JP2001352254A - 復号装置及び復号方法 - Google Patents

復号装置及び復号方法

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JP2001352254A
JP2001352254A JP2000172676A JP2000172676A JP2001352254A JP 2001352254 A JP2001352254 A JP 2001352254A JP 2000172676 A JP2000172676 A JP 2000172676A JP 2000172676 A JP2000172676 A JP 2000172676A JP 2001352254 A JP2001352254 A JP 2001352254A
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Japan
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data
likelihood
circuit
log
value
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JP2000172676A
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Toshiyuki Miyauchi
俊之 宮内
Masayuki Hattori
雅之 服部
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Sony Corp
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    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04LTRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
    • H04L1/00Arrangements for detecting or preventing errors in the information received
    • H04L1/004Arrangements for detecting or preventing errors in the information received by using forward error control
    • H04L1/0056Systems characterized by the type of code used
    • H04L1/0059Convolutional codes
    • H04L1/006Trellis-coded modulation
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03MCODING; DECODING; CODE CONVERSION IN GENERAL
    • H03M13/00Coding, decoding or code conversion, for error detection or error correction; Coding theory basic assumptions; Coding bounds; Error probability evaluation methods; Channel models; Simulation or testing of codes
    • H03M13/37Decoding methods or techniques, not specific to the particular type of coding provided for in groups H03M13/03 - H03M13/35
    • H03M13/39Sequence estimation, i.e. using statistical methods for the reconstruction of the original codes
    • H03M13/41Sequence estimation, i.e. using statistical methods for the reconstruction of the original codes using the Viterbi algorithm or Viterbi processors
    • H03M13/4138Sequence estimation, i.e. using statistical methods for the reconstruction of the original codes using the Viterbi algorithm or Viterbi processors soft-output Viterbi algorithm based decoding, i.e. Viterbi decoding with weighted decisions
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04LTRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
    • H04L1/00Arrangements for detecting or preventing errors in the information received
    • H04L1/004Arrangements for detecting or preventing errors in the information received by using forward error control
    • H04L1/0045Arrangements at the receiver end
    • H04L1/0054Maximum-likelihood or sequential decoding, e.g. Viterbi, Fano, ZJ algorithms

Abstract

(57)【要約】 【課題】 復号の性能を劣化させることなく、高速化を
図る。 【解決手段】 復号装置は、各ステートに到達した少な
くとも3つ以上のパスのうち、尤度の高い少なくとも2
つ以上のパスを求め、これらの少なくとも2つ以上のパ
スの中から最尤パスを選択するパス選択部130と、最
尤パスに対応するデータと準最尤パスに対応するデータ
との差分値の絶対値を求めて選択する絶対値データ選択
部160とを備える。パス選択部130は、データP,
Q,R,Sについて、いわば勝ち抜き戦に喩えられる動
作を行うことによって、データP,Q,R,Sの値の大
小を比較して最尤パスに対応するデータを選択する。ま
た、絶対値データ選択部160は、パス選択部130に
おける比較回路133乃至136により求められた比較
結果情報に基づいて、絶対値算出回路161乃至166
により算出された絶対値データの大小関係を判別する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軟出力復号を行う
復号装置及び復号方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、連接符号における内符号の復号出
力や繰り返し復号法における各繰り返し復号動作の出力
を軟出力とすることで、シンボル誤り率を小さくする研
究がなされており、それに適した復号法に関する研究が
盛んに行われている。例えば畳み込み符号等の所定の符
号を復号した際のシンボル誤り率を最小にする方法とし
ては、「Bahl, Cocke, Jelinek and Raviv, “Optimal
decoding of linear codes for minimizing symbol err
or rate”, IEEE Trans. Inf. Theory, vol. IT-20, p
p. 284-287, Mar. 1974」に記載されているBCJRア
ルゴリズムが知られている。このBCJRアルゴリズム
においては、復号結果として各シンボルを出力するので
はなく、各シンボルの尤度を出力する。このような出力
は、軟出力(soft-output)と呼ばれる。以下、このB
CJRアルゴリズムの内容について説明する。なお、以
下の説明では、図23に示すように、ディジタル情報を
図示しない送信装置が備える符号化装置201により畳
み込み符号化し、その出力を雑音のある無記憶通信路2
02を介して図示しない受信装置に入力して、この受信
装置が備える復号装置203により復号し、観測する場
合を考える。
【0003】まず、符号化装置201が備えるシフトレ
ジスタの内容を表すM個のステート(遷移状態)をm
(0,1,・・・,M−1)で表し、時刻tのステート
をStで表す。また、1タイムスロットにkビットの情
報が入力されるものとすると、時刻tにおける入力をi
t=(it1,it2,・・・,itk)で表し、入力系統を
1 T=(i1,i2,・・・,iT)で表す。このとき、
ステートm’からステートmへの遷移がある場合には、
その遷移に対応する情報ビットをi(m’,m)=(i
1(m’,m),i2(m’,m),・・・,i
k(m’,m))で表す。さらに、1タイムスロットに
nビットの符号が出力されるものとすると、時刻tにお
ける出力をxt=(xt1,xt2,・・・,xtn)で表
し、出力系統をX1 T=(x1,x2,・・・,xT)で表
す。このとき、ステートm’からステートmへの遷移が
ある場合には、その遷移に対応する符号ビットをx
(m’,m)=(x 1(m’,m),x2(m’,m),
・・・,xn(m’,m))で表す。
【0004】符号化装置201による畳み込み符号化
は、ステートS0=0から始まり、X1 Tを出力してST
0で終了するものとする。ここで、各ステート間の遷移
確率P t(m|m’)を次式(1)により定義する。
【0005】
【数1】
【0006】なお、上式(1)における右辺に示すPr
{A|B}は、Bが生じた条件の下でのAが生じる条件
付き確率である。この遷移確率Pt(m|m’)は、次
式(2)に示すように、入力iでステートm’からステ
ートmへと遷移するときに、時刻tでの入力itがiで
ある確率Pr{it=i}と等しいものである。
【0007】
【数2】
【0008】雑音のある無記憶通信路202は、X1 T
入力とし、Y1 Tを出力する。ここで、1タイムスロット
にnビットの受信値が出力されるものとすると、時刻t
における出力をyt=(yt1,yt2,・・・,ytn)で
表し、Y1 T=(y1,y2,・・・,yT)で表す。雑音
のある無記憶通信路202の遷移確率は、全てのt(1
≦t≦T)について、次式(3)に示すように、各シン
ボルの遷移確率Pr{yj|xj}を用いて定義すること
ができる。
【0009】
【数3】
【0010】ここで、次式(4)のようにλtjを定義す
る。この次式(4)に示すλtjは、Y1 Tを受信した際の
時刻tでの入力情報の尤度を表し、本来求めるべき軟出
力である。
【0011】
【数4】
【0012】BCJRアルゴリズムにおいては、次式
(5)乃至次式(7)に示すような確率αt,βt及びγ
tを定義する。なお、Pr{A;B}は、AとBとがと
もに生じる確率を表すものとする。
【0013】
【数5】
【0014】
【数6】
【0015】
【数7】
【0016】ここで、これらの確率αt,βt及びγt
内容について、符号化装置201における状態遷移図で
あるトレリスを図24を用いて説明する。同図におい
て、α t-1は、符号化開始ステートS0=0から受信値を
もとに時系列順に算出した時刻t−1における各ステー
トの通過確率に対応する。また、βtは、符号化終了ス
テートST=0から受信値をもとに時系列の逆順に算出
した時刻tにおける各ステートの通過確率に対応する。
さらに、γtは、時刻tにおける受信値と入力確率とを
もとに算出した時刻tにステート間を遷移する各枝の出
力の受信確率に対応する。
【0017】これらの確率αt,βt及びγtを用いる
と、軟出力λtjは、次式(8)のように表すことができ
る。
【0018】
【数8】
【0019】ところで、t=1,2,・・・,Tについ
て、次式(9)が成立する。
【0020】
【数9】
【0021】同様に、t=1,2,・・・,Tについ
て、次式(10)が成立する。
【0022】
【数10】
【0023】さらに、γtについて、次式(11)が成
立する。
【0024】
【数11】
【0025】したがって、復号装置203は、BCJR
アルゴリズムを適用して軟出力復号を行う場合には、こ
れらの関係に基づいて、図25に示す一連の工程を経る
ことにより軟出力λtを求める。
【0026】まず、復号装置203は、同図に示すよう
に、ステップS201において、y tを受信する毎に、
上式(9)及び上式(11)を用いて、確率αt(m)
及びγ t(m’,m)を算出する。
【0027】続いて、復号装置203は、ステップS2
02において、系列Y1 Tの全てを受信した後に、上式
(10)を用いて、全ての時刻tにおける各ステートm
について、確率βt(m)を算出する。
【0028】そして、復号装置203は、ステップS2
03において、ステップS201及びステップS202
において算出した確率αt,βt及びγtを上式(8)に
代入し、各時刻tにおける軟出力λtを算出する。
【0029】復号装置203は、このような一連の処理
を経ることによって、BCJRアルゴリズムを適用した
軟出力復号を行うことができる。
【0030】ところで、このようなBCJRアルゴリズ
ムにおいては、確率を直接値として保持して演算を行う
必要があり、積演算を含むために演算量が大きいという
問題があった。そこで、演算量を削減する手法として、
「Robertson, Villebrun andHoeher, “A comparison o
f optimal and sub-optimal MAP decoding algorithms
operating in the domain”, IEEE Int. Conf. on Comm
unications, pp. 1009-1013, June 1995」に記載されて
いるMax−Log−MAPアルゴリズム及びLog−
MAPアルゴリズム(以下、Max−Log−BCJR
アルゴリズム及びLog−BCJRアルゴリズムと称す
る。)がある。
【0031】まず、Max−Log−BCJRアルゴリ
ズムについて説明する。Max−Log−BCJRアル
ゴリズムは、確率αt,βt並びにγt、及び軟出力λt
自然対数を用いて対数表記し、次式(12)に示すよう
に、確率の積演算を対数の和演算に置き換えるととも
に、次式(13)に示すように、確率の和演算を対数の
最大値演算で近似するものである。なお、次式(13)
に示すmax(x,y)は、x,yのうち大きい値を有
するものを選択する関数である。
【0032】
【数12】
【0033】
【数13】
【0034】ここで、記載を簡略化するため、自然対数
をIと略記し、αt,βt,γt,λtの自然対数値を、そ
れぞれ、次式(14)に示すように、Iαt,Iβt,I
γt,Iλtと表すものとする。
【0035】
【数14】
【0036】Max−Log−BCJRアルゴリズムに
おいては、これらの対数尤度(loglikelihood)Iαt
Iβt,Iγtを、それぞれ、次式(15)乃至次式(1
7)に示すように近似する。ここで、次式(15)にお
ける右辺のステートm’における最大値maxは、ステ
ートmへの遷移が存在するステートm’の中で求めるも
のとし、次式(16)における右辺のステートm’にお
ける最大値maxは、ステートmからの遷移が存在する
ステートm’の中で求めるものとする。
【0037】
【数15】
【0038】
【数16】
【0039】
【数17】
【0040】また、Max−Log−BCJRアルゴリ
ズムにおいては、対数軟出力Iλtについても同様に、
次式(18)に示すように近似する。ここで、次式(1
8)における右辺第1項の最大値maxは、入力が
“1”のときにステートmへの遷移が存在するステート
m’の中で求め、第2項の最大値maxは、入力が
“0”のときにステートmへの遷移が存在するステート
m’の中で求めるものとする。
【0041】
【数18】
【0042】したがって、復号装置203は、Max−
Log−BCJRアルゴリズムを適用して軟出力復号を
行う場合には、これらの関係に基づいて、図26に示す
一連の工程を経ることにより軟出力λtを求める。
【0043】まず、復号装置203は、同図に示すよう
に、ステップS211において、y tを受信する毎に、
上式(15)及び上式(17)を用いて、対数尤度Iα
t(m)及びIγt(m’,m)を算出する。
【0044】続いて、復号装置203は、ステップS2
12において、系列Y1 Tの全てを受信した後に、上式
(16)を用いて、全ての時刻tにおける各ステートm
について、対数尤度Iβt(m)を算出する。
【0045】そして、復号装置203は、ステップS2
13において、ステップS211及びステップS212
において算出した対数尤度Iαt,Iβt及びIγtを上
式(18)に代入し、各時刻tにおける対数軟出力Iλ
tを算出する。
【0046】復号装置203は、このような一連の処理
を経ることによって、Max−Log−BCJRアルゴ
リズムを適用した軟出力復号を行うことができる。
【0047】このように、Max−Log−BCJRア
ルゴリズムは、積演算が含まれないことから、BCJR
アルゴリズムと比較して、演算量を大幅に削減すること
ができる。
【0048】つぎに、Log−BCJRアルゴリズムに
ついて説明する。Log−BCJRアルゴリズムは、M
ax−Log−BCJRアルゴリズムによる近似の精度
をより向上させたものである。具体的には、Log−B
CJRアルゴリズムは、上式(13)に示した確率の和
演算を次式(19)に示すように補正項を追加すること
で変形し、和演算の正確な対数値を求めるものである。
ここでは、このような補正をlog−sum補正と称す
るものとする。
【0049】
【数19】
【0050】ここで、上式(19)における左辺に示す
演算をlog−sum演算と称するものとし、このlo
g−sum演算の演算子を、「S. S. Pietrobon, “Imp
lemntation and performance of a turbo/MAP decode
r”, Int. J. Satellite Commun., vol. 16, pp. 23-4
6, Jan.-Feb. 1998」に記載されている記数法を踏襲
し、次式(20)に示すように、便宜上“#”(ただ
し、同論文中では、“E”。)と表すものとする。さら
に、log−sum演算の累積加算演算の演算子を、次
式(21)に示すように、“#Σ”(ただし、同論文中
では、“E”。)と表すものとする。
【0051】
【数20】
【0052】
【数21】
【0053】これらの演算子を用いると、Log−BC
JRアルゴリズムにおける対数尤度Iαt,Iβt及び対
数軟出力Iλtは、それぞれ、次式(22)乃至次式
(24)に示すように表すことができる。なお、対数尤
度Iγtは、上式(17)で表されるため、ここでは、
その記述を省略する。
【0054】
【数22】
【0055】
【数23】
【0056】
【数24】
【0057】なお、上式(22)における右辺のステー
トm’におけるlog−sum演算の累積加算演算は、
ステートmへの遷移が存在するステートm’の中で求め
るものとし、上式(23)における右辺のステートm’
におけるlog−sum演算の累積加算演算は、ステー
トmからの遷移が存在するステートm’の中で求めるも
のとする。また、上式(24)における右辺第1項のl
og−sum演算の累積加算演算は、入力が“1”のと
きにステートmへの遷移が存在するステートm’の中で
求め、第2項のlog−sum演算の累積加算演算は、
入力が“0”のときにステートmへの遷移が存在するス
テートm’の中で求めるものとする。
【0058】したがって、復号装置203は、Log−
BCJRアルゴリズムを適用して軟出力復号を行う場合
には、これらの関係に基づいて、先に図26に示した一
連の工程を経ることにより軟出力λtを求めることがで
きる。
【0059】まず、復号装置203は、同図に示すよう
に、ステップS211において、y tを受信する毎に、
上式(22)及び上式(17)を用いて、対数尤度Iα
t(m)及びIγt(m’,m)を算出する。
【0060】続いて、復号装置203は、ステップS2
12において、系列Y1 Tの全てを受信した後に、上式
(23)を用いて、全ての時刻tにおける各ステートm
について、対数尤度Iβt(m)を算出する。
【0061】そして、復号装置203は、ステップS2
13において、ステップS211及びステップS212
において算出した対数尤度Iαt,Iβt及びIγtを上
式(24)に代入し、各時刻tにおける対数軟出力Iλ
tを算出する。
【0062】復号装置203は、このような一連の処理
を経ることによって、Log−BCJRアルゴリズムを
適用した軟出力復号を行うことができる。なお、上式
(19)において、右辺第2項に示す補正項は、変数|
x−y|に対する1次元の関数で表されることから、復
号装置203は、この値を図示しないROM(Read Onl
y Memory)等にテーブルとして予め記憶させておくこと
によって、正確な確率計算を行うことができる。
【0063】このようなLog−BCJRアルゴリズム
は、Max−Log−BCJRアルゴリズムと比較する
と演算量は増えるものの積演算を含むものではなく、そ
の出力は、量子化誤差を除けば、BCJRアルゴリズム
の軟出力の対数値そのものに他ならない。
【0064】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したl
og−sum補正の方法としては、上述したように、補
正項の値をテーブル化しておく方法の他に、変数|x−
y|との関係をいわゆる2次近似により近似する2次近
似法、変数|x−y|を任意の区間に分割して各区間毎
に所定の値を与える区間分割法等がある。補正項の値を
テーブル化しておく方法を含め、これらの方法は、補正
項の値をいかに正確に求めるかといった性能を重視した
補正である。しかしながら、これらの方法は、回路規模
の増大や速度の遅延を招くといった問題があった。
【0065】そこで、log−sum補正の方法として
は、速度を重視した方法が検討されている。この方法と
しては、変数|x−y|との関係をいわゆる線形近似に
より近似する線形近似法、変数|x−y|における所定
の区間の値を所定の閾値で決定する閾値近似法がある。
【0066】線形近似法は、図27(A)に示すよう
に、曲線Cに示す関数F=log{1+e^(−|x−
y|)}を直線Lに示す線形関数で近似するものであ
る。同図においては、直線Lとして、F=−0.3(|
x−y|)+log2を用いており、この場合、約0.
