JP2001349333A - 等速自在継手 - Google Patents

等速自在継手

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JP2001349333A
JP2001349333A JP2000165958A JP2000165958A JP2001349333A JP 2001349333 A JP2001349333 A JP 2001349333A JP 2000165958 A JP2000165958 A JP 2000165958A JP 2000165958 A JP2000165958 A JP 2000165958A JP 2001349333 A JP2001349333 A JP 2001349333A
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JP
Japan
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velocity universal
retainer
ball
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JP2000165958A
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English (en)
Inventor
Keisuke Sone
啓助 曽根
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品点数、組立て工数の削減、強度や耐久性
の向上、小型・軽量化 【解決手段】 等速自在継手は、球面状の内径面1aに
8本の曲線状の案内溝1bを軸方向に形成した外側継手
部材1と、球面状の外径面2aに8本の曲線状の案内溝
2bを軸方向に形成した内側継手部材2と、外側継手部
材1の案内溝1bとこれに対応する内側継手部材2の案
内溝2bとが協働して形成される8本のボールトラック
に配された8個のトルク伝達ボール3と、トルク伝達ボ
ール3を保持する保持器4とで構成される。内側継手部
材2には、軸部2cが一体に形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駆動軸と従動軸と
が角度を取ったときでも、回転トルクを等速で伝達する
ことができる等速自在継手に関し、例えば自動車のプロ
ペラシャフトや後輪駆動軸など、大きな角度変位を取ら
ない動力伝達軸の連結用継手として好適である。
【0002】
【従来の技術】図12は、ドライブシャフトやプロペラ
シャフト等の連結用継手として従来より使用されている
固定型等速自在継手(ツェパー型等速自在継手:ボール
フィックスドジョイント)を示している。この等速自在
継手は、球面状の内径面11aに6本の曲線状の案内溝
11bを軸方向に形成した外側継手部材11と、球面状
の外径面12aに6本の曲線状の案内溝12bを軸方向
に形成し、内径面に歯型(セレーション又はスプライ
ン)を有する嵌合部12cを形成した内側継手部材12
と、外側継手部材11の案内溝11bとこれに対応する
内側継手部材12の案内溝12bとが協働して形成され
る6本のボールトラックに配された6個のトルク伝達ボ
ール13と、トルク伝達ボール13を保持する保持器1
4とで構成される。
【0003】外側継手部材11の案内溝11bの中心A
は内径面11aの球面中心に対して、内側継手部材12
の案内溝12bの中心Bは外径面12aの球面中心に対
して、それぞれ、軸方向に等距離だけ反対側(同図に示
す例では中心Aは継手の開口側、中心Bは継手の奥部
側)にオフセットされている。そのため、案内溝11b
とこれに対応する案内溝12bとが協働して形成される
ボールトラックは、軸方向の一方(同図に示す例では継
手の開口側)に向かって楔状に開いた形状になる。外側
継手部材11の内径面11aの球面中心、内側継手部材
12の外径面12aの球面中心は、いずれも、トルク伝
達ボール13の中心を含む継手中心面O内にある。
【0004】外側継手部材11と内側継手部材12とが
角度θだけ角度変位すると、保持器14に案内されたト
ルク伝達ボール13は常にどの作動角θにおいても、角
度θの2等分面(θ/2)内に維持され、継手の等速性
