JP2001342965A - 密閉式ポンプ装置 - Google Patents

密閉式ポンプ装置

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JP2001342965A JP2000162599A JP2000162599A JP2001342965A JP 2001342965 A JP2001342965 A JP 2001342965A JP 2000162599 A JP2000162599 A JP 2000162599A JP 2000162599 A JP2000162599 A JP 2000162599A JP 2001342965 A JP2001342965 A JP 2001342965A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の密閉式ポンプ装置としてベローズ式ポ
ンプが知られているが、ベローズの疲労による破損を防
ぐために伸縮量を大きくとることができず、体格が大き
くなる不具合があった。 【解決手段】 密閉式ポンプ装置は、シリンダ3の両側
に配置した第1、第2ベローズ9、10の伸縮による容
積変化によってピストン4を往復駆動し、そのピストン
4の両側に形成される第1、第2ポンプ室11、12の
容積変化によって、作動流体の吸引と圧送を行うもので
ある。この構成を採用することにより、ベローズの1回
の伸縮で、作動流体を2回連続吸引するとともに、作動
流体を2回連続吐出する。これによって、従来に比較し
てポンプ能力が高くなり、密閉式ポンプ装置の体格を小
型化できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外部との遮断性に
優れた密閉式ポンプ装置に関するものであり、可燃性流
体や毒性流体に用いて好適な技術である。
【0002】
【従来の技術】密閉式ポンプ装置として、特開平10−
148258号公報に開示されたベローズ式ポンプが知
られている。この密閉式ポンプ装置は、密閉構造のベロ
ーズの内部をポンプ室として利用するものであり、ベロ
ーズの伸縮による容積変化を利用して作動流体の吸入お
よび吐出を行うものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の密閉式
ポンプ装置(ベローズ式ポンプ)では、伸縮に伴う内部
応力によってベローズに疲労が蓄積して破損する課題が
ある。この課題を解決する手段として、前記応力がベロ
ーズの疲労限界以下となる範囲で伸縮させる必要があ
る。つまり、ベローズの全長に対して伸縮量を大きくと
ることができず、密閉式ポンプ装置の体格が大きくなっ
てしまう。本発明の目的は、ポンプ能力を高めること
で、密閉式ポンプ装置の体格を小型化することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】〔請求項1の手段〕請求
項1の手段を採用することにより、一方のベローズが縮
む際(この時、他方のベローズが伸びる)、ピストンに
よって区画されたシリンダ内における一方側のポンプ室
が作動流体の吸引を行い、他方側のポンプ室が作動流体
の吐出を行う。続いて、一方のベローズが伸びる際(こ
の時、他方のベローズが縮む)、ピストンによって区画
されたシリンダ内における一方側のポンプ室が作動流体
の吐出を行い、他方側のポンプ室が作動流体の吸引を行
う。つまり、ベローズの1回の伸縮で、作動流体を2回
連続吸引するとともに、作動流体を2回連続吐出する。
このため、請求項1にかかる密閉式ポンプ装置は、従来
に比較してポンプ能力が高く、密閉式ポンプ装置の体格
を従来に比較して小型化することができる。
【0005】〔請求項2の手段〕請求項2の手段を採用
して、ベローズを伸縮させる手段を具備する密閉式ポン
プ装置を用いても良い。
【0006】〔請求項3の手段〕請求項3の手段を採用
して、カム手段およびこのカム手段を駆動するモータを
包含する変換手段を用いても良い。
【0007】〔請求項4の手段〕請求項4の手段を採用
しても、上記で示した請求項1の手段と同様の効果を得
ることができる。つまり、請求項4の手段を採用するこ
とにより、ベローズの1回の伸縮で、作動流体を2回連
続吸引するとともに、作動流体を2回連続吐出する。こ
のため、請求項4にかかる密閉式ポンプ装置は、従来に
