JP2001344653A - カップ式自動販売機の飲料供給回路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】販売動作の終了後に飲料供給回路のノズル先端
から滴下する飲料の「後垂れ」を防ぐようにする。 【解決手段】飲料の種類別に独立した複数系統の飲料供
給ライン１７を有し、販売指令に基づき飲料ホース１
８，および飲料ホースに接続してベンドステージ１４の
上方に配した飲料ノズル１９を通じて飲料をカップ１５
に供給するようにしたカップ式自動販売機の飲料供給回
路において、前記飲料ホース１８の終端近くに三方ジョ
イント２１を介挿接続し、飲料販売後に飲料ホース内に
残留している飲料の液滴を三方ジョイントの分岐ポート
２１ａより滴下排出し、その下方に配した各系統のライ
ンに共通なトレー２２に集めて排水バケツ２４に回収処
理する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はカップ式自動販売機
の飲料供給回路に関する。

【０００２】

【従来の技術】まず、頭記したカップ式自動販売機の飲
料系統図を図３に示す。図において、１は水道に直結し
た水リザーバ、２はシロップタンク、３は炭酸水製造用
のカーボネータ、４は炭酸ガスボンベ、５は冷却水槽、
６は製氷機、７は温水タンク、８はコーヒー豆キャニス
タ、９はコーヒーブリュア（コーヒー抽出器）、１０は
粉末原料キャニスタ、１１は粉末原料と湯とを攪拌する
ミキシングボール、１２はシロップポンプ、１３は水ポ
ンプ、１４は自動販売機の商品取出口に通じるベンドス
テージである。

【０００３】かかるカップ式自動販売機の販売動作は周
知の通りであり、シロップ飲料（コールド飲料）を選択
すると、ベンドステージ１４に搬出したカップ１５に指
定したフレーバのシロップタンク２から抽出した定量の
シロップがシロップ供給ライン１６を経て吐出し供給さ
れ、同時に希釈冷水，炭酸水、および氷を加えてコール
ド飲料に仕上げる。一方、ホット飲料を選択した場合に
は、指定した飲料種類の粉末原料と湯をミキシングボー
ル１１に投入して攪拌した後、ホット飲料供給ライン１
７を通じてカップ１５に吐出し供給する。

【０００４】ここで、前記したシロップ供給ライン１
６，ホット飲料供給ライン１７は飲料の種類別に独立し
てベンドステージとの間に配管されており、ホット飲料
供給ライン１７を例とした配管構造は、図４で示すよう
にミキシングボール１１の出口端から下方に引出して斜
めに配管した飲料ホース（プラスチックチューブ）１８
と、飲料ホース１８の先端に接続してベンドステージ１
４の上方位置に配置した飲料ノズル１９とからなり、ミ
キシングボール１１で攪拌調製されたホット飲料は飲料
ホース１８，飲料ノズル１９の中を自然流下してカップ
１５に吐出し供給される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前記したカ
ップ式自動販売機の飲料供給回路では、飲料販売動作後
に飲料ノズルから「後垂れ」と称して飲料ホース１８の
内部に表面張力などにより付着残留していた僅かな量の
飲料が時間の経過とともにホースの通路内を流下し、ノ
ズル１９より雫２０となって滴り落ちる現象がある。

【０００６】この場合に、次回の販売までに待機時間が
あれば、ノズル１９から滴下する飲料の雫２０はベンド
ステージに滴下した後に排水バケツに回収されるので問
題ないが、前回の販売終了から殆ど間を置かずに引き続
いて次の販売が行われると、前回の販売動作で生じた
「後垂れ」の雫２０が新たにベンドステージ１４に搬出
されたカップ１５の中に滴下することになる。しかも、
前回と今回の販売飲料の種類，フレーバが異なる場合に
は、異種の「後垂れ」飲料が混入し、これが基で販売飲
料の風味が損なわれる。

