JP2001350147A - 液晶表示素子用のスペーサー散布方法 - Google Patents

液晶表示素子用のスペーサー散布方法

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JP2001350147A
JP2001350147A JP2000173196A JP2000173196A JP2001350147A JP 2001350147 A JP2001350147 A JP 2001350147A JP 2000173196 A JP2000173196 A JP 2000173196A JP 2000173196 A JP2000173196 A JP 2000173196A JP 2001350147 A JP2001350147 A JP 2001350147A
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liquid crystal
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JP2000173196A
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Norihisa Maeda
典久 前田
Hirobumi Wakemoto
博文 分元
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のスペーサー散布装置をそのまま使用し
ながらも、スペーサーを均一に分散させることが可能な
液晶表示素子用のスペーサー散布方法を提供する。 【解決手段】 スペーサー分散液Sの吐出口3aと圧縮
気体Gの排気口6aが独立して設けられる散布ノズル7
を備え、スペーサー分散液Sの散布範囲内に液晶表示素
子用の基板Wを設置しない状態で散布ノズル7から圧縮
気体Gのみを所定圧力と所定時間の下で排気させ、その
後、液晶表示素子用の基板Wを設置した状態で散布ノズ
ル7から圧縮気体Gと共にスペーサー分散液Sを霧状に
散布させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶を用いた液晶
表示素子の製造方法の技術分野に属し、特に液晶表示素
子の基板間のギャップ厚を均一に維持する液晶表示素子
用のスペーサー散布方法に関する。
【従来の技術】
【0002】従来、液晶を用いた液晶表示素子の基板間
のギャップ厚を所定厚に形成するためのスペーサーを散
布する方法としては、乾式散布方法と湿式散布方法があ
る。乾式散布方法とは、不活性気体を噴出させると同時
にスペーサーを気体中に分散させ、液晶表示素子の基板
上に堆積させる方法である。湿式散布方法は、スペーサ
ーをアルコールや純水等の溶媒に混合分散させた混合液
を噴霧状にし基板に散布する方法である。ここで、湿式
散布方法には、加熱機構を有せず、溶媒が基板に達した
後に乾燥させるウエット方式と、加熱機構を有し、溶媒
が基板に達するまでに乾燥させてしまう方式、すなわち
セミドライ方式がある。スペーサーの材質としては、プ
ラスチックビーズやガラスファイバーなどがあり、セル
ギャップに応じてさまざまな直径(例えば2〜6μm)
のものが使用される。なお、湿式散布方法は、ほとんど
セミドライ方式で行われているのが実状で、溶媒が気化
せずに基板に達し、基板に到達後気化するウエット方式
はほとんど行われていないのが実状である。
【0003】湿式散布方法は、最も多用されるスペーサ
ー散布方法で、その方法に用いられるスペーサー散布装
置は、散布する空間と液晶表示素子の基板を載置するス
テージが配されるチャンバと、チャンバの上方に配され
る散布ノズルと、散布ノズルにスペーサーを溶媒中に分
散させたスペーサー分散液を供給する供給手段と、散布
ノズルに圧縮気体を供給する供給手段とが配されてい
る。散布ノズルは、圧縮気体と共にスペーサー分散液を
チャンバ内にスプレー噴霧させるもので、スペーサー分
散液の供給手段と圧縮気体の供給手段と連結されてい
る。また、上記セミドライ方式では、チャンバ内にヒー
タが設けられる。
【0004】したがって、上記スペーサー散布装置を使
用してスペーサを散布する場合には、スペーサーをアル
コールや純水等の溶媒中に分散させたスペーサー分散液
を調製する。そしてスペーサー分散液を、供給手段を通
じて散布ノズルの吐出口から吐出させると同時に、圧縮
