JP2001356340A - タッチパネル一体型反射型液晶表示装置 - Google Patents

タッチパネル一体型反射型液晶表示装置

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JP2001356340A
JP2001356340A JP2001133652A JP2001133652A JP2001356340A JP 2001356340 A JP2001356340 A JP 2001356340A JP 2001133652 A JP2001133652 A JP 2001133652A JP 2001133652 A JP2001133652 A JP 2001133652A JP 2001356340 A JP2001356340 A JP 2001356340A
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light
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Masayuki Okamoto
正之 岡本
Seiichi Mitsui
精一 三ツ井
Takashi Sato
孝 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コントラスト比が高く見やすい多色表示可能
な反射型カラー液晶表示装置から構成され、押圧感知入
力装置を設けても表示を損なわないタッチパネル一体型
液晶表示装置を提供する。 【解決手段】 光反射性画素電極を備えたTFT素子基
板23と、カラーフィルタ基板26と、基板23と基板
26との間に正の誘電異方性を有するネマティック液晶
が挟持された液晶層1と、光学位相差補償板8・9と、
偏光板10とから構成され、光学位相差補償板8・9と
基板26との間に、層状の空隙を備えて外部からの押圧
力を感知するタッチパネルが挟持されて構成されるタッ
チパネル一体型反射型液晶表示装置において、光学位
相差補償板8・9の基板法線方向のリタデーション、
偏光板10の透過軸又は吸収軸と光学位相差補償板8・
9の遅相軸とのなす角度、液晶層1のツイスト角、お
よび、液晶層1の液晶の複屈折率差と液晶層厚との積
を最適化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワードプロセッ
サ、ノート型パソコン等のオフィスオートメーション
(OA)機器や、各種映像機器およびゲーム機器等に使
用され、直視式のバックライトを必要としない構成の反
射型液晶表示装置から構成されるタッチパネル一体型反
射型液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、カラーディスプレイとしては、薄
型、軽量等の特徴を有するものである液晶表示装置が実
用に付されている。そして、カラー液晶表示装置の中で
も、特に広く用いられているものは、背景に光源を用い
た透過型液晶表示装置であり、上記のような特徴によ
り、各種分野に用途が拡大している。
【0003】一方、この透過型液晶表示装置と比較する
と、反射型液晶表示装置は、その表示においてバックラ
イトを必要としないので、光源の電力が削減可能である
と共に、バックライトのスペースや重量が節約できる等
の特徴を有している。
【0004】即ち、反射型液晶表示装置は、消費電力の
低減が実現でき、軽量薄型を目的とする機器に適してい
る。その一例として、機器の動作時間を同一にするよう
作製すれば、バックライトのスペースと重量が節約でき
るだけでなく、電力消費量が小さいので、小型のバッテ
リーを用いることが可能になり、一層の小型軽量化が可
能となる。あるいは、機器の大きさまたは重量を同一に
するように作製すれば、大型のバッテリーを用いること
で、動作時間の飛躍的な拡大が期待できる。
【0005】また、表示のコントラスト特性の面におい
て、発光型表示装置であるCRT等では日中の屋外で大
幅なコントラスト比の低下が見られたり、低反射処理の
施された透過型液晶表示装置でも直射日光下等の周囲光
が表示光に比べて非常に強い場合に同様に大幅なコント
ラスト比の低下が避けられない。
【0006】これに対し、反射型液晶表示装置は、周囲
光量に比例した表示光が得られ、携帯情報端末機器やデ
ジタルカメラ、携帯ビデオカメラ等の屋外での使用に
は、特に好適である。
【0007】このように非常に有望な応用分野を有しな
がら、十分なコントラスト比や反射率、多色カラー化、
高精細表示や動画への対応等の性能が不十分なため、現
在まで十分な実用性を有する反射型カラー液晶表示装置
は得られていない。
【0008】以下、反射型液晶表示装置についてさらに
詳述する。従来のツイステッドネマティック(TN)型
液晶素子は直線偏光板(以下、単に偏光板と称す)を2
枚用いる構成のため、コントラスト比やその視角依存性
の特性に優れているが、必然的に反射率が低い。また、
液晶変調層と光反射層の距離が基板等の厚みだけ離れて
いるために、照明光の入射時と反射時の光路のずれに伴
う視差が生じてしまう。このため、特に、1層の液晶変
調層に色要素毎に異なる画素を与えたカラーフィルタを
組み合わせる通常の透過型液晶ディスプレイに用いられ
る構成では、光の進行方向が基板法線方向から傾斜して
いる場合に、周囲光が入射時に通過する色要素とその光
が反射後に通過する色要素とが異なることになる。この
ような場合、モアレ等の不具合が生じ、カラーの高解像
度、高精細表示装置には向いていない。
【0009】これらの理由により、この表示モードを用
いた反射型のカラー表示は実用化に至っていない。
【0010】これに対し、偏光板を用いない、もしくは
1枚のみ用いて、染料を液晶に添加したゲストホスト型
液晶素子(以下GHと略す)が開発されてきたが、染料
を添加しているため信頼性に欠け、また染料の2色性比
が低いため高いコントラスト比が得られないといった問
題がある。
【0011】この中でも、特にコントラストの不足は、
カラーフィルタを用いるカラー表示においては、色純度
を大幅に低下させるため、色純度の高いカラーフィルタ
と組み合わせる必要がある。このため、色純度の高いカ
ラーフィルタのために明度が低下し、偏光板を用いない
ことによる本方式の高明度という利点が損なわれるとい
う問題がある。
【0012】これらを背景に、高解像度、高コントラス
ト表示の期待できる1枚の偏光板を用いた方式(以下1
枚偏光板方式と称する)の液晶表示素子が開発されてい
る。
【0013】その一例としては、偏光板1枚と1/4波
長板とを用いた反射型TN(45°ツイスト型)方式の
液晶表示装置が、特開昭55−48733号公報に開示
されている。
【0014】この液晶表示装置においては、45°ねじ
れた液晶層を用い、印加される電界を制御することによ
って、入射直線偏光の偏波面を1/4波長板の光軸に平
行な状態と45°異なった状態との2つの状態を実現し
て白黒表示を行っている。この液晶セルの構成は、光入
射側から偏光子、45°ツイスト液晶セル、1/4波長
板、反射板となっている。
【0015】さらに、USP4,701,028(Cl
ercら)には、偏光板1枚と1/4波長板と垂直配向
液晶セルとを組み合わせた反射型垂直配向方式の液晶表
示装置が開示されている。
【0016】また、本願発明者らは、偏光板1枚と平行
配向液晶セルと光学位相差補償板とを組み合わせた反射
型平行配向方式について出願している(特開平6−16
7708号公報参照)。
【0017】この反射型液晶表示装置は、ホモジニアス
(平行)配列させた液晶層からなる液晶セルと、反射板
(液晶層の下部で液晶セル内部に配置)と、偏光板(液
晶セルの上部に配置)と、1枚の光学位相差補償板(液
晶セルと偏光板との間に配置)とから構成されるもので
ある。そして、この表示モードでは、光路が入射光路と
出射光路と合わせて、偏光板を2回、液晶セルのガラス
基板(上基板)上の吸収が避けられない透明電極を2回
しか通過しない。したがって、この反射型液晶表示装置
の構成では、高い反射率を得ることができる。
【0018】また、ツイストしたネマティック液晶層を
反射板(液晶セル内面に配置)と1枚の偏光板との間に
配置した構成が、特開平2−236523号公報に開示
されている。
【0019】さらに、Fourth Asian Symposium on Info
rmation Display (Chung-Kuang Weiet al.,Proceedings
of The Fourth Asian Symposium on Information Disp
lay,1997,p25 、以下ASID97と略記する)には、
90度ツイストしたネマティック液晶を反射板(セル内
面に配置)と広帯域を実現した1/4波長板及び偏光板
との間に配置した構成が開示されている。
【0020】また、特開平4−116515号公報に
は、円偏光を入射して、表示に用いる液晶表示装置が開
示されている。また、広い帯域で円偏光を得る手法とし
て、Pancharatnamは、Proc.Ind.Acad.Sci.Vol. XLI,No
4.SecA,p130 ,1955に複数の光学位相差補償板を用い
ることを解いている。
【0021】これらの特開平6−167708号公報、
特開平2−236523号公報、ASID97、特開平
4−116515号公報に示されるような1枚偏光板方
式の表示原理について説明する。
【0022】入射側に配置された偏光板は、入射光と出
射光との偏光の直線成分のうち1方向のもののみを通過
させ、他方向のものを吸収する働きを持つ。そして、偏
光板を通過した入射光は、λ/4板等の光学位相差補償
板によって偏光状態が変化したり(特開平6−1677
08号公報、ASID97の場合)、あるいはそのまま
(特開平2−236523号公報の場合)液晶層に入射
され、液晶層を通過するとさらに偏光状態が変化して反
射板へと到達する。
【0023】さらに、反射板に到達した光は、入射時と
逆の順序で偏光状態が変化しながら、液晶層、λ/4板
等を通過することにより、最終的な偏光板の透過方位の
偏光成分の割合が液晶層全体の反射率を決めることにな
る。つまり、出射時の偏光板通過直前の偏光状態が、偏
光板の透過方位の直線偏光にある場合に最も明るく、偏
光板の吸収方位の直線偏光であれば最も暗くなる。
【0024】これらの状態を、液晶表示装置に垂直に入
射および出射する光に対して実現するための必要十分条
件は、明状態に対しては反射板上での偏光状態が任意の
方位の直線偏光となること、また、暗状態に対しては反
射板上で右または左の円偏光となることであることが知
られている。
【0025】一方、携帯型の情報機器においては、従来
より用いられているキーボードに加え、タッチパネルが
有力な入力手段になる。特に、キーボードからの入力を
変換する必要のある言語、例として日本語等の入力にお
いては、情報処理能力の高度化、ソフトウエアの発展に
伴ってタッチパネルを、単なるポインティングデバイス
としてではなく、手書き直接入力等の入力装置として使
用することが一般的になってきた。
【0026】このような入力形態の場合、表示装置前面
に入力装置を重ねて配置することが行われている。しか
し、反射型の液晶表示装置においては反射光を表示に利
用するため、タッチパネルの低反射処理の手段は下部に
設置される反射型液晶表示装置の表示を損なうものであ
ってはならない。例えば、特開平5−127822号公
報にタッチパネルに1/4波長板と偏光板を重ねて低反
射処理を行うことが開示されている。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術のうち特開昭55−48733号公報に記載され
た液晶表示装置では、液晶層と反射板との間に1/4波
長板を設ける必要があるが、原理上、液晶セルの内側に
反射膜を形成することが難しく、高解像度、高精細表示
に適さない。
【0028】また、上記USP4,701,028に記
載された垂直配向方式の液晶表示装置では、以下のよう
な問題がある。まず、垂直配向、特に傾斜垂直配向は制
御が極めて困難であり、このような制御を実現するため
には構成が複雑になるので量産に適さない。また、垂直
配向は応答速度が遅いといった欠点もあった。
【0029】また、上記反射型平行配向方式では、液晶
セルと光学位相差補償板との波長分散のために着色が生
じた。このように従来の構成では、暗状態に色付きが生
じ易く、白黒は実現できないといった問題点が生じてい
た。
【0030】また、上記特開平2−236523号公報
や特開平4−116515号公報の構成では、偏光板を
2枚用いる構成に比べて明状態の反射率が高くなるが、
暗状態の透過率の波長依存性が大きく良好な黒表示は実
現されていない。
【0031】また、上記ASID97に開示された表示
モードでは、白黒表示が可能であるが、この文献の広帯
域に作製された1/4波長板の構成についての開示は全
くない。
【0032】また、Pancharatnamによる報告では、良好
な円偏光を得るためには光学位相差補償板を3枚用いる
必要があり実用的ではない。また、これを液晶表示装置
と組み合わせる場合の詳細な検討は未だなされていな
い。
【0033】一方、タッチパネル一体型反射型液晶表示
装置において、反射型液晶表示装置として実用可能な性
能が実現された場合であっても、タッチパネルを配置す
ると視認性を極度に悪化させる問題があった。
