JP2001323938A - 転がり軸受のラジアル隙間を測定する方法及び装置 - Google Patents
転がり軸受のラジアル隙間を測定する方法及び装置Info
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Abstract
な転がり軸受のラジアル隙間を、熟練を要する事なく、
容易に測定でき、しかも信頼性の高い測定値を得られる
方法及び構造を実現する。 【解決手段】 外輪2のラジアル方向の変位のみ自在に
支持した状態で、内輪3を回転させる。そして、上記外
輪2に上向きのラジアル荷重と下向きのラジアル荷重と
を順番に負荷しつつ、それぞれの場合に就いて上記外輪
2の上端部と下端部とのラジアル方向の変位を測定す
る。そして、この測定結果の差に基づいて、上記ラジア
ル隙間を算出する。
Description
ラジアル隙間を測定する方法及び装置は、玉軸受、ころ
軸受等の転がり軸受の内部隙間を測定する為に利用す
る。特に本発明に係る転がり軸受のラジアル隙間を測定
する方法及び装置は、自動調心ころ軸受の様な、比較的
複雑な構造を有し、従来方法では測定作業が面倒であっ
た、転がり軸受のラジアル隙間の測定を容易且つ迅速に
行なえる様にするものである。
の回転支持部に、図10に示す様な自動調心ころ軸受1
が使用されている。この自動調心ころ軸受1は、互いに
同心に組み合わされた外輪2と内輪3との間に、それぞ
れが転動体である複数の球面ころ4、4を、転動自在に
配列して成る。尚、これら各球面ころ4、4は、それぞ
れ保持器5、5により、分離防止を図っている。
する球状凹面である外輪軌道6を形成している。又、上
記内輪3の外周面の幅方向(図10の左右方向)両側に
は、それぞれが上記外輪軌道6と対向する、1対の内輪
軌道7、7を形成している。又、上記各球面ころ4、4
は、その最大径部がこれら各球面ころ4、4の軸方向長
さの中央部にある対称形で、上記外輪軌道6と上記1対
の内輪軌道7、7との間に、2列に亙って転動自在に配
列されている。尚、上記各球面ころ4、4として、非対
称ころが用いられる事もある。
により、例えばハウジングの内側に回転軸を支持する場
合、上記外輪2をこのハウジングに内嵌固定し、上記内
輪3をこの回転軸に外嵌固定する。この回転軸と共にこ
の内輪3が回転する場合には、上記各球面ころ4、4が
転動して、この回転を許容する。上記ハウジングの軸心
と上記回転軸の軸心とが不一致の場合、上記外輪2の内
側で上記内輪3が調心する(外輪2の中心軸に対し内輪
3の中心軸を傾斜させる)事で、この不一致を補償す
る。この場合に於いて、上記外輪軌道6は単一球面状
に、上記各内輪軌道7、7の断面形状は、上記各球面こ
ろ4、4の中心軸に関して上記外輪軌道6と対称に、そ
れぞれ形成されている為、上記各球面ころ4、4の転動
は、不一致補償後に於いても、円滑に行なわれる。
は、焼き付き等の損傷を防止して円滑な運転を可能にす
る為、所定のラジアル隙間が設けられている。従って、
上記外輪2と上記内輪3とは、このラジアル隙間分だ
け、ラジアル方向に関して相対変位自在である。従っ
て、上記自動調心ころ軸受1が、精密圧延装置等の回転
支持部に組み込むものである場合には、上記ラジアル隙
間の大きさを厳密に規制する必要がある。このラジアル
隙間は、上記外輪軌道6、上記各内輪軌道7、7、上記
各球面ころ4、4の直径及び母線形状を精密に測定する
事で算出可能である。但し、総ての自動調心ころ軸受1
に関してこれら測定作業と算出作業とを行なう事は非常
に面倒であり、現実的ではない。この為従来から、組み
立てられた自動調心ころ軸受1内に隙間ゲージ(シック
ネスゲージ)を挿入し、この自動調心ころ軸受1のラジ
アル隙間の測定作業を行なっている。
定方法では、測定作業が面倒なだけでなく、ラジアル隙
間の具体的な値を正確に知る事は難しかった。この理由
は、次の通りである。先ず、自動調心ころ軸受1の場
合、上記ラジアル隙間を測定する為には、外輪2の中心
軸と内輪3の中心軸とを平行(一致する場合を含む。本
明細書全体で同じ。)にし、しかも外輪軌道6と内輪軌
道7、7との間で複数の球面ころ4、4の姿勢を安定さ
せる(中立位置にする)必要がある。この作業は、上記
外輪2の中心軸と上記内輪3の中心軸とを平行にしたま
ま、これら外輪2と内輪3とを相当量相対回転又は揺動
させる必要がある為、面倒でしかも熟練を要する作業で
あった。
の転動面と上記外輪軌道6又は何れかの内輪軌道7との
間に挿入する為、各球面ころ4、4の外径、相互差や上
記各内輪軌道7、7の真円からのずれ(楕円成分)は、
そのまま誤差になる。しかも、隙間ゲージを挿入できる
か否かで上記ラジアル隙間の大きさを判定する為、隙間
