JP2001348775A - 生分解性材料製シートの成形方法及びその装置 - Google Patents

生分解性材料製シートの成形方法及びその装置

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JP2001348775A
JP2001348775A JP2000166924A JP2000166924A JP2001348775A JP 2001348775 A JP2001348775 A JP 2001348775A JP 2000166924 A JP2000166924 A JP 2000166924A JP 2000166924 A JP2000166924 A JP 2000166924A JP 2001348775 A JP2001348775 A JP 2001348775A
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slurry
nonwoven fabric
biodegradable
wax
biodegradable material
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JP2000166924A
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English (en)
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Hisashi Kanetani
久 金谷
Hideaki Suemasu
秀昭 末増
Yoji Kai
洋二 甲斐
Toru Maeda
前田  徹
Shingo Moriyama
信吾 森山
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Seibu Electric and Machinery Co Ltd
Original Assignee
Seibu Electric and Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の製造装置で作製した生分解性材料製
シートは,各種の製品に利用でき,廃棄しても環境汚染
にならずに,微生物や日光等で崩壊して自然に戻すこと
ができる。 【解決手段】 この製造装置は,ボビン26に巻き上げ
られた生分解性不織布1Aを繰り出す送り出し装置8,
不織布1Aにワックス27を含浸させるワックス含浸装
置2,不織布1Bを生分解性泥漿28に浸漬して含浸さ
せる泥漿含浸装置3,泥漿28を不織布1Cに塗り込ん
で浸透させる回転押圧塗り込み装置4,不織布1から余
分な泥漿28をスクレープして表面を仕上げ成形する表
面仕上げ装置5,不織布1Eを乾燥させて生分解性材料
製シートに作製する乾燥装置6,及び乾燥した不織布1
Eを巻き上げる巻取り装置7を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,籾殻等の植物原
料,天然素材,不織布等から成る生分解性材料組成物を
原料とする生分解性材料製シートの成形方法及びその製
造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来,生分解性不織布を使用した食品の
運搬やショーケースに陳列される食品用トレイやケース
としての使い捨て容器は,例えば,特開平4−1897
40号公報に開示されたものが知られている。該食品用
トレイは,セルロース系の天然繊維又はセルロース系の
再生又は半合成繊維或いはこれらの混合繊維より構成す
る繊維ウェブが,キトサン塩を主体とする繊維間結合剤
で接着され,該繊維100重量部に対して撥水剤を固形
分で1〜10重量部付着させた目付200g/m 2 以上
の生分解性不織布より成り,みかけ密度0.2g/cm
3 以上に圧縮成形された受け皿状に形成したものであ
る。
【0003】また,特開平10−323810号公報に
開示された生分解性成形材料は,51〜70wt%の紙
粉と30〜49wt%の生分解性脂肪族ポリエステル樹
脂とからなり,耐熱温度が高く,蒸気滅菌が可能な使い
捨て食器,トレイ,苗木等のポットごとに,土中に移植
できる植生ポットを形成できる。該生分解性成形材料
は,耐水性を有し,使用後に廃棄した場合には,一定期
間内に崩壊消滅するものである。