比較してポンプ能力が高く、密閉式ポンプ装置の体格を
従来に比較して小型化することができる。
【0008】〔請求項5の手段〕請求項5の手段は、請
求項4の発明を具体的に開示したものである。請求項5
の手段を採用することにより、第1ベローズが縮む際
(この時、第2ベローズが伸びる)、ピストンによって
区画されたシリンダ内における第1ベローズ側のポンプ
室が作動流体の吸引を行い、第2ベローズ側のポンプ室
が作動流体の吐出を行う。続いて、第1ベローズが伸び
る際(この時、第2ベローズが縮む)、ピストンによっ
て区画されたシリンダ内における第1ベローズ側のポン
プ室が作動流体の吐出を行い、第2ベローズ側のポンプ
室が作動流体の吸引を行う。つまり、ベローズの1回の
伸縮で、作動流体を2回連続吸引するとともに、作動流
体を2回連続吐出する。このため、従来に比較してポン
プ能力が高く、密閉式ポンプ装置の体格を従来に比較し
て小型化することができる。
【0009】〔請求項6の手段〕請求項6の手段を採用
することにより、2つのベローズ内における容積変化を
確実にピストンに伝えることができ、ピストンの往復駆
動を効率的に行うことができる。
【0010】〔請求項7の手段〕請求項7の手段を採用
することにより、軸部材がシリンダ内のポンプ室とは異
なる側に摺動する際に、楔溝内の非圧縮流体がベローズ
内に戻される。このため、ベローズ内に封入された非圧
縮流体がポンプ室内に流入して作動流体に混入する不具
合を抑えることができる。
【0011】〔請求項8の手段〕請求項8の手段を採用
することにより、軸部材と軸受部材の間から非圧縮流体
がシリンダ内のポンプ室側へ例え漏れたとしても、その
漏れた非圧縮流体は、小径のベローズによって内部に封
入される。このため、ベローズ内に封入された非圧縮流
体がポンプ室内に流入して作動流体に混入する不具合を
確実になくすことができる。
【0012】〔請求項9の手段〕請求項9の手段を採用
することにより、シリンダの内部でピストンが摺動しな
いため、摺動によって発生する摺動粉が作動流体に混入
する不具合がない。
【0013】〔請求項10の手段〕請求項10の手段を
採用することにより、シリンダ内においてピストンの両
側に形成される2つのポンプ室間の圧力が、ピストンの
外周面に設けた溝によって分断されるため、2つのポン
プ室間の圧力差が確保でき、2つのポンプ室間における
流体の内部漏れを抑えることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、複数の実
施例および変形例を用いて説明する。 〔第1実施例〕図1は密閉式ポンプ装置の断面図であ
る。この密閉式ポンプ装置は、大別して、ポンプユニッ
ト1と駆動機構2から構成される。なお、この実施例に
示すポンプユニット1は、例えば、水素供給用ポンプに
用いられるものであり、水素を透過せず、破毒性および
耐久性に優れた金属材料(例えばSUS3162よりな
るステンレス)によって構成されるものである。
【0015】ポンプユニット1は、筒状を呈したシリン
ダ3と、このシリンダ3内を往復動するピストン4と、
このピストン4の両側に設けられた第1、第2軸部材
5、6と、シリンダ3の端部に固定された第1、第2軸
受部材7、8と、この第1、第2軸受部材7、8の外面
に固定された第1、第2ベローズ9、10から構成され
る。
【0016】シリンダ3は、円筒形状を呈するものであ
り、その内部にはピストン4によって区画される第1、
第2ポンプ室11、12が形成されている。また、シリ
ンダ3には、第1、第2ポンプ室11、12のそれぞれ
に作動流体を導くための吸入口13、および第1、第2
ポンプ室11、12内で圧縮された作動流体をシリンダ
3の外部へ吐出するための吐出口14が設けられてい
る。吸入口13には、吸入口13に接続された流体流入
手段からシリンダ3内のみに作動流体を流す一方向弁で
ある吸入弁15(弁手段に相当する)が設けられてい
る。また、吐出口14にも、シリンダ3内から、吐出口
14に接続された流体流出手段のみに作動流体を流す一
方向弁である吐出弁16(弁手段に相当する)が設けら
れている。なお、吸入弁15および吐出弁16は、リー
ド弁あるいはチェック弁など、周知の一方向弁を用いた
ものである。
【0017】ピストン4は、シリンダ3の内部で往復動
して、ピストン4で区画される第1、第2ポンプ室1
