JP2001328596A - 航空機用空気調和装置 - Google Patents
航空機用空気調和装置Info
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Abstract
抽気量、外気取り込み量、および、重量を極力低減した
航空機用空気調和装置を提供する。 【解決手段】 ラムエア6の通路にコンデンサ20と熱
交換器16が直列に配置され、ラムエア6によりコンデ
ンサ20が冷却され、コンデンサ20を通過した高温空
気とバイパスした低温空気の通路が2分割され、熱交換
器16でエンジンからの抽気が冷却される。冷却された
抽気はリヒータ8で熱交換され、エバポレータ17でさ
らに冷却され、ウォータトラップ18で凝縮した水滴が
除かれ、リヒータ8を経由して、タービン10で断熱膨
張されて0℃以下まで冷却され、ミキシングチャンバ1
1に送られる。そして、客室12から再循環ファン13
によって送られた再循環空気と混合され、適切な調和空
気となって客室12に送られる。
Description
装置に係わり、特に、エンジンからのブリ一ドエアを機
外の冷気をおびたラムエアを利用して、エアサイクルシ
ステムとベーパサイクルシステムの組み合わせで空気調
和を行う装置に関する。
ン)の冷房、暖房、換気を行うと同時に、与圧用空気を
供給するもので、与圧系統と冷暖房系統に大別される。
与圧系統のない小型機は、エンジンの排気管の熱や、別
に設けたヒータからの熱で機内を暖め、冷房は外気を機
内に取入れることによって行われている。
圧縮機からの高温・高圧になった空気の一部を取り出し
(これをエンジンフリードエアまたは抽気という)、
(A)機外の冷気を利用(これをラムエアという)した
り、(B)冷媒を使用したべ一パサイクル冷却方式を利
用したり、(C)エアサイクル・冷却方式を利用したり
し、これらの組合わせで冷暖房を行っている。旧型の大
型機及び現在のタービンヘリコプタは、(A)と(B)
の組合わせのベーパサイクル方式を採用し、新型のジェ
ット機は(A)と(C)の組み合わせのエアサイクル方
式を採用している。
Sと呼ぶ)として、低圧下で水分を分離する方式(LP
WS方式と呼ぶ)が用いられていたが、エンジンからの
抽気量が多く、エンジン又はAPU(補助動力装置で、
飛行していない時、ここから抽気している。通常、機体
の後方に備えられている)の燃費が悪いため、高圧下で
水分を分離する方式(3−WheelHPWS方式と呼
ぶ)が採用されている。この3−WheelHPWS方
式はラムエアを導入するファンとコンプレッサとタービ
ンが一軸に装備され、調和空気中の湿度を高圧下で除去
し、ACS出口温度を氷点下に下げることができる。
冷房能力を得るために使う抽気量が少なくて済むので、
エンジン又はAPUの燃費が向上する。ACS出口空気
は直接キャビンヘ供給するには冷えすぎるので、再循環
ラインを通って戻ってきたキャビンからの排気の一部と
混合し、快適な温度に調整してからキャビンに供給され
る。さらに、ACSだけでは冷房能力が不足する場合
は、搭載している電子機器等の冷却用にACSとは独立
して、冷媒等を用いた冷却装置を備えたベーパサイクル
システム(VCSと呼ぶ)を設けて冷却を行う。
テムを示す。エンジン1から抽気される空気を抽気制御
バルブ2で調節し、その空気をACS23に入力する。
このACS23で調和空気中の湿度が除去され、ACS
23出口から氷点下に近い空気がミキシングチャンバ1
1に導入される。一方、コックピット及び客室12から
再循環フアン13により排気される暖かい空気が再循環
ラインを通してミキシングチャンバ11に導入され、前
記ACS23から導入された氷点下に近い空気と混合さ
れ、快適な温度に調整されてからコックピット及び客室
12に導入される。さらに、ACS23だけでは冷房能
力が不足する場合は、ACS23とは独立してVCS
(図示せず)が設けられ、搭載している電子機器等の冷
却を行う。そして、コックピット及び客室12内の圧力
を所定の快適な圧力にするために、アウトフローバルブ
(図示していない)が設けられ、自動的に制御されて、
余分な空気を外部に出している。
る。エンジンで高温・高圧になった空気の一部が抽気制
御バルブ2で調圧されて取出され、ACS23に入力さ
