JP2001320835A - 系統連系インバータ装置、系統連系電源システム、太陽光発電システムおよび系統の停電検出方法 - Google Patents

系統連系インバータ装置、系統連系電源システム、太陽光発電システムおよび系統の停電検出方法

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JP2001320835A
JP2001320835A JP2000136222A JP2000136222A JP2001320835A JP 2001320835 A JP2001320835 A JP 2001320835A JP 2000136222 A JP2000136222 A JP 2000136222A JP 2000136222 A JP2000136222 A JP 2000136222A JP 2001320835 A JP2001320835 A JP 2001320835A
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inverter
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inverter unit
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Masaki Suzui
正毅 鈴井
Nobuyoshi Takehara
信善 竹原
Naoki Manabe
直規 真鍋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速性に優れ不検出領域が狭く、システム効
率を下げることなく、直流電源側の大きな有効電力等の
変動を伴わず、安価な系統停電検出方式を提供する。 【解決手段】 系統が停電の際、インバータ部の入力電
圧を一定に制御する工程に起因するインバータ部の入力
電圧または入力電流の変動を検出する工程ST2,ST
3を有し、インバータ部の入力電圧および/または入力
電流の変動のスカラ量と比較するための閾値と、該閾値
と前記スカラ量を比較する工程ST4とを有し、系統が
停電か否かを判定する工程ST6を有し、前記工程ST
6により系統の停電と判定した際はST7にて装置の運
転を停止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽光発電システ
ム等に用いられる電力変換装置である系統連系インバー
タ装置、系統連系電源システム、および太陽光発電シス
テムに関する。詳細には、太陽電池等の直流電源で発生
した電力を交流電力に変換し、商用系統に連系する系統
連系インバータ装置の停電検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽電池や燃料電池または蓄電池等、直
流電源で発生した電力を交流電力に変換し、商用系統に
連系する系統連系インバータ装置において、近年では、
商用電力系統へ発電電力を供給する形態(以下、逆潮流
という)での連系運転が認められるようになった。例え
ば、家庭用の系統連系された太陽光発電システムにおい
ては、通常、系統連系インバータ装置の発電電力は家庭
内負荷で消費され、余剰電力が発生した場合は電力系統
へ逆潮流されている。また、逆に発電電力が不足する場
合は電力系統から不足分の電力供給が行われる。
【0003】このような系統連系システムにおいて、太
陽光発電システムの発電電力と負荷消費電力が平衡する
特殊な条件下(電力バランス)においては、系統の停電
が発生すると系統連系インバータ装置の系統過不足電圧
および系統周波数異常の双方を検出することができな
い。これが原因で、前記太陽光発電システムが系統を逆
充電する、いわゆる単独運転現象が発生することが報告
されている。
【0004】そこで、前記電力バランス付近でも系統の
停電を検出する、いわゆる単独運転検出機能が開発され
ている。系統停電時、負荷の無効電力は系統連系インバ
ータ装置が供給するため、系統連系インバータ装置の出
力の位相が急変する。こうした系統停電移行時の系統連
系インバータ装置の出力の微小変化を検出する方式とし
て、受動的方式が開発実用化されている。しかしなが
ら、受動的方式は高速性に優れるが不検出領域が広く、
また高感度設定では誤作動が発生するという問題点があ
った。
【0005】そこで、不検出領域が受動的方式よりも狭
い能動的方式も開発されている。例えば、特開平3−2
39124号公報の有効電力変動方式や、特開平8−5
1724号公報の無効電力変動方式では、外乱発生によ
リ系統連系インバータ装置の有効電力出力や無効電力出
力を常時変動させることで、系統停電状態における系統
連系インバータ装置の出力電力と負荷消費電力のバラン
スを崩して系統の停電を検出している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のよう
に、能動的方式は系統連系インバータ装置の出力電力を
常時変動させるため、系統連系インバータ装置の効率や
力率の悪化を招くという問題点があった。また、特開平
10−257678号公報にあるように、直流電源とし
て燃料電池や蓄電池を使用するシステムの場合、有効電
力の変動を伴わない方法が都合が良いとされている。
【0007】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
ものであり、高速性に優れ不検出領域が狭く、システム
効率を下げることなく、直流電源側の有効電力等の大き
な変動を伴わず、安価な系統連系インバータ装置、系統
停電検出方法、系統連系電源システムおよび太陽光発電
システムを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用】上記課題を解
決するために、本発明の系統連系インバータ装置は、入
力される直流電力を交流電力に変換して出力するインバ
ータ部および該インバータ部の入力電圧を一定に制御す
る制御手段とを備えた系統連系インバータ装置におい
て、系統が停電の時に前記制御手段による制御に起因し