【0034】すなわち、透過型液晶表示装置やその他の
発光型表示装置におけるタッチパネルを配置した場合の
視認性の低下が、タッチパネルの反射光を生じる原因と
なっている光源(例えば天井灯等)による光を取り除く
ことや、その方向を変更することにより容易に解決可能
なのに比べ、反射型表示装置においては、同一の光源
が、タッチパネルの反射を生じ、かつ、表示装置の表示
光源となっているため、上記のような解決が計れないと
いうものである。そのため、この視認性低下の解決が、
表示装置の実現とともに実用的な低消費電力の携帯情報
機器の実現の鍵を握っている。
【0035】また、特開平5−127822号公報に示
されているタッチパネルの構成は、1/4波長板の作用
によって反射を防止する効果を有するものの、通常の1
/4波長板は可視域の特定波長に対して反射防止機能が
優れるが、その波長の前後の波長では反射防止能力の低
下は避けられない。さらに、下部に設置した表示装置の
偏光状態が、この1/4波長板と偏光板の組み合わせで
得られる円偏光子の透過光成分をどの程度含むかによっ
て表示の明るさが決定される。
【0036】すなわち、下部に実質的に偏光特性を持た
ない表示装置(例として、360度ツイスト液晶に色素
を混入したホワイトテーラー型ゲストホスト液晶表示装
置)を使用すると、反射効率は、タッチパネル前面の偏
光板の透過率により、タッチパネルを使用しない場合の
最大でも1/2になる。別の例として、下部の表示装置
が直線偏光を表示に利用する場合(例えば、タッチパネ
ルと液晶セルの間隙にさらに偏光板を配したTN型又は
STN型液晶表示装置)である場合にも、同様にタッチ
パネルを使用しない場合の最大1/2の効率になる。さ
らに、この例のものでは、1/4波長板の位相差が光の
波長に依存するため、これを偏光板で挟持する配置にな
って、色調が変化してしまう。いずれの場合も明度が不
足し、背景光等の明度向上手段の無い反射型液晶表示装
置との組み合わせとしては不適当である。
【0037】これらのことから、特開平5−12782
2号公報に記載のタッチパネルの更なる反射防止機能の
向上が必要であり、さらに、この公報にそのようなタッ
チパネルに入射した外光を反射型液晶表示装置に利用す
るための好適な構成が開示されていない。
【0038】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、高解像
度表示可能な1枚偏光板方式の反射型液晶表示装置の問
題点を解決し、コントラスト比が高く見やすい視認性に
優れたカラー表示可能な反射型液晶表示装置から構成さ
れ、押圧感知入力装置を配置しても表示を損なわないタ
ッチパネル一体型反射型液晶表示装置を提供することに
ある。
【0039】本発明の他の目的は、高解像度表示可能な
1枚偏光板方式の反射型液晶表示装置の問題点を解決
し、コントラスト比が高く見やすい視認性に優れたカラ
ー表示可能な反射型液晶表示装置を提供することにあ
る。
【0040】上記の他の目的を達成するために、本願発
明の反射型液晶表示装置は、光反射性を有する第1の基
板と光透過性を有する第2の基板とに挟持され、誘電率
異方性が正でツイスト配向されたネマティック液晶から
なる液晶層と、直線偏光板(以下、偏光板)を有し、自
然光から左右廻りいずれかの概ね円偏光を選択的に透過
する円偏光手段とを備え、少なくとも上記の第1の基
板、液晶層、円偏光手段がこの順に積層配置されて構成
され、前記円偏光手段に自然光が入射した場合に円偏光
を出射する該円偏光手段における主面が前記液晶層側に
設置されるとともに、該液晶層の液晶の複屈折率差と液
晶層厚との積が85nm以上350nm以下、より好ま
しくは150nm以上350nm以下であり、かつ、該
液晶層のツイスト角が液晶層のツイスト角が0度より大
きく100度以下の範囲、より好ましくは45度から1
00度の範囲である構成である。
【0041】この反射型液晶表示装置は、本願発明者ら
が、視差を生じない構成が可能で高解像度表示を実現可
能な1枚偏光板方式の反射型液晶表示装置において、明
状態と暗状態の実現に必要な反射板上での異なる偏光状
態を電気的に切り替え可能なものを各種検討した結果、
液晶層に電圧を印加した状態で液晶表示装置の暗状態を
実現するように円偏光手段を備えて構成することによ
り、液晶層の製造工程に高い精度を要求することなく良
好な暗状態を実現可能なものを見出したものである。
【0042】さらに、このような偏光状態を実現する円
偏光手段を用いて電圧の低い状態で十分な明状態を実現
するもののうち、液晶層を上記のように設計すること
で、上記従来技術よりもより容易に製造可能な反射型液
晶表示装置を見出したものである。
【0043】すなわち、上記の構成によれば、円偏光手
段と液晶層とを採用し、それらの配置関係を上記のよう
にすることにより、従来の構成における課題を解決し、
表示特性に優れた反射型液晶表示装置の実現が可能とな
る。
【0044】また、上記の反射型液晶表示装置において
は、円偏光手段が、液晶層側からこの順に配置された、
基板法線方向のリタデーションが100nm以上180
nm以下に設定された第1の光学位相差補償板と、基板
法線方向のリタデーションが200nm以上360nm
以下に設定された第2の光学位相差補償板と、偏光板と
からなり、かつ、偏光板の透過軸又は吸収軸と第1の光
学位相差補償板の遅相軸とのなす角度をθ1として偏光
板の透過軸又は吸収軸と第2の光学位相差補償板の遅相
軸とのなす角度をθ2としたとき|2×θ2−θ1|の
値が35度以上55度以下である構成とすることが望ま
しい。
【0045】この望ましい構成は、前述したような偏光
状態を実現する円偏光手段の構成として、偏光板と光学
位相差補償板との構成を見出したものであり、このよう
な構成の円偏光手段では、実質的な可視波長領域の光を
円偏光に変換できる。なお、偏光板の透過軸と吸収軸と
は、互いに直交する関係にあるものである。
【0046】また、上記の反射型液晶表示装置において
は、液晶層のツイスト角が60度から100度の範囲で
あると共に、該液晶層の液晶の複屈折率差と液晶層厚と
の積が250nm以上330nm以下であり、かつ、第
2の基板近傍の液晶分子の配向方向と偏光板の透過軸又
は吸収軸とのなす角度θ3が20度以上70度以下又は
110度以上150度以下である構成とすることが望ま
しい。
【0047】この構成によれば、液晶層の液晶の複屈折
率差と液晶層厚との積が大きいので、液晶材料の選択幅
が広がると共に、液晶層厚の制御が容易になるのでより
容易に製造でき、かつ、θ3を上記のように設定するこ
とで、コントラスト、白表示の色付、黒表示の色付を抑
えた表示品位の高い反射型液晶表示装置を実現できる。
【0048】また、上記の反射型液晶表示装置において
は、前記光反射性を有する第1の基板は光反射膜を備え
ており、該光反射膜は、なめらかで連続的に変化する凹
凸形状を有し、かつ、導電性材料から成る構成とするこ
とが望ましい。
【0049】この構成によれば、上記反射型液晶表示装
置の高解像度表示可能な反射率変調方法を損なわないよ
うに、不要な散乱が無く、平坦な鏡面と同様に偏光に対
する撹乱作用(偏光解消作用)を持たない拡散性反射板
として、拡散性の無い鏡面性の反射板を使用して表示装
置前面に散乱板を配置したものと比較して、格段に有効
な反射特性を実現できる。また、光反射膜を導電性材料
としているので、この光反射膜が第2の基板の透明電極
と協働して液晶層への電圧印加電極としての機能をも果
たすことができる。
【0050】さらに、光反射膜に設けられた凹凸形状
は、基板平面内の方位によって異なる方向性を有する構
成とすることが望ましい。
【0051】この望ましい構成は、光反射膜に設けられ
たの凹凸形状の平均周期が拡散性反射特性を特徴づける
ことを見出してなされたものであり、即ち、入射光を均
一に拡散させるのにその平均凹凸周期を反射板の平面内
の任意の方位に関して同様に設定して、この周期をその
平面内の特定の方位に関して変更することにより、特定
方位からの照明光を特定の方位に反射させる場合の反射
率を大きくすることを可能とするものである。この構成
は、特に、ゲストホスト方式に比べ良好な暗状態が実現
する本願発明の反射型液晶表示装置において有効なもの
であり、さらに明るい反射型液晶表示装置を実現するこ
とを可能とするものである。
【0052】また、上記の反射型液晶表示装置において
は、円偏光手段と液晶層との間に、液晶層の残留位相差
を消去するための第3の光学位相差補償板が少なくとも
1枚配設されている構成とすることが望ましい。
【0053】この望ましい構成は、液晶層に印加される
電圧が有限である場合、液晶層に最大の電圧が印加され
て暗表示であっても、液晶配向の基板に平行な成分にし
たがって若干の偏光変換作用である残留位相差が残って
おり、これを解消することを鑑みてなされている。第3
の光学位相差補償板によって該残留位相差を消去するこ
とで、実用上の最大電圧で良好な黒表示を実現する。ま
た、同様の効果を第2の光学位相差補償板のリタデーシ
ョンの調整によって達成することも可能である。
【0054】また、上記の反射型液晶表示装置において
は、円偏光手段と液晶層との間に配設された第3の光学
位相差補償板の少なくとも1枚が、傾斜した光軸を有す
るか、内部に連続的に異なる傾斜方位を有する立体配向
した光軸を有している構成とすることが望ましい。
【0055】実際に駆動される電圧の最大値において良
好な暗表示を実現し、これによって良好な表示が得られ
る方法においては、液晶層に十分な電圧が印加された状
態での液晶の残留複屈折を補償することが有効であり、
そのためには、液晶層の残留複屈折を良好にキャンセル
できるような観察角度範囲を拡大することにより視野角
の拡大が可能である。
【0056】これを実現するために、この構成では、第
3の光学位相差補償板の少なくとも1枚を液晶の配向の
立体配置を考慮したものとしており、これにより、さら
に良好な表示特性を有する反射型液晶表示装置を実現で
きる。
【0057】また、上記の反射型液晶表示装置において
は、第1及び第2の光学位相差補償板はそれぞれ、波長
450nmの光に対する屈折率異方性Δn(450)及
び波長650nmの光に対する屈折率異方性Δn(65
0)と、波長550nmの光に対する屈折率異方性Δn
(550)との比が、 1≦Δn(450)/Δn(550)≦1.06 0.95≦Δn(650)/Δn(550)≦1 を満足する構成(第1の構成)であることが望ましく、
さらに望ましくは、 1≦Δn(450)/Δn(550)≦1.007 0.987≦Δn(650)/Δn(550)≦1 を満足する構成(第2の構成)である。
【0058】第1の構成によれば、反射型液晶表示装置
に要求される明状態の若干の色付き、暗状態の反射率の
向上によるコントラストの低下があるものの、十分に使
用に耐えうるコントラスト10:1以上を達成できる。
そして、第2の構成によれば、第1の構成よりもさらに
色付きの低減を図ると共に、コントラスト15:1以上
を達成できる。
【0059】また、上記の反射型液晶表示装置において
は、液晶層のツイスト角が65度以上90度以下の範囲
であると共に、その液晶層の液晶の複屈折率差と液晶層
厚との積が250nm以上300nm以下であり、か
つ、第2の基板近傍の(第2の基板に接する)液晶分子
の配向方向と偏光板の透過軸又は吸収軸とのなす角度θ
3が110度以上150度以下である構成とすることが
望ましい。
【0060】この構成によれば、さらに、液晶層を駆動
する電圧の低減が可能となり、しかも良好な白表示が実
現できる。
【0061】また、上記の反射型液晶表示装置において
は、第2の基板近傍の液晶分子の配向方向と偏光板の透
過軸又は吸収軸とのなす角度θ3が110度以上150
度以下であり、観察方位が第2の基板近傍の液晶分子の
配向方向から90度の方向と表示面の法線とを含む平面
内の方位に設定される構成とすることが望ましい。
【0062】同じく、上記の反射型液晶表示装置におい
ては、第2の基板近傍の液晶分子の配向方向と偏光板の
透過軸又は吸収軸とのなす角度θ3が20度から70度
であり、観察方位が第2の基板近傍の液晶分子の配向方
向と表示面の法線とを含む平面内の方位に設定されるこ
とが望ましい。
【0063】これらの構成によれば、上記のように観察
方位を設定することにより、良好な視認性が確保でき
る。換言すれば、観察者の観察方位によって、θ3を設
定するこで良好な視認性を得ることができるということ
である。また、観察者の観察方位を設定するような部材
を表示面等に設けるなどして、良好な視認性が得られる
ように構成することもできる。
【0064】また、上記の反射型液晶表示装置において
は、第2の基板上の液晶分子の配向方向と偏光板の透過
軸又は吸収軸とのなす角度θ3が110度以上150度
以下であり、観察方位が第2の基板近傍の液晶分子の配
向方向から90度の方向と表示面の法線とを含む平面内
の方位に設定され、かつ、その観察方位が光反射膜の平
均凹凸周期の異なる基板平面内の方位のうち短い方位と
表示面の法線を含む平面内に設定される構成が望まし
い。
【0065】同じく、上記の反射型液晶表示装置におい
ては、第2の基板上の液晶分子の配向方向と偏光板の透
過軸又は吸収軸とのなす角度θ3が20度から70度で
あり、観察方位が第2の基板近傍の液晶分子の配向方向
と表示面の法線とを含む平面内の方位に設定され、か
