JP2002249981A - 生分解性シート製造方法及びその製造装置 - Google Patents

生分解性シート製造方法及びその製造装置

Info

Publication number
JP2002249981A
JP2002249981A JP2001046240A JP2001046240A JP2002249981A JP 2002249981 A JP2002249981 A JP 2002249981A JP 2001046240 A JP2001046240 A JP 2001046240A JP 2001046240 A JP2001046240 A JP 2001046240A JP 2002249981 A JP2002249981 A JP 2002249981A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
slurry
biodegradable
water
impregnating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001046240A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Maeda
前田  徹
Yoji Kai
洋二 甲斐
Hisashi Kanetani
久 金谷
Takeki Onaka
武基 尾仲
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seibu Electric and Machinery Co Ltd
Original Assignee
Seibu Electric and Machinery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seibu Electric and Machinery Co Ltd filed Critical Seibu Electric and Machinery Co Ltd
Priority to JP2001046240A priority Critical patent/JP2002249981A/ja
Publication of JP2002249981A publication Critical patent/JP2002249981A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)
  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 この生分解性シートの製造方法及びその装置
は,生分解性の不織布又は織布のシートに,籾殻とシェ
ラック等から成る生分解性の泥漿を均一に塗り込み,均
質な信頼性に富んだ生分解性シートを作製する。 【解決手段】 この生分解性シートの製造装置は,送り
出しボビン26に巻き上げられたシート1を繰り出す送
出し装置4,シート1に適正量の水Wを含浸させる水含
浸装置2,水Wを含浸したシート1を生分解性の泥漿S
に浸漬して含浸させる泥漿混合塗込み装置3,泥漿Sを
塗り込んだシート1にスクレープして表面を仕上げて生
分解性シート1Sを形成する表面仕上げ装置39,生分
解性シート1Sを乾燥させる乾燥装置6,及び乾燥した
生分解性シート1Sを巻き上げる巻取り装置7を有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,籾殻等の植物原
料,シェラック等のバインダー,不織布等から成る生分
解性材料を原料とする生分解性シートの製造方法及びそ
の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来,生分解性不織布を使用した食品の
運搬やショーケースに陳列される食品用トレイやケース
としての使い捨て容器は,例えば,特開平4−1897
40号公報に開示されたものが知られている。該食品用
トレイは,セルロース系の天然繊維又はセルロース系の
再生又は半合成繊維或いはこれらの混合繊維より構成す
る繊維ウェブが,キトサン塩を主体とする繊維間結合剤
で接着され,該繊維100重量部に対して撥水剤を固形
分で1〜10重量部付着させた目付200g/m 2 以上
