JP2001351268A - 光情報媒体とその記録方法 - Google Patents

光情報媒体とその記録方法

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JP2001351268A
JP2001351268A JP2000174656A JP2000174656A JP2001351268A JP 2001351268 A JP2001351268 A JP 2001351268A JP 2000174656 A JP2000174656 A JP 2000174656A JP 2000174656 A JP2000174656 A JP 2000174656A JP 2001351268 A JP2001351268 A JP 2001351268A
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JP2000174656A
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Makoto Negishi
良 根岸
Kazami Hara
風美 原
Akito Sawada
明人 澤田
Isao Okitsu
勲 興津
Toru Fujii
徹 藤井
Emiko Hamada
恵美子 浜田
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Taiyo Yuden Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Yuden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工程を増やさず、予め光情報媒体であること
を示すメディア情報等の信号を記録した光情報媒体その
記録方法。 【解決手段】 光情報媒体は、記録光を透過する透光性
基板1と、この透光性基板1上に形成された記録層12
と、この記録層12の上に形成され、再生光を反射する
反射層13とを有し、前記透光性基板1から入射させた
記録光により、光学的に読み取り可能な信号を記録する
ものである。この光情報媒体は、光学的に読み取り可能
な信号を記録する記録領域7と、予め情報が記録された
プレ記録部分2とを有し、このプレ記録部分2と前記記
録領域7との光学条件が異なっている。例えば、プレ記
録部分2と記録領域7とにおいて、記録光や再生光に対
する透光性基板1の光入射面から反射層13に至るまで
の光路長の違いを与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学的に再生可能
な情報が記録し得る光情報媒体に関し、特に630〜6
70nmの短波長赤色レーザ光により記録、再生される
高密度記録媒体において、著作権保護のためのメディア
情報等の信号を得るのに最適なプレ記録部分を有する光
情報媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の短波長レーザーの開発と実用化に
伴い、より高密度な記録再生を可能とするDVD(Digi
tal Versatile Disc)の規格の標準化が図られ、DVD
の実用化と普及化が進んでいる。このDVDでは、その
少なくとも一方の主面にデータ記録領域が設定され、こ
のデータ記録領域に情報記録手段であるピットが形成さ
れ、その上に金属膜からなる反射層が形成されている。
【0003】前記DVDでは、現在最も一般的な光情報
媒体の規格であるCD(Compact Disc)と比較して、高
密度化のために異なる規格が定められている。例えば、
光学ピックアップにおいては、波長630nm〜670
nmという短波長赤色レーザを使用すること、開口率N
Aが0.6という高開口率対物レンズを使用すること等
である。またこれに伴い、ディスクの反り等に対応する
ため、0.6mm厚というCDの約半分の厚さのディス
クが採用されている。ただ、ディスク厚1.2mmのC
Dとの寸法上の互換性を確保するため、2枚のディスク
の貼り合わせ構造としている。DVD規格では、1枚の
ディスクに標準で最大記録容量約4.7GB、映像と音
声を平均約133分収録することが規格化されている。
【0004】前記DVDの規格の標準化の中で、CDや
