JP2001342359A - 熱可塑性樹脂組成物、その製造方法および成形品 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物、その製造方法および成形品

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JP2001342359A JP2000187098A JP2000187098A JP2001342359A JP 2001342359 A JP2001342359 A JP 2001342359A JP 2000187098 A JP2000187098 A JP 2000187098A JP 2000187098 A JP2000187098 A JP 2000187098A JP 2001342359 A JP2001342359 A JP 2001342359A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形性に優れた熱可塑性樹脂組成物、その製
造方法、および該組成物を成形してなる表面特性に優れ
た成形品を提供する。 【解決手段】 (A)熱可塑性樹脂と、(B)(B-1)分
子鎖末端にシラノール基を有するポリオルガノシロキサ
ンと、(B-2)アミド基もしくはアミノ基を有するオルガ
ノシランまたは分子鎖末端にケイ素原子に結合したアミ
ド基もしくはアミノ基を有するポリオルガノシロキサン
との縮合反応生成物からなることを特徴とする熱可塑性
樹脂組成物、加熱溶融した(A)成分中で、(B-1)成分
と(B-2)成分を縮合反応させることを特徴とする上記熱
可塑性樹脂組成物の製造方法、および、上記熱可塑性樹
脂組成物を成形してなる成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性樹脂組成
物、その製造方法および成形品に関し、詳しくは表面特
性に優れる熱可塑性樹脂組成物、その製造方法および該
組成物を成形してなる成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコーンオイルに代表されるポリジオ
ルガノシロキサンは、熱可塑性樹脂の成形性、表面潤滑
性、撥水性、離型性等を改良するための添加剤として広
く使用されている。さらに、その成形品表面へのブリー
ドによるベタツキや成形不良等を改良する目的で、シリ
コーンガムと称される可塑度が150程度の高粘度の線
状または一部分岐状のポリオルガノシロキサンをシリコ
ーンオイルと併せて使用した組成物も知られている(特
公昭57−10144号公報参照)。しかしこのような
組成物であっても、成形後の熱可塑性樹脂の表面潤滑性
は不十分であった。加えてシリコーンガムは、ウィリア
ムス可塑度の上昇に伴って流動性が極めて低くなるた
め、製造装置からの取り出しや他の製造装置への供給等
が困難であったり、また、熱可塑性樹脂中に微細に分散
させることが難しいという問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記問題
点を解決するために鋭意研究した結果、熱可塑性樹脂中
で、シラノール基含有ポリオルガノシロキサンとアミド
基もしくはアミノ基を含有する有機ケイ素化合物を縮合
反応させることにより、高いウィリアムス可塑度を有す
るオルガノポリシロキサンが熱可塑性樹脂中に微細に分
散して、優れた表面特性を有する熱可塑性樹脂が得られ
ることを見出し、本発明に到達した。即ち、本発明の目
的は、成形性に優れた熱可塑性樹脂組成物、その製造方
法、および該組成物を成形してなる表面特性に優れた成
形品を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)熱可塑
性樹脂 99.9〜20.0重量%と、
(B)(B-1)分子鎖末端にシラノール基を有するポリオ
ルガノシロキサンと、(B-2)一般式:
【化5】 (式中、R1は1価炭化水素基または水素原子であり、
2はアシル基、1価炭化水素基または水素原子であ
り、R3は1価炭化水素基である。)で表されるアミド
基もしくはアミノ基を有するオルガノシラン、または、
分子鎖末端にケイ素原子に結合した式:
【化6】 (式中、R1およびR2は前記と同じである。)で表され
るアミド基もしくはアミノ基を有するポリオルガノシロ
キサンとの縮合反応生成物0.1〜80.0重量%から
なることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物、加熱溶融し
た(A)成分中で、(B-1)成分と(B-2)成分を縮合反応さ
せることを特徴とする上記熱可塑性樹脂組成物の製造方
法、および、上記熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成
形品に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明組成物に使用される(A)
成分の熱可塑性樹脂は、成形可能な熱可塑性樹脂であれ
ばよく、特に限定されない。このような熱可塑性樹脂と
しては、ポリエチレン(PE)樹脂,低密度ポリエチレ
ン(LDPE)樹脂,高密度ポリエチレン樹脂,超高分
子量ポリエチレン(UHMPE)樹脂,ポリプロピレン
