質の精 製による、ペプチドおよびタンパク質、ならびにそれらのフラグメントおよびア ナログを提供する。組換え宿主における異種タンパク質の発現、ポリペプチドの 化学合成、およびインビトロ翻訳の方法は、当該分野に周知であり、そしてMani atisらおよびBergerならびにKimmel、前出にさらに記載される。このようなタン パク質は、インビトロでのテロメアーゼの再構成、またはテロメアーゼを維持し およびテロメアーゼ長を調節する他の酵素活性についての方法において適用を有 する。これらの方法は、次いで、治療剤について、診断試験について、および他 の適用についてのスクリーニングにおける適用を有する。 これらは、不死のヒト細胞株間で個々に発現されるので、TPC2およびTPC3遺伝 子ならびに遺伝子産物は、テロメアーゼ活性および腫瘍細胞マーカーとして作用 する。TPC2またはTPC3タンパク質の全長アミノ酸配列または部分アミノ酸配列を 有するポリペプチドは、例えば、TPC2またはTPC3タンパク質に対する抗体の産生 に有用であり、そして腫瘍細胞内でのTPC2またはTPC3タンパク質の欠失に有用で ある。本発明は、TPC2およびTPC3遺伝子のオープンリーディングフレームによっ てコードされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有する精製TPC2お よびTPC3タンパク質を提供する。このような遺伝子は、ヒト対立遺伝子変異体ま たは哺乳動物同族遺伝子(これは、本発明に従って、および本発明により提供さ れる試薬を使用して得られ得る)を含む。 本発明はまた、TPC2およびTPC3タンパク質アナログ、ならびに連続した配列に おいて少なくとも5、10、15、20、25、100またはそれより多くのアミノ酸を含 む天然に存在しないポリペプチドを提供し、この連続した配列は、TPC2およびTP C3タンパク質のアミノ酸配列から選択されるが、1つ以上のアミノ酸の欠失また は付加を、アミノ末端もしくはカルボキシ末端のいずれか、または内部、あるい は両方に含み;アナログは配列転移をさらに含み得る。アナログはまた、アミノ 酸置換体、好ましくは保存的置換体を含み得る。アナログは、活性フラグメント および種々の変異タンパク質を含む。例えば、1つまたは複数のアミノ酸置換体 (好ましくは保存的アミノ酸置換体)が天然に存在する配列において作製され得 る。好ましいアミノ酸置換体には、以下が含まれる:(1)タンパク質分解に対 する感受性を減少するアミノ酸置換体、(2)酸化に対する感受性を減少するア ミノ酸置換体、(3)アナログの翻訳後の修飾を変化するアミノ酸置換体(おそ らくリン酸化を含む)、および(4)このようなアナログの他の物理化学的また は機能的特性を与えるかまたは変更するアミノ酸置換体。TPC2またはTPC3タンパ ク質アナログは、TPC2またはTPC3タンパク質に対する免疫原性であり得る。すな わち、免疫原として提示される場合、アナログは、抗体(TPC2またはTPC3タンパ ク質に特異的に結合する)の産生を惹起する。活性なフラグメントは、アミノ末 端もしくはカルボキシ末端のいずれか、または両方からの欠失により、全長タン パク質のフラグメントを生成し、そして得られたフラグメントを活性について試 験することによって経験的に同定され得る。 保存的アミノ酸置換は、同様の特徴(例えば、酸性特性を有するもの:AspとG lu)を有する置換アミノ酸によるアミノ酸の置換である。保存的(または同義の )アミノ酸置換は、親タンパク質の構造特徴を実質的に変化させない(例えば、 置換したアミノ酸は、親配列で生じるヘリックスを破壊する傾向にも、親配列を 特徴付ける二次構造の他の型を破壊する傾向にもないはずである)。当該分野で 認識されているポリペプチド二次構造および三次構造の例は、Proteins,Struct ures and Molecular Principles(1984),Creighton(編)、W.H.Freemanおよ びCompany,New York;Introduction to Protein Structure(1991)、C.Brand enおよびJ.Tooze,Garland Puglishing,New York,NY;ならびにThorntonら、 1991,Nature 354:105に記載されており、これらは参考として本明細書中で援 用される。以下の6つの群は、各々互いに保存的置換基であるアミノ酸を含む: (1)アラニン(A)、セリン(S)、スレオニン(T);(2)アスパラギン酸(D )、グルタミン酸(E);(3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q);(4)ア ルギニン(R)、リジン(K);(5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチ オニン(M)、バリン(V);および(6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y )、トリプトファン(W)。 アナログは、一般に、アミノ末端またはカルボキシ末端に結合する異種配列を 含み得る。ここで、異種配列(単数または複数)は、天然のタンパク質によって 分断されない、生じたアナログに機能的特性を与える。このようなアナログは、 融合タンパク質と呼ばれ、そして本発明の目的のために、代表的には、TPC2もし くはTPC3タンパク質またはアナログ、およびさらなるペプチドもしくはタンパク 質部分を含む。融合タンパク質は、2つの異なったポリペプチドまたはタンパク 質の特性を有効に合わせ、そして例えば、ポリヒスチジンポリペプチドまたはマ ルトース結合タンパク質(融合タンパク質のアフィニティー単離において、有用 である)のような標識を与えるかまたは細胞内の分解から融合タンパク質を保護 するために使用され得る。融合タンパク質は、所望の特性(例えば、TPC2もしく はTPC3タンパク質または融合タンパク質の保持体(remainder)から切断可能な アナログを有するペプチダーゼ部位)を有するリンカーペプチドを含み得る。融 合タンパク質はまた、目的のTPC2またはTPC3タンパク質に対する抗原性エピトー プを与え得;次いで、エピトープを結合する抗体は、精製のために融合タンパク 質を免疫沈降するために使用され得るか、または結合したタンパク質を同定する ために使用され得る。 従って、本発明は、組換え融合タンパク質を提供する。ここで、TPC2またはTP C3タンパク質の全体または一部が、目的の別のポリペプチドまたはタンパク質に 融合される。例えば、プラスミドpGRN103、pGRN104、pGRN106、およびpGRN110は 、本発明の発現プラスミドであり、これらは、TPC2またはTPC3タンパク質のいず れかの一部、およびマルトース結合タンパク質(MBP)を含む本発明の新規の融 合タンパク質の発現をコードする。これらのベクターは、市販のpMALc2発現ベク ターおよび発現系(New England Biolabs)を使用して作製された。プラスミドp GR N103は、TPC3タンパク質のアミノ末端部分とMBPとを含む融合タンパク質をコー ドし、そしてプラスミドpMALc2のXmn1-PstI制限フラグメントを、プラスミドpGR N92のPvuII-PstI制限フラグメントに置換することによって調製された。