JP2001335554A - (r)−4−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸低級アルキルエステルの製造方法 - Google Patents

(r)−4−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸低級アルキルエステルの製造方法

Info

Publication number
JP2001335554A
JP2001335554A JP2000159377A JP2000159377A JP2001335554A JP 2001335554 A JP2001335554 A JP 2001335554A JP 2000159377 A JP2000159377 A JP 2000159377A JP 2000159377 A JP2000159377 A JP 2000159377A JP 2001335554 A JP2001335554 A JP 2001335554A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cyano
hydroxybutyric acid
lower alkyl
reaction
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000159377A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuo Kasai
鉄夫 笠井
Eiji Dejima
栄治 出島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2000159377A priority Critical patent/JP2001335554A/ja
Publication of JP2001335554A publication Critical patent/JP2001335554A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 (S)−4−ハロゲノ−3−ヒドロキシ酪酸
低級アルキルエステルを溶媒の存在下、シアノ化反応に
付し、(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸低級ア
ルキルエステルを高収率で製造する方法の提供。 【解決手段】 (S)−4−ハロゲノ−3−ヒドロキシ
酪酸低級アルキルエステルを溶媒の存在下、シアノ化反
応に付し、次いでシアノ化反応中に副生した(R)−4
−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸(塩)を対応する低級ア
ルコールによりエステル化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、(R)−4−シア
ノ−3−ヒドロキシ酪酸低級アルキルエステルの製造方
法に関する。詳しくは、(S)−4−ハロゲノ−3−ヒ
ドロキシ酪酸低級アルキルエステルをシアノ化反応に付
し、次いでシアノ化反応中に副生した(R)−4−シア
ノ−3−ヒドロキシ酪酸(塩)をエステル化して、
(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸低級アルキル
エステルを製造する方法に関する。
【0002】本発明により得られる(R)−4−シアノ
−3−ヒドロキシ酪酸低級アルキルエステルは、種々の
医薬中間体として有用であり、例えば、3−ヒドロキシ
−3−メチルグルタリル補酵素Aリダクターゼ(通常
「HMG−CoA」と略記される)の阻害剤[R−(R
*,R*)]−2−(4−フルオロフェニル)−β,δ
−ジヒドロキシ−5−(1−メチルエチル)−3−フェ
ニル−4−[(フェニルアミノ)カルボニル]−1H−
ピロール−1−ヘプタン酸カルシウム塩(2:1)の重
要な中間体として用いることができる。
【0003】
【従来の技術】(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシ酪
酸低級アルキルエステル類の合成法としては、L−アス
コルビン酸に過酸化水素と炭酸カルシウムを反応させて
得られるL−スレオニンカルシウム塩一水和物(Car
bohydrate,Res.,72,301(197
9))やL−アラビノースに臭化水素を作用させたジブ
ロモ体をブロムヒドリンとし、(S)−4−ブロモ−3
−ヒドロキシ酪酸メチルエステルに導いた後(Acta
Chem.Scand.B37,341(198
3))、水酸基をテトラヒドロピラニル、トリアルキル
シリル、アルキルなどの保護基で保護してから、ジメチ
ルスルホキシド中で青酸ソーダを反応せしめる方法(米
国特許第4,611,067号明細書)、ジケテンから
得られる4−ハロゲノアセト酢酸t−ブチルエステルに
ルテニウム−光学活性ホスフィン錯体を用いて不斉水素
化反応を行って(S)−4−ハロゲノ−3−ヒドロキシ
酪酸t−ブチルエステルとした後(特開平1−2115
51号公報)、非プロトン性極性溶媒中でシアノ化剤と
の反応を行う方法(特開平5−331128号公報)等
が知られている。
【0004】以上のような報告例のうち、前者の方法は
原料として光学活性体を使用し、複数の反応を経た後に
水酸基の保護と脱保護工程が必要であり、工程数が多く
工業的製法とは言えない。また、後者の方法は、不斉水
素化反応によって得られた原料の光学純度が約92%e
eと低いため、高い光学純度を要求される医薬中間体と
して使用するためには、生成物をシアノ化反応液から有