の生分解性不織布より成り,みかけ密度0.2g/cm
3 以上に圧縮成形された受け皿状に形成したものであ
る。
【0003】また,特開平10−323810号公報に
開示された生分解性成形材料は,51〜70wt%の紙
粉と30〜49wt%の生分解性脂肪族ポリエステル樹
脂とからなり,耐熱温度が高く,蒸気滅菌が可能な使い
捨て食器,トレイ,苗木等のポットごとに,土中に移植
できる植生ポットを形成できる。該生分解性成形材料
は,耐水性を有し,使用後に廃棄した場合には,一定期
間内に崩壊消滅するものである。
【0004】また,特開平7−205120号公報に
は,可分解性容器の製造方法が開示されている。該可分
解性容器の製造方法は,穀類の藁と籾殻を基本原料とし
て廃棄による環境汚染を起こさないものであり,穀類の
藁と籾殻を高温殺菌消毒し,これを乾燥後に予め切断繊
維或いは粉砕粉とし,一方,含水澱粉を加熱して糊化
し,両者を混合攪拌した混合材料をダイにて加熱加圧成
形し,次いで,プラスチックフィルムを塗布してカバー
層を形成したものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,従来の
使い捨て容器は,成形時の流動性を良好にするため,少
量ながら生分解できない材料,即ち,プラスチックが添
加されており,これらの容器の廃棄処分時に環境汚染を
引き起こすことになる。また,従来の可分解性容器は,
使用時に十分な剛性,強度,形状保持性等の機械的物性
を有していない欠点があった。また,上記可分解性容器
の製造方法によって製造した成形体は,カバー層を設け
て初めて形状を保持できるものである。更に,従来の使
い捨て容器は,製品の強度が十分でなく,例えば,食品
用容器として使用した場合に,食品用容器に液体や酢の
物等を入れて移送する場合に,容器自体の形状を保持で
きないこと,容器自体が水分を吸収して表面が変色する
こと等の問題が発生した。また,容器の強度化を図るた
め,シート材を含む生分解性材料を用いて成形する場合
は,シート材の上に非シート材を塗布したり,非シート
材の中間成形体の表面にシートを配置して成形したりす
る等,シート材と非シート材が一体化して成形されなか
ったので,軽量化や薄肉化の点で問題があり,生産性が
悪いなどの問題が生じていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は,上記
の課題を解決することであり,籾殻を主成分とする植物
原料粉末,シェラック等の生分解性バインダー等から予
め均質に混合した泥漿を作り,前記泥漿を生分解性物質
から成る不織布又は織布のシートに含浸させるに当たっ
て,シートに適正量の水を予め含浸させ,その後に,水
を含浸したシートに泥漿を均一に且つ適正量塗り込み,
その後に泥漿を含浸させたシートを乾燥させ,品質に信
頼性があり,耐久性に富んだ生分解性シートを作製する
生分解性シート製造方法及びその製造装置を提供するこ
とである。
【0007】この発明は,ボビンに巻き上げられた生分
解性の不織布又は織布から成るシートを繰り出すシート
送出し工程,前記ボビンから繰り出された前記シートに
適正量の水を含浸させる水含浸工程,適正量の前記水が
含浸された前記シートを籾殻を主成分とする植物原料粉
末とシェラック等の生分解性バインダーとを均質に混合
した泥漿に浸漬させて前記シートに前記泥漿を塗り込ん
で含浸させる泥漿含浸工程,前記シートに含浸した余分
な前記泥漿を除去して適正量の前記泥漿を均一に前記シ
ートに含浸させる表面仕上げ工程,及び適正な量の前記
泥漿が塗込まれた前記シートを乾燥させる乾燥工程,か
ら成る生分解性シートの製造方法に関する。
【0008】前記泥漿には耐水性,離型材及び発水材と
して機能する生分解性ワックスが混合されている。更
に,前記泥漿には消臭と漂白殺菌として機能する酸化チ
タンが混合されれている。
【0009】また,この発明は,ボビンに巻き上げられ
た生分解性の不織布又は織布から成るシートを連続して
繰り出すシート送出し装置,前記シート送出し装置から
繰り出された前記シートに適正量の水を含浸させる水含
浸装置,前記水が含浸された前記シートを,籾殻を主成
分とする植物原料粉末とシェラック等の生分解性バイン
ダーとを均質に混合した泥漿に浸漬させて前記シートに