が確保される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来、この種の等速自
在継手において、内側継手部材12と保持器14との組
込みは図13に示す態様で行っていた。すなわち、内側
継手部材12の軸線と保持器14の軸線とを直交させ、
内側継手部材12の外径面12a(案内溝12b間の領
域)を保持器14のポケット14cに入れながら、内側
継手部材12を保持器14の内径面14bに挿入する。
その後、内側継手部材12を保持器14に対して90度
回転させて両者の軸線を一致させる。そうすると、内側
継手部材12の外径面12aが保持器14の内径面14
bに組込まれる。
【0006】しかしながら、上記の構成では、組込み時
に内側継手部材12の外径面12aを保持器14のポケ
ット14cに入れるため、保持器14の少なくとも一つ
のポケット14cの円周方向寸法を内側継手部材12の
軸方向幅よりも大きくする必要がある。そして、その
分、保持器14の内径面14bおよび外径面14aの面
積減少や、ポケット14c間の柱部14dの円周方向寸
法の減少につながり、このことは、保持器14の強度や
耐久性にとって有利にはならない。
【0007】また、組込み時に内側継手部材12の軸線
と保持器14の軸線とを直交させる必要があるため、図
12に示すように、内側継手部材12と軸部20とを別
体とし、継手の組立て後に軸部20を内側継手部材12
のセレーション部(又はスプライン部)12cに嵌合連
結している。そのため、部品製造工程や組立て工程の工
数増になると共に、内側継手部材12の案内溝12bの
溝底とセレーション部(又はスプライン部)12cの歯
底との間の肉厚部分や、セレーション部(又はスプライ
ン部)12cにおける捩り強度の最弱部といった、強度
や耐久性上の弱部となる部位ができ、小型・軽量化設計
の制約の一つになっている。
【0008】また、従来、この種の等速自在継手におい
て、保持器14のポケット14c及びボールトラック
(外側継手部材11の案内溝11b及び内側継手部材1
2案内溝12b)へのトルク伝達ボール13の組込みは
図14に示す態様で行っていた。すなわち、外側継手部
材11と内側継手部材12とを所定角度θ0だけ相対的
に角度変位させ(この時の変位角θ0を「ボール組込み
角θ0」という。)、保持器14のポケット14cを外
側継手部材11の一方の開口部から外部に臨ませた状態
で、トルク伝達ボール13を保持器14のポケット14
c及びボールトラックに組込む。ここで、ボール組込み
角θ0は継手が機能上取り得る最大の変位角である最大
作動角よりも大きく、内側継手部材12に軸部20が設
けられていると、最大作動角で軸部20と外側継手部材
11とが干渉してボール組込み角θ0が得られず、トル
ク伝達ボール13の組込みができなくなる。このような
理由からも、内側継手部材12と軸部20とを別体とす
る必要がある。
【0009】本発明の目的は、この種の等速自在継手に
ついて、構成部品の組込み性に配慮しつつ部品点数、組
立て工数の削減を図ると共に、強度および耐久性の向上
を図り、また、従来継手と同等以上の強度、耐久性およ
び負荷容量を確保しつつ、小型・軽量化を図ることにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、球面状の内径面に軸方向に延びる複数の
案内溝を形成した外側継手部材と、球面状の外径面に軸
方向に延びる複数の案内溝を形成した内側継手部材と、
外側継手部材の案内溝とこれに対応する内側継手部材の
案内溝とが協働して形成される複数のボールトラックに
それぞれ配されたトルク伝達ボールと、トルク伝達ボー
ルを保持する保持器とを備え、ボールトラックが軸方向
の一方に向かって楔状に開いた等速自在継手において、
内側継手部材が軸部を一体に有する構成を提供する。内
側継手部材に軸部を一体に設けることにより、部品点
数、組立て工数の削減が可能になると共に、従来継手に
おける内側継手部材の案内溝の溝底とセレーション部
(又はスプライン部)の歯底との間の肉厚部分や、セレ
ーション部(又はスプライン部)における捩り強度の最
弱部がなくなるので、強度や耐久性が向上し、また従来
継手と同等以上の強度、耐久性および負荷容量を確保し
つつ、小型・軽量化を図ることが可能となる。
【0011】上記構成において、保持器が一端部内径に
入口部を設け、入口部の内径(B)を、内側継手部材の
外径面の外径(A)に対してB>Aとすることができ