機溶媒により抽出して水洗後、溶媒を留去し、得られた
残さを有機溶媒により再結晶して光学純度を向上させる
必要がある。
【0005】これらの方法とは別に、ジケテンから得ら
れる4−ハロゲノアセト酢酸低級アルキルエステルに微
生物を用いた不斉還元反応を行うことにより(S)−4
−ハロゲノ−3−ヒドロキシ酪酸低級アルキルエステル
を得る例が多数報告されている。当初は、不斉還元反応
における光学純度が92〜95%eeと不充分であった
が(特開昭61−146191号公報)、優れた微生物
の発見により98〜99%eeの光学純度が得られるま
でになった(特開平8−336393号公報)。微生物
により反応を行った場合の一般的な手法として、反応
後、生成した(S)−4−ハロゲノ−3−ヒドロキシ酪
酸低級アルキルエステルは、遠心分離等による除菌後、
反応液から酢酸エチル、塩化メチレン、トルエン、ジエ
チルエーテル等の有機溶媒を用いて抽出した後、有機溶
媒を留去しカラムクロマトグラフィーや蒸留等の操作に
より、純品として単離することができる。
【0006】単離された(S)−4−ハロゲノ−3−ヒ
ドロキシ酪酸低級アルキルエステルは、前述のシアノ化
反応例に倣い、水酸基を保護した上でジメチルスルホキ
シド中でシアノ化反応を行うか、そのまま非プロトン性
溶媒中でシアノ化反応を行うことにより、又は、そのま
ま他の溶媒中でシアノ化反応を行うことにより(特表平
7−500105号公報)、(R)−4−シアノ−3−
ヒドロキシ酪酸低級アルキルエステルが得られる。そし
て、これらのシアノ化反応液から、高純度の(R)−4
−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸低級アルキルエステルを
単離するためには、通常、適当な溶媒で抽出した後、濃
縮及び減圧蒸留による精製が行われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】(S)−4−ハロゲノ
−3−ヒドロキシ酪酸低級アルキルエステルを水性溶媒
の存在下、シアノ化反応に付して、(R)−4−シアノ
−3−ヒドロキシ酪酸低級アルキルエステルを製造する
方法は優れた方法ではあるが、生産性が必ずしもよくな
いという問題があった。本発明者らの追試によれば、こ
の原因はシアノ化反応中に目的生成物である(R)−4
−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸低級アルキルエステルが
加水分解されるためであることが判明した。
【0008】なお、副生した(R)−4−シアノ−3−
ヒドロキシ酪酸(塩)を含む水溶液については、これ迄
廃液として処理されている。本発明は、(S)−4−ハ
ロゲノ−3−ヒドロキシ酪酸低級アルキルエステルを溶
媒の存在下、シアノ化反応に付し、(R)−4−シアノ
−3−ヒドロキシ酪酸低級アルキルエステルを高収率で
製造する方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる事
情に鑑み鋭意検討した結果、(S)−4−ハロゲノ−3
−ヒドロキシ酪酸低級アルキルエステルを溶媒の存在
下、シアノ化反応に付し、次いでシアノ化反応中に副生
した(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸(塩)を
対応する低級アルコールによりエステル化することによ
り、目的とする(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシ酪
酸低級アルキルエステルが高収率で得られることを見い
出し、本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明の要旨は、(S)−4−ハロ
ゲノ−3−ヒドロキシ酪酸低級アルキルエステルを溶媒
の存在下、シアノ化反応に付し、次いでシアノ化反応中
に副生した(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸
(塩)を対応する低級アルコールによりエステル化する
ことを特徴とする(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシ
酪酸低級アルキルエステルの製造方法、にある。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、(S)−4−ハロゲノ
−3−ヒドロキシ酪酸低級アルキルエステルを溶媒の存
在下、シアノ化反応に付し、(R)−4−シアノ−3−
ヒドロキシ酪酸低級アルキルエステルを製造する際に、
シアノ化反応中にエステルの加水分解により副生した
(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸(塩)をエス
テルとして回収することを特徴とする。
【0012】((S)−4−ハロゲノ−3−ヒドロキシ
酪酸低級アルキルエステルのシアノ化反応)本発明の原
料の(S)−4−ハロゲノ−3−ヒドロキシ酪酸低級ア
ルキルエステルは、例えば特開平8−336393号公
報記載の方法に準拠して、4−ハロゲノアセト酢酸低級
アルキルエステルを微生物を用いて不斉還元することに
より得ることができる。
【0013】この(S)−4−ハロゲノ−3−ヒドロキ
シ酪酸低級アルキルエステルの低級アルキルエステルと
は、炭素数1〜10、好ましくは1〜4の直鎖又は分岐
状のアルキルエステルを指し、その具体例としては、例
えばメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステ
ル、ブチルエステル等を挙げることができる。また、こ
の(S)−4−ハロゲノ−3−ヒドロキシ酪酸低級アル
キルエステルのハロゲンとしては、例えば塩素、臭素、
ヨウ素が用いられるが、これらの中、塩素が好ましい。
【0014】本発明に用いられるシアノ化剤としては、
例えばアルカリ金属シアン化物、アルカリ土類金属シア
ン化物が用いられる。これらの中、一般的なシアン化物
である青酸ナトリウム(青酸ソーダ)、青酸カリウム
(青酸カリ)が好ましく、安価な青酸ソーダが好適に用
いられる。シアノ化剤の使用量については、特に限定は
されないが、(S)−4−ハロゲノ−3−ヒドロキシ酪
酸低級アルキルエステルに対して、通常1〜2当量、好
ましくは1.2〜1.6当量である。
【0015】シアノ化反応に用いられる溶媒としては、
水性溶媒が好ましい。水性溶媒の具体例としては、例え
ば、水、エタノール等のアルコール類、ジメチルホルム
アミド等の酸アミド類、アセトニトリル等のニトリル
類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、及びテ
トラヒドロフラン等のエーテル類等のような水溶性有機
溶媒、並びにこれらの混合物が挙げられる。これらの
中、水が安価であり、好ましく、水に余り溶解しない有
機溶媒による抽出が可能となるので好適である。
【0016】なお、水は原料の(S)−4−ハロゲノ−
3−ヒドロキシ酪酸低級アルキルエステルの濃度が通常
5〜50重量%、好ましくは20〜30重量%となるよ
うに添加される。シアノ化反応は、例えば反応器に
(S)−4−ハロゲノ−3−ヒドロキシ酪酸低級アルキ
ルエステル及び水を仕込み、この原料水溶液にシアノ化
剤の水溶液を加熱下、好ましくは撹拌下に連続的又は間
欠的に添加することにより行われる。
【0017】反応温度は、通常20℃ないし溶媒の沸点
の温度、好ましくは50℃ないし溶媒の沸点の温度であ
り、反応時間は通常1〜60分である。但し、滴下終了
後、0〜10時間の範囲で熟成してもよい。かくして得
られたシアノ化反応生成液中には、収率基準で、通常、
目的生成物である(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシ
酪酸低級アルキルエステル、8.5〜10モル%、
(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸(塩)3〜5
モル%含有されている。また、この生成液のpHは、通
常7〜9.5である。
【0018】((R)−4−シアノ−3−ヒドロキシ酪
酸のエステル化反応)本発明において、エステル化反応
の原料として用いられるものは、シアノ化反応生成
液、シアノ化反応生成液に酸性液を加えて水溶液のp
Hを5以下、好ましくは2以下として、(R)−4−シ
アノ−3−ヒドロキシ酪酸を遊離せしめ、次いでこの酸
性水溶液から目的生成物である(R)−4−シアノ−3
−ヒドロキシ酪酸低級アルキルエステル及び遊離した
(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸の混合物を有
機溶媒により抽出し、得られた抽出物ないし濃縮物、
【0019】シアノ化反応生成液から脂肪族炭化水
素、芳香族炭化水素又はハロゲン化炭化水素のような溶
媒により目的生成物である(R)−4−シアノ−3−ヒ
ドロキシ酪酸低級アルキルエステルを抽出した残りの水
溶液に酸性液を加えて、水溶液のpHを5以下、好まし
くは2以下とし、(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシ
酪酸を遊離せしめ、次いでこの酸性水溶液から遊離した
(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸を有機溶媒に
より抽出し、得られた抽出物ないし濃縮物、である。こ
れらの中、及びが好ましく、が特に好ましい。
【0020】該酸性液としては特に限定されず、例え
ば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等を挙げることができ
る。抽出に使用する有機溶媒としては、酢酸エチル、酢
酸ブチル等の酢酸低級アルキルエステル類、塩化メチレ
ンやクロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、トルエン
やベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチルイソブチルケ
トン等のケトン類又はジブチルエーテル等のエーテル類
及び、これらの混合物等が挙げられるが、これらの中、
実質的に水不溶性のものが好ましい。抽出操作は抽出効
率を上げるため、これらの抽出溶媒を添加する前に、反
応液を有る程度濃縮してもよいし、或いは塩析による抽
出効率の向上を図ってもよい。特に、反応溶媒が水とエ
チルアルコールのような混合溶媒の時には、抽出効率を
上げるため、予め、低沸点のエチルアルコールを蒸発さ
せて除いた後、抽出有機溶媒を添加するのが好適であ
る。
【0021】エステル体又は酸の遊離物を抽出する工程
に用いる有機溶媒の使用量としては、該酸性水溶液量の
0.1〜10倍重量、好ましくは0.5〜3倍重量を1
回の添加量として、同一反応液に対して2回以上、好ま
しくは5回以上の抽出及び分液操作を行う。抽出操作の
後は、必要に応じて濃縮操作を行う。濃縮操作は常圧
下、もしくは減圧下20℃から抽出液の還流温度の範囲
に加熱して行うことが出来る。濃縮の程度は全体の生産
性を考慮して、0〜100%の範囲で適宜選択すること
が出来るが、エステル化工程での生産性を考えれば、抽