プラス ミドpGRN104は、TPC3タンパク質のカルボキシ末端部分とMBPとを含む融合タンパ ク質をコードし、そしてプラスミドpMALc2のEcl136II-BamHI制限フラグメントを 、プラスミドpGRN92のBspEI(dCTPおよびdGTPの存在下でクレノウと処置したの み)-BamHI制限フラグメントに置換することによって調製された。プラスミドpG RN106は、TPC2タンパク質のアミノ末端部分とMBPとを含む融合タンパク質をコー ドし、そしてプラスミドpMALc2のSalI-PstI制限フラグメントを、プラスミドpGR N109から単離され得るSalI-Sse8387I制限フラグメントと置換することによって 調製された。プラスミドpGRN110は、TPC2タンパク質のカルボキシ末端とMBPとを 含む融合タンパク質をコードし、そしてTPC2のオープンリーディングフレームの カルボキシ末端部分を含む制限フラグメントを、プラスミドpMALc2に挿入するこ とによって調製され、その結果、融合タンパク質は、E.coli W3110細胞でのプ ラスミドの発現からの以下の結果(MBPの末端および結合領域でのTPC2タンパク 質のみを示す)を示した: 本発明のこれらおよび他の融合タンパク質は、標準的な方法に従って単離され得 、次いで、以下の節で記載されるように、ポリクローナル抗血清およびモノクロ ーナル抗体の産生のために、動物(すなわち、マウスおよびウサギ)を免疫化す るために使用され得る。 TPC2またはTPC3のタンパク質、アナログ、ペプチド、およびポリペプチドはま た、周知の方法を用いて化学合成によって調製され得る。例えば、TPC2およびTP C3タンパク質の配列に対応するアミノ酸配列を有する種々のペプチドは、インビ トロで化学合成され得、そしてTPC2および/またはTPC3タンパク質に特異的に結 合する抗体を生成するために使用され得る。本発明の例示的なペプチドには、RG LKRQSDERKRDREおよびKVTSPLQSPTKAKPKが含まれ、これらはインビトロで化学合成 され、そしてTPC3タンパク質に特異的な抗体を生成するために動物を免疫化する ために使用される。このようなペプチドは、遺伝子またはタンパク質のヌクレオ チドおよび/もしくはアミノ酸配列データと、公共のまたは他の配列のデータベ ースとの比較によって同定される構造的および機能的ドメインに対応し得る。コ ンピューター化された比較方法は、既知の構造的および/または機能的な他のタ ンパク質において生じる配列モチーフまたは推定タンパク質コンホメーションド メインを同定するために使用され得る。Proteins,Structures and Molecular P rinciples(1984),Creighton(編),W.H.Freeman and Company,New Yorkを 参照のこと;これらは本明細書中に参考として援用される。既知の三次元構造に 折り畳むタンパク質配列を同定するための方法は、公知である。Bowieら、1991 ,Science 253:164を参照のこと。認識された配列モチーフおよび構造的コンホ メーションは、構造的および機能的ドメインを規定するために使用され得る。コ ンピュータープログラム、GAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA(Wisconsin Gen etics Software Package(Genetics Computer Group,575 Science Dr.,Madiso n,WI))は、GenBank/EMBLのようなデーターベースにおける配列(相同領域を 有する)を同定するために使用され得る。神経型ネットワーク方法は(ハードウ ェアまたはソフトウェアのいずれかで実行される場合も)以下のために使用され 得る:(1)関連タンパク質配列およびヌクレオチド配列を同定するため、およ び(2)ポリペプチドにおける構造的ドメインまたは機能的ドメインを規定する ため。Brunakら、1991,J.Mol.Biol.220:49を参照のこと、本明細書中に参 考として援用される。 従って、本発明の好ましいペプチドおよびタンパク質のクラスの1つは、機能 的ドメインボーダーの付近のアミノ酸位置に対応するアミノ末端およびカルボキ シ末端を有するTPC2またはTPC3タンパク質のフラグメントである。別のフラグメ ントもまた調製され得る。このようなフラグメントのアミノ末端およびカルボキ シ末端の選択は、実践者の分別にかかっており、そして構築の容易さ、タンパク 質分解に対する安定性、末端の安定性、免疫学的反応性、アミノ末端残基または カルボキシ末端残基の修飾のような要因、または他の要因に基づく。 本発明の免疫原性ペプチドおよびタンパク質は、治療的免疫化およびワクチン 化の手順において使用され得る。それゆえ、本発明は、テロメアーゼを維持し、 そしてテロメアーゼ活性を発現する細胞(例えば、癌細胞)に対して被検体を免 疫化する方法、ならびにその方法(本発明のこのようなペプチドまたはタンパク 質の免疫刺激量を投与する工程を含む)において有用なワクチンを提供する。 本発明のペプチドおよびタンパク質は、少なくとも約50%(w/w)以上純粋で あり、そして妨害タンパク質および夾雑物が実施的に存在しない場合、実質的に 純粋な形態で適切に得られる。好ましくは、これらのポリペプチドは、少なくと も80%(w/w)、またはより好ましくは少なくとも約95%(w/w)の純度で単離ま たは合成され、そして実質的に他のタンパク質または夾雑物が存在しない。 本発明のペプチドおよびタンパク質の1つの重要な適用は、以下の節で議論さ れるように、TCP2またはTPC3タンパク質に特異的に結合する抗体の生成である。 VI.抗体 本発明のタンパク質およびペプチドはまた、TPC2もしくはTPC3タンパク質、ま たはこれらのタンパク質上の特定のエピトープに特異的な抗体を生成するために 使用され得る。TPC2またはTPC3タンパク質、それらのフラグメント、またはそれ らのアナログは、特異的な抗体の産生ために動物を免疫化するために使用され得 る。例えば、TPC2またはTPC3タンパク質の組換え的に産生されたフラグメントま たは融合タンパク質は、当業者に公知の免疫化プロトコルの後、アジュバントと ともにマウスに注射され、その結果、免疫応答を生成し得るが、これに限定され ない。あるいは、または組換え的に産生されたポリペプチドとの組み合わせにお いて、TPC2またはTPC3タンパク質に対応するアミノ酸配列を有する化学合成され たペプチドは、TPC2もしくはTPC3タンパク質、または別のテロメアタンパク質も しくはテロメアーゼ関連タンパク質を結合する抗体を惹起するための免疫原とし て使用され得る。少なくとも約1×106M-1の結合親和性を有する標的タンパク質 に特異的に結合する免疫グロブリンは、抗血清として、免疫化された動物から採 取され得、そしてイムノアフィニティークロマトグラフィーまたは他の手段によ ってさらに生成され得る。 さらに、脾臓細胞は、免疫化された動物(代表的には、ラットまたはマウス) から採取され得、そして骨髄腫細胞に融合されて、モノクローナル抗体分泌ハイ ブリドーマ細胞のバンクを生成し得る。ハイブリドーマのバンクは、目的のタン パク質に結合する(すなわち、少なくとも1×107M-1の親和性で)免疫グロブリ ンを分泌するクローンについてスクリーニングされ得る。マウスおよびラット以 外の動物は、抗体を惹起するために使用され得る。すなわち、例えば、ヤギ、ウ サギ、ヒツジ、およびニワトリもまた、TPC2またはTPC3タンパク質と反応性であ る抗体を惹起するために使用され得る。