【0004】また,特開平7−205120号公報に
は,可分解性容器の製造方法が開示されている。該可分
解性容器の製造方法は,穀類の藁と籾殻を基本原料とし
て廃棄による環境汚染を起こさないものであり,穀類の
藁と籾殻を高温殺菌消毒し,これを乾燥後に予め切断繊
維或いは粉砕粉とし,一方,含水澱粉を加熱して糊化
し,両者を混合攪拌した混合材料をダイにて加熱加圧成
形し,次いで,プラスチックフィルムを塗布してカバー
層を形成したものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,従来の
使い捨て容器は,成形時の流動性を良好にするため,少
量ながら生分解できない材料,即ち,プラスチックが添
加されており,これらの容器の廃棄処分時に環境汚染を
引き起こすことになる。また,従来の可分解性容器は,
使用時に十分な剛性,強度,形状保持性等の機械的物性
を有していない欠点があった。また,上記可分解性容器
の製造方法によって製造した成形体は,カバー層を設け
て初めて形状を保持できるものである。更に,従来の使
い捨て容器は,製品の強度が十分でなく,例えば,食品
用容器として使用した場合に,食品用容器に液体や酢の
物等を入れて移送する場合に,容器自体の形状を保持で
きないこと,容器自体が水分を吸収して表面が変色する
こと等の問題が発生した。また,容器の強度化を図るた
め,シート材を含む生分解性材料を用いて成形する場合
は,シート材の上に非シート材を塗布したり,非シート
材の中間成形体の表面にシートを配置して成形したりす
る等,シート材と非シート材が一体化して成形されなか
ったので,軽量化や薄肉化の点で問題があり,生産性が
悪いなどの問題が生じていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は,上記
の課題を解決することであり,籾殻を主成分とする植物
繊維粉末材,天然素材,バインダー,漂白殺菌,耐水
性,耐熱性等を備えた生分解性材料から泥漿(スラリ
ー)を作り,該泥漿を生分解性物質から成るシート状不
織布に含浸させた後に乾燥させて生分解性材料製シート
を作製することであり,該シートを用いて作製した製品
を燃やすこと無く廃棄した場合に,シート材が短期間で
微生物の分解作用の助けや日光,紫外線等で崩壊され,
それによって無害な土壌,H2 O,CO2 等に分解され
るので,環境汚染を防止できると共に,分解物質が土壌
改良材等に役立ち,シート製品自体の軽量化,薄肉化,
生産性を向上させ,使用時の剛性,強度,形状保持,耐
水性,耐熱性等の特性に優れている生分解性材料製シー
トの成形方法及びその装置を提供することである。
【0007】この発明は,ボビンに巻き上げられた生分
解性不織布を繰り出す工程,前記ボビンから繰り出され
た前記不織布に生分解性耐水性ワックスを含浸させる工
程,前記耐水性ワックスが適正に含浸された前記不織布
を少なくとも籾殻粉末とシェラックを含む生分解性泥漿
に浸漬させる工程,前記不織布に前記泥漿を塗り込んで
含浸させる工程,前記不織布に含浸した余分な前記泥漿
をスクレープする工程,及び適正な量の前記泥漿が含浸
された前記不織布を乾燥させて生分解性材料製シートに
作製する工程,から成る生分解性材料製シートの成形方
法に関する。
【0008】この生分解性材料製シートの成形方法は,
乾燥した前記生分解性材料製シートを巻き上げる工程を
有するものである。
【0009】前記泥漿には少なくとも消臭と漂白殺菌と
して機能する酸化チタンが含まれており,前記ワックス
は更に離型材と発水材としての機能を有している。
【0010】また,この発明は,ボビンに巻き上げられ
た生分解性不織布を連続して繰り出す不織布送り出し装
置,前記不織布送り出し装置から繰り出された前記不織
布に生分解性耐水性ワックスを含浸させるワックス含浸
装置,前記ワックスが適正に含浸された前記不織布を少
なくとも籾殻粉末とシェラックを含む生分解性泥漿に浸
漬して前記不織布に前記泥漿を含浸させる泥漿含浸装
置,前記不織布に付着し含浸した前記泥漿を前記不織布
に塗り込んで浸透させる回転押圧塗り込み装置,前記不
織布に付着した余分な前記泥漿をスクレープして表面を
仕上げ成形する表面仕上げ装置,及び前記泥漿が適正量
含浸した前記不織布を乾燥させて生分解性材料製シート
に作製する乾燥装置,から成る生分解性材料製シートの
成形装置に関する。
