JP2001346331A - フィルタ装置およびその制御方法 - Google Patents

フィルタ装置およびその制御方法

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JP2001346331A JP2000162754A JP2000162754A JP2001346331A JP 2001346331 A JP2001346331 A JP 2001346331A JP 2000162754 A JP2000162754 A JP 2000162754A JP 2000162754 A JP2000162754 A JP 2000162754A JP 2001346331 A JP2001346331 A JP 2001346331A
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harmonic
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filter
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Masayuki Hatano
雅幸 畑野
Kazuhiko Onishi
一彦 大西
Minoru Kuwata
稔 桑田
Kazuhiro Kuroda
和宏 黒田
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Electric Power Development Co Ltd
Nissin Electric Co Ltd
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Electric Power Development Co Ltd
Nissin Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電力系統における系統周波数の変動に関与す
ることなく、高調波フィルタの共振周波数の同調ずれを
簡単な手段により調整し得る安価なフィルタ装置を提供
することにある。 【解決手段】 リアクトル11およびコンデンサ12の
共振回路からなる高調波フィルタ13を電力系統に設置
し、その高調波フィルタ13の共振周波数を制御して電
力系統の高調波周波数に同調させて高調波を除去するフ
ィルタ装置において、温度センサ18により検出される
前記コンデンサ12の素子温度を制御入力とし、そのコ
ンデンサ素子温度をコンデンサの容量−温度特性からコ
ンデンサ容量に換算し、そのコンデンサ容量に基づいて
高調波フィルタ13の共振周波数を電力系統の高調波周
波数に同調させる制御回路を具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフィルタ装置および
その制御方法に関し、詳しくは、リアクトルおよびコン
デンサの共振回路からなる高調波フィルタを電力系統に
設置し、その高調波フィルタの共振周波数を電力系統の
高調波周波数に同調させて高調波を除去するフィルタ装
置およびその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば送電系統などの電力系統に設置さ
れる交直変換所では、サイリスタ変換装置などの交直電
力変換器の動作時に高調波を発生することが多く、この
高調波が電力系統に流出すると高調波障害になるため、
この高調波を除去する目的からフィルタ装置を設置する
のが一般的である(特開昭54−36555号公報)。
【0003】このフィルタ装置は、例えば図4に示すよ
うにリアクトル1およびコンデンサ2の直列共振回路か
らなる高調波フィルタ3で構成され、電力系統から電力
が供給される交直変換所の母線4に接続された回路構成
を有する。図5に示すように交直電力変換器の動作時に
発生したある周波数の高調波に対してそのインピーダン
スを小さくしてその周波数の高調波電流を吸収し、電力
系統に高調波電流が流出しないようにするものである。
例えば、第5高調波が発生する場合であれば、この高調
波フィルタ3の共振周波数f0が第5高調波と一致する
ようにリアクトル1およびコンデンサ2の値を選定し、
第5高調波電流をフィルタ装置に吸収させる。
【0004】一方、電力系統における系統周波数が負荷
の投入などに起因して変動したり、また、高調波フィル
タ3を構成するコンデンサ2の静電容量が温度変化によ
り変化したりすることによって、高調波フィルタ3の共
振周波数と電力系統における高調波周波数とが一致しな
