JP2001354448A - 電子銃のステムと陰極線管接合用の封止用ガラスおよび電子銃のステム並びに陰極線管 - Google Patents

電子銃のステムと陰極線管接合用の封止用ガラスおよび電子銃のステム並びに陰極線管

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JP2001354448A
JP2001354448A JP2000172149A JP2000172149A JP2001354448A JP 2001354448 A JP2001354448 A JP 2001354448A JP 2000172149 A JP2000172149 A JP 2000172149A JP 2000172149 A JP2000172149 A JP 2000172149A JP 2001354448 A JP2001354448 A JP 2001354448A
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ray tube
sealing glass
stem
cathode ray
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Toshihiro Hashimoto
利弘 橋本
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】陰極線管の下端を枠状部材の内部に接合する際
に、封止用ガラス中のガラス成分とフィラー成分との反
応を防止し、長時間の真空引きを行う必要性をなくすこ
と。 【解決手段】陰極線管の電子銃取付部の開口端に電子銃
のステムを接合させるための封止用ガラス6は、ガラス
成分として酸化銀を20〜40重量%、ヨウ化銀を5〜
20重量%、五酸化燐を20〜30重量%、酸化硼素を
5〜15重量%、および酸化亜鉛を1〜6重量%含み、
フィラー成分として燐酸ジルコニウムと酸化ジルコニウ
ムと酸化ニオブとの固溶体を10〜15重量%含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビデオカメラ等に
使用されるビューファインダ等用の電子銃のステムに関
し、特に電子銃を封止用ガラスにより封止したものに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来のビューファインダ用の電子銃のス
テムについて、その基本構成を図2に示す。同図におい
て、11は高融点ガラスから成り電子銃を収納する容器
本体を構成する基体、12は基体11に形成された貫通
孔に挿通され、上下端が突出するように接合されるとと
もに、上端に電子銃が接合されるリード端子、13は基
体11の上面の周縁部に形成された溝に内接し接合され
る枠状部材である。また、16は電子銃14を内部に気
密封止し内臓する陰極線管に枠状部材13を接合するた
めの封止用ガラスを示す。これらの基体11、リード端
子12、枠状部材13、封止用ガラス16とでステムを
構成し、枠状部材13に封止用ガラス16で陰極線管1
5を接合することによって、電子銃14がステム上面に
陰極線管15内で気密に封止される。
【0003】なお、この封止用ガラス16は、酸化鉛
(PbO)を56〜66重量%、酸化硼素(B23)を
4〜14重量%、酸化珪素(SiO2)を1〜6重量
%、酸化亜鉛(ZnO)を0.5〜3重量%含むガラス
成分に、10〜20重量%のウイレマイト系化合物と1
0〜20重量%のジルコニアンシリケート系化合物とを
フィラー成分として添加したもの(軟化温度は約450
℃)を用い、気孔等の発生を低減し気孔率を1%未満と
するために、真空引き(脱泡処理)を行いながら枠状部
材13内部に溶着される。
【0004】このように、基体11、リード端子12、
枠状部材13、封止用ガラス16とで構成されるステム
の上面、即ちリード端子12の上端に、電子銃14が低
融点半田等のロウ材を介して接合される。さらに、この
電子銃14をステムと陰極線管15とで構成される内部
空間(ビューファインダ内部空間)に気密に封止する。
その際、陰極線管15の下端の開口端を枠状部材13の
枠部の嵌合溝に、封止用ガラス16を再軟化するととも
に、封止用ガラス16の脱泡処理とビューファインダ内
部の気密化のために真空引きして接合し、最終製品とし