【0011】この生分解性材料製シートの成形装置は,
乾燥した前記生分解性材料製シートを巻き上げる巻取り
装置を有するものである。
【0012】前記ワックス含浸装置は,前記生分解性耐
水性ワックスを入れたワックスタンク,及び前記ワック
スタンク内で回転自在に支持され且つ前記不織布を前記
生分解性耐水性ワックス中にガイドするガイドローラを
有する。
【0013】前記泥漿含浸装置は,前記泥漿を入れた泥
漿タンク,前記泥漿タンク内の前記泥漿中に配置され且
つ前記不織布の両面に配置された少なくとも一対の回転
ブラシ,前記不織布を前記泥漿中にガイドするガイドロ
ーラ,及び前記タンク内で前記泥漿を攪拌する回転スク
リューを有する。
【0014】前記回転押圧塗り込み装置は,前記泥漿を
含浸して走行する前記不織布をサンドイッチに挟み込ん
で互いに旋回し,前記不織布中に前記泥漿を塗り込む複
数対の回転円板を有する。
【0015】前記表面仕上げ装置は,前記泥漿が塗り込
まれた前記不織布の表面に付着した余分の前記泥漿を剥
ぎ取るスクレーパを有する。
【0016】前記乾燥装置は,前記不織布を乾燥させる
ため乾燥室内に温風を送り込むエアブロー,及び前記不
織布を前記乾燥室内の下部から上部へ走行させるため前
記乾燥室内に配置された方向転換ローラを有する。
【0017】更に,前記泥漿には,酸化チタン及び炭酸
カルシウムを添加できる。例えば,容器を食器等として
使用する場合には,籾殻等の臭いを消すため,或いは殺
菌するため,消臭剤や殺菌剤として酸化チタンを添加す
ることが有効である。また,シェラック粉末及び/又は
シェラック溶液は少なくともバインダー及び耐水性材と
して機能し,酸化チタンは少なくとも消臭剤及び漂白殺
菌剤として機能し,及び生分解性ワックスは少なくとも
耐水性材,離型材及び発水材として機能する。更に,前
記シート部材の加熱加圧成形条件は,温度が100〜2
50℃,圧力が30〜200kg/cm2 及び成形時間
が3〜60秒間の範囲である。
【0018】また,前記泥漿は,例えば,植物繊維粉末
材40〜90%,前記シェラック溶液5〜40%,前記
酸化チタン1〜30%,前記生分解性ワックス1〜40
%,前記炭酸カルシウム1〜20%及び残部の水を混合
して作製されている。更に,前記泥漿には,コ−パル,
ロジン,蒸留トール油,トール油脂肪酸,テルペン重合
体,澱粉,ゼラチン,カゼイン,ダンマー,アラビヤガ
ム,ギルソナイト,及びこれらの二種以上の混合材から
選択されたバインダーを添加できる。また,前記泥漿に
は,ゼオライト及び/又は活性炭の消臭殺菌剤を添加で
きる。更に,前記泥漿には,タルク及び/又はマイカ等
の無機質充填剤を添加できる。前記泥漿を構成する植物
繊維粉末材は,50〜350メッシュに粉砕された粉砕
粉から構成できる。また,前記籾殻には,竹,サトウキ
ビ,藁,やしがら,バカス,木屑,ケナフ,綿糸くず,
パルプ等の植物材及びこれらの二種以上の混合材から選
択された材料を添加できる。前記ワックスは,動植物ワ
ックス,鉱物ワックス,石油ワックス等の天然ワックス
及びこれらの二種以上の混合材から選択された材料を使
用できる。
【0019】この生分解性材料製シートの成形方法及び
その成形装置は,上記のように構成されているので,シ
ェラック(シェラック粉末及び/又はシェラック溶液)
が耐水性や耐熱性を有し,生分解性ワックスが耐水性を
有するから,例えば,シートを食品容器に形成した場合
に,容器が水分を吸収して膨潤したり変色や変質を起こ
すことがなく,好ましい容器を提供できる。更に,この
生分解性材料製シートは,生分解性材料として漂白殺菌
剤及び消臭効果のある酸化チタン,離型性,発水性,流
動性や光沢をアップさせる生分解性ワックスを添加でき
るので,シートで作製した製品の特性をアップさせるこ
とができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下,図面を参照して,この発明
による生分解性材料製シートの成形方法及びその装置の
一実施例を説明する。図1はこの発明による生分解性材
料製シートの成形装置の一実施例を示す概略説明図,図
2は図1の成形装置における泥漿含浸装置を示す平面
図,図3は図2の泥漿含浸装置を示す側面図,図4は図
1の成形装置における塗り込み仕上げ装置を示す平面
図,図5は図4の塗り込み仕上げ装置を示す側面図,図
6は図4の塗り込み仕上げ装置におけるスクレーパを示
