JP2001322957A - シクロドデカノン及びシクロドデカノールの製造方法 - Google Patents

シクロドデカノン及びシクロドデカノールの製造方法

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JP2001322957A JP2000144407A JP2000144407A JP2001322957A JP 2001322957 A JP2001322957 A JP 2001322957A JP 2000144407 A JP2000144407 A JP 2000144407A JP 2000144407 A JP2000144407 A JP 2000144407A JP 2001322957 A JP2001322957 A JP 2001322957A
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cyclododecanol
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hydrogen
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Kohei Ninomiya
康平 二宮
Junichi Kugimoto
純一 釘本
Hirobumi Takemoto
博文 竹本
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Ube Industries Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C45/00Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds
    • C07C45/56Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds from heterocyclic compounds
    • C07C45/57Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds from heterocyclic compounds with oxygen as the only heteroatom
    • C07C45/58Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds from heterocyclic compounds with oxygen as the only heteroatom in three-membered rings

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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、エポキシシクロドデカン類より目的
とするシクロドデカノンとシクロドデカノールの混合物
を高い収率で、しかも、長時間活性低下のない製造方法
を提供するものである。 【解決手段】本発明の課題は、(a)白金族金属と
(b)所望によりVIII族、Ib族、IIb族、IIIb族、IVb
族、Vb族、VIb族、VIIb族およびランタノイド元素から
なる群より選ばれた少なくとも1種類の第2成分元素を
担体に担持した固体触媒において、これらの成分元素を
担体表面層に担持した固体触媒を用いて、エポキシシク
ロドデカン類と水素を反応させることを特徴とするシク
ロドデカノン及びシクロドデカノールの製造方法によっ
て解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、(a)白金族金属
と(b)所望によりVIII族、Ib族、IIb族、IIIb族、IVb
族、Vb族、VIb族、VIIb族およびランタノイド元素から
なる群より選ばれた少なくとも1種類の第2成分元素を
担体表面に担持した固体触媒を用い、エポキシシクロド
デカン類と水素を反応させることを特徴とするシクロド
デカノン及びシクロドデカノールの製造方法に関する。
シクロドデカノンとシクロドデカノールは、ラクタム
類、ラクトン類、又は二塩基酸類に容易に誘導されるた
め、ポリアミド12、ポリエステル等の合成繊維、合成
樹脂の中間原料となる重要な化合物である。
【0002】
【従来の技術】従来、エポキシシクロドデカン類と水素
を接触させて、シクロドデカノンとシクロドデカノール
を製造する方法としては1,2-エポキシ-5,9-シクロド
デカジエンに水素を接触させて水素化する反応が、Mol.
Catal.,vol.169,p.95〜p.103(1991)に開示されている。