ヒト抗体を実質的に産生する能力を有す るトランスジェニックマウスもまた免疫化され、そして抗血清の供給源のために 、および/またはモノクローナル抗体分泌ハイブリドーマの作製のために使用さ れ得る。 従って、本発明は、TPC2またはTPC3タンパク質に特異的に結合するポリクロー ナル抗体およびモノクローナル抗体を提供する。バクテリオファージ抗体ディス プレーライブラリーもまた、本発明のペプチドおよびタンパク質に特異的に結合 し得るファージについてスクリーニングされ得る。抗体のコンビナトリアルライ ブラリーは、バクテリオファージラムダ発現系において生成されており、そして バクテリオファージプラークとして、または溶原菌のコロニーとしてスクリーニ ングされ得る。抗体を調製するための一般的な方法については、本明細書中で参 考として援用されるAntibodies:A Laboratory Manual(1988),E.HarlowおよびD .Lane,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NYを参照のこと 。 これらの抗体は、次いで、TPC2またはTPC3タンパク質を正常な細胞または組換 え細胞から単離するために使用され、そうしてこれらのタンパク質およびこれら と関連する他のタンパク質を精製するために使用され得る。このような抗体は、 サンプル中のTPC2またはTPC3タンパク質の検出、および細胞の複雑な混合物中の TPC2またはTPC3タンパク質を含む細胞の検出において有用である。このような検 出方法は、疾患および他の状態(例えば、癌、妊娠、または授精能)のスクリー ニング、診断、およびモニタリングにおける適用を有する。なぜなら、TPC2およ びTPC3タンパク質は、テロメアDNAを延伸し得、そしてテロメラーゼ活性を発現 し得るほとんどの細胞に存在し、そしてテロメラーゼネガティブ細胞において観 察されるレベルよりも有意に高いレベルでこれらの細胞中に存在するからである 。 本発明の抗体のいくつかの適用(例えば、免疫交差反応性タンパク質の同定) のために、所望の抗血清またはモノクローナル抗体は、単一特異性ではない。こ れらまたは他の場合には、全タンパク質よりも、TPC2またはTPC3タンパク質の合 成または組換えフラグメントを、抗原として使用することが好ましい。より詳細 には、特定の構造部分(例えば、DNA結合ドメイン)を含む免疫交差反応性のポ リペプチドを同定することが目的である場合、TPC2またはTPC3タンパク質中の相 応の構造ドメインの一部または全部に対応するフラグメントを抗原として使用す ることが好ましい。 TPC2またはTPC3と反応性であるカチオン化または脂質化抗体は、これらのタン パク質およびこれらにより調節されるプロセスの過剰または不適切な発現(例え ば、新生物形成)の疾患を処置または予防するために治療的に使用され得る。本 発明の他の方法が以下の節において議論される。 VII.方法 上記の本発明の種々の試薬は、広範な種々の適用を有する。TPC2またはTPC3 c DNAにハイブリダイズし得るポリヌクレオチドおよびTPC2またはTPC3タンパク質 に特異的に結合する抗体を提供することにより、細胞中のTPC2およびTPC3の発現 を検出することが可能になる。癌性であると予想される細胞内でのTPC2またはTP C3遺伝子発現の検出は、癌の診断において有用である。従って、本発明は、ハイ ブリダイゼーション法またはイムノアッセイ法によって、TPC2またはTPC3mRNAま たはタンパク質を細胞において検出する方法を提供する。ハイブリダイゼーショ ン法は、ノーザンブロッティング;サザンハイブリダイゼーションを含む任意の 日常的な方法を包含し得る;PCR、b-DNA、酵素で標識された抗体、LCR、Q-βレ プリカーゼ、または3SRによる標的またはプローブ核酸の増幅などもまた使用し 得る。 本発明のポリヌクレオチド配列は、個々のヒトの法医学的同定(例えば、故人 の同定、父性の決定、犯罪の同定など)のために使用され得る。本発明また、TP C2もしくはTPC3 mRNAの検出、または患者から外移植された細胞におけるTPC2も しくはTPC3遺伝子の転位もしくは増幅、または疾病特徴的なTPC2もしくはTPC3対 立遺伝子の検出による、疾患状態(例えば、新生物形成または前新生物形成)の 診断のためのTPC2もしくはTPC3ポリヌクレオチドプローブを提供する。同じ細胞 型の非新生物形成性細胞または非疾患細胞に比較して変化した量のTPC2またはTP C3 mRNAを含有する細胞は、本発明の方法に従う候補疾患細胞として同定され得 る。同様に、細胞サンプル中のTPC2もしくはTPC3遺伝子座または密接に連結した 遺伝子座の疾病特徴的な転位または増幅の検出により、病理学的状態または病理 学的状態(例えば、癌、遺伝的疾患)を発症する素因の存在が同定される。 3つのテロメラーゼ関連、およびテロメア長制御成分であるTPC2、TPC3、およ びhTRの単離により、1つ以上のこれらの成分を含む組換えテロメアの産生が可 能になる。1つの方法において、組換えテロメラーゼは、TPC2もしくはTPC3タン パク質または活性TPC2もしくはTPC3アナログおよび/または組換えhTRを、細胞中 で発現することによって産生される。別の方法において、テロメラーゼは、イン ビトロで再構築される。テロメラーゼの組換えRNA成分は、例えば、pGRN33(ATC C 75926)の約2.5kb HindIII SacIインサートによってコードされる配列に由来 するRNA分子であり得る。組換えテロメラーゼは、例えば、ある化合物がテロメ ラーゼ活性を調節するか否かを決定するためのスクリーニングアッセイに有用で ある。 テロメアDNA損傷を修復する細胞の能力を(例えば、内因性の天然に生じるテ ロメラーゼを阻害することによって)低減するテロメラーゼ調節およびテロメア 長調節薬剤は、候補新生物形成性薬剤である。次いで、候補新生物形成性薬剤は 、ヒト新生物形成性薬物としての使用のための適合性を予想するために日常的に 使用されるアッセイにおいて、さらに抗新生物形成活性について試験される。こ れらのアッセイの例には、候補薬剤の(1)軟寒天中でのアンカー非依存性形質 転 換細胞の増殖を阻害する能力、(2)nu/nuマウスに移植された形質転換細胞の 腫瘍形成能を低減する能力、(3)形質転換細胞の形態学的形質転換を逆行させ る能力、(4)nu/nuマウスに移植された腫瘍の増殖を低減する能力、(5)自 発的または化学的に誘導された発癌の動物モデルにおける肺瘍または前新生物形 成性細胞の形成を阻害する能力、および(6)形質転換細胞において、より分化 した表現型を誘導する能力を測定するアッセイが含まれるが、これらに限定され ない。 テロメア維持またはテロメラーゼ活性を特異的に阻害し得る薬剤の効果的な用 量の、患者への投与は、病理学的状態(例えば、癌、炎症、リンパ球増殖性疾患 、自己免疫疾患、神経変性性疾患など)を処置するための治療的または予防的方 法として使用され得る。これらの状態は、テロメラーゼ活性およびテロメア長を 調節することによって効果的に処置され得る。新生物形成または細胞死の調節に 関するさらなる実施態様には、特定の阻害性核酸(例えば、TPC2、TPC3、または 同族の哺乳動物TPC2またはTPC3タンパク質をコードするヌクレオチド配列に対応 するセンスまたはアンチセンスポリヌクレオチド)を利用する方法が含まれる。 