JP2001319880A - デバイスの作製方法 - Google Patents

デバイスの作製方法

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JP2001319880A JP2001086935A JP2001086935A JP2001319880A JP 2001319880 A JP2001319880 A JP 2001319880A JP 2001086935 A JP2001086935 A JP 2001086935A JP 2001086935 A JP2001086935 A JP 2001086935A JP 2001319880 A JP2001319880 A JP 2001319880A
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久 大谷
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ニッケルを用いて結晶化させた珪素膜中のニ
ッケル元素を減少させる技術を提供する。 【解決手段】 第1の非晶質半導体膜103に珪素の結
晶化を助長する金属元素を導入し、前記第1の非晶質半
導体膜を加熱して結晶性半導体膜105を形成し、前記
結晶性半導体膜上に第2の非晶質半導体膜107を形成
し、前記結晶性半導体膜および前記第2の非晶質半導体
膜を加熱し、当該加熱後の結晶性半導体膜108を用い
て形成することを特徴とするデバイスの作製方法であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本明細書で開示する発明は、
ガラス基板等の絶縁表面を有する基板上に形成される結
晶性を有する珪素半導体薄膜の作製方法に関する。ま
た、その半導体薄膜を用いたデバイスの作製方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、ガラス基板上に形成された珪素薄
膜を用いて薄膜トランジスタを構成する技術が注目され
ている。この薄膜トランジスタは、主にアクティブマト
リクス型の液晶電気光学装置や、その他の薄膜集積回路
に利用されている。液晶電気光学装置は一対のガラス基
板間に液晶を封入して、液晶に電界を加えることによっ
て、液晶の光学特性を変化させて、画像表示を行わせる
ものである。
【0003】特に、薄膜トランジスタが用いられるアク
ティブマトリクス型の液晶表示装置は、各画素にスイッ
チとして薄膜トランジスタを配置して、画素電極に保持
される電荷を制御することを特徴とする。アクティブマ
トリクス型の液晶表示装置は、微細な画像を高速で表示
できるため、各種電子機器(例えば携帯型のワードプロ
セッサーや携帯型のコンピュータ)のディスプレーに利
用されている。アクティブマトリクス型の液晶表示装置
に利用される薄膜トランジスタとしては、非晶質珪素薄
膜(アモルファスシリコン薄膜)を利用したものが一般
的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、非晶質
珪素薄膜を用いた薄膜トランジスタでは、 (1)特性が低く、より高品質な画像表示を行うことが
できない。 (2)画素に配置された薄膜トランジスタを駆動するた
めの周辺回路を構成することができない。といった問題
がある。
【0005】上記の問題点(2)は、非晶質珪素薄膜を
用いた薄膜トランジスタではPチャネル型の薄膜トラン
ジスタが実用にならないので、CMOS回路が構成でき
ないという問題と、非晶質珪素薄膜を用いた薄膜トラン
ジスタでは高速動作ができず、また大電流を流すことが
できないので、周辺駆動回路を構成することができない
という問題とに分けて考えることができる。
【0006】これらの問題を解決する方法としては、結
晶性珪素薄膜を用いて薄膜トランジスタを形成する技術
を挙げることができる。結晶性珪素薄膜を得る方法とし
ては、非晶質珪素膜に対して加熱処理を加える方法と、
非晶質珪素膜に対してレーザー光を照射する方法とを挙
げることができる。
【0007】加熱処理により非晶質珪素膜を結晶化させ
る方法は、一般的に以下のような問題がある。普通、液
晶電気光学装置に利用される薄膜トランジスタを構成し
ようとするには、透光性を有する基板上に形成すること
が要求される。透光性を有する基板としては、石英基板
やガラス基板を挙げることができる。しかし、石英基板
は高価であり、コストの削減が大きな技術的課題である
液晶電気光学装置に利用することはできない。従って、
一般的にはガラス基板が利用されることになるが、ガラ
ス基板はその耐熱温度が低いという問題がある。
【0008】一般に、液晶電気光学装置に利用されるガ
ラス基板としてコーニング7059ガラス基板が利用さ
れている。このガラス基板の歪点は593℃であり、こ
の温度以上で加熱処理を加えると、基板の縮みや変形が
顕著になってしまう。近年、液晶電気光学装置は大面積
化される傾向にあり、基板の縮みや変形は極力抑えなけ
ればならない。
【0009】一方、非晶質珪素膜を加熱により結晶化さ
せるには、600℃以上の温度が必要とされることが実
験的に判明しており、またその加熱時間も数十時間が必
要なことが判明している。このような高温でしかも長時
間の加熱は、大面積のガラス基板に対して到底行うこと
ができない。
【0010】また、レーザー光の照射によって、非晶質
珪素膜を結晶化させる技術も知られている。しかし、大
面積に渡ってレーザー光を一様に照射することや、一定
の照射パワーを維持して照射することは現実問題として
困難である。
【0011】本明細書で開示する発明の目的は、極力低
温の加熱による処理で非晶質珪素膜を結晶性珪素膜に変
成する半導体薄膜の作製方法を提供することにある。特
に、高性能な特性を有する薄膜トランジスタを構成する
ことができるような結晶性の半導体薄膜の作製方法を提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述の問題点を解消する
ために、本発明に係る半導体薄膜の作製方法は、非晶質
珪素膜中に金属元素を導入する工程と、前記非晶質珪素
膜を結晶化させて結晶性珪素膜を得る工程と、前記結晶
