JP2001336579A - 半導電性ベルト - Google Patents

半導電性ベルト

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JP2001336579A
JP2001336579A JP2000157023A JP2000157023A JP2001336579A JP 2001336579 A JP2001336579 A JP 2001336579A JP 2000157023 A JP2000157023 A JP 2000157023A JP 2000157023 A JP2000157023 A JP 2000157023A JP 2001336579 A JP2001336579 A JP 2001336579A
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Japan
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carbon black
acid
isocyanate
oxazoline
bis
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Application number
JP2000157023A
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English (en)
Inventor
Toyoji Hibi
登代次 日比
Toshiyuki Kawaguchi
利行 川口
Satoshi Odajima
智 小田嶋
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Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄膜成形が可能で、抵抗値の表裏差がなく、
優れた電気抵抗値を有する半導電性ベルトを提供するこ
と。 【解決手段】 熱硬化性樹脂としてのポリアミノアミド
・アミドエステルと表面処理カーボンブラックとを配合
し、成形してなる半導電性ベルト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導電性ベルトに
関し、更に詳しくは、例えば、電子写真式複写機、レー
ザープリンター等に使用されるシームレスベルト等とし
て利用可能な半導電性ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、導電性ベルトは各種存在する
が、これらのベルトは押し出し成形法、遠心成形法等に
より製造されている。押し出し成形法では、厚さ精度が
悪く、遠心成形法では混合材料間の比重差により表面と
内面との電気抵抗値に差が生じる傾向にある。
【0003】また、樹脂にカーボンブラックを配合し、
導電性樹脂を得る技術は公知であり、特定のカーボンブ
ラックを配合した導電性樹脂も検討されている(特公平
5−4990号公報)。
【0004】一方、ポリアミノアミド・アミドエステル
は、ビス(2−オキサゾリン)化合物と、分子内に少な
くとも2つのアミノ基を有する芳香族アミン、分子内に
少なくとも2つのカルボキシル基を有する多塩基酸を反
応させることにより生成する樹脂である。この樹脂は、
強靭で耐熱性に優れ、吸水率が小さく、経時変化による
着色が少なく、硬化時の発熱の少ない架橋樹脂であり、
その製造方法は既に提案されている(特開平1−113
422号公報に開示)。
【0005】しかし、このポリアミノアミド・アミドエ
ステル樹脂に導電性フィラーとしてカーボンブラックを
配合した場合、カーボンブラック表面のカルボキシル基
や水酸基が樹脂中のオキサゾリン基と反応してしまうた
め、触媒添加前(ベルト成形前)に樹脂が増粘を引き起
こし、遠心成形時にレベリングせず、ベルト成形が出来
ないという大きな問題を生ずる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、薄膜成形が
可能で、抵抗値の表裏差がなく、優れた電気抵抗値を有
する半導電性ベルトを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
重ねた結果、ポリアミノアミド・アミドエステル樹脂原
液に、表面処理を施したカーボンブラックを配合するこ
とにより、樹脂との反応性を抑制し、触媒投入前に増粘
することがなく、遠心成形時のレベリング性を確保した
半導電性ベルトが得られることを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、熱硬化性樹脂として
のポリアミノアミド・アミドエステルと表面処理カーボ
ンブラックとを配合し、成形してなる半導電性ベルトに
関する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て更に詳しく説明する。本発明は、例えば、下記のA〜
Cの各成分からなり、B成分のポリアミノアミド・アミ
ドエステル樹脂原液100重量部に対して、A成分の表
面処理カーボンブラックを1〜20重量部程度混合し、
成形してなる半導電性樹脂成形ベルトに関するものであ
る。なお、必要に応じ、例えば、別種フィラー等の添加
剤を加えることも可能である。 A:表面処理カーボンブラック B:ポリアミノアミド・アミドエステル樹脂原液 C:硬化触媒
【0010】表面処理カーボンブラック:本発明に使用
される表面処理カーボンブラックは、カーボンブラック
の表面官能基(カルボキシル基、水酸基など)とイソシ
アネート化合物もしくはオキサゾリン化合物とを反応さ