つ、その観察方位が光反射膜の平均凹凸周期の異なる基
板平面内の方位のうち短い方位と表示面の法線を含む平
面内に設定される構成とすることが望ましい。
【0066】これらの構成によれば、さらに、上記のよ
うな良好な方位に拡散性反射板である光反射膜の明るい
方位を設定することにより、特に優れた視認性を獲得す
ることが可能となる。なお、この拡散性反射板の明るい
方位は、一般には照明の方位と観察者の方位に依存する
ものの、様々な照明条件に対して良好な配置とできるも
のである。
【0067】また、上記の反射型液晶表示装置において
は、第2の基板近傍の液晶分子の配向方向と前記偏光板
の透過軸又は吸収軸とのなす角度θ3が40度から60
度であり、観察方位と表示面の法線とを含む平面内の方
位と前記第2の基板近傍の液晶分子とのなす角θ4が0
度以上30度以下又は180度以上210度以下に設定
されている構成が望ましい。
【0068】上記の構成によれば、上記のように観察方
位を設定することにより、良好な視認性が確保できる。
換言すれば、観察者の観察方位によって、θ3、θ4を
設定すれば良好な視認性を得ることができる。また、観
察者の観察方位を設定するような部材を表示面等に設け
るなどして、良好な視認性が得られるように構成するこ
ともできる。
【0069】また、本願発明のタッチパネル一体型反射
型液晶表示装置は、上記の反射型液晶表示装置から構成
されるタッチパネル一体型反射型液晶表示装置であっ
て、円偏光手段と第2の基板との間に、層状の空隙を備
えて外部からの押圧力を感知する平面状感圧素子が挟持
されて構成されるものである。
【0070】すなわち、本発明の目的を達成するため
に、本願発明のタッチパネル一体型反射型液晶表示装置
は、少なくとも光反射手段を有する第1の基板と光透過
性を有する第2の基板とに挟持され、誘電率異方性が正
で、配向されたネマティック液晶からなる液晶層と、少
なくとも1枚の直線偏光板を有し、自然光から左右廻り
いずれかの概ね円偏光を選択的に透過する円偏光手段と
を備え、少なくとも上記の光反射手段、液晶層、円偏光
手段が積層配置されて構成され、前記円偏光手段に自然
光が入射した場合に円偏光を出射する面が前記液晶層側
に設置されるとともに、該液晶層の液晶の複屈折率差と
液晶層厚との積が150nm以上350nm以下であ
り、かつ、該液晶層のツイスト角が45度から100度
の範囲であるタッチパネル一体型反射型液晶表示装置で
あって、前記円偏光手段と前記第2の基板との間に、層
状の空隙を備えて外部からの押圧力を感知する平面状感
圧素子が挟持されて構成されることを特徴としている。
【0071】また、本発明の目的を達成するために、本
願発明のタッチパネル一体型反射型液晶表示装置は、少
なくとも光反射手段を有する第1の基板と光透過性を有
する第2の基板とに挟持され、誘電率異方性が正で、配
向されたネマティック液晶からなる液晶層と、少なくと
も1枚の直線偏光板を有し、自然光から左右廻りいずれ
かの概ね円偏光を選択的に透過する円偏光手段とを備
え、少なくとも上記の光反射手段、液晶層、円偏光手段
が積層配置されて構成され、前記円偏光手段に自然光が
入射した場合に円偏光を出射する面が前記液晶層側に設
置されるとともに、該液晶層の液晶の複屈折率差と液晶
層厚との積が85nm以上350nm以下であり、か
つ、該液晶層のツイスト角が0度より大きく100度以
下の範囲であるタッチパネル一体型反射型液晶表示装置
であって、前記円偏光手段と前記第2の基板との間に、
層状の空隙を備えて外部からの押圧力を感知する平面状
感圧素子が挟持されて構成されることを特徴としてい
る。
【0072】また、本願発明のタッチパネル一体型反射
型液晶表示装置は、好ましくは、上記のいずれかの構成
のタッチパネル一体型反射型液晶表示装置において、前
記円偏光手段が、基板法線方向のリタデーションが10
0nm以上180nm以下に設定された第1の光学位相
差補償板と、基板法線方向のリタデーションが200n
m以上360nm以下に設定された第2の光学位相差補
償板と、直線偏光板とからなり、かつ、前記直線偏光板
の透過軸又は吸収軸と前記第1の光学位相差補償板の遅
相軸とのなす角度をθ1として前記直線偏光板の透過軸
又は吸収軸と前記第2の光学位相差補償板の遅相軸との
なす角度をθ2としたとき|2×θ2−θ1|の値が3
5度以上55度以下である。
【0073】また、本願発明のタッチパネル一体型反射
型液晶表示装置は、好ましくは、上記構成のタッチパネ
ル一体型反射型液晶表示装置において、前記液晶層のツ
イスト角が60度から100度の範囲であると共に、該
液晶層の液晶の複屈折率差と液晶層厚との積が250n
m以上330nm以下であり、かつ、前記第2の基板近
傍の液晶分子の配向方向と前記直線偏光板の透過軸又は
吸収軸とのなす角度θ3が20度以上70度以下又は1
10度以上150度以下である。
【0074】上記の本願発明のタッチパネル一体型反射
型液晶表示装置においては、円偏光手段、或いは偏光板
と2枚の光学位相差補償板を通過した光が概ね円偏光に
なっているので、それらよりも反射板側に偏光状態の攪
乱を伴わない反射があったとしても、その反射光は出射
時に偏光板に吸収される。そのため、携帯機器の入力装
置として有用な感圧式入力装置(タッチパネル)の反射
光が視認性の悪化を生じさせない。
【0075】本発明のさらに他の目的、特徴、および優
れた点は、以下に示す記載によって十分わかるであろ
う。また、本発明の利益は、添付図面を参照した次の説
明で明白になるであろう。
【0076】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態および実施例に
より、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれ
らにより何ら限定されるものではない。
【0077】〔発明の第1の実施の形態〕以下に、本発
明の実施の一形態について、図面を参照して説明する。
【0078】図1は、本発明による実施形態の反射型液
晶表示装置の概略構成を示す要部断面図である。図1に
示すように、この反射型液晶表示装置は、配向処理され
た配向膜2の形成された基板4と、同様に配向処理され
た配向膜3の形成された基板5とによって、正の誘電異
方性を有するツイストされたねじれネマティック液晶が
挟持されてなる液晶層1を備える。そして、下部の基板
5上には、光反射膜7が配置されており、その光反射膜
7の反射面は反射光の偏光性を保存する程度に滑らかな
凹凸形状とすることが好ましい。さらに、その滑らかな
凹凸形状は、光反射膜7の反射面で、方向によって異な
る凹凸周期のものが好ましい。
【0079】上部の基板4には透明電極6が形成され、
下部の基板5上の光反射膜7が導電性材料により形成さ
れ電極の機能も果たし、これら透明電極6と光反射膜7
とによって液晶層1に電圧が印加される。このように構
成された電極対への電圧印加手段として、アクティブ素
子等が用いられてもよいが、特には限定しない。なお、
光反射膜7が電極として機能しないものを用いた場合に
は、基板5側に別途電極を設ければ良い。
【0080】そして、このように基板4,5及び液晶層
1から構成される液晶駆動セルの基板4側の表示面上に
は、自然光から左右廻りいずれかの円偏光を選択的に透
過する円偏光手段100が備えられている。本実施形態
においてこの円偏光手段100は、基板4側の表示面上
にこの順に積層配置された、光学位相差補償板8、光学
位相差補償板9、及び偏光板10から構成される。
【0081】以下、光学位相差補償板8、光学位相差補
償板9、及び偏光板10の各光学素子の光学特性とその
作用について説明する。
【0082】本実施形態の反射型液晶表示装置は、液晶
層1に偏光板10を通して外光等の照明光が入射され、
照明光が入射された偏光板10側から観察されるもので
ある。この偏光板10によって特定の方位の直線偏光成
分のみが選択的に透過され、その入射直線偏光は光学位
相差補償板9と光学位相差補償板8とによって偏光状態
が変更される。
【0083】ここで、光学位相差補償板8の基板法線方
向のリタデーションが100nm以上180nm以下で
あり、光学位相差補償板9の基板法線方向のリタデーシ
ョンが200nm以上360nm以下であり、かつ、偏
光板10の透過軸又は吸収軸と光学位相差補償板8の遅
相軸とのなす角度をθ1として偏光板10の透過軸又は
吸収軸と第2の光学位相差補償板9の遅相軸とのなす角
度をθ2としたとき|2×θ2−θ1|の値が35度以
上55度以下とすると、光学位相差補償板8を通過した
後の入射光は概ね円偏光になる。このとき、左右のどち
らの円偏光になるかはこれらの3つの光学素子(光学位
相差補償板8,光学位相差補償板9,偏光板10)の配
置に依存する。
【0084】このことについて、一例として図2に示す
ように配置した場合について、より詳細に説明する。た
だし、この例では、反射型液晶表示装置の入射光の方位
から観察したものである。図2に示すように、偏光板1
0の透過軸を11、光学位相差補償板8の遅相軸を1
3、光学位相差補償板9の遅相軸を12とし、偏光板1
0の透過軸11と光学位相差補償板8の遅相軸13との
なす角度をθ1、偏光板10の透過軸11と光学位相差
補償板9の遅相軸12とのなす角度をθ2とし、それぞ
れが、θ1=75°、θ2=15°になるように配置す
ると、液晶表示装置に入射した光は偏光板10と光学位
相差補償板9および光学位相差補償板8を通過して、入
射光は概ね右回り円偏光に近い偏光になる。
【0085】そして、液晶層1に入射された入射光は、
印加された電圧に対応して配列した液晶層1の捩じれた
複屈折媒体(液晶)による偏光変換作用にしたがって偏
光状態を変化させて反射板に到達する。このとき、光反
射膜7上での偏光状態は液晶分子の配向によって異なる
状態に実現される。
【0086】まず、暗状態について説明する。電圧印加
時に液晶分子の配向状態が電圧印加方向に並び、装置の
法線方向に進む光に対して偏光変換作用を持たない場合
には、円偏光になった入射光は偏光の変化を伴わずに光
反射膜7に到達するので、暗状態が実現される。この暗
状態を可視波長領域全域で成立させることができれば、
黒表示が実現されることになる。
【0087】これに近い偏光状態を、実質的に可視波長
領域で準備するために、本願発明者らは次のような条件
が必要であることを見出した。すなわち、光学位相差補
償板8は、主たる可視波長である400nmから700
nmの光に対して四分の1波長だけの位相差を与えるこ
とのできる位相差、つまり波長550nmの光に対する
リタデーションで100nmから180nmの特性とす
る。そして、光学位相差補償板9は、同様の範囲の可視
波長に対して二分の1波長だけの位相差を与えることの
できる位相差、つまり波長550nmの光に対するリタ
デーションで200nmから360nmの特性とする。
【0088】そして、図2に示す偏光板10と光学位相
差補償板8,9の配置では、前述のとおり、θ1=75
°、θ2=15°としたので、|2×θ2−θ1|=4
5°なので、下式の条件を満たす。
【0089】 35°≦|2×θ2−θ1|≦55°…(1) この条件を満たす範囲でθ1、θ2の各値を変更可能で
あることは言うまでもないが、その具体的な値は、用い
る光学位相差補償板8,9の2枚の複屈折の波長分散の
組み合わせによって決定するのが望ましい。また、式
(1)の角度設定によると、|2×θ2−θ1|の値の
範囲が20度あるが、この範囲でどの値を取るのが良い
かは、さらに、液晶層1に電圧を印加した場合の液晶層
1の偏光変換作用に依存している。すなわち、光学位相
差補償板8,9と液晶層1の複屈折を含めて、光反射膜
7上で円偏光になるように設定するのが望ましい。この
とき、十分に電圧を印加した状態の液晶層1の偏光変換
作用は、液晶層1の作製精度に大きくは依存しないた
め、液晶層1の作製・製造が容易である。
【0090】次に、明状態の作用について説明する。前
述の式(1)のように設定された光学位相差補償板8,
9によって、概ね円偏光になっている入射光を光反射膜
7上で直線偏光にすることによって明状態が実現される
が、このときの直線偏光の光電界の振動方位は、光反射
膜7平面内で任意である。つまり、可視波長の光が、波
長によって異なる方位の直線偏光になっていても、ある
いはすべて同じ方位の直線偏光になっていても、同様に
明るい明状態が実現される。
【0091】これにより、上記明状態を実現するために
概ね円偏光にした液晶層1への入射光を、可視波長範囲
で任意の方位の直線偏光にするような液晶層1の光学的
作用を実現することが肝要である。
【0092】液晶層1が作製及び製造の容易な上記の電
気的駆動を考慮すると、暗状態が電圧印加状態により実
現されるので、明状態は、電圧の印加されていない状態
にて実現するか、もしくは、電圧によって液晶分子の配
向状態が変化しているが暗状態とは大きく異なる配向の
状態で実現することが必要である。
【0093】鋭意検討を重ねた結果、本願発明者らは、
明状態の作用を実用上十分な範囲、つまり、可視波長域
での十分な明度が確保でき、かつ、容易かつ高歩留まり
に製造可能な液晶表示装置に適する液晶組成物の開発が
可能な範囲を見出した。
【0094】その具体的条件は、液晶層1のねじれネマ
ティック液晶のツイスト角が45度以上100度以下と
することである。そして、その液晶の複屈折率差Δnと
