JP2001336524A - 流体軸受装置 - Google Patents
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Abstract
きる流体軸受装置を提供すること。 【解決手段】 回転軸3を回転自在に嵌挿保持するスリ
ーブ2を、ハウジング12より線膨張係数の大きな材料
で形成する。このようにすると、回転軸3の外径とスリ
ーブ2の内径との間隙の大きさ(軸受隙間)を、高温時
において従来より小さくできるため、高温時に動圧流体
の粘度が低下したとしても、軸受隙間における発生油圧
の低下を抑制することができる。従って、従来に較べ、
高温時における軸受の負荷容量の低下を抑制でき、延い
ては駆動(損失)トルクや摩擦抵抗の増加、更には摩耗
の低下等を抑制することができ、延いては使用環境に拘
わらず長期に亘って良好な軸受性能を発揮することがで
きるようになる。
Description
転軸の回転動作に伴って生じる流体圧を利用した軸受装
置であって、動圧軸受装置や滑り軸受装置等を含む)に
関し、例えば情報機器、音響・映像機器(レーザプリン
タ、光ディスク装置、磁気ディスク装置等)、冷却ファ
ンモータなどに用いられる流体軸受装置に関する。
受、玉軸受を使用したものが用いられていたが、近年、
情報機器、音響・映像機器(レーザプリンタ、光ディス
ク装置、磁気ディスク装置等)に対するデータの高密度
化、高速転送化、低コスト化などの要請や、冷却ファン
モータに対する高速化、高耐久性化、低騒音化、低コス
ト化などの要請があり、例えば、図8に示すような動圧
軸受装置が採用されて来ている。
は、金属製スリーブ102の内周面102a(ラジアル
軸受面)に動圧油圧発生用の溝109(例えばへリング
ボーン状溝。以下、動圧溝とも言う。)を刻設し、回転
時に、該動圧溝109を介して、回転軸103とスリー
ブ102との間に所定の動圧(潤滑油圧)を発生させる
ラジアル軸受部と、回転軸103の下方端部の凸球面形
状部103Aと当接して回転軸103のスラスト荷重を
受ける平坦面形状のスラスト軸受部120と、を含んで
構成されている。
軸受装置の性能{負荷容量、動トルク(以下、単にトル
ク、或いは駆動トルク若しくは損失トルクとも言う)
等}は、回転数、動圧溝の特性(溝形状、溝幅、溝深さ
等)、使用される動圧発生用の媒体(以下、動圧流体と
も言い、流体、流動体、半流動体、所定温度時固形剤な
どが含まれる。)の特性(例えば粘度など)及び軸受隙
間(回転軸とスリーブとの隙間)等により決定される。
体{例えば潤滑油(グリースを含む)}の特性に変化
(例えば粘度変化)が生じると、軸受に負荷容量変動や
トルク変動が生じる惧れがある。
するスピンドルモータに採用した場合には消費電力に変
動等が起こる惧れや、回転数を制御しないファンモータ
に採用した場合には消費電力の変動と回転数の変動等を
招く惧れがある。
辺機器やモータ自身の発熱により軸受の温度が約80℃
以上の高温となるような場合も考えられ、かかる場合
に、高温時の負荷容量を確保しようとすると(例えば、
高温時に適当な粘度が得られる特性を持つ動圧流体を選
択すると)、その温度以下の使用環境において軸受駆動
トルクが大きくなり消費電力が増加等してしまう惧れが
ある。
たもので、使用環境変化に伴う温度変化などに起因する
軸受負荷容量やトルク変動を極力抑制でき、常に安定し
た消費電力、軸受潤滑特性、延いては駆動トルク、軸受
剛性、耐摩耗性を提供でき、以て使用環境変化に拘わら
ず長期に亘って良好な軸受性能を達成できる流体軸受装
置を提供することを目的とする。
載の発明では、回転軸を回転自在に嵌挿し、該回転軸と
の間でラジアル軸受として機能するスリーブと、該スリ
ーブの外周面を収容して支持するハウジングと、を含ん
で構成される流体軸受装置において、前記スリーブの線
膨張係数が、前記ハウジングの線膨張係数より大きくな
るようにする。かかる構成のように、内周側のスリーブ
を、外周側のハウジングよりも線膨張係数の大きな材料
で形成すると、軸受作動に伴い(或いは環境変化など伴
い)温度が上昇するに連れてスリーブの外径変化は、ハ
ウジングのそれより大きくなるが、実際には前記スリー
ブは前記ハウジングの内周に支持されているため、前記
スリーブの外径変化は前記ハウジングにより規制を受