せるか、または水酸化物により中和反応してなるもので
ある。
【0011】カーボンブラックとしては、特に制限なく
利用できるが、本発明所望の半導電抵抗域〔ρv;10
9〜1013(Ω・cm)、ρs;1010〜1016(Ω/
□)〕に抵抗値を調整するには、中抵抗用カーボンブラ
ックが好ましく、また、揮発分が2〜30%のカーボン
ブラックが好ましい。一般には、揮発分が2%未満のカ
ーボンブラックの場合、カーボンブラック自体の抵抗値
の低い低抵抗用(主に導電用等)カーボンブラックが多
く、揮発分が30%を越えるものは、カーボンブラック
自体の抵抗値が高い高抵抗用(顔料用等)カーボンブラ
ックとして使用されている。揮発分が低く、表面官能基
(カルボキシル基、水酸基)の少ない、低抵抗カーボン
ブラックであるファーネスブラックやアセチレンブラッ
クをポリアミノアミド・アミドエステル樹脂原液に配合
した場合、カーボンブラック表面官能基と樹脂中のオキ
サゾリン基との反応性が低く、増粘は少ないものの、所
望の半導電域に抵抗値を調整するには、カーボンブラッ
クの添加量が微量となるため調整が困難になる場合があ
る。よって、本発明では、表面官能基の多いチャンネル
ブラックを表面処理して用いることが好ましい。ただ
し、カーボンブラックの種類は、上記のものに限定され
るものではない。なお、ここでいうカーボンブラックの
揮発分は、950℃にて7分間加熱した時の揮発減量
(%)(JIS K−6221)である。
【0012】また、本発明では、カーボンブラックとし
て、特に一次粒子径が微細なカーボンブラックを選択
し、表面処理を施すことにより、遠心成形時の偏りが抑
制され、抵抗値の表裏差の少ない半導電性ベルトが得ら
れるので好ましい。カーボンブラックの一次粒子径とし
ては、5nm以上100nm未満のものを使用すること
が好ましく、10〜30nmであればより好ましい。こ
こで「一次粒子径」とは、表面処理を行う前のカーボン
ブラックの粒子径を意味する。一次粒子径が100nm
より大きなカーボンブラックを用いた場合、表面処理を
しても処理カーボンブラックの比重により、遠心成形時
にカーボンブラックの偏りが生じたり、抵抗値の表裏差
が生ずることがある。また、一次粒子径が5nmより小
さなカーボンブラックを用いた場合には、表面処理の
際、カーボンブラックの吸油量が高いため、カーボンブ
ラックが溶剤を吸油し、増粘して処理効率が低下する場
合がある。
【0013】カーボンブラックへの表面処理は、以下の
公知文献を参考に行うことができる。すなわち、カーボ
ンブラック表面へポリマーをグラフトすると、粒子相互
の凝集構造を容易に破壊することができ、分散媒中や、
ポリマーへの分散性が著しく向上することが既に報告さ
れている〔Kroker,r.,Schncider,m.,Hamann,K.:Prog.Or
g.Catings,1,23(1972)〕。また、カーボンブラック表面
のフェノール性水酸基やカルボキシル基は、低分子のフ
ェノールやカルボン酸と同様な反応性を持ち、様々な官
能基に変換でき、これらの官能基はカーボンブラック表
面からのグラフト重合や反応性ポリマーとの高分子反応
を利用したグラフト反応に利用できることも既に報告さ
れている〔坪川紀夫;ポリマーダイジェスト,47
(6),17(1965)〕。
【0014】本発明でカーボンブラックの表面処理剤と
して用いるイソシアネート化合物としては、例えば、イ
ソシアン酸アリル、イソシアン酸イソプロピル、イソシ
アン酸 2−クロロエチル、イソシアン酸 N−(クロ
ロカルボニル)、イソシアン酸クロロスルホニル、イソ
シアン酸 o−クロロフェニル、イソシアン酸 m−ク
ロロフェニル、イソシアン酸 4−クロロフェニル、イ
ソシアン酸ドデシル、イソシアン酸−α,α,α−トリフ
ルオロ−o−トリル、イソシアン酸−α,α,α−トリフ
ルオロ−m−トリル、イソシアン酸 o−トリル、イソ
シアン酸 m−トリル、イソシアン酸 p−トリル、イ
ソシアン酸 p−トルエンスルホニル、イソシアン酸
1−ナフチル、イソシアン酸 4−ニトロフェニル、
(R)−(+)イソシアン酸 1−フェニルエチル、
(S)−(−)イソシアン酸 1−フェニルエチル、イ
ソシアン酸 n−ブチル、イソシアン酸 2−フルオロ
フェニル、イソシアン酸 3−フルオロフェニル、イソ
シアン酸 4−フルオロフェニル、イソシアン酸プロピ
ル、イソシアン酸ヘキシル、イソシアン酸ベンジル、イ
ソシアン酸ベンゼンスルホニル、イソシアン酸 4−
(メチルチオ)フェニル、イソシアン酸 3−メトキシ
フェニル、3−イソシアネートベンゾイルクロライド、
4−イソシアネートベンゾイルクロライド、2−イソシ
アネートメチルメタクリレート、イソシアン酸エチル、
イソシアン酸フェニル等を挙げることができる。
【0015】また、反応性を早めるためにイソシアネー
ト化合物とともに触媒を併用することも可能である。併
用可能な好ましい触媒としては、例えば、ジエチレント
リアミン、ジブチルチンジラウレート、スタナスオクト
エート、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸鉛、ジブチル
チンジ−2−エチルヘキソエート、レッド,2−エチレ
ンヘキソエート(Pb24%)、ナトリウム o−フェ
ニルフェネート、カリウムオレート、硝酸蒼鉛、テトラ
(2−エチルヘキシル)チタネート、塩化第二スズ、塩
化第二鉄、第二 2−エチルヘキソエート鉄(Fe6
%)、コバルト2−エチルヘキソエート(Co6%)、
ナフテン酸亜鉛(Zn14.5%)、三塩化アンチモ
ン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、ト
リエチルアミン、N,N’−ジメチルベンジルアミン、
