JP2001328241A - 塗布液の供給装置およびその供給方法 - Google Patents

塗布液の供給装置およびその供給方法

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JP2001328241A
JP2001328241A JP2000151102A JP2000151102A JP2001328241A JP 2001328241 A JP2001328241 A JP 2001328241A JP 2000151102 A JP2000151102 A JP 2000151102A JP 2000151102 A JP2000151102 A JP 2000151102A JP 2001328241 A JP2001328241 A JP 2001328241A
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roll
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Masato Tao
正人 田尾
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Central Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】板ガラス表面に、フレキソ印刷機を用いて、膜
ムラのない均一な膜厚の薄膜を形成する。 【解決手段】フレキソ印刷機への塗布液の供給におい
て、ドクターロールの長さと略一致する長手方向全体
に、複数の供給孔または連続した供給スリットを塗布液
の液面より上方に設けた、長手方向を回動軸として回転
可能な塗布液槽を設け、塗布液槽を回転させることによ
り、該供給孔または該スリットより、少なくとも10秒
以内、好ましくは2秒以内に、塗布液を回転中のドクタ
ーロールに滴下させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフレキソ印刷機への
塗布液の供給装置および供給方法に関する。例えば、大
板ガラス表面に着色膜形成塗布液をフレキソ印刷機によ
り塗布し、大板ガラス表面に着色膜を形成し、例えば、
着色薄膜付き建築用窓ガラス、着色薄膜付き自動車用ウ
ィンドガラス等を作製する際の塗布液の供給装置および
供給方法に関する。更に、大板ガラス表面に機能性膜形
成塗布液をフレキソ印刷機により塗布し、大板ガラス表
面に熱線反射膜、熱線吸収膜、紫外線吸収膜および親水
膜等の機能性膜を形成する際の塗布液の供給装置および
供給方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フレキソ印刷とは、ゴム、プラスチック
等の弾性材料からなる版材、即ち、フレキソ版を用いた
凸版輪転印刷のことをいう。フレキソ印刷機は刷版にゴ
ムまたはプラスチック等の弾性物質からなるフレキソ版
を使用し、速乾性インキを用いて、生産性よく、高速印
刷することを特徴とする。
【0003】図4に平台フレキソ印刷機の一例の概略側
面図を示す。フレキソ印刷はゴム、プラスチック等から
なるドクターロール5を、表面にエンボス加工等なされ
た硬質な金属からなるアニロックスロール6に押圧させ
つつ、逆方向に回転させて各ロール表面で塗布液を練
り、アニロックスロール6の表面に塗布液を均一に延ば
した後、フレキソ版8に転写させてガラス板10に印刷
する方法である。
【0004】フレキソ印刷において、ドクターロール5
とアニロックスロール6を用いて、速乾性インキを混練
する際、速乾性インキより溶媒が蒸発するために速乾性
インキの粘度が変わり、塗布して得られる薄膜に一定し
た膜厚を連続して得られないという問題があった。一定
した膜厚が得られないと、膜厚ムラ、即ち、膜ムラが生
じ、薄膜が着色膜である場合は、生産中に膜ムラが発生
し、印刷物の色調の濃さが変化したり、色ムラが生じる
等の問題が生じる。
【0005】例えば、グリコール類に水を加えたインキ
を用いて、ダンボール紙等の紙にフレキソ印刷により印
刷を連続して行う場合の、上記問題を解決する手段が、
以下の公報に開示されている。
【0006】即ち、特開平2−99382号公報には、
インキの溶剤としてグリコール類に水を加えた凸版印刷
用インキを用いるフレキソ印刷等において、印刷用ロー
