JP2001347810A - 全路面対応型空気入りタイヤおよびその使用方法 - Google Patents

全路面対応型空気入りタイヤおよびその使用方法

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JP2001347810A
JP2001347810A JP2000170798A JP2000170798A JP2001347810A JP 2001347810 A JP2001347810 A JP 2001347810A JP 2000170798 A JP2000170798 A JP 2000170798A JP 2000170798 A JP2000170798 A JP 2000170798A JP 2001347810 A JP2001347810 A JP 2001347810A
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tread
air pressure
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Hiroshi Morinaga
啓詩 森永
Koji Otani
光司 大谷
Hidetoshi Yokota
英俊 横田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 氷雪路面等に対する摩擦力を高めて車両の走
行安全性を向上させる。 【解決手段】 トレッド部1と、サイドウォール部2
と、ビード部3と、ビード部に配設したビードコア4
と、一対のビードコア間にトロイダルに延びるカーカス
5と、カーカスのクラウン部の外周側に配設したベルト
6とを具えるものであって、トレッド部1を、最高空気
圧の充填下での最大負荷能力の作用状態で接地する第1
トレッド域7と、この第1トレッド域7の側部に隣接し
て位置して、充填空気圧の低減により接地する第2トレ
ッド域8とで構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、乾燥路面その他
の摩擦係数の大きい路面に対してはもちろん、氷雪路面
その他の摩擦係数の小さい路面に対しても大きな摩擦力
の発生を可能とする、全路面対応型空気入りタイヤおよ
びその使用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、氷雪路面等の摩擦係数の小さい滑
り易い路面に対する車両の走行安全性の一層の向上を目
的に、タイヤと路面との間の摩擦力を高める技術が求め
られるに至っており、タイヤに関しては、材料面および
構造面のそれぞれからスタッドレスタイヤの性能改善が
進められている。
【0003】ところが、スタッドレスタイヤは氷雪路面
の走行に主体をおいた設計となっているため、乾燥路面
やウェット路面に対する運動性能、耐摩耗性能等が、い
わゆる夏用タイヤに比して劣ったものとならざるを得
ず、従って、ユーザの多くは、スタッドレスタイヤと夏
用タイヤとを季節に応じて使い分けている状況にある。
【0004】しかるに、通年で数回程度の降雪しかない
地域に住む人や、旅行のときにだけ氷雪路面上を走行す
る人にとっては、タイヤの交換はもちろん、タイヤチェ
ーンの着脱作業さえも煩わしいという問題があり、この
一方で、オールシーズンタイプのタイヤを使用してその
煩わしさを取り除く場合には、タイヤ性能が、スタッド
レスタイヤと夏用タイヤとの中間のものであるため、氷
雪性能がスタッドレスタイヤに比して低下するという本
質的な問題があった。
【0005】これに対し、同一種類のタイヤにあって
も、充填空気圧を低減させて、トレッド接地面の大きな
撓み変形の下に、接地面積を増加させた場合には、タイ
ヤと氷雪路面との摩擦力が大きくなることが経験的に認
められており、従って、上記オールシーズンタイヤにあ
っても、充填空気圧の低減につれて氷雪性能をスタッド
レスタイヤのそれに近い程度にまで高めることは可能で
あるが、この場合、充填空気圧の低減に伴ってタイヤ剛
性が低下するため、たとえば、車両の操縦安定性が低下
したり、転がり抵抗が大きくなりすぎたりするという、