本発明の好ましい実施態様の上記の記載は、例示および説明の目的のために提 示されており、そして本発明を網羅することも、開示されたそのままの形態に本 発明を限定することも意図されないが、そのかわり多くの改変および変化が本発 明および説明に照らして可能であることを明らかにし、そして本発明およびそれ に対する請求の範囲の範囲内の本説明に照らして当業者に明らかであり得るよう な改変および変化を含む。本願に引用された全ての刊行物および特許文献は、全 ての目的のために、各個々の刊行物または特許文献がそのように個々に示されて いるのと同等な程度に、その全体が本明細書中で参考として援用される。 VIII.実施例 以下の実施例は、本発明を例示するために与えられるが、限定するためではな い。一般に、本明細書中で使用される命名法、および細胞培養、分子遺伝学、お よび核酸化学、ならびに以下に記載されるハイブリダイゼーションにおける研究 室的手順の多くは、当該分野で周知であり、そして一般に利用されるものである 。 本明細書および実施例を通じて与えられる全ての百分率は、他に示されない限り 、重量に基づく。全てのタンパク質分子量は、他に示されない限り、平均平均分 子量に基づく。 A.分子遺伝学における方法 標準的な技術を、組換え核酸法、ポリヌクレオチド合成、インビトロポリペプ チド合成、微生物培養、および形質転換(例えば、エレクトロポレーション)な どのために使用する。一般に、市販の開始材料を使用する酵素反応および精製工 程は、製造業者の説明書に従って実施される。技術および手順は、一般に、当該 分野で従来的な方法および本明細書中で引用される種々の一般的な参考文献(一 般には、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版(1989) ;Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,(本明 細書中で参考として援用される)を参照のこと)に従って実施される。 オリゴヌクレオチドは、製造業者によって提供される説明書に従って、Applie d Bio Systemsまたは他の市販のオリゴヌクレオチド合成機で合成され得る。ポ リヌクレオチドプライマーは、任意の適切な方法(例えば、ホスホトリエステル 法およびホスホジエステル法、またはその自動化された実施態様)を使用して、 調製され得る。1つのこのような自動化された実施態様では、ジエステルホスホ ルアミダイトを開始材料として使用して、そしてBeaucageら、1981,Tetrahedro n Letters 22:1859および米国特許第4,458,066号によって記載されるように合成 される。 PCR増幅のための方法は、当該分野で公知である(PCR Technology:Principles and Applications for DNA Amplification、Erlich,Stockton編Press,New Yo rk,NY(1989);PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications,Innis,G elfland,Sninsky,およびWhite編、Academic Press,San Diego,CA(1990);Mat tilaら、1991,Nucleic Acids Res.19:4967;EckertおよびKunkel,1991,PCR M ethods and Applications 1:17;および上記の米国特許)。最適なPCRおよびハイ ブリダイゼーション条件は、使用される標的ポリヌクレオチドプライマーおよび 標的の配列組成および長さ、ならびに当業者によって選択される実験 方法に依存して変化する。種々のガイドラインが、適切なプライマー配列および ハイブリダイゼーション条件を選択するために使用され得る(例えば、Sambrook ら、前出を参照のこと)。一般に、PCRは、緩衝化水溶液中で、好ましくは7〜 9のpHで、最も好ましくは約8のpHで行われる。デオキシヌクレオシド三リン酸 であるdATP、dCTP、dGTP、およびTTPもまた、適切な量で合成混合物中に添加さ れ、そして得られる溶液は、約85〜100℃に約1〜10分間、好ましくは1〜4分 間加熱される。この加熱時間の後に、溶液をプライマーハイブリダイゼーション のために、約20〜40℃に冷却させる。冷却した混合物に、ポリマー化のための薬 剤を添加し、この反応を当該分野で公知の条件下で生じさせる。この合成反応は 、室温から、ポリマー化のための薬剤が効率よく機能しない温度をちょうど超え る温度までで起こり得る。従って、例えば、熱不安定なDNAポリメラーゼをポリ マー化のための薬剤として使用する場合、合成温度は、一般に、約45℃を超えな い。ポリマー化のための薬剤は、酵素を含む、プライマー伸長産物の合成を達成 するように機能する任意の化合物または系であり得る。本発明の目的のための適 切な酵素には、例えば、E.coli DNAポリメラーゼIまたはそのクレノウフラグメ ント、Taq DNAポリメラーゼ、および他の利用可能なDNAポリメラーゼが含まれる 。 新たに合成された鎖およびその相補核酸鎖は、このプロセスの引き続く工程で 使用される二本鎖分子を形成する。次の工程において、二本鎖分子の鎖は、上記 の任意の手順を使用して分離され、一本鎖分子を提供する。鎖分離および伸長産 物合成の工程は、所望の量の特定の核酸配列を産生するのに必要な頻度だけ繰り 返され得る。産生される特異的な核酸配列の量は、指数関数的に蓄積する。 B.サブトラクティブハイブリダイゼーションディファレンシャルディスプレイ サブトラクティブハイブリダイゼーション法およびディファレンシャルディス プレイ法の両方は、示差的に発現される希少なmRNAを単離することについて不利 点を有する。サブトラクティブハイブリダイゼーションは、豊富でないcDNA種の プールを富化するために有用であり得るが、得られるライブラリーの従来的なス クリーニングは、PCR増幅されたとしても、選択された豊富でないcDNAプール内 でなお豊富な種を同定する方に有利に偏り、従来のサブトラクティブハイブリダ イゼーション富化プロトコルを用いる非常に希少なcDNA種の単離を困難にする。 PCRによって増幅されたmRNAのディファレンシャルディスプレイは、種々のmRNA 種の最初の豊富さによって偏り、そしてしばしばより豊富で実質的に示差的に発 現されない多くのmRNA種の中で希少なmRNA種を過少に示すかまたは検出し損ねる 。 本発明は、希少なmRNA(例えば、TPC2およびTPC3遺伝子によって発現されるも の)を単離するために特に好ましいサブトラクティブハイブリダイゼーションデ ィファレンシャルディスプレイ法を提供する。簡単には、この方法は、以下の工 程を包含する:(1)2つのcDNA集団の1つにおいてより高いレベルで存在する 豊富でないmRNAのcDNA種について選択的に富化されたサブトラクトされたcDNAの 集団を生成するための、2つのcDNA集団のサブトラクティブハイブリダイゼーシ ョンの1以上のサイクル、および(2)電気泳動ゲル上でのcDNAのディファレン シャルディスプレイおよびゲルからの回収による個々の示差的に発現されたcDNA の回収。任意のヌクレオチド配列の5'プライマーを用いる、および必要に応じて ポリ(dT)および/またはポリ(dT)PCR産物を生成するための、適切なPCR条件下で の、サブトラクトされた上記cDNA集団のならびに3'末端に2つ以上の任意のヌク レオチドを含む3'プライマーを用いるPCR増幅を、代表的には、サブトラクトさ れたライブラリーを複製または増幅するために使用する。 