液晶層1の厚さdとの積のΔnd値で150nm以上3
50nm以下の範囲とすることである。
【0095】ここで、より好ましくは、ツイスト角は6
0度以上100度以下、かつ、液晶層1の液晶の複屈折
率差Δnと液晶層1の厚さdとの積のΔnd値が250
nm以上300nm以下の範囲であり、さらに好ましく
は、ツイスト角は65度以上90度以下、かつ、液晶層
1の液晶の複屈折率差Δnと液晶層1の厚さdとの積の
Δnd値が250nm以上300nm以下の範囲であ
る。このさらに好ましい範囲の条件は、たとえば液晶層
1の厚みを4.5μmに設定する液晶表示装置の作製条
件を用いても、液晶層1のΔnは0.0667程度の実
用的な液晶材料によって実現可能であり、高い実用性の
液晶表示装置が製造できる。
【0096】以下、本実施の形態に係る具体的な実施例
を以下に示す。
【0097】〔実施例1〕まずは、実施例1として、液
晶層の光学的な作用を考慮した具体的な設計を行うため
に、本願発明者らが、計算によって液晶層の設定を検討
した経緯を説明する。まず、液晶層の設定の最適化にあ
たり、式(2)に示す評価関数を用いて液晶層の設定を
検討した。
【0098】
【数1】
【0099】ここで、s3 は、偏光状態を指定するスト
ークスパラメータであり、液晶層を一度だけ透過する光
の、反射面上の偏光状態に関するストークスパラメータ
である。なお、ストークスパラメータは、ここでは規格
化されたものを用いている。
【0100】偏光状態が記述できる完全偏光は、光の強
度を規格化した場合、3つの成分を有するストークスパ
ラメータで偏光状態が記述でき、互いに45度振動面の
異なった直線偏光を表すs1 およびs2 と、円偏光成分
を表すs3 によって指定される。s1 ,s2 ,s3 は、
−1以上1以下の値を取り、特にs3 は、円偏光の場合
には±1、直線偏光の場合には0、楕円偏光の場合には
これらの中間の値を取る。
【0101】即ち、評価関数fは、s3 を二乗すること
により偏光の回転方向に関係なく、反射面上での偏光状
態によって、円偏光になる場合はf=0、楕円偏光にな
る場合は0<f<1、直線偏光になる場合はf=1に分
類できる。
【0102】本願発明者らは、1枚の偏光板と鏡面反射
を示す反射面によって挟まれた任意の複屈折媒体に偏光
板側から光が入射した場合、反射板上でf=0(円偏
光)の時には、反射した光は、入射時に通過した偏光板
によってすべて吸収され、f=1の場合には、該偏光板
によって吸収されることなく通過できることを、解析的
な検討によって確認している。評価関数fがこの中間の
値をとる場合には、反射光の一部は偏光板によって吸収
され、残りの反射光は偏光板を透過し、中間の反射率の
表示となる。
【0103】さらに、上記の評価関数fが、このような
1枚の偏光板を用いて反射板で入射光を反射させる反射
型液晶表示装置の反射率に比例し、1枚偏光板方式の反
射率が評価できることを見出している。従って、この評
価関数fによって、明表示において良好な明るさが得ら
れるかどうかと、良好な暗状態が得られるかどうかとを
共に評価することが可能である。
【0104】このように、評価関数fによって、表示性
能が予測可能であることから、1枚偏光板方式の最も良
好な性能が期待できる液晶表示方式を鋭意検討した。次
にその具体的な手法について説明する。
【0105】まず、液晶表示装置を作製するに当たり、
量産性に関する考察を行った。特に、液晶表示装置の光
学特性を決定する液晶層厚の保持精度が、量産性に大き
な影響を与えるため、これに関して考察を行った。
【0106】この液晶層厚の保持方法としては、液晶層
を挟持する基板の間に一定の粒径で作製された球状スペ
ーサーを設ける方法が最も精度と実用性のバランスが優
れている。しかし、この方法によっても、量産工程にお
いて高い精度を要求することは量産コストの上昇を招
く。このことから、液晶層厚の精度が必要でない方法を
検討することが産業上重要である。
【0107】また、作製された液晶表示装置の表示品位
に関しては、人の視覚の特徴を考慮することが重要であ
る。即ち、人の視覚は、実際に眼球の網膜を刺激する光
の強度と認知される明度とは比例関係にはなく、非線型
特性を有していることが知られている。つまり、表示装
置の光強度の一定量の変動に対しても、同時に網膜に加
わっている刺激の強弱によって小さな明度の変動のよう
に感じられたり(背景が強い刺激の場合)、大きな明度
の変調に感じられたり(背景が弱い刺激の場合)する。
このような視覚の非線型特性を考慮すると、反射率のム
ラが同程度であっても、それが明表示に生じる場合に比
較して、暗表示に生じる場合のほうが、表示品位の低下
が大きい。
【0108】このことから、反射率のむらが大きい状態
と小さい状態が存在する場合には、反射率のむらが小さ
い状態を暗表示に割り当て、反射率のむらが大きい状態
を明表示に割り当てることが、良好な表示品位の液晶表
示素子を作製する点から望ましい。
【0109】さらに、液晶層に十分に電圧を印加して偏
光変換作用が消失した場合のほうが、液晶層厚のむらが
偏光変換作用の大きな変動になり難い。
【0110】以上の3点を考慮し、電圧が充分に加えら
れた配向状態を暗表示に割り当てることによって、良好
な表示が得られることが考察される。つまり、液晶に電
圧が印加されていない状態を明表示に設定し、電圧を印
加した場合を暗表示に設定すること、いわゆるノーマリ
ーホワイト表示が望ましい。
【0111】次に、この設定を実現する光学位相差補償
板の設定と液晶層部分の設定に関して、評価関数fに基
づいて説明する。
【0112】まず、液晶層に十分に電圧が印加された場
合に関しては、液晶層には偏光変換作用が無い。光学位
相差補償板に必要な特性は、そのような液晶層を通過し
て反射板上に到達した反射板上で、円偏光にする特性で
ある。ここに、円偏光の回転方向は、どちらであっても
よい。
【0113】光学位相差補償板に関する前述の設定によ
って、広い波長帯域でこの特性を実現可能である。この
とき、液晶の偏光変換作用が消失しているため、評価関
数fは0となり、良好な暗状態になる。
【0114】一方、液晶層に電圧が印加されない場合に
おいて、十分な反射明度が得られる条件を検討するため
には、このような円偏光を生じる光学位相差補償板の設
定において、この評価関数fを評価する必要がある。本
願発明者らは、液晶層に電圧が印加されない状態で、液
晶層が一様にツイストした配向に対して評価関数fを求
めた。その結果、液晶に円偏光が入射した場合には、評
価関数fは、式(3)となることが、Jones Matrix 法
によってs3 を解析的に計算することによって明らかと
なった。
【0115】
【数2】
【0116】図3に、視感度が最も高い波長(λ=55
0nm)での評価関数fの値を、液晶層の設計パラメー
タであるΔndとツイスト角に関して、等値線図にして
示す。なお、ツイスト角Φtwに関して、fが偶関数であ
ることから、ツイスト角は正の値についてのみfを記載
しているが、実際の液晶配向の捩じれ方向が左右どちら
であっても良いことは言うまでもない。
【0117】図3は、単一波長(550nm)での値で
あるが、可視波長である380nmから780nmの波
長に関しても、同様の方法で評価できる。すなわち、5
50nm以外の波長の入射光に対しては、評価関数fの
変数のうちΔnとλのみが変更されることを考慮すれば
よい。
【0118】このように波長によって視覚の感度が異な
る効果を考慮して、視感度と標準的な照明光源を仮定し
てfとの重なり積分をとることにより、さらに精密な最
適化が可能になる。つまり、前述の式(3)に、視感度
曲線(CIE1931等色関数のyBAR (λ))および
D65標準光源のスペクトル密度SD65(λ) を用いて、
式(4)と定義することが有効である。
【0119】
【数3】
【0120】ここに、f(λ) は、式(3)によって計
算されるが、波長λに依存した値を持つことを明示して
いる。
【0121】このように定義されたfvis を、図3と同
様にΔndおよびツイスト角に対して計算したものが、
図4である。ここで、Δnの波長分散を考慮した計算を
しており、縦軸のΔndは、550nmの波長の光にお
ける値である。
【0122】さらに、式(2)による評価関数fが表示
の反射率に比例した値を示すため、式(4)の等色関数
BAR (λ)をCIE1931に同様に規定されている
BA R (λ)、zBAR (λ)に変更することによって、
色度の計算が可能になる。これより、D65光源での色
度(x,y)を図4と同様のパラメータに対して計算を
行った。この結果をx、yそれぞれ図5、図6に示す。
【0123】以上のような検討によって、十分な視感反
射率(fvis が0.7以上)で、白表示における良好な
色相(xが0.27以上0.35以下で、かつyが0.
28以上0.36以下)の条件を設定し、これに適うΔ
ndとツイスト色の範囲を求めた。この結果を図7に示
す。図7より、良好なホワイトバランスと反射率が得ら
れる領域は、ツイスト角が0度より大きく100度以下
の領域であることが分かる。また、この良好な領域は、
液晶の屈折率差Δnと液晶層厚dとの積であるΔndの
下限が85nm以上であることが分かる。また、この良
好な領域は、Δndの上限が315nm以下であること
が分かる。
【0124】以上のように、十分な明度と色相を得るた
めに必要な液晶層のパラメータの範囲が定まるが、液晶
層の設定には、更に、液晶材料と液晶層厚の設定による
制限も存在する。このため、図7の斜線に示した範囲の
すべてが実用的とは限らない。また、この範囲から若干
外れた範囲であっても良好な条件が存在する。この点に
関して、更に詳細に説明する。
【0125】液晶材料の光学的な物性値であるΔnと、
液晶材料の使用可能な温度範囲には、一定の相関がある
ことが知られている。すなわち、実用に付される液晶材
料は、一般に複数の化合物のブレンドによって必要な特
性に調整されるが、この際のブレンド比率を変更してΔ
nを小さくすると、ネマティック相の得られる温度範囲
が狭くなる。このような場合、液晶表示装置の使用温度
範囲や、保存温度範囲を著しく狭める困難がある。つま
り、ネマティック相が安定して得られる温度範囲の観点
から、液晶材料Δnには、下限が存在する。このような
理由により、室温におけるΔnは、必要な温度範囲等に
依存するものの、概ね0.05以上、望ましくは0.065
以上の値が要求される。
【0126】また、液晶層の層厚は、液晶表示装置の作
製工程の異物等に起因する不良発生率の問題や、液晶を
駆動するための素子の作製段差、用いる基板の平面度等
から制限がある。さらに、本願発明の一部の構成に用い
る場合には、液晶層に近接して配置される凹凸拡散反射
板の凹凸形状の点からも制限がある。
【0127】液晶層の層厚としては、透過型液晶表示装
置の場合には、概ね5μm前後の値が用いられており、
生産技術が確立している。しかし、液晶層の層厚をこれ
よりも著しく小さくすることは、多大な困難を伴い、実
用性に乏しい。これにより、液晶層厚は、概ね3μm以
上、望ましくは4μm以上にて作製することが有用であ
る。
【0128】以上の観点から、液晶の屈折率差Δnと液
晶層厚dの積であるΔndの下限を150nm、望まし
くは、260nm以上にすることが有用である。
【0129】さらに、実際の液晶表示装置の駆動状態の
液晶においては、閾値特性を示す液晶の閾値付近以上の
電圧を印加して駆動することが多い。このとき、閾値程
度の印加電圧において、液晶は全く電圧が印加されてい
ない状態から若干傾斜しており、この若干傾斜した状態
での基板法線方向の屈折率差が、実際の表示に表れる。
【0130】このことから、液晶材料によってきまるΔ
nは、この傾斜した液晶に関する実効的なΔnよりも1
0%程度大きな値を取りうる。なお、液晶の閾値以下で
の表示も可能であるため、このΔndの値の変更をΔn
dの下限には適用しないのが適当である。
【0131】以上のように、実際の液晶層の設定を用い
た具体的な計算を行い、1枚偏光板方式の反射型液晶表
示装置においては、Δndを150nmからΔndの上
限を350nmに、液晶のツイスト角を45度から10
0度に設定することが有効であることを見出した。
【0132】〔実施例2〕実施例2では、前述の図1に
示した構造を有する反射型液晶表示装置を、表1に記載
のパラメータにて作製し、5つのサンプル♯2a〜♯2
fを得た。
【0133】
【表1】
【0134】各サンプルの表示結果の概略を表2に示
す。
【0135】
【表2】
【0136】なお、Vthは、各サンプルにおける液晶
層1の配向変化が見られる閾値電圧であり、異なるΔn
dに設定されるために、異なった値をとっている。
【0137】以上に示したように、パラメータが本発明
の反射型液晶表示装置の範囲に入るサンプル♯2a,♯
2bにおいては、実際に使用する電圧であるVthから
3.0×Vthにおいて、白表示から黒表示へと表示が
変化した。これに対し、パラメータが本発明の反射型液
晶表示装置の範囲に入らないサンプル♯2c〜♯2fに
おいては、表示が暗かったり(サンプル♯2c,♯2
f)、表示に着色が見られた(サンプル♯2d,♯2
e)。
【0138】表2に示した表示の概略は、偏光板10と
光学位相差補償板8,9の相対角度(θ1、θ2)を変
更せずに、液晶配向との方向の設定θ3を変更しただけ