てのビューファインダが完成する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、陰極線
管15の下端を枠状部材13に接合するために、封止用
ガラス16を軟化温度よりも若干高い約500℃程度の
温度で真空引きすると、封止用ガラス16中のガラス成
分とフィラーとが反応して封止用ガラス16の粘度が増
加し、封止用ガラス16中には多数の気孔等が発生す
る。その結果、その気孔中から不要なガスが発生してい
た。また、ビューファインダ内部を気密に封止するため
には、長時間の真空引きを必要としていたため、不要な
ガスが発生し易いものであった。
【0006】従って、本発明は上記問題点に鑑み完成さ
れたもので、その目的は、陰極線管の開口端を枠状部材
に接合する際に、封止用ガラス中のガラス成分とフィラ
ー成分との反応を防止し、長時間の真空引きを行う必要
性をなくすことである。また、長時間の真空引きを不要
とすることにより、封止用ガラスからの不要なガスの発
生も小さくでき、従ってビューファインダ等の内部を気
密に封止でき、内部の電子銃を長期間にわたり正常かつ
安定に作動させ得る電子銃のステムを提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の電子銃のステム
と陰極線管接合用の封止用ガラスは、陰極線管の電子銃
取付部の開口端に電子銃のステムを接合させるための封
止用ガラスであって、ガラス成分として酸化銀を20〜
40重量%、ヨウ化銀を5〜20重量%、五酸化燐を2
0〜30重量%、酸化硼素を5〜15重量%、および酸
化亜鉛を1〜6重量%含み、フィラー成分として燐酸ジ
ルコニウムと酸化ジルコニウムと酸化ニオブとの固溶体
を10〜15重量%含むことを特徴とする。
【0008】本発明は、このような構成により、封止用
ガラスの軟化温度を約320℃程度と非常に低くでき、
その結果陰極線管の開口端を枠状部材に接合する際に、
封止用ガラスを約350℃程度の低い温度で真空引きす
ることができ、従って封止用ガラス中のガラス成分とフ
ィラー成分とが反応することがない。その結果、封止用
ガラスの粘度の増加による気孔等の発生や、その気孔中
からのガスの発生を有効に防止できる。即ち、本発明で
は、封止用ガラスは真空引き工程の加熱により、従来に
比し粘度が低下して気孔が発生し難いものとなる。
【0009】また、本発明において、好ましくは、前記
封止用ガラスは気孔率が1%未満であることを特徴とす
る。これにより、気孔から発生するガスをきわめて少な
くすることができる。
【0010】本発明の電子銃のステムは、上面から下面
にかけて複数の貫通孔が形成されるとともに、前記上面
の外周側に前記貫通孔の形成領域を囲むように幅方向断
面が凹状の溝が設けられたガラス製の基体と、前記貫通
孔に挿通されて上端および下端を前記基体から突出させ
て接合され、かつ前記上端に電子銃が取着されるリード
端子と、前記溝に嵌着接合され、陰極線管の電子銃取付
部の開口端を嵌合させる嵌合溝が上面に形成された金属
製の枠状部材とを具備し、前記嵌合溝内に本発明の封止
用ガラスが溶着されていることを特徴とする。
【0011】本発明は、上記の構成により、ステムに嵌
着された枠状部材の嵌合溝に封止用ガラスを予め溶着さ
せておくことで、陰極線管にステムを接合する際に封止
用ガラスを軟化させればよく、接合の作業性が良好なも
のとなる。また、接合の際に嵌合溝に封止用ガラスを充
填して加熱溶融させる場合と比較して、真空引き工程で
封止用ガラス内部の気孔中のガスが膨張し気孔が大きく
なり大きくなった気孔同士が結合してさらに大きな気孔
を形成するといったことが発生し難くなり、その結果電
子銃内部の気密信頼性および電子銃内部の真空度を維持
できるという効果も有する。
【0012】本発明の陰極線管は、上記本発明のステム
の前記嵌合溝に陰極線管の電子銃取付部の開口端を嵌合
させるとともに、前記封止用ガラスを加熱軟化させて接
合したことを特徴とする。
【0013】このような構成により、ステムと陰極線管
とを接合するときの真空引き工程で封止用ガラスから不
要なガスが発生することがないため、陰極線管内部に不
要なガスが滞留、付着等して性能を劣化させることがな
くなる。その結果、長期にわたり良好な映像を映し出す
ことのできるものとなる。また、封止用ガラス中のガラ