れる。そして、外気の冷気をおびたラムエア6によって
冷却された1次熱交換器3で冷却された後、コンプレッ
サ4により圧縮され、再び2次熱交換器5で冷却され、
水蒸気の一部は凝縮する。一方、ラムエア6はファン7
によって外部に放出される。冷却された空気は、リヒー
タ8の高温側回路に入り、コンデンサ9からの冷却され
た空気の低温側回路との熱交換によりさらに冷却され
る。リヒータ8を出た高圧空気は、次にタービン10で
断熱膨張した低温空気によって、コンデンサ9でさらに
冷却され、含まれていた水蒸気のほとんどすべてが凝縮
する。タービン10を出た空気はコンデンサ9でリヒー
タ8からの空気と熱交換され、0℃以下でミキシングチ
ャンバ11に導かれる。
足する場合は、搭載している電子機器等の冷却用にAC
S23とは独立して、フロン等の冷媒を用いた冷却装置
を備えたベーパサイクルシステムVCS(図示せず)が
併用される。
気調和装置は、エンジンの圧縮機で高温・高圧になった
空気の一部を取り出し(抽気)、機外の冷気(ラムエ
ア)を利用し、エアサイクルシステムを主とし、補助的
に独立してベーパサイクルシステムを併用して空気調和
を行っている。
和装置は、以上のように構成されており、航空機内のコ
ックピット及び客室12に、快適に必要にして十分な冷
却・除湿された新鮮な空気量の供給(換気)と与圧が必
要である。また、最近の電子機器の発達により、機内の
熱負荷は増大の一途をたどっており、換気・与圧の要求
を満足しながら、いかに効率良く空調を行なうかが課題
となっている。エンジン1または補助動力装置(AP
U)での空気圧縮には燃料が必要であり、これを抽気す
ることは燃料消費を助長する。この抽気を外気(ラムエ
ア6)で冷却する時の外気の取り込みは、気体の推進に
対する抗力となるため、燃料消費に影響する。また、装
置の重量が重くなることは、搭載重量の増加であるか
ら、燃料消費の増大につながる。即ち、空調のために抽
気量、抽気圧力、外気量、および、重量を極力低減する
ことが課題である。
ものであって、燃料消費を低減するために、エンジン1
からの抽気量、抽気圧力、外気(ラムエア6)取込み
量、および、重量を極力低減した航空機用空気調和装置
を提供することを目的とする。
め、本発明の航空機用空気調和装置は、航空機のメイン
エンジンまたは補助動力装置の圧縮機から高温・高圧に
なった圧縮空気の一部を抽気し機外の冷気をおびたラム
エアを利用し温調を行うエアサイクルシステムと、冷媒
を蒸発させるエバポレータを用いたベ一パサイクルシス
テムの両システムを用いて機内を空気調和する航空機用
空気調和装置において、機外の冷気をおびたラムエアに
よってベーパサイクルシステムのコンデンサの冷媒を冷
却し、メインエンジンまたは補助動力装置から抽気した
圧縮空気の予冷却を、そのラムエア通路に直列に配置さ
れたエアサイクルシステムの熱交換器で行ない、さら
に、前記コンデンサをバイパスしたラムエアによって抽
気を前記熱交換器で外気温度近くまで冷却し、その熱交
換器の後にリヒータを備え、前記リヒータの高温側を通
過した空気がベ一パサイクルシステムのエバポレータで
冷却され、エバポレータを通過した空気がウォータトラ
ップを通り、エアサイクルシステムの前記リヒータの低
温側に導入され、その出力空気がタービンで断熱膨張さ
れてミキシングチャンバに導入される冷却回路を備える
ものである。
うに構成されており、外気(ラムエア)通路に直列にベ
ーパサイクルシステムのコンデンサとエアサイクルシス
テムの熱交換器が配置され、メインエンジンまたは補助
動力装置から抽気した圧縮空気の予冷却が、その熱交換
器で行なわれ、さらに、上記コンデンサをバイパスした
外気(ラムエア)によって、その熱交換器が外気(ラム
エア)温度近くまで冷却される。その後、リヒータの高
温側を通過した空気がベーパサイクルシステムのエバポ
レータで冷却され、再びリヒータの低温側に導入され
て、タービンで断熱膨張され、ミキシングチャンバに導
入される。
ベーパサイクルシステムのコンデンサの冷媒を冷却し、
さらに、エアサイクルシステムの熱交換器でエンジンか
らの抽気の予冷却を行なうので、外気(ラムエア)取り
込み量の低減を達成することが出来る。さらに、熱交換
器を通過する冷却側の外気通路をコンデンサを通過した
