JP2001320834A - 系統連系インバータ装置、系統連系電源システム、太陽光発電システムおよび系統の停電検出方法 - Google Patents

系統連系インバータ装置、系統連系電源システム、太陽光発電システムおよび系統の停電検出方法

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JP2001320834A
JP2001320834A JP2000136220A JP2000136220A JP2001320834A JP 2001320834 A JP2001320834 A JP 2001320834A JP 2000136220 A JP2000136220 A JP 2000136220A JP 2000136220 A JP2000136220 A JP 2000136220A JP 2001320834 A JP2001320834 A JP 2001320834A
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inverter
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Masaki Suzui
正毅 鈴井
Hiroshi Kondo
博志 近藤
Masamichi Kurokami
誠路 黒神
Nobuyoshi Takehara
信善 竹原
Naoki Manabe
直規 真鍋
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 検出の高速性に優れ、不検出領域が狭く、シ
ステム効率を下げることなく、直流電源側の大きな有効
電力等の変動を伴わずに系統の停電を検出することがで
きるシステムを安価に提供する。 【解決手段】 入力される直流電力を交流電力に変換し
て出力するインバータ部4およびインバータ部の入力電
圧を一定に制御する制御手段3、10、11を備えた系
統連系インバータ装置7において、系統9の停電時に制
御手段による制御に起因して生じるインバータ部の出力
電圧または出力電流の変動を検出して系統の停電の有無
を判定する系統停電判定手段5、6、10を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直流電源で発生し
た電力を交流電力に変換して商用系統に連系する系統連
系インバータ装置、これを用いた系統連系電源システム
および太陽光発電システム、ならびにこれらの装置にお
ける系統の停電検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽電池、燃料電池、蓄電池等の直流電
源で発生した電力を交流電力に変換して商用系統に連系
する系統連系インバータにおいて、近年では商用電力系
統へ発電電力を供給する形態(以下、「逆潮流」とい
う。)での連系運転が認められるようになっている。例
えば、家庭用の系統連系された太陽光発電システムにお
いては、通常、系統連系インバータの発電電力は家庭内
負荷で消費され、余剰電力が発生した場合は電力系統へ
逆潮流されている。また、逆に発電電力が不足する場合
は電力系統から不足分の電力供給が行われる。
【0003】このような系統連系システムにおいて、太
陽光発電システムの発電電力と負荷消費電力が平衡する
特殊な条件下で系統の停電が発生すると、系統連系イン
バータの系統過不足電圧および系統周波数異常の双方を
検出することができず、これが原因で太陽光発電システ
ムが系統を逆充電するいわゆる単独運転現象が発生する
ことが報告されている。
【0004】そこで、前記電力バランス付近でも系統の
停電を検出するいわゆる単独運転検出機能が開発されて
いる。系統停電時、負荷の無効電力は系統連系インバー
タが供給するため、系統連系インバータの出力の位相が
急変する。こうした系統停電移行時の系統連系インバー
タ出力の微小変化を検出する方式として受動的方式が開
発され、実用化されている。しかしながら、受動的方式
は高速性に優れるが不検出領域が広く、また、高感度設
定では誤作動が発生するという問題点がある。
【0005】そこで、不検出領域が受動的方式よりも狭
い能動的方式も開発されている。例えば、特許第278
0234号公報の有効電力変動方式や、特開平8−51
724号公報の無効電力変動方式では、外乱発生により
インバータの有効電力出力や無効電力出力を常時変動さ
せることによって、系統停電状態におけるインバータの
出力電力と負荷消費電力のバランスを崩して系統の停電
を検出している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のよう
に、能動的方式はインバータの出力電力を常時変動させ
るため、インバータの効率や力率の悪化を招くという問
題を有する。また、特開平10−257678号公報に
記載されているように、直流電源として燃料電池や蓄電
池を使用するシステムの場合、有効電力の変動を伴わな
い方法が、都合が良いとされている。
【0007】そこで本発明は、高速性に優れ、不検出領
域が狭く、システム効率を下げることなく、直流電源側
の大きな有効電力等の変動を伴わずに系統の停電を検出
することができる系統連系インバータ装置、系統連系電
源システム、太陽光発電システムおよび系統の停電検出
方法を提供することを課題とする。また、これらを安価
に提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の第1の系統連系インバータ装置は、入力さ
れる直流電力を交流電力に変換して出力するインバータ
部および前記インバータ部の入力電圧を一定に制御する
制御手段を備えた系統連系インバータ装置において、系
統の停電時に前記制御手段による制御に起因して生じる
前記インバータの出力電圧または出力電流の変動を検出
して前記系統の停電の有無を判定する系統停電判定手段
を具備することを特徴とする。
【0009】第2の系統連系インバータ装置は、第1の
系統連系インバータ装置において、前記インバータ部の
出力電圧を維持する手段を有しないことを特徴とする。
【0010】第3の系統連系インバータ装置は、第1ま