ス成分とフィラー成分との反応を防いで気孔の発生を抑
えることで、封止用ガラスの気孔率を1%未満に保持し
つつ、陰極線管の開口端を枠状部材に嵌着接合できるた
め、ビューファインダ等の内部の気密性を良好とでき、
電子銃を長期間にわたり正常かつ安定に作動させ得る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の封止用ガラス、ステムお
よび陰極線管について、添付の図面に基づき詳細に説明
する。図1は、本発明のテレビカメラのビューファイン
ダ用の電子銃のステムおよび陰極線管の断面図である。
同図に示すように、本発明のステムの上面に電子銃が接
合されるとともに、この電子銃を、ステムと陰極線管と
で形成される内部空間(ビューファインダ内部空間)に
気密に封止するために、陰極線管の電子銃取付部(ネッ
ク部)の開口端を枠状部材の嵌合溝に封止用ガラスで接
合したものである。
【0015】同図において、1は高融点ガラスから成
り、電気的絶縁機能を有する基体、2は電子銃4と外部
電気回路とを電気的に接続するリード端子、3は基体1
と陰極線管5とを接合する封止用ガラス6を溶着する枠
状部材、6はガラスから成る封止用ガラスである。これ
ら基体1、リード端子2、枠状部材3、封止用ガラス6
とでステムが構成され、このステムの上面に電子銃4を
接合するとともに、枠状部材3上面の嵌合溝に陰極線管
5の電子銃取付部(ネック部)の開口端を封止用ガラス
6で接合し、陰極線管5の内部を気密にすることによっ
て製品としてのビューファインダが構成される。
【0016】基体1は上面から下面にかけて複数の貫通
孔1aが形成されるとともに、基体1の上面の外周側に
貫通孔1aを囲むように形成された、幅方向断面が凹状
の溝1bを有し、電子銃4をリード端子2を介して支持
する支持部材として機能する。
【0017】この基体1は酸化珪素(SiO2)、酸化
アルミニウム(Al23)、酸化バリウム(BaO)、
酸化硼素(B23)、酸化ナトリウム(Na2O)、酸
化カリウム(K2O)、酸化リチウム(Li2O)等の高
融点ガラスから成る粉末を所望の型にプレス成型して焼
結したものであり、約680℃程度の軟化温度を有する
とともに、約9.2×10-6/℃の熱膨張係数を有す
る。
【0018】また、この基体1の貫通孔1aには、予め
表面に酸化被膜処理を施したリード端子2が挿通され、
その上端および下端を基体1から突出させて、基体1と
酸化被膜とが拡散接合により接合される。
【0019】また、この基体1の溝1bには、予め表面
に酸化被膜処理を施した枠状部材3が、リード端子2と
同様に拡散接合によって接合され、この枠状部材3を介
して陰極線管5が接合される。
【0020】このリード端子2は、その上端に電子銃4
が錫(Sn)−鉛(Pb)半田等の低融点半田を介して
接合されるとともに、下端には外部電気回路(図示せ
ず)が電気的に接続され、電子銃4に電気的な入出力を
行う部材として機能する。
【0021】また、このリード端子2は、ニッケル(N
i)−クロム(Cr)−鉄(Fe)合金等の金属材料か
ら成り、その熱膨張係数を基体1に近似させ熱膨張差に
よる歪みを極めて小さくし、それらの接合を強固なもの
とするために、特に約9.5×10-6/℃の熱膨張係数
を有する42Ni−6Cr−Fe合金を用るのが好適で
ある。
【0022】一方、このリード端子2同様、基体1に拡
散接合される枠状部材3も、その熱膨張係数を基体1に
近似させるため、特に42Ni−6Cr−Fe合金を用
いるのがよい。
【0023】この枠状部材3の嵌合溝には、枠状部材3
と陰極線管5とを接合するとともに、ビューファインダ
内部を気密に封止するための封止部材として、枠状部材
3の嵌合溝の内周面の酸化被膜を介して封止用ガラス6
が予め溶着される。
【0024】この封止用ガラス6は、ガラス成分とし
て、酸化銀(AgO)を20〜40重量%、ヨウ化銀
(AgI)を5〜20重量%、五酸化燐(P25)を2
0〜30重量%、酸化硼素(B23)を5〜15重量
%、酸化亜鉛(ZnO)を1〜6重量%含み、フィラー
成分として、燐酸ジルコニウム(ZrO2・P25)と
酸化ジルコニウム(ZrO2)と酸化ニオブ(Nb
25)との固溶体を10〜15重量%含んで成り、その
熱膨張係数は約8×10-6〜10×10-6/℃、また軟
化温度は約320℃程度である。