CD−ROMとCD−RやCD−RWとの関係と同様
に、当初は再生専用の光情報媒体と記録可能な光情報媒
体との双方が想定されていた。しかし当初の規格化は、
映像用のDVD−Videoとコンピュータデータ記録
用のDVD−ROM等の再生専用のDVDのみであり、
記録可能なDVDについては、規格化が先送りされてい
る。
【0005】CDでもDVDでもそうであるが、何れの
方式のメディアにあっても、書き込み可能なメディアに
おいては、著作権保護対策が必要となる。つまり、市販
のソフトメディアから記録可能なメディアへの違法なコ
ピーを防止する機能を必要とする。
【0006】これまで、CD−R等の記録可能なCDで
は、螺旋のグルーブ状のトラッキングガイドの蛇行(Wo
bble)をFM変調しATIP(Absolute Time In Pregr
oove)と呼ばれるアドレス情報部分にコピーガードに関
する機能を付加し、記録機側で記録可能な媒体を制限す
る等の著作権保護対策を行っている。これに対し、DV
D−R等の記録可能なDVDでは、記録機によってメデ
ィアに書き込む際にコピーメディアであることを示す情
報を記録し、この情報により再生機側で再生の制限を行
う等の著作権保護対策を行っている。
【0007】
【発明が解決しようとしている課題】前述のように、従
来の記録可能な光情報媒体においては、著作権保護対策
としてのコピーガード等の機能が記録機側の記録に依存
している。このため、記録機の設計によっては、コピー
ガードが働かず、違法コピー等が可能となり、著作権侵
害等の問題が発生する。
【0008】これらの違法コピー等による著作権侵害の
問題を確実に回避するためには、光情報媒体側でコピー
メディアであることを示すメディア情報を記録しておく
ことが考えられる。記録可能な光情報媒体は、通常の場
合未記録状態で出荷さされるが、製造工程の最終段階で
予め前述のような記録可能な光情報媒体であることを示
すメディア情報を記録し、その後出荷することは可能で
ある。
【0009】しかしながら、製造工程の中で、あらかじ
め光情報媒体に記録可能な光情報媒体であることを示す
メディア情報を記録することは、製造工程が複雑にな
り、製造工程全体の時間が増大し、製造コストの増大を
招く等の問題があり、現実的ではない。
【0010】本発明は、前記のような光情報媒体のコピ
ーガードのためのメディア情報を記録する手段の課題に
鑑み、その目的は、工程を増やさず、予め光情報媒体で
あることを示すメディア情報等の信号を記録した光情報
媒体と前記メディア情報による著作権保護を行うことが
できるその光情報媒体の記録方法を提供することであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明では、透光性基板1の上に記録層12や反射
層13を形成した後、記録光を照射してメディア情報等
のプレ記録信号を記録するのではなく、任意の情報信号
を記録する記録領域7以外に、予め情報が記録されたプ
レ記録部分2を設けるものである。そのために、透光性
基板1の記録層12が形成される面側の一部に記録領域
7とは異なる形状を与えておき、記録層12及び反射層
13を形成したとき、前記の部分を記録領域7と光学条
件の異なるプレ記録部分2とする。
【0012】より具体的には、このプレ記録部分2は、
透光性基板1側から入射して記録層13を経て反射層1
3に達するまでの再生光や記録光の光路長が記録領域7
とは異なるようにする。これにより、プレ記録部分2か
らの信号或いはその存在を光学的に検知可能とする。こ
のプレ記録部分2から得られる信号はメディア情報等を
示す信号として使用し、例えば著作権保護を目的とした
コピーガードの要否を判断する信号として使用する。
【0013】本発明による光情報媒体は、記録光を透過
する透光性基板1と、この透光性基板1上に形成された
記録層12と、この記録層12の上に形成され、再生光
を反射する反射層13とを有し、前記透光性基板1から
入射させた記録光により、光学的に読み取り可能な信号
を記録するものである。そしてこの光情報媒体は、光学
的に読み取り可能な信号を記録する記録領域7と、予め
情報が記録されたプレ記録部分2とを有し、このプレ記
録部分2と前記記録領域7との光学条件が異なってい
