JP2001344604A - 指紋データ合成方法,指紋データ合成装置,指紋データ合成プログラムおよび同プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体並びに生体特徴データ合成方法 - Google Patents

指紋データ合成方法,指紋データ合成装置,指紋データ合成プログラムおよび同プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体並びに生体特徴データ合成方法

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JP2001344604A JP2001047965A JP2001047965A JP2001344604A JP 2001344604 A JP2001344604 A JP 2001344604A JP 2001047965 A JP2001047965 A JP 2001047965A JP 2001047965 A JP2001047965 A JP 2001047965A JP 2001344604 A JP2001344604 A JP 2001344604A
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    • G06V10/77Processing image or video features in feature spaces; using data integration or data reduction, e.g. principal component analysis [PCA] or independent component analysis [ICA] or self-organising maps [SOM]; Blind source separation
    • G06V10/772Determining representative reference patterns, e.g. averaging or distorting patterns; Generating dictionaries

Abstract

(57)【要約】 【課題】 各指紋画像から抽出した特徴点を合成して指
紋データを作成することにより、照合性能の安定と照合
率の向上とを実現する。 【解決手段】 複数の指紋画像のそれぞれから特徴点を
抽出することによりその特徴点についての情報を含む指
紋データを指紋画像毎に作成する指紋データ抽出部10
と、この指紋データ抽出部10により作成された複数の
指紋データを記憶する指紋データ記憶部20と、複数の
指紋データの相互間で特徴点の対応関係を調査すること
により2以上の指紋データに共通に含まれる同一の特徴
点を共通特徴点として探索する共通特徴点探索部30
と、共通特徴点の中の一つを共通特徴点を代表する特徴
点として選択することにより複数の指紋データを一つに
合成して合成指紋データを作成する指紋データ合成部4
0と、その合成指紋データの妥当性を検証する検証部5
0とをそなえて構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、指紋を用いて個人
確認を行なうシステムにおいて指紋データを作成するた
めの指紋データ合成方法および装置並びに指紋データ合
成プログラムおよび同プログラムを記録したコンピュー
タ読取可能な記録媒体に関する。また、本発明は、指紋
にのみならず、例えば、掌紋,指形,掌形,音声,網
膜,虹彩,顔画像,動的署名,血管パターン,キースト
ローク等の生体情報を用いて個人確認を行なうシステム
において生体特徴データを作成するための生体特徴デー
タ合成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータが広範な社会システ
ムの中に導入されるに伴い、セキュリティに関心が集ま
っている。従来、コンピュータ室への入室や端末利用の
際の本人確認手段として、IDカードやパスワードが用
いられてきた。しかし、それらはセキュリティの面で多
くの課題が残されている。
【0003】パスワードよりも信頼性の高い本人確認手
段として、生体情報を利用した個人照合技術が注目され
ている。個人固有の生体情報を用いて本人確認をする
と、その信頼性は非常に高いものとなる。本人確認に利
用できる生体情報の一つに指紋がある。指紋は、「万人
不同」,「終生不変」という二大特徴を持つと言われ、
本人確認の有力な手段と考えられている。近年では、指
紋を用いた個人照合システムに関して多くの研究開発が
行なわれている。
【0004】指紋とは、人間の指先における細かな凹凸
である。その凸部の連なりを隆線という。隆線は、人に
よって固有な、様々な紋様を形成している。隆線をたど
っていくと、二つに分かれる点(分岐点)や、行き止ま
りの点(端点)にぶつかる。これらの分岐点や端点の分
布は、人により全く異なるため、指紋の特徴点と呼ばれ
る。このような特徴点の分布状態の照合は、個人を特定
するための有力な手段として用いられている。指紋照合
に際しては、これらの特徴点の位置,種類,方向の一致
を確かめ、同一な指紋であるかどうかを調べている。
【0005】指紋を用いて個人確認を行なうシステムに
おいては、各個人の指紋画像を予め登録しておく。つま
り、そのシステムの利用者(個人)は、指紋スキャナに
より指紋画像を入力し、その指紋画像から特徴点データ
(指紋データ,生体特徴データ)を抽出して登録してお
く。そして、照合時に指紋スキャナによって指紋画像が
入力されると、その指紋画像から特徴点データを指紋デ
ータとして抽出し、上述のごとく予め登録されている指
紋データと照合する。
【0006】一般に、指紋紋様は、指を特殊な光学系に
接触させて得られる像をCCDカメラで撮影したり、静
電容量センサで皮膚の隆起部分のみを検出したりして、
指紋画像の形で採取されている。しかし、その時々の指
の状態によって、かすれた指紋画像や、汗で隆線が癒着
した指紋画像など、明瞭に指紋が写っていない画像が得
られたりする。
【0007】登録指紋データを予め作成・登録する際
に、指紋が明瞭に写っていない指紋画像から指紋データ
を作成した場合、その指紋データには、多くの誤った特
徴点情報が含まれてしまい、照合性能の低下を招くこと
になる。また、指紋スキャナの入力面積が小さいと指紋
の採取領域が毎回安定しないので、照合性能が安定しな
くなる場合がある。
【0008】従って、システムに予め登録しておく登録
指紋データとしては、できるだけ指紋紋様の明確に写っ
た指紋画像を用いて作成された指紋データを用いること
が望ましく、そのような指紋データを用いることで、照
合性能の安定、さらには照合成功率の向上〔つまりFR
R(False Rejection Rate)の低減〕を期待することが
できる。
【0009】そこで、従来、登録指紋データを作成する
際には、同じ指の指紋画像を数回採取してその中から指
紋が最も明瞭に写った一つの指紋画像を選んだり、指紋
模様を複数部分に分けて撮影して複数の部分指紋画像を
採取し、これらの部分指紋画像を重ね合わせることによ
って、広範囲に写っている指紋画像を作成したりしてい
る。また、同じ指の指紋画像を数回採取し、採取された
各指紋画像の中から明瞭に写っている領域を抽出し、各
指紋画像から抽出された領域を組み合わせて指紋画像を
作成することも行なわれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、同じ指の指紋
画像を複数回採取しても、指紋全体が全て明瞭に写って
いるものを採取できるとは限らず、複数の指紋画像のう
ちのどこか一部分は、不明瞭になっていることは多々あ
る。従って、複数の指紋画像の中から最も明瞭に写った
一つの指紋画像を選んだとしても、不明瞭な部分が含ま
れることは避けられない。
【0011】また、複数の指紋画像から明瞭に写ってい
る領域を抽出して合成し、指紋全体の画像を作成する
と、その合成のために、却って指紋隆線の構造が壊され
て指紋画像が不明瞭になってしまう。特に、異なる2つ
の指紋画像からそれぞれ抽出した2つの領域を合成する
際、それらの領域の隆線どうしをうまく接続できず、隆
線の構造が破壊されてしまうことがある。上述のように
不明瞭な部分を含む指紋画像から個人固有の特徴を正確
に抽出することは難しく、そのような指紋画像から特徴
点を抽出して登録指紋データを作成しても、照合性能の
低下を免れられない。
【0012】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、各指紋画像から抽出した特徴点(生体特徴デ
ータ)を合成して指紋データを作成することにより、照
合性能の安定と照合性能の向上とを実現した、指紋デー
タ合成方法,指紋データ合成装置,指紋データ合成プロ
グラムおよび同プログラムを記録したコンピュータ読取
可能な記録媒体、並びに、生体特徴データ合成方法を提
供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の指紋データ合成方法(請求項1)は、複数
の指紋画像のそれぞれから特徴点を抽出することにより
その特徴点についての情報を含む指紋データを前記指紋
画像毎に作成し、複数の指紋データの相互間で特徴点の
対応関係を調査することにより2以上の指紋データに共
通に含まれる同一の特徴点を共通特徴点として探索し、
該共通特徴点の中の一つを該共通特徴点を代表する特徴
点として選択することにより該複数の指紋データを一つ
に合成して合成指紋データを作成し、該合成指紋データ
の妥当性を検証することを特徴としている。
【0014】また、本発明の指紋データ合成装置(請求
項2)は、複数の指紋画像のそれぞれから特徴点を抽出
することによりその特徴点についての情報を含む指紋デ
ータを前記指紋画像毎に作成する指紋データ抽出部と、
該指紋データ抽出部により作成された複数の指紋データ
を記憶する指紋データ記憶部と、該複数の指紋データの
相互間で特徴点の対応関係を調査することにより2以上
の指紋データに共通に含まれる同一の特徴点を共通特徴
点として探索する共通特徴点探索部と、該共通特徴点の
中の一つを該共通特徴点を代表する特徴点として選択す
ることにより該複数の指紋データを一つに合成して合成
指紋データを作成する指紋データ合成部と、該合成指紋
データの妥当性を検証する検証部とをそなえて構成され
たことを特徴としている。
【0015】なお、該検証部が、該合成指紋データにお
ける特徴点の存在範囲の妥当性と、該合成指紋データに
おける特徴点の存在の偏りの妥当性と、該合成指紋デー
タにおける特徴点どうしの関係情報の妥当性と、該合成
指紋データにおける特徴点の個数の妥当性とのうちの少
なくとも一つを確認することにより、該合成指紋データ
の妥当性を検証してもよく(請求項3)、このとき、前
記の各種妥当性を数値的に評価・確認し、前記の各種妥
当性の評価値に応じて、該合成指紋データの妥当性を決
定してもよい(請求項4)。
【0016】また、該複数の指紋データにおける各特徴
点の信頼度を算出する特徴点信頼度算出部をそなえ、該
指紋データ合成部が、該特徴点信頼度算出部によって算
出された信頼度に基づいて、該共通特徴点を代表する特
徴点を選択してもよく(請求項5)、この場合、該特徴
点信頼度算出部は、各特徴点の方向と隆線の方向との差
に基づいて前記信頼度を算出してもよいし(請求項
6)、各特徴点から近辺の他の特徴点までの隆線長また
は距離に基づいて前記信頼度を算出してもよいし(請求
項7)、各特徴点から近辺の隆線までの距離に基づいて
前記信頼度を算出してもよいし(請求項8)、各特徴点
と近辺の他の特徴点との位置関係に基づいて前記信頼度
を算出してもよい(請求項9)。
【0017】さらに、該複数の指紋データどうしを照合
する照合部をそなえ、該特徴点信頼度算出部が、該照合
部による照合結果に基づいて、該複数の指紋データにお
ける特徴点毎に、各特徴点の照合一致可能性を評価する
照合一致評価値を前記信頼度として算出してもよく(請
求項10)、この場合、該特徴点信頼度算出部は、照合
対象の二つの特徴点について位置,種類および方向を該
照合部により照合した結果のうちの少なくとも一つに基
づいて、前記照合一致評価値を算出してもよいし(請求
項11)、照合対象の二つの特徴点について、各照合対
象特徴点と他の特徴点との関係情報を該照合部により照
合した結果に基づいて、前記照合一致評価値を算出して
もよいし(請求項12)、各特徴点の照合一致回数を前
記照合一致評価値として算出してもよい(請求項1
6)。
【0018】前記関係情報としては、該他の特徴点の位
置,種類および方向のうちの少なくとも一つを用いても
よいし(請求項13)、前記の各照合対象特徴点から該
他の特徴点までの隆線の本数を用いてもよいし(請求項
14)、前記の各照合対象特徴点から隆線を介した該他
の特徴点までの接続パターンを用いてもよい(請求項1
5)。
【0019】また、該特徴点信頼度算出部が、各特徴点
の信頼度を、近辺の他の特徴点の信頼度に基づいて修正
するように構成してもよいし(請求項17)、該照合部
が、該共通特徴点探索部としての機能を兼ねるように構
成してもよい(請求項18)。さらに、該指紋データ合
成部が、該照合部による各特徴点と他の特徴点との関係
情報の照合結果を参照し、信頼度の高い関係情報を収集
して合成関係情報を作成し、その合成関係情報を、該合
成指紋データを成す特徴点の関係情報としてもよい(請
求項19)。
【0020】またさらに、該指紋データ合成部が該合成
指紋データを作成する際、該複数の指紋データに共通に
含まれている特徴点を基準にして、該合成指紋データを
成す特徴点相互の位置合わせを行なってもよいし(請求
項20)、該指紋画像から求められる指紋中心を基準に
して、該合成指紋データを成す特徴点相互の位置合わせ
を行なってもよいし(請求項21)、作成中の該合成指
紋データに含まれる特徴点の中から選択した特徴点を基
準にして、該合成指紋データを成す特徴点相互の位置合
わせを行なってもよい(請求項22)。
【0021】そして、本発明の指紋データ合成プログラ
ム(請求項23)は、複数の指紋画像のそれぞれから特
徴点を抽出することによりその特徴点についての情報を
含む指紋データを前記指紋画像毎に作成する指紋データ
抽出部、該複数の指紋データの相互間で、特徴点の対応
関係を調査することにより2以上の指紋データに共通に
含まれる同一の特徴点を共通特徴点として探索する共通
特徴点探索部、該共通特徴点の中の一つを該共通特徴点
を代表する特徴点として選択することにより該複数の指
紋データを一つに合成して合成指紋データを作成する指
紋データ合成部、および、該合成指紋データの妥当性を
検証する検証部として、コンピュータを機能させること
を特徴としている。また、本発明のコンピュータ読取可
能な記録媒体(請求項24)には、上述した指紋データ
合成プログラムが記録される。
【0022】一方、本発明の生体特徴データ合成方法
(請求項25)は、同一の生体から得られた複数の生体
情報のそれぞれから特徴要素を抽出することによりその
特徴要素についての情報を含む生体特徴データを前記生
体情報毎に作成し、複数の生体特徴データの相互間で特
徴要素の対応関係を調査することにより2以上の生体特
徴データに共通に含まれる同一の特徴要素を共通特徴要
素として探索し、該共通特徴要素の中の一つを該共通特
徴要素を代表する特徴要素として選択することにより該
複数の生体特徴データを一つに合成して合成生体特徴デ
ータを作成し、該合成生体特徴データの妥当性を検証す
ることを特徴としている。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。 〔1〕第1実施形態の説明 図1は本発明の第1実施形態としての指紋データ合成装
置の機能構成を示すブロック図であり、この図1に示す
第1実施形態の指紋データ合成装置1は、指紋データ抽