す平面図,及び図7は図5のスクレーパを示す側面図で
ある。
【0021】この発明による生分解性材料製シートの成
形方法は,主として,ボビン26に巻き上げられた生分
解性不織布1Aを繰り出す工程,ボビン26から繰り出
された不織布1Aに生分解性耐水性ワックス27を含浸
させる工程,生分解性耐水性ワックス27が適正に含浸
された不織布1Bを少なくとも籾殻粉末とシェラックを
含む生分解性泥漿28に浸漬させる工程,不織布1Cに
泥漿28を塗り込んで含浸させる工程,不織布1Cに含
浸した余分な泥漿28をスクレープする工程,適正な量
の泥漿28が含浸された不織布1Dを乾燥させて生分解
性材料製シート1Eに作製する工程,及び乾燥した生分
解性材料製シート1Eを巻き上げる工程から構成されて
いる。泥漿28には,少なくとも消臭と漂白殺菌として
機能する酸化チタンが含まれており,生分解性のワック
ス27は,耐水性の他に,離型材や発水材としての機能
を有している。ここで,不織布に付す符号は,不織布を
総称する場合に符号1,素材の不織布を1A,ワックス
27が含浸した不織布を1B,泥漿28が含浸した不織
布を1C,仕上げ成形された不織布を1D,及び乾燥し
て生分解性材料製シートに完成した不織布を1Eで示し
ている。
【0022】また,この生分解性材料製シートの成形装
置は,主として,ボビン26に巻き上げられた素材の生
分解性不織布1Aを連続して繰り出す不織布送り出し装
置8,不織布送り出し装置8から繰り出された不織布1
Aに生分解性耐水性ワックス27を含浸させるワックス
含浸装置2,ワックス27が適正に含浸された不織布1
Bを少なくとも籾殻粉末とシェラックを含む生分解性泥
漿28に浸漬して不織布1Bに泥漿28を含浸させる泥
漿含浸装置3,不織布1Cに付着し含浸した泥漿28を
不織布1Cに塗り込んで浸透させる回転押圧塗り込み装
置4,不織布1Cに付着した余分な泥漿28をスクレー
プして表面を仕上げ成形する表面仕上げ装置5,泥漿2
8が適正量含浸した不織布1Dを乾燥させて生分解性材
料製シート1Eに作製する乾燥装置6,及び乾燥した生
分解性材料製シート1Eを巻き上げる巻取り装置7から
構成されている。
【0023】不織布送り出し装置8は,機台30に回転
自在に取り付けられたボビン26がモータ等で回転駆動
されるように構成されている。不織布1Aを所定量だけ
巻き上げたボビン26は,不織布1Aを送り出した後に
は,新しいボビン26に交換できるように,カートリッ
ジ式に構成することができる。不織布送り出し装置8
は,ボビン26を回転駆動するモータ(図示せず)によ
って繰り出しても良く,或いは,引出しローラ(図示せ
ず)で引き出すように構成してもよい。
【0024】ワックス含浸装置2は,機台30に取り付
けられ,生分解性耐水性ワックス27を入れたワックス
タンク9,及びワックスタンク9内で回転自在に支持さ
れ且つ不織布1Aを生分解性耐水性ワックス27中にガ
イドする浸漬ローラ10を有する。ボビン26から送り
出された不織布1Aは,機台30に回転自在に取り付け
られたガイドローラ11を介してワックスタンク9に入
れられた生分解性耐水性ワックス27中に浸漬される。
ワックス27中に浸漬された不織布1Bは,ワックスタ
ンク9から引き上げられ,一対の絞り込みローラ29を
通過してワックス27を十分に含浸してしみ込むように
される。次いで,不織布1Bは,機台30に回転自在に
取り付けられたガイドローラ11にガイドされ,泥漿含
浸装置3へと送り込まれる。
【0025】泥漿含浸装置3は,機台31に取り付けら
れた泥漿28を入れた泥漿タンク15,泥漿タンク15
内の泥漿28中に配置され且つ不織布1Bの両面に回転
可能に機台31に取り付けられた少なくとも一対の上ブ
ラシ12と下ブラシ13,不織布1Bを泥漿28中にガ
イドするため機台31に取り付けられたガイドローラ1
1,及び泥漿タンク15内で機台31に回転可能に取り
付けられ且つ泥漿28を攪拌する回転スクリュー14を
有している。上ブラシ12と下ブラシ13は,モータ3
5で回転伝達装置36を通じて回転駆動され,不織布1
Bを巻き込む方向に旋回するものである。回転スクリュ
ー14は,モータ37で回転伝達装置を通じて回転駆動
され,泥漿28が泥漿タンク15内に沈殿したり,泥漿
28の組成が分離することを防止するため,泥漿28を
混合攪拌する機能を果たす。また,泥漿タンク15の出
