JP2001327593A - 吸収性医療装置の熱成形処理 - Google Patents

吸収性医療装置の熱成形処理

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JP2001327593A JP2001085910A JP2001085910A JP2001327593A JP 2001327593 A JP2001327593 A JP 2001327593A JP 2001085910 A JP2001085910 A JP 2001085910A JP 2001085910 A JP2001085910 A JP 2001085910A JP 2001327593 A JP2001327593 A JP 2001327593A
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アリンダム・ダッタ
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 医療装置の作成に適する少なくとも1軸方向
において分子配向している熱成形処理した生体吸収性ポ
リマーの予備成形体を提供する。 【解決手段】 本発明の予備成形体は、加熱処理され、
3次元の成形型により成形処理されることによりそのポ
リマー・シート材に分子配向性が賦与され、さらに、冷
却処理されてその配向性が少なくとも部分的に維持され
ている生体吸収性ポリマー・シート材により形成されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明が関係する技術分野は
生体許容性ポリマーであり、特に、生体許容性および/
または吸収性のポリマーにより作成した医療装置であ
る。特に、吸収性ポリエステル予備成形体は骨および軟
骨の固定、特に、頭蓋の硬質組織、顔面およびその他の
成形および再構成処理において使用するための整形外科
装置を形成するのに適している。
【0002】
【従来の技術】骨折固定は破壊した端部を安定化して融
合し治癒するために骨折した骨に整形外科用の補強ロッ
ド、プレートまたはケージを取り付けることにより行な
われる一般的な外科処理である。金属製の整形外科用移
植部品が、その組織治癒中における骨折部位を安定化す
るための高い剛性および強度により、骨折固定のために
現在使用されている。金属製移植部品は非等方性である
ために、2方向以上において変形および応力を安定化で
きる。しかしながら、この金属製移植部品の堅牢な性質
が手術後において幾つかの不都合を生じる。金属製の整
形外科用移植部品は骨よりもはるかに剛性が高いため
に、金属製移植部品が主に負荷を支持して応力から骨を
保護する。しかしながら、応力を遮蔽された骨組織は経
時的に弱体化する傾向がある。従って、金属製移植部品
を除去しない限り、その持続された応力遮蔽により、脱
灰または骨粗しょう症による骨萎縮が生じる。それゆ
え、骨組織の治癒後に金属製移植部品を除去する二次的
な外科処理を行なうことが必要である場合が多い。
【0003】骨折固定のために生体吸収性材料を使用す
ることは上記のような二次的な処理を省いて応力遮蔽に
よる逆効果的な作用を軽減する可能性を有している。特
別に構成された生体吸収性の材料は特定用途における特
定種の骨の特性に初期的に適合して、骨折部位を安定化
するのに十分な強度を有している。時間の経過に伴っ
て、この生体吸収性材料の移植部品は生分解によりその
剛性および強度が徐々に減少する。これと同時に、骨の
骨折部位が治癒し始める。これらの2種類の重なり合っ
た現象の進行中において、機械的な応力を支持する主体
が徐々に生分解可能な生体吸収性の移植部品から治癒が
進行している骨組織に移行していく。
【0004】生体吸収性のポリマー材料は整形外科装置
を含む種々の医療用途においてピン、ロッド、アンカー
およびステープルの形態で使用されてきた。生体吸収性
の整形外科装置は一般に射出成形または押出成形により
作成される。しかしながら、これらのプロセスにより作
成される比較的低い剛性および強度の生体吸収性の装置
は、金属製の整形外科装置に比べて、これらの生体吸収
性成形外科装置の用途が低負荷支持用途または無負荷支
持用途に制限されていた。
【0005】米国特許第4,905,680号、同第
5,057,111号、同第5,275,601号、同
第5,290,281号、同第5,607,427号、
および同第5,569,250号のような多数の特許が
吸収性のプレート処理または平板処理システムを記載し
ている。これらのプレート材は圧縮成形または射出成形
により形成されていて、多くの場合において、後続の機
械加工処理を受けている。このような射出成形または圧
縮成形により作成された生体吸収性のプレート材は当該
材料が圧縮成形の場合に配向されないこと、あるいは、
射出成形の場合に1方向のみに配向されるという欠陥が
ある。また、これらのプレート材は圧縮成形または射出
成形されているので、比較的低い剛性および強度を有し
ている。さらに、成形型内の複雑な流動および熱的緩和
により、圧縮成形および射出成形の両方の処理中におい
て生じる配向により低負荷支持用途または無負荷支持用
途において主に使用するのに適した吸収性の装置が作成
される。また、この成形温度あるいは変形温度が高いた
めに、配向領域の大部分が緩和により消失して機械的特
性がさらに低下する。さらに、別の本質的な欠陥が射出
成形したプレート材においても生じて、幾分高度な特性
がその材料流動の主方向のみにおいて存在する。従っ
て、このような吸収性のプレート材は比較的高い負荷の
場合に変形に対する抵抗が2方向以上の方向に特異的に
生じ得る骨折を治癒する場合に適さない。さらに、射出
成形により作成される装置において異なる方向における
高い配向性を構成または実現することは困難である。
【0006】多数の特許(米国特許第4,898,18
6号、同第5,227,412号、および同第4,96
8,317号等)は射出成形または圧縮成形により作成
した材料よりも高い機械的特性を有する整形外科用途の
ためのピン、ネジ、およびプレート材の製造方法を記載
している。これらの特許の全てにおいて、生体吸収性ポ
リマーは先ず射出成形、圧縮成形または押出成形により
溶融処理されて予備成形体が形成される。その後、この
予備成形体が一定に高められた温度(大抵の場合におい
て、上記ポリマーのガラス転移点)まで加熱されて1軸
変形様式で延伸される。この方法は上記呼び成形体より
も高い曲げ弾性率または曲げ強度を有する装置を提供し
ているが、特性の向上は延伸方向のみに限られている。
さらに、このような処理方法により作成した製品は主延
伸方向以外の方向において特性の向上を示さない。
【0007】そこで、種々の複合的な技術により生体吸
収性の材料の剛性および強度を高めるための試みが積極
的に行なわれてきた。このような生体吸収性材料の剛性
および強度を改善する方法の一例は強化複合材料を作成
することであった。このような複合材料は一般に、生体
吸収性のポリマー基質内における補強材として、炭素ま
たはガラスにより作成された、強度および剛性の高い非
吸収性の無機構造用ファイバーまたは粒子を含む。しか
しながら、これらの手法は、このような非吸収性のファ
イバーが生体吸収性ポリマーの吸収後に体組織内に残留
して、長時間において、組織反応を引き起こし、あるい
は、不所望な転移のような逆効果を生じる可能性があ
る。
【0008】また、上記のような複合物材料は生体吸収
性のポリマー基質内のファイバーや粒子のような無機の