タイヤの運動性能上の重大な問題の発生が否めなかっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように従来タイヤ
では、タイヤへの充填空気圧の低減をもって氷雪路面に
対する摩擦力を高める場合には、タイヤの運動性能の低
下が余儀なくされることになり、これがため、運動性能
の大きな低下なしに、摩擦力を十分に高めることは実質
的に不可能であった。
【0007】そこでこの発明は、車両の操縦安定性等を
ほとんど損ねることがない程度にタイヤへの充填空気圧
を低減させるだけで、トレッド接地面積の十分なる増加
をもたらして、氷雪路面等に対する摩擦力を大きく高め
ることができ、車両の走行安全性のより一層の向上を実
現し得る全路面対応型空気入りタイヤおよびその使用方
法を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】タイヤへの充填空気圧の
低減に起因するトレッド接地面積の増加は、従来タイヤ
では、トレッドプロファイルにもよるも、主には、タイ
ヤ周方向の接地長さの増加に原因をおくものであり、接
地幅の増加はわずかであった。
【0009】そこでこの発明は、充填空気圧の低減によ
るトレッド接地幅の増加を従来タイヤに比してはるかに
大きくすることで、充填空気圧の少ない低減量をもって
接地面積の大きな増加を可能としたものであり、この発
明の全路面対応型空気入りタイヤは、トレッド部のそれ
ぞれの側部から半径方向内方に延びるサイドウォール部
を設けるとともに、サイドウォール部の内周側に位置す
るビード部を設け、また、それぞれのビード部に跨がっ
てカーカスをトロイダルに延在させ、このカーカスのク
ラウン部の外周側にベルトを配設したところにおいて、
トレッド部を、タイヤへの最高空気圧の充填下での最大
負荷能力の作用状態で接地する第1トレッド域と、この
第1トレッド域の側部に隣接して位置して、最高空気圧
からの充填空気圧の低減によって接地する第2トレッド
域とで構成したものである。
【0010】ここで最高空気圧とは、最大負荷能力に対
応する空気圧をいい、最大負荷能力とは、規定の条件下
でタイヤに負荷することが許される最大の質量をいう
(「JATMA YEAR BOOK」日本自動車タイ
ヤ協会発行)。
【0011】このような空気入りタイヤのトレッド部
は、そこへの規定の空気圧の充填下では第1トレッド域
で接地して、乾燥路面、ウェット路面などの比較的高い
摩擦係数の路面に対しては高い摩擦力を生じ、また、低
い転がり抵抗を確保して従来タイヤと同様のすぐれた運
動性能等を発揮することができる。
【0012】また、このタイヤの第2トレッド域は、充
填空気圧の低減下で接地してトレッド接地幅の有効なる
増大をもたらし、タイヤ周方向の接地長さの増加と相俟
って、トレッド部の総接地面積を大きく増加させるの
で、とくに、氷雪路面等の摩擦係数の小さい路面に対す
る摩擦力を大きく高めて車両の走行安全性をより一層向
上させることができる。
【0013】ところで、このような接地面積の増加は、
第2トレッド域が接地する程度の、充填空気圧の比較的
わずかな低減をもって実現することができ、タイヤ剛性
はさほど低下しないので、操縦安定性の低下を十分に防
止するとともに、転がり抵抗の増加を有利に抑制して、
タイヤのすぐれた運動性能等を実現することができる。
【0014】かかるタイヤにおいて好ましくは、タイヤ
の幅方向断面内で、第2トレッド域の表面を、第1トレ
ッド域の中央部分表面の外輪郭線より半径方向内方に位
置させる。これによれば、規定の空気圧の充填下での、
第2トレッド域の接地を防止して転がり抵抗の増加を有
利に抑制することができ、また、充填空気圧の低減に基
づく第2トレッド域の接地に当って、第1トレッド域側
部部分の接地圧が高くなりすぎることに起因する、トレ
ッド中央部分の路面からの浮き上がり、いいかえれば、
バックリングの発生を防止して、接地圧分布の悪化を有
利に抑制することができる。
【0015】また好ましくは、第2トレッド域の、第1
トレッド域との隣接部分に周方向溝を設け、これによ
り、第1トレッド域だけが接地する場合の排水性を確保