性珪素膜上に前記金属元素を拡散させる膜を形成する工
程と、前記金属元素を拡散させる膜中に前記金属元素を
拡散させる工程と、前記金属元素を拡散させた膜を除去
する工程と、を有することを特徴とする。
【0013】上記構成において、結晶化される非晶質珪
素膜は、ガラス基板または絶縁膜が形成されたガラス基
板上にプラズマCVD法や減圧熱CVD法で形成された
膜を挙げることができる。
【0014】また、金属元素としては、Fe、Co、N
i、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Au
から選ばれた一種または複数種類の元素を挙げることが
できる。これらの金属元素は珪素の結晶化を助長する触
媒作用を有し、これら金属元素の中で特に効果があるの
がニッケル(Ni)である。
【0015】上記の金属元素の導入方法としては、非晶
質珪素膜の表面にこれら金属の層または金属を含む層を
形成する方法を挙げることができる。具体的には、CV
D法やスパッタ法さらには蒸着法等によって、金属元素
の層または金属元素を含む層を形成する方法や、金属元
素を含んだ溶液を非晶質珪素膜上に塗布する方法を挙げ
ることができる。CVD法やスパッタ法さらには蒸着法
等を用いた場合には、極薄い均一な膜を成膜することが
困難であることから、金属元素が非晶質珪素膜上の不均
一に存在することになってしまい、結晶成長の際に金属
元素が偏在し易いという問題がある。他方、溶液を用い
る方法は、金属元素の濃度を容易に制御することがで
き、かつ、金属元素を均一に非晶質珪素膜の表面に接し
て保持させることができるので、非常に好ましい。
【0016】珪素の結晶化を助長する金属元素が導入さ
れた非晶質珪素膜を結晶化させるには、450℃以上の
温度で加熱を行えばよい。この加熱温度の上限は基板と
して用いられるガラス基板の耐熱温度で制限される。ガ
ラス基板の場合には、この耐熱温度はガラスの歪点と考
えることができる。加熱処理の1例としては、550℃
程度の温度とすることが、ガラス基板の耐熱性や生産性
の観点から見て適当である。また基板として石英基板等
の1000℃以上の温度にも耐えるような材料を用いた
場合には、この加熱における加熱温度もその耐熱温度に
従って高くすることができる。また、加熱温度が高い
程、結晶性の優れた膜を得ることができる。
【0017】上記の構成において、金属元素を拡散させ
るための膜には、一般的なCVD法で形成される非晶質
珪素膜を挙げることができる。例えば加熱により結晶化
された結晶性珪素膜の出発膜となった非晶質珪素膜と同
じ成膜方法で得られる非晶質珪素膜を用いることができ
る。しかしより好ましくは、欠陥密度が高く、当該金属
元素をトラップし易い膜質とするとよい。これは、この
珪素膜中に結晶性珪素膜中の金属元素をより拡散し易く
することができるからである。欠陥密度の高い非晶質珪
素膜を得るには、プラズマCVD法において水素を用い
ずにシランのみで成膜を行う、スパッタ法を用いる、プ
ラズマCVD法において成膜温度を下げる、といった手
段を採用することによって実現できる。
【0018】この非晶質珪素膜はその膜厚を結晶性珪素
膜の膜厚よりも厚くすることが効果的である。これは、
非晶質珪素膜の膜厚が厚いほど、結晶性珪素膜に対する
体積比を大きくすることができ、より多くの金属元素を
非晶質珪素膜中に拡散させることができるからである。
【0019】更に、金属元素を拡散させるための膜とし
て、多結晶珪素膜、非晶質状態の非晶質状態のSiX
1-X 膜(0<x<1)を使用することもできる。多結
晶珪素膜を得るには、減圧CVD法を採用すればよい。
また、非晶質状態のSiX Ge1-X を得るには、原料ガ
スにシラン(SiH4 )とゲルマン(GeH4 )を使用
して、プラズマCVD法により形成すればよい。
【0020】結晶性珪素膜中に金属元素を拡散させる
(吸い取らせる)工程は、加熱処理により行う。加熱に
伴って、金属元素を拡散させる膜中に、結晶化珪素膜中
の金属元素が拡散するために、結晶化珪素膜中の金属元
素の濃度を低くすることがてきる。
【0021】次に、金属元素を拡散させた膜を除去す
る。この際に、結晶化させる非晶質珪素膜上に、予め酸
化膜を形成しておくと、エッチングストッパーとして機
能させることができ、金属元素を拡散させた膜のみを選
択的にエッチングすることができる。
【0022】図1を用いて、本発明の構成を具体例に説
明する。珪素の結晶化を助長する金属元素であるニッケ
ルを用いて結晶性珪素膜105をガラス基板101上に
形成する。結晶化の方法は加熱処理を利用する。なお、
ガラス基板101の表面には、下地膜として酸化珪素膜
102が形成されている。(図1(B))
【0023】次に図1(C)に示すように酸化膜106
を形成し、さらに金属元素を拡散させる膜として非晶質
珪素膜107を成膜して、加熱処理する。この加熱処理
は非晶質珪素膜が結晶化しない温度(一般的に450℃
以下)で行う方法と、非晶質珪素膜が結晶化してしまう
温度(一般的に450℃以上、好ましくは500℃以
上)で行う方法とに分けることができる。
【0024】結晶性珪素膜105上に設けられた非晶質
珪素膜107の結晶化が起こらない温度で加熱処理をし
た場合には、加熱処理の温度は400〜450℃とし、
その加熱時間は5分〜10時間程度とすればよい。これ
により、非晶質珪素膜107中に徐々に結晶性珪素膜1
05中の金属元素が拡散して(吸い取られて)いく状態
となる。従って、長い時間に渡って加熱処理を行うと、
徐々にではあるが、結晶性珪素膜105中の金属元素の
濃度を下げることができる。そして、非晶質珪素膜10
7を酸化膜106をエッチングストッパーとして除去す
ることにより、非晶質珪素膜107中の金属元素の濃度
に比較して、結晶性珪素膜105中の金属元素の濃度を
小さな結晶性珪素膜108を得ることができる。(図1
(D)
【0025】この作用は非晶質珪素膜107中に、金属
元素と結合しやすい状態で珪素の原子が存在している
(非晶質状態では不対結合手が多量に存在している)た
めである。また、この作用は非晶質珪素膜107中の欠
陥密度を人為的に多くした場合に、より顕著に得ること
ができる。