る。
【0014】例えば、プレ記録部分2と記録領域7とに
おいて、記録光や再生光に対する透光性基板1の光入射
面から反射層13に至るまでの光路長の違いを与え、プ
レ記録部分2と記録領域7との光学条件を相違させる。
このようなプレ記録部分2とそれ以外の記録領域7とで
は、記録光や再生光の入射光と反射光との干渉により光
ピックアップに戻ってくる反射光の光量が異なり、それ
によりプレ記録部分2からの信号或いはその存在を光学
的に検知できる。
【0015】このようなプレ記録部分2と記録領域7と
の光路長の違いは、記録層12の膜厚の相違によりもた
らされる。このプレ記録部分2と記録領域7での記録層
12の膜厚の相違により、記録光や再生光に対する透光
性基板1の光入射面から反射層13の界面に至るまでの
光路長に違いが生じる。
【0016】例えば、記録層12をスピンコート法によ
り形成する場合、透光性基板1上に形成された光学的な
トラッキングガイドとなるグルーブ3の幅を、プレ記録
部分2となる位置とそれ以外の記録領域7となる部分で
異ならせる。これにより、記録層12をスピンコート法
により形成する際、前記グルーブ3の幅の違いに起因し
て前記記録層12のレベリングが相違し、記録層12の
膜厚に相違が生じる。
【0017】このような光情報媒体では、透光性基板1
を成形する際、前記のようなトラッキングガイドとなる
グルーブ3の幅が他の部分と異なる部分を設けておくだ
けでよい。これにより、通常の製造工程と同様にして透
光性基板1の上に記録層12や反射層13を順次形成す
ることで、前述のようなプレ記録部分2が形成できる。
このため、光情報媒体の製造工程を全く変えることな
く、よって製造工程の工数を増大させることなくメディ
ア情報等の信号を得ることができるプレ記録部分2を設
けることが可能となる。
【0018】さらに例えば、前記プレ記録部分2は、ト
ラッキングガイドとなるグルーブ3の回りに、透光性基
板1の光入射面側に形成された凹状の窪み3d、3eに
より形成することができる。記録層12をスピンコート
法により形成する際、この窪み3d、3eの部分とそれ
以外の表面が平坦な記録領域7とで記録層12のレベリ
ングが相違し、記録層12の膜厚に相違が生じる。
【0019】前記のようなプレ記録部分2から光学的に
得られる信号は、メディア情報として利用することがで
き、記録領域7に情報信号を記録する際、その記録の可
否を判断するコピーガード信号として使用したり、その
再生の可否を判断することができる。これにより、違法
コピーを未然に防止し、著作権保護に資することができ
る。
【0020】さらに、プレ記録部分2において、ランド
4上にプレピット8を設け、これから光学的に得られる
信号をメディア情報として利用すると共に、プレピット
8の配列にそってランド4上にグルーブ9を設けるとよ
い。こうすることにより、記録層12を形成するための
材料を透光性基板1上にスピンコートする際に、膜厚が
均一になり、電気的特性の変動がなくなる。
【0021】また、記録層12と反射層13との界面に
おけるプレピット8の部分の深さをD1、そのグルーブ
9の部分の深さをD2、透光性基板1の表面におけるプ
レピット8の部分の深さをP1、そのグルーブ9の部分
の深さをP2、透光性基板1の複屈折率の実数部をn
1、記録層12の複屈折率の実数部をn2、再生光の波
長をλとしたとき、グルーブ9とランド4との光学的位
相差ΔS2=2(P2(n1−n2)+D2n2)と、
プレピット8とランド4との光学的位相差ΔS1=2
(P1(n1−n2)+D1n2)との比ΔS2/ΔS
1が、0.13≪ΔS2/ΔS1≪0.5とするのがよ
い。
【0022】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照しながら、本発
明の実施の形態について具体的且つ詳細に説明する。本
発明による光情報媒体の一例として、両面貼り合わせに
よる片面記録・再生構造を有する追記形光情報媒体の例
を図1〜図3に示す。透光性基板1は、中央にセンター
ホール4を有する透明な円板状の基板である。この透光
性基板1は、一般にポリカーボネート、ポリメチルメタ
クリレート(PMMA)等の透明樹脂を射出成形して作
られる。
【0023】この透光性基板1の片面の前記センターホ