(PP)樹脂,ポリメチルペンテン樹脂(MPX),エ
チレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂,エ
チレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などのポリオレ
フィン系樹脂、ポリメチルメタアクリレート(PMM
A)樹脂などのアクリル系ビニル樹脂、ポリスチレン
(PS)樹脂,高衝撃性ポリスチレン(HIPS)樹
脂,アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(AB
S)共重合樹脂,アクリロニトリル−スチレン(AS)
共重合樹脂,アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレ
ン(AAS)共重合樹脂,アクリロニトリル−エチレン
プロピレンゴム−スチレン(AES)共重合樹脂などの
スチレン系ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂,ポリ塩化
ビニル(PVC)樹脂,ポリ塩化ビニリデン(PVD
C)樹脂,ポリビニルアルコール樹脂(PVA),ポリ
酢酸ビニル(PVAC)樹脂,ポリテトラフルオロエチ
レン樹脂(PTFE)などの他のビニル系樹脂、ポリブ
チレンテレフタレート(PBT)樹脂,ポリエチレンテ
レフタレート(PET)樹脂などのポリエステル樹脂、
ナイロン6,ナイロン66,ナイロン610,ナイロン
11,ナイロン12等のポリアミド樹脂、ポリアセター
ル(POM)等のポリオキシアルキレン樹脂、ポリカー
ボネート(PC)樹脂,変性ポリフェニレンエーテル
(変性PPE)樹脂,ポリサルフォン(PSU)樹脂,
ポリエーテルサルフォン(PES)樹脂,ポリフェニレ
ンサルファイド(PPS)樹脂,ポリアリレート(PA
R)樹脂,ポリアミドイミド(PAI)樹脂,ポリエー
テルイミド(PEI)樹脂,ポリエーテルエーテルケト
ン(PEEK)樹脂,ポリイミド(PI)樹脂,液晶ポ
リエステル(LCP)樹脂,およびこれらの共重合体が
例示される。本成分としては、このような熱可塑性樹脂
の1種類を単独で使用してもよく、2種類以上の混合物
を使用してもよい。また、上記した熱可塑性樹脂の他に
も、スチレン系,オレフィン系,エステル系,ウレタン
系,アミド系,フッ素系,塩化ビニル系などの熱可塑性
エラストマーを使用することができる。これらの中で
も、成形後の表面潤滑性の点から、ポリオレフィン系樹
脂,ポリアセタール系樹脂,ポリエスエル系樹脂また
は、オレフィン系やエステル系の熱可塑性エラストマー
が好ましい。このような本成分の形状は、通常、ペレッ
ト状または粉状である。
【0006】本発明組成物に使用される(B)成分の縮
合反応生成物は、(B-1)成分中のシラノール基と(B-2)成
分中のアミド基もしくはアミノ基とが反応してなるオル
ガノポリシロキサンである。この縮合反応生成物の25
℃におけるウィリアムス可塑度は、通常、180以上で
あり、好ましくは200以上であり、より好ましくは2
25以上であり、さらに好ましくは、250以上であ
る。尚、ウィリアムス可塑度とは、材料の流動性を表す
指標のひとつであり、一定量の材料に、一定時間、一定
荷重を加えることにより材料を変形させてその変位を測
定したものである。本発明におけるウイリアムス可塑度
は、球状の試料4.2gを2枚のセロファンにはさんで
ウイリアムス可塑度計にセットし、これに5kgの荷重
を加えて3分間経過後の厚さ(mm)を測定して、この
測定値を100倍したものである。
【0007】(B-1)成分は、シラノール基を分子鎖両末
端もしくは片末端に有するポリオルガノシロキサンであ
り、具体的には、末端がジオルガノヒドロキシシロキシ
基またはその一部がトリオルガノシロキシ基で封鎖さ
れ、主骨格が一般式:(R5 2SiO)で表されるジオル
ガノシロキサン単位で構成されるポリジオルガノシロキ
サンが挙げられる。式中、R5は置換もしくは非置換の
一価炭化水素基である。具体的には、メチル基,エチル
基,プロピル基,3,3,3-トリフルオロプロピル基,
クロロプロピル基等の置換もしくは非置換のアルキル
基;シクロペンチル基,シクロヘキシル基等の置換もし
くは非置換のシクロアルキル基;フェニル基,キシリル
基等の置換もしくは非置換のアリール基;ベンジル基,
フェネチル基,3−フェニルプロピル基等の置換もしく
は非置換のアラルキル基;ビニル基,プロペニル基,ブ
テニル基,ヘキセニル基,デセニル基等の置換もしくは
非置換のアルケニル基が例示される。1分子中のR5
同一でも異なっていてもよい。このポリオルガノシロキ
サンの分子構造は、通常、直鎖状であるが、架橋しない
範囲であれば、少量のトリオルガノシロキサン単位また
は式:SiO2で示されるシロキサン単位を主鎖の一部
に含有していてもよい。またその25℃におけるウイリ
アムス可塑度は180未満であることが好ましい。さら
に(B-1)成分は、成形時における金型汚れや成形不良防
止の点から、該ポリオルガノシロキサン中に含まれる2
00℃で10mmHg以上の蒸気圧を有する低分子量オ
ルガノシロキサンの含有量が5000ppm以下である
ことが好ましく、2000ppm以下であることがより
好ましい。このような(B-1)成分のポリオルガノシロキ