【0026】他方、結晶性珪素膜105上に設けられた
非晶質珪素膜107の結晶化が進行する温度で加熱処理
をした場合には、非晶質珪素膜107が結晶化した時点
で金属元素の拡散が見かけ状停止してしまう。また、結
晶性珪素膜105中の金属元素濃度と、この金属元素を
吸い取らせるための珪素膜107(加熱処理において結
晶化してしまう)中の金属元素濃度との平均値が概略同
一になった時点で、金属元素の拡散は見かけ上停止して
しまう。
【0027】しかしながら、結晶性珪素膜105中にお
いては、金属元素が局部的に集中して偏在していること
が判明しており、この現象を抑制するためには、本発明
の方法は有効なものとなる。これは、結晶成長の先端部
分に金属元素が集中して存在している現象を利用して、
この結晶成長の先端部を後に除去される珪素膜中に追い
やることにより、素子の作製に利用しようとする珪素膜
中には、金属元素の集中した部分が存在しないようにす
る方法である。
【0028】即ち、非晶質珪素膜107が結晶化する温
度で加熱処理を行い、この膜を結晶化させる。この際、
結晶成長は珪素膜107の酸化膜106に接した面から
その露呈した表面へと進行する。また、結晶成長と同時
に金属元素の集中した部分は珪素膜107中を移動して
いく。結果として、ニッケル元素が集中した部分が珪素
膜105中から追いやられて、珪素膜107中(特にそ
の表面)に存在することになる。そして、珪素膜107
を酸化膜106をエッチングストッパーとして除去する
ことにより、ニッケル元素が偏在する領域が無い結晶性
珪素膜108を得ることができる。(図1(D)
【0029】
【作用】結晶化を助長する金属の作用によって結晶化し
た結晶性珪素膜の表面に、非晶質珪素膜等の金属元素を
拡散させるための膜を形成し、しかる後に加熱処理を行
うことで、金属元素を拡散させるための膜中に金属元素
を拡散させる。こうすることで、事実上、金属元素を拡
散させるための膜によって結晶性珪素膜中の金属元素の
吸い出しを行うことができるため、金属元素の濃度が低
く、かつ結晶性の良好な結晶性珪素膜を得ることができ
る。
【0030】また、図1に示す結晶性半導体薄膜の作製
工程は全て550℃以下というガラス基板の耐え得る温
度で行うことができるので、例えば液晶電気光学装置の
ように、ガラス基板上に形成される薄膜トランジスタの
作製工程に極めて有用なものとなる。
【0031】また金属元素を拡散させる膜を容易に除去
するために、結晶性珪素膜上に酸化膜を形成しておくこ
とは有効である。酸化膜は珪素膜のエッチングに用いら
れるエッチャント(例えばヒドラジンやClF3 )に対
して選択性を有しているので、エッチングストッパーと
して機能させることができる。
【0032】また金属元素の作用によって結晶化された
結晶性珪素膜(第1の珪素膜)の表面に非晶質珪素膜
(第2の珪素膜)を形成し、しかる後に加熱処理を行い
この2層目の非晶質珪素膜を結晶化させることで、第1
の珪素膜中において存在する金属元素の集中した部分を
第2の珪素膜中に追いやることができ、第1の珪素膜中
に金属元素が偏在することを抑制することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
【実施例】〔実施例1〕本実施例は、ガラス基板上に非
晶質珪素膜を形成し、しかる後に珪素の結晶化を助長す
る金属膜を非晶質珪素膜に導入し、しかる後に加熱によ
り非晶質珪素膜を結晶化させ、さらに結晶化した珪素膜
(結晶性珪素膜)上に酸化膜(酸化珪素膜)を介して非
晶質珪素膜を形成し、再び加熱処理を施すことにより、
非晶質珪素膜中に結晶性珪素膜中からニッケル元素を拡
散させ(ニッケル元素を非晶質珪素膜に吸い出させ
る)、結果として結晶性珪素膜中におけるニッケル元素
濃度を低下させる技術に関する。
【0034】図1に本実施例に示す結晶性珪素膜の作製
工程を示す。まず、コーニング7059ガラス基板10
1(歪点593℃)上に、下地膜として酸化珪素膜10
2を3000Åの厚さに成膜する。この酸化珪素膜10
2は、ガラス基板101から不純物やアルカリイオンが
後に形成される半導体薄膜中に拡散することを防ぐため
のものである。次にプラズマCVD法または減圧熱CV
D法によって、非晶質珪素膜103を600Åの厚さに
成膜する。そして、所定のニッケル濃度に調整したニッ
ケル酢酸塩溶液を非晶質珪素膜103上に滴下して、水
膜104を形成する。そしてスピナー100を用いてス
ピンコートを行い、ニッケル元素が非晶質珪素膜103
の表面に接して保持された状態とする。(図1(A))
【0035】次に加熱処理を行い非晶質珪素膜103を
結晶化させて、結晶性珪素膜105を得る。この加熱温
度は450℃以上、好ましくは500℃以上の温度で行
うことができる。ガラス基板101の耐熱性を考慮すれ
ば、ガラス基板101の歪点以下の温度とすることが好
ましい。なお500℃以下の温度でこの加熱処理を行っ
た場合には、加熱処理に要する時間が数十時間以上とな
るので実用的ではない。(図1(B))
【0036】この結晶性珪素膜105中におけるニッケ
ル濃度は1×1016原子cm-3〜5×1019原子cm-3
とする必要がある。このため、図1(A)の工程におい
て、得られた結晶性珪素膜105中におけるニッケル濃
度が上記範囲となるように、ニッケル酢酸塩溶液中のニ
ッケル濃度を調整する必要がある。なお、ニッケル濃度
はSIMS(2次イオン分析方法)を用いて計測した値
の最小値として定義される。
【0037】結晶性珪素膜105が得られたら、その表
面に酸化珪素膜106を形成する。酸化珪素膜106の
厚さは数十Å〜100Å程度とすればよい。このような
薄い膜とするのは、この酸化珪素膜106を介して、結
晶性珪素膜105中のニッケル元素が移動できるように
する必要があるからである。ここでは、空気中で、UV
光の照射によって極薄い酸化珪素膜106を形成する。
この酸化珪素膜106は自然酸化膜程度の極薄い膜であ
っても、後の非晶質珪素膜(107で示される)のエッ
チングに際してエッチングストッパーとしての効果があ
ることが判明している。
【0038】ここでは、UV酸化法を用いて酸化珪素膜
106を形成したが、熱酸化法を用いて形成してもよ