空気を排気口から排出させる。スペーサー分散溶液と圧
縮気体は、別々の管路から各々のノズルへ送られて霧状
に散布させ又は吐出させるものと、散布ノズル内で合流
させるタイプがあり、いずれのタイプも、スペーサー散
布溶液が散布ノズルから圧縮気体によって霧状に散布さ
れる。セミドライ方式では、アルコール等の溶媒は、ス
テージ上の液晶表示素子用の基板に達するまでにヒータ
により乾燥される。以上のスペーサー分散工程によっ
て、ステージに設置された基板には、スペーサーが散布
される。その後は、散布状況の検査が行われ、基板の貼
り合わせ工程に移行する。散布状況の検査は、散布面内
の1mm2 のスペーサー数及び凝集粒子数を測定する検
査として行われることが一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、スペーサー
は、セルギャップ(二枚のガラス基板の間隔)を一定に
保つ役割を担うものであるが、スペーサーが液晶表示素
子用の基板上に均一に分散されないと、セルギャップの
不均一が生じやすくなり、また、スペーサー粒子が凝集
する部分では、いわゆる光抜け等の表示ムラが発生する
ことが知られている。この点、従来の乾式散布方法や湿
式散布方法では、スペーサー粒子の凝集が見られ、セル
ギャップ精度及び表示精度の向上が図られなくなる問題
を有していた。特に湿式散布方法では、スペーサー散布
の工程中に散布ノズルの先端の周辺にスペーサー分散液
が水滴状に付着し、これが自重により液晶表示素子用の
基板上に自然落下したり、スプレー噴霧時の気流により
液晶表示素子用の基板上に落下するため、スペーサー密
度の不均一が発生するという問題があった。つまり、セ
ミドライ方式では、分散ノズル先端周辺に付着した水滴
状のスペーサー分散液(以下液滴という)が、ヒータに
よって気化されることなく液晶表示素子用の基板上に落
下することにより、また、溶媒が基板に達する方式で
は、スプレー噴霧される霧状の溶媒よりも粒子が大きい
液滴が基板上に落下することにより、スペーサー密度の
不均一が発生するという問題があった。
【0006】このスペーサー分散液が散布ノズルの先端
の周辺に水滴状に付着する原因として現在考えられるも
のは、アルコール等の溶媒の気化によりチャンバ内の温
度が下がることで結露が生じて、散布ノズルの先端の周
辺にスペーサー分散液が水滴状に付着する場合と、散布
ノズルの吐出口からのわずかな液漏れが分散ノズルの先
端の周辺に付着する場合である。
【0007】そこで、本発明の目的は、湿式散布方法に
おいて、従来のスペーサー散布装置をそのまま使用しな
がらも、スペーサーを均一に分散させることが可能な液
晶表示素子用のスペーサー散布方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、湿式散布
方法において、前記問題の原因が液滴にあることを明確
にすると共に、いかなる原因により散布ノズルの先端の
周辺に液滴が付着したとしても、液滴がガラス基板上に
落下することを確実に防止し、スペーサーを均一に散布
する方法を見い出した。
【0009】すなわち、上記課題を達成するために、本
発明の液晶表示素子用のスペーサー散布方法は、スペー
サーを溶媒中に分散させたスペーサー分散液の供給手段
と、圧縮気体の供給手段と、これらと連結されスペーサ
ー分散液の吐出口と圧縮気体の排出口が各々独立するが
互いの先端部が近接するように配される散布ノズルとを
備え、圧縮気体と共にスペーサー分散液を霧状に散布さ
せる液晶表示素子用のスペーサー散布方法であって、ス
ペーサー分散液の散布範囲内に液晶表示素子用の基板を
設置しない状態で上記散布ノズルから圧縮気体のみを所
定圧力と所定時間の下で吐出させ、その後、液晶表示素
子用の基板を設置した状態で上記散布ノズルから圧縮気
体と共にスペーサー分散液を霧状に散布させることを特
徴とする。すなわち、スペーサー分散液の散布範囲内に
液晶表示素子用の基板上を設置しない状態で、圧縮気体
の供給口から圧縮気体のみを吐出させる空吹きにより、
吐出口に付着した液滴を吹き飛ばした後、液晶表示素子
用の基板を設置した状態で通常の湿式散布工程を行う。
【0010】この発明によれば、上記散布ノズルから圧
縮気体と共にスペーサー分散液を噴霧し散布させる通常
の湿式散布工程の前に、上記散布ノズルの圧縮気体の排
気口から圧縮気体のみを排気させる空吹きにより、散布
ノズルの先端に付着した液滴を除去することができる。