出部10,指紋データ記憶部20,共通特徴点探索部3
0,指紋データ合成部40および検証部50を有して構
成されている。
【0024】ここで、本実施形態の指紋データ合成装置
1は、CPU,RAM,ROMなどをバスラインにより
接続して構成される、パソコン等のコンピュータシステ
ムにより実現されるものである。つまり、RAMやRO
Mが指紋データ記憶部20としての機能を果たすほか、
RAMには、指紋データ抽出部10,共通特徴点探索部
30,指紋データ合成部40および検証部50を実現す
るためのアプリケーションプログラムが格納されてい
る。
【0025】そして、CPUが、上記アプリケーション
プログラムを実行することにより、指紋データ抽出部1
0,共通特徴点探索部30,指紋データ合成部40およ
び検証部50としての機能(その詳細については後述)
が実現され、第1実施形態の指紋データ合成装置1が実
現されるようになっている。
【0026】この第1実施形態の指紋データ合成装置1
を実現するためのプログラムは、例えばフレキシブルデ
ィスク,CD−ROM等の、コンピュータ読取可能な記
録媒体に記録された形態で提供される。そして、コンピ
ュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部
記憶装置または外部記憶装置に転送し格納して用いる。
また、そのプログラムを、例えば磁気ディスク,光ディ
スク,光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に記録
しておき、その記憶装置から通信経路を介してコンピュ
ータに提供してもよい。
【0027】そして、第1実施形態の指紋データ合成装
置1としての機能をコンピュータにより実現する際に
は、内部記憶装置(例えばRAM)に格納された上記プ
ログラムがコンピュータのマイクロプロセッサ(例えば
CPU)によって実行される。このとき、記録媒体に記
録されたプログラムをマイクロプロセッサが直接読み取
って実行してもよい。
【0028】なお、本実施形態において、コンピュータ
とは、ハードウェアとオペレーションシステムとを含む
概念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作
するハードウェアを意味している。また、オペレーショ
ンシステムが不要でアプリケーションプログラム単独で
ハードウェアを動作させるような場合には、そのハード
ウェア自体がコンピュータに相当する。ハードウェア
は、少なくとも、CPU等のマイクロプロセッサと、記
録媒体に記録されたコンピュータプログラムを読み取る
ための手段とをそなえている。
【0029】上記アプリケーションプログラムは、この
ようなコンピュータに、指紋データ抽出部10,共通特
徴点探索部30,指紋データ合成部40および検証部5
0としての機能を実現させるプログラムコードを含んで
いる。また、その機能の一部は、アプリケーションプロ
グラムではなくオペレーションシステムによって実現さ
れてもよい。
【0030】さらに、本実施形態における記録媒体とし
ては、上述したフレキシブルディスク,CD−ROM,
磁気ディスク,光ディスク,光磁気ディスクのほか、I
Cカード,ROMカートリッジ,磁気テープ,パンチカ
ード,コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMな
どのメモリ),外部記憶装置等や、バーコードなどの符
号が印刷された印刷物等の、コンピュータ読取可能な種
々の媒体を利用することができる。
【0031】さて、図1に示す第1実施形態の指紋デー
タ合成装置1は、指紋を用いて個人確認を行なうシステ
ムにおいて実際に個人認証を行なう際に使用される照合
用指紋データ(登録指紋データ)を、複数の指紋画像か
ら合成・作成するためのものである。
【0032】このような指紋データ合成装置1におい
て、指紋データ抽出部10は、指紋スキャナ2に接続さ
れ、この指紋スキャナ2からの複数の指紋画像のそれぞ
れから特徴点を抽出することにより、その特徴点につい
ての情報を含む指紋データを、指紋画像毎に作成するも
のである。
【0033】ここで、特徴点とは、指紋隆線の端点〔図
12(a)参照〕や分岐点〔図12(b)参照〕であ
る。特徴点を抽出する際、指紋データ抽出部10は、各
指紋画像から特徴点のみだけでなく、指紋隆線方向や特
徴点間距離のほか、指紋特徴点間の隆線本数を含む関係
情報なども抽出し、指紋データに含ませる。なお、指紋
スキャナ2は、指を特殊な光学系に接触させて得られる
像をCCDカメラで撮影したり、静電容量センサで皮膚
の隆起部分のみを検出したりして、指紋紋様(指紋隆
線)を指紋画像として採取するものである。
【0034】また、複数の指紋画像を指紋スキャナ2に
より採取する際には、指を指紋入力領域(図6〜図9の
符号100参照)に接触させることになるが、指を接触
させた状態のままで連続して複数の指紋画像を採取する
のではなく、1つの指紋画像を採取する都度、同じ指を
指紋スキャナ2の指紋入力領域に接触し直してから次の
指紋画像を採取するようにする。これにより、同じ指に
ついて、それぞれ異なる状態(例えば汗等の付着状態)
で複数の指紋画像を得ることができる。指紋画像を採取
する回数は例えば2〜4回とする。
【0035】指紋データ記憶部20は、指紋データ抽出
部10により作成された複数の指紋データを記憶するも
のである。共通特徴点探索部30は、指紋データ記憶部
20に格納された複数の指紋データを参照し、これらの
指紋データの相互間で特徴点の対応関係を調査すること
により、2以上の指紋データに共通に含まれる同一の特
徴点を共通特徴点として探索するものである。
【0036】指紋データ合成部40は、共通特徴点探索
部30により探索された共通特徴点の中の一つを、共通
特徴点を代表する特徴点として選択することにより、複
数の指紋データを一つに合成して合成指紋データを作成
するものである。このようにして複数の指紋データと共
通特徴点情報とから、個々の特徴点単位で指紋合成が行
なわれる。そして、指紋データ合成部40により作成さ
れた合成指紋データは図示しない記憶部に格納される。
この記憶部は、指紋データ合成部40に内蔵されていて
もよい。
【0037】検証部50は、指紋データ合成部40によ
り作成された最終的な合成指紋データの妥当性を検証す
るもの、つまり、指紋合成後にその合成結果が妥当な指
紋データを形成するか否かを検証するものである。ここ
で、検証部50は、最終的な合成指紋データについて、
例えば、以下の4項目のうちの少なくとも一つを確認す
ることにより、その最終的な合成指紋データの妥当性を
検証する。
【0038】(a1)合成指紋データにおける特徴点の存在
領域(存在範囲)の妥当性 (a2)合成指紋データにおける特徴点の存在の偏りの妥当
性 (a3)合成指紋データにおける特徴点どうしの関係情報の
妥当性 (a4)合成指紋データにおける特徴点の個数(多過ぎ,少
な過ぎ)の妥当性 なお、これらの妥当性(a1)〜(a4)に基づく検証部50に
よる具体的な検証手法については、図6〜図9を参照し
ながら後述する。
【0039】このとき、検証部50は、上記4種類の妥
当性をそれぞれ数値的に評価・確認し、その各種妥当性
の評価値に応じて合成指紋データの妥当性を決定する
が、その際、上記4種類のうちの一つの妥当性のみを検
証のために用いる場合には、その妥当性についての評価
値が所定の範囲内に入っている否かを判定する一方、上
記4種類のうちの2以上の妥当性を検証のために用いる
場合には、それらの妥当性についての評価値の合計値が
所定の範囲内に入っている否かを判定する。
【0040】そして、検証部50は、評価値(もしくは
その合計値)が所定の範囲内に入っている場合、その合
成指紋データ(合成結果)が妥当な指紋データを形成す
る、つまり指紋合成に成功したものと判定し、その合成
指紋データを外部へ出力したり内蔵記憶部(図示略)に
格納したりする。一方、検証部50は、評価値(もしく
はその合計値)が上記所定の範囲外である場合、その合
成指紋データ(合成結果)は妥当な指紋データを形成し
ない、つまり、指紋合成に失敗したものと判定し、その
合成指紋データを破棄する。
【0041】次に、図2に示すフローチャート(ステッ
プS1〜S4)を参照しながら、第1実施形態の指紋デ
ータ合成手順について説明する。まず、指紋スキャナ2
により同じ指について採取された複数の指紋画像は、そ
れぞれ、指紋データ抽出部10に入力され、この指紋デ
ータ抽出部10により、各指紋画像から、特徴点(端
点,分岐点),指紋隆線方向,特徴点間距離,特徴点間
隆線長や、指紋特徴点間の隆線本数を含む関係情報など
が抽出されて、指紋データが作成される(ステップS
1)。指紋画像毎に作成された指紋データは、指紋デー
タ記憶部20に格納される。
【0042】そして、共通特徴点探索部30により、指
紋データ記憶部20に格納された複数の指紋データの相
互間での特徴点の対応関係が調査される(ステップS
2)。なお、共通特徴点探索部30による特徴点の対応
関係の調査は、同一の指に対し行なわれることが初めか
ら分かっているので、指紋照合のように厳密なものでは
なく、複数の指紋データにおける共通の所定基準位置
(例えば指紋中心など)に対して同一もしくはほぼ同一
の位置に存在する特徴点があるか否かに基づいて行なわ
れ、位置的な条件のみによって特徴点の対応関係が判断
される。
【0043】複数の指紋データは、前述した通り同じ指
について得られたものであるから、当然、同一の特徴点
に関する情報が、2以上の指紋データに含まれている場
合がある。そこで、第1実施形態の指紋データ合成装置
1では、共通特徴点探索部30により、2以上の指紋デ
ータに共通に含まれている同一の特徴点を、共通特徴点
として調査・抽出した場合、指紋データ合成部40によ
り、共通特徴点探索部30で得られた共通特徴点情報か
ら、特徴点が重複しないように特徴点データをまとめ、
一つの合成指紋データが作成される(ステップS3)。
【0044】つまり、指紋データ合成部40は、2以上
の指紋データに共通に含まれている同一の特徴点が存在
する場合には、共通特徴点の中の一つを、共通特徴点を
代表する特徴点として選択し、複数の指紋データを一つ
に合成して合成指紋データを作成する。
【0045】なお、指紋データ合成部40での具体的な
特徴点選択手法については、第2実施形態や第3実施形
態で後述する。また、指紋の採取状態によっては、ある
一つの指紋データだけに含まれ他の指紋データには含ま
れていない特徴点が存在する場合もある。そのような場
合、指紋データ合成部40は、その特徴点が正しい特徴
点としての条件を満たしていれば、その特徴点に関する
情報を、合成指紋データに含ませる。
【0046】そして、最後に、指紋データ合成部40に
よる合成結果(合成指紋データ)が妥当な指紋データを
形成しているか否かが、検証部50により検証される
(ステップS4)。その際、上述した4種類の妥当性の
うちの少なくとも一つが数値的に評価・確認され、その
評価値が所定の範囲内に入っている場合、指紋合成に成
功したものと判定され、その合成指紋データが、指紋デ
ータとして利用される。これに対し、評価値が上記所定
の範囲外である場合、指紋合成に失敗したものと判定さ
れ、その合成指紋データは、指紋データとして利用され
ることなく破棄される。
【0047】ところで、指紋画像は、専用の指紋スキャ
ナ2で読み取られる。この指紋スキャナ2としては、C
CDなどの撮像素子と特殊な光学系とを組み合わせたも
のや、半導体チップを用いて直接指から指紋画像を読み
取るものなど、いくつかの方式がある。しかし、どの方
式も常に明瞭な指紋画像を採取できるとは限らない。指
が汗ばんでいたり乾燥していたりする場合や、指にタコ
や磨耗が発生している場合には、明瞭な指紋画像を採取
できないことがある。
【0048】明瞭に隆線が写っていない指紋画像から指
紋データを作成した場合、その指紋データには誤特徴点
データが多く含まれ、指紋照合性能が低下する。特に、
システムに登録しておく登録指紋データに誤特徴点デー
タが多く含まれていると、照合のたびにその誤特徴点デ
ータが影響し、著しく照合成功率が低下する。また、指
の端の部分しか写っていないなど、指紋の写っている領
域が偏っている場合でも、指紋照合するために十分な特
徴点データを得ることができなくなり照合成功率が低下
してしまう。
【0049】そこで、従来では、同じ指の指紋画像を何
回か採取しその中から隆線が明瞭に写っている指紋画像
を選んで登録指紋データを作成したり、複数の指紋画像
を合成し広範囲に写っている指紋画像を一旦作成してか
ら登録指紋データを作成したりしている。しかし、当然
ながら、同じ指の指紋画像を複数回採取したからといっ
て、明瞭に指紋が写っているものが必ず得られるという
わけではない。また、画像の合成では、合成することで
却って指紋隆線の構造が破壊され、結果的に照合性能が
低下してしまう場合もある。
【0050】本発明では、複数の指紋データのそれぞれ
における個々の特徴点単位で正/誤特徴点を判定し、正
特徴点を指紋データ合成部40により選択して合成する
ことで、誤特徴点データの少ない指紋データを作成す
る。なお、正/誤特徴点の判定に際しては、第2実施形
態や第3実施形態において後述する、各特徴点の信頼度
が用いられる。
【0051】つまり、同じ指の指紋データを数個用意
し、それらを合成して一つの指紋データを作成する。そ
の指紋合成時に、指紋データ合成部40では、誤った特
徴点データ(誤特徴点データ)を検出して排除し、複数
の指紋データを、正しい特徴点のみから構成される合成
指紋データに再構成する。その際、指紋の採取領域の異
なる指紋データを合成することで、広範囲の特徴点を含
んだ合成指紋データを作成することができるようにな
る。上述のように複数の指紋データから作成した一つの
指紋データは、誤った特徴点の情報が少なく、高い照合
性能を実現できるようになる。また、広範囲の特徴点デ
ータが含まれているため、安定した照合性能を実現でき
る。
【0052】ここで、まず、指紋特徴点データと指紋照
合方式との関係について説明する。通常、人の指紋には
特徴点が30〜50個ほど存在し、その分布は人により
全て異なる。二つの指紋間でその分布が一致すれば、そ
の指紋は同一の指紋だと判定される。特徴点の分布の照
合は、二つの指紋間でそれぞれの特徴点の位置や種類
(端点/分岐点)や方向を比較することで行なう。ま
た、特徴点と特徴点との間に存在する隆線本数や、特徴
点どうしの隆線による繋がり模様も照合し、照合性能を
向上させる場合もある。
【0053】指紋データは、特徴点の位置,種類,方向
を含む特徴点基本データと、その特徴点と他の特徴点と
の間に存在する隆線本数や隆線による繋がり模様等、他
の特徴点との関係を表した特徴点関係データとの二つの
データから構成されている。指紋には、特徴点が30〜
50個ほど存在するので、指紋データにはこれらの特徴
点データ(特徴点基本データと特徴点関係データ)が3
0〜50個程度含まれている。
【0054】指紋照合では、二つの指紋データ間で上記
特徴点データを照合し、一致した特徴点の数が所定の値
を超えた時などに指紋一致と判定する。例えば、特徴点
データが30個ある二つの指紋データを個々の特徴点デ
ータについて照合し、そのうち10個の特徴点データが
一致すれば、その二つの指紋データは、同一の指紋だと
判定する。
【0055】このように、指紋照合では、指紋データに
含まれている特徴点データの全てが一致したときに指紋
一致と判定するのではなく、通常、その一部が一致した
ときに指紋一致と判定する。この理由は、指紋データに
含まれている特徴点データが全て正しいとは限らないか
らである。既に述べたように、指紋データには、汗や
皺,傷,乾燥の影響で、特徴点の抽出に失敗し、誤特徴
点が含まれていることが多い。また、指紋スキャナ2に
