JP2001345697A - ディジタルpll回路 - Google Patents

ディジタルpll回路

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JP2001345697A
JP2001345697A JP2000168999A JP2000168999A JP2001345697A JP 2001345697 A JP2001345697 A JP 2001345697A JP 2000168999 A JP2000168999 A JP 2000168999A JP 2000168999 A JP2000168999 A JP 2000168999A JP 2001345697 A JP2001345697 A JP 2001345697A
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JP2000168999A
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Shinji Honjo
庄 伸 次 本
Naoto Takano
野 直 人 高
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 初期引き込み時間を短縮でき、初期引き込み
後のジッタ量を低減できるディジタルPLL回路を提供
する。 【解決手段】 ディジタルPLL回路は、周波数可変型
リングオシレータ1と、このリングオシレータ1の周波
数制御用の制御信号を出力する制御信号生成回路2とを
備えている。制御信号生成回路2は、減算器14と、減
算器14から出力された誤差を大きさにより4つに分類
するループゲインセレクタ21と、分類結果に基づいて
補正量を設定する複数の補正量設定回路22a〜22d
とを有する。減算器14から出力された誤差の大きさに
より、補正量の変化率を4通りに切り替えるため、誤差
が大きい場合にはリングオシレータ1の発振周波数を急
激に変化させて初期引き込み時間の短縮化を図り、誤差
が非常に小さくなるとリングオシレータ1の発振周波数
を少しずつ変化させてジッタ量の低減を図ることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リング発振器の発
振周波数をディジタル的に切替制御して位相調整を行う
ディジタルPLL回路に関し、特に、半導体基板上に形
成される回路を対象とする。
【0002】
【従来の技術】CPUの基準クロックなど、周波数や位
相のばらつきが少ない高精度の発振信号を生成するため
に、従来はアナログPLL回路を利用していた。
【0003】最近、半導体技術の進歩により、半導体基
板上に形成されたディジタルPLL回路により、高精度
の発振信号を生成できるようになってきた。ディジタル
PLL回路は、LSIの内部に容易に実装できるため、
携帯電話等の小型の電子機器に応用すると都合がよい。
【0004】図16は従来のディジタルPLL回路の概
略構成を示すブロック図である。図16のディジタルP
LL回路は、発振周波数を可変可能なリングオシレータ
31と、リングオシレータ31の出力クロックをN分周
する分周器32と、基準クロックをM分周する分周器3
3と、分周器32,33から出力された各分周信号の周
波数および位相差に応じた誤差信号を出力する周波数比
較回路34と、誤差信号に応じてリングオシレータ31
の発振周波数制御用の発振制御信号を生成する発振制御
回路35とを備えている。
【0005】発振制御回路35は、分周回路32,33
から出力された各分周信号の周波数および位相が一致す
るように、リングオシレータ31の発振周波数を制御す
る。
【0006】図16のディジタルPLL回路は、構成が
比較的単純であるため、回路全体を半導体基板上に容易
に形成できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図16
のディジタルPLL回路は、周波数比較回路34から出
力された誤差信号の大小にかかわらず、一定の割合でリ
ングオシレータ31の発振周波数を可変制御するため、
誤差信号が大きい場合は、リングオシレータ31の発振
周波数が収束するまでの時間(初期引き込み時間)が長
くなるという問題がある。また、逆に、誤差信号が小さ
い場合は、必要以上にリングオシレータ31の発振周波