て生じる前記インバータ部の入力電圧または入力電流の
変動を検出して前記系統の停電の有無を判定する系統停
電判定手段を有することを特徴とする。
【0009】本発明においては、前記インバータ部の出
力電圧を維持する手段を有しないことができる。
【0010】また、前記系統停電判定手段は、前記イン
バータ部の入力電圧または入力電流の前記変動の周期的
成分を抽出して前記系統が停電か否かの判定を行うもの
であることが好ましい。また、前記系統停電判定手段
は、前記変動が所定の閾値を越えた場合に前記系統の停
電が生じたと判定するものであることが好ましい。ま
た、前記系統停電判定手段は、前記変動が所定の闘値を
越え、さらに前記閾値を越えた状態が所定の時間継続し
た場合に前記系統の停電が生じたと判定するものである
ことが好ましい。また、前記系統停電判定手段は、前記
闘値を複数設け、前記停電の判定を行うものであること
が好ましい。
【0011】また、前記周期的成分の抽出は、前記系統
の周波数以下の低周波の変動を抽出するものであること
が好ましい。また、前記周期的成分の抽出は、前記イン
バータ部の入力電圧および/または入力電流の波形のフ
ーリエ変換であることが好ましい。そして、前記フーリ
エ変換の以後、抽出されるスペクトルに重み付けによる
演算を施すことができる。
【0012】更に、前記系統との連系開始以前に、前記
インバータ部が連系する系統の電圧および/または電流
の波形に含まれる系統周波数以下の低周波の変動である
前記周期的成分を抽出し、抽出された前記周期的成分を
前記闘値に反映することができる。
【0013】本発明の系統連系インバータ装置は、入力
される直流電力を交流電力に変換して出力するインバー
タ部、前記インバータ部の入力端子間を平滑化するコン
デンサ、前記コンデンサの端子間電圧を検出する第1電
圧検出手段の第1電圧検出値が所定値となるよう前記イ
ンバータ部の出力を制御する電圧制御手段を具備し、出
力電圧を維持する手段を有しない系統連系インバータ装
置において、前記インバータ部の入力電圧を検出する第
2電圧検出手段および/または前記インバータ部の入力
電流を検出する電流検出手段と、前記第2電圧検出手段
からの第2電圧検出値および/または前記電流検出手段
からの電流検出値とに基づいて、系統停電時に前記電圧
制御手段の電圧一定制御に起因する変動を検出し、前記
変動により系統の停電を判定する系統停電検出手段とを
有し、前記系統停電検出手段からの停電検出信号により
運転を停止することを特徴とする。
【0014】本発明の系統連系電源システムは、直流電
源、前記直流電源から供給される直流電力を交流電力に
変換して出力する前記系統連系インバータ装置、および
系統と前記系統連系インバータ装置との間の接続を開閉
する開閉手段を備え、前記系統連系インバータ装置の前
記停電検出手段が前記系統が停電であると判定したと
き、前記開閉手段により前記系統から前記系統連系イン
バータ装置を解列することができる。
【0015】本発明の太陽光発電システムは、前記系統
連系電源システムを備え、前記直流電源に太陽電池を用
いることができる。
【0016】本発明の系統の停電検出方法は、入力され
る直流電力を交流電力に変換して出力するインバータ部
および該インバータ部の入力電圧を一定に制御する制御
手段とを備えた系統連系インバータ装置における系統の
停電検出方法であって、前記系統の停電時に前記制御手
段による制御に起因して生じる前記インバータ部の入力
電圧または入力電流の変動を検出して前記系統の停電の
有無を判定することを特徴とする。
【0017】上記構成等により本発明は、前記系統が消
失直後から発生する前記インバータ部の入力電圧または
入力電流の変動を検出して停電の判定を行うため、高速
性に優れる。また、前記変動は、系統の消失により不安
定化する前記制御手段により発生する。このため、前記
インバータ部の出力電力と負荷消費電力のバランスする
付近においても停電の検出が可能であり、不検出領域は
狭い。更に、従来の能動的方式のように、外乱発生によ
り前記インバータ部の出力電力を常時変動させないた
め、システム効率を下げることなく、直流電源側の大き
な有効電力等の変動を伴うこともない。
【0018】また、前記入力電圧の変動を検出する手段
は、系統連系インバータ装置に既存の電圧検出手段を用
いることができる。このため、前記インバータ部の入力
電圧の変動を検出して停電の判定を行う場合は、本発明
はソフトウエアの追加のみで実現可能であり、安価な停
電検出方法を提供できる。更に、前記インバータ部の入
力電流の変動を検出して停電の判定を行う場合でも、上
記ソフトウエアに電流検出手段を一つ追加するだけで実
現可能であるため、安価な停電検出方法を提供できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態を説明する。図2は、本発明の一実施形態に係
る系統連系インバータを備える系統連系電源システムの
直流電源に太陽電池を用いた太陽光発電システムの構成
を示す図である。同図の太陽電池1は、一次電池や二次
電池、燃料電池等の各種直流電源であってもよい。ま
た、回転形発電機等の各種交流電源を整流したもの、ま
たはこれらの組み合わせであっても何ら問題はない。更
に、これら直流電源や交流電源は電圧源か電流源かは問
わない。
【0020】太陽電池1は、アモルファスシリコン、微
結晶シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコン、もし
くはこれらの組み合わせ、もしくは化合物半導体等を用
いた各種太陽電池である。通常は、複数の太陽電池モジ
ュールを直並列に組み合わせて、所望の電圧および電流
が得られるようにアレイ構成を行う。しかし、本発明で
は構成や数量の制限はない。
【0021】系統連系電源システムが備える系統連系イ
ンバータ(以下、インバータという)7は、主として入
力直流電圧を昇降圧するためのコンバータ部2、コンバ
ータ部2の出力である直流電力を交流電力に変換し系統
連系インバータ7の出力とするインバータ部4、インバ