1dB程度の劣化で補正項を求めることができる。
【0067】また、閾値近似法は、同図(B)に示すよ
うに、曲線Cに示す関数F=log{1+e^(−|x
−y|)}を曲線Tに示す階段関数で近似するものであ
る。同図においては、曲線Tとして、0≦|x−y|<
1の区間ではlog2を与え、|x−y|≧1の区間で
は0を与えるような関数を用いている。この場合、約
0.2dB程度の劣化で補正項を求めることができる。
【0068】このように、log−sum補正として
は、様々な方法が検討されているが、一方で、未だ改善
の余地が残るのが現状である。
【0069】また、log−sum補正を行う際に限ら
ず、上述した最大値演算を行うことによって、最も尤度
の高いパスである最尤パスを求める際にも遅延が生じ、
処理の高速化を妨げる要因となっている。
【0070】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであり、性能を劣化させることなく、高速化を図
ることができる復号装置及び復号方法を提供することを
目的とする。
【0071】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
本発明にかかる復号装置は、各ステートに少なくとも3
つ以上のパスが到達する符号化がなされて受信した軟入
力とされる受信値に基づいて任意のステートを通過する
確率を対数表記した対数尤度を求め、この対数尤度を用
いて復号を行う復号装置であって、各ステートに到達し
た少なくとも3つ以上のパスのうち、尤度の高い少なく
とも2つ以上のパスを求め、これらの少なくとも2つ以
上のパスの中から、最も尤度の高いパスである最尤パス
を選択するパス選択手段を備えることを特徴としてい
る。
【0072】このような本発明にかかる復号装置は、パ
ス選択手段によって、尤度の高い少なくとも2つ以上の
パスを求め、最尤パスを選択する。
【0073】また、上述した目的を達成する本発明にか
かる復号方法は、各ステートに少なくとも3つ以上のパ
スが到達する符号化がなされて受信した軟入力とされる
受信値に基づいて任意のステートを通過する確率を対数
表記した対数尤度を求め、この対数尤度を用いて復号を
行う復号方法であって、各ステートに到達した少なくと
も3つ以上のパスのうち、尤度の高い少なくとも2つ以
上のパスを求め、これらの少なくとも2つ以上のパスの
中から、最も尤度の高いパスである最尤パスを選択する
パス選択工程を備えることを特徴としている。
【0074】このような本発明にかかる復号方法は、パ
ス選択工程にて、尤度の高い少なくとも2つ以上のパス
を求め、最尤パスを選択する。
【0075】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した具体的な
実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明す
る。
【0076】この実施の形態は、図1に示すように、デ
ィジタル情報を図示しない送信装置が備える符号化装置
1により畳み込み符号化し、その出力を雑音のある無記
憶通信路2を介して図示しない受信装置に入力して、こ
の受信装置が備える復号装置3により復号する通信モデ
ルに適用したデータ送受信システムである。
【0077】このデータ送受信システムにおいて、復号
装置3は、符号化装置1により畳み込み符号化がなされ
た符号の復号を行うものであって、「Robertson, Ville
brunand Hoeher, “A comparison of optimal and sub-
optimal MAP decoding algorithms operating in the d
omain”, IEEE Int. Conf. on Communications, pp.100
9-1013, June 1995」に記載されているMax−Log
−MAPアルゴリズム又はLog−MAPアルゴリズム
(以下、Max−Log−BCJRアルゴリズム又はL
og−BCJRアルゴリズムと称する。)に基づく最大
事後確率(Maximum A Posteriori probability;以下、
MAPと記す。)復号を行うものとして構成され、いわ
ゆる確率αt,βt,γt、及び軟出力(soft-output)λ
tを自然対数を用いて対数表記した対数尤度(log likel
ihood)Iαt,Iβt,Iγt、及び対数軟出力Iλt
求めるものである。
【0078】なお、以下では、復号装置3は、Log−
BCJRアルゴリズムに基づくMAP復号を行い、いわ
ゆる線形近似によるlog−sum補正を行うことで対
数軟出力Iλtを求めるものとして説明する。また、以
下では、符号化装置1が備えるシフトレジスタの内容を
表すM個のステート(遷移状態)をm(0,1,・・
・,M−1)で表し、時刻tのステートをStで表す。
さらに、1タイムスロットにkビットの情報が入力され
るものとすると、時刻tにおける入力をit=(it1
t2,・・・,itk)で表し、入力系統をI1 T
(i1,i2,・・・,i T)で表す。このとき、ステー
トm’からステートmへの遷移がある場合には、その遷
移に対応する情報ビットをi(m’,m)=(i
1(m’,m),i2(m’,m),・・・,i
k(m’,m))で表す。さらにまた、1タイムスロッ
トにnビットの符号が出力されるものとすると、時刻t
における出力をxt=(xt 1,xt2,・・・,xtn)で
表し、出力系統をX1 T=(x1,x2,・・・,xT)で
表す。このとき、ステートm’からステートmへの遷移
がある場合には、その遷移に対応する符号ビットをx
(m’,m)=(x1(m’,m),x2(m’,m),
・・・,xn(m’,m))で表す。また、無記憶通信
路2は、X1 Tを入力とし、Y1 Tを出力するものとする。
ここで、1タイムスロットにnビットの受信値が出力さ
れるものとすると、時刻tにおける出力をyt
(yt1,yt2,・・・,ytn)で表し、Y1 T=(y1
2,・・・,yT)で表す。
【0079】符号化装置1は、例えば図2に示すよう
に、3つの排他的論理和回路11,13,15と、2つ
のシフトレジスタ12,14とを有し、拘束長が“4”
の畳み込み演算を行うものとして構成される。
【0080】排他的論理和回路11は、2ビットの入力
データitのうちの1ビットの入力データit1と、排他
的論理和回路15から供給されるデータとを用いて排他
的論理和演算を行い、演算結果をシフトレジスタ12に
供給する。
【0081】シフトレジスタ12は、保持している1ビ
ットのデータを排他的論理和回路13に供給し続ける。
そして、シフトレジスタ12は、クロックに同期させ
て、排他的論理和回路11から供給される1ビットのデ
ータを新たに保持し、このデータを排他的論理和回路1
3に新たに供給する。
【0082】排他的論理和回路13は、2ビットの入力
データitのうちの1ビットの入力データit2と、シフ
トレジスタ12から供給されるデータと、排他的論理和
回路15から供給されるデータとを用いて排他的論理和
演算を行い、演算結果をシフトレジスタ14に供給す
る。
【0083】シフトレジスタ14は、保持している1ビ
ットのデータを排他的論理和回路15に供給し続ける。
そして、シフトレジスタ14は、クロックに同期させ
て、排他的論理和回路13から供給される1ビットのデ
ータを新たに保持し、このデータを排他的論理和回路1
5に新たに供給する。
【0084】排他的論理和回路15は、2ビットの入力
データit1,it2と、シフトレジスタ14から供給され
るデータとを用いて排他的論理和演算を行い、演算結果
を3ビットの出力データxtのうちの1ビットの出力デ
ータxt3として外部に出力するとともに、排他的論理和
回路11,13に供給する。
【0085】このような符号化装置1は、2ビットの入
力データit1,it2を入力すると、これらの入力データ
t1,it2を、それぞれ、3ビットの出力データxt
うちの組織成分の2ビットの出力データxt1,xt2とし
て、そのまま外部に出力するとともに、入力データ
t1,it2に対して再帰的畳み込み演算を行い、演算結
果を3ビットの出力データxtのうちの1ビットの出力
データxt3として外部に出力する。すなわち、符号化装
置1は、符号化率が“2/3”の再帰的組織畳み込み演
算を行い、出力データxtを外部に出力する。
【0086】この符号化装置1におけるトレリスを記述
すると、図3に示すようになる。同図において、各パス
に付与されているラベルは、2ビットの入力データ
t1,i t2/3ビットの出力データxt1,xt2,xt3
示している。ここでは、ステートは、シフトレジスタ1
2の内容とシフトレジスタ14の内容とを順次並べたも
のであり、“00”、“10”、“01”、“11”の
ステート番号を、それぞれ、“0”、“1”、“2”、
“3”と表している。このように、符号化装置1におけ
るステート数Mは4となり、トレリスは、各ステートか
ら次時刻におけるステートへと4本のパスが到達する構
造を有する。なお、以下の説明では、各ステート番号に
対応するステートを指示する場合には、それぞれ、ステ
ート0、ステート1、ステート2、ステート3と称する
ものとする。
【0087】このような符号化装置1により符号化され
た出力データxtは、無記憶通信路2を介して受信装置
に出力される。
【0088】一方、復号装置3は、図4に示すように、
各部を制御するコントローラ31と、第1の対数尤度で
ある対数尤度Iγを算出して記憶する第1の確率算出手
段であるIγ算出・記憶回路32と、第2の対数尤度で
ある対数尤度Iαを算出して記憶する第2の確率算出手
段であるIα算出・記憶回路33と、第3の対数尤度で
ある対数尤度Iβを算出して記憶する第3の確率算出手
段であるIβ算出・記憶回路34と、対数軟出力Iλt
を算出する軟出力算出手段である軟出力算出回路35と
を備える。この復号装置3は、無記憶通信路2上で発生
したノイズの影響によりアナログ値をとり軟入力(soft
-input)とされる受信値ytから対数軟出力Iλtを求め
ることによって、符号化装置1における入力データit
を推定するものである。
【0089】コントローラ31は、Iγ算出・記憶回路
32、Iα算出・記憶回路33及びIβ算出・記憶回路
34に対して、それぞれ、コントロール信号SCγ,S
Cα及びSCβを供給し、各部の動作を制御する。
【0090】Iγ算出・記憶回路32は、コントローラ
31から供給されたコントロール信号SCγによる制御
の下に、受信値ytと、事前確率情報(a priori probab
ility information)Prtとを用いて、受信値yt
に、次式(25)に示す演算を行い、各時刻tにおける
対数尤度Iγtを算出して記憶する。すなわち、Iγ算
出・記憶回路32は、受信値yt毎に、符号の出力パタ
ーンと受信値により決定される確率γを対数表記した対
数尤度Iγを算出する。
【0091】
【数25】
【0092】なお、事前確率情報Prtは、次式(2
6)に示すように、入力データit1,it2のそれぞれが
“1”である確率Pr{it=1}又は入力データ
t1,it2のそれぞれが“0”である確率Pr{it
0}として与えられる。また、事前確率情報Prtは、
確率Pr{it=1}と確率Pr{it=0}との比の自
然対数値である対数尤度比(log likelihood ratio)を
入力し、確率Pr{it=1}と確率Pr{it=0}と
の和が“1”であることを考慮して、確率Pr{it
1}又は確率Pr{it=0}として求められてもよ
い。
【0093】
【数26】
【0094】そして、Iγ算出・記憶回路32は、記憶
した対数尤度IγtをIα算出・記憶回路33、Iβ算
出・記憶回路34及び軟出力算出回路35に供給する。
このとき、Iγ算出・記憶回路32は、Iα算出・記憶
回路33、Iβ算出・記憶回路34及び軟出力算出回路
35のそれぞれにおける処理に適した順序で対数尤度I
γtを供給する。なお、以下の説明では、Iγ算出・記
憶回路32からIα算出・記憶回路33に供給される対
数尤度IγtをIγ(α)と表し、Iγ算出・記憶回路
32からIβ算出・記憶回路34に供給される対数尤度
IγtをIγ(β1),Iγ(β2)と表し、Iγ算出
・記憶回路32から軟出力算出回路35に供給される対
数尤度IγtをIγ(λ)と表すものとする。
【0095】Iα算出・記憶回路33は、コントローラ
31から供給されたコントロール信号SCαによる制御
の下に、Iγ算出・記憶回路32から供給された対数尤
度Iγ(α)を用いて、次式(27)に示す演算を行
い、各時刻tにおける対数尤度Iαtを算出して記憶す
る。なお、次式(27)における演算子“#”は、いわ
ゆるlog−sum演算を示すものであり、入力“0”
でステートm’からステートmへと遷移するときにおけ
る対数尤度と、入力“1”でステートm’’からステー
トmへと遷移するときにおける対数尤度とのlog−s
um演算を示すものである。より具体的には、Iα算出
・記憶回路33は、次式(28)に示す演算を行うこと
によって、各時刻tにおける対数尤度Iαtを算出す
る。すなわち、Iα算出・記憶回路33は、対数尤度I
γに基づいて、受信値yt毎に、符号化開始ステートか
ら時系列順に各ステートに至る確率αを対数表記した対
数尤度Iαを算出する。そして、Iα算出・記憶回路3
3は、記憶した対数尤度Iαtを軟出力算出回路35に
供給する。このとき、Iα算出・記憶回路33は、軟出
力算出回路35における処理に適した順序で対数尤度I
αtを供給する。なお、以下の説明では、Iα算出・記
憶回路33から軟出力算出回路35に供給される対数尤
度IαtをIα(λ)と表すものとする。
【0096】
【数27】
【0097】
【数28】
【0098】Iβ算出・記憶回路34は、コントローラ
31から供給されたコントロール信号SCβによる制御
の下に、Iγ算出・記憶回路32から供給された対数尤
度Iγ(β1),Iγ(β2)を用いて、次式(29)
に示す演算を行い、各時刻における2系統の対数尤度I
βtを並列的に算出して記憶する。なお、次式(29)
における演算子“#”は、上述したように、log−s
um演算を示すものであり、入力“0”でステートm’
からステートmへと遷移するときにおける対数尤度と、
入力“1”でステートm’’からステートmへと遷移す
るときにおける対数尤度とのlog−sum演算を示す
ものである。より具体的には、Iβ算出・記憶回路34
は、次式(30)に示す演算を行うことによって、各時
刻tにおける対数尤度Iβtを算出する。すなわち、I
β算出・記憶回路34は、対数尤度Iγに基づいて、受
信値yt毎に、打ち切りステートから時系列の逆順に各
ステートに至る確率βを対数表記した対数尤度Iβを算
出する。そして、Iβ算出・記憶回路34は、記憶した
対数尤度Iβtのうち、1系統の対数尤度Iβtを軟出力