生体吸収性のガラスまたはセラミック強化材を混合する
ことにより作成できる。しかしながら、これらのファイ
バーおよび基質の境界における結合性の不足により当該
ファイバーと非相容性の基質との間に乏しい負荷転移機
構が構成される。さらに、このような境界における結合
性の不足は移植部品が人体内に配置される時にさらに強
調されて、移植部品の尚早的な崩壊が生じる。
【0009】強化した生体吸収性の複合物は生体吸収性
の強化ファイバーを生体吸収性のポリマー基質に添加す
ることによっても作成できる。このような強化ポリマー
は通常において剛性および強度が比較的高い。同様に、
ポリラクチド(PLA)またはポリグリコリド(PG
A)の延伸ファイバーを溶融して剛性および強度を高め
た生体吸収性のポリマー装置を作成できる。しかしなが
ら、この基質の圧縮または溶融温度により、通常の場合
においてこれらの生体許容性の有機ファイバーの分子配
向が部分的に緩和して、それらの強度および剛性が低下
するために、その複合物の特性が低下することになる。
従って、成形外科用の負荷支持用途のために生体吸収性
を賦与する目的はまだ完全に達成されていない。
【0010】ポリマー処理技術の無関連の分野におい
て、各研究者がポリ(乳酸)およびそのコポリマーから
多数の生体吸収性の薄膜を作成したことを報告してい
る。一般に、これらの薄膜は2軸配向されていて、パッ
ケージ用途のための性能が改善されている。このような
薄膜の幾つかが米国特許第5,443,780号、日本
国特許第09025345号、同第10138433
号、同第09174674号、同第09157408号
および同第07205278号に記載されている。これ
らの薄膜の2軸配向処理はホット・フードおよび飲料品
用に構成されるコンテナおよびブリスター・パッケージ
において使用されるこれらの薄膜の熱収縮減少および寸
法安定性のために一般的に必要な処理である。
【0011】しかしながら、成形外科用の負荷支持用途
のための生体吸収性プレート材については誰も報告して
いない。さらに、整形外科用の負荷支持用途に加工する
ための厚い生体吸収性のプレート材(すなわち、0.3
mmよりも厚い材料)を作成するための処理方法につい
ては全く報告されていない。
【0012】また、文献(すなわち、米国特許第492
7690号、ベルギー国特許第894214号)の中に
は、医療用途でない非吸収性ポリマーから作成した物品
に対して2軸特性を賦与するための熱成形処理の使用を
概略的に記載しているものがある。しかしながら、この
熱成形処理が生体吸収性の装置を製造するための適当な
方法であることを記載または示唆している報告はこれま
でにない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は2方向
以上において優れた特性を有し、かつ、骨折部の固定に
使用できる比較的厚いプレート材の形態で生体吸収性材
料を提供すること、および、上記のプレート材を加工し
て生体吸収性材料を製造するための処理または方法を提
供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者は医療用の少な
くとも1軸(好ましくは2軸)配向(好ましくはこれら
2個の配向軸が直交している)を有する熱成形処理した
生体吸収性のポリマー予備成形体を発見した。
【0015】本発明の実施形態の一例は最小の厚さが
0.3mm(0.012インチ)よりも大きく、多軸配
向を有する熱成形処理した生体吸収性の医療装置(好ま
しくはプレート材)に関する。
【0016】本発明の別の実施形態においては、本発明
者は、少なくとも2方向であってこれら2方向が好まし
くは互いに直交している各方向において、射出成形によ
り得られる特性よりも優れた機械的特性を有するプレー
ト材の形態の生体吸収性装置を発見した。これらの装置
は湾曲状または直線状にすることができる。
【0017】本発明の別の実施形態は特別な成形処理す
なわち熱成形処理を使用することにより2方向以上にお
いて優れた特性を有する上記の装置を製造する方法を提
供する。すなわち、上記装置はシート材から形成され、
当該シート材は最終の装置よりも厚く、当該シート材の
制御された予備加熱処理および当該加熱処理したシート
材の3次元成形型による成形処理により形成される。こ
の場合におけるシート原材に加えられる延伸処理は制御
されていて、多方向に分子配向を形成する。さらに、半
結晶性ポリマーの場合において、この延伸処理は結晶配
列を構成するように作用する。
【0018】本発明の上記およびその他の特徴および利
点が以下の説明および図面によりさらに明らかになる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下において本発明による装置、
好ましくは整形外科装置、およびこれらを特定の方法に
より製造するための処理方法を説明する。この処理方法
は、好ましくは互いに直交する2方向以上の方向におい
て、引張弾性率および引張強度のような優れた機械的特
性を有する有機性の生体吸収性装置を提供する。本発明
の装置は0.3mm以上の厚さを有していて、熱成形処
理により製造される。この装置は延伸処理(分子構造の
配向)を制御すること、および熱的な処理条件の制御に
より製造されて、装置の構造および諸特性が制御され
る。本発明の装置はその材料がゴム状の弾性状態になる
ような高められた温度において成形処理されるために、
容易に変形可能であり、さらに高度に配向できる。さら
に、この配向性は先ず冷却した成形型で迅速に成形処理
した後に、さらに、強制的な熱伝達手段により冷却する
ことにより維持される。このような熱成形処理の特別な
多軸変形様式により本発明の装置が延伸されることよ
り、多方向の分子配向が形成される。この延伸処理は成
形型の構成により決まる。熱的な処理条件は所望の初期
的な結晶性を生じるように制御可能であり、これらの延
伸処理および熱的な処理条件を制御することにより装置
に配向性を与えることができる。このことにより、さら
に高い弾性率、さらに高い強度、および改善された耐疲
労性を有する装置が形成できる。
【0020】本発明の開始材料は一般に、好ましくは、
乾燥不活性環境内(窒素、アルゴン下等)または真空環
境内において、プレス中でペレットの形態に生体許容性
のポリマーを圧縮成形する処理により形成される。この
熱可塑性のペレットは当該技術分野の熟練者において周
知の慣用的な処理方法により適当な温度、圧力、および
滞留時間で所望の厚さのシートに圧縮および変形でき
る。このようなシートを形成する材料は一般にアモルフ
ァスまたは半結晶性の生体許容性ポリマーのいずれかで
あり、これらの予備成形処理したシート材を後に熱成形
処理する。
【0021】あるいは、延伸し、その延伸条件を制御し
て、形成した連続状のシート材を支持するための、押出
成形装置、適当なシート・ダイ、およびベルト搬送シス
テムを使用して一定の厚さのシート材を押出成形処理す
ることにより予備成形シート材を形成することができ
る。さらに、この予備成形シート材を成形するための別
の方法として射出成形処理がある。
【0022】熱成形処理の最初の段階において、ポリマ
ー・シート材を2個のクランプまたはフレームの間に拘
束する。その後、これらのクランプおよび予備成形シー
ト材から成る組立体全体をヒーターの上部バンクおよび
/または下部バンクにより加熱したオーブンの中に入れ
る。各ヒーターの温度および滞留時間によりシート材の
温度が制御される。その後、加熱したシート材をオーブ