1、12内の容積を変化させるものであり、ピストン4
の外径寸法はシリンダ3の内径寸法よりも僅か(例え
ば、10μ〜1000μほど)に小さく設けられてい
る。そして、このピストン4は、両端に設けられた第
1、第2軸部材5、6の摺動によって軸方向へ往復動自
在に支持されるものであり、ピストン4の外周面がシリ
ンダ3の内周面に摺接しないように設けられている。こ
のように設けられることにより、摺動によって発生する
摺動粉が作動流体に混入する不具合がない。
【0018】第1、第2軸部材5、6は、円柱棒状を呈
するものであり、ピストン4の両側の中心部分におい
て、ピストン4と一体、あるいはピストン4に固定され
たものである。第1、第2軸部材5、6の外周面は、第
1、第2軸受部材7、8によって軸方向へ摺動自在に支
持されるものであり、第1、第2軸部材5、6の端面
は、第1ベローズ9あるいは第2ベローズ10の伸縮に
よる容積変化に伴う圧力変化を受けるものである。
【0019】第1ベローズ9は、軸方向へ弾性的に伸縮
する蛇腹状の筒形を呈したものであり、この第1ベロー
ズ9の伸縮による容積変化を利用してピストン4を往復
駆動させるものである。第1ベローズ9は、図示左側端
部が駆動端であり、図示右側端部が固定端である。第1
ベローズ9の駆動端には、円盤状の第1キャップ17が
ろう付けや溶接等の接合技術によって接合されており、
第1キャップ17の受ける往復動によって第1ベローズ
9の駆動端が往復駆動される。第1ベローズ9の固定端
は、ろう付けや溶接等の接合技術によって第1軸受部材
7に接合されている。そして、第1ベローズ9、第1キ
ャップ17、第1軸受部材7および第1軸部材5の端面
に囲まれたスペースによって第1作動室18が形成さ
れ、その容積変化によって第1軸部材5を介してピスト
ン4を往復駆動するものである。なお、第1作動室1
8、および後述する第2作動室20の内部には、この実
施例では不活性ガスなどの圧縮性流体が封入されたもの
である。
【0020】第2ベローズ10も、第1ベローズ9と同
様、軸方向へ弾性的に伸縮する蛇腹状の筒形を呈したも
のであり、この第2ベローズ10の伸縮による容積変化
を利用してピストン4を往復駆動させるものである。第
2ベローズ10は、図示右側端部が駆動端であり、図示
左側端部が固定端である。第2ベローズ10の駆動端に
は、円盤状の第2キャップ19がろう付けや溶接等の接
合技術によって接合されており、第2キャップ19の受
ける往復動によって第2ベローズ10の駆動端が往復駆
動される。第2ベローズ10の固定端は、ろう付けや溶
接等の接合技術によって第2軸受部材8に接合されてい
る。そして、第2ベローズ10、第2キャップ19、第
2軸受部材8および第2軸部材6の端面に囲まれたスペ
ースによって第2作動室20が形成され、その容積変化
によって第2軸部材6を介してピストン4を往復駆動す
るものである。
【0021】ここで、第1キャップ17を含む第1ベロ
ーズ9、第1軸受部材7および第1軸部材5によって、
第1ベローズ9の伸縮による容積変化をピストン4の駆
動ストロークに変換する第1変換手段が構成されるもの
であり、第2キャップを含む第2ベローズ10、第2軸
受部材8および第2軸部材6によって、第2ベローズ1
0の伸縮による容積変化をピストン4の駆動ストローク
に変換する第2変換手段が構成されるものである。
【0022】第1、第2軸受部材7、8は、シリンダ3
の両端に固定されたものであり、上述したように、第1
ベローズ9あるいは第2ベローズ10の内部と、シリン
ダ3の内部とを区画するとともに、第1、第2軸部材
5、6を軸方向へ摺動自在に支持するものである。ま
た、第1、第2軸受部材7、8は、第1、第2ベローズ
9、10の内部に生じる死容積を埋め、第1、第2作動
室18、20内の圧縮比を向上させる役割を果たすもの
であり、軸受けを兼ねる円柱ボス部が死容積を埋めるよ
うに配置されている。
【0023】次に、駆動機構2を説明する。なお、ポン
プユニット1は、第1ベローズ9を圧縮することにより
第2ベローズ10が伸び、逆に第2ベローズ10を圧縮
することにより第1ベローズ9が伸びる構造であるた
め、この実施例に示す駆動機構2は、第1、第2キャッ
プ17、19を交互に押圧する第1、第2カム21、2
2(カム手段に相当する)を用いたものである。
【0024】駆動機構2は、第1、第2ベローズ9、1