算出回路35に供給する。このとき、Iβ算出・記憶回
路34は、軟出力算出回路35における処理に適した順
序で対数尤度Iβtを供給する。なお、以下の説明で
は、Iβ算出・記憶回路34から軟出力算出回路35に
供給される対数尤度IβtをIβ(λ)と表すものとす
る。
【0099】
【数29】
【0100】
【数30】
【0101】軟出力算出回路35は、Iγ算出・記憶回
路32から供給された対数尤度Iγ(λ)と、Iα算出
・記憶回路33から供給された対数尤度Iα(λ)と、
Iβ算出・記憶回路34から供給された対数尤度Iβ
(λ)とを用いて、次式(31)に示す演算を行い、各
時刻における対数軟出力Iλtを算出して記憶する。そ
して、軟出力算出回路35は、記憶した対数軟出力Iλ
tを時系列順に並べ替えた後、外部に出力する。なお、
次式(31)における演算子“#Σ”は、上述した演算
子“#”で表されるlog−sum演算の累積加算演算
を示すものである。
【0102】
【数31】
【0103】このような復号装置3は、受信装置により
受信された軟入力の受信値ytを入力すると、Iγ算出
・記憶回路32によって、受信値ytを受信する毎に、
対数尤度Iγt(m’,m)を算出し、Iα算出・記憶
回路33によって、対数尤度Iαt(m)を算出した
後、全ての受信値ytを受信すると、Iβ算出・記憶回
路34によって、全ての時刻tにおける各ステートmに
ついて、対数尤度Iβt(m)を算出する。そして、復
号装置3は、軟出力算出回路35によって、算出した対
数尤度Iαt,Iβt及びIγtを用いて、各時刻tにお
ける対数軟出力Iλtを算出する。このように、復号装
置3は、Log−BCJRアルゴリズムを適用した軟出
力復号を行うことができる。
【0104】さて、復号装置3は、Iα算出・記憶回路
33及びIβ算出・記憶回路34における対数尤度Iα
t,Iβtの算出の際の高速化を図ることができるもので
ある。回路規模を削減したものである。そこで、以下で
は、Iα算出・記憶回路33及びIβ算出・記憶回路3
4について、より具体的に詳述する。
【0105】まず、Iα算出・記憶回路33について説
明する。Iα算出・記憶回路33は、図5に示すよう
に、算出された対数尤度Iαと対数尤度の初期値Iα0
とのいずれか一方を選択するセレクタ41と、初期値I
α0又は対数尤度Iαを保持するレジスタ42と、各ス
テートにおける対数尤度Iαを算出するIα算出回路4
3と、各ステートにおける対数尤度Iαを順次保持する
RAM(Random AccessMemory)44,45と、これら
のRAM44,45から読み出した対数尤度Iαを選択
的に取り出す選択回路46とを有する。
【0106】セレクタ41は、コントローラ31から供
給されたコントロール信号SCαによる制御の下に、初
期化時には対数尤度の初期値Iα0を選択し、初期化時
以外の時にはIα算出回路43から供給される対数尤度
Iαを選択する。なお、初期化は、Iγ算出・記憶回路
32からの対数尤度Iγ(α)の出力が開始される1時
刻前の時点で行われる。ここで、復号装置3が符号化装
置1による符号化の開始時点を把握している場合には、
初期値Iα0としては、ステート0における値としてl
og1=0が与えられ、その他のステートにおける値と
してlog0=−∞が与えられる。一方、復号装置3が
符号化装置1による符号化の開始時点を把握していない
場合には、初期値Iα0としては、全てのステートに対
してlog(1/M)、ここではlog(1/4)が与
えられるが、実際には、全てのステートに対して同じ値
が与えられればよく、例えば全てのステートに対して0
が与えられてもよい。セレクタ41は、初期値Iα0
は対数尤度Iαのうちの選択した一方をレジスタ42に
供給する。
【0107】レジスタ42は、セレクタ41から供給さ
れる初期値Iα0又は対数尤度Iαを保持する。そし
て、レジスタ42は、次時刻において、保持している初
期値Iα0又は対数尤度IαをIα算出回路43及びR
AM44,45に供給する。
【0108】Iα算出回路43は、図6に示すように、
各ステートに応じた数、ここでは4つの加算比較選択回
路470,471,472,473を有する。
【0109】加算比較選択回路470,471,472
473には、それぞれ、トレリス上の遷移に基づいて、
Iγ算出・記憶回路32により算出されたトレリス上の
出力“000”、“001”、“010”、“01
1”、“100”、“101”、“110”、“11
1”に対応する枝の対数尤度Iγt[000],Iγ
t[001],Iγt[010],Iγt[011],I
γt[100],Iγt[101],Iγt[110],
Iγt[111]と、各ステートにおける1時刻前の対
数尤度Iαt-1(0),Iαt-1(1),Iα
t-1(2),Iαt-1(3)が供給される。そして、加算
比較選択回路470,471,472,473は、それぞ
れ、次時刻のステート0、ステート1、ステート2、ス
テート3における対数尤度Iαを求める。
【0110】具体的には、加算比較選択回路470は、
対数尤度Iγt[000],Iγt[101],Iγ
t[111],Iγt[010]を入力するとともに、対
数尤度Iαt-1(0),Iαt-1(1),Iα
t-1(2),Iαt-1(3)を入力し、ステート0におけ
る対数尤度Iαt(0)を求める。
【0111】また、加算比較選択回路471は、対数尤
度Iγt[011],Iγt[110],Iγt[10
0],Iγt[001]を入力するとともに、対数尤度
Iαt-1(0),Iαt-1(1),Iαt-1(2),Iα
t-1(3)を入力し、ステート1における対数尤度Iαt
(1)を求める。
【0112】さらに、加算比較選択回路472は、対数
尤度Iγt[101],Iγt[000],Iγt[01
0],Iγt[111]を入力するとともに、対数尤度
Iαt- 1(0),Iαt-1(1),Iαt-1(2),Iα
t-1(3)を入力し、ステート2における対数尤度Iαt
(2)を求める。
【0113】さらにまた、加算比較選択回路473は、
対数尤度Iγt[110],Iγt[011],Iγ
t[001],Iγt[100]を入力するとともに、対
数尤度Iαt-1(0),Iαt-1(1),Iα
t-1(2),Iαt-1(3)を入力し、ステート3におけ
る対数尤度Iαt(3)を求める。
【0114】このようなIα算出回路43は、Iγ算出
・記憶回路32から供給された対数尤度Iγ(α)と、
レジスタ42に保持されていた1時刻前の初期値Iα0
又は対数尤度Iαとを用いて、上式(27)に示した演
算、すなわち、上式(28)に示した演算を行い、次時
刻の各ステートにおける対数尤度Iαを算出する。Iα
算出回路43は、算出した対数尤度Iαをセレクタ41
に供給する。なお、加算比較選択回路470,471,4
2,473については、後に詳述する。
【0115】RAM44,45は、それぞれ、コントロ
ーラ31から供給されたコントロール信号SCαによる
制御の下に、レジスタ42から供給された対数尤度Iα
(0),Iα(1),Iα(2),Iα(3)を順次保
持する。ここで、対数尤度Iα(0),Iα(1),I
α(2),Iα(3)のビット数を、それぞれ、例えば
8ビットとすると、RAM44,45は、それぞれ、3
2ビットを1ワードとして、対数尤度Iα(0),Iα
(1),Iα(2),Iα(3)を保持する。これらの
RAM44,45に保持された対数尤度Iα(0),I
α(1),Iα(2),Iα(3)は、選択回路46に
より所定の順序で読み出される。
【0116】選択回路46は、コントローラ31から供
給されたコントロール信号SCαによる制御の下に、R
AM44,45から読み出した対数尤度Iα(0),I
α(1),Iα(2),Iα(3)を選択的に取り出
し、対数尤度Iα(λ)として軟出力算出回路35に供
給する。
【0117】このようなIα算出・記憶回路33は、I
γ算出・記憶回路32からの対数尤度Iγ(α)の出力
が開始される1時刻前の時点で初期化を行い、セレクタ
41により選択された初期値Iα0をレジスタ42に保
持させる。そして、Iα算出・記憶回路33は、以後の
クロック周期において、Iα算出回路43によって、I
γ算出・記憶回路32から供給された対数尤度Iγ
(α)と、レジスタ42から供給された1時刻前の対数
尤度Iαとを用いて、次時刻における対数尤度Iαを順
次算出し、その対数尤度Iαをレジスタ42に新たに保
持させる。また、Iα算出・記憶回路33は、レジスタ
42に保持された各ステートにおける対数尤度Iα
(0),Iα(1),Iα(2),Iα(3)を順次R
AM44,45に保持させるとともに、選択回路46に
より所定の順序で読み出し、対数尤度Iα(λ)として
軟出力算出回路35に供給する。
【0118】つぎに、Iβ算出・記憶回路34について
説明する。Iβ算出・記憶回路34は、図7に示すよう
に、各ステートにおける対数尤度Iβを算出するIβ算
出回路511,512と、算出された対数尤度Iβと対数
尤度の初期値Iβa,Iβbとのいずれか一方を選択す
るセレクタ521,522と、初期値Iβa,Iβb又は
対数尤度Iβを保持するレジスタ531,532と、これ
らのレジスタ531,532から供給された対数尤度Iβ
を選択的に取り出す選択回路54とを有する。
【0119】Iβ算出回路511,512は、それぞれ、
図8に示すように、各ステートに応じた数、ここでは4
つの加算比較選択回路550,551,552,553を有
する。
【0120】加算比較選択回路550,551,552
553には、それぞれ、トレリス上の遷移に基づいて、
Iγ算出・記憶回路32により算出されたトレリス上の
出力“000”、“001”、“010”、“01
1”、“100”、“101”、“110”、“11
1”に対応する枝の対数尤度Iγt[000],Iγ
t[001],Iγt[010],Iγt[011],I
γt[100],Iγt[101],Iγt[110],
Iγt[111]と、各ステートにおける対数尤度Iβt
(0),Iβt(1),Iβt(2),Iβt(3)が供
給される。そして、加算比較選択回路550,551,5
2,553は、それぞれ、1時刻前のステート0、ステ
ート1、ステート2、ステート3における対数尤度Iβ
を求める。
【0121】具体的には、加算比較選択回路550は、
対数尤度Iγt[000],Iγt[011],Iγ
t[101],Iγt[110]を入力するとともに、対
数尤度Iβt(0),Iβt(1),Iβt(2),Iβt
(3)を入力し、ステート0における対数尤度Iβt-1
(0)を求める。
【0122】また、加算比較選択回路551は、対数尤
度Iγt[101],Iγt[110],Iγt[00
0],Iγt[011]を入力するとともに、対数尤度
Iβt(0),Iβt(1),Iβt(2),Iβt(3)
を入力し、ステート1における対数尤度Iβt-1(1)
を求める。
【0123】さらに、加算比較選択回路552は、対数
尤度Iγt[111],Iγt[100],Iγt[01
0],Iγt[001]を入力するとともに、対数尤度
Iβt(0),Iβt(1),Iβt(2),Iβt(3)
を入力し、ステート2における対数尤度Iβt-1(2)
を求める。
【0124】さらにまた、加算比較選択回路553は、
対数尤度Iγt[010],Iγt[001],Iγ
t[111],Iγt[100]を入力するとともに、対
数尤度Iβt(0),Iβt(1),Iβt(2),Iβt
(3)を入力し、ステート3における対数尤度Iβt-1
(3)を求める。
【0125】このようなIβ算出回路511,512は、
それぞれ、Iγ算出・記憶回路32から供給された対数
尤度Iγ(β1),Iγ(β2)と、レジスタ531
532に保持されていた初期値Iβa,Iβb又は対数
尤度Iβとを用いて、上式(29)に示した演算、すな
わち、上式(30)に示した演算を行い、1時刻前の各
ステートにおける対数尤度Iβを算出する。ここで、対
数尤度Iβ(0),Iβ(1),Iβ(2),Iβ
(3)のビット数は、それぞれ、例えば8ビットであ
り、総ビット数は、32ビットとなる。Iβ算出回路5
1,512は、それぞれ、算出した対数尤度Iβをセレ
クタ521,522に供給する。なお、加算比較選択回路
550,551,552,553については、後に詳述す
る。
【0126】セレクタ521,522は、それぞれ、コン
トローラ31から供給されたコントロール信号SCβに
よる制御の下に、初期化時には対数尤度の初期値Iβ
a,Iβbを選択し、初期化時以外の時にはIβ算出回
路511,512のそれぞれから供給される対数尤度Iβ
を選択する。なお、初期化は、Iγ算出・記憶回路32
からの対数尤度Iγ(β1),Iγ(β2)の出力が開
始される1時刻前の時点で行われ、以後打ち切り長の2
倍の長さの周期毎に行われる。ここで、初期値Iβa,
Iβbとしては、通常、全てのステートに対して例えば
0やlog(1/M)、ここではlog(1/4)とい
ったように、同じ値が与えられるが、終結された符号を
復号する際には、終結するステートにおける値としてl
og1=0が与えられ、その他のステートにおける値と
してlog0=−∞が与えられる。セレクタ521,5
2は、それぞれ、初期値Iβa,Iβb又は対数尤度
Iβのうちの選択した一方をレジスタ531,532に供
給する。
【0127】レジスタ531,532は、それぞれ、セレ
クタ521,522から供給される初期値Iβa,Iβb
又は対数尤度Iβを保持する。そして、レジスタ5
1,532は、それぞれ、次時刻において、保持してい
る初期値Iβa,Iβb又は対数尤度IβをIβ算出回
路511,512及び選択回路54に供給する。
【0128】選択回路54は、コントローラ31から供
給されたコントロール信号SCβによる制御の下に、レ
ジスタ531,532のそれぞれから供給された対数尤度
Iβ(0),Iβ(1),Iβ(2),Iβ(3)を選
択的に取り出し、対数尤度Iβ(λ)として軟出力算出
回路35に供給する。
【0129】このようなIβ算出・記憶回路34は、I
γ算出・記憶回路32からの対数尤度Iγ(β1)の出
力が開始される1時刻前の時点及び以後打ち切り長の2
倍の長さの周期毎に初期化を行い、セレクタ521によ
り選択された初期値Iβaをレジスタ531に保持させ
る。そして、Iβ算出・記憶回路34は、以後のクロッ
ク周期において、Iβ算出回路511によって、Iγ算
出・記憶回路32から供給された対数尤度Iγ(β1)
と、レジスタ521から供給された対数尤度Iβとを用
いて、1時刻前における対数尤度Iβを順次算出し、そ
の対数尤度Iβをレジスタ531に新たに保持させる。
【0130】また、Iβ算出・記憶回路34は、Iγ算
出・記憶回路32からの対数尤度Iγ(β2)の出力が
開始される1時刻前の時点及び以後打ち切り長の2倍の
長さの周期毎に初期化を行い、セレクタ522により選
択された初期値Iβbをレジスタ532に保持させる。