対する指の置く位置が異なることで、同じ指の指紋デー
タでも指紋の採取領域が異なり、相互に重畳しない領域
から二つの指紋データが抽出される場合もある。このよ
うな二つの指紋データ間では、特徴点データを照合する
ことができない。
【0056】指紋データに誤特徴点が多く含まれていた
り、指紋採取領域が偏っていたりすると、高い照合性能
を達成することが難しくなる。従って、誤特徴点が少な
く、広範囲の特徴点データを含んでいる登録指紋データ
を作成することが望まれる。そこで、指紋データ合成部
40において複数の指紋データを合成することにより、
誤特徴点が少なく、広範囲の特徴点を含んだ指紋データ
を作成する。
【0057】ここで、図3〜図5を参照しながら、本実
施形態の指紋データ合成原理について説明する。部分的
に隆線構造のつぶれた指紋画像の例を図3に示す。例え
ば、汗のため隆線間に大量の癒着が発生した場合、図3
の領域AR1内に示すように、網目状に隆線構造が検出
され大量の誤特徴点が発生する。このような誤特徴点を
含んだまま登録指紋データを作成すると、明らかに正常
な指紋照合が行なえなくなる。
【0058】一方、同じ指の指紋画像として、例えば図
4に示すようなものが得られたとする。図4も図3と同
じく部分的に隆線構造が破壊されており、正しい指紋デ
ータの生成はできない。しかし、図3に示す指紋画像の
うち正しく隆線構造が抽出されている部分と、図4に示
す画像のうち正しく隆線構造が抽出されている部分とを
まとめると、図5に示すような、正しい特徴点のみを含
む合成指紋画像を作成することができる。また、同様に
して指紋データを合成することで、広範囲の特徴点デー
タを含んだ指紋データを作成することができる。
【0059】従来の技術では、指紋データを合成する際
には、まず、指紋画像をそのまま合成して一つの指紋画
像を作成してから、合成された一つの指紋画像から、指
紋データを作成していた。これに対し、本発明では、そ
れぞれの指紋画像を用いて指紋データを作成してから、
指紋データを合成することで、誤特徴点データの少な
い、広範囲の特徴点データを含んだ合成指紋データを作
成している。
【0060】そして、本発明では、上述のごとく作成さ
れた合成指紋データについて、さらに、妥当なものであ
るか否かを検証することにより、合成指紋データ(登録
指紋データ)としての信頼性を確保している。ここで、
図6(A),図6(B),図7(A),図7(B),図
8,図9および図34(A)〜図34(D)を参照しな
がら、本実施形態での合成指紋データの妥当性の検証手
法について説明する。これらの図は、いずれも、合成指
紋データに含まれる特徴点の、指紋スキャナ2の指紋入
力領域(指を接触させる指紋採取面)100での分布状
態を示している。
【0061】まず、図6(A)および図6(B)を参照
しながら、合成指紋データにおける特徴点の存在領域
(存在範囲)の妥当性について説明する。図6(A)に
示すように、全ての特徴点が、指紋入力領域100にお
いて、通常、指が押し当てられる領域F内に存在してい
れば、合成結果は妥当なものであると判断することがで
きる。
【0062】しかし、図6(B)に示すように、上記領
域F外にも特徴点が存在する場合には、指紋合成に失敗
している確率が高いものと判断することができる。前述
した通り、指紋合成を行なうことにより、ある程度、広
範囲に亘る領域の特徴点を集めて指紋データを作成する
ことが可能になる。しかし、このような場合、合成結果
において現実離れした範囲に特徴点が存在していれば、
その指紋合成は失敗している確率が高い。
【0063】そこで、例えば上記領域F外に存在する特
徴点の数が多いほど小さくなるような評価値を定義して
算出することにより、図6(B)に示すような、指紋合
成に失敗した可能性の高い合成指紋データを排除するこ
とが可能になる。例えば、合成結果に含まれる全ての特
徴点の数と、上記領域F内に存在する特徴点の数との比
を、評価値として算出すれば、図6(A)に示す合成指
紋データの評価値は"8/8=1"となるのに対し、図6
(B)に示す合成指紋データの評価値は"9/16=0.5
625"となる。従って、検証部50において、前記所定の
範囲として例えば0.9以上の範囲を設定した場合、図
6(B)に示す合成指紋データの評価値はその範囲外と
なり、その合成指紋データは、指紋合成に失敗したもの
と判定される。
【0064】また、合成指紋データの領域(合成領域)
内での特徴点数の増加率Ns/Naが所定値を超えてい
れば、指紋合成に失敗している確率が高いものと判断す
ることができる一方、所定値以内であれば、合成結果は
妥当なものと判断することができる。ただし、Nsは合
成指紋データの領域(合成領域)内の特徴点数であり、
Naは、合成前の複数の指紋データにおける、その合成
領域に対応する領域内の特徴点数の平均値である。
【0065】合成領域内の全ての特徴点が複数の指紋デ
ータに共通に存在する状態が、最も妥当性の高い状態で
ある。このような状態の時、Ns=Naとなり、前記増
加率Ns/Naは1となる。しかし、複数の指紋データ
に共通に存在する特徴点の数が少なくなるにつれて、つ
まり、合成結果の妥当性が低くなるにつれて、増加率N
s/Naは大きくなる。
【0066】このような増加率Ns/Naを用いた妥当
性検証手法の具体例について、図34(A)〜図34
(D)を参照しながら説明する。ここで、図34(A)
〜図34(C)は、それぞ指紋データFA,FB,FC
を示すものであり、図34(D)は、これら3つの指紋
データFA,FB,FCを合成して作成された合成指紋
データ(合成領域F’)を示すものである。
【0067】図34(D)に示す合成領域F’内の特徴
点数Nsは12である。そのうち、4つの特徴点は指紋
データFA,FBに共通に存在し、5つの特徴点は指紋
データFB,FCに共通に存在し、2つの特徴点は指紋
データFAにのみ存在し、1つの特徴点は指紋データF
Cにのみ存在している。即ち、指紋データFAにおけ
る、合成領域F’に対応する領域内には、図34(A)
に示すごとく6つの特徴点が存在し、指紋データFBに
おける、合成領域F’に対応する領域内には、図34
(B)に示すごとく9つの特徴点が存在し、指紋データ
FCにおける、合成領域F’に対応する領域内には、図
34(C)に示すごとく6つの特徴点が存在している。
【0068】しかし、指紋データFCとFAには共通の
特徴点が一つも存在していない。即ち、指紋データFC
とFAとは異なる指紋画像から得られたものであるか、
もしくは、指紋データFA〜FCの指紋合成に失敗して
いるかのいずれかであると考えられる。いずれにして
も、合成指紋データF’の妥当性は極めて低い。図34
(A)〜図34(D)に示す例では、Nsは12、Na
は(6+9+6)/3=7であり、増加率Ns/Na=
12/7≒1.7となる。従って、前記所定値として、
例えば1.2を設定しておけば、図34(D)に示す合
成指紋データF’は、指紋合成に失敗したものと判定さ
れる。
【0069】図7(A),図7(B)および図8を参照
しながら、合成指紋データにおける特徴点の存在の偏り
の妥当性について説明する。図7(A)に示すように、
全ての特徴点が、指紋入力領域100において、指紋中
心C0の周りで一つのグループG0として存在していれ
ば、合成結果は妥当なものであると判断することができ
る。なお、指紋中心C0としては、例えば隆線の中で曲
率の最も大きくなる点が選択される。
【0070】しかし、特徴点が、指紋入力領域100に
おいて、図7(B)に示すように完全に二つのグループ
G1,G2に分かれて存在している場合や、図8に示す
ように指紋中心C0から離れた位置に一つのグループG
3を成して偏って存在している場合には、指紋合成に失
敗している確率が高いものと判断することができる。
【0071】特徴点のグルーピング手法としては次のよ
うな手法を用いる。つまり、各特徴点と、その特徴点に
最も近い他の特徴点とを仮想的に連結していく。ただ
し、所定値以上の距離離れた特徴点どうしは連結しな
い。連結された特徴点には同一ラベルを付与する一方、
前記所定値以上の距離離れた特徴点には、異なるラベル
を付与する。このようにして同一ラベルを付与された特
徴点を1つのグループとみなす。
【0072】そこで、特徴点のグループ化が生じている
場合や、特徴点が指紋中心から離れた位置でグループを
成しているような場合に小さくなるような評価値を定義
して算出することにより、図7(B)や図8に示すよう
な、指紋合成に失敗した可能性の高い合成指紋データを
排除することが可能になる。
【0073】次に、図9を参照しながら、合成指紋デー
タにおける特徴点どうしの関係情報の妥当性について説
明する。図9に示す合成指紋データでは、二つの端点が
特徴点P0,P1として含まれている。ここで、特徴点
P0は隆線L91の端点であり、特徴点P1は隆線L9
4の端点である。また、図9では、隆線L91とL94
との間に2本の隆線L92,L93が存在するものとし
て、合成指紋データが図示されている。
【0074】このとき、特徴点P0の関係情報と特徴点
P1の関係情報とが互いに矛盾している場合には、その
指紋合成に失敗している確率が高いものと判断すること
ができる。例えば、特徴点P0の関係情報として「特徴
点P0とP1との間の隆線本数は2本」が保持されてい
るにもかかわらず特徴点P1の関係情報として「特徴点
P1とP0との間の隆線本数は4本」が保持されている
場合や、特徴点P0の関係情報として「3本隣(下方)
の隆線には特徴点P1が存在する」が保持されているに
もかかわらず特徴点P1の関係情報として「1本隣(上
方)の隆線には特徴点P0が存在する」が保持されてい
る場合である。そこで、上述のような矛盾の発生数が多
いほど小さくなるような評価値を定義して算出すること
により、関係情報に矛盾を含む、指紋合成に失敗した可
能性の高い合成指紋データを排除することが可能にな
る。
【0075】最後に、合成指紋データにおける特徴点の
個数(多過ぎ,少な過ぎ)の妥当性について説明する。
合成指紋データに含まれる特徴点が、多すぎる場合や少
なすぎる場合も、その指紋合成に失敗している確率が高
いものと判断することができる。例えば、特徴点の数が
10個以下の場合や50個を超えた場合に小さくなるよ
うな評価値を定義して算出することにより、特徴点の数
が多すぎるもしくは少なすぎる、指紋合成に失敗した可
能性の高い合成指紋データを排除することが可能にな
る。
【0076】このように、本発明の第1実施形態として
の指紋データ合成装置1によれば、複数の指紋画像のそ
れぞれから特徴点を抽出し、抽出された特徴点を合成し
て一つの合成指紋データが作成される。これにより、信
頼性の高い特徴点を用いて合成指紋データを作成するこ
とができる。また、指紋画像どうしを直接的に合成する
必要がないので、隆線構造の破壊といった不具合の影響
も受けることがない。
【0077】従って、作成された合成指紋データを登録
指紋データとして用いると、指紋画像から正確に抽出さ
れた正しい特徴点(信頼性の高い特徴点)を含む登録指
紋データを作成することができ、指紋による個人確認を
行なうシステムにおいて、高い照合性能を実現すること
ができる。また、採取領域の異なる複数の指紋画像か
ら、広範囲の特徴点を正確に抽出して登録指紋データを
作成することができるので、上記システムにおいて安定
した照合性能を実現することができる。
【0078】さらに、検証部50により合成指紋データ
が妥当なものであるか否かを検証するので、合成結果が
指紋データとして妥当なものだけを登録指紋データとし
て用いることができ、信頼性の高い登録指紋データを用
いて指紋認証が行なわれ、より高い照合性能を実現する
ことが可能になる。
【0079】その際、検証部50では、合成指紋データ
に含まれる特徴点について、その存在範囲,偏り,関係
情報や個数の妥当性を確認し、合成指紋データの妥当性
を検証することにより、種々の合成状況を考慮しなが
ら、指紋合成に失敗している確率の高い合成合成指紋デ
ータを確実に排除できるので、より信頼性の高い登録指
紋データを用いて指紋認証を行なえるようになり、照合
性能をさらに向上させることができる。
【0080】〔2〕第2実施形態の説明 さて、第1実施形態で説明したように指紋データ合成部
40において2以上の指紋データを合成する際には、正
しい特徴点と誤った特徴点とを確実に認識できるするこ
とが望まれる。そこで、本発明の第2実施形態や第3実
施形態では、指紋データ抽出部10で抽出された各特徴
点に対し、それが正しい特徴点である程度(再現性の程
度)を示す特徴点信頼度を定義する。この特徴点信頼度
を求め、その値に従って特徴点データの合成を行なって
いく。
【0081】図10は本発明の第2実施形態としての指
紋データ合成装置の機能構成を示すブロック図であり、
この図10に示す第2実施形態の指紋データ合成装置1
Aは、第1実施形態と同様の指紋データ抽出部10,指
紋データ記憶部20,共通特徴点探索部30および検証
部50を有するほか、特徴点信頼度算出部60および指
紋データ合成部40Aを有して構成されている。なお、
既述の符号と同一の符号は同一もしくはほぼ同一の部分
を示しているので、その説明は省略する。
【0082】ここで、本実施形態の指紋データ合成装置
1Aも、第1実施形態の指紋データ合成装置1と同様、
CPU,RAM,ROMなどをバスラインにより接続し
て構成される、パソコン等のコンピュータシステムによ
り実現されるものである。そして、指紋データ合成装置
1Aにおける指紋データ合成部40Aおよび特徴点信頼
度算出部60としての機能も、上述した第1実施形態の
指紋データ抽出部10,共通特徴点探索部30,指紋デ
ータ合成部40および検証部50と同様、記録媒体に格
納されたアプリケーションプログラムをCPU等で実行
することにより実現される。
【0083】さて、図10に示す第2実施形態の指紋デ
ータ合成装置1Aも、第1実施形態と同様、指紋を用い
て個人確認を行なうシステムにおいて実際に個人認証を
行なう際に使用される照合用指紋データ(登録指紋デー
タ)を、指紋スキャナ2からの複数の指紋画像から合成
・作成するためのものである。
【0084】ただし、第2実施形態の指紋データ合成装
置1Aでは、指紋データ抽出部10により抽出された各
特徴点に対し、それが正しい特徴点である程度(再現性
の程度)を示す特徴点信頼度が定義されており、この特
徴点信頼度を求める特徴点信頼度算出部60が新たにそ
なえられるとともに、その値に従って特徴点データの合
成を行なう指紋データ合成部40Aが、第1実施形態の
指紋データ合成部40に代えてそなえられている。
【0085】ここで、特徴点信頼度算出部60は、指紋
データ記憶部20に記憶された複数の指紋データにおけ
る各特徴点の信頼度を算出するものであり、例えば以下
の項目(b1)〜(b4)のデータのうちの少なくとも一つを指
紋データから得て、そのデータに基づいて特徴点信頼度
を算出する。
【0086】(b1)各特徴点の方向と隆線の方向との差 (b2)各特徴点から近辺の他の特徴点までの隆線長または
距離 (b3)各特徴点から近辺の隆線までの距離 (b4)各特徴点と近辺の他の特徴点との位置関係(各特徴
点近辺での他の特徴点の発生パターン)
【0087】なお、これら項目(b1)〜(b4)のデータに基
づく特徴点信頼度算出部60による具体的な特徴点信頼
度の算出手法については、図12〜図16を参照しなが
ら後述する。そして、指紋データ合成部40Aは、共通
特徴点探索部30で探索された共通特徴点の中の一つを
選択する際に、特徴点信頼度算出部60によって特徴点
毎に算出された信頼度を参照し、信頼度の最も高いもの
を優先的に選択・使用して合成指紋データを作成するも
のである。
【0088】次に、図11に示すフローチャート(ステ
ップS11〜S15)を参照しながら、第2実施形態の
指紋データ合成手順について説明する。まず、指紋スキ