ール4の外側にクランピングエリアが設定されており、
この領域の外周境界部分を図1と図2に破線で示す。こ
のクランピングエリアの外周側にデータを記録する記録
領域が設定される。透光性基板1の記録領域の部分に
は、スパイラル状のトラッキングガイドとなるグルーブ
3が形成されており、このグルーブ3の両側はランド4
となっている。このトラッキングガイドとなるグルーブ
3のピッチは、0.74μmを標準とする。
【0024】図4は、前記の透光性基板1の一部を切り
出して模式的に示した拡大斜視図である。グルーブ3に
は、標準幅の部分3aに対し、部分的にグルーブ3の他
の部分より幅が広くなった幅広部3b、3cが形成され
ている。グルーブ3にこのような幅広部3b、3cを有
しない部分が映像、音声、コンピュータデータ等の情報
信号を記録する記録領域である。
【0025】例えばDVDでは、グルーブ3の幅は、標
準幅の部分3aにおいて、その半分の深さの部分の幅、
いわゆる半値幅にして0.31μm程度であり、前記幅
広部3b、3cの部分の幅は、グルーブ3の標準幅の部
分3aより20%以上広くし、半値幅にして概ね0.3
8μm程度とする。また、図4に示すように、幅広部3
b、3cは、グルーブ3に沿って断続的に複数箇所設
け、異なる長さの幅広部3b、3cを適宜配列する。
【0026】さらに、図1〜図3及び図5に示すよう
に、透光性基板1の前記グルーブ3を形成した主面に記
録層12が形成される。例えば、スピンコート法等の手
段で有機色素等が塗布され、記録層12が形成される。
記録層12をスピンコート法で形成する場合、記録層1
2を形成するためのコーティング液は、遠心力により、
回転中心に近い透光性基板1の内周側から外周側へと広
がる。すなわち、コーティング液は、グルーブ3と直交
する方向に広がる。
【0027】図5の(a)と(b)は、前述のようにし
て透光性基板1の上に記録層12を形成し、さらに後述
するようにしてその上に反射層13を形成した状態を拡
大して示した図であり、それぞれ図4のA部分とB部分
で透光性基板1の径方向に断面して示したものである。
【0028】図5(a)により明らかなように、グルー
ブ3の標準幅の部分3aでは、前記記録層12をスピン
コーティングするときのコーティング液がグルーブ3を
埋めた状態、いわゆるレベリングはどのグルーブ3でも
等しく、グルーブ3の中央部における記録層12の膜厚
d1は、グルーブ3のどの部分でも概ね等しい。
【0029】これに対し、図5(b)に示すように、グ
ルーブ3の幅広部3eの部分では、他のグルーブ3と前
記の記録層12を形成するためのコーティング液のレベ
リングが異なり、その記録層12の膜厚d2は、通常の
幅のグルーブ3の記録層12の膜厚d1より薄くなる。
この部分がプレ記録部分2となり、その他の部分はプレ
記録部分2が無く、後に任意の情報を記録することがで
きる記録領域7となる。なお、図5(b)に示す幅広部
5eだけでなく、図4に示す幅広部3dでも同様とな
り、その部分はプレ記録部分2を構成する。
【0030】さらに、図1〜3及び図5に示すように、
前記のようにして形成された記録層12の上に、真空蒸
着法、スパッタリング法等の手段で、金、アルミニウ
ム、銀、銅等の金属膜或いはこれらの合金膜からなる反
射層13が形成される。続いて図1〜図3に示すよう
に、反射層13の上に、紫外線硬化性樹脂等の保護膜1
4が形成される。
【0031】図1〜図3に示すように、前記透光性基板
1の他にもう1枚の基板5を用意する。この基板5は、
前記透光性基板1と同じ材質で出来た同じサイズのもの
である。但し、図示の光情報媒体は、片面記録形の光情
報媒体であるため、前記の他の基板5の主面には、前記
透光性基板1のようなグルーブ3、記録層12、反射層
13は設けられていない。
【0032】次に、これらの2枚の基板1、5を貼り合
わせる。例えば、スピンコート法やスクリーン印刷法等
の手段により、透光性基板1側の保護層14の表面と基
板5の主面の少なくとも一方に接着剤11として反応性
硬化樹脂が塗布される。さらにこれらの面が互いに向か
い合わせて重ね合わせられ、且つ前記反応性硬化樹脂が
硬化される。これにより、前記反応性硬化樹脂が硬化す
ることにより形成された接着層11により、2枚の基板
