JP2001322022A - マーキングが施された超硬質切削刃具 - Google Patents

マーキングが施された超硬質切削刃具

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JP2001322022A
JP2001322022A JP2000141582A JP2000141582A JP2001322022A JP 2001322022 A JP2001322022 A JP 2001322022A JP 2000141582 A JP2000141582 A JP 2000141582A JP 2000141582 A JP2000141582 A JP 2000141582A JP 2001322022 A JP2001322022 A JP 2001322022A
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JP
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cutting tool
marking
coating film
super
tool
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JP2000141582A
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Ryosuke Okanishi
良祐 岡西
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Moldino Tool Engineering Ltd
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Hitachi Tool Engineering Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 工作機械等を用い、金型および部品の切削加
工に使用され、刃具自体を識別できる様、マーキングが
施された超硬質切削刃具であって、種々の材質、形状の
切削刃具本体に微小クラック等の欠陥を生じさせること
なく、精細なマーキングが施された超硬質切削刃具を提
供する。 【構成】 切削刃具母材が高速度工具鋼、超硬合金、サ
ーメットまたはセラミック等からなり、識別のためのマ
ーキングが施された超硬質切削刃具において、該マーキ
ングを施す部位を含む箇所をコーティングし、該コーテ
ィング膜の厚さが300nm以上で、該コーティング膜
の上からレーザービームを用いてマーキングして構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、工作機械等を用い、
金型および部品の切削加工に使用され、刃具自体を識別
できる様、マーキングが施された超硬質切削刃具に関す
るもので、さらに詳しくは、精細なマーキングが施され
た超硬質切削刃具に関する。
【0002】
【従来の技術】工作機械を用い、金型および部品の切削
加工には、様々な切削刃具が用いられている。また、通
常これらには、マーキングが施されてあり、単に識別記
号、マークだけでなく、必要に応じ、製品型番、刃具寸
法、刃具材質、製造記号等を表示し、様々な情報を具備
させ、刃具自体を一目で識別できるようにしたものであ
る。また、これらのマーキングは、従来より、その目的
と方法によって、様々な提案がなされている。例えば、
実公平3−40486号公報には、切削工具に装着され
るスローアウェイチップのすくい面に、コーナー半径を
表示する目的で、小突起や小凹部などが備わるようにし
たものが開示されている。これは、通常、切削刃具製造
工程の途中段階のプレス加工時等でマーキングを行う方
法(以下、プレス法という)を採用している。また、他
のマーキング方法としては、打刻法、腐食法、インクジ
ェット法、レーザー法等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする問題】しかしながら、各マー
キング方法とも使用が限定され、種々の形状、材質があ
る切削刃具では、対応できない場合があった。例えば、
プレス法では、刃具の材料が焼結材料であり、製造工程
にプレス加工が含まれるものに限定され、マーキングも
非常に簡単なものに限定され、刃具を識別するのに十分
な情報を付与することができなかった。次に、打刻法の
場合は、刃具の材料が鋼系の大きな製品にしか適用でき
ないという問題があった。また、腐食法の場合は、該腐
食法の性質上、マーキングする面は、広範囲に均一であ
ることが求められ、また、該腐食液の劣化等により、機
械化が難しく、作業効率面で問題があるだけでなく、環
境面においても問題があった。その上、マーキング自体
が不鮮明であり、腐食液が広範囲に渡り付着し、研削加
工で得られた表面性状を維持できなくなり、高精度が必
要な基準面部分や切れ刃先の品位を劣化するという問題
があった。さらに、インクジェット法の場合は、マーキ
ング部分が盛り上がるため、切削性能に影響を及ぼすだ
けでなく、切削時のこすれ現象等により簡単にマーキン
グが取れ、刃具使用後の識別ができなくなっていた。な
おさらに、レーザー法の場合は、精細なマーキングは可
能であるが、刃具の材料が超硬質材料であればあるほ
ど、そのレーザービームの熱により、マーキング部に微
小クラックを生じ、折損、割れの原因となり、適用でき
なかった。
【0004】
【本発明の目的】本発明は以上のような背景をもとにな
されたものであり、工作機械等を用い、金型および部品
の切削加工に使用され、刃具自体を識別できる様、マー
キングが施された超硬質切削刃具であって、種々の材
質、形状の切削刃具本体に微小クラック等の欠陥を生じ
させることなく、精細なマーキングが施された超硬質切
削刃具を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】そのために、本願発明で
は、切削刃具母材が高速度工具鋼、超硬合金、サーメッ
トまたはセラミック等からなり、識別のためのマーキン
グが施された超硬質切削刃具において、該マーキングを
施す部位を含む箇所をコーティングし、該コーティング
膜の厚さが300nm以上で、該コーティング膜の上か
らレーザービームを用いてマーキングしたことを特徴と
するマーキングが施された超硬質切削刃具である。
【0006】また、該コーティング膜は、有色であり、
その膜質は、2元系またはそれ以上の合金系の被膜とし
たり、該被膜が少なくともTiとAlを含む被膜とした
ものである。さらに、該切削刃具母材において、硬さが
HRA92以上の超硬合金またはサーメットとしたもの