サンとしては、両末端シラノール基封鎖ジメチルポリシ
ロキサン,両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン
・メチルビニルシロキサン共重合体,両末端シラノール
基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン
共重合体,両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン
・ジフェニルシロキサン共重合体,両末端シラノール基
封鎖ジメチルシロキサン・3,3,3−トリフルオロプロ
ピル(メチル)シロキサン共重合体,両末端シラノール
基封鎖3,3,3−トリフルオロプロピル(メチル)ポリ
シロキサン,片末端シラノール基封鎖ジメチルポリシロ
キサン,片末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・
メチルビニルシロキサン共重合体,片末端シラノール基
封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共
重合体,片末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・
ジフェニルシロキサン共重合体が例示される。これらの
ポリジオルガノシロキサンは、従来周知の方法によって
製造することができる。例えば、アルカリ触媒存在下、
シクロテトラシロキサンに重合度調節剤としてヘキサオ
ルガノジシロキサンを加えてこれらを加熱重合する方法
が挙げられる。
【0008】(B-2)成分は、一般式:
【化7】 で表されるアミド基もしくはアミノ基を有するオルガノ
シラン、または、分子鎖末端にケイ素原子に結合した
式:
【化8】 で表されるアミド基もしくはアミノ基を有するポリオル
ガノシロキサンである。上式中、R1は1価炭化水素基
または水素原子であり、1価炭化水素基として具体的に
は、メチル基,エチル基,プロピル基,3,3,3-トリ
フルオロプロピル基,クロロプロピル基等の置換もしく
は非置換のアルキル基;シクロペンチル基,シクロヘキ
シル基等の置換もしくは非置換のシクロアルキル基;フ
ェニル基,キシリル基等の置換もしくは非置換のアリー
ル基;ベンジル基,フェネチル基,3−フェニルプロピ
ル基等の置換もしくは非置換のアラルキル基;ビニル
基,プロペニル基,ブテニル基,ヘキセニル基,デセニ
ル基等の置換もしくは非置換のアルケニル基が例示され
る。R2はアシル基、1価炭化水素基または水素原子で
ある。アシル基とは、一般式:
【化9】 (式中、R4は1価炭化水素基であり、上記R1で例示し
たのと同様の基が挙げられる。)で示される基であり、
具体的には、アセチル基,プロピオニル基,ブチリル
基,ベンゾイル基が例示される。R2の1価炭化水素基
としては、上記R1で例示したのと同様の基が例示され
る。R3は1価炭化水素基であり、上記R1で例示したの
と同様の基が例示される。このような(B-2)成分のオル
ガノシランとしては、下記式で示される化合物が例示さ
れる。下式中、Meはメチル基であり、Etはエチル基
であり、Phはフェニル基である。 {(MeCO)MeN}2SiMe2 {(MeCO)EtN}2SiMe2 {(PhCO)MeN}2SiMe2 {(MeCO)EtN}{(EtCO)EtN}SiM
2 (MeHN)2SiMe2 (EtHN)2SiMe2 これらのオルガノシランは従来周知の方法で製造でき
る。
【0009】また、(B-2)成分のポリオルガノシロキサ
ンは、分子鎖末端に、ケイ素原子に結合した上記アミド
基もしくはアミノ基を有するものであり、具体的には、
分子鎖両末端または片末端にアミド基もしくはアミノ基
を有し、主骨格が一般式:(R6 2SiO)で表されるジ
オルガノシロキサン単位で構成されるポリジオルガノシ
ロキサンが挙げられる。上式中、R6は置換もしくは非
置換の1価炭化水素基であり、具体的には、メチル基,
エチル基,プロピル基,3,3,3-トリフルオロプロピ
ル基,クロロプロピル基等の置換もしくは非置換のアル
キル基;シクロペンチル基,シクロヘキシル基等の置換
もしくは非置換のシクロアルキル基;フェニル基,キシ
リル基等の置換もしくは非置換のアリール基;ビニル
基,プロペニル基,ブテニル基,ヘキセニル基,デセニ
ル基等の置換もしくは非置換のアルケニル基が例示され
る。1分子中のR6は同一でも異なっていてもよい。こ
のポリオルガノシロキサンの分子構造は、通常、直鎖状
であるが、架橋しない範囲であれば、少量のトリオルガ
ノシロキサン単位または式:SiO2で示されるシロキ
サン単位を主鎖の一部に含有していてもよい。またその
25℃における粘度は特に限定されず、例えば、100
〜100万mm2/sのものを使用することができる。
さらに(B-2)成分は、成形時における金型汚れや成形不
良防止の点から、ポリオルガノシロキサン中に含まれる
200℃で10mmHg以上の蒸気圧を有する低分子量
オルガノシロキサンの含有量が5000ppm以下であ
ることが好ましく、2000ppm以下であることがよ
り好ましい。このような(B-2)成分のポリオルガノシロ
キサンとしては、両末端アミド基封鎖ポリジメチルシロ
キサン,両末端アミド基封鎖ジメチルシロキサン・メチ