1、5が互いに貼り合わせられる。
【0033】なお前記の例は、グルーブ3を有する透光
性基板1上に記録層12と反射層13とを形成した透光
性基板1と、記録層12と反射層13とを形成していな
い他の基板5とを貼り合わせた例である。これらの場合
は、片面のみ記録・再生が可能である。前記他の基板5
は、透光性を有しないものや、耐光性を保持するために
着色してあるもの、或いは表面に文字、図柄、書き込み
可能な領域を設けたものであってもよい。
【0034】他方、グルーブ3を有する透光性基板1上
に記録層12、反射層13及び保護層14とをそれぞれ
設けた透光性基板1を2枚用意し、これらの保護層14
側を向かい合わせて貼り合わせた、いわゆる両面記録・
再生構造の光情報媒体とすることもできる。
【0035】図3に示すように、同図において光情報媒
体の下方に配置した光ピックアップの対物レンズoを通
して透光性基板1の光入射面に記録光や再生光が入射さ
れる。この記録光や再生光は、前記のグルーブ3に沿っ
てトラッキングされながら、透光性基板1上の記録層1
2に収束され、光情報媒体への信号の記録やその記録信
号の再生が行われる。
【0036】対物レンズoを有する光ピックアップから
前記透光性基板1の光入射面に入射した記録光や再生光
は、透光性基板1と記録層12とを透過した後、反射層
13の界面で反射し、再び記録層12と透光性基板1を
透過し、さらに前記対物レンズoを有する光ピックアッ
プ側に戻ってくる。このとき、入射光と反射光との位相
差に相違があると、それら入射光と反射光との干渉によ
り、光学ピックアップで受光される戻り光の光量に変化
が生じ、これにより光学的に信号を読みとることができ
る。
【0037】例えば、前記のグルーブ3の幅広部3b、
3cとそれ以外の標準幅の部分3aとの記録層12の膜
厚d1、d2の違いにより、プレ記録部分2と記録領域
7とで透光性基板1の入射面から反射層13に至るまで
の記録光や再生光の光路長に違いが生じる。例えば、記
録光や再生光の波長に対し、記録領域7では反射層13
で反射して光ピックアップ側に戻る反射光の光量が大き
くなる、つまり反射率が高くなる光路長となるような記
録層12の膜厚を選択する。具体的には、入射光と反射
光との位相差が、記録層12における記録光や再生光の
波長λまたはそれに近くなるような光路長が選択され
る。他方、プレ記録部分2では、入射光と反射光とが干
渉し、減衰されて反射光の光量が小さくなる、つまり反
射率が小さくなるような記録層12の膜厚を選択する。
具体的には、入射光と反射光との位相差がλ/2または
それに近くなるような光路長が選択される。これによ
り、グルーブ3に沿って記録光や再生光をトラッキング
しながら記録または再生する際に、プレ記録部分2の存
在やそこから得られる信号を感知することができる。
【0038】図6及び図7は、本発明による光情報媒体
の他の実施形態を示すもので、図6は前記実施形態の図
4に対応する図である。図6から明らかなように、この
実施形態による光情報媒体では、前述のようなグルーブ
3はない。ここでプレ記録部分2は、透光性基板1の表
面に形成された凹状の窪み3d、3eと平坦な部分とに
おける記録層12のレベリングの違いにより形成され
る。すなわち、図7に示すように、窪み3eを設けたプ
レ記録部分2と平坦な部分とでは、窪み3eにおける記
録層12のスピンコート時のレベリングが異なり、記録
層12の膜厚d3、d4が互いに相違する。これによ
り、前述と同様にしてプレ記録部分2と記録領域7とで
は、記録光や再生光の光路長の違いが生じ、プレ記録部
2の存在やその記録信号を光学的に検知することができ
る。それ以外の点は、図1〜図5により前述した光情報
媒体と異ならない。
【0039】図8は、本発明による光情報媒体の他の実
施形態を示すものでる。この実施形態では、プレ記録部
分2において、ランド4上にプレピット8を設け、この
プレピット8から光学的に得られる信号を、メディア情
報として利用するものである。さらに、この実施形態で
は、前記のプレピット8の配列にそってランド4上にグ
ルーブ9を設けている。こうすることにより、記録層1
2を形成するための材料を透光性基板1上にスピンコー
トする際に、膜厚が均一になり、電気的特性の変動がな
くなる。
【0040】またこのとき、グルーブ9とランド4との
