JP2001356115A - 前処理カラム及び前処理方法 - Google Patents

前処理カラム及び前処理方法

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JP2001356115A
JP2001356115A JP2000178818A JP2000178818A JP2001356115A JP 2001356115 A JP2001356115 A JP 2001356115A JP 2000178818 A JP2000178818 A JP 2000178818A JP 2000178818 A JP2000178818 A JP 2000178818A JP 2001356115 A JP2001356115 A JP 2001356115A
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Koichi Saito
貢一 斉藤
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Cosmo Research Institute
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便な方法で作製でき、有機ハロゲン化合物
の分析を簡便に行うことができる前処理カラム、および
その前処理カラムを使用した試料中の有機ハロゲン化合
物の分析の簡便な前処理方法を提供する。 【解決手段】 内径が0.7〜1.5cmのカラムに、
試料注入側から0.25〜3gのシリカゲル層、0.5
〜6gの硫酸シリカゲル層、0.5〜3gのシリカゲル
層を設ける。有機ハロゲン化合物を含有する試料中の有
機ハロゲン化合物を有機溶媒で抽出した後、抽出物をア
ルカリ分解し、アルカリ分解後の抽出物を上記のカラム
を通して処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機ハロゲン化合
物の分析に使用できる前処理カラム、およびその前処理
カラムを使用した試料中の有機ハロゲン化合物の分析の
前処理方法に関し、さらに詳しくは、特に乳中に含まれ
る有機ハロゲン化合物の分析に使用できる前処理カラ
ム、およびその前処理カラムを使用した乳中の有機ハロ
ゲン化合物の分析の前処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ダイオキシン類の分析方法として
は、排ガスに関してはJISに規定があり、食品に関し
てはガイドラインがある。また、母乳や血液に関しては
公定法がないが、母乳については牛乳と同じとみなせる
ので、「衛生試験法・注解」(金原出版、第483頁)
に記載された方法を流用できる。しかし、これらの従来
法では、カラムに充填する充填物の層の数が多く、代表
例としては試料注入側から無水硝酸ナトリウム層、10
質量%硝酸銀シリカゲル層、シリカゲル層、22質量%
硫酸シリカゲル層、44質量%硫酸シリカゲル層、シリ
カゲル層、2質量%水酸化カリウムシリカゲル層、シリ
カゲル層からなる8層のものが知られており、カラムの
調製に労力がかかるという問題点があった。また、上記
従来法では、カラムが大型であり、そのため分析時間が
長く、必要な溶媒使用量が多いという問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、簡便な方法
で作製でき、有機ハロゲン化合物の分析を簡便に行うこ
とができる前処理カラム、およびその前処理カラムを使
用した試料中の有機ハロゲン化合物の分析の簡便な前処
理方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討を重ねた結果、前処理カラム
として、内径が0.7〜1.5cmのカラムであって、
試料注入側から0.25〜3gのシリカゲル層、0.5
〜6gの硫酸シリカゲル層、0.5〜3gのシリカゲル
層を有する前処理カラムを使用することにより、上記課
題を解決できることを見い出し、本発明を完成するに至
った。すなわち、本発明は、内径が0.7〜1.5cm
のカラムであって、試料注入側から0.25〜3gのシ
リカゲル層、0.5〜6gの硫酸シリカゲル層、0.5
〜3gのシリカゲル層を有することを特徴とする有機ハ
ロゲン化合物分析用前処理カラムを提供するものであ
る。また、本発明は、試料中の有機ハロゲン化合物を有
機溶媒で抽出した後、抽出物をアルカリ分解し、アルカ
リ分解後の抽出物を上記の前処理カラムを通して処理す
ることを特徴とする有機ハロゲン化合物分析の前処理方
法を提供するものである。また、本発明は、上記前処理
方法において、試料が動物の乳である有機ハロゲン化合
物分析の前処理方法を提供するものである。以下、本発
明を詳細に説明する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の前処理カラムは、内径が
0.7〜1.5cm、好ましくは0.8〜1.2cmの
カラムである。カラムの内側通路の断面形状は、円形、
楕円形、多角形など種々の形状が挙げられるが、通常は
円形ないしは楕円形などの略円形が好ましい。なお、カ
ラムの材質は、特に制限なく、種々の材質にすることが
でき、例えば、ガラス、ポリエチレン樹脂、ポリプロピ
レン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリブチレンテレフ
タレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などの
ポリエステル樹脂、アセテート樹脂、ポリスチレン樹脂
等の各種合成樹脂等が挙げられる。前処理カラムに充填
されている充填層は、試料注入側から0.25〜3g、
好ましくは0.3〜2gのシリカゲル層、0.5〜6
g、好ましくは0.8〜4gの硫酸シリカゲル層、0.