更に、スペーサー分散液の散布範囲に基板を設置しない
状態で圧縮気体のみを排気するため、除去した液滴が基
板上に落下することもない。そして、この発明によれ
ば、スペーサー分散液の吐出口と圧縮気体の排気口が独
立している散布ノズルを用いたスペーサー散布装置であ
れば、従来のスペーサー散布装置をそのまま使用できる
ことなる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を、
図面を参照して詳細に述べる。
【0012】本実施の形態は、セミドライ方式に本発明
を適用したもので、その湿式スペーサー散布装置は、図
1に示すように、液晶表示素子の基板(以下、「ガラス
基板」という)Wを載置するステージ8が配されるチャ
ンバ10と、チャンバ10の上方に配される散布ノズル
7と、散布ノズル7にスペーサー分散液Sを供給する供
給手段1と、ドライ空気等の圧縮気体を供給する供給手
段4とを備えている。散布ノズル7は、スペーサー分散
液Sと圧縮気体Gとを散布するもので、チャンバ10内
においてステージ8に向かって吐出口7aが配されてい
る。なお、チャンバ10の側面にはヒータ11,11が
配されている。
【0013】スペーサー分散液Sは、スペーサー粒子と
分散液とを混合して調製されて容器2に貯蔵され、連結
管3と連結管3の中途部に設けられスペーサー分散液S
の排出を制御するポンプPとを介してその供給口3aか
ら散布ノズル7に供給される。他方、圧縮気体Gは、貯
蔵容器5から吸引管6を介して供給され、その供給口6
aから散布ノズル7に供給される。スペーサー分散液供
給口3aと圧縮気体Gの供給口6aが各々設けられてい
る。また、スペーサー分散液Sの供給口3aと圧縮気体
Gの供給口6aは、必ずしも散布ノズル7内に設けられ
る必要はなく、スペーサー分散液Sと圧縮気体Gとによ
り良好な霧状態が得られ、かつ、圧縮気体Gのみの排気
により散布ノズル7の先端に付着した液滴を除去するこ
とができるように、スペーサー分散液Sの供給手段1と
圧縮気体Gの供給手段4とが独立するよう設けられてい
れば、いずれの位置に設けられてもよい。例えば、スペ
ーサー分散液Sと圧縮気体Gとが内部で混合され、一つ
の吐出口(又は排気口)からスペーサー分散液Sがスプ
レー噴霧されるものでも良い。
【0014】散布ノズル7は、図2に示すように、スペ
ーサー分散液Sの吐出口7aと圧縮気体Gの排気口7d
がその先端側に集まるように形成されている。すなわ
ち、散布ノズル7は、その先端側の中央に、口径0.5
mmの吐出口7aが形成され、スペーサ分散液Sは吐出
開閉部7bからシリンダ7cを介して排出口7aへ送り
出される。シリンダ7cは、ピストンとその後方のスプ
リングとからなる単動形で、エアー供給口7eからシリ
ンダ7cの片側にエアー(空気)が供給されて、もどり
はスプリングにより戻ることにより伸縮駆動する。スペ
ーサー分散液Sは、分散時以外はポンプPを介して循環
している。他方、圧縮気体Gの排気口7dは、スペーサ
ー分散液Sの吐出口7aと連続するように配されてい
る。すなわち、圧縮気体Gの排気口7dは、スペーサー
分散液Sの吐出口7aの先端側に向かってこれと連続す
る2つの排気口7dとして形成されている。ここで、圧
縮気体Gの排気口7dは、散布ノズル7の内部でスペー
サー分散液Sの吐出口7aと合流するものでも良い。ま
た、排気口7dは、2つであるがこれに限定されるもの
ではなく、一つでもそれ以上でも良い。なお、圧縮気体
Gの排気口7dは圧縮気体Gの供給口6aと連続してい
る。かかる構成において、ピストン7cが駆動すると吐
出開閉部7bが開き吐出口7aからスペーサー分散液S
が吐出される。同時に圧縮気体Gの排気口7dから霧化
用の圧縮気体が吐出され、スペーサー分散液Sを霧化し
てスプレーする。なお、シリンダ7cを駆動するエアー
(空気)のコントール制御は散布ノズル7の外にある図
示しない制御弁で行う。空吹き時は、吐出開閉部7bが
閉塞のままで、排気口7dより圧縮気体のみを吐出す
る。
【0015】したがって、上記構成の湿式スペーサー散
布装置を使用してスペーサを散布する場合には、まず、
スペーサーをアルコールや純水等の溶媒中に分散させた
スペーサー分散液Sを調製する。本実施の形態の溶媒
は、配向膜に悪影響を与えるもの以外であれば特に種類
は問われないが、スペーサーが溶媒中で凝集してはなら
ないことから、極性の高い溶媒が良く、水やアルコール