口側には,スクレーパ38が設けられ,不織布1Cに伴
って余分な泥漿28が外部へ放出するのを防止してい
る。不織布1Cは,泥漿含浸装置3を通過して泥漿28
が含浸された後に,回転押圧塗り込み装置4へ送り込ま
れる。
【0026】回転押圧塗り込み装置4は,機台32に取
り付けられた複数対の回転円板,即ち,機台32の前部
に並置された一対の上回転円板16と下回転円板17と
後部で回転円板16,17間に配置された上回転円板1
8と下回転円板19,及び回転円板16,17,18,
19をそれぞれ回転駆動させるモータ20を有する。そ
れぞれの回転円板は,例えば,図4に矢印で示すよう
に,前部の回転円板16,17が互いに異なった方向
(前方から外向き方向)に旋回し,後部の回転円板1
8,19は何れかの方向に旋回している。また,回転円
板16と17,18と19の不織布1Cの入り込む上流
側の両者間の隙間が大きく形成され,下流側の両者間の
隙間が小さく形成されるように互いに傾斜されている。
泥漿28を含浸した不織布1Cは,互いに旋回する回転
円板16と17間及び回転円板18と19間をサンドイ
ッチに挟み込まれて走行し,不織布1C中に泥漿28が
塗り込まれることになる。回転円板16,18は,不織
布1Cに対して上塗り込み円板として機能し,また,回
転円板17,19は,不織布1Cに対して下塗り込み円
板として機能する。次いで,泥漿28が塗り込まれた不
織布1Dは,表面仕上げ装置5へ送り込まれる。
【0027】表面仕上げ装置5は,機台32,33に取
り付けられた一対のスクレーパ21,22から構成さ
れ,不織布1Dがスクレーパ21と22間を通過する時
に,泥漿28が塗り込まれた不織布1Dの表面に付着し
た余分の泥漿28を剥ぎ取られる。不織布1Dから余分
の泥漿28が剥ぎ取られて表面が平坦に成形された不織
布1Eは,乾燥装置6へ送り込まれる。機台32の出口
側に設けられたスクレーパ21,22は交差状態に配置
されているが,機台33に設けられたスクレーパ21,
22は若干隔置した平行状態に配置されている。
【0028】乾燥装置6は,不織布1Eを乾燥させるた
め,乾燥室23内に温風を送り込むエアブロー手段3
9,及び不織布1Eを乾燥室23内の下部から上部へ走
行させるため乾燥室23内に多数配置された方向転換ロ
ーラ24を有している。乾燥装置6では,不織布1E
は,例えば,40℃の温風が乾燥室23内に吹き出さ
れ,乾燥室23内を1m/min程度の期間で通過する
ように設定されている。また,巻取り装置7は,機台3
4に回転可能に取り付けられた巻取りボビン25を有
し,乾燥装置6から送り出された乾燥した生分解性材料
製シート1Eが巻取りボビン25に巻き上げる。
【0029】泥漿28は,少なくとも籾殻を粉砕して植
物繊維粉末材,バインダー,耐水性材及び耐熱性材とし
てのシェラック粉末及び/又はシェラック溶液を準備
し,これらの他に炭酸カルシウム,水酸化カルシウム,
酸化カルシウム,酸化チタン,離型剤としての雲母粉末
等の天然原料等の素材を準備し,これらを所定量に配合
して混練してスラリーを作製したものである。泥漿28
には,消臭剤と漂白殺菌剤としての酸化チタン,及び増
量剤として炭酸カルシウムを添加することができる。一
方,生分解性物質から成るシート状不織布1を準備す
る。生分解性材料製シートは,加熱加圧成形条件とし
て,温度が100〜250℃,圧力が30〜200kg
/cm2 及び成形時間が3〜60秒間の範囲である。
【0030】混合材から成る泥漿28は,これらの原料
の配合割合が,例えば,植物繊維粉末材40〜90%,
シェラック溶液のバインダー5〜40%,酸化チタンの
消臭・漂白殺菌剤1〜30%,生分解性ワックス1〜4
0%,炭酸カルシウム1〜20%及び残部の水を混合し
て作製されている。また,植物繊維粉末材は,50〜3
50メッシュに粉砕された粉砕粉から構成されている。
また,籾殻には,竹,サトウキビ,藁,やしがら,バカ
ス,木屑,綿糸くず,ケナフ(アオイ科ハイビスカス属
の一年草),パルプ等の植物材及びこれらの二種以上の
混合材から選択された材料を添加することも可能であ
る。これらの植物材は,粉砕して粉末にすることが好ま
しいが,生分解性材料製シートの用途によっては,粗い
状態の粉砕程度でもよいものである。
【0031】シェラックには,バインダーとしてコ−パ
ル,ロジン,蒸留トール油,トール油脂肪酸,テルペン
