JP4911218B2 - 指紋データ合成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、指紋を用いて個人確認を行なうシステムにおいて指紋データを作成するための指紋データ合成装置に関する。
近年、コンピュータが広範な社会システムの中に導入されるに伴い、セキュリティに関心が集まっている。従来、コンピュータ室への入室や端末利用の際の本人確認手段として、IDカードやパスワードが用いられてきた。しかし、それらはセキュリティの面で多くの課題が残されている。
パスワードよりも信頼性の高い本人確認手段として、生体情報を利用した個人照合技術が注目されている。個人固有の生体情報を用いて本人確認をすると、その信頼性は非常に高いものとなる。
本人確認に利用できる生体情報の一つに指紋がある。指紋は、「万人不同」,「終生不変」という二大特徴を持つと言われ、本人確認の有力な手段と考えられている。近年では、指紋を用いた個人照合システムに関して多くの研究開発が行なわれている。
指紋とは、人間の指先における細かな凹凸である。その凸部の連なりを隆線という。隆線は、人によって固有な、様々な紋様を形成している。隆線をたどっていくと、二つに分かれる点(分岐点)や、行き止まりの点(端点)にぶつかる。これらの分岐点や端点の分布は、人により全く異なるため、指紋の特徴点と呼ばれる。このような特徴点の分布状態の照合は、個人を特定するための有力な手段として用いられている。指紋照合に際しては、これらの特徴点の位置,種類,方向の一致を確かめ、同一な指紋であるかどうかを調べている。
指紋を用いて個人確認を行なうシステムにおいては、各個人の指紋画像を予め登録しておく。つまり、そのシステムの利用者(個人)は、指紋スキャナにより指紋画像を入力し、その指紋画像から特徴点データ(指紋データ,生体特徴データ)を抽出して登録しておく。そして、照合時に指紋スキャナによって指紋画像が入力されると、その指紋画像から特徴点データを指紋データとして抽出し、上述のごとく予め登録されている指紋データと照合する。
一般に、指紋紋様は、指を特殊な光学系に接触させて得られる像をCCDカメラで撮影したり、静電容量センサで皮膚の隆起部分のみを検出したりして、指紋画像の形で採取されている。しかし、その時々の指の状態によって、かすれた指紋画像や、汗で隆線が癒着した指紋画像など、明瞭に指紋が写っていない画像が得られたりする。
登録指紋データを予め作成・登録する際に、指紋が明瞭に写っていない指紋画像から指紋データを作成した場合、その指紋データには、多くの誤った特徴点情報が含まれてしまい、照合性能の低下を招くことになる。また、指紋スキャナの入力面積が小さいと指紋の採取領域が毎回安定しないので、照合性能が安定しなくなる場合がある。
従って、システムに予め登録しておく登録指紋データとしては、できるだけ指紋紋様の明確に写った指紋画像を用いて作成された指紋データを用いることが望ましく、そのような指紋データを用いることで、照合性能の安定、さらには照合成功率の向上〔つまりFRR(False Rejection Rate)の低減〕を期待することができる。
そこで、従来、登録指紋データを作成する際には、同じ指の指紋画像を数回採取してその中から指紋が最も明瞭に写った一つの指紋画像を選んだり、指紋模様を複数部分に分けて撮影して複数の部分指紋画像を採取し、これらの部分指紋画像を重ね合わせることによって、広範囲に写っている指紋画像を作成したりしている。また、同じ指の指紋画像を数回採取し、採取された各指紋画像の中から明瞭に写っている領域を抽出し、各指紋画像から抽出された領域を組み合わせて指紋画像を作成することも行なわれている。
しかし、同じ指の指紋画像を複数回採取しても、指紋全体が全て明瞭に写っているものを採取できるとは限らず、複数の指紋画像のうちのどこか一部分は、不明瞭になっていることは多々ある。従って、複数の指紋画像の中から最も明瞭に写った一つの指紋画像を選んだとしても、不明瞭な部分が含まれることは避けられない。
また、複数の指紋画像から明瞭に写っている領域を抽出して合成し、指紋全体の画像を作成すると、その合成のために、却って指紋隆線の構造が壊されて指紋画像が不明瞭になってしまう。特に、異なる2つの指紋画像からそれぞれ抽出した2つの領域を合成する際、それらの領域の隆線どうしをうまく接続できず、隆線の構造が破壊されてしまうことがある。
上述のように不明瞭な部分を含む指紋画像から個人固有の特徴を正確に抽出することは難しく、そのような指紋画像から特徴点を抽出して登録指紋データを作成しても、照合性能の低下を免れられない。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、各指紋画像から抽出した特徴点(生体特徴データ)を合成して指紋データを作成することにより、照合性能の安定と照合性能の向上とを実現した指紋データ合成装置を提供することを目的とする。
発明の関連出願である指紋データ合成方法は、複数の指紋画像のそれぞれから特徴点を抽出することによりその特徴点についての情報を含む指紋データを前記指紋画像毎に作成し、複数の指紋データの相互間で、特徴点の位置的な対応関係に基づき、2以上の指紋データにおいて共通の所定基準位置に対して同一もしくはほぼ同一の位置に存在する特徴点を共通特徴点として探索し、該共通特徴点として対応づけられた特徴点のうち一つの特徴点を合成指紋データの特徴点とすることにより、合成指紋データを作成し、該合成指紋データが指紋データとして妥当である類型に合致する場合に、前記指紋データの合成が妥当であると判断することを特徴としている。
上記目的を達成するために、本発明の指紋データ合成装置は、複数の指紋画像のそれぞれから特徴点を抽出し、抽出された該特徴点に関する情報を特徴点データとし、前記指紋画像毎に該特徴点データを含む指紋データを作成する指紋データ抽出部と、複数の該指紋データを合成して合成指紋データを作成する指紋データ合成部と、該合成指紋データが所定の類型に合致する場合に前記指紋データの合成が妥当であると判断する検証を、該合成指紋データの特徴点の個数が所定の範囲内であることと、該合成指紋データの特徴点が所定の領域内に存在することと、該合成指紋データの特徴点が指紋中心付近で1つのグループをなして存在することと、該合成指紋データの特徴点の関係情報が合成指紋データにおける他の特徴点の関係情報と整合がとれていることのいずれかを含む前記所定の類型について行なう検証部とをそなえて構成されたことを特徴としている。このとき、該指紋データ抽出部によって抽出された該複数の指紋データの相互間で、特徴点の位置的な対応関係に基づき、2以上の指紋データにおいて共通の所定基準位置に対して同一もしくはほぼ同一の位置に存在する特徴点を共通特徴点として探索する共通特徴点探索部をそなえ、該指紋データ合成部が該共通特徴点に基づいて指紋データを合成してもよい。また、該指紋データ合成部が、該共通特徴点探索部により共通特徴点として対応づけられた特徴点のうち一つを選択し、選択された特徴点で合成指紋データを構成してもよい。
なお、該検証部が、前記妥当性を有する指紋データの類型に該合成指紋データが合致する度合いを表す評価値を該合成指紋データに基づいて算出し、該評価値を該指紋合成データが前記類型に合致しない場合に小さくし、該評価値が所定値以上である場合に、該指紋データ合成部による指紋データの合成を妥当と判断してもよい。また、該検証部が、前記妥当性を有する指紋データの類型のうち2つ以上の類型について該指紋合成データが合致するかを判断する場合に、それぞれの類型との合致度合いに基づいた評価値の合計値が所定の範囲内である場合に該指紋データ合成部による指紋データの合成が妥当であると判断してもよい。
一方、該複数の指紋データにおける各特徴点が正しい特徴点である程度を表す信頼度を該特徴点の特徴点データに基づいて算出し、抽出された特徴点が誤特徴点であると判断される特徴点データの類型と合致するほど該信頼度を小さくする特徴点信頼度算出部をそなえ、該信頼度が所定値以上の特徴点のみを用いて、該共通特徴点探索部が共通特徴点を探索し、該指紋データ合成部が合成指紋データを作成してもよい。このとき、該指紋データ合成部が、該共通特徴点探索部により共通特徴点として対応づけられた特徴点のうち一つを選択し、該共通特徴点探索部により共通特徴点として対応づけられなかった特徴点を選択し、選択された特徴点で合成指紋データを構成してもよい。
また、該指紋データ合成部が、該特徴点信頼度算出部によって算出された信頼度を参照し、該共通特徴点の中から該信頼度が最も高い特徴点を合成指紋データの特徴点としてもよく、この場合、該特徴点信頼度算出部は、各特徴点の方向と隆線の方向とに基づく前記信頼度を、該特徴点の方向と隆線の方向とが異なるほど小さくしてもよいし、各特徴点から近辺の他の特徴点までの隆線長または距離に基づく前記信頼度を、該隆線長又は該距離が所定値よりも短い他の特徴点が多いほど小さくしてもよいし、各特徴点から近辺の隆線までの距離に基づく前記信頼度を、該特徴点から該隆線までの距離が指紋全体に見られる隆線の間隔よりも短いときに小さくしてもよいし、各特徴点と近辺の他の特徴点との位置関係に基づく前記信頼度を、該特徴点と他の特徴点を通る複数の直線が等しいもしくはほぼ等しい傾きを有する場合に小さくしてもよい。
さらに、該複数の指紋データの各特徴点について、該特徴点の特徴点データと、該特徴点と異なる指紋データに含まれる他の特徴点の特徴点データとが一致するかを判断する照合部をそなえ、該特徴点信頼度算出部が、該複数の指紋データの各特徴点について該照合部による照合結果に基づいて前記信頼度を算出し、照合一致回数が多い、又は一致度合いが大きいほど前記信頼度を大きくしてもよく、この場合、該特徴点信頼度算出部は、照合対象の二つの特徴点について、位置,種類および方向を該照合部により照合した結果のうちの少なくとも一つに基づいて、前記信頼度を算出してもよいし、照合対象の二つの特徴点について、各照合対象特徴点の関係情報についての特徴点データである特徴点関係データを該照合部により照合した結果に基づいて、前記信頼度を算出してもよい。
前記特徴点関係データとしては、照合対象特徴点と同一の指紋データに含まれる他の特徴点の位置,種類および方向のうちの少なくとも一つを用いてもよいし、前記の各照合対象特徴点から該他の特徴点までの隆線の本数を用いてもよいし、前記の各照合対象特徴点から隆線を介した該他の特徴点までの接続パターンを用いてもよい。
また、該特徴点信頼度算出部が、各特徴点について、周囲に存在する他の特徴点のうち信頼度が所定値以下である特徴点の割合に応じて、信頼度を下げるように構成してもよい。
さらに、該指紋データ合成部が、共通特徴点として対応づけられた特徴点の特徴点関係データについて該照合部により照合した結果を参照し、発生頻度が高い特徴点関係データを該合成指紋データにおける該特徴点の特徴点関係データとしてもよい。
またさらに、該指紋データ合成部が該合成指紋データを作成する際、該複数の指紋データに共通に含まれている特徴点を基準にして、該合成指紋データを成す特徴点相互の位置合わせを行なってもよいし、該指紋画像から求められる指紋中心を基準にして、該合成指紋データを成す特徴点相互の位置合わせを行なってもよいし、作成中の該合成指紋データに含まれる特徴点の中から選択した特徴点を基準にして、該合成指紋データを成す特徴点相互の位置合わせを行なってもよい。
そして、本発明の関連技術である指紋データ合成プログラムは、複数の指紋画像のそれぞれから特徴点を抽出することによりその特徴点についての情報を含む指紋データを前記指紋画像毎に作成する指紋データ抽出部、該複数の指紋データの相互間で、特徴点の位置的な対応関係に基づき、2以上の指紋データにおいて共通の所定基準位置に対して同一もしくはほぼ同一の位置に存在する特徴点を共通特徴点として探索する共通特徴点探索部、該共通特徴点探索部により共通特徴点として対応づけられた特徴点のうち一つの特徴点を合成指紋データの特徴点とすることにより、合成指紋データを作成する指紋データ合成部、および、該合成指紋データが指紋データとして妥当である類型に合致する場合に、該合成指紋データが妥当であると判断する検証部として、コンピュータを機能させることを特徴としている。また、本発明の関連技術であるコンピュータ読取可能な記録媒体には、上述した指紋データ合成プログラムが記録される。
一方、本発明の関連技術である生体特徴データ合成方法は、同一の生体から得られた複数の生体情報のそれぞれから特徴要素を抽出することによりその特徴要素についての情報を含む生体特徴データを前記生体情報毎に作成し、複数の生体特徴データの相互間で特徴要素の位置的な対応関係に基づき2以上の生体特徴データにおいて共通の所定基準位置に対して同一もしくはほぼ同一の位置に存在する特徴要素を共通特徴要素として探索し、該共通特徴要素の探索により共通特徴要素として対応づけられた特徴要素のうち一つの特徴要素を合成生体特徴データの特徴要素とすることにより合成生体特徴データを作成し、該合成生体特徴データが生体特徴データとして妥当である類型に合致する場合に該合成生体特徴データが妥当であると判断することを特徴としている。
上述のような本発明の技術によれば、以下のような効果ないし利点が得られる。
(1)複数の指紋画像のそれぞれから特徴点を抽出し、抽出された特徴点を合成して一つの合成指紋データを作成している。これにより、信頼性の高い特徴点を用いて合成指紋データを作成することができる。また、指紋画像どうしを直接的に合成する必要がないので、隆線構造の破壊といった不具合の影響も受けることがない。
従って、指紋画像から正確に抽出された正しい特徴点(信頼性の高い特徴点)を含む指紋データを作成することができ、指紋による個人確認を行なうシステムにおいて、高い照合性能を実現することができる。