ゲージを挿通できない程の小さなラジアル隙間の値を測
定する事はできない。この為、このラジアル隙間の絶対
値を測定すると言うよりも、このラジアル隙間が所定の
等級に合格しているか否かを確認すると言った面が大き
かった。本発明は、この様な事情に鑑みて、自動調心こ
ろ軸受を含む各種転がり軸受のラジアル隙間の測定を、
熟練を要する事なく、迅速且つ正確に行なえる転がり軸
受のラジアル隙間を測定する方法及び装置を実現すべく
発明したものである。
ジアル隙間を測定する方法及び装置は、内周面に外輪軌
道を有する外輪と、外周面に内輪軌道を有する内輪と、
これら外輪軌道と内輪軌道との間に転動自在に設けられ
た複数個の転動体とを備えた転がり軸受の内部に存在す
るラジアル隙間を測定するのに利用する。
ジアル隙間を測定する方法は、上記外輪と内輪とを、互
いの中心軸同士を平行に保ったまま相対回転自在に、且
つ、ラジアル方向に関する変位を自在に支持する。そし
て、この状態で、何れか軌道輪に所定方向の第一のラジ
アル荷重を付与し、この第一のラジアル荷重に基づくこ
の他方の軌道輪のラジアル方向の変位を測定して第一の
測定値を求める。その後、上記何れかの軌道輪に上記所
定方向と逆方向の第二のラジアル荷重を付与し、この第
二のラジアル荷重に基づく上記他方の軌道輪のラジアル
方向の変位を測定して第二の測定値を求める。そして、
これら第一、第二の測定値と、上記第一、第二のラジア
ル荷重に応じて求められる上記転がり軸受の構成部品及
び測定装置の弾性変形量とから、上記ラジアル隙間を算
出する。
ジアル隙間を測定する装置は、回転軸と、ホルダと、ラ
ジアル荷重付与手段と、支持手段と、変位測定手段とを
備える。このうちの回転軸は、上記外輪と内輪とのうち
の一方の軌道輪を支持した状態で回転駆動される。又、
上記ホルダは、上記外輪と内輪とのうちの他方の軌道輪
を、その中心軸と上記一方の軌道輪の中心軸とを実質的
に平行に保ったまま支持する。又、上記ラジアル荷重付
与手段は、何れかの軌道輪に、当該軌道輪の直径方向に
関して互いに反対方向である第一、第二のラジアル荷重
を付与自在である。又、上記支持手段は、上記何れかの
軌道輪以外の別の軌道輪をラジアル方向に関して実質的
に変位しない状態で支持する。更に、上記変位測定手段
は、これら第一、第二のラジアル荷重に基づく上記何れ
かの軌道輪のラジアル方向の変位を測定する為のもの
で、接触型の変位計を含み、各種のものを使用できる
が、好ましくは、レーザ式等の、非接触型の精密測定器
(変位計)を使用する。
を測定する方法及び装置によれば、自動調心ころ軸受を
含む各種転がり軸受のラジアル隙間の測定を、熟練を要
する事なく、迅速且つ正確に行なえる。即ち、回転軸に
より一方の軌道輪を回転させる事で、外輪軌道と内輪軌
道との間で複数の転動体の姿勢を安定させる作業を、容
易に且つ迅速に行なえる。又、ラジアル荷重付与手段で
何れかの軌道輪に、この何れかの軌道輪の直径方向に関
して逆方向のラジアル荷重を付与しつつこの他方の軌道
輪の変位を測定する事で、上記転がり軸受全体としての
ラジアル隙間の測定を行なえる。
の1例を示している。先ず、図1〜4により、測定装置
の構成に就いて説明する。基板8の片半部(図1の左半
部)上方に回転軸9を、高精度軸受である静圧気体軸受
10により、ラジアル方向に関する変位を抑えられた状
態で、回転自在に支持している。上記回転軸9の両端部
は、上記静圧気体軸受10から突出している。このうち
の基端部(図1の左端部)には従動プーリ11を固定
し、この従動プーリ11と図示しない駆動モータの出力
軸に固定した駆動プーリとの間に無端ベルト12を掛け
渡す事により、上記回転軸9を回転駆動自在としてい
る。尚、上記静圧気体軸受10の代わりに転がり軸受ス
ピンドルを用いる場合もあり、上記回転軸9の支持剛性
及び回転精度の要求から、どちらを使用するかを決定す
る。
部)には、自動調心ころ軸受1を構成する外輪2と内輪
3とのうち、一方の軌道輪である内輪3を外嵌固定する
為の、保持筒13を固定している。請求項2に記載した
支持手段としての機能を兼ね備える、この保持筒13の
外周面は、上記回転軸9の中心軸をその中心とするもの
で、その基端部(図1の左端部)には外向フランジ状の
係止鍔部14を、その先端部(図1の右端部)には雄ね
じ部15を、それぞれ有する。そして、この雄ねじ部1
5に、抑えナット16を螺着自在としている。又、上記
保持筒13の中間部でこの抑えナット16と上記係止鍔
部14との間部分の外径は、上記内輪3の内径に対する
隙間嵌めの公差を持たせた大きさとしている。従ってこ
の内輪3を上記保持筒13に、ラジアル方向の偏心を小
さく抑えた状態で外嵌自在である。更に、上記雄ねじ部
15に上記抑えナット16を螺着した状態で上記内輪3