数が変化してしまうおそれがあり、ジッタ量が増えると
いう問題がある。
【0008】本発明は、このような点に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、初期引き込み時間を短縮で
き、初期引き込み後のジッタ量を低減できるディジタル
PLL回路を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1の発明は、複数のインバータをリング
状に接続して構成されインバータの段数を可変可能なリ
ング発振器と、前記リング発振器を構成するインバータ
の段数を調整する段数調整手段と、基準信号の一周期内
に含まれる、前記リング発振器の出力信号に相関する信
号の周期数を計測し、計測された周期数を累積的に加算
する周期数累積手段と、前記周期数累積手段で累積加算
された周期数と、予め設定された累積期待値との誤差を
演算する誤差演算手段と、演算された前記誤差の大きさ
に応じて、前記インバータの段数を調整するための補正
量を設定する補正量設定手段と、を備え、前記誤差の変
化に対する前記補正量の変化量は、前記誤差の大きさに
応じて、複数通りに可変制御され、前記段数調整手段
は、前記補正量設定手段で設定された補正量に基づい
て、前記リング発振器を構成するインバータの段数を調
整する。
【0010】請求項1の発明では、誤差の大きさに応じ
て、誤差の変化に対する補正量の変化量を複数通りに可
変制御するため、誤差が大きい場合には補正量をより大
きくしてリング発振器の発振周波数を急激に変化させ、
誤差が小さい場合には補正量をより小さくしてリング発
振器の発振周波数をわずかずつ変化させることができ
る。これにより、初期引き込み時間を短縮でき、かつ初
期引き込み後のジッタ量を低減できる。
【0011】請求項2の発明では、誤差の大きさに応じ
て、リング発振器を構成するインバータの段数の可変量
を4通りに切り替えるため、誤差の大きさに応じてイン
バータの段数を最適な値に設定できる。
【0012】請求項3の発明では、誤差が減る傾向にあ
れば、リング発振器を構成するインバータの段数を切り
替えないようにするため、段数の切替処理を簡易化する
ことができる。
【0013】請求項4の発明では、誤差が減る傾向にあ
る場合でも、誤差の絶対値が大きい場合には、リング発
振器を構成するインバータの段数を切り替えるようにし
たため、初期引き込み時間を確実に短縮できる。
【0014】請求項5の発明では、リング発振器から出
力された発振信号を分周した信号を用いて周期数の計測
を行うため、低周波数で周期数の計測を行うことにな
り、消費電力を低減できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るディジタルP
LL回路について、図面を参照しながら具体的に説明す
る。
【0016】図1は本発明に係るディジタルPLL回路
の基本原理を示すブロック図である。図1のディジタル
PLL回路は、周波数を可変可能な周波数可変型リング
オシレータ(リング発振器)1と、このリングオシレー
タ1の周波数制御用の制御信号を出力する制御信号生成
回路2とを備えている。
【0017】図2はリングオシレータ1の詳細構成を示
す回路図である。図示のように、リングオシレータ1
は、縦続接続された複数のインバータからなるインバー
タ群3と、偶数段目または奇数段目のインバータの出力
のいずれかを選択するマルチプレクサ4と、マルチプレ
クサ4で選択したインバータの出力を反転するインバー
タ5とを備え、インバータ5の出力はインバータ群3の
入力端子に供給される。
【0018】図1の制御信号生成回路2は、リングオシ
レータ1の出力クロックをN分周して制御用クロックを
生成する分周器(分周手段)11と、位相比較クロック
fpの一周期に含まれる制御用クロックの数をカウントし
てカウント値を累積加算する累積カウンタ(周期数累積
手段)12と、予め定めた累積期待値を格納する累積期
待値レジスタ13と、累積カウント値と累積期待値との
誤差を計算する減算器(誤差演算手段)14と、誤差を
格納する誤差レジスタ15と、誤差レジスタ15に格納
された前回の誤差Bと減算器14から出力された今回の
誤差Aとを比較する比較器16と、今回の誤差Aが前回
の誤差B以上であるか否かを判定するゲート回路17
と、減算器14から出力された誤差に基づいて補正量を