また、採取領域の異なる複数の指紋画像から、広範囲の特徴点を正確に抽出して指紋データを作成することができるので、上記システムにおいて安定した照合性能を実現することができる。
さらに、合成指紋データが妥当なものであるか否かを検証するので、合成結果が指紋データとして妥当なものだけを用いることができ、信頼性の高い指紋データを用いて指紋認証が行なわれ、より高い照合性能を実現することが可能になる。
(2)合成指紋データに含まれる特徴点について、その存在範囲,偏り,関係情報や個数の妥当性を確認し、合成指紋データの妥当性を検証することにより、種々の合成状況を考慮しながら、指紋合成に失敗している合成指紋データを確実に排除できるので、より信頼性の高い指紋データを用いて指紋認証を行なえるようになり、照合性能をさらに向上させることができる。
(3)各特徴点の信頼度を算出し、その信頼度に応じて、共通特徴点を代表する特徴点を選択することにより、合成指紋データを成す特徴点として、信頼性の高いものを容易に選択できる。従って、誤った特徴点(誤特徴点:信頼性の低い特徴点)が排除され、正しい特徴点(信頼性の高い特徴点)のみによって合成指紋データが再構成されるので、信頼性の高い合成指紋データを容易に作成することができる。
(4)複数の指紋データどうしを照合し、その照合結果に基づいた照合一致評価値を各特徴点の信頼度として算出することにより、指紋の照合アルゴリズムを反映した信頼度を算出することができる。このような信頼度に基づいて特徴点を選択して合成指紋データを作成すれば、明らかに指紋照合性能が向上することになる。
(5)特徴点信頼度としての照合一致評価値を、特徴点関係データ(位置,種類,方向,関係情報)の照合結果や、照合一致回数から導くと、再現性の良い特徴点と再現性の悪い特徴点とで照合一致評価値の差が顕著に表われることになるため、誤特徴点を判定しやすくなり、より容易かつ確実に、信頼度の高い合成指紋データを作成することができる。
(6)ある注目特徴点について、近辺に誤特徴点(信頼度の低い特徴点)が多数存在するにもかかわらず、偶然、高い信頼度が算出された場合、その注目特徴点は、誤特徴点である確率が高いので、選択対象から排除されることが望ましい。従って、特徴点の信頼度を、その特徴点近辺の他の特徴点の信頼度に応じて修正することにより、近辺の特徴点の信頼度がその特徴点の信頼度に反映され、誤特徴点である確率の高い特徴点を選択対象から排除できるので、より確実に、信頼度の高い合成指紋データを作成することができる。
(7)各特徴点と他の特徴点との関係情報の照合結果を参照し、信頼度の高い関係情報を収集して作成した合成関係情報を、合成指紋データを成す特徴点の関係情報とすることにより、合成指紋データを成す特徴点の関係情報を、信頼性の高いものに修正することができ、より確実に、信頼度の高い合成指紋データを作成することができる。
(8)複数の指紋データに共通に含まれている特徴点や、指紋画像から求められる指紋中心を、位置合わせの基準とすることにより、複数の指紋データから選択された特徴点を容易に位置合わせすることができ、合成指紋データを容易かつ確実に作成することができる。
(9)作成中の合成指紋データに既に含まれている特徴点の中から適宜選択した特徴点を、位置合わせの基準とすることにより、複数の指紋データがそれぞれ少しずつ異なる領域の特徴点を含むものであっても、選択された特徴点を容易に位置合わせすることができ、合成指紋データを容易かつ確実に作成することができる。
一方、本発明の関連技術である生体特徴データ合成方法によれば、複数の生体情報のそれぞれから特徴要素を抽出し、抽出された特徴要素を合成して一つの合成生体特徴データを作成している。これにより、信頼性の高い特徴要素を用いて合成生体特徴データを作成することができる。
従って、生体情報から正確に抽出された正しい特徴要素(信頼性の高い特徴要素)を含む生体特徴データを作成することができ、生体情報による個人確認を行なうシステムにおいて、高い照合性能を実現することができる。
また、採取領域の異なる複数の生体情報から、広範囲の特徴要素を正確に抽出して生体特徴データを作成することができるので、上記システムにおいて安定した照合性能を実現することができる。
さらに、合成生体特徴データが妥当なものであるか否かを検証するので、合成結果が生体特徴データとして妥当なものだけを用いることができ、より信頼性の高い生体特徴データを用いて生体情報の認証が行なわれ、より高い照合性能を実現することが可能になる。
本発明の第1実施形態としての指紋データ合成装置の機能構成を示すブロック図である。 第1実施形態の指紋データ合成手順を説明するためのフローチャートである。 本実施形態の指紋データ合成原理を説明するための図である。 本実施形態の指紋データ合成原理を説明するための図である。 本実施形態の指紋データ合成原理を説明するための図である。 (A)および(B)はいずれも本実施形態での合成指紋データの妥当性の検証手法を説明するための図である。 (A)および(B)はいずれも本実施形態での合成指紋データの妥当性の検証手法を説明するための図である。 本実施形態での合成指紋データの妥当性の検証手法を説明するための図である。 本実施形態での合成指紋データの妥当性の検証手法を説明するための図である。 本発明の第2実施形態としての指紋データ合成装置の機能構成を示すブロック図である。 第2実施形態の指紋データ合成手順を説明するためのフローチャートである。 (A)〜(C)はいずれも本実施形態での特徴点の方向の定義を説明するための図である。 本実施形態での特徴点信頼度の算出手法を説明するための図である。 本実施形態での特徴点信頼度の算出手法を説明するための図である。 (A)および(B)はいずれも本実施形態での特徴点信頼度の算出手法を説明するための図である。 (A)〜(C)はいずれも本実施形態での特徴点信頼度の算出手法を説明するための図である。 本発明の第3実施形態としての指紋データ合成装置の機能構成を示すブロック図である。 第3実施形態の指紋データ合成手順を説明するためのフローチャートである。 第3実施形態の指紋データ合成手順を説明するためのフローチャートである。 (A)および(B)はいずれも本実施形態での特徴点信頼度(照合一致評価値)の算出手法を説明するための図である。 (A)および(B)はいずれも本実施形態での特徴点信頼度(照合一致評価値)の算出手法を説明するための図である。 (A)および(B)はいずれも本実施形態での特徴点信頼度(照合一致評価値)の算出手法を説明するための図である。 (A)〜(C)はいずれも本実施形態での特徴点信頼度(照合一致評価値)の算出手法を説明するための図である。 (A)〜(C)はいずれも本実施形態での特徴点信頼度(照合一致評価値)の算出手法を説明するための図である。 (A)〜(C)はいずれも本実施形態での特徴点信頼度(照合一致評価値)の算出手法を説明するための図である。 (A)〜(C)はいずれも本実施形態での特徴点信頼度(照合一致評価値)の算出手法を説明するための図である。 本実施形態での特徴点信頼度の修正手法を説明するための図である。 本実施形態での指紋データの合成結果の例を説明するための図である。 (A)〜(D)はいずれも本実施形態での特徴点の合成関係情報の作成手法を説明するための図である。 (A)および(B)はいずれも本実施形態での特徴点の位置合わせ手法を説明するための図である。 (A)および(B)はいずれも本実施形態での特徴点の位置合わせ手法を説明するための図である。 (A)および(B)はいずれも本実施形態での特徴点の位置合わせ手法を説明するための図である。 本実施形態での指紋データ照合手法の変形例を説明するためのフローチャートである。 (A)〜(D)はいずれも本実施形態での合成指紋データの妥当性の検証手法を説明するための図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
〔1〕第1実施形態の説明
図1は本発明の第1実施形態としての指紋データ合成装置の機能構成を示すブロック図であり、この図1に示す第1実施形態の指紋データ合成装置1は、指紋データ抽出部10,指紋データ記憶部20,共通特徴点探索部30,指紋データ合成部40および検証部50を有して構成されている。
ここで、本実施形態の指紋データ合成装置1は、CPU,RAM,ROMなどをバスラインにより接続して構成される、パソコン等のコンピュータシステムにより実現されるものである。
つまり、RAMやROMが指紋データ記憶部20としての機能を果たすほか、RAMには、指紋データ抽出部10,共通特徴点探索部30,指紋データ合成部40および検証部50を実現するためのアプリケーションプログラムが格納されている。
そして、CPUが、上記アプリケーションプログラムを実行することにより、指紋データ抽出部10,共通特徴点探索部30,指紋データ合成部40および検証部50としての機能(その詳細については後述)が実現され、第1実施形態の指紋データ合成装置1が実現されるようになっている。
この第1実施形態の指紋データ合成装置1を実現するためのプログラムは、例えばフレキシブルディスク,CD−ROM等の、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。そして、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送し格納して用いる。また、そのプログラムを、例えば磁気ディスク,光ディスク,光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に記録しておき、その記憶装置から通信経路を介してコンピュータに提供してもよい。
そして、第1実施形態の指紋データ合成装置1としての機能をコンピュータにより実現する際には、内部記憶装置(例えばRAM)に格納された上記プログラムがコンピュータのマイクロプロセッサ(例えばCPU)によって実行される。このとき、記録媒体に記録されたプログラムをマイクロプロセッサが直接読み取って実行してもよい。
なお、本実施形態において、コンピュータとは、ハードウェアとオペレーションシステムとを含む概念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作するハードウェアを意味している。また、オペレーションシステムが不要でアプリケーションプログラム単独でハードウェアを動作させるような場合には、そのハードウェア自体がコンピュータに相当する。ハードウェアは、少なくとも、CPU等のマイクロプロセッサと、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムを読み取るための手段とをそなえている。
上記アプリケーションプログラムは、このようなコンピュータに、指紋データ抽出部10,共通特徴点探索部30,指紋データ合成部40および検証部50としての機能を実現させるプログラムコードを含んでいる。また、その機能の一部は、アプリケーションプログラムではなくオペレーションシステムによって実現されてもよい。
さらに、本実施形態における記録媒体としては、上述したフレキシブルディスク,CD−ROM,磁気ディスク,光ディスク,光磁気ディスクのほか、ICカード,ROMカートリッジ,磁気テープ,パンチカード,コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ),外部記憶装置等や、バーコードなどの符号が印刷された印刷物等の、コンピュータ読取可能な種々の媒体を利用することができる。
さて、図1に示す第1実施形態の指紋データ合成装置1は、指紋を用いて個人確認を行なうシステムにおいて実際に個人認証を行なう際に使用される照合用指紋データ(登録指紋データ)を、複数の指紋画像から合成・作成するためのものである。
このような指紋データ合成装置1において、指紋データ抽出部10は、指紋スキャナ2に接続され、この指紋スキャナ2からの複数の指紋画像のそれぞれから特徴点を抽出することにより、その特徴点についての情報を含む指紋データを、指紋画像毎に作成するものである。
ここで、特徴点とは、指紋隆線の端点〔図12(A)参照〕や分岐点〔図12(B)参照〕である。特徴点を抽出する際、指紋データ抽出部10は、各指紋画像から特徴点のみだけでなく、指紋隆線方向や特徴点間距離のほか、指紋特徴点間の隆線本数を含む関係情報なども抽出し、指紋データに含ませる。
なお、指紋スキャナ2は、指を特殊な光学系に接触させて得られる像をCCDカメラで撮影したり、静電容量センサで皮膚の隆起部分のみを検出したりして、指紋紋様(指紋隆線)を指紋画像として採取するものである。
また、複数の指紋画像を指紋スキャナ2により採取する際には、指を指紋入力領域(図6〜図9の符号100参照)に接触させることになるが、指を接触させた状態のままで連続して複数の指紋画像を採取するのではなく、1つの指紋画像を採取する都度、同じ指を指紋スキャナ2の指紋入力領域に接触し直してから次の指紋画像を採取するようにする。これにより、同じ指について、それぞれ異なる状態(例えば汗等の付着状態)で複数の指紋画像を得ることができる。指紋画像を採取する回数は例えば2〜4回とする。
指紋データ記憶部20は、指紋データ抽出部10により作成された複数の指紋データを記憶するものである。
共通特徴点探索部30は、指紋データ記憶部20に格納された複数の指紋データを参照し、これらの指紋データの相互間で特徴点の対応関係を調査することにより、2以上の指紋データに共通に含まれる同一の特徴点を共通特徴点として探索するものである。
指紋データ合成部40は、共通特徴点探索部30により探索された共通特徴点の中の一つを、共通特徴点を代表する特徴点として選択することにより、複数の指紋データを一つに合成して合成指紋データを作成するものである。このようにして複数の指紋データと共通特徴点情報とから、個々の特徴点単位で指紋合成が行なわれる。そして、指紋データ合成部40により作成された合成指紋データは図示しない記憶部に格納される。この記憶部は、指紋データ合成部40に内蔵されていてもよい。
