JP2001359266A - ブラシレスdcモータの構造 - Google Patents
ブラシレスdcモータの構造Info
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Abstract
ラシレスDCモータの構造を提供する。 【解決手段】永久磁石が装着されたロータと複数のスロ
ットを有するステータとで構成されるブラシレスDCモ
ータ(以下、モータと略す。)において、該ロータの有
効磁極開角がステータのスロットピッチの整数倍に1ス
ロットオープニングに相当する角度を加えた値に設定さ
れ、上記ロータを軸方向に複数分割し、該分割されたロ
ータが其々のコギングトルクに関して1/2周期に相当
する機械角度分を軸周りにずらして構成するようにし
た。
Description
タに関するものであり、特に容易にコギングトルクを低
減させる構造を提供するものである。
タと略す。)では巻線を施すスロットの存在の故に生起
されるトルク変動、即ちコギングトルクが発生する。即
ち、ロータとステータとの相対移動時にロータの磁極か
ら発生する界磁磁束の磁路が、ステータのスロット開口
部をロータの磁極が横切る度に周期的に変化して、ギャ
ップでの磁束分布に変化が生じることによる。したがっ
て、このコギングの周期及び大きさはステータコアに設
けられたスロットの数とロータの磁極数に依存してお
り、回転角度に対する波形はステータのスロット開口部
やロータの磁極の形状や寸法によって大きく変化する。
提案されているが、一般的に行われているものとしては
ロータとステータ間の磁気的な空間距離(ギャップ)を
ロータ磁極の両端において大きくさせ不等となるように
構成し、任意のステータティースへ鎖交する磁束の変化
を滑らかにさせている。又、ロータの磁極を回転軸の方
向に関してスキューを施すことでロータの磁極極間部が
ステータティースを横切る際のステータへの磁束鎖交の
変化を緩和させている。
ギング対策では通常永久磁石の形状を加工で対応してお
り、その形状はステータのティース形状やスロット開口
部の大きさに応じて変える必要があり、永久磁石の形状
の決定には多数の試作や多種の解析を行っているのが現
状である。この様な対策によりモータのコギングトルク
はかなり改善されるものの十分とはいえない。また、こ
の様な処置を施すことでコギングトルクを低減しようと
すればするほどロータの極間部でのギャップを大幅に広
げる必要があり、ロータからステータへの鎖交磁束は低
下することになる。
ューを施す場合ではスキューの角度を大きくすれば効果
が期待できるが、これにより磁極の有効磁束がスキュー
角度に比例して減少しモータ特性の悪化を起こす。即
ち、モータとしての電気的特性面から見れば、スキュー
の存在する部位の永久磁石はモータ性能としての有効な
磁束として作用せず無駄な永久磁石を使用していると言
える。
土類の永久磁石を使用してそのサイズを小型化しようと
しており、コギングトルクそのものが大きくなり、この
場合、従来のコギングトルク低減方法の構造では十分な
対応がとれなくなってきている。また、永久磁石の加工
も小さい形状のものを精度良く加工しなくてはならず難
しくなっている。また、スキューを施すものにあって
は、永久磁石の組み合わせで行おうとするとセグメント
での永久磁石自身にスキューを施さなくてはならず全く
量産性のないものとなってしまう。
み合わせたロータの斜視図を示す。該図では、ロータコ
ア3の表面に回転軸方向にスキュー角度θSを有する永
久磁石2を4個、円周方向に並べ4極のロータを構成し
ている。永久磁石に形状的にスキューを施さない方法と
しては、リング形状の永久磁石を使用することがある
が、前述のモータとしての電気特性面でスキューの部位
にあたる無駄な領域が、存在するという問題が依然とし
て残っている。
のコア内部に永久磁石を埋め込むものが提案されており
電気的な特性の改善がなされているにも係わらず、根本
的には、この様なモータ構造においては有効で簡便なコ
ギングトルクを低減するための構成や、製造方法の提案
は成されていない。