N,N’−ジメチルピペラジン、トリエチレンジアミ
ン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミ
ン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジア
ミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3ブタン
ジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメ
チレンジアミン、N−ペンタメチルジエチレントリアミ
ン、N−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、N,N
−ジメチルラウリルアミン、N,N,N',N'',N''
−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N',
N'',N'',N'''−ヘキサメチルトリエチレンテトラミ
ン、ヘキサメチレンテトラミン、ベンジルトリメチルア
ンモニウムハイドロイキサイド、塩化第一スズ、テトラ
−n−ブチルチン、トリ−n−ブチルチンアセテート、
n−ブチルチントリクロライド、トリメチルチンハイド
ロオキサイド、ジメチルチンジクロライド等を挙げるこ
とができる。触媒の添加量は、イソシアネート化合物に
対し0.1〜10重量%程度が好ましく、3〜8重量%
がより好ましい。
【0016】また、イソシアネート添加量は、カーボン
ブラック種によって異なるため、カーボンブラックから
の遊離酸の酸価を測定後、処理するカーボンブラック量
に対応したイソシアネート量とすることが好ましい。こ
こで、「酸価」は、カーボンブラック1g中に含有され
ている遊離脂肪酸等を中和するのに要する水酸化カリウ
ムのmg数(JIS K−0070)である。なお、イ
ソシアネート化合物および触媒の種類、それらの添加量
ともに、上記の範囲に限定されるものではない。
【0017】イソシアネート化合物による表面処理方法
の一例を示せば、まず、反応釜中でカーボンブラック
を、後記するトルエン等の溶媒に分散し、窒素雰囲気
中、50〜120℃程度の温度にてカーボンブラックを
十分に分散させた後、イソシアネート化合物、触媒を加
え、1〜3時間程度、好ましくは、80℃にて1時間反
応させ、溶媒を除去後、80〜140℃にて10〜20
時間、好ましくは120℃にて15時間乾燥させる。な
お、イソシアネート化合物は、揮発性が高いものが多
く、120℃以上で反応させると、カーボンブラック表
面の官能基(カルボン酸基、水酸基)と反応する前にイ
ソシアネートが揮発し、反応不良となる場合があり、ま
た、乾燥温度が140℃以上では、処理したカーボンブ
ラックが酸化することがある。
【0018】カーボンブラックの表面処理においては、
表面処理剤として、イソシアネート化合物以外の反応性
化合物であるオキサゾリン化合物を使用することも可能
である。オキサゾリン化合物は、無触媒で反応性が良好
な化合物であり、好ましいものとして、2−メチル−2
−オキサゾリン、2−エチル−2−オキサゾリン、2−
フェニル−2−オキサゾリン、2−ウンデシル−2−オ
キサゾリン、4,4'−ビスヒドロキシメチル−2−ヘ
プタデセニル−2−オキサゾリン、2−アルキル<C17
〜C21>−4,4'−ジ(アシル<C18〜C22>オキシ
メチル)オキサゾリン、4,4'−ビス(オレオイルオ
キシメチル)−2−メチレンヘプタデカニル−2−オキ
サゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2
−ビニル−2−オキサゾリン等を例示することができ
る。なお、オキサゾリン化合物は上記のものに限定され
るものではない。オキサゾリン化合物を用いたカーボン
ブラックの表面処理方法は、イソシアネート化合物によ
る場合と同様に行うことができる。
【0019】イソシアネート化合物やオキサゾリン化合
物によりカーボンブラックの表面処理を行う際に用いる
溶媒は、特に制限はなく、例えば、トルエン、キシレ
ン、ベンゼン、酢酸エチル、NMP(N−メチル−2−
ピロリドン)、ホルムアミド、DMF(N,N'−ジメチ
ルホルムアミド)、アセトアミド、N,N−ジメチルア
セトアミド、ジエチレングリコールジメチルエーテル
(ジグライム)、トリエチレングリコールジメチルエー
テル(トリグライム)、ジエチレングリコールジエチル
エーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジ
プロピレングリコールジメチルエーテル、テトラメチレ
ングリコールジメチルエーテル(テトラグライム)等の
グリコール類、DMSO(ジメチルスルホキシド)等を
挙げることができる。
【0020】本発明では、表面処理剤として、特に、2
−イソシアネートメチルメタクリレート、2−イソプロ
ペニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−2−オキサゾ
リン等を用いた場合、カーボンブラック表面にイソプロ
ペニル基、ビニル基等が導入され、各種反応性二重結合
を有するモノマー、オリゴマー等との共重合が可能とな
るので好ましい。なお、2−イソプロペニル−2−オキ
サゾリンの共重合については、既に報告されている
〔D.M.Dibbona et al.,J.App
l.Poly.Sci.,31,1509(198
6)〕。また、カーボンブラック表面へ新たな官能基を
導入し、アクリルモノマーを用い三次元的に高度に制御
された構造を持つデンドリマーをグラフト反応させたと
の報告もある〔坪川紀夫、市岡宗、佐藤俊也;高分子学