け、これの跳ね返りとして、高温時におけるスリーブの
内径は、スリーブとハウジングとを略同一の線膨張係数
を持つ材料で形成した場合と比較して、より小さくなる
ことになる。
回転軸の外径と、スリーブの内径と、の間隙の大きさ
(軸受隙間)を、高温時において従来より小さくできる
ため、高温時に動圧流体の粘度が低下したとしても、軸
受隙間における発生油圧(動圧)の低下等を抑制するこ
とができることになる。
の負荷容量の低下を抑制でき、延いては駆動トルクや摩
擦抵抗の増加、更には摩耗の低下等を抑制することがで
きる。加えて、高温時における負荷容量の低下を小さく
できる結果、常温時における軸受隙間を比較的大きく設
定できることになるから、低温側(常温から高温に至る
まで)の駆動トルク(摩擦抵抗)を小さくできることに
なり、以て低トルクかつ低電力消費で駆動可能な軸受装
置を提供できることになる。
ジングの線膨張係数の差を利用して、温度変化に伴う軸
受隙間変化を積極的に制御(調整)するようにしたの
で、温度変化に伴う軸受隙間の変化及び潤滑油粘度の変
化に起因する軸受負荷容量の変化や軸受トルクの変化を
抑制できるため、高温時における負荷容量の低下、駆動
トルクや摩擦抵抗の増加、更には摩耗の低下等を抑制す
ることができると共に、常温時における軸受隙間を比較
的大きく設定できるため、低温側(常温から高温に至る
まで)の駆動トルク(摩擦抵抗)を小さくでき、以て低
トルクかつ低電力消費で駆動可能な軸受装置を提供で
き、延いては使用環境変化に拘わらず長期に亘って良好
な軸受性能を達成できる軸受装置を提供することが可能
となる。
と前記ハウジングとの線膨張係数の差を、5×10-6〜
25×10-6/℃とする。
響・映像機器(レーザプリンタ、光ディスク装置、磁気
ディスク装置等)、冷却ファンモータなどに用いられる
流体軸受装置において、上記作用効果を有効に発揮する
ことができる。
は、回転軸のスラスト荷重を受けるスラスト軸受部と一
体成形されることを特徴とする。
ることができることに加えて、部品点数を削減でき延い
ては組立工数を低減できるため、製品コスト等の削減も
一層促進可能となる。
を、樹脂で構成するようにする。
ウジングの材料より線膨張係数の大きな材料の選択の自
由度を拡大することができ、ハウジングの材料との組み
合わせの自由度を大きくすることができ、設計自由度を
大幅に向上させることができる。更に、スリーブを樹脂
製とすれば、摺動特性、耐摩耗性、騒音性能等を向上さ
せることができることにもなる。
部)を、スリーブのラジアル軸受部と射出成形等により
一体成形することも容易となるから、部品点数を削減で
き延いては組立工数を低減できるため、製品コスト等の
削減も一層、容易に促進可能となる。
形する際に、例えば、動圧溝等も同時に形成することが
可能で、これにより、一層、製品コストの低減を促進す
ることができることになる。
付の図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1の
実施の形態に係る動圧軸受装置(流体軸受装置)を用い
たスピンドルモータの断面図である。
軸受装置1は、樹脂製スリーブ2の外周面が、モータベ
ース11に取り付けられる円筒状のハウジング12の内
周部に挿入保持され、該樹脂製スリーブ2の内周には、
回転軸3が回転可能に嵌挿されている。
3を回転駆動するための回転駆動部4が備えられてお
り、該回転駆動部4は、コイル8を備え前記ハウジング
12の外周に固定されるステータ13と、前記回転軸3
に同軸結合され光ディスクや磁気ディスク(図示せず)
等を載置するためのターンテーブル5と、ヨーク6を介
して該ターンテーブル5に前記ステータ13と所定間隙
をもって対面固定されるロータ磁石7と、前記モータベ
ース11上に配設される回路基板14と、を含んで構成
されている。
置1は、回転軸3と、これを回転自由に嵌挿収容する樹
脂製スリーブ2と、の間に、動圧流体として潤滑剤(潤
滑油或いはグリースなど)を介在させる一方で、樹脂製
スリーブ2の内周面(ラジアル軸受面として機能する)
には、例えば図1に示すような動圧発生用の溝9(例え
ばへリングボーン状溝)が刻設されており、これにより
回転時に回転軸1と樹脂製スリーブ2との間隙に所定の
動圧を発生させ、以て良好な潤滑特性を達成しつつ、振
れ回りの少ない軸受特性を実現できるようになってい