ルに接触する空気の湿度を、インキ中のグリコール対水
の含有比に合わせて調整しつつ、印刷することにより、
印刷物の濃淡色相の変化を防止する方法が開示されてい
る。
【0007】更に、特開平7−137422号公報に
は、インキの溶剤としてグリコール類に水を加えた凸版
印刷用インキを用いるフレキソ印刷等において、インキ
中の水の揮発に対応して、印刷機上において直接インキ
に加水することにより、凸版印刷用インキの濃度変化、
即ち、凸版印刷用インキの乾燥速度の変化のない印刷を
実現する方法が開示されている。
【0008】更に、特開平9−188061号公報に
は、インキの溶剤としてグリコール類に水を加えた凸版
印刷用インキを用いるフレキソ印刷等において、印刷用
ロールを遮蔽された空間内に設置すると共に、この空間
内に温度調節された水蒸気を噴霧し、温度と湿度を調整
しながらグリコール溶性含水インキを用いて紙等に印刷
することにより、通年、安定した印刷物を得る方法が開
示されている。
【0009】更に、特開平10−129102号公報に
は、インキの溶剤としてグリコール類に水を加えた凸版
印刷用インキを用いるフレキソ印刷等において、インキ
中の水の揮発に対応し、水分を細かい液滴にして供給
し、インキと混合させることにより、印刷機内に悪影響
を与えることなくインキの粘度変化を抑制し、部分的な
濃淡ムラ、即ち、印刷ムラを発生させない印刷を可能と
する方法が開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
2−99382号公報、特開平7−137422号公
報、特開平9−188061号公報および特開平10−
129102号公報に記載の方法は、グリコール類に水
を加えたインキを用いる場合には、有効な方法である
が、有機溶剤を主成分とし水を殆ど含まない塗布液に対
しては、火災に対する安全性の面および作業環境の面か
ら、用いることは困難である。
【0011】例えば、表面が滑らかで吸湿性のない板ガ
ラス等の印刷体にフレキソ印刷により着色薄膜を形成す
るには、板ガラスに吸湿性がないために、グリコール類
に水を加えたインキを塗布しても、インキの粘度が低す
ぎて垂れを生じ易い。更に、水または有機溶剤中に顔料
を分散した着色膜形成用塗布液を板ガラス表面に塗布し
ても、塗布膜を擦ると顔料は容易に剥離する。
【0012】通常、板ガラス表面に耐擦傷性に優れた着
色膜を得る方法としては、金属アルコキシドを溶解させ
た有機溶剤中に、着色源として顔料または金属塩を加
え、ガラス表面に塗布した後、加熱して、金属アルコキ
シドを脱水縮合することで、金属アルコキシドが脱水縮
合した硬質な膜中に、着色源が分散した着色薄膜を得る
方法が用いられる。金属アルコキシドは水と反応しゲル
化しやすいことより、塗布液中に水を加えるとしても、
水は加水分解触媒として、ほんの少量加えるに止めなけ
ればならない。
【0013】なお、フレキソ印刷機により板ガラス表面
に機能性膜を形成する場合も、TiN、SiN、SiC
等の化合物、および薄膜とした際に熱線反射等の機能性
を発揮する金属化合物類等を、有機溶剤に分散または溶
解した塗布液を用いる。
【0014】従来、ガラス基板表面に薄膜を形成するに
は、図4に概略側面図を示す平台フレキソ印刷機が用い
られてきた。塗布液の供給方法は、図5の(a)のロー
ル軸方向に対しての正面図に示すように、塗布液の供給
はエアー圧を利用したディスペンサー11によって行わ
れてきた。ディスペンサー11はドクターロール5、ア
ニロックスロール6の上方を長手方向に移動しつつ塗布
液を供給する。図5の(b)は、図5の(a)の側面図
である。
【0015】平台フレキソ印刷機は、形成する薄膜の膜
厚を高精度で再現性よく制御でき、形成する薄膜の厚み
が均一であるので、例えば液晶ディスプレイ用ガラス基
板に僅かの膜ムラも許されないポリイミドからなる配向
膜を形成する際に、ポリイミド前駆体の塗布に用いられ
ている。
【0016】平台フレキソ印刷機により、液晶ディスプ
レイ用ガラス基板等の小型のガラス基板に薄膜を形成す
る場合には、平台フレキソ印刷機も小型で良く、ドクタ
ーロールとアニロックスロールで塗布液を混練する時間
も短くてすみ、塗布液を均一に延ばすアニロックスロー
ルの表面積も小さいので、大板ガラス表面に薄膜を形成
する場合と比較して、膜ムラ発生の問題は生じにくい。