検証部50は、指紋データ合成部40により作成された最終的な合成指紋データの妥当性を検証するもの、つまり、指紋合成後にその合成結果が妥当な指紋データを形成するか否かを検証するものである。
ここで、検証部50は、最終的な合成指紋データについて、例えば、以下の4項目のうちの少なくとも一つを確認することにより、その最終的な合成指紋データの妥当性を検証する。
(a1)合成指紋データにおける特徴点の存在領域(存在範囲)の妥当性
(a2)合成指紋データにおける特徴点の存在の偏りの妥当性
(a3)合成指紋データにおける特徴点どうしの関係情報の妥当性
(a4)合成指紋データにおける特徴点の個数(多過ぎ,少な過ぎ)の妥当性
なお、これらの妥当性(a1)〜(a4)に基づく検証部50による具体的な検証手法については、図6〜図9を参照しながら後述する。
このとき、検証部50は、上記4種類の妥当性をそれぞれ数値的に評価・確認し、その各種妥当性の評価値に応じて合成指紋データの妥当性を決定するが、その際、上記4種類のうちの一つの妥当性のみを検証のために用いる場合には、その妥当性についての評価値が所定の範囲内に入っているか否かを判定する一方、上記4種類のうちの2以上の妥当性を検証のために用いる場合には、それらの妥当性についての評価値の合計値が所定の範囲内に入っているか否かを判定する。
そして、検証部50は、評価値(もしくはその合計値)が所定の範囲内に入っている場合、その合成指紋データ(合成結果)が妥当な指紋データを形成する、つまり指紋合成に成功したものと判定し、その合成指紋データを外部へ出力したり内蔵記憶部(図示略)に格納したりする。一方、検証部50は、評価値(もしくはその合計値)が上記所定の範囲外である場合、その合成指紋データ(合成結果)は妥当な指紋データを形成しない、つまり、指紋合成に失敗したものと判定し、その合成指紋データを破棄する。
次に、図2に示すフローチャート(ステップS1〜S4)を参照しながら、第1実施形態の指紋データ合成手順について説明する。
まず、指紋スキャナ2により同じ指について採取された複数の指紋画像は、それぞれ、指紋データ抽出部10に入力され、この指紋データ抽出部10により、各指紋画像から、特徴点(端点,分岐点),指紋隆線方向,特徴点間距離,特徴点間隆線長や、指紋特徴点間の隆線本数を含む関係情報などが抽出されて、指紋データが作成される(ステップS1)。指紋画像毎に作成された指紋データは、指紋データ記憶部20に格納される。
そして、共通特徴点探索部30により、指紋データ記憶部20に格納された複数の指紋データの相互間での特徴点の対応関係が調査される(ステップS2)。
なお、共通特徴点探索部30による特徴点の対応関係の調査は、同一の指に対し行なわれることが初めから分かっているので、指紋照合のように厳密なものではなく、複数の指紋データにおける共通の所定基準位置(例えば指紋中心など)に対して同一もしくはほぼ同一の位置に存在する特徴点があるか否かに基づいて行なわれ、位置的な条件のみによって特徴点の対応関係が判断される。
複数の指紋データは、前述した通り同じ指について得られたものであるから、当然、同一の特徴点に関する情報が、2以上の指紋データに含まれている場合がある。
そこで、第1実施形態の指紋データ合成装置1では、共通特徴点探索部30により、2以上の指紋データに共通に含まれている同一の特徴点を、共通特徴点として調査・抽出した場合、指紋データ合成部40により、共通特徴点探索部30で得られた共通特徴点情報から、特徴点が重複しないように特徴点データをまとめ、一つの合成指紋データが作成される(ステップS3)。
つまり、指紋データ合成部40は、2以上の指紋データに共通に含まれている同一の特徴点が存在する場合には、共通特徴点の中の一つを、共通特徴点を代表する特徴点として選択し、複数の指紋データを一つに合成して合成指紋データを作成する。
なお、指紋データ合成部40での具体的な特徴点選択手法については、第2実施形態や第3実施形態で後述する。
また、指紋の採取状態によっては、ある一つの指紋データだけに含まれ他の指紋データには含まれていない特徴点が存在する場合もある。そのような場合、指紋データ合成部40は、その特徴点が正しい特徴点としての条件を満たしていれば、その特徴点に関する情報を、合成指紋データに含ませる。
そして、最後に、指紋データ合成部40による合成結果(合成指紋データ)が妥当な指紋データを形成しているか否かが、検証部50により検証される(ステップS4)。その際、上述した4種類の妥当性のうちの少なくとも一つが数値的に評価・確認され、その評価値が所定の範囲内に入っている場合、指紋合成に成功したものと判定され、その合成指紋データが、指紋データとして利用される。これに対し、評価値が上記所定の範囲外である場合、指紋合成に失敗したものと判定され、その合成指紋データは、指紋データとして利用されることなく破棄される。
ところで、指紋画像は、専用の指紋スキャナ2で読み取られる。この指紋スキャナ2としては、CCDなどの撮像素子と特殊な光学系とを組み合わせたものや、半導体チップを用いて直接指から指紋画像を読み取るものなど、いくつかの方式がある。しかし、どの方式も常に明瞭な指紋画像を採取できるとは限らない。指が汗ばんでいたり乾燥していたりする場合や、指にタコや磨耗が発生している場合には、明瞭な指紋画像を採取できないことがある。
明瞭に隆線が写っていない指紋画像から指紋データを作成した場合、その指紋データには誤特徴点データが多く含まれ、指紋照合性能が低下する。特に、システムに登録しておく登録指紋データに誤特徴点データが多く含まれていると、照合のたびにその誤特徴点データが影響し、著しく照合成功率が低下する。また、指の端の部分しか写っていないなど、指紋の写っている領域が偏っている場合でも、指紋照合するために十分な特徴点データを得ることができなくなり照合成功率が低下してしまう。
そこで、従来では、同じ指の指紋画像を何回か採取しその中から隆線が明瞭に写っている指紋画像を選んで登録指紋データを作成したり、複数の指紋画像を合成し広範囲に写っている指紋画像を一旦作成してから登録指紋データを作成したりしている。しかし、当然ながら、同じ指の指紋画像を複数回採取したからといって、明瞭に指紋が写っているものが必ず得られるというわけではない。また、画像の合成では、合成することで却って指紋隆線の構造が破壊され、結果的に照合性能が低下してしまう場合もある。
本発明では、複数の指紋データのそれぞれにおける個々の特徴点単位で正/誤特徴点を判定し、正特徴点を指紋データ合成部40により選択して合成することで、誤特徴点データの少ない指紋データを作成する。なお、正/誤特徴点の判定に際しては、第2実施形態や第3実施形態において後述する、各特徴点の信頼度が用いられる。
つまり、同じ指の指紋データを数個用意し、それらを合成して一つの指紋データを作成する。その指紋合成時に、指紋データ合成部40では、誤った特徴点データ(誤特徴点データ)を検出して排除し、複数の指紋データを、正しい特徴点のみから構成される合成指紋データに再構成する。その際、指紋の採取領域の異なる指紋データを合成することで、広範囲の特徴点を含んだ合成指紋データを作成することができるようになる。上述のように複数の指紋データから作成した一つの指紋データは、誤った特徴点の情報が少なく、高い照合性能を実現できるようになる。また、広範囲の特徴点データが含まれているため、安定した照合性能を実現できる。
ここで、まず、指紋特徴点データと指紋照合方式との関係について説明する。
通常、人の指紋には特徴点が30〜50個ほど存在し、その分布は人により全て異なる。二つの指紋間でその分布が一致すれば、その指紋は同一の指紋だと判定される。特徴点の分布の照合は、二つの指紋間でそれぞれの特徴点の位置や種類(端点/分岐点)や方向を比較することで行なう。また、特徴点と特徴点との間に存在する隆線本数や、特徴点どうしの隆線による繋がり模様も照合し、照合性能を向上させる場合もある。
指紋データは、特徴点の位置,種類,方向を含む特徴点基本データと、その特徴点と他の特徴点との間に存在する隆線本数や隆線による繋がり模様等、他の特徴点との関係を表した特徴点関係データとの二つのデータから構成されている。指紋には、特徴点が30〜50個ほど存在するので、指紋データにはこれらの特徴点データ(特徴点基本データと特徴点関係データ)が30〜50個程度含まれている。
指紋照合では、二つの指紋データ間で上記特徴点データを照合し、一致した特徴点の数が所定の値を超えた時などに指紋一致と判定する。例えば、特徴点データが30個ある二つの指紋データを個々の特徴点データについて照合し、そのうち10個の特徴点データが一致すれば、その二つの指紋データは、同一の指紋だと判定する。
このように、指紋照合では、指紋データに含まれている特徴点データの全てが一致したときに指紋一致と判定するのではなく、通常、その一部が一致したときに指紋一致と判定する。この理由は、指紋データに含まれている特徴点データが全て正しいとは限らないからである。
既に述べたように、指紋データには、汗や皺,傷,乾燥の影響で、特徴点の抽出に失敗し、誤特徴点が含まれていることが多い。また、指紋スキャナ2に対する指の置く位置が異なることで、同じ指の指紋データでも指紋の採取領域が異なり、相互に重畳しない領域から二つの指紋データが抽出される場合もある。このような二つの指紋データ間では、特徴点データを照合することができない。
指紋データに誤特徴点が多く含まれていたり、指紋採取領域が偏っていたりすると、高い照合性能を達成することが難しくなる。
従って、誤特徴点が少なく、広範囲の特徴点データを含んでいる登録指紋データを作成することが望まれる。そこで、指紋データ合成部40において複数の指紋データを合成することにより、誤特徴点が少なく、広範囲の特徴点を含んだ指紋データを作成する。
ここで、図3〜図5を参照しながら、本実施形態の指紋データ合成原理について説明する。
部分的に隆線構造のつぶれた指紋画像の例を図3に示す。例えば、汗のため隆線間に大量の癒着が発生した場合、図3の領域AR1内に示すように、網目状に隆線構造が検出され大量の誤特徴点が発生する。このような誤特徴点を含んだまま登録指紋データを作成すると、明らかに正常な指紋照合が行なえなくなる。
一方、同じ指の指紋画像として、例えば図4に示すようなものが得られたとする。図4も図3と同じく部分的に隆線構造が破壊されており、正しい指紋データの生成はできない。しかし、図3に示す指紋画像のうち正しく隆線構造が抽出されている部分と、図4に示す画像のうち正しく隆線構造が抽出されている部分とをまとめると、図5に示すような、正しい特徴点のみを含む合成指紋画像を作成することができる。また、同様にして指紋データを合成することで、広範囲の特徴点データを含んだ指紋データを作成することができる。
従来の技術では、指紋データを合成する際には、まず、指紋画像をそのまま合成して一つの指紋画像を作成してから、合成された一つの指紋画像から、指紋データを作成していた。
これに対し、本発明では、それぞれの指紋画像を用いて指紋データを作成してから、指紋データを合成することで、誤特徴点データの少ない、広範囲の特徴点データを含んだ合成指紋データを作成している。
そして、本発明では、上述のごとく作成された合成指紋データについて、さらに、妥当なものであるか否かを検証することにより、合成指紋データ(登録指紋データ)としての信頼性を確保している。
ここで、図6(A),図6(B),図7(A),図7(B),図8,図9および図34(A)〜図34(D)を参照しながら、本実施形態での合成指紋データの妥当性の検証手法について説明する。これらの図は、いずれも、合成指紋データに含まれる特徴点の、指紋スキャナ2の指紋入力領域(指を接触させる指紋採取面)100での分布状態を示している。
まず、図6(A)および図6(B)を参照しながら、合成指紋データにおける特徴点の存在領域(存在範囲)の妥当性について説明する。
図6(A)に示すように、全ての特徴点が、指紋入力領域100において、通常、指が押し当てられる領域F内に存在していれば、合成結果は妥当なものであると判断することができる。
しかし、図6(B)に示すように、上記領域F外にも特徴点が存在する場合には、指紋合成に失敗している確率が高いものと判断することができる。
前述した通り、指紋合成を行なうことにより、ある程度、広範囲に亘る領域の特徴点を集めて指紋データを作成することが可能になる。しかし、このような場合、合成結果において現実離れした範囲に特徴点が存在していれば、その指紋合成は失敗している確率が高い。
そこで、例えば上記領域F外に存在する特徴点の数が多いほど小さくなるような評価値を定義して算出することにより、図6(B)に示すような、指紋合成に失敗した可能性の高い合成指紋データを排除することが可能になる。
例えば、合成結果に含まれる全ての特徴点の数と、上記領域F内に存在する特徴点の数との比を、評価値として算出すれば、図6(A)に示す合成指紋データの評価値は"8/8=1"となるのに対し、図6(B)に示す合成指紋データの評価値は"9/16=0.5625"となる。従って、検証部50において、前記所定の範囲として例えば0.9以上の範囲を設定した場合、図6(B)に示す合成指紋データの評価値はその範囲外となり、その合成指紋データは、指紋合成に失敗したものと判定される。
また、合成指紋データの領域(合成領域)内での特徴点数の増加率Ns/Naが所定値を超えていれば、指紋合成に失敗している確率が高いものと判断することができる一方、所定値以内であれば、合成結果は妥当なものと判断することができる。ただし、Nsは合成指紋データの領域(合成領域)内の特徴点数であり、Naは、合成前の複数の指紋データにおける、その合成領域に対応する領域内の特徴点数の平均値である。