ルフェニルシロキサン共重合体,両末端アミノ基封鎖ポ
リジメチルシロキサン,片末端アミド基封鎖ポリジメチ
ルシロキサン,片末端アミド基封鎖ジメチルシロキサン
・メチルフェニルシロキサン共重合体,片末端アミノ基
封鎖ポリジメチルシロキサンが例示される。これらのポ
リジオルガノシロキサンは従来周知の方法で製造でき
る。尚、(B-2)成分として、上記したオルガノシランとポ
リオルガノシロキサンを混合して使用してもよい。
【0010】各成分の配合比率は、(A)成分と(B)
成分の合計を100重量%とした場合に、(A)成分9
9.9〜20.0重量%に対して(B)成分が0.1〜
80.0重量%となる範囲である。これは、(B)成分
が0.1重量%未満であると該成分の添加効果が発現せ
ず、また、80.0重量%を越えると(A)成分の熱可
塑性樹脂に対する(B)成分のポリオルガノシロキサン
成分の容積比が大きくなりすぎて連続相を形成し、その
結果、得られた熱可塑性樹脂組成物の成形性が低下する
ためである。特に、熱可塑性樹脂の機械強度等を保持す
るためには、(B)成分の配合比率が0.1〜20重量
%の範囲であることが好ましく、0.1〜15重量%の
範囲がより好ましく、0.1〜10重量%の範囲がさら
に好ましい。一方、(B)成分の配合比率が20重量%
を越え、かつ80重量%以下である本発明の熱可塑性樹
脂組成物は、特殊な用途を除き、一般に、マスターバッ
チとして使用される。このようなマスターバッチは、通
常、熱可塑性樹脂に希釈して使用され、特に(A)成分
との相溶性が良好である熱可塑性樹脂のマスターバッチ
として好適に使用される。このように本発明組成物をマ
スターバッチとして使用した場合にも、(B)成分の縮
合反応生成物が希釈後の熱可塑性樹脂中に微細に分散し
て、表面潤滑性に優れた成形品が得られる。また、(B-
1)成分と(B-2)成分の配合割合は、(B-1)成分中に含まれ
るシラノール基と(B-2)成分中のアミド基もしくはアミ
ノ基とのモル比が1:20〜20:1の範囲となるよう
な量が好ましく、1:10〜10:1の範囲となるよう
な量がより好ましく、1:4〜4:1の範囲となるよう
な量がさらに好ましく、1:2〜2:1の範囲となるよ
うな量が極めて好ましい。
【0011】本発明組成物は上記(A)成分の熱可塑性
樹脂と(B)成分の縮合反応生成物から構成されるもの
であるが、これらの成分に加えて、成形性、表面潤滑
性、離型性を制御したり、(B-2)成分投入時の希釈剤と
して、分子中にシラノール基やアミド基あるいはアミノ
基等のシラノール基と反応しうる有機基を含まないポリ
ジオルガノシロキサンを配合してもよい。このようなポ
リジオルガノシロキサンとしては、トリメチルシロキシ
基封鎖ポリジメチルシロキサン,トリメチルシロキシ基
封鎖ポリメチルフェニルシロキサン,トリメチルシロキ
シ基封鎖ポリジフェニルシロキサン,トリメチルシロキ
シ基封鎖3,3,3-トリフルオロプロピル(メチル)ポ
リシロキサンおよびこれらの共重合体が例示される。こ
れらのポリジオルガノシロキサンの粘度は特に限定され
ないが、成形性や表面潤滑性を制御する場合には、25
℃における粘度が1万mm2/s以上の高粘度のものが
好ましく、(B-2)成分の希釈剤として使用する場合に
は、1万mm2/s未満の低粘度のものが好ましい。さ
らに本発明組成物には、本発明の特性を損なわない範囲
であれば、フィラーや各種添加剤を配合することができ
る。フィラーとしては、ガラス繊維,炭素繊維,ガラス
クロス,炭酸カルシウム,マイカ,タルクが例示され
る。各種添加剤としては、例えば、強度改良剤,酸化防
止剤,紫外線吸収剤,耐光安定剤,耐熱安定剤,可塑
剤,発泡剤,結晶核剤,滑剤,帯電防止剤,導電性付与
剤,顔料や染料などの着色剤,相溶化剤,架橋剤,難燃
剤,防カビ剤,低収縮剤,増粘剤,離型剤,防曇剤,ブ
ルーイング剤,シランカップリング剤が挙げられる。
【0012】本発明組成物は、上記(A)成分と(B-1)
成分と(B-2)成分、必要に応じてその他の成分を添加配
合して加熱混練することにより製造される。各成分の配
合順序は特に限定されないが、加熱溶融した(A)成分
中で(B-1)成分と(B-2)成分を縮合反応させることによ
り、高分子量の(B)成分を熱可塑性樹脂中に微細に分
散させることができる。具体的には、(A)成分と(B-1)
成分を混練機に投入して加熱混練した後、(B-2)成分を
加えてさらに加熱混練する方法や、(A)成分と(B-1)
成分と(B-2)成分を同時に混練機に投入して加熱混練す
る方法が挙げられる。中でも(B-2)成分を後添加する前
者の方法が好ましい。このとき、(B-1)成分と(B-2)成分
の縮合反応によって、一般式:R12NH(式中、R1
よびR2は前記と同じである。)で表されるN,N−ジ
オルガノアミンが副生するため、加熱混練時に減圧操作
を行ってこれを除去することが好ましい。混練温度は、
(A)成分の熱可塑性樹脂の融点以上の温度であること
が必要である。例えば、(A)成分が非晶性樹脂の場合
には樹脂のガラス転移点より約100℃以上高く、か
つ、樹脂の分解温度より低いことが好ましく、(A)成
分が結晶性樹脂の場合には樹脂の融点より約30℃以上
高く、かつ、樹脂の分解温度より低いことが好ましい。