【０００７】本発明は上記の点に鑑みなされたものであ
り、その目的は販売動作終了後にノズルから滴下する飲
料の「後垂れ」を効果的に防止できるように改良したカ
ップ式自動販売機の飲料供給回路を提供することにあ
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、飲料の種類別に分けた複数系統の
飲料供給回路を有し、販売指令に基づき飲料ホース，お
よび飲料ホースに接続してベンドステージの上方に配し
た飲料ノズルを通じて飲料をカップに供給するようにし
たカップ式自動販売機の飲料供給回路において、前記飲
料ホースの終端近い箇所に三方ジョイントを介挿接続す
るとともに、前記三方ジョイントの下方に各系統の飲料
ホースに共通なトレーを配置し、該トレーと排水バケツ
との間に廃液ホースを配管し飲料販売後に飲料ホース内
に残留している飲料を前記三方ジョイントの分岐ポート
より滴下排出して排水バケツに回収するようにして各系
統からの「後垂れ」を一括して回収処理するようにする
（請求項１）。

【０００９】上記の構成により、販売動作時にカップに
向けて供給される飲料はホースの中を勢いよく流れ、三
方ジョイントの分岐ポートををそのまま通過してノズル
よりカップに吐出し供給される。一方、販売動作の終了
後にホース内に付着残留していた飲料は時間の経過とと
もホース内の通路を伝わって流れ落ちるが、その液滴は
三方ジョイントで飲料通路から分岐ポートに落ち込み、
雫となって分岐ポートから滴下して排水バケツに回収さ
れる。したがって、次の販売で異種飲料が販売される場
合に、前回販売の「後垂れ」がカップに滴下して販売飲
料に混入するおそれはない。しかも、三方ジョイントの
下方に共通トレーを付設することにより、複数系統の廃
液処理をまとめて行うことができ、かつトレーに湯など
を流して洗浄することで、廃液ホースも同時に洗浄でき
る。

【００１０】さらに、別な解決手段として、前記飲料ホ
ースの中間箇所に三方ジョイントを介挿してその分岐ポ
ートにエアポンプを接続し、飲料販売動作の終了直前に
前記エアポンプにより飲料ホースにブローエアを送り込
んで飲料ホース内に残留している飲料をカップ内に吐き
出すようにする（請求項２）。これにより、各販売ごと
に飲料ホース内に残り飲料はエアブローにより全てカッ
プ内に出し切るので、販売動作後に飲料の「後垂れ」が
生じることがない。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図示
実施例に基づいて説明する。なお、実施例の図中で図４
に対応する部材には同じ符号を付してその説明は省略す
る。 〔実施例１〕図１(a),(b) は本発明の請求項１，２に対
応した実施例を示すものである。この実施例において
は、ミキシングボール１１から引出した飲料ホース１８
の先端側（飲料ノズル１９に近い側）に三方ジョイント
２１が介挿接続されている。この三方ジョイント２１は
直線状のジョイント本体の途中から下方に向けて突き出
した分岐ポート２１を備え、かつその分岐角度はジョイ
ント本体の通路に流れる飲料の進行方向に対して鋭角に
設定されている。

【００１２】また、三方ジョイント２１の下方には各系
統の飲料回路に共通なトレー２２が敷設されており、該
トレー２２から引き出した廃液ホース２３が排水バケツ
２４との間に配管されている。かかる構成により、飲料
販売時にミキシングボール１１から流出した飲料は飲料
ホース１８の通路を勢いよく流れ、その流れは三方ジョ
イント２１の分岐ポート２１を乗り越えてそのまま通過
し、飲料ノズル１９の先端よりカップ１５に吐出し供給
される。一方、販売動作の終了後に表面張力などにより
飲料ホース１８中に付着残留していた微量の飲料は飲料
ホース１８の内面を伝わって流れ落ちようとするが、三
方ジョイント２１の内部を流れる途中で下向きに開口し
た分岐ポート２１ａに落ち込んでその先端から雫２０と
なってトレイ２２の上に滴下し、ここから廃液ホース２
３を通じて排水バケツ２４に回収される。なお、別な系
統回路の飲料ホースに接続した三方ジョイント２１の分
岐ポート２１ａから滴下する雫２０も前記と同様にトレ
イ２２に集められた上で、廃液ホース２３を通じて排水
バケツ２４に回収処理される。