この文献では、パラジウム担持触媒の存在下、反応水素
圧13kg/cm2・G、反応温度90℃で1,2-エポキシ-5,9-シ
クロドデカジエンと水素を反応させているが、主生成物
はエポキシシクロドデカンであり、シクロドデカノール
収率は4%、シクロドデカノンは全く生成していなかっ
た。また、第24回「反応と合成の進歩シンポジウム」
(1998年11月5,6日)の講演予稿集p.68に、パラジウム担
持触媒の存在下、反応水素圧を常圧、反応温度を常温で
1,2-エポキシ-5,9-シクロドデカジエンと水素を接触
反応させる方法が開示されているが、エポキシシクロド
デカンが主に生成し、シクロドデカノール収率は4%、
シクロドデカノンは全く生成していなかった。さらに、
Neftekhimiya,16(1),114-119(1976)にはパラジウム担持
触媒の存在下、反応水素圧80atm、反応温度140℃で1,2
-エポキシ-5,9-シクロドデカジエンと水素を反応さ
せ、エポキシシクロドデカン収率49.5%、シクロドデカ
ノール収率33.3%、シクロドデカノン収率3.4%が得られ
たとの記載がある。以上の様に、従来の方法ではエポキ
シシクロドデカン類から高い収率でシクロドデカノンと
シクロドデカノールを得ることはできなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、エポキシシ
クロドデカン類より目的とするシクロドデカノンとシク
ロドデカノールの混合物を高い収率で、しかも、長時間
活性低下のない製造方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、(a)
白金族金属と(b)所望によりVIII族、Ib族、IIb族、I
IIb族、IVb族、Vb族、VIb族、VIIb族およびランタノイ
ド元素からなる群より選ばれた少なくとも1種類の第2
成分元素を担体に担持した固体触媒において、これらの
成分元素を担体表面層に担持した固体触媒を用いて、エ
ポキシシクロドデカン類と水素を反応させることを特徴
とするシクロドデカノン及びシクロドデカノールの製造
方法によって解決される。。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の反応に使用する
エポキシシクロドデカン類とは、エポキシ基を有する飽
和又は不飽和の12員環の環状炭化水素であり、エポキ
シシクロドデカジエン、エポキシシクロドデセン、エポ
キシシクロドデカンなどが挙げられる。なお、前記エポ
キシシクロドデカン類のエポキシ及び二重結合の構造
は、シス体又はトランス体のいかなるものであっても構
わない。また、使用するエポキシシクロドデカン類は、
市販品をそのまま、あるいは蒸留等によって精製した後
に使用しても何ら問題はない。
【0006】本発明の触媒成分として使用する(a)白
金族金属とは、白金族元素であるルテニウム、ロジウ
ム、パラジウム、オスミニウム、イリジウム、白金から
選ばれる少なくとも1つの元素であり、これは、単独又
は第2成分元素とともに不活性支持体に担持された固体
触媒として、反応に使用される。好ましくはパラジウム
である。
【0007】本発明の触媒成分において、(b)所望に
より使用される第2成分元素は、VIII族、Ib族、IIb
族、IIIb族、IVb族、Vb族、VIb族、VIIb族およびランタ
ノイド元素からなる群より選ばれた少なくとも1種類の
元素であり、単体、化合物のいずれの形態で担持されて
も差し支えない。具体的には、金属ニッケル、金属鉄、
金属銅、硝酸第二鉄、塩化第二鉄、四三酸化鉄、水酸化
第二鉄、硝酸コバルト、塩化コバルト、臭化コバルト、
水酸化コバルト、硝酸ニッケル、酸化ニッケル、水酸化
ニッケル、硝酸銅、塩化銅、酸化銅、酸化銀、塩化イッ
トリウム、塩化チタン、酸化バナジウム、酸化タングス
テン、酸化モリブデン、硝酸マンガン、酸化レニウム、
硝酸亜鉛、塩化亜鉛、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硝酸カド
ミウム、酸化カドミウム、酸化水銀、酸化セリウム、塩
化サマリウム、塩化ジスプロシウム、酸化イッテルビウ
ムなどが挙げられる。
【0008】前記不活性支持体としては、活性炭、炭
素、黒鉛、α−アルミナ、γ−アルミナ、シリカ、シリ
カアルミナ、チタニア、ジルコニア、ゼオライト、スピ
ネル、炭化珪素、窒化珪素等の成形体が好適に使用され
る。好ましくは、活性炭、α−アルミナ、γ−アルミナ
である。
【0009】前記成形体の形状は、球状、円柱状、角柱
状、板状、不定形状等特に限定されないが、短軸径0.
1mm以上、長軸径100mm以下の不定形状のものが
好適に用いられる。
【0010】(a)白金族金属の不活性支持体への担持
量は、0.001〜20重量%であり、好ましくは0.