は、ラジアル方向及びアキシアル方向の変位を共に抑え
られた状態となる。
上方にホルダ17を、前記静圧気体軸受10に対する遠
近動自在(図1、3の左右方向、図2の表裏方向の移動
自在)に設けている。上記ホルダ17は、前記自動調心
ころ軸受1を構成する外輪2と内輪3とのうち、他方の
軌道輪である外輪2を、その中心軸と上記内輪3の中心
軸とを平行に保ったままラジアル方向に関する変位を自
在に支持するものである。
り、上記自動調心ころ軸受1の軸方向(図1、3の左右
方向、図2の表裏方向)の変位を自在として、上記基板
8の上方に支持している。即ち、この基板8の他半部上
面に配設したガイドレール19、19を含んで構成した
リニアガイド20により上記移動台18を、上記軸方向
の変位自在に支持すると共に、この移動台18の上端部
にその基端部を固定した支持腕21a、21bの先端部
に、上記ホルダ17を構成する保持腕22を結合固定し
ている。この保持腕22は、略三つ星形に形成したもの
で、前記回転軸9の中心軸に対し直交する方向に存在す
る仮想平面上に配置している。
は、それぞれ受ブロック23、23を、前記静圧気体軸
受10側に突出する状態で結合固定している。これら各
受ブロック23、23には、上記自動調心ころ軸受1の
軸方向に亙って貫通孔24を形成している。そして、こ
の貫通孔24のうち、上記静圧気体軸受10側の先半部
をねじ孔部25とし、逆側の基半部を、このねじ部25
よりも大径の大径部26としている。そして、このうち
のねじ部25に、受スタッド27を螺着している。
記各受ブロック23、23の外方には、抑えロッド2
8、28を、上記自動調心ころ軸受1の軸方向の変位自
在に支持している。即ち、上記各受ブロック23、23
の外周側面と基端面(図1、3の右端面)とに固定した
ガイドブロック29、29とガイドプレート30、30
とにそれぞれ形成した円孔に上記各抑えロッド28、2
8を、回転及び軸方向移動自在に挿通している。そし
て、これら各抑えロッド28、28の基端部(図1、3
の右端部)に装着したストップリング31と上記ガイド
プレート30、30との間に圧縮コイルばね32、32
を設けて、上記各抑えロッド28、28に、上記静圧気
体軸受10から離れる方向の弾力を付与している。又、
これら各抑えロッド28、28の先端部(図1、3の左
端部)に抑え腕33、33の基端部(図3の上端部)を
固定している。そして、これら各抑え腕33、33の先
端部で上記保持腕22に対向する側面、並びに上記各受
スタッド27の先端部に形成した凹孔に、鋼球34、3
4を支持している。これら各剛球34、34は回転自在
に支持されており、後述する様に外輪2を支持した状態
で、この外輪2のラジアル方向の変位を妨げない様にし
ている。上記各抑え腕33、33を上記保持腕22と平
行に(上記自動調心ころ軸受1の直径方向に)配置した
状態で、上記各抑え腕33、33の先端部に支持した鋼
球34と上記各受スタッド27の先端部に支持した鋼球
34とは、上記自動調心ころ軸受1の中心軸と平行な仮
想直線上に配置される。この様に各剛球34、34を配
置する作業は、実際の測定作業を行なう前に、その形状
及び寸法並びに重量を上記自動調心ころ軸受1に合わせ
つつ平行度を出して作成した、一体型のマスターリング
を使用して、上記各剛球34、34の平行合わせを行な
う事により行なえる。即ち、上記マスターリングを前記
保持筒13に取り付け、上記各受スタッド27、27が
3本とも、このマスターリングの端面に均等に接触する
様にする。
ホルダ17に保持された自動調心ころ軸受1を囲む部分
には、ラジアル荷重付与手段35を設けている。このラ
ジアル荷重付与手段35は、上記自動調心ころ軸受1を
構成する外輪2に、上向きのラジアル荷重と下向きのラ
ジアル荷重とを選択的に付与する為のもので、次の様に
構成している。
ろ軸受1を囲む部分に、門型の支持枠36を設けてい
る。そして、この支持枠36を利用して上記外輪2に、
重錘37の重量に応じた、上向き又は下向きのラジアル
荷重を付与自在としている。先ず、上向きのラジアル荷
重を付与する機構に就いて説明する。
端部)上面に上部ガイドプーリ38、38を、横軸を中
心とする回転自在に支持している。又、上記支持枠36
の上辺の中間部他端寄り(図2の右寄り)部分に、第一
のワイヤ39の一端部を係止している。更に、上記外輪
2の外周面中央部には凹溝40を、全周に亙って形成し
ている。上記第一のワイヤ39は、その中間部をこの凹
溝40に係合させた状態で上記外輪2の下半部に巻き掛
け、上記各上部ガイドプーリ38、38で案内して、そ
の他端部を上記支持枠36の側方に導出している。上記
外輪2に上向きのラジアル荷重を付与する際には、上記