い同調ずれが発生することがある。このような同調ずれ
が発生すると、高調波フィルタ3の共振周波数が高調波
周波数と一致しなくなることから、高調波フィルタ3で
所期のフィルタ効果を発揮させることが困難となる。
【0005】そこで、同調ずれが発生した高調波フィル
タ3の共振周波数を高調波の周波数に一致させるように
制御する必要があり、高調波フィルタ3の共振周波数を
高調波に同調させることにより、所期のフィルタ効果を
発揮させるようにしている。
【0006】このように高調波フィルタ3の共振周波数
を自動的に同調させる目的から、従来のフィルタ装置で
は、高調波フィルタ3に印加される電圧を検出する計器
用変圧器5(PT)と、高調波フィルタ3に流入する電
流を検出する変流器6(CT)と、その計器用変圧器5
および変流器6により検出された電圧および電流に基づ
いて、高調波フィルタ3の共振周波数を制御する制御回
路7とが設けられている。なお、この制御回路7の出力
により高調波フィルタ3の共振周波数を同調調整するた
めの可変リアクトル8が設けられている。
【0007】この制御回路7では、以下の要領でもって
高調波フィルタ3の共振周波数を高調波の周波数と一致
するように同調調整を実行する。まず、計器用変圧器5
および変流器6により高調波フィルタ3の電圧および電
流を検出し、その検出された電圧および電流を制御回路
7に入力する。この制御回路7では、前記電圧および電
流について高調波成分の位相差またはインダクタンスや
無効電力を算出し、その高調波電圧と高調波電流の位相
差から制御量を決定する。
【0008】すなわち、高調波フィルタ3の共振周波数
が同調していれば、高調波電圧と高調波電流との位相差
がなく、高調波フィルタ3の共振周波数に同調ずれが発
生していれば、高調波電圧と高調波電流とに位相差が存
在するため、その同調ずれに対応した位相差が検出され
る。
【0009】従って、制御回路7では、前述した高調波
電圧および電流の位相差に基づいて、高調波フィルタ3
の共振周波数が高調波周波数からどの程度ずれているか
を判定し、そのずれ量に対応した指令信号を出力して同
調調整するようにしている。この指令信号により、同調
ずれの程度に応じて可変リアクトル8のインダクタンス
を変化させ、高調波フィルタ3の共振周波数が高調波周
波数と一致するように同調調整する。なお、前記可変リ
アクトル8では、巻線内部に設けた可動鉄心を出し入れ
する等の方法によりそのインダクタンスを増減する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来では、
高調波フィルタ3の同調ずれが発生した場合、高調波フ
ィルタ3の電圧および電流を制御入力として同調調整す
るための制御量を決定している。具体的には、前述した
ように計器用変圧器5および変流器6により電圧および
電流を検出し、その電圧および電流から高調波成分の位
相差を算出し、その高調波電圧および電流の位相差から
高調波フィルタ3の共振周波数が高調波周波数からどの
程度ずれているかを判定するようなアルゴリズムが構築
されている。このアルゴリズムからなる制御フローは、
電圧および電流の電気的な検出手段に基づいている。
【0011】ここで、電力系統に高調波が発生している
場合、前記計器用変圧器5および変流器6により検出さ
れる電圧および電流には、基本波(正弦波)に高調波が
重畳されている。制御回路7では、前記高調波のみを取
り出すために、検出された電圧および電流から基本波を
除去する減算処理を実行し、この減算処理により得られ
た高調波電圧および電流の位相差を算出するようにして
いる。
【0012】従来のように高調波フィルタ3の共振周波
数の同調ずれを制御するために、高調波フィルタ3の電
圧および電流を検出する手法では、高調波電圧および電
流の位相差を算出するために電圧および電流の検出信号
から基本波をカットする減算処理を実行しなければなら
ない。この減算処理により、電圧および電流の検出信号
に対して高調波電圧および電流の誤差が大きくなり、高
調波電圧および電流の位相差を算出するときの演算精度
が低くなる。このことから、高調波フィルタ3の共振周
波数の同調ずれを制御するときの分解能が低下する傾向
にある。
【0013】一方、高調波フィルタ3の共振周波数の同
調ずれは、電力系統における系統周波数の変動や、コン
デンサ2の温度変化による容量変化により発生する。前
述した高調波フィルタ3の電圧および電流を検出するこ
とに基づく制御では、電力系統に発生したすべての変動
に対して同調調整を実行するため、電力系統における系