る。
れる本実施の形態の形態に係る動圧軸受装置1の樹脂製
スリーブ2は、閉塞端2aを有しており、該閉塞端2a
の内周面2bが、該樹脂製スリーブ2に嵌挿されて回転
される回転軸3(例えば、回転軸3の下端部は、凸球面
形状とすることができる)と接触摺動する(回転軸3か
らのスラスト荷重を受ける)スラスト軸受面として機能
するようになっている。
ては内周面2b(スラスト軸受部)を、樹脂製スリーブ
2の本体側(ラジアル軸受部)と別体に構成しても良
い。
生用の溝9を有するスリーブ2は、ハウジング12より
線膨張係数の大きな材料で形成されている。ところで、
このように、内周側のスリーブ2を、外周側のハウジン
グ12よりも線膨張係数の大きな材料で形成すると、温
度が上昇するに連れてスリーブ2の外径変化は、ハウジ
ング12のそれより大きくなるが、実際には前記スリー
ブ2は前記ハウジング12の内周に嵌挿保持されている
ため、前記スリーブ2の外径変化が前記ハウジング12
により規制を受け、これの跳ね返りとして、高温時にお
けるスリーブ2の内径は、スリーブ2とハウジング12
とを略同一の線膨張係数を持つ材料で形成した場合と較
べると、より小さくなる。
内径との間隙の大きさ(軸受隙間)を、高温時において
従来より小さくできるため、高温時に動圧流体の粘度が
低下したとしても、軸受隙間における発生油圧(動圧)
の低下等を抑制することができることになる。従って、
従来に較べ、高温時における軸受の負荷容量の低下を抑
制でき、延いては駆動トルクや摩擦抵抗の増加、更には
摩耗の低下等を抑制することができる。加えて、高温時
における負荷容量の低下を小さくできる結果、常温時に
おける軸受隙間を比較的大きく設定できることになるか
ら、低温側(常温から高温に至るまで)の駆動トルク
(摩擦抵抗)を小さくできることになり、以て低トルク
かつ低電力消費で駆動可能な軸受装置を提供できること
にもなる。
及びハウジング12の線膨張係数の差を利用すること
で、温度変化に伴う軸受隙間変化を積極的に制御するよ
うにしたので、温度変化に伴う軸受隙間の変化及び潤滑
油粘度の変化に起因する軸受負荷容量の変化や軸受トル
クの変化を抑制できるため、高温時における負荷容量の
低下、駆動トルクや摩擦抵抗の増加、更には摩耗の低下
等を抑制することができると共に、常温時における軸受
隙間を比較的大きく設定できるため、低温側(常温から
高温に至るまで)の駆動トルク(摩擦抵抗)を小さくで
き、以て低トルクかつ低電力消費で駆動可能な軸受装置
を提供でき、延いては使用環境変化に拘わらず長期に亘
って良好な軸受性能を達成できる軸受装置を提供するこ
とができる。
属製とすることもできるが、本実施の形態のように樹脂
製とすれば、ハウジング12の材料より線膨張係数の大
きな材料の選択の自由度を拡大することができ、ハウジ
ング12の材料との組み合わせの自由度を大きくするこ
とができ、設計自由度を向上させることができる。更
に、スリーブ2を樹脂製とすれば、摺動特性、耐摩耗
性、騒音性能等を向上させることができることにもな
る。
いては内周面2b(スラスト軸受部)を、樹脂製スリー
ブ2の本体側(ラジアル軸受部)と射出成形等により一
体成形すると、部品点数を削減でき延いては組立工数を
低減できるため、製品コスト等の削減も一層促進可能と
なる。
り一体成形する際に、動圧溝9も同時に形成することが
可能で、これにより、一層、製品コストの低減を促進す
ることができる。
を回転させる場合について説明したが、本発明は、スリ
ーブ側を回転させ回転軸3側を固定するような場合にも
適用できるものである。
説明する。図2は、第2の実施の形態にかかる動圧軸受
装置を用いた冷却ファンモータ20の断面図である。第
1の実施例の形態とは、第1の実施の形態において回転
軸3に同軸結合されるターンテーブル5が、送風のため
の羽根21に変更されている点で異なっている。なお、
第1の実施の形態と同様の要素には、同一符号を付して
詳細な説明は省略する。
9を有するスリーブ2は、ハウジング12より線膨張係
数の大きな材料で形成されている。
の作用効果を奏することができる。即ち、回転軸3の外
径とスリーブ2の内径との間隙の大きさ(軸受隙間)
を、高温時において従来より小さくできるため、高温時
に動圧流体の粘度が低下したとしても、軸受隙間におけ
