JP2001338530A - ゴムコネクター用導電線およびゴムコネクター - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴムコネクターの接点部となる面に金メッキ
を施すことなく、経時変化による接触抵抗の増加のない
ゴムコネクター用導電線およびゴムコネクターを提供す
る。 【解決手段】 内部が貴金属あるいはその合金よりなる
クラッド線をゴムコネクター用導電線とする。また、該
導電線をシリコーンゴム中に設置しゴムコネクターとす
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電気・電子機器の
電気的接続に好適なゴムコネクター用導電線およびそれ
を使用したゴムコネクターに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、各種電気・電子機器の電気的
接続にシリコーンゴム中に導電線を埋め込んだあるいは
シリコーンゴムの板と板の間に導電線を設置し接着剤で
接合したゴムコネクターが使用されている。該ゴムコネ
クターの導電線の形状は、図１あるいは図２に示したよ
うに単線で直線状あるいは屈曲状のものなどがある。

【０００３】これらゴムコネクターの導電線には真鍮線
やリン青銅線などが多用されているが、その接点部とな
る面は保管中あるいは使用中に酸化や腐食により経時的
に接触抵抗が増大することから、通常図３に示すように
金メッキが施されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、該ゴム
コネクターの導電線は細く、最近は３０μｍ以下となっ
てきており、また導電線の数も多くなり間隔も狭くなっ
てきていることから、導電線の接点部となる面の全てに
金メッキを施すことが困難になってきている。また、金
メッキが全ての接点部に施されたかどうかの検査に時間
がかかるなどの不具合があった。

【０００５】また、導電線を金としてゴムコネクターを
製作することも考えられるが、金線は強度が弱いために
製造が困難であり、またバネ強さが低いなどの不具合が
あった。

【０００６】更に、最近では、電気・電子機器の小型化
のためゴムコネクターで電気的に接続をする相手側の端
子も狭ピッチ化が進んできており、そのためゴムコネク
ターの導電線も更に細くまた数も増加する傾向にある。
このためゴムコネクターの接点部となる面への金メッキ
はますます困難になってきている。

【０００７】本発明は、上述した従来のゴムコネクター
用導電線の問題点を解決するためになされたものであ
り、ゴムコネクターの接点部となる面に金メッキを施す
ことなく、経時変化による接触抵抗の増加のないゴムコ
ネクター用導電線およびゴムコネクターを提供すること
を目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明に係るゴムコネク
ター用導電線は、該導電線の内部が貴金属あるいはその
合金よりなるクラッド線であることを特徴としている。
また、本発明のゴムコネクターは内部が貴金属あるいは
その合金よりなるクラッド線をシリコーンゴム中に埋め
込んだあるいはシリコーンゴムの板と板の間に設置し接
着剤で接合したことを特徴としている。

【０００９】導電線の内部が貴金属あるいはその合金よ
りなるクラッド線を使用することにより、ゴムコネクタ
ーの導電線の接点部となる面に金メッキを施す必要性を
なくすことができる。

【００１０】本発明のゴムコネクター用導電線におい
て、該導電線の内部を貴金属あるいはその合金とした理
由は導電線の接点部となる面の接触抵抗が酸化や腐食に
よって経時的に増加しないようにするためである。

【００１１】本発明のゴムコネクター用導電線におい
て、該導電線の内部の貴金属としては金、白金、パラジ
ウムあるいはこれらの合金が望ましい。また、該導電線
の外部の金属としては、伸線加工ができ、強度が比較的
高い材料ならはどのような金属でも良いが、真鍮、リン
青銅などの銅合金やニッケル、ステンレス鋼等が望まし
い。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について説
明する。 ［第１の実施例］外経０．５１ｍｍ、内経０．２２ｍｍ
のリン青銅パイプの中に直径０．２ｍｍの金線を挿入
後、伸線機で伸線し、図４に示すような外周部がリン青
銅、内部が金よりなるクラッド線のゴムコネクター用導
電線を得た。なお、この導電線の引張強さは１０２ｋｇ
／ｍｍ^２であった。

【００１３】このようにして得たゴムコネクター用導電
線をシリコーンゴムの板と板の間に接着剤で接合し、図
１に示すようなゴムコネクターを得た。なお、導電線の
間隔は１００μｍピッチとした。このゴムコネクターを
加圧して電気的接続を行ったところ、従来の金メッキを
施したゴムコネクターと同様に経時変化による接触抵抗
の増加もなく良好な電気的接続ができた。

【００１４】［第２の実施例］外経０．５１ｍｍ、内経
０．２２ｍｍの真鍮パイプの中に直径０．２ｍｍの白金
線を挿入後、伸線機で伸線し、外周部が真鍮、内部が白
金よりなるクラッド線のゴムコネクター用導電線を得
た。なお、この導電線の引張強さは１１０ｋｇ／ｍｍ^２
であった。

【００１５】このようにして得たゴムコネクター用導電
線を第１の実施例と同様にシリコーンゴムの板と板の間
に接着剤で接合し、図１に示すようなゴムコネクターを
得た。なお、導電線の間隔は１００μｍピッチとした。
このゴムコネクターを加圧して電気的接続を行ったとこ
ろ、経時変化による接触抵抗の増加もなく良好な電気的
接続ができた。

【００１６】

【発明の効果】本発明によれば、従来ゴムコネクターの
導電線の接点部となる面の全てに金メッキを施す必要が
なくなり、検査に時間がかかるという不具合もなく、ま
た接触抵抗が経時的に増加するという不具合のないゴム
コネクターを得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】導電線が直線状に配置されたゴムコネクターの
断面模式図である。

【図２】導電線が屈曲状に配置されたゴムコネクターの
断面模式図である。

【図３】従来使用されているゴムコネクター用導電線の
断面模式図である。

【図４】本発明に係るゴムコネクター用導電線の断面模
式図である。

【符号の説明】

１ 導電線 ２ シリコーンゴム ３ 真鍮線 ４ 金メッキ ５ 金 ６ リン青銅

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ゴムコネクター用導電線において該導電
   線の内部が貴金属あるいはその合金よりなるクラッド線
   であることを特徴としたゴムコネクター用導電線。
2. 【請求項２】 特許請求の範囲請求項１を使用したこと
   を特徴とするゴムコネクター。