そして、Iβ算出・記憶回路34は、以後のクロック周
期において、Iβ算出回路512によって、Iγ算出・
記憶回路32から供給された対数尤度Iγ(β2)と、
レジスタ522から供給された対数尤度Iβとを用い
て、1時刻前における対数尤度Iβを順次算出し、その
対数尤度Iβをレジスタ532に新たに保持させる。そ
して、Iβ算出・記憶回路34は、レジスタ531,5
2のそれぞれに保持された各ステートにおける対数尤
度Iβ(0),Iβ(1),Iβ(2),Iβ(3)を
選択回路54により所定の順序で読み出し、対数尤度I
β(λ)として軟出力算出回路35に供給する。
【0131】さて、Iα算出・記憶回路33が有する加
算比較選択回路470,471,47 2,473と、Iβ算
出・記憶回路34が有する加算比較選択回路550,5
1,552,553について説明するが、これらの加算
比較選択回路470,471,472,473,550,5
1,552,553は、それぞれ、入力と出力が異なる
ものの同一の構成からなる。そこで、以下では、加算比
較選択回路470,471,472,473,550,5
1,552,553を、加算比較選択回路60又は加算
比較選択回路120と総称して説明する。また、以下で
は、加算比較選択回路470,471,472,473のそ
れぞれに入力される4つの対数尤度Iγ及び加算比較選
択回路550,551,552,553のそれぞれに入力さ
れる4つの対数尤度Iγを、IA,IB,IC,IDと
総称し、加算比較選択回路470,471,472,473
のそれぞれに入力される4つの対数尤度Iα及び加算比
較選択回路550,551,552,553のそれぞれに入
力される4つの対数尤度Iβを、IE,IF,IG,I
Hと総称し、加算比較選択回路470,471,472
473のそれぞれから出力される対数尤度Iα及び加算
比較選択回路550,551,552,553のそれぞれか
ら出力される対数尤度Iβを、IJと総称して説明す
る。なお、以下の説明では、ハードウェアとして実装す
ることを考慮して、確率を0以上の値で表し、確率が低
いものほど大きな値で表すものとする。
【0132】まず、Log−BCJRアルゴリズムに基
づいて実直に実装した加算比較選択回路60について説
明する。この加算比較選択回路60は、図9に示すよう
に、2つのデータを加算する加算器61,62,69,
70と、これらの加算器61,62及び加算器69,7
0からの出力の大小を比較する比較回路63,71と、
加算器61,62及び加算器69,70のそれぞれから
の出力のいずれか一方を選択するセレクタ64,72
と、Log−BCJRアルゴリズムにおける補正項の値
を算出する補正項算出回路65,73,79と、2つの
データの差分をとる差分器66,74,80と、差分器
66,74からの出力の大小を比較する比較回路77
と、差分器66,74のそれぞれからの出力のいずれか
一方を選択するセレクタ78とを有する。
【0133】加算器61は、対数尤度IA,IEを入力
し、これらの対数尤度IA,IEを加算する。例えば、
加算比較選択回路60が加算比較選択回路470の場合
には、加算器61は、対数尤度Iγt[000],対数
尤度Iαt-1(0)を入力し、これらの対数尤度Iγ
t[000],対数尤度Iαt-1(0)を加算する。加算
器61は、加算して得られたデータを比較回路63、セ
レクタ64及び補正項算出回路65に供給する。なお、
以下では、加算器61から出力されるデータをPとして
説明する。
【0134】加算器62は、対数尤度IB,IFを入力
し、これらの対数尤度IB,IFを加算する。例えば、
加算比較選択回路60が加算比較選択回路470の場合
には、加算器62は、対数尤度Iγt[101],対数
尤度Iαt-1(1)を入力し、これらの対数尤度Iγ
t[101],対数尤度Iαt-1(1)を加算する。加算
器62は、加算して得られたデータを比較回路63、セ
レクタ64及び補正項算出回路65に供給する。なお、
以下では、加算器62から出力されるデータをQとして
説明する。
【0135】比較回路63は、加算器61から供給され
たデータPの値と、加算器62から供給されたデータQ
の値との大小を比較する。比較回路63は、比較結果を
示す比較結果情報をセレクタ64に供給する。
【0136】セレクタ64は、比較回路63から供給さ
れた比較結果情報に基づいて、加算器61から供給され
たデータPと、加算器62から供給されたデータQとの
うち、値が小さいもの、すなわち、確率が高いものを選
択する。セレクタ64は、選択したデータを差分器66
に供給する。
【0137】補正項算出回路65は、加算器61から供
給されたデータPと、加算器62から供給されたデータ
Qとの差分値の絶対値を算出する絶対値算出回路67
と、この絶対値算出回路67により算出された絶対値を
用いて補正項を線形近似により算出する線形近似手段で
ある線形近似回路68とを有する。補正項算出回路65
は、Log−BCJRアルゴリズムにおける補正項の
値、すなわち、上式(28)又は上式(30)における
右辺第2項の値を算出する。具体的には、補正項算出回
路65は、補正項を、変数|P−Q|に対する1次元の
関数で表し、この関数の傾きを表す係数−a1(a1
0)と、関数の切片を表す係数b1とを用いて−a1|P
−Q|+b1の形に線形近似した値を算出する。補正項
算出回路65は、算出して得られたデータZ1を差分器
66に供給する。
【0138】差分器66は、セレクタ64により選択さ
れたデータと、補正項算出回路65から供給されたデー
タZ1との差分値を求め、この差分値を比較回路77、
セレクタ78及び補正項算出回路79に供給する。な
お、以下では、差分器66から出力されるデータをTと
して説明する。
【0139】加算器69は、対数尤度IC,IGを入力
し、これらの対数尤度IC,IGを加算する。例えば、
加算比較選択回路60が加算比較選択回路470の場合
には、加算器69は、対数尤度Iγt[111],対数
尤度Iαt-1(2)を入力し、これらの対数尤度Iγ
t[111],対数尤度Iαt-1(2)を加算する。加算
器69は、加算して得られたデータを比較回路71、セ
レクタ72及び補正項算出回路73に供給する。なお、
以下では、加算器69から出力されるデータをRとして
説明する。
【0140】加算器70は、対数尤度ID,IHを入力
し、これらの対数尤度ID,IHを加算する。例えば、
加算比較選択回路60が加算比較選択回路470の場合
には、加算器70は、対数尤度Iγt[010],対数
尤度Iαt-1(3)を入力し、これらの対数尤度Iγ
t[010],対数尤度Iαt-1(3)を加算する。加算
器70は、加算して得られたデータを比較回路71、セ
レクタ72及び補正項算出回路73に供給する。なお、
以下では、加算器70から出力されるデータをSとして
説明する。
【0141】比較回路71は、加算器69から供給され
たデータRの値と、加算器70から供給されたデータS
の値との大小を比較する。比較回路71は、比較結果を
示す比較結果情報をセレクタ72に供給する。
【0142】セレクタ72は、比較回路71から供給さ
れた比較結果情報に基づいて、加算器69から供給され
たデータRと、加算器70から供給されたデータSとの
うち、値が小さいもの、すなわち、確率が高いものを選
択する。セレクタ72は、選択したデータを差分器74
に供給する。
【0143】補正項算出回路73は、加算器69から供
給されたデータRと、加算器70から供給されたデータ
Sとの差分値の絶対値を算出する絶対値算出回路75
と、この絶対値算出回路75により算出された絶対値を
用いて補正項を線形近似により算出する線形近似手段で
ある線形近似回路76とを有する。補正項算出回路73
は、Log−BCJRアルゴリズムにおける補正項、す
なわち、上式(28)又は上式(30)における右辺第
2項の値を算出する。具体的には、補正項算出回路73
は、補正項を、変数|R−S|に対する1次元の関数で
表し、この関数の傾きを表す係数−a2(a2>0)と、
関数の切片を表す係数b2とを用いて−a2|R−S|+
2の形に線形近似した値を算出する。補正項算出回路
73は、算出して得られたデータZ2を差分器74に供
給する。
【0144】差分器74は、セレクタ72により選択さ
れたデータと、補正項算出回路73から供給されたデー
タZ2との差分値を求め、この差分値を比較回路77、
セレクタ78及び補正項算出回路79に供給する。な
お、以下では、差分器74から出力されるデータをUと
して説明する。
【0145】比較回路77は、差分器66から供給され
たデータTの値と、差分器74から供給されたデータU
の値との大小を比較する。比較回路77は、比較結果を
示す比較結果情報をセレクタ78に供給する。
【0146】セレクタ78は、比較回路77から供給さ
れた比較結果情報に基づいて、差分器66から供給され
たデータTと、差分器74から供給されたデータUとの
うち、値が小さいもの、すなわち、確率が高いものを選
択する。セレクタ78は、選択したデータを差分器80
に供給する。なお、このセレクタ78により選択された
データは、上式(28)又は上式(30)における右辺
第1項を示すものに他ならない。
【0147】補正項算出回路79は、差分器66から供
給されたデータTと、差分器74から供給されたデータ
Uとの差分値の絶対値を算出する絶対値算出回路81
と、この絶対値算出回路81により算出された絶対値を
用いて補正項を線形近似により算出する線形近似回路8
2とを有する。補正項算出回路79は、Log−BCJ
Rアルゴリズムにおける補正項、すなわち、上式(2
8)又は上式(30)における右辺第2項の値を算出す
る。具体的には、補正項算出回路79は、補正項を、変
数|T−U|に対する1次元の関数で表し、この関数の
傾きを表す係数−a 3(a3>0)と、関数の切片を表す
係数b3とを用いて−a3|T−U|+b3の形に線形近
似した値を算出する。補正項算出回路79は、算出して
得られたデータZ3を差分器80に供給する。
【0148】差分器80は、セレクタ78により選択さ
れたデータと、補正項算出回路79から供給されたデー
タZ3との差分値を求め、この差分値を対数尤度IJと
して出力する。例えば、加算比較選択回路60が加算比
較選択回路470の場合には、差分器80は、対数尤度
Iαt(0)を出力する。
【0149】ここで、このような加算比較選択回路60
における遅延量を見積もることを考える。なお、比較回
路による遅延量及び差分器による遅延量は、ともに、加
算器61,62のような通常の加算器による遅延量と同
じものとする。
【0150】加算比較選択回路60において回避できな
い遅延量は、同図から明らかなように、1つの加算器に
相当するものとして、加算器61,62,69,70に
よる遅延量と、比較回路63,71による遅延量と、差
分器66,74による遅延量と、比較回路77による遅
延量と、差分器80による遅延量とがある。また、加算
比較選択回路60において回避できない遅延量は、1つ
のセレクタに相当するものとして、セレクタ64,72
による遅延量と、セレクタ78による遅延量とがある。
すなわち、加算比較選択回路60は、少なくとも5つの
加算器分の遅延量と、2つのセレクタ分の遅延量とを有
することになる。さらに、加算比較選択回路60には、
補正項算出回路65,73,79による遅延量が加わる
ことになる。そこで、補正項算出回路65,73,79
による遅延量を見積もることを考える。
【0151】まず、絶対値算出回路67,75,81に
よる遅延量を見積もる。なお、絶対値算出回路67,7
5,81は、それぞれ、同様の構成を有することから、
ここでは、絶対値算出回路67,75,81を絶対値算
出回路90と総称して説明する。また、ここでは、絶対
値算出回路67に入力される2つのデータP,Q、絶対
値算出回路75に入力される2つのデータR,S、及び
絶対値算出回路81に入力される2つのデータT,U
を、PP,QQと総称し、絶対値算出回路67から出力
される絶対値データ|P−Q|、絶対値算出回路75か
ら出力される絶対値データ|R−S|、及び絶対値算出
回路81から出力される絶対値データ|T−U|を、|
PP−QQ|と総称して説明する。
【0152】絶対値算出回路90は、例えば図10に示
すように、前段の2つの加算器からの出力の大小を比較
する比較回路91と、2つのデータの差分をとる2つの
差分器92,93と、これらの差分器92,93のそれ
ぞれからの出力のいずれか一方を選択するセレクタ94
とを有するものとして実装することができる。
【0153】すなわち、絶対値算出回路90は、比較回
路91によって、前段の一方の加算器から供給されたデ
ータPPの値と、前段の他方の加算器から供給されたデ
ータQQの値との大小を比較する。これと同時に、絶対
値算出回路90は、差分器92によって、データPPと
データQQとの差分値(PP−QQ)を求めるととも
に、差分器93によって、データQQとデータPPとの
差分値(QQ−PP)を求める。そして、絶対値算出回
路90は、セレクタ94によって、比較回路91による
比較結果を示す比較結果情報に基づいて、差分値(PP
−QQ)と差分値(QQ−PP)とのうち、正の値を有
するものを選択し、選択した差分値を絶対値データ|P
P−QQ|として後段の線形近似回路に供給する。
【0154】このような絶対値算出回路90は、比較回
路91による処理と、差分器92,93による処理とが
並列的に行われることから、1つの加算器と1つのセレ
クタ分の遅延量を有するものと見積もることができる。
【0155】つぎに、線形近似回路68,76,82に
よる遅延量を見積もる。なお、線形近似回路68,7
6,82は、それぞれ、同様の構成を有することから、
ここでは、線形近似回路68,76,82を線形近似回
路100と総称して説明する。また、ここでは、線形近
似回路68に入力される絶対値データ|P−Q|、線形
近似回路76に入力される絶対値データ|R−S|、及
び線形近似回路82に入力される絶対値データ|T−U
|を、|PP−QQ|と総称し、線形近似回路68から
出力されるデータZ1、線形近似回路76から出力され
るデータZ2、及び線形近似回路82から出力されるデ
ータZ3を、Zと総称して説明する。
【0156】線形近似回路100は、図11に示すよう
に、曲線Cに示す関数F=log{1+e^(−|PP
−QQ|)}を直線L1,L2に示すような関数F=−a
|PP−QQ|+bで近似するいわゆる線形近似法によ
るlog−sum補正を行い、補正項の値を算出する。
このとき、線形近似回路100は、少なくとも変数|P
P−QQ|に乗算すべき関数F=−a|PP−QQ|+
bの傾きを表す係数−aを2のべき乗を用いて表現して
補正項の値を算出する。ここで、同図を参照すると、2
のべき乗を用いて表現される係数−aとしては、直線L
1に示すように、−a=−2-1=−0.5とするか、若
しくは、直線L2に示すように、−a=−2-2=−0.