重合体,澱粉,ゼラチン,カゼイン,ダンマー,アラビ
ヤガム,ギルソナイト,及びこれらの二種以上の混合材
から選択された材料を添加することができる。シート材
を構成するシート状織布及び/又は不織布は,例えば,
ウォータジェット等で繊維を互いに絡み合わせたコット
ン材,木綿,麻材,ジュート,生分解性樹脂,絹材,或
いは天然素材等,又はカーボン繊維,ガラス繊維等から
作られている。また,消臭剤や漂白殺菌剤としては,ゼ
オライト,活性炭等が添加されている。耐水性をアップ
させるための生分解性ワックスは,例えば,動植物ワッ
クス,鉱物ワックス,石油ワックス等の天然ワックス及
びこれらの二種以上の混合材から選択された材料が添加
されている。生分解性ワックスは,一般に熱に弱く,例
えば,100℃以上のものに触れると溶解する可能性が
あるので,生分解性材料製シートの表面にコーティング
する場合には,製品の用途を考慮する必要がある。シー
トの表面に生分解性ワックスを塗布する場合には,更に
シリコーン・コーティング剤を使用することが好まし
い。更に,泥漿28には,タルク及び/又はマイカ等の
無機質充填剤が添加されている。
【0032】生分解性材料製シートは,例えば,食器,
収納器,包装用の箱,缶,袋等をはじめ,植木鉢,植生
ポット等の植物栽培用容器にも利用できる。また,容器
8を構成する素材は,微生物による分解作用されたり,
或いは日光,紫外線等によって崩壊され,無害な土壌,
2 O,CO2 に転化されるもの,或いは自然界に鉱物
として帰るものである。
【0033】
【発明の効果】この発明による生分解性材料製シートの
成形方法及びその装置は,上記のように構成されている
ので,生分解性材料製シートは,食器,収納器,トレ
ー,包装や梱包器,袋等の容器,シートカバー,敷物,
植物プラントシート,包装や梱包シート,植木鉢,育苗
ポット,マット等の製品として利用することができ,し
かもこれらの製品は,信頼性,安全性,耐久性に富み,
適正な強度を確保でき,製造コストを低減でき,製品の
軽量化,薄肉化を達成でき,また,取り扱いの利便性か
ら生産性向上等の効果が得られる。また,植物原料や天
然素材からなる生分解性材料で作製されているので,こ
れらの製品を廃棄する場合には,焼却することなく,バ
クテリヤ等によって分解させたり,日光,特に,紫外線
で崩壊させ,無公害の自然の土壌や土壌改良材として戻
すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による生分解性材料製シートの成形装
置の一実施例を示す概略説明図である。
【図2】図1の成形装置における泥漿含浸装置を示す平
面図である。
【図3】図2の泥漿含浸装置を示す側面図である。
【図4】図1の成形装置における塗り込み仕上げ装置を
示す平面図である。
【図5】図4の塗り込み仕上げ装置を示す側面図であ
る。
【図6】図4の塗り込み仕上げ装置におけるスクレーパ
を示す平面図である。
【図7】図5のスクレーパを示す側面図である。
【符号の説明】
1,1A,1B,1C,1D,1E 不織布 2 ワックス含浸装置 3 泥漿含浸装置 4 回転押圧塗り込み装置 5 表面仕上げ装置 6 乾燥装置 7 巻取り装置 8 不織布送り出し装置 9 ワックスタンク 10 浸漬ローラ 11 ガイドローラ 12 上ブラシ 13 下ブラシ 14 回転スクリュー 15 泥漿タンク 16,17,18,19 回転円板 20,35,37 モータ 21,22 スクレーパ 23 乾燥室 24 方向転換ローラ 25 巻取りボビン 26 送り出しボビン 27 生分解性ワックス 28 生分解性泥漿 29 絞り込みローラ 30,31,32,33,34 機台
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06M 11/46 D06M 11/12 (72)発明者 甲斐 洋二 福岡県古賀市駅東3丁目3番1号 西部電 機株式会社内 (72)発明者 前田 徹 福岡県古賀市駅東3丁目3番1号 西部電 機株式会社内 (72)発明者 森山 信吾 福岡県古賀市駅東3丁目3番1号 西部電 機株式会社内 Fターム(参考) 2B027 NC02 NC21 NC37 NC39 NC40 NC51 ND01 ND03 3B154 AA20 AB22 BA18 BA19 BB03 BB32 BB47 BC01 BC15 BC21 BC22 BD12 BD17 BD18 BD20 DA06 DA28 DA30 4L031 AB34 BA09 DA00 4L033 AB07 AC03 AC10 AC15 BA01 DA06