い。また、酸化珪素膜106は、後のエッチング工程に
おけるエッチングストッパーとして機能するもので、結
晶性珪素膜105に対してエッチングの際の選択性が得
られる膜であればよい。例えば酸化珪素膜106の代わ
りに極薄い窒化珪素膜を用いることもできる。
【0039】次にプラズマCVD法または減圧熱CVD
法により、非晶質珪素膜107を600Åの厚さに形成
する。
【0040】この状態でSIMS(2次イオン分析法)
を用いて、ニッケル元素の膜厚方向の濃度分布を調べた
ものを図2に示す。図2に示されているのは、非晶質珪
素膜107の表面から深さ方向におけるニッケル元素の
分布を示すものである。図2を見れば分かるように、非
晶質珪素膜107中におけるニッケル元素は測定限界以
下(この場合は、1×1017原子cm-3が測定限界)で
あり、また結晶性珪素膜105中には最大で5×1018
原子cm-3程度のニッケル元素が存在していることが分
かる。
【0041】そして加熱処理を施すことにより、非晶質
珪素膜107中に結晶性珪素膜105中のニッケル元素
を酸化膜106を介して拡散させる。この工程は、非晶
質珪素膜107によって、結晶性珪素膜105中のニッ
ケル元素を吸い出させる工程であると理解することもで
きる。(図1(C))
【0042】加熱工程を非晶質珪素膜107が結晶化し
ない温度である400℃〜450℃の温度で行ってい
る。本実施例では、450℃の温度で2時間の加熱処理
を行う。加熱処理を行うと、結晶性珪素膜105中のニ
ッケル元素が非晶質珪素膜107に拡散し、結晶性珪素
膜105中のニッケル元素の濃度を低くすることができ
る。
【0043】一般的に非晶質珪素膜107の厚さを結晶
性珪素膜105の厚さ以上のもとすれば、上記加熱処理
を行うことにより、結晶性珪素膜105中のニッケル濃
度を1/2以下とすることができる。
【0044】図3に上記図1(C)に示す加熱処理工程
を2時間行った状態における膜厚方向におけるニッケル
元素の濃度の分布を示す。図3に示すデータは図2に示
すデータと同じ測定法によるものである。
【0045】図3を見れば明らかなように、ニッケルは
非晶質珪素膜107中に拡散している。しかし、結晶性
珪素膜105中に濃度の方がやや高いことが見てとれ
る。図3より、図1(C)に示す加熱工程において、結
晶性珪素膜105中のニッケル元素が非晶質珪素膜10
7中に吸い出されたことが理解される。
【0046】図4に示すのは、図3に示すデータが得ら
れてから、さらに450℃の温度で2時間の加熱処理を
加えた状態(最終的に450℃の温度で4時間の加熱処
理を加えた状態)における、ニッケルの濃度分布であ
る。図4と図3を比較すれば明らかなように、結晶性珪
素膜105中のニッケル元素が徐々に非晶質珪素膜10
7に吸い出されていく様子が見てとれる。これは、非晶
質珪素膜107中には不対結合手が多量に存在してお
り、ニッケルが結合し易い珪素原子が多数存在している
ためであると考えられる。さらに長時間の加熱処理を加
えることにより、徐々にではあるが、さらに結晶性珪素
膜105中のニッケル濃度を下げることができる。この
ような作用は、非晶質珪素膜107を結晶化してしまう
場合には、見られない顕著な特徴である。
【0047】そして、非晶質珪素膜107をエッチング
によって除去する。ここでは非晶質珪素膜107のエッ
チャントとしてヒドラジン(N2 6 )を用いる。ヒド
ラジンをエッチャントとして用いた場合には、結晶性珪
素膜105のエッチングレートに比較して、非晶質珪素
膜107のほうがエッチングレートが速い。しかも本実
施例においては、ヒドラジンではエッチングされない
(そのエッチングレートは極めて低く、相対的に見た場
合、エッチングされないと見なすことができる)酸化珪
素膜106がエッチングストッパーとして、結晶性珪素
膜105上に形成されている。従って、ニッケルを吸い
出した非晶質珪素膜107のみを選択的に取り除くこと
ができる。なお非晶質珪素膜107のエッチングには、
ドライエッチングを用いてもよい。
【0048】次に酸化珪素膜106をバッファフッ酸や
フッ硝酸によって取り除き、図1(D)に示すようなニ
ッケル元素の含有濃度を低くすることができた結晶性珪
素膜108を得る。この結晶性珪素膜108中のニッケ
ル元素の濃度は、図4を見ても分かるように、例えば3
×1018原子cm-3弱程度である。この値は、図2と比
較すれば分かるように、図1(C)の加熱処理前に比較
して、ニッケル元素の濃度を1/2(平均すれば1/2
以下となる)にできたことを意味する。
【0049】本実施例においては、結晶性珪素膜105
の上に形成される非晶質珪素膜107の膜厚を結晶性珪
素膜105と同じものとした。しかし、非晶質珪素膜1
07の膜厚をさらに厚くすることで、最終的に得られる
結晶性珪素膜108中に含まれるニッケル元素の濃度を
さらに低くすることができる。即ち、結晶性珪素膜10
5の体積に比較して、非晶質珪素膜107の体積をより
大きくすることで、より多くのニッケル元素を非晶質珪
素膜107に吸い出させることができる。
【0050】本実施例の構成を採用することで、得られ
た結晶性珪素膜108中のニッケル濃度を5×1018
子cm-3以下とすることができる。
【0051】〔実施例2〕本実施例は、図1に示した実
施例1の作製工程において、図1(C)に示す加熱処理
工程を加熱温度を550℃とし、加熱時間を4時間とす
る条件で行うことを特徴とする。図1(C)に示す加熱
処理工程を550℃、4時間の条件で行った場合、10
7で示される非晶質珪素膜は結晶性珪素膜105から拡
散してくるニッケル元素の作用により結晶化してしま
う。
【0052】この際、結晶化が酸化膜106を介して、
結晶性珪素膜105から非晶質珪素膜107に向かう方
向で進行する。前述したように、珪素の結晶化を助長す
る金属元素は、結晶成長の先端部分に集中する傾向があ
る。従って、結晶化された珪素膜107(この段階では
結晶性珪素膜に変成されている)の表面に、ニッケル元
素の集中した領域が形成される。すると当然のことであ
るが、結晶性珪素膜105中のニッケル濃度は低減され
る。
【0053】また、結晶性珪素膜105の表面に存在し
ていたニッケル元素の偏在領域は、非晶質珪素膜107