第一のワイヤ39の他端部に上記重錘37を係止する。
この状態で上記外輪2には、上記各上部ガイドプーリ3
8、38部分の抵抗や上記第一のワイヤ39自身の重量
を無視すれば、上記重錘37の重量の約2倍の、上向き
のラジアル荷重が付与される。
構に就いて説明する。前記基板8の上面片側(図2の左
側)部分に下部ガイドプーリ41を、横軸を中心とする
回転自在に支持している。又、上記基板8の上面他側
(図2の右側)部分に、第二のワイヤ42の一端部を係
止している。この第二のワイヤ42は、その中間部を上
記凹溝40に係合させた状態で上記外輪2の上半部に巻
き掛け、上記下部ガイドプーリ41及び上記各上部ガイ
ドプーリ38、38で案内して、その他端部を上記支持
枠36の側方に導出している。上記外輪2に下向きのラ
ジアル荷重を付与する際には、上記第二のワイヤ42の
他端部に上記重錘37を係止する。この状態で上記外輪
2には、上記上部、下部各ガイドプーリ38、41部分
の抵抗や上記第二のワイヤ42自身の重量を無視すれ
ば、上記重錘37の重量の約2倍の、下向きのラジアル
荷重が付与される。尚、上記第一、第二のワイヤ39、
42の他端部を、荷重負荷用のシリンダの両端部に結合
し、一方のワイヤを引っ張る場合に他方のワイヤが緩む
様にして、上記重錘37の付け替え作業を省略できる様
にしても良い。
掛け渡した場合には、上記外輪2に上記重鎮37の重錘
の2倍のラジアル荷重が付与される事になり、同じく鉛
直方向に掛け渡されていない(鉛直方向に対し角度を持
って掛け渡されている)場合には、上記外輪2にその分
力に応じたラジアル荷重が付与される事になる。上記外
輪2に付与されるラジアル荷重は荷重校正により求める
事ができ、上記各ワイヤ39、42の角度から計算によ
り推定する事も可能である。上向きのラジアル荷重を付
与するワイヤ39と下向きのラジアル荷重を付与するワ
イヤ42の角度が異なる場合には、その角度を考慮した
重錘を、それぞれのワイヤ39、42に取り付ける。そ
して、上述の様に1個の重錘37を上記各ワイヤ39、
42の他端部に付け替える代わりに、何れか一方のワイ
ヤからのラジアル荷重のみを上記外輪2に対して選択的
に付与できる機構を採用する。これにより、この外輪2
に付与する上向きのラジアル荷重と下向きのラジアル荷
重とを等しくでき、上記外輪2及び前記内輪3の弾性変
形量や、これら外輪2及び内輪3と前記各球面ころ4、
4との接触部の弾性接近量の補正を正確に行える。
6の上辺の下方には、それぞれが変位測定手段を構成す
る、下部変位計43及び上部変位計44を設けている。
そして、このうちの下部変位計43により、上記外輪2
の下端部外周面の変位を測定自在とし、上部変位計44
により、この外輪2の上端部外周面の変位を測定自在と
している。この様に変位計を2個設ける理由は、測定精
度の向上を図る為である。尚、上述の様に外輪2にラジ
アル荷重を付与すると、この外輪2及び上記内輪3が弾
性変形すると共に、これら外輪2及び内輪3と上記各球
面ころ4、4との接触部が弾性接近する。この際に、図
1に示す様に下部変位計43と上部変位計44との2個
の変位計により、上記外輪2の外周面の変位を同時に測
定し、上記ラジアル荷重を負荷する前の上記外輪2の外
径と、同じく負荷した後の外輪2の外径とを比較する事
により、自動調心ころ軸受1のラジアル隙間を測定す
る。この様にして測定した隙間は、上記外輪2及び内輪
3の弾性変形量や、これら外輪2及び内輪3と上記各球
面ころ4、4との弾性接近量を含んだ値として、上記外
輪2の変位量から計算される。従って、必要とする測定
精度があまり高くない場合、或は1個の変位計で十分な
測定精度を確保できる場合は、上記下部変位計43と上
部変位計44とのうちの何れか一方の変位計のみを設け
れば足りる。
5を支持し、この中間部変位計45により、前記保持筒
13の下端部内周面の変位を測定自在としている。この
中間部変位計45は、前記静圧気体軸受10により支持
された前記回転軸9のラジアル方向の変位を測定し、こ
の回転軸9のラジアル方向の変位を補正する為に設けて
いる。従って、上記静圧気体軸受9の精度が十分に高
く、測定すべき前記自動調心ころ軸受1のラジアル隙間
の大きさに比べて、上記回転軸9のラジアル方向の変位
の大きさが十分に小さい場合には、上記中間部変位計4
5を省略しても良い。尚、図示の例では、上記各変位計
43〜45として、接触式のものを使用しているが、好
ましくはこれら各変位計43〜45として、レーザ式等
の、非接触型の精密測定器を使用する。
心ころ軸受1のラジアル隙間の測定を行なう際の手順に
就いて、図1〜4に図5〜6を加えて説明する。先ず、
その形状及び寸法並びに重量を、測定対象となる自動調