たは第2の系統連系インバータ装置において、前記系統
停電判定手段は前記変動の周期的成分を検出して前記停
電の有無の判定を行うものであることを特徴とする。
【0011】第4の系統連系インバータ装置は、第1〜
第3のいずれかの系統連系インバータ装置において、前
記系統停電判定手段は前記変動が所定の閾値を越えた場
合に前記系統の停電が生じたと判定するものであること
を特徴とする。
【0012】第5の系統連系インバータ装置は、第1〜
第3のいずれかの系統連系インバータ装置において、前
記系統停電判定手段は前記変動が所定の閾値を越え、さ
らにこの閾値を越えた状態が所定の時間継続した場合に
前記系統の停電が生じたと判定するものであることを特
徴とする。
【0013】第6の系統連系インバータ装置は、第4ま
たは第5の系統連系インバータ装置において、前記系統
停電判定手段は前記閾値として複数のものを用いて前記
停電の判定を行うものであることを特徴とする。
【0014】第7の系統連系インバータ装置は、第4〜
第6のいずれかの系統連系インバータ装置において、前
記系統停電判定手段は、系統連系開始以前に、連系する
系統の電圧波形に含まれる系統周波数以下の所定の低周
波の成分を抽出し、この抽出結果を前記閾値に反映させ
るものであることを特徴とする。
【0015】第8の系統連系インバータ装置は、第1〜
第7のいずれかの系統連系インバータ装置において、前
記系統停電判定手段は前記変動の検出として、前記イン
バータの出力電圧波形または出力電流波形の波高値、平
均値または実効値における系統周波数以下の所定の低周
波成分の抽出を行うものであることを特徴とする。
【0016】第9の系統連系インバータ装置は、第8の
系統連系インバータ装置において、前記系統停電判定手
段は前記低周波成分の抽出を、前記出力電圧波形または
出力電流波形の波高値、平均値または実効値のフーリエ
変換により行うものであることを特徴とする。
【0017】第10の系統連系インバータ装置は、第9
の系統連系インバータ装置において、前記系統停電判定
手段は前記低周波成分として、前記フーリエ変換によっ
て得られるスペクトルに基づき、前記波高値、平均値ま
たは実効値の実際の変動周波数の成分に相当するものを
抽出するものであることを特徴とする。
【0018】そして、第11の系統連系インバータ装置
は、入力される直流電力を交流電力に変換して出力する
インバータ部、前記インバータ部の入力端子間を平滑化
するコンデンサ、前記コンデンサの端子間電圧を検出す
る第1電圧検出手段、前記第1電圧検出手段の第1電圧
検出値が所定値となるよう前記インバータ部の出力を制
御する電圧制御手段を具備し、出力電圧を維持する手段
を有しない系統連系インバータ装置において、前記イン
バータ部の出力電圧を検出する第2電圧検出手段および
/または前記インバータ部の出力電流を検出する電流検
出手段と、前記第2電圧検出手段からの第2電圧検出値
および/または前記電流検出手段からの電流検出値とに
基づいて、系統停電時に前記電圧制御手段の電圧一定制
御に起因する変動を検出し、前記変動により系統の停電
を判定する系統停電検出手段とを有し、前記系統停電検
出手段からの停電検出信号により運転を停止することを
特徴とする。
【0019】また、本発明の系統連系電源システムは、
直流電源、前記直流電源から供給される直流電力を交流
電力に変換して出力する本発明の第1〜第11のいずれ
かの系統連系インバータ装置、および系統と前記系統連
系インバータ装置との間の接続を開閉する開閉手段を備
え、前記系統連系インバータ装置の系統停電判定手段
が、前記系統が停電であると判定したとき、前記開閉手
段により前記系統から前記系統連系インバータ装置を解
列することを特徴とする。
【0020】また、本発明の太陽光発電システムは、本
発明の系統連系電源システムを備えており、その直流電
源が太陽電池を用いたものであることを特徴とする。
【0021】また、本発明の系統の停電検出方法は、入
力される直流電力を交流電力に変換して出力するインバ
ータ部および前記インバータ部への入力電圧を一定に制
御する制御手段を備えた系統連系インバータ装置におけ
る系統の停電検出方法であって、前記系統の停電時に前
記制御手段による制御に起因して生じる前記インバータ
の出力電圧または出力電流の変動を検出して前記系統の
停電の有無を判定することを特徴とする。
【0022】これら本発明の構成において、インバータ
部の出力電圧を維持する機能を有しない場合、電圧源で
ある系統が停電でない状態では、インバータ部の出力電
力はインバータ部の出力電流に比例する。しかし、電圧
源である系統が消失した停電状態では、インバータ部の
出力電圧も出力電流に比例して変化するため、出力電力
は出力電流の二乗に比例して変化する。その場合、イン
バータ部の入力電圧を一定にする制御手段による制御
は、系統が停電でない状態を想定しているため、上記の
ような停電状態におけるインバータ部の出力電力の変化
に対応できず、インバータ部の入力電圧をオーバーシュ
ートして制御するものとなる。すなわち、停電直後か
ら、制御手段のオーバーシュートした制御による変動が
インバータ部の出力電圧および出力電流に発生する。系
統停電判定手段はこの変動を検出して系統の停電の有無
を判定する。
【0023】これによれば、系統の消失直後から発生す
る変動を検出して停電の判定を行うため、判定が高速に
行われる。また、この変動は系統の消失により不安定化
するインバータ部の入力電圧の一定制御によって発生す
るため、インバータ部の出力電力と負荷消費電力とがバ
ランスする付近においても停電の検出が可能であり、不
検出領域は狭い。さらに、従来の能動的方式のように、
外乱発生によりインバータ部の出力電力を常時変動させ
ることがないため、システム効率を下げることなく、直
流電源側の大きな有効電力等の変動を伴うこともない。
また、系統停電判定手段は、インバータ部の出力電圧ま
たは出力電流の変動を検出するために、インバータ部に
既存の出力電圧または出力電流の検出手段を用いること
ができるため、装置構成はソフトウエアの追加のみで実
現可能である。したがって、装置は安価に構成されるこ
とになる。
【0024】