前記泥漿を塗り込んで含浸させる泥漿混合塗込み装置,
前記シートに付着した余分な前記泥漿をスクレープして
表面を仕上げ成形する表面仕上げ装置,及び前記泥漿が
含浸した前記シートを乾燥させる乾燥装置,から成る生
分解性シートの製造装置に関する。
【0010】この生分解性シートの製造装置は,乾燥し
た前記シートを巻き上げる巻取り装置を有する。
【0011】前記水含浸装置は,前記水を入れた水タン
ク,前記水タンク内で回転自在に支持され且つ前記シー
トを前記水中にガイドするガイドローラ,及び前記水が
含浸した前記シートから水切りする一対の水切りローラ
を有する。
【0012】前記泥漿混合塗込み装置は,前記泥漿を入
れた泥漿浸漬槽,前記泥漿浸漬槽内に前記シートを浸漬
させるガイドローラ,前記泥漿浸漬槽内の前記泥漿中に
配置され且つ前記シートの両面側に配置された一対の塗
込みローラ,及び前記泥漿浸漬槽内で前記泥漿を攪拌す
る攪拌スクリューを有する。
【0013】前記表面仕上げ装置は,前記泥漿が塗り込
まれた前記シートの表面に付着した余分の前記泥漿を剥
ぎ取るスクレーパを有する。
【0014】この生分解性シートの製造方法及びその製
造装置は,上記のように構成されているので,不織布又
は織布のシートに予め水が適正量含浸されており,予め
均質に混合した泥漿がシートにスムースに均一に浸透
し,シートに泥漿を均一に塗り込み含浸させることがで
き,しかも,シンプルな工程で済むので製造コストを低
減できる。また,シェラック(シェラック粉末及び/又
はシェラック溶液)が耐水性や耐熱性を有し,生分解性
ワックスが耐水性を有するから,例えば,シートを食品
容器に形成した場合に,容器が水分を吸収して膨潤した
り変色や変質を起こすことがなく,好ましい容器を提供
できる。更に,この生分解性シートは,生分解性材料と
して漂白殺菌剤及び消臭効果のある酸化チタン,離型
性,発水性,流動性や光沢をアップさせる生分解性ワッ
クスを添加できるので,シートで作製した製品の信頼
性,耐久性,耐水性をアップさせることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下,図面を参照して,この発明
による生分解性シートの製造方法及びその製造装置の一
実施例を説明する。図1はこの発明による生分解性シー
トの製造方法を達成するための製造装置の一実施例を示
す概略説明図,図2は図1の製造装置における水含浸装
置を示す正面図,図3は図1の製造装置における泥漿混
合塗込み装置を示す平面図,及び図4は図3の泥漿混合
塗込み装置を示す正面図である。
【0016】この発明による生分解性シートの製造方法
は,主として,送り出しボビン26に巻き上げられた生
分解性の不織布又は織布から成るシート1を繰り出すシ
ート送出し工程,送り出しボビン26から繰り出された
シート1に適正量の水Wを含浸させる水含浸工程,適正
量の水Wが含浸されたシート1を,籾殻を主成分とする
植物原料粉末とシェラック等の生分解性バインダーとを
均質に混合した泥漿Sに浸漬させてシート1に泥漿Sを
塗り込んで含浸させる泥漿含浸工程,シート1に含浸し
た余分な泥漿Sを除去して適正量の泥漿Sを均一にシー
ト1に含浸させる表面仕上げ工程,適正な量の泥漿Sが
塗込まれた生分解性シート1Sを乾燥させる乾燥工程,
及び乾燥した生分解性シート1Sを巻き上げるシート巻
き上げ工程から構成されている。泥漿Sには,少なくと
も酸化チタン及び生分解性のワックスを混合させること
ができ,酸化チタンは消臭と漂白殺菌としての機能を有
し,また,生分解性のワックスは耐水性の他に離型材や
発水材としての機能を有している。
【0017】また,この生分解性シートの製造方法を達
成するための製造装置は,主として,送り出しボビン2
6に巻き上げられた生分解性の不織布又は織布から成る
シート1を連続して繰り出すシート送出し装置4,シー
ト送出し装置4から繰り出されたシート1に水Wを含浸
させる水含浸装置2,水Wが適正に含浸されたシート1
を籾殻を主成分とする植物原料粉末とシェラック等の生
分解性バインダーを均質に混合した泥漿Sに浸漬させ,
シート1に泥漿Sを塗り込んで含浸させる泥漿混合塗込
み装置3,シート1に付着した余分な泥漿Sをスクレー
プして表面を仕上げ成形する表面仕上げ装置39,泥漿