サブトラクティブハイブリダイゼーションの最初の工程を達成するために、従 来の方法で第一の細胞集団から調製されたRNA、および第二の細胞集団からのRNA は、別々に逆転写され、そして第二の鎖が合成されて、二本鎖cDNAの2つのプー ル(富化が所望されるmRNA種の配列を含むテスタープール、およびテスタープー ルからサブトラクトされる配列を含むドライバープール)を形成する。2つのプ ールは、タンデム反復配列からなるcDNAを分解すること、およびハイブリダイゼ ーション効率を増強することを望む場合には、エンドヌクレアーゼ消化(制限エ ンドヌクレアーゼまたは非特異的エンドヌクレアーゼ)によってフラグメント化 され得る。ドライバープールは、例えば、光ビオチン化または別の適切な回収可 能な標識の付加によって標識される。ドライバープールおよびテスタープールは 、変性され、そしてハイブリダイゼーション条件下で反応混合物中に一緒に混合 され、そして適切なハイブリダイゼーション時間インキュベートされる。反応混 合 物は、ドライバーcDNA上の回収可能な標識に結合し、そして反応混合物から容易 に回収可能(例えば、磁気ビーズに結合したアビジンを使用して)であるリガン ドと接触され、その結果、ドライバーcDNAの実質的な画分およびそれにハイブリ ダイズする任意のテスターcDNAが、反応混合物から選択的に除去される。 残りの反応混合物が、第二の細胞集団に比較して第一の細胞集団において優先 的に発現されるテスターcDNA種について富化される。富化(サブトラクトされた )テスターcDNAプールは、標識されたドライバーcDNAのプール(これは、ドライ バーcDNAの最初のプールと実質的に同一であり得るか、またはサブトラクトされ たテスターcDNAプールからサブトラクトされることが望まれるmRNA種を有する異 なる細胞集団を表し得る)を使用する1以上のさらなる回のサブトラクティブハ イブリダイゼーションに供され得る。サブトラクティブハイブリダイゼーション を達成するための種々の手段および適切な方法論的指針は、当業者に利用可能で ある。Leeら、1991,Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)88:2825;Milnerら、1995 ,Nucleic Acids Res.23:176;Luqmaniら、1994,Anal.Biochem.222:102;Zebr owskiら、1994,Anal.Biochem.222:285;Robertsonら、1994,Genomics 23:42; Rosenbergら、1994,Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)91:6113;Liら、1994,Bio techniques 16:722;Harkvoortら、1994,Nucleic Acids Res.22:878;Satohら、 1994,Mutat.Res.316:25;Marechalら、1993,Anal.Biochem.208:330;El-Dei ryら、1993,Cell 75:817;Haraら、1991,Nucleic AcidsRes.19:7097;ならびに HerfortおよびGarber,1991,Biotechniques 11:598(これらの各々が本明細書 中で参考として援用される)を参照のこと。 サブトラクティブハイブリダイゼーションが完了した後、サブトラクトしたテ スターcDNAを、ディファレンシャルディスプレーに供する。一般的なストラテジ ーは、1つまたは1セットの任意の配列プライマーを用いるPCRによるサブトラ クトしたテスターcDNAプールからのcDNAの増幅を含む。任意のプライマーを、増 幅産物が、ポリアクリルアミドゲルのような分離システムで分離され、そして個 々に回収され得るように、各々が、サブトラクトしたcDNAプールのDNAの画分の みを増幅するように、当業者の裁量で種々の基準に従って選択する。部分的には 、任意の特定のサブトラクトしたテスタープールにおいて示されるcDNA種の数 および複雑さが、ドライバープールおよびテスタープールの性質および複雑さに 依存してかなり変動し得るので、任意のプライマーおよびそれらの配列の選択は 、文献を参考にして当業者により決定される。Linskensら,1995,Nucleic Acid s Res.23(16):3244-3251;Liangら,1993,Nucleic Acids Res.21:3269;Utans ら,1994,Proc.Natl.Acad.Sci.(U.S.A.)91:6463;Zimmermannら,1994,Pro c.Natl.Acad.Sci.(U.S.A.)91:5456;Fischerら,1995,Proc.Natl.Acad.S ci.(U.S.A.)92:5331;Lohmannら,1995,Biotechniques 18:200;Reevesら,1995 ,Biotechniques 18:18;およびMaserら,1995,Semin.Nephrol.15:29(これら のそれぞれは、本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。 サブトラクトされたテスターcDNAプール、および稀なタンパク質を発現しない (またはより低いレベルで発現する)細胞株または組織から同様の方法で調製さ れた別のcDNAプールを、経験的に決定され得るように、適切な任意のプライマー (すなわち、所望の差別的に発現するmRNAの配列を参照することなく選択された 所定の配列を有するプライマー)を用いて、所望の種のディスプレーおよび回収 するための十分な増幅産物を生成するに適切な増幅サイクル数で増幅する。プラ イマーは、他のPCRプライマー(遠位プライマー)を係留するように作用するか 、および/あるいは制限部位または半部位もしくは他の連結可能な末端を含む5' 末端配列を含み得る。増幅された産物を、通常、標識し、そして代表的にはポリ アクリルアミドゲルでの電気泳動により分離する;サブトラクトしたテスターcD NAにおいて標識が存在するが、コントロールcDNAにおいては存在しない(かまた はずっと低いレベルで存在する)位置を切り出し、標識された産物をゲル部分か ら、代表的には溶出により回収する。 得られた回収された産物種(代表的には、発現配列タグ、すなわちEST cDNA) を、複製可能なベクター中に、リンカーの結合を伴ってまたは伴わずにサブクロ ーニングし、さらに増幅し、そして/または直接配列決定し得る。一旦ESTが回 収されると、これを用いて実質的に全長のcDNAを、cDNAライブラリーから入手し 得る。ESTを、配列決定し得、そして配列情報をプライマー伸長(5'-RACE)のた めのプライマーを生成するために用い得るか、またはESTを、標識しそしてハイ ブリダイゼーションプローブとして用いて、より長いcDNAクローンをcDNAライブ ラリーから同定し得る。ESTに対応するゲノムDNAクローンまたは全長cDNAクロー ンを、クローンライブラリー(例えば、Clontech,Palo Alto,CAから入手可能 )から、(例えば、ニック翻訳または末端標識により)標識されたESTまたは従 来のハイブリダイゼーションスクリーニング方法においてESTで同定された配列 に対応するヌクレオチド配列を有する他のハイブリダイゼーションプローブを用 いて単離し得る。 従って、二本鎖cDNAを、CsCl勾配遠心分離により精製された総RNAから作製す る。