光学的位相差ΔS2と、プレピット8とランド4との光
学的位相差ΔS1との比ΔS2/ΔS1が、0.13≪
ΔS2/ΔS1≪0.5であるのがよい。前記の光学的
位相差は、記録層12と反射層13との界面におけるプ
レピット8の部分の深さをD1、そのグルーブ9の部分
の深さをD2、透光性基板1の表面におけるプレピット
8の部分の深さをP1、そのグルーブ9の部分の深さを
P2、透光性基板1の複屈折率の実数部をn1、記録層
12の複屈折率の実数部をn2、再生光の波長をλとし
たとき、次の式で表される。 ΔS1=2(P1(n1−n2)+D1n2) ΔS2=2(P2(n1−n2)+D2n2) ΔS1≒λ/2.3のとき、 λ/18≪ΔS2≪λ/4 または −λ/4≪ΔS2
≪−λ/18
【0041】
【実施例】次に、本発明の実施例について、具体的な数
値をあげて説明する。 (実施例1)図1〜図5に示した実施の形態において、
外径120mmφ、内径15mmφ、厚さ0.597m
m、屈折率1.59のポリカーボネート基板であって、
その一方の主面に半値幅0.31μm、深さ140n
m、ピッチ0.74μmのグルーブ3を有する透光性基
板1を用意した。このグルーブ3の一部には、半値幅が
0.38μmと、グルーブ3の他の部分より幅が広くな
った幅広部3b、3cを有する。この幅広部3b、3c
は複数形成され、それらの長さ(データピットの長さ)
は、約0.4μm〜1.9μmである
【0042】この透光性基板1の前記グルーブ3を有す
る面側に、トリメチン色素(シアニン色素)の溶液をス
ピンコートして成膜し、平均膜厚60nmの記録層12
を形成した。この時、グルーブ3の半値幅が0.31μ
mである記録領域7において、記録層12のレベリング
率1−d1/Dは、約0.38であり、半値幅0.38
μmの幅広部3b、3cにおける記録層12のレベリン
グ率1−d2/Dは、前記のレベリング率1−d1/D
より小さく、約0.28である。このレベリング率の相
違により、幅広部3b、3cにプレ記録部分2を形成
し、それ以外の通常のグルーブ3の幅を有する部分が記
録領域7とした。
【0043】さらに、前記記録層3の上にAuをスパッ
タリングし、反射層13を形成した。この反射層23の
上に紫外線硬化性樹脂(大日本インキ化学工業社製SD
211)をスピンコートし、これに紫外線を照射して硬
化させ、保護層14を形成した。この保護層14の表面
に紫外線硬化性樹脂製の接着剤を塗布し、前記と同じ材
質、形状の基板5を貼り合わせ、前記接着剤に紫外線を
照射して硬化させ、接着した。これにより、光情報媒体
を作った。
【0044】こうして作られた光情報媒体について、波
長650nmのレーザ光を発する光学ピックアップ(開
口率0.6)を使用し、プレ記録部分2の信号を読み取
ったところ、安定してプレ記録部分2から信号を読み込
むことができた。この信号の読み取りエラーは少なく、
信号の変調度は61%、ジッターが7.5%と好ましい
結果が得られた。
【0045】(実施例2)図6及び図7に示した実施形
態において、プレ記録部分2に半値幅0.38μmの凹
状の窪み3d、3eを形成し、それ以外の記録領域にグ
ルーブを形成しないこと、及び前記窪み3d、3eにお
ける記録層12のレベリング率1−d3/Dが0.20
であったこと以外は、前述の実施例1と同様の光情報媒
体を作った。
【0046】こうして作られた光情報媒体について、波
長660nmのレーザ光を発する光学ピックアップ(開
口率0.6)を使用し、プレ記録部分2の信号を読み取
ったところ、安定してプレ記録部分2から信号を読み込
むことができた。この信号の読み取りエラーは少なく、
信号の変調度は63%、ジッターが7.6%と好ましい
結果が得られた。
【0047】(実施例3)実施例1と2において、プレ
記録部分2において、ランド上に設けたプレピット8を
設け、そのプレピット8の配列に沿ってその両側のラン
ド上に幅0.21μm、深さ0.06μmのグルーブ9
を設けた。こうして作られた光情報媒体にっいて、波長
650nmのレ―ザ光を発する光学ピックアップ(開口
率0.6)を使用し、プレピット8の信号を読み取った
ところ、安定してプレピット8から信号を読み込むこと
が出来た。この光情報媒体の記録層12の膜厚が均一で