会予稿集、50、245(1996)〕。
【0021】さらに、中和処理法により表面処理を行う
場合には、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の水酸化物
を用い、カーボンブラック表面のカルボン酸を中和する
ことが可能である。なお、中和処理に使用する水酸化物
は上記のものに限定されるものではない。
【0022】中和処理方法の一例を示すと以下のとおり
である。まず、反応釜中でカーボンブラックをイオン交
換精製水に分散し、50〜120℃程度の温度にてカー
ボンブラックを十分に分散させた後、水酸化物を添加
し、1〜5時間程度、好ましくは95℃にて3時間中和
反応させて、120℃にて24時間程度真空乾燥させ
る。水酸化物の添加量は、カーボンブラック種によって
異なり、カーボンブラックからの遊離酸の酸価を測定
後、処理するカーボンブラック量に対応した量を添加す
ることが好ましい。ここで、「酸価」は、前記した意味
を有する。
【0023】ポリアミノアミド・アミドエステル樹脂原
液:本発明に用いるポリアミノアミド・アミドエステル
樹脂は、通常、ビス(2−オキサゾリン)化合物、二塩
基酸および芳香族ポリアミンを含む原液から製造され
る。
【0024】ここで使用されるビス(2−オキサゾリ
ン)化合物の具体例としては、2,2'−ビス(2−オ
キサゾリン)、2,2'−ビス(4−メチル−2−オキ
サゾリン)、2,2'−ビス(5−メチル−2−オキサ
ゾリン)、2,2'−ビス(5,5’−ジメチル−2−オ
キサゾリン)、2,2'−ビス(5,5’−ジメチル−2
−オキサゾリン)、2,2'−ビス(4,4,4',4'−
テトラメチル−2−オキサゾリン)、1,2−ビス(2
−オキサゾリン−2−イル)エタン、1,4−ビス(2
−オキサゾリン−2−イル)ブタン、1,6−ビス(2
−オキサゾリン−2−イル)ヘキサン、1,8−ビス
(2−オキサゾリン−2−イル)オクタン、1,4−ビ
ス(2−オキサゾリン−2−イル)シクロヘキサン、
1,2−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼ
ン、1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベン
ゼン(以下、「1,3PBO」と記す)、1,4−ビス
(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン、1,2−ビ
ス(5−メチル−2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼ
ン、1,3−ビス(5−メチル−2−オキサゾリン−2
−イル)ベンゼン、1,4−ビス(5−メチル−2−オ
キサゾリン−2−イル)ベンゼン、1,4−ビス(4,
4−ジメチル−2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン
等が挙げられる。これらのビス(2−オキサゾリン)化
合物は、単独で、または二種以上の混合物として用いる
ことができる。
【0025】また、芳香族ポリアミンの具体例として
は、o−,m−またはp−フェニレンジアミン、2,3
−、2,4−または2,5−トリレンジアミンなどの短
環式芳香族ポリアミン、例えば、4,4'―ジアミノビフ
ェニル、3,3'−ジメトキシ−4,4'―ジアミノビフェ
ニル、4,4'―ジアミノトリフェニルメタン、3,3’
−ジメチル−4,4'―ジアミノビフェニル、2,2',5,
5'−テトラクロロ−4,4'−ジアミノビフェニル、4,
4'−メチレンビスアニリン、4,4'−メチレンビス
(2−クロロアニリン)、2,2'−ビス〔4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,3−ビス
(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3'−ビス
(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,4'−ジアミ
ノフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルスル
フィドや、4,4'−ビス(アミノフェニル)アミン、
4,4'−ジアミノ−3,3'−ジエチル−5,5'−ジメチ
ルジフェニルメタン、4,4'−ジアミノ−3,3',5,
5'−テトラメチルジフェニルメタン、4,4'−ジアミ
ノ−3,3',5,5'−テトラエチルジフェニルメタンな
どの多環式芳香族ポリアミンなどが挙げられる。これら
の芳香族ポリアミンは、単独で、または二種以上の混合
物として用いることができる。
【0026】さらに、二塩基酸としては、ジカルボン酸
を好適に利用することができ、その具体例としては、マ
ロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
二酸、エイコサン二酸等の脂肪族飽和ジカルボン酸、マ
レイン酸、フマル酸、イタコン酸等の脂肪族不飽和ジカ
ルボン酸、ダイマー酸等、フタル酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカル
ボン酸等が挙げられる。これらのジカルボン酸は、単独
で、または二種以上の混合物として用いられる。
【0027】上記ビス(2−オキサゾリン)化合物
(P)、芳香族ポリアミン(A)、二塩基酸(K)の配
合割合は、Pが1〜3モルに対し、A、Kはそれぞれ
0.5〜1.5モル程度とすることが好ましく、Kの割
合により成形ベルトの可とう性を調整することが可能で
ある。なお、ビス(2−オキサゾリン)化合物、芳香族