の結晶化が進行するのに従って、その結晶成長の先端部
分と共に移動する。即ち、このニッケル元素の偏在領域
は、結晶化の終了後において、珪素膜107(ここでは
結晶化された状態を指す)中に存在することなる。従っ
て、結晶性珪素膜105の表面に存在していたニッケル
元素の偏在領域を消滅させることができる。
【0054】このように非晶質珪素膜107を結晶化さ
せてしまった場合、この結晶化した珪素膜を選択的に取
り除くことができるかが懸念される。しかし、エッチン
グストッパーとして機能する酸化珪素膜106が形成さ
れているので、選択的に107で示される珪素膜(この
場合は結晶化されている)のみを取り除くことができ
る。即ち、ヒドラジンやClF3 ガスを用いたエッチン
グを行うと、珪素膜107のエッチング速度に比較し
て、106で示される酸膜のエッチング速度が極めて小
さいので、エッチングを珪素膜107のエッチングが終
了した時点で停止させることができる。
【0055】本実施例に示すような構成を採用した場
合、図1(B)に示す加熱工程と図1(C)に示す加熱
工程とを同じ条件で行うことができる。
【0056】〔実施例3〕本実施例は、実施例1や実施
例2で示す作製方法によって得られた結晶性珪素膜を用
いて、薄膜トランジスタを作製する例を示す。図5に本
実施例に示す薄膜トランジスタの作製工程を示す。実施
例1または実施例2に示した方法を用いて、下地膜50
2が形成されたガラス基板501上に結晶性珪素膜50
3を形成する。(図5(A))
【0057】次に得られた結晶性珪素膜503をパター
ニングして、504で示されるような薄膜トランジスタ
の活性層を形成する。そしてプラズマCVD法または減
圧熱CVD法で、ゲート絶縁膜として機能する酸化珪素
膜505を1000Åの厚さに形成する。(図5
(B))
【0058】次に、スカンジウムを含有したアルミニウ
ム膜を6000Åの厚さに成膜して、パターニングを施
すことにより、506で示すゲート電極を形成する。そ
して電解溶液中において、ゲート電極506を陽極とし
た陽極酸化を行うことによって、酸化物層507を形成
する。この酸化物層507の厚さは2000Åとする。
この酸化物層507の厚さで、後の工程においてオフセ
ットゲート領域を形成することができる。
【0059】さらに活性層504に対して不純物イオン
の注入を行う。ここでは、不純物イオンとしてリンイオ
ンを注入する。この工程で、508と511で示される
領域にリンイオンが注入される。この508と511で
示される領域がソース/ドレイン領域となる。また50
9の領域はオフセットゲート領域となる。また510の
領域はチャネル形成領域となる。
【0060】不純物イオンの注入終了後、レーザー光を
照射して、注入されたイオンの活性化とイオンの注入時
において損傷を受けたソース/ドレイン領域508、5
11のアニールとを行う。(図5(C))
【0061】次に層間絶縁膜として酸化珪素膜512を
形成し、さらにコンタクトホールの形成を行い、ソース
電極513とドレイン電極514の形成をアルミニウム
を用いて行う。さらに最後に350℃の水素雰囲気中に
おいて加熱処理を行って、薄膜トランジスタを完成させ
る。(図5(D))
【0062】〔実施例4〕本実施例は、珪素の結晶化を
助長する金属元素であるニッケルの導入を選択的に行う
ことにより、基板に平行な方向に結晶成長した結晶性珪
素膜を得ると同時に、この結晶性珪素膜中のニッケル濃
度を低下させる技術に関する。
【0063】ガラス基板601上に、下地膜602とし
て酸化珪素膜を3000Åの厚さにスパッタ法によって
成膜する。次に非晶質珪素膜603を500Åの厚さに
プラズマCVD法または減圧熱CVD法によって成膜す
る。次に酸素雰囲気中においてUV光を照射し、非晶質
珪素膜603の表面に極薄い酸化膜(図示せず)を形成
する。この酸化膜は、後の溶液塗布工程で溶液の濡れ性
を改善するためのものである。そして、レジストを用い
てマスク604を形成する。レジストマスク604によ
って露呈される領域605は、図6(A)の紙面に垂直
な方向に長手方向を有するスリット状を有している。次
に所定の濃度でニッケルを含有したニッケル酢酸塩溶液
を滴下し、水膜606を形成する。(図6(A))
【0064】さらにスピナー600を用いてスピンコー
トを行い、非晶質珪素膜603上にの領域605におい
て、図示しない酸化膜を介してニッケル元素が接して保
持された状態とする。
【0065】そしてレジストマスク604を取り除く。
次に加熱処理を加えて、非晶質珪素膜603の結晶化を
行う。ニッケル元素は605で示される領域において、
非晶質珪素膜603に図示しない酸化膜を介して接して
保持された状態から、図示しない酸化膜を通して非晶質
珪素膜603中に拡散していく。ニッケル元素の拡散に
伴って、非晶質珪素膜603は矢印607で示されるよ
うに基板に平行な方向に結晶成長が進行して、結晶性珪
素膜608が形成される。この結晶成長は柱状あるいは
針状に進行する。本実施例の場合は、605で示される
領域が図面の手前方向から奥手方向に長手方向を有する
スリット状を有しているので、矢印607で示されるよ
うな結晶成長は、略1方向に沿って進行する。また結晶
成長は数10μm〜100μm以上に渡って行わすこと
ができる。(図6(B))
【0066】結晶性珪素膜608を得た後に、酸化膜6
09を50Åの厚さに熱酸化法で成膜する。さらに、プ
ラズマCVD法または減圧熱CVD法により、非晶質珪
素膜610を1000Åの厚さに成膜する。(図6
(C))
【0067】そして450℃、2時間の加熱処理を行
い、結晶性珪素膜608中のニッケル元素を酸化膜60
9を介して非晶質珪素膜610中に拡散させる。そし
て、非晶質珪素膜610をClF3 ガスでエッチング
し、さらに酸化膜609をバッファフッ酸によって除去
する。こうして、図6(D)に示すようなニッケル濃度
が低下した結晶性珪素膜611を得ることができる。こ
の結晶性珪素膜611は607で示されるような基板に
平行な方向に結晶成長した領域を有し、かつ膜中におけ
るニッケル濃度が低いという特徴を有する。
【0068】実験によれば、605で示される領域に導