では、サンプル♯2a〜♯2fに見られるような大きな
特性変動は観察されず、むしろ液晶層1部分の設定に依
存していることを確認している。
【0139】また、液晶に対して逆周りの円偏光が入射
するような設定(つまり、θ1とθ2に共通に90度を
加える、あるいは、θ1とθ2を共に符号を逆転させ
る)、同じ方向の円偏光が得られる別の設定(つまり、
θ1とθ2ともに、符号を反転し90度を加える)のよ
うな組合わせのすべてにおいて、表2と同様な表示とな
った。
【0140】以上のように、液晶層1の液晶の複屈折率
差と液晶層厚との積が150nm以上350nm以下で
あり、かつ、該液晶層のツイスト角が45度から100
度の範囲であるように液晶層1を設定することにより、
良好な表示が実現し、その範囲に限定されることが示さ
れた。
【0141】さらに好ましい表示が得られるような条件
を検討し、最適化を行った例を、次の実施例3、実施例
4に示す。
【0142】〔実施例3〕実施例3として、ねじれネマ
ティック液晶のツイスト角を90度に設定した液晶層
に、リタデーションが135nmと270nmの光学位
相差補償板をそれぞれ1枚用いた例を示す。
【0143】実施例3では、前述の図1に示した構造を
有する反射型液晶表示装置を作製した。基板5上の光反
射膜7は、アルミニウムを用い、光反射性電極とした。
また、液晶駆動セルは、液晶導入後に液晶層1の厚さが
4.2μmになるよう調整された90度にツイストされ
た液晶層1とし、導入した液晶材料は通常のTFT透過
型液晶ディスプレイに使用されている液晶と同様の液晶
物性(誘電異方性、弾性、粘性、ネマティック温度範
囲、電圧保持特性)を有していて、Δnだけが0.06
5に調整されたものを用いた。ここで、液晶層1の厚さ
と液晶の複屈折率差との積を273nmになるように設
定した。
【0144】本実施例の偏光板10、光学位相差補償板
8、及び光学位相差補償板9の配置は、図8に示すよう
に設定した。なお、図8において、11は偏光板10の
透過軸方位、12は光学位相差補償板9の遅相軸方位、
13は光学位相差補償板8の遅相軸方位、14は基板4
上に形成された配向膜2に接触する即ち配向膜2近傍の
液晶分子の配向の方位、15は基板5上に形成された配
向膜3に接触する即ち配向膜3近傍の液晶分子の配向の
方位をそれぞれ示し、この図は液晶表示装置の入射光の
方位から観察したものである。
【0145】そして、これらの配置関係は、図8に示す
ように、偏光板10の透過軸方位11と光学位相差補償
板8の遅相軸方位13とのなす角度θ1を75°、偏光
板10の透過軸方位11と光学位相差補償板9の遅相軸
方位12とのなす角度θ2を15°、基板4上の液晶分
子の配向方向14と偏光板10の透過軸方位11とのな
す角度θ3を30°としたものである。
【0146】光学位相差補償板8と光学位相差補償板9
とは、ともにポリビニールアルコール製の延伸フィルム
からなり、光学位相差補償板8は波長550nmの面法
線方向の透過光に対して130nmから140nmに制
御された位相差を持ち、光学位相差補償板9は同様の光
に対して265nmから275nmに制御された位相差
を持つ。
【0147】これらの光学位相差補償板8,9の配置
は、作製後の液晶表示装置の正面方位に対する光学特性
を良好にする配置であるが、液晶層1と共に傾斜方位か
らの観察による特性を考慮して設計変更も可能である。
例えば、図8に示す本実施例の設定角条件を成立させつ
つ、傾斜方位への通過光に対する光学位相補償板8,9
の位相差を変化させる設計としては、光学位相差補償板
8,9のうちの少なくとも1枚を二軸性の光学位相差補
償板に変更することで可能である。また、前述の式
(1)の範囲内で角度設定を変更できることは言うまで
もない。
【0148】そして、偏光板10としては、誘電体多層
膜によるAR層を有する単体内部透過率が45%の偏光
板を用いた。
【0149】以上のような構成の反射型液晶表示装置の
反射率の電圧依存性を示すグラフを図9に示す。この反
射率の測定には、図10に示すように、本実施例の反射
型液晶表示装置に電圧を印加して駆動させた状態で、照
明光源装置からの光をハーフミラーを介して基板4側か
ら入射させ、基板5上の光反射膜からの反射光を光検出
器にて検出したものである。そして、図9において、反
射率100%は、光学位相差補償板を用いずに、被測定
装置と同様の偏光板のみを用いた以外は本実施例と同じ
液晶表示装置において、液晶未注入の状態での反射率で
ある。また、反射率は、視感輝度率(Y値)を用いた。
【0150】図9に示す測定結果から、1V程度以下の
低い駆動電圧で、高い反射率が得られたことがわかる。
【0151】〔実施例4〕実施例4として、ねじれネマ
ティック液晶のツイスト角を70度に設定した液晶層
に、リタデーションが135nmと270nmの光学位
相差補償板をそれぞれ1枚用いた例を示す。
【0152】実施例4では、前述の図1に示した構造を
有する反射型液晶表示装置を作製した。基板5上の光反
射膜7は、アルミニウムを用い、光反射性電極とした。
又、液晶駆動セルは、液晶導入後に液晶層1の厚さが
4.5μm(サンプル♯4a)及び4.2μm(サンプ
ル♯4b)になるよう調整された70度にツイストされ
た液晶層1とし、導入した液晶材料は通常のTFT透過
型液晶ディスプレイに使用されている液晶と同様の液晶
物性(誘電異方性、弾性、ネマティック温度範囲、電圧
保持特性)を有していて、Δnだけが0.06に調整さ
れたものを用いた。ここで、液晶層1の厚さと液晶の複
屈折率差との積を270nm(サンプル♯4a)及び2
50nm(サンプル♯4b)になるように設定した。
【0153】本実施例の偏光板の10、光学位相差補償
板8、および光学位相差補償板9の配置は、図11に示
すように設定した。なお、図11において、11は偏光
板の透過軸方位、12は光学位相差補償板9の遅相軸方
位、13は光学位相差補償板8の遅相軸方位、14は基
板4上に形成された配向膜2に接触する即ち配向膜2近
傍の液晶分子の配向の方位、15は基板5上に形成され
た配向膜3に接触する即ち配向膜3近傍の液晶分子の配
向の方位をそれぞれ示し、この図は液晶表示装置の入射
光の方位から観察したものである。
【0154】そして、これらの配置関係は、図11に示
すように、偏光板10の透過軸方位11と光学位相差補
償板8の遅相軸方位13とのなす角度θ1を75°、偏
光板10の透過軸方位11と光学位相差補償板9の遅相
軸方位12とのなす角度θ2を15°、基板4上の液晶
分子の配向方向14と偏光板10の透過軸方位11とな
す角度θ3を45°としたものである。
【0155】光学位相差補償板8と光学位相差補償板9
とは、ともにポリビニールアルコール製の延伸フィルム
からなり、光学位相差補償板8は波長550nmの面法
線方向の透過光に対して130nmから140nmに制
御された位相差を持ち、光学位相差補償板9は同様の光
に対して265nmから275nmに制御された位相差
を持つ。
【0156】これらの光学位相差補償板8、9の配置
は、作製後の液晶表示装置の正面方位に対する光学特性
を良好にする配置であるが、液晶層1とともに傾斜方位
からの観察による特性を考慮して設計変更も可能であ
る。例えば、図11に示す本実施例の設定角条件を成立
させつつ、傾斜方位への透過光に対する光学位相差補償
板8、9の位相差を変化させる設計としては、光学位相
差補償板8、9のうち少なくとも1枚を二軸性の光学位
相差補償板に変更することで可能である。又、前述の式
(1)の範囲内で角度設定を変更できることは言うまで
もない。
【0157】そして、偏光板10としては、誘電体多層
膜によるAR層を有する単体内部透過率が45%の偏光
板を用いた。
【0158】以上のような構成の反射型液晶表示装置の
反射率の電圧依存性は、前述の図9に示すグラフと同じ
であった。この結果より、1V程度以下の低い駆動電圧
で、高い反射率が得られたことがわかる。なお、この反
射率も、上記実施例3と同様に図10に示す測定光学系
の配置にて測定されたもので、100%は上記実施例3
と同様に設定した。
【0159】また、偏光板10の透過軸と上基板4近傍
の液晶の配向方向のなす角θ3の各角度におけるコント
ラスト、白の色付、黒の色付を表3に示す。
【0160】
【表3】
【0161】この結果からθ3は20度以上70度以下
又は110度以上150度以下に設定することにより表
示品位の高い反射型液晶表示装置を実現できることを確
認した。
【0162】〔実施例5〕実施例5として、ねじれネマ
ティック液晶のツイスト角を70度に設定した液晶層
に、リタデーションが135nmと270nmの光学位
相差補償板をそれぞれ1枚用いた例を示す。
【0163】実施例5では、前述の図1に示した構造を
有する反射型液晶表示装置を作製した。基板5上の光反
射膜7は、アルミニウムを用い、光反射性電極とした。
また、液晶駆動セルは、液晶導入後に液晶層1の厚さが
4.5μmになるよう調整された70度にツイストされ
た液晶層1とし、導入した液晶材料は通常のTFT透過
型液晶ディスプレイに使用されている液晶と同様の液晶
物性(誘電異方性、弾性、粘性、温度特性、電圧保持特
性)を有していて、Δnだけが0.0667に調整され
たものを用いた。ここで、液晶層1の厚さと液晶の複屈
折率差との積を300nmになるように設定した。
【0164】本実施例の偏光板10、光学位相差補償板
8、及び光学位相差補償板9の配置は、図12(a),
(b)に示すように、2種類の設定をして、2種類のサ
ンプルを作製した。なお、図12(a),(b)におい
て、前述の図8と同様に、11は偏光板10の透過軸方
位、12は光学位相差補償板9の遅相軸方位、13は光
学位相差補償板8の遅相軸方位、14は基板4上に形成
された配向膜2に接触する即ち配向膜2近傍の液晶分子
の配向の方位、15は基板5上に形成された配向膜3に
接触する即ち配向膜3近傍の液晶分子の配向の方位をそ
れぞれ示し、この図は液晶表示装置の入射光の方位から
観察したものである。
【0165】そして、一つのサンプルでの配置関係は、
図12(a)に示すように、偏光板10の透過軸方位1
1と光学位相差補償板8の遅相軸方位13とのなす角度
θ1を75°、偏光板10の透過軸方位11と光学位相
差補償板9の遅相軸方位12とのなす角度θ2を15
°、基板4上の液晶分子の配向方向14と偏光板10の
透過軸方位11とのなす角度θ3を40°としたもので
あり、このサンプルをサンプル♯5aとする。
【0166】他方のサンプルでの配置関係は、図12
(b)に示すように、偏光板10の透過軸方位11と光
学位相差補償板8の遅相軸方位13とのなす角度θ1を
75°、偏光板10の透過軸方位11と光学位相差補償
板9の遅相軸方位12とのなす角度θ2を15°、基板
4上の液晶分子の配向方向14と偏光板10の透過軸方
位11とのなす角度θ3を130°としたものであり、
このサンプルをサンプル♯5bとする。すなわち、サン
プル♯5aとサンプル♯5bとは、θ3が異なり、θ1
及びθ2は同じである。
【0167】なお、これらのサンプル♯5a,♯5b
は、上記実施例3と同様に、光学位相差補償板8,9が
ともにポリビニールアルコール製の延伸フィルムからな
り、光学位相差補償板8が波長550nmの面法線方向
の透過光に対して130nmから140nmに制御され
た位相差を持ち、光学位相差補償板9が同様の光に対し
て265nmから275nmに制御された位相差を持つ
ものである。また、偏光板10には、誘電体多層膜によ
るAR層を有する単体内部透過率が45%の偏光板を用
いた。
【0168】以上のような構成の反射型液晶表示装置
(サンプル♯5a,♯5b)の反射率の電圧依存性を示
すグラフを図13に示す。図13において、曲線13−
1はサンブル♯5aの測定結果、曲線13−2はサンプ
ル♯5bの測定結果をそれぞれ示す。なお、この反射率
は、上記実施例3と同様に図10に示す測定光学系の配
置にて測定されたもので、100%は上記実施例3と同
様に設定した。図13に示す測定結果から、1.5V程
度以下の低い駆動電圧で、高い反射率が得られたことが
わかり、中でも曲線13−1で示されるサンプル♯5a
の方が高い反射率が得られた。
【0169】また、以上のような実施例5の反射型液晶
表示装置(サンプル♯5a,♯5b)及び前述の実施例
3の反射型液晶表示装置について、電圧反射率特性を調
べた結果を表4に示す。
【0170】
【表4】
【0171】表4から、いずれにおいても十分な明状態
の反射率と、コントラスト比が実現されたことがわか
り、目視観察においても良好な反射型液晶表示装置であ
った。
【0172】なお、表4において、コントラスト比は、
明状態の反射率を暗状態の反射率で除して定義したもの
である。ここで、明状態の印加電圧は、各実施例毎に最
も反射率の高い電圧を用い、暗状態は、印加電圧を3V
に設定した。
【0173】〔実施例6〕実施例6として、前述の実施
例4と同じ条件で作製された反射型液晶表示装置におい
て、光学位相差補償板8と光学位相差補償板9の波長4
50nmの光に対する屈折率異方性Δn(450)及び
波長650nmの光に対する屈折率異方性Δn(65
0)と波長550nmの光に対する屈折率異方性Δn
(550)の比であるΔn(450)/Δn(55
0)、Δn(650)/Δn(550)が、それぞれΔ
n(450)/Δn(550)とΔn(650)/Δn
(550)の組合せが(1,1)、(1.003,0.