求めるゲイン計算回路(補正量設定手段)18と、補正
量に基づいてリングオシレータ1内のインバータ5の段
数制御用のアドレス信号を生成するアドレス更新回路
(段数調整手段)19とを有する。
【0019】累積カウンタ12は、図3に示すように、
位相比較クロックfpの一周期に含まれる制御用クロック
の数を各周期ごとにカウントし、カウントした値を累積
的に加算する。図3の例では、位相比較クロックfpのm
周期目の制御用クロックの数がp個、(m+1)周期目の制
御用クロックの数がq個の場合を示している。(m-1)周
期目までの累積カウンタ12のカウント値がr個であっ
たとすると、m周期目の累積カウンタ12のカウント値
は(r+p)個になり、(m+1)周期目の累積カウンタ12のカ
ウント値は(r+p+q)個になる。
【0020】ゲイン計算回路18は、減算器14から出
力された誤差を2ビットシフトすることにより、誤差の
1/4倍の値をもつ補正量を生成する。ここで、誤差を1/4
倍する理由は、誤差の値そのままでリングオシレータ1
の発振周波数を制御すると、発振周波数が必要以上に変
化してしまうためである。なお、誤差を何倍するかは、
使用する半導体プロセス等の種々の条件により決められ
る。
【0021】ゲート回路17は、今回の誤差Aが前回の
誤差B以上であれば、ハイレベルのイネーブル信号を出
力する。イネーブル信号がハイレベルの場合には、アド
レス更新回路19は、ゲイン計算回路18から出力され
た補正量と減算器14から出力された誤差符号とに基づ
いて、リングオシレータ1内のマルチプレクサ4を選択
するための制御信号を生成する。
【0022】一方、イネーブル信号がローレベル(今回
の誤差Aが前回の誤差B未満)の場合には、アドレス更
新回路19は、前回(直前の位相比較回路の周期)と同
じ制御信号を出力する。前回と同じ制御信号を出力する
理由は、今回の誤差Aが前回の誤差B未満であるという
ことは、誤差が減る方向にあることを示しており、イン
バータの段数を変える必要がないためである。
【0023】図4は図1のディジタルPLL回路の処理
動作を説明するフローチャートである。以下、図4のフ
ローチャートに基づいて、図1のディジタルPLL回路
の処理動作を説明する。
【0024】まず、累積カウンタ12にて計算された累
積カウント値を、不図示の累積カウント・レジスタに格
納し、累積期待値を累積期待値レジスタに格納する(ス
テップS1)。このステップS1の処理は、位相比較ク
ロックの各周期ごとに行う。
【0025】次に、減算器14にて、累積カウント値と
累積期待値との誤差を計算する(ステップS2)。次
に、減算器14から出力された誤差に基づいて、ゲイン
計算回路18にて、補正量を計算する(ステップS
3)。誤差がデジタルデータの場合、所定のビット数
(例えば、2ビット)だけビットシフトさせて補正量を
計算する。
【0026】次に、今回の誤差Aの絶対値が前回の誤差
Bの絶対値以上か否かを判定する(ステップS4)。今
回の誤差Aの絶対値が前回の誤差Bの絶対値以上であれ
ば、ゲート回路17は、イネーブル信号をハイレベルに
する(ステップS5)。
【0027】減算器14から出力された今回の誤差A
を、前回の誤差Bとして誤差レジスタ15に格納する
(ステップS6)。次に、アドレス更新回路19は、ゲ
イン計算回路18から出力された補正量と、減算器14
から出力された誤差の符号(誤差符号)を取り込む(ス
テップS7)。
【0028】次に、誤差符号が正か否かを判定する(ス
テップS8)。なお、累積カウント値が累積期待値より
も大きい場合に誤差符号は正になる。
【0029】誤差符号が正であれば、アドレス更新回路
19は、リングオシレータ1内のインバータ群3の段数
を増やすための制御信号を出力する(ステップS9)。
この制御信号を受けて、リングオシレータ1は、出力ク
ロックの発振周波数が低くなるように制御する(ステッ
プS10)。ステップS10の処理が終了すると、ステップ
S1以降の処理が繰り返し行われる。
【0030】一方、ステップS8で誤差符号が負と判断
されると、リングオシレータ1内のインバータ群3の段
数を減らすための制御信号を出力する(ステップS1
1)。この場合、リングオシレータ1は、出力クロック
の発振周波数が高くなるように制御する。
【0031】一方、ステップS4において、今回の誤差
