JP2001335352A - 吹付け材料及びそれを用いた吹付け工法 - Google Patents
吹付け材料及びそれを用いた吹付け工法Info
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Abstract
らのずり落ちを防止するとともに、コテ仕上げを行う時
間がとれるため、法面表面の美観を確保でき、特に、法
面の地滑り等を防止するために施工するセメントコンク
リートの吹付け材料、さらに、崩れやすい法面に、例え
ば、格子状に配置したフレーム骨格に吹付ける吹付け材
料及びそれを用いた法面吹付け工法を提供すること。 【解決手段】 ポリアルキレンオキサイド、特に、平均
分子量が10,000〜50,000のトリスフェノール系縮合物、
及び硫酸アルミニウムを含有する吹付け材料、さらに、
セメントを含有する吹付け材料、特に、セメントとポリ
アルキレンオキサイドとを含有するセメントコンクリー
トと、トリスフェノール系縮合物、硫酸アルミニウムを
吹付け直前で混合する吹付け工法であり、鉄筋類を法面
に配置してフレーム骨格を形成し、法面に吹付け材料を
吹付ける法面吹付け工法を構成とする。
Description
れを用いた吹付け工法、特に、法面の地滑り等を防止す
るために施工するセメントコンクリートの吹付け材料、
さらに、崩れやすい法面に、例えば、格子状(井桁状)に
配置したフレーム骨格に吹付ける吹付け材料及びそれを
用いた法面吹付け工法に関する。なお、本発明でいう部
は特に規定のないかぎり質量基準である。また、本発明
でいうセメントコンクリートとはモルタルやコンクリー
トを総称するものである。
及び急傾斜地を中心に、切り土や盛土によってできた傾
斜面をいう。この法面は、そのまま放置しておくと自然
風化や強雨などによる浸食を受け、地滑り等により崩壊
する恐れがあるため、法面を保護する必要がある。
コンクリートを吹付けていたが、最近では、法面に金網
や複数本の鉄筋を格子状(井桁状)に配置してフレーム骨
格を形成して補強効果を増し、その交点部にアンカーを
打ち込んだ後、コンクリートを吹付けて鉄筋コンクリー
トフレームを作って法面の安定を図ることが行われてい
る(特公昭58-058493号公報)。その中でも変形可能な金
網や鉄筋を法面に直に配置するフリーフレーム工法がよ
く用いられている。その際、施工現場で簡易プラントを
作り、スランプ0cmの硬練りコンクリートを調製し、吹
付けを行った後に表面をコテ仕上げして施工される。し
かしながら、この方法では施工効率が2m3/hr程度と低
く、材料の配合に人手がかかるなど、コスト高になると
いう課題があった。
トを生コンプラントから供給することにより施工効率を
上げ、人手を減らしてコストダウンすることが考えられ
ている。吹付け速度を高めるにはコンクリートのスラン
プを大きくする必要があるが、スランプが大きいと吹付
けたときにコンクリートが斜面から流れ落ちるという課
題がある。
を上げてスランプを低下させ、コンクリートのずり落ち
を防止する必要がある。吹付け時に急結剤を使用した場
合、コンクリートのずり落ちを防ぐことはできるが、吹
付けたコンクリートの硬化が早いためにコテ仕上げがで
きなくなり、法面表面の美観を損ねるという課題があっ
た。
合することでコンクリートのずり落ちを防止するととも
に、コテ仕上げができる程度の可使時間を確保できる吹
付け材料が求められていた。
検討を重ねた結果、特定の吹付け材料を使用することに
より、前記課題を解決できるという知見を得て本発明を
完成するに至った。
ルキレンオキサイド、トリスフェノール系縮合物、及び