ータ部4を制御する制御手段10、制御手段10からの
制御信号によりインバータ部4のスイッチング素子を駆
動し、更に制御手段10からの停止信号によりインバー
タ部4のスイッチング素子を停止するゲート駆動回路1
1、系統9からインバータ7を解列する手段である遮断
器14、遮断器14の駆動回路である遮断器駆動回路1
3で構成される。
【0022】コンバータ部2やインバータ部4は、パワ
ートランジスタ、MOSFET、IGBT、GTO等、
もしくはこれらの組み合わせを含めた各種自己消孤形ス
イッチング素子と、コイルやコンデンサもしくはダイオ
ードといった素子等で構成される。
【0023】コンバータ部2は、コンデンサ12,1
5、インダクタ16、ダイオード17、スイッチング素
子18で構成される一般的なチョッパ回路である。コン
デンサ12は、コンバータ部2の出力部とインバータ部
4の入力部を接続する平滑コンデンサであり、端子間電
圧(インバータ部4の入力電圧)はVLである。コンデ
ンサ15は、太陽電池1の出力を平滑化する平滑コンデ
ンサである。インダクタ16は、昇圧用インダクタであ
る。また、スイッチング素子18は、コンバータ部2の
チョッパであり、スイッチング素子18のスイッチング
によりコンデンサ15の端子間電圧が昇圧される。ダイ
オード17は、コンバータ部2の昇圧時の逆流防止用で
ある。
【0024】インバータ部4は、スイッチング素子21
〜24、インダクタ19,20で構成される。スイッチ
ング素子21〜24は、フルブリッジ回路を構成してお
り、フルブリッジ回路は矩形波状の交流電圧波形を出力
する。インダクタ19およびインダクタ20は、連系リ
アクトルであり、前記矩形波状の交流電圧波形を正弦波
状に整形する。
【0025】電圧検出手段3は、インバータ部4の入力
電圧の検出手段であり、入力電圧信号SV3を制御手段
10へ出力する。出力電流検出手段5は、インバータ7
の出力電流の検出手段であり、出力電流信号SI5を制
御手段10へ出力する。電流検出手段25は、インバー
タ部4の入力電流の検出手段であり、入力電流信号SI
25を制御手段10へ出力する。
【0026】負荷8としては、電熱負荷や電動機負荷
等、電力を消費する各種負荷、もしくは前記負荷と他の
分散形の系統連系発電システム群であってもよい。ま
た、系統9は、商用系統であり、系統9には他の分散形
の系統連系発電システム群や、前記負荷群が接続されて
も何ら問題はない。
【0027】図2では省略したが、コンバータ部2のス
イッチング素子18を駆動するための駆動回路および制
御手段も必要である。なお、これらの構成は制御手段1
0やゲート駆動回路11と同様に構成できるが、制御手
段10の処理能力に余裕があるならば制御手段10で兼
用してもよい。
【0028】以下、インバータ7の制御方法の詳細を説
明する。図3は、制御手段10の機能ブロック図を示
す。制御手段10は、図3で示されるように、A/D変
換器101、マイコン102、DSP103で構成され
る。
【0029】A/D変換器101では、図3で示すよう
に、インバータ7(図2)の出力電流信号SI5をディ
ジタルデータS1、インバータ部4(図2)の入力電流
信号SI25をディジタルデータS11、インバータ部
4の入力電圧信号SV3をディジタルデータS12へそ
れぞれ変換する。
【0030】図5にDSP103の機能ブロック図を示
す。DSP103では、周波数解析1031により、デ
ィジタルデータS11に対する周波数解析の結果信号S
13、および/またはディジタルデータS12に対する
周波数解析の結果信号S14を、それぞれマイコン10
2(図3)へ出力する。また、エラーアンプ部1033
は、マイコン102で作成されたインバータ7(図2)
の出力電流指令値S5とディジタルデータS1の差分を
エラーアンプ部1033で増幅し、電流誤差値S10と
してPWM演算器1034へ出力する。PWM演算器1
034は、電流誤差値S10よりインバータ部4(図
2)のPWM信号S6を作成し、PWM信号S6をゲー
ト駆動回路11(図2)へ出力する。
【0031】図4にマイコン102の機能ブロック図を
示す。マイコン102は、レベル比較器1022におい
て、DSP103(図3)から出力された周波数解析結
果S13および/または周波数解析結果S14を基に停
電前と比較して停電の判定を行う。判定手段であるカウ
ンタ1023では、前記判定結果をカウントして停電条
件を満たすカウントで、インバータ7(図2)の停止信
号を遮断器駆動回路13およびゲート駆動回路11(共
に図2)へ出力する。また、A/D変換器101(図
3)から出力されたディジタルデータS12とコンデン
サ12(図2)の端子間電圧VLの電圧設定値1021
との誤差が算出され、電流指令値算出器1025ヘ出力
される。電流指令値算出器1025では、前記誤差がゼ
ロとなるようなインバータ7の出力電流指令値S5をD
SP103へ出力する。
【0032】図2において、ゲート駆動回路11は、イ
ンバータ部4のスイッチング素子の駆動回路であり、P
WM信号S6(図3、5)を基にゲート制御信号として
必要なパルス信号をインバータ部4のスイッチング素子
21〜24のゲートG1〜G4へ出力する。また、制御
手段10より出力された停止信号により、インバータ7
をゲートブロックする。
【0033】上記の制御手段10の制御により、インバ
ータ7のインバータ部4の入力電圧VLは一定(所定
値)に保たれる(電圧制御手段)。
【0034】遮断器駆動回路13は、開閉手段である遮
断器14の駆動回路である。遮断器14は、制御手段1
0からの停止信号を受けて、インバータ7を系統9より
解列する開閉器である。なお、遮断機14に用いられる
遮断の手段は、機械式スイッチまたは半導体スイッチ等
の使用を妨げるものではない。
【0035】ここで、インバータ部4の入力電圧を一定
に制御することに起因して、インバータ部4の入力電圧
および入力電流に生じる変動の発生メカニズムの詳細を
説明する。
【0036】図6は、制御手段である電圧VLを一定に
保つ制御(以下、VL一定制御という)を概念的に示し