み成され、ロータの有効磁極開角をステータのスロット
ピッチの整数倍に1スロット開口角に相当する角度を加
えた値に設定し、前記ロータを軸方向に複数分割し、該
分割されたロータが其々のコギングトルクに関して1/
2周期に相当する機械角度分を軸周りにずらして構成さ
れることを特徴とするブラシレスDCモータの構造を提
供するものである。
方向中央部に位置するロータが両端に位置するロータに
比べ2倍の大きさのコギングトルク波形を有し、且つ、
両端に位置するロータは同一のコギングトルクの位相と
大きさとなるように組み上げられることを特徴とするブ
ラシレスDCモータの構造を提供するものである。
明する。尚、ロータ構成上同じもの若しくは実施使用上
同じ意味を持つものは、図1と同じ記号を付して説明を
省略する。図1はステータのスロット数が24の分布巻
が施される4極モータを示す。但し、巻線については図
を見易くするために省略してある。2は永久磁石、3は
ロータコア、4はステータコアであり永久磁石2はロー
タコア3の表面に取りつけられている。該モータの構成
ではステータ側の励磁に係わる磁極ピッチは24スロッ
ト/4極で表され、6スロットピッチ毎となる。通常、
一般的な巻線の方法では1スロットに1コイル分一括収
納するのでステータの有効な励磁磁極角は、ロータに対
向する様に6スロットピッチ内の5個分のティースに跨
る角度となる。
スに巻線が集中的に施される所謂集中巻の例である。こ
の場合のステータ側の励磁に係わる磁極ピッチは1スロ
ットピッチ毎であり、ステータの有効な磁極角はロータ
に対向する1個分のティースの角度であることは明白で
ある。
係に発生するので、無励磁での該ステータ内にて着磁さ
れた永久磁石が組まれたロータを任意の角度位置から左
回転にて回転させた場合のコギングトルクを磁界解析で
算出させた例を図3に示す。尚、該図では本発明がコギ
ングトルクのロータとステータの相対位置関係を問題に
しているのではなく、コギングトルク波形の形を問題に
しているので波形を見易くするためにコギングトルクの
発生が全て正方向の値を示すステータとロータの位置関
係を基点としている。
タのいかなる回転位置においても少なくとも一端がステ
ータティースの開角内にある場合、即ち、図1及び図2
におけるθ1のような有効磁極開角では、コギングトル
ク波形は図3内のTθ1の如く立ち上がりが急峻で立下
りがなだらかな形を描く。
が、ロータ磁極両端がスロット開口部の開角内にある状
態が存在するような場合、即ち、図1及び図2における
θ2のような有効磁極開角では、コギングトルク波形は
図3内のTθ2の如く立ち上がりがなだらかで立下りが
急峻な形を描く。
タのスロットピッチの整数倍に1スロットの開口角度に
相当する角度を加えた値に設定する。即ち、図1及び図
2におけるθkに示す如くロータの有効磁極開角が対向
するステータのティースの内側に跨る角度に合致するよ
う設定すると、コギングトルク波形は図3内のTθkの
如く半周期の波形が左右対称で正負同一振幅の波形にな
る。本発明におけるθkはモータとしての界磁磁束を確
保するために幾何学上のステータ励磁磁極角度に最も近
い角度が選択される。
面に取り付けられる構造の場合であるが、永久磁石をロ
ータコアの内部に埋め込む場合を図4の(1)及び
(2)に示す。図4の(1)の場合では、永久磁石とロ
ータ表面が近いので有効磁極開角は永久磁石の開角にほ
ぼ等しくなる。従って、永久磁石の開角をθkとするこ
とで本発明の趣旨を満足することが出来る。図4の
(2)の場合では、永久磁石とロータ表面に磁性材のロ
ータコアがロータの径方向に広い部位が介在するので該
部位の開角が有効磁極開角となる。従って、該開角をθ
kとすることで本発明の趣旨が満足される。
ルクの振幅周期の半周期に相当する機械角度分を相対的
に異なる様に組み合わせることでコギングトルクが相殺
することができる。本発明の図1及び図2で説明された
構造のもので構成されたロータを図5の斜視図で示す。
また、図6は、図5のロータ構造でのコギングトルク相
殺の様子を示す波形である。図5のRC1及びRC2