合成領域内の全ての特徴点が複数の指紋データに共通に存在する状態が、最も妥当性の高い状態である。このような状態の時、Ns=Naとなり、前記増加率Ns/Naは1となる。しかし、複数の指紋データに共通に存在する特徴点の数が少なくなるにつれて、つまり、合成結果の妥当性が低くなるにつれて、増加率Ns/Naは大きくなる。
このような増加率Ns/Naを用いた妥当性検証手法の具体例について、図34(A)〜図34(D)を参照しながら説明する。ここで、図34(A)〜図34(C)は、それぞ指紋データFA,FB,FCを示すものであり、図34(D)は、これら3つの指紋データFA,FB,FCを合成して作成された合成指紋データ(合成領域F’)を示すものである。
図34(D)に示す合成領域F’内の特徴点数Nsは12である。そのうち、4つの特徴点は指紋データFA,FBに共通に存在し、5つの特徴点は指紋データFB,FCに共通に存在し、2つの特徴点は指紋データFAにのみ存在し、1つの特徴点は指紋データFCにのみ存在している。即ち、指紋データFAにおける、合成領域F’に対応する領域内には、図34(A)に示すごとく6つの特徴点が存在し、指紋データFBにおける、合成領域F’に対応する領域内には、図34(B)に示すごとく9つの特徴点が存在し、指紋データFCにおける、合成領域F’に対応する領域内には、図34(C)に示すごとく6つの特徴点が存在している。
しかし、指紋データFCとFAには共通の特徴点が一つも存在していない。即ち、指紋データFCとFAとは異なる指紋画像から得られたものであるか、もしくは、指紋データFA〜FCの指紋合成に失敗しているかのいずれかであると考えられる。いずれにしても、合成指紋データF’の妥当性は極めて低い。
図34(A)〜図34(D)に示す例では、Nsは12、Naは(6+9+6)/3=7であり、増加率Ns/Na=12/7≒1.7となる。従って、前記所定値として、例えば1.2を設定しておけば、図34(D)に示す合成指紋データF’は、指紋合成に失敗したものと判定される。
図7(A),図7(B)および図8を参照しながら、合成指紋データにおける特徴点の存在の偏りの妥当性について説明する。
図7(A)に示すように、全ての特徴点が、指紋入力領域100において、指紋中心C0の周りで一つのグループG0として存在していれば、合成結果は妥当なものであると判断することができる。なお、指紋中心C0としては、例えば隆線の中で曲率の最も大きくなる点が選択される。
しかし、特徴点が、指紋入力領域100において、図7(B)に示すように完全に二つのグループG1,G2に分かれて存在している場合や、図8に示すように指紋中心C0から離れた位置に一つのグループG3を成して偏って存在している場合には、指紋合成に失敗している確率が高いものと判断することができる。
特徴点のグルーピング手法としては次のような手法を用いる。つまり、各特徴点と、その特徴点に最も近い他の特徴点とを仮想的に連結していく。ただし、所定値以上の距離離れた特徴点どうしは連結しない。連結された特徴点には同一ラベルを付与する一方、前記所定値以上の距離離れた特徴点には、異なるラベルを付与する。このようにして同一ラベルを付与された特徴点を1つのグループとみなす。
そこで、特徴点のグループ化が生じている場合や、特徴点が指紋中心から離れた位置でグループを成しているような場合に小さくなるような評価値を定義して算出することにより、図7(B)や図8に示すような、指紋合成に失敗した可能性の高い合成指紋データを排除することが可能になる。
次に、図9を参照しながら、合成指紋データにおける特徴点どうしの関係情報の妥当性について説明する。図9に示す合成指紋データでは、二つの端点が特徴点P0,P1として含まれている。ここで、特徴点P0は隆線L91の端点であり、特徴点P1は隆線L94の端点である。また、図9では、隆線L91とL94との間に2本の隆線L92,L93が存在するものとして、合成指紋データが図示されている。
このとき、特徴点P0の関係情報と特徴点P1の関係情報とが互いに矛盾している場合には、その指紋合成に失敗している確率が高いものと判断することができる。例えば、特徴点P0の関係情報として「特徴点P0とP1との間の隆線本数は2本」が保持されているにもかかわらず特徴点P1の関係情報として「特徴点P1とP0との間の隆線本数は4本」が保持されている場合や、特徴点P0の関係情報として「3本隣(下方)の隆線には特徴点P1が存在する」が保持されているにもかかわらず特徴点P1の関係情報として「1本隣(上方)の隆線には特徴点P0が存在する」が保持されている場合である。
そこで、上述のような矛盾の発生数が多いほど小さくなるような評価値を定義して算出することにより、関係情報に矛盾を含む、指紋合成に失敗した可能性の高い合成指紋データを排除することが可能になる。
最後に、合成指紋データにおける特徴点の個数(多過ぎ,少な過ぎ)の妥当性について説明する。合成指紋データに含まれる特徴点が、多すぎる場合や少なすぎる場合も、その指紋合成に失敗している確率が高いものと判断することができる。例えば、特徴点の数が10個以下の場合や50個を超えた場合に小さくなるような評価値を定義して算出することにより、特徴点の数が多すぎるもしくは少なすぎる、指紋合成に失敗した可能性の高い合成指紋データを排除することが可能になる。
このように、本発明の第1実施形態としての指紋データ合成装置1によれば、複数の指紋画像のそれぞれから特徴点を抽出し、抽出された特徴点を合成して一つの合成指紋データが作成される。これにより、信頼性の高い特徴点を用いて合成指紋データを作成することができる。また、指紋画像どうしを直接的に合成する必要がないので、隆線構造の破壊といった不具合の影響も受けることがない。
従って、作成された合成指紋データを登録指紋データとして用いると、指紋画像から正確に抽出された正しい特徴点(信頼性の高い特徴点)を含む登録指紋データを作成することができ、指紋による個人確認を行なうシステムにおいて、高い照合性能を実現することができる。
また、採取領域の異なる複数の指紋画像から、広範囲の特徴点を正確に抽出して登録指紋データを作成することができるので、上記システムにおいて安定した照合性能を実現することができる。
さらに、検証部50により合成指紋データが妥当なものであるか否かを検証するので、合成結果が指紋データとして妥当なものだけを登録指紋データとして用いることができ、信頼性の高い登録指紋データを用いて指紋認証が行なわれ、より高い照合性能を実現することが可能になる。
その際、検証部50では、合成指紋データに含まれる特徴点について、その存在範囲,偏り,関係情報や個数の妥当性を確認し、合成指紋データの妥当性を検証することにより、種々の合成状況を考慮しながら、指紋合成に失敗している確率の高い合成指紋データを確実に排除できるので、より信頼性の高い登録指紋データを用いて指紋認証を行なえるようになり、照合性能をさらに向上させることができる。
〔2〕第2実施形態の説明
さて、第1実施形態で説明したように指紋データ合成部40において2以上の指紋データを合成する際には、正しい特徴点と誤った特徴点とを確実に認識できるすることが望まれる。そこで、本発明の第2実施形態や第3実施形態では、指紋データ抽出部10で抽出された各特徴点に対し、それが正しい特徴点である程度(再現性の程度)を示す特徴点信頼度を定義する。この特徴点信頼度を求め、その値に従って特徴点データの合成を行なっていく。
図10は本発明の第2実施形態としての指紋データ合成装置の機能構成を示すブロック図であり、この図10に示す第2実施形態の指紋データ合成装置1Aは、第1実施形態と同様の指紋データ抽出部10,指紋データ記憶部20,共通特徴点探索部30および検証部50を有するほか、特徴点信頼度算出部60および指紋データ合成部40Aを有して構成されている。なお、既述の符号と同一の符号は同一もしくはほぼ同一の部分を示しているので、その説明は省略する。
ここで、本実施形態の指紋データ合成装置1Aも、第1実施形態の指紋データ合成装置1と同様、CPU,RAM,ROMなどをバスラインにより接続して構成される、パソコン等のコンピュータシステムにより実現されるものである。
そして、指紋データ合成装置1Aにおける指紋データ合成部40Aおよび特徴点信頼度算出部60としての機能も、上述した第1実施形態の指紋データ抽出部10,共通特徴点探索部30,指紋データ合成部40および検証部50と同様、記録媒体に格納されたアプリケーションプログラムをCPU等で実行することにより実現される。
さて、図10に示す第2実施形態の指紋データ合成装置1Aも、第1実施形態と同様、指紋を用いて個人確認を行なうシステムにおいて実際に個人認証を行なう際に使用される照合用指紋データ(登録指紋データ)を、指紋スキャナ2からの複数の指紋画像から合成・作成するためのものである。
ただし、第2実施形態の指紋データ合成装置1Aでは、指紋データ抽出部10により抽出された各特徴点に対し、それが正しい特徴点である程度(再現性の程度)を示す特徴点信頼度が定義されており、この特徴点信頼度を求める特徴点信頼度算出部60が新たにそなえられるとともに、その値に従って特徴点データの合成を行なう指紋データ合成部40Aが、第1実施形態の指紋データ合成部40に代えてそなえられている。
ここで、特徴点信頼度算出部60は、指紋データ記憶部20に記憶された複数の指紋データにおける各特徴点の信頼度を算出するものであり、例えば以下の項目(b1)〜(b4)のデータのうちの少なくとも一つを指紋データから得て、そのデータに基づいて特徴点信頼度を算出する。
(b1)各特徴点の方向と隆線の方向との差
(b2)各特徴点から近辺の他の特徴点までの隆線長または距離
(b3)各特徴点から近辺の隆線までの距離
(b4)各特徴点と近辺の他の特徴点との位置関係(各特徴点近辺での他の特徴点の発生パターン)
なお、これら項目(b1)〜(b4)のデータに基づく特徴点信頼度算出部60による具体的な特徴点信頼度の算出手法については、図12〜図16を参照しながら後述する。
そして、指紋データ合成部40Aは、共通特徴点探索部30で探索された共通特徴点の中の一つを選択する際に、特徴点信頼度算出部60によって特徴点毎に算出された信頼度を参照し、信頼度の最も高いものを優先的に選択・使用して合成指紋データを作成するものである。
次に、図11に示すフローチャート(ステップS11〜S15)を参照しながら、第2実施形態の指紋データ合成手順について説明する。
まず、指紋スキャナ2により同じ指について採取された複数の指紋画像は、それぞれ、指紋データ抽出部10に入力され、この指紋データ抽出部10により、各指紋画像から、特徴点(端点,分岐点),指紋隆線方向,特徴点間距離,特徴点間隆線長や、指紋特徴点間の隆線本数を含む関係情報などが抽出されて、指紋データが作成される(ステップS11)。指紋画像毎に作成された指紋データは、指紋データ記憶部20に格納される。
そして、特徴点信頼度算出部60は、上述した項目(b1)〜(b4)の少なくとも一つのデータに基づいて、指紋データ記憶部20に格納されている全ての指紋データにおける、各特徴点の信頼度を算出する(ステップS12)。
また、第1実施形態のステップS2と同様、共通特徴点探索部30により、指紋データ記憶部20に格納されている複数の指紋データの相互間での特徴点の対応関係が調査される(ステップS13)。
共通特徴点探索部30により、2以上の指紋データに共通に含まれている同一の特徴点を、共通特徴点として調査・抽出した場合、第2実施形態の指紋データ合成装置1Aにおいては、指紋データ合成部40Aにより、共通特徴点探索部30で得られた共通特徴点情報(もしくは指紋中心)と特徴点信頼度算出部60によって特徴点毎に算出された信頼度とに基づいて、特徴点が重複しないように特徴点データをまとめ、一つの合成指紋データが作成される(ステップS14)。つまり、信頼度の最も高いものが、共通特徴点探索部30で探索された共通特徴点の中から優先的に選択され、合成指紋データが作成される。
なお、指紋の採取位置によっては、ある一つの指紋データだけに含まれ他の指紋データには含まれていない特徴点が存在する場合もある。そのような場合、指紋データ合成部40Aも、第1実施形態と同様、その特徴点が正しい特徴点としての条件を満たしていれば、その特徴点に関する情報を、合成指紋データに含ませる。
そして、最後に、第1実施形態と同様、指紋データ合成部40Aによる合成結果(合成指紋データ)が妥当な指紋データを形成しているか否かが、検証部50により検証される(ステップS15)。
ここで、図12〜図16を参照しながら、第2実施形態での特徴点信頼度の算出手法について説明する。
図12(A)〜図12(C)はいずれも本実施形態での特徴点の方向の定義を説明するための図であり、図13は、各特徴点の方向と隆線の方向との差に基づいて特徴点信頼度を算出する手法を説明するための図である。
まず、図12(A)および図12(B)により、それぞれ端点および分岐点の方向の定義について説明する。ここで、隆線全体の流れ方向(隆線方向)を、矢印D1で示す方向(図中、右方向)とする。
図12(A)に示すように、2本の隆線L1,L3の間において、特徴点p1を端点とする隆線L2が存在する場合、この特徴点p1の方向は、特徴点p1から隆線L2が発生する方向(つまり矢印d1で示す方向)と定義する。
また、図12(B)に示すように、隆線L4が特徴点(分岐点)p2で2本の隆線L41,L42に分岐する場合、この特徴点p2の方向は、特徴点p2から2本の隆線L41,L42の間を進行する方向(つまり矢印d2で示す方向)と定義する。
図12(C)を参照しながら、分岐点の方向の定義について、より詳細に説明する。図12(C)に示すように、隆線L41,L42,L4上において、分岐点p2から等しい隆線長だけ離れた点をそれぞれa,b,cとする。特徴点p2から点a,b,cへのベクトルをそれぞれVa,Vb,Vcとする。これらのベクトルVa,Vb,Vcのうち、方向の差が最も小さくなる2つのベクトルを抽出し、これら2つのベクトルの平均を求め、その平均結果のベクトルの方向を分岐点p2の方向と定義する。つまり、図12(C)では、ベクトルVaとVbとの平均(Va+Vb)/2であるベクトルVdの方向が分岐点p2の方向となる。この図12(C)のベクトルVdが図12(B)のベクトルd2である。