ンから取り出すと、シート材はゴム状の弾性状態になっ
ている。このゴム状のシート材をメス形の成形型のリム
に対して押し当てることにより密閉して拘束する。その
後、ゴム状のシート材を加熱または無加熱のプラグによ
り徐々に予備延伸処理してから、メス形の成形型空孔部
内においてシート材を最終的に成形処理する。さらに、
真空により、この徐々に予備延伸処理されているシート
材をメス形の成形型表面に対して延伸処理が停止するま
で吸引する。これにより、加熱されたゴム状のシート材
は延伸されるのに従って配向されて、この延伸処理中に
冷却される。その後、シート材が温度制御可能な成形型
に対して最終的に延伸処理されると、プラグの成形型ま
たはシート材に対する接触が解除される。さらに、この
延伸処理が完了するまで、真空が成形型に供給される。
一般に、この真空は延伸されているシート材がそれ以上
変形しなくなるまで供給される。また、上記の冷却処理
は装置内に形成された配向を維持するために周囲温度に
おけるエア・ブローのような強制的な熱伝達手段により
継続できる。図1乃至図3において簡略化した本発明の
処理方法の実施形態を示す。なお、この処理方法におい
て使用する成形型が所望の最終製品を作成するための多
様な形状を有し得ることは当然に明らかである。例え
ば、上記の予備成形体から湾曲状の頭蓋プレート材等を
加工処理するために湾曲状の成形型が使用可能である。
【0023】また、別の方法において、加熱処理したシ
ート材をゴム状の状態でオーブンから取り出した後に、
クランプにより把持したゴム状のシート材をオス形およ
びメス形の成形型半体部分の間に配置する。この状態で
成形型の半体部分を閉じ合わせると、加熱または無加熱
の機械的に駆動されるオス形の成形型半体部分がプラグ
として作用してゴム状のシート材を予備延伸処理し、さ
らに好ましくは、真空がメス形の成形型半体部分に供給
されてシート材がその中に吸引される。このようにして
得られる最終的な装置の厚さはこれら2個の成形型半体
部分の整合状態における隙間により決まる。また、オス
形およびメス形の成形型半体部分の温度はそれぞれ別に
制御される。加熱されたゴム状のシート材はその延伸処
理に従って配向されて、延伸処理中およびさらに低い温
度の各成形型半体部分との接触において冷却される。図
4および図5はこの処理方法の簡略化した実施形態の一
例を示している図である。
【0024】本発明のさらに別の実施形態において、オ
ス形の成形型が加熱されてゴム状になったシート材の中
に移動してシート材を延伸すると共に、このシート材の
最終形状を形成する。さらに、この処理方法は延伸処理
を行なうためにオス形の成形型の中を通して供給される
真空を利用できる。この熱成形処理したシート材の冷却
処理はさらに温度の低い成形型に対する接触により行な
われ、さらに、熱成形処理したシート材がエア・ブロー
による強制的な熱伝達手段により冷却できる。
【0025】本発明の装置は種々の生体許容性の材料に
より作成可能であり、好ましくは、これらの生体許容性
の材料が生体吸収性である。上記のプレート材を形成す
るのに適した生体許容性で吸収性の材料としては、脂肪
族ポリエステル、ポリオルトエステル、ポリ(酸無水
物)、およびこれらのコポリマー、混合物、および組合
せ物から成る群から選択される生体許容性で吸収性のポ
リマーが含まれる。
【0026】さらに、使用可能であって適当な有機性の
生体許容性で生体吸収性のポリマーの例としては、脂肪
族ポリエステル、コポリ(エーテル−エステル)、ポリ
オルトエステル、ポリオキサエステル、ポリアミドエス
テル、アミド基を含有するポリオキサエステル、ポリ
(酸無水物)、およびこれらの混合物から成る群から選
択されるポリマーが含まれる。さらに、本発明の目的に
おいては、上記脂肪族ポリエステルとして、ラクチド
(D−体およびL−体の乳酸、D−体、L−体、および
メソ体のラクチドを含む)、グリコリド(グリコール酸
を含む)、ε−カプロラクトン、p−ジオキサノン
(1,4−ジオキサン−2−オン)、トリメチレン・カ
ーボネート(1,3−ジオキサン−2−オン)、トリメ
チレン・カーボネートのアルキル誘導体、δ−バレロラ
クトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、ε
−デカラクトン、ヒドロキシブチレート、ヒドロキシバ
レレート、α,α,−ジエチルプロピオラクトン、エチ
レン・カーボネート、エチレン・オキサレート、3−メ
チル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、3,3−
ジエチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、6,
8−ジオキサビシクロクタン−7−オン、2,5−ジケ
トモルホリン、1,4−ジオキセパン−2−オン(その
二量体である1,5,8,12−テトラオキサシクロテ
トラデカン−7,14−ジオンを含む)、1,5−ジオ
キセパン−2−オン、6,6−ジメチル−1,4−ジオ
キサン−2−オン、およびこれらの混合物のホモポリマ
ーおよびコポリマーが含まれるがこれらに限らない。な
お、最終製品におけるクリープを最小にするために、半
結晶性の脂肪族ポリマーおよびコポリマー(2種類以上
のモノマーによる)が好ましい。好ましくは、この開始
剤量はアモルファスであるが、配向処理および/または
加熱処理により結晶可能である材料である。本発明の目
的に適するコポリ(エーテル−エステル)としては、Co
hnの「ジャーナル・オブ・バイオマテリアルズ・リサー
チ(Journal of Biomaterials Research)」(第22
巻、第993頁乃至第1009頁、1988年)、およ
びYounesおよびCohnのポリマー・プレプリント(Polyme
r Preprints (ACS Division of Polymer Chemistry))
(第30(1)巻、第498頁、1989年)に記載さ
れるコポリエステル−エーテル(例えば、PEO/PL
A)等が含まれる。また、ポリ(酸無水物)としては、
HOOC−C6 4 −O−(CH2 m −O−C6 4
−COOH(mは2乃至8の範囲内の整数)の形態の二
酸、および当該二酸と12個までの炭素の脂肪族アルフ
ァ−オメガ二酸とのコポリマーから誘導されるものが含
まれる。さらに、ポリオキサエステル、ポリオキサアミ
ド、およびアミンおよび/またはアミド基を含有するポ
リオキサエステルは米国特許第5,464,929号、
同第5,595,751号、同第5,597,579
号、同第5,607,687号、同第5,618,55
2号、同第5,620,698号、同第5,645,8
50号、同第5,648,088号、同第5,698,
213号、および同第5,700,583号(これらは
本明細書に参考文献として含まれる)の1個以上におい
て記載されている。さらに、ポリオルトエステルはHell
erのハンドブック・オブ・バイオディグレーダブル・ポ
リマー(Handbook of Biodegrada ble Polymers)(Dom
b、KostおよびWisemen編集、Hardwood Academic Press
社、1997年、第99頁乃至第118頁)(本明細書
に参考文献として含まれる)に記載されるようなものが
含まれる。
【0027】さらに、本発明の装置を作成することので
きるポリマーは25℃におけるヘキサフルオロイソプロ
パノール(HFIP)またはクロロホルムにおける0.