出に用いた有機溶媒が全体の10重量%以下、好適には
ほぼ完全になくなるまで濃縮することが好ましい。
【0022】エステル化反応は、例えば反応器に前記
、又はを仕込み、更にアルコールを加え、反応温
度20℃からアルコールの還流温度で、反応時間30分
以上、好ましくは2時間以上撹拌することによって行わ
れる。アルコールとしては、メタノール、エタノール、
プロパノール及びブタノールの中、エステル体に対応す
るものが通常用いられるが、その使用量は(R)−4−
シアノ−3−ヒドロキシ酪酸に対して1〜100当量、
好ましくは10〜30当量である。また、該エステル化
反応は平衡反応であり、生成する水を連続的に除去する
ことによって、収率を向上することが可能である。更
に、酸触媒の添加により反応時間の短縮が可能となる。
酸触媒としては特に限定されず、例えば、硫酸、リン酸
などのプロトン酸やゼオライト、スルホン酸系のイオン
交換樹脂等の固体酸触媒が挙げられる。
【0023】このようにして得られた(R)−4−シア
ノ−3−ヒドロキシ酪酸低級アルキルエステルは、抽
出、蒸留等により目的物を高収率で単離することができ
る。
【0024】
【実施例】以下、実施例により、本発明を詳細に説明す
るが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施
例に限定されるものではない。実施例において、収率と
は、反応に用いた(S)−4−ハロゲノ−3−ヒドロキ
シ酪酸低級アルキルエステル量に対する、各成分の量を
モル%で示す。
【0025】(実施例1)還流凝縮器を接続したガラス
製反応容器に、(S)−4−クロロ−3−ヒドロキシ酪
酸エチル55g(純度90%)と水150gを混合し、
85℃に加熱した。この混合物に撹拌下、30重量%青
酸ソーダ水溶液73gを60分間かけて添加、反応を行
った。反応中、反応温度は85℃を保持する様に調節し
た。更に、添加終了後85℃にて30分間加熱を継続し
た後、室温まで冷却した。
【0026】反応後の(R)−4−シアノ−3−ヒドロ
キシ酪酸エチルの収率は57.5%、(R)−4−シア
ノ−3−ヒドロキシ酪酸及びそのナトリウム塩の収率は
29%であった。
【0027】この反応液に酢酸エチルを加え、(R)−
4−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸エチルを抽出後、水相
と分離した。有機相への(R)−4−シアノ−3−ヒド
ロキシ酪酸エチルの回収率は99%であった。
【0028】該水相に塩酸を添加してpHを1とし、酢
酸エチルを用いて遊離酸を抽出した。次いで、有機相を
水相から分離し、50℃減圧条件下で濃縮した。(R)
−4−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸の回収率は89%で
あった。
【0029】還流凝縮器を接続したガラス製反応容器
に、該濃縮液(12.5g)とエタノール80g及び硫
酸0.85gを加えて、還流条件下(80℃)で3時間
のエステル化反応を行った。エステル化反応率は95
%、シアノ化反応及びエステル化反応で得られた全
(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸エチルの収率
は81%であった。
【0030】(実施例2)実施例1と同様のシアノ化反
応を行った。(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸
エチルの収率は56.2%、(R)−4−シアノ−3−
ヒドロキシ酪酸及びそのナトリウム塩の収率は28.2
%であった。
【0031】該反応液に、塩酸を添加してpHを1と
し、酢酸エチルを用いて(R)−4−シアノ−3−ヒド
ロキシ酪酸エチル及び遊離酸を抽出した。次いで、有機
相を水相から分離し、50℃減圧条件下で濃縮した。
(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸エチルの回収
率は100%、(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシ酪
酸の回収率は88%であった。
【0032】還流凝縮器を接続したガラス製反応容器
に、該濃縮液(44g)とエタノール90g及び硫酸
0.9gを加えて、還流条件下(80℃)で3時間のエ
ステル化反応を行った。(R)−4−シアノ−3−ヒド
ロキシ酪酸のエステル化反応率は92%、シアノ化反応
からエステル化反応で得られた(R)−4−シアノ−3
−ヒドロキシ酪酸エチルの収率は79%であった。
【0033】(実施例3)実施例2において、シアノ化
反応での青酸ソーダ水溶液を37%青酸カリウム(78
g)としたこと以外は実施例2と同様にシアノ化反応を
行った。(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸エチ
ルの収率は59.3%、(R)−4−シアノ−3−ヒド
ロキシ酪酸及びそのナトリウム塩の収率は26.3%で
あった。
【0034】該反応液に、塩酸を添加してpHを1と
し、酢酸エチルを用いて抽出した。次いで、有機相を水
相から分離し、50℃減圧条件で濃縮した。(R)−4
−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸エチルの回収率は100
%、(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸の回収率
は81%であった。
【0035】還流凝縮器を接続したガラス製反応容器
に、該濃縮液(43g)とエタノール90g及び硫酸