入されるニッケルの量がある程度多い方が、607で示
す基板に平行な方向への結晶成長(横方向成長という)
の距離を長くできることが判明している。しかしなが
ら、ニッケル元素の導入量を多くすると、最終的に得ら
れる結晶性珪素膜611中におけるニッケル濃度を高く
する要因となるので、好ましくない。これは、膜中にお
けるニッケル濃度が高くなると(実験によれば5×10
19原子cm-3以上となると)、珪素膜の半導体としての
特性が損なわれたり、また作製される薄膜トランジスタ
の動作が不安定になったり、特性の劣化が激しくなった
りする問題が顕在化してしまう。
【0069】しかし、本実施例に示すように、結晶化の
終了後にニッケル元素を除去することで、横方向への結
晶成長距離を長くするという要請と、得られた結晶性珪
素膜611中におけるニッケル濃度(金属元素の濃度)
を極力低くしたいという要請とを両立させることができ
る。
【0070】〔実施例5〕本実施例は、実施例4におい
て得られた結晶性珪素膜を用いて薄膜トタンジスタを構
成する例を示す。図7に本実施例の作製工程を示す。図
6に示す工程に従って、結晶性珪素膜を得る。この結晶
性珪素膜は基板に平行な方向に結晶成長した領域を有し
ている。
【0071】図7(A)に示すように、結晶性珪素膜を
パターニングして薄膜トランジスタの活性層703とな
る領域を形成する。図7(A)において、701はガラ
ス基板であり、702は下地膜の酸化珪素膜である。
【0072】ここで、活性層703内に図6(B)で示
す結晶成長における結晶成長の始点(ニッケルが導入さ
れた領域)と結晶成長の終点とが存在しないようにする
ことが重要である。これは、結晶成長の始点と結晶成長
の終点とには、ニッケルが高濃度に含まれているからで
ある。
【0073】さらにゲート絶縁膜として機能する酸化珪
素膜704を1000Åの厚さにプラズマCVD法によ
り成膜する。(図7(A))
【0074】次にアルミニウムを主成分とする膜を形成
し、さらにパターニングを施すことにより、ゲート電極
705を形成する。ゲート電極705を陽極にして、電
解溶液中で陽極酸化して、酸化物層706を形成する。
酸化物層706の厚さで後の不純物イオンの注入工程に
おいて、オフセットゲート領域を形成することができ
る。(図7(B))
【0075】不純物イオンとしてリンイオンを注入す
る。この工程でソース領域707とドレイン領域710
とが形成される。更に、オフセットゲート領域708と
チャネル形成領域709とが形成される。不純物イオン
の注入終了後、レーザー光または強光を照射することに
より、ソース/ドレイン領域707、710を活性化す
る。
【0076】そして、層間絶縁膜となる酸化珪素膜71
1をプラズマCVD法によって、6000Åの厚さに成
膜する。酸化珪素膜711にコンタクトホールを形成し
た後に、ソース電極712とドレイン電極713の形成
を行う。こうして薄膜トランジスタが完成される。(図
7(C))
【0077】〔実施例6〕本実施例は、図1に示す実施
例1の結晶性珪素膜の作製工程の後に、再び加熱処理を
行うことを特徴とする。図1(C)に示す工程において
加熱処理を施すと、図4に示すように徐々に結晶性珪素
膜105中のニッケル(金属元素)が非晶質珪素膜10
7に吸い出されていく。この際、図4に示すように結晶
性珪素膜105の表面付近のニッケル濃度が、結晶性珪
素膜105の下層の酸化珪素膜102の界面付近のニッ
ケル濃度と比較して高くなってしまう。これは、結晶性
珪素膜105中のニッケルが非晶質珪素膜107の吸い
出されていってしまう結果、結晶性珪素膜105の表面
側にニッケル元素が偏析してしまっていることを意味し
ている。
【0078】このため、図1(D)に示すようなガラス
基板101上に形成された結晶性珪素膜108を用いて
薄膜トランジスタを作製した場合には、この結晶性珪素
膜108の表面をキャリアが伝導することになる。キャ
リアが伝導する領域にニッケルが高濃度に存在している
ことは好ましくない。
【0079】そこで、本実施例においては、図1(D)
に示す状態を得た後、加熱処理を行い、ニッケルを結晶
性珪素膜108中に再び拡散させる。ここで行う加熱処
理はニッケルを拡散させることができればよいので、4
00℃以上の温度であればよい。またその上限は、ガラ
ス基板101の耐熱性によって制限される。従って、こ
こで行う加熱の温度は、400℃以上であって、ガラス
基板の歪点以下の温度であればよい。
【0080】以下に本実施例の詳細を図8を用いて説明
する。図1に示すような作製工程を経て、図1(D)に
示す状態を得る。この状態を図8(A)に示す。図8
(A)には、ニッケルが偏析し、ニッケルが高濃度に含
まれている層802(表面側)と、ニッケル濃度が80
2で示される層側よりも低濃度に含まれている層801
が示されている。この層801と802とで、下地膜1
02を介してガラス基板101上に形成された結晶性珪
素膜108(図1(D)参照)が構成されている。
【0081】この図8(A)に示す状態で図8(B)に
示すように加熱処理を施す。ここでは、500℃、2時
間の加熱処理を施す。この結果、802で示される領域
のニッケル元素は、より低濃度でニッケルが存在する8
01で示される領域に拡散する。こうして、この領域8
02はニッケルの偏析の無い状態とすることができる。
そして、その表面におけるニッケル濃度を低くすること
ができた結晶性珪素膜803を得ることができる。(図
8(C))
【0082】〔実施例7〕本実施例は、実施例7に示す
構成において、結晶化工程において、加熱処理の代わり
にレーザー光の照射を行った場合の例である。本実施例
の工程を図9に示す。まず図1に示す工程を経て、80
2で示されるその表面にニッケル元素が高濃度に存在し
た結晶性珪素膜から成る層と、ニッケル元素が低濃度に
存在する結晶性珪素膜から成る層801とを得る。(図
9(A))
【0083】次にレーザー光を照射することにより、ニ
ッケル元素を層802から層801に拡散させる。(図
9(B))
【0084】これにより、膜中に均一にニッケルが拡散
した状態を有する結晶性珪素膜901を得る。(図9
(C))
【0085】〔実施例8〕本実施例は、実施例1に示す