統周波数の変動についても同調調整することになる。
【0014】電力系統における系統周波数は時々刻々変
化し、これに追従させて高調波フィルタ3の同調調整を
実行していたのではフィルタ装置の制御系が多頻度動作
することになる。しかしながら、この系統周波数の変動
は短時間であり影響が少ないため、フィルタ装置の制御
系が多頻度動作することは不要な動作であり、系統周波
数の変動に追従して高調波フィルタ3の同調調整を実行
する必要性が乏しいというのが実状である。
【0015】そこで、本発明は前述した実状に鑑みて提
案されたもので、その目的とするところは、電力系統に
おける系統周波数の変動に関与することなく、高調波フ
ィルタの共振周波数の同調ずれを簡単な手段により調整
し得る安価なフィルタ装置およびその制御方法を提供す
ることにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の技術的手段として、本発明は、リアクトルおよびコン
デンサの共振回路からなる高調波フィルタを電力系統に
設置し、その高調波フィルタの共振周波数を制御して電
力系統の高調波周波数に同調させて高調波を除去するフ
ィルタ装置において、前記コンデンサの素子温度を制御
入力とし、そのコンデンサ素子温度をコンデンサの容量
−温度特性からコンデンサ容量に換算し、そのコンデン
サ容量に基づいて高調波フィルタの共振周波数を電力系
統の高調波周波数に同調させる制御回路を具備したこと
を特徴とする(請求項1)。
【0017】前記制御回路は、コンデンサの容量−温度
特性を予め記憶保持したメモリ部と、制御入力のコンデ
ンサ素子温度を、前記メモリ部から読み出されたコンデ
ンサの容量−温度特性に基づいてコンデンサ容量に換算
する演算部とを備え、その演算部からのコンデンサ容量
に基づいて高調波フィルタの共振周波数を電力系統の高
調波周波数に同調させる指令信号を出力する構成とした
ものが望ましい(請求項2)。
【0018】また、本発明は、リアクトルおよびコンデ
ンサの共振回路からなる高調波フィルタの共振周波数を
電力系統の高調波周波数に同調させるように制御するフ
ィルタ装置の制御方法であって、前記コンデンサの素子
温度を検出し、そのコンデンサ素子温度をコンデンサの
容量−温度特性からコンデンサ容量に換算し、そのコン
デンサ容量に基づいて高調波フィルタの共振周波数を制
御することを特徴とする(請求項3)。
【0019】本発明方法では、前記コンデンサ容量に基
づいて高調波フィルタの共振周波数を制御するに際し
て、コンデンサ素子温度をコンデンサの容量−温度特性
からコンデンサ容量に換算し、そのコンデンサ容量から
所定の関係式でもって高調波フィルタの共振周波数を算
出し、その算出された共振周波数が高調波周波数に同調
するように指令信号を生成することが望ましい(請求項
4)。
【0020】あるいは、前記コンデンサ容量に基づいて
高調波フィルタの共振周波数を制御するに際して、コン
デンサの運転温度範囲の中心温度におけるコンデンサ容
量を基準として予め初期設定し、検出された運転時のコ
ンデンサ素子温度と前記運転温度範囲の中心温度との差
から、初期設定された基準コンデンサ容量に対する容量
変化を算出し、その容量変化に基づいて高調波フィルタ
の共振周波数を補正して高調波周波数に同調するように
指令信号を生成することも可能である(請求項5)。
【0021】以上、各請求項における本発明では、コン
デンサの素子温度を制御入力とし、そのコンデンサ素子
温度をコンデンサ容量に換算して高調波フィルタの共振
周波数を算出するようにしている。このように本発明で
はコンデンサ素子温度を制御入力としたことにより、電
圧および電流の電気的な検出手段に基づいて高調波電圧
および電流の位相差を算出するための減算処理がないか
ら、高調波フィルタの共振周波数の同調ずれを精度よく
調整することができる。
【0022】一方、コンデンサの素子温度を制御入力と
していることから、電力系統における系統周波数の変動
が関与することはないので、フィルタ装置の制御系の不
要な動作をなくすことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図1乃至図3
に示して以下に詳述する。
【0024】この実施形態のフィルタ装置は、図1に示
すようにリアクトル11およびコンデンサ12の直列共
振回路からなる高調波フィルタ13で構成され、電力系
統から電力が供給される交直変換所の母線14に接続さ
れた回路構成を有する。このフィルタ装置は、高調波フ
ィルタ13の共振周波数を高調波の周波数に一致させる