類が適する。これらの溶媒は単独で用いても、2種類以
上を混合して用いても良い。また、本実施の形態のスペ
ーサーの材質や形状にも特に制限はなく、市販のあらゆ
るスペーサーを用いることができる。
【0016】次に、散布ノズル7により圧縮空気等の圧
縮気体Gと共にスペーサー分散液Sを霧状に散布させる
前に、スペーサー分散液Sの散布範囲内にガラス基板W
を設置しない状態で散布ノズル7から圧縮気体Gのみを
所定圧力及び所定時間で排気口7dから排気する。すな
わち、チャンバ10内のステージ8にガラス基板Wを載
置しない状態で、圧縮気体Gのみを排気させる空吹きを
する。これは、散布ノズル7の先端周辺に付着した液滴
を吹き飛ばすために行われる。この圧縮気体Gのみの排
気は、本実施の形態の散布ノズル7においてスペーサー
分散液Sの吐出口7aと圧縮気体Gの排気口7dとが独
立していることから、圧縮気体Gの供給手段4のみを稼
働させれば容易に可能である。所定圧力は、本実施の形
態では、4.5kgf/cm2 以上5.0kgf/cm
2 以下である。所定時間は、本実施の形態では、0.5
秒以上1.0秒以下である。その後、配向処理を施した
ガラス基板Wをステージ8に設置し、調製したスペーサ
ー分散液Sを散布ノズル7によりガラス基板Wの表面に
散布する。その後、所定時間静置させるための静置時間
を設ける。以上のスペーサー散布工程によって、ステー
ジ8に設置されたガラス基板Wにスペーサーが散布され
る。所定圧力と所定時間の上限は、特に実施の形態では
問題とならず、散布ノズル7の排出口7aの径や散布ノ
ズル7へ圧縮気体Gを供給するポンプ等の圧力により決
定される。
【0017】
【実施例】本発明者等は、本実施の形態によるスペーサ
の散布方法について、上記構成の装置を使用して、従来
の湿式散布方法並びに本発明の散布方法によるスペーサ
ー散布を行い、その後、散布状況の検査を行った。そし
て、問題の原因が液滴にあることを明確にする実験を行
いながら、最適な液晶表示素子用のスペーサー散布方法
を検討した。以下、液滴の原因を解明する実験を実験例
とし、最適な湿式散布方法を本発明の実施例とし、この
実施例と比較するために行った実験を比較例として説明
する。
【0018】(実験例1)成分がSiO2からなる直径
4.0μmの球形のスペーサーを1gとりイソプロピル
アルコール50mlと純水50mlを加え、超音波で3
0分間拡散させ、スペーサー分散液Sを調製し、この調
製したスペーサー分散液Sを容器2に入れた。次に、配
向処理を施したガラス基板Wをステージ8に設置し、調
製したスペーサー分散液Sを、散布ノズル7を通してガ
ラス基板Wの表面に吐出圧力4.5kgf/cm2 で1
0秒間散布し、60秒間の静置時間を設けた。このよう
に散布すると、約200個/mm2 密度で均一にスペー
サーが分散できた。ガラス基板Wの表面を目視で観察し
たところスペーサー密度のムラは見られなかった。
【0019】(実験例2)成分がSiO2 からなる直径
4.0μmの球形のスペーサーを1gとりイソプロピル
アルコール50mlと純水50mlを加え、超音波で3
0分間拡散させ、スペーサー分散液Sを調製し、この調
製したスペーサー分散液Sを容器2に入れた。次に、散
布ノズル7の先端の付近にスポイトで約0.2mlのス
ペーサー分散液Sを付着させた。その後、配向処理を施
したガラス基板Wをステージ8に設置し、調製したスペ
ーサー分散液Sを、散布ノズル7を通してガラス基板W
の表面に吐出圧力4.5kgf/cm2 で10秒間散布
し、60秒間の静置時間を設けた。このように散布する
と、約200個/mm2 の密度でスペーサーが分散され
るが、ガラス基板Wの表面を目視で観察すると、直径1
mm程度の円形のスペーサー凝集が点在して見られた。
この部分を顕微鏡で観察すると、密度が約1000〜2
000個/mm2 のスペーサー粒子の凝集が見られた。
【0020】(実施例1)成分がSiO2 からなる直径
4.0μmの球形のスペーサを1gとりイソプロピルア
ルコール50mlと純水50mlを加え、超音波で30
分間拡散させ、スペーサー分散液Sを調製し、この調製
したスペーサー分散液Sを容器2に入れる。次に、散布
ノズル7の先端の付近にスポイトで約0.2mlのスペ
ーサー分散液Sを付着させた。このスポイトによる付着
は、結露等による液滴の付着を想定したものである。そ
の後、圧縮気体供給口6aからドライ空気Gを4.5k
gf/cm2 の吐出圧力で0.5秒間吐出する空吹きを