25とすることが考えられる。ここでは、−a=−0.
25として説明する。この場合、線形近似回路100
は、図12に示すように、差分器101と、比較回路1
02と、セレクタ103とを有するものとして実装する
ことができる。
【0157】差分器101は、関数F=−a|PP−Q
Q|+bの切片を表す係数bと、絶対値算出回路90か
ら供給されたnビットからなる絶対値データ|PP−Q
Q|のうちの上位n−2ビットとの差分値を求め、この
差分値をセレクタ103に供給する。
【0158】比較回路102は、係数bの値と、絶対値
データ|PP−QQ|のうちの上位n−2ビットで表さ
れるデータ|PP−QQ|[n:3]の値との大小を比
較する。比較回路102は、比較結果を示す比較結果情
報をセレクタ103に供給する。
【0159】セレクタ103は、比較回路102から供
給された比較結果情報に基づいて、差分器101から供
給されたデータと、“0”とのうち、いずれか一方を選
択する。具体的には、セレクタ103は、比較回路10
2による比較の結果、|PP−QQ|[n:3]≦bで
あった場合には、差分器101から供給されたデータを
選択し、|PP−QQ|[n:3]>bであった場合に
は、“0”を選択する。セレクタ103は、選択したデ
ータを補正項を示すデータZとして、後段の差分器に供
給する。
【0160】このような線形近似回路100は、絶対値
算出回路90から供給されたnビットからなる絶対値デ
ータ|PP−QQ|の下位1ビット目から下位2ビット
目までを切り捨て、残りの上位n−2ビットで表される
データを係数bから差分する。すなわち、線形近似回路
100は、絶対値データ|PP−QQ|のうちの下位2
ビットを切り捨ててビットシフトすることによって、|
PP−QQ|を1/4=0.25倍することができ、残
りの上位n−2ビットで表されるデータを係数bから差
分することによって、結果として−0.25|PP−Q
Q|+bの演算を実現することができる。
【0161】また、線形近似回路100は、補正項が正
値であることから、比較回路102による比較の結果、
差分器101から出力されたデータの値が負であった場
合、すなわち、補正項が負値として算出された場合に
は、セレクタ103により“0”を出力することによっ
て、補正項が負値をとることを回避することができる。
【0162】なお、例えば−a=−2-1=−0.5とし
た場合には、線形近似回路100は、絶対値データ|P
P−QQ|の下位1ビットを切り捨ててビットシフトす
ればよく、係数−aを表現するべき数に応じて、絶対値
データ|PP−QQ|の下位ビットから切り捨てるよう
にすればよい。
【0163】このような線形近似回路100は、実際の
乗算器を不要とし、差分器101による処理と、比較回
路102による処理とが並列的に行われることから、1
つの加算器と1つのセレクタ分の遅延量を有するものと
見積もることができる。
【0164】さらに、線形近似回路100としては、係
数bをも2のべき乗を用いて表現して補正項の値を算出
するものも考えられる。すなわち、係数bを2m−1で
表現される値とし、−a=−0.25とした場合、線形
近似回路100は、図13に示すように、インバータ1
11と、ORゲート112と、セレクタ113とを有す
るものとして実装することができる。
【0165】インバータ111は、絶対値算出回路90
から供給されたnビットからなる絶対値データ|PP−
QQ|のうちの下位3ビット目から下位m+2ビット目
までのmビットを反転する。インバータ111は、反転
して得られたデータをセレクタ113に供給する。
【0166】ORゲート112は、絶対値算出回路90
から供給されたnビットからなる絶対値データ|PP−
QQ|のうちの下位m+3ビット目からnビット目まで
の上位n−m−2ビットの論理和をとる。ORゲート1
12は、求めた論理和をセレクタ113に供給する。
【0167】セレクタ113は、ORゲート112から
供給された論理和に基づいて、インバータ111から供
給されたデータと、“0”とのうち、いずれか一方を選
択する。具体的には、セレクタ113は、ORゲート1
12から供給された論理和が“0”であった場合には、
インバータ111から供給されたデータを選択し、OR
ゲート112から供給された論理和が“1”であった場
合には、“0”を選択する。セレクタ113は、選択し
たデータを補正項を示すデータZとして、後段の差分器
に供給する。
【0168】このような線形近似回路100は、絶対値
算出回路90から供給されたnビットからなる絶対値デ
ータ|PP−QQ|の下位1ビット目から下位2ビット
目までを切り捨て、残りの上位n−2ビットのうちの下
位3ビット目から下位m+2ビット目までのmビットを
インバータ111により反転する。これと同時に、線形
近似回路100は、ORゲート112によって、下位m
+3ビット目からnビット目までのn−m−2ビットの
論理和をとる。
【0169】すなわち、線形近似回路100は、上述し
たように、絶対値データ|PP−QQ|のうちの下位2
ビットを切り捨ててビットシフトすることによって、|
PP−QQ|を1/4=0.25倍することができる。
したがって、線形近似回路100は、絶対値データ|P
P−QQ|のうちの上位n−2ビットで表されるデータ
|PP−QQ|[n:3]、すなわち、0.25|PP
−QQ|を−1倍し、この値に2m−1で表現される係
数bを加算すればよい。
【0170】ここで、線形近似回路100による演算を
論理式で表現するために、図14(A)に示すように、
nビットからなる絶対値データ|PP−QQ|の下位2
ビットを切り捨てて得られる0.25|PP−QQ|を
A=(An,An-1,・・・,Am+3,Am+2,・・・,A
3)とし、残りの上位n−2ビットのうちの下位3ビッ
ト目から下位m+2ビット目までのmビットと、下位m
+3ビット目からnビット目までのn−m−2ビットと
を、それぞれ、A’,A’’として説明する。
【0171】まず、線形近似回路100により求めるべ
き“−0.25|PP−QQ|+2 m−1=−A+(2m
−1)”が負値をとる場合を考える。この場合、次式
(32)に示す同値関係が成立する。すなわち、“−A
+(2m−1)”が負値をとる場合には、A’’が正値
をとることになる。換言すれば、“−A+(2m
1)”が負値をとる場合には、A’’を構成する全ての
ビットの論理和が“1”となることになる。
【0172】
【数32】
【0173】一方、線形近似回路100により求めるべ
き“−0.25|PP−QQ|+2 m−1=−A+(2m
−1)”が0以上の値をとる場合を考える。この場合、
上式(32)に示した同値関係よりA’’=0であるこ
とから、次式(33)が成立する。
【0174】
【数33】
【0175】ここで、2m−1は、mビット全てが
“1”であるデータであることに着目すると、“−A’
+(2m−1)”は、同図(B)に示すように、A’の
否定で表される。
【0176】以上の議論から、線形近似回路100は、
Aの下位mビットの否定を求めればよいことになる。し
たがって、線形近似回路100は、絶対値データ|PP
−QQ|のうちの下位3ビット目から下位m+2ビット
目までのmビットで表されるデータ|PP−QQ|[m
+2:2]をインバータ111により反転することによ
って、“−0.25|PP−QQ|+2m−1”の演算
を実現することができる。
【0177】また、線形近似回路100は、ORゲート
112によって、絶対値データ|PP−QQ|のうちの
下位m+3ビット目からnビット目までのn−m−2ビ
ットで表されるデータ|PP−QQ|[m+3:n]の
論理和をとることによって、“−0.25|PP−QQ
|+2m−1”の値の正負を判断することができる。そ
のため、線形近似回路100は、補正項が正値であるこ
とから、ORゲート112による論理和が“1”であっ
た場合、すなわち、補正項が負値として算出された場合
には、セレクタ113により“0”を出力することによ
って、補正項が負値をとることを回避することができ
る。
【0178】なお、線形近似回路100は、係数aを−
-kで表現したとき、絶対値データ|PP−QQ|の下
位1ビット目から下位kビット目までを切り捨ててビッ
トシフトし、下位k+1ビット目から下位m+kビット
目までのmビットを反転することになる。例として、n
=5、m=2の場合、すなわち、“−0.25|PP−
QQ|+3”の演算を行う場合において、絶対値データ
|PP−QQ|とデータZとの関係を求めると、次表1
に示すようになる。なお、同表には、上述したA’の否
定、すなわち、インバータ111から出力されるデータ
についても示している。
【0179】
【表1】
【0180】同表に示すように、線形近似回路100
は、絶対値データ|PP−QQ|が0乃至12の範囲で
は、絶対値データ|PP−QQ|のうちの下位3ビット
目から下位2+2=4ビット目までの2ビットで表され
るデータ|PP−QQ|[4:2]をインバータ111
により反転したものをデータZとして出力し、絶対値デ
ータ|PP−QQ|が13以上の範囲では、インバータ
111からの出力が負となることから、0を出力する。
【0181】このような線形近似回路100は、実際の
乗算器及び加算器を不要とし、ビットシフトとインバー
タのみで構成することができ、1つのセレクタ分の遅延
量を有するものと見積もることができる。
【0182】以上のように、補正項算出回路65,7
3,79による遅延量は、線形近似回路68,76,8
2を図12に示すように構成することによって、2つの
加算器と2つのセレクタ分として見積もることができ、
線形近似回路68,76,82を図13に示すように構
成することによって、1つの加算器と2つのセレクタ分
にまで抑えることができる。
【0183】したがって、加算比較選択回路60におけ
る遅延量は、比較回路63,71による処理と、絶対値
算出回路67,75による処理とが並列的に行われると
ともに、比較回路77による処理と、絶対値算出回路8
1による処理とが並列的に行われることから、線形近似
回路68,76,82を図12に示すように構成した場
合には、7つの加算器と4つのセレクタ分となり、線形
近似回路68,76,82を図13に示すように構成し
た場合には、5つの加算器と4つのセレクタ分となる。
【0184】ここで、加算比較選択回路60による遅延
量をさらに小さくすることを考える。加算比較選択回路
60における処理の高速化を実現するために、尤度の高
い少なくとも2つ以上のパスを用いて補正を行う。以
下、この加算比較選択回路を上述した加算比較選択回路
120と総称して説明する。なお、ここでは、加算比較
選択回路120は、最も尤度の高いパスと2番目に尤度
の高いパスとの間だけで補正を行うものとする。
【0185】まず、補正を考える前に、最も尤度の高い
パスを高速に選択することを考える。なお、以下の説明
では、最も尤度の高いパスを最尤パスと称し、2番目に
尤度の高いパスを準最尤パスと称するものとする。
【0186】加算比較選択回路120は、データP、デ
ータQ、データR及びデータSのうち、データPの値と
データQの値との大小を比較するとともに、データRの
値とデータSの値との大小を比較する。また、加算比較
選択回路120は、これと同時に、4つのデータの全て
について、2つのデータの組み合わせ値の大小を比較
し、データPの値とデータQの値との大小の比較結果を
示す比較結果情報と、データRの値とデータSの値との
大小の比較結果を示す比較結果情報とに基づいて、選択
するパスを決定する。
【0187】具体的には、加算比較選択回路120は、
このようにパスを選択するための回路として、図15に
示すパス選択手段であるパス選択部130を有すること
により実装することができる。パス選択部130は、比
較手段である6つの比較回路131,132,133,
134,135,136と、6つのセレクタ137,1
38,139,140,141,142とを有する。
【0188】比較回路131は、上述した比較回路63
に対応するものであり、データPの値とデータQの値と
の大小を比較する。比較回路131は、比較結果を示す
比較結果情報C1をセレクタ137,139,140に
供給する。
【0189】比較回路132は、上述した比較回路71
に対応するものであり、データRの値とデータSの値と
の大小を比較する。比較回路132は、比較結果を示す
比較結果情報C2をセレクタ138,141に供給す
る。
【0190】比較回路133は、データPの値とデータ
Rの値との大小を比較する。比較回路133は、比較結
果を示す比較結果情報をセレクタ139に供給する。
【0191】比較回路134は、データQの値とデータ
Rの値との大小を比較する。比較回路134は、比較結
果を示す比較結果情報をセレクタ139に供給する。
【0192】比較回路135は、データPの値とデータ
Sの値との大小を比較する。比較回路135は、比較結
果を示す比較結果情報をセレクタ140に供給する。
【0193】比較回路136は、データQの値とデータ
Sの値との大小を比較する。比較回路136は、比較結
果を示す比較結果情報をセレクタ140に供給する。
【0194】セレクタ137は、上述したセレクタ64
に対応するものであり、比較回路131から供給された
比較結果情報C1に基づいて、データPとデータQとの
うち、値が小さいもの、すなわち、確率が高いものを選
択する。セレクタ137は、選択したデータをセレクタ
142に供給する。
【0195】セレクタ138は、上述したセレクタ72
に対応するものであり、比較回路132から供給された
比較結果情報C2に基づいて、データRとデータSとの
うち、値が小さいもの、すなわち、確率が高いものを選
択する。セレクタ138は、選択したデータをセレクタ
142に供給する。
【0196】セレクタ139は、比較回路131から供
給された比較結果情報C1に基づいて、比較回路133
から供給される比較結果情報と、比較回路134から供
給される比較結果情報とのうち、いずれか一方の比較結
果情報を選択する。具体的には、セレクタ139は、比
較回路131による比較の結果、P≦Qの場合には、比
較回路133から供給される比較結果情報を選択し、P
>Qの場合には、比較回路134から供給される比較結
果情報を選択する。セレクタ139は、選択した比較結
果情報をセレクタ141に供給する。
【0197】セレクタ140は、比較回路131から供
給された比較結果情報C1に基づいて、比較回路135
から供給される比較結果情報と、比較回路136から供
給される比較結果情報とのうち、いずれか一方の比較結
果情報を選択する。具体的には、セレクタ140は、比
較回路131による比較の結果、P≦Qの場合には、比
較回路135から供給される比較結果情報を選択し、P
>Qの場合には、比較回路136から供給される比較結
果情報を選択する。セレクタ140は、選択した比較結
果情報をセレクタ141に供給する。
【0198】セレクタ141は、比較回路132から供
給された比較結果情報C2に基づいて、セレクタ139
から供給される比較結果情報と、セレクタ140から供
給される比較結果情報とのうち、いずれか一方の比較結
果情報を選択する。具体的には、セレクタ141は、比
較回路132による比較の結果、R≦Sの場合には、セ
レクタ139から供給される比較結果情報を選択し、R
>Sの場合には、セレクタ140から供給される比較結
果情報を選択する。セレクタ141は、選択した比較結
果情報C3をセレクタ142に供給する。
【0199】セレクタ142は、上述したセレクタ78
に対応するものであり、セレクタ141から供給された