あることから、変調度のパラツキが少なく、信号の読み
取りエラーも少なく、信号の変調度は63%、ジッター
が7.5%と好ましい結果が得られた。また、このとき
△S1=λ/2.3、△S2=λ/15、W2/W1=
0.85、△S2/△S1=0.15であった。
【0048】(比較例)実施例1〜3において、幅広部
3b、3cも凹状の窪み3d、3eもランド上のプレピ
ットやグルーブも持たないプレピットをエンボス加工し
た透光性基板を用いた以外は、前述の実施例と同様の光
槽報媒体を作った。こうして作られた光情報媒体につい
て、波長650nmのレ一ザ光を発する光学ピックアッ
プ(開口率0,6)を使用し、プレ記録部分の信号を読
み取ったところ、信号を読み込むことが難しかった。こ
の信号の変調度は30%と低く、ジッタ一は18%と高
く、良好な結果は得られなかった。
【0049】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、透
光性基板1を成形する際、前記のようなトラッキングガ
イドとなるグルーブ3の幅が一部異なる幅広部3b、3
cや窪み3d、3eを形成しておくだけでよく、通常の
製造工程に従って、透光性基板1上に記録層12や反射
層13を形成することで、プレ記録部分2が形成でき
る。このため、光情報媒体の製造工程を全く変えること
なく、よって製造工程の工数を増大させることなくメデ
ィア情報等の信号を得ることができるプレ記録部分2を
設けることが可能となる。
【0050】このようなプレ記録部分2から光学的に得
られる信号は、メディア情報として利用することがで
き、記録領域7に情報信号を記録する際、その記録及び
再生の可否を判断するコピーガード信号として使用する
ことができる。これにより、違法コピーを未然に防止
し、著作権保護に資することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光情報媒体の例を示す2枚の基板
を貼り合わせる前の状態の半断面分解斜視図である。
【図2】同光情報媒体を示す一部縦断面斜視図である。
【図3】同光情報媒体の一部を示すその径方向に断面し
た要部縦断面図である。
【図4】同光情報媒体に使用される透光性基板の一部を
切り出して示した要部斜視図である。
【図5】透光性基板上に記録層と反射層を形成した後、
図4のA−A及びB−Bの位置でそれぞれ断面して示し
た要部縦断面図である。
【図6】本発明による光情報媒体の他の例に使用される
透光性基板の一部を切り出して示した要部斜視図であ
る。
【図7】透光性基板上に記録層と反射層を形成した後、
図6のC−Cの位置で断面して示した要部縦断面図であ
る。
【図8】本発明による光情報媒体の他の例に使用される
透光性基板の一部を切り出して示した要部斜視図であ
る。
【図9】前記透光性基板上に記録層と反射層を形成した
後、径方向に断面して示した要部縦断面図である。
【符号の説明】
1 透光性基板 2 プレ記録部分 3 グルーブ 3a グルーブの標準幅部分 3b グルーブの幅広部 3c グルーブの幅広部 3d 窪み 4e 窪み 7 記録領域 12 記録層 13 反射層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/24 565 G11B 7/24 565D 571 571B 7/0045 7/0045 D 7/007 7/007 (72)発明者 澤田 明人 東京都台東区上野6丁目16番20号 太陽誘 電株式会社内 (72)発明者 興津 勲 東京都台東区上野6丁目16番20号 太陽誘 電株式会社内 (72)発明者 藤井 徹 東京都台東区上野6丁目16番20号 太陽誘 電株式会社内 (72)発明者 浜田 恵美子 東京都台東区上野6丁目16番20号 太陽誘 電株式会社内 Fターム(参考) 5D029 JB09 JB36 KB03 WA27 WB11 WB17 WC09 WD22 5D090 AA01 BB03 CC01 CC14 DD02 EE20 GG07 GG34

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録光を透過する透光性基板(1)と、
    この透光性基板(1)上に形成された記録層(12)
    と、この記録層(12)の上に形成され、再生光を反射