1グラム/デシリットル(g/dL)溶液において測定
した場合に約1デシリットル/グラム(dL/g)乃至
約7デシリットル/グラム、さらに一般的には約1dL
/g乃至約5dL/g、最も好ましくは約1.6dL/
g乃至約3.5dL/gの範囲の固有粘度を示すような
分子量範囲を有する。また、上記のシート材はその融点
温度よりも5℃乃至50℃高い温度、さらに好ましくは
その融点温度よりも約10℃乃至約30℃高い温度で1
個以上の乾燥窒素雰囲気チャンバーを備えた圧縮成形、
押出成形、または射出成形により処理される。
【0028】本発明の装置は生体許容性ポリマーの混合
物によっても作成できる。この混合物の成分は幾分非混
合性で部分的に相容性を有することが好ましい。結果的
に熱形成処理できる予備成形処理したシート材におい
て、小部分の非連続性の相が基質内(連続相)において
球状または細長い小滴状の状態で存在する。ポリマー混
合物により作成した加熱処理したゴム状のシートの延伸
処理中に、これらの微量成分の小滴が細長く伸びて小繊
維またはリボン状の一定の延伸構造を形成する。このイ
ン・シッツにおいて形成された繊維状またはリボン状の
構造は1個以上の方向に配向されている。さらに、これ
らの繊維状またはリボン状の構造はそれらの物質が基質
材料よりも高い剛性である場合に機械的特性を高めるこ
とができ、基質材料よりも高い軟質性である場合に弾力
性を高めることができる。
【0029】さらに、本発明の整形外科装置は吸収性材
料および吸収性のリン酸カルシウムおよびその他の生体
許容性を有する金属酸化物(すなわち、CaO等)で繊
維状または粒子状の形態で存在しているガラスまたはセ
ラミック材の複合物により形成することもできる。さら
に、本発明のプレート材は吸収可能なセラミック材、ガ
ラス材、およびポリマーの組合せにより構成できる。
【0030】また、本発明の装置は多層型または同時押
出成形処理した材料により作成できる。これらの層は吸
収可能でポリマー、ガラスまたはセラミック・ファイバ
ーまたは粒子状充填ポリマーにより構成可能な生体許容
性の材料により作成できる。
【0031】本発明の実施形態の一例において、本発明
の装置は少なくとも0.3mm(0.012インチ)の
厚さを有している。好ましくは、この装置は約0.5m
m(0.020インチ)以上の厚さ、最も好ましくは約
0.75mm(0.030インチ)以上の厚さを有して
いる。
【0032】この装置は、熱成形処理した部分におい
て、主延伸方向における引張弾性率および引張強度のよ
うな一定範囲の機械的強度を有し、当該主延伸方向に対
して直角な方向における引張弾性率および引張強度のよ
うな別の一定範囲の機械的強度を有する。この状態を単
に2軸性と言う。また、別の場合において、これら二つ
の互いに直角な方向における引張弾性率および引張強度
が同等であってもよい。この状態を等2軸性(equi-bia
xial)と言う。
【0033】ポリラクチドを用いる実施形態の一例にお
いて、少なくとも2個の直交する軸において、それぞ
れ、上記装置の引張弾性率の引張弾性率は少なくとも
4.3GPaであり、当該装置の引張強度は少なくとも
80MPaである。好ましくは、上記装置の引張弾性率
は一方の軸において少なくとも5.0GPaであり、別
の直交軸において4.3GPaであって、当該装置の引
張強度は一方の軸において少なくとも100MPaであ
り、別の直交軸において少なくとも90MPaである。
さらに好ましくは、上記装置の引張弾性率は一方の軸に
おいて少なくとも6.0GPaであり、別の直交軸にお
いて4.3GPaであって、当該装置の引張強度は一方
の軸において少なくとも130MPaであり、別の直交
軸において85MPaである。
【0034】本発明の装置は所望の特性(弾性率、引張
強度、延伸率等)および所望の厚さを有する装置を提供
する熱成形処理中において種々の処理パラメータを使用
することにより作成できる。例えば、ポリラクチド予備
成形シート材は約90℃乃至約180℃、好ましくは約
110℃乃至約160℃、さらに好ましくは120℃乃
至140℃の範囲の温度(シート温度)で加熱してゴム
状の状態にして延伸処理できる。このシート温度が低す
ぎると、所望の延伸比に延伸できるゴム状の特性を有す
るシート材を得ることができない。一方、この温度が高
すぎると、シート材がその自重で垂れ下がるだけでな
く、改善された特性を維持するための配向が緩和して緩
みが生じやすい。例えば、プラグ温度は約30℃乃至約
140℃、好ましくは約45℃乃至約110℃、さらに
好ましくは約50℃乃至95℃の範囲にする必要があ
る。このプラグ温度を不適正に選択すると、プラグの接
触した部分のシート材の凍結が生じて、熱成形処理した
装置に曇りや筋および不所望な部分的厚さが生じる可能
性がある。例えば、ポリラクチドの場合において、上記
の成形型の温度は一般に約25℃乃至約90℃の範囲内
であり、さらに一般的には約35℃乃至約70℃の範囲
内で、最も一般的には40℃乃至60℃の範囲内であ
る。この成形型の温度が適正でない場合は、延伸処理し
ている熱シートの凍結が速すぎて不所望な応力により停
滞が生じる。さらに、配向が緩和したり、半結晶性ポリ
マーにより作成した装置の結晶化が阻止される可能性が
ある。
【0035】一般に、全ての脂肪族ポリエステルの場合
における上記のプラグ温度はそのガラス転移点温度より
も約35℃低い温度乃至そのガラス転移点よりも約80
℃高い温度の間であり、好ましくは、ガラス転移点温度
乃至当該ガラス転移点温度よりも30℃高い温度の範囲
である。
【0036】一般に、全ての脂肪族アモルファス・ポリ
エステルの場合における成形型温度はそのガラス転移点
温度よりも約40℃低い温度乃至そのガラス転移点温度
よりも約40℃高い温度の範囲内であり、好ましくはそ
のガラス転移点温度よりも20℃低い温度乃至そのガラ
ス転移点温度よりも10℃高い温度の範囲内である。さ
らに、一般に、全ての脂肪族半結晶性ポリエステルの場
合における成形型温度はそのガラス転移点温度乃至その
ガラス転移点温度よりも100℃高い温度の間であり、
好ましい範囲はそのガラス転移点温度よりも20℃高い
温度乃至当該転移点温度よりも70℃高い温度の間であ
る。
【0037】元の面積に対する成形処理した装置の面積
の比率により測定した延伸比は2倍乃至10倍の範囲内
であり、好ましくは、3倍乃至6倍の範囲内、最も好ま
しくは2倍乃至4倍の範囲内である。また、この延伸比
は初期的な厚さと最終的な厚さとの比率値として表現す
ることもできる。
【0038】上記の多軸特性を有する新規な装置から多
数の別の装置が加工できる。このような装置の例として
は、外科装置(関節置換プロテーゼ、椎骨円板、ピン、
ロッド材、爪、アンカー、ケージ、ネジ、および硬質お
よび軟質組織固定用のプレート材等)、組織工学的構造
体(イン・ビボおよびイン・ビトロの組織成長用の組織
骨格材、増強移植材および修復材等)、および外科装置
(ステープル、矢状材(arrows)、綿撒糸、クランプ、
フック、ボタン、スナップ、バルブ、およびクリップ
等)が含まれるがこれらに限らない。特定の用途におい
ては、1方向に沿って優れた特性を賦与するために不均
等な配向性を有する熱成形処理した材料の部分により装
置を形成することが望ましい場合がある。このような熱
成形処理した物品における特定の領域から熱成形処理し
た材料を選択することにより、異なる軸に沿って異なる
延伸比を有する部分を作成することが可能になる。
【0039】本発明の別の実施形態において、上記の多
軸特性を有する装置は薬物供給基質として使用できる。
このような薬物供給基質を形成するために、上記の予備
成形シート材を作成する1種類以上の吸収性ポリマーが
治療剤と共に混合される。このような本発明のポリマー
と共に使用できる種々の異なる治療剤は広範囲に存在し
ている。一般に、本発明の薬剤的な組成物を介して投与
できる治療剤としては、抗生物質および抗ウイルス剤の
ような感染防止剤、鎮痛薬および鎮痛薬組合せ物、抗炎
症剤、ステロイドのようなホルモン、骨再生成長因子、
および天然または遺伝子工学的な蛋白質、多糖類、糖蛋
白質、またはリポ蛋白質等が含まれるがこれらに限らな
い。
【0040】上記の配合物はポリマーと1種類以上の治
療剤を混合することにより作成できる。この治療剤は液
体、微細分割した固体、またはその他の適当な物理的形
態として存在させることが可能である。一般的に、且
つ、選択的に、上記の基質は希釈剤、キャリヤ、賦形
剤、安定化剤等のような1種類以上の添加物を含む。
【0041】上記治療剤の量は使用する特定の薬物およ
び治療する医療状態により決まる。一般に、薬物の量は
基質に対して約0.001重量%乃至約70重量%、さ
らに一般的には約0.001重量%乃至約50重量%、
最も一般的には約0.001重量%乃至約20重量%で
ある。また、上記の薬物供給基質内に混合されるポリマ
ーの量および種類は所望の放出プロファイルおよび使用
する薬物の量に応じて変化する。
【0042】体液に接触すると、上記のポリマーは徐々
に崩壊(主に加水分解による)して、これと同時に、分
散状態の薬物が一定の持続時間または継続時間にわたっ
て放出される。このことにより、有効量(例えば、0.