ャナ2により同じ指について採取された複数の指紋画像
は、それぞれ、指紋データ抽出部10に入力され、この
指紋データ抽出部10により、各指紋画像から、特徴点
(端点,分岐点),指紋隆線方向,特徴点間距離,特徴
点間隆線長や、指紋特徴点間の隆線本数を含む関係情報
などが抽出されて、指紋データが作成される(ステップ
S11)。指紋画像毎に作成された指紋データは、指紋
データ記憶部20に格納される。
【0089】そして、特徴点信頼度算出部60は、上述
した項目(b1)〜(b4)の少なくとも一つのデータに基づい
て、指紋データ記憶部20に格納されている全ての指紋
データにおける、各特徴点の信頼度を算出する(ステッ
プS12)。また、第1実施形態のステップS2と同
様、共通特徴点探索部30により、指紋データ記憶部2
0に格納されている複数の指紋データの相互間での特徴
点の対応関係が調査される(ステップS13)。
【0090】共通特徴点探索部30により、2以上の指
紋データに共通に含まれている同一の特徴点を、共通特
徴点として調査・抽出した場合、第2実施形態の指紋デ
ータ合成装置1Aにおいては、指紋データ合成部40A
により、共通特徴点探索部30で得られた共通特徴点情
報(もしくは指紋中心)と特徴点信頼度算出部60によ
って特徴点毎に算出された信頼度とに基づいて、特徴点
が重複しないように特徴点データをまとめ、一つの合成
指紋データが作成される(ステップS14)。つまり、
信頼度の最も高いものが、共通特徴点探索部30で探索
された共通特徴点の中から優先的に選択され、合成指紋
データが作成される。
【0091】なお、指紋の採取位置によっては、ある一
つの指紋データだけに含まれ他の指紋データには含まれ
ていない特徴点が存在する場合もある。そのような場
合、指紋データ合成部40Aも、第1実施形態と同様、
その特徴点が正しい特徴点としての条件を満たしていれ
ば、その特徴点に関する情報を、合成指紋データに含ま
せる。そして、最後に、第1実施形態と同様、指紋デー
タ合成部40Aによる合成結果(合成指紋データ)が妥
当な指紋データを形成しているか否かが、検証部50に
より検証される(ステップS15)。
【0092】ここで、図12〜図16を参照しながら、
第2実施形態での特徴点信頼度の算出手法について説明
する。図12(A)〜図12(C)はいずれも本実施形
態での特徴点の方向の定義を説明するための図であり、
図13は、各特徴点の方向と隆線の方向との差に基づい
て特徴点信頼度を算出する手法を説明するための図であ
る。
【0093】まず、図12(A)および図12(B)に
より、それぞれ端点および分岐点の方向の定義について
説明する。ここで、隆線全体の流れ方向(隆線方向)
を、矢印D1で示す方向(図中、右方向)とする。図1
2(A)に示すように、2本の隆線L1,L3の間にお
いて、特徴点p1を端点とする隆線L2が存在する場
合、この特徴点p1の方向は、特徴点p1から隆線L2
が発生する方向(つまり矢印d1で示す方向)と定義す
る。
【0094】また、図12(B)に示すように、隆線L
4が特徴点(分岐点)p2で2本の隆線L41,L42
に分岐する場合、この特徴点p2の方向は、特徴点p2
から2本の隆線L41,L42の間を進行する方向(つ
まり矢印d2で示す方向)と定義する。
【0095】図12(C)を参照しながら、分岐点の方
向の定義について、より詳細に説明する。図12(C)
に示すように、隆線L41,L42,L4上において、
分岐点p2から等しい隆線長だけ離れた点をそれぞれ
a,b,cとする。特徴点p2から点a,b,cへのベ
クトルをそれぞれVa,Vb,Vcとする。これらのベ
クトルVa,Vb,Vcのうち、方向の差が最も小さく
なる2つのベクトルを抽出し、これら2つのベクトルの
平均を求め、その平均結果のベクトルの方向を分岐点p
2の方向と定義する。つまり、図12(C)では、ベク
トルVaとVbとの平均(Va+Vb)/2であるベク
トルVdの方向が分岐点p2の方向となる。この図12
(C)のベクトルVdが図12(B)のベクトルd2で
ある。
【0096】図12(A)や図12(B)に示すように
特徴点の方向を定義した場合、基本的に、特徴点の方向
と隆線方向とはほぼ同一方向(ほぼ平行)になる。しか
し、例えば、隆線構造の解析に失敗したり隆線構造が網
目状に検出されたりして、大量の誤特徴点が発生した場
合(図3や図4の領域AR1,AR2内を参照)、特徴
点の方向と隆線方向とは一致しなくなる。
【0097】例えば図13に示すように、隆線構造が網
目状に検出された場合、複数の特徴点(いずれも分岐
点)p11〜p13およびp21〜p23の方向は、そ
れぞれ矢印d11〜d13およびd21〜d23で示す
ようになり、いずれも、図12(B)に示す例に比べ
て、隆線方向D1に対して平行ではなくなっている。な
お、図13において、L6〜L8,L71〜L76はい
ずれも隆線を示すものであるが、これらのうち隆線L7
1〜L76は、隆線L7と隆線L8との間に分岐によっ
て生じた網目状のものである。
【0098】つまり、注目特徴点の方向と隆線の流れる
方向とを比較し、その差が大きいほど、その注目特徴点
の信頼度は低く、誤特徴点である可能性が高いものと判
断することができる。そこで、特徴点信頼度を、例えば
下式(1)のごとく、注目特徴点の向き(単位ベクト
ル)と隆線の流れる向き(単位ベクトル)との差が大き
いほど小さい値になるように定義することにより、図1
3に示すように誤特徴点である可能性の高い特徴点p1
1〜p13やp21〜p23の信頼度が低く設定され、
その特徴点が指紋データ合成部40Aによって選択され
る順位を低くすることができる。
【0099】 〔特徴点信頼度〕=k*|V1・V2| (1) ここで、|x|はxの絶対値、kは正の比例定数、V1は
注目特徴点の方向を示す単位ベクトル、V2は隆線の流
れる向き(隆線方向)を示す単位ベクトル、V1・V2
は単位ベクトルV1とV2との内積である。このとき、
注目特徴点の方向が隆線方向の向きに対して平行になる
場合(V1=V2またはV1=−V2)、(1)式によ
って定義される特徴点信頼度は最大値kとなる。また、
注目特徴点の方向と隆線方向とが直交する場合、(1)
式によって定義される特徴点信頼度は最小値0となる。
【0100】図14は、各特徴点から近辺の他の特徴点
までの隆線長または距離に基づいて特徴点信頼度を算出
する手法を説明するための図である。通常の指紋では、
特徴点が小領域に大量に発生することはない。他の特徴
点との距離が短い特徴点が大量に発生している場合は、
その特徴点の信頼度は低く、誤特徴点である可能性が高
いものと判断することができる。
【0101】そこで、小領域にこのような特徴点が大量
に発生しているかどうかの指標値を特徴点信頼度に用い
ることができる。例えば、特徴点信頼度を、下式(2)
のごとく定義することにより、小領域に大量に発生して
いる特徴点の信頼度が低く設定され、その特徴点がデー
タ合成部40Aによって選択される順位を低くすること
ができる。
【0102】 〔特徴点信頼度〕=−k*N1/N2 (2) ここで、kは比例定数、N1は、注目特徴点から所定の
半径以内の領域にある特徴点のうち、隣接する他の特徴
点との距離が全て所定の値以下の特徴点の数であり、N
2は、注目特徴点から所定の半径以内の領域にある特徴
点の総数である。
【0103】例えば図14に示すように、注目特徴点P
c0から所定の半径r0以内の領域にある特徴点の総数
N2は10であり、これら10個の特徴点のうち、隣接
する他の特徴点との距離が全て所定の値以下の特徴点
は、誤特徴点として図示されたものであり、その数N1
は7である。従って、(2)式による特徴点信頼度は、
−k*(7/10)=−0.7*kとなる。なお、上述した
例では、注目特徴点と他の特徴点との距離に基づいて特
徴点の数N1を求めているが、注目特徴点から隆線を介
した他の特徴点までの隆線長に基づいて特徴点の数N1
を求めてもよい。
【0104】図15(A)および図15(B)は、いず
れも各特徴点から近辺の隆線までの距離に基づいて特徴
点信頼度を算出する手法を説明するための図である。指
紋画像における隆線画像に、何らかの要因によって細長
い亀裂が入ると、誤特徴点が発生する。例えば図15
(A)では、3本の隆線画像L10,L20,L30が
図示されているが、これらのうち真ん中の隆線画像L2
0に、細長い亀裂NL1が入ったために、細長い髭状の
ラインLn0が生じている。
【0105】このような指紋画像について隆線構造解析
および特徴点抽出を行なうと、例えば図15(B)に示
すように、3本の隆線画像L10,L20,L30にそ
れぞれ対応する3本の隆線L11,L21,L31が抽
出されるとともに、髭状のラインLn0に対応した隆線
Ln1も抽出されてしまう。この隆線Ln1の一端は端
点Pe1であり、他端は隆線L21からの分岐点Pe2
であり、これらの端点Pe1および分岐点Pe2は、い
ずれも誤特徴点である。つまり、亀裂NL1が原因で誤
特徴点が発生している。
【0106】このような誤特徴点(端点Pe1)は、そ
の近辺の隆線までの距離を調べることで認識することが
できる。つまり、注目特徴点から近辺の隆線までの距離
が指紋全体に見られる隆線の間隔よりも小さい場合、そ
の注目特徴点の信頼度は低く、誤特徴点である可能性が
高いものと判断することができる。そこで、特徴点信頼
度を、例えば下式(3)のごとく、注目特徴点からその
近辺の隆線までの最短距離に比例する値として定義する
ことにより、指紋画像の亀裂等によって発生した特徴点
の信頼度が低く設定され、その特徴点がデータ合成部4
0Aによって選択される順位を低くすることができる。
【0107】 〔特徴点信頼度〕=k*D (3) ここで、kは比例定数、Dは注目特徴点からその近辺の
隆線までの最短距離である。例えば図15(B)におい
て特徴点(端点)Pe1を注目特徴点とした場合、この
特徴点Pe1から隆線L21までの最短距離がDとして
求められ、特徴点信頼度が算出される。その最短距離D
は、隆線L11,L21,L31の間隔に比べて明らか
に小さく、特徴点Pe1についての信頼度は小さくな
る。従って、特徴点Pe1がデータ合成部40Aによっ
て選択される順位が低くなる。
【0108】図16(A)〜図16(C)は、いずれも
各特徴点と近辺の他の特徴点との位置関係(各特徴点近
辺での他の特徴点の発生パターン)に基づいて特徴点信
頼度を算出する手法を説明するための図である。指に切
り傷等の傷を負うと、指紋の隆線には亀裂が発生する。
従って、例えば図16(A)に示すように、隆線画像L
10,L20,L30が、亀裂NL2により分断され
る。
【0109】このような指紋画像から特徴点抽出を行な
うと、図16(B)に示すように、隆線L11上に端点
p01,p10が発生し、隆線L21上に端点p02,
p20が発生し、隆線L31上に端点p03,p30が
発生する。そして、端点p01,p02,p03はほぼ
一列に並んで発生するとともに、端点p10,p20,
p30はほぼ一列に並んで発生する。このように、傷や
皺等による誤特徴点は一列に並んで発生する。
【0110】従って、注目特徴点が列を形成して発生し
ている場合は、その注目特徴点の信頼度は低く、誤特徴
点である可能性が高いものと判断することができる。そ
こで、注目特徴点とその近辺にある他の二つの特徴点を
結んだ直線の傾きが等しいもしくはほぼ等しい場合に、
その注目特徴点の信頼度が小さくなるように特徴点信頼
度を定義する。
【0111】つまり、例えば下式(4)のごとく、特徴
点信頼度を、注目特徴点と他の二つの特徴点とを結んだ
直線の傾きの差の絶対値に比例する値として設定する。 〔特徴点信頼度〕=k*|b/a−d/c| (4) ここで、kは比例定数、図16(C)に示すように、b
/aは注目特徴点p20と他の特徴点p30とを結んだ
直線の傾きを表し、d/cは注目特徴点p20と他の特
徴点p10とを結んだ直線の傾きを表すものである。
【0112】これにより、図16(C)に示すような特
徴点p01〜p03やp10〜p30の信頼度が低く設
定され、その特徴点が指紋データ合成部40Aによって
選択される順位を低くすることができる。なお、特徴点
信頼度算出部60は、上述した(1)〜(4)式のうち
の一つだけを用いて特徴点信頼度を算出してもよいし、
(1)〜(4)式のうちの2以上を用いて特徴点信頼度
をそれぞれ算出し、算出された信頼度の合計値を最終的
な特徴点信頼度として算出してもよい。
【0113】このように、本発明の第2実施形態として
の指紋データ合成装置1Aによれば、第1実施形態と同
様の作用効果が得られるほか、各特徴点の信頼度を特徴
点信頼度算出部60で算出し、その信頼度に応じて、指
紋データ合成部40Aが、共通特徴点を代表する特徴点
を選択することにより、合成指紋データを成す特徴点と
して、信頼性の高いものを容易に選択できる。
【0114】従って、誤特徴点(信頼性の低い特徴点)
が排除され、正特徴点(信頼性の高い特徴点)のみによ
って合成指紋データが再構成されるので、信頼性の高い
合成指紋データを容易に作成することができ、ひいて
は、指紋による個人確認を行なうシステムにおいて、よ
り高い照合性能を実現することができる。
【0115】〔3〕第3実施形態の説明 図17は本発明の第3実施形態としての指紋データ合成
装置の機能構成を示すブロック図であり、この図17に
示す第3実施形態の指紋データ合成装置1Bは、第1実
施形態と同様の指紋データ抽出部10,指紋データ記憶
部20および検証部50を有するほか、特徴点ラベル割
り当て部70,指紋データ照合部80,特徴点信頼度算
出部60B,共通特徴点データ記憶部90および指紋デ
ータ合成部40Bを有して構成されている。なお、既述
の符号と同一の符号は同一もしくはほぼ同一の部分を示
しているので、その説明は省略する。
【0116】ここで、本実施形態の指紋データ合成装置
1Bも、第1実施形態の指紋データ合成装置1と同様、
CPU,RAM,ROMなどをバスラインにより接続し
て構成される、パソコン等のコンピュータシステムによ
り実現されるものである。そして、指紋データ合成装置
1Bにおける指紋データ合成部40B,特徴点信頼度6
0B,特徴点ラベル割り当て部70および指紋データ照
合部80としての機能も、上述した第1実施形態の指紋
データ抽出部10,共通特徴点探索部30,指紋データ
合成部40および検証部50と同様、記録媒体に格納さ
れたアプリケーションプログラムをCPU等で実行する
ことにより実現される。また、RAMやROMが、共通
特徴点データ記憶部90としての機能を果たす。
【0117】さて、図17に示す第3実施形態の指紋デ
ータ合成装置1Bも、第1実施形態と同様、指紋を用い
て個人確認を行なうシステムにおいて実際に個人認証を
行なう際に使用される照合用指紋データ(登録指紋デー
タ)を、指紋スキャナ2からの複数の指紋画像から合成
・作成するためのものである。
【0118】ただし、第3実施形態の指紋データ合成装
置1Bでは、指紋データ抽出部10により抽出された複
数の特徴点どうしを照合する指紋データ照合部80が新
たにそなえられほか、この指紋データ照合部80による
照合結果に基づいて特徴点信頼度(後述する照合一致評
価値)を算出する特徴点信頼度算出部60Bが、第2実
施形態の特徴点信頼度算出部60に代えてそなえられ、
さらに、特徴点信頼度算出部60Bによる算出結果に従
って特徴点データの合成を行なう指紋データ合成部40
Bが、第2実施形態の指紋データ合成部40Aに代えて
そなえられている。
【0119】ここで、特徴点ラベル割り当て部70は、
指紋データ記憶部20に記憶された複数の指紋データに
おける各特徴点に対し、唯一の特徴点ラベル(識別子)
を割り当てるほか、指紋データ照合部80による照合の
結果、2以上の指紋データに同一の特徴点が共通に含ま
れることを認識した場合、その同一の特徴点に対し、同
一の共通特徴点ラベル(合成特徴点ラベルと呼ぶ場合も