一般に、5μgの総RNA、0.5μgオリゴdT(12〜18塩基)、および水(脱イ オン水が日常的に用いられる)を計7μlで混合し、RNAを95℃で5〜10分間変 性し、そして氷上に置く。次いで、変性したRNAおよびオリゴdTを、4μlの5 ×第1鎖合成緩衝液(BRL)、2μlの0.1M DTT(BRL)、1μlのdNTP(各々10 mM)、および1μlのRNAsin(Pharmacia)を含有するチューブに添加し、そし て42℃にて2分間温める。約5μlのSuperscript IITM逆転写酵素(BRL)を、 反応混合物に添加し、そして第1鎖cDNA合成を、42℃にて60分間行う。次いで、 反応混合物を氷上に置き、そして第2鎖の合成のために用意する。第1鎖cDNAを 、111.1μlの水、16μlの10×E.coliDNAリガーゼ緩衝液、3μlのdNTP(各々 10mM)、1.5μlのE.coli DNAリガーゼ(15単位、BRL)、7.7μl E.coli DNAポ リメラーゼ(40単位、Pharmacia)、および0.7μlのE.coli RNAse H(BRL)を 含有するチューブに添加する。反応混合物を、16℃にて2時間インキュベートし 、次いで1μlのT4 DNAポリメラーゼ(10単位、Pharmacia)を添加する。イン キュベーションを、同じ温度でさらに5分間続け、そして反応を、2μlの0.5 M EDTAの添加、およびフエノール/クロロホルム抽出(通常、2回行われる) により停止する。二本鎖cDNAを、エタノール沈澱し、そして12μlのTE緩衝液に 再懸濁させる。 次いでcDNAを、リンカーの付加により改変する。上記の通りに調製される10μ lのcDNAを、RsaIのための10×緩衝液4μl、2μlの水、および5μlのRsaI (25〜50単位)と混合し、そして混合物を37℃にて2時間インキュベートする。 4μlを取り出し、そして未切断cDNAとともにアガロースゲル(1%)で消化の 完了についてチェックする。次いで、制限酵素を、65℃にて10分間不活化させる 。 リンカーは、各々10μgの以下: NotA(5'-pATAGCGGCCGCAAGAATTCA-NH2-3');および NotB(5'-TGAATTCTTGCGGCCGCTAT-3');または Ancol(5'-pCAGAAGCTTGGTTGGATCCAGCAAG-NH2-3');および PCR02(5'CTTGCTGGATCCAACCAAGCTTCTG-3') を、5.6μlの10×緩衝液(One for allTM,Pharmacia)および56μlの最終容 量までの水と混合することにより二本鎖オリゴヌクレオチドとして調製する。混 合物を68℃にて5分間、次いで55℃にて5分間、次いで45℃にて10分間加熱する 。55μlの二本鎖オリゴヌクレオチドNotABを、消化したテスターcDNA(HUVEC、 BJ、IMR90、IDH4、293、または精巣組織--テロメラーゼネガティブ細胞株がコン トロールとして用いられる)を含有するチューブに添加する。55μlの二本鎖オ リゴヌクレオチドAncol-PCR02を、消化したドライバーcDNA(HUVEC)を含有する チューブに添加する。両方のチューブに、2μlの100mM ATP、3.3μlの10×リ パーゼ緩衝液(Pharmacia)1μlのT4 DNAリガーゼ(Pharmacla)、および100 μlまでの水を添加する。反応混合物を、15℃にて一晩インキュベートする。次 いで、反応混合物を15℃の水浴から室温に取り出し、そしてさらに2時間インキ ュベートする。連結したcDNAを、フェノール/クロロホルムで2回抽出し、そし てエタノール沈澱する。ペレットを、12μlのTE緩衝液に再懸濁する。産物の半 分を、1.4%の低融点アガロースゲルにロードし、そして100〜1600塩基対の範囲 のサイズのDNAを切り出す。 テスターおよびドライバーのcDNAライブラリーのPCR増幅を、上記の通りに単 離された各々のゲルスライスの約1μl(使用前に65℃にて融解される)を取り 、そして10μlのNotB(テスターのため--このオリゴヌクレオチドは、5'および 3'のプライマーの両方として作用する)またはPCR02(ドライバーのため)、5 μlの10×PCR緩衝液、6μlのdNTP(各々2.5mM)、1単位のTaqポリメラーゼ (Boehringer MannheimまたはPerkin Elmer)、1単位のPfuポリメラーゼ(Stra tagene)、0.2μgの遺伝子32タンパク質(Boehringer Mannheim)、および50μ lまでの水と混合することにより実施する。PCRを、94℃にて45秒間、60℃にて4 5秒間、および72℃にて2分間で20サイクル、最後のサイクルの完了後に72℃に て5分間の伸長で行う。ドライバーを、光ビオチン化するに十分なDNAを作製す るために 複数の反応においてPCR増幅する。 ドライバーcDNAの光ビオチン化を、以下の通りに便利に達成する。1mM EDTA中 の約100μgのドライバーcDNAを、100μlの光ビオチン(Vector)と混合する。 この混合物を、蓋を開けたまま氷上に置き、そしてチューブから約10cm離して位 置した光源で15分間照射する。照射後、30μlの1M Tris-Cl(pH9.1)をチュー ブに添加し、そしてビオチン化DNAを、水相から橙色が消えるまで水飽和ブタノ ールで数回(4×)抽出する。抽出プロセスを1回繰り返し、そしてビオチン化 DNAを、エタノール沈澱し、そして1μg/μlの最終濃度までTE緩衝液中に再懸 濁させる。 サブトラクションハイブリダイゼーションを、以下の通りに便利に達成する。 8μgのビオチン化ドライバーDNAを、0.4μgのテスターDNA(濃度はOD測定お よびゲルの臭化エチジウム染色により見積もられる)と混合する。混合されたDN Aをエタノール沈澱し、そして10μlのHE緩衝液(10mM HEPES、pH7.3、1mM EDTA )中に再懸濁させる。このDNAを、100℃にて4分間変性させ、そして氷に移す。 次いで、1.5M NaCl、50mM HEPES、pH7.3、10mM EDTA、および0.2% SDSを含有す る2×ハイブリダイゼーション溶液約10μlを、チューブに添加する。2滴の鉱 油を添加し、そしてDNAを、100℃にて4分間、再度変性させ、そして68℃の水浴 中に移す。ハイブリダイゼーションを、この温度で22時間行う。ビオチン化DNA を、ストレプトアビジンMagneSphereTM Paramagnetic Particles(Promega)で 除去し、そして残存するテスターDNAを回収する。 第2のサブトラクションは、回収されたテスターDNA(約80μl)を8μl( 8μg)のビオチン化ドライバーDNAと混合し、次いでエタノール沈澱すること により行う。沈澱されるDNAペレットを、10μlのHE緩衝液中に再懸濁させる。 変性、ハイブリダイゼーション、および回収を、上記の通りに行う;しかし、第 2のハイブリダイゼーションは、68℃にて2時間のみ行う。PCRは、2μlの10 ×Pfuポリメラーゼ緩衝液、2.5μlの2.5mM dNTP、0.2μlのTaqポリメラーゼ( 1単位)、0.4μlのPfuポリメラーゼ(1単位)、0.04μlのT4遺伝子32タンパ ク質、および20μlまでの水を含有する反応混合物中で回収されるDNA(0.3μl )を18サイクル増幅する。産物を、1%アガロースゲルでチェックして、相対濃 度を確認する。 サブトラクションハイブリダイゼーションを、これらのサンプルで繰り返し得る 。