【0025】このような封止用ガラス6は、その熱膨張
係数が枠状部材3のそれに近似するため、枠状部材3に
溶着した後に発生する熱膨張差による歪みを極めて小さ
くできる。また、枠状部材3と陰極線管5を接合するた
めに封止用ガラス6を再軟化させた場合、その軟化温度
は封止用ガラス6中のガラス成分とフィラー成分とが反
応しない程度に低いため、封止用ガラス6の粘度の増加
による多数の気孔の発生が防止される。その結果、この
気孔中からガスが発生せず、封止用ガラス6中の気孔率
を1%未満に保持できるため、枠状部材3と陰極線管5
との接合を強固にできるとともに、ビューファインダ内
部の気密性を良好なものとできる。さらには、封止用ガ
ラス6を再軟化させる際の真空引きは、封止用ガラス6
の脱泡処理を行なうためではなく、ビューファインダ内
部を気密にするためだけのものとなり、真空引きの時間
を非常に短くできる。
【0026】このように封止用ガラス6は、その気孔率
を1%未満に保持しつつ、陰極線管5の開口端を枠状部
材3に接合できるため、ビューファインダ内部の気密性
を良好とでき、電子銃14を長期間にわたり正常かつ安
定に作動させ得る。
【0027】なお、封止用ガラス6中のガラス成分の1
つである酸化銀が20重量%未満の場合、ガラス成分と
フィラー成分とが反応し多数の気孔からガスが発生する
程度に軟化温度が高くなり、枠状部材3と陰極線管5と
の接合性が損なわれる傾向にある。一方、酸化銀が40
重量%を超える場合、封止用ガラス6の耐薬品性が劣化
し気密封止の信頼性が損なわれる傾向にある。
【0028】また、ヨウ化銀が5重量%未満の場合、ガ
ラス成分とフィラー成分とが反応し多数の気孔からガス
が発生する程度に軟化温度が高くなり、枠状部材3と陰
極線管5との接合性が損なわれる傾向にある。一方、ヨ
ウ化銀が20重量%を超える場合、封止用ガラス6の耐
薬品性が劣化し気密封止の信頼性が損なわれる傾向にあ
る。
【0029】また、五酸化燐が20重量%未満の場合、
ガラス成分とフィラー成分とが反応し多数の気孔からガ
スが発生する程度に軟化温度が高くなり、枠状部材3と
陰極線管5との接合性が損なわれる傾向にある。一方、
五酸化燐が30重量%を超える場合、封止用ガラス6の
耐薬品性が劣化し気密封止の信頼性が損なわれる傾向に
ある。
【0030】酸化硼素が5重量%未満の場合、封止用ガ
ラス6の結晶化が促進され気孔の低減が困難となり、枠
状部材3と陰極線管5との接合性が損なわれる傾向にあ
る。一方、酸化硼素が15重量%を超える場合、封止用
ガラス6の耐薬品性が劣化し気密封止の信頼性が損なわ
れる傾向にある。
【0031】酸化亜鉛が1重量%未満の場合、封止用ガ
ラス6の耐薬品性が劣化し気密封止の信頼性が損なわれ
る傾向にある。一方、酸化亜鉛が6重量%を超える場
合、封止用ガラス6の結晶化が促進され気孔の低減が困
難となり、枠状部材3と陰極線管5との接合性が損なわ
れる傾向にある。
【0032】また、封止用ガラス6中のフィラー成分で
ある、燐酸ジルコニウム,酸化ジルコニウムおよび酸化
ニオブの固溶体が10重量%未満の場合、封止用ガラス
6の熱膨張係数が大きくなり、一方、これが15重量%
を超える場合、封止用ガラス6の熱膨張係数は小さくな
る。このように封止用ガラス6の熱膨張係数が枠状部材
3と近似しなくなる場合には、枠状部材3の嵌合溝に溶
着した後に発生する熱膨張差による大きな歪みによって
封止用ガラス6が破損する場合がある。
【0033】かくして、本発明の電子銃のステムによれ
ば、高融点ガラスから成る基体1の貫通孔1aや溝1b
に、リード端子2と枠状部材3をそれぞれ拡散接合し、
この枠状部材3の嵌合溝に、ガラス成分として、酸化銀
を20〜40重量%、ヨウ化銀を5〜20重量%、五酸
化燐を20〜30重量%、酸化硼素を5〜15重量%、
および酸化亜鉛を1〜6重量%含み、フィラー成分とし
て燐酸ジルコニウムと酸化ジルコニウムと酸化ニオブと
の固溶体を10〜15重量%含んで成る封止用ガラス6
を溶着させる。そして、電子銃4をリード端子2上端に
接合し、その後陰極線管5の電子銃取付部の開口端を枠
状部材3の嵌合溝に嵌め込み、嵌合溝内の封止用ガラス
6を加熱軟化させて接合し、電子銃4を気密に封止す
る。これら電子銃4と陰極線管5とステムとから、最終
製品としてのテレビカメラのビューファインダ等が完成
する。