たフローチャートである。制御手段10(図2)は、上
述したように、電圧VL(図2)を監視し、電圧設定値
1021(図4)と電圧VLの誤差がゼロとなるように
インバータ7(図2)の出力電流を制御する。しかし、
図6の制御アルゴリズムは、系統9(図2)が停電では
ない状態、すなわちインバータ7の出力電圧が常に一定
で、出力電流と出力電力が比例関係であることを前提と
している。そのため、停電後では、電圧VLを一定に保
つことができず、インバータ部4(図2)の入力電圧お
よび入力電流にVL一定制御に起因する周期的な変動が
生じることになる。
【0037】図7は、図2で示した太陽光発電システム
の概念図であり、図7(A)は停電前(買電状態)、図
7(B)は停電後の状態をそれぞれ示す。系統停電前で
ある図7(A)において、系統9から負荷8へ供給され
ていた電流I0は停電後、図7(B)で示すように消失
するが、インバータ7の出力電流I1は停電の瞬間は一
定制御され、負荷電圧V1はV2(V1>V2)ヘ低下
する。この結果、インバータ7の出力電圧が低下して出
力電力も減少する。
【0038】従って、インバータ7の出力電力に対して
入力電力が過多となり、コンデンサ12(図2)の端子
間電圧VLは所定値である電圧設定値1021(図4)
を越えて上昇する。
【0039】ここで、VL一定制御によりインバータ部
4(図2)の出力電流が増加されるが、停電下では電圧
源である系統9が消失している。そのため、インバータ
7の出力電流I1と共にインバータ7(図2)の出力電
圧V2が上昇し、実際の出力電力は上記制御アルゴリズ
ムの想定する値を越えて上昇してしまう。その結果、イ
ンバータ7は、入力電力に対して前記出力電力が過多と
なり、コンデンサ12(図2)の端子間電圧VLは所定
値である電圧設定値1021(図4)を越えて低下す
る。
【0040】以上のように、系統が停電ではない状態を
前提としたVL一定制御、つまり、図6の制御ループa
に相当する制御により、停電下において、コンデンサ1
2(図2)の端子間電圧VLがオーバーシュートして制
御され続ける。従って、端子間電圧VLには、VL一定
制御に起因する一定周期の変動が発生する。また、これ
に伴って、コンデンサ12の充放電流にも同様の一定周
期の変動が生じる。従って、インバータ部4(図2)の
入力電圧および入力電流に一定周期の変動が発生する。
【0041】上記の実施形態とは逆に、系統9(図2)
へ売電状態で系統9が停電した場合でも、前記制御ルー
プaに相当する前記のVL一定制御に起因して前記変動
が発生する。
【0042】本発明では、前記一定周期の変動を検出
し、これを基に系統停電判定手段により停電の判定を行
う。以下、本発明に係る実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0043】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。 <実施例1>本実施例は、本発明に係る一実施例であ
る。実施例1では、図2で示す系統連系された太陽光発
電システムの電圧形電流制御のインバータ7、太陽電池
1、インバータ7が連系する系統9、インバータ7の発
電電力を消費する負荷8を用いる。
【0044】以下、本実施例の停電の判定に関して説明
する。図1は、本実施例の停電判定方法を示すフローチ
ャートである。まず、本実施例の停電判定方法の概要を
図1のフローチャートを用いて説明するが、各設定した
値等の詳細は後記する。
【0045】連系開始後、ステップST1では、カウン
タ1023(図4)のカウントnをゼロクリアする。次
に、ステップST2では、インバータ部4(図2)の入
力電圧をサンプリングする。ステップST3では、前記
サンプリング結果のFFT(高速フーリエ変換)解析を
行う。そして、インバータ部4の入力電圧の変動の周期
的成分である19.6[Hz]成分を抽出する。
【0046】次に、ステップST4で、周期的成分のス
カラ量と既設の閾値1[V]が比較され、周期的成分が
閾値以上の場合はステップST5へ進み、閾値未満の場
合はステップST1へ戻る。ステップST5では、カウ
ントnが+1される。そして、ステップST6では、カ
ウントnが所定値495以上であるか否かが判断され、
495以上の場合はステップST7へ進み、495未満
の場合はステップST2へ戻される。ステップST6に
より、後記する停電の判定時間である0.3[sec]
の間、周期的成分が継続して閾値を越えているか判断さ
れる。最後に、ステップST7で、インバータ7(図
2)の運転を停止する。
【0047】図1のフローチャートで示す停電の判定方
法により、インバータ7(図2)は制御手段による制御
に起因する変動を検出する。そして、周期的成分が閾値
1[V]以上で、かつカウントnの状態が495回継続
した場合、インバータ7のゲートブロックを停止する。
または、インバータ7は系統9(図2)より解列する。
なお、所定値495の意味するところは判定時間であ
り、その選定方法等については後ほど説明する。
【0048】次に、A/D変換器101(図3)のサン
プリング周波数について説明する。図8および図9は、
前記インバータ7と負荷8(図2)が電力バランス状態
下でのインバータ部4(図2)の入力電圧を実測した波
形図であり、図8は系統の停電前、図9は系統の停電中
(停電後)を示す。図8および図9ともに、横軸は時間
軸で単位は[sec]である。また、縦軸はインバータ
部4の入力電圧を示し、単位は共に[V]である。
【0049】図2において、本実施例で用いたインバー
タ7において、一定電圧に制御されるコンデンサ12の
端子間電圧VL、すなわちインバータ部4の入力電圧
は、図8に示すようにDC230[V]である。なお、
図8の前記DC230[V]にのっているリップル成分
(波高値は約5[V])は、インバータ部4のスイッチ
ング素子21〜24のスイッチングによるものである。
【0050】図8および図9より、VL一定制御に起因
する周期的な変動は約20[Hz]である。また、出力
電流信号SI5(図2,3)は商用周波数60[Hz]