ポリアミンおよび二塩基酸の種類、並びに、それらの配
合比は上記のものに限定されるものではない。
【0028】ポリアミノアミド・アミドエステル樹脂原
液は、ビス(2−オキサゾリン)化合物と二塩基酸とを
溶融後、反応釜中にて130〜180℃程度にて1時間
から3時間かけてアミドエステル化した後、芳香族ポリ
アミンを添加し、均一に溶融することにより調製でき
る。原液中のビス(2−オキサゾリン)化合物と二塩基
酸は無触媒で反応し、アミドエステル結合を有するポリ
エステルアミドを生成する。例えば、有機ハロゲン化物
触媒の添加により、ビス(2−オキサゾリン)化合物お
よびポリエステルアミド末端のオキサゾリン基と芳香族
ジアミンが反応し、アミノ結合とアミド結合が生成し、
架橋構造を有する樹脂となる。なお、例えば、亜燐酸エ
ステル触媒の選定により、架橋ポリエステルアミド構造
を有することも可能である。
【0029】硬化触媒:本発明において、硬化触媒とし
て働くものとしては、例えば、硝酸、塩酸等の強酸類、
ジメチル硫酸、三弗化硼素エーテレート、無水塩化アル
ミニウム、三塩化バナジウム、塩化バナジル等のほか、
塩化オクチル、塩化ステアリル、臭化オクチル、臭化ス
テアリル等の有機ハロゲン化物、p−トルエンスルホン
酸、p−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスル
ホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸 2−メトキシ
エチル、p−トルエンスルホン酸 2−エトキシエチル
等のスルホン酸エステル類、トリフェニルホスファイ
ト、トリメチルホスファイト等の亜燐酸エステル類等を
挙げることができる。硬化触媒の添加量は、ポリアミノ
アミド・アミドエステル樹脂原液に対し、1〜5重量部
程度が好ましく、2〜3重量部がより好ましい。但し、
触媒の種類や添加量は上記の範囲に限定されるものでは
ない。
【0030】添加剤:本発明ベルトの製造に際しては、
必要に応じ、カーボンブラック以外に、別種のフィラー
を添加し、更なる機能性を付与することが可能である。
かかるフィラーの例としては、水酸化アルミニウム、水
酸化マグネシウム、赤燐、ステアリン酸亜鉛、ステアリ
ン酸マグネシウム、ホウ酸亜鉛、メラミン、サリチル酸
誘導体、燐酸、燐酸ナトリウム、燐酸カリウム、燐酸ア
ンモニウム等の燐酸塩、モノメチル燐酸、ジメチル燐
酸、トリメチル燐酸等の燐酸エステル、ポリ燐酸エステ
ル、ポリ燐酸メラミン、メラミン、フェニルホスホン
酸、ジクロロフェニルホスホン酸、ジメチルフェニルホ
スホン酸等のフェニルホスホン酸誘導体、硝酸ナトリウ
ム、硝酸アルミニウム、硝酸鉄、硝酸亜鉛、硝酸セレン
アンモニウム、三酸化アンチモン、メラミンシアヌレー
ト、メラミンピロフォスフェート、テトラブロモビスフ
ェノールA(TBA)、テトラブロモビスフェノールS
(TBS)、TBA誘導体、TBAカーボネートオリゴ
マー、TBAエポキシオリゴマー、ヘキサブロモベンゼ
ン、ペンタブロモベンゼン、TBPアリルエーテル、臭
素化エポキシオリゴマー、臭素化ポリスチレン、ジブロ
モフェノール、ジブロモクレゾール、トリブロモフェノ
ール(TBP)、ペンタブロモフェノール、TBSグリ
シジルエーテル、トリブロモアニリン、メタクリレート
系モノマー、アミド化合物、ブロモフェノキシエタノー
ル、デカブロモジフェニルエーテル、アリルオキシブロ
モベンゼン等を挙げることができる。
【0031】上記フィラーの添加量としては、ポリアミ
ノアミド・アミドエステル樹脂原液に対して、好ましく
は20重量%以下、より好ましくは5〜10重量%程度
とすることができ、フィラーの添加により、例えば、難
燃性等の特性を付与することが可能である。なお、添加
剤の種類及び添加量は上記範囲に限定されるものではな
い。
【0032】(混錬法)本発明半導電性ベルトは、例え
ば、上記ポリアミノアミド・アミドエステル樹脂原液を
100℃前後で溶融し、表面処理カーボンブラックを均
一に分散させた後、硬化触媒を添加し、130℃程度に
加熱して遠心成形することにより製造できる。
【0033】表面処理カーボンブラックをポリアミノア
ミド・アミドエステル樹脂に均一分散させる方法は、特
に制限はないが、例えば、ボールミル、ビーズミル、サ
ンドミル、ホモジナイザー、三本ロール、超音波分散等
の方法を利用できる。また、混錬に際しては、適宜溶剤
を添加することも可能であり、使用可能な溶剤として
は、特に制限はないが、例えば、トルエン、キシレン、
ベンゼン、酢酸エチル、NMP(N−メチル−2−ピロ
リドン)、ホルムアミド、DMF(N,N−ジメチルホ
ルムアミド)、アセトアミド、N,N−ジメチルアセト
アミド、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグ
ライム)、トリエチレングリコールジメチルエーテル
(トリグライム)、ジエチレングリコールジエチルエー
テル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロ
ピレングリコールジメチルエーテル、テトラメチレング
リコールジメチルエーテル(テトラグライム)等のグリ
コール類、DMSO(ジメチルスルホキシド)等を挙げ
ることができる。
【0034】本発明ベルトを所望の半導電抵抗域〔10
9〜1013(Ω・cm)〕に調整するには、ポリアミノ
アミド・アミドエステルを100重量部としたときの表
面処理カーボンブラックの配合量を、20重量部以下と
することが好ましく、5〜10重量部とすることが望ま
しい。カーボンブラック配合量が20重量部を越える
と、ポリアミノアミド・アミドエステル樹脂本来の機械