Sが適正量含浸した生分解性シート1Sを乾燥させる乾
燥装置6,及び乾燥した生分解性シート1Sを巻き上げ
る巻取り装置7から構成されている。
【0018】図2に示すように,水含浸装置2は,水W
を入れた水タンク9,及び水タンク9内で回転自在に支
持され且つシート1を水中にガイドするガイドローラ1
5を有している。水含浸装置2は,一対の水切りローラ
37によってシート1に含浸された水Wを適正量に水切
りする。また,これらの水切りローラ37はシート1を
後流へ送り込むローラの機能を果たしている。また,泥
漿混合塗込み装置3は,泥漿Sを入れた泥漿浸漬槽1
3,泥漿浸漬槽13内にシート1を浸漬させるガイドロ
ーラ40,泥漿浸漬槽13内の泥漿S中に配置され且つ
シート1の両面側に配置された少なくとも一対の塗込み
ローラ11,及び泥漿浸漬槽13内で泥漿Sを攪拌する
攪拌スクリュー41を有している。また,表面仕上げ装
置39は,泥漿Sが塗り込まれたシート1の表面に付着
した余分の泥漿Sを剥ぎ取るスクレーパから構成されて
いる。不織布又は織布から成るシート1は,泥漿が含浸
することによって生分解性シート1Sを構成することに
なる。
【0019】シート送り出し装置4は,架台30に回転
自在に取り付けられた送り出しボビン26がモータ等で
回転駆動されるように構成されている。或いは,送り出
しボビン26は,水切りローラ37が駆動モータ14に
よって駆動されることにより,シート1が送り出される
ように構成することもできる。送り出しボビン26に巻
き上げられている不織布又は織布から成るシート1は,
押さえローラ16で押圧されつつ順次繰り出される。送
り出しボビン26から繰り出されたシート1は,ガイド
ローラ38を通って水浸漬槽9内のガイドローラ20に
ガイドされて水浸漬槽9へと送り込まれる。送り出しボ
ビン26は,シート1を繰り出した後には,新しい送り
出しボビン26に交換できるように,カートリッジ式に
構成されている。
【0020】水含浸装置2は,架台30に取り付けら
れ,水タンク15より汲み上げられた水Wを入れた水浸
漬槽9,及び水浸漬槽9内で回転自在に支持され且つシ
ート1を水W中にガイドするガイドローラ20を有す
る。送り出しボビン26から送り出されたシート1は,
架台30に回転自在に取り付けられたガイドローラ38
を通って,水浸漬槽9内に配設されているガイドローラ
20にガイドされ,水浸漬槽9で水Wを含浸した後に,
一対の水切りローラ37へと引き上げられる。シート1
は,水浸漬槽9に入れられて水Wを充分に含浸し,水浸
漬槽9から引き上げられ,一対の水切りローラ37を通
過して適正な量の水Wを含浸した状態に調整される。次
いで,シート1は,送り込み装置8を構成する水切りロ
ーラ37の駆動によって架台18,30に回転自在に取
り付けられたガイドローラ17及びガイドローラ10に
ガイドされ,泥漿混合塗込み装置3へと送り込まれる。
【0021】泥漿混合塗込み装置3は,架台29に取り
付けられた泥漿Sを入れた泥漿浸漬槽13,泥漿浸漬槽
13内の泥漿S中に配置され且つシート1の両面に回転
可能に架台29に取り付けられた少なくとも一対の塗込
みローラ11,シート1を泥漿S中にガイドするため架
台29に取り付けられたガイドローラ40,及び泥漿浸
漬槽13内で架台29に回転可能に取り付けられ且つ泥
漿Sを均質に攪拌する攪拌スクリュー41を有してい
る。上下の塗込みローラ11は,駆動モータ12によっ
て回転伝達装置を通じて回転駆動され,シート1を巻き
込む方向に旋回し,シート1に泥漿を塗込むものであ
り,ブラシ等で形成されているものである。攪拌スクリ
ュー41は,駆動モータ5で回転伝達装置を通じて回転
駆動され,泥漿Sが泥漿浸漬槽13内に沈殿したり,泥
漿Sの組成が分離することを防止するため,泥漿Sを均
質に混合するように攪拌する機能を果たす。また,泥漿
浸漬槽13の出口側には,表面仕上げ装置39が設けら
れ,シート1に伴って余分な泥漿Sが外部へ放出するの
を防止している。
【0022】シート1は,泥漿混合塗込み装置3を通過
して泥漿Sが含浸されて生分解性シート1Sにされた後
に,表面仕上げ装置39へ送り込まれる。表面仕上げ装
置39は,架台29に取り付けられた一対のスクレーパ
から構成され,シート1がスクレーパ間を通過する時