0001mg/kg/時乃至10mg/kg/時)の薬
物の長期の(例えば、1時間乃至5,000時間、好ま
しくは2時間乃至800時間にわたる)供給が行える。
さらに、この投薬形態は治療対象、症状の程度、処方医
の診断等により、必要に応じて調整できる。なお、上記
の処理または同様の処理に基づいて、当該技術分野の熟
練者であれば、種々の配合物を作成することが可能であ
る。
【0043】さらに、移植後の上記複合物の画像処理を
可能にするために、当該複合物に放射線不透過性のマー
カーを添加することができる。
【0044】以下の実施例は本発明の原理および実施を
例示するものであるが、本発明の原理および実施を例示
する手段はこれらに限らない。すなわち、当該技術分野
の熟練者であれば、これらの実施形態を参考にすること
により、本発明の範囲および趣旨を逸脱することなく多
数の別の実施形態が明瞭になる。
【0045】実施例1 この実施例は生体吸収性の予備成形体の圧縮成形、当該
予備成形体の熱成形処理、およびこれに続く装置作成の
ための加工処理について説明する。
【0046】50グラムのポリ(L−乳酸)ポリマー・
ペレットを1.5mm(0.060インチ)の厚さで1
50mm×150mm(6インチ×6インチ)の正方形
のゴム・フレームの間における金属プラテン上に配置し
た。このポリマーの固有粘度は0.1g/dLの濃度に
おいて25℃のクロロホルム中で測定した場合に1.8
dL/gであった。さらに、第2の金属プラテンを上記
第1のプラテン、ゴム・フレームおよびポリマー上に置
いた。その後、この組立体全体を不活性雰囲気を維持す
るための窒素チャンバーを備える圧縮成形プレス機の中
に入れた。このプレス機は予め210℃の温度に加熱し
てあった。210℃で10分加熱処理した後に、ポリマ
ーが溶融状態になり、プラテン上に2721キログラム
(6000ポンド)の力を徐々に加えた。この圧力およ
び温度でさらに10分間状態維持した。その後、プレス
機から2枚のプラテンをプレス加工したシート材と共に
取り外して、循環冷却水により周囲温度に維持した第2
のプレス機に移した。このプラック(plaque)を室温ま
で冷却し、プラテン組立体から取り出して、真空中で保
存した。
【0047】このようにして形成したポリ(L−乳酸)
による150mm×150mm(6インチ×6インチ)
で1.5mm(0.060インチ)厚のプラックを次に
説明する方法に従ってさらに熱成形処理した。先ず、こ
の0.060インチ厚のプラックを2個の108mm×
108mm(4.25インチ×4.25インチ)のクラ
ンプの間に拘束した。このクランプおよびプラックによ
り構成した組立体全体をヒーターの上部バンクおよび下
部バンクにより加熱したオーブンの中に入れた。これら
のヒーターは共に355℃に維持した。この状態で、プ
ラックを0.8分間加熱した。次に、この熱処理したシ
ート材をオーブンから取り出して、130℃の温度でゴ
ム状にした。その後、ゴム状になったシート材をメス形
の成形型のリム上に密封状態になるように押し当てた。
このメス形の成形型は100mm×100mm(3.9
5インチ×3.95インチ)で深さが75mm(3.0
インチ)の中央内孔部を有している。その後、ゴム状の
シート材を60℃に加熱維持した機械的に駆動されるプ
ラグにより40℃に維持したメス形の成形型の中におい
て予備延伸処理した。さらに、真空をメス形の成形型の
中に供給して、延伸処理しているシート材の延伸が停止
するまで成形型の表面に対して当該シート材を吸引し
た。この成形型への真空供給は8秒間行ない、延伸が完
了した後は、延伸したプラックの形態の装置はかなり冷
却されているためにそれ以上変形することが困難であっ
た。さらに、この迅速な冷却処理を周囲温度でのエア・
ブローにより継続した。その後、上記の熱成形処理した
部品を成形型から取り外した。引張試験用のサンプルを
中空の箱状の熱成形処理したポリマーの側面から加工形
成した。
【0048】次に、ビデオ伸び計を備えていて固定グリ
ップおよび移動グリップの間にサンプルを保持し、移動
グリップの速度を12.5mm/分(0.5インチ/
分)にした状態のインストロン(Instron)引張試験機
により引張試験を行った。プラックの初期的厚さの加工
処理したサンプルの最終的厚さに対する比率を延伸比ま
たはDR値として記載する。
【0049】以下の表1はメス形の成形型の深さに沿う
(すなわち、プラグの移動方向に沿う)主延伸方向に対
して平行および垂直な各方向におけるサンプルの引張弾
性率および引張強度の比較を示している。さらに、圧縮
成形処理して2個の直交する方向において同一の特性を
有する試料を対照サンプルとして用いた。なお、以下に
記載した各データは少なくとも4個のサンプルの平均値
である。
【表1】
【0050】上記の表1における熱成形処理した予備成
形体から加工処理した装置は、対照サンプルに比して、
引張特性の2軸方向における著しい増加を示すことが分
かる。
【0051】実施例2 この実施例はさらに大きな初期的厚さの生体許容性の予
備成形体の圧縮成形、当該予備成形体の熱成形処理、お
よびその後の装置作成のための加工処理を説明する。
【0052】100グラムのポリ(L−乳酸)ポリマー
・ペレットを3mm(0.120インチ)の厚さで15
0mm×150mm(6インチ×6インチ)の正方形の
ゴム・フレームの間における金属プラテン上に配置し
た。このポリマーの固有粘度は0.1g/dLの濃度に
おいて25℃のクロロホルム中で測定した場合に1.8
dL/gであった。さらに、第2の金属プラテンを上記
第1のプラテン、ゴム・フレームおよびポリマー上に置
いた。その後、この組立体全体を不活性雰囲気を維持す
るための窒素チャンバーを備える圧縮成形プレス機の中
に入れた。このプレス機は予め210℃の温度に加熱し
てあった。210℃で10分加熱処理した後に、ポリマ
ーが溶融状態になり、プラテン上に4082キログラム
(9000ポンド)の力を徐々に加えた。この圧力およ
び温度でさらに10分間状態維持した。その後、プレス
機から2枚のプラテンをプレス加工したシート材と共に
取り外して、循環冷却水により周囲温度に維持した第2
のプレス機に移した。このプラックを室温まで冷却し、
プラテン組立体から取り出して、真空中で保存した。
【0053】このようにして形成したポリ(L−乳酸)
による150mm×150mm(6インチ×6インチ)
で3.0mm(0.120インチ)厚のプラックを次に
説明する方法に従ってさらに熱成形処理した。先ず、こ
の3.0mm(0.120)インチ厚のプラックを2個
の108mm×108mm(4.25インチ×4.25
インチ)のクランプの間に拘束した。このクランプおよ
びプラックにより構成した組立体全体をヒーターの上部
および下部バンクにより加熱したオーブンの中に入れ
た。これらのヒーターは共に225℃に維持した。この
状態で、プラックを2.5分間加熱した。次に、この熱
処理したシート材をオーブンから取り出して、120℃
の温度でゴム状にした。その後、ゴム状になったシート
材をメス形の成形型のリム上に密封状態になるように押
し当てた。このメス形の成形型は100mm×100m
m(3.95インチ×3.95インチ)で深さが75m
m(3.0インチ)の中央内孔部を有している。その
後、ゴム状のシート材を60℃に加熱維持した機械的に
駆動されるプラグにより40℃に維持したメス形の成形
型の中において予備延伸処理した。さらに、真空をメス
形の成形型の中に供給して、延伸処理しているシート材
の延伸が停止するまで成形型の表面に対して当該シート
材を吸引した。この成形型への真空供給は8秒間行な
い、延伸が完了した後は、延伸したプラックの形態の装