行った。その後、10秒後に配向処理を施したガラス基
板Wをステージ8に設置し、調製したスペーサー分散液
Sを、散布ノズル7を通してガラス基板Wの表面に吐出
圧力4.5kgf/cm2 で10秒間散布し、60秒間
の静置時間を設けた。このように散布すると、約200
個/mm2 の密度でスペーサーが分散され、ガラス基板
Wの表面を目視で観察しても、スペーサー粒子の凝集は
見られなかった。
【0021】(実験例3)成分がSiO2 からなる直径
4.0μmの球形のスペーサを1gとりイソプロピルア
ルコール50mlと純水50mlを加え、超音波で30
分間拡散させ、スペーサー分散液Sを調製し、この調製
したスペーサー分散液Sを容器2に入れた。次に、散布
ノズル7の吐出口7aの閉まり具合を微調整し、分散液
を滲み出させ、滲み出た分散液Sが散布ノズル7の先端
に付着し、落下しない程度に液漏れを発生させた。その
後、配向処理を施したガラス基板Wをステージ8に設置
し、調製したスペーサー分散液Sを、散布ノズル7を通
してガラス基板Wの表面に吐出圧力4.3kgf/cm
2 で10秒間散布し、60秒間の静置時間を設けた。こ
のように散布すると、約200個/mm2 の密度でスペ
ーサーが分散されるが、ガラス基板Wの表面を目視で観
察すると、直径1mm程度の円形のスペーサー凝集が点
在して見られた。この部分を顕微鏡で観察すると、密度
が約1000〜2000個/mm2 のスペーサー粒子の
凝集であった。
【0022】(実施例2)成分がSiO2 からなる直径
4.0μmの球形のスペーサを1gとりイソプロピルア
ルコール50mlと純水50mlを加え、超音波で30
分間拡散させ、スペーサー分散液Sを調製し、この調製
したスペーサー分散液Sを容器2に入れる。次に、散布
ノズル7の分散液吐出口7aの閉まり具合を微調整し、
分散液を滲み出させ、滲み出た分散が散布ノズル7の
先端に付着し、落下しない程度に液漏れを発生させた。
その後、圧縮気体供給口6aからドライ空気Gを4.5
kgf/cm2 の吐出圧力で0.5秒間吐出する空吹き
を行った。その後、10秒後に配向処理を施したガラス
基板Wをステージ8に設置し、調製したスペーサー分散
液を、散布ノズル7を通してガラス基板Wの表面に吐出
圧力4.5kgf/cm2 で10秒間散布し、60秒間
の静置時間を設けた。このように散布すると、約200
個/mm2 の密度でスペーサーが分散され、ガラス基板
Wの表面を目視で観察しても、スペーサー粒子の凝集は
見られなかった。
【0023】(比較例1)実施例1において、ドライ空
気Gの吐出圧力のみを変更し、圧縮気体Gの供給口6a
からドライ空気Gを4.3kgf/cm2 の吐出圧力で
吐出する空吹きを行った。このように散布すると、約2
00個/mm2 の密度でスペーサーが分散されるが、ガ
ラス基板Wの表面を目視で観察すると、直径1mm程度
の円形のスペーサー凝集が点在して見られた。この部分
を顕微鏡で観察すると、密度が約1000〜2000個
/mm2 のスペーサー粒子の凝集であった。
【0024】(比較例2)実施例1において、圧縮気体
の吐出時間のみを変更し、圧縮気体Gの供給口6aから
ドライ空気Gを0.4秒で吐出する空吹きを行った。こ
のように散布すると、約200個/mm2 の密度でスペ
ーサーが分散されるが、ガラス基板Wの表面を目視で観
察すると、直径1mm程度の円形のスペーサー凝集が点
在して見られた。この部分を顕微鏡で観察すると、密度
が約1000〜2000個/mm2のスペーサー粒子の
凝集であった。
【0025】(比較例3)実施例1において、圧縮気体
吐出終了から基板設置までの時間のみを変更し、ドライ
空気Gの吐出終了から11秒後に配向処理を施したガラ
ス基板Wをステージ8に設置させた。このように散布す
ると、約200個/mm2 の密度でスペーサーが分散さ
れるが、ガラス基板Wの表面を目視で観察すると、直径
1mm程度の円形のスペーサー凝集が点在して見られ
た。この部分を顕微鏡で観察すると、密度が約1000
〜2000個/mm2 スペーサー粒子の凝集であった。
【0026】(比較例4)実施例2において、ドライ空
気Gの吐出圧力のみを変更し、圧縮気体Gの供給口6a
からドライ空気Gを4.3kgf/cm2 の吐出圧力で
吐出する空吹きを行った。このように散布すると、約2
00個/mm2 の密度でスペーサーが分散されるが、ガ
ラス基板Wの表面を目視で観察すると、直径1mm程度