このような混練温度における混練時間は、装置の種類や
運転条件等によって異なるが、例えば、連続式の混練装
置を用いた場合には、1〜5分程度で十分である。加熱
混練操作は、バンバリーミキサー,ニーダーミキサー,
熱2ロールミル等の回分式あるいは単軸押出し機;2軸
押出し機等の連続式混合装置といった従来周知の装置に
より実施されるが、作業性や混練効率が高く、かつ、
(B)成分の縮合反応生成物をより微細に分散できるこ
とから、押出し機等の連続式混合装置を用いることが好
ましく、2軸押出し機を用いることがより好ましい。
【0013】本発明の成形品は、本発明の熱可塑性樹脂
組成物を射出成形や押出成形等の従来周知の方法によっ
て成形したものである。射出成形によって得られる本発
明の成形品は、耐傷付き性および表面潤滑性に優れるた
め、例えば、自動車の内装部品,外装部品,家電製品の
外装部品等に使用される。特に、自動車の内装部品や外
装部品として好適に使用され、中でも、ドアトリム材,
コンソールパネル,インスツルメンタルパネル等の内装
部品として有用である。また、押出成形によって得られ
る本発明の成形品は、自動車の外装部品や内装部品に好
適に使用され、特に、ウェザーストリップ等の外装部品
として有用である。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例にて詳細に説明する。
実施例および比較例中、ウィリアムス可塑度および粘度
は25℃における測定値である。実施例および比較例で
使用した各成分は、表1に記載されているポリオルガノ
シロキサンおよびオルガノシランを使用した。また、縮
合反応生成物のウィリアムス可塑度、重量平均分子量お
よび分散状態、熱可塑性樹脂組成物の成形時の金型汚れ
の有無、成形品の外観、表面潤滑性および耐スクラッチ
性は以下の方法により測定した。 ○縮合反応生成物のウィリアムス可塑度 球状の試料4.2gを2枚のセロファンにはさみ、ダイ
ヤルゲージのついたウイリアムス可塑度計[上島製作所
(株)製]にセットした。これに5kgの荷重を加えて3
分間経過後の厚さ(mm)を測定し、次式にて「ウイリ
アムス可塑度」を求めた。 ウィリアムス可塑度=試料の3分後の厚さ(mm)×10
0 ○縮合反応生成物の重量平均分子量 GPC装置[東洋ソーダ(株)製]を用い、トルエン溶媒
にて重量平均分子量を測定した。尚、重量平均分子量は
標準ポリスチレン換算値で表した。 ○縮合反応生成物の分散状態 熱可塑性樹脂組成物を液体窒素で冷却した後、破断して
その破断面をSEM−XMAにて分析し、縮合反応生成
物の分散粒子径を測定した。 ○成形時の金型汚れおよび成形品の外観 射出成形機[山城製作所(株)製]を用いて熱可塑性樹脂
組成物の円板状成形片を作成し、成形後の金型表面およ
び成形品表面の外観を目視にて観察した。尚、金型汚れ
のあったものについては、その部分をn−ヘキサンで洗
浄した。その洗浄液を採取してn−ヘキサンを揮発した
後、IRにより汚れの成分を分析した。 ○成形品の表面潤滑性 射出成形機[山城製作所(株)製]を用いて熱可塑性樹脂
組成物の円板状成形片および円筒状成形片を作成した。
得られた円板状成形片と円筒状成形片の端面間の動摩擦
係数および限界PV値をスラスト摩擦磨耗試験機[東洋
精機(株)製]を用いて測定した。このとき、摩擦面積を
2cm2とし、荷重を2kg重とした。 ○成形品の耐スクラッチ性 射出成形機を用いて熱可塑性樹脂組成物の円板状成形片
と円筒状成形片を作成した。得られた円筒状成形片の端
面にナイロン布を接着剤で貼り付け、スラスト摩擦磨耗
試験機にて円板状成形片表面と、ナイロン布を貼り付け
た円筒状成形片の端面との間で15分間摩擦試験を行っ
た。このとき、摩擦面積を2cm2とし、荷重を2kg
重とした。試験終了後、円板状成形片表面の引っ掻き傷
(摩耗痕)の有無を目視にて観察して、摩擦接触全面積
における摩耗痕発生面積の比率を測定した。摩耗痕がな
かった場合を0%とし、接触全面積が完全に摩耗してい
た場合を100%とした。
【0015】
【表1】
【0016】
【実施例1】ラボプラストミル[東洋精機(株)製]に、
ポリプロピレン(PP)樹脂[住友化学工業(株)製;商
品名ノーブレン「Y101」]と表1に示した両末端シ
ラノール基封鎖ポリジメチルシロキサンX−1を仕込
み、これらを210℃で100rpmにて加熱混合し
た。次いでこれに、表1に示した両末端アミド基封鎖ポ
リジメチルシロキサンY−2を添加して、さらに210
℃で100rpmにて加熱混合した。このときの各成分
の配合比を表2に示した。混合後、冷却して固体状の熱
可塑性樹脂組成物を取り出した。このようにして得られ
た熱可塑性樹脂組成物を射出成形機を用いて成形して、
得られた成形品の外観と表面潤滑性を測定した。成形時
の金型汚れも測定した。また、得られた熱可塑性樹脂組
成物中の縮合反応生成物の分散状態を測定した。さら
に、熱可塑性樹脂組成物をトルエンにて2時間加熱還流
することにより縮合反応生成物を抽出し、そのウイリア
ムス可塑度および重量平均分子量を測定した。これらの
結果を表3に示した。
【0017】
【実施例2】ラボプラストミル[東洋精機(株)製]に、
ポリプロピレン(PP)樹脂[住友化学工業(株)製;商
品名ノーブレン「Y101」]と表1に示した両末端シ
ラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシ
ロキサン共重合体X−2を仕込み、これらを210℃で
100rpmにて加熱混合した。次いでこれに、表1に
示したオルガノシランY−1を添加して、さらに210
℃で100rpmにて加熱混合した。このときの各成分
の配合比を表2に示した。混合後、冷却して固体状の熱
可塑性樹脂組成物を取り出した。このようにして得られ
た熱可塑性樹脂組成物を射出成形機を用いて成形して、
得られた成形品の外観と表面潤滑性を測定した。成形時
の金型汚れも測定した。また、得られた熱可塑性樹脂組
成物中の縮合反応生成物の分散状態を測定した。さら
に、熱可塑性樹脂組成物から縮合反応生成物を実施例1
と同様にして抽出して、そのウイリアムス可塑度および
重量平均分子量を測定した。これらの結果を表3に示し
た。
【0018】
【実施例3】ラボプラストミル[東洋精機(株)製]に、
ポリプロピレン(PP)樹脂[住友化学工業(株)製;商
品名ノーブレン「Y101」]と表1に示した両末端シ
ラノール基封鎖ポリジメチルシロキサンX−1を仕込
み、これらを210℃で100rpmにて加熱混合し
た。次いでこれに、表1に示した両末端アミド基封鎖ポ
リジメチルシロキサンY−2を添加して、さらに210
℃で100rpmにて加熱混合した。このときの各成分
の配合比を表2に示した。混合後、冷却して固体状の熱
可塑性樹脂組成物を取り出した。このようにして得られ
た熱可塑性樹脂組成物を射出成形機を用いて成形して、
得られた成形品の外観と表面潤滑性を測定した。成形時
の金型汚れも測定した。また、得られた熱可塑性樹脂組
成物中の縮合反応生成物の分散状態を測定した。さら
に、熱可塑性樹脂組成物から縮合反応生成物を実施例1
と同様にして抽出して、そのウイリアムス可塑度および
重量平均分子量を測定した。これらの結果を表3に示し
た。
【0019】
【実施例4】ラボプラストミル[東洋精機(株)製]に、
ポリプロピレン(PP)樹脂[住友化学工業(株)製;商
品名ノーブレン「Y101」]と表1に示した両末端シ
ラノール基封鎖ポリジメチルシロキサンX−1と両末端
アミド基封鎖ポリジメチルシロキサンY−2を同時に投
入して、これらを210℃で100rpmにて加熱混合
した。このときの各成分の配合比を表2に示した。混合
後、冷却して固体状の熱可塑性樹脂組成物を取り出し
た。このようにして得られた熱可塑性樹脂組成物を射出
成形機を用いて成形して、得られた成形品の外観と表面
潤滑性を測定した。成形時の金型汚れも測定した。ま
た、得られた熱可塑性樹脂組成物中の縮合反応生成物の
分散状態を測定した。さらに、熱可塑性樹脂組成物から
縮合反応生成物を実施例1と同様にして抽出して、その
ウイリアムス可塑度および重量平均分子量を測定した。
これらの結果を表3に示した。
【0020】
【実施例5】ラボプラストミル[東洋精機(株)製]に、
ポリプロピレン(PP)樹脂[住友化学工業(株)製;商
品名ノーブレン「Y101」]と表1に示した両末端シ
ラノール基封鎖ポリジメチルシロキサンX−1を仕込
み、これらを210℃で100rpmにて加熱混合し
た。次いでこれに、表1に示した両末端アミド基封鎖ポ
リジメチルシロキサンY−2を添加して、さらに210
℃で100rpmにて加熱混合した。このときの各成分
の配合比を表2に示した。混合後、冷却して固体状の熱
可塑性樹脂組成物を取り出した。このようにして得られ
た熱可塑性樹脂組成物を射出成形機を用いて成形して、
得られた成形品の外観と表面潤滑性を測定した。成形時
の金型汚れも測定した。また、得られた熱可塑性樹脂組
成物中の縮合反応生成物の分散状態を測定した。さら
に、熱可塑性樹脂組成物から縮合反応生成物を実施例1
と同様にして抽出して、そのウイリアムス可塑度および
重量平均分子量を測定した。これらの結果を表3に示し
た。
【0021】
【実施例6】ラボプラストミル[東洋精機(株)製]に、
ポリアセタール(POM)樹脂[旭化成工業(株)製;商
品名テナック−C「4510」]と表1に示した両末端
シラノール基封鎖ポリジメチルシロキサンX−1を仕込
み、これらを195℃で100rpmにて加熱混合し
た。次いでこれに、表1に示した両末端アミド基封鎖ポ
リジメチルシロキサンY−2を添加して、さらに195
℃で100rpmにて加熱混合した。このときの各成分
の配合比を表2に示した。混合後、冷却して固体状の熱
可塑性樹脂組成物を取り出した。このようにして得られ
た熱可塑性樹脂組成物を射出成形機を用いて成形して、
得られた成形品の外観と表面潤滑性を測定した。成形時
の金型汚れも測定した。また、得られた熱可塑性樹脂組
成物中の縮合反応生成物の分散状態を測定した。さら
に、熱可塑性樹脂組成物から縮合反応生成物を実施例1
と同様にして抽出して、そのウイリアムス可塑度および
重量平均分子量を測定した。これらの結果を表3に示し
た。
【0022】
【実施例7】ラボプラストミル[東洋精機(株)製]に、
ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂[東レ(株)
製;商品名PBT1401X04]と表1に示した両末
端シラノール基封鎖ポリジメチルシロキサンX−1を仕
込み、これらを240℃で100rpmにて加熱混合し