最終サブトラクトしたサンプルを、PCR増幅(18サイクル)し、そして希釈( 1対10または1対15)し、そして増強されたディファレンシャルディスプレーの ために用いる。 サブトラクトされたcDNAの増強されたディファレンシャルディスプレーは、5' 任意プライマーおよび2つのランダム化した塩基を3'末端に有する3'オリゴdTプ ライマーを用いるPCR増幅、差別的に発現されたmRNAに対応するcDNAを含有する と同定されたバンドの回収、およびPCR増幅、配列決定、および/または同定さ れたバンドのクローニングを含む。1μlの1つの5'プライマー(20μMストッ ク)または2つの5'プライマー(各々半分)または1.2μlの1つの5'プライマ ー(1μl)および1つの3'プライマー(0.2μl)をチューブに添加する。1 μlのサブトラクトされたDNAを同じチューブに添加する。この混合物に、Pfuポ リメラーゼのための10×PCR緩衝液1μl(市販)、1μlのdNTP(各々2.5mM) 、0.3mMα-32P-dATP、0.1μlのTaqポリメラーゼ、0.2μlのPfuポリメラーゼ (Stratagene)、0.02μlのT4遺伝子32タンパク質(Boehringer Mannheim)、 および5.38μlの水を含有するカクテル混合物8μlを添加する。1滴の鉱油を 重層し、94℃にて45秒間、39℃にて1分間、および72℃にて1分間を4サイクル 、次いで94℃にて45秒間、60℃にて1分間、および72℃にて1分間を22サイクル 、72℃にて5分間の最終伸長でPCR増幅する。約5μlのホルムアミド/色素を 、PCR産物に添加し、そして産物を、95℃にて2〜3分間変性させ、そして予め 温めた6%ポリアクリルアミド配列決定ゲルにロードし、これを1900〜2000の定 常電圧(電流は50mAに達しないようにする)でキシレンシアノール色素がゲルの 底から1インチに達するまで泳動する。ゲルを、減圧下で80℃にて45分間乾燥し 、そしてPhosphorImagerTMスクリーンに曝露し(ノートへの記録のため)、そし て/または次いでX線フィルムに室温にて1または2日間曝露する(ゲルをフィ ルムにテープでとめ、そしてバンドの容易な同定のためにゲルおよびフィルムの 3つの隅に3つの穴をパンチする)。 差別的に発現された遺伝子フラグメントは、テスター細胞のcDNAに対応するゲ ル上のレーンに存在するが、コントロールレーンのcDNAに対応するレーンにはよ り低いレベルでしか存在しないか、もしくは存在しない、スクリーンまたはフィ ルム上のバンドとして現れる。バンドは、最初にゲルを(3つの穴およびマーク に基づいて)フィルムまたはスクリーンと並べ、次いで目的のバンドを剃刀の刃 で切り出し、そしてゲルスライスをEppendorfTMチューブに移すことによりゲル から回収し得る。剃刀の刃を、各々の切断操作の間にリンスして、相互汚染を避 ける。所望のDNAの実質的な喪失を伴わずに、配列決定ゲルとともに用いた尿素 および紙の裏打ちを除去するために、約900μlのTE緩衝液を、ゲルスライスを 含有するチューブに添加し、チューブを室温にて10分間インキュベートし、次い で紙およびTE緩衝液を除去および廃棄する。所望のDNAの溶液をゲルスライスか ら調製するために、ゲルスライスを、100mM NaClを含有するTE緩衝液40μlに懸 濁し、そして95〜98℃にて10分間加熱する。液体を収集(短い遠心分離は、チュ ーブの底に液体を収集する)し、そして所望のDNAの供給源として供する。 このDNAは、1〜3μlの回収DNAを、6μgの総プライマー、Pfuポリメラー ゼのための10×PCR緩衝液5μl、6μlのdNTP(各々2.5mM)、0.25μlのTaq ポリメラーゼ、0.5μlのPfuポリメラーゼ、0.05μlのT4遺伝子32タンパク質、 および水を含有する、50μlの総反応容量の反応混合物中に入れることによりPC R増幅し得る。PCRを、94℃にて45秒間、60℃にて1分間、および72℃にて1分間 の25サイクルで、最終サイクルの終わりに72℃にて5分間の伸長を伴って行う。 PCR産物を、保存およびさらに処理(すなわち、サブクローニングおよび配列決 定)し得る。 TPC2およびTPC3遺伝子のオープンリーディングフレームに対応する制限フラグ メントを含むプラスミドの入手可能性は、他の啼乳動物細胞からのこれらの遺伝 子および遺伝子産物の効率的な単離、ならびにこれらの遺伝子および遺伝子産物 ならびに関連試薬(すなわち、ペプチド、オリゴヌクレオチド、抗体、および抗 体フラグメント)のインビトロでの化学合成を可能にする。 C.TPC3 についてのRT-PCRプロトコル 細胞抽出物を、TRAPアッセイ(TRAP-ezeTMキット、Oncor)について記載され る通りにCHAPSを用いて調製する。1アッセイあたり約2μlの細胞抽出物を用 い る;代表的には、30〜35サイクルのPCRを行う。総RNAは、TRIzolTM RNA抽出方法 (Life Technologies)を細胞ペレットまたはCHAPS抽出物に用いて調製する。各 PCRチューブは、以下を含む:約25μlの総容量中、15μlの水;2.5μlの25μ MMn(OAc)2;5.5μlの5×EZ緩衝液(Perkin Elmer);0.3μlの25μM dNTP;1 μlのrTth DNAポリメラーゼ緩衝液(Perkin Elmer);0.1μl(300μM)の プライマーTF2(5'-CTCACTGTAGACACTGCCTCAGTTTC-3');および0.1μl(300μ M)のプライマーTR2(5'-CAGAGGCTGGCACTGGAACTCAAGATC-3')。RT-PCR条件は、 タンパク質-RNA複合体を変性するための94℃で6分間の処置;逆転写反応のため の65℃にて30分間の処理;DNA-RNA複合体を変性するための94℃にて1.5分間の処 理;94℃にて30秒間の処理および65℃にて30秒間の処理を含む各サイクルでの30 サイクルのPCR増幅;ならびに60℃にて7分間の処理による最終伸長反応を含む 。PCR後、サンプルを、1×TBEポリアクリルアミドゲルを用い、そしてSYBR-Gre en Iで染色されるゲル電気泳動により分析し得る。試験は、このプライマーセッ トが、死すべき細胞株および不死の細胞株の両方で適切なサイズのバンドを増幅 することを示した。そして試験は、TPC3 mRNAが不死の細胞株においてさらに豊 富に発現されることを実証する。 D.hTR についてのRT-PCRプロトコル 第1鎖cDNA合成は、総RNA(1μg)を、11μl中40〜80ngのランダムヘキサ マーと混合し、95℃にて5分間加熱して核酸を変性させ(サーマルサイクラーが この工程に用いられ得る)、次いで氷上で冷却することにより行う。4μlの5 ×緩衝液(BRL、RTaseとともに提供される)、2μlの0.1M DTT、1μlの10mM dNTP(各々)、および1μlのRNAseインヒビター(Pharmacia)を含有する反 応混合物(8μl)を、変性されたRNAおよびヘキサマーの混合物に添加し、そ して42℃の水浴中に置く。1〜2分間のインキュベーション後、1μlのSupers cript IITMRTase(BRL)を混合物に添加し、そしてインキュベーションを42℃に て60分間続ける。反応混合物を含有するチューブを、95℃にて10分間加熱するこ とにより反応を停止させる。第1鎖cDNAを、沈澱および短時間の遠心分離により 収集し、そして新たなチューブにアリコートに分ける。