の円形のスペーサー凝集が点在して見られた。この部分
を顕微鏡で観察すると、密度が約1000〜2000個
/mm2 のスペーサー粒子の凝集であった。
【0027】(比較例5)実施例2において、圧縮気体
の吐出時間のみを変更し、圧縮気体Gの供給口6aから
ドライ空気Gを0.4秒で吐出する空吹きを行った。こ
のように散布すると、約200個/mm2 の密度でスペ
ーサーが分散されるが、ガラス基板Wの表面を目視で観
察すると、直径1mm程度の円形のスペーサー凝集が点
在して見られた。この部分を顕微鏡で観察すると、密度
が約1000〜2000個/mm2のスペーサー粒子の
凝集であった。
【0028】(比較例6)実施例2において、圧縮気体
の吐出終了から基板設置までの時間のみを変更し、ドラ
イ空気Gの吐出終了から11秒後に配向処理を施したガ
ラス基板Wをステージ8に設置する。このように散布す
ると、約200個/mm2 の密度でスペーサーが分散さ
れるが、ガラス基板Wの表面を目視で観察すると、直径
1mm程度の円形のスペーサー凝集が点在して見られ
た。この部分を顕微鏡で観察すると、密度が約1000
〜2000個/mm2 スペーサー粒子の凝集であった。
以上の実施例1,2と実験例1,2と比較例1〜4を表
1と表2にまとめる。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】以下、これらの実験例1〜3、実施例1〜
2と、比較例1〜の結果を詳細に検討する。まず、実
験例1と実験例2及び実験例3を比較検討する。実験例
1は液滴がない状態で散布した場合のスペーサー凝集状
態である。実験例2は結露等による液滴の付着がある場
合(スポイトによる付着)で散布した場合のスペーサー
凝集状態である。実験例3は液漏れによる液滴の付着が
ある場合(液漏れによる滲み出し)で散布した場合のス
ペーサー凝集状態である。実験例1では、スペーサー凝
集がみられず、均一に散布された。これに対し、実験例
2及び実験例3ではスペーサー凝集が見られた。したが
って、湿式散布方法において、散布ノズル7の先端に付
着した液滴がスペーサー凝集の一つの原因であることが
分かる。
【0032】次に、実験例2と実施例1とを比較検討す
る。両例とも液滴がある状態であるが、液滴の原因を結
露等による付着と想定した。実験例2では液滴がある状
態(スポイトによる付着)で従来のスペーサー散布方法
を行った結果、液滴のスペーサー凝集が見られた。実施
例1では、液滴がある状態(スポイトによる付着)で本
発明のスペーサー散布方法を行った結果、スペーサーの
凝集が見られなかった。したがって、上記条件で本発明
の方法を実施した場合は、散布ノズル7の先端に付着し
た液滴が除去され、スペーサーを均一に散布できること
が分かる。
【0033】次に、実験例3と実施例2とを比較検討す
る。両例とも液滴がある状態であるが、液滴の原因を液
漏れと想定した。実験例3では液漏れによる液滴がある
状態(液漏れによる滲み出し)で、従来の散布方法を行
った結果、液滴のスペーサー凝集が見られた。実施例2
では、液漏れによる液滴がある状態で、本発明のスペー
サー散布方法を行った結果、スペーサーの凝集がみられ
なかった。したがって、液漏れを原因とする液滴におい
ても、上記条件で本発明の方法を実施した場合は、散布
ノズル7の先端に付着した液滴が除去され、スペーサー
を均一に散布できることが分かる。
【0034】次に、実施例1と比較例1とを比較検討す
るとともに、実施例2と比較例4とを比較検討する。ま
ず、比較例1では、実施例1の条件中、吐出圧力のみを
変化させ、条件を吐出圧力4.3kgf/cm2 と設定
した。その結果、比較例1では、スペーサーの凝集が見
られた。液滴は圧縮気体のみを吐出する際の圧縮気体の
吐出圧力によって除去されるが、吐出圧力不足の場合
は、散布ノズル7の先端に付着した液滴が残存すること
がある。比較例1ではドライ空気Gの吐出圧力が小さ
く、液滴を除去するのに十分な吐出圧力が得られなかっ
たため、液滴が残存したからである。他方、比較例4で
は、実施例2の条件中、吐出圧力のみを変化させ、条件
を吐出圧力4.3kgf/cm2 と設定した。その結
果、比較例4では、スペーサーの凝集が見られた。これ
もドライ空気Gの吐出圧力が小さく、液滴を除去するの
に十分な吐出圧力が得られなかったためである。したが
って、本発明を有効に実施するためには、結露等による