外気(ラムエア)用の通路とコンデンサをバイパスした
外気(ラムエア)用の通路に区分けすることで、一つの
熱交換器としているので、少ない外気(ラムエア)取込
み量にて、外気(ラムエア)温度近くまで抽気の冷却が
可能である。そのため外気(ラムエア)通路の簡素化、
重量および外気(ラムエア)取込み量の低減を達成する
ことが出来る。
一実施例を図1を参照しながら説明する。図1は本発明
の航空機用空気調和装置のエアサイクルシステム(AC
S15)とベーパサイクルシステム(VCS22)を組
み合わせた空調系統を示す図である。本航空機用空気調
和装置は、ラムエア6の通路に配置され外気の冷気によ
って冷却され冷媒が液化するコンデンサ20と、その凝
縮された冷媒を断熱膨張する膨張弁19と、断熱膨張す
る冷媒が蒸発してACS15の空気を冷却し熱交換する
エバポレータ17と、蒸発した冷媒を圧縮するコンプレ
ッサ21とから構成されるベーパサイクルシステム(V
CS22)と、一方、メインエンジン1または補助動力
装置(図示せず)から抽気制御バルブ2を介して抽気し
た高温・高圧の圧縮空気を、ラムエア6の通路にコンデ
ンサ20と直列に配置され冷却する熱交換器16と、そ
の熱交換器16からの空気がエバポレータ17で冷却さ
れた低温の空気により熱交換されるリヒータ8と、エバ
ポレータ17で冷却された水蒸気がトラップされるウォ
ータトラップ18と、リヒータ8を通過した空気を断熱
膨張するタービン10とから構成されるエアサイクルシ
ステム(ACS15)と、そしてタービン10で断熱膨
張により低温になった空気と客室12から再循環ファン
13および制御バルブ14を経て再循環される空気とが
混合されるミキシングチャンバ11と、温度・湿度の調
整された空気が供給される客室12とから構成される。
比べて、次の3つの特徴を備えている。 (1)ラムエア6通路に直列にベーパサイクルシステム
(VCS22)のコンデンサ20とエアサイクルシステ
ム(ACS15)の熱交換器16が配置されている。そ
して、メインエンジン1または補助動力装置(図示せ
ず)から抽気制御バルブ2を介して抽気した高温・高圧
の圧縮空気が熱交換器16で予備冷却される。
の外気(ラムエア6)通路をコンデンサを通過した外気
(ラムエア6)用の通路と、コンデンサ20をバイパス
した外気(ラムエア6)用の通路に区分けして、コンデ
ンサ20をバイパスしたラムエア6によって、その熱交
換器16が外気(ラムエア6)温度近くまで冷却され
る。
CS15)とベーパサイクルシステム(VCS22)を
用い、抽気がエアサイクルシステム(ACS15)の熱
交換器16で外気(ラムエア6)温度近くまで冷却され
た後、さらに、ベーパサイクルシステム(VCS22)
のエバポレータ17で熱交換されて低温になり、水蒸気
がウォータトラップ18で除かれるシステムである。
いて説明する。エンジン1で高温・高圧になった空気の
一部が抽気制御バルブ2で調圧されて、約200℃程度
で取出されACS15に入力される。そして、熱交換器
16の上流部分で、ベーパサイクルシステム(VCS2
2)のコンデンサ20を通過して冷媒を冷却し、高温と
なった約65℃の外気によって、抽気された空気が約7
0℃まで冷却され、引き続き熱交換器16の下流部分
で、コンデンサ20をバイパスした約39℃の外気によ
って約40℃まで冷却される。
タ8でベーパサイクルシステム(VCS22)で冷却、
除湿された空気と再生的に熱交換することで、さらに冷
却され、次に、ベーパサイクルシステム(VCS22)
のエバポレータ17で除湿に必要な約15℃程度の低温
まで冷却され、ウォータトラップ18で凝縮した水滴が
除去される。次に、ウォータトラップ18を出た空気
は、リヒータ8で加熱されることにより、取り残された
水分を蒸発・温度上昇することで、タービン10の水滴
侵入による損傷防止およびタービン10での回収動力の
向上が達成される。
ことで0℃以下の低温となり、ミキシングチャンバ11
に導入される。客室12から再循環ファン13および制
御バルブ14を経て帰還される空気がミキシングチャン
バ11に導入される。そして、混合されて適切な調和空
気となってコックピット(図示せず)および客室12へ
供給される。タービン10で回収された動力は、エアサ
イクルマシンとしてタービン10と同軸上にあるファン