工程において、図1(C)に示す非晶質珪素膜107を
人為的に欠陥密度の高い状態として成膜することを特徴
とする。実施例1に示す工程においては、図2に示すよ
うに、結晶性珪素膜105中には平均で3×1018原子
cm-3程度のニッケル元素が含まれている。そこで、本
実施例ににおいては、ニッケル元素を除去するのための
非晶質珪素膜107中の欠陥密度を少なくとも上記ニッ
ケル元素の濃度以上として、その除去能力を高めること
を特徴とする。
【0086】非晶質珪素膜107中の欠陥密度はスピン
密度を計測することにより、見積もることができる。ま
た、欠陥を人為的に形成するにはスパッタ法、低温での
プラズマCVD法、あるいは不対結合を中和するための
水素を用いないで、シランやジシランのみよるプラズマ
CVD法や減圧熱CVD法を用いればよい。
【0087】非晶質珪素膜107の欠陥密度を高くする
と、ニッケル元素の除去能力をより大きくすることがで
き、図3や図4に示すような効果をより大きなものとす
ることができる。
【0088】〔実施例9〕本実施例は、ニッケル元素を
拡散させる(ニッケル元素を吸い出させる)膜に、多結
晶珪素膜を使用するようにしたものである。
【0089】図1に本実施例に示す結晶性珪素膜の作製
工程を示す。まず、コーニング7059ガラス基板10
1(歪点593℃)上に下地膜として酸化珪素膜102
を3000Åの厚さに成膜する。次にプラズマCVD法
または減圧熱CVD法によって、非晶質珪素膜103を
600Åの厚さに成膜する。そして、所定のニッケル濃
度に調整したニッケル酢酸塩溶液を非晶質珪素膜103
上に滴下して、スピナー100を用いてスピンコートを
行い、水膜104を形成する。これにより、ニッケル元
素が非晶質珪素膜103の表面に接して保持された状態
となる。(図1(A))
【0090】次に加熱処理を行い非晶質珪素膜103を
結晶化させ、結晶性珪素膜105を得る。ここでは、加
熱温度を550℃とし、加熱時間を4時間とする(図1
(B))
【0091】結晶性珪素膜105が得られたら、その表
面に酸化珪素膜106を数十Å〜100Å程度の厚さ
に、空気中で、UV光の照射によって形成する。次に減
圧熱CVD法により、多結晶珪素膜107を600Åの
厚さに形成する。この多結晶珪素膜107は半導体の活
性層に必要な程度の膜質にする必要はなく、欠陥密度が
高い膜とする。また、この欠陥密度は結晶性珪素膜10
5の欠陥密度よりも高いほうが好ましい。
【0092】次に、加熱処理を施すことにより、非晶質
珪素膜107中に結晶性珪素膜105中のニッケル元素
を酸化膜106を介して拡散させる。(図1(C))
【0093】この際に、加熱温度の下限はニッケルが拡
散し得る温度で定義され、400℃以上である、また、
上限はガラス基板101の歪み温度で定義される。この
加熱処理により、結晶性珪素膜105中のニッケル元素
が多結晶珪素膜107に拡散し、結晶性珪素膜105中
のニッケル元素の濃度を低くすることができる。
【0094】一般的に多結晶珪素膜107の厚さを結晶
性珪素膜105の厚さ以上のもとすれば、上記加熱処理
を行うことにより、結晶性珪素膜105中のニッケル濃
度を1/2以下とすることができる。
【0095】そして、非晶質珪素膜107をエッチング
によって除去する。ヒドラジン(N 2 6 )又はClF
3 ガスを使用すればよい。これに対して、酸化珪素のエ
ッチングレートは極めて低くいため、酸化珪素膜106
がエッチングストッパーとして機能するので、ニッケル
を吸い出した多結晶珪素膜107のみを選択的に取り除
くことができる。次に酸化珪素膜106をバッファフッ
酸やフッ硝酸によって取り除き、ニッケル元素の含有濃
度を低くすることができた結晶性珪素膜108を得る。
(図1(D))
【0096】〔実施例10〕本実施例は、ニッケル元素
を拡散させる(ニッケル元素を吸い出させる)膜に、非
晶質状態のSiX Ge1-X 膜(0<x<1)を使用する
ようにしたものである。図1に本実施例に示す結晶性珪
素膜の作製工程を示す。
【0097】コーニング7059ガラス基板101(歪
点593℃)上に下地膜として酸化珪素膜102を30
00Åの厚さに成膜する。次にプラズマCVD法または
減圧熱CVD法によって、非晶質珪素膜103を600
Åの厚さに成膜する。そして、所定のニッケル濃度に調
整したニッケル酢酸塩溶液を非晶質珪素膜103上に滴
下して、スピナー100を用いてスピンコートを行い、
水膜104を形成する。これにより、ニッケル元素が非
晶質珪素膜103の表面に接して保持された状態とな
る。(図1(A))
【0098】次に加熱処理して、非晶質珪素膜103を
結晶化させて、結晶性珪素膜105を形成する。ここで
は、加熱温度を550℃とし、加熱時間を4時間とする
(図1(B))
【0099】結晶性珪素膜105が得られたら、その表
面に酸化珪素膜106を数十Å〜100Å程度の厚さ
に、空気中で、UV光の照射によって形成する。次に原
料ガスにシラン(SiH4 )とゲルマン(GeH4 )を
使用して、プラズマCVD法により非晶質状態のSiX
Ge1-X 膜107を600Åの厚さに形成する。非晶質
状態のSiX Ge1-X 膜107を欠陥密度が高い膜とす
るには、成膜時の基板温度を低温にしたり、原料ガスを
水素で希釈しないようにすればよい。
【0100】次に、加熱処理を施すことにより、非晶質
状態のSiX Ge1-X 膜107中に、結晶性珪素膜10
5中のニッケル元素を酸化膜106を介して拡散させ
る。(図1(C))
【0101】この加熱温度の下限はニッケルが拡散しう
る温度で定義され、400℃以上である。また、上限は
ガラス基板101の歪み温度で定義される。加熱処理に
より、結晶性珪素膜105中のニッケル元素が非晶質状
態のSiX Ge1-X 膜107中に拡散し、結晶性珪素膜
105中のニッケル元素の濃度を低くすることができ
る。
【0102】そして、SiX Ge1-X 膜107をエッチ
ングによって除去する。この際に、SiX Ge1-X 膜1
07と酸化珪素膜106とのエッチング選択比の高いエ
ッチング溶液、エッチングガスを使用して、酸化珪素膜
106がエッチングストッパーとして機能させるよよう