Aの絶対値が前回の誤差Bの絶対値未満と判定される
と、ゲート回路17は、イネーブル信号をローレベルに
する(ステップS12)。
【0032】誤差レジスタ15は、減算器14から出力
された今回の誤差Aを、前回の誤差Bとして格納する
(ステップS13)。アドレス更新回路19は、イネーブ
ル信号がローレベルであるため、前回と同じ制御信号を
出力する(ステップS14)。この制御信号を受けて、リ
ングオシレータ1は、前回の発振周波数をそのまま維持
する。
【0033】図1のディジタルPLL回路の場合、減算
器14から出力された誤差の大きさに応じて、リングオ
シレータ1の発振周波数の可変量を連続的に切り替えて
いる。このため、図に示した従来のディジタルPLL回
路よりは、初期引き込み時間を短くでき、かつ、初期引
き込み後のジッタも少なくできる。
【0034】しかしながら、誤差の変化に対して、ほぼ
線形にリングオシレータ1の発振周波数を変化させてい
るため、誤差が大きいほど、リングオシレータ1の発振
周波数が安定するまでの時間が長くなる。また、減算器
14から出力された誤差が小さい場合も、十分に補正量
を小さくできないため、初期引き込み後のジッタ量が大
きくなるおそれがある。
【0035】以下では、図1のディジタルPLL回路を
さらに改良させた例について説明する。
【0036】(第1の実施形態)図5は本発明に係るデ
ィジタルPLL回路の第1の実施形態の概略構成を示す
ブロック図である。図5では、図1と共通する構成部分
には同一符号を付しており、以下では相違点を中心に説
明する。
【0037】図5のディジタルPLL回路は、ゲイン計
算回路18の構成が図1の回路と異なっている。図5の
ゲイン計算回路18aは、減算器14から出力された誤
差を大きさにより4つに分類するループゲインセレクタ
(誤差量判定手段)21と、分類結果に基づいて補正量
を設定する複数の補正量設定回路22a〜22dとを有
する。
【0038】ループゲインセレクタ21は、減算器14
から出力された誤差が以下の4つの条件のどれに該当す
るかを判定し、誤差を大きさに応じて4通りに分類す
る。
【0039】 誤差≧X X>誤差≧Y Y>誤差≧Z Z>誤差 ループゲインセレクタ21の分類結果に従って、減算器
14からの誤差はいずれかの補正量設定回路22a〜2
2dに供給され、各補正量設定回路22a〜22dから
誤差に応じた補正量が出力される。
【0040】図6および図7は図5のディジタルPLL
回路の処理動作を示すフローチャートであり、以下、こ
のフローチャートに基づいて図のディジタルPLL回路
の処理動作を説明する。
【0041】図6のステップS21およびS22では、図の
ステップS1およびS2と同様に、減算器14にて、累
積カウント値と累積期待値との誤差を検出する。次に、
誤差が上記の〜のいずれに該当するかを判定する
(ステップS23,S25,S27)。
【0042】に該当する場合には、誤差は補正量設定
回路22aに供給される。この補正量設定回路22a
は、誤差をそのまま補正量として出力する(ステップS
24)。
【0043】に該当する場合には、誤差は補正量設定
回路22bに供給される。この補正量設定回路22b
は、誤差を1/4倍したものを補正量として出力する(ス
テップS26)。
【0044】に該当する場合には、誤差は補正量設定
回路22cに供給される。この補正量設定回路22c
は、誤差を1/8倍したものを補正量として出力する(ス
テップS28)。
【0045】に該当する場合には、誤差は補正量設定
回路22dに供給される。この補正量設定回路22d
は、誤差を1/16倍したものを補正量として出力する(ス
テップS29)。
【0046】ステップS30以降は、図4のステップS4
以降と同様の処理を行う。すなわち、比較器16にて、
今回の誤差Aが前回の誤差B以上であるか否かを判定し
(ステップS30)、今回の誤差Aが前回の誤差B以上で
あれば、ステップS23〜S29で得られた補正量をアドレ
ス更新回路19に供給する(ステップS31〜S33)。
【0047】次に、誤差符号が正か否かを判定し(ステ
ップS34)、正であれば、リングオシレータ1の発振周
波数が低くなるように制御する(ステップS35,S3
6)。一方、誤差符号が負であれば、リングオシレータ
1の発振周波数が高くなるように制御される(ステップ
S37)。
【0048】一方、ステップS30にて、今回の誤差Aが