5〜3g、好ましくは0.6〜2gのシリカゲル層から
なる。硫酸シリカゲル層は、試料中の有機ハロゲン化合
物以外の有機物を除去する作用を有する。本発明の前処
理カラムは、硫酸シリカゲル層の前後に特定量のシリカ
ゲル層を設ける充填層の構成であるため、極性物質の除
去を行うことができ、また、硫酸シリカゲル層での有機
物の炭化を抑制できる。
【0006】上記シリカゲル層に充填されるシリカゲル
は、その平均粒径が30〜300μmの範囲が好まし
く、40〜200μmの範囲が特に好ましい。上記硫酸
シリカゲル層に充填される硫酸シリカゲルは、シリカゲ
ルに硫酸を付着させたものであり、硫酸の付着量は、2
0〜60質量%が好ましく、30〜50質量%が特に好
ましい。硫酸シリカゲルの平均粒径は、30〜300μ
mの範囲が好ましく、40〜200μmの範囲が特に好
ましい。シリカゲルは、充填する前に加熱し、活性化す
ることが好ましい。加熱温度は、100〜150℃が好
ましく、120〜140℃が特に好ましい。また、加熱
時間は、特に制限ないが、1〜5時間が好ましく、2〜
4時間が特に好ましい。本発明の前処理カラムにおいて
は、試料注入側のシリカゲル層の前に、無水硫酸ナトリ
ウム層を充填してもよい。無水硫酸ナトリウム層の充填
量は、特に制限ないが、0.5〜2gが好ましく、0.
7〜1.5gが特に好ましい。
【0007】本発明の前処理カラムは、有機ハロゲン化
合物分析用である。有機ハロゲン化合物としては、低分
子量から高分子量の種々の有機ハロゲン化合物が挙げら
れるが、ダイオキシン類、ポリ塩化ビフェニルなどの有
機塩素系化合物、ダイオキシン類の臭素体やポリ臭素化
ビフェニールなどの有機臭素系化合物等が好ましい。本
発明の前処理カラムは、特にダイオキシン類などの有機
塩素系化合物の分析用に有用である。ここで、ダイオキ
シン類とは、2,3,7,8‐四塩化ジベンゾ-p-ジオ
キシン、1,2,3,7,8‐五塩化ジベンゾ-p-ジオ
キシン、1,2,3,4,7,8‐六塩化ジベンゾ-p-
ジオキシン、1,2,3,6,7,8‐六塩化ジベンゾ
-p-ジオキシン、1,2,3,7,8,9‐六塩化ジベ
ンゾ-p-ジオキシン、1,2,3,4、6,7,8‐七
塩化ジベンゾ-p-ジオキシン、1,2,3,4,6,
7,8,9‐八塩化ジベンゾ-p-ジオキシン等のジベン
ゾ-p-ジオキシン;2,3,7,8‐四塩化ジベンゾフ
ラン、1,2,3,7,8‐五塩化ジベンゾフラン、
2,3,4,7,8‐五塩化ジベンゾフラン、1,2,
3,4,7,8‐六塩化ジベンゾフラン、1,2,3,
6,7,8‐六塩化ジベンゾフラン、1,2,3,7,
8,9‐六塩化ジベンゾフラン、2,3,4,6,7,
8‐六塩化ジベンゾフラン、1,2,3,4,6,7,
8‐七塩化ジベンゾフラン、1,2,3,4,7,8,
9‐六塩化ジベンゾフラン、1,2,3,4,6,7,
8,9‐八塩化ジベンゾフラン等のジベンゾフランなど
が挙げられる。本発明の前処理カラムは、カラムに上記
充填物を乾式、湿式などの種々の方法で充填することに
より作成できる。ここで、乾式とは、充填物をそのまま
カラムに充填する方法であり、湿式とは、充填物を分散
媒に混ぜてカラムに充填する方法である。
【0008】次に、本発明の前処理方法を説明する。本
発明の前処理方法においては、試料をカラムに通す前
に、試料中の有機ハロゲン化合物を有機溶媒で抽出した
後、抽出物をアルカリ分解する。このアルカリ分解によ
り、脂肪や硫黄成分等を分解し、除くことができる。試
料を有機溶媒で抽出する前に、試料を媒体中に溶解また