置はかなり冷却されているためにそれ以上変形すること
が困難になった。さらに、この迅速な冷却処理を周囲温
度でのエア・ブローにより継続した。その後、上記の熱
成形処理した部品を成形型から取り外した。引張試験用
のサンプルを中空の箱状の熱成形処理したポリマーの側
面から加工形成した。
【0054】次に、ビデオ伸び計を備えていて固定グリ
ップおよび移動グリップの間にサンプルを保持し、移動
グリップの速度を12.5mm/分(0.5インチ/
分)にした状態のインストロン引張試験機により引張試
験を行った。プラックの初期的厚さの加工処理したサン
プルの最終的厚さに対する比率を延伸比またはDR値と
して記載する。
【0055】以下の表2はメス形の成形型の深さに沿う
(すなわち、プラグの移動方向に沿う)主延伸方向に対
して平行および垂直な各方向におけるサンプルの引張弾
性率および引張強度の比較を示している。さらに、圧縮
成形処理して2個の直交する方向において同一の特性を
有する試料を対照サンプルとして用いた。なお、以下に
記載した各データは少なくとも4個のサンプルの平均値
である。
【表2】
【0056】上記の表2における熱成形処理した予備成
形体から加工処理した装置は、対照サンプルに比して、
引張特性の2軸方向における著しい増加を示すことが分
かる。
【0057】実施例3 この実施例は生体吸収性の予備成形体を圧縮成形し、当
該予備成形体を熱形成処理した後に加工処理して、両方
の方向において等しく(すなわち等2軸性であって)さ
らに高い2軸方向の特性を有する装置を作成する方法に
ついて説明する。
【0058】上記実施例1および実施例2において説明
した処理により厚さ1.5mm(0.060インチ)お
よび3.0mm(0.120インチ)のプラックをそれ
ぞれ圧縮成形処理した。次に、これらのプラックを表3
に記載する異なる成形条件により実施例1および実施例
2において記載したものと同様の処理方法により熱成形
処理した。これらの厚いシート材および薄いシート材の
両方に対して成形型温度を40℃とし、3.0mm
(0.120インチ)のプラックに対するプラグ温度を
50℃として、1.5mm(0.060インチ)のプラ
ックに対するプラグ温度を60℃とした。この場合に、
各中空の箱形形状の熱成形処理したポリマーの底部から
引張試験用のサンプルをそれぞれ加工形成した。この中
空の成形処理した箱形ポリマーの底部は、未変形のプラ
ックおよび変形した最終の部品上に標した測定距離を比
較して調べたところ、同等の延伸状態を示していた。
【0059】次に、ビデオ伸び計を備えていて固定グリ
ップおよび移動グリップの間にサンプルを保持し、移動
グリップの速度を12.5mm/分(0.5インチ/
分)にした状態のインストロン引張試験機により引張試
験を行った。プラックの初期的厚さの加工処理したサン
プルの最終的厚さに対する比率を延伸比またはDR値と
して記載する。
【0060】以下の表3は2個の互いに直交する方向に
おける各サンプルの引張弾性率および引張強度の比較を
示しており、各サンプルは当該2個の直交する方向にお
いて同一の特性を有している。さらに、圧縮成形処理し
て2個の直交する方向において同一の特性を有する試料
を対照サンプルとして用いた。なお、以下に記載した各
データは少なくとも4個のサンプルの平均値である。
【表3】
【0061】上記の表3における熱成形処理した予備成
形体から加工処理した装置は、対照サンプルに比して、
引張特性の2軸方向における著しい増加を示すことが分
かる。
【0062】実施例4 この実施例はさらに高い固有粘度を有する生体吸収性の
予備成形体を圧縮成形し、当該予備成形体を熱形成処理
した後に加工処理して、両方の方向において等しく(す
なわち等2軸性であって)さらに高い2軸方向の特性を
有する装置を作成する方法について説明する。
【0063】100グラムのポリ(L−乳酸)ポリマー
・ペレットを3mm(0.120インチ)の厚さで15
0mm×150mm(6インチ×6インチ)の壁部の正
方形のゴム・フレームの間における金属プラテン上に配
置した。このポリマーの固有粘度は0.1g/dLの濃
度において25℃のクロロホルム中で測定した場合に
4.5dL/gであった。さらに、第2の金属プラテン
を上記第1のプラテン、ゴム・フレームおよびポリマー
上に置いた。その後、この組立体全体を不活性雰囲気を
維持するための窒素チャンバーを備える圧縮成形プレス
機の中に入れた。このプレス機は予め215℃の温度に
加熱してあった。215℃で10分加熱処理した後に、
ポリマーが溶融状態になり、プラテン上に4082キロ
グラム(9000ポンド)の力を徐々に加えた。この圧
力および温度でさらに10分間状態維持した。その後、
プレス機から2枚のプラテンをプレス加工したシート材
と共に取り外して、循環冷却水により周囲温度に維持し
た第2のプレス機に移した。このプラックを室温まで冷
却し、プラテン組立体から取り出して、真空中で保存し
た。
【0064】このようにして形成したポリ(L−乳酸)
による150mm×150mm(6インチ×6インチ)
で3.0mm(0.120インチ)厚のプラックを次に
説明する方法に従ってさらに熱成形処理した。先ず、こ
の3.0mm(0.120)インチ厚のプラックを2個
の108mm×108mm(4.25インチ×4.25
インチ)のクランプの間に拘束した。このクランプおよ
びプラックにより構成した組立体全体をヒーターの上部
および下部バンクにより加熱したオーブンの中に入れ
た。これらのヒーターは共に380℃に維持した。この
状態で、プラックを1.2分間加熱した。次に、この熱
処理したシート材をオーブンから取り出して、140℃
の温度でゴム状にした。その後、ゴム状になったシート
材をメス形の成形型のリム上に密封状態になるように押
し当てた。このメス形の成形型は100mm×100m
m(3.95インチ×3.95インチ)で深さが75m
m(3.0インチ)の中央内孔部を有している。その
後、ゴム状のシート材を60℃に加熱維持した機械的に
駆動されるプラグにより40℃に維持したメス形の成形
型の中において予備延伸処理した。さらに、真空をメス
形の成形型の中に供給して、延伸処理したシート材の延
伸が停止するまで成形型の表面に対して当該シート材を
吸引した。この成形型への真空供給は8秒間行ない、延
伸が完了した後は、延伸したプラックの形態の装置はか
なり冷却されているためにそれ以上変形することが困難
であった。さらに、この迅速な冷却処理を周囲温度での
エア・ブローにより継続した。その後、中空の箱形形状
の熱成形処理したポリマーの底部を加工形成して引張試
験用のサンプルを作成した。この中空の成形処理した箱
形ポリマーの底部は、未変形のプラックおよび変形した
最終の部品上に標した測定距離を比較して調べたとこ
ろ、同等の延伸状態を示していた。
【0065】次に、ビデオ伸び計を備えていて固定グリ
ップおよび移動グリップの間にサンプルを保持し、移動
グリップの速度を12.5mm/分(0.5インチ/
分)にした状態のインストロン引張試験機により引張試
験を行った。プラックの初期的厚さの加工処理したサン
プルの最終的厚さに対する比率を延伸比またはDR値と
して記載する。
【0066】以下の表4は2個の互いに直交する方向に
おける各サンプルの引張弾性率および引張強度の比較を
示しており、各サンプルは当該2個の直交する方向にお
いて同一の特性を有している。さらに、圧縮成形処理し
て2個の直交する方向において同一の特性を有する試料
を対照サンプルとして用いた。なお、以下に記載した各
データは少なくとも4個のサンプルの平均値である。
【表4】
【0067】上記の表4における熱成形処理した予備成