【0017】しかしながら、建築用窓ガラス、自動車用
ウィンドガラスに使用する大板ガラスに着色薄膜あるい
は機能性薄膜を形成する場合には、使用する平台フレキ
ソ印刷機も大型となり、移動するディスペンサーによっ
て平台フレキソ印刷機に塗布液は供給された後、大型の
アニロックスロールと揺動機能を持った大型のドクター
ロールで塗布液は混練されて、大面積を擁するアニロッ
クスロール表面に均一に塗布液を延ばす際に、小型のア
ニロックスロールに比べて時間がかかり、供給する塗布
液より溶媒が蒸発する時間に違いを生じることより、ア
ニロックスロール表面に延ばされた塗布液に濃度および
粘度の違いを生じ、得られた塗膜、例えば着色膜、熱線
反射膜等の機能性膜に膜ムラが発生し易いという問題が
あった。
【0018】即ち、大板ガラス表面に薄膜を形成する場
合は、大型のフレキソ印刷機を必要とするので、ディス
ペンサーより塗布液を供給するのに時間がかかる。ま
た、ドクターロールおよびアニロックスロールロールの
長手方向に移動しつつ塗布液を供給するディスペンサー
は、これらロールの長手方向に対し、全く同時には塗布
液を供給できない。供給されるドクターロール、アニロ
ックスロールも大型になってくるので、これらロールの
長手方向に同時に塗布液を供給しないと、アニロックス
ロール表面に延ばされた塗布液に濃度および粘度の違い
を生じ、アニロックスロール表面の塗膜の膜ムラによ
り、アニロックスロール表面よりフレキソ版へ塗膜を転
写させた後、大板ガラス表面に形成した薄膜に膜ムラが
発生し易いという問題があった。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、平台フレキソ
印刷機を構成するドクターロールの全長にわたって、塗
布液槽を設ける簡便なフレキソ印刷機への塗布液の供給
装置により、塗布液をフレキソ印刷装置へ、ドクターロ
ールまたはアニロックスロールの長手方向に対し、同時
に、短時間で、少なくとも10秒以内、好ましくは2秒
以内に、供給する方法であり、従来のフレキソ印刷機へ
の塗布液の供給装置にディスペンサーを使った場合に比
較して、供給された塗布液より溶媒が蒸発する時間の違
いにより、アニロックスロール表面で塗布液の濃度およ
び粘度に違いが生じることによる、塗膜の膜ムラの発生
の問題を解決するものである。
【0020】本発明は、フレキソ印刷機への塗布液の供
給装置であって、ドクターロールまたはアニロックスロ
ールの上方に塗布液槽を設け、該塗布液槽は、ドクター
ロールの長さと略一致する長手方向全体に、複数の供給
孔または連続した供給スリットを塗布液の液面より上方
に設けてなり、長手方向を回動軸として回動可能である
ことを特徴とするフレキソ印刷機への塗布液の供給装置
である。
【0021】更に、本発明は、上記の塗布液槽を回転さ
せることにより、塗布液槽に設けた複数の供給孔または
連続したスリットより、塗布液をドクターロールの表
面、アニロックスロールの表面またはドクターロールと
アニロックスロールの接点に滴下させることを特徴とす
るフレキソ印刷機への塗布液の供給方法である。
【0022】更に、本発明は、フレキソ印刷機への塗布
液の供給装置であって、ドクターロールまたはアニロッ
クスロールの上方に塗布液槽を設け、該塗布液槽は、ド
クターロールの長さと略一致する長手方向全体に、最下
部に複数の供給孔または連続した供給スリットを設けた
塗布液槽を設け、複数の供給孔または連続した供給スリ
ットが開閉手段により開閉可能なことを特徴とするフレ
キソ印刷機への塗布液の供給装置である。
【0023】更に、本発明は、上記の塗布液槽に設けた
供給孔または該スリットを開放することにより、塗布液
をドクターロールの表面、アニロックスロールの表面ま
たはドクターロールとアニロックスロールの接点に滴下
させることを特徴とするフレキソ印刷機への塗布液の供
給方法である。
【0024】本発明者は、鋭意検討した結果、ドクター
ロールの長さと略一致する長手方向全体に、複数の供給
孔または連続した供給スリットを塗布液の液面より上方
に設けた塗布液槽を設け、塗布液槽を回転させることに
より該供給孔または該スリットより、塗布液をドクター
ロール表面、アニロックスロール表面、またはドクター
ロールとアニロックスロールの接点に短時間に、少なく
とも10秒以内、好ましくは2秒以内に、滴下すること