であるので、A/D変換器101(図3)のサンプリン
グ周波数は数[kHz]〜10[kHz]程度で十分で
ある。本実施例では、A/D変換器の処理能力を考慮し
て、サンプリング周波数は2.5[kHz]で行った
が、特にこの値に限定されるものではない。
【0051】次に、停電の判定基準の詳細な部分であ
る、停電の判定時間、閾値、FFT解析のサンプリング
周波数およびサンプル数について以下に説明する。図1
0は、前記FFT解析の際のサンプル数N、サンプリン
グ周期T、FFT解析結果のスペクトル間隔△f、サン
プリング時間T×Nの一覧表である。スペクトル間隔△
fとは、図11で示すFFT解析結果の各スペクトルの
間隔である。図11は、停電中のインバータ部4(図
2)の入力電圧の変動のFFT解析結果の概念図であ
る。図中において、横軸は周波数で単位が[Hz]、縦
軸は前記スペクトルの大きさを表す。また、サンプリン
グ時間とは、サンプリング周期Tにサンプル数Nを掛け
合わせたものであり、サンプル数Nをサンプリングする
のに要する時間を表す。
【0052】判定時間は、現在認証試験において、単独
運転検出機能の受動的方式に対して規定されている停電
検出時間0.5[sec]以下、という条件に沿って、
停電判定時間を0.3[sec]とした。また、上記の
通り変動の周期的成分は約20[Hz]であるため、以
下の2点を考慮して、サンプル数Nを図10に示す25
6[個]に設定した。 1回のサンプリング時間T×Nが周期的成分の1〜
2周期(0.05〜0.1[sec])程度である。 サンプリング周波数は2.5[kHZ](サンプリ
ング周期が0.0004[sec])とする。
【0053】また、サンプリング周期Tが0.0004
[sec]でサンプル数Nが256の場合、図10に示
すようにスペクトル間隔△fは9.8[Hz]であるの
で、抽出する周期的成分は約19.6(=9.8×2)
[Hz]に設定した。なお、本実施例は商用周波数が6
0[Hz]の場合であり、商用周波数が50[Hz]の
場合、変動の周期的成分は前記19.6[Hz]以下で
ある。
【0054】更に、上記の通り一回のFFT解析は25
6点のサンプリングデータで行う。ここで、図12は、
サンプル256点の抽出方法を説明した図であり、縦軸
がインバータ部4(図2)の入力電圧のディジタルデー
タS12、横軸が時刻である。また、図13は、判定時
間0.3[sec]間に行うFFT解析の回数を説明し
た図である。
【0055】図12で示すように、1つ前の解析で用い
た256点のサンプリングデータのうち、常に最も古い
1点のデータと最新のサンプリングデータ1点を入れ替
えてFFT解析を行う。この作業は、周波数解析103
1(図5)に新たなディジタルデータS12(図5)が
1点入力される度に繰り返される。従って、検出時間
0.3[sec]では、作業は図13で示されるよう
に、495(=(0.3−0.1024)/0.000
4+1)回繰り返されることになる。
【0056】以上の条件で変動をFFT解析した結果
(後記の図15)から、上記の停電検出時間0.5[s
ec]以下を達成可能な閾値として図14で示すように
1[V]に設定した。
【0057】図14は、系統停電前後におけるインバー
タ部4(図2)の入力電圧のFFT解析結果のうち、1
9.6[Hz]成分の推移の概念図である。横軸は時間
軸であり、時刻ゼロ以降が停電状態を表し、単位は[s
ec]である。また、縦軸は変動のスカラ量(周期的成
分)であり、単位は[V]である。
【0058】検出時間とは、図14で示すように、停電
の発生から停電の検出が完了するまでの期間である。ま
た、判定時間とは、周期的成分が閾値を継続的に越え、
停電状態であると判定されるまでの期間である。
【0059】変動の周期は、一般的にVL一定制御の制
御ループa(図6)、およびインバータ7(図2)のコ
ンデンサ12(図2)の静電容量によって決定される。
そのため、本発明の実施の際は、本実施例同様に変動周
波数を実測するか、あるいはインバータ7の制御ループ
aとコンデンサ12に相当するコンデンサの静電容量か
ら周波数を計算するか、いずれかの方法を選択するとよ
い。また、回路シミュレーション等の方法を用いて変動
の周期的成分を求めても何ら問題はない。また、変動の
周波数は、一般的に商用周波数以下であるため、抽出す
る周波数帯域は50〜60[Hz]以下が望ましい。ま
た、本実施例では商用周波数を60[Hz]と設定した
が、50[Hz]であっても何ら問題はない。
【0060】また、上記した変動の周期的成分をLCを
使用したバンドパスフィルタを用いて抽出する方法や、
CRフィルタを用いるようなアナログ的構成をとること
も可能である。要は、所定の周期的成分の抽出が行える
ことが肝要である。
【0061】また、本実施例では、周知の周波数解析方
法として演算速度が高速なFFT解析法を用いたが、他
の周波数解析法であっても何ら問題はない。例えば、演
算速度はFFTに及ばないが、サンプリング数の自由度
が高い周知のDFT(離散的フーリエ変換)解析法であ
ってもよい。
【0062】また、上記で設定した各値は、特にこれら
の値に限定されるものではない。望ましくは、判定時間
および閾値と停電誤検出とのトレードオフの関係を考慮
した上で、判定時間はより短く、闇値はより低い方がよ
り好ましい。
【0063】更に、本実施例では、インバータ部4(図
2)の入力電圧波形の変動を検出して、系統9(図2)
の停電を判定したが、インバータ部4の入力電流波形の
変動を用いても何ら問題はない。また、入力電圧および
/または入力電流の波高値等、本発明のVL一定制御に
起因するインバータ部4の入力電圧および/または入力
電流の周期的な変動を検出できれば検出方法は問わな
い。また、図11の抽出結果の各成分に重み付け等の演
算を施し、停電の判定を行うことにより、より正確な停
電の判定が可能となる。
【0064】本実施例は、FFT解析結果のうち、前記
停電判定に用いる変動の周期的成分を19.6[Hz]
に設定したが、実際の変動の周期的成分はこれより若干
高い20[Hz]程度である。図11の破線で示した2