【0034】なお、本発明の封止用ガラス6は軟化温度
が非常に低いため、真空引き中の温度でガラス成分とフ
ィラー成分とが反応せず、その気孔率は1%未満を保持
でき、その結果不要なガスが発生し難いものとなる。
【0035】本発明によれば、封止用ガラス6を上記の
組成および組成比としたことから、その軟化温度を封止
用ガラス6中のガラス成分とフィラー成分とが反応しな
い程度に低くでき、かつ耐薬品性が高く、さらには結晶
化が促進されないようにすることができる。その結果、
封止用ガラス6の粘度の増加による多数の気孔の発生お
よび気孔中からのガス発生を防ぐことができ、よって封
止用ガラス6中の気孔率を1%未満に保持できる。
【0036】なお、本発明は上述の実施形態に限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれ
ば種々の変更は可能である。例えば、本発明のステムは
ビューファインダ用に限らず、他の陰極線管等用の電子
銃のステムに適用できる。また、封止用ガラス6は予め
枠状部材3の嵌合溝内に溶着されるが、陰極線管とステ
ムとの接合時に封止用ガラス6を嵌合溝内に充填し加熱
溶融させて接合してもよい。しかしながら、この場合封
止ガラス6を予め真空脱泡処理することができないた
め、真空封止の際に封止用ガラス6内部の気孔中のガス
が膨張し気孔が大きくなり、大きくなった気孔同士が結
合してさらに大きな気孔を形成し、電子銃内部の気密信
頼性を低下し、更に電子銃内部の真空度を低下させると
いう問題が発生し易いため、封止用ガラス6を予め嵌合
溝内に溶着させることが好ましい。
【0037】また、封止用ガラスが用いられるステム
は、上記実施形態では基体の上面に溝が設けられている
が、このような溝がないもの、また幅方向断面がL字状
の溝等を有する基体の場合にも、本発明の封止用ガラス
を適用することができる。さらに、金属製の枠状部材を
使用しないステムに適用してもよい。
【0038】
【発明の効果】本発明は、封止用ガラスは、ガラス成分
として酸化銀を20〜40重量%、ヨウ化銀を5〜20
重量%、五酸化燐を20〜30重量%、酸化硼素を5〜
15重量%、および酸化亜鉛を1〜6重量%含み、フィ
ラー成分として燐酸ジルコニウムと酸化ジルコニウムと
酸化ニオブとの固溶体を10〜15重量%含むことによ
り、その軟化温度を封止用ガラス中のガラス成分とフィ
ラー成分とが反応しない程度に低くでき、かつ耐薬品性
が高く、さらには結晶化が促進されないようにすること
ができる。その結果、封止用ガラスの粘度の増加による
多数の気孔の発生および気孔中からのガス発生を防止で
き、封止用ガラス中の気孔率を1%未満に保持できる。
従って、枠状部材と陰極線管との接合を強固にできると
ともに、ビューファインダ等の内部の気密性を良好なも
のとできる。さらには、封止用ガラスを再軟化させる際
の真空引きは、封止用ガラスの脱泡処理を行なうためで
はなく、ビューファインダ等の内部を気密にするためだ
けのものとなり、真空引きの時間を非常に短くできる。
【0039】また、この封止用ガラスは鉛(Pb)を含
有していないため、環境負荷物質に指定されている酸化
鉛を主成分とする従来の鉛硼酸系ガラスとは異なり、地
球環境保護の観点からも非常に優れている。
【0040】また本発明の封止用ガラスは気孔率が1%
未満であることにより、気孔から発生するガスをきわめ
て少なくすることができる。
【0041】本発明の電子銃のステムは、上面から下面
にかけて複数の貫通孔が形成されるとともに、上面の外
周側に貫通孔の形成領域を囲むように幅方向断面が凹状
の溝が設けられたガラス製の基体と、貫通孔に挿通され
て上端および下端を基体から突出させて接合され、かつ
上端に電子銃が取着されるリード端子と、溝に嵌着接合
され、陰極線管の電子銃取付部の開口端を嵌合させる嵌
合溝が上面に形成された金属製の枠状部材とを具備し、
嵌合溝内に本発明の封止用ガラスが溶着されていること
により、ステムに嵌着された枠状部材の嵌合溝に封止用
ガラスを予め溶着させておくことで、陰極線管にステム
を接合する際に封止用ガラスを軟化させればよく、接合
の作業性が良好なものとなる。また、真空引き工程で封
止用ガラス内部の気孔中のガスが膨張し気孔が大きくな
り気孔同士が結合してさらに大きな気孔を形成するとい
ったことが発生し難くなり、その結果電子銃内部の気密