7の駆動に使われる。このファン7はコンデンサ20お
よびエンジン1からの抽気を冷却する熱交換器16に送
る外気(ラムエア6)を取込む働きをする。上記の実施
例の温度は最も暑い夏場での値を示す。
2)では、冷媒がエバポレータ17内で蒸発することに
より空気から熱を奪い冷却する。エバポレータ17を出
た冷媒は、コンプレッサ21で圧縮され、コンデンサ2
0で外気(ラムエア6)により冷やされて液化し、液体
となった冷媒が膨張弁19で断熱膨張し、低温の気液二
相流体となってエバポレータ17に入る。
取込んだ外気(ラムエア6)が、ベーパサイクルシステ
ム(VCS22)のコンデンサ20の冷媒を冷却し、さ
らにエアサイクルシステム(ACS15)の熱交換器1
6でエンジン1からの抽気の予冷却を行なうので、外気
(ラムエア6)取り入れ量を低減することになる。ま
た、熱交換器16を通過する冷却側外気通路をコンデン
サ20を通過した外気(ラムエア6)用の通路と、コン
デンサ20をバイパスした外気(ラムエア6)用の通路
に区分けして、熱交換器16に上流冷却路と下流冷却路
を設けているので、少ない外気(ラムエア6)取入れ量
にて、外気(ラムエア6)温度近くまで抽気の冷却が可
能である。さらに、ベーパサイクルシステム(VCS2
2)のエバポレータ17による冷却を、エアサイクルシ
ステム(ACS15)に効率よく用いることができる。
CS15)では、ラムエアを導入するファンとタービン
が一軸に装備された2−Wheel方式について説明し
たが、ラムエアを導入するファンとコンプレッサとター
ビンが一軸に装備された高圧下で水分を分離する方式
(3−WheelHPWS方式と呼ぶ)のエアサイクル
マシンと組み合わせて、調和空気中の湿度を高圧下で除
去し、ACS15の出口温度を氷点下に下げることもで
きる。
成されており、取込んだ外気により、コンデンサの冷媒
を冷却し、さらにその外気により熱交換器でエンジンか
らの抽気の予冷却を行なっているので、外気の取り込み
量を低減し、機体の抗力増大を防ぐことが出来る。
路を、コンデンサを通過した高温空気とコンデンサをバ
イパスした低温空気の通路に仕切りを入れて2分割する
だけで、単一ファンと単一の外気通路で冷却が可能なた
め、冷却通路の簡素化により装置の重量が低減できる。
レータによる冷却を、エアサイクルシステムに効率よく
用いることができる。上記のように、外気(ラムエア)
取込み量の低減による機体抗力の減少、外気(ラムエ
ア)による冷却通路の簡素化、それによる装置重量の低
減、冷却効率の向上が図られ、燃料消費を低減すること
が出来る。
ある。
る。
Claims (1)
- 【請求項1】航空機のメインエンジンまたは補助動力装
置の圧縮機から高温・高圧になった圧縮空気の一部を抽
気し機外の冷気をおびたラムエアを利用し温調を行うエ
アサイクルシステムと、冷媒を蒸発させるエバポレータ
を用いたベ一パサイクルシステムの両システムを用いて
機内を空気調和する航空機用空気調和装置において、機
外の冷気をおびたラムエアによってベーパサイクルシス
テムのコンデンサの冷媒を冷却し、メインエンジンまた
は補助動力装置から抽気した圧縮空気の予冷却を、その
ラムエア通路に直列に配置されたエアサイクルシステム
の熱交換器で行ない、さらに、前記コンデンサをバイパ
スしたラムエアによって抽気を前記熱交換器で外気温度
近くまで冷却し、その熱交換器の後にリヒータを備え、
前記リヒータの高温側を通過した空気がベ一パサイクル
システムのエバポレータで冷却され、エバポレータを通
過した空気がウォータトラップを通り、エアサイクルシ
ステムの前記リヒータの低温側に導入され、その出力空
気がタービンで断熱膨張されてミキシングチャンバに導
入される冷却回路を備えることを特徴とする航空機用空
気調和装置。
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JP4211196B2 JP4211196B2 (ja) | 2009-01-21 |
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JP (1) | JP4211196B2 (ja) |
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