    する反射層(13)とを有し、前記透光性基板(1)か
    ら入射させた記録光により、光学的に読み取り可能な信
    号を記録する光情報媒体において、光学的に読み取り可
    能な信号を記録する記録領域(7)と、予め情報が記録
    されたプレ記録部分(2)とを有し、このプレ記録部分
    (2)と前記記録領域(7)との光学条件が互いに異な
    っていることを特徴とする光情報媒体。
  2. 【請求項2】 プレ記録部分(2)と記録領域(7)と
    の光学条件の違いが、記録光及び/または再生光に対す
    る透光性基板(1)の光入射面から反射層(13)に至
    るまでの光路長の違いであることを特徴とする請求項1
    に記載の光情報媒体。
  3. 【請求項3】 プレ記録部分(2)と記録領域(7)と
    の光路長の違いが記録層(12)の膜厚の相違によりも
    たらされていることを特徴とする請求項2に記載の光情
    報媒体。
  4. 【請求項4】 プレ記録部分(2)と記録領域(7)と
    の記録層(12)の膜厚の相違が、スピンコート法によ
    り形成される記録層(12)に対し、透光性基板(1)
    上に形成された光学的なトラッキングガイドとなるグル
    ーブ(3)の幅の違いに起因する前記記録層(12)の
    レベリングの相違によりもたらされていることを特徴と
    する請求項3に記載の光情報媒体。
  5. 【請求項5】 プレ記録部分(2)と記録領域(7)と
    の記録層(12)の膜厚の相違が、スピンコート法によ
    り形成される記録層(12)に対し、透光性基板(1)
    の光入射面側に部分的に形成された凹状の窪み(3
    d)、(3e)の有無に起因する前記記録層(12)の
    レベリングの相違によりもたらされていることを特徴と
    する請求項3に記載の光情報媒体。
  6. 【請求項6】 プレ記録部分(2)において、ランド
    (4)上にプレピット(8)を設けると共に、プレピッ
    ト(8)の配列にそってランド(4)上にグルーブ
    (9)を設けたことを特徴とする請求項1に記載の光情
    報媒体。
  7. 【請求項7】 記録層(12)と反射層(13)との界
    面におけるプレピット(8)の部分の深さをD1、その
    グルーブ(9)の部分の深さをD2、透光性基板(1)
    の表面におけるプレピット(8)の部分の深さをP1、
    そのグルーブ(9)の部分の深さをP2、透光性基板
    (1)の複屈折率の実数部をn1、記録層(12)の複
    屈折率の実数部をn2、再生光の波長をλとしたとき、
    グルーブ(9)とランド(4)との再生光の光学的位相
    差ΔS2=2(P2(n1−n2)+D2n2)と、プ
    レピット(8)とランド(4)との再生光の光学的位相
    差ΔS1=2(P1(n1−n2)+D1n2)との比
    ΔS2/ΔS1が、0.13≪ΔS2/ΔS1≪0.5
    であることを特徴とする請求項6に記載の光情報媒体。
  8. 【請求項8】 前記請求項1〜7の何れかに記載の光情
    報媒体に記録光を照射し、信号を記録する光情報媒体の
    記録方法であって、プレ記録部分(2)により光学的に
    信号を読みとり、この信号を記録領域(7)への情報信
    号の記録の可否を判断するコピーガード信号として使用
    することを特徴とする光情報媒体の記録方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6982944B2 (en) 2002-03-20 2006-01-03 Hitachi Maxell, Ltd. Optical recording medium having relation between groove depths and pit depths
EP2051250A1 (en) * 2007-07-20 2009-04-22 Kabushiki Kaisha Toshiba Information recording medium

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