【実施例】[実施例1]以下、図面を参照して本発明の
実施例を説明する。図2は、本発明の第1の実施例に係
る系統連系インバータを用いた太陽光発電システムの構
成を示す図である。この系統連系された太陽光発電シス
テムは、入力される太陽電池1からの直流電力を交流電
力に変換して出力するインバータ部4およびインバータ
部4の入力電圧を一定に制御する制御手段10等を備え
た電圧形電流制御の系統連系インバータ7を具備し、さ
らに、系統連系インバータ7が連系する系統9の停電時
に制御手段10による制御に起因して生じるインバータ
部4の出力電圧または出力電流の変動を検出して系統9
の停電の有無を判定する系統停電判定手段を具備する。
系統停電判定手段は制御手段10等によって構成されて
いる。系統連系インバータ7の発電電力は負荷8で消費
される。
【0025】太陽電池1は、一次電池や二次電池、燃料
電池などの各種直流電源であってもよい。また、回転形
発電機等の各種交流電源を整流したもの、またはこれら
の組合せであっても何ら問題はない。さらに、これら直
流電源や交流電源は電圧源か電流源かは問わない。
【0026】太陽電池1はアモルファスシリコン、微結
晶シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコン、これら
の組合せ、化合物半導体などを用いた各種太陽電池であ
る。通常は複数の太陽電池モジュールを直並列に組み合
わせて、所望の電圧および電流が得られるようにアレイ
構成を行うが、本発明では構成や数量の制限はない。
【0027】系統連系インバータ7(以下、「インバー
タ7」という。)は、主として太陽電池1からの入力直
流電圧を昇降圧するためのコンバータ部2、コンバータ
部2の出力である直流電力を交流電力に変換してインバ
ータ7の出力とするインバータ部4、インバータ部4を
制御する制御手段10、制御手段10からの制御信号に
よりインバータ部4のスイッチング素子を駆動し、さら
に制御手段10からの停止信号により前記スイッチング
素子を停止するゲート駆動回路11、系統9からインバ
ータ7を解列する手段である遮断器14、および遮断器
14の駆動回路である遮断器駆動回路13で構成され
る。コンバータ部2やインバータ部4は、パワートラン
ジスタ、MOSFET、IGBT、GTO、あるいはこ
れらの組合せを含む各種自己消弧形スイッチング素子
と、コイルやコンデンサあるいはダイオードといった素
子等で構成される。
【0028】コンバータ部2は、コンデンサ12、コン
デンサ15、インダクタ16、ダイオード17およびス
イッチング素子18で構成される一般的なチョッパ回路
である。コンデンサ12は、コンバータ部2の出力部と
インバータ部4の入力部を接続する平滑コンデンサであ
り、端子間電圧はVLである。コンデンサ15は太陽電
池1の出力を平滑化する平滑コンデンサである。インダ
クタ16は昇圧用インダクタである。スイッチング素子
18はコンバータ部2のチョッパであり、そのスイッチ
ングによりコンデンサ15の端子間電圧が昇圧される。
ダイオード17はコンバータ部2の昇圧時の逆流防止用
である。
【0029】インバータ部4は、スイッチング素子21
〜24ならびにインダクタ19およびインダクタ20で
構成される。スイッチング素子21〜24はフルブリッ
ジ回路を構成しており、この回路は矩形波状の交流電圧
波形を出力する。インダクタ19およびインダクタ20
は連系リアクトルであり、前記矩形波状の交流電圧波形
を正弦波状に整形する。
【0030】図中の電圧検出手段3はインバータ部4の
入力電圧の検出手段であり、入力電圧信号SV3を制御
手段10へ出力する。電流検出手段5はインバータ7の
出力電流の検出手段であり、出力電流信号SI5を制御
手段10へ出力する。電圧検出手段6はインバータ7の
出力電圧の検出手段であり、出力電圧信号SV6を制御
手段10へ出力する。
【0031】負荷8は、電熱負荷や電動機負荷などの電
力を消費する各種負荷もしくはこれらの負荷と他の分散
形の系統連系発電システム群であってもよい。また、系
統9は商用系統であり、この系統には他の分散形の系統
連系発電システム群や、前記負荷群が接続されていても
何ら問題はない。
【0032】図2では省略したが、コンバータ部2のス
イッチング素子を駆動するための駆動回路および制御手
段も必要である。なお、これらの構成は制御手段10や
ゲート駆動回路11と同様に構成できるが、制御手段1
0の処理能力に余裕があるならば制御手段10で兼用し
てもよい。
【0033】以下、インバータ7の詳細を説明する。図
3は制御手段10の機能ブロック図である。制御手段1
0は、図3で示されるように、A/D変換器101、マ
イコン102およびDSP103で構成される。A/D
変換器101はインバータ7の出力電流信号SI5およ
び出力電圧信号SV6をそれぞれディジタルデータS1
およびS2に変換する。
【0034】図5は、DSP103の機能ブロック図で
ある。DSP103では、ピーク検出器1032でディ
ジタルデータS1およびS2の波高値(ピーク値)S8
およびS9が抽出され、それぞれ周波数解析1031へ
出力される。周波数解析1031は、波高値S8および
S9に対する周波数解析の結果S3およびS4を、それ
ぞれマイコン102へ出力する。また、エラーアンプ部
1033は、マイコン102で作成されたインバータ7
の出力電流指令値S5と電流検出手段5で検出されたイ
ンバータ7の出力電流信号S1の差分を増幅し、電流誤
差値S10としてPWM演算器1034へ出力する。P
WM演算器1034は、電流誤差値S10よりインバー
タ部4のPWM信号S6を作成し、ゲート駆動回路11
へ出力する。
【0035】図4はマイコン102の機能ブロック図で
ある。マイコン102は、レベル比較器1022におい
て、DSP103から出力された波高値の周波数解析結
果S3および/またはS4に基づいて停電の判定を行
う。カウンタ1023では、判定結果をカウントし、停
電条件を満たすカウントで、インバータ7の停止信号を
遮断器駆動回路13およびゲート駆動回路11へ出力す
る。また、電圧検出手段3で検出された電圧信号SV3
は、A/D変換器1024においてディジタルデータに