し、また、充填空気圧の低減時の、第2トレッド域の接
地変形を容易ならしめて、接地面積の円滑なる増加を担
保する。
【0016】なお、第2トレッド域にはリブもしくはブ
ロックのいずれをも形成することができるが、第2トレ
ッド域の接地性、排水性等の向上および、幅方向エッジ
成分の増加のためにはブロックとすることが好ましく、
このことは、第1トレッド域だけが接地する場合の排水
性の向上のためにも同様である。
【0017】またここでは、最高空気圧の充填下でのト
レッド部の幅を、サイドウォール部の最大幅の90〜1
10%の範囲とすることが好ましく、最高空気圧の充填
下でのベルト幅を、サイドウォール部の最大幅の65〜
85%の範囲とすることが好ましい。
【0018】前者のトレッド部の幅につき、それが90
%未満では、第2トレッド域が接地しても、トレッド接
地面積を十分に増加させることができず、一方、それが
110%を越える場合には、幅方向外側部分の接地長さ
の減少傾向の下で、トレッド幅の増加に見合うだけの接
地面積の増加を担保することができず、むしろタイヤ重
量が増加する不利益がある。
【0019】また、後者のベルト幅につき、それが65
%未満ではベルト剛性が不足して操縦安定性等が低下す
ることになり、85%を越えると、充填空気圧の低減時
に第2トレッド域が接地変形し難くなる。
【0020】なおここでいうベルトは、タイヤ赤道面に
対して交差する方向に延びるベルト層コードからなるも
のをいい、コードが実質的にタイヤ周方向に延びるベル
ト補強層はベルトには含まれないものとする。従って、
周方向ベルト補強層は、第1トレッド域はもちろん第2
トレッド域にも配設することができる。
【0021】さらに好ましくは、タイヤへの最高空気圧
の60%の空気圧の充填下で、トラック・バス用タイヤ
では最大負荷能力を、また、トラック・バス用タイヤよ
り小型のタイヤでは最大負荷能力の70%の負荷を作用
させた場合の、第1トレッド域の平坦路面への接地面積
(S1)に対する、第2トレッド域の平坦路面への接地
面積(S2)の比を、 S2/S1>0.10 とする。これによれば、充填空気圧の低減に基づく接地
面積の増加をより実効あるものとして摩擦係数の小さい
路面に対する摩擦力を確実に高めることができる。
【0022】また、上述したところに代えて、最高空気
圧の充填下で、トラック・バス用タイヤでは最大負荷能
力を、トラック・バス用タイヤより小型のタイヤでは最
大負荷能力の70%の負荷を作用させた場合の、平坦路
面に対する第1トレッド域の接地半幅(TW1)に対
し、最高空気圧の60%の空気圧の充填下で、トラック
・バス用タイヤでは最大負荷能力を、また、トラック・
バス用タイヤより小型のタイヤでは最大負荷能力の70
%の負荷を作用させた場合の、平坦路面に対するトレッ
ド部の接地半幅から前記第1トレッド域の接地半幅(T
W1)を減じた第2トレッド域の接地半幅(TW2)の
比を、 TW2/TW1>0.20 とした場合にも、空気圧の低減による接地面積の増加を
担保することができる。
【0023】以上のようなタイヤにあって、充填空気圧
の低減時の、氷雪上性能のさらなる向上のためには、第
2トレッド域のトレッドゴムをスタッドレスタイヤ用の
ゴムコンパウンドにより構成すること、トレッド陸部に
サイプを形成すること等が効果的である。また、第1ト
レッド域だけの接地下で直進走行する場合の旋回走行に
当って、第2トレッド域を接地させて操縦安定性を高め
ることもでき、この場合には、第2トレッド域のトレッ
ドゴムを夏用タイヤ用のゴムコンパウンドにより構成す
ること、トレッド陸部を剛性の高いブロックパターンと
すること等が効果的である。
【0024】そしてまた、この発明の、全路面対応型空
気入りタイヤの使用方法は、トレッド部と、このトレッ
ド部の側部から半径方向内方に延びるサイドウォール部
と、サイドウォール部の内周側に位置するビード部と、
ビード部に配設したビードコアと、一対のビードコア間
にトロイダルに延びるカーカスと、カーカスのクラウン
部の外周側に配設したベルトとを具え、前記トレッド部
を、最高空気圧の充填下での最大負荷能力の作用状態で