る。好ましくは、入口部の軸方向寸法(D)を、保持器
の一端側に位置する環状部の軸方向寸法(C)に対して
C<Dとする。この構成により、内側継手部材の軸線と
保持器の軸線とを一致させた状態で、内側継手部材の外
径面を保持器の内径面に組込むことができる。すなわ
ち、内側継手部材の軸線と保持器の軸線とを一致させた
状態で、内側継手部材の外径面(案内溝間の領域)の円
周方向位置と保持器のポケットの円周方向位置とを合わ
せ、両者を軸線方向に相対移動させて、内側継手部材を
保持器の内径面に挿入する。その後、両者の位相を円周
方向にずらして、内側継手部材の外径面の円周方向位置
と保持器の柱部の円周方向位置とを合わせると、内側継
手部材の外径面が保持器の内径面に組込まれる。内側継
手部材の軸線と保持器の軸線とを一致させた状態で両者
の組込みを行うことができるので、内側継手部材に軸部
を一体に設けても組込み上の支障はない。
【0012】また、上記構成において、外側継手部材と
内側継手部材とを相対的に角度変位させ、保持器のポケ
ットを外側継手部材の一方の開口部から外部に臨ませた
状態で、トルク伝達ボールを保持器のポケット及びボー
ルトラックに組込む時のボール組込み角(θ0)を、軸
部と外側継手部材とが干渉する最大変位角(θ1)に対
してθ0≦θ1とすることができる。これにより、内側継
手部材に軸部を一体に設けても、トルク伝達ボールの組
込みが可能となる。一方、このような構成とすることに
より、継手が機能上取り得る最大の変位角である最大作
動角(θ2)はθ2<θ0≦θ1となり、従来継手よりも小
さくなるが、大きな角度変位を取らない用途であれば使
用上問題はない。例えば、最大作動角(θ2)を30度
以下に限定し、常用作動角域がその最大作動角(θ2
の範囲内であるような用途に適用することができる。
【0013】上記構成において、内側継手部材に一体に
設ける軸部は、動力伝達軸そのものとしても良いし、動
力伝達軸としてのハーフシャフトを結合するためのスタ
ブシャフトとしても良い。特に、軸部をスタブシャフト
とすることにより、製造時、組立て時、保管・梱包・搬
送時等における利便性が増し、また、密封用ブーツを外
側継手部材とスタブシャフトとの間に装着することによ
り、密封用ブーツの装着作業が容易になり、例えば密封
用ブーツの装着作業の自動化も可能となる。スタブシャ
フトとハーフシャフトとの結合部は、溶着や接着等の固
着構造としても良いが、組立てや分解時の利便性に配慮
して、着脱自在な構造にするのが好ましい。ここでの
「着脱自在な構造」には、セレーション嵌合、スプライ
ン嵌合、キー嵌合、ボルト結合などが含まれる。
【0014】上記構成において、スタブシャフトに結合
されるハーフシャフトとして、自動車のプロペラシャフ
トや後輪駆動軸などを例示することができる。
【0015】以上の構成において、ボールトラックの本
数およびトルク伝達ボールの個数をそれぞれ8とするこ
とができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
従って説明する。
【0017】図1及び図2は、本発明の第1の実施形態
に係る固定型等速自在継手を示している。この実施形態
の等速自在継手は、球面状の内径面1aに例えば8本の
曲線状の案内溝1bを軸方向に形成した外側継手部材1
と、球面状の外径面2aに例えば8本の曲線状の案内溝
2bを軸方向に形成した内側継手部材2と、外側継手部
材1の案内溝1bとこれに対応する内側継手部材2の案
内溝2bとが協働して形成される8本のボールトラック
に配された8個のトルク伝達ボール3と、トルク伝達ボ
ール3を保持する保持器4とで構成される。内側継手部
材2には、軸部2cが一体に形成されている。軸部2c
は、例えば自動車のプロペラシャフトや後輪駆動軸など
の動力伝達軸である。
【0018】図3は、外側継手部材1を示している。外
側継手部材1の案内溝1bの中心O1は内径面1aの球
面中心O1‘に対して、軸方向の一方に所定距離Fだけ
オフセットされている。また、内径面1aの一端側に円
筒面1a1が設けられている。円筒面の内径D1は、後
述する保持器4の外径D2よりも若干小さい。
【0019】図4は、内側継手部材2を示している。内
側外側継手部材2の案内溝2bの中心O2は外径面2a
の球面中心O2‘に対して、軸方向の他方に所定距離F