は分散させることが好ましい。試料を溶解または分散さ
せるために使用する媒体としては、水、メタノール、エ
タノール、プロパノール等のアルコール等が好適であ
り、エタノールが特に好ましい。また、水と他の媒体の
混合溶液が特に好適である。試料量と等量以上のアルコ
ールを添加することが好ましく、試料量とアルコール量
は、質量比で1:1程度が特に好ましい。アルコールの
量が少ないと、続く有機溶媒抽出の際、分離があまりよ
くない。なお、アルコールと共にシュウ酸ナトリウム、
シュウ酸カリウムなどの1種以上を加えることが好まし
い。これらのシュウ酸ナトリウム、シュウ酸カリウムな
どは、飽和水溶液として添加してもよいし、粉末として
添加してもよい。アルコールと共にシュウ酸ナトリウ
ム、シュウ酸カリウムなど併用すると、特に試料が母乳
等である場合、母乳中の脂肪球の破壊、除タンパク、有
機溶媒抽出時におけるエマルジョンの生成を抑制して、
有機層と水層との分離を助ける塩析効果を高くすること
ができる。
【0009】試料中の有機ハロゲン化合物の抽出に使用
される有機溶媒としては、ジメチルエーテル、ジエチル
エーテル、ジプロピルエーテル等のエーテル、石油エー
テル、ヘキサン、ヘプタン等の飽和炭化水素、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素などが挙げ
られる。これらの有機溶媒は、1種または2種を組合せ
て用いることができる。抽出有機溶媒の使用量は、試料
100重量部に対して50〜300重量部が好ましい。
抽出温度は、特に制限ないが、通常10〜30℃の範囲
の室温付近の温度が好ましい。本発明においては、試料
中の有機ハロゲン化合物を有機溶媒で抽出した後、抽出
物をアルカリ分解する。抽出物のアルカリ分解は、エタ
ノール等のアルコール等のアルカリを溶解することがで
きる溶媒中で行うことが好ましい。前記有機溶媒による
抽出物に、抽出用の有機溶媒が含まれている場合、この
有機溶媒がアルカリ分解時の溶媒と異なるときは、抽出
物に含まれる有機溶媒を蒸発などの手段により除去また
は減少させ、アルカリ分解用の溶媒を混合すればよい。
【0010】抽出物のアルカリ分解に使用されるアルカ
リとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのアル
カリ金属の水酸化物等が挙げられる。アルカリの使用量
は、アルカリ分解系において0.5〜2Nになるように
することが好ましい。アルカリ分解温度は、特に制限な
いが、通常10〜30℃の範囲の室温付近の温度が好ま
しい。また、アルカリ分解時間は、特に制限ないが、通
常2〜18時間が好ましい。アルカリ分解後の抽出物
は、前処理カラムを通して処理されるが、前処理カラム
を通す前に、抽出物を非水溶性溶媒で抽出することが好
ましい。非水溶性溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン等
の飽和脂肪族炭化水素が好ましい。また、抽出物の非水
溶性溶媒での抽出液は、水洗することが好ましい。さら
に、水洗後の抽出液は脱水することが好ましい。脱水
は、抽出液を無水硫酸ナトリウム等の脱水剤に接触させ
ることが好ましい。脱水剤との接触は、抽出液と脱水剤
とを混合する、脱水剤の充填層に抽出液を通すなどの方
法が好ましい。
【0011】また、抽出液は、濃縮することが好まし
い。クロマトグラフィーでの試料負荷量は、バンドの広
がりを押さえるために、出来るだけ少ない方が望まし
く、可能な限り濃縮することが望ましい。但し、濃縮し
すぎて乾固した場合沸点の低い有機ハロゲン化合物が揮