変換され、コンデンサ12の端子間電圧VLの電圧設定
値1021との誤差が算出され、電流指令値算出器10
25へ出力される。算出器1025は、前記誤差がゼロ
となるようなインバータ7の出力電流指令値S5をDS
P103へ出力する。
【0036】ゲート駆動回路11はインバータ部4のス
イッチング素子の駆動回路であり、PWM信号S6に基
づいてゲート制御信号として必要なパルス信号をインバ
ータ部4のスイッチング素子21〜24のゲートG1〜
G4へ出力する。また、制御手段10から出力された停
止信号により、インバータ7をゲートブロックする。上
記の制御手段10の制御により、インバータ7のインバ
ータ部4の入力電圧VLは一定に保たれる。
【0037】遮断器駆動回路13は遮断器14の駆動回
路である。遮断器14は、制御手段10からの前記停止
信号を受けてインバータ7を系統9より解列する開閉器
である。なお、遮断器14としては機械式スイッチ、半
導体スイッチ等が使用でき、遮断の手段の如何を問わな
い。
【0038】次に、本発明者等が発見した、インバータ
部4の入力電圧を一定に制御することに起因してインバ
ータ7の出力電圧および出力電流の波高値に生じる変動
の発生メカニズムの詳細を説明する。
【0039】図6はインバータ部4の入力電圧VLを一
定に保つ制御(以下、「VL一定制御」という。)を概
念的に示すフローチャートである。制御手段10は上述
したように、電圧VLを監視し(ステップS1)、電圧
設定値1021と電圧VLとの誤差がゼロとなるように
インバータ7の出力電流を制御する(ステップS2およ
びS3)。しかし、その場合の制御アルゴリズムは、系
統9が停電ではない状態、すなわちインバータ7の出力
電圧が常に一定で、出力電流と出力電力が比例関係にあ
ることを前提としているため、停電後では電圧VLを一
定に保つことができず、インバータ7の出力電圧および
出力電流に、VL一定制御に起因する周期的な波高値の
変動が生じることになる。
【0040】図7は図2で示した太陽光発電システムの
概念図であり、同図(A)は停電前(買電状態)、同図
(B)は停電後の状態を示す。系統停電前である同図
(A)において系統9から負荷8へ供給されていた電流
I0は、停電後、同図(B)で示すように消失するが、
インバータ7の出力電流I1は停電の瞬間は一定制御さ
れ、負荷電圧V1はV2(V1>V2)へ低下する。こ
の結果、インバータ7の出力電圧が低下して出力電力も
減少する。したがって、インバータ7の出力電力に対し
て入力電力が過多となり、コンデンサ12の端子間電圧
VLは電圧設定値1021を越えて上昇する。
【0041】ここで、VL一定制御によりインバータ部
4の出力電流が増加されるが、停電下では電圧源である
系統9が消失しているため、インバータ7の出力電流と
共にインバータ7の出力電圧が上昇し、実際の出力電力
はVL一定制御における制御アルゴリズムの想定する値
を越えて上昇してしまう。その結果、インバータ7は入
力電力に対して出力電力が過多となり、コンデンサ12
の端子間電圧VLは電圧設定値1021を越えて低下す
る。
【0042】以上のように、系統9が停電ではない状態
を前提としたVL一定制御、つまり図6の制御ループa
に相当する制御により、停電下においては、インバータ
7の出力電流がオーバーシュートして制御され続ける。
したがって、出力電流の波高値に(平均値や実効値に
も)一定周期の変動が発生する。また、停電下では電圧
源である系統9が消失しているため、インバータ7の出
力電圧にも同様の変動が発生する。上記の例と逆に、系
統9への売電状態で系統9が停電した場合でも、前記制
御ループaに相当するVL一定制御に起因して同様の変
動が発生する。
【0043】本実施例では、このような一定周期の変動
を検出し、これに基づいて停電の判定を行う。図1は停
電判定の方法を示すフローチャートである。まず、停電
判定方法の概要を、図1を用いて説明するが、各設定し
た値等の詳細は後記する。
【0044】連系開始後、まずステップST1におい
て、カウンタ1023のカウントnをゼロクリアする。
次にステップST2において、インバータ7の出力電圧
をサンプリングする。ステップST3において、出力電
圧の波高値を抽出する。そしてステップST4におい
て、前記波高値のFFT解析を行い、波高値の変動成分
である22.5[Hz]成分を抽出する。次に、ステッ
プST5において、前記変動成分と既設の閾値2[V]
を比較し、変動成分が閾値以上の場合はステップST6
へ進み、閾値未満の場合はステップST1へ戻る。
【0045】ステップST6では、カウントnを+1す
る。そして、ステップST7において、カウントnが所
定値37以上であるか否かを判定し、37以上の場合は
ステップST8へ進み、37未満の場合はステップST
2へ戻る。すなわちステップST7により、後記する停
電の判定時間である0.3[sec]の間、前記変動成
分が継続して前記閾値を越えていたか否かを判断し、越
えていた場合は停電であるとみなし、ステップST8に
おいてインバータ7の運転を停止する。
【0046】この停電の判定方法では、インバータ7は
その出力電圧の波高値の変動を検出し、変動成分が閾値
2[V]以上でかつその状態が37回継続した場合をも
って停電であると判定し、インバータ7のゲートブロッ
クを停止し、またはインバータ7を系統9より解列する
ようにしている。なお、所定値37の意味するところは
判定時間であり、その選定方法等については後ほど説明
する。
【0047】次に、前記波高値の抽出方法の詳細につい
て説明する。図8は、インバータ7と負荷8との電力バ
ランス状態下でのインバータ7の出力電圧を実測した波
形図であり、図9は前記電圧波形の絶対値の波形図であ
る。図8および図9ともに、時刻ゼロ以降が系統の停電
を示しており、横軸は時間軸で、単位は[sec]であ
る。また、縦軸はインバータ7の出力電圧を示し、単位
は共に[V]である。本例では図8に示すインバータ7
の出力電圧波形の波高値を抽出するが、その抽出方法
を、図10の波高値S2Max(1)の抽出を例とし
て、図11のフローチャートを用いて説明する。