図12(A)や図12(B)に示すように特徴点の方向を定義した場合、基本的に、特徴点の方向と隆線方向とはほぼ同一方向(ほぼ平行)になる。
しかし、例えば、隆線構造の解析に失敗したり隆線構造が網目状に検出されたりして、大量の誤特徴点が発生した場合(図3や図4の領域AR1,AR2内を参照)、特徴点の方向と隆線方向とは一致しなくなる。
例えば図13に示すように、隆線構造が網目状に検出された場合、複数の特徴点(いずれも分岐点)p11〜p13およびp21〜p23の方向は、それぞれ矢印d11〜d13およびd21〜d23で示すようになり、いずれも、図12(B)に示す例に比べて、隆線方向D1に対して平行ではなくなっている。
なお、図13において、L6〜L8,L71〜L76はいずれも隆線を示すものであるが、これらのうち隆線L71〜L76は、隆線L7と隆線L8との間に分岐によって生じた網目状のものである。
つまり、注目特徴点の方向と隆線の流れる方向とを比較し、その差が大きいほど、その注目特徴点の信頼度は低く、誤特徴点である可能性が高いものと判断することができる。
そこで、特徴点信頼度を、例えば下式(1)のごとく、注目特徴点の向き(単位ベクトル)と隆線の流れる向き(単位ベクトル)との差が大きいほど小さい値になるように定義することにより、図13に示すように誤特徴点である可能性の高い特徴点p11〜p13やp21〜p23の信頼度が低く設定され、その特徴点が指紋データ合成部40Aによって選択される順位を低くすることができる。
〔特徴点信頼度〕=k*|V1・V2| (1)
ここで、|x|はxの絶対値、kは正の比例定数、V1は注目特徴点の方向を示す単位ベクトル、V2は隆線の流れる向き(隆線方向)を示す単位ベクトル、V1・V2は単位ベクトルV1とV2との内積である。このとき、注目特徴点の方向が隆線方向の向きに対して平行になる場合(V1=V2またはV1=−V2)、(1)式によって定義される特徴点信頼度は最大値kとなる。また、注目特徴点の方向と隆線方向とが直交する場合、(1)式によって定義される特徴点信頼度は最小値0となる。
図14は、各特徴点から近辺の他の特徴点までの隆線長または距離に基づいて特徴点信頼度を算出する手法を説明するための図である。
通常の指紋では、特徴点が小領域に大量に発生することはない。他の特徴点との距離が短い特徴点が大量に発生している場合は、その特徴点の信頼度は低く、誤特徴点である可能性が高いものと判断することができる。
そこで、小領域にこのような特徴点が大量に発生しているかどうかの指標値を特徴点信頼度に用いることができる。例えば、特徴点信頼度を、下式(2)のごとく定義することにより、小領域に大量に発生している特徴点の信頼度が低く設定され、その特徴点がデータ合成部40Aによって選択される順位を低くすることができる。
〔特徴点信頼度〕=−k*N1/N2 (2)
ここで、kは比例定数、N1は、注目特徴点から所定の半径以内の領域にある特徴点のうち、隣接する他の特徴点との距離が全て所定の値以下の特徴点の数であり、N2は、注目特徴点から所定の半径以内の領域にある特徴点の総数である。
例えば図14に示すように、注目特徴点Pc0から所定の半径r0以内の領域にある特徴点の総数N2は10であり、これら10個の特徴点のうち、隣接する他の特徴点との距離が全て所定の値以下の特徴点は、誤特徴点として図示されたものであり、その数N1は7である。従って、(2)式による特徴点信頼度は、−k*(7/10)=−0.7*kとなる。
なお、上述した例では、注目特徴点と他の特徴点との距離に基づいて特徴点の数N1を求めているが、注目特徴点から隆線を介した他の特徴点までの隆線長に基づいて特徴点の数N1を求めてもよい。
図15(A)および図15(B)は、いずれも各特徴点から近辺の隆線までの距離に基づいて特徴点信頼度を算出する手法を説明するための図である。
指紋画像における隆線画像に、何らかの要因によって細長い亀裂が入ると、誤特徴点が発生する。
例えば図15(A)では、3本の隆線画像L10,L20,L30が図示されているが、これらのうち真ん中の隆線画像L20に、細長い亀裂NL1が入ったために、細長い髭状のラインLn0が生じている。
このような指紋画像について隆線構造解析および特徴点抽出を行なうと、例えば図15(B)に示すように、3本の隆線画像L10,L20,L30にそれぞれ対応する3本の隆線L11,L21,L31が抽出されるとともに、髭状のラインLn0に対応した隆線Ln1も抽出されてしまう。この隆線Ln1の一端は端点Pe1であり、他端は隆線L21からの分岐点Pe2であり、これらの端点Pe1および分岐点Pe2は、いずれも誤特徴点である。つまり、亀裂NL1が原因で誤特徴点が発生している。
このような誤特徴点(端点Pe1)は、その近辺の隆線までの距離を調べることで認識することができる。つまり、注目特徴点から近辺の隆線までの距離が指紋全体に見られる隆線の間隔よりも小さい場合、その注目特徴点の信頼度は低く、誤特徴点である可能性が高いものと判断することができる。
そこで、特徴点信頼度を、例えば下式(3)のごとく、注目特徴点からその近辺の隆線までの最短距離に比例する値として定義することにより、指紋画像の亀裂等によって発生した特徴点の信頼度が低く設定され、その特徴点がデータ合成部40Aによって選択される順位を低くすることができる。
〔特徴点信頼度〕=k*D (3)
ここで、kは比例定数、Dは注目特徴点からその近辺の隆線までの最短距離である。
例えば図15(B)において特徴点(端点)Pe1を注目特徴点とした場合、この特徴点Pe1から隆線L21までの最短距離がDとして求められ、特徴点信頼度が算出される。その最短距離Dは、隆線L11,L21,L31の間隔に比べて明らかに小さく、特徴点Pe1についての信頼度は小さくなる。従って、特徴点Pe1がデータ合成部40Aによって選択される順位が低くなる。
図16(A)〜図16(C)は、いずれも各特徴点と近辺の他の特徴点との位置関係(各特徴点近辺での他の特徴点の発生パターン)に基づいて特徴点信頼度を算出する手法を説明するための図である。
指に切り傷等の傷を負うと、指紋の隆線には亀裂が発生する。従って、例えば図16(A)に示すように、隆線画像L10,L20,L30が、亀裂NL2により分断される。
このような指紋画像から特徴点抽出を行なうと、図16(B)に示すように、隆線L11上に端点p01,p10が発生し、隆線L21上に端点p02,p20が発生し、隆線L31上に端点p03,p30が発生する。そして、端点p01,p02,p03はほぼ一列に並んで発生するとともに、端点p10,p20,p30はほぼ一列に並んで発生する。このように、傷や皺等による誤特徴点は一列に並んで発生する。
従って、注目特徴点が列を形成して発生している場合は、その注目特徴点の信頼度は低く、誤特徴点である可能性が高いものと判断することができる。
そこで、注目特徴点とその近辺にある他の二つの特徴点を結んだ直線の傾きが等しいもしくはほぼ等しい場合に、その注目特徴点の信頼度が小さくなるように特徴点信頼度を定義する。
つまり、例えば下式(4)のごとく、特徴点信頼度を、注目特徴点と他の二つの特徴点とを結んだ直線の傾きの差の絶対値に比例する値として設定する。
〔特徴点信頼度〕=k*|b/a−d/c| (4)
ここで、kは比例定数、図16(C)に示すように、b/aは注目特徴点p20と他の特徴点p30とを結んだ直線の傾きを表し、d/cは注目特徴点p20と他の特徴点p10とを結んだ直線の傾きを表すものである。
これにより、図16(C)に示すような特徴点p01〜p03やp10〜p30の信頼度が低く設定され、その特徴点が指紋データ合成部40Aによって選択される順位を低くすることができる。
なお、特徴点信頼度算出部60は、上述した(1)〜(4)式のうちの一つだけを用いて特徴点信頼度を算出してもよいし、(1)〜(4)式のうちの2以上を用いて特徴点信頼度をそれぞれ算出し、算出された信頼度の合計値を最終的な特徴点信頼度として算出してもよい。
このように、本発明の第2実施形態としての指紋データ合成装置1Aによれば、第1実施形態と同様の作用効果が得られるほか、各特徴点の信頼度を特徴点信頼度算出部60で算出し、その信頼度に応じて、指紋データ合成部40Aが、共通特徴点を代表する特徴点を選択することにより、合成指紋データを成す特徴点として、信頼性の高いものを容易に選択できる。
従って、誤特徴点(信頼性の低い特徴点)が排除され、正特徴点(信頼性の高い特徴点)のみによって合成指紋データが再構成されるので、信頼性の高い合成指紋データを容易に作成することができ、ひいては、指紋による個人確認を行なうシステムにおいて、より高い照合性能を実現することができる。
〔3〕第3実施形態の説明
図17は本発明の第3実施形態としての指紋データ合成装置の機能構成を示すブロック図であり、この図17に示す第3実施形態の指紋データ合成装置1Bは、第1実施形態と同様の指紋データ抽出部10,指紋データ記憶部20および検証部50を有するほか、特徴点ラベル割り当て部70,指紋データ照合部80,特徴点信頼度算出部60B,共通特徴点データ記憶部90および指紋データ合成部40Bを有して構成されている。なお、既述の符号と同一の符号は同一もしくはほぼ同一の部分を示しているので、その説明は省略する。
ここで、本実施形態の指紋データ合成装置1Bも、第1実施形態の指紋データ合成装置1と同様、CPU,RAM,ROMなどをバスラインにより接続して構成される、パソコン等のコンピュータシステムにより実現されるものである。
そして、指紋データ合成装置1Bにおける指紋データ合成部40B,特徴点信頼度60B,特徴点ラベル割り当て部70および指紋データ照合部80としての機能も、上述した第1実施形態の指紋データ抽出部10,共通特徴点探索部30,指紋データ合成部40および検証部50と同様、記録媒体に格納されたアプリケーションプログラムをCPU等で実行することにより実現される。また、RAMやROMが、共通特徴点データ記憶部90としての機能を果たす。
さて、図17に示す第3実施形態の指紋データ合成装置1Bも、第1実施形態と同様、指紋を用いて個人確認を行なうシステムにおいて実際に個人認証を行なう際に使用される照合用指紋データ(登録指紋データ)を、指紋スキャナ2からの複数の指紋画像から合成・作成するためのものである。
ただし、第3実施形態の指紋データ合成装置1Bでは、指紋データ抽出部10により抽出された複数の特徴点どうしを照合する指紋データ照合部80が新たにそなえられほか、この指紋データ照合部80による照合結果に基づいて特徴点信頼度(後述する照合一致評価値)を算出する特徴点信頼度算出部60Bが、第2実施形態の特徴点信頼度算出部60に代えてそなえられ、さらに、特徴点信頼度算出部60Bによる算出結果に従って特徴点データの合成を行なう指紋データ合成部40Bが、第2実施形態の指紋データ合成部40Aに代えてそなえられている。
ここで、特徴点ラベル割り当て部70は、指紋データ記憶部20に記憶された複数の指紋データにおける各特徴点に対し、唯一の特徴点ラベル(識別子)を割り当てるほか、指紋データ照合部80による照合の結果、2以上の指紋データに同一の特徴点が共通に含まれることを認識した場合、その同一の特徴点に対し、同一の共通特徴点ラベル(合成特徴点ラベルと呼ぶ場合もある)を割り当てるものである。
指紋データ照合部80は、前述した通り、指紋データ記憶部20に記憶された複数の指紋データどうしを照合し、個々の特徴点の照合一致状況を出力するものであり、第1実施形態や第2実施形態における共通特徴点探索部30としての機能を兼ねている。
特徴点信頼度算出部60Bは、図18を参照しながら後述するごとく、指紋データ照合部80による照合結果(各特徴点の照合一致状況)に基づいて、複数の指紋データにおける特徴点毎に、各特徴点の照合一致可能性を評価する照合一致評価値を特徴点信頼度として算出するものであり、例えば以下の項目(c1)〜(c3)のうちの少なくとも一つのデータを照合結果から得て、そのデータに基づいて、特徴点信頼度としての照合一致評価値を算出する。
(c1)照合対象の二つの特徴点について位置,種類(端点または分岐点)および方向を指紋データ照合部80により照合した結果のうちの少なくとも一つ。
(c2)照合対象の二つの特徴点について、各照合対象特徴点と他の特徴点との関係情報を指紋データ照合部80により照合した結果。ここで、関係情報としては、他の特徴点の位置,種類および方向のうちの少なくとも一つを用いてもよいし、各照合対象特徴点から他の特徴点までの隆線の本数を用いてもよいし、各照合対象特徴点から隆線を介した他の特徴点までの接続パターンを用いてもよいし、各照合対象特徴点から他の特徴点までの距離を用いてもよいし、各照合対象特徴点から他の特徴点までの隆線長を用いてもよい。
(c3)各特徴点の照合一致回数をそのまま照合一致評価値として用いる。
さらに、特徴点信頼度算出部60Bは、図27を参照しながら後述するごとく、各特徴点の信頼度を、近辺の他の特徴点の信頼度に基づいて修正する機能も有している。
また、共通特徴点データ記憶部90は、共通特徴点の特徴点ラベルと、その特徴点ラベルを特徴点ラベル割り当て部70によって割り当てられた特徴点についての信頼度(特徴点信頼度算出部60Bによる算出結果)と、その信頼度を求めたときの指紋データ番号(指紋データを特定する番号)とを対応させて記憶するものである。
そして、第3実施形態の指紋データ合成部40Bは、特徴点信頼度算出部60Bによる算出結果に従って特徴点データの合成を行なうもので、合成指紋データ作成部41,位置合わせ用特徴点探索部42および合成指紋データ記憶部43をそなえて構成されている。