0を伸縮させる手段であり、駆動力を発生させるための
電動モータ23(外部動力発生手段)を備える。この電
動モータ23の出力シャフト24の先端には、出力シャ
フト24の回転に応じて第1キャップ17を押圧する第
1カム21が取り付けられている。また、出力シャフト
24の付け根部分には、駆動プーリ25が取り付けられ
ており、タイミングベルト26を介して出力シャフト2
4の回転が従動プーリ27に伝えられる。この従動プー
リ27と一体に回転する従動シャフト28の先端には、
従動シャフト28の回転に応じて第2キャップ19を押
圧する第2カム22が取り付けられている。ここで、駆
動プーリ25と従動プーリ27の回転比は1:1であ
り、第1カム21と第2カム22が交互に第1キャップ
17と第2キャップ19を押圧するように設けられてい
る。
【0025】〔第1実施例の作動〕電動モータ23が作
動すると、出力シャフト24および従動シャフト28の
回転に伴って第1、第2カム21、22が交互に第1キ
ャップ17と第2キャップ19を押圧する。第1カム2
1が第1キャップ17を押圧して第1ベローズ9が縮む
と、第1作動室18内が圧縮され、ピストン4が図示右
側へ駆動される。すると、第1ポンプ室11の容積が拡
大し、第1ポンプ室11が作動流体の吸引を行うととも
に、第2ポンプ室12の容積が減少し、第2ポンプ室1
2が作動流体の吐出を行う。この時(ピストン4が図示
右側へ駆動された時)、第2軸部材6が第2作動室20
内を圧縮するため、第2ベローズ10が伸びる。
【0026】続いて、第2カム22が第2キャップ19
を押圧して第2ベローズ10が縮むと、第2作動室20
内が圧縮され、ピストン4が図示左側へ駆動される。す
ると、第1ポンプ室11の容積が減少し、第1ポンプ室
11が作動流体の吐出を行うとともに、第2ポンプ室1
2の容積が拡大し、第2ポンプ室12が作動流体の吸引
を行う。この時(ピストン4が図示左側へ駆動された
時)、第1軸部材5が第1作動室18内を圧縮するた
め、第1ベローズ9が伸びる。つまり、第1キャップ1
7と第2キャップ19を交互に連続して押圧駆動するこ
とで、第1ベローズ9と第2ベローズ10が交互に連続
作動し、2つの吸入口13から交互に作動流体を吸引す
るとともに、2つの吐出口14から交互に作動流体を吐
出する。
【0027】〔第1実施例の効果〕上記の実施例で示し
たように、密閉式ポンプ装置は、ベローズの1回の伸縮
で、作動流体を2回連続吸引するとともに、作動流体を
2回連続吐出する。これによって、従来のベローズ式ポ
ンプに比較してポンプ能力が高くなり、密閉式ポンプ装
置の体格を従来に比較して小型化することができる。ま
た、密閉式ポンプ装置は、ベローズの1回の伸縮で、1
80度位相のずれた作動流体の吸引を行うとともに、1
80度位相のずれた作動流体の吐出を行うものであり、
作動流体の吸引および吐出の脈動が従来よりも平均化さ
れる。さらに、密閉式ポンプ装置は、シリンダ3とピス
トン4との間に微細なクリアランスが保たれるため、第
1、第2ポンプ室11、12内に摺動部がなく、摺動に
伴う摺動粉が第1、第2ポンプ室11、12内で発生し
ない。このため、摺動粉が作動流体に混入して作動流体
を汚染する不具合がない。
【0028】〔第2実施例〕第2実施例に示すポンプユ
ニット1は、図2に示すように、第1、第2ベローズ
9、10の内部の第1、第2作動室18、20にオイル
等の非圧縮流体を充填して封入したものである。このよ
うに設けることにより、第1、第2ベローズ9、10内
の容積変化を確実にピストン4に伝えることができ、ピ
ストン4の往復駆動を効率的に行うことができる。
【0029】〔第3実施例〕第3実施例に示すポンプユ
ニット1は、図3に示すように、第1、第2軸受部材
7、8の摺動面に、第1、第2ポンプ室11、12とは
異なる側に広がる楔形状を呈した楔溝31を複数設けた
ものである。このように設けることにより、第1軸部材
5が第1ポンプ室11とは異なる側へ摺動する際、楔溝
31内に浸入した非圧縮流体が第1作動室18内に戻さ
れるため、オイル等の非圧縮流体が第1ポンプ室11内
に流入する不具合が抑制される。同様に、第2軸部材6
が第2ポンプ室12とは異なる側へ摺動する際、楔溝3
1内に浸入した非圧縮流体が第2作動室20内に戻され
るため、オイル等の非圧縮流体が第2ポンプ室12内に