前回の誤差B未満であると判定されると、リングオシレ
ータ1の発振周波数をそのまま維持する(ステップS38
〜S40)。
【0049】図8は図5の回路の初期引き込み時間のシ
ミュレーション結果を示す図、図9は図1の回路の初期
引き込み時間のシミュレーション結果を示す図であり、
横軸は時間[ms]、縦軸は周波数[MHz]を表している。
【0050】図8と図9を比較すればわかるように、図
5の構成にすることにより、初期引き込み時間を大幅に
短縮できる。
【0051】図10は初期引き込み後の本実施形態のジ
ッタ量を図1の回路と比較した図である。図1の回路で
は、初期引き込み後も補正量を誤差絶対値の1/4倍にし
ていたのに対し、本実施形態では、初期引き込み後は補
正量を誤差絶対値の1/8倍にするため、図10に示すよ
うに、初期引き込み後のジッタ量を従来よりも低減でき
る。
【0052】このように、第1の実施形態では、減算器
14から出力された誤差の大きさにより、補正量の変化
率を4通りに切り替えるようにしたため、誤差が大きい
場合にはリングオシレータ1の発振周波数を急激に変化
させて初期引き込み時間の短縮化を図り、誤差が非常に
小さくなるとリングオシレータ1の発振周波数を少しず
つ変化させてジッタ量の低減を図ることができる。
【0053】(第2の実施形態)第1の実施形態の場
合、累積カウント値と累積期待値との誤差が大きくて
も、今回の誤差Aが前回の誤差B未満であれば、誤差が
減る方向にあると判断して、リングオシレータ1の発振
周波数を変更しないようにしている。このため、誤差が
大きくて、かつ今回の誤差Aが前回の誤差B未満の場合
には、初期引き込み時間が長くなるおそれがある。
【0054】そこで、第2の実施形態は、誤差が大きい
場合には、今回の誤差Aが前回の誤差B未満でも、リン
グオシレータ1の発振周波数を急激に変化させて初期引
き込み時間の短縮化を図っている。
【0055】図11は本発明に係るディジタルPLL回
路の第2の実施形態の概略構成を示すブロック図であ
る。図11では、図5と共通する構成部分には同一符号
を付しており、以下では相違点を中心に説明する。
【0056】図11の回路は、ゲート回路17とアドレ
ス更新回路19の構成が異なる以外は、図5と同様に構
成されている。
【0057】図11のゲート回路17は、今回の誤差
A、前回の誤差B、および補正量設定回路22a〜22
dの出力信号に基づいて論理演算を行って、イネーブル
信号を生成する。より詳細には、今回の誤差Aが前回
の誤差B以上の場合、あるいは、誤差がX以上の場合
のいずれかの条件を満たすときに、ハイレベルのイネー
ブル信号を出力する。
【0058】アドレス更新回路19は、イネーブル信号
がハイレベルの場合には、補正量設定回路22a〜22
dからの補正量に基づいて、リングオシレータ1の発振
周波数を制御する。
【0059】具体的には、累積カウント値と累積期待値
との誤差が大きいほど、リングオシレータ1の発振周波
数の変化する割合を大きくするため、初期引き込み時間
の短縮化が図れる。また、誤差が小さいほど、リングオ
シレータ1の発振周波数の変化する割合を小さくするた
め、初期引き込み後のジッタ量を低減できる。
【0060】さらに、本実施形態の場合、今回の誤差A
が前回の誤差B未満であっても、誤差がX以上の場合に
は、リングオシレータ1の発振周波数を急激に変化させ
るため、初期引き込み時間を確実に短縮できる。
【0061】図12および図13は図11のディジタル
PLL回路の処理動作を示すフローチャートである。図
12のステップS51〜S60は、図8のステップS21〜S
30と同様の処理を行う。
【0062】補正量の設定が終わった後の処理が図8お
よび図9のフローチャートと異なっている。第1の実施
形態では、補正量の設定が終わった後、必ず、今回の誤
差A絶対値と前回の誤差B絶対値とを比較する処理(図
9のステップS32)を行ったが、図12および図13で
は、誤差がX以上の場合には、今回の誤差Aの絶対値と
前回の誤差Bの絶対値との比較を行わずに、リングオシ
レータの発振周波数を切り替える処理を行う(ステップ
S61〜S63)。一方、誤差がX未満の場合には、図9と
同様の処理を行う。
【0063】図14は図10の回路の初期引き込み時間
のシミュレーション結果を示す図である。図14と図8
を比較すればわかるように、図10のような構成にする