にする。これにより、ニッケルを吸い出したSiX Ge
1-X 膜107のみを選択的に取り除くことができる。
【0103】次に酸化珪素膜106をバッファフッ酸や
フッ硝酸によって取り除き、図1(D)に示すようなニ
ッケル元素の含有濃度を低くすることができた結晶性珪
素膜108を得る。
【0104】
【発明の効果】金属元素の作用によって、550℃程度
以下という従来に比較して低温で結晶性珪素膜作製する
ことができる。従って、ガラス基板上に結晶性珪素膜を
形成することができる。
【0105】また、金属元素の作用によって結晶化した
珪素膜中の金属元素を非晶質珪素膜中に拡散させること
によって、金属元素の濃度の低い結晶性珪素膜を得るこ
とができる。従って、結晶性珪素膜を用いて、金属元素
の悪影響のないデバイス、例えば薄膜トランジスタを得
ることができる。
【0106】また、金属元素の作用によって結晶化した
珪素膜中の金属元素が偏在した部分を除去するようにし
たため、金属元素が偏在した部分のない結晶性珪素膜を
得ることができる。この結果、金属元素の影響のない半
導体素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 結晶性珪素膜の作製工程を示す図。
【図2】 ニッケル元素の濃度分布を示す図。
【図3】 ニッケル元素の濃度分布を示す図。
【図4】 ニッケル元素の濃度分布を示す図。
【図5】 薄膜トランジスタの作製工程を示す図。
【図6】 結晶性珪素膜の作製工程を示す図。
【図7】 薄膜トランジスタの作製工程を示す図。
【図8】 結晶性珪素膜の作製工程を示す図。
【図9】 結晶性珪素膜の作製工程を示す図。
【符号の説明】
100、600・・・・・・・・・スピナー 101、501、601、701・ガラス基板 102、502、602、702・下地膜(酸化珪素
膜) 103、603・・・・・・・・・非晶質珪素膜 104、602・・・・・・・・・水膜 105、608・・・・・・・・・結晶性珪素膜 106、609・・・・・・・・・酸化膜 107、610・・・・・・・・・金属元素を拡散させ
る膜 108、611・・・・・・・・・結晶性珪素膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺本 聡 神奈川県厚木市長谷398番地 株式会社半 導体エネルギー研究所内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の非晶質半導体膜に珪素の結晶化を助
    長する金属元素を導入し、前記第1の非晶質半導体膜を
    加熱して結晶性半導体膜を形成し、前記結晶性半導体膜
    上に第2の非晶質半導体膜を形成し、前記結晶性半導体
    膜および前記第2の非晶質半導体膜を加熱し、当該加熱
    後の結晶性半導体膜を用いて形成することを特徴とする
    デバイスの作製方法。
  2. 【請求項2】第1の非晶質半導体膜に珪素の結晶化を助
    長する金属元素を導入し、前記第1の非晶質半導体膜を
    加熱して結晶性半導体膜を形成し、前記結晶性半導体膜
    上に該結晶性半導体膜の酸化膜を形成し、前記酸化膜上
    に第2の非晶質半導体膜を形成し、前記結晶性半導体膜
    および前記第2の非晶質半導体膜を加熱し、当該加熱後
    の結晶性半導体膜を用いて形成することを特徴とするデ
    バイスの作製方法。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2において、前記結
    晶性半導体膜および前記第2の非晶質半導体膜の加熱
    後、前記第2の非晶質半導体膜を除去することを特徴と
    するデバイスの作製方法。
  4. 【請求項4】請求項1乃至請求項3のいずれか一におい
    て、前記第1の非晶質半導体膜は、非晶質珪素膜である
    ことを特徴とするデバイスの作製方法。
  5. 【請求項5】請求項1乃至請求項4のいずれか一におい
    て、前記第1の非晶質半導体膜は、スパッタ法を用いて
    形成されることを特徴とするデバイスの作製方法。
  6. 【請求項6】請求項1乃至請求項5のいずれか一におい
    て、前記珪素の結晶化を助長する金属元素は、Fe、C
    o、Ni、Pd、Ir、Pt、CuもしくはAuである
    ことを特徴とするデバイスの作製方法。
  7. 【請求項7】請求項1乃至請求項6のいずれか一におい
    て、前記第2の非晶質半導体膜の膜厚は、前記第1の非
    晶質半導体膜の膜厚よりも厚いことを特徴とするデバイ
    スの作製方法。
  8. 【請求項8】請求項1乃至請求項7のいずれか一におい
    て、前記第2の非晶質半導体膜は、SiXGe1-X(0<
    X<1)であることを特徴とするデバイスの作製方法。
  9. 【請求項9】請求項1乃至請求項8のいずれか一におい
    て、前記結晶性半導体膜および前記第2の非晶質半導体
    膜の加熱は、500℃以上の温度で行われることを特徴
    とするデバイスの作製方法。
  10. 【請求項10】請求項1乃至請求項9のいずれか一にお
    いて、前記第2の非晶質半導体膜の欠陥密度は、前記珪
    素の結晶化を助長する金属元素の濃度よりも高いことを
    特徴とするデバイスの作製方法。
  11. 【請求項11】請求項1乃至請求項10のいずれか一に
    おいて、前記結晶性半導体膜および前記第2の非晶質半
    導体膜の加熱後、前記第2の非晶質半導体膜中の前記珪
    素の結晶化を助長する金属元素の濃度は、前記結晶性半
    導体膜中の前記珪素の結晶化を助長する金属元素の濃度
    よりも高くなることを特徴とするデバイスの作製方法。
  12. 【請求項12】請求項1乃至請求項11のいずれか一に
    記載のデバイスは、薄膜トランジスタであることを特徴
    とするデバイスの作製方法。
  13. 【請求項13】請求項1乃至請求項12のいずれか一に
    記載のデバイスの作製方法を含むことを特徴とする液晶
    表示装置の作製方法。
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