【００１３】これにより、販売終了後に飲料ノズル１９
の先端から滴下する飲料の「後垂れ」が殆ど発生せず、
次回の販売で異種飲料を販売する場合でも、カップ内に
前回の「後垂れ」が混入して飲料の風味を損なうといっ
た不具合を効果的に防ぐことができる。 〔実施例２〕図２は本発明の請求項３に対応した実施例
を示すものである。この実施例においては、ミキシング
ボール１１から引出した飲料ホース１８の上端側近く
（ミキシングボール１１に近い側）に三方ジョイント２
１を介挿接続し、かつその分岐ポート２１ａを上向きに
設定した上で、この分岐ポート２１ａにエアホース２５
を介してエアポンプ２６が接続されている。

【００１４】かかる構成で、各販売ごとにその販売動作
終了の直前にエアポンプ２６を運転し、外部から吸い込
んだエアをエアホース２５，三方ジョイント２１の分岐
ポート２１ａを通じて飲料ホース１８に吹出してその通
路内部をエアブローする。これにより、飲料ホース１
８，および飲料ノズル１９の通路内に付着残留していた
微量の飲料は、エアブローにより残らず通路内から押し
出されてカップ１５に吐出される。したがって、販売終
了後は飲料の「後垂れ」が発生せず、次回の販売時にカ
ップ１５に前回の「後垂れ」飲料が滴下して混入する不
具合を確実に防止できる。

【００１５】なお、図示実施例はホット飲料系の飲料供
給ラインについて述べたが、図３に示したコールド飲料
系の飲料供給ラインに適用しても同様な効果を奏するこ
とができる。

【００１６】

【発明の効果】以上述べたように、本発明の構成によれ
ば、飲料販売動作の終了後に飲料ノズルから滴下する飲
料の「後垂れ」を効果的に防ぐことができ、これにより
前回の販売に引き続いて次回の販売が行われ、この場合
に前回と異なる飲料を販売する場合でも、ベンドステー
ジに搬出したカップに前回販売した飲料の「後垂れ」が
滴下混入して飲料の風味を損なう不具合を確実に防止し
て良質な飲料を販売に供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１に係る飲料供給回路の構成図
であり、(a) はミキシングボールからベンドステージに
至る間の配管構造図、(b) は(a) の要部正面図

【図２】本発明の実施例２に係る飲料供給回路の配管構
造図

【図３】本発明の実施対象となるカップ式自動販売機の
飲料系統図

【図４】従来における飲料供給回路の配管構造図

【符号の説明】 １４ ベンドステージ １５ カップ １７ ホット飲料供給ライン １８ 飲料ホース １９ 飲料ノズル ２１ 三方ジョイント ２１ａ 分岐ポート ２２ トレイ ２３ 廃液ホース ２４ 排水バケツ ２６ エアポンプ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】販売飲料の種類別に分けた複数系統の飲料
   供給回路を有し、販売指令に基づき飲料ホース，および
   飲料ホースに接続してベンドステージの上方に配した飲
   料ノズルを通じて飲料をカップに供給するようにしたカ
   ップ式自動販売機の飲料供給回路において、前記飲料ホ
   ースの終端近い箇所に三方ジョイントを介挿接続すると
   ともに、前記三方ジョイントの下方に各系統の飲料ホー
   スに共通なトレーを配置し、該トレーと排水バケツとの
   間に廃液ホースを配管し飲料販売後に飲料ホース内に残
   留している飲料を前記三方ジョイントの分岐ポートより
   滴下排出して排水バケツに回収するようにしたことを特
   徴とするカップ式自動販売機の飲料供給回路。
2. 【請求項２】飲料のフレーバ別に独立した複数系統の飲
   料供給回路を備え、販売指令に基づき飲料ホース，およ
   び飲料ホースに接続してベンドステージの上方に配した
   飲料ノズルを通じて飲料をカップに供給するようにした
   カップ式自動販売機の飲料供給回路において、前記飲料
   ホースの中間箇所に三方ジョイントを介挿してその分岐
   ポートにエアポンプを接続し、飲料販売動作の終了直前
   に前記エアポンプにより飲料ホースにブローエアを送り
   込んで飲料ホース内に残留している飲料をカップ内に吐
   き出すようにしたことを特徴とするカップ式自動販売機
   の飲料供給回路。