特性が失われ、成形した半導電ベルトが脆く、クラック
を生じ易くなることがある。
【0035】また、本発明では、若干の反応性モノマー
およびラジカル重合触媒を、表面処理カーボンブラック
とポリアミノアミド・アミドエステル樹脂原液とともに
配合することが可能であり、ベルト成形時に加熱するこ
とにより、表面処理カーボンブラックと反応性モノマー
の共重合が可能となる。
【0036】好ましい反応性モノマーとしては、メチル
メタクリレート、メチルアクリレート、エチルメタクリ
レート、エチルアクリレート、n−ブチルメタクリレー
ト、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメ
タクリレート、イソデシルメタクリレート、n−ラウリ
ルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、n−ス
テアリルメタクリレート、メトキシジエチレングリコー
ルメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメ
タクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、テトラ
ヒドロフルフリルメタクリレート、ベンジルメタクリレ
ート、フェノキシエチルメタクリレート、イソボルニル
メタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒド
ロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルア
クリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、メ
タクリル酸、アクリル酸、2−メタクリロイロキシエチ
ルコハク酸、2−メタクリロイロキシエチルヘキサヒド
ロフタル酸等が例示される。反応性モノマーの添加量
は、表面処理カーボンブラックに対し0.1〜10重量
%程度が好ましく、1〜5重量%がより好ましい。な
お、反応性モノマーの種類や添加量は、上記の範囲に限
定されるものではない。
【0037】また、好ましいラジカル重合触媒として、
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、ベンゾイル
パーオキサイド、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキ
シ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1
−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン、t−ヘキシルパーオキシイ
ソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ
2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパ
ーオキシベンゾネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオ
キシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾネート、n−
ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレ
ート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、α,
α'−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベ
ンゾネート、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチ
ル−2,5−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−
ブチルクミルパーオキサイド等を例示でき、その添加量
は、反応性モノマーに対し0.1〜10重量%程度が好
ましく、1〜5重量%がより好ましい。なお、ラジカル
重合触媒の種類および添加量は、上記の範囲に限定され
るものではない。
【0038】
【実施例】次に、実施例、比較例により、本発明を更に
詳細に説明するが、本発明はこれらに制約されるもので
はない。なお、以下の実施例および比較例における使用
材料は、以下の通りである。 1.ポリアミノアミド・アミドエステル樹脂(略称;P
AAE) (1)ビス(2−オキサゾリン)化合物(P);1,3
PBO (2)芳香族ポリアミン(A);4,4'−ジアミノ−
3,3’−5,5'−テトラメチルジフェニルメタン (3)二塩基酸としての芳香族カルボン酸(K);セバ
シン酸 配合比;P/A/K=1.2(モル)/0.4(モル)
/0.6(モル) (4)硬化触媒;p−トルエンスルホン酸エチル(2p
hr)
【0039】2.カーボンブラック (1)未処理カーボンブラック;「プリンテックス15
0T(略称;150T)」(デクサジャパン製)一次粒
子径;29(μm)、揮発分;10(%)、pH値;4 (2)未処理カーボンブラック;「カラーブラックFW
2(略称;FW2)」(デクサジャパン製)一次粒子
径;13(μm)、揮発分;16.5(%)、pH値;
2.5 (3)未処理カーボンブラック;「トーカブラック#7
550F(略称;7550F)」(東海カーボンブラッ
ク製)一次粒子径;21(μm)、揮発分;1.5
(%)、pH値;7.5 (4)未処理カーボンブラック;「旭#15特殊品(略
称;#15)」(旭カーボンブラック製)一次粒子径;
122(μm)、揮発分;1.0(%)、pH値;6.