993)、(1.007,0.987)、(1.01,
0.98)、(1.03,0.96)、(1.06,
0.95)、(1.1,0.93)のときの光学特性を
測定した。測定結果を表5に示す。
【0174】
【表5】
【0175】この結果から1≦Δn(450)/Δn
(550)≦1.06、0.95≦Δn(650)/Δ
n(550)≦1の関係を満たすように設定することに
より表示品位の高い反射型液晶表示装置を実現すること
ができ、さらに1≦Δn(450)/Δn(550)≦
1.007、0.987≦Δn(650)/Δn(55
0)≦1の関係を満たすように設定することによりさら
に表示品位の高い反射型液晶表示装置を実現できること
を確認した。
【0176】〔実施例7〕実施例7として、前述の実施
例4と同じ条件で作製された反射型液晶表示装置におい
て、図14に示す観察方位と表示面の法線とを含む平面
内の方位16と前記第2の基板近傍の液晶分子の方向1
4とのなす角θ4の各角度における明るさ、コントラス
ト、色付き及び総合評価を行った。評価結果を図15に
示す。この結果からθ4が0度以上30度以下又は18
0度以上210度以下に設定することにより、明るさ、
コントラスト、無彩色軸からの色差にほぼ優れた表示品
位の高い反射型液晶表示装置を実現できることを確認し
た。
【0177】〔実施例8〕実施例8では、アクティブマ
トリクス方式による駆動方式により、滑らかな凹凸を有
する光反射膜を用いた例について説明する。
【0178】図16は、本実施例の反射型液晶表示装置
の構成を示す要部断面図である。図16に示すように、
この反射型液晶表示装置16は、第1の基板5と透明な
ガラスからなる第2の基板4を備え、第1の基板5上に
アクティブ素子としてTFT素子17が各画素に形成さ
れている。TFT素子17や駆動用配線(図示せず)上
には層間絶縁膜18が形成され、TFT素子17のドレ
イン端子(図示せず)と光反射性画素電極19とはコン
タクトホールを介して電気的に接続される。光反射性画
素電極19上には、配向膜3が100nmの厚さで形成
されている。
【0179】ここで、光反射性画素電極19は、たとえ
ばアルミニウム、ニッケル、クロム、銀や、それを用い
た合金などの導電性の金属材料が使用でき、光の反射性
を有するものである。そして、光反射性画素電極19の
形状は、コンタクトホールの部分を除くと滑らかな凹凸
を有しており、金属反射面が鏡面になることを防止して
いるものである。
【0180】次に、その形成方法についてさらに詳細に
説明する。
【0181】上記のTFT素子17および駆動用配線
(図示せず)を形成した基板5表面に、感光性樹脂材料
からなる大突起20および小突起21をそれぞれ多数形
成した。これら大突起20および小突起21は、底部直
径D1,D2(図16参照)の円形のパターンをフォト
リソグラフィーの技術によって多数形成したものであ
る。このD1,D2は、それぞれ例えば5μmと3μm
に設定されている。また、これらの間隔D3は少なくと
も2μm以上に設定されている。また、これらの突起の
高さは、感光性樹脂材料の形成時の膜厚により制御で
き、本実施例では1.5μmとし、その後の露光工程、
焼成工程によって、なだらかな突起に形成した。
【0182】これに次いで、上記突起20,21を被覆
し、これら突起20,21の間の平坦部を埋めるべく、
同様の感光性樹脂材料で平滑化膜22を形成した。この
ようにして、平滑化膜22の表面は、突起20,21の
影響を受けて、滑らかな曲面状に形成され、目的の形状
が得られた。なお、上記コンタクトホール部には、突起
および平滑化膜22のどちらも形成されないように作製
している。
【0183】以上のような構造のTFT素子基板23を
作製することにより、光反射性画素電極19が反射板を
兼務して液晶層1の近くに配置されて視差を生じること
なく、しかも、液晶層1を通過し光反射性画素電極19
によって反射される光がTFT素子17や素子駆動用配
線(図示しない)部分のために損なわれることのない、
いわゆる開口率の高い明るい反射型液晶表示装置のTF
T素子基板23を実現した。
【0184】一方、上記TFT素子基板23とともに用
いる他方の基板には、反射方式に合わせて、高明度化さ
れたカラーフィルタ24を配置した。このカラーフィル
タ24には、各画素間に色の混合を防止し、画素電極間
の電圧未印加部や電界乱れに伴う暗表示での反射光のも
れを防止するブラックマトリクス25を配している。
【0185】このブラックマトリクス25は、ここに入
射する光がすでに概ね円偏光になっており、ブラックマ
トリクス25による反射光は出射時に再度光学位相差補
償板の作用を受け偏光板に吸収されるので、低コストの
金属膜等を用いてもブラックマトリクス25が反射光を
生じて視認性を悪化させることはなかった。なお、さら
に、ブラックマトリクス25に低反射処理を行うとより
高コントラストな表示に好適であることは言うまでもな
い。
【0186】このカラーフィルタ24上に、透明電極6
としてITO(Indium Tin Oxide)をスパッタリングによ
ってマスクデポして、140nm厚の所望のパターンを
有するTFT素子駆動用の光反射性画素電極19の対向
電極6を形成した。そして、その上に配向膜2を形成
し、カラーフィルタ基板26とした。
【0187】なお、透明電極6が140nm厚以外の厚
さであっても、入射光が透明電極6の膜厚の干渉効果で
液晶層1に到達することなく反射する光は、光学位相差
補償板8,9と偏光板10によって吸収されるので、暗
状態には影響なく、視認性を損なわない。
【0188】また、このときに用いられたカラーフィル
タ24は、偏光板を利用した高コントラスト表示モード
に適した明度になるように適正に設計され、ブラックマ
トリクス25の開口率が90%の場合に、カラーフィル
タ基板26の透過率がY値で50%であった。
【0189】このように準備されたTFT素子基板23
とカラーフィルタ基板26とに、ラビング法によって配
向処理を施し、液晶層1の厚さを保持するためのプラス
ティックスペーサー(図示せず)の散布、周縁部のシー
ル配置工程をへて対向配置し、位置合わせのうえ加圧下
にて硬化させて封止し、液晶注入用液晶セルを準構し
た。そして、液晶層1には、誘電異方性Δεが正である
液晶材料を真空注入法にて導入した。以後、液晶表示装
置の方位の表現は、装置に正対する観察者の上下左右方
向を時計の文字盤の向きで、上方位を12時方位として
記載する。
【0190】上記カラーフィルタ基板26の液晶層1と
反対側には、ポリビニールアルコール製の延伸フィルム
からなる光学位相補償板8及び光学位相差補償板9とが
設けられ、さらにその上には、偏光板10が配置されて
いる。
【0191】本実施例の、円偏光板100を構成する偏
光板10、光学位相差補償板8、及び光学位相差補償板
9の配置は、図17に示すように設定した。なお、図1
7において、11は偏光板10の透過軸方位、12は光
学位相差補償板9の遅相軸方位、13は光学位相差補償
板8の遅相軸方位、14はカラーフィルタ基板26上に
形成された配向膜2に接触する即ち配向膜2近傍の液晶
分子の配向の方位、15はTFT素子基板23上に形成
された配向膜3に接触する即ち配向膜3近傍の液晶分子
の配向の方位をそれぞれ示すものである。ここで、カラ
ーフィルタ基板26上の配向膜2の配向処理方位14は
装置の3時方位になるように作製している。
【0192】そして、これらの配置関係は、図17に示
すように、偏光板10の透過軸方位11と光学位相差補
償板8の遅相軸方位13とのなす角度θ1を75°、偏
光板10の透過軸方位11と光学位相差補償板9の遅相
軸方位12とのなす角度θ2を15°、カラーフィルタ
基板26上の液晶分子の配向方向14と偏光板10の透
過軸方位11との成す角度θ3を130°としたもので
ある。
【0193】また、液晶層1は液晶材料導入後に4.0
〜5.0μmの層厚になるよう調整された液晶層を用
い、液晶はΔnが0.0667のものを用い、液晶層厚
と複屈折率差の積を概ね300nmになるように設定し
た。液晶層1の層厚は、光反射性画素電極19の凹凸の
ため、位置によって異なる値をもつ。
【0194】さらに、このようにして作製された液晶表
示パネルの周囲に駆動用回路を実装し、反射型液晶表示
装置とした。
【0195】本実施例の反射型液晶表示装置では、光反
射性画素電極19が液晶層1の近くに配置されているの
で、視差がなく、良好な高解像度表示が実現された。反
射光は、光反射性画素電極19に付与した凹凸形状によ
り、観察者の顔が写り込むことがなく、良好な白表示を
実現できた。さらに、散乱性を有するものが液晶表示装
置の前面に配置されないので、良好な暗状態を示し、そ
れらのため、高コントラスト比の表示となった。
【0196】また、高明度のカラーフィルタ24を使用
したので、偏光板を利用した表示であっても十分な明度
が確保でき、暗状態の反射率が低く、この暗状態に選択
された色要素による反射光が明状態に選択された色要素
の反射光とともに観察されて色純度が悪化することが無
い。これにより、高明度のカラーフィルタ24で彩度が
低いにもかかわらず、カラーフィルタ24の色再現範囲
を損なうことのない良好な色再現性であった。
【0197】また、各画素に印加される電圧が暗状態と
明状態との中間状態に設定されることによって、中間調
の再現にも問題無く、したがって、カラーフィルタ24
の各色の中間色彩の表現にも問題無かった。また、実際
の駆動においても応答速度は動画再現に問題無いことを
確認した。
【0198】以上のように、多階調表示可能で、動画表
示の可能な、良好な色再現範囲を確保した反射型液晶表
示装置が実用的な作製法により実現できた。
【0199】〔実施例9〕実施例9として、面内に異方
性を有するような凹凸形状の光反射膜を作製することに
よって明度の向上を図り、さらにその明度の高い方位に
液晶層の傾斜視角の良好な方位を向けた例について説明
する。
【0200】実施例9では、実施例8で作製した反射型
液晶表示装置の光反射性画素電極19の凹凸形状を、異
なるパターンで作製し、凹凸形状を反射性電極の形成さ
れた平面内の方位によって異なるものを作製した。
【0201】本実施例においては、上記条件を満たすパ
ターンのものとして、図18の要部拡大平面図に示すよ
うに、凹凸形状は円形ではなく楕円形で、方向性を有す
るものを作製した。この凹凸形状の光反射膜のみの光反
射板の反射特性を、図19に示すような測定系の配置で
測定した。つまり、図19に示すように、照明光を30
°傾斜方位から入射させ、光反射板面の法線方位に向か
う反射光強度を、その光源を回転させ反射の異方性を測
定した。
【0202】その結果は図20に示すようなものにな
り、特定の方位からの光を効率よく液晶表示装置正面に
向けていることが確認された。ただし、液晶材料の屈折
率が空気とは大きく異なっていることを考慮し、測定に
際しては光反射板面に屈折率1.516のインマージョ
ンオイル(マッチングオイル)を滴下し、その上から透
明なガラス板を貼付して測定した。また、測定値は、1
00%がMgOの標準拡散板(標準白色板)を同様に測
定した場合の値になるよう、換算して得られたものであ
る。図20において、曲線20−1は本実施例の異方性
拡散性反射板の測定換算値であり、曲線20−2は実施
例8で用いたものと同様の拡散性反射板の同様の測定換
算値である。
【0203】この結果、図20に示すように、本実施例
の凹凸形状の平均周期が反射板面内で変化しているよう
な方向性の反射板による曲線20−1では、照明光の入
射方位φの変化に伴って、反射明度(反射光強度)が大
きく変化している。これに対して、凹凸形状に異方性が
ない反射板(実施例8)による曲線20−2では、その
照明光の入射方位φの変化に伴う反射明度(反射光強
度)の変化がそれほど大きくない。
【0204】これらのことから、本願発明者らは、反射
明度を高めるためには、本実施例にて用いた反射板のよ
うに、平均凹凸周期が反射板面内の方位によって変化す
るような方向性(異方性)が有力な手段となることを見
い出したものである。さらに、図20においてφ=90
°,270°の方位が凹凸形状の平均周期の短い方位で
あり、このように、平均周期の短い方位からの照明光の
反射明度が高いことが確認されたことになる。
【0205】このような特徴を有する光反射板を備えた
TFT素子基板23と、実施例8と同様に作製されたカ
ラーフィルタ基板26とに、実施例8と同様の配向膜
2,3を形成し配向処理を行って(ツイスト角70
°)、4種類のサンプルを作製した。
【0206】これらのサンプルでは偏光板10、光学位
相差補償板8、及び光学位相差補償板9の配置が異な
り、それらの配置は図21(a)〜(d)に示すような
ものである。なお、図21(a)〜(d)において、前
述の図17と同様に、11は偏光板10の透過軸方位、
12は光学位相差補償板9の遅相軸方位、13は光学位
相差補償板8の遅相軸方位、14はカラーフィルタ基板
26上に形成された配向膜2に接触する即ち配向膜2近
傍の液晶分子の配向の方位、15はTFT素子基板23
上に形成された配向膜3に接触する即ち配向膜3近傍の
液晶分子の配向の方位をそれぞれ示し、この図は液晶表
示装置の入射光の方位から観察したものである。
【0207】すなわち、図21(a)に示すサンプルで
の配置関係は、偏光板10の透過軸方位11と光学位相
差補償板8と遅相軸方位13とのなす角度θ1を75
°、偏光板10の透過軸方位11と光学位相差補償板9
の遅相軸方位12とのなす角度θ2を15°、カラーフ
ィルタ基板26上の液晶分子の配向方向14と偏光板1
0の透過軸方位11とのなす角度θ3を130°とした
ものであり、このサンプルをサンプル♯9aとする(上
記実施例8と同様のもの)。なお、カラーフィルタ基板
26上の液晶分子の配向方向14を3時方向に平行とし
ている。
【0208】また、図21(b)に示すサンプルでの配
置関係は、偏光板10の透過軸方位11と光学位相差補
償板8の遅相軸方位13とのなす角度θ1を75°、偏
光板10の透過軸方位11と光学位相差補償板9の遅相
軸方位12とのなす角度θ2を15°、カラーフィルタ
基板26上の液晶分子の配向方向14と偏光板10の透
過軸方位11とのなす角度θ3を130°としたもので
あり、このサンプルをサンプル♯9bとする。なお、カ
ラーフィルタ基板26上の液晶分子の配向方向14を1
2時方向に平行としている。
【0209】また、図21(c)に示すサンプルでの配
置関係は、偏光板10の透過軸方位11と光学位相差補
償板8の遅相軸方位13とのなす角度θ1を75°、偏
光板10の透過軸方位11と光学位相差補償板9の遅相
軸方位12とのなす角度θ2を15°、カラーフィルタ
基板26上の液晶分子の配向方向14と偏光板10の透
過軸方位11とのなす角度θ3を40°としたものであ
り、このサンプルをサンプル♯9cとする。なお、カラ
ーフィルタ基板26上の液晶分子の配向方向14を3時
方向に平行としている。
【0210】また、図21(d)に示すサンプルでの配
置関係は、偏光板10の透過軸方位11と光学位相差補