01〜5重量%である。担持量があまりに少ないと目的
物の生成速度が小さくなる。多すぎても反応上では何ら
問題はないが、経済的とはいえない。
【0011】(b)所望により使用する第2成分元素の
使用量は、白金族金属に対する金属原子比(白金族金
属:第2成分元素)で10,000:1〜1:4、好ま
しくは5,000:1〜1:3である。
【0012】本発明では、触媒成分を担体に担持させた
時の、担体上での担持形態が重要である。即ち、触媒成
分は、一例として図1または図2に示したように担体の
表面層に比較的多く存在するいわゆるエッグ・シェル構
造あるいはスキン構造となるように調製したものであ
る。触媒成分が、担体内部層に多く担持され、表面層の
触媒成分の担持量が著しく低くなる図3に一例として示
したエッグ・ホワイト構造や、中心部のみに担持された
エッグ・ヨーク構造、また、触媒成分が担体全体に均一
に担持されたユニフォーム構造も活性低下が大きく好ま
しくない。なお、触媒の担持形態を知るうえで固体触媒
を切断するが、通常は触媒の切断面が最も大きくなるよ
うに実施する。
【0013】このように、エッグ・シェル構造あるいは
スキン構造とは、触媒成分(白金族元素および第2成分
元素)が固体触媒の表面層に比較的多く担持されたもの
であり、好ましくは全断面積に対する表層断面積比が
0.4以下の範囲内に担持触媒成分の全モル数の50%
以上好ましくは60%以上が存在し、より好ましくは面
積比が0.3以下の範囲内に担持触媒の全モル数の60
%以上が存在するものである。ここで使用した触媒構造
の呼称であるエッグ・シェル構造、スキン構造、エッグ
・ヨーク構造、エッグ・ホワイト構造等は、触媒講座第
5巻「触媒設計」(講談社サイエンティフィック発行)
134ページの表4.3によった。
【0014】本発明の固体触媒を用い、エポキシシクロ
ドデカン類と水素とを反応させる場合の反応形態は、特
に制限はされないが、液相不均一反応、固定床気相反
応、固定床トリクル反応が挙げられる。好ましくは、固
定床トリクル反応である。
【0015】本発明の固体触媒を用い、液相不均一反応
で使用する場合の反応条件は、水素ガス雰囲気にて、反
応水素圧を1〜150kg/cm2・G、好ましくは2
〜100kg/cm2・G、反応温度は60〜250
℃、好ましくは80〜230℃、より好ましくは100
〜200℃の条件下にて行われる。余りに反応温度が高
いと高沸点物の生成が増して好ましくない。水素圧およ
び反応温度が余りに低いと生成速度が遅くなり好ましく
ない。
【0016】また、液相不均一反応では、有機溶媒を使
用することも出来、例えば、n-ヘキサン、n-ヘプタン、
n-テトラデカン、シクロヘキサン等の炭化水素類;テト
ラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;メタノー
ル、エタノール、t-ブタノール,t-アミルアルコール等
のアルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル
類が挙げられる。これら溶媒は単独でも、二種以上を混
合して使用しても差し支えない。その使用量は、原料の
エポキシシクロドデカン類に対して、好ましくは0〜2
0重量倍、更に好ましくは0〜10重量倍である。
【0017】本発明の固体触媒を用い、エポキシシクロ
ドデカン類と水素とを固定床気相反応または固定床トリ
クル反応で反応させる場合の反応器は、中間熱交換・多
段式反応器、自己熱交換式反応器、多管熱交換式反応器
等、通常の固定層触媒反応器が用いられるが、好ましく
は、多管熱交換式反応器である。該反応器の反応管の形
状には、特に制限はないが、反応基質が均一に触媒に接
し、反応温度の制御が容易なものが好ましい。例えば、
反応器の内径は5〜100mm、好ましくは15〜50
mm、管長は250mm以上、好ましくは1000mm
以上のものが用いられる。触媒を充填した反応器へのエ
ポキシシクロドデカン類と水素の導入方法は、下向並
流、上向並流、向流のいずれであっても差し支えない
が、好ましくは下向並流である。
【0018】充填触媒単位体積に対するエポキシシクロ
ドデカン類のフィード量比(体積/体積/時間)は0.