硫酸アルミニウムを含有する吹付け材料であり、トリス
フェノール系縮合物の平均分子量が10,000〜50,000であ
る該吹付け材料であり、さらに、セメントを含有する該
吹付け材料であり、セメント100部に対して、硫酸アル
ミニウムを固形分換算で0.1〜5部含有する該吹付け材
料であり、該吹付け材料を使用する吹付け工法であり、
セメントと該吹付け材料の一部とを含有するセメントコ
ンクリートと、該吹付け材料の残部とを吹付け直前で混
合し、吹付ける吹付け工法であり、セメントとポリアル
キレンオキサイドとを含有するセメントコンクリート
と、トリスフェノール系縮合物、硫酸アルミニウムを吹
付け直前で混合して吹付ける吹付け工法であり、鉄筋類
を法面に配置してフレーム骨格を形成し、法面に該吹付
け材料を吹付け、鉄筋類含有セメントコンクリートフレ
ームを構築する法面吹付け工法である。
上げる目的でスランプの大きいコンクリートを用いた場
合でも、吹付け時にコンクリートと混合することで、コ
ンクリートのずり落ちを防止するとともに、コテ仕上げ
ができる程度の可使時間が確保できる吹付け材料、及び
それを用いた法面吹付け工法である。
ド(以下、PAOという)は、トリスフェノール系縮合物
との相互作用によりセメントコンクリートに粘性を与
え、吹付け直後におけるセメントコンクリートのダレや
ずり落ちを防止するものである。PAOとしては、ポリ
エチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、及び
ポリブチレンオキサイド等が挙げられるが、これらの中
では効果が大きい面でポリエチレンオキサイドが好まし
い。PAOの平均分子量は100万〜500万が好ましい。10
0万未満ではダレやずり落ちを防止する効果が小さい場
合があり、500万を越えるとセメントコンクリートの圧
送性が低下する場合がある。PAOの使用量は、セメン
ト100部に対して、0.001〜0.5部が好ましく、0.005〜0.
3部がより好ましい。0.001部未満ではセメントコンクリ
ートの粘性が小さく、吹付けたときにダレが生じ、セメ
ントコンクリートが斜面から流れ落ちる場合があり、0.
5部を越えるとセメントコンクリートの粘性が大きくな
り、圧送性に支障が生じる場合がある。
物としては、トリスフェノール類、芳香族アミノスルホ
ン酸、及びホルムアルデヒドを縮合反応させることによ
って得られるものであり、市販品が使用可能である。ト
リスフェノール類の具体例としては、例えば、4,4',4''
-エチリジントリスフェノール、4,4'-[(4-ヒドロキシフ
ェニル)メチレン]ビス(2,6-ジメチルフェノール)、4,
4',4''-メチリジントリスフェノール、4,4'-[1-[4-[2-
(4-ヒドロキシフェニル)-2-プロピル]フェニル]エチリ
ジン]ビスフェノール、4,4'-[(4-ヒドロキシフェニル)
メチレン]ビス(2-メチルフェノール)、及びこれらの異
性体等が挙げられ、これらを併用することも可能であ
る。また、芳香族アミノスルホン酸の具体例としては、
4-アミノベンゼンスルホン酸、2-アミノ-5-メチルベン
ゼンスルホン酸、及びこれらの異性体等を挙げることが
できる。本発明で使用するトリスフェノール系縮合物の
平均分子量は、10,000〜50,000が好ましい。10,000未満
ではセメントコンクリートのずり落ちを防ぐ効果が小さ
い場合があり、50,000を越えると強度発現性が低下する
場合がある。トリスフェノール系縮合物の使用量は、セ
メント100部に対して、0.1〜1.0部が好ましく、0.2〜0.