で、塗布液よりの溶媒が蒸発する時間を等しくして、ア
ニロックスロール表面に均一に延ばされた塗布液の濃度
および粘度の違いを解消し、その後、板ガラス表面に薄
膜を形成した場合の膜ムラの発生を解決できることが判
った。滴下時間は短ければ短いほど好ましい。
【0025】本発明の塗布液の供給は、ロールの軸方向
に対し、同時に塗布液を滴下させるので、構造上、ロー
ルの軸方向に対し、同時に塗布液を供給できない従来の
ディスペンサーによる塗布液の供給に比較して、膜ムラ
が発生しにくい。
【0026】更に、塗布液槽を用い、短時間に、少なく
とも10秒以内、好ましくは2秒以内に、塗布液を供給
することで、回転するドクターロールとアニロックスロ
ールで塗布液を混練し、アニロックスロール上に均一に
延ばす時間を短縮することができ、板ガラス表面に塗布
液を塗布する際の、塗布時間を短縮させることができ
る。
【0027】本発明の、塗布液槽より短時間に、少なく
とも10秒以内、好ましくは2秒以内に、塗布液をフレ
キソ印刷へ供給する塗布液の供給方法を用いれば、塗布
液より溶媒が蒸発する蒸発時間は等しいので、塗布液を
滴下する位置がドクターロールの表面、アニロックスロ
ールの表面またはドクターロールとアニロックスロール
の接点のいずれであっても、板ガラス表面に膜ムラのな
い均一な薄膜を形成することができる。
【0028】本発明の、フレキソ印刷機への塗布液の供
給装置として塗布液槽を用いる塗布液の供給方法は、従
来のディスペンサーを用いる方法に比較して、大板ガラ
スに薄膜を形成する際は、膜ムラが発生しにくい。
【0029】本発明の、フレキソ印刷機への塗布液の供
給装置として塗布液槽を用いる塗布液の供給方法は、大
板ガラス表面に均一な膜厚の薄膜を形成する際に用いる
ことができるが、ガラス以外の他の印刷体表面に均一な
膜厚の薄膜を形成する場合にも使用することができ、特
に吸湿性のない金属、プラスチック等の印刷体に均一な
薄膜を形成する場合に用いることが好ましい。
【0030】本発明のフレキソ印刷装置への塗布液供給
装置である塗布液槽は、供給孔または供給スリット以外
に開放部があっても良いが、密閉した方が、塗布液槽内
で塗布液より溶媒が蒸発し壁面に塗膜が付着し塗布液槽
内が汚れることを防止することができる。また、密閉す
ることで、塗布液をフレキソ印刷機へ供給する際に、気
体により塗布液槽内に圧力をかけて、塗布液槽を回転さ
せて供給孔または供給スリットより塗布液をドクターロ
ール表面、アニロックスロール表面、またはドクターロ
ールとアニロックスロールの接触部分に短時間で滴下す
ることができ、塗布液の粘性が高いときに滴下時間を短
くすることができるので好ましい。
【0031】圧力をかけず、大気圧のみで塗布液を滴下
させる際は、滞りなくスムーズに塗布液が滴下されるよ
うに、塗布液層を完全に密閉しないで、塗布液槽に設け
た供給孔または供給スリットの反対側に、小孔等の開口
部を設けることが好ましい。
【0032】例えば、特開平11−57533号公報に
は、基板に塗布液をできるだけ少ない量でムラなく塗布
することのできる、装置内に液だめを擁した薄膜形成装
置用塗布ノズルおよびこの塗布ノズルを用いた薄膜形成
装置が開示され、特にスピンコート法に適用することで
塗布液を必要量供給できるなどの利点が記載されてお
り、小型のガラス基板表面にフレキソ印刷する場合に
は、特開平11−57533号公報記載の薄膜形成装置
用塗布ノズルを供給手段として用いることが容易であ
る。
【0033】しかしながら、大板ガラス表面にフレキソ
印刷して機能性膜を形成する場合に、特開平11−57
533号公報記載の薄膜形成装置用塗布ノズルを供給手
段として用いるために、大型の該塗布液供給ノズルを製
作するとすると、製作が容易でなく高価となる。
【0034】よって、大型のガラス板にフレキソ印刷機
で塗布する際は、製作が簡便で構造が簡単な塗布液槽を
設け、塗布液層を回転させる本発明のフレキソ印刷機へ
の塗布液の供給方法を用いる方が安価である。
【0035】一方、本発明において、塗布液槽の最下部
に複数の供給孔、長手方向に連続した供給スリットを設
け、例えば、電磁的な開閉手段により、該供給孔または
供給スリットを開閉可能とした塗布液槽を、フレキソ印
刷機への塗布液の供給装置とし、該供給孔または供給ス
リットを開放することで、塗布液をフレキソ印刷機へ供