た。次いでこれに表1に示した両末端アミド基封鎖ポリ
ジメチルシロキサンY−2を添加して、さらに240℃
で100rpmにて加熱混合した。このときの各成分の
配合比を表2に示した。混合後、冷却して固体状の熱可
塑性樹脂組成物を取り出した。このようにして得られた
熱可塑性樹脂組成物を射出成形機を用いて成形した。得
られた成形品は均一な表面を有し、動摩擦係数は0.1
3であり、成形時の金型汚れは認められなかった。ま
た、熱可塑性樹脂組成物中の縮合反応生成物について実
施例1と同様にして測定したところ、ウイリアムス可塑
度は242であり、重量平均分子量は130万であり、
分散粒子径は5μmであった。
【0023】
【実施例8】ラボプラストミル[東洋精機(株)製]に、
オレフィン系熱可塑性エラストマー[三井化学(株)製;
商品名ミラストマー「9070N」]と表1に示した両
末端シラノール基封鎖ポリジメチルシロキサンX−1を
仕込み、これらを210℃で100rpmにて加熱混合
した。次いでこれに表1に示した両末端アミド基封鎖ポ
リジメチルシロキサンY−2を添加して、さらに210
℃で100rpmにて加熱混合した。このときの各成分
の配合比を表2に示した。混合後、冷却して固体状の熱
可塑性樹脂組成物を取り出した。このようにして得られ
た熱可塑性樹脂組成物を射出成形機を用いて成形した。
得られた成形品は均一な表面を有し、耐スクラッチ性も
10%と良好であった。また、成形時の金型汚れは認め
られなかった。さらに、熱可塑性樹脂組成物中の縮合反
応生成物について実施例1と同様にして測定したとこ
ろ、ウイリアムス可塑度は251であり、重量平均分子
量は150万であり、分散粒子径は4μmであった。
【0024】
【実施例9】ラボプラストミル[東洋精機(株)製]に、
ポリプロピレン(PP)樹脂[住友化学工業(株)製;商
品名ノーブレン「Y101」]と表1に示した両末端シ
ラノール基封鎖ポリジメチルシロキサンX−1を仕込
み、これらを210℃で100rpmにて加熱混合し
た。次いでこれに、表1に示した両末端アミド基封鎖ポ
リジメチルシロキサンY−2を添加して、さらに210
℃で100rpmにて加熱混合した。このときの各成分
の配合比を表2に示した。混合後、冷却して固体状の熱
可塑性樹脂組成物を取り出した。このようにして得られ
た熱可塑性樹脂組成物中の縮合反応生成物について実施
例1と同様にして測定したところ、ウイリアムス可塑度
は259であり、重量平均分子量は150万であり、分
散粒子径は7μmであった。次いでさらに、ラボプラス
トミルに、ポリプロピレン(PP)樹脂[住友化学工業
(株)製;商品名ノーブレン「Y101」]と、上記で得
られた熱可塑性樹脂組成物を9:1の重量比で仕込んで
加熱混錬した。混合後、冷却して固体状の熱可塑性樹脂
組成物を取り出し、射出成形機により成形した。得られ
た成形品は均一な表面を有し、動摩擦係数は0.08で
あった。また、成形時の金型汚れは認められなかった。
【0025】
【実施例10】2軸押出し機[東芝機械(株)製]の最上
流ブロックから、ポリプロピレン(PP)樹脂[住友化
学工業(株)製;商品名ノーブレン「Y101」]と表1
に示した両末端シラノール基封鎖ポリジメチルシロキサ
ンX−1を連続的に投入して加熱混練した。次いで、押
出し機の中間に位置する下流のブロックから、表1に示
した両末端アミド基封鎖ポリジメチルシロキサンY−2
を連続的に投入して、さらに加熱混練した。このときの
各成分は実施例1と同じ比率で配合した。押出し機から
吐出されたストランド(ひも)状の溶融物を水槽で冷却
した後、ペレタイザーで切断して、ペレット状の熱可塑
性樹脂組成物を得た。このようにして得られた熱可塑性
樹脂組成物を射出成形機を用いて成形した。得られた成
形品は均一な表面を有し、動摩擦係数は0.08であっ
た。また、成形時の金型汚れは認められなかった。さら
に、熱可塑性樹脂組成物中の縮合反応生成物について実
施例1と同様にして測定したところ、ウイリアムス可塑
度は251であり、重量平均分子量は150万であり、
分散粒子径は4μmであった。
【0026】
【比較例1】ラボプラストミル[東洋精機(株)製]に、
ポリプロピレン(PP)樹脂[住友化学工業(株)製;商
品名ノーブレン「Y101」]と、表1に示した両末端
トリメチルシロキシ基封鎖ポリジメチルシロキサンX−
3を95:5の重量比で仕込み、これらを210℃で1
00rpmにて加熱混合した。混合後、冷却して固体状
の熱可塑性樹脂組成物を取り出した。このようにして得
られた熱可塑性樹脂組成物を射出成形機を用いて成形し
て、得られた成形品の外観と表面潤滑性を測定した。成
形時の金型汚れも測定した。また、得られた熱可塑性樹
脂組成物中のポリジメチルシロキサンの分散状態、ウイ
リアムス可塑度および重量平均分子量を実施例1と同様
にして測定した。これらの結果を表3に示した。
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記
(A)熱可塑性樹脂と(B)(B-1)シラノール基封鎖ポ
リオルガノシロキサンと(B-2)アミド基もしくはアミノ
基を有するオルガノシランまたはポリオルガノシロキサ
ンとの縮合反応生成物からなるので作業性、成形性に優
れ、かつ、成形後は表面特性に優れた成形品が得られる