01〜500(1/時間)が好ましく、より好ましくは
0.1〜200(1/時間)である。
【0019】本発明の反応では、エポキシシクロドデカ
ン類を直接反応器に導入することも出来るし、有機溶媒
に希釈して導入することも出来る。使用する有機溶媒と
しては、エポキシ基、炭素・炭素二重結合、水素と反応
しないものであれば特に制限はないが、具体的には、n
−ヘキサン、n−ヘプタン、n−テトラデカン、シクロ
ヘキサン等の飽和炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン等のエーテル類、メタノール、エタノール、t
−ブタノール、アミルアルコール等のアルコール類、酢
酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類が挙げられる。こ
れらの溶媒は単独でも二種以上を混合して使用しても差
し支えない。溶媒を用いる場合のエポキシシクロドデカ
ン類の濃度は0.1重量%以上、好ましくは1%以上で
ある。
【0020】エポキシシクロドデカン類に対する水素の
導入量比は0.00001〜10(重量/重量)であ
り、好ましくは0.0001〜1(重量/重量)であ
る。また、反応器中での水素の分圧は、0.1kg/c
2・G〜200kg/cm2・Gで、好ましくは、1k
g/cm2・G〜50kg/cm2・Gである。水素圧が
余りに低すぎると目的物が得られない。水素圧が余りに
高いと高沸物が増える傾向が認められる。
【0021】水素の反応器への供給にあたっては、希釈
して行っても差し支えない。希釈ガスは水素及びエポキ
シシクロドデカン類に対し不活性であればよく、窒素、
ヘリウム、アルゴン等が用いられるが、価格の点から、
窒素が好適である。希釈倍率(供給ガス全量/供給水素
ガス量;体積/体積)は1〜100、好ましくは1〜1
0である。未反応の水素、希釈に用いられた不活性ガス
は回収して循環再使用することもできる。
【0022】本発明の反応温度は、40℃〜200℃、
好ましくは50℃〜170℃、さらに好ましくは、70
℃〜150℃である。
【0023】本発明では、得られた反応液は、通常の蒸
留操作でシクロドデカノンとシクロドデカノールに分離
精製される。固定床触媒で反応させる場合には、反応液
は特別の分離工程を必要とせず、より容易に触媒と分離
される。
【0024】
【実施例】以下に固体触媒の調整例、実施例及び比較例
を示し、本発明を具体的に説明する。
【0025】固体触媒の調整例1:(ポア・フィリング
法によるエッグ・シェル構造触媒の調製) 水5mlに塩化パラジウム0.91gを加え、さらに3
5wt%塩酸水溶液1.1gを加えて加熱し、塩化パラ
ジウムを溶解させた。この塩化パラジウム溶液と塩化第
2鉄0.82gを水5mlに溶かした溶液とを混合し、
水を加えて全量を32.5mlにした。次いで、この混
合溶液にフジミインコーポレーテッド社製球状α−アル
ミナ成形体(2mmφ)250gを浸漬し、室温にて2
時間放置した後、0.5Nの水酸化ナトリウム水溶液1
30mlを加え、約70℃の温浴上にて4時間放置し
た。このアルカリ処理物を濾集し、約70℃のイオン交
換水でクロルイオンが検出されなくなるまで洗浄し、1
20℃で16時間乾燥させた後、300℃で3時間焼成
した。得られた触媒を蛍光X線で分析した結果、パラジ
ウムが0.32wt%、鉄が0.13wt%担持されて