比較結果情報C3に基づいて、セレクタ137から供給
されるデータと、セレクタ138から供給されるデータ
とのうち、いずれか一方のデータを選択して出力する。
具体的には、セレクタ142は、セレクタ141から供
給される比較結果選択情報C3がセレクタ139から供
給される比較選択情報である場合には、セレクタ137
から供給されるデータを選択して出力し、セレクタ14
1から供給される比較結果選択情報C3がセレクタ14
0から供給される比較選択情報である場合には、セレク
タ138から供給されるデータを選択して出力する。
【0200】このようなパス選択部130は、各ステー
トに到達した4つのパスに対応するデータであるデータ
P、データQ、データR及びデータSの中から選択した
2つのパスに対応するデータの組み合わせの全てについ
て尤度の大小を比較することによって、これらのデータ
P、データQ、データR及びデータSのうち、尤度の高
い少なくとも2つ以上のパスに対応するデータを求め、
これらのパスに対応するデータの中から、最も尤度の高
いパスである最尤パスに対応するデータを選択する。よ
り具体的には、パス選択部130は、データP、データ
Q、データR及びデータSについて、いわば勝ち抜き戦
に喩えられる動作を行うことによって、データPの値、
データQの値、データRの値及びデータSの値の大小を
比較し、最尤パスに対応するデータを選択する。
【0201】すなわち、パス選択部130は、図16
(A)に示すように、比較回路131によって、データ
PとデータQとの間で1回戦を行うとともに、比較回路
132によって、データRとデータSとの間で1回戦を
行う。これと同時に、パス選択部130は、比較回路1
33、比較回路134、比較回路135及び比較回路1
36によって、同図(B)乃至同図(E)に示すよう
に、データP、データQ、データR及びデータSの間で
行われる可能性のある4通りの決勝戦を行う。そして、
パス選択部130は、比較回路131及び比較回路13
2による1回戦の結果を示す比較結果情報C1,C2に基
づいて、4通りの決勝戦の可能性の中から最も高い確率
で生じる組み合わせを示す比較選択情報C3を決定し、
この比較選択情報C3に基づいて、データP、データ
Q、データR及びデータSの中から最尤パスに対応する
データを選択する。
【0202】つぎに、最尤パスと準最尤パスとの間だけ
で補正を行うために選択すべき最尤パスに対応するデー
タと準最尤パスに対応するデータとの差分値の絶対値を
求めることを考える。
【0203】補正のために選択すべき準最尤パスに対応
するデータは、最尤パスに対応するデータの1回戦にお
ける相手と決勝戦における相手とのうち、値が小さいも
の、すなわち、確率が高いものとなる。例えば、図17
に示すようにパス選択部130による勝ち抜き戦の結果
が得られた場合、すなわち、比較結果情報C1,C2,C
3が、それぞれ、P≦Q,R≦S,P≦Rを示すもので
あった場合には、加算比較選択回路120は、絶対値デ
ータ|P−Q|,|P−R|のうちの値が小さい方を、
補正を行うために選択すべき絶対値データとして選択す
ればよい。
【0204】このように、2つの絶対値データを実直に
比較して選択するものとすると、加算比較選択回路12
0は、図18に示す絶対値選択手段である絶対値データ
選択部150を有する実装となる。この絶対値データ選
択部150は、2つの絶対値データを算出する2つの絶
対値算出回路151,152と、2つの絶対値データの
大小を比較する比較回路153と、この比較回路153
による比較結果を示す比較結果情報に基づいて、2つの
絶対値データのいずれか一方を選択するセレクタ154
とを有するものとなる。
【0205】しかしながら、この絶対値データ選択部1
50は、絶対値算出回路151,152による遅延量の
他に、比較回路153による遅延量と、セレクタ154
による遅延量とを有することから、加算比較選択回路1
20には、絶対値データ選択部150を有する場合に
は、1つの加算器分の遅延量と、1つのセレクタ分の遅
延量とがさらに加わることになる。
【0206】そこで、例えば、絶対値データ|P−Q
|,|P−R|の大小関係は、データQ,Rの値の大小
から求めることができることと、データQ,Rの値の大
小関係は、パス選択部130により既に求められている
ことといったように、既に求められている2つのデータ
の大小関係に基づいて、絶対値データの大小関係を判別
できることに着目する。
【0207】この点に着目した場合、加算比較選択回路
120は、図19に示す絶対値データ選択部160を有
する実装とすることができる。
【0208】絶対値データ選択部160は、同図に示す
ように、2つのデータの差分値の絶対値を算出する6つ
の絶対値算出回路161,162,163,164,1
65,166と、入力されるデータのうちのいずれか1
つを選択する4つのセレクタ167,168,169,
170とを有する。
【0209】絶対値算出回路161は、データPとデー
タQとの差分値(P−Q)を求めるとともに、データQ
とデータPとの差分値(Q−P)を求め、これらの差分
値(P−Q)と差分値(Q−P)とのうち、正の値を有
するものを選択し、選択した差分値を絶対値データ|P
−Q|としてセレクタ168に供給する。
【0210】絶対値算出回路162は、データRとデー
タSとの差分値(R−S)を求めるとともに、データS
とデータRとの差分値(S−R)を求め、これらの差分
値(R−S)と差分値(S−R)とのうち、正の値を有
するものを選択し、選択した差分値を絶対値データ|R
−S|としてセレクタ168に供給する。
【0211】絶対値算出回路163は、データPとデー
タRとの差分値(P−R)を求めるとともに、データR
とデータPとの差分値(R−P)を求め、これらの差分
値(P−R)と差分値(R−P)とのうち、正の値を有
するものを選択し、選択した差分値を絶対値データ|P
−R|としてセレクタ169に供給する。
【0212】絶対値算出回路164は、データQとデー
タRとの差分値(Q−R)を求めるとともに、データR
とデータQとの差分値(R−Q)を求め、これらの差分
値(Q−R)と差分値(R−Q)とのうち、正の値を有
するものを選択し、選択した差分値を絶対値データ|Q
−R|としてセレクタ169に供給する。
【0213】絶対値算出回路165は、データPとデー
タSとの差分値(P−S)を求めるとともに、データS
とデータPとの差分値(S−P)を求め、これらの差分
値(P−S)と差分値(S−P)とのうち、正の値を有
するものを選択し、選択した差分値を絶対値データ|P
−S|としてセレクタ169に供給する。
【0214】絶対値算出回路166は、データQとデー
タSとの差分値(Q−S)を求めるとともに、データS
とデータQとの差分値(S−Q)を求め、これらの差分
値(Q−S)と差分値(S−Q)とのうち、正の値を有
するものを選択し、選択した差分値を絶対値データ|Q
−S|としてセレクタ169に供給する。
【0215】セレクタ167は、パス選択部130にお
ける比較回路133,134,135,136から供給
された4つの比較結果情報のうちのいずれか1つを選択
する。セレクタ167は、選択した比較結果情報をセレ
クタ170に供給する。なお、ここでは、このセレクタ
167により選択された比較結果情報をC4として識別
するものとする。
【0216】セレクタ168は、パス選択部130にお
けるセレクタ141から供給された比較結果情報C3
基づいて、絶対値算出回路161,162から供給され
た絶対値データ|P−Q|,|R−S|のうちのいずれ
か一方を選択する。セレクタ168は、選択した絶対値
データをセレクタ170に供給する。
【0217】セレクタ169は、パス選択部130にお
ける比較回路131,132のそれぞれから供給された
比較結果情報C1,C2に基づいて、絶対値算出回路16
3,164,165,166のそれぞれから供給された
絶対値データ|P−R|,|Q−R|,|P−S|,|
Q−S|のうちのいずれか1つを選択する。セレクタ1
68は、選択した絶対値データをセレクタ170に供給
する。
【0218】セレクタ170は、セレクタ167から供
給された比較結果情報C4に基づいて、セレクタ168
から供給された絶対値データと、セレクタ169から供
給された絶対値データとのうち、いずれか一方を選択
し、補正項の算出に用いる絶対値データとして出力す
る。
【0219】このような絶対値データ選択部160は、
パス選択部130における比較回路133,134,1
35,136により求められた比較結果情報に基づい
て、絶対値算出回路161,162,163,164,
165,166により算出された絶対値データの大小関
係を判別することができ、最尤パスに対応するデータと
準最尤パスに対応するデータとの差分値の絶対値を求め
て選択することができる。絶対値データ選択部160に
おいては、例えば、図17に示したようにパス選択部1
30による勝ち抜き戦の結果が得られた場合、すなわ
ち、比較結果情報C 1,C2,C3が、それぞれ、P≦
Q,R≦S,P≦Rを示すものであった場合には、セレ
クタ167により選択される比較結果情報C4は、比較
回路134から出力された比較結果情報となり、セレク
タ168により選択される絶対値データは、絶対値算出
回路161から出力された絶対値データ|P−Q|とな
り、セレクタ169により選択される絶対値データは、
絶対値算出回路163から出力された絶対値データ|P
−R|となる。したがって、絶対値データ選択部160
は、セレクタ167により選択される比較結果情報C4
がQ≦Rを示すものであった場合には、セレクタ170
により絶対値データ|P−Q|を選択して出力し、セレ
クタ167により選択される比較結果情報C4がQ>R
を示すものであった場合には、セレクタ170により絶
対値データ|P−R|を選択して出力する。
【0220】このように絶対値データ選択部160は、
上述したように、勝ち抜き戦の結果に応じて、セレクタ
167により比較結果情報C4を選択すればよい。ここ
では、4つのデータP、データQ、データR及びデータ
Sについての勝ち抜き戦であることから、絶対値データ
選択部160は、図20に示すように、8つの勝ち抜き
戦の結果に応じて、セレクタ167により比較結果情報
4を選択することになる。
【0221】まず、同図(A)に示すように、データP
が最尤パスに対応するデータとして選択され、○印が付
与されたデータQ,Rのいずれか一方が準最尤パスに対
応するデータとして選択された場合、セレクタ167
は、比較結果情報C4として、比較回路134から出力
された比較結果情報、すなわち、データQとデータRと
の大小関係を示す比較結果情報を選択する。このとき、
パス選択部130における比較結果情報C1,C2,C3
は、それぞれ、P≦Q,R≦S,P≦Rを示すものとな
る。
【0222】また、同図(B)に示すように、データR
が最尤パスに対応するデータとして選択され、○印が付
与されたデータP,Sのいずれか一方が準最尤パスに対
応するデータとして選択された場合、セレクタ167
は、比較結果情報C4として、比較回路135から出力
された比較結果情報、すなわち、データPとデータSと
の大小関係を示す比較結果情報を選択する。このとき、
パス選択部130における比較結果情報C1,C2,C3
は、それぞれ、P≦Q,R≦S,P>Rを示すものとな
る。
【0223】さらに、同図(C)に示すように、データ
Pが最尤パスに対応するデータとして選択され、○印が
付与されたデータQ,Sのいずれか一方が準最尤パスに
対応するデータとして選択された場合、セレクタ167
は、比較結果情報C4として、比較回路136から出力
された比較結果情報、すなわち、データQとデータSと
の大小関係を示す比較結果情報を選択する。このとき、
パス選択部130における比較結果情報C1,C2,C3
は、それぞれ、P≦Q,R>S,P≦Sを示すものとな
る。
【0224】さらにまた、同図(D)に示すように、デ
ータSが最尤パスに対応するデータとして選択され、○
印が付与されたデータP,Rのいずれか一方が準最尤パ
スに対応するデータとして選択された場合、セレクタ1
67は、比較結果情報C4として、比較回路133から
出力された比較結果情報、すなわち、データPとデータ
Rとの大小関係を示す比較結果情報を選択する。このと
き、パス選択部130における比較結果情報C1,C2
3は、それぞれ、P≦Q,R>S,P>Sを示すもの
となる。
【0225】また、同図(E)に示すように、データQ
が最尤パスに対応するデータとして選択され、○印が付
与されたデータP,Rのいずれか一方が準最尤パスに対
応するデータとして選択された場合、セレクタ167
は、比較結果情報C4として、比較回路133から出力
された比較結果情報、すなわち、データPとデータRと
の大小関係を示す比較結果情報を選択する。このとき、
パス選択部130における比較結果情報C1,C2,C3
は、それぞれ、P>Q,R≦S,Q≦Rを示すものとな
る。
【0226】さらに、同図(F)に示すように、データ
Rが最尤パスに対応するデータとして選択され、○印が
付与されたデータQ,Sのいずれか一方が準最尤パスに
対応するデータとして選択された場合、セレクタ167
は、比較結果情報C4として、比較回路136から出力
された比較結果情報、すなわち、データQとデータSと
の大小関係を示す比較結果情報を選択する。このとき、
パス選択部130における比較結果情報C1,C2,C3
は、それぞれ、P>Q,R≦S,Q>Rを示すものとな
る。
【0227】さらにまた、同図(G)に示すように、デ
ータQが最尤パスに対応するデータとして選択され、○
印が付与されたデータP,Sのいずれか一方が準最尤パ
スに対応するデータとして選択された場合、セレクタ1
67は、比較結果情報C4として、比較回路135から
出力された比較結果情報、すなわち、データPとデータ
Sとの大小関係を示す比較結果情報を選択する。このと
き、パス選択部130における比較結果情報C1,C2
3は、それぞれ、P>Q,R>S,Q≦Sを示すもの
となる。
【0228】また、同図(H)に示すように、データS
が最尤パスに対応するデータとして選択され、○印が付
与されたデータQ,Rのいずれか一方が準最尤パスに対
応するデータとして選択された場合、セレクタ167
は、比較結果情報C4として、比較回路134から出力
された比較結果情報、すなわち、データQとデータRと
の大小関係を示す比較結果情報を選択する。このとき、
パス選択部130における比較結果情報C1,C2,C3
は、それぞれ、P>Q,R>S,Q>Sを示すものとな
る。
【0229】さて、このような選択動作を行うセレクタ
167として、通常のセレクタを用いて実装した場合に
は、適切な比較結果情報を選択するための新たな勝ち抜
き戦を行う必要が生じることから、絶対値データ選択部
160は、遅延量の増加を招くことになる。
【0230】そこで、絶対値データ選択部160は、セ
レクタ167の代わりに、以下に示す論理演算から導出
される構成によって、セレクタ167による選択動作を
実現することができる。
【0231】まず、比較結果情報C4に基づいてデータ
を選択するセレクタ170は、比較結果情報C4がP≦
R,Q≦R,P≦S又はQ≦Sを示すものである場合に
は、セレクタ168から供給されるデータ、すなわち、
勝ち抜き戦における1回戦のデータを選択し、比較結果
情報C4がP>R,Q>R,P>S又はQ>Sを示すも
のである場合には、セレクタ169から供給されるデー
タ、すなわち、勝ち抜き戦における決勝戦の可能性のあ
るデータを選択する。そこで、P≦R,Q≦R,P≦S