0.9gを加えて、還流条件下(80℃)で3時間のエ
ステル化反応を行った。(R)−4−シアノ−3−ヒド
ロキシ酪酸のエステル化反応率は90%であった。
【0036】次いで、該エステル化反応液を50℃減圧
条件下で脱水を行った。該脱水エステル化反応液(44
g)にエタノール90gを加えて、還流条件下(80
℃)で2時間の再エステル化反応を行った。(R)−4
−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸のエステル化率は99
%、シアノ化反応からエステル化反応で得られた(R)
−4−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸エチルの収率は80
%であった。
【0037】
【発明の効果】本発明の方法に従って、シアノ化反応後
の(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸及びその塩
も回収することにより、(R)−4−シアノ−3−ヒド
ロキシ酪酸低級アルキルエステルを高収率で製造するこ
とが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA02 AC46 AC48 AC54 AD16 BA66 BB11 BB12 BB14 BB15 BB16 BB17 BB20 BB21 BB31 BB47 BC16 BC53 BD70 BE01 BE02 BE03 BE90 QN30 4H039 CA66 CD10 CD30

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (S)−4−ハロゲノ−3−ヒドロキシ
    酪酸低級アルキルエステルを溶媒の存在下、シアノ化反
    応に付し、次いでシアノ化反応中に副生した(R)−4
    −シアノ−3−ヒドロキシ酪酸(塩)を対応する低級ア
    ルコールによりエステル化することを特徴とする(R)
    −4−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸低級アルキルエステ
    ルの製造方法。
  2. 【請求項2】 溶媒が水、水溶性有機溶媒又は水と水溶
    性有機溶媒との混合物である請求項1に記載の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 水溶性有機溶媒がアルコール類、酸アミ
    ド類又はニトリル類である請求項2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 シアノ化剤がアルカリ金属又はアルカリ
    土類金属のシアン化合物である請求項1ないし3のいず
    れかに記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 シアノ化反応生成液に酸性液を添加して
    (R)−4−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸を遊離せし
    め、次いでこの酸性水溶液から(R)−4−シアノ−3
    −ヒドロキシ酪酸低級アルキルエステル及び(R)−4
    −シアノ−3−ヒドロキシ酪酸を有機溶媒により抽出
    し、この抽出物ないし濃縮物をエステル化反応に供する
    請求項1ないし4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 シアノ化反応生成液から溶媒により
    (R)−4−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸低級アルキル
    エステルを抽出した後の(R)−4−シアノ−3−ヒド
    ロキシ酪酸塩を含む水溶液に酸性液を添加して、(R)
    −4−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸を遊離せしめ、次い
    でこの酸性水溶液から該酪酸の遊離物を有機溶媒により
    抽出し、この抽出物ないし濃縮物をエステル化反応に供
    する請求項1ないし4のいずれかに記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 抽出に用いる有機溶媒が酢酸エステル
    類、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、ケトン
    類又はエーテル類である請求項5又は6に記載の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 エステル化反応を酸触媒存在下で行う請
    求項1ないし7のいずれかに記載の製造方法。
JP2000159377A 2000-05-30 2000-05-30 (r)−4−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸低級アルキルエステルの製造方法 Pending JP2001335554A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000159377A JP2001335554A (ja) 2000-05-30 2000-05-30 (r)−4−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸低級アルキルエステルの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000159377A JP2001335554A (ja) 2000-05-30 2000-05-30 (r)−4−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸低級アルキルエステルの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001335554A true JP2001335554A (ja) 2001-12-04