だけオフセットされている。外径面2aの外径はAであ
る。また、内側継手部材2の一方の端面には、凹状の肉
取り部2dが設けられ、軽量化が図られている。
【0020】図5は、保持器4を示している。保持器4
は、トルク伝達ボール3を収容保持する窓形のポケット
4cを備え、ポケット4cの軸方向両側が環状部4d、
4e、ポケット4cの円周方向両側が柱部4fになった
環体である。外径面4aの中心O3はポケット中心Oに
対して、軸方向の一方に所定距離fだけオフセットさ
れ、内径面4bの中心O4はポケット中心Oに対して、
軸方向の他方に所定距離fだけオフセットされている。
また、保持器4の一端部内径には、円筒状の入口部4g
が設けられている。入口部4gの内径Bは、内側継手部
材2の外径面2aの外径Aに対して、B>Aに設定され
ている。また、この実施形態において、入口部4gの軸
方向寸法Dは、環状部4eの軸方向寸法Cに対して、C
<Dに設定されている。従って、ポケット4cの形成位
置において、入口部4gは内径Bで環状部4eの端面か
らポケット4cに抜けることになる。
【0021】この実施形態の等速自在継手は、保持器4
を外側継手部材1の内径面1aに組込む工程、内側継手
部材2を保持器4の内径面4bに組込む工程、トルク伝
達ボール3を保持器4のポケット4c及びボールトラッ
クに組込む工程を主要工程として組立てられる。
【0022】まず、図6に示すように、外側継手部材1
の軸線と保持器4の軸線とを直交させた状態で、外側継
手部材1の内径面1a(案内溝1b間の領域)の円周方
向位置と保持器4のポケット4cの円周方向位置とを合
わせ、保持器4を外側継手部材1の軸線方向に相対移動
させて、円筒面1a1の側から内径面1aに挿入する。
前述したように、円筒面1a1の内径D1は保持器4の
外径D2対してD1<D2の関係になっているが、円筒
面1a1をポケット4c部分で潜らせることにより、保
持器4を外側継手部材1の内径面1aに挿入することが
できる。その後、保持器4を90度相対回転させて、外
側継手部材1の軸線と保持器4の軸線とを一致させ、さ
らに両者を円周方向に相対移動させて、外側継手部材1
の案内溝1bの円周方向位置と保持器4のポケット4c
の円周方向位置とを合わせると、保持器4の柱部4fの
外径面4aが外側継手部材の内径面1aに組込まれる。
【0023】つぎに、図7に示すように、内側継手部材
2の軸線と保持器4の軸線とを一致させた状態で、内側
継手部材2の外径面2a(案内溝2b間の領域)の円周
方向位置と保持器4のポケット4cの円周方向位置とを
合わせ、両者を軸線方向に相対移動させて、内側継手部
材2を保持器4の入口部4gから内径面4bに挿入す
る。前述したように、入口部4gの内径Bが、内側継手
部材2の外径面2aの外径Aに対してB>Aの関係を有
し、また、入口部4gの軸方向寸法Dが、環状部4eの
軸方向寸法Cに対してC<Dの関係を有するので、軸線
方向の相対移動により、内側継手部材2を保持器4の内
径面4bに挿入することができる。
【0024】図8は、上記の態様で、内側継手部材2を
保持器4の内径面4bに挿入した時の状態を示してい
る。この時点では、内側継手部材2の外径面2aの円周
方向位置と保持器4の柱部4fの円周方向位置とは、案
内溝2bの形成位相角αの1/2だけ円周方向にずれて
いる。その後、両者を円周方向に角度1/2αだけ相対
移動させ、内側継手部材2の外径面2aの円周方向位置
と保持器4の柱部4fの円周方向位置とを合わせると、
内側継手部材2の外径面2aが保持器4の内径面4bに
組込まれる。内側継手部材2の軸線と保持器4の軸線と
を一致させた状態で両者の組込みを行うことができるの
で、内側継手部材2に軸部2cを一体に設けても組込み
上の支障はない。
【0025】つぎに、図9に示すように、外側継手部材
1と内側継手部材2とを相対的に角度θ0だけ角度変位
させ、保持器4のポケット4cを外側継手部材1の一方
の開口部から外部に臨ませた状態で、トルク伝達ボール
3を保持器4のポケット4c及びボールトラック(外側
継手部材1の案内溝1b及び内側継手部材2の案内溝2
b)に組込む。この時のボール組込み角θ0は、内側継
手部材2の軸部2cと外側継手部材1とが干渉する最大
変位角(θ1)に対してθ0≦θ1とすることにより、内
側継手部材2に軸部2cを一体に設けても、トルク伝達
ボール3の組込みが可能となる。尚、同図に示す例で
は、θ0=θ1に設定している。