償板8の遅相軸方位13とのなす角度θ1を75°、偏
光板10の透過軸方位11と光学位相差補償板9の遅相
軸方位12とのなす角度θ2を15°、カラーフィルタ
基板26上の液晶分子の配向方向14と偏光板10の透
過軸方位11とのなす角度θ3を40°としたものであ
り、このサンプルをサンプル♯9dとする。なお、カラ
ーフィルタ基板26上の液晶分子の配向方向14を12
時方向に平行としている。
【0211】なお、これらのサンプルは、光反射板作製
の凹凸形状パターン作製工程以外は上記実施例8と同様
に作製されたものである。
【0212】このような凹凸形状の光反射板を持つ各サ
ンプルの反射型液晶表示装置を、目視観察したところ、
各サンプル♯9a〜♯9dにおいて、上記実施例8のも
のよりさらに正面方向から観察すると明度の高い表示が
実現され、異方性凹凸の明度向上効果が発現した。この
とき、反射明度が高いのは、12時方位と6時方位から
照明光が入射した場合であった。さらに、正面方位から
照明し、傾斜方位からの観察においても、同様に12時
方位と、6時方位で明度が高かった。
【0213】さらに、これらのサンプルの液晶表示装置
に正面方位から照明光を入射させ、正面より45度傾斜
したさまざまな方位から観察したところ、サンプル♯9
aとサンプル♯9dは、反射明度が高い傾斜方位である
6時方位および12時方位で良好な表示となり、さらに
これらの方位において良好なコントラストの表示が実現
し、明度の高い観察方位からは特に傾斜に伴う表示変化
は感じられなかった。一方、サンプル♯9bとサンプル
♯9cは、明度の高い方位である6時方位及び12時方
位の表示にコントラスト比の悪化が観察された。
【0214】これは、液晶表示変調層(液晶層1)のも
っとも視認性の優れた視野角方位は、異なるθ3の値に
対して異なっていることを示している。また、この視認
性の良好な方位を上記の光反射板の異方性凹凸形状の明
度の高い方位に一致させたサンプル♯9a及びサンプル
♯9dによって、本発明の偏光板と光学位相差補償板と
液晶変調層(液晶層)の高いコントラスト比を生かした
高品位表示が可能になった。
【0215】なお、本発明の液晶表示装置の主たる使用
環境にあわせて本実施例で用いた光反射板の異方性凹凸
形状の方位を他の方位に設定することも可能であり、か
つ、その場合には液晶配向と偏光板および光学位相差補
償板の設定角を同様に高明度な方位に傾斜視野角特性の
良好な方位に向けることが同様の効果をもたらすことは
言うまでもない。
【0216】〔実施例10〕次に、実施例10として、
本発明の反射型液晶表示装置の主な利用分野である携帯
機器における情報入力手段としてのタッチパネルを用い
たタッチパネル一体型反射型液晶表示装置の実施例につ
いて説明する。
【0217】まず、本実施例で用いたタッチパネルの概
略構成を、その要部断面図である図22に示す。図22
に示すように、このタッチパネル31は、押圧位置検出
用の透明電極30が形成された支持基板28と、押圧位
置検出用の透明電極29が形成された可動基板27と
が、空隙を介して、透明電極29,30が対向するよう
にして配置されて構成される平面状感圧素子である。な
お、可動基板27および支持基板28ともに複屈折を持
たないものを用いた。
【0218】本実施例の概略構造を図23の要部断面図
に示す。図23に示すように、本実施例のタッチパネル
一体型反射型液晶表示装置は、タッチパネル31の可動
基板27上に、光学位相差補償板8、光学位相差補償板
9、偏光板10を貼付し、これが上記実施例8の偏光板
10及び光学位相差補償板8,9の貼付されていないも
のと同様の構造の液晶駆動セルの表示面側に配置された
ものである。
【0219】このとき、液晶層1の配向方位と偏光板1
0及び光学位相差補償板8,9の配置は前述の図17に
示したと同様のもの(実施例8)であり、また、タッチ
パネル以外の構成は同様である。なお、タッチパネルの
支持基板28と反射型液晶表示装置のカラーフィルタ基
板26の間隙を一定に保つことによって押圧力伝達防止
効果を持たせるべく、空隙32を設け、押圧力緩衝部材
を用いることなく軽量にタッチパネルヘの押圧力がカラ
ーフィルタ基板26に伝わらないよう構成した。
【0220】また、比較例として、図24の要部断面図
に示すような構造のタッチパネル一体型反射型液晶表示
装置を作製した。すなわち、比較例の構造は、上記実施
例8の構造のものの偏光板10の上部に、図22に示し
たタッチパネル31を配置したものである。したがっ
て、本実施例と比較例とにおいて異なる点は、タッチパ
ネル31の配置位置だけである。
【0221】次に、これら本案施例と比較例との比較を
行った。まず、比較例のものでは、タッチパネルでの反
射光成分が直接観察されて大きく視認性を劣化させた。
この反射光は、押圧位置検出用透明電極29,30に挟
持された空隙によるものだけではなく、タッチパネル支
持基板28と偏光板10に挟持された空隙によっても生
じていた。
【0222】これに対して、本実施例のものでは、比較
例で発生したような反射光成分はまったく観察されず、
タッチパネルを用いない場合(実施例8)と同様に、非
常に良好な表示を示した。そして、本実施例のもので
は、比較例のように、タッチパネルの押圧位置検出用透
明電極29,30に挟持された空隙によるものも観察さ
れなかった。
【0223】さらに、押圧力伝達防止用空隙32とタッ
チパネル支持基板28との界面、タッチパネル支持基板
28と液晶表示装置のカラーフィルタ基板26との界面
による反射も観察されなかった。したがって、実施例1
0によれば、押圧力緩衝部材が不要で軽量で、かつ、表
示装置が入力装置の反射防止手段によるところの円偏光
状態を有効に表示に利用できる、入力装置(タッチパネ
ル)一体型反射型液晶表示装置が実現できた。
【0224】また、詳細は示さないが、タッチパネル3
1の可動基板27を省略し、光学位相差補償板8の液晶
層1側に透明電極29を直接配置して、より簡便かつ軽
量な構成が可能であった。
【0225】〔発明の第2の実施の形態〕以下に、本発
明の実施の他の形態ついて、図面を参照して説明する。
【0226】尚、説明の便宜上、前記実施の形態にて示
した部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を
付記し、その説明を省略する。
【0227】これまでは、液晶層に電圧を十分に印加し
た場合に関しては、液晶層に偏光変換作用がなく、この
ような近似の下に良好な特性が得られた例を記載した
が、さらに、液晶に印加される電圧が有限の電圧にとど
まることを考慮して、詳細な最適化を行うことが有効で
ある。
【0228】つまり、前述の図1を参照して説明する
と、液晶に印加される電圧の最大値において黒表示を実
現するが、このときの液晶は、全く基板法線方向に向い
ているのではなく、液晶の配向には基板4,5に平行な
成分が残る効果を考慮する。これを考慮した暗表示の条
件は、これまでと同様に、液晶に実用上の最大電圧を印
加した状態において、偏光板10から入射した光が、光
学位相差補償板8,9と液晶層1を共に通過した段階で
円偏光になることである。
【0229】このとき液晶層1には、実用上の最大電圧
が印加されているため、ほぼ偏光変換作用が生じない状
態になってはいるものの、液晶配向の基板に平行な成分
にしたがって若干の偏光変換作用(以後、残留位相差と
称する)が残っており、これに合わせて、光学位相差補
償板8,9をこれまでの条件から若干変更することによ
って、実用上の最大電圧で良好な暗表示が実現する。
【0230】一方、このようにして良好な暗表示を実現
するように最適化された光学位相差補償板8,9と液晶
層1の配向を用いて良好な明表示を得る条件は、同様
に、反射板3面上での偏光状態が直線偏光であることで
あるが、それを実現する液晶層1の設計パラメータは、
これまでの液晶の残留複屈折が無視できる程度に十分な
電圧が印加可能であった場合に準じている。
【0231】つまり、液晶の残留位相差に合わせて若干
の変更を受けた光学位相差補償板8,9を用いた場合、
液晶層1の設定は、変更以前の液晶層1の設定から大き
くずれることはなく、これまでの設定に基づく探索が可
能である。
【0232】図25に、本実施形態の反射型液晶表示装
置の概略構成を示す。図25に示すように、この反射型
液晶表示装置は、前述した実施の形態1の反射型液晶表
示装置において、円偏光板100における光学位相差補
償板8と基板4との間に、液晶層1の残留位相差をキャ
ンセルするために第3の光学位相差補償板101が配設
されている構成である。図26に、この反射型液晶表示
装置における3枚の光学位相差補償板8,9,101の
配置の一例を示す。
【0233】液晶層1の残留位相差は、液晶層1の設定
が本願発明に示したツイスト角の設定の中心付近である
ツイスト角70度付近では、液晶層1の基板4,5の中
央の液晶配向方向に平行な遅相軸の複屈折成分が残留す
る。これをキャンセルするには、この液晶配向と直交し
た方位に遅相軸を有する光学位相差補償板を第3の光学
位相差補償板101として配置するのが適している。そ
のリタデーションの量は、液晶に印加される最大電圧に
依存するものの、概ね10から50nm前後にすること
で、液晶層1の残留位相差をキャンセルできる。
【0234】続いて、図25の反射型液晶表示装置に対
し、視野角の改善を図り、良好な表示を実現する方法を
さらに検討する。
【0235】図25の反射型液晶表示装置では、実際に
駆動される電圧の最大値において良好な暗表示を実現
し、これによって良好な表示が得られる方法において
は、液晶層1に十分な電圧が印加された状態での液晶の
残留複屈折を補償することが有効である。
【0236】このため、液晶層1の残留複屈折を良好に
キャンセルできるような観察角度範囲を拡大することに
より、視野角の拡大が可能である。これを実現するため
には、液晶の配向の立体配置を考慮した光学位相差補償
板の使用が有効である。
【0237】図27に、液晶層1の実駆動状態における
立体配向の概略を示す。なお、この図27は、図25の
反射型液晶表示装置における液晶配向を実際より忠実に
したものである。この状態において、液晶層1を表示面
法線方向に通過する光に対しては、通常の平面内に遅相
軸方位を有する一軸性の光学位相差補償板で残留複屈折
のキャンセルが可能になるが、液晶層1を傾斜して通過
する光に関しては、さらに液晶層1の配向の傾斜を考慮
した光学位相差補償板の使用が有効である。
【0238】まず、液晶が概ね基板4,5に垂直に配向
していることから、液晶層1の屈折率は、基板法線方向
の電界に対する成分が大きくなっている。これをキャン
セルするには、第3の光学位相差補償板101の層厚方
向の電界に対する屈折率が小さいような特性を有する光
学位相差補償板が有効であり、光学位相差補償板101
を光学的に1軸性で膜厚方向の電界に対する屈折率が膜
面方向よりも小さい光学位相差補償板にすることでこれ
が実現される。さらに、前述の液晶層の層面内方向の残
留位相差をキャンセルさせるべく、光学的に2軸性の屈
折率楕円体となっていてもよい。
【0239】また、さらに厳密には、液晶配向が基板
4,5に完全には垂直でない点を考慮することが有効で
ある。特に、反射型液晶表示装置に拡散性反射膜や、表
示面に対して反射膜が傾斜して配置される場合、より一
般的に、光の方位が表示面に関して正反射方向とは異な
る方向に変更するような作用を有する反射面を用いた場
合には、液晶層1を通過して光反射膜7に達するまでの
光路と、光反射膜7から液晶層1を通過する出射時の光
路それぞれに対して液晶の残留複屈折をキャンセルさせ
ることが良好な視野角の実現には有効である。
【0240】図28によって、さらに詳細に説明する。
図28に記載したように、反射型液晶表示装置の正面方
向の観察者に対して周囲の照明光Aが用いられる場合か
ら、照明光Bが主に用いられる場合に照明環境が変化す
る場合を考える。
【0241】このとき、観察者と液晶表示装置の位置が
固定されているにもかかわらず、周囲の照明光の変化に
よって、暗表示の明度や色相が変化してしまう。これ
は、液晶層1を通過する光路の方向によって、液晶の残
留複屈折のキャンセルの程度が変化するためであり、こ
れを防止することによって、更に良好な表示を実現でき
る。
【0242】〔実施例11〕実施例11として、前述の
図25に示した構成の反射型液晶表示装置を、表6に記
載のパラメータにて作製し、2つのサンプル♯11a,
♯11bを得た。
【0243】
【表6】
【0244】各サンプル♯11a,♯11bの電圧反射
率曲線を図29に記載する。比較のため、実施例3の反
射型液晶表示装置の電圧反射率曲線を記載している。
【0245】これから、本実施例のサンプル♯11aに
おいては、明表示の反射率が若干低下するものの、良好
な暗表示が実現していることが分かる。また、サンプル
♯11bにおいては、明度の低下もなく、良好な暗表示
が実現している。
【0246】ここで、さらに、光学位相差補償板の使用
枚数を削減することによって、さらに低コストなこれら
の構成例と同様の液晶表示装置を作製することを目的
に、光学位相差補償板101と光学位相差補償板8の2
枚の作用を光学位相差補償板1枚で実現するための検討
を行った。
【0247】このとき、2枚の光学位相差補償板が遅相
軸を平行に配置して積層されている場合には、それぞれ
のリタデーションの和のリタデーションを有する1枚の
光学位相差補償板によって代替が可能であり、また、2
枚の光学位相差補償板が遅相軸を直交に配置して積層さ
れている場合には、それぞれのリタデーションの差のリ
タデーションを有する1枚の光学位相差補償板によって
代替が可能であることを利用した。
【0248】つまり、本実施例のサンプル♯11bにお
ける光学位相差補償板8と光学位相差補償板101は、
近接して積層配置され、かつ遅相軸方位が直交して配置
されているため、これら2枚の差のリタデーションを有
する光学位相差補償板1枚で代替が可能である。つま
り、光学位相差補償板8のリタデーションの変更によっ
て、サンプル♯11a,♯11b等と同様の効果が発現
する。
【0249】この効果を確かめるため、さらにサンプル
♯11c,♯11dを作製した。これらの各サンプル♯
11c,♯11dは、前述の実施の形態1の図1と同様
の断面構造を有している。各サンプル♯11c,♯11
dにおける光学位相差補償板8,9の配置を、表7に示
す。
【0250】
【表7】
【0251】各サンプル♯11c,♯11dにおける電
圧反射率曲線は、図29に示したサンプル♯11bと同
様であった。
【0252】これにより、液晶に印加される実用上の最
大電圧において、液晶の残留位相差をキャンセルするた
めの第3の光学位相差補償板を追加することによってよ
り良好な特性が実現できることが示された。さらに、2
枚の光学位相差補償板を用いる場合にも、リタデーショ
ンの調整によって、同様の効果が実現可能であることを
確認した。つまり、実施の駆動を考慮した光学位相差補
償板の追加や調整を行うことで、より良好な黒表示が実
現できることを確認した。