0[Hz]成分を抽出できれば最善であるが、図10で
示すように、スペクトル間隔△fはサンプリング時間T
×Nに依存するため、前記20[Hz]成分の抽出は不
可能である。そこで、図14に示す各スペクトルに重み
付け等の演算を施し、20[Hz]成分を推測値として
算出して、この結果を停電の判定に用いれば、更に誤検
出の少ない系統の停電の判定が可能となる。
【0065】次に、以上示した判定方法および判定基準
による検証結果を以下に説明する。図15は、実測した
系統停電前後におけるインバータ部4(図2)の入力電
圧のFFT解析結果のうち、19.6[Hz]成分の推
移図であり、各軸は図14と同様である。
【0066】測定条件は、図2において、インバータ7
が単独運転状態に最も陥り易いとされるインバータ7の
出力電力と負荷8の消費電力がほぼバランスする状態で
あり、負荷8は純抵抗負荷である。また、本検証では、
インバータ7のMPPT機能、他の受動的方式および能
動的方式の単独運転検出機能は使用していない。
【0067】検証結果を示す図15では、停電発生後約
0.08[sec]で周期的成分(変動のスカラ量)が
閾値1[V]を越えた状態となる。その後、判定時間で
ある0.3[sec]を経過した停電発生後、約0.3
8[sec]で停電の判定が終了している。前記周期的
成分の増加は、本実施例のような電力がバランスする状
態で顕著に現れることから、本件は不検出領域の狭い系
統停電検出方法であることが確認された。
【0068】このように本実施例では、図2より、系統
連系された電圧形電流制御のインバータ7において、系
統停電時に発生するインバータ部4の入力電圧一定制御
特有のインバータ7の出力変動を利用する。このため、
通常は出力の変動が無くシステム効率が低下せず、停電
時は不検出領域が狭く、停電検出時間が短く停電を検出
できる。また、ソフトウエア上の処理のみで実現可能な
ため安価である。また、インバータ部4の入力電圧およ
び/または入力電流の変動の周期的な成分を検出するこ
とで誤検出が少ない。
【0069】更に、上記のように、閾値を適切に設定す
ることにより、誤検出が更に減少する。また、停電の判
定に一定の期間を設けることにより、誤検出が減少し閾
値の設定の自由度が増すため、一層誤検出を減らすこと
が可能となる。また、変動の周期的成分の抽出方法に周
知のFFT解析を用いることで、高速で、より少ない演
算量で変動を抽出できるため、制御手段のDSP処理の
負担が軽減される。更には、誤検出が減少し閾値の設定
の自由度も増すため、一層誤検出を減らすことが可能と
なる。
【0070】<実施例2>実施例2では、入力電圧波形
の周期的な変動を抽出し、その抽出結果と既設の閾値を
比較して系統停電を判定する点は実施例1と同様であ
る。しかし、実施例2では、実施例1と同レベルの第一
の閾値と、前記閾値より高いレベルの第二の閾値を設け
る。そして、各閾値に対応した2つの判定時間を設け、
2つの閾値と2つの判定時間で比較、そして停電の判定
を行う点が実施例1と異なる。なお、実施例1のように
入力電圧波形の周期的な変動と同様に、入力電流波形の
周期的な変動を用いても何ら問題はない。
【0071】図16(a)は、図9の電圧波形のFFT
解析結果のうち、系統停電前および以後の19.6[H
z]成分の推移の概念図である。図16(b)は、系統
停電直後から19.6[Hz]成分が急上昇した場合の
周期的成分(変動のスカラ量)の推移の概念図である。
同図の各軸は図14の縦軸および横軸と同様である。
【0072】図17は、本実施例の停電判定方法を説明
したフローチャートである。以下、図17のフローチャ
ートに沿って、上記した実施例1と異なる部分について
説明する。
【0073】実施例1と同様に、ステップST1〜ステ
ップST3において、入力電圧の周期的成分である1
9.6[Hz]成分を抽出する。ステップST8では、
周期的成分と第二の閾値を比較して、第二の閾値以上の
場合はステップST7へ進み、第二の閾値未満の場合は
ステップST4へ進む。ステップST4以下は実施例1
と同様である。
【0074】図17のフローチャートで示す停電の判定
方法により、インバータ7(図2)は変動を検出し、周
期的成分が第二の閾値以上の場合は即時(判定時間がゼ
ロ[sec])にインバータ7を停止する。また、周期
的成分が第二の閾値未満の場合は、実施例1と同様に停
電判定を行い、インバータ7を停止する。
【0075】以上より、図16(b)のように連系後の
19.6[Hz]成分が急上昇した場合は、より高速な
停電判定が可能となる。また、適切な閾値を複数設ける
ことにより、更に高速な系統停電検出方法が提供でき
る。
【0076】また、閾値は3つ以上あってもかまわな
い。適切な各閾値の設定と、各閾値に対応した適切な判
定時間の設定であれば、閾値を増やすことにより、更に
誤検出が少なく、判定時間のより短い系統停電検出が可
能となる。
【0077】<実施例3>実施例3では、入力電圧波形
の周期的な変動を抽出し、その抽出結果と既設の閾値を
比較して系統停電を判定する点は実施例1と同様であ
る。しかし、本実施例では、インバータ7(図2)が連
系開始時および/またはそれより前に、連系する系統の
電圧波形に含まれる系統周波数以下の低周波の変動の周
期的成分を抽出し、その抽出結果を停電判定に用いる閾
値に反映させる点が実施例1と異なる。
【0078】図18は、連系点付近の負荷の投入や解列
等の影響により、系統の停電以前から19.6[Hz]
成分が実施例1および実施例2と比較して0.5[V]
大きい0.6[V]の変動である19.6[Hz]成分
の推移の概念図である。縦軸および横軸は、図14と同
様である。
【0079】本実施例を図18を用いて以下で説明す
る。本実施例は、連系する系統の状態をインバータ7
(図2)が把握し、停電の判定に用いる変動の19.6
[Hz]成分がある一定以上の大きさを系統9(図2)
が有している場合、自動的に、あらかじめ系統9の停電
を判定する閾値を引き上げて雑音余裕の改善を図る。詳
細には、実施例1と同様の雑音余裕0.9[V](0.