必要な場合、後の使用の ために、 チューブの中で第1鎖cDNAを、ドライアイス上で迅速に凍結させ、そして−80℃ にて保存し得る。 特異的プライマーセッhTR cDNAのPCR増幅を、一般に以下の通りに達成し得る 。約1μlのcDNAを、各プライマーセットに用いる。32P-dATPヌクレオチドで の10μl PCRには、1μlのcDNAを、1μlの10×Taq緩衝液、20pmolの各プラ イマー、1μlの2.5mM dNTP、5μCi α-32P-dATP、1単位のTaqポリメラーゼ (Boehringer Mannheim)、1単位のTaq抗体(Clontech)、0.2μgのT4遺伝子3 2タンパク質(Boehringer Mannheim)、および10μlまでの水と混合する。次い で、1滴の鉱油をチューブに添加する。hTRについてのPCR増幅の条件は、約20サ イクルの増幅であり、各サイクルは、94℃にて45秒間、60℃にて45秒間、および 72℃にて1.5分間の処理を含む。hTRのRT-PCRに用いられるプライマーを以下に示 す。 上流プライマー:F3b、5'-TCTAACCCTAACTGAGAAGGGCGTAG-3'; 下流プライマー:R3c、5'-GTTTGCTCTAGAATGAACGGTGGAAG-3'。 F3bおよびR3cプライマー対でのhTRの増幅は、126bp産物を生じる。32Pで標識さ れるPCR産物を、5μlのホルムアミド/色素混合物を産物に添加し、産物を加 熱して核酸を変性させ、6%尿素ポリアクリルアミドゲル電気泳動により産物を 分離し、次いでPhosphorImagerTMカセットまたはX線フィルムをゲルに曝露する ことにより便利に検出し得る。 本発明は、好ましい実施態様に関して記載し、そして実施例により例示され、 そして以下に請求される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 C12Q 1/68 A C12Q 1/68 C12N 5/00 B (72)発明者 アンドリュース,ウィリアム エイチ. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94805, リッチモンド,パーク アベニュー 6102 (72)発明者 アダムス,ロバート アール. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94062, レッドウッド シティー,ヒルウェイ ド ライブ 419

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.組換え哺乳動物宿主細胞であって、以下: (i)プラスミドpGRN109の約3.5kbのNotI-BstEII制限フラグメントのヒトDNA 挿入物に含まれるヒト遺伝子TPC2のオープンリーディングフレーム配列に対応す る少なくとも15の連続したヌクレオチドを含む組換え核酸または合成核酸;また は 該オープンリーディングフレーム配列によってコードされるアミノ酸配列に対 応する少なくとも10の連続したアミノ酸を含む合成ペプチドもしくは組換えペプ チドまたは合成タンパク質もしくは組換えタンパク質;および (ii)プラスミドpGRN92の約1.4kbのEcoRI-BamHI制限フラグメントのヒトDNA 挿入物に含まれるヒト遺伝子TPC3のオープンリーディングフレーム配列に対応す る少なくとも15の連続したヌクレオチドを含む組換え核酸または合成核酸;また は 遺伝子TPC3の該オープンリーディングフレーム配列によってコードされるアミ ノ酸配列に対応する少なくとも10の連続したアミノ酸を含む合成ペプチドもしく は組換えペプチドまたは合成タンパク質もしくは組換えタンパク質; 該TPC2遺伝子および該TPC3遺伝子は、テロメア長を調節するか、またはテロメ ラーゼ活性を調節し、そしてテロメラーゼ活性を表すヒト細胞または他の哺乳動 物細胞に存在するタンパク質をコードすることに特徴づけられる、 を含む、組換え哺乳動物宿主細胞。 2.pGRN33の約2.5kbのHindIII-SacI制限フラグメントに位置するヒトhTRの連続 したヌクレオチド配列に対応する少なくとも約15の連続したヌクレオチドを含む 合成核酸または組換え核酸をさらに含む、請求項1に記載の哺乳動物宿主細胞。 3.以下のいずれか: (i)プラスミドpGRN109の約3.5kbのNotI-BstEII制限フラグメントのヒトDNA 挿入物に含まれるヒト遺伝子TPC2のオープンリーディングフレーム配列;または (ii)プラスミドpGRN92の約1.4kbのEcoRI-BamHI制限フラグメントのヒトDNA 挿入物に含まれるヒト遺伝子TPC3のオープンリーディングフレーム配列; 該TPC2遺伝子および該TPC3遺伝子は、テロメア長を調節するか、またはテロ メラーゼ活性を調節し、そしてテロメラーゼ活性を表すヒト細胞または他の哺乳 動物細胞に存在するするタンパク質をコードすることに特徴づけられる、 に位置する連続したヌクレオチド配列に対応する少なくとも約15の連続したヌク レオチドを含む、組換え核酸または合成核酸。 4.プラスミドpGRN109の約3.5kbのNotI-BstEII制限フラグメントに位置するヒ トDNAの連続したヌクレオチド配列に対応する少なくとも15の連続したヌクレオ チドを含む、請求項3に記載の核酸。 5.プラスミドpGRN92の約1.4kbのEcoRI-BamHI制限フラグメントに位置するヒト DNAの連続したヌクレオチド配列に対応する少なくとも15の連続したヌクレオチ ドを含む、請求項3に記載の核酸。 6.長さが50ヌクレオチド未満のオリゴヌクレオチドプローブである、請求項4 に記載の核酸。 7.長さが50ヌクレオチド未満のオリゴヌクレオチドプローブである、請求項5 に記載の核酸。 8.組換え発現ベクターである、請求項4に記載の核酸。 9.組換え発現ベクターである、請求項5に記載の核酸。 10.pGRN106およびpGRN109からなる群より選択される、請求項8に記載の組換 え発現ベクター。 11.pGRN92、pGRN103、およびpGRN104からなる群より選択される、請求項9に 記載の組換え発現ベクター。 12.請求項8に記載のベクターを含む組換え宿主細胞。 13.請求項9に記載のベクターを含む組換え宿主細胞。 14.E.coli/pGRN109である、請求項12に記載の組換え宿主細胞。 15.E.coli/pGRN92である、請求項13に記載の組換え宿主細胞。 16.以下のいずれか: (i)プラスミドpGRN109の約3.5kbのNotI-BstEII制限フラグメント;または (ii)プラスミドpGRN92の約1.4kbのEcoRI-BamHI制限フラグメント、 のヒトDNA挿入物に位置するヒト遺伝子のオープンリーディングフレーム配列に よってコードされるアミノ酸配列に対応する少なくとも10の連続したアミノ酸を 含む、精製ペプチドもしくは合成ペプチドもしくは組換えペプチドまたは精製タ ンパク質もしくは合成タンパク質もしくは組換えタンパク質。 17.精製TPC2タンパク質または組換えTPC2タンパク質である、請求項16に記 載のタンパク質。 18.精製TPC3タンパク質または組換えTPC3タンパク質である、請求項16に記 載のタンパク質。 19.融合タンパク質である、請求項16に記載のペプチド。 20.請求項16に記載のペプチドまたはタンパク質上のエピトープに特異的に 結合する抗体。
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