という特徴を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 67/00 C08L 67/00 83/06 83/06 83/08 83/08 Fターム(参考) 4F070 AA12 AA42 AA47 AA59 AA75 AB21 AE09 AE17 FA03 FA17 FB07 FC05 4F071 AA02 AA14 AA40 AA43 AF27 AF55 AH11 BA01 BB05 BC07 4J002 AA01W BB00W BB03W BB05W BB06W BB07W BB12W BB17W BC02W BD03W BD12W BE02W BF02W BN15W CB00W CF00W CF06W CF07W CL03W CP03X

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)熱可塑性樹脂 99.9〜
    20.0重量%と、(B)(B-1)分子鎖末端にシラノー
    ル基を有するポリオルガノシロキサンと、(B-2)一般
    式: 【化1】 (式中、R1は1価炭化水素基または水素原子であり、
    2はアシル基、1価炭化水素基または水素原子であ
    り、R3は1価炭化水素基である。)で表されるアミド
    基もしくはアミノ基を有するオルガノシラン、または、
    分子鎖末端にケイ素原子に結合した式: 【化2】 (式中、R1およびR2は前記と同じである。)で表され
    るアミド基もしくはアミノ基を有するポリオルガノシロ
    キサンとの縮合反応生成物0.1〜80.0重量%から
    なることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (B-1)成分中のシラノール基と(B-2)成分
    中のアミド基もしくはアミノ基とのモル比が、1:20
    〜20:1の範囲である請求項1に記載の熱可塑性樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】 (A)成分中で(B-1)成分と(B-2)成分を
    縮合反応させてなる請求項1または請求項2に記載の熱
    可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (A)成分の熱可塑性樹脂が、ポリオレ
    フィン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエステル樹脂お
    よびオレフィン系の熱可塑性エラストマーからなる群か
    ら選ばれる有機樹脂であることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (B)成分の縮合反応生成物の25℃に
    おけるウィリアムス可塑度が180以上である請求項1
    〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 (B-2)成分が、一般式: 【化3】 (式中、R1およびR3は前記と同じであり、R4は1価
    炭化水素基である。)で表されるアミド基を有するオル
    ガノシラン、または、分子鎖末端にケイ素原子に結合し
    た式: 【化4】 (式中、R1およびR4は前記と同じである。)で表され
    るアミド基を有するポリオルガノシロキサンである請求
    項1〜5のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 (B-1)成分および(B-2)成分のポリオルガ
    ノシロキサン中に含まれる、200℃で10mmHg以
    上の蒸気圧を有する低分子量オルガノシロキサンの含有
    量が、それぞれ5000ppm以下であることを特徴と
    する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱可塑性樹
    脂組成物。
  8. 【請求項8】 成形用である請求項1〜7のいずれか1
    項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 加熱溶融した(A)成分中で、(B-1)成
    分と(B-2)成分を縮合反応させることを特徴とする請求
    項3に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  10. 【請求項10】 混練機に(A)成分と(B-1)成分を投
    入して加熱混練した後、(B-2)成分を投入してさらに加
    熱混練することを特徴とする、請求項9に記載の熱可塑
    性樹脂組成物の製造方法。
  11. 【請求項11】 混練機として押出し機を使用して連続
    的に製造することを特徴とする請求項10に記載の熱可
    塑性樹脂組成物の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の
    熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形品。
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