ある)を割り当てるものである。
【0120】指紋データ照合部80は、前述した通り、
指紋データ記憶部20に記憶された複数の指紋データど
うしを照合し、個々の特徴点の照合一致状況を出力する
ものであり、第1実施形態や第2実施形態における共通
特徴点探索部30としての機能を兼ねている。
【0121】特徴点信頼度算出部60Bは、図18を参
照しながら後述するごとく、指紋データ照合部80によ
る照合結果(各特徴点の照合一致状況)に基づいて、複
数の指紋データにおける特徴点毎に、各特徴点の照合一
致可能性を評価する照合一致評価値を特徴点信頼度とし
て算出するものであり、例えば以下の項目(c1)〜(c3)の
うちの少なくとも一つのデータを照合結果から得て、そ
のデータに基づいて、特徴点信頼度としての照合一致評
価値を算出する。
【0122】(c1)照合対象の二つの特徴点について位
置,種類(端点または分岐点)および方向を指紋データ
照合部80により照合した結果のうちの少なくとも一
つ。 (c2)照合対象の二つの特徴点について、各照合対象特徴
点と他の特徴点との関係情報を指紋データ照合部80に
より照合した結果。ここで、関係情報としては、他の特
徴点の位置,種類および方向のうちの少なくとも一つを
用いてもよいし、各照合対象特徴点から他の特徴点まで
の隆線の本数を用いてもよいし、各照合対象特徴点から
隆線を介した他の特徴点までの接続パターンを用いても
よいし、各照合対象特徴点から他の特徴点までの距離を
用いてもよいし、各照合対象特徴点から他の特徴点まで
の隆線長を用いてもよい。 (c3)各特徴点の照合一致回数をそのまま照合一致評価値
として用いる。
【0123】さらに、特徴点信頼度算出部60Bは、図
27を参照しながら後述するごとく、各特徴点の信頼度
を、近辺の他の特徴点の信頼度に基づいて修正する機能
も有している。また、共通特徴点データ記憶部90は、
共通特徴点の特徴点ラベルと、その特徴点ラベルを特徴
点ラベル割り当て部70によって割り当てられた特徴点
についての信頼度(特徴点信頼度算出部60Bによる算
出結果)と、その信頼度を求めたときの指紋データ番号
(指紋データを特定する番号)とを対応させて記憶する
ものである。
【0124】そして、第3実施形態の指紋データ合成部
40Bは、特徴点信頼度算出部60Bによる算出結果に
従って特徴点データの合成を行なうもので、合成指紋デ
ータ作成部41,位置合わせ用特徴点探索部42および
合成指紋データ記憶部43をそなえて構成されている。
合成指紋データ作成部41は、図19を参照しながら後
述するごとく、指紋データ記憶部20に保存される指紋
データと共通特徴点データ記憶部90に保存される共通
特徴点データとに基づいて、合成すべき特徴点を選択
し、合成指紋データを作成するものである。
【0125】位置合わせ用特徴点探索部42は、図19
を参照しながら後述するごとく、合成指紋データ作成部
41が、合成指紋データに、新たに選択された特徴点デ
ータを追加する際に、その特徴点データの合成指紋デー
タ内での位置合わせを行なうための、位置合わせ用特徴
点を探索するものである。つまり、指紋データ合成部4
0Bにおいて合成指紋データを作成する際には、位置合
わせ用特徴点探索部42が、作成中の合成指紋データに
含まれる特徴点の中から適当な特徴点を選択し、その特
徴点を基準にして、合成指紋データを成す特徴点相互の
位置合わせを行なっている〔図32(A)および図32
(B)参照〕。
【0126】なお、位置合わせのための基準としては、
上述したような特徴点以外に、複数の指紋データに共通
に含まれている特徴点〔図31(A)および図31
(B)参照〕や、指紋画像から求められる指紋中心〔図
30(A)および図30(B)参照〕を用いてもよい。
【0127】合成指紋データ記憶部43は、合成指紋デ
ータ作成部41によって作成された合成指紋データを記
憶するものである。また、指紋データ合成部40Bは、
図29(A)〜図29(D)を参照しながら後述するご
とく、指紋データ照合部80による各特徴点と他の特徴
点との関係情報の照合結果を参照し、信頼度の高い関係
情報を収集して合成関係情報を作成し、その合成関係情
報を、合成指紋データを成す特徴点の関係情報として、
その合成指紋データに含ませる機能も有している。
【0128】次に、図18および図19に示すフローチ
ャート(ステップS21〜S43)を参照しながら、第
3実施形態の指紋データ合成手順について説明する。ま
ず、指紋スキャナ2により同じ指について採取された複
数の指紋画像は、それぞれ、指紋データ抽出部10に入
力され、この指紋データ抽出部10により、各指紋画像
から、特徴点(端点,分岐点),指紋隆線方向,特徴点
間距離,特徴点間隆線長や、各照合対象特徴点から隆線
を介した他の特徴点までの接続パターンや、指紋特徴点
間の隆線本数を含む関係情報などが抽出されて、指紋デ
ータが作成される(ステップS21)。指紋画像毎に作
成された指紋データは、指紋データ記憶部20に格納さ
れる。
【0129】指紋データ記憶部20に格納された全ての
指紋データの各特徴点には、特徴点ラベル割り当て部7
0により、共通特徴点を探索する準備として、重複しな
いように特徴点ラベルが割り当てられる(ステップS2
2)。なお、以下、合成すべき複数(n個)の指紋デー
タを、それぞれ、Fi(i=1,…,n:iは指紋データ番
号)として扱う。
【0130】また、共通特徴点データ記憶部90上に、
共通特徴点の特徴点ラベルと、その特徴点ラベルを特徴
点ラベル割り当て部70によって割り当てられた特徴点
についての信頼度と、その信頼度を求めたときの指紋デ
ータ番号とを対応させて保存するための共通特徴点リス
トLを用意する(ステップS23)。そして、指紋デー
タ照合部80は、指紋データFiの組(Fp,Fq)を作
りながら(ステップS24)、全ての指紋データの組合
わせについて(ステップS33でYES判定となるま
で)、指紋照合処理を実行する。ただし、p,qはいず
れも1以上n以下の自然数で、p≠qである。
【0131】つまり、指紋データ照合部80は、まず、
指紋データFpとFqとの照合を行ない、これらの指紋デ
ータFp,Fqにおける特徴点の照合関係(対応関係)を
調べ(ステップS25)、その結果を特徴点ラベル割り
当て部70および特徴点信頼度算出部60Bに通知す
る。
【0132】指紋データ照合部80による照合の結果、
2以上の指紋データに同一の特徴点が共通に含まれるこ
とを認識した場合、その同一の特徴点に対し、特徴点ラ
ベル割り当て部70は、同一の共通特徴点ラベルを生成
して割り当てる。また、特徴点ラベル割り当て部70
は、同一特徴点だと判定された特徴点の特徴点ラベルを
共通特徴点データ記憶部90に通知する。
【0133】また、特徴点信頼度算出部60Bは、特徴
点の照合一致関係からその特徴点の特徴点信頼度を求
め、共通特徴点データ記憶部90に通知する。共通特徴
点データ記憶部90は、受信した共通特徴点のラベル
と、特徴点信頼度と、その特徴点信頼度をもつ特徴点の
指紋データ番号とを組として記憶する。さらに、特徴点
信頼度算出部60Bは、上述した項目(c1)〜(c3)のうち
の少なくとも一つのデータを照合結果から得て、そのデ
ータに基づいて、特徴点信頼度としての照合一致評価値
を算出する。その算出手法の詳細については、図20
(A)〜図27を参照しながら後述する。
【0134】このとき、指紋データ照合部80は、指紋
データFp,Fqから、照合一致した特徴点の組を一つ取
り上げ(ステップS26)、どちらか一方の特徴点ラベ
ルが合成特徴点ラベル(共通特徴点ラベル)であるか否
かを判定する(ステップS27)。
【0135】どちらか一方の特徴点ラベルが合成特徴点
ラベル(共通特徴点ラベル)である場合(ステップS2
7からYESルート)、合成特徴点ラベルではない方の
特徴点ラベルを合成特徴点ラベルに変更してから(ステ
ップS28)、既に共通特徴点リストLに保存されてい
る合成特徴点ラベルの信頼度と、指紋データFp,Fqか
ら取り上げられた2つの特徴点の信頼度とのうち一番高
いものを選択し、選択された信頼度と、その信頼度をも
つ特徴点が抽出された指紋データの番号とを共通特徴点
リストLに登録し直す(ステップS29)。
【0136】一方、指紋データFp,Fqから取り上げら
れた2つの特徴点の特徴点ラベルが両方とも合成特徴点
ラベルではない場合(ステップS27からNOルー
ト)、特徴点ラベル割り当て部70により、新規に合成
特徴点ラベルを生成し、これら2つの特徴点の特徴点ラ
ベルを、その合成特徴点ラベルに変更してから(ステッ
プS30)、共通特徴点リストLに、変更後の特徴点ラ
ベルと、2つの特徴点の信頼度のうち高い方の信頼度
と、選択された信頼度をもつ特徴点が抽出された指紋デ
ータの番号とを新たに追加する(ステップS31)。
【0137】上述したステップS26〜S31の処理
は、ステップS32でYES判定となるまで繰り返し実
行され、指紋データFp,Fqについて照合した全ての特
徴点に対して実行される。そして、ステップS24〜S
32の指紋照合処理は、ステップS33でYES判定と
なるまで繰り返し実行され、全ての指紋データの組み合
わせに対して実行される。これにより、全ての指紋デー
タにおける全特徴点に関して、共通特徴点の調査、およ
び、特徴点信頼度の計算が行なわれ、その結果は、共通
特徴点データ記憶部90の共通特徴点リストLに保存さ
れる。
【0138】なお、本実施形態では、ステップS25に
おいて、Fpを登録側指紋データとしFqを入力側指紋
データとして、指紋データFpとFqとの照合が行なわ
れる。このようにFpを登録側指紋データとしFqを入
力側指紋データとして照合を行なった場合と、Fqを登
録側指紋データとしFpを入力側指紋データとして照合
を行なった場合とでは、異なる照合結果が得られ、各特
徴点の信頼度も異なってくる。従って、本実施形態で
は、ステップS24において、2つの指紋データの組
(Fp,Fq)を順列で作成し、(Fp,Fq)と(F
q,Fp)とのいずれに対してもステップS25〜S3
1の処理が実行されるようになっている。
【0139】ついで、上述のごとく得られた共通特徴点
リストLに基づいて、指紋データ合成部40Bが、図1
9に示すステップS34〜S42の指紋合成処理を行な
う。合成指紋データ記憶部43に、合成指紋データRを
格納するための空領域を確保しておいてから(ステップ
S34)、合成指紋データ作成部41は、共通特徴点デ
ータ記憶部90から共通特徴点の特徴点ラベル,その共
通特徴点の信頼度および指紋データ番号を受信する。
【0140】まず、合成指紋データ記憶部43(合成指
紋データR用の領域)に特徴点が一つもない場合、合成
指紋データ作成部41は、共通特徴点リストLの共通特
徴点中で、信頼度の最も高い特徴点Iを探索し(ステッ
プS35)、その特徴点Iを無条件で合成指紋データ記
憶部43に合成指紋データRとして登録する(ステップ
S36)。
【0141】その後、合成指紋データ記憶部43(合成
指紋データR用の領域)に既に特徴点が記憶されている
場合、合成指紋データ作成部41は、次に合成すべき特
徴点データを選択し(ステップS37)、位置合わせ用
特徴点探索部42に、その特徴点の属する指紋データの
番号を通知して位置合わせ用特徴点を探索するように命
令する。ここで、合成指紋データ作成部41は、共通特
徴点リストLに登録された共通特徴点ラベルの一つであ
るMを選択するものとする。また、その共通特徴点ラベ
ルMを割り当てられた特徴点をP、この特徴点Pの属す
る指紋データの番号をNとする。
【0142】合成指紋データ作成部41からの命令を受
けた位置合わせ用特徴点探索部42は、合成指紋データ
Rに既に登録された特徴点のうちで、指紋データFN
にも共通に存在する特徴点Cを、位置合わせ用特徴点と
して探索する(ステップS38)。つまり、位置合わせ
用特徴点探索部42は、合成すべき特徴点Pの存在する
指紋データFNに含まれる特徴点と、合成指紋データ記
憶部43に既に登録されている特徴点データとで共有さ
れる特徴点Cが存在するか否かを探索する。
【0143】上述のような特徴点Cが存在しない場合
(ステップS39からNOルート)には、後述するステ
ップS42へ移行する一方、特徴点Cが存在する場合
(ステップS39からYESルート)、位置合わせ用特
徴点探索部42は、その探索結果(特徴点Cの情報)を
合成指紋データ作成部41に返す。
【0144】そして、合成指紋データ作成部41は、探
索された特徴点Cを用いて、指紋データFNと合成指紋
データRとの位置合わせを行なった後(ステップS4
0)、合成すべき特徴点Pの特徴点データを、合成指紋
データ記憶部43における合成指紋データRに追加・記
憶する(ステップS41)。なお、ステップS40での
具体的な位置合わせ手法については、図32(A)およ
び図32(B)を参照しながら説明する。
【0145】上述したステップS37〜S41の処理
は、ステップS42でYES判定となるまで繰り返し実
行されて、共通特徴点リストLに登録された全ての共通
特徴点に対して実行され、これにより、全ての共通点特
徴点に対する指紋合成処理を終了する。そして、最後
に、第1実施形態と同様、指紋データ合成部40Bによ
る合成結果(合成指紋データR)が妥当な指紋データを
形成しているか否かが、検証部50により検証される
(ステップS43)。
【0146】次に、図20(A)〜図33を参照しなが
ら、第3実施形態の指紋データ合成手順について、より
詳細に説明する。なお、図20(A)〜図26(C)は
いずれも本実施形態での特徴点信頼度(照合一致評価
値)の算出手法を説明するための図、図27は本実施形
態での特徴点信頼度の修正手法を説明するための図、図
28は本実施形態での指紋データの合成結果の例を説明
するための図、図29(A)〜図29(D)はいずれも
本実施形態での特徴点の合成関係情報の作成手法を説明
するための図、図30(A)〜図32(B)はいずれも
本実施形態での特徴点の位置合わせ手法を説明するため
の図、図33は本実施形態での指紋データ照合手法の変
形例を説明するためのフローチャートである。
【0147】さて、前述した第2実施形態での特徴点信
頼度の算出手法では、ある指紋データにおける各特徴点
の信頼度は、その指紋データ内の情報だけに基づいて算
出されている。つまり、第2実施形態では、隆線構造の
形状のみに基づいて特徴点信頼度が算出されている。こ
のような第2実施形態の手法とは異なるアプローチで指
紋データに含まれている特徴点が正しいかどうかを確実
に知る手法として、同一の指紋であるとわかっている指
紋データどうしを照合し、特徴点どうしが正しく照合一
致するかを確認する手法がある。第3実施形態では、こ
のような手法を採用することにより、第2実施形態より
も精度の良い特徴点信頼度の算出を可能にしている。
【0148】まず、特徴点どうしの照合について説明す
る。先に述べたように、特徴点データには、特徴点の位
置,種類,方向を含む特徴点基本データと他の特徴点と
の関係を表した特徴点関係データとの二つがある。特徴
点データの照合とは、これら二つのデータの照合を行な
うことを指す。例えば、特徴点関係データが、注目特徴
点から他の特徴点までの隆線の本数で表されている場合
の特徴点照合を考える。
【0149】特徴点どうしの照合の具体例を、図20
(A)および図20(B)により説明する。これらの図
20(A)および図20(B)にそれぞれ示す、指紋デ
ータにおける特徴点Xと特徴点X'との照合を考える。
ここで、特徴点Xと特徴点X'とは、それぞれ二つの指
紋データに共通に含まれる共通特徴点であり、これらの
特徴点X,X'の位置,種類,方向の特徴点基本データ
は、それぞれ、所定の範囲内で一致しているものとす
る。
【0150】まず、指紋中心などを用いて互いの指紋デ
ータの共通座標軸を設定してから、特徴点Xと特徴点
X'とについて、特徴点関係データ(関係情報)の照合