る発生油圧(動圧)の低下等を抑制することができるこ
とになる。従って、従来に較べ、高温時における軸受の
負荷容量の低下を抑制でき、延いては駆動トルクや摩擦
抵抗の増加、更には摩耗の低下等を抑制することができ
る。加えて、高温時における負荷容量の低下を小さくで
きる結果、常温時における軸受隙間を比較的大きく設定
できることになるから、低温側(常温から高温に至るま
で)の駆動トルク(摩擦抵抗)を小さくできることにな
り、以て低トルクかつ低電力消費で駆動可能な冷却ファ
ンモータ装置を提供できることとなる。
2及びハウジング12の線膨張係数の差を利用すること
で、温度変化に伴う軸受隙間変化を積極的に制御するこ
とができるので、使用環境変化に拘わらず長期に亘って
良好な性能を発揮することができる。
ータ20が、回転速度を制御するファンモータである場
合は、特に消費電力の変動等を抑制でき、回転速度を制
御しないファンモータである場合には、特に消費電力の
変動と回転数の変動等を抑制することができる。
施の形態において説明した他の作用効果も同様に奏する
ことができるものである。
いて説明する。図3は、第3の実施の形態に係る動圧軸
受装置(流体軸受装置)31を用いたスピンドルモータ
30の断面図である。
軸受装置31は、第1の実施の形態の場合と較べ、モー
タベース11と円筒状のハウジング12とが一体で形成
されている点が異なり、その他の点は同様である。な
お、第1の実施の形態と同様の要素には、同一符号を付
して詳細な説明は省略する。
生用の溝9を有するスリーブ32は、モータベース11
と一体で形成されるハウジング12より線膨張係数の大
きな材料で形成されている。
いて説明したと同様の作用効果、即ち、スリーブ32及
びハウジング12の線膨張係数の差を利用することで、
温度変化に伴う軸受隙間変化を積極的に制御することが
できるので、使用環境変化に拘わらず長期に亘って良好
な性能を発揮することができると言う作用効果を奏する
ことができると共に、ハウジング12とモータベース1
1とを一体で形成するので部品点数の削減延いては組立
工数の削減、製品コスト等を一層促進することができ
る。
ハウジング12及びモータベース11を、線膨張係数が
比較的大きなアルミや亜鉛のダイカスト製或いは樹脂製
とすることができるため、安価なハウジング及びモータ
ベースの一体品を採用でき、延いては製品コストのより
一層の低減を図ることができる。
説明する。図4は、第4の実施の形態にかかる動圧軸受
装置を用いた冷却ファンモータ40の断面図である。第
3の実施例の形態とは、第3の実施の形態において回転
軸3に同軸結合されるターンテーブル5が、送風のため
の羽根21に変更されている点で異なっている。なお、
第3の実施の形態と同様の要素には、同一符号を付して
詳細な説明は省略する。
9を有するスリーブ32は、ハウジング12より線膨張
係数の大きな材料で形成されている。
第1の実施の形態延いては第3の実施の形態において説
明したと同様の作用効果を奏することができると共に、
第2の実施の形態において説明したと同様の作用効果を
奏することができる。
の動圧軸受装置とを比較するための性能実験結果を図5
〜図7に示しておく。なお、回転軸3の軸径はφ5mm
とし、スリーブの材料以外の構造、動圧溝形状、常温時
の軸受隙間等の条件は同一にして実験を行っている。
示しており、スリーブ2に黄銅(線膨張係数:19×1
0-6/℃)、回転軸3にステンレスの焼き入れ材(線膨
張係数:10×10-6/℃)を使用した場合における温
度に対する負荷容量(軸受剛性)変化とトルク変化を示
している。
の実験結果を示している。図6は、回転軸3にステンレ
スの焼き入れ材(線膨張係数:10×10-6/℃)を使
用し、ハウジング12に黄銅(線膨張係数:19×10
-6/℃)、スリーブ2に樹脂(線膨張係数:24×10
-6/℃)を使用し、ハウジング12とスリーブ2の線膨
張係数の差を5×10-6/℃とした場合における温度に
対する負荷容量(軸受剛性)変化とトルク変化を示して
いる。
き入れ材(線膨張係数:10×10 -6/℃)を使用し、
ハウジング12に黄銅(線膨張係数:19×10-6/
℃)、スリーブ2に樹脂(線膨張係数:24×10-6/
℃)を使用し、ハウジング12とスリーブ2の線膨張係
数の差を25×10-6/℃とした場合における温度に対