給することも可能である。
【0036】本発明の塗布液の供給方法を使用し、例え
ば、大板ガラスの表面にて塗布液を塗布した後、着色膜
を形成させる際の好ましい塗布液は、金属アルコキシド
溶液に着色源として顔料を分散させた塗布液または着色
源として金属塩を溶解させた塗布液である。
【0037】また、本発明の塗布液の供給方法は、リバ
ースロールコーター機にも応用可能である。
【0038】
【発明の実施の形態】図1乃至図3に、本発明の塗布液
の供給方法を用いたフレキソ印刷機の一例の概略図を示
す。図2の(b)は、図2の(a)の側面図であり、図
3の(b)は、図3の(a)の側面図である図2または
図3にロールの軸方向の正面図および側面図を示す。ド
クターロール5の長さと略一致する長手方向全体に、複
数の供給孔3または連続した供給スリット4を塗布液の
液面より上方に設けた、回転可能な塗布液槽1を配置す
る。塗布液槽1を長手方向を回転軸2として、回転させ
て、該供給孔3または該スリット4より、少なくとも1
0秒以内、好ましくは2秒以内に、塗布液を、回転中の
ドクターロール5の表面、回転中のアニロックスロール
6の表面、または回転中のドクターロール5と回転中の
アニロックスロール6の接点に滴下させる。
【0039】塗布液槽1は軸2を中心に回転可能であっ
ても、回動自在であっても構わない。回動自在であれ
ば、前記の供給孔3、前記の供給スリット4を下に向け
る時間、即ち、塗布液を滴下させる時間を調整すること
が可能となり、塗布液槽1より、フレキソ印刷機へ供給
する塗布液の量を調整することが可能であるので、塗布
液槽は、回動自在の方が好ましい。
【0040】塗布液槽1の最下部に複数の供給孔3また
は連続した供給スリット4を設け、図示しない電磁式等
の開閉手段を設けることによって、該供給孔3または該
供給スリット4より塗布液を、回転中のドクターロール
5の表面、回転中のアニロックスロール6の表面、また
は回転中のドクターロール5と回転中のアニロックスロ
ール6の接点に滴下させてもよい。電磁式等の開閉手段
によって、該供給孔3および該供給スリット4を開放す
る時間を調整することでフレキソ印刷へ供給する塗布液
の量を調整できる。
【0041】また、塗布液槽1は、1個であっても、複
数であっても構わない。塗布液槽1は塗布液の供給量を
長手方向に対し一定となるように、複数の各供給孔3の
孔径は等しくすることが好ましい。同様の理由で、供給
スリット4の開口幅は長手方向に対し等しくすることが
好ましい。更に、塗布液槽1は地表に対し水平に設置す
ることが好ましい。
【0042】図1に示すように、ドクターロール5とア
ニロックスロール6が、互いに接触しながら逆方向に回
転することによって、塗布液は混練される。
【0043】塗布液を混練させることで、アニロックス
ロール6の表面に均一に塗布液を拡げた後、版胴7を回
転させることにより、版胴7に巻かれたフレキソ版8
が、アニロックスロール6と接触して同じ周速度で回転
しつつ、アニロックスロール6よりフレキソ版8に塗布
液が供給され、更に版胴7が回転することによってフレ
キソ版8より、版胴7の回転の周速度と同じ速度で接触
しつつ水平移動する台9上のガラス板10に、塗布液が
転写されることによってガラス板10の表面に薄膜が得
られる。
【0044】本発明を以下の実施例によって説明する
が、本発明は、以下の実施例によって限定されるもので
はない。
【0045】
【実施例】実施例1 図2に示すように、ドクターロール5の長さである10
0cmと略一致する長さの塗布液槽に塗布液を入れた際
に、塗布液の液面から上になる位置に径0.5cmの塗
布液供給孔3を多数設けた塗布液槽1を作製した。各供
給孔3より同量の塗布液が滴下されるように、塗布液槽
1は水平になるよう設置した。
【0046】Siアルコキシド溶液に、へキシレングリ
コール中に無機顔料を分散させた液を加え調整した塗布
液を、定量ポンプにより、100ml、移送チューブを
通して、塗布液槽1内へ注入した。
【0047】その後、回転軸2を中心に塗布液槽1を回
転させて、密封した塗布液槽内を窒素にて加圧させつつ
塗布液供給孔3より塗布液を、回転中のドクターロール
5の表面に約2秒の滴下時間で滴下させた。
【0048】その後、図1に示すように、径20cmの
ドクターロール5と径60cmのアニロックスロール6