5部がより好ましい。0.1部未満ではセメントコンクリー
トのずり落ちを防ぐ効果が小さい場合があり、1.0部を
越えるとずり落ちが増加する場合がある。
メントコンクリートと混合することでスランプを低下
し、吹付け直後におけるセメントコンクリートのダレや
ずり落ちを防止するものであり、PAOとトリスフェノ
ール系縮合物と併用することで、これらをそれぞれ単独
で用いた場合より吹付け直後におけるセメントコンクリ
ートのダレやずり落ちを防止する効果を大きくするもの
である。硫酸アルミニウムは、粉末状として無水物と含
水物があり、また、水に溶解して水溶液としたものがあ
り、いずれも使用可能であるが、このうち、セメントコ
ンクリートとの混合性が良好な面から水溶液として使用
するのが好ましい。硫酸アルミニウムの使用量は、セメ
ント100部に対して、固形分換算(無水物)で0.1〜5部が
好ましく、0.5〜3部がより好ましい。0.1部未満ではセ
メントコンクリートのずり落ちを防ぐ効果が小さい場合
があり、5部を越えるとセメントコンクリートの凝結・
硬化が促進され、コテ仕上げをする時間が確保できなく
なる場合がある。
るものではなく、普通、早強、超早強、中庸熱、及び低
熱等の各種ポルトランドセメントや、これらポルトラン
ドセメントに高炉スラグ、フライアッシュ、石灰石微粉
末、又はシリカを混合した各種混合セメント、さらに
は、膨張セメントやコロイドセメントなどのいずれも使
用可能である。
の骨材の他に、減水剤、AE剤、繊維、及び微粉等を本
発明の目的を実質的に阻害しない範囲で併用することが
可能である。
ルマリン縮合物、メラミンスルホン酸ホルマリン縮合
物、及びポリカルボン酸系高分子化合物等が使用可能で
ある。また、AE剤はセメントコンクリートの凍害を防
止するものである。さらに、繊維は特にアンカー部のひ
び割れ防止に有効なものである。そして、微粉は空隙を
埋めて緻密構造を形成し、高強度化を図るものであり、
シリカフューム等が使用可能である。
面吹付け工法としては、吹付け材料を直に法面へ吹付け
てもよいが、補強効果を増すために、鉄筋類などを配置
してフレーム骨格を形成することが好ましく、フリーフ
レーム工法がより好ましい。
なるもので、これらを組み合わせてフレーム骨格を形成
して、セメントコンクリートを吹付け、鉄筋類含有セメ
ントコンクリートフレームとするものである。
置方法としては特に制限されるものではないが、通常、
幅30〜60cm、長さ1〜3m程度の金網(波形鉄筋φ1〜
3mm)を2枚平行に金網の幅と同程度の間隔で、長手方
向を法面に沿って配置し、継ぎ足してゆく。平行に立て
た2枚の金網に鉄筋等のスペーサーを用いて、フレーム
骨格を形成する。このフレーム骨格を縦横に延長する
際、この交点部にアンカーを打ち込むことが好ましい。
また、このフレーム骨格の交点部に交点部用フレーム骨
格を用いることも可能である。このように配置したフレ
ーム骨格に吹付け材料を用いて吹付けを行い、フレーム
骨格の鉄筋類からはみ出した部分をコテ仕上げすること
で、フレームの美観を保つ。
は、一般的に行われている乾式、湿式のいずれの吹付け
工法も可能である。そのうち、粉塵の発生量が少ない面
で湿式吹付け工法が好ましい。
をあらかじめセメントコンクリートと混合しておき、ト
リスフェノール系縮合物と硫酸アルミニウムを吹付けノ
ズル手前、例えば、混合管でPAOを混合したセメント
コンクリートと混合することが好ましい。トリスフェノ
ール系縮合物と硫酸アルミニウムを、PAOを混合した
セメントコンクリートに混合するとスランプが低下し、
圧送性が低下するため、前記以外の箇所で混合した場合
には、閉塞や脈動を生じる場合がある。トリスフェノー
ル系縮合物と硫酸アルミニウムを、PAOを混合したセ
メントコンクリートに混合する場合、トリスフェノール
系縮合物と硫酸アルミニウムは別々にPAOを混合した
セメントコンクリートに混合することも可能であり、あ
らかじめ、トリスフェノール系縮合物と硫酸アルミニウ
ムを混合し、それをPAOを混合したセメントコンクリ
ートに混合することも可能である。
説明する。
した吹付けコンクリートを調製し、これをコンクリート
圧送機「アリバー280」により4m3 /hrの圧送速度、0.4M
Paの圧送圧力で空気圧送した。コンクリート中のセメン
ト100部に対して、表1に示すPAOをコンクリートに
あらかじめ混合した。なお、コンクリートの調製にあた
り、スランプが20cm程度になるように減水剤の使用量を
調整した。また、トリスフェノール系縮合物イと硫酸ア
ルミニウムをポンプで圧送し、コンクリート中のセメン
ト100部に対して、それぞれ0.2部、1部(固形分換算)と