する負荷容量(軸受剛性)変化とトルク変化を示してい
る。
置のように、ハウジング12とスリーブ2の線膨張係数
に差を設けると、温度上昇に伴い潤滑油(動圧流体)の
粘度が低下しても、負荷容量の低下及び駆動(損失)ト
ルクの増大を抑制することができることが解る。
に、ハウジング12とスリーブ2の線膨張係数に差を設
けると、温度上昇により軸受隙間(回転軸3の外径とス
リーブ2の内径との間隙の大きさ)を小さくすることが
でき、この温度上昇に伴う軸受隙間の減少によって、高
温時における軸受隙間の適正化延いては潤滑特性の良化
(即ち、軸受隙間の縮小によって潤滑油粘度が低下して
も軸受隙間内に良好に動圧油圧を発生できるため、例え
ば固体接触の発生を抑制できるため潤滑特性が良化され
ることになる)を促進することができるので、温度上昇
による潤滑油の粘度低下に伴う負荷容量の低下及び潤滑
特性の悪化による摩擦損失の増加延いては駆動(損失)
トルクの増大を抑制することができることが理解され
る。
℃(高温時)における負荷容量を、従来の動圧軸受装置
の約80℃(高温時)における負荷容量と同じに設定す
ると、約80℃より低温側での本発明に係る動圧軸受装
置の駆動(損失)トルクを従来装置のそれより小さくで
きるため、低電力消費の動圧軸受装置を提供できること
になる。
軸、ハウジング、スリーブの上記組み合わせの一例にお
いて、ハウジングとスリーブの線膨張係数の差が5×1
0-6/℃より小さいと、得られる効果が小さく、線膨張
係数の差が25×10-6/℃より大きいと、常温(約2
0℃)での軸受隙間が大きくなりすぎる惧れがある。そ
して、線膨張係数の差を大きく設定しすぎると、高温時
に軸受隙間が小さくなり良好な回転が得られなくなる惧
れがあるため、安全を考慮して80℃で2〜3μm程度
の軸受隙間となるように、ハウジングとスリーブの線膨
張係数の差を25×10-6/℃以下とするのが好まし
い。
属でも樹脂でも良く、スリーブより線膨張係数が小さけ
れば材料は限定されるものではない。
一例に対して変更する場合には、上述した本発明の作用
効果を効果的に達成できるように、即ち、適切な軸受隙
間(回転軸の外径とスリーブの内径との間隙の大きさ)
が得られるように、ハウジングとスリーブの線膨張係数
及びその差を適宜選択すべきことは勿論である。
たスリーブ2の樹脂材料としては、マトリクス樹脂とし
て耐熱性を有し、かつ、成形精度が得られ、高温におい
ても剛性を維持できる樹脂が好ましい。この種の樹脂と
しては、例えば、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポ
リブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタ
レート樹脂などを例示する(採用する)ことができる。
め、成形精度を向上させ、線膨張係数を小さく押さえ、
温度によるラジアル隙間の変化を小さくすることが好ま
しく、このためには、樹脂に粉末状や繊維状の強化材を
配合することもできる。この粉末状の強化材としては、
ガラス粉末、ガラスビーズ、シリカ、炭酸カルシウムな
どを例示でき、繊維状の強化材としては、ガラス繊維、
カーボン繊維などを例示できる。
3の回転初期(起動時を含む)や停止時は、油膜切れ等
により回転軸とスリーブとが接触する惧れがあると共
に、スラスト軸受と回転軸の端部とは、これらの間に発
生する油圧がラジアル軸受部ほど高くないため境界潤滑
や直接接触状態となり易いため、ラジアル軸受部とスラ
スト軸受部とが一体成形される樹脂製スリーブには、耐
摩耗性、摺動性を改善できる充填材を配合することが好
ましい。この種の充填材としては、ポリテトラフルオロ
エチレン樹脂粉末や、炭化フェノール粒子などを例示で
きる。
は2種以上を適宜組み合わせて利用することも可能であ
る。そして、上記各実施の形態では、スリーブを樹脂製
スリーブとして説明してたが、スリーブのラジアル軸受
部とスラスト軸受部とは異なる材質、線膨張係数とする
ことができ、例えばスラスト軸受部を金属製とすること
もできるものである。なお、回転軸3は金属製であって
も、或いは樹脂製等であっても良いものである。
生用の溝9を樹脂製スリーブ2の内周面に刻設すること
として説明したが、動圧発生用の溝9は回転軸3の外周