【0040】3.表面処理カーボンブラック (1)プリンテックス150Tをイソシアン酸フェニル
にて処理(略称;150TnP)、pH値;6.5 (2)カラーブラックFW2をイソシアン酸フェニルに
て処理(略称;FW2nP)、pH値;6.5 (3)プリンテックス150Tを2−フェニル−2−オ
キサゾリンにて処理(略称;150TnPO)、pH;
6.5 (4)カラーブラックFW2を2−フェニル−2−オキ
サゾリンにて処理(略称;FW2nPO)、pH;6.
5 (5)プリンテックス150Tを2−イソシアネートメ
チルメタクリレートにて処理(略称;150TnM)、
pH値;6.8 (6)カラーブラックFW2を2−イソシアネートメチ
ルメタクリレートにて処理(略称;FW2nM)、pH
値;6.8 なお、150TnM、FW2nMは、共重合反応性モノ
マーとしてエチルメタクリレート(処理カーボンブラッ
クに対し5部)、ラジカル重合触媒としてt−ブチルパ
ーオキシベンゾネート(反応性モノマーに対して2部)
を共にPAAEへ配合(100℃)して遠心成形した。
【0041】(評価方法)実施例及び比較例における物性
測定及び評価方法は次の通りである。 1.体積抵抗値、表面抵抗値 長さ及び幅;100mm、厚さ;0.1mmの試験片を
使用し、三菱化学製体積抵抗計「ハイレスタ」を用い、
プローブ;UR−100、測定電圧;500V、測定時
間10秒で測定した。試験片数は5とした。
【0042】2.弾性率 オリエンテック社製引っ張り試験器、商品名「テンシロ
ンRTM−50」を用い、幅;25mm、長さ;200
mm、厚さ;0.1mmの試験片を使用し、引っ張り速
度;200mm/minで測定した。試験片数は5とし
た(JIS K6887準拠)。
【0043】3.pH値 未処理カーボンブラック、表面処理カーボンブラックの
pH測定は、以下の方法で行った。カーボンブラック1
〜10gをビーカーにて秤量し、カーボンブラック1g
につき10mlの割合でイオン交換精製水を加え、時計
皿で覆い、15分間煮沸した。煮沸後、室温まで冷却
し、傾斜法にて上澄み液を除去し、泥状物を残す。この
泥状物にガラス電極pH計を入れ、pHを測定した(J
IS Z8802準拠)。
【0044】4.粘度 東京計器社製粘度計「B8H型」を使用し、配合樹脂を
入れた300mlビーカーをオイルバス中に100℃に
て2時間加温し、No.4ローター(測定上限値100
000mPa・s)を用い、粘度を測定した。なお、粘
度計の校正には、JS200H標準液(JIS 288
09)を用い校正した。
【0045】(半導電性ベルトの製造方法)実施例、比
較例においては、遠心成形法により半導電性ベルトを製
造した。 <製造条件> 遠心管寸法;外径300mm、内径285mm、全長4
00mm(ステンレス製) 成形回転数;2000rpm 成形温度;130℃ 成形時間;30分
【0046】実施例1〜6、比較例1〜3 表1、表2に記載した配合量で各成分をホモジナイザー
により混合し、その配合樹脂を、遠心成形法により成形
して半導電性ベルトを製造した。表1、表2では、PA
AE(ポリアミノアミド・アミドエステル)100重量
部に対する、各成分の配合部(重量部)を示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】実施例1および2では、一次粒子径がそれ
ぞれ29(nm)及び13(nm)である150T及び
FW2カーボンブラック(共にデグサジャパン製)を、
イソシアン酸フェニルで処理し、カーボンブラック表面
の官能基(カルボン酸、水酸基)と反応させて得られた
150TnP及びFW2nPを用いてPAAEと配合し
たところ、配合樹脂粘度が350(mPa・s)/10
0℃及び400(mPa・s)/100℃であり、遠心
成形用金型へのレベリング性が良好で安定した薄膜ベル
ト(100μm)が成形できた。体積抵抗値は、実施例
1が9.4×1011(Ω・cm)、実施例2が4.5×
1012(Ω・cm)であり、表面抵抗値(表面)は、実
施例1が1.4×1013(Ω/□)、実施例2が1.0
×1013(Ω/□)であった。150TnPに比べ、F
W2nPは表面抵抗値の表裏差がほとんど無く、一次粒
子径の小さなカーボンブラック程、遠心成形時のカーボ
ンブラック分散の偏りが少なく、表面抵抗値の表裏差を
少なくする効果があることを確認した。また、弾性率
は、二例とも約200(kg/cm2)であり、PAA
Eの機械特性〔弾性率;180(kg/cm2);カー
ボンブラック無添加〕をほぼ維持したまま、表面状態が
良好で強靭な半導電性ベルトを得ることができた。
【0050】実施例3、4では、上記同様の製造方法
で、2−イソシアネートメチルメタクリレートにて反応
させた150TnM及びFW2nMをPAAEに配合し
た。この場合、2−イソシアネートメチルメタクリレー
トがカーボンブラック表面で反応することにより、カー
ボンブラック表面に反応性二重結合が導入される。この
二重結合と別種反応性モノマーを共重合させることによ
り、PAAE中で3次元的な広がりを持ったデンドリマ
ーが生成し、そのときの抵抗値の安定性が確認できた。