心ころ軸受1に合わせて製作した一体型のマスターリン
グを使用して、前記各抑え腕33、33の先端部に支持
した剛球34と前記各受スタッド27の先端部に支持し
た剛球34とが、上記マスターリングの端面に均等に接
触する様に、各部の調整作業を行なう。この調整作業に
基づき、次述する様に自動調心ころ軸受1を支持した場
合に、この自動調心ころ軸受1を構成する外輪2と内輪
3とを、互いの中心軸同士が平行となる様に保持できる
様にする。尚、上記各受スタッド27の先端部の各剛球
34の先端を上記マスターリングの端面に均等に接触さ
せる作業は、これら各受スタッド27、27を前記ねじ
孔部25内で回転させる事により行なう。
そのラジアル隙間を測定すべき上記自動調心ころ軸受1
を構成する内輪3を、前記保持筒13にがたつきなく外
嵌固定する。即ち、図5(A)に示す様に、前記抑えナ
ット16を外した状態で、前記保持筒13に上記内輪3
を外嵌する。次いで、図5(B)に示す様に、この保持
筒13の雄ねじ部15に上記抑えナット16を螺合し更
に緊締して、この保持筒13に上記内輪3を外嵌固定す
る。又、この状態で、上記自動調心ころ軸受1を構成す
る外輪2の外周面に設けた前記凹溝40に、前記第一、
第二のワイヤ39、42を掛け渡す。これらの作業は、
前記移動台18を前記静圧気体軸受10から離れる方向
に退避させた状態で行なう。
台18を上記静圧気体軸受10に向け前進させて、前記
ホルダ17により上記外輪2を保持する。上記移動台1
8を前進させる際には、前記各抑えロッド28、28を
回動させる事により、これら各ロッド28、28の先端
部に固定した前記各抑え腕33、33を上記外輪2の径
方向外方に退避させて、これら各抑え腕33、33と外
輪2とが干渉しない様にしておく。そして、上記移動台
18を十分に前進させた後、上記各抑えロッド28、2
8を回動させて、図1、3、4に示す様に、上記各抑え
腕33、33の先端部を上記外輪2の外周面よりも径方
向内方に位置させる。又、この際、測定作業時に上記各
抑えロッド28、28が回転しない様に、これら各抑え
ロッド28、28と前記各ガイドブロック29、29と
の間に回転防止ピンを掛け渡す。この状態でこの外輪2
は、上記各抑え腕33、33の先端部内側面に固定され
た前記各鋼球34と、前記各受スタッド27の先端部に
固定された前記各鋼球34、34との間で、前記圧縮コ
イルばね32、32の弾力により、弾性的に挟持され
る。又、上記各受スタッド27の先端部に固定された上
記各鋼球34、34の先端は、前記回転軸9の中心軸に
対し直交する、単一の仮想平面上に位置する。従って、
この状態で上記外輪2は、その中心軸と上記保持筒13
に外嵌固定された上記内輪3の中心軸とを平行に保った
まま、ラジアル方向に関する変位を自在に支持される。
記第二のワイヤ42の他端部に前記重錘37を係止し、
図5(D)に示す様に、この外輪2に下向きのラジアル
荷重を付与した状態で、上記内輪3を回転させる。即
ち、前記図示しない電動モータにより、前記無端ベルト
12、上記回転軸9及び上記保持筒13を介して、上記
内輪3を回転させる。
期段階で、図5(E)に示す様に、外輪軌道6と内輪軌
道7、7との間に配置した複数の球面ころ4、4の姿勢
が安定する。即ち、組み立てたばかりの自動調心ころ軸
受1は、図5(E)の左半部及び図6(A)に示す様
に、外輪2と内輪3とが軸方向にずれて、上記各球面こ
ろ4、4の姿勢が不均一である事が殆どである。この様
な状態のまま上記自動調心ころ軸受1のラジアル隙間を
測定しても正確な値を得る事はできない。これに対し
て、上記外輪2にラジアル荷重を付与しつつ上記内輪3
を回転させると、図5(E)の右半部及び図6(B)に
示す様に、上記各球面ころ4、4の姿勢が均一になる。
言い換えれば、これら各球面ころ4、4の姿勢が安定し
ない時に、これら各球面ころ4、4に上記ラジアル荷重
に対するアキシアル分力が働き、これら各球面ころ4、
4と外輪、内輪両軌道6、7とが相対的にアキシアル方
向に移動する。そして、上記アキシアル分力が接触角と
バランスした状態で、これら各球面ころ4、4の転動面
が各内輪軌道7、7の底部に当接する状態となる。尚、
この時の各球面ころ4、4の姿勢には、これら各球面こ
ろ4、4のスキュ−の影響も含まれている。そして、上
記外輪2と内輪3との間の軸方向のずれも解消される。
構成各部材2、3、4の姿勢を安定させた(使用状態の
姿勢とした)ならば、図5(F)に示す様に、上記ラジ
アル荷重を付与しつつ上記内輪3の回転を継続した状態
のまま、前記下部、上部両変位計43、44により上記
外輪2の外周面の上下両端部の変位を、前記中間部変位
計45により前記保持筒13の内周面の変位を、それぞ