流入する不具合が抑制される。このように、第1、第2
軸受部材7、8の摺動面に楔溝31を設けたことによ
り、オイル等の非圧縮流体が第1、第2ポンプ室11、
12内に流入する不具合が抑制されるため、非圧縮流体
が作動流体に混入して作動流体を汚染する不具合が抑制
される。
【0030】〔第4実施例〕第4実施例に示すポンプユ
ニット1は、図4に示すように、第1軸部材5における
ピストン4と第1軸受部材7の間が樹脂製の第1小径ベ
ローズ32に覆われて、第1軸部材5が第1ポンプ室1
1内と隔離して設けられたものであり、また、第2軸部
材6におけるピストン4と第2軸受部材8の間も樹脂製
の第2小径ベローズ33に覆われて、第2軸部材6が第
2ポンプ室12内と隔離して設けられたものである。
【0031】このように設けることにより、第1軸部材
5と第1軸受部材7の間から非圧縮流体がシリンダ3側
へ例え漏れたとしても、その漏れた非圧縮流体は、第1
小径ベローズ32によって内部に封入される。同様に、
第2軸部材6と第2軸受部材8の間から非圧縮流体がシ
リンダ3側へ例え漏れたとしても、その漏れた非圧縮流
体は、第2小径ベローズ33によって内部に封入され
る。このように、第1、第2軸部材5、6の周囲に第
1、第2小径ベローズ32、33を設けたことにより、
オイル等の非圧縮流体が第1、第2ポンプ室11、12
内に流入する不具合がなく、非圧縮流体が作動流体に混
入して作動流体を汚染する不具合を確実になくすことが
できる。
【0032】〔第5実施例〕第5実施例に示すポンプユ
ニット1は、図5に示すように、ピストン4の外周面に
は、周方向に沿う溝34が複数設けられたものである。
このように設けることにより、第1ポンプ室11の圧力
と、第2ポンプ室12の圧力差が、複数の溝34によっ
て分断されるため、第1、第2ポンプ室11、12間の
圧力差が確保でき、第1、第2ポンプ室11、12間に
おける流体の内部漏れを抑えることができる。このよう
に、第1、第2ポンプ室11、12間における流体の内
部漏れが抑えられるため、ポンプ効率を向上できる。
【0033】〔変形例〕上記の実施例では、本発明を水
素供給用ポンプに適用した例を示したが、例えば水素以
外の可燃性ガス、毒性ガス等の気体圧送用ポンプや、可
燃性液体、毒性液体等の液体圧送用ポンプに適用しても
良い。上記の実施例では、カムによって第1、第2ベロ
ーズ9、10を駆動する例を示したが、クランク等を用
いて回転運動を往復運動に変換して第1、第2ベローズ
9、10を駆動するように設けても良い。上記の実施例
では、ポンプユニット1の材質として、金属を用いた例
を示したが、ポンプユニット1の構成部材の一部、ある
いは全部を樹脂やゴムを用いて構成しても良い。つま
り、例えば、適用される作動流体に応じて、第1、第2
ベローズ9、10を樹脂やゴムを用いて構成しても良
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】密閉式ポンプ装置の断面図である(第1実施
例)。
【図2】ポンプユニットの断面図である(第2実施
例)。
【図3】ポンプユニットの断面図である(第3実施
例)。
【図4】ポンプユニットの断面図である(第4実施
例)。
【図5】ポンプユニットの断面図である(第5実施
例)。
【符号の説明】
1 ポンプユニット 2 駆動機構(ベローズを伸縮させる手段) 3 シリンダ 4 ピストン 5 第1軸部材 6 第2軸部材 7 第1軸受部材 8 第2軸受部材 9 第1ベローズ 10 第2ベローズ 11 第1ポンプ室 12 第2ポンプ室 15 吸入弁(弁手段) 16 吐出弁(弁手段) 21 第1カム(カム手段) 22 第2カム(カム手段) 23 電動モータ 31 楔溝 32 第1小径ベローズ 33 第2小径ベローズ 34 周方向に沿う溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 真船 利宏 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3H075 BB03 BB04 BB14 BB17 CC34 DA03 DA04 DA05 DB03 DB23 3H077 AA01 AA20 BB03 CC03 CC07 CC17 DD02 DD09 DD12 EE31 FF03 FF14 FF22 FF33