ように制御する制御回路17を具備し、この制御回路1
7により高調波フィルタ13の共振周波数を高調波に常
時自動的に同調させて所期のフィルタ効果を発揮させる
(図5参照)。
【0025】制御回路17は、前記コンデンサ12の素
子温度を制御入力とし、そのコンデンサ素子温度をコン
デンサ12の容量−温度特性からコンデンサ容量に換算
し、そのコンデンサ容量に基づいて高調波フィルタ13
の共振周波数を電力系統の高調波周波数に同調させる指
令信号を出力する。
【0026】リアクトル11は、前記制御回路17から
出力される指令信号により、高調波フィルタ13の共振
周波数が高調波周波数と一致するような適正なインダク
タンスが選定される。このリアクトル11のインダクタ
ンスは、リアクトル11に複数のタップ15を設け、そ
のタップ15を切り替えることにより選定される。
【0027】なお、この他にも、巻線内部に設けた可動
鉄心を出し入れすることによりそのインダクタンスを増
減することができる可変リアクトルを使用することで制
御回路17からの指令信号に応じたインダクタンスを選
定することも可能である。この可変リアクトルは、前記
リアクトル11の代わりに設けるか、あるいは、前記リ
アクトル11を固定インダクタンスのものとしてそのリ
アクトル11と別に調整用として設けるようにしてもよ
い。
【0028】コンデンサ12の素子温度は以下の要領で
もって制御入力とされる。一般に、コンデンサ12は、
コンデンサ素子(誘電体)を油中に浸漬した状態で外箱
16に収容された構造を有するため、例えばダイヤル温
度計用温度センサ18等により前記油温度を測定するこ
とにより、その温度センサ18から出力される検出信号
を制御回路17に入力する。
【0029】なお、前述したコンデンサ油温度以外に、
コンデンサ素子温度の上昇により外箱内の油が膨張する
ことにより油面が上昇するため、コンデンサ油面をレベ
ル検出する油面センサの出力信号を利用することも可能
である。ここで、コンデンサ素子温度による制御入力と
は、前記コンデンサの油温度や油面レベルによるセンサ
の検出信号を意味する。
【0030】制御回路17では、後述するようにコンデ
ンサ油温度を工場試験データ等に基づいてコンデンサ素
子温度に換算するようになっている。また、コンデンサ
素子温度をコンデンサ容量に換算するために用いられる
コンデンサ12の容量−温度特性についても、工場試験
データ等によって得られる。
【0031】前記制御回路17は、コンデンサ12の油
温度が入力される入力部19と、コンデンサ油温度をコ
ンデンサ素子温度に換算するための工場試験データ等
や、その工場試験データ等により得られたコンデンサ1
2の容量−温度特性を予め記憶保持したメモリ部20
と、メモリ部20から読み出された工場試験データ等に
基づいて入力部19からのコンデンサ油温度をコンデン
サ素子温度に換算し、また、メモリ部20から読み出さ
れたコンデンサ12の容量−温度特性に基づいて前記コ
ンデンサ素子温度をコンデンサ容量に換算する演算部2
1と、演算部21からのコンデンサ容量に基づいて高調
波フィルタ13の共振周波数を電力系統の高調波周波数
に同調させる指令信号を生成する出力部22とで構成す
る。
【0032】この制御回路17では、一例として、図3
の制御フローに基づいて一連の処理が実行される。ま
ず、前記温度センサ18により検出されたコンデンサ1
2の油温度が入力部19に加わると、その入力部19か
ら出力されるコンデンサ油温度を演算部21で工場試験
データ等に基づいてコンデンサ素子温度に換算する。
【0033】さらに、その演算部21では、メモリ部2
0から読み出されたコンデンサ12の容量−温度特性に
基づいて前記コンデンサ素子温度をコンデンサ容量に換
算する。これにより、高調波フィルタ13を構成するコ
ンデンサ12の素子温度に対するコンデンサ容量(静電
容量)を把握することができ、そのコンデンサ容量に基
づいて高調波フィルタ13の共振周波数を制御すること
により、高調波フィルタ13の共振周波数を高調波周波
数と一致するように同調調整を実行する。
【0034】前記コンデンサ容量に基づいて高調波フィ
ルタ13の共振周波数を制御するに際しては、コンデン
サ12の容量−温度特性による換算で得られたコンデン
サ容量から所定の関係式でもって高調波フィルタ13の
共振周波数を算出し、その算出された共振周波数が高調
波周波数と一致するように指令信号を生成する。この指
令信号により、リアクトル11のインダクタンスを変化
させれば、高調波フィルタ13の共振周波数が高調波周