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボビンに巻き上げられた生分解性不織布
    を繰り出す工程,前記ボビンから繰り出された前記不織
    布に生分解性耐水性ワックスを含浸させる工程,前記耐
    水性ワックスが適正に含浸された前記不織布を少なくと
    も籾殻粉末とシェラックを含む生分解性泥漿に浸漬させ
    る工程,前記不織布に前記泥漿を塗り込んで含浸させる
    工程,前記不織布に含浸した余分な前記泥漿をスクレー
    プする工程,及び適正な量の前記泥漿が含浸された前記
    不織布を乾燥させて生分解性材料製シートに作製する工
    程,から成る生分解性材料製シートの成形方法。
  2. 【請求項2】 乾燥した前記生分解性材料製シートを巻
    き上げる工程を有することから成る請求項1に記載の生
    分解性材料製シートの成形方法。
  3. 【請求項3】 前記泥漿には少なくとも消臭と漂白殺菌
    として機能する酸化チタンが含まれており,前記ワック
    スは更に離型材と発水材としての機能を有していること
    から成る請求項1に記載の生分解性材料製シートの成形
    方法。
  4. 【請求項4】 ボビンに巻き上げられた生分解性不織布
    を連続して繰り出す不織布送り出し装置,前記不織布送
    り出し装置から繰り出された前記不織布に生分解性耐水
    性ワックスを含浸させるワックス含浸装置,前記ワック
    スが適正に含浸された前記不織布を少なくとも籾殻粉末
    とシェラックを含む生分解性泥漿に浸漬して前記不織布
    に前記泥漿を含浸させる泥漿含浸装置,前記不織布に付
    着し含浸した前記泥漿を前記不織布に塗り込んで浸透さ
    せる回転押圧塗り込み装置,前記不織布に付着した余分
    な前記泥漿をスクレープして表面を仕上げ成形する表面
    仕上げ装置,及び前記泥漿が適正量含浸した前記不織布
    を乾燥させて生分解性材料製シートに作製する乾燥装
    置,から成る生分解性材料製シートの成形装置。
  5. 【請求項5】 乾燥した前記生分解性材料製シートを巻
    き上げる巻取り装置を有することから成る請求項4に記
    載の生分解性材料製シートの成形装置。
  6. 【請求項6】 前記ワックス含浸装置は,前記生分解性
    耐水性ワックスを入れたワックスタンク,及び前記ワッ
    クスタンク内で回転自在に支持され且つ前記不織布を前
    記生分解性耐水性ワックス中にガイドするガイドローラ
    を有することから成る請求項4に記載の生分解性材料製
    シートの成形装置。
  7. 【請求項7】 前記泥漿含浸装置は,前記泥漿を入れた
    泥漿タンク,前記泥漿タンク内の前記泥漿中に配置され
    且つ前記不織布の両面に配置された少なくとも一対の回
    転ブラシ,前記不織布を前記泥漿中にガイドするガイド
    ローラ,及び前記タンク内で前記泥漿を攪拌する回転ス
    クリューを有することから成る請求項4に記載の生分解
    性材料製シートの成形装置。
  8. 【請求項8】 前記回転押圧塗り込み装置は,前記泥漿
    を含浸して走行する前記不織布をサンドイッチに挟み込
    んで互いに旋回し,前記不織布中に前記泥漿を塗り込む
    複数対の回転円板を有することから成る請求項4に記載
    の生分解性材料製シートの成形装置。
  9. 【請求項9】 前記表面仕上げ装置は,前記泥漿が塗り
    込まれた前記不織布の表面に付着した余分の前記泥漿を
    剥ぎ取るスクレーパを有することから成る請求項4に記
    載の生分解性材料製シートの成形装置。
  10. 【請求項10】 前記乾燥装置は,前記不織布を乾燥さ
    せるため乾燥室内に温風を送り込むエアブロー,及び前
    記不織布を前記乾燥室内の下部から上部へ走行させるた
    め前記乾燥室内に配置された方向転換ローラを有するこ
    とから成る請求項4に記載の生分解性材料製シートの成
    形装置。
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