ことにより、第1の実施形態(図5)よりもさらに初期
引き込み時間を短縮できる。
【0064】(第3の実施形態)第3の実施形態は、外
部からの信号により、補正量を設定できるようにしたも
のである。
【0065】図15は本発明に係るディジタルPLL回
路の第3の実施形態の概略構成を示すブロック図であ
る。図14では、図5と共通する構成部分には同一符号
を付しており、以下では相違点を中心に説明する。
【0066】図15の回路は、図5の回路と同様に、そ
れぞれ異なる補正量を出力可能な複数の補正量設定回路
22a〜22dを有する。これら補正量設定回路22a
〜22dは、外部からの選択信号により、いずれか一つ
のみが選択される。
【0067】例えば、補正量設定回路22aが選択され
ると、この補正量設定回路22aは減算器14から出力
された誤差をそのまま出力する。また、補正量設定回路
22bが選択されると、この補正量設定回路22bは誤
差を1/2倍したものを出力する。また、補正量設定回路
22cが選択されると、この補正量設定回路22cは誤
差を1/4倍したものを出力する。また、補正量設定回路
22dが選択されると、この補正量設定回路22dは誤
差を1/8倍したものを出力する。
【0068】いずれかの補正量設定回路22a〜22d
から出力された補正量は、アドレス更新回路19に入力
される。アドレス更新回路19は、補正量に基づいて、
リングオシレータ1の発振周波数を制御する。
【0069】このように、第3の実施形態は、誤差の大
きさに応じて補正量設定回路22a〜22dを選択する
のではなく、外部からの選択信号に応じて補正量設定回
路22a〜22dを選択するため、補正量設定回路22
a〜22dの選択処理を簡易化することができる。ま
た、選択信号の論理を変えることにより、任意の補正量
設定回路22a〜22dを選択することができる。
【0070】上述した各実施形態では、補正量設定回路
22a〜22dで設定する補正量を、誤差そのものか、
誤差の1/2倍〜1/16倍にする例を説明したが、補正量の
具体的な値は特に限定されない。
【0071】また、上述した各実施形態では、リングオ
シレータ1から出力された出力クロックを分周器11で
N分周する例を説明したが、分周器11は必須の構成要
素ではなく、省略してもよい。ただし、分周器11を設
けて周波数を低くした後に累積カウンタ12でのカウン
ト等を行えば、消費電力を低減できる。
【0072】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、累積加算された周期数と累積期待値との誤差の大
きさに応じて、誤差の変化に対する補正量の変化量を複
数通りに可変制御するようにしたため、誤差が大きい場
合にはリング発振器の発振周波数を大きく変化させるこ
とができ、初期引き込み時間を短縮できる。また、誤差
が小さい場合には、リング発振器の発振周波数を少しず
つ変化させることができ、ジッタ量を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るディジタルPLL回路の基本原理
を示すブロック図。
【図2】リングオシレータの詳細構成を示す回路図。
【図3】累積カウント値を説明する図。
【図4】図1のディジタルPLL回路の処理動作を説明
するフローチャート。
【図5】本発明に係るディジタルPLL回路の第1の実
施形態の概略構成を示すブロック図。
【図6】図5のディジタルPLL回路の処理動作を示す
フローチャート。
【図7】図6に続くフローチャート。
【図8】図5の回路の初期引き込み時間のシミュレーシ
ョン結果を示す図。
【図9】図1の回路の初期引き込み時間のシミュレーシ
ョン結果を示す図。
【図10】初期引き込み後の本実施形態のジッタ量を図
1の回路と比較した図。
【図11】本発明に係るディジタルPLL回路の第2の
実施形態の概略構成を示すブロック図。
【図12】図11のディジタルPLL回路の処理動作を
示すフローチャート。
【図13】図12に続くフローチャート。
【図14】図10の回路の初期引き込み時間のシミュレ
ーション結果を示す図。
【図15】本発明に係るディジタルPLL回路の第3の
実施形態の概略構成を示すブロック図。
【図16】従来のディジタルPLL回路の概略構成を示
すブロック図。