接地する第1トレッド域と、この第1トレッド域の側部
に隣接して位置して、充填空気圧の低減により接地する
第2トレッド域とで構成してなるタイヤを使用するに当
って、充填空気圧を、最高空気圧より低圧として、第1
および第2の両トレッド域をともに接地させるにあり、
これによれば、とくに摩擦係数の小さい路面に対し、接
地面積を増加させて大きな摩擦力を確保することができ
る。
【0025】ところで、この場合の充填空気圧は、最高
空気圧の40〜80%の範囲とすることが好ましく、よ
り好適には50〜70%である。すなわち、80%を越
える充填空気圧で第2トレッド域の十分な接地をもたら
す場合には、第1トレッド域だけで接地する場合の、路
面と第2トレッド域との距離が小さくなりすぎて、水深
の深いウェット路における、タイヤ幅方向への排水が妨
げられ、また、轍路において第2トレッド域が接地し
て、ハンドリング性が悪くなる。一方、充填空気圧が4
0%未満の場合には、タイヤの圧潰変形量が大きくなり
すぎて、安定性が低下したり、故障発生のおそれが生じ
る。
【0026】従って、ここにおけるタイヤの使用態様
は、タイヤのパンク時等のように、空気圧が実質的に零
となる条件の下で使用するランフラットタイヤのそれと
は大きく相違するものである。
【0027】ところで、タイヤへの充填空気圧の調整
は、たとえば、空気圧ゲージを用いた手動減圧調整とす
ることもでき、また、ドライバもしくは路面摩擦係数推
定装置が、低摩擦係数路面と判定した場合に作動する空
気圧自動調整システムを用いた自動減圧調整とすること
もでき、これらのいずれにあっても、摩擦係数の小さい
路面に対する駆動力及び制動力の増加を実現することが
できる。なお、空気圧自動調整システムは、たとえば、
圧力計、コントローラ、空気圧調整弁付きホイール、フ
レキシブルショイントホース、予備タンク、コンプレッ
サ等をもって構成することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下にこの発明の実施の形態を図
面に示すところに基づいて説明する。図1はこの発明に
係るタイヤの実施の形態を最高空気圧の充填姿勢で示す
幅方向断面図であり、図中1はトレッド部を、2はトレ
ッド部1の各側部から半径方向内方へ延在させて設けた
サイドウォール部を、そして3は、サイドウォール部2
の内周側に設けたビード部をそれぞれ示す。
【0029】また、それぞれのビード部3に、全体とし
て円環状をなすビードコア4を配設し、対をなすそれら
のビードコア間にカーカス5をトロイダルに延在させる
とともに、このカーカス5の側部部分をビードコア4の
周りに、図では内側から外側に巻き上げ、さらに、カー
カス5のクラウン部の外周側にベルト6を配設する。
【0030】そしてここでは、トレッド部1を、図示の
ような最高空気圧の充填状態で、最大負荷能力の作用時
に接地する第1トレッド域7と、この第1トレッド域7
の各側部に隣接して位置して、充填空気圧の低減により
接地する第2トレッド域8とで構成する。
【0031】ここで好ましくは、図示の断面内で、第2
トレッド域8の表面を、第1トレッド域7の中央部分の
外輪郭線より半径方向内方に位置させ、また好ましく
は、第2トレッド域8の、第1トレッド域7との隣接部
分に、周方向に直線状に、またはジグザグ状に連続する
周方向溝9を設ける。なおこのような第2トレッド域8
には、リブもしくはブロックを形成することができ、こ
のことは、第1トレッド域7についても同様である。
【0032】またここで、第1,第2の両トレッド域
7,8からなるトレッド部1の、最高空気圧の充填下で
の幅W1は、サイドウォール部2の最大幅W2の90〜
110%の範囲とすることが好ましく、そして、同じ条
件の下でのベルト幅WBは、サイドウォール部2の最大
幅W2の65〜85%の範囲とすることが好ましい。な
おこのベルト幅WBについては、それが70%以上であ
ることが、すぐれたベルト剛性、ひいては、トレッド部
剛性を確保する上でより好ましく、この一方で、周方向
溝9の間隔より狭いことが、第2トレッド域8の接地変
形を円滑かつ容易ならしめる上で好ましい。