散するおそれもあるので、1〜2ml程度に濃縮するこ
とが好ましい。得られた抽出物は、本発明の前処理カラ
ムを通す。抽出物を前処理カラムに通す操作は、試料を
前処理カラムに注入し、充填物に試料を吸着させ、その
後溶媒により溶出させることにより行われる。溶媒とし
ては、上記の溶媒等が挙げられ、好ましくはヘキサン、
ヘプタン等の飽和脂肪族炭化水素などである。抽出物を
前処理カラムに通すことにより、試料中の有機ハロゲン
化合物以外の有機物を除去することができる。本発明に
より前処理された試料は、分析することにより有機ハロ
ゲン化合物を定量することができる。
【0012】分析は、目的とする有機ハロゲン化合物を
分別した後に行うことが好ましい。有機ハロゲン化合物
の分別としては、カラムクロマトグラフィー等により行
うことが好ましい。カラムクロマトグラフィーとして
は、アルミナカラムクロマトグラフィー、活性炭シリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー、またはこれらの組合せ
が好ましく、活性炭シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーが特に好ましい。分別された有機ハロゲン化合物の分
析方法としては、ガスクロマトグラフィー、質量分析な
どが挙げられる。アルミナカラムクロマトグラフィー
は、アルミナを充填したカラムクロマトグラフィーであ
る。活性炭シリカゲルカラムクロマトグラフィーは、活
性炭とシリカゲルの混合物を充填したカラムクロマトグ
ラフィーである。活性炭シリカゲル充填層の上下には、
無水硫酸ナトリウムの充填層を設けることが好ましい。
なお、これらのカラムの形状、材質等は、本発明の前処
理カラムに使用されるカラムと同様なものが使用でき
る。カラムへのアルミナ、活性炭シリカゲルの充填方法
は、上記のように乾式、湿式などの方法が挙げられる
が、アルミナカラムの充填方法は湿式が好ましく、活性
シリカゲルの充填方法は乾式が好ましい。
【0013】これらの充填カラムによる分離は、上記の
本発明の前処理カラムを通した試料を充填カラムに注入
し、、充填物に試料を吸着させ、その後分画用溶媒によ
り目的とする有機ハロゲン化合物毎に溶出させることに
より行われる。分画用溶媒としては、上記の溶媒や、ジ
クロロメタン等の塩素化炭化水素等が挙げられ、好まし
くはジクロロメタン等の塩素化炭化水素、ヘキサン、ヘ
プタン等の飽和脂肪族炭化水素などである。分画用溶媒
は、1種または2種を組合せて使用することができる。
ポリ塩化ビフェニルの分画用溶媒としては、例えば、ジ
クロロメタンとヘキサンとの混合物などが挙げられ、ダ
イオキシン類の分画用溶媒としては、例えば、トルエン
等が挙げられる。本発明の処理方法を適用して、母乳や
牛乳等の乳、魚介類や肉類等の食品、土壌、排ガス等に
含まれる有機ハロゲン化合物を分析することができる。
特に、母乳、土壌のような試料に本発明の処理方法が適
する。
【0014】
【実施例】以下に本発明を製造例、実施例により更に詳
細に説明するが、本発明はこれらによって何ら制約され
るものではない。 (製造例1) 活性炭シリカゲルカラムクロマトグラフィーの作製 ガラス製クロマトグラフィー用カラム(円筒内径:1c
m、円筒長さ:25cm)の下部に充填剤が流出するの
を防ぐために、フィルターとして石英ウールを少量詰め
た。次に、無水硫酸ナトリウム紛体を高さ1cmに充填
し、その層の上に活性炭混合シリカゲル(和光純薬製、
活性炭埋蔵シリカ コードNo.019-1194)0.