は、軸方向に分割し、図6に示した振幅周期θeの半周
期に相当する機械角度分を相対的に異ならせた状態とな
っている。また、本発明のロータ構造において軸方向に
2分割されたロータは全く同一のロータ構造を有してい
る。尚、図4の(1)及び(2)で説明したロータ構造
のものも図1及び図2と同様の方法によるためここでは
説明を省略する。
グトルクは、図6にTC1とTC2とで表され、図5に
おいて分割ロータが互いにθmなる角度で組み合わされ
ている。該θmが、図6に示されるコギングトルクの半
周期であるθeに相当する機械角とすることにより合成
されたコギングトルクは、図6中に示されるTC0の如
く理論的に零となり、個々の分割ロータのコギングは互
いに相殺される。
極開角が図1のθ1や図2のθ2である場合では、コギ
ングトルクの正負の変化が点対称であるためコギングト
ルクの半周期に相当する機械角度分を相対的に異ならせ
た状態で組み合わせてもコギングトルクを相殺すること
は出来ないが、図1のθ1や図2のθ2なる有効磁極開
角を有し図3に示される様なTθ1とTθ2の波形の如
く互いに相手のコギングトルク波形を逆方向にたどるよ
うな波形と大きさを示すロータを選択することにより、
其々のロータをコギングトルクの半周期に相当する機械
角度分を相対的に異ならせた状態で組み合わせてコギン
グトルクを相殺することは可能である。
選択すれば同一構造のロータを組み合わせるだけで図6
中に示したTC0の如く理論的にコギングトルクが零に
なる。尚、図5には、軸方向に2分割されたロータ構造
を示したが、本発明を逸脱しない範囲において軸方向の
各構成要素を複数に分割することにより、より良い効果
を得ることができる。
5で示した最も単純な分割ロータの組み合わせでは其々
の分割ロータのコギングトルクが大きい場合において、
互いの分割ロータのコギングトルクが逆位相であるため
ロータコアを介してシャフトにねじりの力を与えること
になる。この力は分割ロータの位置が物理的に離れてい
るのでシャフトに対して作用点が異なり、この結果シャ
フトに対して曲げモーメントが発生して複雑な振動モー
ドを与えることになる。該振動はモータの回転数に対し
て高次のコギング周波数と同期した音となってモータか
ら発生する。
方向に3分割し、3分割されたロータに関して中央に配
される分割ロータがその両側に配される分割ロータの2
倍のコギングトルクとなるよう設定し、尚且つ、両側に
配される分割ロータはコギングトルクに対して全く同一
の大きさと位相の関係を持たせる。この構成を図7の斜
視図に示す。中央の分割ロータRC4を挟むように両側
に分割ロータRC3とRC5が配される。該分割ロータ
RC3とRC5はロータの回転に対してコギングトルク
が全く同一となるよう配され、中央の分割ロータRC4
は分割ロータRC3若しくはRC5に対してコギング周
期の半周期分に相当する機械角だけ異なる位置に配され
る。
クは図8に示される波形となる。TC3は分割ロータR
C3のコギングトルク波形、TC5は分割ロータRC5
のコギングトルク波形、これら2つのコギングトルク波
形を合成したものがTC3+TC5、TC4は中央の分
割ロータRC4のコギングトルク波形である。分割ロー
タRC4は両端の分割ロータのコギングトルクに対して
2倍の大きさを有するよう設定されていて、コギングト
ルクの周期の半周期に相当する機械角度分だけ異なる位
置で組まれているため総合の合成されたコギングトルク
は図5及び図6で説明した様に互いに相殺され、結果と
して、図8のTC0の波形となる。即ち、図5のTC0
と同じ零となる。更に、コギングトルクによるシャフト
に対するねじりの力は存在するがシャフトに作用する曲
げモーメントは相殺されて生ずることがない。尚、図7
には、軸方向に3分割されたロータ構造を示したが、本
発明を逸脱しない範囲においてRC3、RC4、RC5
の各々の分割ロータの構成要素を、更に複数に分割する
ことにより、より良い効果を得ることができる。
タの有効磁極開角をステータスロットピッチの整数倍に
1スロット開口角度を加えた値にすることで、コギング