液滴の付着の場合も液漏れによる滲み出しの場合も、そ
の液滴を除去するために十分な吐出圧力が必要であり、
具体的には、吐出圧力が4.5kgf/cm2 以上であ
ることが必要である。そして、前記条件で本発明を実施
することにより、液滴を確実に除去することができるこ
とが分かる。
【0035】次に、実施例1と比較例2とを比較検討す
るとともに、実施例2と比較例5とを比較検討する。実
施例1ではドライ空気Gの吐出時間を0.5秒と設定し
たが、比較例2では、実施例1の条件中、吐出時間のみ
を変化させ、吐出時間を0.4秒と設定した。その結
果、比較例2では、スペーサーの凝集が見られた。液滴
は圧縮気体の吐出圧力によって除去されるが、圧縮気体
のみの吐出時間不足の場合は、散布ノズル7の先端に付
着した液滴が残存することがある。比較例2ではドライ
空気Gの圧力は十分にあるが、液滴を除去するのに十分
な吐出時間が得られず、液滴が残存したためである。他
方、比較例5では、実施例2の条件中吐出時間のみを変
化させ、吐出時間を0.4秒と設定した。その結果、比
較例5では、スペーサーの凝集が見られた。これもドラ
イ空気Gの圧力は十分にあるが、液滴を除去するのに十
分な吐出時間が得られず、液滴が残存したためである。
したがって、本発明を有効に実施するためには、結露等
による液滴の付着の場合も液漏れによる滲みだしの場合
も、その液滴を除去するために十分な吐出時間が必要で
あり、具体的には、吐出時間は0.5秒以上であること
が必要であることが分かる。
【0036】最後に、実施例1と比較例3とを比較検討
するとともに、実施例2と比較例6とを比較検討する。
比較例3では、散布ノズル7の先端付近にスポイトで約
0.2mlのスペーサー分散液Sを付着させ、スペーサ
ー分散液Sの液漏れがない状態で、圧縮気体Gみの吐出
終了からガラス基板Wを設置するまでの時間を11秒に
設定した。その結果、比較例3では、スペーサーの凝集
が見られた。また、10秒を越えた場合は散布ノズル7
の先端に液滴が付着することも目視により確認された。
これは、圧縮気体Gのみを吐出することによって、液滴
を除去することができるが、その後、結露により再び液
滴が付着するためである。他方、比較例6では、実施例
2の条件中、圧縮気体Gみの吐出終了からガラス基板W
を設置するまでの時間のみを変化させ、条件を11秒に
設定した。その結果、比較例3では、スペーサーの凝集
が見られた。また、10秒を越えた場合は散布ノズル7
の先端に液滴が付着することも目視により確認された。
これも、圧縮気体Gのみを吐出することによって、液滴
を除去することができるが、その後、結露により再び液
滴が付着するためである。したがって、本発明を有効に
実施するためには、再度結露により液滴が付着する前
に、ガラス基板Wを設置する必要があり、具体的には、
圧縮気体のみの吐出終了から基板を設置するまでの時間
が10秒以内である必要があることが分かる。
【0037】以上の実験結果から、散布ノズル7から圧
縮気体のみを吐出する所定圧力が4.5kgf/cm2
上であれば、散布ノズル7の先端に付着した液滴を除去
するのに十分な吐出圧力が得られることが分かる。次
に、布ノズル7から圧縮気体のみを吐出させる所定時間
が0.5秒以上であれば、散布ノズル7の先端に付着し
た液滴を除去するのに十分な吐出時間が得られることが
分かる。さらに、圧縮気体Gのみを吐出させる所定時間
の終了から散布ノズル7により圧縮気体Gと共にスペー
サー分散液Gを散布させるまでの時間が10秒以内であ
れば、散布ノズル7の先端に付着した液滴を除去した
後、再度液滴が付着する前に、散布範囲内に基板を設置
してスペーサー分散液Gを噴霧状に散布することができ
ることが分かる。
【0038】そして、この散布方法によれば、いかなる
原因により散布ノズル7の先端の周辺に液滴が付着した
としても、液滴を除去することができるとともに、従来
の装置を改良することなくそのまま使用ずることができ
る。所定圧力と所定時間の上限は、特に問題とならず、
散布ノズル7の排出口7aの径や散布ノズル7へ圧縮気
体を供給するポンプ等の圧力により決定される。なお、
本実施の形態と実施例では、セミドライ方式についての
み説明したが、湿式散布方法におけるスペーサー不均一
の原因は散布ノズル7の先端に付着した液滴にあり、本
発明によって同様の結果が得られる。したがって、本発
明はいずれの湿式散布方法についてもその如何に関わら