5gを充填し、さらにその層の上に無水硫酸ナトリウム
紛体を高さ1cmに充填して活性炭シリカゲルカラムク
ロマトグラフィーを作製した。
【0015】(実施例1)ガラス製クロマトグラフィー
用カラム(円筒内径:1cm、円筒長さ:25cm)の
下部に充填剤が流出するのを防ぐために、フィルターと
して石英ウールを少量詰めた。次に、予めソックスレー
抽出器を用いてヘキサンで洗浄・乾燥させておいたカラ
ムクロマトグラフィー用シリカゲル(メルク製、平均粒
径:60〜200μm)を130℃で3時間加熱し活性
化させた。このシリカゲルを1g秤量し、ヘキサンを適
量加えてスラリー状のゲルとし、これをガラス製ロート
を通してクロマトグラフィー用カラムに流し込んだ。さ
らに、ビーカー内およびクロマトグラフィー用カラム内
壁に付着したシリカゲルを、ヘキサン少量を用いて洗い
込んだ。クロマトグラフィー用カラム側面を軽くタッピ
ングして充填したシリカゲルの上面を乱さないように整
えた。次に、44質量%硫酸シリカゲル(和光純薬製)
2gを別のビーカーに秤量し、同様にヘキサンでスラリ
ーとし、クロマトグラフィー用カラムに流し込んだ。こ
の際、先に充填したシリカゲルの状面を乱さないように
注ぎ込み、積層した。さらに、ビーカー内およびクロマ
トグラフィー用カラム内壁に付着した44質量%硫酸シ
リカゲルを、ヘキサン少量を用いて洗い込み、クロマト
グラフィー用カラム側面を軽くタッピングして積層した
44質量%硫酸シリカゲルの上面が水平になるように整
えた。
【0016】次に、上記と同様なシリカゲル1gをビー
カーに秤量し、ヘキサンを適量加えてスラリー状のゲル
とし、これをガラス製ロートを通してクロマトグラフィ
ー用カラムに流し込み、44質量%硫酸シリカゲルの上
部に積層した。さらに、ビーカー内およびクロマトグラ
フィー用カラム内壁に付着したシリカゲルを、ヘキサン
少量を用いて洗い込み、クロマトグラフィー用カラム側
面を軽くタッピングして充填したシリカゲルの上面を乱
さないように整えた。次に、1gの無水硫酸ナトリウム
(PCB分析用)をガラス製ロートを通してクロマトグ
ラフィー用カラムに少しずつ添加し、続いてクロマトグ
ラフィー用カラム内壁に付着した無水硫酸ナトリムをヘ
キサン少量を用いて洗い込み、クロマトグラフィー用カ
ラム側面を軽くタッピングして充填したシリカゲルの上
面を乱さないように整えて、前処理カラムを作製した。
得られた前処理カラムを図1に示した。なお、クロマト
グラフィー用カラム下部のテフロン(登録商標)栓は、
上記充填操作中、適宜開栓して余分なヘキサンを流出さ
せた。さらに、カラム充填後にヘキサン30mlでカラ
ムを洗浄した。
【0017】(実施例2)医療グレードポリプロピレン製
チューブ(ルアーチップのシリンジ型、内容積12m
l)の下部にテフロン製フリットを敷き、シリカゲル
(平均粒径:40μm)1g、44質量%硫酸シリカゲ
ル(和光純薬製)2g、シリカゲル(平均粒径:40μ
m)0.5gを順に乾式で積層充填し、さらに、シリカ
ゲル層の上部にテフロン製フリットを敷いて蓋をし、前
処理カラムを作製した。
【0018】(実施例3)母乳中のダイオキシンの分析を
図3および図4に示す方法で行った。母乳の試料50g
を300mlの分液ロートに入れ、さらに飽和シュウ酸
ナトリウム水溶液10mlとエタノール50mlを加え
て混合し、母乳を媒体中に溶解・分散させた。次に、ジ
エチルエーテル30mlを分液ロートに加えて、1分間
激しく振とうし、さらに300mlの分液ロートに入
れ、石油エーテル30mlを加えて、1分間激しく振と
うし、ジエチルエーテル・石油エーテル混合相と水相を