を逆方向に回転させつつ塗布液を60秒間、混練し、ア
ニロックスロール6の表面に均一に延ばした後、径10
0cmの版胴7に巻かれたフレキソ版8に転写させて、
更に、板厚4mm、板サイズ80cm×120cmのガ
ラス板9の表面に、フレキソ版8より塗布液を転写させ
て塗布膜とした。
【0049】塗布後、350℃で5分間乾燥させた後、
650℃で3分間塗布膜を加熱硬化させた。得られた着
色膜の膜厚は200nmであり、可視光線透過率は25
%であり、色ムラは目視にて観察されず十分に満足でき
るものであった。
【0050】得られた着色膜付きガラス板の可視光透過
率は、分光光度計(340型自記、日立製作所製)で波
長340〜1800nmの間の透過率を測定し、JIS
Z8722およびJIS R 3106またはJIS
Z 8701に準拠して求めた。またガラス表面の薄
膜の膜厚は表面形状測定機(スローン社製、DEKTA
K3030)を用い、膜の一部をカッターで削り取り、
その段差部分に針を接触走査させることで測定した。以
下、実施例2または比較例3においても、同様の測定器
具を用いて、各物性値を測定した。 実施例2 図3に示すように、ドクターロール5の長さである10
0cmと略一致する長さの塗布液槽に、塗布液を入れた
際に塗布液の液面から上になる位置に、隙間間隔0.2
cmのスリット4を長手方向に設けた塗布液槽1を作製
した。スリット4より同量の塗布液が滴下されるよう
に、塗布液槽1は水平になるよう設置した。
【0051】Siアルコキシド溶液に、へキシレングリ
コール中に無機顔料を分散させた液を加え調整した塗布
液を、定量ポンプにより、100ml、移送チューブを
通して、塗布液槽1内へ注入した。
【0052】その後、回転軸2を中心に塗布液槽1を回
転させて、密封した塗布液槽内を窒素にて加圧させつ
つ、塗布液供給孔3より塗布液を、回転中のドクターロ
ール5の表面に、約2秒の滴下時間で滴下させた。
【0053】図1に示すように、径20cmのドクター
ロール5と径60cmのアニロックスロール6を逆方向
に回転させつつ、60秒間、塗布液を混練し、アニロッ
クスロール6の表面に均一に延ばした後、径100cm
の版胴に巻かれたフレキソ版8に転写させて、更に、板
厚4mm、基板サイズ80cm×120cmのガラス基
板9の表面に、フレキソ版8より塗布液を転写させて塗
布膜とした。
【0054】塗布後、350℃で5分間乾燥させた後、
650℃で3分間塗布膜を加熱硬化させた。得られた着
色膜の膜厚は320nmであり、可視光線透過率は25
%であり、色ムラは目視にて観測されず十分に満足でき
るものであった。 比較例1 実施例1と同じ100mlの塗布液を、ディスペンサー
を移動させつつ、ドクターロール表面に滴下させた。
【0055】径20cmのドクターロール5と径60c
mのアニロックスロール6を逆方向に回転させて塗布液
を、60秒間、混練し、アニロックスロール6の表面に
均一に延ばした後、径100cmの版胴7に巻かれたフ
レキソ版8に転写させて、更に、板厚4mm、板サイズ
80cm×120cmのガラス板10の表面に、フレキ
ソ版8より塗布液を転写させて塗布膜とした。
【0056】塗布後、350℃で5分間乾燥させた後、
650℃で3分間塗布膜を加熱硬化させて得られた着色
は、目視にて色ムラが観察され使用できない状態であっ
た。
【0057】
【発明の効果】平台フレキソ印刷機で板ガラス板表面に
塗布膜を得る際に、塗布液槽より、塗布液を、ドクター
ロールおよびアニロックスロールの長手方向に対し、同
時に、短時間に、即ち、少なくとも10秒以内、好まし
くは2秒以内に供給する本発明の塗布液供給装置を用い
ることによって、塗布液よりの溶媒の蒸発時間を一定に
する、即ち、アニロックスロール表面での溶媒の蒸発量
に偏りを発生させないことが可能となり、アニロックス
ロール表面に延ばされる塗布液を均一な粘度、濃度にす
ることができ、板ガラス表面に膜ムラのない、即ち、膜
厚が均一な塗布膜が得られる。
【0058】特に、建築用窓ガラス、自動車用ウィンド
ガラス等の大きな板ガラス表面に大型の平台フレキソ印
刷機を用いて機能性膜を形成する際に、膜厚の均一な機
能性膜が得られ、膜ムラのない優れた着色薄膜付き板ガ
ラスが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する平台フレキソ印刷機の一例の