合成指紋データ作成部41は、図19を参照しながら後述するごとく、指紋データ記憶部20に保存される指紋データと共通特徴点データ記憶部90に保存される共通特徴点データとに基づいて、合成すべき特徴点を選択し、合成指紋データを作成するものである。
位置合わせ用特徴点探索部42は、図19を参照しながら後述するごとく、合成指紋データ作成部41が、合成指紋データに、新たに選択された特徴点データを追加する際に、その特徴点データの合成指紋データ内での位置合わせを行なうための、位置合わせ用特徴点を探索するものである。
つまり、指紋データ合成部40Bにおいて合成指紋データを作成する際には、位置合わせ用特徴点探索部42が、作成中の合成指紋データに含まれる特徴点の中から適当な特徴点を選択し、その特徴点を基準にして、合成指紋データを成す特徴点相互の位置合わせを行なっている〔図32(A)および図32(B)参照〕。
なお、位置合わせのための基準としては、上述したような特徴点以外に、複数の指紋データに共通に含まれている特徴点〔図31(A)および図31(B)参照〕や、指紋画像から求められる指紋中心〔図30(A)および図30(B)参照〕を用いてもよい。
合成指紋データ記憶部43は、合成指紋データ作成部41によって作成された合成指紋データを記憶するものである。
また、指紋データ合成部40Bは、図29(A)〜図29(D)を参照しながら後述するごとく、指紋データ照合部80による各特徴点と他の特徴点との関係情報の照合結果を参照し、信頼度の高い関係情報を収集して合成関係情報を作成し、その合成関係情報を、合成指紋データを成す特徴点の関係情報として、その合成指紋データに含ませる機能も有している。
次に、図18および図19に示すフローチャート(ステップS21〜S43)を参照しながら、第3実施形態の指紋データ合成手順について説明する。
まず、指紋スキャナ2により同じ指について採取された複数の指紋画像は、それぞれ、指紋データ抽出部10に入力され、この指紋データ抽出部10により、各指紋画像から、特徴点(端点,分岐点),指紋隆線方向,特徴点間距離,特徴点間隆線長や、各照合対象特徴点から隆線を介した他の特徴点までの接続パターンや、指紋特徴点間の隆線本数を含む関係情報などが抽出されて、指紋データが作成される(ステップS21)。指紋画像毎に作成された指紋データは、指紋データ記憶部20に格納される。
指紋データ記憶部20に格納された全ての指紋データの各特徴点には、特徴点ラベル割り当て部70により、共通特徴点を探索する準備として、重複しないように特徴点ラベルが割り当てられる(ステップS22)。なお、以下、合成すべき複数(n個)の指紋データを、それぞれ、Fi(i=1,…,n:iは指紋データ番号)として扱う。
また、共通特徴点データ記憶部90上に、共通特徴点の特徴点ラベルと、その特徴点ラベルを特徴点ラベル割り当て部70によって割り当てられた特徴点についての信頼度と、その信頼度を求めたときの指紋データ番号とを対応させて保存するための共通特徴点リストLを用意する(ステップS23)。
そして、指紋データ照合部80は、指紋データFiの組(Fp,Fq)を作りながら(ステップS24)、全ての指紋データの組合わせについて(ステップS33でYES判定となるまで)、指紋照合処理を実行する。ただし、p,qはいずれも1以上n以下の自然数で、p≠qである。
つまり、指紋データ照合部80は、まず、指紋データFpとFqとの照合を行ない、これらの指紋データFp,Fqにおける特徴点の照合関係(対応関係)を調べ(ステップS25)、その結果を特徴点ラベル割り当て部70および特徴点信頼度算出部60Bに通知する。
指紋データ照合部80による照合の結果、2以上の指紋データに同一の特徴点が共通に含まれることを認識した場合、その同一の特徴点に対し、特徴点ラベル割り当て部70は、同一の共通特徴点ラベルを生成して割り当てる。また、特徴点ラベル割り当て部70は、同一特徴点だと判定された特徴点の特徴点ラベルを共通特徴点データ記憶部90に通知する。
また、特徴点信頼度算出部60Bは、特徴点の照合一致関係からその特徴点の特徴点信頼度を求め、共通特徴点データ記憶部90に通知する。共通特徴点データ記憶部90は、受信した共通特徴点のラベルと、特徴点信頼度と、その特徴点信頼度をもつ特徴点の指紋データ番号とを組として記憶する。
さらに、特徴点信頼度算出部60Bは、上述した項目(c1)〜(c3)のうちの少なくとも一つのデータを照合結果から得て、そのデータに基づいて、特徴点信頼度としての照合一致評価値を算出する。その算出手法の詳細については、図20(A)〜図27を参照しながら後述する。
このとき、指紋データ照合部80は、指紋データFp,Fqから、照合一致した特徴点の組を一つ取り上げ(ステップS26)、どちらか一方の特徴点ラベルが合成特徴点ラベル(共通特徴点ラベル)であるか否かを判定する(ステップS27)。
どちらか一方の特徴点ラベルが合成特徴点ラベル(共通特徴点ラベル)である場合(ステップS27からYESルート)、合成特徴点ラベルではない方の特徴点ラベルを合成特徴点ラベルに変更してから(ステップS28)、既に共通特徴点リストLに保存されている合成特徴点ラベルの信頼度と、指紋データFp,Fqから取り上げられた2つの特徴点の信頼度とのうち一番高いものを選択し、選択された信頼度と、その信頼度をもつ特徴点が抽出された指紋データの番号とを共通特徴点リストLに登録し直す(ステップS29)。
一方、指紋データFp,Fqから取り上げられた2つの特徴点の特徴点ラベルが両方とも合成特徴点ラベルではない場合(ステップS27からNOルート)、特徴点ラベル割り当て部70により、新規に合成特徴点ラベルを生成し、これら2つの特徴点の特徴点ラベルを、その合成特徴点ラベルに変更してから(ステップS30)、共通特徴点リストLに、変更後の特徴点ラベルと、2つの特徴点の信頼度のうち高い方の信頼度と、選択された信頼度をもつ特徴点が抽出された指紋データの番号とを新たに追加する(ステップS31)。
上述したステップS26〜S31の処理は、ステップS32でYES判定となるまで繰り返し実行され、指紋データFp,Fqについて照合した全ての特徴点に対して実行される。そして、ステップS24〜S32の指紋照合処理は、ステップS33でYES判定となるまで繰り返し実行され、全ての指紋データの組み合わせに対して実行される。これにより、全ての指紋データにおける全特徴点に関して、共通特徴点の調査、および、特徴点信頼度の計算が行なわれ、その結果は、共通特徴点データ記憶部90の共通特徴点リストLに保存される。
なお、本実施形態では、ステップS25において、Fpを登録側指紋データとしFqを入力側指紋データとして、指紋データFpとFqとの照合が行なわれる。このようにFpを登録側指紋データとしFqを入力側指紋データとして照合を行なった場合と、Fqを登録側指紋データとしFpを入力側指紋データとして照合を行なった場合とでは、異なる照合結果が得られ、各特徴点の信頼度も異なってくる。従って、本実施形態では、ステップS24において、2つの指紋データの組(Fp,Fq)を順列で作成し、(Fp,Fq)と(Fq,Fp)とのいずれに対してもステップS25〜S31の処理が実行されるようになっている。
ついで、上述のごとく得られた共通特徴点リストLに基づいて、指紋データ合成部40Bが、図19に示すステップS34〜S42の指紋合成処理を行なう。
合成指紋データ記憶部43に、合成指紋データRを格納するための空領域を確保しておいてから(ステップS34)、合成指紋データ作成部41は、共通特徴点データ記憶部90から共通特徴点の特徴点ラベル,その共通特徴点の信頼度および指紋データ番号を受信する。
まず、合成指紋データ記憶部43(合成指紋データR用の領域)に特徴点が一つもない場合、合成指紋データ作成部41は、共通特徴点リストLの共通特徴点中で、信頼度の最も高い特徴点Iを探索し(ステップS35)、その特徴点Iを無条件で合成指紋データ記憶部43に合成指紋データRとして登録する(ステップS36)。
その後、合成指紋データ記憶部43(合成指紋データR用の領域)に既に特徴点が記憶されている場合、合成指紋データ作成部41は、次に合成すべき特徴点データを選択し(ステップS37)、位置合わせ用特徴点探索部42に、その特徴点の属する指紋データの番号を通知して位置合わせ用特徴点を探索するように命令する。ここで、合成指紋データ作成部41は、共通特徴点リストLに登録された共通特徴点ラベルの一つであるMを選択するものとする。また、その共通特徴点ラベルMを割り当てられた特徴点をP、この特徴点Pの属する指紋データの番号をNとする。
合成指紋データ作成部41からの命令を受けた位置合わせ用特徴点探索部42は、合成指紋データRに既に登録された特徴点のうちで、指紋データFN内にも共通に存在する特徴点Cを、位置合わせ用特徴点として探索する(ステップS38)。つまり、位置合わせ用特徴点探索部42は、合成すべき特徴点Pの存在する指紋データFNに含まれる特徴点と、合成指紋データ記憶部43に既に登録されている特徴点データとで共有される特徴点Cが存在するか否かを探索する。
上述のような特徴点Cが存在しない場合(ステップS39からNOルート)には、後述するステップS42へ移行する一方、特徴点Cが存在する場合(ステップS39からYESルート)、位置合わせ用特徴点探索部42は、その探索結果(特徴点Cの情報)を合成指紋データ作成部41に返す。
そして、合成指紋データ作成部41は、探索された特徴点Cを用いて、指紋データFNと合成指紋データRとの位置合わせを行なった後(ステップS40)、合成すべき特徴点Pの特徴点データを、合成指紋データ記憶部43における合成指紋データRに追加・記憶する(ステップS41)。なお、ステップS40での具体的な位置合わせ手法については、図32(A)および図32(B)を参照しながら説明する。
上述したステップS37〜S41の処理は、ステップS42でYES判定となるまで繰り返し実行されて、共通特徴点リストLに登録された全ての共通特徴点に対して実行され、これにより、全ての共通点特徴点に対する指紋合成処理を終了する。
そして、最後に、第1実施形態と同様、指紋データ合成部40Bによる合成結果(合成指紋データR)が妥当な指紋データを形成しているか否かが、検証部50により検証される(ステップS43)。
次に、図20(A)〜図33を参照しながら、第3実施形態の指紋データ合成手順について、より詳細に説明する。
なお、図20(A)〜図26(C)はいずれも本実施形態での特徴点信頼度(照合一致評価値)の算出手法を説明するための図、図27は本実施形態での特徴点信頼度の修正手法を説明するための図、図28は本実施形態での指紋データの合成結果の例を説明するための図、図29(A)〜図29(D)はいずれも本実施形態での特徴点の合成関係情報の作成手法を説明するための図、図30(A)〜図32(B)はいずれも本実施形態での特徴点の位置合わせ手法を説明するための図、図33は本実施形態での指紋データ照合手法の変形例を説明するためのフローチャートである。
さて、前述した第2実施形態での特徴点信頼度の算出手法では、ある指紋データにおける各特徴点の信頼度は、その指紋データ内の情報だけに基づいて算出されている。つまり、第2実施形態では、隆線構造の形状のみに基づいて特徴点信頼度が算出されている。このような第2実施形態の手法とは異なるアプローチで指紋データに含まれている特徴点が正しいかどうかを確実に知る手法として、同一の指紋であるとわかっている指紋データどうしを照合し、特徴点どうしが正しく照合一致するかを確認する手法がある。第3実施形態では、このような手法を採用することにより、第2実施形態よりも精度の良い特徴点信頼度の算出を可能にしている。
まず、特徴点どうしの照合について説明する。
先に述べたように、特徴点データには、特徴点の位置,種類,方向を含む特徴点基本データと他の特徴点との関係を表した特徴点関係データとの二つがある。特徴点データの照合とは、これら二つのデータの照合を行なうことを指す。
例えば、特徴点関係データが、注目特徴点から他の特徴点までの隆線の本数で表されている場合の特徴点照合を考える。
特徴点どうしの照合の具体例を、図20(A)および図20(B)により説明する。これらの図20(A)および図20(B)にそれぞれ示す、指紋データにおける特徴点Xと特徴点X'との照合を考える。ここで、特徴点Xと特徴点X'とは、それぞれ二つの指紋データに共通に含まれる共通特徴点であり、これらの特徴点X,X'の位置,種類,方向の特徴点基本データは、それぞれ、所定の範囲内で一致しているものとする。
まず、指紋中心などを用いて互いの指紋データの共通座標軸を設定してから、特徴点Xと特徴点X'とについて、特徴点関係データ(関係情報)の照合を行なう。その照合結果は、以下の通りになる。
・特徴点Xから特徴点Tまでの隆線本数と特徴点X'から特徴点Toまでの隆線本数とは一致。
・特徴点Xから特徴点Sまでの隆線本数と特徴点X'から特徴点Soまでの隆線本数とは不一致。
・特徴点Xから特徴点Qまでの隆線本数と特徴点X'から特徴点Qoまでの隆線本数とは一致。
・特徴点Xから特徴点Pまでの隆線本数と特徴点X'から特徴点Poまでの隆線本数とは一致。
つまり、関係情報の4分の3については照合一致し、残りの4分の1については照合不一致となっている。
ここでは、照合した二つの指紋データは、予め同じ指から得られたものであることが分かっているので、本来はこれらの特徴点関係データの全てが一致しなければならない。
しかし、先に説明したように、実際には指紋画像の採取の度に、汗や乾燥などの指の状態や、指紋スキャナ2(指紋入力領域100)に対する指の置き方が異なるために、同じ指でも得られる指紋画像が異なってしまう。そのような複数の指紋画像から特徴点抽出をそれぞれ行なうので、全く同じ指紋データが得られるとは限らず、上述のごとく照合を行なって完全一致しない場合がある。