れ測定する。この状態で上記自動調心ころ軸受1の構成
各部材2、3、4は、図7(A)に誇張して示す様にな
る。即ち、上記内輪3の中心軸に対し上記外輪2の中心
軸が下方に片寄った状態となり、ラジアル隙間46は上
記自動調心ころ軸受1の下端部に存在する状態となる。
そして、上記下部変位計43が上記外輪2の外周面の下
端部位置を、上記上部変位計44がこの外輪2の外周面
の上端部位置を、それぞれ測定する。又、上記中間部変
位計45は、上記保持筒43の内周面下端部位置の変位
に基づいて、前記静圧気体軸受10のラジアル方向の振
れのうち、上下方向成分を測定する。これら各変位計4
3〜45の測定値は、互いに同期させた状態で、図示し
ないマイクロコンピュータ等の演算処理器のメモリに、
「変位記録1」として記憶させる。
から、前記重錘37を前記第二のワイヤ42の他端部か
ら前記第一のワイヤ39の他端部に付け替え、図5
(G)に示す様に、上記外輪2に上向きのラジアル荷重
を付与する。そして、この状態で上記内輪3を回転させ
つつ、上記下部、上部両変位計43、44により上記外
輪2の外周面の上下両端部の変位を、上記中間部変位計
45により前記保持筒13の内周面の変位を、それぞれ
測定する。この状態で上記自動調心ころ軸受1の構成各
部材2、3、4は、図7(B)に誇張して示す様にな
る。即ち、上記内輪3の中心軸に対し上記外輪2の中心
軸が上方に片寄った状態となり、ラジアル隙間46は上
記自動調心ころ軸受1の上端部に存在する状態となる。
この状態での上記各変位計43〜45の測定値も、互い
に同期させた状態で、図示しないマイクロコンピュータ
等の演算処理器のメモリに、「変位記録2」として記憶
させる。尚、本発明を実施する場合、上記第一のワイヤ
39と上記第二のワイヤ42との他端部に、それぞれ1
個ずつ重錘を付け、上記電動モータを回転させたまま、
下向きのラジアル荷重を付与する為の重錘と、上向きの
ラジアル荷重を付与する為の重錘とを、選択的に切り替
える構造を採用しても良い。ラジアル荷重付与に用いな
い重錘は、支持枠36上に載置する等により、当該重錘
を結合したワイヤを弛ませておく。
アル荷重を付与した状態で行なう測定作業により「変位
記録1」を、同じく上向きのラジアル荷重を付与した状
態で行なう測定作業により「変位記録2」を、それぞれ
求めたならば、図5(H)に示す様に、これら「変位記
録1」と「変位記録2」とに基づいて、上記自動調心こ
ろ軸受1のラジアル隙間を求める。このラジアル隙間
は、基本的には上記「変位記録1」と「変位記録2」と
の差で求められる。この際、下部変位計43、上部変位
計44、中間部変位計45の合計3個の変位計の位相を
合わせて、同一平面上に設置すれば、上向きのラジアル
荷重の負荷時に於ける上記各変位計43〜45の(3個
の)測定値と、下向きのラジアル荷重の負荷時に於ける
上記各変位計43〜45の(3個の)測定値との、合計
6個の測定値を用いて、上記各ラジアル荷重の負荷に基
づく上記外輪2の変位、並びにこの外輪2と前記内輪3
との弾性変形を考慮した、上記ラジアル隙間の測定が可
能となる。そして、この様にして得られたラジアル隙間
の測定値と実際のラジアル隙間とがより近い値となり、
補正の分離が容易となる。更に、より高精度のラジアル
隙間を求める必要があれば、上記自動調心ころ軸受1の
構成各部材2、3、4の弾性接近量を求め、この弾性接
近量に基づく補正を行なう。尚、この弾性接近量を求め
てラジアル隙間を補正する方法は、ラジアル荷重の負荷
時と無負荷時との変位差や、ヘルツの弾性接触理論を適
用した計算から求まり、転がり軸受の分野では周知であ
る為、詳しい説明は省略する。
た、上記自動調心ころ軸受1は、図5(I)に示す様に
前記保持筒13から取り外す。この取り外し作業は、前
述した装着作業と逆の手順で行なう。
にして行なう、本発明の転がり軸受のラジアル隙間を測
定する方法の場合には、前述した様な隙間ゲージを使用
する従来方法に比べて、次の〜の様な利点がある。 内輪3を回転させつつ測定作業を行なうので、各球
面ころ4、4の転動面が各内輪軌道の底部に当接しつつ
馴染み、これに伴い、これら各球面ころ4、4の姿勢が
均一になる作業が、自動的に且つ短時間で行なわれる。 内輪3を回転させつつ測定作業を行なうので、測定
作業の間中、上記各球面ころ4、4の姿勢を安定化させ
る(均一にする)力が作用し、人手による測定の場合の
様にこれら各球面ころ4、4の転動面を上記各内輪軌道
7、7の底部に当接させて馴染ませる作業をうまく行な
えず、ラジアル隙間を過小評価すると言った不都合が生
じないので、信頼性の高い測定を行なえる。 内輪3を回転させつつ測定作業を行なうので、各球
面ころ4、4の径差や外輪、内輪各軌道6、7の回転方