【0026】外側継手部材1、内側継手部材2、トルク
伝達ボール3、及び保持器4を上述した態様で組立て、
さらに密封用ブーツ5を装着すると、図1及び図2に示
すこの実施形態の等速自在継手が完成する。図1に示す
例では、密封用ブーツ5を、金属製のブーツアダプタ5
aと、樹脂やゴム等の可撓性材料からなるブーツ本体5
bとで構成し、ブーツアダプタ5aの一端部を外側継手
部材1の外周に圧入等の適宜の手段で固定すると共に、
ブーツ本体5bの小径部を内側継手部材2の軸部2cの
外周にブーツバンド10で固定している。尚、ブーツ本
体5bの大径部は、ブーツアダプタ5aの他端部に把持
固定している。
【0027】上述のように、外側継手部材1の案内溝1
bの中心O1は内径面1aの球面中心に対して、内側継
手部材2の案内溝2bの中心O2は外径面2aの球面中
心に対して、それぞれ、軸方向に等距離Fだけ反対側
(同図に示す例では、中心O1は継手の開口側、中心O
2は継手の奥部側)にオフセットされている。そのた
め、案内溝1bとこれに対応する案内溝2bとが協働し
て形成されるボールトラックは、軸方向の一方(同図に
示す例では継手の開口側)に向かって楔状に開いた形状
になる。
【0028】保持器4の外径面4aの案内面となる外側
継手部材1の内径面1aの球面中心、および、保持器4
の内径面4bの案内面となる内側継手部材2の外径面2
aの球面中心は、いずれも、トルク伝達ボール3の中心
O3を含む継手中心面O内にある。従って、案内溝1b
の中心O1のオフセット量Fは、中心O1と継手中心面
Oとの間の軸方向距離、案内溝2bの中心O2のオフセ
ット量Fは、中心O2と継手中心面Oとの間の軸方向距
離になり、両者は等しい。
【0029】また、トルク伝達ボール3のピッチ円径
(PCDBALL)と直径(DBALL)との比r1(=PCD
BALL/DBALL)は、3.3≦r1≦5.0の範囲内の値
に設定されている。ここで、トルク伝達ボール3のピッ
チ円径(PCDBALL)は、PCRの2倍の寸法である
(PCDBALL=2×PCR)。外側継手部材1の案内溝
1bの中心O1とトルク伝達ボール3の中心O3を結ぶ
線分の長さ、内側継手部材2の案内溝2bの中心O2と
トルク伝達ボール3の中心O3を結ぶ線分の長さが、そ
れぞれPCRであり、両者は等しい。3.3≦r1≦
5.0とすることにより、外側継手部材等の強度、継手
の負荷容量および耐久性を従来継手(6個ボールの固定
型等速自在継手)と同等以上に確保することができる。
より好ましくは、3.5≦r1≦5.0の範囲内の値に
設定するのが良い。
【0030】この実施形態の等速自在継手は、トルク伝
達ボール3の個数が8個であり、従来継手(6個ボール
の固定型等速自在継手)に比べ、継手の全負荷容量に占
めるトルク伝達ボール1個当りの負荷割合が少なく、ま
た、3.3≦r1≦5.0に設定していることにより、
同じ呼び形式の従来継手(6個ボールの固定型等速自在
継手)に対して、同等以上の強度、負荷容量および耐久
性を確保しつつ、外径寸法の一層のコンパクト化を図る
ことができる。また、従来継手(6個ボールの固定型等
速自在継手)に比べて低発熱であることが実験の結果確
認されている。
【0031】また、内側継手部材2に軸部2cを一体に
設けているので、部品点数、組立て工数の削減が可能に
なると共に、従来継手における内側継手部材の案内溝の
溝底とセレーション部(又はスプライン部)の歯底との
間の肉厚部分や、セレーション部(又はスプライン部)
における捩り強度の最弱部がなくなるので、強度や耐久
性が向上し、また従来継手と同等以上の強度、耐久性お
よび負荷容量を確保しつつ、小型・軽量化を図ることが
可能となる。
【0032】外側継手部材1と内側継手部材2とが角度
θだけ角度変位すると、保持器4に案内されたトルク伝
達ボール3は常にどの作動角θにおいても、角度θの2
等分面(θ/2)内に維持され、継手の等速性が確保さ
れる。図10は、この実施形態の等速自在継手が最大作
動角θ2を取った時の状態を示している。最大作動角θ2
は、上述したボール組込み角θ0に対してθ2<θ0の関
係を有し、この実施形態ではθ2=30度(deg)に
設定している。自動車のプロペラシャフトや後輪駆動軸
等の用途では、この程度の最大作動角θ2が得られれ
ば、常用作動角域を十分にカバーすることができる。
尚、最大作動角θ2は30度以下に設定すれば良い。