トルクの波形は正負同一となり、且つ、コギングトルク
の半周期に関して左右対称となるので、該コギングトル
クを有する分割ロータを、その周期の半周期に相当する
機械角度分だけ異なる状態で組み上げることで可及的
に、互いのコギングトルクを相殺させることができる。
更に、前記説明の中に本発明に必要な永久磁石の形状に
ついてなんら触れなかったように、特別な形状を要求す
るものではない。従って、本発明の主旨に沿ってロータ
の有効磁極開角を満足させるだけでコギングトルクが激
減するものである。
の有効磁極開角は任意に選択することが可能であるが、
ロータの有効磁極開角をステータの幾何学的な励磁磁極
角度に最も近い角度を選択することでロータからの磁束
はモータとして必要な磁束をほぼ確保することができ、
従来の様に永久磁石にスキューを施す必要がないのでモ
ータ特性を犠牲にすることがない。また、1回転中のコ
ギングトルクの振幅数はステータのスロット数以上とな
るので本発明のロータの構成での分割ロータの組み合わ
せに際し機械的ずらし角度量は大きくても1/2スロッ
トである。従って、例えこの機械角度で組み上げられた
としてもロータの有効磁極開角は物理的に可能な最大磁
極開角を越えることはない。よって、分割されたロータ
の其々の磁極を構成する永久磁石の磁束は互いに打ち消
しあう事は無く、余すことなく有効に利用されるモータ
とすることができる。
置に関しては、ロータコアの表面に取り付けられたもの
や、内部に埋め込まれたものでも適用が可能で、また、
ステータ構造に関しては、分布巻や集中巻においても適
用可能であり、どのようなモータにも使用することがで
きる。
殺に際し回転軸に作用する其々の分割ロータのコギング
トルクによる曲げモーメントに関し、軸方向に3分割す
ることで合成のモーメントを相殺させることができコギ
ングトルクによるモータの振動やこれに起因する騒音を
防止することが可能である。
プレッサーに組み込まれ使用される時等にありがちなモ
ータのロータが片持ちで回転する場合等では、前記の曲
げモーメントの影響を受け易いのでその効果が大きい。
ルクが永久磁石の形状的大きさ、磁束量の多さ、種類及
び慣例的に使用されるモータとしてのギャップ広さによ
ってその振幅の大きさが変わっても何ら影響を受けるこ
となく実現可能であるので、モータの適用される機器や
用途に応じて高いパーフォマンスを要求されても適用が
可能である。従って、特に高精度な位置決めや高出力密
度を要求するサーボモータをはじめ低振動、低騒音が求
められるモータに有効である。
図。
図。
示す図。
示す図。
2…磁石、3…ロータコア、4…ステータコア、RC1
至るRC5…分割ロータ、TC0至るTC5…コギング
トルク波、θs…スキュー角度。
Claims (2)
- 【請求項1】 永久磁石が装着されたロータと複数のス
ロットを有するステータとで構成されるブラシレスDC
モータ(以下、モータと略す。)において、該ロータの
有効磁極開角がステータのスロットピッチの整数倍に1
スロット開口角に相当する角度を加えた値に設定され、
上記ロータを軸方向に複数分割し、該分割されたロータ
が其々のコギングトルクに関して1/2周期に相当する
機械角度分軸周りにずらして構成されることを特徴とす
るブラシレスDCモータ。 - 【請求項2】 前記ロータが軸方向に3分割されて、前
記軸方向の3分割された中央部に位置するロータが、両
端に位置するロータに比べ2倍の大きさのコギングトル
ク波形を有し、且つ、両端に位置するロータは同一のコ
ギングトルクの位相と大きさであることを特長とする請
求項1記載のブラシレスDCモータ。
Priority Applications (1)
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JP2000218075A JP4463947B2 (ja) | 2000-06-13 | 2000-06-13 | ブラシレスdcモータの構造 |
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