である。なお、該切削刃具の形状面において、シャンク
部を有したり、該シャンク部がテーパーシャンクとした
り、さらには該工具が刃先交換式工具の刃先部分であ
り、シャンク部を有し、工具の最大刃径がシャンク部最
大径より大きくしたものである。
【0007】
【作用】高速度工具鋼、超硬合金、サーメットまたはセ
ラミック等の超硬質材料に直接レーザービームを照射す
ると照射された部分に多数の微小クラックが生じるのは
前述の通りであるが、本発明は、コーティングし、該コ
ーティング膜の上からレーザービームを用いてマーキン
グし、該被膜の膜厚を300nm以上としたことで、レ
ーザービームによる熱影響をコーティング膜内に留めた
ものである。ここで、膜厚を300nm以上としたの
は、300nm未満であると母材にまでレーザービーム
による熱の影響が生じる可能性があるからである。レー
ザービームによる熱の影響は、レーザービームが照射さ
れた位置におけるレーザービームの強さが関係するた
め、安全を考慮すると、被膜の膜厚を500nm以上に
することが望ましい。これにより、種々の材質、形状の
切削刃具であっても微小クラック等の欠陥を生じさせる
ことなく、精細なマーキングが施された超硬質切削刃具
を得ることができた。
【0008】また、コーティングの最表面の膜質が2元
系またはそれ以上の合金系の被膜であるとしたのは、レ
ーザーにより、該2元系またはそれ以上の合金系のう
ち、融点の低い金属成分から蒸発することから、被膜表
面とレーザーマーキング部が異なる膜質となり、色調が
変えることができ、さらに精細なマーキングとなる。例
えば、該被膜の膜質に少なくともTiとAlを含む被膜
であれば、Al成分が蒸発し、Ti系の被膜が残り金色
の色調となり、元々のコーティング膜であるTiAl系
の被膜の色調である濃紫色とは警戒色となり、全く異な
る色調のマーキングとすることができる。さらに、材質
的、形状的にマーキングが不可能であった切削刃具にお
いても、該切削刃具を識別するのに十分なマーキングを
付与できるようになった。
【0009】
【実施例】超微粒子超硬合金製で硬さHRA92.5の
R5mm(刃径10mm)、刃数2枚刃、シャンク径φ
4mm、シャンク長10mmの刃先交換式のボ−ルエン
ドミルを作成し、該刃部に濃紫色のTiAlN被膜を膜
厚2μmになるようコーティングした。
【0010】刃先交換式のボ−ルエンドミルの場合、シ
ャンク部が非常に小さいだけでなく、シャンク面が基準
面となるため、取り付け精度を維持するために、シャン
ク部にマーキングすることができない。そこで被膜がコ
ーティングされた外周切れ刃のにげ面後方からもう一方
の外周切れ刃の刃底に至る曲面部分に該被膜の上からレ
ーザービームを用いて、製品型番、ボール部半径および
製造記号としてアルファベット3文字をマーキングし
た。なおここで、1文字の大きさは縦1mm、横0.7
5mmとし、レーザービームの強さを若干緩める目的
で、レーザービームの照射焦点をわずかにずらして照射
した。
【0011】その結果、元々の被膜であるTiAlN被
膜の色調である濃紫色がレーザービームの熱により、T
iAlN膜のAl成分が蒸発し、TiNの被膜が残り、
マーキング文字部分が金色の色調となった。ここで、被
膜成分の変化はあったものの、該母材はもちろんのこ
と、該被膜自体においても、微小クラック等の欠陥は認
められなかった。
【0012】
【発明の効果】以上の結果から、本願発明を適用するこ
とにより、種々の材質、形状の切削刃具であっても微小
クラック等の欠陥を生じさせることなく、精細なマーキ
ングが施された超硬質切削刃具を提供することができ
た。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 切削刃具母材が高速度工具鋼、超硬合
    金、サーメットまたはセラミック等からなり、識別のた
    めのマーキングが施された超硬質切削刃具において、該
    マーキングを施す部位を含む箇所をコーティングし、該
    コーティング膜の厚さが300nm以上で、該コーティ
    ング膜の上からレーザービームを用いてマーキングした
    ことを特徴とするマーキングが施された超硬質切削刃
    具。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のマーキングが施された超
    硬質材切削刃具において、該コーティング膜が有色被膜
    であることを特徴とするマーキングが施された超硬質切
    削刃具。
  3. 【請求項3】 請求項1ないし2記載のマーキングが施
    された超硬質材切削刃具において、該コーティング膜の
    膜質が2元系またはそれ以上の合金系の被膜であること
    を特徴とするマーキングが施された超硬質切削刃具。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3記載のマーキングが施
    された超硬質切削刃具において、該コーティング膜の膜
    質に少なくともTiとAlを含む被膜であることを特徴
    とするマーキングが施された超硬質切削刃具。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4記載のマーキングが施
    された超硬質切削刃具において、該切削刃具母材がHR
    A92以上の超硬合金またはサーメットであることを特
    徴とするマーキングが施された超硬質切削刃具。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5記載のマーキングが施
    された超硬質切削刃具において、該切削刃具にシャンク
    部を有することを特徴とするマーキングが施された超硬
    質切削刃具。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6記載のマーキングが施
    された超硬質切削刃具において、該切削刃具にシャンク
    部を有し、該シャンク部がテーパーシャンクであること
    を特徴とするマーキングが施された超硬質切削刃工具。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7記載のマーキングが施
    された超硬質切削刃具において、該工具が刃先交換式工
    具の刃先部分であり、シャンク部を有し、工具の最大刃
    径がシャンク部最大径より大きいことを特徴とするマー
    キングが施された超硬質切削刃具。
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