皺や傷の形状,皮膚の柔らかさなどが指の各部分で異なるので、指紋データとして抽出した特徴点の中には、比較的再現性の良い特徴点もあれば、再現性の悪い特徴点もある。再現性の良い特徴点(信頼度の高い特徴点)だけを集めて指紋データを作成すれば、当然、指紋照合の性能が向上する。
再現性の良い特徴点とは、即ち、照合一致しやすい特徴点なので、第3実施形態の特徴点信頼度算出部60Bは、特徴点データの照合結果に基づいて、以下のようにして特徴点信頼度(照合一致評価値)を導くことができる。
特徴点信頼度(照合一致評価値)の第1の算出手法では、特徴点信頼度を特徴点の位置,種類,方向の特徴点基本データの照合結果から導く。
つまり、二つの指紋データを照合し、照合一致した特徴点のみを特徴点信頼度の計算対象とする。この場合、特徴点信頼度を例えば次式(5)のように定義することにより、特徴点の種類が異なる場合には、その特徴点の信頼度は最も低く設定され(−∞)、特徴点の種類が一致している場合には、位置および方向の誤差が小さい程、信頼度が高く設定される。
〔特徴点信頼度〕=−{k1*E1+k2*E2}(δ=1のとき)
=−∞(δ=0のとき) (5)
ここで、δは、特徴点の種類が一致した時に1、それ以外の時に0に設定される値である。また、k1,k2は定数、E1は特徴点位置の誤差、E2は特徴点方向の誤差である。従って、注目特徴点の種類,位置,方向の全てが一致した場合、(5)式によって定義される特徴点信頼度は最大値0となる。
特徴点信頼度(照合一致評価値)の第2の算出手法では、特徴点信頼度を特徴点の関係情報の照合結果から導く。
特徴点関係データの照合結果を確認することで、注目特徴点と周りに存在する特徴点との関係の再現性を確認することができる。特徴点関係データは、隆線構造を表現したものであるので、特徴点の照合に関して大きな判断材料になる。つまり、特徴点関係データの照合は、隆線構造の照合をしていることになるので、照合条件が特徴点基本データの照合よりも厳しい。従って、特徴点の抽出が不安定であると(即ち特徴点に再現性がないと)、特徴点関係データの照合結果は顕著に悪くなる。特徴点関係データの照合結果を用いれば、特徴点の再現性をよく示した特徴点信頼度を求めることができる。
以下に、上述のごとく、特徴点信頼度を特徴点の関係情報の照合結果から導く手法について、図20〜図22を参照しながら説明する。
まず、特徴点関係データを注目特徴点近傍の他の特徴点の位置,種類,方向とし、これらを照合した場合について説明する。ここでは、図20(A)および図20(B)にそれぞれ示す、指紋データにおける特徴点Xと特徴点X'とについて、照合を行なったものとする。
以下の説明文中において、「同じ」とは、特徴点どうしが位置,種類および方向について所定の範囲内で一致するということを意味する。ここで、「特徴点どうしが位置,種類および方向について所定の範囲内で一致する」という表現は、2つの特徴点の種類が必ずしも一致していなくても、これら2つの特徴点の位置や方向が所定の条件を満たしていれば、これら2つの特徴点が同じものであると見なす場合があることを示唆している。さらに、「近傍特徴点」は、注目特徴点Xを中心とし所定の半径を有する円領域内に存在する特徴点として定義される。
このときの照合結果は、以下のようになる。
・特徴点Xの近傍特徴点である特徴点Tと同じ位置,種類,方向の特徴点(To)が特徴点X'にもある。
・特徴点Xの近傍特徴点である特徴点Sと同じ位置,種類,方向の特徴点が特徴点X'にはない。
・特徴点Xの近傍特徴点である特徴点Rと同じ位置,種類,方向の特徴点が特徴点X'にはない。
・特徴点Xの近傍特徴点である特徴点Qと同じ位置,種類,方向の特徴点(Qo)が特徴点X'にもある。
・特徴点Xの近傍特徴点である特徴点Pと同じ位置,種類,方向の特徴点(Po)が特徴点X'にもある。
即ち、関係情報の5分の3については照合一致し、残りの5分の2については照合不一致となっている。
周りの特徴点の再現性の程度は、複数存在する近傍特徴点との関係データの照合一致程度を見ればわかる。従って、注目特徴点の特徴点信頼度を、例えば次式(6)のごとく近傍特徴点関係データの一致率として定義することにより、一致率が高い程、信頼度が高く設定されることになる。
〔特徴点信頼度〕=N3/N4 (6)
ここで、N3は、一致した近傍特徴点関係データの数であり、N4は、近傍特徴点関係データの総数である。従って、図20(A)および図20(B)に示す例では、特徴点信頼度は、3/5=0.6となる。
ついで、特徴点関係データを、注目特徴点から他の特徴点までの隆線の本数とし、その本数を照合した場合について説明する。ここでは、図21(A)および図21(B)にそれぞれ示す、指紋データにおける特徴点Xと特徴点X'とについて、照合を行なったものとする。このときの照合結果は、以下のようになる。
・特徴点Xから特徴点Tまでの隆線本数と特徴点X'から特徴点T'までの隆線本数とは一致。
・特徴点Xから特徴点Sまでの隆線本数と特徴点X'から特徴点S'までの隆線本数とは不一致。
・特徴点Xから特徴点Qまでの隆線本数と特徴点X'から特徴点Q'までの隆線本数とは一致。
・特徴点Xから特徴点Pまでの隆線本数と特徴点X'から特徴点P'までの隆線本数とは不一致。
即ち、関係情報の半分については照合一致し、残りの半分については照合不一致となっている。
このように、ある一つの特徴点についての特徴点データには、近傍の複数の特徴点に関する隆線本数関係データが含まれている。特徴点関係データを照合するということは、各隆線本数関係データを照合していることにほかならない。隆線構造の再現性の程度は、複数ある隆線本数関係データの照合する程度を見ればわかる。従って、特徴点信頼度を、例えば次式(7)のごとく隆線本数関係データの一致率として定義することにより、一致率が高い程、信頼度が高く設定されることになる。
〔特徴点信頼度〕=N5/N6 (7)
ここで、N5は、一致した隆線本数関係データの数であり、N6は、隆線本数関係データの総数である。従って、図21(A)および図21(B)に示す例では、特徴点信頼度は、2/4=0.5となる。
次に、特徴点関係データを、注目特徴点から隆線を介した他の特徴点までの隆線接続関係データ(接続パターン)とし、その隆線接続関係データを照合した場合について説明する。ここでは、図22(A)および図22(B)にそれぞれ示す、指紋データにおける特徴点Xと特徴点X'とについて、照合を行なったものとする。このときの照合結果は、以下のようになる。
・特徴点Xの左2本隣の隆線上には、特徴点Sがある。特徴点X'の左2本隣の隆線上には、特徴点はない。従って、特徴点X,X'の左2本隣の隆線に関する隆線接続関係データは一致しない。
・特徴点Xの左1本隣の隆線上には、特徴点Rがある。特徴点X'の左1本隣の隆線上には、特徴点R'がある。従って、特徴点X,X'の左1本隣の隆線に関する隆線接続関係データは一致する。
・特徴点Xの存在する隆線上には、特徴点はない。特徴点X'の同じ隆線上には、特徴点R'がある。従って、特徴点X,X'の存在する隆線に関する隆線接続関係データは一致しない。
・特徴点Xの右1本隣の隆線上には、特徴点Qがある。特徴点X'の右1本隣の隆線上には、特徴点Q'がある。従って、特徴点X,X'の右1本隣の隆線に関する隆線接続関係データは一致する。
・特徴点Xの右2本隣の隆線上には、特徴点Pがある。特徴点X'の右2本隣の隆線上には、特徴点はない。従って、特徴点X,X'の右2本隣の隆線に関する隆線接続関係データは一致しない。
即ち、5個ある隆線接続関係データのうち、2個は照合一致し、残りの3個は照合一致しない。
このようにして特徴点Xの周辺の隆線構造を照合することができる。
従って、特徴点信頼度を、例えば次式(8)のごとく隆線接続関係データの一致率として定義することにより、一致率が高い程、信頼度が高く設定されることになる。
〔特徴点信頼度〕=N7/N8 (8)
ここで、N7は、照合一致した隆線接続関係データの数であり、N8は、特徴点Xのもっている隆線接続関係データの総数である。従って、図22(A)および図22(B)に示す例では、特徴点信頼度は、2/5=0.4となる。
特徴点信頼度(照合一致評価値)の第3の算出手法では、複数の指紋データを互いに照合させ、個々の特徴点の照合一致回数に基づいて、特徴点信頼度を求める。
予め同じ指だと分かっている複数の指紋データを互いに照合し、順次、一致した特徴点を記録していく。そして、一致と判定された回数の多さを、特徴点の信頼度として定義する。
例えば、図23(A)〜図23(C)に示すような3つの指紋データF1,F2,F3を用いて、特徴点信頼度を求める場合について説明する。以下に、一致と判定された回数を数える手順を説明する。
まず、指紋データF1と指紋データF2とを照合させ、以下の結果を得る。
・特徴点Aと特徴点aとは同一。
・特徴点Cと特徴点bとは同一。
・特徴点Dと特徴点cとは同一。
・特徴点Eと特徴点dとは同一。
同一特徴点には同一のラベル(共通特徴点ラベル)を割り当てる。特徴点ラベルと照合一致した回数を数字で表すと、指紋データF1〜F3はそれぞれ図24(A)〜図24(C)に示すようになる。
次に、指紋データF1と指紋データF3とを照合し、次の結果を得る。
・特徴点Aと特徴点αとは同一。
・特徴点Bと特徴点βとは同一。
・特徴点Cと特徴点γとは同一。
・特徴点Dと特徴点δとは同一。
再び、同一特徴点には同一のラベル(共通特徴点ラベル)を割り当て、特徴点ラベルと照合一致した回数を数字で表すと、指紋データF1〜F3はそれぞれ図25(A)〜図25(C)に示すようになる。
さらに、同様に、指紋データF2と指紋データF3とを照合し、ラベリングし直すと、指紋データF1〜F3はそれぞれ図26(A)〜図26(C)に示すようになる。最終的に図26(A)〜図26(C)に示すごとく得られた照合回数が各特徴点の信頼度となる。照合一致した回数を数えるということは、同じ特徴点データの発生頻度を数えていることにほかならない。
ところで、上述したような各種算出手法で、注目特徴点について特徴点信頼度を算出した後、その注目特徴点の周りに誤特徴点が大量に発生していると分かった場合、たとえ注目特徴点の信頼度が高くても、その注目特徴点自体も誤特徴点である確率が高い。
例えば図27に示す特徴点Pcは、その方向が隆線の流れている方向に平行であり、他の特徴点Peとの距離が一定以上ある。このような場合、第2実施形態の手法で算出される信頼度は高くなる可能性がある。しかし、特徴点Pcの周りにある特徴点Peはほとんど誤特徴点であり、それを考慮すると自分自身が正特徴点である確率は低い。
そこで、第3実施形態の特徴点信頼度算出部60Bは、例えば下式(9)のような演算を行なうことにより、周囲に信頼度の低い特徴点が多く存在する場合には、既に算出された特徴点信頼度を下げるように修正する。
〔修正後の特徴点信頼度〕=〔修正前の特徴点信頼度〕*K (9)
ここで、Kは、注目特徴点の周囲に存在する特定の他の特徴点のうち、所定値以上の信頼度をもつものの割合である。なお、「特定の他の特徴点」とは、例えば、特徴点から所定の半径以内の領域にある他の特徴点や、隆線を介してつながっている他の特徴点などである。
従って、「特定の他の特徴点」の全てが、所定値以上の信頼度をもっている場合にはK=1となり、特徴点信頼度は修正されないが、「特定の他の特徴点」の全てが、所定値よりも小さい信頼度をもっている場合にはK=0となり、特徴点信頼度は0となる。ただし、上式(9)は、〔修正前の特徴点信頼度〕が常に正値である場合に有効である。〔修正前の特徴点信頼度〕が負値になる場合には、上記割合Kに反比例する値を、〔修正前の特徴点信頼度〕から減算する。
さて、次に、上述のようにして照合結果から算出された特徴点信頼度(照合一致評価値)に基づいて複数の指紋データを一つにまとめる手法(指紋合成処理)の変形例について説明する。
まず、それぞれの指紋データに存在する特徴点の一致関係(同一特徴点の関係)を調べる。その一致関係は、互いに二つの指紋データを照合し、各特徴点の照合一致結果に基づいて求められる。具体的な手法は、図23〜図26を参照しながら説明した手法と同様である。
ついで、特徴点の信頼度の高いものを選択し、それを使って一つの指紋データを作成する。例えば、図26(A)〜図26(C)に示すように得られた3つの指紋データF1〜F3を合成すると、図28に示すような、一つの合成指紋データRが作成される。
なお、図28において、共通特徴点ラベルを示すアルファベットに付された下線の種類は、特徴点データが合成前のどの指紋データに属するものであるかを示している。つまり、下線を付されていない特徴点データは、指紋データF1に属していたものであり、一重の下線を付された特徴点データは、指紋データF2に属していたものであり、二重の下線を付された特徴点データは、指紋データF3に属していたものであることを示している。
具体的な特徴点データの合成手順について、図33に示すフローチャート(ステップS51〜S58)に従って説明する。
なお、この図33に示す合成手順は、図18および図19において説明した合成手順とは若干異なるもので、本実施形態での指紋データ照合手法の変形例である。
まず、特徴点データ合成後の指紋データRを格納するための空領域を用意する(ステップS51)。
指紋画像に写っている指紋の位置は、指紋画像を採取する度に異なるので、単純に複数の指紋データ間で座標を比較できない。そこで、次に、全指紋データに共通の座標軸を設定する(ステップS52)。その共通の座標軸の原点は、指紋中心を用いたり特定の特徴点を用いたりする。また、全指紋データに共通の座標軸を設定することなく特徴点の位置合わせを行なうこともできる。なお、特徴点の位置合わせ手法(位置合わせ用の基準を決定する手法)の詳細については、図30〜図32を参照しながら後述する。