概略側面図である。
【図2】(a)本発明の実施例1における塗布液の供給
機構を説明するための、塗布液槽、ドクターロールおよ
びアニロックスロールの概略正面図である。 (b)本発明の実施例1における塗布液の供給機構を説
明するための、塗布液槽、ドクターロールおよびアニロ
ックスロールの概略側面図である。
【図3】(a)本発明の実施例2における塗布液の供給
機構を説明するための、塗布液槽、ドクターロールおよ
びアニロックスロールの概略正面図である。 (b)本発明の実施例2における塗布液の供給機構を説
明するための、塗布液槽、ドクターロールおよびアニロ
ックスロールの概略側面図である。
【図4】従来の平台フレキソ印刷機の一例の概略側面図
である。
【図5】(a)従来の塗布液の供給機構を説明するため
の、ディスペンサー、ドクターロールおよびアニロック
スロールの概略正面図である。 (b)従来の塗布液の供給機構を説明するための、ディ
スペンサー、ドクターロールおよびアニロックスロール
の概略側面図である。
【符号の説明】
1 塗布液槽 2 回転軸 3 供給孔 4 供給スリット 5 ドクターロール 6 アニロックスロール

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フレキソ印刷機への塗布液の供給装置であ
    って、ドクターロールまたはアニロックスロールの上方
    に塗布液槽を設け、該塗布液槽は、ドクターロールの長
    さと略一致する長手方向全体に、複数の供給孔または連
    続した供給スリットを塗布液の液面より上方に設けてな
    り、長手方向を回動軸として回動可能であることを特徴
    とするフレキソ印刷機への塗布液の供給装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の塗布液槽を回転させるこ
    とにより、塗布液槽に設けた複数の供給孔または連続し
    たスリットより、塗布液をドクターロールの表面、アニ
    ロックスロールの表面またはドクターロールとアニロッ
    クスロールの接点に滴下させることを特徴とするフレキ
    ソ印刷機への塗布液の供給方法。
  3. 【請求項3】フレキソ印刷機への塗布液の供給装置であ
    って、ドクターロールまたはアニロックスロールの上方
    に塗布液槽を設け、該塗布液槽は、ドクターロールの長
    さと略一致する長手方向全体に、最下部に複数の供給孔
    または連続した供給スリットを設けた塗布液槽を設け、
    複数の供給孔または連続した供給スリットが開閉手段に
    より開閉可能なことを特徴とするフレキソ印刷機への塗
    布液の供給装置。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の塗布液槽に設けた供給孔
    または該スリットを開放することにより、塗布液をドク
    ターロールの表面、アニロックスロールの表面またはド
    クターロールとアニロックスロールの接点に滴下させる
    ことを特徴とするフレキソ印刷機への塗布液の供給方
    法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006248065A (ja) * 2005-03-11 2006-09-21 Toppan Printing Co Ltd 凸版印刷用インキ供給基材、及びそれを用いた印刷装置、及び印刷方法
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JP2008006690A (ja) * 2006-06-29 2008-01-17 Toppan Printing Co Ltd 印刷用凸版、印刷物の製造方法、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法および素子
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JP2012201087A (ja) * 2011-03-28 2012-10-22 Toppan Printing Co Ltd 凸版印刷装置および印刷物の製造方法

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