いた。また、同触媒を切断、研磨し、EPMA(電子プ
ローブマイクロアナリシス)測定の結果、表層部(表面
断面積/全断面積=0.3)に全担持パラジウムの76
%及び全担持鉄の71%が存在していた。
【0026】触媒調整例2:(平衡吸着法によるエッグ
・シェル構造触媒の調整) 水12mlに塩化パラジウム4.56gを加え、さらに
35wt%塩酸水溶液5.37gを加えて加熱し、塩化
パラジウムを溶解させた。この塩化パラジウム溶液と塩
化第2鉄4.12gを水10mlに溶かした溶液とを混
合し、水を加えて全量を160mlにした。次いで、こ
の混合溶液に日産ガードラー社製γ−アルミナ異形押出
し成形体(1.6mmφ)250gを浸漬させ、室温に
て2時間放置した後、塩化パラジウム及び塩化第2鉄含
浸アルミナを濾集し、0.5Nの水酸化ナトリウム水溶
液320mlに浸漬し、約70℃の温浴上にて4時間放
置した。このアルカリ処理物を濾集し、約70℃のイオ
ン交換水でクロルイオンが検出されなくなるまで洗浄
し、120℃で16時間乾燥させた後、300℃で3時
間焼成した。得られた触媒を蛍光X線で分析した結果、
パラジウムが0.86wt%、鉄が0.34wt%担持
されていた。また、同触媒を切断、研磨し、EPMA
(電子プローブマイクロアナリシス)測定の結果、表層部
(表面断面積/全断面積=0.3)に全担持パラジウム
の84%及び全担持鉄の92%が存在していた。
【0027】触媒調整例3:(エッグ・ホワイト構造触
媒の調整) 水5mlに塩化パラジウム0.92gを加え、さらに3
5wt%塩酸水溶液1.1gを加えて加熱し、塩化パラ
ジウムを溶解させた。この塩化パラジウム溶液と塩化第
2鉄0.82gを水5mlに溶かした溶液とを混合し、
水を加えて全量を50mlにした。次いで、この混合溶
液にフジミインコーポレーテッド社製球状α−アルミナ
成形体(2mmφ)50gを浸漬し、室温にて2時間放
置した後、塩化パラジウム及び塩化第2鉄含浸アルミナ
を濾集し、エバポレーターにてゆっくり攪拌しながら約
70℃で2時間減圧乾燥させた。さらにこの含浸アルミ
ナを0.5Nの水酸化ナトリウム水溶液65mlに浸漬
し、約70℃の温水浴上にて4時間放置後濾集し、約7
0℃のイオン交換水でクロルイオンが検出されなくなる
まで洗浄し、120℃で16時間乾燥後、300℃で3
時間焼成した。得られた触媒を蛍光X線で分析した結
果、パラジウムが0.32wt%、鉄が0.13wt%
担持されていた。また、同触媒を切断、研磨し、EPM
A(電子プローブマイクロアナリシス)測定の結果、表層
部(表面断面積/全断面積=0.4)に全担持パラジウ
ムの20%及び全担持鉄の21%が存在していた。
【0028】実施例1 1,2−エポキ−5,9−シクロドデカジエン(以下E
CD”と略記)0.5g、テトラデカン2.5g、及び
触媒調整例1で調整した触媒を破砕した顆粒0.5gを
オートクレーブに仕込み、水素圧5kg/cm2・G、
130℃で1時間反応を行った。得られた反応液をガス
クロマトグラフィー(GC)にて分析した結果、EC
D”は全て反応しており、シクロドデカノン(以下CD
ONと略記)、シクロドデカノール(以下CDOLと略
記)の収率は45.6モル%、24.4モル%であっ
た。また、CDON、CDOLの中間体であるエポキシ
シクロドデカン(以下ECDと略記)の残存率(生成E
CD(mol))/仕込みECD”(mol)は17.