波数と一致することになる。
【0035】ここで、高調波周波数を目標共振周波数f
0として、その目標共振周波数f0を中心に同調ずれか否
かを判定するためのしきい値fを設定することにより所
定の許容範囲を設ける。そして、前述のようにして算出
された高調波フィルタ13の共振周波数fnが目標共振
周波数f0より小さいか大きいかを判別し、共振周波数
nが目標共振周波数f0より小さい場合、さらに共振周
波数fnと目標共振周波数f0との差がしきい値fよりも
大きければ、前記所定の許容範囲を逸脱していることに
なり、リアクトル11のインダクタンスを減少させる指
令信号を出力する。逆に、共振周波数fnが目標共振周
波数f0より大きい場合、さらに共振周波数fnと目標共
振周波数f0との差がしきい値fよりも大きければ、前
記所定の許容範囲を逸脱していることになるため、リア
クトル11のインダクタンスを増加させる指令信号を出
力する。
【0036】このようにしてリアクトル11のインダク
タンスを減少または増加させる指令信号が制御回路17
により生成され、この指令信号によりリアクトル11の
タップ15を切り替え、このタップ切り替えにより高調
波フィルタ13の共振周波数fnが目標共振周波数f0
一致するようにインダクタンスが選定されて同調調整が
完了する。
【0037】この実施形態では、前記コンデンサ容量に
基づいて高調波フィルタ13の共振周波数を制御するに
際して、前述したようにコンデンサ12の容量−温度特
性による換算で得られたコンデンサ容量から所定の関係
式でもって高調波フィルタ13の共振周波数を算出する
ようにしたが、これ以外にも、例えば以下の手法を採用
することも可能である。
【0038】まず、コンデンサ12の運転温度(油温
度)範囲(例えば0〜40℃)の中心温度(20℃)に
おけるコンデンサ容量を基準として予め初期設定してお
く。この中心温度でのコンデンサ容量は、中心温度に対
するコンデンサ素子温度を工場試験データ等に基づいて
換算し、さらに、そのコンデンサ素子温度を工場試験デ
ータ等に基づいてコンデンサ容量に換算することにより
得られる。
【0039】そして、前述の実施形態の場合と同様、温
度センサ18により検出された運転時のコンデンサ油温
度からコンデンサ素子温度を換算し、その運転時のコン
デンサ素子温度と前記中心温度でのコンデンサ素子温度
との差から、初期設定された基準コンデンサ容量に対す
る容量変化を算出する。その容量変化に基づいて高調波
フィルタ13の共振周波数を補正するように指令信号を
生成する。この容量変化に基づく共振周波数の補正は、
初期設定における中心温度でのコンデンサ容量に対する
共振周波数と比較することにより行えばよい。
【0040】なお、以上の実施形態では、高調波フィル
タ13のリアクトル11にタップ切り換えを設け、その
インダクタンスを選定することにより同調調整するよう
にしたが、本発明はこれに限定されることなく、高調波
フィルタ13のコンデンサ12を制御することにより同
調調整することも可能である。例えば、前記リアクトル
11の場合と同様、複数のコンデンサにタップを設け、
そのタップを切り換えるようにしてもよい。
【0041】以上、この実施形態における同調制御で
は、コンデンサ12の素子温度を制御入力とし、そのコ
ンデンサ素子温度をコンデンサ容量に換算して高調波フ
ィルタ13の共振周波数を算出するようにしている。こ
のように本発明ではコンデンサ12の素子温度を制御入
力としたことにより、従来、必要としていた高価な計器
用変圧器5および変流器6(図4参照)が不要となり、
また、高調波フィルタの共振周波数の同調ずれを制御す
る上で、電圧および電流の電気的な検出手段に基づいて
高調波電圧および電流の位相差を算出するために電圧お
よび電流信号から基本波をカットする減算処理がないか
ら、演算精度が低下することもないので、高調波フィル
タの共振周波数の同調ずれを精度よく調整可能となる。
【0042】一方、コンデンサの素子温度を制御入力と
していることから、電力系統における系統周波数の変動
が関与することはないので、フィルタ装置の制御系の多
頻度動作を防止できる。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、コンデンサの素子温度
を制御入力とし、そのコンデンサ素子温度をコンデンサ
容量に換算して高調波フィルタの共振周波数を算出する
ようにしたことから、コンデンサ素子温度を正確かつ直
接的に測定することができるので、高価な計器用変圧器
および変流器が不要となって安価なフィルタ装置を提供