側に形成(刻設)することもできるものである。更に、
動圧発生用の溝9がなくても、また、上記において例示
した動圧発生用の溝9のような形状に限らず、ラジアル
軸受面の潤滑特性を達成できる場合には、該動圧発生用
の溝9を省略したり或いは形状変更しても良いものであ
る。
入、締結固定(ねじ固定を含む)など何れの固定方法で
あって良く、またこれらを組み合わせた固定方法でも良
いものである。例えば、充填材等をハウジングとスリー
ブの隙間を埋めるような固定方法も採用でき、かかる場
合、全面充填でなくても、内径面に動圧溝がある外径面
部分とハウジング内径面の隙間が殆どないようにすれば
良いものである。
の形態で説明したものに限定されるものではなく、他の
外形形状を有するもの、例えば、各実施の形態で例示し
た以外の場所にフランジ等が設けられているもの等であ
っても、本発明の範囲に属することは勿論である。
ーブのスラスト軸受面を、回転軸のスラスト軸受側端部
の凸球面形状の外周面を収容するように、前記凸球面の
曲率より大きな曲率の凹球面形状として、回転軸とスラ
スト軸受とが点接触することを抑制して回転軸とスラス
ト軸受とを球面接触させ、接触面積の拡大により、当接
部の面圧を低減し、以て回転軸のスラスト軸受側端部及
びスラスト軸受の軸受面の摩耗を抑制するように構成す
ることもできるものである。
いても、上記実施の形態において説明したものに、本発
明は限定されるものではない。
軸受装置(動圧軸受装置)によれば、スリーブ及びハウ
ジングの線膨張係数の差を利用して、温度変化に伴う軸
受隙間変化を制御(調整)するようにしたので、温度変
化に伴う軸受隙間の変化及び潤滑油粘度の変化に起因す
る軸受負荷容量の変化や軸受(損失)トルクの変化を抑
制できるため、高温時における負荷容量の低下、駆動ト
ルクや摩擦抵抗の増加、更には摩耗量の増大等を抑制す
ることができる。更に、常温時における軸受隙間を比較
的大きく設定できるため、低温側(常温から高温に至る
まで)の駆動トルク(摩擦抵抗)を小さくでき、以て低
トルクかつ低電力消費で駆動可能な軸受装置を提供で
き、延いては使用環境変化に拘わらず長期に亘って良好
な軸受性能を達成できる軸受装置を提供することができ
る。
れば、ハウジングの材料より線膨張係数の大きな材料の
選択の自由度を拡大することができ、ハウジングの材料
との組み合わせの自由度を大きくすることができ、設計
自由度を向上させることができる。更に、スリーブを樹
脂製とすれば、摺動特性、耐摩耗性、騒音性能等を向上
させることもできる。
り一体成形すれば、部品点数を削減でき延いては組立工
数を低減できるため、製品コスト等の削減も一層促進可
能となる。
一体成形する際に、動圧溝も同時に形成することが可能
で、これにより、一層、製品コストの低減を促進するこ
とができる。
成例を示す断面図である。
成例を示す断面図である。
成例を示す断面図である。
成例を示す断面図である。
る負荷容量(軸受剛性)変化とトルク変化の実験結果を
示す図である。
に対する負荷容量(軸受剛性)変化とトルク変化の実験
結果を示す図である。
温度に対する負荷容量(軸受剛性)変化とトルク変化の
実験結果を示す図である。
の構成例を示す断面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 回転軸を回転自在に嵌挿し、該回転軸と
の間でラジアル軸受として機能するスリーブと、 該スリーブの外周面を収容して支持するハウジングと、 を含んで構成される流体軸受装置であって、 前記スリーブの線膨張係数が、前記ハウジングの線膨張
係数より大きいことを特徴とする流体軸受装置。 - 【請求項2】 前記スリーブと前記ハウジングとの線膨
張係数の差が、5×10-6〜25×10-6/℃であるこ
とを特徴とする請求項1に記載の流体軸受装置。 - 【請求項3】 前記スリーブが、回転軸のスラスト荷重
を受けるスラスト軸受部と一体成形されることを特徴と
する請求項1または請求項2に記載の流体軸受装置。 - 【請求項4】 前記スリーブが樹脂により構成されるこ
とを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1つに記載
の流体軸受装置。
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