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに伸縮可能であって、互いに対向配置
    された2つのベローズと、 該2つのベローズの対向する間に配置されたシリンダ
    と、 該シリンダ内に配置され、該シリンダ内を往復動するこ
    とにより該シリンダ内の容積を変化させるピストンと、 前記ベローズの伸縮によるベローズ内部の容積変化を前
    記ピストンを往復動させる駆動ストロークに変換する変
    換手段と、 前記シリンダ内の容積変化により作動流体を該シリンダ
    内に吸引し、該シリンダ外へ送出する弁手段と、を具備
    したことを特徴とする密閉式ポンプ装置。
  2. 【請求項2】請求項1の密閉式ポンプ装置は、 前記2つのベローズを伸縮させる手段を具備することを
    特徴とする密閉式ポンプ装置。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2の密閉式ポンプ装
    置において、 前記変換手段は、モータと、該モータの回転力を、前記
    2つのベローズのそれぞれを伸縮させるように該ベロー
    ズを往復動させる動きに変換するカム手段と、を包含す
    ることを特徴とする密閉式ポンプ装置。
  4. 【請求項4】互いに対向配置された2つのベローズの伸
    縮による該ベローズ内部の容積変化を、シリンダ内に配
    置されたピストンの駆動ストロークとすることで該ピス
    トンを両側から往復駆動し、そのピストンの往復駆動に
    伴う前記シリンダ内の容積変化によって、作動流体の吸
    引と圧送を行う密閉式ポンプ装置。
  5. 【請求項5】請求項4の密閉式ポンプ装置は、 (a) 筒状を呈した前記シリンダと、 (b) このシリンダの内部で往復動自在に配置された前記
    ピストンと、 (c) 前記シリンダの一端側に配置され、軸方向に弾性的
    に伸縮する蛇腹状の筒形を呈した第1ベローズと、 (d) 前記シリンダの他端側に配置され、軸方向に弾性的
    に伸縮する蛇腹状の筒形を呈した第2ベローズと、 (e) 前記ピストンの両側に設けられ、前記第1ベローズ
    あるいは前記第2ベローズの伸縮による容積変化を受け
    るとともに、前記ピストンを前記シリンダ内で往復動可
    能に支持するための軸部材と、 (f) 前記シリンダの両端に設けられ、前記第1ベローズ
    あるいは前記第2ベローズの内部と前記シリンダの内部
    とを区画するとともに、前記軸部材を軸方向へ摺動自在
    に支持する軸受部材と、 (g) 前記シリンダの両側に設けられ、そのシリンダ内の
    容積変化により作動流体をこのシリンダ内のみに導く一
    方向弁である吸入弁と、 (h) 前記シリンダの両側に設けられ、そのシリンダ内の
    容積変化により作動流体をシリンダの外部のみに吐出さ
    せる一方向弁である吐出弁と、を具備したことを特徴と
    する密閉式ポンプ装置。
  6. 【請求項6】請求項5の密閉式ポンプ装置において、 前記第1ベローズおよび前記第2ベローズの内部には、
    非圧縮流体が封入されたことを特徴とする密閉式ポンプ
    装置。
  7. 【請求項7】請求項6の密閉式ポンプ装置において、 前記軸部材が軸方向へ摺動する前記軸受部材の摺動面に
    は、前記シリンダ内のポンプ室とは異なる側に広がる楔
    形状を呈した楔溝が設けられたことを特徴とする密閉式
    ポンプ装置。
  8. 【請求項8】請求項6の密閉式ポンプ装置において、 前記軸部材は、前記ピストンと前記軸受部材の間が小径
    のベローズに覆われて前記シリンダ内のポンプ室と隔離
    して設けられたことを特徴とする密閉式ポンプ装置。
  9. 【請求項9】請求項1ないし請求項8のいずれかの密閉
    式ポンプ装置において、 前記ピストンと前記シリンダとの間には、微細なクリア
    ランスが形成されていることを特徴とする密閉式ポンプ
    装置。
  10. 【請求項10】請求項1ないし請求項9のいずれかの密
    閉式ポンプ装置において、 前記ピストンの外周面には、周方向に沿う溝が設けられ
    たことを特徴とする密閉式ポンプ装置。
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