向(円周方向)に関する形状誤差等を平均化した状態
で、使用状態に即したラジアル隙間を求める事ができ、
繰り返し精度も向上する。 測定作業に熟練を要する事なく、しかも連続的な測
定精度を得られる(隙間ゲージの様に、測定精度が段階
的になる事はない)。 隙間ゲージの厚さにより測定限界が規制される事が
なく、小さなラジアル隙間の測定も可能である。
輪を回転させ、外輪を静止させた状態でラジアル隙間の
測定を行なったが、これとは逆に、内輪を静止させ、外
輪を回転させた状態でこのラジアル隙間の測定作業を行
なう事もできる。但し、この場合には、内輪側に径方向
反対向きのラジアル荷重を付与する。更には、回転させ
る軌道輪が内輪であるか外輪であるかに関係なく、この
回転させる軌道輪を回転駆動する回転軸をフローティン
グマウントにより支持し、この回転させる軌道輪側にラ
ジアル荷重を付与する事もできる。但し、この場合に
は、静止側となる軌道輪をラジアル方向の変位を抑えた
状態で支持し、回転側の軌道輪のラジアル方向の変位を
測定して、ラジアル隙間を測定する。
ラジアル隙間の測定を行なった実験に就いて説明する。
実験には、呼び番号が「21309」である自動調心こ
ろ軸受(内径=45mm、外径=100mm、幅=25mm、
基本動定格荷重Cr =103000N、許容回転速度=
3200min-1 )を使用した。この自動調心ころ軸受
を、外輪と内輪と複数個の球面ころとに分解し、これら
各球面ころの最大径、外輪軌道の直径及び断面の曲率半
径、各内輪軌道の直径、断面の曲率半径、互いの溝底間
の距離(溝底ピッチ)を測定した結果、各球面ころの最
大径の平均値と他の測定値とから上記自動調心ころ軸受
のラジアル隙間(幾何隙間)を求めたところ、64.5
μmであった。
て、前述した本発明の測定装置により、そのラジアル隙
間を測定したところ、測定条件を適切に規制すれば、測
定値に基づく補正値が62.5〜65.1μmとなり、
上記幾何隙間とほぼ一致する事が確認できた。次に、本
発明の方法により測定作業を行なう場合に於ける、好ま
しい測定条件に就いて説明する。
では外輪2)に加えるラジアル荷重は、転がり軸受の基
本動定格荷重Cr の0.0005〜0.04倍(呼び番
号が「21309」である自動調心ころ軸受で50〜4
00N)、より好ましくは0.0007〜0.04倍
(この自動調心ころ軸受で70〜400N)程度にする
事が好ましい。この様な条件を求める為に行なった実験
の結果に就いて、以下に説明する。
8Nの間で6通りに変化させ、このラジアル荷重の大き
さがラジアル隙間の測定結果に及ぼす影響を調べた。測
定作業は、各ラジアル荷重の値毎に10回ずつ、合計6
0回行なった。この様な条件で行なった実験の結果を、
次の表1及び図8に示す。
示した実験から明らかな通り、ラジアル荷重が小さ過ぎ
た場合(22Nの場合)には、測定値のばらつき(最大
値と最小値との差)が大きくなるだけでなく、測定値が
過小となり、信頼性の高いラジアル隙間を求められな
い。これに対して、上記ラジアル荷重が50N以上の場
合(51Nの場合)には、測定値のばらつきが小さくな
り、信頼性の高いラジアル隙間を求められる。特に、ラ
ジアル荷重を70N以上にすれば、上記ばらつきをより
小さくできる。尚、このラジアル荷重の上限値は、この
ラジアル荷重を支承する球面ころの数が複数個にならな
い範囲で規制する。即ち、このラジアル荷重が大きくな
り過ぎて、構成各部材の弾性変形量が大きくなると、上
記ラジアル荷重の作用点に最も近い球面ころだけでな
く、円周方向に関して隣接する球面ころも、このラジア
ル荷重を支承する様になる。この様な状態では、構成各
部材の弾性変形を考慮したとしても、正確なラジアル隙
間を算出する事が難しくなる。そこで、上記ラジアル荷
重の最大値を、基本動定格荷重Cr の0.04倍(呼び
番号が「21309」である自動調心ころ軸受で400
N)とした。
では内輪3)を回転させる速度に付いて説明する。この
回転速度に就いては、勿論、転がり軸受の許容回転速度
(呼び番号が「21309」である自動調心ころ軸受で
3200min-1 )以下にする。但し、上部、下部、中間
部、各変位計43〜45として電気マイクロメータ等の
接触式のものを使用した場合には、これら各変位計43
〜45のプローブの追従性を考慮して、1200min-1
以下とした。この条件で行なう限り、回転速度の差は、
ラジアル隙間の測定値にあまり影響を及ぼさない。この
事を確認する為に行なった実験に就いて、次の表2と図
9とにより説明する。
示した実験の結果から明らかな通り、回転速度の差がラ
ジアル隙間の測定値に及ぼす影響は小さい。但し、回転
速度が速い程、自動調心ころ軸受を構成する各球面ころ