9[V]=1.5−0.6)を確保するために、閾値を
0.5[V]引き上げ1.5[V]とした。一般的に、
雑音余裕は、この0.9[V]に限定されるものではな
く、停電の不検出と誤検出のトレードオフの関係、およ
び検出時間を考慮して設定するとよい。
【0080】以上のように、連系する系統の状態に関わ
らず、最適な閾値を設定することで、より誤検出の少な
い系統停電検出方法が提供できる。また、インバータ部
4(図2)の入力電圧および/または入力電流の波高値
等、本発明のVL一定制御に起因するインバータ7の出
力電圧波形および/または出力電流波形の周期的な変動
を検出できれば検出方法は問わない。
【0081】以上実施例1〜3では、系統が交流系統の
場合であった。しかし、直流系統の場合でも、この直流
系統が電圧源と見なせる様な場合であれば、直流系統停
電時に、この直流系統に連系する電力変換装置の入力電
圧や入力電流に周期的な変動(VL一定制御等に起因)
が発生するので、本発明を適用することができる。
【0082】
【発明の効果】本発明によれば、以下の効果が得られ
る。 (1)系統停電時特有のインバータの出力変動を利用す
るため、通常は出力の変動が無く、システム効率が低下
せず、不検出領域が狭く、停電検出時間が短い。また、
ソフトウエア上の処理のみで実現可能なため安価であ
る。 (2)周期的な変動の周期的成分を検出することで誤検
出が少ない。 (3)適切な閾値の設定により、誤検出が更に減少す
る。 (4)停電の判定に一定の期間を設けることにより、誤
検出が減少し、閾値の設定の自由度が増すため、一層誤
検出を減らすことが可能となる。 (5)閾値を複数設けることにより、より高速な(短
い)停電の判定が可能となる。 (6)電圧波形および/または電流波形の平均値や実効
値の変動を抽出することで、ノイズに強い変動の抽出が
可能となる。更に、波形の実効値を抽出することで、変
動の電力が算出できるので、インバータ部の入力部の変
動電力との比較が可能となる。そして、前記比較を用い
ることで、著しく誤検出が減少し、更に不検出領域の減
少が可能となる。 (7)変動の抽出方法に周知のフーリエ変換(FFT
等)を用いることで、高速で、より少ない演算量で変動
を抽出できるため、制御手段のDSP処理の負担が軽減
される。 (8)フーリエ変換の解析結果のスペクトルに重み付け
を行うことで、更に誤検出の少ない系統の停電の判定が
可能となる。 (9)系統の状態によって閾値を変更することにより、
雑音余裕を最適な値に設定することが可能となり、非常
に誤検出が少なく停電検出時間が短い系統の停電の判定
が可能となる。 (10)出力電圧維持機能(出力電圧を維持する手段)
を有さないインバータをインバータ7に用いることで、
VL一定制御に起因する入力電圧および/または入力電
流の変動がより顕著化するため、誤検出を非常に減らせ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る実施例1の系統停電
の判定処理を示すフローチャートである。
【図2】 本発明の一実施例に係る系統連系インバータ
を備えた系統連系電源システムの直流電源に太陽電池を
用いた太陽光発電システムの構成図である。
【図3】 本発明の一実施例に係る系統連系インバータ
の制御手段の機能を示すブロック図である。
【図4】 図3の制御手段内のマイコンの機能を示すブ
ロック図である。
【図5】 図3の制御手段内のDSPの機能を示すブロ
ック図である。
【図6】 本発明に係るインバータ部の入力電圧一定制
御を示すフローチャートである。
【図7】 図2の太陽光発電システムの概念図である。 (A)停電前(買電状態)の状態を示す図である。 (B)停電後の状態を示す図である。
【図8】 本発明の一実施例に係る系統連系インバータ
と負荷が電力バランス状態下の系統停電前のインバータ
部の入力電圧の波形図である。
【図9】 本発明の一実施例に係る系統連系インバータ
と負荷が電力バランス状態下の系統停電後のインバータ
部の入力電圧の波形図である。
【図10】 実施例1に係るFFT解析のサンプリング
に関する一覧表である。
【図11】 実施例1に係る系統停電下におけるFFT
解析結果のスペクトルの概念図である。
【図12】 実施例1に係るFFT解析のサンプル25
6点の抽出方法を説明する図である。
【図13】 実施例1に係る判定時間0.3[sec]
の間に行うFFT解析の回数を説明する図である。
【図14】 実施例1に係る系統停電前後のインバータ
部の入力電圧の変動の19.6[Hz]成分の推移を示
す概念図である。
【図15】 実施例1に係る系統停電前後におけるイン
バータ部の入力電圧のFFT解析結果の19.6[H
z]成分の推移を示す図である。
【図16】 実施例2に係る図9の入力電圧波形のFF
T解析結果の19.6[Hz]成分の推移を示す概念図
である。 (a)系統停電前後の19.6[Hz]成分の推移図で
ある。 (b)系統停電直後から19.6[Hz]成分が急上昇
した場合の推移図である。
【図17】 実施例2に係る系統停電判定方法を説明す
るフローチャートである。
【図18】 実施例3に係る連系点付近の負荷の投入や
解列等の影響により、系統の停電以前から19.6[H
z]成分が実施例1および実施例2と比較して0.5
[V]大きい0.6[V]の周期的成分の推移の概念図
である。
【符号の説明】
1:太陽電池、2:コンバータ部、3:電圧検出手段、
4:インバータ部、5:出力電流検出手段、7:系統連
系インバータ、8:負荷、9:系統、10:制御手段、
11:ゲート駆動回路、12,15:コンデンサ、1
3:遮断器駆動回路、14:遮断器、16,19,2
0:インダクタ、17:ダイオード、18,21,2
2,23,24:スイッチング素子、25:電流検出手
段、G0,G1,G2,G3,G4:各スイッチング素
子のゲート、VL:インバータ部4の入力電圧、SI
5:電流検出手段5からの出力電流信号、SI25:電
流検出手段25からの出力電流信号、SV3:電圧検出
手段3からの出力電圧信号、S6:制御手段10からゲ
ート駆動回路11への入力信号(PWM信号)、10
1:A/D変換器、102:マイコン、103:DS
P、S1:出力電流信号SI5のディジタルデータ、S
11:出力電流信号SI25のディジタルデータ、S1
2:出力電圧信号SV3のディジタルデータ、S13:
ディジタルデータS11に対する周波数解析の結果信
号、S14:ディジタルデータS12に対する周波数解
析の結果信号、S5:系統連系インバータ7の出力電流
指令値、1021:電圧設定値、1022:レベル比較
器、1023:カウンタ、1025:電流指令値算出
器、S7:レベル比較器出力信号、1031:周波数解