Family

ID=18663710

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000159377A Pending JP2001335554A (ja) 2000-05-30 2000-05-30 (r)−4−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸低級アルキルエステルの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001335554A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005535330A (ja) * 2002-08-09 2005-11-24 コデクシス, インコーポレイテッド 4−置換3−ヒドロキシ酪酸誘導体の生成のための酵素的プロセス

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005535330A (ja) * 2002-08-09 2005-11-24 コデクシス, インコーポレイテッド 4−置換3−ヒドロキシ酪酸誘導体の生成のための酵素的プロセス

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2023145671A (ja) 3-ヒドロキシ-3,6-ジメチルヘキサヒドロベンゾフラン-2-オンおよびその誘導体の製造
EP2247572B1 (en) A one-pot process for preparing 3-(2,2,2-trimethylhydrazinium)propionate dihydrate
RU2470919C2 (ru) Способ получения соединения толуидина
EP1951657B1 (en) Process for the manufacture of iohexol
JPH1180149A (ja) (±)−クロマンカルボン酸の光学分割法
JP2001335554A (ja) (r)−4−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸低級アルキルエステルの製造方法
JP4284423B2 (ja) スチレン誘導体の製造方法
JP2001335553A (ja) (r)−4−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸低級アルキルエステルの製造方法
JP5598330B2 (ja) 光学活性有機カルボン酸の製造方法
JP2002088018A (ja) (メタ)アクリル酸エステルの製造方法
JP3719318B2 (ja) 1−エチル−5−ヒドロキシピラゾールの製法
JP2002220368A (ja) (r)−4−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸低級アルキルエステルの製造方法
WO1999031050A1 (fr) Procede de production de derives d'ester butyrique
JP4314600B2 (ja) 酒石酸低級アルキルジエステルの製造法
WO2015005341A1 (ja) 光学活性フルオロ乳酸誘導体の製造方法
JP2006036710A (ja) 光学活性な3−ヒドロキシテトラヒドロフランの製造法
JP2001122841A (ja) (r)−4−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸低級アルキルエステルの製造方法
CN108727187A (zh) 一种(r)-(+)-2-对羟基苯氧基丙酸的制备方法
JP2000212151A (ja) (r)―4―シアノ―3―ヒドロキシ酪酸低級アルキルエステルの製造方法
JP2001302607A (ja) (r)−4−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸低級アルキルエステルの製造方法
JP2002220367A (ja) (r)−4−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸低級アルキルエステルの製造方法
JP2000212150A (ja) (r)―4―シアノ―3―ヒドロキシ酪酸低級アルキルエステルの製造方法
JP2002220369A (ja) (r)−4−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸低級アルキルエステルの製造方法
JP2006223233A (ja) カプシノイドの製造方法及び安定化法、並びにカプシノイド組成物
JP5618126B2 (ja) エステル化合物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051129

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060328