を行なう。その照合結果は、以下の通りになる。 ・特徴点Xから特徴点Tまでの隆線本数と特徴点X'か
ら特徴点Toまでの隆線本数とは一致。 ・特徴点Xから特徴点Sまでの隆線本数と特徴点X'か
ら特徴点Soまでの隆線本数とは不一致。 ・特徴点Xから特徴点Qまでの隆線本数と特徴点X'か
ら特徴点Qoまでの隆線本数とは一致。 ・特徴点Xから特徴点Pまでの隆線本数と特徴点X'か
ら特徴点Poまでの隆線本数とは一致。
【0151】つまり、関係情報の4分の3については照
合一致し、残りの4分の1については照合不一致となっ
ている。ここでは、照合した二つの指紋データは、予め
同じ指から得られたものであることが分かっているの
で、本来はこれらの特徴点関係データの全てが一致しな
ければならない。
【0152】しかし、先に説明したように、実際には指
紋画像の採取の度に、汗や乾燥などの指の状態や、指紋
スキャナ2(指紋入力領域100)に対する指の置き方
が異なるために、同じ指でも得られる指紋画像が異なっ
てしまう。そのような複数の指紋画像から特徴点抽出を
それぞれ行なうので、全く同じ指紋データが得られると
は限らず、上述のごとく照合を行なって完全一致しない
場合がある。
【0153】皺や傷の形状,皮膚の柔らかさなどが指の
各部分で異なるので、指紋データとして抽出した特徴点
の中には、比較的再現性の良い特徴点もあれば、再現性
の悪い特徴点もある。再現性の良い特徴点(信頼度の高
い特徴点)だけを集めて指紋データを作成すれば、当
然、指紋照合の性能が向上する。再現性の良い特徴点と
は、即ち、照合一致しやすい特徴点なので、第3実施形
態の特徴点信頼度算出部60Bは、特徴点データの照合
結果に基づいて、以下のようにして特徴点信頼度(照合
一致評価値)を導くことができる。
【0154】特徴点信頼度(照合一致評価値)の第1の
算出手法では、特徴点信頼度を特徴点の位置,種類,方
向の特徴点基本データの照合結果から導く。つまり、二
つの指紋データを照合し、照合一致した特徴点のみを特
徴点信頼度の計算対象とする。この場合、特徴点信頼度
を例えば次式(5)のように定義することにより、特徴
点の種類が異なる場合には、その特徴点の信頼度は最も
低く設定され(−∞)、特徴点の種類が一致している場
合には、位置および方向の誤差が小さい程、信頼度が高
く設定される。
【0155】 〔特徴点信頼度〕=−{k1*E1+k2*E2}(δ=1のとき) =−∞(δ=0のとき) (5) ここで、δは、特徴点の種類が一致した時に1、それ以
外の時に0に設定される値である。また、k1,k2は
定数、E1は特徴点位置の誤差、E2は特徴点方向の誤
差である。従って、注目特徴点の種類,位置,方向の全
てが一致した場合、(5)式によって定義される特徴点
信頼度は最大値0となる。
【0156】特徴点信頼度(照合一致評価値)の第2の
算出手法では、特徴点信頼度を特徴点の関係情報の照合
結果から導く。特徴点関係データの照合結果を確認する
ことで、注目特徴点と周りに存在する特徴点との関係の
再現性を確認することができる。特徴点関係データは、
隆線構造を表現したものであるので、特徴点の照合に関
して大きな判断材料になる。つまり、特徴点関係データ
の照合は、隆線構造の照合をしていることになるので、
照合条件が特徴点基本データの照合よりも厳しい。従っ
て、特徴点の抽出が不安定であると(即ち特徴点に再現
性がないと)、特徴点関係データの照合結果は顕著に悪
くなる。特徴点関係データの照合結果を用いれば、特徴
点の再現性をよく示した特徴点信頼度を求めることがで
きる。
【0157】以下に、上述のごとく、特徴点信頼度を特
徴点の関係情報の照合結果から導く手法について、図2
0〜図22を参照しながら説明する。まず、特徴点関係
データを注目特徴点近傍の他の特徴点の位置,種類,方
向とし、これらを照合した場合について説明する。ここ
では、図20(A)および図20(B)にそれぞれ示
す、指紋データにおける特徴点Xと特徴点X'とについ
て、照合を行なったものとする。
【0158】以下の説明文中において、「同じ」とは、
特徴点どうしが位置,種類および方向について所定の範
囲内で一致するということを意味する。ここで、「特徴
点どうしが位置,種類および方向について所定の範囲内
で一致する」という表現は、2つの特徴点の種類が必ず
しも一致していなくても、これら2つの特徴点の位置や
方向が所定の条件を満たしていれば、これら2つの特徴
点が同じものであると見なす場合があることを示唆して
いる。さらに、「近傍特徴点」は、注目特徴点Xを中心
とし所定の半径を有する円領域内に存在する特徴点とし
て定義される。
【0159】このときの照合結果は、以下のようにな
る。 ・特徴点Xの近傍特徴点である特徴点Tと同じ位置,種
類,方向の特徴点(To)が特徴点X'にもある。 ・特徴点Xの近傍特徴点である特徴点Sと同じ位置,種
類,方向の特徴点が特徴点X'にはない。 ・特徴点Xの近傍特徴点である特徴点Rと同じ位置,種
類,方向の特徴点が特徴点X'にはない。 ・特徴点Xの近傍特徴点である特徴点Qと同じ位置,種
類,方向の特徴点(Qo)が特徴点X'にもある。 ・特徴点Xの近傍特徴点である特徴点Pと同じ位置,種
類,方向の特徴点(Po)が特徴点X'にもある。即ち、
関係情報の5分の3については照合一致し、残りの5分
の2については照合不一致となっている。
【0160】周りの特徴点の再現性の程度は、複数存在
する近傍特徴点との関係データの照合一致程度を見れば
わかる。従って、注目特徴点の特徴点信頼度を、例えば
次式(6)のごとく近傍特徴点関係データの一致率とし
て定義することにより、一致率が高い程、信頼度が高く
設定されることになる。 〔特徴点信頼度〕=N3/N4 (6) ここで、N3は、一致した近傍特徴点関係データの数で
あり、N4は、近傍特徴点関係データの総数である。従
って、図20(A)および図20(B)に示す例では、
特徴点信頼度は、3/5=0.6となる。
【0161】ついで、特徴点関係データを、注目特徴点
から他の特徴点までの隆線の本数とし、その本数を照合
した場合について説明する。ここでは、図21(A)お
よび図21(B)にそれぞれ示す、指紋データにおける
特徴点Xと特徴点X'とについて、照合を行なったもの
とする。このときの照合結果は、以下のようになる。
【0162】・特徴点Xから特徴点Tまでの隆線本数と
特徴点X'から特徴点T'までの隆線本数とは一致。 ・特徴点Xから特徴点Sまでの隆線本数と特徴点X'か
ら特徴点S'までの隆線本数とは不一致。 ・特徴点Xから特徴点Qまでの隆線本数と特徴点X'か
ら特徴点Q'までの隆線本数とは一致。 ・特徴点Xから特徴点Pまでの隆線本数と特徴点X'か
ら特徴点P'までの隆線本数とは不一致。即ち、関係情
報の半分については照合一致し、残りの半分については
照合不一致となっている。
【0163】このように、ある一つの特徴点についての
特徴点データには、近傍の複数の特徴点に関する隆線本
数関係データが含まれている。特徴点関係データを照合
するということは、各隆線本数関係データを照合してい
ることにほかならない。隆線構造の再現性の程度は、複
数ある隆線本数関係データの照合する程度を見ればわか
る。従って、特徴点信頼度を、例えば次式(7)のごと
く隆線本数関係データの一致率として定義することによ
り、一致率が高い程、信頼度が高く設定されることにな
る。 〔特徴点信頼度〕=N5/N6 (7) ここで、N5は、一致した隆線本数関係データの数であ
り、N6は、隆線本数関係データの総数である。従っ
て、図21(A)および図21(B)に示す例では、特
徴点信頼度は、2/4=0.5となる。
【0164】次に、特徴点関係データを、注目特徴点か
ら隆線を介した他の特徴点までの隆線接続関係データ
(接続パターン)とし、その隆線接続関係データを照合
した場合について説明する。ここでは、図22(A)お
よび図22(B)にそれぞれ示す、指紋データにおける
特徴点Xと特徴点X'とについて、照合を行なったもの
とする。このときの照合結果は、以下のようになる。
【0165】・特徴点Xの左2本隣の隆線上には、特徴
点Sがある。特徴点X'の左2本隣の隆線上には、特徴
点はない。従って、特徴点X,X'の左2本隣の隆線に
関する隆線接続関係データは一致しない。 ・特徴点Xの左1本隣の隆線上には、特徴点Rがある。
特徴点X'の左1本隣の隆線上には、特徴点R'がある。
従って、特徴点X,X'の左1本隣の隆線に関する隆線
接続関係データは一致する。
【0166】・特徴点Xの存在する隆線上には、特徴点
はない。特徴点X'の同じ隆線上には、特徴点R'があ
る。従って、特徴点X,X'の存在する隆線に関する隆
線接続関係データは一致しない。 ・特徴点Xの右1本隣の隆線上には、特徴点Qがある。
特徴点X'の右1本隣の隆線上には、特徴点Q'がある。
従って、特徴点X,X'の右1本隣の隆線に関する隆線
接続関係データは一致する。
【0167】・特徴点Xの右2本隣の隆線上には、特徴
点Pがある。特徴点X'の右2本隣の隆線上には、特徴
点はない。従って、特徴点X,X'の右2本隣の隆線に
関する隆線接続関係データは一致しない。即ち、5個あ
る隆線接続関係データのうち、2個は照合一致し、残り
の3個は照合一致しない。
【0168】このようにして特徴点Xの周辺の隆線構造
を照合することができる。従って、特徴点信頼度を、例
えば次式(8)のごとく隆線接続関係データの一致率と
して定義することにより、一致率が高い程、信頼度が高
く設定されることになる。 〔特徴点信頼度〕=N7/N8 (8) ここで、N7は、照合一致した隆線接続関係データの数
であり、N8は、特徴点Xのもっている隆線接続関係デ
ータの総数である。従って、図22(A)および図22
(B)に示す例では、特徴点信頼度は、2/5=0.4
となる。
【0169】特徴点信頼度(照合一致評価値)の第3の
算出手法では、複数の指紋データを互いに照合させ、個
々の特徴点の照合一致回数に基づいて、特徴点信頼度を
求める。予め同じ指だと分かっている複数の指紋データ
を互いに照合し、順次、一致した特徴点を記録してい
く。そして、一致と判定された回数の多さを、特徴点の
信頼度として定義する。
【0170】例えば、図23(A)〜図23(C)に示
すような3つの指紋データF1,F2,F3を用いて、
特徴点信頼度を求める場合について説明する。以下に、
一致と判定された回数を数える手順を説明する。まず、
指紋データF1と指紋データF2とを照合させ、以下の
結果を得る。 ・特徴点Aと特徴点aとは同一。 ・特徴点Cと特徴点bとは同一。 ・特徴点Dと特徴点cとは同一。 ・特徴点Eと特徴点dとは同一。
【0171】同一特徴点には同一のラベル(共通特徴点
ラベル)を割り当てる。特徴点ラベルと照合一致した回
数を数字で表すと、指紋データF1〜F3はそれぞれ図
24(A)〜図24(C)に示すようになる。次に、指
紋データF1と指紋データF3とを照合し、次の結果を
得る。 ・特徴点Aと特徴点αとは同一。 ・特徴点Bと特徴点βとは同一。 ・特徴点Cと特徴点γとは同一。 ・特徴点Dと特徴点δとは同一。
【0172】再び、同一特徴点には同一のラベル(共通
特徴点ラベル)を割り当て、特徴点ラベルと照合一致し
た回数を数字で表すと、指紋データF1〜F3はそれぞ
れ図25(A)〜図25(C)に示すようになる。さら
に、同様に、指紋データF2と指紋データF3とを照合
し、ラベリングし直すと、指紋データF1〜F3はそれ
ぞれ図26(A)〜図26(C)に示すようになる。最
終的に図26(A)〜図26(C)に示すごとく得られ
た照合回数が各特徴点の信頼度となる。照合一致した回
数を数えるということは、同じ特徴点データの発生頻度
を数えていることにほかならない。
【0173】ところで、上述したような各種算出手法
で、注目特徴点について特徴点信頼度を算出した後、そ
の注目特徴点の周りに誤特徴点が大量に発生していると
分かった場合、たとえ注目特徴点の信頼度が高くても、
その注目特徴点自体も誤特徴点である確率が高い。例え
ば図27に示す特徴点Pcは、その方向が隆線の流れて
いる方向に平行であり、他の特徴点Peとの距離が一定
以上ある。このような場合、第2実施形態の手法で算出
される信頼度は高くなる可能性がある。しかし、特徴点
Pcの周りにある特徴点Peはほとんど誤特徴点であ
り、それを考慮すると自分自身が正特徴点である確率は
低い。
【0174】そこで、第3実施形態の特徴点信頼度算出
部60Bは、例えば下式(9)のような演算を行なうこ
とにより、周囲に信頼度の低い特徴点が多く存在する場
合には、既に算出された特徴点信頼度を下げるように修
正する。 〔修正後の特徴点信頼度〕=〔修正前の特徴点信頼度〕*K (9) ここで、Kは、注目特徴点の周囲に存在する特定の他の
特徴点のうち、所定値以上の信頼度をもつもの割合であ
る。なお、「特定の他の特徴点」とは、例えば、特徴点
から所定の半径以内の領域にある他の特徴点や、隆線を
介してつながっている他の特徴点などである。
【0175】従って、「特定の他の特徴点」の全てが、
所定値以上の信頼度をもっている場合にはK=1とな
り、特徴点信頼度は修正されないが、「特定の他の特徴
点」の全てが、所定値よりも小さい信頼度をもっている
場合にはK=0となり、特徴点信頼度は0となる。ただ
し、上式(9)は、〔修正前の特徴点信頼度〕が常に正
値である場合に有効である。〔修正前の特徴点信頼度〕
が負値になる場合には、上記割合Kに反比例する値を、
〔修正前の特徴点信頼度〕から減算する。
【0176】さて、次に、上述のようにして照合結果か
ら算出された特徴点信頼度(照合一致評価値)に基づい
て複数の指紋データを一つにまとめる手法(指紋合成処
理)の変形例について説明する。まず、それぞれの指紋
データに存在する特徴点の一致関係(同一特徴点の関
係)を調べる。その一致関係は、互いに二つの指紋デー
タを照合し、各特徴点の照合一致結果に基づいて求めら
れる。具体的な手法は、図23〜図26を参照しながら
説明した手法と同様である。
【0177】ついで、特徴点の信頼度の高いものを選択
し、それを使って一つの指紋データを作成する。例え
ば、図26(A)〜図26(C)に示すように得られた
3つの指紋データF1〜F3を合成すると、図28に示
すような、一つの合成指紋データRが作成される。
【0178】なお、図28において、共通特徴点ラベル
を示すアルファベットに付された下線の種類は、特徴点
データが合成前のどの指紋データに属するものであるか
を示している。つまり、下線を付されていない特徴点デ
ータは、指紋データF1に属していたものであり、一重
の下線を付された特徴点データは、指紋データF2に属
していたものであり、二重の下線を付された特徴点デー
タは、指紋データF3に属していたものであることを示
している。
【0179】具体的な特徴点データの合成手順につい
て、図33に示すフローチャート(ステップS51〜S
58)に従って説明する。なお、この図33に示す合成
手順は、図18および図19において説明した合成手順
とは若干異なるもので、本実施形態での指紋データ照合
手法の変形例である。
【0180】まず、特徴点データ合成後の指紋データR
を格納するための空領域を用意する(ステップS5
1)。指紋画像に写っている指紋の位置は、指紋画像を
採取する度に異なるので、単純に複数の指紋データ間で
座標を比較できない。そこで、次に、全指紋データに共
通の座標軸を設定する(ステップS52)。その共通の
座標軸の原点は、指紋中心を用いたり特定の特徴点を用
いたりする。また、全指紋データに共通の座標軸を設定
することなく特徴点の位置合わせを行なうこともでき
る。なお、特徴点の位置合わせ手法(位置合わせ用の基
準を決定する手法)の詳細については、図30〜図32
を参照しながら後述する。
【0181】次に、全ての指紋データを互いに照合し、
指紋特徴点の対応関係を調べ、同一の特徴点には、同一
のラベルを割り当てる。例えば、同一の特徴点には、同
一の共通特徴点ラベルAi(i=1〜n)をラベリング