【符号の説明】 1 リングオシレータ 2 アドレス更新回路 3 インバータ群 4 マルチプレクサ 5 インバータ 11 分周器 12 累積カウンタ 13 累積期待値レジスタ 14 減算器 15 誤差レジスタ 16 比較器 17 ゲート回路 18 ゲイン計算回路 19 アドレス更新回路 21 ループゲインセレクタ 22a〜22d 補正量設定回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J106 AA05 CC01 CC33 CC52 DD10 DD38 DD44 JJ03 KK03 KK25 KK37 KK40

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のインバータをリング状に接続して構
    成されインバータの段数を可変可能なリング発振器と、 前記リング発振器を構成するインバータの段数を調整す
    る段数調整手段と、 基準信号の一周期内に含まれる、前記リング発振器の出
    力信号に相関する信号の周期数を計測し、計測された周
    期数を累積的に加算する周期数累積手段と、 前記周期数累積手段で累積加算された周期数と、予め設
    定された累積期待値との誤差を演算する誤差演算手段
    と、 演算された前記誤差の大きさに応じて、前記インバータ
    の段数を調整するための補正量を設定する補正量設定手
    段と、を備え、 前記誤差の変化に対する前記補正量の変化量は、前記誤
    差の大きさに応じて、複数通りに可変制御され、 前記段数調整手段は、前記補正量設定手段で設定された
    補正量に基づいて、前記リング発振器を構成するインバ
    ータの段数を調整することを特徴とするディジタルPL
    L回路。
  2. 【請求項2】前記誤差演算手段は、前記誤差の絶対値が
    第1の基準量以上の場合の前記補正量を前記誤差のn
    (n>0)倍とし、前記誤差の絶対値が前記第1の基準
    量未満で第2の基準量以上の場合の前記補正量を前記誤
    差のn/2倍とし、前記誤差の絶対値が前記第2の基準
    量未満で第3の基準量以上の場合の前記インバータの段
    数の可変量を前記誤差のn/4倍とし、前記誤差の絶対
    値が前記第3の基準量未満の場合の前記補正量を前記誤
    差のn/8倍とすることを特徴とする請求項1に記載の
    ディジタルPLL回路。
  3. 【請求項3】前記段数調整手段は、前記基準信号のm周
    期目の前記誤差の絶対値が(m+1)周期目の前記誤差の絶
    対値以上であれば、(m+1)周期目の前記インバータの段
    数をm周期目と同じにすることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載のディジタルPLL回路。
  4. 【請求項4】前記誤差の絶対値が所定量を超えたか否か
    を判定する誤差量判定手段を備え、 前記段数調整手段は、前記誤差の絶対値が前記所定量を
    超えた場合には、前記基準信号のm周期目の前記誤差の
    絶対値が(m+1)周期目の前記誤差の絶対値以上であって
    も、前記補正量設定手段で設定された補正量に基づい
    て、前記インバータの段数を調整することを特徴とする
    請求項1または2に記載のディジタルPLL回路。
  5. 【請求項5】前記リング発振器から出力された発振信号
    を分周する分周手段を備え、 前記周期数累積手段は、前記基準信号の一周期内に含ま
    れる、前記分周手段で分周された信号の周期数を計測
    し、計測された周期数を前記基準信号の周期ごとに累積
    的に加算することを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    に記載のディジタルPLL回路。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008507197A (ja) * 2004-07-15 2008-03-06 トムソン ライセンシング キャリア再生を向上させるシステム及び方法
JP2012257269A (ja) * 2007-11-29 2012-12-27 Qualcomm Inc 小数部の入出力位相に基づいたデジタル位相同期ループ動作

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