形体から加工処理した装置は、対照サンプルに比して、
引張特性の2軸方向における著しい増加を示すことが分
かる。
【0068】実施例5 この実施例はさらに大きな初期的厚さの生体吸収性の予
備成形体を圧縮成形し、当該予備成形体を熱形成処理し
た後に加工処理して、さらに高い1軸特性を有する装置
を作成する方法について説明する。
【0069】上記実施例1において説明した処理により
厚さ3mm(0.120インチ)のプラックを圧縮成形
処理した。次に、このプラックを、350℃の加熱温度
および1.0分の加熱処理時間の条件下で、実施例2に
おいて記載した方法と同様の処理方法により熱成形処理
した。これらの厚いシート材および薄いシート材の両方
に対して成形型温度を40℃として、プラグ温度を50
℃とした。この場合に、各中空の箱形形状の熱成形処理
したポリマーの側面から引張試験用のサンプルをそれぞ
れ加工形成した。
【0070】次に、ビデオ伸び計を備えていて固定グリ
ップおよび移動グリップの間にサンプルを保持し、移動
グリップの速度を12.5mm/分(0.5インチ/
分)にした状態のインストロン引張試験機により引張試
験を行った。プラックの初期的厚さの加工処理したサン
プルの最終的厚さに対する比率を延伸比またはDR値と
して記載する。
【0071】以下の表5は主延伸方向に平行な方向にお
ける各サンプルの引張弾性率および引張強度の比較を示
しており、この方向はメス形の成形型の深さに沿う方向
つまりプラグの移動方向に沿う方向である。さらに、圧
縮成形処理して2個の直交する方向において同一の特性
を有する試料を対照サンプルとして用いた。なお、以下
に記載した各データは少なくとも4個のサンプルの平均
値である。
【表5】
【0072】上記の表5における熱成形処理した予備成
形体から加工処理した装置は、対照サンプルに比して、
引張特性における著しい増加を示すことが分かる。
【0073】本発明の実施態様は以下の通りである。 (1)前記予備成形体が0.3mmよりも大きい最小の
厚さを有している請求項1に記載の熱成形処理した生体
吸収性ポリマーの予備成形体。 (2)前記予備成形体が少なくとも2個の軸において分
子配向している請求項1に記載の熱成形処理した生体吸
収性ポリマーの予備成形体。 (3)前記予備成形体がラクチド、グリコリド、グリコ
ール酸、ε−カプロラクトン、p−ジオキサノン(1,
4−ジオキサン−2−オン)、トリメチレン・カーボネ
ート(1,3−ジオキサン−2−オン)、トリメチレン
・カーボネートのアルキル誘導体、δ−バレロラクト
ン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、ε−デ
カラクトン、ヒドロキシブチレート、ヒドロキシバレレ
ート、α,α,−ジエチルプロピオラクトン、エチレン
・カーボネート、エチレン・オキサレート、3−メチル
−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、3,3−ジエ
チル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、6,8−
ジオキサビシクロクタン−7−オン、2,5−ジケトモ
ルホリン、1,4−ジオキセパン−2−オンおよびその
二量体である1,5,8,12−テトラオキサシクロテ
トラデカン−7,14−ジオン、1,5−ジオキセパン
−2−オン、6,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−
2−オン、およびこれらのポリマー混合物のホモポリマ
ーおよびコポリマーから成る群から選択される生体吸収
性ポリマーにより作成される請求項1に記載の熱成形処
理した生体吸収性ポリマーの予備成形体。 (4)前記予備成形体における生体吸収性ポリマーが半
結晶性である請求項1に記載の熱成形処理した生体吸収
性ポリマーの予備成形体。 (5)前記予備成形体における生体吸収性ポリマーがア
モルファスである請求項1に記載の熱成形処理した生体
吸収性ポリマーの予備成形体。
【0074】(6)前記生体吸収性ポリマーが25℃に
おけるヘキサフルオロイソプロパノールの0.1g/d
L溶液において測定した場合に約1dL/g乃至約7d
L/gの固有粘度を有する実施態様(3)に記載の熱成
形処理した生体吸収性ポリマーの予備成形体。 (7)前記予備成形体がさらに生体許容性で吸収性の強
化材料を含有している請求項1に記載の熱成形処理した
生体吸収性ポリマーの予備成形体。 (8)前記生体許容性で吸収性の強化材料が生体吸収性
セラミック材、生体吸収性ガラス材、およびこれらの組
合せから成る群から選択される実施態様(7)に記載の
熱成形処理した生体吸収性ポリマーの予備成形体。 (9)前記医療装置が整形外科装置である請求項2に記
載の医療装置。 (10)前記医療装置が組織工学的構造体である請求項
2に記載の医療装置。
【0075】(11)前記医療装置が外科装置である請
求項2に記載の装置。 (12)前記医療装置が関節置換プロテーゼ、椎骨円
板、ピン、ロッド材、爪、アンカー、ケージ、ネジ、プ
レート材、組織骨格材、ステープル、矢状材、綿撒糸、
クランプ、フック、ボタン、スナップ、バルブ、および
クリップから成る群から選択される請求項2に記載の医
療装置。 (13)前記熱成形処理した生体吸収性ポリマーの予備
成形体が0.3mmよりも大きい最小の厚さを有する請
求項2に記載の医療装置。 (14)前記予備成形体が少なくとも2個の軸において
分子配向している請求項2に記載の医療装置。 (15)前記熱成形処理した生体吸収性ポリマーの予備
成形体がラクチド、グリコリド、グリコール酸、ε−カ
プロラクトン、p−ジオキサノン(1,4−ジオキサン
−2−オン)、トリメチレン・カーボネート(1,3−
ジオキサン−2−オン)、トリメチレン・カーボネート
のアルキル誘導体、δ−バレロラクトン、β−ブチロラ
クトン、γ−ブチロラクトン、ε−デカラクトン、ヒド
ロキシブチレート、ヒドロキシバレレート、α,α,−
ジエチルプロピオラクトン、エチレン・カーボネート、
エチレン・オキサレート、3−メチル−1,4−ジオキ
サン−2,5−ジオン、3,3−ジエチル−1,4−ジ
オキサン−2,5−ジオン、6,8−ジオキサビシクロ
クタン−7−オン、2,5−ジケトモルホリン、1,4
−ジオキセパン−2−オンおよびその二量体である1,
5,8,12−テトラオキサシクロテトラデカン−7,
14−ジオン、1,5−ジオキセパン−2−オン、6,
6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2−オン、および
これらのポリマー混合物のホモポリマーおよびコポリマ
ーから成る群から選択される生体吸収性ポリマーにより
作成される請求項2に記載の医療装置。
【0076】(16)前記予備成形体における生体吸収
性ポリマーが半結晶性である実施態様(15)に記載の
医療装置。 (17)前記予備成形体における生体吸収性ポリマーが
アモルファスである実施態様(15)に記載の医療装
置。 (18)前記予備成形体中に含有される熱成形処理した
生体吸収性ポリマーが25℃におけるヘキサフルオロイ
ソプロパノールの0.1g/dL溶液において測定した
場合に約1dL/g乃至約7dL/gの固有粘度を有す
る実施態様(15)に記載の医療装置。 (19)前記予備成形体中に含有される熱成形処理した
生体吸収性ポリマーがさらに生体許容性で吸収性の強化
材料を含有している請求項2に記載の医療装置。 (20)前記生体許容性で吸収性の強化材料が生体吸収
性セラミック材、生体吸収性ガラス材、およびこれらの
組合せから成る群から選択される実施態様(19)に記