析、1033:エラーアンプ部、1034:PWM演算
器、S10:電流誤差値、V1:系統停電前の負荷電
圧、V2:系統停電後の負荷電圧、I0:系統停電前に
系統9から負荷8へ供給される電流、I1:系統停電後
の系統連系インバータ7の出力電流。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 真鍋 直規 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 Fターム(参考) 5G066 HA11 HB06 5H007 AA04 AA06 BB07 CA01 CA02 CA05 CB02 CB05 CC09 CC12 DA05 DA06 DB02 DB03 DB13 DC02 DC04 DC05 EA02 FA00 FA02 FA14 FA19 GA09

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力される直流電力を交流電力に変換し
    て出力するインバータ部および該インバータ部の入力電
    圧を一定に制御する制御手段とを備えた系統連系インバ
    ータ装置において、 系統が停電の時に前記制御手段による制御に起因して生
    じる前記インバータ部の入力電圧または入力電流の変動
    を検出して前記系統の停電の有無を判定する系統停電判
    定手段を有することを特徴とする系統連系インバータ装
    置。
  2. 【請求項2】 前記インバータ部の出力電圧を維持する
    手段を有しないことを特徴とする請求項1に記載の系統
    連系インバータ装置。
  3. 【請求項3】 前記系統停電判定手段は、前記インバー
    タ部の入力電圧または入力電流の前記変動の周期的成分
    を抽出して前記系統が停電か否かの判定を行うものであ
    ることを特徴とする請求項1または2の系統連系インバ
    ータ装置。
  4. 【請求項4】 前記系統停電判定手段は、前記変動が所
    定の閾値を越えた場合に前記系統の停電が生じたと判定
    するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かに記載の系統連系インバータ装置。
  5. 【請求項5】 前記系統停電判定手段は、前記変動が所
    定の闘値を越え、さらに前記閾値を越えた状態が所定の
    時間継続した場合に前記系統の停電が生じたと判定する
    ものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載の系統連系インバータ装置。
  6. 【請求項6】 前記系統停電判定手段は、前記闘値を複
    数設け、前記停電の判定を行うものであることを特徴と
    する請求項1〜5のいずれかに記載の系統連系インバー
    タ装置。
  7. 【請求項7】 前記周期的成分の抽出は、前記系統の周
    波数以下の低周波の変動を抽出するものであることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の系統連系イン
    バータ装置。
  8. 【請求項8】 前記周期的成分の抽出は、前記インバー
    タ部の入力電圧および/または入力電流の波形のフーリ
    エ変換であることを特徴とする請求項1、2、3、7の
    いずれかに記載の系統連系インバータ装置。
  9. 【請求項9】 前記フーリエ変換の以後、抽出されるス
    ペクトルに重み付けによる演算を施すことを特徴とする
    請求項8に記載の系統連系インバータ装置。
  10. 【請求項10】 前記系統との連系開始以前に、前記イ
    ンバータ部が連系する系統の電圧および/または電流の
    波形に含まれる系統周波数以下の低周波の変動である前
    記周期的成分を抽出し、抽出された前記周期的成分を前
    記闘値に反映することを特徴とする請求項1〜9のいず
    れかに記載の系統連系インバータ装置。
  11. 【請求項11】 入力される直流電力を交流電力に変換
    して出力するインバータ部、前記インバータ部の入力端
    子間を平滑化するコンデンサ、前記コンデンサの端子間
    電圧を検出する第1電圧検出手段の第1電圧検出値が所
    定値となるよう前記インバータ部の出力を制御する電圧
    制御手段を具備し、出力電圧を維持する手段を有しない
    系統連系インバータ装置において、 前記インバータ部の入力電圧を検出する第2電圧検出手
    段および/または前記インバータ部の入力電流を検出す
    る電流検出手段と、 前記第2電圧検出手段からの第2電圧検出値および/ま
    たは前記電流検出手段からの電流検出値とに基づいて、
    系統停電時に前記電圧制御手段の電圧一定制御に起因す
    る変動を検出し、前記変動により系統の停電を判定する
    系統停電検出手段とを有し、 前記系統停電検出手段からの停電検出信号により運転を
    停止することを特徴とする系統連系インバータ装置。
  12. 【請求項12】 直流電源、前記直流電源から供給され
    る直流電力を交流電力に変換して出力する請求項11に
    記載の系統連系インバータ装置、および系統と前記系統
    連系インバータ装置との間の接続を開閉する開閉手段を
    備え、前記系統連系インバータ装置の前記停電検出手段
    が前記系統が停電であると判定したとき、前記開閉手段
    により前記系統から前記系統連系インバータ装置を解列
    することを特徴とする系統連系電源システム。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の系統連系電源シス
    テムを備え、前記直流電源に太陽電池を用いることを特
    徴とする太陽光発電システム。
  14. 【請求項14】 入力される直流電力を交流電力に変換
    して出力するインバータ部および該インバータ部の入力
    電圧を一定に制御する制御手段とを備えた系統連系イン
    バータ装置における系統の停電検出方法であって、 前記系統の停電時に前記制御手段による制御に起因して
    生じる前記インバータ部の入力電圧または入力電流の変
    動を検出して前記系統の停電の有無を判定することを特
    徴とする系統の停電検出方法。
JP2000136222A 2000-05-09 2000-05-09 系統連系インバータ装置、系統連系電源システム、太陽光発電システムおよび系統の停電検出方法 Pending JP2001320835A (ja)

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