【0048】図10はインバータ7の出力電圧波形の波
高値の抽出方法を概念的に示す図である。横軸は時間軸
であり、時刻ゼロで連系を開始している。縦軸はインバ
ータ7の出力電圧波形をサンプリングした結果であるデ
ィジタルデータS2の大きさを表す。図11はピーク検
出器1032において行われる前記波高値S2Max
(1)の抽出方法を示すフローチャートである。なお、
図11中のmの初期値は1、Qの初期値はゼロである。
【0049】以下、図11のフローチャートに沿って説
明する。系統連系が開始された後、まずステップST9
において、インバータ7の出力電圧をサンプリングし、
S2(m)に代入する。次にステップST10におい
て、mにm+1を代入する。ステップST11におい
て、再度インバータ7の出力電圧をサンプリングする。
そしてステップST13において、ディジタルデータS
2(m)とディジタルデータS(m−1)とを乗算し、
その結果がゼロ以下の場合はステップST14へ進み、
ゼロより大きい場合はステップ12へ進む。ステップS
T12ではmにm+1を代入し、ステップST11へ戻
る。
【0050】以上のステップST9〜ST13は、ディ
ジタルデータS2が最初にゼロクロスした次の点(もし
くはゼロクロス点)、すなわち図10のデータP1から
波高値の抽出を始めるための処理である。この処理を行
うのは、図10の時刻ゼロ(連系開始)からP0までの
間に、前記電圧波形の波高値が含まれない可能性がある
ためである。したがって、連系点電圧のゼロ点からイン
バータ7が運転を開始する場合は、この処理は省略可能
である。
【0051】次にステップST14において、変数Q
を、ゼロを代入して初期化する。ステップ15におい
て、mにm+1を代入する。ステップST16におい
て、インバータ7の出力電圧をサンプリングする。そし
てステップST17において、ディジタルデータS2
(m)と変数Qを比較し、ディジタルデータS2(m)
が変数Qより大きい場合はステップST18へ進み、変
数Q以下の場合はステップ19へ進む。ステップST1
8では、変数QにディジタルデータS2(m)の絶対値
|S2(m)|を代入する。ステップST19では、デ
ィジタルデータS2(m)とディジタルデータS2(m
−1)を乗算し、その結果がゼロ以下の場合はステップ
ST19へ進み、ゼロ未満の場合はステップST15へ
戻る。以上のステップST14〜ST19により、ディ
ジタルデータS2(1)からディジタルデータS2
(m)までの間の絶対値の最大値が求められる。
【0052】ステップST20では、最後に残された変
数Qすなわちインバータ7の出力電圧の波高値である図
10のS2Maxが抽出される。そして、変数Qが波高
値S9としてピーク検出器1032より出力される。こ
の波高値の抽出方法により、図8の波高値の絶対値、す
なわち図9の波高値がピーク検出器1032より出力さ
れる。
【0053】本例では、サンプリングは7[kHz]程
度の周波数で行っているが、特にこの値に限定されるも
のではない。望ましくはA/D変換器の処理能力を考慮
する必要があるが、電圧信号SV6は商用周波数である
ため、サンプリング周波数は数[kHz]〜10[kH
z]程度で十分である。また、A/D変換器1024に
ついても同様のサンプリング周波数の選定方法で何ら問
題はない。
【0054】次に、停電の判定基準の詳細な部分であ
る、前記停電の判定時間、閾値ならびにFFT解析のサ
ンプリング周波数およびサンプル数について説明する。
初めに判定時間の設定方法について説明する。判定時間
は、現在、認証試験において、単独運転検出機能の受動
的方式に対して規定されている停電検出時間0.5[s
ec]以下という条件に沿って、0.3[sec]とし
ている。そして、図9より波高値の変動成分を実測した
結果、変動は20[Hz]程度であることから、その周
波数成分もしくはその近傍が抽出可能なFFTのサンプ
ル数Nを、後で述べるように16点とし、抽出する周波
数成分を約22.5[Hz]に設定している。なお、本
実施例では商用周波数が60[Hz]であるが、商用周
波数が50[Hz]の場合は、変動成分は20[Hz]
以下である。以上の条件で波高値の変動をFFT解析し
た結果(後記の図15)から、停電検出時間が0.5
[sec]以下を達成可能な閾値として、図12で示す
ように、2[V]に設定している。
【0055】図12は、系統停電前後における波高値の
FFT解析結果のうち、22.5[Hz]成分の推移を
示す概念図である。横軸は時間軸で、時刻ゼロ以降が停
電状態を表し、単位は[sec]である。また、縦軸は
22.5[Hz]成分のスカラ量であり、単位は[V]
である。図中の検出時間とは、停電の発生から停電の検
出が完了するまでの期間である。判定時間とは、22.
5[Hz]成分が閾値2[V]を継続的に越え、停電状
態であると判定されるまでの期間である。
【0056】次に、FFT解析のサンプリング周波数お
よびその設定方法を説明する。FFT解析のサンプリン
グ周波数すなわち図9に示す波高値の周波数は、停電前
後でインバータ7の出力電圧周波数が一定であるものと
して、120[Hz](=60×2)としている。ま
た、サンプル数Nは、1回のサンプリング時間T×N
が判定時間0.3[sec]以下であること、および、
図9の波高値の変動成分が20[Hz]近傍であるこ
との2点を考慮して、図13で示されるように16点と
している。
【0057】図13は、FFT解析の際のサンプル数
N、サンプリング周期T、解析結果のスペクトル間隔△
fおよびサンプリング時間T×Nの一覧表である。スペ
クトル間隔△fとは、図14で示すFFT解析結果の各
スペクトルの間隔である。図14は停電中の波高値のF
FT解析結果を示す概念図であり、横軸は周波数で、単
位が[Hz]、縦軸はスペクトルの大きさを表す。
【0058】ここで、サンプリング時間とは、サンプリ
ング周期Tにサンプル数Nを掛け合わせたものであり、
各サンプル数N(4点、16点、64点)をサンプリン
グするのに要する時間を表す。また、上記の通り、1回
のFFT解析は16点の波高値データで行うが、図9で
示すように、1つ前の解析で用いた16点のデータのう
ち、常に最も古い1点のデータと最新の波高値データ1