に,泥漿Sが塗り込まれたシート1の表面に付着した余
分の泥漿Sは,剥ぎ取られ,均一に適正な量に調整され
る。シート1から余分の泥漿Sが剥ぎ取られて表面が平
坦に成形された生分解性シート1Sは,乾燥装置6へ送
り込まれる。
【0023】乾燥装置6は,生分解性シート1Sを乾燥
させるため,乾燥室23内に温風を送り込むエアブロー
手段,及び生分解性シート1Sを乾燥室23内の下部か
ら上部へ走行させるため乾燥室23内に多数配置された
方向転換ローラ24を有している。乾燥装置6では,生
分解性シート1Sは,例えば,40℃の温風が乾燥室2
3内に吹き出され,乾燥室23内を1m/min程度の
期間で通過するように設定されている。また,巻取り装
置7は,架台28に回転可能に取り付けられた巻取りボ
ビン25を有し,乾燥装置6から送り出された乾燥した
生分解性シート1Sは,巻取り用モータ27の駆動によ
って巻取りボビン25に巻き上げられる。
【0024】泥漿(スラリー)Sは,籾殻等を粉砕した
植物原料粉末材,バインダー,耐水性材及び耐熱性材と
してのシェラック粉末及び/又はシェラック溶液を準備
し,これらの他に炭酸カルシウム,水酸化カルシウム,
酸化カルシウム,酸化チタン,離型剤としての雲母粉末
等の天然原料等の素材を準備し,これらを所定量に配合
して混練して作製したものである。泥漿Sには,消臭剤
と漂白殺菌剤としての酸化チタン,及び増量剤として炭
酸カルシウムを添加することができる。一方,生分解性
物質から成る不織布又は織布であるシート1を準備す
る。生分解性シート1Sは,容器等の製品に加工する場
合の加熱加圧成形条件として,温度が100〜250
℃,圧力が30×105 〜200×105 Pa及び成形
時間が3〜60秒間の範囲であることが好ましい。
【0025】また,泥漿Sは,例えば,植物原料粉末材
40〜90%,シェラック溶液5〜40%,酸化チタン
1〜30%,生分解性ワックス1〜40%,炭酸カルシ
ウム1〜20%及び残部の水を混合して作製されてい
る。更に,泥漿Sには,コ−パル,ロジン,蒸留トール
油,トール油脂肪酸,テルペン重合体,澱粉,ゼラチ
ン,カゼイン,ダンマー,アラビヤガム,ギルソナイ
ト,及びこれらの二種以上の混合材から選択されたバイ
ンダーを添加できる。また,泥漿Sには,ゼオライト及
び/又は活性炭の消臭殺菌剤を添加できる。更に,泥漿
Sには,タルク及び/又はマイカ等の無機質充填剤を添
加できる。泥漿Sを構成する植物原料粉末材は,50〜
350メッシュに粉砕された粉砕粉から構成できる。ま
た,植物原料粉末材としては,籾殻の他に竹,サトウキ
ビ,藁,やしがら,バカス,木屑,ケナフ(アオイ科ハ
イビスカス属の一年草),綿糸くず,パルプ等の植物材
及びこれらの二種以上の混合材から選択された材料を添
加できる。これらの植物は,粉砕して粉末にすることが
好ましいが,生分解性シートの用途によっては,粗い状
態の粉砕程度でもよいものである。ワックスは,動植物
ワックス,鉱物ワックス,石油ワックス等の天然ワック
ス及びこれらの二種以上の混合材から選択された材料を
使用できる。
【0026】シェラックには,バインダーとしてコ−パ
ル,ロジン,蒸留トール油,トール油脂肪酸,テルペン
重合体,澱粉,ゼラチン,カゼイン,ダンマー,アラビ
ヤガム,ギルソナイト,及びこれらの二種以上の混合材
から選択された材料を添加することができる。シート材
を構成するシート状織布及び/又は不織布は,例えば,
ウォータジェット等で繊維を互いに絡み合わせたコット
ン材,木綿,麻材,ジュート,生分解性樹脂,絹材,或
いは天然素材等,又はカーボン繊維,ガラス繊維等から
作られている。また,消臭剤や漂白殺菌剤としては,ゼ
オライト,活性炭等が添加されている。耐水性をアップ
させるための生分解性ワックスは,例えば,動植物ワッ
クス,鉱物ワックス,石油ワックス等の天然ワックス及
びこれらの二種以上の混合材から選択された材料が添加
されている。生分解性ワックスは,一般に熱に弱く,例
えば,100℃以上のものに触れると溶解する可能性が
あるので,生分解性シートの表面にコーティングする場
合には,製品の用途を考慮する必要がある。シートの表
面に生分解性ワックスを塗布する場合には,更にシリコ
ーン・コーティング剤を使用することが好ましい。更