【0033】ところで、かかるタイヤは、図に示すとこ
ろからは明らかではないが、最高空気圧の60%の空気
圧の充填下で、トラック・バス用タイヤでは最大負荷能
力を、また、トラック・バス用タイヤより小型のタイヤ
では最大負荷能力の70%の負荷を作用させた場合の、
平坦路面への、第1トレッド域の接地面積(S1)に対
する、第2トレッド域の接地面積(S2)の比を、 S2/S1>0.10 とすること、または、最高空気圧の充填下で、トラック
・バス用タイヤでは最大負荷能力を、また、トラック・
バス用タイヤより小型のタイヤでは最大負荷能力の70
%の負荷を作用させた場合の、第1トレッド域の、平坦
路面への接地半幅(TW1)に対し、最高空気圧の60
%の空気圧の充填下で、トラック・バス用タイヤでは最
大負荷能力を、また、トラック・バス用タイヤより小型
のタイヤでは最大負荷能力の70%の負荷を作用させた
場合の、トレッド部の、平坦路面への接地半幅から前記
第1トレッド域の接地半幅(TW1)を減じた第2トレ
ッド域の接地半幅(TW2)の比を、 TW2/TW1>0.20 とすることが、とくに摩擦係数の小さい路面に対する十
分な接地面積を確保する上で好ましい。
【0034】以上のように構成してなるタイヤは、それ
をとくに、摩擦係数の小さい路面上で負荷転動させるに
当っては、そこへの充填空気圧を、たとえば、最高空気
圧の40〜80%の範囲として、第1及び第2の両トレ
ッド域7,8を十分に接地させて大きな路面摩擦力を発
生させることが好ましい。
【0035】なおこのタイヤを、摩擦係数の大きい路面
上で転動させる場合には、通常は規定の空気圧の充填状
態で、第1トレッド域7だけを接地させることで、従来
タイヤと同様の各種性能をもたらすことができる。
【0036】
【実施例】図1に示す構造を有する、サイズが185/
70R14の発明タイヤを作成した。従来タイヤとして
は第2トレッド域が無いだけで、他はまったく同じ構
造、材料のタイヤを準備した。空気圧を140kPaに
設定した際の接地面積の測定と、氷路上および雪路上の
制動試験を実施した。氷路上では速度20km/hか
ら、雪路上では速度40km/hからの平均制動距離の
逆数を、従来タイヤを100とした指数で表1に示す。
表1によれば、発明タイヤでは、低空気圧時の接地面積
を、従来タイヤより大きくすることができるため、危険
な路面である氷雪路において、制動距離を大幅に短縮で
きることが解る。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】以上に述べたところから明らかなよう
に、この発明によれば、摩擦係数の大きい路面上でのタ
イヤの転動に当っては、規定の空気圧の充填下で、第1
トレッド域を接地させることで、従来タイヤと同様の各
種性能を発揮させることができ、また、摩擦係数の小さ
い路面上での転動に当っては、充填空気圧を低減させ
て、第1および第2の両トレッド域を接地させて大きな
接地面積を確保することにより、路面摩擦力を有利に増
加させて、車両の走行安定性を大きく向上させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 最高空気圧の充填状態を示すタイヤの幅方向
断面図である。
【符号の説明】
1 トレッド部 2 サイドウォール部 3 ビード部 4 ビードコア 5 カーカス 6 ベルト 7 第1トレッド域 8 第2トレッド域 9 周方向溝 W1 トレッド幅 W2 サイドウォール部最大幅 WB ベルト幅

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トレッド部と、このトレッド部の側部か
    ら半径方向内方に延びるサイドウォール部と、サイドウ
    ォール部の内周側に位置するビード部と、ビード部に跨
    がりトロイダルに延びるカーカスと、カーカスのクラウ
    ン部の外周側に配設したベルトとを具える空気入りタイ
    ヤであって、 トレッド部を、最高空気圧の充填下での最大負荷能力の
    作用状態で接地する第1トレッド域と、この第1トレッ
    ド域の側部に隣接して位置して、充填空気圧の低減によ