次に、全ての指紋データを互いに照合し、指紋特徴点の対応関係を調べ、同一の特徴点には、同一のラベルを割り当てる。例えば、同一の特徴点には、同一の共通特徴点ラベルAi(i=1〜n)をラベリングする(ステップS53)。
そして、特徴点ラベル毎に、以下のような指紋合成の処理(ステップS54〜S58)を行なっていく。
まず、全ての特徴点について合成処理を行なったか否かを判断し(ステップS54)、行なった場合(YESルート)には、処理を終了する。
未処理の特徴点が存在する場合(ステップS54からNOルート)には、合成処理対象となる未処理の特徴点ラベルAiを一つ選択し(ステップS55)、そのラベルAiを割り当てられた特徴点の中から、最も高い信頼度をもつ特徴点を探索し、その信頼度をAi(max)とする(ステップS56)。
そして、その信頼度Ai(max)が所定の数値を超える場合(ステップS57からYESルート)、合成指紋データRにその特徴点データ(特徴点基本データと特徴点関係データ)を登録してから(ステップS58)、ステップS54に戻る。また、信頼度Ai(max)が所定の基準を満たさない場合、つまり、所定の数値以下である場合(ステップS57からNOルート)には、その特徴点データは、合成指紋データRへの登録・合成の対象から除外し、ステップS54に戻る。
このような処理が、他の指紋データにおける特徴点と照合一致した全ての特徴点について実行されると、指紋合成処理は完了する(ステップS54からYESルート)。
一方、指紋データ合成部40Bにより特徴点を合成する際には、特徴点関係データの照合結果から、信頼のできる特徴点関係データを選択し、特徴点データ自体を再作成することもできる。つまり、指紋データ合成部40Bが、指紋データ照合部80による各特徴点と他の特徴点との関係情報の照合結果を参照し、信頼度の高い関係情報(特徴点関係データ)を収集して合成関係情報を作成し、その合成関係情報を、合成指紋データを成す特徴点の関係情報として採用する。
例えば図29(A)〜図29(D)に示すような4つの特徴点データが抽出されている場合、これらの特徴点データの照合関係は、次のようになる。
・特徴点Xと特徴点Tとの間にある隆線の本数は、2本のものが4個ある。
・特徴点Xと特徴点Sとの間にある隆線の本数は、1本のものが1個、2本のものが3個ある。
・特徴点Xと特徴点Rとの間にある隆線の本数は、1本のものが1個、0本のものが3個ある。
・特徴点Xと特徴点Qとの間にある隆線の本数は、0本のものが4個ある。
・特徴点Xと特徴点Pとの間にある隆線の本数は、1本のものが1個、2本のものが3個ある。
このように特徴点関係データにも再現性がある。そこで、特徴点の合成を行なう際に、上述のごとく各特徴点関係データの発生頻度を数え、その発生頻度の高いものを用いて特徴点関係データを作成しても、信頼性の高い特徴点データを作成することができる。図29(A)〜図29(D)に示す例について、特徴点関係データを再構成すると以下のようになる。
・特徴点Xと特徴点Tとの間にある隆線の本数は、2本である。
・特徴点Xと特徴点Sとの間にある隆線の本数は、2本である。
・特徴点Xと特徴点Rとの間にある隆線の本数は、0本である。
・特徴点Xと特徴点Qとの間にある隆線の本数は、0本である。
・特徴点Xと特徴点Pとの間にある隆線の本数は、2本である。
さて、指紋データ合成部40Bにより指紋合成を行なう際には、合成すべき複数の指紋データ間で共通の座標軸を設定しなければならない。その際、例えば図31(A)および図31(B)に示すように、全ての指紋データに共通の特徴点P01,P02がそれぞれ含まれている場合には、その特徴点を基準(原点)として用い、全ての指紋データに共通の座標軸x,yを設定する。また、合成すべき指紋データの数がN(Nは3以上の自然数)で全ての指紋データに共通の特徴点P01〜P0Nがそれぞれ含まれている場合には、その特徴点(P01〜P0N)を基準(原点)として用い、全ての指紋データに共通の座標軸x,yを設定する。このようにして設定した原点および座標軸x,yに基づいて、合成指紋データを成す特徴点相互の位置合わせを行なう。
なお、共通の原点となる特徴点は、再現性のある安定した特徴点でなければならないので、合成すべき全ての指紋データに共通に存在する特徴点がいくつもある場合は、そのうち、特徴点信頼度の一番高いものを選択する。
また、図30(A)および図30(B)に示すように、全ての指紋データに共通の基準(原点)として、指紋画像から求められる指紋中心を用いてもよい。その際、指紋中心としては、例えば、隆線の中で曲率の最も大きくなる点L01,L02が算出・選択する。そして、この指紋中心を原点とする座標軸x,yに基づいて、合成指紋データを成す特徴点相互の位置合わせを行なう。
上述した手法では、特徴点の合成を行なう際に、合成すべき全ての指紋データに共通の座標軸を設定している。しかし、合成すべき指紋データが、特徴点の存在範囲の偏ったものばかりであるときは、全ての指紋データに共通の座標軸を設定できない場合がある。
そこで、そのような場合には、指紋特徴点を合成する度に共通の座標軸を設定するようにする。つまり、作成中の合成指紋データに含まれる特徴点の中から選択した特徴点を基準にして、合成指紋データを成す特徴点相互の位置合わせを行なう。
例えば図32(A)および図32(B)に示すように、作成中の合成指紋データをRとし、合成すべき特徴点データを指紋データFNの特徴点Pとし、この特徴点Pを指紋データRに合成する場合を考える。その合成手順は、図19のステップS38〜S42で説明した通りである。
つまり、まず、合成指紋データRの中から位置合わせに用いる特徴点Cを探す。位置合わせに用いる特徴点は、合成指紋データRと指紋データFNとの両方に共通に存在する特徴点でなければならない。合成指紋データRに既に登録された特徴点と同一特徴点(既に特徴点の対応関係は調査済み)を指紋データFNから探索する。もし、同一特徴点が発見されない場合は、合成指紋データRと指紋データFNとの位置合わせはできないので、特徴点Pの合成は不可能として、特徴点Pについての処理を終了する。
一方、合成指紋データRと指紋データFNとの間で同一の特徴点、例えば図32(A)および図32(B)に示す例では特徴点Cが発見された場合には、その特徴点Cを用いて位置合わせを行なう。位置合わせを行なった後は、指紋データFNの特徴点Pの特徴点データを合成指紋データRに含め、特徴点合成を終了する。
このように、本発明の第3実施形態としての指紋データ合成装置1Bによれば、複数の指紋データどうしを照合し、その照合結果に基づいた照合一致評価値を各特徴点の信頼度として算出することにより、指紋の照合アルゴリズムを反映した信頼度を算出することができる。このような信頼度に基づいて特徴点を選択して合成指紋データを作成すれば、明らかに指紋照合性能が向上することになる。
また、例えば(5)〜(8)式を用い、特徴点信頼度としての照合一致評価値を特徴点データの照合結果や照合一致回数から導くと、再現性の良い特徴点と再現性の悪い特徴点とで照合一致評価値の差が顕著に表われることになるため、誤特徴点を判定しやすくなり、より容易かつ確実に、信頼度の高い合成指紋データを作成することができる。
さらに、ある注目特徴点について、近辺に誤特徴点が多数存在するにもかかわらず、偶然、高い信頼度が算出された場合、その注目特徴点は、誤特徴点である確率が高いので、選択対象から排除されることが望ましい。そこで、例えば(9)式を用い、特徴点の信頼度を、その特徴点近辺の他の特徴点の信頼度に応じて修正することにより、近辺の特徴点の信頼度がその特徴点の信頼度に反映され、誤特徴点である確率の高い特徴点を選択対象から排除できるので、より確実に、信頼度の高い合成指紋データを作成することができる。
また、各特徴点と他の特徴点との関係情報の照合結果を参照し、信頼度の高い特徴点関係データを収集して作成した合成関係情報を、合成指紋データを成す特徴点の関係情報とすることにより、合成指紋データを成す特徴点の関係情報を、信頼性の高いものに修正することができ、より確実に、信頼度の高い合成指紋データを作成することができる。
位置合わせに際して、複数の指紋データに共通に含まれている特徴点や、指紋画像から求められる指紋中心を基準とすることにより、複数の指紋データから選択された特徴点を容易に位置合わせすることができ、合成指紋データを容易かつ確実に作成することができる。
また、位置合わせに際して、作成中の合成指紋データに既に含まれている特徴点の中から適宜選択した特徴点を基準とすれば、複数の指紋データがそれぞれ少しずつ異なる領域の特徴点を含むものであっても、選択された特徴点を容易に位置合わせすることができ、合成指紋データを容易かつ確実に作成することができる。
〔4〕その他
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上述した実施形態では、生体特徴データが指紋データである場合について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば、掌紋,指形,掌形,音声,網膜,虹彩,顔画像,動的署名,血管パターン,キーストローク等の生体情報を用いて個人確認を行なうシステムにおいて生体特徴データを作成する際にも適用され、上述した実施形態と同様の作用効果が得られる。
その際には、同一の生体から得られた複数の生体情報のそれぞれから特徴要素を抽出することによりその特徴点についての情報を含む生体特徴データを前記生体情報毎に作成し、複数の生体特徴データの相互間で特徴要素の対応関係を調査することにより2以上の生体特徴データに共通に含まれる同一の特徴要素を共通特徴要素として探索し、その共通特徴要素の中の一つを共通特徴要素を代表する特徴要素として選択することにより複数の生体特徴データを一つに合成して合成生体特徴データを作成し、その後、合成生体特徴データの妥当性を検証する。
これにより、複数の生体情報のそれぞれから特徴要素を抽出し、抽出された特徴要素を合成して一つの合成生体特徴データを作成している。これにより、信頼性の高い特徴要素を用いて合成生体特徴データを作成することができる。
従って、生体情報から正確に抽出された正しい特徴要素を含む生体特徴データを作成することができ、生体情報による個人確認を行なうシステムにおいて、高い照合性能を実現することができる。
また、採取領域の異なる複数の生体情報から、広範囲の特徴要素を正確に抽出して生体特徴データを作成することができるので、上記システムにおいて安定した照合性能を実現することができる。
さらに、合成生体特徴データが妥当なものであるか否かを検証するので、合成結果が生体特徴データとして妥当なものだけを用いることができ、より信頼性の高い生体特徴データを用いて生体情報の認証が行なわれ、より高い照合性能を実現することが可能になる。
1,1A,1B 指紋データ合成装置
2 指紋スキャナ
10 指紋データ抽出部
20 指紋データ記憶部
30 共通特徴点探索部
40,40A,40B 指紋データ合成部
41 合成指紋データ作成部
42 位置合わせ用特徴点探索部
43 合成指紋データ記憶部
50 検証部
60,60B 特徴点信頼度算出部
70 特徴点ラベル割り当て部
80 指紋データ照合部(共通特徴点探索部)
90 共通特徴点データ記憶部
100 指紋入力領域

Claims (6)

  1. 複数の指紋画像のそれぞれから特徴点を抽出し、抽出された該特徴点に関する情報を特徴点データとし、前記指紋画像毎に該特徴点データを含む指紋データを作成する指紋データ抽出部と、
    複数の該指紋データを合成して合成指紋データを作成する指紋データ合成部と、
    該合成指紋データが所定の類型に合致する場合に前記指紋データの合成が妥当であると判断する検証を、該合成指紋データの特徴点の個数が所定の範囲内であることと、該合成指紋データの特徴点が所定の領域内に存在することと、該合成指紋データの特徴点が指紋中心付近で1つのグループをなして存在することと、該合成指紋データの特徴点の関係情報が合成指紋データにおける他の特徴点の関係情報と整合がとれていることのいずれかを含む前記所定の類型について行なう検証部とをそなえて構成されたことを特徴とする、指紋データ合成装置。
  2. 該検証部が、前記妥当性を有する指紋データの類型に該合成指紋データが合致する度合いを表す評価値を該合成指紋データに基づいて算出し、該評価値を該指紋合成データが前記類型に合致しない場合に小さくし、該評価値が所定値以上である場合に、該指紋データ合成部による指紋データの合成を妥当と判断することを特徴とする、請求項記載の指紋データ合成装置。
  3. 該検証部が、前記妥当性を有する指紋データの類型のうち2つ以上の類型について該指紋合成データが合致するかを判断する場合に、それぞれの類型との合致度合いに基づいた評価値の合計値が所定の範囲内である場合に該指紋データ合成部による指紋データの合成が妥当であると判断することを特徴とする、請求項記載の指紋データ合成装置。
  4. 該指紋データ合成部が該合成指紋データを作成する際、該複数の指紋データに共通に含まれている特徴点を基準にして、該合成指紋データを成す特徴点相互の位置合わせを行なうことを特徴とする、請求項〜請求項のいずれか一項に記載の指紋データ合成装置。
  5. 該指紋データ合成部が該合成指紋データを作成する際、該指紋画像から求められる指紋中心を基準にして、該合成指紋データを成す特徴点相互の位置合わせを行なうことを特徴とする、請求項〜請求項のいずれか一項に記載の指紋データ合成装置。
  6. 該指紋データ合成部が該合成指紋データを作成する際、作成中の該合成指紋データに含まれる特徴点の中から選択した特徴点を基準にして、該合成指紋データを成す特徴点相互の位置合わせを行なうことを特徴とする、請求項〜請求項のいずれか一項に記載の指紋データ合成装置。
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