する(ステップS53)。そして、特徴点ラベル毎に、
以下のような指紋合成の処理(ステップS54〜S5
8)を行なっていく。
【0182】まず、全ての特徴点について合成処理を行
なったか否かを判断し(ステップS54)、行なった場
合(YESルート)には、処理を終了する。未処理の特
徴点が存在する場合(ステップS54からNOルート)
には、合成処理対象となる未処理の特徴点ラベルAiを
一つ選択し(ステップS55)、そのラベルAiを割り
当てられた特徴点の中から、最も高い信頼度をもつ特徴
点を探索し、その信頼度をAi(max)とする(ステップS
56)。
【0183】そして、その信頼度Ai(max)が所定の数値
を超える場合(ステップS57からYESルート)、合
成指紋データRにその特徴点データ(特徴点基本データ
と特徴点関係データ)を登録してから(ステップS5
8)、ステップS54に戻る。また、信頼度Ai(max)が
所定の基準を満たさない場合、つまり、所定の数値以下
である場合(ステップS57からNOルート)には、そ
の特徴点データは、合成指紋データRへの登録・合成の
対象から除外し、ステップS54に戻る。このような処
理が、他の指紋データにおける特徴点と照合一致した全
ての特徴点について実行されると、指紋合成処理は完了
する(ステップS54からYESルート)。
【0184】一方、指紋データ合成部40Bにより特徴
点を合成する際には、特徴点関係データの照合結果か
ら、信頼のできる特徴点関係データを選択し、特徴点デ
ータ自体を再作成することもできる。つまり、指紋デー
タ合成部40Bが、指紋データ照合部80による各特徴
点と他の特徴点との関係情報の照合結果を参照し、信頼
度の高い関係情報(特徴点関係データ)を収集して合成
関係情報を作成し、その合成関係情報を、合成指紋デー
タを成す特徴点の関係情報として採用する。
【0185】例えば図29(A)〜図29(D)に示す
ような4つの特徴点データが抽出されている場合、これ
らの特徴点データの照合関係は、次のようになる。 ・特徴点Xと特徴点Tとの間にある隆線の本数は、2本
のものが4個ある。 ・特徴点Xと特徴点Sとの間にある隆線の本数は、1本
のものが1個、2本のものが3個ある。 ・特徴点Xと特徴点Rとの間にある隆線の本数は、1本
のものが1個、0本のものが3個ある。 ・特徴点Xと特徴点Qとの間にある隆線の本数は、0本
のものが4個ある。 ・特徴点Xと特徴点Pとの間にある隆線の本数は、1本
のものが1個、2本のものが3個ある。
【0186】このように特徴点関係データにも再現性が
ある。そこで、特徴点の合成を行なう際に、上述のごと
く各特徴点関係データの発生頻度を数え、その発生頻度
の高いものを用いて特徴点関係データを作成しても、信
頼性の高い特徴点を作成することができる。図29
(A)〜図29(D)に示す例について、特徴点関係デ
ータを再構成すると以下のようになる。
【0187】・特徴点Xと特徴点Tとの間にある隆線の
本数は、2本である。 ・特徴点Xと特徴点Sとの間にある隆線の本数は、2本
である。 ・特徴点Xと特徴点Rとの間にある隆線の本数は、0本
である。 ・特徴点Xと特徴点Qとの間にある隆線の本数は、0本
である。 ・特徴点Xと特徴点Pとの間にある隆線の本数は、2本
である。
【0188】さて、指紋データ合成部40Bにより指紋
合成を行なう際には、合成すべき複数の指紋データ間で
共通の座標軸を設定しなければならない。その際、例え
ば図31(A)および図31(B)に示すように、全て
の指紋データに共通の特徴点P01,P02がそれぞれ
含まれている場合には、その特徴点を基準(原点)とし
て用い、全ての指紋データに共通の座標軸x,yを設定
する。また、合成すべき指紋データの数がN(Nは3以
上の自然数)で全ての指紋データに共通の特徴点P01
〜P0Nがそれぞれ含まれている場合には、その特徴点
(P01〜P0N)を基準(原点)として用い、全ての
指紋データに共通の座標軸x,yを設定する。このよう
にして設定した原点および座標軸x,yに基づいて、合
成指紋データを成す特徴点相互の位置合わせを行なう。
【0189】なお、共通の原点となる特徴点は、再現性
のある安定した特徴点でなければならないので、合成す
べき全ての指紋データに共通に存在する特徴点がいくつ
もある場合は、そのうち、特徴点信頼度の一番高いもの
を選択する。また、図30(A)および図30(B)に
示すように、全ての指紋データに共通の基準(原点)と
して、指紋画像から求められる指紋中心を用いてもよ
い。その際、指紋中心としては、例えば、隆線の中で曲
率の最も大きくなる点L01,L02が算出・選択す
る。そして、この指紋中心を原点とする座標軸x,yに
基づいて、合成指紋データを成す特徴点相互の位置合わ
せを行なう。
【0190】上述した手法では、特徴点の合成を行なう
際に、合成すべき全ての指紋データに共通の座標軸を設
定している。しかし、合成すべき指紋データが、特徴点
の存在範囲の偏ったものばかりであるときは、全ての指
紋データに共通の座標軸を設定できない場合がある。そ
こで、そのような場合には、指紋特徴点を合成する度に
共通の座標軸を設定するようにする。つまり、作成中の
合成指紋データに含まれる特徴点の中から選択した特徴
点を基準にして、合成指紋データを成す特徴点相互の位
置合わせを行なう。
【0191】例えば図32(A)および図32(B)に
示すように、作成中の合成指紋データをRとし、合成す
べき特徴点データを指紋データFNの特徴点Pとし、こ
の特徴点Pを指紋データRに合成する場合を考える。そ
の合成手順は、図19のステップS38〜S42で説明
した通りである。
【0192】つまり、まず、合成指紋データRの中から
位置合わせに用いる特徴点Cを探す。位置合わせに用い
る特徴点は、合成指紋データRと指紋データFNとの両
方に共通に存在する特徴点でなければならない。合成指
紋データRに既に登録された特徴点と同一特徴点(既に
特徴点の対応関係は調査済み)を指紋データFNから探
索する。もし、同一特徴点が発見されない場合は、合成
指紋データRと指紋データFNとの位置合わせはできな
いので、特徴点Pの合成は不可能として、特徴点Pにつ
いての処理を終了する。
【0193】一方、合成指紋データRと指紋データFN
との間で同一の特徴点、例えば図32(A)および図3
2(B)に示す例では特徴点Cが発見された場合には、
その特徴点Cを用いて位置合わせを行なう。位置合わせ
を行なった後は、指紋データFNの特徴点Pの特徴点デ
ータを合成指紋データRに含め、特徴点合成を終了す
る。
【0194】このように、本発明の第3実施形態として
の指紋データ合成装置1Bによれば、複数の指紋データ
どうしを照合し、その照合結果に基づいた照合一致評価
値を各特徴点の信頼度として算出することにより、指紋
の照合アルゴリズムを反映した信頼度を算出することが
できる。このような信頼度に基づいて特徴点を選択して
合成指紋データを作成すれば、明らかに指紋照合性能が
向上することになる。
【0195】また、例えば(5)〜(8)式を用い、特
徴点信頼度としての照合一致評価値を特徴点データの照
合結果や照合一致回数から導くと、再現性の良い特徴点
と再現性の悪い特徴点とで照合一致評価値の差が顕著に
表われることになるため、誤特徴点を判定しやすくな
り、より容易かつ確実に、信頼度の高い合成指紋データ
を作成することができる。
【0196】さらに、ある注目特徴点について、近辺に
誤特徴点が多数存在するにもかかわらず、偶然、高い信
頼度が算出された場合、その注目特徴点は、誤特徴点で
ある確率が高いので、選択対象から排除されることが望
ましい。そこで、例えば(9)式を用い、特徴点の信頼
度を、その特徴点近辺の他の特徴点の信頼度に応じて修
正することにより、近辺の特徴点の信頼度がその特徴点
の信頼度に反映され、誤特徴点である確率の高い特徴点
を選択対象から排除できるので、より確実に、信頼度の
高い合成指紋データを作成することができる。
【0197】また、各特徴点と他の特徴点との関係情報
の照合結果を参照し、信頼度の高い特徴点関係データを
収集して作成した合成関係情報を、合成指紋データを成
す特徴点の関係情報とすることにより、合成指紋データ
を成す特徴点の関係情報を、信頼性の高いものに修正す
ることができ、より確実に、信頼度の高い合成指紋デー
タを作成することができる。
【0198】位置合わせに際して、複数の指紋データに
共通に含まれている特徴点や、指紋画像から求められる
指紋中心を基準とすることにより、複数の指紋データか
ら選択された特徴点を容易に位置合わせすることがで
き、合成指紋データを容易かつ確実に作成することがで
きる。
【0199】また、位置合わせに際して、作成中の合成
指紋データに既に含まれている特徴点の中から適宜選択
した特徴点を基準とすれば、複数の指紋データがそれぞ
れ少しずつ異なる領域の特徴点を含むものであっても、
選択された特徴点を容易に位置合わせすることができ、
合成指紋データを容易かつ確実に作成することができ
る。
【0200】〔4〕その他 なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものでは
なく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実
施することができる。例えば、上述した実施形態では、
生体特徴データが指紋データである場合について説明し
たが、本発明は、これに限定されるものではなく、例え
ば、掌紋,指形,掌形,音声,網膜,虹彩,顔画像,動
的署名,血管パターン,キーストローク等の生体情報を
用いて個人確認を行なうシステムにおいて生体特徴デー
タを作成する際にも適用され、上述した実施形態と同様
の作用効果が得られる。
【0201】その際には、同一の生体から得られた複数
の生体情報のそれぞれから特徴要素を抽出することによ
りその特徴点についての情報を含む生体特徴データを前
記生体情報毎に作成し、複数の生体特徴データの相互間
で特徴要素の対応関係を調査することにより2以上の生
体特徴データに共通に含まれる同一の特徴要素を共通特
徴要素として探索し、その共通特徴要素の中の一つを共
通特徴要素を代表する特徴要素として選択することによ
り複数の生体特徴データを一つに合成して合成生体特徴
データを作成し、その後、合成生体特徴データの妥当性
を検証する。
【0202】これにより、複数の生体情報のそれぞれか
ら特徴要素を抽出し、抽出された特徴要素を合成して一
つの合成生体特徴データを作成している。これにより、
信頼性の高い特徴要素を用いて合成生体特徴データを作
成することができる。
【0203】従って、生体情報から正確に抽出された正
しい特徴要素を含む生体特徴データを作成することがで
き、生体情報による個人確認を行なうシステムにおい
て、高い照合性能を実現することができる。また、採取
領域の異なる複数の生体情報から、広範囲の特徴要素を
正確に抽出して生体特徴データを作成することができる
ので、上記システムにおいて安定した照合性能を実現す
ることができる。
【0204】さらに、合成生体特徴データが妥当なもの
であるか否かを検証するので、合成結果が生体特徴デー
タとして妥当なものだけを用いることができ、より信頼
性の高い生体特徴データを用いて生体情報の認証が行な
われ、より高い照合性能を実現することが可能になる。
【0205】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の指紋デー
タ合成方法(請求項1),指紋データ合成装置(請求項
2〜22),指紋データ合成プログラム(請求項23)
および同プログラムを記録したコンピュータ読取可能な
記録媒体(請求項24)によれば、以下のような効果な
いし利点が得られる。
【0206】(1)複数の指紋画像のそれぞれから特徴
点を抽出し、抽出された特徴点を合成して一つの合成指
紋データを作成している。これにより、信頼性の高い特
徴点を用いて合成指紋データを作成することができる。
また、指紋画像どうしを直接的に合成する必要がないの
で、隆線構造の破壊といった不具合の影響も受けること
がない。
【0207】従って、指紋画像から正確に抽出された正
しい特徴点(信頼性の高い特徴点)を含む指紋データを
作成することができ、指紋による個人確認を行なうシス
テムにおいて、高い照合性能を実現することができる。
また、採取領域の異なる複数の指紋画像から、広範囲の
特徴点を正確に抽出して指紋データを作成することがで
きるので、上記システムにおいて安定した照合性能を実
現することができる。
【0208】さらに、合成指紋データが妥当なものであ
るか否かを検証するので、合成結果が指紋データとして
妥当なものだけを用いることができ、信頼性の高い指紋
データを用いて指紋認証が行なわれ、より高い照合性能
を実現することが可能になる(請求項1,2,23,2
4)。
【0209】(2)合成指紋データに含まれる特徴点に
ついて、その存在範囲,偏り,関係情報や個数の妥当性
を確認し、合成指紋データの妥当性を検証することによ
り、種々の合成状況を考慮しながら、指紋合成に失敗し
ている合成指紋データを確実に排除できるので、より信
頼性の高い指紋データを用いて指紋認証を行なえるよう
になり、照合性能をさらに向上させることができる(請
求項3,4)。
【0210】(3)各特徴点の信頼度を算出し、その信
頼度に応じて、共通特徴点を代表する特徴点を選択する
ことにより、合成指紋データを成す特徴点として、信頼
性の高いものを容易に選択できる。従って、誤った特徴
点(誤特徴点:信頼性の低い特徴点)が排除され、正し
い特徴点(信頼性の高い特徴点)のみによって合成指紋
データが再構成されるので、信頼性の高い合成指紋デー
タを容易に作成することができる(請求項5〜10,1
8)。
【0211】(4)複数の指紋データどうしを照合し、
その照合結果に基づいた照合一致評価値を各特徴点の信
頼度として算出することにより、指紋の照合アルゴリズ
ムを反映した信頼度を算出することができる。このよう
な信頼度に基づいて特徴点を選択して合成指紋データを
作成すれば、明らかに指紋照合性能が向上することにな
る(請求項10〜16,18)。
【0212】(5)特徴点信頼度としての照合一致評価
値を、特徴点関係データ(位置,種類,方向,関係情
報)の照合結果や、照合一致回数から導くと、再現性の
良い特徴点と再現性の悪い特徴点とで照合一致評価値の
差が顕著に表われることになるため、誤特徴点を判定し
やすくなり、より容易かつ確実に、信頼度の高い合成指
紋データを作成することができる(請求項11〜1
6)。
【0213】(6)ある注目特徴点について、近辺に誤
特徴点(信頼度の低い特徴点)が多数存在するにもかか
わらず、偶然、高い信頼度が算出された場合、その注目
特徴点は、誤特徴点である確率が高いので、選択対象か
ら排除されることが望ましい。従って、特徴点の信頼度
を、その特徴点近辺の他の特徴点の信頼度に応じて修正
することにより、近辺の特徴点の信頼度がその特徴点の
信頼度に反映され、誤特徴点である確率の高い特徴点を
選択対象から排除できるので、より確実に、信頼度の高
い合成指紋データを作成することができる(請求項1
7)。
【0214】(7)各特徴点と他の特徴点との関係情報
の照合結果を参照し、信頼度の高い関係情報を収集して
作成した合成関係情報を、合成指紋データを成す特徴点
の関係情報とすることにより、合成指紋データを成す特
徴点の関係情報を、信頼性の高いものに修正することが
でき、より確実に、信頼度の高い合成指紋データを作成
することができる(請求項19)。
【0215】(8)複数の指紋データに共通に含まれて
いる特徴点や、指紋画像から求められる指紋中心を、位
置合わせの基準とすることにより、複数の指紋データか
ら選択された特徴点を容易に位置合わせすることがで
き、合成指紋データを容易かつ確実に作成することがで
きる(請求項20,21)。
【0216】(9)作成中の合成指紋データに既に含ま