できる。また、コンデンサ素子温度を制御入力としたこ
とにより、電圧および電流の電気的な検出手段に基づい
て高調波電圧および電流の位相差を算出するための減算
処理がないから、高調波フィルタの共振周波数の同調ず
れを制御するときの分解能がよく、高精度の同調調整が
実現可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態で、フィルタ装置の概略構成
を示す回路図
【図2】図1の制御回路の内部構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施形態で、高調波フィルタの同調調
整を説明するための制御フローチャートの一例
【図4】フィルタ装置の従来例を示す回路図
【図5】フィルタ装置の共振特性を示す波形図
【符号の説明】
11 リアクトル 12 コンデンサ 13 高調波フィルタ 17 制御回路 20 メモリ部 21 演算部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大西 一彦 京都府京都市右京区梅津高畝町47番地 日 新電機株式会社内 (72)発明者 桑田 稔 京都府京都市右京区梅津高畝町47番地 日 新電機株式会社内 (72)発明者 黒田 和宏 京都府京都市右京区梅津高畝町47番地 日 新電機株式会社内 Fターム(参考) 5G066 EA01 EA10 5H740 AA08 BA18 BB02 BB08 JA28 MM08 NN02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リアクトルおよびコンデンサの共振回路
    からなる高調波フィルタを電力系統に設置し、その高調
    波フィルタの共振周波数を制御して電力系統の高調波周
    波数に同調させて高調波を除去するフィルタ装置におい
    て、前記コンデンサの素子温度を制御入力とし、そのコ
    ンデンサ素子温度をコンデンサの容量−温度特性からコ
    ンデンサ容量に換算し、そのコンデンサ容量に基づいて
    高調波フィルタの共振周波数を電力系統の高調波周波数
    に同調させる制御回路を具備したことを特徴とするフィ
    ルタ装置。
  2. 【請求項2】 前記制御回路は、コンデンサの容量−温
    度特性を予め記憶保持したメモリ部と、制御入力のコン
    デンサ素子温度を、前記メモリ部から読み出されたコン
    デンサの容量−温度特性に基づいてコンデンサ容量に換
    算する演算部とを備え、その演算部からのコンデンサ容
    量に基づいて高調波フィルタの共振周波数を電力系統の
    高調波周波数に同調させる指令信号を出力することを特
    徴とする請求項1に記載のフィルタ装置。
  3. 【請求項3】 リアクトルおよびコンデンサの共振回路
    からなる高調波フィルタの共振周波数を電力系統の高調
    波周波数に同調させるように制御するフィルタ装置の制
    御方法であって、前記コンデンサの素子温度を検出し、
    そのコンデンサ素子温度をコンデンサの容量−温度特性
    からコンデンサ容量に換算し、そのコンデンサ容量に基
    づいて高調波フィルタの共振周波数を制御することを特
    徴とするフィルタ装置の制御方法。
  4. 【請求項4】 前記コンデンサ容量に基づいて高調波フ
    ィルタの共振周波数を制御するに際して、コンデンサ素
    子温度をコンデンサの容量−温度特性からコンデンサ容
    量に換算し、そのコンデンサ容量から所定の関係式でも
    って高調波フィルタの共振周波数を算出し、その算出さ
    れた共振周波数が高調波周波数に同調するように指令信
    号を生成することを特徴とする請求項3に記載のフィル
    タ装置の制御方法。
  5. 【請求項5】 前記コンデンサ容量に基づいて高調波フ
    ィルタの共振周波数を制御するに際して、コンデンサの
    運転温度範囲の中心温度におけるコンデンサ容量を基準
    として予め初期設定し、検出された運転時のコンデンサ
    素子温度と前記運転温度範囲の中心温度との差から、初
    期設定された基準コンデンサ容量に対する容量変化を算
    出し、その容量変化に基づいて高調波フィルタの共振周
    波数を補正して高調波周波数に同調するように指令信号
    を生成することを特徴とする請求項3に記載のフィルタ
    装置の制御方法。
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