又はQ≦Sを示すものである場合における比較結果情報
4を“1”と表し、セレクタ168から供給されるデ
ータ、すなわち、勝ち抜き戦における1回戦のデータを
“Δ1st”と表し、セレクタ169から供給されるデー
タ、すなわち、勝ち抜き戦における決勝戦の可能性のあ
るデータを“Δfinal”と表すものとすると、次式(3
4)に示す同値関係が成立する。なお、次式(34)に
おける“∧”は、論理積を示し、“∨”は、論理和を示
し、“¬”は、否定を示す論理記号である。
【0232】
【数34】
【0233】上式(34)において、2行目は、データ
P,Qのうちのいずれか一方が最尤パスとなる場合を示
しており、3行目は、データR,Sのうちのいずれか一
方が最尤パスとなる場合を示している。また、上式(3
4)において、min(・,・)は、小さい値を有する
ものを選択する関数であり、max(・,・)は、大き
い値を有するものを選択する関数である。すなわち、上
式(34)において、4行目におけるmax(P,Q)
は、データPとデータQとの間で行われる1回戦の敗
者、すなわち、値が大きいものを示しており、min
(P,Q)は、データPとデータQとの間で行われる1
回戦の勝者、すなわち、値が小さいものを示しており、
max(R,S)は、データRとデータSとの間で行わ
れる1回戦の敗者、すなわち、値が大きいものを示して
おり、min(R,S)は、データRとデータSとの間
で行われる1回戦の勝者、すなわち、値が小さいものを
示している。
【0234】このような同値関係が成立することによっ
て、絶対値データ選択部160は、セレクタ167によ
る選択動作を実現する選択部として、図21に示すよう
に構成することができる。すなわち、選択部180は、
ANDゲート181と、NANDゲート182と、OR
ゲート183とを有するものとして実装することができ
る。
【0235】ANDゲート181は、比較回路133,
134,135,136から供給された4つの比較結果
情報の論理積をとる。ANDゲート181は、求めた論
理積をORゲート183に供給する。
【0236】NANDゲート182は、比較回路13
3,134,135,136から供給された4つの比較
結果情報の論理積の否定をとる。NANDゲート182
は、求めた論理積の否定をORゲート183に供給す
る。
【0237】ORゲート183は、ANDゲート181
から供給された論理積と、NANDゲート182から供
給された論理積の否定との論理和をとる。ORゲート1
83は、求めた論理和を比較結果情報C4としてセレク
タ170に供給する。
【0238】このような選択部180は、比較回路13
3,134,135,136から供給された4つの比較
結果情報のうち、いずれか1つの比較結果情報を選択
し、この比較結果情報を比較結果情報C4としてセレク
タ170に供給することができる。
【0239】以上のような絶対値データ選択部160に
よる遅延量を見積もると、絶対値算出回路161,16
2,163,164,165,166による遅延量は、
上述した絶対値算出回路90による遅延量と等しいこと
から、1つの加算器と1つのセレクタ分の遅延量を有す
ることから、全体で1つの加算器と3つの加算器分の遅
延量となる。すなわち、絶対値データ選択部160は、
絶対値算出回路161,162,163,164,16
5,166による遅延量の他に、2つのセレクタ分の遅
延量で済み、上述した絶対値データ選択部150と比較
して、遅延量を小さくすることができる。
【0240】さて、上述したパス選択部130及び絶対
値データ選択部160を組み合わせると、加算比較選択
回路120は、図22に示すように実装することができ
る。
【0241】すなわち、加算比較選択回路120は、同
図に示すように、上述した加算比較選択回路60におけ
る加算器61,62,69,70のそれぞれと等価であ
る加算器121,122,123,124と、パス選択
部130と、絶対値データ選択部160と、線形近似手
段である上述した線形近似回路100と、上述した加算
比較選択回路60における差分器80に対応し、パス選
択部130から供給されたデータと線形近似回路100
から供給されたデータとの差分値を求める差分器125
とを有する。
【0242】この加算比較選択回路120において、絶
対値データ選択部160におけるセレクタ169は、実
際には、3つのセレクタ191,192,193を有す
るものとなる。
【0243】すなわち、セレクタ191は、比較回路1
31から供給された比較結果情報C 1に基づいて、絶対
値算出回路163から供給される絶対値データ|P−R
|と、絶対値算出回路164から供給される絶対値デー
タ|Q−R|とのうち、いずれか一方の絶対値データを
選択する。具体的には、セレクタ191は、比較回路1
31による比較の結果、P≦Qの場合には、絶対値算出
回路163から供給される絶対値データ|P−R|を選
択し、P>Qの場合には、絶対値算出回路164から供
給される絶対値データ|Q−R|を選択する。セレクタ
191は、選択した絶対値データをセレクタ193に供
給する。
【0244】また、セレクタ192は、比較回路131
から供給された比較結果情報C1に基づいて、絶対値算
出回路165から供給される絶対値データ|P−S|
と、絶対値算出回路166から供給される絶対値データ
|Q−S|とのうち、いずれか一方の絶対値データを選
択する。具体的には、セレクタ192は、比較回路13
1による比較の結果、P≦Qの場合には、絶対値算出回
路165から供給される絶対値データ|P−S|を選択
し、P>Qの場合には、絶対値算出回路166から供給
される絶対値データ|Q−S|を選択する。セレクタ1
92は、選択した絶対値データをセレクタ193に供給
する。
【0245】さらに、セレクタ193は、比較回路13
2から供給された比較結果情報C2に基づいて、セレク
タ191から供給される絶対値データと、セレクタ19
2から供給される絶対値データとのうち、いずれか一方
の絶対値データを選択する。具体的には、セレクタ19
3は、比較回路132による比較の結果、R≦Sの場合
には、セレクタ191から供給される絶対値データを選
択し、R>Sの場合には、セレクタ192から供給され
る絶対値データを選択する。セレクタ193は、選択し
た絶対値データをセレクタ170に供給する。
【0246】このような加算比較選択回路120におけ
る遅延量は、比較回路131,132,133,13
4,135,136による処理と、絶対値算出回路16
1,162,163,164,165,166による処
理とが並列的に行われるとともに、セレクタ137,1
39,140,191,192による処理が並列的に行
われるとともに、セレクタ138,141,193によ
る処理が並列的に行われることから、図12に示した線
形近似回路100を用いた場合には、4つの加算器と6
つのセレクタ分となり、図13に示した線形近似回路1
00を用いた場合には、3つの加算器と6つのセレクタ
分となる。したがって、加算比較選択回路120は、上
述した加算比較選択回路60と比較して、遅延量を小さ
くすることができる。
【0247】以上説明したように、符号化装置1と復号
装置3とを用いて構成されるデータ送受信システムは、
復号装置3において、最尤パスの選択と補正項の算出に
用いる絶対値データの算出とを、入力された複数のデー
タによる勝ち抜き戦の原理を利用して行うことによっ
て、迅速な処理が可能となり、高速化を図ることができ
る。特に、復号装置3は、線形近似によるlog−su
m補正を行う際に、最尤パスと準最尤パスとの間だけで
補正を行うことによって、性能を劣化させることなく、
動作速度を向上させることができる。
【0248】すなわち、これらの符号化装置1と復号装
置3とを用いて構成されるデータ送受信システムは、高
性能且つ高速に畳み込み符号の復号を実現するものであ
り、ユーザに高い信頼性及び利便性を提供することがで
きるものである。
【0249】なお、本発明は、上述した実施の形態に限
定されるものではなく、例えば、符号化装置としては、
畳み込み演算を行うものでなくてもよく、入力データが
2ビット以上、すなわち、各ステートに少なくとも3つ
以上のパスが到達するような符号化を行うものであれば
よい。
【0250】また、上述した実施の形態では、各ステー
トに4つのパスが到達し、これらの4つのパスのうち、
最尤パスと準最尤パスとを用いて補正を行うものとして
説明したが、本発明は、各ステートに到達したパスのう
ち、尤度の高い少なくとも2つ以上のパスを用いて補正
を行うものであれば適用可能である。
【0251】さらに、上述した実施の形態では、Log
−BCJRアルゴリズムに基づくMAP復号を行い、い
わゆる線形近似によるlog−sum補正を行うことで
対数軟出力を求めるものとして説明したが、本発明は、
Max−Log−BCJRアルゴリズムに基づくMAP
復号を行うものにも適用可能であり、高速化を図ること
ができる。この場合、加算比較選択回路は、上述した絶
対値データ選択部や線形近似回路を有する必要はなく、
最尤パスを求める構成とすればよいことは勿論である。
【0252】さらにまた、本発明は、いわゆる並列連接
畳み込み符号、縦列連接畳み込み符号、ターボ符号化変
調方式による符号又は縦列連接符号化変調方式による符
号といったように、複数の要素符号を連接して構成され
る符号の復号を行う場合にも容易に適用できるものであ
る。
【0253】また、上述した実施の形態では、符号化装
置及び復号装置をデータ送受信システムにおける送信装
置及び受信装置に適用して説明したが、本発明は、例え
ばフロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM又は
MO(Magneto Optical)といった磁気、光又は光磁気
ディスク等の記録媒体に対する記録及び/又は再生を行
う記録及び/又は再生装置に適用することもできる。こ
の場合、符号化装置により符号化されたデータは、無記
憶通信路に等価とされる記録媒体に記録され、復号装置
により復号されて再生される。
【0254】以上のように、本発明は、その趣旨を逸脱
しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもな
い。
【0255】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かる復号装置は、各ステートに少なくとも3つ以上のパ
スが到達する符号化がなされて受信した軟入力とされる
受信値に基づいて任意のステートを通過する確率を対数
表記した対数尤度を求め、この対数尤度を用いて復号を
行う復号装置であって、各ステートに到達した少なくと
も3つ以上のパスのうち、尤度の高い少なくとも2つ以
上のパスを求め、これらの少なくとも2つ以上のパスの
中から、最も尤度の高いパスである最尤パスを選択する
パス選択手段を備える。
【0256】したがって、本発明にかかる復号装置は、
パス選択手段によって、尤度の高い少なくとも2つ以上
のパスを求め、最尤パスを選択することによって、性能
を劣化させることなく、高速化を図ることができる。
【0257】また、本発明にかかる復号方法は、各ステ
ートに少なくとも3つ以上のパスが到達する符号化がな
されて受信した軟入力とされる受信値に基づいて任意の
ステートを通過する確率を対数表記した対数尤度を求
め、この対数尤度を用いて復号を行う復号方法であっ
て、各ステートに到達した少なくとも3つ以上のパスの
うち、尤度の高い少なくとも2つ以上のパスを求め、こ
れらの少なくとも2つ以上のパスの中から、最も尤度の
高いパスである最尤パスを選択するパス選択工程を備え
る。
【0258】したがって、本発明にかかる復号方法は、
パス選択工程にて、尤度の高い少なくとも2つ以上のパ
スを求め、最尤パスを選択することによって、性能を劣
化させることなく、高速化を図ることを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態として示すデータ送受信シ
ステムを適用する通信モデルの構成を説明するブロック
図である。
【図2】同データ送受信システムにおける符号化装置の
構成を説明するブロック図である。
【図3】符号化装置におけるトレリスを説明する図であ
る。
【図4】同データ送受信システムにおける復号装置の構
成を説明するブロック図である。
【図5】復号装置が備えるIα算出・記憶回路の構成を
説明するブロック図である。
【図6】Iα算出・記憶回路が有するIα算出回路の構
成を説明するブロック図である。
【図7】復号装置が備えるIβ算出・記憶回路の構成を
説明するブロック図である。
【図8】Iβ算出・記憶回路が有するIβ算出回路の構
成を説明するブロック図である。
【図9】Iα算出回路又はIβ算出回路が有する加算比
較選択回路の構成を説明するブロック図であって、Lo
g−BCJRアルゴリズムに基づいて実直に実装した加
算比較選択回路の構成を説明するブロック図である。
【図10】加算比較選択回路が有する絶対値算出回路の
構成を説明するブロック図である。
【図11】加算比較選択回路が有する線形近似回路によ
るlog−sum補正を説明する図であって、補正項を
示す関数と線形近似した関数とを示すグラフである。
【図12】線形近似回路の構成を説明するブロック図で
あって、関数F=−a|PP−QQ|+bの係数−aを
2のべき乗を用いて表現して補正項の値を算出する線形
近似回路の構成を説明するブロック図である。
【図13】図12に示す線形近似回路とは異なる他の線
形近似回路の構成を説明するブロック図であって、関数
F=−a|PP−QQ|+bの係数−aと係数bとを2
のべき乗を用いて表現して補正項の値を算出する線形近
似回路の構成を説明するブロック図である。
【図14】図13に示す線形近似回路による演算を説明
する図である。
【図15】加算比較選択回路が有するパス選択部の構成
を説明するブロック図である。
【図16】パス選択部における動作を説明するための図
であって、入力された複数のデータの大小を比較して選
択する動作を説明する図である。
【図17】パス選択部における動作を説明するための図
であって、パス選択部による選択結果の一例を示す図で
ある。
【図18】加算比較選択回路が有する絶対値データ選択
部の構成を説明するブロック図であって、2つの絶対値
データを実直に比較して選択する絶対値データ選択部の
構成を説明するブロック図である。
【図19】図18に示す絶対値データ選択部とは異なる
絶対値データ選択部の構成を説明するブロック図であ
る。
【図20】絶対値データ選択部における動作を説明する
ための図であって、パス選択部による8つの選択結果を
示す図である。
【図21】図19に示す絶対値データ選択部が有する選
択部の構成を説明するブロック図である。
【図22】図9に示す加算比較選択回路とは異なる加算
比較選択回路の構成を説明するブロック図であって、図
15に示すパス選択部と図19に示す絶対値データ選択
部を組み合わせて構成した加算比較選択回路の構成を説
明するブロック図である。
【図23】通信モデルの構成を説明するブロック図であ
る。
【図24】従来の符号化装置におけるトレリスを説明す
る図であって、確率αt,βt及びγtの内容を説明する
ための図である。
【図25】従来の復号装置において、BCJRアルゴリ
ズムを適用して軟出力復号を行う際の一連の工程を説明
するフローチャートである。
【図26】従来の復号装置において、Max−Log−
BCJRアルゴリズムを適用して軟出力復号を行う際の
一連の工程を説明するフローチャートである。
【図27】log−sum補正を説明する図であって、