ず適用可能である。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、基板上にスペーサーを
湿式散布する直前に、基板のない状態で圧縮気体のみを
吐出し、散布ノズルの先端の周辺に付着した液滴を除去
することにより、ガラス基板上に液滴が落下することを
回避でき、スペーサーの散布密度の均一性を確保するこ
とができる。したがって、液晶表示素子の製造工程にお
いて、セルギャップ精度及び表示精度の優れた液晶表示
素子を製造することが可能となる。また、従来の装置を
改良することなくそのまま使用できるため、本発明を容
易に実施することができる。
【0040】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のスペーサー散布装置の
概略図
【図2】上記一実施の形態の散布ノズルの概略断面図
【符号の説明】
1 スペーサー分散液の供給手段 2 容器 3 連結管 3a スペーサー分散の供給口 4 圧縮気体の供給手段 5 容器 6 吸引管 6a 圧縮気体の供給口 7 散布ノズル 7a スペーサー分散液の吐出口 7b 吐出開閉部 7d 圧縮気体の排気口 8 ステージ 10
チャンバ 11 ヒータ G 圧縮気体 P ポンプ S
スペーサー分散液 W ガラス基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B05D 7/24 301 B05D 7/24 301E 5G435 G09F 9/00 338 G09F 9/00 338 9/30 320 9/30 320 Fターム(参考) 2H089 LA06 LA19 LA20 MA01X NA09 NA17 NA24 PA12 QA12 QA13 QA14 4D075 AA04 AA72 DC21 EA10 4F033 QA01 QB02Y QB03X QB09X QB12Y QD03 QD04 QE11 QE16 QE17 QE21 4F035 AA04 BA02 5C094 AA02 AA43 BA43 CA19 EB02 EC03 FB15 GB10 5G435 AA00 AA17 BB12 FF01 KK05 KK10

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スペーサーを溶媒中に分散させたスペー
    サー分散液の供給手段と、圧縮気体の供給手段と、これ
    らと連結されスペーサー分散液の吐出口と圧縮気体の排
    気口が各々独立するが互いの先端部が近接するように配
    される散布ノズルを備え、圧縮気体と共にスペーサー分
    散液を霧状に散布させる液晶表示素子用のスペーサー散
    布方法であって、 スペーサー分散液の散布範囲内に液晶表示素子用の基板
    を設置しない状態で上記散布ノズルから圧縮気体のみを
    所定圧力と所定時間の下で吐出させ、その後、液晶表示
    素子用の基板を設置した状態で上記散布ノズルから圧縮
    気体と共にスペーサー分散液を霧状に散布させることを
    特徴とする液晶表示素子用のスペーサー散布方法。
JP2000173196A 2000-06-09 2000-06-09 液晶表示素子用のスペーサー散布方法 Pending JP2001350147A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006022001A1 (ja) * 2004-08-25 2006-03-02 Nagase & Co., Ltd. スペーサ散布装置及びスペーサ散布方法
WO2006030508A1 (ja) * 2004-09-16 2006-03-23 Nagase & Co., Ltd. スペーサ散布装置及びスペーサ散布方法
KR101058454B1 (ko) 2004-04-30 2011-08-24 엘지디스플레이 주식회사 잉크 젯 스페이서 분사장치 및 이를 이용한액정표시장치용 기판 상의 스페이서 형성 방법

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WO2006022001A1 (ja) * 2004-08-25 2006-03-02 Nagase & Co., Ltd. スペーサ散布装置及びスペーサ散布方法
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