に,泥漿Sには,タルク及び/又はマイカ等の無機質充
填剤が添加されている。生分解性シートは,例えば,食
器,収納器,包装用の箱,缶,袋等をはじめ,植木鉢,
植生ポット等の植物栽培用容器,土壌改良材にも利用で
きる。容器を構成する素材は,微生物による分解作用さ
れたり,日光,紫外線等によって崩壊され,無害な土
壌,H2 O,CO2 に転化されるもの,或いは自然界に
鉱物として還るものである。
【0027】
【発明の効果】この発明による生分解性シートの製造方
法及びその製造装置は,上記のように構成されているの
で,生分解性の不織布又は織布から成るシートに,籾殻
を主成分とする植物原料粉末とシェラック等の生分解性
バインダーとを均質に混合した泥漿を均一に且つスムー
スに含浸させ,均質な且つ信頼性に富んだ生分解性シー
トを作製することができ,シンプルな工程及び装置であ
るので,製造コストを大幅に低減できる。また,生分解
性シートを用いて作製した製品を燃やすこと無く廃棄し
た場合に,生分解性シートが短期間で微生物の分解作用
の助けや日光,紫外線等で崩壊され,それによって無害
な土壌,H2 O,CO2 等に分解させ,環境汚染を防止
できると共に,分解物質が土壌改良材等に役立ち,シー
ト製品自体の軽量化,薄肉化,生産性を向上させ,使用
時の剛性,強度,形状保持,耐水性,耐熱性等の特性に
優れている生分解性製品を提供できる。例えば,生分解
性シートは,食器,収納器,トレー,包装や梱包器,袋
等の容器,シートカバー,敷物,植物プラントシート,
包装や梱包シート,植木鉢,育苗ポット,マット等の製
品として利用でき,これらの製品は,信頼性,安全性,
耐久性に富み,適正な強度を確保でき,製造コストを低
減でき,製品の軽量化,薄肉化を達成でき,また,取り
扱いの利便性から生産性向上等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による生分解性シートの製造方法を達
成するための製造装置の一実施例を示す概略説明図であ
る。
【図2】図1の製造装置における水含浸装置を示す正面
図である。
【図3】図1の製造装置における泥漿混合塗込み装置を
示す平面図である。
【図4】図3の泥漿混合塗込み装置を示す正面図であ
る。
【符号の説明】
1 シート 1S 生分解性シート 2 水含浸装置 3 泥漿混合塗込み装置 4 シート送出し装置 6 乾燥装置 7 巻取り装置 8 送込み装置 9 水浸漬槽 10,17,20,38,40 ガイドローラ 11 塗込みローラ 12,14 駆動モータ 13 泥漿浸漬槽 15 水タンク 16 押えローラ 18,28,29,30 架台 23 乾燥室 24 方向転換ローラ 25 巻取りボビン 26 送り出しボビン 27 巻取り用モータ 37 水切りローラ 39 表面仕上げ装置(スクレーパ) 41 攪拌スクリュー S 泥漿 W 水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金谷 久 福岡県古賀市駅東3丁目3番1号 西部電 機株式会社内 (72)発明者 尾仲 武基 福岡県古賀市駅東3丁目3番1号 西部電 機株式会社内 Fターム(参考) 4L031 AB32 AB34 BA09 DA12 DA13 4L033 AB05 AB07 AC15 BA00 BA01 DA06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボビンに巻き上げられた生分解性の不織
    布又は織布から成るシートを繰り出すシート送出し工
    程,前記ボビンから繰り出された前記シートに適正量の
    水を含浸させる水含浸工程,適正量の前記水が含浸され
    た前記シートを籾殻を主成分とする植物原料粉末とシェ
    ラック等の生分解性バインダーとを均質に混合した泥漿
    に浸漬させて前記シートに前記泥漿を塗り込んで含浸さ
    せる泥漿含浸工程,前記シートに含浸した余分な前記泥
    漿を除去して適正量の前記泥漿を均一に前記シートに含
    浸させる表面仕上げ工程,及び適正な量の前記泥漿が塗
    込まれた前記シートを乾燥させる乾燥工程,から成る生
    分解性シートの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記泥漿には耐水性,離型材及び発水材