点とを入れ替えてFFT解析を行う。この処理は周波数
解析1031に新たな波高値のデータ1点が入力される
度に繰り返される。したがって、検出時間0.3[se
c]では、FFT解析処理が37回(36+1回)繰り
返されることになる。
【0059】なお、波高値の変動の周期は一般的に前記
VL一定制御の制御ループaおよびインバータ7のコン
デンサ12の静電容量によって決定されるため、本発明
の実施の際には、本例と同様に波高値の変動周波数を実
測するか、あるいはインバータ7の前記制御ループaと
コンデンサ12に相当するコンデンサの静電容量から変
動周波数を計算するかのいずれかの方法を選択するとよ
い。また、回路シミュレーション等の方法を用いて変動
周波数を求めても何ら問題はない。また、波高値の変動
周波数は一般的に商用周波数以下であるため、抽出する
周波数帯域は50〜60[Hz]以下が望ましい。ま
た、本実施例では商用周波数を60[Hz]と設定した
が、50[Hz]であっても何ら問題はない。
【0060】また、波高値の変動周波数成分を、LCフ
ィルタを使用したバンドパスフィルタを用いて抽出する
方法や、CRフィルタを用いるようなアナログ的構成に
より抽出することも可能である。要は、所定の周波数成
分の抽出が行えることが肝要である。
【0061】また、本実施例では周知の周波数解析方法
として演算速度が高速なFFT解析法を用いているが、
この代わりに他の周波数解析法を用いても何ら問題はな
い。例えば、演算速度はFFTに及ばないが、サンプリ
ング数の自由度が高い周知のDFT解析法を用いてもよ
い。
【0062】また、上記で設定した各値は特にこれらの
値に限定されるものではなく、望ましくは、判定時間お
よび閾値と停電誤検出とのトレードオフの関係を考慮し
た上で、判定時間はより短く、閾値はより低い方がより
好ましい。
【0063】さらに、本実施例では、インバータ7の出
力電圧波形における波高値の変動を検出して系統の停電
を判定しているが、この代わりに、インバータ7の出力
電流波形の波高値の変動を用いて判定しても何ら問題は
ない。また、波高値以外の平均値や実効値などを用いる
方法を使用してもよく、VL一定制御に起因するインバ
ータ7の出力電圧波形または出力電流波形の周期変動を
検出できる方法であれば検出方法は問わない。
【0064】また、図14の抽出結果の各成分に重み付
け等の演算を施して停電の判定を行うことにより、より
正確な停電の判定が可能となる。本実施例ではFFT解
析結果のうち、停電判定に用いる成分を22.5[H
z]に設定しているが、波高値の変動周波数はこれより
若干低い20[Hz]程度である。したがって図14に
おいて破線で示した20[Hz]の成分を抽出できれば
最善であるが、図13で示すようにスペクトル間隔△f
はサンプリング時間T×Nに依存するため、20[H
z]成分の抽出は不可能である。そこで、図14に示す
各スペクトルに重み付け等の演算を施すことにより20
[Hz]の成分を推測値として算出し、この結果を停電
の判定に用いれば、さらに誤検出の少ない系統の停電の
判定が可能となる。
【0065】次に、以上示した判定方法および判定基準
による停電の判定が有効であることを検証した結果につ
いて説明する。図15は、実測した系統停電前後におけ
る波高値のFFT解析結果のうちの22.5[Hz]成
分の推移を示す図であり、各軸が示す変量や単位は図1
2の場合と同様である。測定は、インバータ7が単独運
転状態に最も陥り易いとされる、インバータ7の出力電
力と負荷8の消費電力がほぼバランスする状態で行って
おり、負荷8は純抵抗負荷である。また、本検証では、
インバータ7のMPPT機能ならびに他の受動的方式お
よび能動的方式の単独運転検出機能は使用していない。
【0066】検証結果を示す図15では、停電発生後、
約0.08[sec]で変動成分が閾値2[V]を越え
た状態となり、その後、判定時間である0.3[se
c]を経過した時点、すなわち停電発生から約0.38
[sec]で停電の判定が終了している。変動成分の増
加は前記電力バランスの状態で顕著に現れることから、
本実施例の方法は、不検出領域の狭い系統停電検出方法
であることが確認されたことになる。
【0067】以上のように、本実施例では、系統連系さ
れた電圧形電流制御のインバータ7において、系統停電
時に発生するインバータ部4の入力電圧一定制御に特有
のインバータ7の出力変動を利用している。このため、
通常は出力の変動が無いのでシステム効率が低下せず、
停電時には狭い不検出領域により短い停電検出時間で停
電を検出することができる。また、ソフトウエア上の処
理のみで実現可能なため、安価である。また、波高値の
変動成分の周期的成分を検出するようにしているため、
誤検出が少ない。さらに、停電判定のための閾値を適切
に設定することにより、誤検出がさらに減少する。ま
た、停電判定のための一定の判定時間を設けることによ
って誤検出が減少し、閾値の設定の自由度が増すため、
一層誤検出を減らすことが可能となる。また、波高値の
変動を抽出するようにしたため、容易な変動の抽出が可
能となる。また、変動成分の抽出方法として、周知のF
FT解析を用いることにより、高速で、かつより少ない
演算量で変動を抽出できるため、制御手段10のDSP
処理の負担を軽減することができる。さらには、誤検出
が減少し、閾値の設定の自由度も増すため、一層誤検出
を減らすことが可能となる。
【0068】[実施例2]次に、本発明の第2の実施例
について説明する。本実施例は、インバータ7が出力す
る電圧波形の波高値の周期変動を抽出し、抽出結果と既
設の閾値を比較して系統停電を判定する点では実施例1
と同様である。ただし、本実施例は、実施例1と同レベ
ルの第1の閾値と、この閾値より高いレベルの第2の閾
値を設けるとともに、各閾値に対応した2つの判定時間
を設け、これら2つの閾値と2つの判定時間により停電
の判定を行う点が実施例1と異なる。なお、電圧波形の
波高値の周期変動の代わりに、電流波形の波高値の周期
変動を用いても何ら問題はない。
【0069】図16の(a)は図9の波高値についての
FFT解析結果のうちの、系統停電前後における22.