(A)は、補正項を示す関数と線形近似法により近似し
た関数とを示すグラフであり、(B)は、補正項を示す
関数と閾値近似法により近似した関数とを示すグラフで
ある。
【符号の説明】
1 符号化装置、 3 復号装置、 32 Iγ算出・
記憶回路、 33 Iα算出・記憶回路、 34 Iβ
算出・記憶回路、 35 軟出力算出回路、43 Iα
算出回路、 470,471,472,473,550,5
1,552,553,60,120 加算比較選択回
路、 511,512 Iβ算出回路、65,73,79
補正項算出回路、 67,75,81,90 絶対値
算出回路、 68,76,82,100 線形近似回
路、 130 パス選択部、 150,160 絶対値
データ選択部

Claims (48)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各ステートに少なくとも3つ以上のパス
    が到達する符号化がなされて受信した軟入力とされる受
    信値に基づいて任意のステートを通過する確率を対数表
    記した対数尤度を求め、上記対数尤度を用いて復号を行
    う復号装置であって、 各ステートに到達した少なくとも3つ以上のパスのう
    ち、尤度の高い少なくとも2つ以上のパスを求め、これ
    らの少なくとも2つ以上のパスの中から、最も尤度の高
    いパスである最尤パスを選択するパス選択手段を備える
    ことを特徴とする復号装置。
  2. 【請求項2】 上記パス選択手段は、各ステートに到達
    した少なくとも3つ以上の全てのパスの中から選択した
    2つのパスの組み合わせの全てについて尤度の大小を比
    較する比較手段を有することを特徴とする請求項1記載
    の復号装置。
  3. 【請求項3】 上記最尤パスに対応するデータと2番目
    に尤度の高いパスである準最尤パスに対応するデータと
    の差分値の絶対値を求めて選択する絶対値選択手段を備
    えることを特徴とする請求項1記載の復号装置。
  4. 【請求項4】 上記絶対値選択手段は、各ステートに到
    達した少なくとも3つ以上の全てのパスの中から選択し
    た2つのパスの組み合わせの全てについて、差分値の絶
    対値を算出する絶対値算出手段を有し、 上記パス選択手段により各ステートに到達した少なくと
    も3つ以上の全てのパスの中から選択した2つのパスの
    組み合わせの全てについて尤度の大小を比較した結果を
    示す比較結果情報に基づいて、上記絶対値算出手段によ
    り算出した絶対値の大小関係を判別することを特徴とす
    る請求項3記載の復号装置。
  5. 【請求項5】 上記対数尤度を与えるために追加され、
    変数に対する1次元の関数で表される補正項を線形近似
    により算出する線形近似手段を備え、 上記線形近似手段は、上記絶対値選択手段から供給され
    た上記最尤パスに対応するデータと上記準最尤パスに対
    応するデータとの差分値の絶対値を上記変数とすること
    を特徴とする請求項3記載の復号装置。
  6. 【請求項6】 上記線形近似手段は、少なくとも上記変
    数に乗算すべき上記関数の傾きを表す係数を2のべき乗
    を用いて表現して上記補正項を算出することを特徴とす
    る請求項5記載の復号装置。
  7. 【請求項7】 上記線形近似手段は、上記関数の傾きを
    表す係数を表現するべき数に応じて、入力されたデータ
    の下位ビットから切り捨てることを特徴とする請求項6
    記載の復号装置。
  8. 【請求項8】 上記線形近似手段は、上記関数の傾きを
    表す係数を−2-kで表現したとき、入力されたデータの
    下位1ビット目から下位kビット目までを切り捨てるこ
    とを特徴とする請求項6記載の復号装置。
  9. 【請求項9】 上記線形近似手段は、上記関数の切片を
    表す係数を2のべき乗を用いて表現して上記補正項を算
    出することを特徴とする請求項6記載の復号装置。
  10. 【請求項10】 上記線形近似手段は、上記関数の切片
    を表す係数を2m−1で表現して上記補正項を算出する
    ことを特徴とする請求項9記載の復号装置。
  11. 【請求項11】 上記線形近似手段は、上記関数の傾き
    を表す係数を−2-kで表現したとき、入力されたnビッ
    トのデータの下位1ビット目から下位kビット目までを
    切り捨て、下位k+1ビット目から下位m+kビット目
    までのmビットを反転することを特徴とする請求項10
    記載の復号装置。
  12. 【請求項12】 上記補正項は、正値であることを特徴
    とする請求項6記載の復号装置。
  13. 【請求項13】 上記線形近似手段は、上記補正項が負
    値として算出された場合には、上記補正項を0とするこ
    とを特徴とする請求項12記載の復号装置。
  14. 【請求項14】 上記対数尤度は、上記確率を自然対数
    を用いて対数表記したものであることを特徴とする請求
    項1記載の復号装置。
  15. 【請求項15】 上記受信値毎に、符号の出力パターン
    と上記受信値により決定される第1の確率を対数表記し
    た第1の対数尤度を算出する第1の確率算出手段と、 上記第1の対数尤度に基づいて、上記受信値毎に、符号
    化開始ステートから時系列順に各ステートに至る第2の
    確率を対数表記した第2の対数尤度を算出する第2の確
    率算出手段と、 上記第1の対数尤度に基づいて、上記受信値毎に、打ち
    切りステートから時系列の逆順に各ステートに至る第3
    の確率を対数表記した第3の対数尤度を算出する第3の
    確率算出手段とを備え、 上記第2の確率算出手段及び上記第3の確率算出手段
    は、それぞれ、上記パス選択手段を有することを特徴と
    する請求項1記載の復号装置。
  16. 【請求項16】 上記第1の対数尤度と、上記第2の対
    数尤度と、上記第3の対数尤度とを用いて、各時刻にお
    ける軟出力を対数表記した対数軟出力を算出する軟出力
    算出手段を備えることを特徴とする請求項15記載の復
    号装置。
  17. 【請求項17】 上記対数軟出力は、上記軟出力を自然
    対数を用いて対数表記したものであることを特徴とする
    請求項16記載の復号装置。
  18. 【請求項18】 上記第2の確率算出手段及び上記第3
    の確率算出手段は、それぞれ、上記最尤パスに対応する
    データと2番目に尤度の高いパスである準最尤パスに対
    応するデータとの差分値の絶対値を求めて選択する絶対
    値選択手段を有することを特徴とする請求項15記載の
    復号装置。
  19. 【請求項19】 上記第2の確率算出手段及び上記第3
    の確率算出手段は、それぞれ、上記対数尤度を与えるた
    めに追加され、変数に対する1次元の関数で表される補
    正項を線形近似により算出する線形近似手段を有するこ
    とを特徴とする請求項15記載の復号装置。
  20. 【請求項20】 上記対数尤度は、上記確率の積演算を
    対数の和演算に置き換えた計算を行うとともに、上記確
    率の和演算を対数の最大値演算を行うことで求められる
    ことを特徴とする請求項1記載の復号装置。
  21. 【請求項21】 Max−Log−BCJRアルゴリズ
    ムに基づく最大事後確率復号を行うことを特徴とする請
    求項20記載の復号装置。
  22. 【請求項22】 上記対数尤度は、上記確率の積演算を
    対数の和演算に置き換えた計算を行うとともに、上記確
    率の和演算を対数の最大値演算と上記関数の演算とを行
    うことで求められることを特徴とする請求項5記載の復
    号装置。
  23. 【請求項23】 Log−BCJRアルゴリズムに基づ
    く最大事後確率復号を行うことを特徴とする請求項22
    記載の復号装置。
  24. 【請求項24】 畳み込み符号の復号を行うことを特徴
    とする請求項1記載の復号装置。
  25. 【請求項25】 各ステートに少なくとも3つ以上のパ
    スが到達する符号化がなされて受信した軟入力とされる
    受信値に基づいて任意のステートを通過する確率を対数
    表記した対数尤度を求め、上記対数尤度を用いて復号を
    行う復号方法であって、 各ステートに到達した少なくとも3つ以上のパスのう
    ち、尤度の高い少なくとも2つ以上のパスを求め、これ
    らの少なくとも2つ以上のパスの中から、最も尤度の高
    いパスである最尤パスを選択するパス選択工程を備える
    ことを特徴とする復号方法。
  26. 【請求項26】 上記パス選択工程では、各ステートに
    到達した少なくとも3つ以上の全てのパスの中から選択
    した2つのパスの組み合わせの全てについて尤度の大小
    を比較することを特徴とする請求項25記載の復号方
    法。
  27. 【請求項27】 上記最尤パスに対応するデータと2番
    目に尤度の高いパスである準最尤パスに対応するデータ
    との差分値の絶対値を求めて選択する絶対値選択工程を
    備えることを特徴とする請求項25記載の復号方法。
  28. 【請求項28】 上記絶対値選択工程では、各ステート
    に到達した少なくとも3つ以上の全てのパスの中から選
    択した2つのパスの組み合わせの全てについて、差分値
    の絶対値を算出し、 上記パス選択工程にて各ステートに到達した少なくとも
    3つ以上の全てのパスの中から選択した2つのパスの組
    み合わせの全てについて尤度の大小を比較した結果を示
    す比較結果情報に基づいて、算出した絶対値の大小関係
    を判別することを特徴とする請求項27記載の復号方
    法。
  29. 【請求項29】 上記対数尤度を与えるために追加さ
    れ、変数に対する1次元の関数で表される補正項を線形
    近似により算出する線形近似工程を備え、 上記線形近似工程では、上記絶対値選択工程にて選択さ
    れた上記最尤パスに対応するデータと上記準最尤パスに
    対応するデータとの差分値の絶対値を上記変数とするこ
    とを特徴とする請求項27記載の復号方法。
  30. 【請求項30】 上記線形近似工程では、少なくとも上
    記変数に乗算すべき上記関数の傾きを表す係数を2のべ
    き乗を用いて表現して上記補正項を算出することを特徴
    とする請求項29記載の復号方法。
  31. 【請求項31】 上記線形近似工程では、上記関数の傾
    きを表す係数を表現するべき数に応じて、入力されたデ
    ータの下位ビットから切り捨てることを特徴とする請求
    項30記載の復号方法。
  32. 【請求項32】 上記線形近似工程では、上記関数の傾
    きを表す係数を−2-kで表現したとき、入力されたデー
    タの下位1ビット目から下位kビット目までを切り捨て
    ることを特徴とする請求項30記載の復号方法。
  33. 【請求項33】 上記線形近似工程では、上記関数の切
    片を表す係数を2のべき乗を用いて表現して上記補正項
    を算出することを特徴とする請求項30記載の復号方
    法。
  34. 【請求項34】 上記線形近似工程では、上記関数の切
    片を表す係数を2m−1で表現して上記補正項を算出す
    ることを特徴とする請求項33記載の復号方法。
  35. 【請求項35】 上記線形近似工程では、上記関数の傾
    きを表す係数を−2-kで表現したとき、入力されたnビ
    ットのデータの下位1ビット目から下位kビット目まで
    を切り捨て、下位k+1ビット目から下位m+kビット
    目までのmビットを反転することを特徴とする請求項3
    4記載の復号方法。
  36. 【請求項36】 上記補正項は、正値であることを特徴
    とする請求項30記載の復号方法。
  37. 【請求項37】 上記線形近似工程では、上記補正項が
    負値として算出された場合には、上記補正項を0とする
    ことを特徴とする請求項36記載の復号方法。
  38. 【請求項38】 上記対数尤度は、上記確率を自然対数
    を用いて対数表記したものであることを特徴とする請求
    項25記載の復号方法。
  39. 【請求項39】 上記受信値毎に、符号の出力パターン
    と上記受信値により決定される第1の確率を対数表記し
    た第1の対数尤度を算出する第1の確率算出工程と、 上記第1の対数尤度に基づいて、上記受信値毎に、符号
    化開始ステートから時系列順に各ステートに至る第2の
    確率を対数表記した第2の対数尤度を算出する第2の確
    率算出工程と、 上記第1の対数尤度に基づいて、上記受信値毎に、打ち
    切りステートから時系列の逆順に各ステートに至る第3
    の確率を対数表記した第3の対数尤度を算出する第3の
    確率算出工程とを備え、 上記第2の確率算出工程及び上記第3の確率算出工程
    は、それぞれ、上記パス選択工程を有することを特徴と
    する請求項25記載の復号方法。
  40. 【請求項40】 上記第1の対数尤度と、上記第2の対
    数尤度と、上記第3の対数尤度とを用いて、各時刻にお
    ける軟出力を対数表記した対数軟出力を算出する軟出力
    算出工程を備えることを特徴とする請求項39記載の復
    号方法。
  41. 【請求項41】 上記対数軟出力は、上記軟出力を自然
    対数を用いて対数表記したものであることを特徴とする
    請求項40記載の復号方法。
  42. 【請求項42】 上記第2の確率算出工程及び上記第3
    の確率算出工程は、それぞれ、上記最尤パスに対応する
    データと2番目に尤度の高いパスである準最尤パスに対
    応するデータとの差分値の絶対値を求めて選択する絶対
    値選択工程を有することを特徴とする請求項39記載の
    復号方法。
  43. 【請求項43】 上記第2の確率算出工程及び上記第3
    の確率算出工程は、それぞれ、上記対数尤度を与えるた
    めに追加され、変数に対する1次元の関数で表される補
    正項を線形近似により算出する線形近似工程を有するこ
    とを特徴とする請求項39記載の復号方法。
  44. 【請求項44】 上記対数尤度は、上記確率の積演算を
    対数の和演算に置き換えた計算を行うとともに、上記確
    率の和演算を対数の最大値演算を行うことで求めること
    を特徴とする請求項25記載の復号方法。
  45. 【請求項45】 Max−Log−BCJRアルゴリズ
    ムに基づく最大事後確率復号を行うことを特徴とする請
    求項44記載の復号方法。
  46. 【請求項46】 上記対数尤度は、上記確率の積演算を
    対数の和演算に置き換えた計算を行うとともに、上記確
    率の和演算を対数の最大値演算と上記関数の演算とを行
    うことで求めることを特徴とする請求項29記載の復号
    方法。
  47. 【請求項47】 Log−BCJRアルゴリズムに基づ
    く最大事後確率復号を行うことを特徴とする請求項46
    記載の復号方法。
  48. 【請求項48】 畳み込み符号の復号を行うことを特徴
    とする請求項25記載の復号方法。
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