ここでは、共重合反応性モノマーとして、エチルメタク
リレート(処理カーボンブラックに対して5部)、ラジ
カル重合触媒としてt−ブチルパーオキシベンゾネート
(反応性モノマーに対して2部)を150TnMと共
に、PAAEに配合し遠心成形を行った。その結果、体
積抵抗値は実施例3では2.5×1012(Ω・cm)、
実施例4では3.8×1012(Ω・cm)であり、表面
抵抗値(表面)は、実施例3が3.9×1014(Ω/
□)であり、実施例4では1.1×1014(Ω/□)で
あった。二例とも体積抵抗値に比べ表面抵抗値が約二桁
高く、デンドリマー化したカーボンブラックにより安定
した体表差(体積抵抗値と表面抵抗値の差)が得られる
ことを確認した。
【0051】実施例5および6では、一次粒子径がそれ
ぞれ29(nm)および13(nm)である150T及
びFW2カーボンブラック(共にデグサジャパン製)を
2−フェニル−2−オキサゾリンでカーボン表面の官能
基(カルボン酸)と反応させて得られた150TnPO
及びFW2nPOを用いてPAAEと配合したところ、
配合樹脂粘度が400(mPa・s)/100℃及び4
50(mPa・s)/100℃であり、遠心成形用金型
へのレベリング性が良好で安定した薄膜ベルト(100
μm)が成形できた。体積抵抗値は実施例5が1.0×
1012(Ω・cm)、実施例6が2.1×1012(Ω・
cm)であり、表面抵抗値(表面)は実施例5が1.2
×1013(Ω/□)、実施例6が1.3×1013(Ω/
□)であった。また、弾性率は、二例とも200(kg
/cm2)であった。このように表面処理剤としてイソ
シアネート化合物以外に、オキサゾリン化合物を用いた
カーボンブラックをPAAEに配合しても、実施例1、
2と同様に、表面状態が良好で強靭な半導電性ベルトを
得ることができた。
【0052】比較例1および2では、未処理カーボンブ
ラック150T及びFW2(デグサジャパン製)を用
い、PAAEと配合したところ、配合樹脂粘度が比較例
1では10000(mPa・s)/100℃、比較例2
では20000(mPa・s)/100℃であり、遠心
成形用金型中でレベリングせず、ベルト成形が出来なか
った。このように揮発分(%)が高くpH値の低い酸性
カーボンブラックを表面処理をせずに配合した場合、P
AAE中のオキサゾリン基と未処理カーボンブラック表
面の官能基(カルボン酸、水酸基)が反応し、増粘する
ことを確認した。
【0053】比較例3では、揮発分(%)が低く、pH
値がアルカリ性を示すカーボンブラック7550F(東
海カーボンブラック製)を表面処理せずにPAAEに配
合したところ、樹脂の増粘はなく、遠心成形は可能であ
った。しかし、配合量が3%でも本件所望の半導電性抵
抗域〔体積抵抗値;109〜1013(Ω・cm)、表面
抵抗値;1010〜1015(Ω/□)〕にならず、体積抵
抗値、表面抵抗値とも低い値を示した。
【0054】
【発明の効果】以上、詳しく説明したように、本発明に
よれば、ポリアミノアミド・アミドエステル樹脂中に表
面処理カーボンブラックを配合することにより、樹脂の
増粘が抑制され、薄膜成形が可能になった。また、カー
ボンブラックとしては、一次粒子径が微細なものを選択
し、表面処理することにより、遠心成形時の偏り防止効
果が得られ、成形ベルトの抵抗値の表裏差を抑制し、所
望の電気抵抗値を有する半導電性ベルトを提供すること
が出来た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/00 550 G03G 15/00 550 H01B 1/24 H01B 1/24 Z 5/00 5/00 F 5/16 5/16 (72)発明者 小田嶋 智 東京都中央区日本橋本町四丁目3番5号 信越ポリマー株式会社内 Fターム(参考) 2H071 BA42 3F049 BA13 LA02 LB03 4J002 CL031 CM041 DA036 FA086 FB086 GQ00 GQ02 5G301 DA18 DA51 DA53 DD10 5G307 HA01 HB01 HC01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂としてのポリアミノアミド
    ・アミドエステルと表面処理カーボンブラックとを配合
    し、成形してなる半導電性ベルト。
  2. 【請求項2】 カーボンブラックの一次粒子径が、5n
    m以上100nm未満であることを特徴とする請求項1
    記載の半導電性ベルト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012025951A (ja) * 2010-07-21 2012-02-09 Xerox Corp 導電性カーボンブラック

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JP2012025951A (ja) * 2010-07-21 2012-02-09 Xerox Corp 導電性カーボンブラック

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