分別した。水相は、さらに、ジエチルエーテル・石油エ
ーテル混合液(質量比1:1)30mlで浸透抽出し、
ジエチルエーテル・石油エーテル混合相と水相を分別し
た。分別された前者及び後者のジエチルエーテル・石油
エーテル混合相を混合し、その混合物に2質量%の塩化
ナトリウム水溶液40mlを加えて振とうして水洗し
た。ジエチルエーテル・石油エーテル混合相を分別し、
無水硫酸ナトリウムを詰めたロートに通して脱水して乾
燥し、次いでロータリーエバポレータ−により濃縮し、
脂肪の質量を測定した。
【0019】得られた濃縮脂肪に、内部標準物質として
1312の安定同位体であるダイオキシン類を添加
し、1Nの水酸化カリウムエタノール水溶液(水:エタ
ノール(質量比)=1:9)40mlを加えてよく混合
溶解させ、約12時間室温で放置し、アルカリ分解し
た。アルカリ分解されたエタノール水溶液に、ヘキサン
40mlとヘキサン洗浄水40mlを加えて、振とう抽
出し、ヘキサン相を分別し、さらにエタノール水溶液
に、ヘキサン40mlを加えて、振とう抽出し、ヘキサ
ン相を分別した。分別されたヘキサン相同士を混合し、
水洗した後、無水硫酸ナトリウムを詰めたロートに通し
て脱水し、次いでロータリーエバポレータ−により濃縮
し、約1mlの試料を調製した。得られた試料を、実施
例1で得られた前処理カラムに注入し、試料が充填剤に
しみ込み、充填剤最上部に液が残らなくなった時点で、
遅滞なくヘキサン40mlを前処理カラムに通し、溶出
させた。試料負荷時には、カラム下部からカラム内部に
満たされている溶媒を流下させた。前処理カラムによる
処理時間は平均約28分であった。得られたヘキサン溶
出液をロータリーエバポレータ−により濃縮し、約0.
5mlの前処理試料を得た。得られた前処理試料を、製
造例1で得られた活性炭シリカゲルカラムクロマトグラ
フィーに注入して、活性炭に充分吸着させて、約5〜1
5分後ジクロロメタン・ヘキサン混合液(容量比25:
75)100mlを活性炭シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーに通し、ポリ塩化ビフェニルを溶出させ、ポリ
塩化ビフェニル溶出液画分を得た。次いで、トルエン1
00mlを活性炭シリカゲルカラムクロマトグラフィー
に通し、ダイオキシン類(ポリ塩化ジベンゾ‐p‐ジオ
キシンおよびポリ塩化ジベンゾフラン)及びコプラナー
ポリ塩化ビフェニルを溶出させた。得られた溶出液をロ
ータリーエバポレーターにより濃縮し、約1mlの分析
用試料を得た。
【0020】得られた分析用試料を10mlの試験管に
移し、窒素気流中50℃で濃縮し、シリンジスパイクを
加えて50μlにしたものを試験溶液とし、高分解能ガ
スクロマトグラフィー(HRGC)と高分解能質量分析
器(HRMS)を用いて、分析した。分析は、5検体の
サンプルについて行った。その結果を、表1に示した。
【0021】
【表1】
【0022】表1における略号は以下に示すものであ
る。 TCDD:四塩化ジベンゾ-p-ジオキシン PeCDD:五塩化ジベンゾ-p-ジオキシン HxCDD:六塩化ジベンゾ-p-ジオキシン HpCDD:七塩化ジベンゾ-p-ジオキシン OCDD:八塩化ジベンゾ-p-ジオキシン TCDF:四塩化ジベンゾフラン PeCDF:五塩化ジベンゾフラン HxCDF:六塩化ジベンゾフラン HpCDF:七塩化ジベンゾフラン OCDF:八塩化ジベンゾフラン PCDD/Fs:ポリ塩化ジベンゾ-p-ジオキシン/ポ
リ塩化ジベンゾフラン TeCB:四塩化ビフェニル PeCB:五塩化ビフェニル HxCB:六塩化ビフェニル Co-PCBs:コプラナーポリ塩化ビフェニル