れている特徴点の中から適宜選択した特徴点を、位置合
わせの基準とすることにより、複数の指紋データがそれ
ぞれ少しずつ異なる領域の特徴点を含むものであって
も、選択された特徴点を容易に位置合わせすることがで
き、合成指紋データを容易かつ確実に作成することがで
きる(請求項22)。
【0217】一方、本発明の生体特徴データ合成方法
(請求項25)によれば、複数の生体情報のそれぞれか
ら特徴要素を抽出し、抽出された特徴要素を合成して一
つの合成生体特徴データを作成している。これにより、
信頼性の高い特徴要素を用いて合成生体特徴データを作
成することができる。
【0218】従って、生体情報から正確に抽出された正
しい特徴要素(信頼性の高い特徴要素)を含む生体特徴
データを作成することができ、生体情報による個人確認
を行なうシステムにおいて、高い照合性能を実現するこ
とができる。また、採取領域の異なる複数の生体情報か
ら、広範囲の特徴要素を正確に抽出して生体特徴データ
を作成することができるので、上記システムにおいて安
定した照合性能を実現することができる。
【0219】さらに、合成生体特徴データが妥当なもの
であるか否かを検証するので、合成結果が生体特徴デー
タとして妥当なものだけを用いることができ、より信頼
性の高い生体特徴データを用いて生体情報の認証が行な
われ、より高い照合性能を実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としての指紋データ合成
装置の機能構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態の指紋データ合成手順を説明する
ためのフローチャートである。
【図3】本実施形態の指紋データ合成原理を説明するた
めの図である。
【図4】本実施形態の指紋データ合成原理を説明するた
めの図である。
【図5】本実施形態の指紋データ合成原理を説明するた
めの図である。
【図6】(A)および(B)はいずれも本実施形態での
合成指紋データの妥当性の検証手法を説明するための図
である。
【図7】(A)および(B)はいずれも本実施形態での
合成指紋データの妥当性の検証手法を説明するための図
である。
【図8】本実施形態での合成指紋データの妥当性の検証
手法を説明するための図である。
【図9】本実施形態での合成指紋データの妥当性の検証
手法を説明するための図である。
【図10】本発明の第2実施形態としての指紋データ合
成装置の機能構成を示すブロック図である。
【図11】第2実施形態の指紋データ合成手順を説明す
るためのフローチャートである。
【図12】(A)〜(C)はいずれも本実施形態での特
徴点の方向の定義を説明するための図である。
【図13】本実施形態での特徴点信頼度の算出手法を説
明するための図である。
【図14】本実施形態での特徴点信頼度の算出手法を説
明するための図である。
【図15】(A)および(B)はいずれも本実施形態で
の特徴点信頼度の算出手法を説明するための図である。
【図16】(A)〜(C)はいずれも本実施形態での特
徴点信頼度の算出手法を説明するための図である。
【図17】本発明の第3実施形態としての指紋データ合
成装置の機能構成を示すブロック図である。
【図18】第3実施形態の指紋データ合成手順を説明す
るためのフローチャートである。
【図19】第3実施形態の指紋データ合成手順を説明す
るためのフローチャートである。
【図20】(A)および(B)はいずれも本実施形態で
の特徴点信頼度(照合一致評価値)の算出手法を説明す
るための図である。
【図21】(A)および(B)はいずれも本実施形態で
の特徴点信頼度(照合一致評価値)の算出手法を説明す
るための図である。
【図22】(A)および(B)はいずれも本実施形態で
の特徴点信頼度(照合一致評価値)の算出手法を説明す
るための図である。
【図23】(A)〜(C)はいずれも本実施形態での特
徴点信頼度(照合一致評価値)の算出手法を説明するた
めの図である。
【図24】(A)〜(C)はいずれも本実施形態での特
徴点信頼度(照合一致評価値)の算出手法を説明するた
めの図である。
【図25】(A)〜(C)はいずれも本実施形態での特
徴点信頼度(照合一致評価値)の算出手法を説明するた
めの図である。
【図26】(A)〜(C)はいずれも本実施形態での特
徴点信頼度(照合一致評価値)の算出手法を説明するた
めの図である。
【図27】本実施形態での特徴点信頼度の修正手法を説
明するための図である。
【図28】本実施形態での指紋データの合成結果の例を
説明するための図である。
【図29】(A)〜(D)はいずれも本実施形態での特
徴点の合成関係情報の作成手法を説明するための図であ
る。
【図30】(A)および(B)はいずれも本実施形態で
の特徴点の位置合わせ手法を説明するための図である。
【図31】(A)および(B)はいずれも本実施形態で
の特徴点の位置合わせ手法を説明するための図である。
【図32】(A)および(B)はいずれも本実施形態で
の特徴点の位置合わせ手法を説明するための図である。
【図33】本実施形態での指紋データ照合手法の変形例
を説明するためのフローチャートである。
【図34】(A)〜(D)はいずれも本実施形態での合
成指紋データの妥当性の検証手法を説明するための図で
ある。
【符号の説明】
1,1A,1B 指紋データ合成装置 2 指紋スキャナ 10 指紋データ抽出部 20 指紋データ記憶部 30 共通特徴点探索部 40,40A,40B 指紋データ合成部 41 合成指紋データ作成部 42 位置合わせ用特徴点探索部 43 合成指紋データ記憶部 50 検証部 60,60B 特徴点信頼度算出部 70 特徴点ラベル割り当て部 80 指紋データ照合部(共通特徴点探索部) 90 共通特徴点データ記憶部 100 指紋入力領域

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の指紋画像のそれぞれから特徴点を
    抽出することにより、その特徴点についての情報を含む
    指紋データを前記指紋画像毎に作成し、 複数の指紋データの相互間で、特徴点の対応関係を調査
    することにより、2以上の指紋データに共通に含まれる
    同一の特徴点を共通特徴点として探索し、 該共通特徴点の中の一つを、該共通特徴点を代表する特
    徴点として選択することにより、該複数の指紋データを
    一つに合成して合成指紋データを作成し、 該合成指紋データの妥当性を検証することを特徴とす
    る、指紋データ合成方法。
  2. 【請求項2】 複数の指紋画像のそれぞれから特徴点を
    抽出することにより、その特徴点についての情報を含む
    指紋データを前記指紋画像毎に作成する指紋データ抽出
    部と、 該指紋データ抽出部により作成された複数の指紋データ
    を記憶する指紋データ記憶部と、 該複数の指紋データの相互間で、特徴点の対応関係を調
    査することにより、2以上の指紋データに共通に含まれ
    る同一の特徴点を共通特徴点として探索する共通特徴点
    探索部と、 該共通特徴点の中の一つを、該共通特徴点を代表する特
    徴点として選択することにより、該複数の指紋データを
    一つに合成して合成指紋データを作成する指紋データ合
    成部と、 該合成指紋データの妥当性を検証する検証部とをそなえ
    て構成されたことを特徴とする、指紋データ合成装置。
  3. 【請求項3】 該検証部が、該合成指紋データにおける
    特徴点の存在範囲の妥当性と、該合成指紋データにおけ
    る特徴点の存在の偏りの妥当性と、該合成指紋データに
    おける特徴点どうしの関係情報の妥当性と、該合成指紋
    データにおける特徴点の個数の妥当性とのうちの少なく
    とも一つを確認することにより、該合成指紋データの妥
    当性を検証することを特徴とする、請求項2記載の指紋
    データ合成装置。
  4. 【請求項4】 該検証部が、前記の各種妥当性を数値的
    に評価・確認し、前記の各種妥当性の評価値に応じて、
    該合成指紋データの妥当性を決定することを特徴とす
    る、請求項3記載の指紋データ合成装置。
  5. 【請求項5】 該複数の指紋データにおける各特徴点の
    信頼度を算出する特徴点信頼度算出部をそなえ、 該指紋データ合成部が、該特徴点信頼度算出部によって
    算出された信頼度に基づいて、該共通特徴点を代表する
    特徴点を選択することを特徴とする、請求項2〜請求項
    4のいずれか一項に記載の指紋データ合成装置。
  6. 【請求項6】 該特徴点信頼度算出部が、各特徴点の方
    向と隆線の方向との差に基づいて前記信頼度を算出する
    ことを特徴とする、請求項5記載の指紋データ合成装
    置。
  7. 【請求項7】 該特徴点信頼度算出部が、各特徴点から
    近辺の他の特徴点までの隆線長または距離に基づいて前
    記信頼度を算出することを特徴とする、請求項5記載の
    指紋データ合成装置。
  8. 【請求項8】 該特徴点信頼度算出部が、各特徴点から
    近辺の隆線までの距離に基づいて前記信頼度を算出する
    ことを特徴とする、請求項5記載の指紋データ合成装
    置。
  9. 【請求項9】 該特徴点信頼度算出部が、各特徴点と近
    辺の他の特徴点との位置関係に基づいて前記信頼度を算
    出することを特徴とする、請求項5記載の指紋データ合
    成装置。
  10. 【請求項10】 該複数の指紋データどうしを照合する
    照合部をそなえ、 該特徴点信頼度算出部が、該照合部による照合結果に基
    づいて、該複数の指紋データにおける特徴点毎に、各特
    徴点の照合一致可能性を評価する照合一致評価値を前記
    信頼度として算出することを特徴とする、請求項5記載
    の指紋データ合成装置。
  11. 【請求項11】 該特徴点信頼度算出部が、照合対象の
    二つの特徴点について位置,種類および方向を該照合部
    により照合した結果のうちの少なくとも一つに基づい
    て、前記照合一致評価値を算出することを特徴とする、
    請求項10記載の指紋データ合成装置。
  12. 【請求項12】 該特徴点信頼度算出部が、照合対象の
    二つの特徴点について、各照合対象特徴点と他の特徴点
    との関係情報を該照合部により照合した結果に基づい
    て、前記照合一致評価値を算出することを特徴とする、
    請求項10記載の指紋データ合成装置。
  13. 【請求項13】 前記関係情報が、該他の特徴点の位
    置,種類および方向のうちの少なくとも一つであること
    を特徴とする、請求項12記載の指紋データ合成装置。
  14. 【請求項14】 前記関係情報が、前記の各照合対象特
    徴点から該他の特徴点までの隆線の本数であることを特
    徴とする、請求項12記載の指紋データ合成装置。
  15. 【請求項15】 前記関係情報が、前記の各照合対象特
    徴点から隆線を介した該他の特徴点までの接続パターン
    であることを特徴とする、請求項12記載の指紋データ
    合成装置。
  16. 【請求項16】 該特徴点信頼度算出部が、各特徴点の
    照合一致回数を前記照合一致評価値として算出すること
    を特徴とする、請求項10記載の指紋データ合成装置。
  17. 【請求項17】 該特徴点信頼度算出部が、各特徴点の
    信頼度を、近辺の他の特徴点の信頼度に基づいて修正す
    ることを特徴とする、請求項5〜請求項16のいずれか
    一項に記載の指紋データ合成装置。
  18. 【請求項18】 該照合部が、該共通特徴点探索部とし
    ての機能を兼ねることを特徴とする、請求項10記載の
    指紋データ合成装置。
  19. 【請求項19】 該指紋データ合成部が、該照合部によ
    る各特徴点と他の特徴点との関係情報の照合結果を参照
    し、信頼度の高い関係情報を収集して合成関係情報を作
    成し、その合成関係情報を、該合成指紋データを成す特
    徴点の関係情報とすることを特徴とする、請求項10〜
    請求項18のいずれか一項に記載の指紋データ合成装
    置。
  20. 【請求項20】 該指紋データ合成部が該合成指紋デー
    タを作成する際、該複数の指紋データに共通に含まれて
    いる特徴点を基準にして、該合成指紋データを成す特徴
    点相互の位置合わせを行なうことを特徴とする、請求項
    2〜請求項19のいずれか一項に記載の指紋データ合成
    装置。
  21. 【請求項21】 該指紋データ合成部が該合成指紋デー
    タを作成する際、該指紋画像から求められる指紋中心を
    基準にして、該合成指紋データを成す特徴点相互の位置
    合わせを行なうことを特徴とする、請求項2〜請求項1
    9のいずれか一項に記載の指紋データ合成装置。
  22. 【請求項22】 該指紋データ合成部が該合成指紋デー
    タを作成する際、作成中の該合成指紋データに含まれる
    特徴点の中から選択した特徴点を基準にして、該合成指
    紋データを成す特徴点相互の位置合わせを行なうことを
    特徴とする、請求項2〜請求項19のいずれか一項に記
    載の指紋データ合成装置。
  23. 【請求項23】 複数の指紋画像のそれぞれから特徴点
    を抽出することにより、その特徴点についての情報を含
    む指紋データを前記指紋画像毎に作成する指紋データ抽
    出部、 該複数の指紋データの相互間で、特徴点の対応関係を調
    査することにより、2以上の指紋データに共通に含まれ
    る同一の特徴点を共通特徴点として探索する共通特徴点
    探索部、 該共通特徴点の中の一つを、該共通特徴点を代表する特
    徴点として選択することにより、該複数の指紋データを
    一つに合成して合成指紋データを作成する指紋データ合
    成部、および、 該合成指紋データの妥当性を検証する検証部として、コ
    ンピュータを機能させる、指紋データ合成プログラム。
  24. 【請求項24】 複数の指紋画像のそれぞれから特徴点
    を抽出することにより、その特徴点についての情報を含
    む指紋データを前記指紋画像毎に作成する指紋データ抽
    出部、 該複数の指紋データの相互間で、特徴点の対応関係を調
    査することにより、2以上の指紋データに共通に含まれ
    る同一の特徴点を共通特徴点として探索する共通特徴点
    探索部、 該共通特徴点の中の一つを、該共通特徴点を代表する特
    徴点として選択することにより、該複数の指紋データを
    一つに合成して合成指紋データを作成する指紋データ合
    成部、および、 該合成指紋データの妥当性を検証する検証部として、コ
    ンピュータを機能させる、指紋データ合成プログラムを
    記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
  25. 【請求項25】 同一の生体から得られた複数の生体情
    報のそれぞれから特徴要素を抽出することにより、その
    特徴要素についての情報を含む生体特徴データを前記生
    体情報毎に作成し、 複数の生体特徴データの相互間で、特徴要素の対応関係
    を調査することにより、2以上の生体特徴データに共通
    に含まれる同一の特徴要素を共通特徴要素として探索
    し、 該共通特徴要素の中の一つを、該共通特徴要素を代表す
    る特徴要素として選択することにより、該複数の生体特
    徴データを一つに合成して合成生体特徴データを作成
    し、 該合成生体特徴データの妥当性を検証することを特徴と
    する、生体特徴データ合成方法。
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