7モル%であった。
【0029】比較例1 使用触媒を触媒調整例3で調整した触媒に変えた以外
は、実施例1と同じ条件で反応を行った。GC分析の結
果、ECD”は全て反応していたが、ECDが55.7
モル%残存しており、CDON,CDOLの収率もそれ
ぞれ25.1モル%、9.9モル%であった。
【0030】実施例2 触媒調整例1で調整した触媒200mlを内径26mm
の反応管に充填し、ECD”の30重量%シクロヘキサ
ン(以下Cxと略記)溶液を128ml/h、水素/窒
素混合ガス(水素/窒素=2/3(体積比))30L/
hを反応管上部より導入し、反応温度130℃、 反応
圧力12kg/cm2・Gで反応を行った。反応管下部
より流出する反応液は受器に採取し、GCにて分析し
た。実験開始時(4時間後試料採取)のECD残存率は
2.1モル%、CDON、CDOLの収率はそれぞれ3
6.5モル%、57.3モル%であった。副生物として
シクロドデカン(CDANと略記する)が収率3.7モ
ル%およびドデカメチレンオキサイド(DMOと略記す
る)が収率0.2モル%検出された。60時間連続して
実験を行った後、再び分析を行ったところ、ECD残存
率は2.0モル%であり、CDON,CDOL,CDA
NおよびDMOの収率は、それぞれ36.6モル%、5
7.0モル%、3.9モル%および0.3モル%であ
り、実験開始時と比べ、反応液の組成変化はほとんど認
められなかった。反応結果は、表1に示した。
【0031】実施例3 触媒として、触媒調整例2で調整した触媒を用い、反応
温度を120℃とした以外は実施例2と同様の条件で反
応を行った。実験開始時及び60時間経過後の反応成績
を表1に示した。
【0032】比較例2 内径26mmの反応管に、触媒調整例3で調整した触媒
200mlを充填し、実施例2と同様の条件で反応を行
った。実験開始時及び60時間経過後の反応成績を表1
に併せて示した。触媒の活性、選択性が実験時間の経過
ともに低下した。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明により、エポキシシクロドデカン
類より目的とするシクロドデカノンとシクロドデカノー
ルの混合物を高い収率で、しかも、長時間活性低下のな
い製造方法が可能となった。
【0035】
【図面の簡単な説明】
【図1】ポア・フィリング法によるエッグ・シェル構造
触媒のEPMA測定写真の一例である。
【図2】平衡吸着法によるエッグ・シェル構造触媒のE
PMA測定写真の一例である。
【図3】エッグ・ホワイト構造触媒のEPMA測定写真
の一例である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4G069 AA03 BA01B BB02A BB02B BB04A BB05A BB08A BB12A BC30A BC34A BC38A BC49A BC53A BC57A BC61A BC65A BC66B BC69A BC72A BC72B CB38 DA06 DA08 EA01Y 4H006 AA02 AC11 AC41 AC44 BA05 BA07 BA08 BA09 BA11 BA13 BA15 BA17 BA22 BA55 BB11 BB61 BC10 BC11 BC18 BC19 BC34 BE20 FC22 FE12 4H039 CA60 CA62 CB10 CB20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)白金族金属と(b)所望によりVIII
    族、Ib族、IIb族、IIIb族、IVb族、Vb族、VIb族、VIIb
    族およびランタノイド元素からなる群より選ばれた少な
    くとも1種類の第2成分元素を担体に担持した固体触媒
    において、これらの成分元素を担体表面層に担持した固
    体触媒を用いて、エポキシシクロドデカン類と水素を反
    応させることを特徴とするシクロドデカノン及びシクロ
    ドデカノールの製造方法。
  2. 【請求項2】触媒成分元素を担体表面層に担持した固体
    触媒が、全断面積に対する表層断面積の比が0.4以下
    の範囲内に担持触媒成分の全モル数の50%以上が存在
    する固体触媒である請求項1記載のシクロドデカノン及
    びシクロドデカノールの製造方法。
  3. 【請求項3】(a)白金族金属がパラジウムである請求
    項1または2記載のシクロドデカノン及びシクロドデカ
    ノールの製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1から3のいずれか1項に記載の固
    体触媒を反応器に充填し、該反応器にエポキシシクロド
    デカン類と水素を流通して反応させることを特徴とする
    シクロドデカノン及びシクロドデカノールの製造方法。
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