【0023】(比較例1)前処理カラムとして、ガラス
製クロマトグラフィー用カラム(円筒内径:2cm、円
筒長さ:35cm)の下部から石英ウールフィルター、
9gのシリカゲル層、3gの2%水酸化カリウムシリカ
ゲル層、0.9gのシリカゲル層、4.5gの44質量
%硫酸シリカゲル層、6gの22%硫酸シリカゲル層、
0.9gのシリカゲル層、3gの10%硝酸銀シリカゲ
ル層、および6gの無水硫酸ナトリウム層を詰めた前処
理カラム(図2参照)を使用し前処理カラムの洗浄溶媒
を100ml、溶出溶媒を120ml使用した以外は、
実施例3と同様にして母乳を分析した。前処理カラムに
よる処理時間は、平均約88分であった。また、使用し
た溶媒使用量は、実施例1に比べて約4倍必要であっ
た。実施例1および比較例1ともに、内部標準物質のダ
イオキシン類のクロマトグラムが一致した。従って、両
者は同様にダイオキシン類を測定できることが分かる。
上記実施例に示すように、本発明によると、従来の前処
理カラムを使用して有機ハロゲン化合物を分析する場合
に比べて、分析時間を短縮し、溶媒使用量を少なくする
ことができる。
【0024】
【発明の効果】本発明の前処理カラムは、作製が容易で
あり、本発明の前処理カラムを使用した前処理方法によ
ると、有機ハロゲン化合物を短時間で分析でき、分析に
使用する溶媒の使用量を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の前処理カラムの一実施例の概略を示し
たものである。
【図2】従来の前処理カラムの概略を示したものであ
る。
【図3】実施例3の母乳中のダイオキシンの分析方法に
おける、前処理カラムに通す前の、母乳試料の調製方法
の概略を示したものである。
【図4】実施例3の母乳中のダイオキシンの分析方法に
おける、前処理カラムに通す操作、及びその後の操作の
概略を示したものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内径が0.7〜1.5cmのカラムであっ
    て、試料注入側から0.25〜3gのシリカゲル層、
    0.5〜6gの硫酸シリカゲル層、0.5〜3gのシリ
    カゲル層を有することを特徴とする有機ハロゲン化合物
    分析用前処理カラム。
  2. 【請求項2】試料中の有機ハロゲン化合物を有機溶媒で
    抽出した後、抽出物をアルカリ分解し、アルカリ分解後
    の抽出物を請求項1記載のカラムを通して処理すること
    を特徴とする有機ハロゲン化合物分析の前処理方法。
  3. 【請求項3】試料が動物の乳である請求項2記載の有機
    ハロゲン化合物分析の前処理方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004191274A (ja) * 2002-12-13 2004-07-08 Miura Co Ltd ダイオキシン類の分析用試料採取方法
JP2007010363A (ja) * 2005-06-28 2007-01-18 Asahi Kasei Homes Kk 室内空間の換気量測定方法
JP2013213777A (ja) * 2012-04-03 2013-10-17 Yamazen Corp インジェクター及び液体クロマトグラフィの条件決定支援装置
JP2016095322A (ja) * 2016-02-22 2016-05-26 山善株式会社 液体クロマトグラフィ方法

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