【0033】図11は、本発明の第2の実施形態に係る
固定型等速自在継手を示している。この実施形態の等速
自在継手が、上述した第1の実施形態の等速自在継手と
異なる主な点は、内側継手部材2に一体に設ける軸部を
スタブシャフト2eとした点、スタブシャフト2eにハ
ーフシャフト2fを結合した点にある。
【0034】この実施形態において、ハーフシャフト2
fは中空状であり、また、スタブシャフト2eに着脱自
在に結合されている。すなわち、ハーフシャフト2fの
軸端部内周にセレーション部(又はスプライン部)2f
1を設け、スタブシャフト2eの軸端部外周にセレーシ
ョン部(又はスプライン部)2e1を設けて、両者をセ
レーション嵌合(又はスプライン嵌合)している。ま
た、セレーション部(又はスプライン部)2f1に設け
た円周溝と、セレーション部(又はスプライン部)2e
1に設けた円周溝との間に、例えばC型リング状のクリ
ップ2gを介在させて両者の軸方向への抜け止めを行っ
ている。
【0035】密封用ブーツ5は、外側継手部材1とスタ
ブシャフト2eとの間に装着している。すなわち、ブー
ツアダプタ5aの一端部を外側継手部材1の外周に圧入
等の適宜の手段で固定すると共に、ブーツ本体5bの小
径部を内側継手部材2のスタブシャフト2eの外周にブ
ーツバンド10で固定している。
【0036】内側継手部材2に一体に設ける軸部をスタ
ブシャフト2eとすることにより、製造時、組立て時、
保管・梱包・搬送時等における利便性が増し、また、ス
タブシャフト2eとハーフシャフト2fとの結合部を着
脱自在な構造とすることにより、組立てや分解時の利便
性を高めることができる。さらに、密封用ブーツ5を外
側継手部材1とスタブシャフト2eとの間に装着するこ
とにより、密封用ブーツ5の装着作業を容易にすること
ができ、例えば密封用ブーツ5の装着作業の自動化も可
能となる。その他の事項は、上述した第1の実施形態に
準じるので、重複する説明を省略する。
【0037】
【発明の効果】本発明は以下に示す効果を有する。
【0038】(1)内側継手部材に軸部を一体に設ける
ことにより、部品点数、組立て工数の削減が可能になる
と共に、従来継手における内側継手部材の案内溝の溝底
とセレーション部(又はスプライン部)の歯底との間の
肉厚部分や、セレーション部(又はスプライン部)にお
ける捩り強度の最弱部がなくなるので、強度や耐久性が
向上し、また従来継手と同等以上の強度、耐久性および
負荷容量を確保しつつ、小型・軽量化を図ることが可能
となる。
【0039】(2)保持器の入口部の内径(B)を、内
側継手部材の外径面の外径(A)に対してB>Aとし、
好ましくは、入口部の軸方向寸法(D)を、保持器の一
端側に位置する環状部の軸方向寸法(C)に対してC<
Dとすることにより、内側継手部材の軸線と保持器の軸
線とを一致させた状態で、内側継手部材の外径面を保持
器の内径面に組込むことができる。したがって、内側継
手部材に軸部を一体に設けても、保持器に対する組込み
が可能となる。
【0040】(3)ボール組込み角(θ0)を、軸部と
外側継手部材とが干渉する最大変位角(θ1)に対して
θ0≦θ1とすることにより、内側継手部材に軸部を一体
に設けても、トルク伝達ボールの組込みが可能となる。
【0041】(4)内側継手部材に一体に設ける軸部を
スタブシャフトとすることにより、製造時、組立て時、
保管・梱包・搬送時等における利便性をたかめることが
できる。
【0042】(5)スタブシャフトとハーフシャフトと
の結合部を着脱自在な構造とすることにより、組立てや
分解時の利便性を高めることができる。
【0043】(6)密封用ブーツを外側継手部材とスタ
ブシャフトとの間に装着することにより、密封用ブーツ
の装着作業が容易になり、例えば密封用ブーツの装着作
業の自動化も可能となる。
【0044】(7)ボールトラックの本数およびトルク
伝達ボールの個数をそれぞれ8とすることにより、同じ
呼び形式の従来継手(6個ボールの固定型等速自在継
手)に対して、同等以上の強度、負荷容量および耐久性
を確保しつつ、外径寸法の一層のコンパクト化を図るこ
とが可能となる。
【0045】(8)本発明の等速自在継手は、例えば最
大作動角(θ2)が30度以下であり、大きな角度変位
を取らない動力伝達軸の連結用に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る等速自在継手の