を中立位置に移動させる為に要する時間の短縮により、
測定作業の能率化を図れる。従って、上記回転速度は、
好ましくは120min-1 以上、より好ましくは240mi
n-1 以上とする。
軸受を構成する外輪或は内輪等の軌道輪の傾きが、ラジ
アル隙間の測定値に及ぼす影響に就いて説明する。これ
ら各軌道輪の傾きがこの測定値に及ぼす影響のうち、外
輪の傾斜の影響を知る為に、前述の測定装置のホルダ1
7に設けた受スタッド27(図3)を調節する事で、上
記外輪の円周方向一部を軸方向に50μm移動させ、こ
の外輪の中心軸を約0.02度傾斜させたところ、上記
ラジアル隙間の測定値に及ぼす影響は僅少であった。
又、内輪の端面と前述の保持筒13の係止鍔部14との
間に、厚さが100μmのシムを挟持する事で、この内
輪の中心軸を約0.1度傾斜させたところ、上記ラジア
ル隙間の測定値に及ぼす影響は僅少であった。これらの
実験から、自動調心ころ軸受に関する限り、上記外輪及
び内輪の中心軸の傾斜を(自動調心ころ軸受本来の機能
を発揮できる程度に)小さく抑えれば、十分に信頼性の
高いラジアル隙間の測定を行なえる事が分かる。
ラジアル隙間を測定する際に、固定輪にラジアル荷重を
負荷する方法に就いて説明したが、本発明を実施する場
合には、ラジアル隙間を測定する際に、回転輪にラジア
ル荷重を負荷する方法を採用する事もできる。この様に
回転輪にラジアル荷重を負荷する場合には、例えば、こ
の回転輪を支持する回転軸或はスピンドル自体をフロー
ティングマウントとし、これら回転軸或はスピンドル軸
をラジアル方向に変位させる。
定する方法及び装置は、以上に述べた通り構成され作用
するので、自動調心ころ軸受を含む各種転がり軸受のラ
ジアル隙間を、熟練を要する事なく、容易且つ迅速に、
しかも正確に測定できる。この為、転がり軸受を組み込
んだ回転支持部を有する、各種機械装置の性能向上に寄
与できる。
部分縦断側面図。
正される状態を示す、自動調心ころ軸受の部分断面図。
受を構成する外輪と内輪と球面ころとの位置関係を説明
する為、(A)は下向きのラジアル荷重を付与した状態
で、(B)は上向きのラジアル荷重を付与した状態で、
それぞれ誇張して示す模式図。
アル隙間の測定値に及ぼす影響を知る為に行なった実験
の結果を示す線図。
間の測定値に及ぼす影響を知る為に行なった実験の結果
を示す線図。
1例を示す部分断面図。
Claims (2)
- 【請求項1】 内周面に外輪軌道を有する外輪と、外周
面に内輪軌道を有する内輪と、これら外輪軌道と内輪軌
道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体とを備
えた転がり軸受の内部に存在するラジアル隙間を測定す
る方法であって、上記外輪と内輪とを互いの中心軸同士
を実質的に平行に保った相対回転する状態とし、上記外
輪と上記内輪とのうちの何れかの軌道輪に所定方向の第
一のラジアル荷重を付与すると共に、この何れかの軌道
輪以外の別の軌道輪をラジアル方向に関して実質的に変
位しない状態とし、上記第一のラジアル荷重に基づく上
記何れかの軌道輪のラジアル方向の変位を測定して第一
の測定値を求めた後、この何れかの軌道輪に上記所定方
向と逆方向の第二のラジアル荷重を付与し、この第二の
ラジアル荷重に基づく上記何れかの軌道輪のラジアル方
向の変位を測定して第二の測定値を求め、これら第一、
第二の測定値と、上記第一、第二のラジアル荷重に応じ
て求められる上記転がり軸受の構成部品及び測定装置の
弾性変形量とから上記ラジアル隙間を算出する、転がり
軸受のラジアル隙間を測定する方法。 - 【請求項2】 内周面に外輪軌道を有する外輪と、外周
面に内輪軌道を有する内輪と、これら外輪軌道と内輪軌
道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体とを備
えた転がり軸受の内部に存在するラジアル隙間を測定す
る装置であって、上記外輪と内輪とのうちの一方の軌道
輪を支持した状態で回転駆動される回転軸と、上記外輪
と内輪とのうちの他方の軌道輪を、その中心軸と上記一
方の軌道輪の中心軸とを実質的に平行に保ったまま支持
するホルダと、何れかの軌道輪に、当該軌道輪の直径方
向に関して互いに反対方向である第一、第二のラジアル
荷重を付与自在なラジアル荷重付与手段と、上記何れか
の軌道輪以外の別の軌道輪をラジアル方向に関して実質
的に変位しない状態で支持する支持手段と、これら第
一、第二のラジアル荷重に基づく上記何れかの軌道輪の
ラジアル方向の変位を測定する為の変位測定手段とを備
えた、転がり軸受のラジアル隙間を測定する装置。
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