5[Hz]成分の推移を示しており、(b)は系統の停
電直後からこの周波数成分が急上昇した場合の推移を示
している。図16の各軸が示す変量および単位は図12
の場合と同様である。
【0070】図17は本実施例に係る停電判定方法を示
すフローチャートである。同図において、図1の場合と
同様の処理ステップについては同一の符号を付してあ
る。同図に示すように、系統連系を開始すると、図1の
場合と同様に、ステップST1〜ST4において、イン
バータ7からの出力電圧の波高値の変動成分である2
2.5[Hz]成分を抽出する。次に、ステップST2
1において、抽出した成分と第2の閾値を比較し、閾値
以上の場合はステップST8へ進み、閾値未満の場合は
ステップST5へ進む。ステップST5〜ST8の処理
は図1の場合と同様である。
【0071】この判定方法では、インバータ7はその出
力電圧の波高値の変動を検出し、変動成分が第2の閾値
以上の場合は即時(判定時間がゼロ[sec])にイン
バータ7を停止する。また、第2の閾値未満の場合は、
実施例1の場合と同様の停電判定を行い、その判定結果
に応じてインバータ7を停止する。
【0072】本実施例によれば、図16(b)で示され
るように、連系後に前記周波数成分が急上昇した場合
は、より高速な停電判定が可能となる。また、適切な閾
値を複数設けることにより、さらに高速な系統停電検出
方法を提供することができる。また、閾値は3つ以上あ
ってもかまわない。適切な閾値の設定と、閾値に対応し
た適切な判定時間の設定を行えば、閾値を増やすことに
より、さらに誤検出が少なく、判定時間のより短い系統
停電検出が可能となる。
【0073】[実施例3]次に、本発明の第3の実施例
について説明する。本実施例は、インバータ7が出力す
る電圧波形の波高値の周期変動を抽出し、抽出結果と既
設の閾値を比較して系統停電を判定する点では実施例1
と同様である。ただし、本実施例は、インバータ7の連
系開始時および/またはそれ以前に、連系する系統の電
圧波形に含まれる系統周波数以下の低周波の成分を抽出
し、抽出結果を停電の判定に使用する閾値に反映させる
点が実施例1と異なる。
【0074】図18は連系点付近での負荷の投入や解列
等の影響により、系統9の停電以前から、波高値の変動
成分である22.5[Hz]成分が、実施例1および実
施例2の場合と比較して1[V]大きい1.2[V]で
ある場合における変動成分の推移の概念図である。縦軸
および横軸が示す変量および単位は、図12の場合と同
様である。
【0075】本実施例では、連系する系統9の状態をイ
ンバータ7が把握し、停電の判定に用いる成分として一
定以上の大きさのものを系統9が有している場合、自動
的にあらかじめ、系統9の停電を判定するための閾値を
引き上げて、雑音余裕の改善を図っている。具体的に
は、実施例1の場合と同様の雑音余裕1.8[V]
(1.8[V]=2[V]−0.2[V])を確保する
ために、閾値を1[V]引き上げ、3[V]としてい
る。なお、一般的に、雑音余裕はこの1.8[V]に限
定されるものではなく、停電の不検出と誤検出とのトレ
ードオフの関係および前記検出時間を考慮して設定する
とよい。
【0076】本実施例によれば、連系する系統9の状態
に関わらず、最適な閾値を設定することができ、したが
ってより誤検出の少ない系統停電検出方法を提供するこ
とができる。なお、波高値以外の平均値や実効値などの
変動成分を判定に使用してもよく、VL一定制御に起因
するインバータ7の出力電圧波形または出力電流波形の
周期変動を検出できれば検出方法は問わない。
【0077】なお、以上の3つの実施例では、系統9が
交流系統の場合について示したが、系統9が直流系統の
場合でも、それが電圧源と見なせるような場合であれ
ば、直流系統停電時に、この直流系統に連系する電力変
換装置の出力電圧や出力電流にVL一定制御に起因する
同様の変動が発生するので、本発明を適用することがで
きる。
【0078】
【発明の効果】本発明によれば、以下の効果が得られ
る。 (1)系統停電時に特有のインバータ部の出力変動を系
統停電の判定に利用しているため、通常時における出力
変動が無く、システム効率が低下せず、不検出領域が狭
く、かつ停電検出時間が短い系統停電の判定を行うこと
ができる。またソフトウエア上の処理のみで実現可能で
あるため、装置を安価に構成することができる。 (2)また、インバータ部の出力変動の周期的成分を検
出して停電の判定を行うようにしているため、停電の誤
検出を少なくすることができる。 (3)また、停電判定用の閾値を適切に設定することに
より、誤検出をさらに減少させることができる。 (4)また、停電の判定に一定の判定時間を設けたた
め、誤検出を減少させ、停電判定用の閾値設定の自由度
を増大させることができる。したがって、一層、誤検出
を減らすことができる。 (5)また、停電判定用の閾値を複数設けたため、検出
時間がより短い停電判定を行うことができる。
【0079】(6)また、インバータ部の出力電圧また
は出力電流の変動として、波高値の変動を抽出して用い
るようにしたため、変動の抽出を容易に行うことができ
る。あるいは平均値や実効値の変動を抽出して用いるよ
うにしたため、ノイズに強い変動の抽出を行うことがで
きる。また、実効値を抽出する場合は、変動成分の電力
を算出することができるため、この算出結果とインバー
タ部の入力部の変動電力との比較が可能となり、この比
較結果を用いることによって、著しく誤検出を減少さ
せ、さらに不検出領域を減少させることができる。 (7)また、前記変動の抽出に周知のフーリエ変換を用
いるようにしたため、高速かつより少ない演算量で変動
の抽出を行い、制御手段におけるDSP処理の負担を軽
減することができる。 (8)また、前記フーリエ変換の解析結果のスペクトル
に重み付けを行う等により、実際の変動周波数の成分に
相当するものを抽出することによって、さらに誤検出の
少ない系統の停電の判定を行うことができる。 (9)また、系統の状態に応じて停電判定用の閾値を変
更するようにしたため、雑音余裕を最適な値に設定する
ことが可能となり、誤検出を非常に少なくし、停電検出
時間が短い系統停電の判定を行うことができる。 (10)さらに、出力電圧維持機能(出力電圧を維持す
る手段)を有さないインバータをインバータ7に用いる
ことで、VL一定制御に起因する出力電圧および/また
は出力電流の変動がより顕著化するため、誤検出を非常
に減らせる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図2の装置における系統停電の判定処理を示
すフローチャートである。
【図2】 本発明の第1の実施例に係る系統連系インバ
ータを用いた太陽光発電システムの構成図である。
【図3】 図2の装置のインバータにおける制御手段の
構成を示すブロック図である。
【図4】 図2の装置のインバータにおける制御手段の
マイコンの構成を示すブロック図である。
【図5】 図2の装置のインバータにおける制御手段の
DSPの構成を示すブロック図である。
【図6】 図2の装置のインバータにおける入力電圧の
一定制御を示すフローチャートである。
【図7】 図2の太陽光発電システムの概念図である。
【図8】 図2の装置におけるインバータの系統停電前
後における出力電圧の波形図である。
【図9】 図2の装置におけるインバータの系統停電前
後における出力電圧の絶対値の波形図である。
【図10】 図2の装置におけるインバータの出力電圧
波形の波高値抽出方法を示す概念図である。
【図11】 図2の装置におけるインバータの出力電圧
波形の波高値抽出方法を示すフローチャートである。
【図12】 図2の装置のインバータにおける波高値の
変動成分の系統停電前後における推移を示す概念図であ
る。