    り接地する第2トレッド域とで構成してなる全路面対応
    型空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】 タイヤ幅方向断面内で、第2トレッド域
    の表面を、第1トレッド域の中央部分表面の外輪郭線よ
    り半径方向内方に位置させてなる請求項1に記載の全路
    面対応型空気入りタイヤ。
  3. 【請求項3】 第2トレッド域の、第1トレッド域との
    隣接部分に周方向溝を設けてなる請求項1もしくは2に
    記載の全路面対応型空気入りタイヤ。
  4. 【請求項4】 第2トレッド域にリブもしくはブロック
    を形成してなる請求項1〜3のいずれかに記載の全路面
    対応型空気入りタイヤ。
  5. 【請求項5】 最高空気圧の充填下でのトレッド部の幅
    を、サイドウォール部の最大幅の90〜110%の範囲
    としてなる請求項1〜4のいずれかに記載の全路面対応
    型空気入りタイヤ。
  6. 【請求項6】 最高空気圧の充填下でのベルト幅を、サ
    イドウォール部の最大幅の65〜85%の範囲としてな
    る請求項1〜5のいずれかに記載の全路面対応型空気入
    りタイヤ。
  7. 【請求項7】 最高空気圧の60%の空気圧の充填下
    で、トラック・バス用タイヤでは最大負荷能力を、ま
    た、トラック・バス用タイヤより小型のタイヤでは最大
    負荷能力の70%の負荷を作用させた場合の、第1トレ
    ッド域の接地面積(S1)に対する、第2トレッド域の
    接地面積(S2)の比を、 S2/S1>0.10 としてなる請求項1〜6のいずれかに記載の全路面対応
    型空気入りタイヤ。
  8. 【請求項8】 最高空気圧の充填下で、トラック・バス
    用タイヤでは最大負荷能力を、また、トラック・バス用
    タイヤより小型のタイヤでは最大負荷能力の70%の負
    荷を作用させた場合の、第1トレッド域の接地半幅(T
    W1)に対し、最高空気圧の60%の空気圧の充填下
    で、トラック・バス用タイヤでは最大負荷能力を、ま
    た、トラック・バス用タイヤより小型のタイヤでは最大
    負荷能力の70%の負荷を作用させた場合の、トレッド
    部の接地半幅から前記第1トレッド域の接地半幅(TW
    1)を減じた第2トレッド域の接地半幅(TW2)の比
    を、 TW2/TW1>0.20 としてなる請求項1〜6のいずれかに記載の全路面対応
    型空気入りタイヤ。
  9. 【請求項9】 トレッド部と、このトレッド部の側部か
    ら半径方向内方に延びるサイドウォール部と、サイドウ
    ォール部の内周側に位置するビード部と、ビード部に跨
    がりトロイダルに延びるカーカスと、カーカスのクラウ
    ン部の外周側に配設したベルトとを具え、前記トレッド
    部を、最高空気圧の充填下での最大負荷能力の作用状態
    で接地する第1トレッド域と、この第1トレッド域の側
    部に隣接して位置して、充填空気圧の低減により接地す
    る第2トレッド域とで構成してなる全路面対応型空気入
    りタイヤの使用に当たり、 充填空気圧を、最高空気圧より低圧として、第1および
    第2の両トレッド域を接地させる全路面対応型空気入り
    タイヤの使用方法。
  10. 【請求項10】 充填空気圧を、最高空気圧の40〜8
    0%の範囲とする請求項9に記載の全路面対応型空気入
    りタイヤの使用方法。
  11. 【請求項11】 摩擦係数の小さい路面上にタイヤを転
    動させる請求項9もしくは10に記載の全路面対応型空
    気入りタイヤの使用方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009099000A1 (ja) * 2008-02-04 2009-08-13 Bridgestone Corporation スタッドレスタイヤ
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