    として機能する生分解性ワックスが混合されていること
    から成る請求項1に記載の生分解性シートの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記泥漿には消臭と漂白殺菌として機能
    する酸化チタンが混合されれていることから成る請求項
    2に記載の生分解性シートの製造方法。
  4. 【請求項4】 ボビンに巻き上げられた生分解性の不織
    布又は織布から成るシートを連続して繰り出すシート送
    出し装置,前記シート送出し装置から繰り出された前記
    シートに適正量の水を含浸させる水含浸装置,前記水が
    含浸された前記シートを,籾殻を主成分とする植物原料
    粉末とシェラック等の生分解性バインダーとを均質に混
    合した泥漿に浸漬させて前記シートに前記泥漿を塗り込
    んで含浸させる泥漿混合塗込み装置,前記シートに付着
    した余分な前記泥漿をスクレープして表面を仕上げ成形
    する表面仕上げ装置,及び前記泥漿が含浸した前記シー
    トを乾燥させる乾燥装置,から成る生分解性シートの製
    造装置。
  5. 【請求項5】 乾燥した前記シートを巻き上げる巻取り
    装置を有することから成る請求項4に記載の生分解性シ
    ートの製造装置。
  6. 【請求項6】 前記水含浸装置は,前記水を入れた水浸
    漬槽,前記水浸漬槽内で回転自在に支持され且つ前記シ
    ートを前記水中にガイドするガイドローラ,及び前記水
    が含浸した前記シートから水切りする一対の水切りロー
    ラを有することから成る請求項4に記載の生分解性シー
    トの製造装置。
  7. 【請求項7】 前記泥漿混合塗込み装置は,前記泥漿を
    入れた泥漿浸漬槽,前記泥漿浸漬槽内に前記シートを浸
    漬させるガイドローラ,前記泥漿浸漬槽内の前記泥漿中
    に配置され且つ前記シートの両面側に配置された一対の
    塗込みローラ,及び前記泥漿浸漬槽内で前記泥漿を攪拌
    する攪拌スクリューを有することから成る請求項4に記
    載の生分解性シートの製造装置。
  8. 【請求項8】 前記表面仕上げ装置は,前記泥漿が塗り
    込まれた前記シートの表面に付着した余分の前記泥漿を
    剥ぎ取るスクレーパを有することから成る請求項4に記
    載の生分解性シートの製造装置。
JP2001046240A 2001-02-22 2001-02-22 生分解性シート製造方法及びその製造装置 Pending JP2002249981A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001046240A JP2002249981A (ja) 2001-02-22 2001-02-22 生分解性シート製造方法及びその製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001046240A JP2002249981A (ja) 2001-02-22 2001-02-22 生分解性シート製造方法及びその製造装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002249981A true JP2002249981A (ja) 2002-09-06

Family

ID=18907901

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001046240A Pending JP2002249981A (ja) 2001-02-22 2001-02-22 生分解性シート製造方法及びその製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002249981A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003021332A1 (fr) * 2001-08-30 2003-03-13 Junichi Takeno Affichage tridimensionnel de type sw