【図13】 図2の装置におけるFFT解析のサンプリ
ングに関する一覧表である。
【図14】 図2の装置のインバータにおける波高値の
変動成分の系統停電下におけるスペクトルの概念図であ
る。
【図15】 図2の装置のインバータにおける波高値の
変動成分の系統停電前後における推移を示す実測結果を
示すグラフである。
【図16】 図2の装置のインバータにおける波高値の
変動成分の系統停電前後における推移、および系統の停
電直後からこの変動成分が急上昇した場合の推移を示を
示すグラフである。
【図17】 本発明の第2の実施例に係る系統停電判定
処理を示すフローチャートである。
【図18】 本発明の第3の実施例に係る波高値の変動
成分の系統停電前後における推移および閾値の設定方法
を示すグラフである。
【符号の説明】
1:太陽電池、2:コンバータ部、3:電圧検出手段、
4:インバータ部、5:電流検出手段、6:電圧検出手
段、7:系統連系インバータ、8:負荷、9:系統、1
0:制御手段、12:コンデンサ、14:遮断器。
フロントページの続き (72)発明者 黒神 誠路 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 竹原 信善 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 真鍋 直規 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 Fターム(参考) 5G066 HA11 HB06 5H007 AA06 BB07 CA02 CB05 CC12 DA05 DB02 DB07 DC02 DC05 EA02 FA02 5H420 CC03 DD03 EA12 EA49 EB04 EB09 EB26 EB39 FF03 FF04 FF25

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力される直流電力を交流電力に変換し
    て出力するインバータ部および前記インバータ部の入力
    電圧を一定に制御する制御手段を備えた系統連系インバ
    ータ装置において、系統の停電時に前記制御手段による
    制御に起因して生じる前記インバータ部の出力電圧また
    は出力電流の変動を検出して前記系統の停電の有無を判
    定する系統停電判定手段を具備することを特徴とする系
    統連系インバータ装置。
  2. 【請求項2】 前記インバータ部の出力電圧を維持する
    手段を有しないことを特徴とする請求項1に記載の系統
    連系インバータ装置。
  3. 【請求項3】 前記系統停電判定手段は前記変動の検出
    としてその周期的成分の検出を行って前記停電の有無の
    判定を行うものであることを特徴とする請求項1または
    2に記載の系統連系インバータ装置。
  4. 【請求項4】 前記系統停電判定手段は前記変動が所定
    の閾値を越えた場合に前記系統の停電が生じたと判定す
    るものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    1項に記載の系統連系インバータ装置。
  5. 【請求項5】 前記系統停電判定手段は前記変動が所定
    の閾値を越え、さらに閾値を越えた状態が所定の時間継
    続した場合に前記系統の停電が生じたと判定するもので
    あることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記
    載の系統連系インバータ装置。
  6. 【請求項6】 前記系統停電判定手段は前記閾値として
    複数のものを用いて前記停電の判定を行うものであるこ
    とを特徴とする請求項4または5に記載の系統連系イン
    バータ装置。
  7. 【請求項7】 前記系統停電判定手段は、系統連系開始
    以前に、連系する系統の電圧波形に含まれる系統周波数
    以下の所定の低周波成分を抽出し、この抽出結果を前記
    閾値に反映させるものであることを特徴とする請求項4
    〜6のいずれか1項に記載の系統連系インバータ装置。
  8. 【請求項8】 前記系統停電判定手段は前記変動の検出
    として、前記インバータの出力電圧波形または出力電流
    波形の波高値、平均値または実効値における系統周波数
    以下の所定の低周波成分の抽出を行うものであることを
    特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の系統連
    系インバータ装置。
  9. 【請求項9】 前記系統停電判定手段は前記低周波成分
    の抽出を、前記出力電圧波形または出力電流波形の波高
    値、平均値または実効値のフーリエ変換により行うもの
    であることを特徴とする請求項8に記載の系統連系イン
    バータ装置。
  10. 【請求項10】 前記系統停電判定手段は前記低周波成
    分として、前記フーリエ変換によって得られるスペクト
    ルに基づき、前記波高値、平均値または実効値の実際の
    変動周波数の成分に相当するものを抽出するものである
    ことを特徴とする請求項9に記載の系統連系インバータ
    装置。
  11. 【請求項11】 入力される直流電力を交流電力に変換
    して出力するインバータ部、前記インバータ部の入力端
    子間を平滑化するコンデンサ、前記コンデンサの端子間
    電圧を検出する第1電圧検出手段、前記第1電圧検出手
    段の第1電圧検出値が所定値となるよう前記インバータ
    部の出力を制御する電圧制御手段を具備し、出力電圧を
    維持する手段を有しない系統連系インバータ装置におい
    て、 前記インバータ部の出力電圧を検出する第2電圧検出手
    段および/または前記インバータ部の出力電流を検出す
    る電流検出手段と、 前記第2電圧検出手段からの第2電圧検出値および/ま
    たは前記電流検出手段からの電流検出値とに基づいて、
    系統停電時に前記電圧制御手段の電圧一定制御に起因す
    る変動を検出し、前記変動により系統の停電を判定する
    系統停電検出手段とを有し、 前記系統停電検出手段からの停電検出信号により運転を
    停止することを特徴とする系統連系インバータ装置。
  12. 【請求項12】 直流電源、前記直流電源から供給され
    る直流電力を交流電力に変換して出力する請求項1〜1
    1のいずれかの系統連系インバータ装置、および系統と
    前記系統連系インバータ装置との間の接続を開閉する開
    閉手段を備え、前記系統連系インバータ装置の系統停電
    判定手段が、前記系統が停電であると判定したとき、前
    記開閉手段により前記系統から前記系統連系インバータ
    装置を解列することを特徴とする系統連系電源システ
    ム。
  13. 【請求項13】 請求項12の系統連系電源システムを
    備え、その直流電源が太陽電池を用いたものであること
    を特徴とする太陽光発電システム。
  14. 【請求項14】 入力される直流電力を交流電力に変換
    して出力するインバータ部および前記インバータ部への
    入力電圧を一定に制御する制御手段を備えた系統連系イ
    ンバータ装置における系統の停電検出方法であって、前
    記系統の停電時に前記制御手段による制御に起因して生
    じる前記インバータの出力電圧または出力電流の変動を
    検出して前記系統の停電の有無を判定することを特徴と
    する系統の停電検出方法。
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