縦断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係わる等速自在継手
の横断面図である。
【図3】外側継手部材の縦断面図である。
【図4】内側継手部材の縦断面図である。
【図5】保持器の縦断面図である。
【図6】外側継手部材と保持器とを組込む時の状態を示
す図である。
【図7】保持器と内側継手部材とを組込む時の状態を示
す図である。
【図8】保持器と内側継手部材とを組込む時の状態を示
す図である。
【図9】トルク伝達ボールを組込む時の状態を示す図で
ある。
【図10】本発明の第1の実施形態に係る等速自在継手
が最大作動角を取った時の状態を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る等速自在継手
を示す縦断面図である。
【図12】従来の等速自在継手を示す縦断面図{図12
(a)}、{図12(b)}である。
【図13】従来の等速自在継手における保持器と内側継
手部材とを組込む時の状態を示す図である。
【図14】従来の等速自在継手におけるトルク伝達ボー
ルを組込む時の状態を示す図である。
【符号の説明】 1 外側継手部材 1a 内径面 1b 案内溝 2 内側継手部材 2a 外径面 2b 案内溝 2c 軸部 2e スタブシャフト 2f ハーフシャフト 3 トルク伝達ボール 4 保持器 4c ポケット 4e 環状部 4g 入口部 5 ドライブシャフト

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 球面状の内径面に軸方向に延びる複数の
    案内溝を形成した外側継手部材と、球面状の外径面に軸
    方向に延びる複数の案内溝を形成した内側継手部材と、
    外側継手部材の案内溝とこれに対応する内側継手部材の
    案内溝とが協働して形成される複数のボールトラックに
    それぞれ配されたトルク伝達ボールと、トルク伝達ボー
    ルを保持する保持器とを備え、前記ボールトラックが軸
    方向の一方に向かって楔状に開いた等速自在継手におい
    て、 前記内側継手部材が軸部を一体に有することを特徴とす
    る等速自在継手。
  2. 【請求項2】 前記保持器が一端部内径に入口部を有
    し、前記入口部の内径(B)が、前記内側継手部材の外
    径面の外径(A)に対してB>Aであることを特徴とす
    る請求項1記載の等速自在継手。
  3. 【請求項3】 前記入口部の軸方向寸法(D)が、前記
    保持器の一端側に位置する環状部の軸方向寸法(C)に
    対してC<Dであることを特徴とする請求項2記載の等
    速自在継手。
  4. 【請求項4】 前記外側継手部材と前記内側継手部材と
    を相対的に角度変位させ、前記保持器のポケットを前記
    外側継手部材の一方の開口部から外部に臨ませた状態
    で、前記トルク伝達ボールを前記保持器のポケット及び
    前記ボールトラックに組込む時のボール組込み角
    (θ0)が、前記軸部と前記外側継手部材とが干渉する
    最大変位角(θ1)に対してθ0≦θ1であることを特徴
    とする請求項1記載の等速自在継手。
  5. 【請求項5】 前記軸部がスタブシャフトであることを
    特徴とする請求項1記載の等速自在継手。
  6. 【請求項6】 前記スタブシャフトにハーフシャフトが
    結合されていることを特徴とする請求項5記載の等速自
    在継手。
  7. 【請求項7】 前記スタブシャフトとハーフシャフトと
    の結合部を着脱自在な構造にしたことを特徴とする請求
    項6記載の等速自在継手。
  8. 【請求項8】 前記外側継手部材とスタブシャフトとの
    間に密封用ブーツを装着したことを特徴とする請求項5
    から7の何れかに記載の等速自在継手。
  9. 【請求項9】 最大作動角(θ2)を30度以下としたこ
    とを特徴とする請求項1から8の何れかに記載の等速自
    在継手。
  10. 【請求項10】 前記ボールトラックの本数および前記
    トルク伝達ボールの個数がそれぞれ8であることを特徴
    とする請求項1から9の何れかに記載の等速自在継手。
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