WO2008065749A1 (fr) 2006-11-30 2008-06-05 Seiko Sato Matière biodégradable naturelle d'origine végétale

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003021332A1 (fr) * 2001-08-30 2003-03-13 Junichi Takeno Affichage tridimensionnel de type sw
WO2008065749A1 (fr) 2006-11-30 2008-06-05 Seiko Sato Matière biodégradable naturelle d'origine végétale
US8349418B2 (en) 2006-11-30 2013-01-08 Seiko Sato Plant-derived natural biodegradable material

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Subagyo et al. Banana pseudo-stem fiber: Preparation, characteristics, and applications
KR20000057885A (ko) 생분해성재료 조성물, 이 조성물로부터 제조된생분해성재료제용기 및 이 생분해성재료제용기의 제조방법
US8715464B2 (en) Soy stalk and wheat straw pulp fiber mixtures
CA2921706C (en) Combination of an organic substrate and organic formulation for use as a cutting board and storage container
EP1833920A2 (en) Improvements in or relating to biodegradable composites
US11932829B2 (en) Articles of manufacture comprising nanocellulose elements
US8658265B2 (en) Moulded articles and process for making the same
JP2007009402A (ja) 紙形成工程
EP1317508A2 (en) Moulding mixture for manufacture of mouldable product
JP2002249981A (ja) 生分解性シート製造方法及びその製造装置
JP2001079816A (ja) 生分解性材料製容器の製造方法
DK169950B1 (da) Fremgangsmåde til fremstilling af lette, bindemiddelfri og miljøvenlige formlegemer af lignocelluloseholdigt materiale
JP2001348775A (ja) 生分解性材料製シートの成形方法及びその装置
KR100847949B1 (ko) 펄프몰드 종이화분 제조방법
KR101053083B1 (ko) 기능성 한지 및 그의 연속적 제조방법
KR101568699B1 (ko) 위생용 친환경 자연분해 건식(습식) 물수건
JP3959633B2 (ja) 茶殻配合紙
KR101101449B1 (ko) 종이 성형물용 조성물, 상기 조성물을 포함하는 종이성형물, 및 상기 종이 성형물의 제조방법
JP2000327839A (ja) 生分解性材料組成物,該組成物から成る生分解性材料製容器及びその製造方法
JP4674880B2 (ja) 切り花等の鮮度保持材並びに鮮度保持方法
JP2000355008A (ja) 生分解性材料組成物,該組成物から成る生分解性材料製容器及びその製造方法
JP2001342354A (ja) 天然植物素材を用いた成形品又は食品容器とその製造方法
JPH09205895A (ja) 生分解性育苗ポット
JPH0966971A (ja) 保冷箱
JP2000239953A (ja) 湿潤繊維シート及びマット製品