信頼性および電子銃内部の真空度を維持できるという効
果も有する。
【0042】本発明の陰極線管は、本発明のステムの嵌
合溝に陰極線管の電子銃取付部の開口端を嵌合させると
ともに、封止用ガラスを加熱軟化させて接合したことに
より、ステムと陰極線管とを接合するときの真空引き工
程で封止用ガラスから不要なガスが発生することがない
ため、陰極線管内部に不要なガスが滞留、付着等して性
能を劣化させることがなくなる。その結果、長期にわた
り良好な映像を映し出すことのできるものとなる。ま
た、封止用ガラス中のガラス成分とフィラー成分との反
応を防いで気孔の発生を抑えることで、封止用ガラスの
気孔率を1%未満に保持しつつ、陰極線管の開口端を枠
状部材に嵌着接合できるため、ビューファインダ等の内
部の気密性を良好とでき、電子銃を長期間にわたり正常
かつ安定に作動させ得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のビューファインダ用の電子銃のステム
に電子銃と陰極線管とを接合したビューファインダの一
実施形態の断面図である。
【図2】従来のビューファインダ用の電子銃のステムに
電子銃と陰極線管とを接合したビューファインダの一例
を示す断面図である。
【符号の説明】
1:基体 1a:貫通孔 1b:溝 2:リード端子 3:枠状部材 4:ビューファインダ用の電子銃 5:陰極線管 6:封止用ガラス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G062 AA08 AA09 BB08 BB09 DA01 DB01 DC03 DC04 DD04 DE03 DF01 EA01 EA10 EB01 EC01 ED01 EE01 EF01 EG01 FA01 FA10 FB01 FC01 FD01 FE01 FF01 FG01 FH01 FJ01 FK01 FL01 GA01 GA10 GB01 GC01 GD01 GE01 HH01 HH03 HH04 HH05 HH07 HH09 HH11 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ05 JJ07 JJ08 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM11 MM26 NN32 PP09 5C012 AA02 5C032 AA02 FF01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陰極線管の電子銃取付部の開口端に電子銃
    のステムを接合させるための封止用ガラスであって、ガ
    ラス成分として酸化銀を20〜40重量%、ヨウ化銀を
    5〜20重量%、五酸化燐を20〜30重量%、酸化硼
    素を5〜15重量%、および酸化亜鉛を1〜6重量%含
    み、フィラー成分として燐酸ジルコニウムと酸化ジルコ
    ニウムと酸化ニオブとの固溶体を10〜15重量%含む
    ことを特徴とする電子銃のステムと陰極線管接合用の封
    止用ガラス。
  2. 【請求項2】気孔率が1%未満であることを特徴とする
    請求項1記載の封止用ガラス。
  3. 【請求項3】上面から下面にかけて複数の貫通孔が形成
    されるとともに、前記上面の外周側に前記貫通孔の形成
    領域を囲むように幅方向断面が凹状の溝が設けられたガ
    ラス製の基体と、前記貫通孔に挿通されて上端および下
    端を前記基体から突出させて接合され、かつ前記上端に
    電子銃が取着されるリード端子と、前記溝に嵌着接合さ
    れ、陰極線管の電子銃取付部の開口端を嵌合させる嵌合
    溝が上面に形成された金属製の枠状部材とを具備し、前
    記嵌合溝内に請求項1記載または請求項2記載の封止用
    ガラスが溶着されていることを特徴とする電子銃のステ
    ム。
  4. 【請求項4】請求項3記載のステムの前記嵌合溝に陰極
    線管の電子銃取付部の開口端を嵌合させるとともに、前
    記封止用ガラスを加熱軟化させて接合したことを特徴と
    する陰極線管。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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