【0253】〔実施例12〕実施例12では、液晶層1
の残留複屈折をより多くの方位に関してキャンセル可能
となるよう、第3の光学位相差補償板101として、光
学的に1軸性の傾斜した光軸を有する光学位相差補償板
を配置し、図30に示す構成の反射型液晶表示装置を実
現し、これをサンプル♯12aとした。また、第3の光
学位相差補償板101として、2軸性光学位相差補償板
を用いた、図31に示す構成の反射型液晶表示装置を実
現し、これをサンプル♯12bとした。
【0254】この例では、光学位相差補償板101の屈
折率楕円体が基板に対して傾斜していない。
【0255】ここで、図示していないが、光の拡散性を
有するように、光反射膜7として、図16の反射型液晶
表示装置と同様の凹凸金属反射板を用いている。
【0256】また、サンプル♯12cとして、光学位相
差補償板101に正の一軸性の光学位相差補償板を用い
た以外は、サンプル♯12a,♯12bと同じ構成を有
する反射型液晶表示装置を作製した。
【0257】各サンプル♯12a〜♯12cの光学素子
の配置を表8に示す。
【0258】
【表8】
【0259】また、各サンプル♯12a〜♯12cの視
野角の評価結果を表9に記載する。
【0260】
【表9】
【0261】サンプル♯12aに用いた光学位相差補償
板101は、延伸方法の工夫によって屈折率楕円体が傾
斜したように作製され、正面方向に透過する光線に対す
るリタデーションが30nm程度になるように作製され
ている。
【0262】図30に記載のように、このフィルムは、
電界のz成分に対する屈折率のみが他のxおよびy成分
に対する屈折率よりも小さい負の一軸性を示し、かつ、
このz方向が平面状フィルムの光学位相差補償板101
の面の法線方向から傾斜している。このz方位が実用上
の最大電圧における液晶配向の方位に近くなるように配
置され、光学位相差補償板101の正面方向の光に対し
ては、x方向が遅相軸として作用する。
【0263】この光学位相差補償板101は、光学機能
層の厚みをd101 とし、図30記載のx、y、z方向の
屈折率をそれぞれnx,y,z として、(ny −nz
)d1 01 =(nx −nz )d101 =300nmであっ
た。
【0264】さらに、液晶層1の立体配向を精密にキャ
ンセルするべく、ネマティック液晶性配向や、ディスコ
ティック液晶性配向を固定化した高分子フィルムを用い
てもよいことは言うまでもない。
【0265】サンプル♯12bに用いた光学位相差補償
板101は、延伸方法の工夫によって2 軸性の屈折率楕
円体となるように作製されている。正面方向に透過する
光軸に対するリタデーションが30nm程度になるよう
に作製されている。
【0266】図31に記載のように、このフィルムは、
電界の各成分に対する屈折率は、大きいものからx成
分、y成分、z成分となる。また、(nx −ny )d
101 =30nm、(ny −nz )d101 =300nmで
あった。
【0267】表9に示したように、明表示はどれも白表
示であったが、暗表示は、良好なものから、サンプル♯
12a,♯12b,♯12cとなった。また、全体の評
価は、良好なものから、サンプル♯12a,♯12b,
♯12cの順になっていた。これは、白表示においても
特性が変動しているが、視覚的な差がないためである。
これに対して、黒表示においては、視覚的な差が大き
く、全体の評価に影響したためである。
【0268】以上のように、液晶の立体配向を考慮した
光学位相差補償板の工夫によって、良好な視野角の液晶
表示装置が実現できることを確認した。さらに、光学位
相差補償板8および9を2軸性にすることで、より良好
な暗状態が実現することを確認している。
【0269】なお、本実施例においても、実施例11の
ように、低コスト化のために、光学位相差補償板8と光
学位相差補償板101の機能を併せもつ位相差フィルム
が利用可能であることは言うまでもない。
【0270】以上説明したように、本発明の反射型液晶
表示装置によれば、光反射膜等の光反射板の反射面を液
晶層側に設置することができ、良好な暗状態を実現でき
る。よって、視差のない、高コントラストの高精細で動
画表示可能な反射型液晶表示装置が実現できる。
【0271】また、本発明の反射型液晶表示装置に高明
度に調整されたカラーフィルタを用いれば、良好な色再
現性を有した表示品位の高いカラー表示反射型液晶表示
装置を実現することができる。
【0272】
【発明の効果】本発明のタッチパネル一体型反射型液晶
表示装置によれば、反射型液晶表示装置にタッチパネル
を付加する場合に、直線偏光板と2枚の光学位相差補償
板と組み合わせたタッチパネルを配置することにより、
表示特性に悪影響を及ぼす反射光の発生を防止し、高品
位のタッチパネル一体型反射型液晶表示装置が実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による一実施形態の反射型液晶
表示装置の概略構造を示す要部断面図である。
【図2】図2は、一実施形態の偏光板と2枚の光学位相
差補償板との配置の設定方位を示す図である。
【図3】図3は、実施例1の反射型液晶表示装置におけ
る反射率を予測するための評価関数の550nmの単色
光における数値を等値線図に図示した計算結果グラフで
ある。
【図4】図4は、実施例1の反射型液晶表示装置におけ
る反射率を予測するための評価関数の視感度を考慮した
数値を等値線図に図示した計算結果グラフである。
【図5】図5は、実施例1の反射型液晶表示装置におけ
る反射率を予測するための評価関数とD65標準光源ス
ペクトルによって計算されるCIE1931色度座標の
xを等値線図に図示した計算結果グラフである。
【図6】図6は、実施例1の反射型液晶表示装置におけ
る反射率を予測するための評価関数とD65標準光源ス
ペクトルによって計算されるCIE1931色度座標の
yを等値線図に図示した計算結果グラフである。
【図7】図7は、図4、図5、図6によって良好なホワ
イトバランスと明度がともに得られる領域を示す図であ
る。
【図8】図8は、実施例3の反射型液晶表示装置の偏光
板と2枚の光学位相差補償板との配置の設定方位を示す
図である。
【図9】図9は、実施例3の反射型液晶表示装置の反射
率の電圧依存性の測定値を示す図である。
【図10】図10は、実施例3の反射型液晶表示装置の
反射率の電圧依存性を測定した測定光学系を示す配置概
念図である。
【図11】図11は、実施例4の反射型液晶表示装置の
偏光板と2枚の光学位相差補償板との配置の設定方位を
示す図である。
【図12】図12(a) 、図12 (b)はそれぞれ実施
例5の反射型液晶表示装置のサンプル♯5a,♯5bに
ついて、偏光板配置方向と2枚の光学位相差補償板の配
置方向と液晶層の液晶配向との設定方位を示す図であ
る。
【図13】図13は、実施例5の反射型液晶表示装置の
反射率の電圧依存性の測定値を示す図である。
【図14】図14は、実施例7の上基板近傍の液晶の配
向方向と観察方位を含む平面との配置の設定方位を示す
図である。
【図15】図15は、実施例7の反射型液晶表示装置を
θ4の値を変化させて目視観察した結果を示す表であ
る。
【図16】図16は、実施例8の反射型液晶表示装置の
概略構造を示す要部断面図である。
【図17】図17は、実施例8の反射型液晶表示装置の
偏光板配置方向と2枚の光学位相差補償板の配置方向と
液晶層の液晶配向との設定方位を示す図である。
【図18】図18は、実施例9の反射型液晶表示装置に
用いた光反射板の凹凸形状を示す部分拡大平面図であ
る。
【図19】図19は、実施例9の反射性電極(光反射
板)の反射特性の測定光学系の測定方位を示す概念図で
ある。
【図20】図20は、図19の測定系による実施例9の
反射性電極(光反射板)の反射特性の測定値を示す図で
ある。
【図21】図21(a)ないし図21(d)はそれぞれ
実施例9の反射型液晶表示装置のサンプル♯9a,♯9
b,♯9c,♯9dについて、偏光板配置方向と2枚の
光学位相差補償板の配置方向と液晶層の液晶配向との設
定方位を示す図である。
【図22】図22は、実施例10のタッチパネル一体型
反射型液晶表示装置に用いたタッチパネルの概略構造を
示す要部断面図である。
【図23】図23は、実施例10のタッチパネル一体型
反射型液晶表示装置の概略構造を示す要部断面図であ
る。
【図24】図24は、比較例のタッチパネル一体型反射
型液晶表示装置の概略構造を示す要部断面図である。
【図25】図25は、本発明による他の実施形態の反射
型液晶表示装置の概略構造を示す要部断面図である。
【図26】図26は、他の実施形態の偏光板と2枚の光
学位相差補償板との配置の設定方位を示す図である。
【図27】図27は、反射型液晶表示装置の液晶層の配
向の電圧による違いを示す説明図である。
【図28】図28は、反射型液晶表示装置の液晶層の配
向の方向と照明方向の関係によって視野角が変化する様
子を示す説明図である。
【図29】図29は、実施例11の反射型液晶表示装置
の反射率の電圧依存性の測定値を示す図である。
【図30】図30は、実施例12のサンプル♯12aの
構造を示す要部断面図である。
【図31】図31は、実施例12のサンプル♯12bの
構造を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1 液晶層 2,3 配向膜 4,5 基板 6 透明電極 7 光反射膜 8 光学位相差補償板 9 光学位相差補償板 10 偏光板 11 偏光板の透過軸方位 12 光学位相差補償板9の遅相軸方位 13 光学位相差補償板8の遅相軸方位 14 カラーフィルタ上に形成された配向膜近傍の液晶
分子の配向の方位 15 TFT素子基板上に形成された配向膜近傍の液晶
分子の配向の方位 16 反射型液晶表示装置 19 光反射性画素電極 23 TFT素子基板 26 カラーフィルタ基板 29,30 押圧位置検出用透明電極 31 タッチパネル 32 押圧力伝達防止用空隙
フロントページの続き (72)発明者 佐藤 孝 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H089 HA18 2H091 FA08X FA11X FA16Y FD06 KA02 KA03 KA10 LA03 LA16 LA20 LA30 5B087 AA02 AB16 CC11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも光反射手段を有する第1の基板
    と光透過性を有する第2の基板とに挟持され、誘電率異
    方性が正で、配向されたネマティック液晶からなる液晶
    層と、少なくとも1枚の直線偏光板を有し、自然光から
    左右廻りいずれかの概ね円偏光を選択的に透過する円偏
    光手段とを備え、少なくとも上記の光反射手段、液晶
    層、円偏光手段が積層配置されて構成され、前記円偏光
    手段に自然光が入射した場合に円偏光を出射する面が前
    記液晶層側に設置されるとともに、該液晶層の液晶の複
    屈折率差と液晶層厚との積が150nm以上350nm
    以下であり、かつ、該液晶層のツイスト角が45度から
    100度の範囲であるタッチパネル一体型反射型液晶表
    示装置であって、 前記円偏光手段と前記第2の基板との間に、層状の空隙
    を備えて外部からの押圧力を感知する平面状感圧素子が
    挟持されて構成されることを特徴とするタッチパネル一
    体型反射型液晶表示装置。
  2. 【請求項2】少なくとも光反射手段を有する第1の基板
    と光透過性を有する第2の基板とに挟持され、誘電率異
    方性が正で、配向されたネマティック液晶からなる液晶
    層と、少なくとも1枚の直線偏光板を有し、自然光から
    左右廻りいずれかの概ね円偏光を選択的に透過する円偏
    光手段とを備え、少なくとも上記の光反射手段、液晶
    層、円偏光手段が積層配置されて構成され、前記円偏光
    手段に自然光が入射した場合に円偏光を出射する面が前
    記液晶層側に設置されるとともに、該液晶層の液晶の複
    屈折率差と液晶層厚との積が85nm以上350nm以
    下であり、かつ、該液晶層のツイスト角が0度より大き
    く100度以下の範囲であるタッチパネル一体型反射型
    液晶表示装置であって、 前記円偏光手段と前記第2の基板との間に、層状の空隙
    を備えて外部からの押圧力を感知する平面状感圧素子が
    挟持されて構成されることを特徴とするタッチパネル一
    体型反射型液晶表示装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載のタッチパネル一
    体型反射型液晶表示装置において、 前記円偏光手段が、基板法線方向のリタデーションが1
    00nm以上180nm以下に設定された第1の光学位
    相差補償板と、基板法線方向のリタデーションが200
    nm以上360nm以下に設定された第2の光学位相差
    補償板と、直線偏光板とからなり、かつ、前記直線偏光
    板の透過軸又は吸収軸と前記第1の光学位相差補償板の
    遅相軸とのなす角度をθ1として前記直線偏光板の透過
    軸又は吸収軸と前記第2の光学位相差補償板の遅相軸と
    のなす角度をθ2としたとき|2×θ2−θ1|の値が
    35度以上55度以下であることを特徴とするタッチパ
    ネル一体型反射型液晶表示装置。
  4. 【請求項4】請求項3に記載のタッチパネル一体型反射
    型液晶表示装置において、 前記液晶層のツイスト角が60度から100度の範囲で
    あると共に、該液晶層の液晶の複屈折率差と液晶層厚と
    の積が250nm以上330nm以下であり、かつ、前
    記第2の基板近傍の液晶分子の配向方向と前記直線偏光
    板の透過軸又は吸収軸とのなす角度θ3が20度以上7
    0度以下又は110度以上150度以下であることを特
    徴とするタッチパネル一体型反射型液晶表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002328630A (ja) * 2001-02-20 2002-11-15 Sharp Corp 表示装置
KR100672656B1 (ko) 2005-05-09 2007-01-24 엘지.필립스 엘시디 주식회사 액정표시장치
JP2008171011A (ja) * 2001-02-20 2008-07-24 Sharp Corp 表示装置
US8199120B2 (en) * 2008-07-11 2012-06-12 Au Optronics Corp. Repairable touch control device and method of repairing touch control panel
WO2016104003A1 (ja) * 2014-12-26 2016-06-30 日本写真印刷株式会社 タッチパネル

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