載の医療装置。
【0077】(21)前記予備成形体における熱成形処
理した生体吸収性ポリマーが半結晶性である実施態様
(15)に記載の医療装置。 (22)前記医療装置が少なくとも2個の直交する軸に
おいて少なくとも4.3GPaの引張弾性率および少な
くとも80MPaの引張強度を有する実施態様(21)
に記載の医療装置。 (23)前記医療装置が1個の軸において少なくとも
5.0GPaの引張弾性率および少なくとも100MP
aの引張強度を有しており、前記1個の軸に直交する他
の1個の軸において少なくとも4.3GPaの引張弾性
率および少なくとも90MPaの引張強度を有する実施
態様(21)に記載の医療装置。 (24)前記予備成形体が第1の生体吸収性ポリマーお
よび第2の生体吸収性ポリマーの混合物により形成され
る請求項1に記載の熱成形処理した生体吸収性ポリマー
の予備成形体。 (25)前記第1の生体吸収性ポリマーが主成分であっ
て均一相を形成し、前記第2の生体吸収性ポリマーがそ
の中に分散されている実施態様(24)に記載の熱成形
処理した生体吸収性ポリマーの予備成形体。
【0078】(26)前記予備成形体が第1の生体吸収
性ポリマーおよび第2の生体吸収性ポリマーの混合物に
より形成される請求項2に記載の医療装置。 (27)前記第1の生体吸収性ポリマーが主成分であっ
て均一相を形成し、前記第2の生体吸収性ポリマーがそ
の中に分散されている実施態様(26)に記載の医療装
置。 (28)前記熱成形処理した生体吸収性ポリマーの予備
成形体が0.3mmよりも大きい最小の厚さを有する請
求項3に記載の方法。 (29)前記予備成形体が少なくとも2個の軸において
分子配向している請求項3に記載の方法。 (30)前記熱成形処理した生体吸収性ポリマーの予備
成形体がラクチド、グリコリド、グリコール酸、ε−カ
プロラクトン、p−ジオキサノン(1,4−ジオキサン
−2−オン)、トリメチレン・カーボネート(1,3−
ジオキサン−2−オン)、トリメチレン・カーボネート
のアルキル誘導体、δ−バレロラクトン、β−ブチロラ
クトン、γ−ブチロラクトン、ε−デカラクトン、ヒド
ロキシブチレート、ヒドロキシバレレート、α,α,−
ジエチルプロピオラクトン、エチレン・カーボネート、
エチレン・オキサレート、3−メチル−1,4−ジオキ
サン−2,5−ジオン、3,3−ジエチル−1,4−ジ
オキサン−2,5−ジオン、6,8−ジオキサビシクロ
クタン−7−オン、2,5−ジケトモルホリン、1,4
−ジオキセパン−2−オンおよびその二量体である1,
5,8,12−テトラオキサシクロテトラデカン−7,
14−ジオン、1,5−ジオキセパン−2−オン、6,
6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2−オン、および
これらのポリマー混合物のホモポリマーおよびコポリマ
ーから成る群から選択される生体吸収性ポリマーにより
作成される請求項3に記載の方法。
【0079】(31)前記予備成形体における生体吸収
性ポリマーが半結晶性である実施態様(30)に記載の
方法。 (32)前記予備成形体における生体吸収性ポリマーが
アモルファスである実施態様(30)に記載の方法。 (33)前記シート材中に含有される熱成形処理した生
体吸収性ポリマーが25℃におけるヘキサフルオロイソ
プロパノールの0.1g/dL溶液において測定した場
合に約1dL/g乃至約7dL/gの固有粘度を有する
実施態様(30)に記載の方法。 (34)前記予備成形体中に含有される熱成形処理した
生体吸収性ポリマーがさらに生体許容性で吸収性の強化
材料を含有している請求項3に記載の方法。 (35)前記生体許容性で吸収性の強化材料が生体吸収
性セラミック材、生体吸収性ガラス材、およびこれらの
組合せから成る群から選択される実施態様(34)に記
載の方法。 (36)前記予備成形体が後に加工処理されて医療装置
が形成される請求項3に記載の方法。
【0080】
【発明の効果】従って、本発明によれば、医療装置の作
成に適する少なくとも1軸方向において分子配向してい
る熱成形処理した生体吸収性ポリマーの予備成形体が提
供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるプラグ補助式真空成
形処理を示している図である。この図面はプラグ補助式
真空成形処理の初期的な設定状態を示している図であ
る。この初期設定状態において、シート2はクランプ
(フレーム)4に保持されていて、プラグ12および成
形型10の間に配置されている。
【図2】プラグ補助式真空成形処理の第2の段階を示し
ている図である。この処理段階において、クランプ(フ
レーム)4および成形型10が移動して成形型の上部8
およびシート2の間に密閉部分が形成される。さらに、
シート2が加熱された後にプラグ12により成形型10
の方向に押圧される。また、密閉部分が形成された後に
通路16を通して成形型から空気が排気される。この空
気の排気により、シート2は成形型10の内部14の中
に引き込まれる。
【図3】プラグ補助式真空成形処理におけるシート2の
最終的な状態を示している図である。すなわち、シート
2は成形型10に対して完全に引き伸ばされて(延伸さ
れて)いる。
【図4】本発明の別の実施形態、すなわち、整合式の成
形型による真空成形処理を示している図である。この図
面においては、この処理の初期的な設定状態が示されて
いる。この初期設定状態において、シート2はオス形成
形型11(プラグとして作用する)およびメス形成形型
10の間に配置されている。
【図5】整合式成形型による真空成形処理におけるシー
ト2の最終的な状態を示している図である。すなわち、
シート2は加熱された後にオス形成形型11によりメス
形成形型10に向かって押圧され、空気が通路16を通
して成形型から排気される。この空気の排気により、シ
ート2が成形型10の内部14の中に引き込まれる。こ
れにより、シート2はオス形成形型11およびメス形成
形型10の間において成形処理される。
【符号の説明】
2 シート材 4 クランプ(フレーム) 10 (メス形)成形型 11 オス形成形型 12 プラグ 16 (排気)通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アーノン・シエグマン イスラエル国、34791 ハイファ、アムノ ン・ベタマー 6

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 医療装置における使用に適する少なくと
    も1個の軸において分子配向を有する熱成形処理した生
    体吸収性ポリマーの予備成形体。
  2. 【請求項2】 少なくとも1個の軸において分子配向を
    有する熱成形処理した生体吸収性ポリマーにより形成し
    た医療装置。
  3. 【請求項3】 熱成形処理した生体吸収性ポリマーの予
    備成形体を製造する方法において、 (a)医療装置における使用に適する生体吸収性ポリマ
    ー・シート材を加熱して当該生体吸収性ポリマー・シー
    ト材をゴム状の弾性状態にする工程と、 (b)前記加熱した生体吸収性ポリマー・シート材を3
    次元の成形型の中に押圧することにより延伸して少なく
    とも1個の軸における分子配向を形成する工程と、 (c)前記延伸した生体吸収性ポリマー・シート材を冷
    却してその分子配向を少なくとも部分的に維持すること
    により生体吸収性ポリマーの予備成形体を形成する工程
    とを備える方法。
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