なるようにノズル手前に取付けた分岐管に圧送空気とと
もに圧入してコンクリートに混合し吹付けを行った。結
果を表1に併記する。
に交差させて法面に配置し、フレーム骨格にコンクリー
トを吹付けたときの状態を観察。ダレや肌落ちが多く見
られた場合は×、少し見られた場合は△、全く見られな
い場合は○ 可使時間 :吹付け材料を吹付けてから、指触により凹
みがなくなるまでの時間 作業性 :幅10cm×長さ40cm×厚さ10cmのフレーム骨
格にコンクリートを吹付け、フレーム骨格の表面をコテ
で仕上げて成形する際の作業性。容易に成形できた場合
は○、成形するのに力を要した場合は△、力を入れても
成形できない場合は× 圧送性 :吹付けコンクリートを圧送するときの圧送
管内の圧力を測定。圧力が0.40〜0.55MPaである場合は
○、圧送管内が閉塞しやすくなる0.60MPa以上になって
も、圧送管に衝撃を与えることにより0.40〜0.55MPaに
なる場合は△、圧送管が閉塞し、圧送管に衝撃を与えて
も0.40〜0.55MPaとならない場合は× 圧縮強度 :幅50cm×長さ50cm×厚さ20cmのフレーム骨
格にコンクリートを吹付け、直径5cm×長さ10cmの供試
体をコアリングし、養生を20℃、80%RHで測定
1部混合し、表2に示すトリスフェノール系縮合物を用
いたこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表2に
併記する。
品 トリスフェノール系縮合物ハ:平均分子量50,000、市販
品
1部混合し、トリスフェノール系縮合物イを0.2部と表3
に示す硫酸アルミニウム(固形分換算)を使用したこと以
外は実験例1と同様に行った。結果を表3に併記する。
付け工法により、吹付け速度を高めて施工効率を上げる
ためにスランプの大きいコンクリートを用いた場合で
も、吹付け直後のコンクリートのダレや斜面からのずり
落ちを防止するとともに、コテ仕上げを行う時間がとれ
るため、法面表面の美観を確保できる。
Claims (8)
- 【請求項1】 ポリアルキレンオキサイド、トリスフェ
ノール系縮合物、及び硫酸アルミニウムを含有してなる
吹付け材料。 - 【請求項2】 トリスフェノール系縮合物の平均分子量
が10,000〜50,000であることを特徴とする請求項1記載
の吹付け材料。 - 【請求項3】 セメントと請求項1又は2記載の吹付け
材料を含有してなる吹付け材料。 - 【請求項4】 セメント100部に対して、硫酸アルミニ
ウムを固形分換算で0.1〜5部含有してなることを特徴
とする請求項3記載の吹付け材料。 - 【請求項5】 請求項1〜4のうちの一項記載の吹付け
材料を使用することを特徴とする吹付け工法。 - 【請求項6】 セメントと請求項1〜4のうちの一項記
載の吹付け材料の一部を含有するセメントコンクリート
と、請求項1〜4のうちの一項記載の吹付け材料の残部
とを吹付け直前で混合し、吹付けることを特徴とする吹
付け工法。 - 【請求項7】 セメントとポリアルキレンオキサイドと
を含有するセメントコンクリートと、トリスフェノール
系縮合物、硫酸アルミニウムを吹付け直前で混合して吹
付けることを特徴とする吹付け工法。 - 【請求項8】 鉄筋類を法面に配置してフレーム骨格を
形成し、法面に請求項1〜4のうちの一項記載の吹付け
材料を吹付け、鉄筋類含有セメントコンクリートフレー
ムを構築することを特徴とする法面吹付け工法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000154595A JP4519269B2 (ja) | 2000-05-25 | 2000-05-25 | 吹付け材料及びそれを用いた吹付け工法 |
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---|---|---|---|
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018008854A (ja) * | 2016-07-15 | 2018-01-18 | デンカ株式会社 | 吹付け材料用セメント混和剤、吹付け材料及びそれを用いた吹付け工法 |
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2000
- 2000-05-25 JP JP2000154595A patent/JP4519269B2/ja not_active Expired - Lifetime
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